医用画像表示装置および方法、並びにプログラム
【課題】読影医と依頼医の連携による画像診断ワークフローにおいて、読影医や依頼医に余計な作業の手間をかけさせることなく、上記ワークフローを効率化する。
【解決手段】キーワード抽出部22が、入力医用画像データについての読影レポート情報から解剖学的構造物および/または病変に関する情報を抽出し、表示プロトコル決定部24が、抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報に基づいて、表示プロトコルテーブル23に記憶された表示プロトコルからの選択によって、入力医用画像データに対する表示プロトコルを決定し、決定された表示プロトコルに基づいて表示対象の医用画像を表示させる。
【解決手段】キーワード抽出部22が、入力医用画像データについての読影レポート情報から解剖学的構造物および/または病変に関する情報を抽出し、表示プロトコル決定部24が、抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報に基づいて、表示プロトコルテーブル23に記憶された表示プロトコルからの選択によって、入力医用画像データに対する表示プロトコルを決定し、決定された表示プロトコルに基づいて表示対象の医用画像を表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読影レポート情報を利用して医用画像の表示態様を決定する医用画像表示装置、方法、および、この方法をコンピュータに実行させるプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、生体の内部を表す医用画像を用いた画像診断が広く行われるようになっている。この医用画像の取得には、平面X線検出器(FPD)を用いたX線撮影装置や、X線CT装置、超音波(US)診断装置、MRI装置、PET装置等の様々なモダリティが利用されている。
【0003】
実際の画像診断の現場では、画像診断の依頼元である各診療科の医師(以下、依頼医)と医用画像の読影を専門とする医師(以下、読影医)との連携により診断が行われていることが多い。具体的には、依頼医からの検査オーダーに基づいて、放射線技師が患者の撮影を行って医用画像を取得した後、読影医がその医用画像の読影を行い、読影結果をまとめたレポートを作成して依頼医に返し、依頼医は、作成されたレポートに記載された所見を読み、レポートに貼り付けられた画像を参照しつつ、問診結果や他の検査結果等の種々の情報も考慮して最終的な診断を行う。
【0004】
この読影レポートの作成・参照に関する従来技術としては、レポートに貼り付けられた複数の画像の各々がレポート中の所見内容のどの部分と関係しているかを明確にするために、読影レポートの作成の際に、ユーザによる入力操作に応じて、所見の中のキーになる文字列に、その文字列とともに参照すべき医用画像のアドレス、および、ウィンドウレベル、ウィンドウ幅、拡大率等の画像編集パラメータを関連づけるリンクを作成するようにし、さらに、レポート参照時に、閲覧者がその文字列をクリックすると、リンクされた医用画像を画像編集パラメータに基づいて編集して表示するようにした医用レポート作成・参照装置が知られている(特許文献1)。
【0005】
一方、医用画像の表示に関する従来技術としては、読影者のニーズにあった画像の表示を実現するために、表示対象画像のモダリティ毎の表示位置や画面レイアウト(画面分割数、タイル表示/スタック表示、スカウト画像表示の有無、スライス位置のライン表示の有無等)が定義された読影モード(例えば、単一読影モード、比較読影モード)を予め設定しておき、読影の際には、読影者によって選択された読影モードに基づいて、読影対象の画像を表示するようにした装置が知られている(特許文献2)。
【0006】
また、複数の画像の表示条件(レイアウトや表示順序等)や画像処理条件が定義された複数の表示プロトコルを所定の順序で並べた少なくとも1つの表示プロトコルシーケンスに基づいて、複数の表示プロトコルを切り替えることにより、複数の画像の表示条件や画像処理条件を切り替えて表示手段に表示させるようにした画像表示装置であって、検査、シリーズ、画像の種類、入力モダリティの種類、画像を観察する医師あるいは医師が属するグループ(読影医、臨床医、参照医等)、画像の使用場所(診断室、医師の自宅等)、または画像の利用目的(読影、参照、比較等)に応じて、表示プロトコルシーケンスを自動的に生成するようにした装置が知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−301453号公報
【特許文献2】特開2005−073818号公報
【特許文献3】特開2002−259006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の読影医と依頼医の連携による画像診断ワークフローでは、読影医と依頼医とでは医用画像の観察の目的が異なる。すなわち、読影医は医用画像から病変を検出あるいは鑑別することが目的であるのに対して、依頼医は読影医によって検出された病変を詳細に観察したり、手術計画を立てたり、患者に説明したりすることを目的としている。
【0009】
このような観察目的の相違に鑑みると、特許文献1に記載された従来技術では、読影医が読影レポート作成時に設定したとおりに参照すべき画像が表示されるだけであるから、依頼医が読影レポートを参照する際、読影レポートに貼り付けられた画像を確認するだけでは十分ではなく、より詳細な観察のために他の画像を観察したいというケースが発生しうる。例えば、添付されたアキシャル断面画像の前後の断面の画像や、角度が異なる断面によるMPR画像等の画像を観察したいというケースが考えられる。
【0010】
また、読影医と依頼医とでは異なる表示態様での医用画像の表示を望むことも考えられる。具体的には、読影医は観察に用いたアキシャル断面画像を貼り付けて読影レポートを作成するのに対して、依頼医は手術シミュレーション等で見慣れたボリュームレンダリング画像を観察したいというケースが考えられる。
【0011】
このように、依頼医が読影レポートに添付された画像とは異なる態様で画像を観察したい場合には、読影医が依頼医の所望する画像を作成して依頼医の所望する表示態様で画像が表示されるように読影レポートを作成するか、依頼医が自ら画像表示装置を操作して所望の画像を作成させたり、画像表示レイアウトを設定したりする必要があり、作業の手間や効率性の面で改善の余地がある。
【0012】
また、病変やその病変が存在する解剖学的構造物(臓器)に応じて、作成する画像を変えたり、画像の表示態様を変えたりした方が観察しやすいという依頼医も存在する。例えば、肺結節と肺びまん性疾患とでは肺における病変という点では共通するが、肺結節の場合にはアキシャル断面での観察を好み、肺びまん性疾患ではコロナル断面画像での観察を好む依頼医もいる。また、同じ腫瘍であっても、肝臓の腫瘍の場合にはボリュームレンダリング画像での観察を好み、肺の腫瘍ではアキシャル断面画像での観察を好む依頼医もいる。
【0013】
これに対して、特許文献1に記載された従来技術では、個々の読影レポート毎に、文字列に対して医用画像のアドレスと画像編集パラメータをリンク設定する必要があり、例えば同一病変が見られた複数の読影レポートがあれば、各レポートの同じ文字列に対して個別に画像編集パラメータのリンク設定をする必要が生じ、読影レポートの作成効率の点で改善の余地がある。
【0014】
また、特許文献2に記載された従来技術では、依頼医のニーズどおりの読影モードを予め設定しておくことにより、観察の度に読影モードの詳細な設定作業を行う必要はなくなるが、表示対象画像のモダリティだけでなく、病変や解剖学的構造物等の様々な要因に応じて読影モードを設定すると、読影モードの数が多くなり、適切な読影モードで画像を表示させるためには、設定された各読影モードとその表示態様の組合せを依頼医が記憶しておく必要があり、依頼医の負担が大きくなってしまう。
【0015】
さらに、特許文献3に記載された従来技術は、検査、シリーズ、画像の種類、入力モダリティの種類、画像を観察する医師、画像の使用場所、画像の利用目的といった様々なパラメータに基づいて表示プロトコルシーケンスを自動生成するものではあるが、各パラメータをどのように取得するかについては、何らの記載も示唆もなく、例えば、各パラメータを画像の表示の度に手動で設定するのであれば、作業に手間がかかってしまう。
【0016】
さらに、これらの特許文献では、病変やその病変が存在する解剖学的構造物(臓器)によって医用画像の表示態様を変えることについても何ら言及されていない。
【0017】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、読影医と依頼医の連携による画像診断ワークフローにおいて、読影医や依頼医に余計な作業の手間をかけさせることなく、依頼医が所望する表示態様で医用画像を表示させることを可能にする医用画像表示装置および方法、並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の医用画像表示装置は、入力された医用画像データから表示対象の医用画像を生成するための画像処理条件、および/または、該表示対象の医用画像の表示条件が、解剖学的構造物および/または病変に関する情報と関連づけられて定義された表示プロトコルを記憶する表示プロトコル記憶手段と、前記入力医用画像データから生成された読影対象の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を抽出する抽出手段と、前記抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報に基づいて、前記表示プロトコル記憶手段に記憶された表示プロトコルからの選択によって、前記入力医用画像データに対する前記表示プロトコルを決定する表示プロトコル決定手段と、前記決定された表示プロトコルに基づいて、前記入力医用画像データからの前記表示対象の医用画像の生成、および/または、前記表示対象の医用画像の表示制御を行う画像処理・表示制御手段とを設けたことを特徴とする。
【0019】
本発明の医用画像表示方法は、入力された医用画像データから生成された読影対象の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を抽出するステップと、前記抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報に基づいて、記憶手段に記憶された、入力された医用画像データから表示対象の医用画像を生成するための画像処理条件、および/または、該表示対象の医用画像の表示条件が、解剖学的構造物および/または病変に関する情報と関連づけられて定義された表示プロトコルからの選択によって、前記入力医用画像データに対する表示プロトコルを決定するステップと、前記決定された表示プロトコルに基づいて前記表示対象の医用画像の生成、および/または、前記表示対象の医用画像の表示制御を行うステップとを有することを特徴とする。
【0020】
本発明の医用画像表示プログラムは、コンピュータに上記方法を実行させるためのものである。
【0021】
本発明において、画像処理条件には、MPR、MIP、MinIP、ボリュームレンダリングといった、生成される画像の種類を表す条件や、断面の位置や傾き、被投影領域の範囲、視点の位置、視線ベクトルの向き、不透明度等の画像処理の詳細パラメータ、階調処理や強調処理等のパラメータ、ウィンドウ幅、ウィンドウレベル、画像認識処理(CAD)等の様々な条件が含まれうる。
【0022】
また、表示条件には、一画面内に表示する画像数、各表示画像のサイズ、レイアウト、表示順序等の様々な条件が含まれうる。
【0023】
この画像処理条件や表示条件と関連づけられる解剖学的構造物は、撮影部位、器官、組織等、様々な観点や単位のものが考えられる。具体例としては、頭部、胸部といった撮影部位、脳、肺、肝臓といった臓器等、前頭葉、左肺、左肺上葉、肝区域といった臓器等の一部分、骨、血管等、第5腰椎、肝動脈といった特定の骨や血管等が挙げられる。
【0024】
病変に関する情報とは、上記の解剖学的構造物中の病変に関する情報であり、具体例としては、結節、腫瘍、狭窄、梗塞等が挙げられる。
【0025】
したがって、本発明における表示プロトコルとは、上記の解剖学的構造物や病変毎に、それらの観察に適した画像の画像処理条件や表示条件を定義したものであるということができる。
【0026】
読影レポート情報からの解剖学的構造物および/または病変に関する情報の抽出方法としては、解剖学的構造物および/または病変を表すキーワードを予め用意しておき、読影レポート情報からこれらのキーワードを抽出する方法や、公知の言語解析を用いる方法等が挙げられる。
【0027】
表示プロトコルの決定方法としては、解剖学的構造物および/または病変に関する情報毎に予め定義された複数の表示プロトコルを記憶させておき、読影レポート情報から抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報と適合する表示プロトコルを選択することにより、表示プロトコルを決定する方法が挙げられる。この場合、記憶されている表示プロトコルの変更、および/または、新たな表示プロトコルの追加を受け付けることができるようにすることが好ましい。あるいは、公知の機械学習等の手法を用いて、読影レポート情報から抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報から、表示プロトコルが生成されるようにしてもよい。
【0028】
また、表示プロトコルは、表示対象画像の生成のもとになる入力医用画像データのモダリティともさらに関連づけ、そのモダリティ毎、上記の解剖学的構造物や病変毎に、それらの観察に適した画像の画像処理条件や表示条件を定義するようにしてもよい。この場合には、解剖学的構造物および/または病変に関する情報だけでなく、入力医用画像データのモダリティにも基づいて表示プロトコルが決定される。
【0029】
また、医用画像表示装置のユーザを識別するユーザ情報を取得するようにし、表示プロトコルは、前記ユーザ、または、複数の前記ユーザからなるグループを識別するグループ情報とさらに関連づけられたものにし、そのユーザ情報またはグループ情報にさらに基づいて、表示プロトコルを決定するようにしてもよい。
【0030】
また、本発明における表示対象の画像は、読影レポートの対象となった入力医用画像データから生成されたものだけでなく、入力医用画像データと所定の関連性を有する関連医用画像データから生成された画像もさらなる表示対象とすることが好ましい。
【0031】
ここで、所定の関連性の具体例としては、入力医用画像データと同一患者であること、入力医用画像データと同一モダリティであること、入力医用画像データと異なるモダリティであること、入力医用画像データと同一の解剖学的構造物および/または病変が検出されたものであること等が挙げられる。
【0032】
この場合、表示プロトコルに、入力医用画像データと所定の関連性を有する関連医用画像データからさらなる表示対象の関連医用画像を生成するための画像処理条件、および、そのさらなる表示対象の医用画像の表示条件をさらに定義しておけばよい。
【0033】
そして、関連医用画像データは、医用画像データと、その医用画像データの属性情報であって前記所定の関連性の判断に利用可能な情報とが関連づけられて格納された医用画像データベースに対する検索によって取得するようにすればよい。検索の際には、入力医用画像データの付帯情報や、入力医用画像データに対する読影レポート情報から前記所定の関連性の判断に用いる情報を取得し、これを検索キーとすればよい。
【0034】
表示プロトコルの決定の際には、この検索の結果にさらに基づいて、前記さらなる表示対象の関連医用画像を生成するための関連医用画像データを決定するとともに、前記表示プロトコルを決定すればよく、前記決定された表示プロトコルに基づいて、前記さらなる表示対象の医用画像を生成するための関連医用画像データを前記医用画像データベースから取得し、前記表示対象の医用画像および前記さらなる表示対象の関連医用画像を表示させるようにすればよい。
【0035】
あるいは、表示プロトコルの決定の前に上記の検索を行わず、この検索の結果に基づかずに表示プロトコルを決定し、決定された表示プロトコルに基づいて、前記入力医用画像との間で前記決定された表示プロトコルに定義された前記所定の関連性を有する関連画像データを前記医用画像データベースから取得し、前記表示対象の医用画像および前記さらなる表示対象の関連医用画像を表示させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、入力医用画像データについての読影レポート情報から解剖学的構造物および/または病変に関する情報を抽出し、抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報に基づいて、記憶手段に記憶された表示プロトコルからの選択によって、入力医用画像データに対する表示プロトコルを決定し、決定された表示プロトコルに基づいて表示対象の医用画像を表示させることができる。これにより、読影医と依頼医の連携による画像診断ワークフローにおいて、依頼医は、読影医が作成した読影レポート情報から自動的に決定された表示プロトコルに基づいて表示された画像を観察することが可能になるので、読影医や依頼医に余計な作業の手間をかけさせることなく、読影医による読影結果を有効に活用しつつ、依頼医は、その読影結果に適した表示態様で画像の詳細観察をすることができ、上記ワークフローが効率化される。
【0037】
また、読影レポートで指摘された解剖学的構造物や病変に基づいて表示プロトコルを自動決定するので、依頼医は、読影医によって見つけられた病変に最適な表示態様で画像の詳細観察を行うことが可能になる。
【0038】
さらに、本発明において、入力医用画像データのモダリティにさらに基づいて表示プロトコルを決定するようにすれば、入力医用画像データのモダリティに応じた最適な表示態様で表示された画像を観察することが可能になり、診断効率や精度の向上に資する。
【0039】
また、入力医用画像データと所定の関連性を有する関連医用画像データについても表示プロトコルに定義し、医用画像データベースから関連医用画像データも検索して表示させるようにすれば、解剖学的構造物や病変に応じた最適な関連医用画像との比較観察が可能になり、診断効率や精度の向上に資する。
【0040】
また、表示プロトコルをユーザまたはグループ毎に定義し、医用画像表示装置のユーザ情報を取得し、取得されたユーザ情報に応じて表示プロトコルを決定するようにすれば、同じ解剖学的構造物や病変であっても、医師毎、あるいは、診療科等の医師グループ毎に異なる表示プロトコルで医用画像を表示させることが可能になり、個人の嗜好等に応じたよりきめの細かな画像の表示が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態における医用画像表示装置が導入された医療情報システムの概略構成図
【図2】本発明の第1の実施形態における医用画像表示機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図
【図3A】読影レポートの表示画面の構成例を模式的に表した図
【図3B】読影レポートの表示画面の他の構成例を模式的に表した図
【図4】読影レポート中の所見とキーワードテーブルとからキーワードを抽出する処理を模式的に表した図
【図5A】表示プロトコルの一例を模式的に表した図
【図5B】表示プロトコルテーブルの実装例を示した図
【図6】本発明の第2の実施形態における医用画像表示機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図
【図7】読影レポートの情報と画像情報データベースの情報とから関連画像を取得する処理を模式的に表した図
【図8A】読影対象の画像と関連画像とを同時に表示する表示プロトコルの一例を模式的に表した図
【図8B】図8Aの表示プロトコルの表示プロトコルテーブルへの実装例を示した図
【図9A】読影対象の画像と関連画像とを同時に表示する表示プロトコルの他の例を模式的に表した図(1)
【図9B】読影対象の画像と関連画像とを同時に表示する表示プロトコルの他の例を模式的に表した図(2)
【図9C】読影対象の画像と関連画像とを同時に表示する表示プロトコルの他の例を模式的に表した図(3)
【図9D】読影対象の画像と関連画像とを同時に表示する表示プロトコルの他の例を模式的に表した図(4)
【図9E】読影対象の画像と関連画像とを同時に表示する表示プロトコルの他の例を模式的に表した図(5)
【図10】本発明の第2の実施形態の変形例における医用画像表示機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図
【図11A】同一臓器同種病変での異なる表示プロトコル例の1つを模式的に表した図
【図11B】同一臓器同種病変での異なる表示プロトコル例の他の1つを模式的に表した図
【図12】本発明の第3の実施形態における医用画像表示機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図
【図13】画像処理条件のみを定義した表示プロトコルテーブルの一例を表した図
【図14A】本発明の第3の実施形態における読影レポートの表示画面の構成例を模式的に表した図
【図14B】本発明の第3の実施形態において読影対象の画像を表示するポップアップ画面の一例を模式的に表した図
【図15】本発明の第3の実施形態の変形例においてポップアップ画面中に画像処理条件を表示した例を模式的に表した図
【図16】本発明の第4の実施形態における医用画像表示機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0043】
図1に、本発明の実施形態における医用画像表示装置が導入された医療情報システムの概略構成を示す。このシステムは、公知のオーダリングシステムを用いた診療科の医師からの検査オーダーに基づいて、被検体の検査対象部位の撮影および保管、放射線科の読影医による撮影された画像の読影および読影レポートの作成、依頼元の診療科の医師による読影レポートの閲覧および読影対象だった画像の詳細観察を行うためのシステムである。図に示すように、医用画像の撮影装置(モダリティ)1、画像品質チェック用ワークステーション(QA−WS)2、放射線科用ワークステーション3、診療科用ワークステーション4、画像情報管理サーバ5、画像情報データベース6、読影レポートサーバ7、読影レポートデータベース8が、ネットワーク9を介して互いに通信可能な状態で接続されて構成されている。各機器は、CD−ROM等の記録媒体からインストールされたプログラムによって制御される。また、プログラムは、インターネット等のネットワーク経由で接続されたサーバの記憶装置からダウンロードされた後にインストールされたものであってもよい。
【0044】
モダリティ1には、被検体の検査対象部位を撮影することにより、その部位を表す画像の画像データを生成し、その画像データにDICOM規格で規定された付帯情報を付加して、画像情報として出力する装置が含まれる。具体例としては、CT、MR、PET、超音波撮影装置、平面X線検出器(FPD)を用いたX線撮影装置などが挙げられる。なお、以下では、被写体を表す画像データと画像データの付帯情報の組を「画像情報」と称することとする。すなわち「画像情報」の中には画像に係るテキスト情報も含まれる。
【0045】
QA−WS2は、汎用の処理装置(コンピュータ)と1台または2台の高精細ディスプレイとキーボード・マウスなどの入力機器により構成される。処理装置には、検査技師の作業を支援するためのソフトウェアが組み込まれている。QA−WS2は、そのソフトウェアプログラムの実行によって実現される機能により、モダリティ1からDICOMに準拠した画像情報を受信し、受信した画像情報に含まれる画像データと付帯情報の内容を画面に表示することで検査技師に確認を促す。そして、検査技師による確認が済んだ画像情報を、ネットワーク9を介して画像情報管理サーバ5に転送し、その画像情報の画像情報データベース6への登録を要求する。
【0046】
放射線科用ワークステーション3は、放射線科の読影医が画像の読影や読影レポートの作成に利用するコンピュータであり、CPU、主記憶装置、補助記憶装置、入出力インターフェース、通信インターフェース、入力装置、表示装置、データバス等の周知のハードウェア構成を備え、周知のオペレーションシステム等がインストールされたものであるが、表示装置として1台または2台の高精細ディスプレイを有している。この放射線科用ワークステーション3では、画像情報管理サーバ5に対する画像の閲覧要求や、画像情報管理サーバ5から受信した画像の表示、画像中の病変らしき部分の自動検出・強調表示、読影レポートの作成の支援、読影レポートサーバ7に対する読影レポートの登録要求や閲覧要求、読影レポートサーバ7から受信した読影レポートの表示等の各処理が、各処理のためのソフトウェアプログラムの実行により行われる。
【0047】
診療科用ワークステーション4は、診療科の医師が画像の詳細観察や読影レポートの閲覧、電子カルテの閲覧・入力等に利用するコンピュータであり、CPU、主記憶装置、補助記憶装置、入出力インターフェース、通信インターフェース、入力装置、表示装置、データバス等の周知のハードウェア構成を備え、周知のオペレーションシステム等がインストールされたものであるが、表示装置として1台または2台の高精細ディスプレイを有している。この診療科用ワークステーション4では、画像情報管理サーバ5に対する画像の閲覧要求や、画像情報管理サーバ5から受信した画像の表示、画像中の病変らしき部分の自動検出・強調表示、読影レポートサーバ7に対する読影レポートの閲覧要求、読影レポートサーバ7から受信した読影レポートの表示等の各処理が、各処理のためのソフトウェアプログラムの実行により行われる。本発明の医用画像表示装置は、この診療科用ワークステーション4に実装されているが、これについては後述する。
【0048】
画像情報管理サーバ5は、汎用の比較的処理能力の高いコンピュータにデータベース管理システム(DataBase Management System: DBMS)の機能を提供するソフトウェアプログラムを組み込んだものである。画像情報管理サーバ5は画像情報データベース6が構成される大容量ストレージを備えている。このストレージは、画像情報管理サーバ5とデータバスによって接続された大容量のハードディスク装置であってもよいし、ネットワーク9に接続されているNAS(Network Attached Storage)やSAN(Storage Area Network)に接続されたディスク装置であってもよい。
【0049】
画像情報データベース6には、被写体画像を表す画像データと付帯情報とが登録される。付帯情報には、例えば、個々の画像を識別するための画像ID、被写体を識別するための患者ID、検査を識別するための検査ID、画像情報ごとに割り振られるユニークなID(UID)、その画像情報が生成された検査日、検査時刻、その画像情報を取得するための検査で使用されたモダリティの種類、患者氏名、年齢、性別などの患者情報、検査部位(撮影部位)、撮影条件(造影剤の使用有無や、放射線量など)、1回の検査で複数の画像を取得したときのシリーズ番号あるいは採取番号などの情報が含まれうる。画像情報は、例えばXMLやSGMLデータとして管理されうる。
【0050】
画像情報管理サーバ5は、QA−WS2からの画像情報の登録要求を受け付けると、その画像情報をデータベース用のフォーマットに整えて画像情報データベース6に登録する。
【0051】
また、画像情報管理サーバ5は、放射線科用ワークステーション3や診療科用ワークステーション4からの閲覧要求をネットワーク9経由で受信すると、上記画像情報データベース6に登録されている画像情報を検索し、抽出された画像情報を要求元の放射線科用ワークステーション3や診療科用ワークステーション4に送信する。
【0052】
放射線科用ワークステーション3や診療科用ワークステーション4は、画像診断医や診療科医等のユーザによって読影・観察対象画像の閲覧を要求する操作が行われると、画像情報管理サーバ5に対して閲覧要求を送信し、必要な画像情報を取得する。そして、その画像情報をモニタ画面に表示し、ユーザからの要求に応じて病変の自動検出処理などを実行する。
【0053】
放射線科用ワークステーション3は、読影レポートの作成を支援するレポート作成画面をモニタに表示し、放射線科医によって読影に基づいて行った所見などの内容を示すテキストが入力されたときに、入力された情報と読影の対象とされた画像(以下、読影対象画像)を記録した読影レポートを生成する。読影対象画像が複数あるときは、読影レポートには、読影所見を最も顕著に表す代表的な画像(以下、代表画像)を記録する。放射線科用ワークステーション3は、生成した読影レポートを、ネットワーク9を介して読影レポートサーバ7に転送し、その読影レポートの読影レポートデータベース8への登録を要求する。
【0054】
読影レポートサーバ7は、汎用の比較的処理能力の高いコンピュータにデータベース管理システム(DataBase Management System: DBMS)の機能を提供するソフトウェアプログラムを組み込んだものであり、放射線科用ワークステーション3からの読影レポートの登録要求を受け付けると、その読影レポートをデータベース用のフォーマットに整えて読影レポートデータベース8に登録する。
【0055】
読影レポートデータベース8には、例えば、読影対象画像もしくは代表画像を識別する画像IDや、読影を行った画像診断医を識別するための読影者ID、関心領域の位置情報、所見、所見の確信度といった情報が登録される。この他、画像の読影時に画像情報の付帯情報を参照することで取得された検査番号、患者番号、さらには、読影対象画像または代表画像の画像データ自体も等も含まれうる。読影対象画像または代表画像の画像データは、画像情報データベース6に登録されている画像データよりも画素数が少ない(間引きされた)縮小画像データとすることができる。この場合、この縮小画像データの生成のもとになる、画像情報データベース6に登録されている画像データへのアクセスを可能にするためのリンク情報(画像情報データベース6に登録されている画像データのアドレスやフォルダ名、ファイル名等)も読影レポートデータベース8に登録しておくことが好ましい。また、画像情報データベース6に登録されている画像データをそのままコピーしたものを読影レポートデータベース8に登録しておいてもよい。また、関心領域の位置情報は、読影レポートデータベース8ではなく、画像データの付帯情報として画像情報データベース6に登録しておいてもよい。なお、読影レポートは、例えばXMLやSGMLデータとして管理されうる。
【0056】
読影レポートサーバ7は、放射線科用ワークステーション3や診療科用ワークステーション4からの閲覧要求をネットワーク9経由で受信すると、読影レポートデータベース8に登録されている読影レポートを検索し、抽出された読影レポートを要求元の放射線科用ワークステーション3や診療科用ワークステーション4に送信する。
【0057】
ネットワーク9は病院内の各種装置を接続するローカルエリアネットワークである。但し、放射線科用ワークステーション3や診療科用ワークステーション4が他の病院あるいは診療所にも設置されている場合には、ネットワーク9は、各病院のローカルエリアネットワーク同士をインターネットもしくは専用回線で接続した構成としてもよい。いずれの場合にも、ネットワーク9は光ネットワークなど画像情報の高速転送を実現できるものとすることが好ましい。
【0058】
図2は、診療科用ワークステーション4における読影レポートおよび読影レポートの対象画像の連携閲覧機能として実装された本発明の第1の実施形態となる医用画像表示装置の構成とデータの流れを模式的に示したブロック図である。図に示したように、本発明の医用画像表示装置は、キーワードテーブル21、キーワード抽出部22、表示プロトコルテーブル23、表示プロトコル決定部24、画像取得部25、画像処理部26、表示画面生成部27から構成される。
【0059】
まず、この連携閲覧機能を実現するソフトウェアプログラムは、読影レポートの閲覧中に、そのレポートの対象となっている画像を詳細に観察するための操作を行うことによって起動される。図3Aおよび図3Bは、読影レポートの表示画面中でこの起動操作を行う場合の具体例を示したものである。図3Aに示したように、読影レポートの表示画面30は、患者IDを表示する領域31、検査IDを表示する領域32、検査日を表示する領域33、読影対象画像の所見を表示する領域34、読影対象画像または代表画像の縮小画像36を表示する領域35、詳細観察ボタン37から構成されている。ユーザである診療科の医師が、診療科用ワークステーション4のマウスのクリック操作等により、詳細観察ボタン37を押下すると、このソフトウェアプログラムが起動される。また、図3Bは、詳細観察ボタン37を表示しない例であり、ここでは、詳細観察を行いたい画像36に対するダブルクリック操作等により、このソフトウェアプログラムが起動される。
【0060】
このソフトウェアプログラムが起動されると、キーワード抽出部22は、キーワードテーブル21を用いて読影レポートRPTの所見情報(図3A、図3Bの所見領域34の表示内容)を解析し、表示プロトコルの決定要因となるキーワードK1,K2を抽出する。図4は、この処理の具体的内容の一例を模式的に示したものである。図に示したように、キーワードテーブル21は、キーワードと抽出対象語とが関連づけられたものであり、キーワードおよび抽出対象語として、解剖学的構造物および病変に関する情報が登録されている。キーワード抽出部22は、読影レポートRPTの所見情報中にキーワードテーブル21に登録された抽出対象語が存在するかどうか検索を行う。この例では、所見中の「左肺」「上葉」「結節」が抽出対象語と一致する。次に、キーワード抽出部22は、検索でヒットした抽出対象語をキーワードに変換する。すなわち、「左肺」「上葉」は、各語と関連づけられたキーワード「肺」(キーワードK1)に変換され、「結節」は、そのままキーワード「結節」(キーワードK2)となる。
【0061】
ここで、キーワードの抽出方法は上記の方法に限定されず、例えば、サーチエンジン等で用いられる公知の自然言語処理技術等を採用することも可能であるが、読影レポートの作成時に、解剖学的構造物や病変の選択入力するユーザインターフェースを提供するなどして、解剖学的構造物や病変の呼称を標準化しておけば、上記のようなキーワードテーブルを用いた検索でも十分な効果は得られる。
【0062】
また、図3Bの具体例において、特許文献1に記載された従来技術のように、所見中のキーワードとそのキーワードとともに参照すべき画像とを関連づけるリンクを作成しておいた場合、例えば、図3Bの所見欄の「左肺上葉S2」や「結節」と貼付画像36とが関連づけられていれば、貼付画像36に対するダブルクリック操作等により、このソフトウェアプログラムが起動された際に、キーワード抽出部22は、上記リンクをたどることによって、指定された貼付画像36と関連づけられた「左肺上葉S2」や「結節」を抽出対象語として抽出し、キーワードテーブル21を用いてキーワード「肺」「結節」に変換するようにしてもよい。
【0063】
なお、キーワードテーブル21は、所定のGUIから、診療科の医師等のユーザが、必要に応じて、登録、変更、削除等のメンテナンスが可能である。
【0064】
次に、表示プロトコル決定部24は、キーワード抽出部22によって抽出されたキーワードK1、K2を用いて表示プロトコルテーブル23を参照し、これらのキーワードK1、K2と関連づけられた表示プロトコルを特定する。
【0065】
図5Aは、ある表示プロトコルの内容を模式的に表したものである。図に示したように、この表示プロトコルは、画面をSub1、Sub2、Sub3、Sub4の4つの小領域に分割し、小領域Sub1にはCT画像からアキシャル断面画像を再構成し、肺野条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行ったものを表示し、小領域Sub2にはCT画像からコロナル断面画像を再構成し、肺野条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行ったものを表示し、小領域Sub3にはCT画像からアキシャル断面画像を再構成し、縦隔条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行ったものを表示し、小領域Sub4にはCT画像からコロナル断面画像を再構成し、縦隔条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行ったものを表示することを示している。なお、画像処理条件等は、実際には、断面位置等、さらに詳細なパラメータを設定する必要があるが、説明を簡潔にするため、アキシャル断面画像、肺野条件等の用語で表現している。図5Bは、この表示プロトコルを表示プロトコルテーブル23に登録した例を示している。図に示したように、表示プロトコルテーブル23は、表示プロトコルを識別する表示プロトコルID、キーワード、画面中の小領域を識別する領域ID、各小領域の位置情報(左上端の座標、幅(W)、高さ(H))、各小領域に表示する画像のモダリティ等の条件(取得画像の項目)、画像処理の内容(画像処理1、画像処理2の項目)が関連づけられて登録されたものであり、この表示プロトコルでは、1つの表示プロトコル「001」に対するキーワードは「肺」および「結節」で、4つの小領域Sub1、Sub2、Sub3、Sub4がその属性(位置情報、取得画像、画像処理1、画像処理2、・・・)とともに登録されている。
【0066】
なお、このような表示プロトコルは、診療科の医師等のユーザが、必要に応じて、登録、変更、削除等のメンテナンスが可能である。このメンテナンスは、表示プロトコルテーブル23を直接設定してもよいが、画面の分割数、配置、各小領域に嵌め込む画像の属性や画像処理条件等を対話的に入力、選択するGUIから設定できるようにすることが好ましい。
【0067】
図4の具体例のように、キーワード抽出部22によって「肺」(キーワードK1)および「結節」(キーワードK2)がキーワードとして抽出された場合、表示プロトコル決定部22が、これらの抽出されたキーワードに基づいて、図5Bに例示した表示プロトコルテーブル23に登録されたキーワードを検索すると、表示プロトコル「001」にヒットする。これにより、表示プロトコルDPが特定される。
【0068】
一方、画像取得部25は、まず、読影レポートRPTに貼付された読影対象画像36の生成のもとになる画像データにアクセスするためのリンク情報ILを取得する。なお、読影レポートデータベース8の説明で言及したとおり、このリンク情報ILは読影レポート中の他の情報とともに読影レポートデータベース8に関連づけられているので、診療科用ワークステーション4が読影レポートを読影レポートサーバ7から取得する際には、読影レポートRPTとともにリンク情報ILも取得するものとする。次に画像取得部25は、リンク情報ILに基づいて画像情報管理サーバ5に対して閲覧要求を行い、読影レポートRPTにおいて読影対象だった画像(以下、読影対象画像)の元データI1を取得する。なお、図4の具体例では、この画像データI1はCT画像データである。
【0069】
画像処理部26は、表示プロトコル決定部24で決定された表示プロトコルDPに基づいて、画像データI1を入力として画像処理を行い、処理済みの画像データI11、I12、I13・・・を出力する。なお、画像処理部26は、MPR、MIP、MinIP、ボリュームレンダリング、ウィンドウ処理等の各種処理毎に別のプログラムとして実装してもよい。図4、図5A、図5Bの具体例では、画像処理部26は、画像データI1を入力として、小領域Sub1に対応する、CT画像からアキシャル断面画像を再構成し、肺野条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行った画像と、小領域Sub2に対応する、コロナル断面画像を再構成し、肺野条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行った画像と、小領域Sub3に対応する、アキシャル断面画像を再構成し、縦隔条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行った画像と、小領域Sub4に対応する、コロナル断面画像を再構成し、縦隔条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行った画像とを生成する。
【0070】
表示画面生成部27は、画像処理部26で生成された処理済み画像データI11、I12、I13・・・による画像を、表示プロトコル決定部24で決定された表示プロトコルDPに基づく表示レイアウトに配置した表示画面SCを生成する。これにより、図4、図5A、図5Bの具体例では、図5Aに示したようなレイアウトで、各小領域には画像処理部26で処理済みの画像が嵌め込まれた表示画面SCが生成され、診療科用ワークステーション4のディスプレイに表示される。
【0071】
以上のように、本実施形態では、読影医と依頼元の診療科の医師の連携による、従来と同様の画像診断のワークフローが前提となっている。すなわち、依頼元の診療科の医師からの検査オーダーに基づいてモダリティ1で撮影され、画像情報データベース6に保管された画像情報を、放射線科の読影医が放射線科用ワークステーション3で読影を行い、読影レポートRPTを作成し、作成された読影レポートRPTが読影レポートデータベース8に保管されると、検査オーダーの完了が依頼元の診療科の医師に伝えられる。
【0072】
そして、本発明に特有の読影レポートと連携した医用画像の閲覧機能が実現される。具体的には、依頼元の診療科の医師が、診療科用ワークステーション4で、読影医によって作成された読影レポートRPTを読影レポートデータベース8から取得して閲覧し、所望の画像に対する詳細観察の操作を行うと、キーワード抽出部22がキーワードテーブル21を用いて読影レポートRPTから解剖学的構造物および病変に関する情報を表すキーワードK1,K2・・・を抽出し、表示プロトコル決定部24が、キーワードK1,K2・・・に適合する表示プロトコルDPを表示プロトコルテーブル23から自動選択し、画像取得部25が取得した読影対象画像の元データI1に対して、画像処理部26が、表示プロトコルDPに基づいて画像処理を行って表示対象の画像I11、I12・・・を生成し、表示画面生成部27が、表示プロトコルDPに基づくレイアウトで表示対象の画像I11、I12・・・を嵌め込んだ表示画面SCを生成し、表示画面SCは、診療科用ワークステーション4に表示される。
【0073】
したがって、読影対象画像と表示対象画像は同じ元データI1から生成されたものであるが、前者は読影医による読影に用いられたものであり、後者は診療科の医師による詳細観察のために用いられたものであり、本発明の実施形態では、両画像を画像処理条件や表示条件が異なったものとすることができる。
【0074】
これにより、上記の読影医と依頼医の連携による画像診断ワークフローにおいて、依頼元の診療科の医師は、読影医が作成した読影レポート情報RPT中の解剖学的構造物や病変の情報から自動的に決定された最適な表示プロトコルDPに基づいて表示された画像を観察することが可能になり、読影医や依頼医に余計な作業の手間をかけさせることなく、上記ワークフローが効率化される。
【0075】
なお、上記実施形態において、キーワードテーブル21およびキーワード抽出部22が本発明の抽出手段に相当し、画像取得部25、画像処理部26、表示画面生成部27が本発明の画像処理・表示制御手段に相当する。
【0076】
また、図5Bに示したような取得画像のモダリティ毎に表示プロトコルを定義した表示プロトコルテーブル23を用いているので、表示対象の画像の元データI1のモダリティに応じた最適な表示態様で表示された画像を観察することが可能になり、診断効率や精度の向上に資する。
【0077】
図6は、診療科用ワークステーション4における読影レポートおよび読影レポートの対象画像の連携閲覧機能として実装された本発明の第2の実施形態となる医用画像表示装置の構成とデータの流れを模式的に示したブロック図である。本発明の第2の実施形態は、読影レポートに関連づけられた読影対象画像だけでなく、それに関連する画像も表示させるようにするものである。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0078】
本実施形態では、画像取得部25は、読影対象画像の元データI1だけでなく、読影対象画像と所定の関連性を有する関連画像の画像データI2、I3・・・を画像情報データベース6から取得する。具体的には、以下のような検索条件が挙げられる。
(1) 読影対象画像と同一患者
(2) (1)かつ検査日付が同一かつモダリティが異なる
(3) (1)かつ検査日付が読影対象画像より前(過去画像)
図7は、この処理の具体的内容の一例を模式的に示したものである。図に示したように、画像情報データベース6には、画像ID、患者ID、検査ID、検査日、モダリティ、撮影条件、ファイル名等の付帯情報が表形式で格納されている。画像取得部25は、例えば、上記(1)の検索条件の場合、読影レポートRPTに関連づけられた患者ID「12345」を検索キーとして画像情報データベース6に対する検索を行うことにより、読影対象画像と同一患者の画像データ(画像ID=「24680」)を取得することができる。なお、画像ID=「13579」の画像データは、検査IDの値が、読影レポートRPTと同じ「1001」であるから、読影対象画像の画像データI1であることがわかる。
【0079】
表示プロトコル決定部24は、キーワード情報K1、K2・・・だけでなく、画像取得部25で取得された関連画像の付帯情報に基づいて、表示プロトコルテーブル23から表示プロトコルDPを選択する。
【0080】
図8Aは、本実施形態において表示プロトコルテーブルDPに登録されている表示プロトコルの内容を模式的に表したものである。図5Aと比較すると、小領域Sub3、Sub4に表示される画像のモダリティがHRCT(高分解能CT)である点が相違している。すなわち、この表示プロトコルは、読影対象画像だけでなく、それに関連する画像も同時に表示させるためのものである。図8Bは、この表示プロトコルを表示プロトコルテーブル23に登録した例を示している。図に示したように、取得画像の項目において、読影対象画像と関連画像を区別するために、小領域Sub1およびSub2では、読影対象画像を表す「入力」が付加され、小領域Sub3およびSub4では、関連画像の選択条件となる「同日(検査日付が読影対象画像と同日)」が付加され、関連画像のモダリティとして「HRCT」が設定されている。この例の場合、表示プロトコル決定部24は、キーワード抽出部22によって抽出されたキーワードK1(「肺」)、K2(「結節」)を用いるとともに、画像取得部25で取得された関連画像の付帯情報と表示プロトコルテーブル23の取得画像の値とを比較し、キーワードおよび取得画像の両条件を満たす表示プロトコルを選択する。例えば、図7に示した画像ID=「24680」の関連画像は、読影対象画像と検査日が同一でモダリティがHRCTであるから、取得画像の条件を満たす。ここで、画像情報データベース6に読影対象画像と同一患者で検査日が同じだが、モダリティがHRCTとは異なる画像があった場合には、この表示プロトコルは選択されない。なお、取得画像の条件をすべて満たす表示プロトコルが表示プロトコルテーブル23に登録されていない場合には、キーワードの条件のみを満たす表示プロトコルをリスト表示して、ユーザが所望の表示プロトコルを選択できるようにしてもよいし、個々の表示プロトコルに優先順位を付しておき、キーワードの条件を満たす表示プロトコルのうち、最も優先度の高い表示プロトコルを選択するようにしてもよい。また、関連画像が多数存在し、取得画像の条件の異なる表示プロトコルが多数存在する場合には、キーワードと取得画像の条件の両方を満たす表示プロトコルが表示プロトコルテーブル23に複数登録されていることもありうるが、その場合についても上記と同様に、両条件を満たす表示プロトコルをリスト表示したり、最も優先度の高い表示プロトコルを選択したりすればよい。
【0081】
図9Aから図9Eは、読影対象画像と関連画像を同時に表示する表示プロトコルの例を示したものである。図9Aは肺びまん性疾患の場合、図9Bは肺結節の場合でCR画像とCT画像とを同時に表示させる場合、図9Cは肺結節の場合で現在CT画像と過去CT画像を同時に表示させる場合、図9Dは脳アルツハイマーの場合、図9Eは椎間板ヘルニアの場合に適した表示プロトコルである。これらの場合であっても、図7に示した画像情報データベース6の検査日付やモダリティ、撮影条件等の付帯情報を用いることにより、表示プロトコルテーブル23の取得画像の条件の判断ができる。
【0082】
また、画像処理部26は、画像取得部25によって取得された読影対象画像の画像データI1を対象に表示プロトコル決定部24で決定された表示プロトコルDPの定義に応じた画像処理を行うとともに、画像取得部25によって取得された関連画像の画像データI2、I3のうち、その決定された表示プロトコルDPにおいて表示対象とされた関連画像の画像データI2のみを対象に、その表示プロトコルDPの定義に応じた画像処理を行い、処理済み画像I11、I12・・・、I21、I22・・・を生成する。
【0083】
以上のように、本発明の第2の実施形態では、画像取得部25(本発明の関連画像検索手段にも相当)が、画像情報データベース6に対する検索により、読影対象画像の元データI1だけでなく、その関連画像の画像データI2、I3も取得し、表示プロトコル決定部24が、読影対象画像と関連画像を同時に表示する態様が定義された表示プロトコルテーブル23に基づいて、解剖学的構造物や病変に関するキーワードK1、K2、および、関連画像の属性の両方の条件を満たす表示プロトコルDPを選択するようにしたので、解剖学的構造物や病変に応じた最適な関連医用画像との比較観察が可能になり、診断効率や精度の向上に資する。
【0084】
なお、上記の第2の実施形態では、画像取得部25が関連画像を取得してから、表示プロトコル決定部24が表示対象の関連画像を選択しつつ、表示プロトコルDPを決定していたが、図10に示したように、表示プロトコル決定部24が、キーワードK1、K2・・・のみに基づいて表示プロトコルDPを仮決定した後、画像取得部25が、仮決定された表示プロトコルに定義された条件を満たす関連画像を画像情報データベース26に対する検索により取得してもよい。具体的には、図8A、図8Bに例示された表示プロトコルの場合、画像取得部25は、上記第2の実施形態のように、読影対象画像と同一患者のすべての画像を検索するのではなく、読影対象画像と同一患者、かつ、読影対象画像と同一検査日付で、かつ、モダリティがHRCTの画像を検索する。
【0085】
また、上記の第2の実施形態において、読影レポートRPTに記載された読影対象画像に対する所見と同一所見の画像を関連画像として表示する表示プロトコルDPを定義しておくとともに、画像取得部25が読影対象画像と同一所見の画像の画像データを取得するようにすることも可能である。具体的には、表示プロトコルDPについては、図5B、図8Bに例示した表示プロトコルテーブル23の場合、取得画像の項目に「同一所見CT」のように登録しておけばよい。一方、画像取得部25については、画像情報データベース6にその画像に対する所見の情報が格納されていれば、画像情報データベース6に対する検索により、読影対象画像と同一所見の画像、例えば、図3Aの例では、左肺上葉に結節があるという所見を有する画像や、肺に3cmの結節があるという所見を有する画像の画像データを取得することが可能である。あるいは、読影レポートデータベース8に対して読影対象画像と同一所見を有する読影レポートの検索を行い、検索された読影レポートに関連づけられた画像の画像データを画像情報データベース6から取得することも可能である。
【0086】
上記の各実施形態では、表示プロトコルは画像処理条件と表示条件の両方を含むものとしていたが、以下に説明する本発明の第3の実施形態のように、画像処理条件のみ定義されたものであってもよい。
【0087】
図12は、診療科用ワークステーション4に実装された本発明の第3の実施形態となる医用画像表示装置の構成とデータの流れを模式的に示したブロック図である。図に示したように、表示画面生成部27が、表示プロトコル決定部24で決定された表示プロトコルDPを参照せずに、画像処理部26で生成された処理済み画像データI11による画像を予め決められた表示レイアウトで配置した表示画面SCを生成する点において、第1の実施形態と異なる。
【0088】
図13は、画像処理条件のみを定義した表示プロトコルテーブル23の登録例を表したものである。図に示したように、表示プロトコルを識別する表示プロトコルIDに対して、キーワード、生成する画像の種別、マスク(自動認識処理の対象)、そのマスク対象の表示/非表示、カラーテンプレートを識別する情報が関連づけられて登録されたものである。表示プロトコルID「101」の例では、読影レポートからキーワード「肝臓」が抽出され、生成する画像として「ボリュームレンダリング(VR)画像」が選択された場合には、「肝臓」を自動認識して表示対象とし、カラーテンプレート「カラー01」を用いる旨が登録されている。表示プロトコルID「102」の例では、読影レポートからキーワード「肝臓」および「脾臓」が抽出され、生成する画像として「ボリュームレンダリング(VR)画像」が選択された場合には、「肝臓」および「脾臓」を自動認識してともに表示対象とし、カラーテンプレート「カラー02」を用いる旨が登録されている。表示プロトコルID「103」の例では、読影レポートからキーワード「血管」が抽出され、生成する画像として「ボリュームレンダリング(VR)画像」が選択された場合には、「骨」を自動認識して非表示とし(骨除去処理を行い)、カラーテンプレート「カラー11」を用いる旨が登録されている。表示プロトコルID「104」の例では、読影レポートからキーワード「心臓」が抽出され、生成する画像として「ボリュームレンダリング(VR)画像」が選択された場合には、「心臓」および「冠動脈」を自動認識してともに表示対象とし、カラーテンプレート「カラー21」を用いる旨が登録されている。表示プロトコルID「105」の例では、読影レポートからキーワード「脳」および「血管」が抽出され、生成する画像として「MIP画像」が選択された場合には、カラーテンプレート「白黒01」を用いる旨が登録されている。また、表示プロトコルID「106」の例では、読影レポートからキーワード「脳」および「血管」が抽出され、生成する画像として「ボリュームレンダリング(VR)画像」が選択された場合には、「血管」を自動認識して表示対象とし、カラーテンプレート「カラー31」を用いる旨が登録されている。なお、本実施形態の表示プロトコルテーブルの他の構成例として、図5Bに示した表示プロトコルテーブルから、領域ID、位置情報の欄を削除したものを用いてもよい。
【0089】
図14Aは、読影レポートの表示画面中で、本発明の第3の実施形態における読影レポートおよび読影レポートの対象画像の連携閲覧機能を実現するソフトウェアプログラムの起動操作を行う場合の具体例を示したものである。図に示したように、読影レポートの表示画面30は、図3Bの表示画面から読影対象画像の縮小画像36を表示する領域35を除いた画面構成となっており、ユーザが、読影対象画像の所見を表示する領域34に設定された「脳動脈瘤の疑いあり」のリンクに対してクリック操作を行うと、図14Bに示したような読影対象画像を含むポップアップ画面39が表示される。そして、ユーザがこの読影対象画像を右クリックすると、新たに生成する画像の種別を選択するためのメニューが表示され、例えば「MIP画像」を選択すると、このプログラムが起動され、キーワード抽出部22がリンク部分の文字列に基づいてキーワードテーブル21の参照を行い、キーワード「脳」および「血管」を抽出する。次に、表示プロトコル決定部24は、抽出されたキーワード「脳」と「血管」、および、図14Bのポップアップ画面39で選択された画像種別「MIP画像」に基づいて表示プロトコルテーブル23を参照し、表示プロトコルID「105」の表示プロトコルを取得する。画像処理部26は、表示プロトコル決定部24によって決定された表示プロトコルID「105」、および、図14Bのポップアップ画面39で選択された画像種別「MIP画像」に基づき、画像取得部25によって取得された読影対象画像の元データI1に対してカラーテンプレート「白黒01」を用いたMIP処理を行い、処理済の画像データI11を生成し、表示画面生成部27は、ポップアップ画面39に表示させる画像を処理済の画像I11に更新する。
【0090】
上記実施形態では、画像種別をユーザが選択するようにしていたが、表示プロトコル決定部24が、キーワード抽出部22によって抽出されたキーワードに基づいて画像種別も決定するようにしてもよい。
【0091】
また、上記実施形態においてポップアップ画面39に処理済の画像I11を表示させる際に、図15に示したように、ポップアップ画面39中に、画像処理部26によって適用された、すなわち、表示プロトコル決定部24によって決定された画像処理条件の内容を表示する領域40を設けてもよい。図では、表示プロトコルID「106」に基づいて生成された画像の例であり、領域40に、血管を表示するマスクが表示対象として設定され、脳のボリュームレンダリング用のカラーテンプレートが選択されていることが示されている。なお、マスクで指定された解剖学的構造物を非表示とした場合には、例えば、領域40の矩形のチェック欄に「×」印を表示するなどすればよい。これにより、ユーザは、現在表示されている画像に対してどの画像処理条件が選択されているかを容易に把握することが可能になる。さらに、領域40のチェック(黒塗り部分)の変更操作を受付可能にし、画像処理部26が変更後の画像処理条件に基づいて画像を再生成し、表示画面生成部27が再生成された画像に表示を更新するようにしてもよい。
【0092】
さらに、読影レポート中に結節等の病変に関する記述を行った場合には、その病変の位置情報を読影レポートと関連づけて記録するようにしておき、その位置情報を画像処理条件の1つとして用いてもよい。例えば、この病変の位置をボリュームレンダリング画像等の視野の中心となるように画像処理部26が処理を行うようにすることが考えられる。
【0093】
なお、上記実施形態の説明では、便宜上、画像処理部26が1つの画像のみ生成する場合を例として説明したが、複数の画像を生成するように表示プロトコルテーブル23を定義しておき、それに基づいて複数の画像を生成するようにしてもよい。例えば、キーワード「血管」と「病変」に対して、図13の表示プロトコルID「103」のように、血管用のカラーテンプレートを用いた骨除去されたボリュームレンダリング画像を生成するための定義と、血管用の白黒のテンプレートを用いて骨除去されたMIP画像を生成するための定義とを関連づけておくことが考えられる。
【0094】
上記の第3の実施形態とは逆に、以下に説明する本発明の第4の実施形態のように、表示プロトコルとして表示条件のみ定義するようにしてもよい。
【0095】
図16は、診療科用ワークステーション4に実装された本発明の第4の実施形態となる医用画像表示装置の構成とデータの流れを模式的に示したブロック図である。図に示したように、画像取得部25が、表示プロトコル決定部24によって決定された表示プロトコルDPを参照し、表示プロトコルDPに定義された画像処理が行われた表示対象の画像の画像データI11、I12、I13・・・を画像情報管理サーバ5から取得し、表示画面生成部27が、画像取得部25で生成された画像処理済み画像データI11、I12、I13・・・による画像を、表示プロトコル決定部24で決定された表示プロトコルDPに基づく表示レイアウトに配置した表示画面SCを生成するようにすればよい。
【0096】
上記の各実施形態では、全ユーザに共通の表示プロトコルとして表示プロトコルテーブル23を設けていたが、ユーザ毎、あるいは、複数のユーザによるグループ(例えば、脳外科グループ)毎に表示プロトコルを定義してもよい。具体的には、ユーザ毎、グループ毎に別個の表示プロトコルテーブルを設けてもよいし、表示プロトコルテーブルにユーザIDやグループIDの項目を追加し、診療科用医用画像ワークステーション4へのログインIDと照合するなどして、そのユーザやグループで定義された表示プロトコルのみにアクセスするようにしてもよい。
【0097】
さらに、読影、参照、カンファレンス等の目的別に表示プロトコルを定義し、ユーザによって入力された目的に応じた表示プロトコルを選択するようにしてもよい。
【0098】
あるいは、ワークステーションの表示デバイスの種類別に表示プロトコルを定義し、表示プロトコル決定部24が、オペレーティングシステム等から表示デバイスに関する情報を取得し、表示デバイスの種類にも応じて表示プロトコルを選択するようにしてもよい。ここで、表示デバイスの種類の具体例としては、モニタの数(1面または2面等)、モニタのサイズ、立体視表示対応の有無、デスクトップ端末かモバイル端末か等が挙げられる。
【0099】
また、ワークステーションの入力装置の種類別に表示プロトコルを定義し、表示プロトコル決定部24が、オペレーティングシステム等から入力装置に関する情報を取得し、入力装置の種類にも応じて表示プロトコルを選択するようにしてもよい。ここで、入力装置の種類の具体例としては、マウス、タッチパネル等の入力装置自体のタイプや、右クリック、ホイール等の各種操作機能の有無等が挙げられる。
【0100】
さらに、ワークステーションの設置場所別に表示プロトコルを定義し、表示プロトコル決定部24が、ワークステーションのネットワーク上のアドレス等からその設置場所に関する情報を特定し、設置場所にも応じた表示プロトコルを選択するようにしてもよい。ここで、設置場所の具体例としては、カンファレンス室、手術室、読影室、診察室等の病院内の各部屋の他、総合病院、大学病院、開業医等の病院の規模、遠隔地かどうか、あるいは、個別の病院を識別する情報等が挙げられる。
【0101】
さらにまた、表示タイミング別に表示プロトコルを定義し、表示プロトコル決定部24が、表示タイミングに関する情報を取得し、表示タイミングにも応じて表示プロトコルを選択するようにしてもよい。ここで、表示タイミングの情報の具体例としては、手術前、手術中、手術後が挙げられる。また、表示タイミングの具体的な取得方法としては、ユーザによる入力を受け付けたり、入力画像の付帯情報や患者情報が登録されたデータベースからその患者の手術履歴を取得したり、読影レポートから表示タイミングを表す文字列を取得したりして、表示タイミングの情報を取得する方法が挙げられる。
【0102】
図11Aおよび図11Bは、肝臓腫瘍の場合の異なる2つの表示プロトコルを表したものであり、このように、同一臓器の同種の病変に対して、複数の表示プロトコルが考えられる場合にも、ユーザ毎、グループ毎、目的毎、表示デバイス毎、入力装置毎、設置場所毎、表示タイミング毎に、表示プロトコルを使い分けられるようになる。
【0103】
あるいは、リンク情報ILに基づいて取得される元データI1の属性別にも表示プロトコルを定義し、表示プロトコル決定部24が、元データI1の属性に関する情報を取得し、元データI1の属性にも応じて表示プロトコルを選択するようにしてもよい。例えば、元データI1が時系列データである場合には、各時相における画像データに対する画像処理条件、および、各時相の画像処理済みの画像を時系列順に所定の時間間隔で切り替えて表示させるような表示条件を表示プロトコルテーブル23に定義しておけばよい。これにより、表示対象の画像を動画的に再生することが可能になる。
【0104】
また、読影レポートの作成の際に、表示プロトコルを特定可能な情報の入力を受け付ける領域を設け、入力された情報を読影レポートに関連づけて記憶しておき、この領域に入力された値を表示プロトコルの決定のための一連の処理に用いてもよい。具体例としては、この領域にキーワードの入力を受け付け、表示プロトコル決定部24がこの領域に入力されたキーワードを用いて表示プロトコルを決定するようにしてもよい。この場合、この領域に入力されたキーワードを優先的に用いるようにしてもよいし、読影レポートの所見内容等から抽出されたキーワードに対する追加情報として用いるようにしてもよい。あるいは、この領域に図5Bに示した表示プロトコルIDの入力を受け付けるようにし、表示プロトコル決定部24がこの領域に入力された表示プロトコルIDに基づいて表示プロトコルを決定するようにしてもよい。
【0105】
この他、上記の実施形態におけるシステム構成、処理フロー、モジュール構成等に対して、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な改変を行ったものも、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0106】
例えば、上記の実施形態では、図2,6,10に示された各処理が1台の診療科用ワークステーション4で行われるように説明したが、複数台のワークステーションに各処理を分散して協調処理するように構成してもよい。
【0107】
また、上記の実施形態はあくまでも例示であり、上記のすべての説明が本発明の技術的範囲を限定的に解釈するために利用されるべきものではない。
【符号の説明】
【0108】
1 画像撮影装置(モダリティ)
2 画像品質チェック用ワークステーション(QA−WS)
3 放射線科用ワークステーション
4 診療科用ワークステーション
5 画像情報管理サーバ
6 画像情報データベース
7 読影レポートサーバ
8 読影レポートデータベース
9 ネットワーク
21 キーワードテーブル
22 キーワード抽出部
23 表示プロトコルテーブル
24 表示プロトコル決定部
25 画像取得部
26 画像処理部
27 表示画面生成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、読影レポート情報を利用して医用画像の表示態様を決定する医用画像表示装置、方法、および、この方法をコンピュータに実行させるプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、生体の内部を表す医用画像を用いた画像診断が広く行われるようになっている。この医用画像の取得には、平面X線検出器(FPD)を用いたX線撮影装置や、X線CT装置、超音波(US)診断装置、MRI装置、PET装置等の様々なモダリティが利用されている。
【0003】
実際の画像診断の現場では、画像診断の依頼元である各診療科の医師(以下、依頼医)と医用画像の読影を専門とする医師(以下、読影医)との連携により診断が行われていることが多い。具体的には、依頼医からの検査オーダーに基づいて、放射線技師が患者の撮影を行って医用画像を取得した後、読影医がその医用画像の読影を行い、読影結果をまとめたレポートを作成して依頼医に返し、依頼医は、作成されたレポートに記載された所見を読み、レポートに貼り付けられた画像を参照しつつ、問診結果や他の検査結果等の種々の情報も考慮して最終的な診断を行う。
【0004】
この読影レポートの作成・参照に関する従来技術としては、レポートに貼り付けられた複数の画像の各々がレポート中の所見内容のどの部分と関係しているかを明確にするために、読影レポートの作成の際に、ユーザによる入力操作に応じて、所見の中のキーになる文字列に、その文字列とともに参照すべき医用画像のアドレス、および、ウィンドウレベル、ウィンドウ幅、拡大率等の画像編集パラメータを関連づけるリンクを作成するようにし、さらに、レポート参照時に、閲覧者がその文字列をクリックすると、リンクされた医用画像を画像編集パラメータに基づいて編集して表示するようにした医用レポート作成・参照装置が知られている(特許文献1)。
【0005】
一方、医用画像の表示に関する従来技術としては、読影者のニーズにあった画像の表示を実現するために、表示対象画像のモダリティ毎の表示位置や画面レイアウト(画面分割数、タイル表示/スタック表示、スカウト画像表示の有無、スライス位置のライン表示の有無等)が定義された読影モード(例えば、単一読影モード、比較読影モード)を予め設定しておき、読影の際には、読影者によって選択された読影モードに基づいて、読影対象の画像を表示するようにした装置が知られている(特許文献2)。
【0006】
また、複数の画像の表示条件(レイアウトや表示順序等)や画像処理条件が定義された複数の表示プロトコルを所定の順序で並べた少なくとも1つの表示プロトコルシーケンスに基づいて、複数の表示プロトコルを切り替えることにより、複数の画像の表示条件や画像処理条件を切り替えて表示手段に表示させるようにした画像表示装置であって、検査、シリーズ、画像の種類、入力モダリティの種類、画像を観察する医師あるいは医師が属するグループ(読影医、臨床医、参照医等)、画像の使用場所(診断室、医師の自宅等)、または画像の利用目的(読影、参照、比較等)に応じて、表示プロトコルシーケンスを自動的に生成するようにした装置が知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−301453号公報
【特許文献2】特開2005−073818号公報
【特許文献3】特開2002−259006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の読影医と依頼医の連携による画像診断ワークフローでは、読影医と依頼医とでは医用画像の観察の目的が異なる。すなわち、読影医は医用画像から病変を検出あるいは鑑別することが目的であるのに対して、依頼医は読影医によって検出された病変を詳細に観察したり、手術計画を立てたり、患者に説明したりすることを目的としている。
【0009】
このような観察目的の相違に鑑みると、特許文献1に記載された従来技術では、読影医が読影レポート作成時に設定したとおりに参照すべき画像が表示されるだけであるから、依頼医が読影レポートを参照する際、読影レポートに貼り付けられた画像を確認するだけでは十分ではなく、より詳細な観察のために他の画像を観察したいというケースが発生しうる。例えば、添付されたアキシャル断面画像の前後の断面の画像や、角度が異なる断面によるMPR画像等の画像を観察したいというケースが考えられる。
【0010】
また、読影医と依頼医とでは異なる表示態様での医用画像の表示を望むことも考えられる。具体的には、読影医は観察に用いたアキシャル断面画像を貼り付けて読影レポートを作成するのに対して、依頼医は手術シミュレーション等で見慣れたボリュームレンダリング画像を観察したいというケースが考えられる。
【0011】
このように、依頼医が読影レポートに添付された画像とは異なる態様で画像を観察したい場合には、読影医が依頼医の所望する画像を作成して依頼医の所望する表示態様で画像が表示されるように読影レポートを作成するか、依頼医が自ら画像表示装置を操作して所望の画像を作成させたり、画像表示レイアウトを設定したりする必要があり、作業の手間や効率性の面で改善の余地がある。
【0012】
また、病変やその病変が存在する解剖学的構造物(臓器)に応じて、作成する画像を変えたり、画像の表示態様を変えたりした方が観察しやすいという依頼医も存在する。例えば、肺結節と肺びまん性疾患とでは肺における病変という点では共通するが、肺結節の場合にはアキシャル断面での観察を好み、肺びまん性疾患ではコロナル断面画像での観察を好む依頼医もいる。また、同じ腫瘍であっても、肝臓の腫瘍の場合にはボリュームレンダリング画像での観察を好み、肺の腫瘍ではアキシャル断面画像での観察を好む依頼医もいる。
【0013】
これに対して、特許文献1に記載された従来技術では、個々の読影レポート毎に、文字列に対して医用画像のアドレスと画像編集パラメータをリンク設定する必要があり、例えば同一病変が見られた複数の読影レポートがあれば、各レポートの同じ文字列に対して個別に画像編集パラメータのリンク設定をする必要が生じ、読影レポートの作成効率の点で改善の余地がある。
【0014】
また、特許文献2に記載された従来技術では、依頼医のニーズどおりの読影モードを予め設定しておくことにより、観察の度に読影モードの詳細な設定作業を行う必要はなくなるが、表示対象画像のモダリティだけでなく、病変や解剖学的構造物等の様々な要因に応じて読影モードを設定すると、読影モードの数が多くなり、適切な読影モードで画像を表示させるためには、設定された各読影モードとその表示態様の組合せを依頼医が記憶しておく必要があり、依頼医の負担が大きくなってしまう。
【0015】
さらに、特許文献3に記載された従来技術は、検査、シリーズ、画像の種類、入力モダリティの種類、画像を観察する医師、画像の使用場所、画像の利用目的といった様々なパラメータに基づいて表示プロトコルシーケンスを自動生成するものではあるが、各パラメータをどのように取得するかについては、何らの記載も示唆もなく、例えば、各パラメータを画像の表示の度に手動で設定するのであれば、作業に手間がかかってしまう。
【0016】
さらに、これらの特許文献では、病変やその病変が存在する解剖学的構造物(臓器)によって医用画像の表示態様を変えることについても何ら言及されていない。
【0017】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、読影医と依頼医の連携による画像診断ワークフローにおいて、読影医や依頼医に余計な作業の手間をかけさせることなく、依頼医が所望する表示態様で医用画像を表示させることを可能にする医用画像表示装置および方法、並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の医用画像表示装置は、入力された医用画像データから表示対象の医用画像を生成するための画像処理条件、および/または、該表示対象の医用画像の表示条件が、解剖学的構造物および/または病変に関する情報と関連づけられて定義された表示プロトコルを記憶する表示プロトコル記憶手段と、前記入力医用画像データから生成された読影対象の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を抽出する抽出手段と、前記抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報に基づいて、前記表示プロトコル記憶手段に記憶された表示プロトコルからの選択によって、前記入力医用画像データに対する前記表示プロトコルを決定する表示プロトコル決定手段と、前記決定された表示プロトコルに基づいて、前記入力医用画像データからの前記表示対象の医用画像の生成、および/または、前記表示対象の医用画像の表示制御を行う画像処理・表示制御手段とを設けたことを特徴とする。
【0019】
本発明の医用画像表示方法は、入力された医用画像データから生成された読影対象の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を抽出するステップと、前記抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報に基づいて、記憶手段に記憶された、入力された医用画像データから表示対象の医用画像を生成するための画像処理条件、および/または、該表示対象の医用画像の表示条件が、解剖学的構造物および/または病変に関する情報と関連づけられて定義された表示プロトコルからの選択によって、前記入力医用画像データに対する表示プロトコルを決定するステップと、前記決定された表示プロトコルに基づいて前記表示対象の医用画像の生成、および/または、前記表示対象の医用画像の表示制御を行うステップとを有することを特徴とする。
【0020】
本発明の医用画像表示プログラムは、コンピュータに上記方法を実行させるためのものである。
【0021】
本発明において、画像処理条件には、MPR、MIP、MinIP、ボリュームレンダリングといった、生成される画像の種類を表す条件や、断面の位置や傾き、被投影領域の範囲、視点の位置、視線ベクトルの向き、不透明度等の画像処理の詳細パラメータ、階調処理や強調処理等のパラメータ、ウィンドウ幅、ウィンドウレベル、画像認識処理(CAD)等の様々な条件が含まれうる。
【0022】
また、表示条件には、一画面内に表示する画像数、各表示画像のサイズ、レイアウト、表示順序等の様々な条件が含まれうる。
【0023】
この画像処理条件や表示条件と関連づけられる解剖学的構造物は、撮影部位、器官、組織等、様々な観点や単位のものが考えられる。具体例としては、頭部、胸部といった撮影部位、脳、肺、肝臓といった臓器等、前頭葉、左肺、左肺上葉、肝区域といった臓器等の一部分、骨、血管等、第5腰椎、肝動脈といった特定の骨や血管等が挙げられる。
【0024】
病変に関する情報とは、上記の解剖学的構造物中の病変に関する情報であり、具体例としては、結節、腫瘍、狭窄、梗塞等が挙げられる。
【0025】
したがって、本発明における表示プロトコルとは、上記の解剖学的構造物や病変毎に、それらの観察に適した画像の画像処理条件や表示条件を定義したものであるということができる。
【0026】
読影レポート情報からの解剖学的構造物および/または病変に関する情報の抽出方法としては、解剖学的構造物および/または病変を表すキーワードを予め用意しておき、読影レポート情報からこれらのキーワードを抽出する方法や、公知の言語解析を用いる方法等が挙げられる。
【0027】
表示プロトコルの決定方法としては、解剖学的構造物および/または病変に関する情報毎に予め定義された複数の表示プロトコルを記憶させておき、読影レポート情報から抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報と適合する表示プロトコルを選択することにより、表示プロトコルを決定する方法が挙げられる。この場合、記憶されている表示プロトコルの変更、および/または、新たな表示プロトコルの追加を受け付けることができるようにすることが好ましい。あるいは、公知の機械学習等の手法を用いて、読影レポート情報から抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報から、表示プロトコルが生成されるようにしてもよい。
【0028】
また、表示プロトコルは、表示対象画像の生成のもとになる入力医用画像データのモダリティともさらに関連づけ、そのモダリティ毎、上記の解剖学的構造物や病変毎に、それらの観察に適した画像の画像処理条件や表示条件を定義するようにしてもよい。この場合には、解剖学的構造物および/または病変に関する情報だけでなく、入力医用画像データのモダリティにも基づいて表示プロトコルが決定される。
【0029】
また、医用画像表示装置のユーザを識別するユーザ情報を取得するようにし、表示プロトコルは、前記ユーザ、または、複数の前記ユーザからなるグループを識別するグループ情報とさらに関連づけられたものにし、そのユーザ情報またはグループ情報にさらに基づいて、表示プロトコルを決定するようにしてもよい。
【0030】
また、本発明における表示対象の画像は、読影レポートの対象となった入力医用画像データから生成されたものだけでなく、入力医用画像データと所定の関連性を有する関連医用画像データから生成された画像もさらなる表示対象とすることが好ましい。
【0031】
ここで、所定の関連性の具体例としては、入力医用画像データと同一患者であること、入力医用画像データと同一モダリティであること、入力医用画像データと異なるモダリティであること、入力医用画像データと同一の解剖学的構造物および/または病変が検出されたものであること等が挙げられる。
【0032】
この場合、表示プロトコルに、入力医用画像データと所定の関連性を有する関連医用画像データからさらなる表示対象の関連医用画像を生成するための画像処理条件、および、そのさらなる表示対象の医用画像の表示条件をさらに定義しておけばよい。
【0033】
そして、関連医用画像データは、医用画像データと、その医用画像データの属性情報であって前記所定の関連性の判断に利用可能な情報とが関連づけられて格納された医用画像データベースに対する検索によって取得するようにすればよい。検索の際には、入力医用画像データの付帯情報や、入力医用画像データに対する読影レポート情報から前記所定の関連性の判断に用いる情報を取得し、これを検索キーとすればよい。
【0034】
表示プロトコルの決定の際には、この検索の結果にさらに基づいて、前記さらなる表示対象の関連医用画像を生成するための関連医用画像データを決定するとともに、前記表示プロトコルを決定すればよく、前記決定された表示プロトコルに基づいて、前記さらなる表示対象の医用画像を生成するための関連医用画像データを前記医用画像データベースから取得し、前記表示対象の医用画像および前記さらなる表示対象の関連医用画像を表示させるようにすればよい。
【0035】
あるいは、表示プロトコルの決定の前に上記の検索を行わず、この検索の結果に基づかずに表示プロトコルを決定し、決定された表示プロトコルに基づいて、前記入力医用画像との間で前記決定された表示プロトコルに定義された前記所定の関連性を有する関連画像データを前記医用画像データベースから取得し、前記表示対象の医用画像および前記さらなる表示対象の関連医用画像を表示させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、入力医用画像データについての読影レポート情報から解剖学的構造物および/または病変に関する情報を抽出し、抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報に基づいて、記憶手段に記憶された表示プロトコルからの選択によって、入力医用画像データに対する表示プロトコルを決定し、決定された表示プロトコルに基づいて表示対象の医用画像を表示させることができる。これにより、読影医と依頼医の連携による画像診断ワークフローにおいて、依頼医は、読影医が作成した読影レポート情報から自動的に決定された表示プロトコルに基づいて表示された画像を観察することが可能になるので、読影医や依頼医に余計な作業の手間をかけさせることなく、読影医による読影結果を有効に活用しつつ、依頼医は、その読影結果に適した表示態様で画像の詳細観察をすることができ、上記ワークフローが効率化される。
【0037】
また、読影レポートで指摘された解剖学的構造物や病変に基づいて表示プロトコルを自動決定するので、依頼医は、読影医によって見つけられた病変に最適な表示態様で画像の詳細観察を行うことが可能になる。
【0038】
さらに、本発明において、入力医用画像データのモダリティにさらに基づいて表示プロトコルを決定するようにすれば、入力医用画像データのモダリティに応じた最適な表示態様で表示された画像を観察することが可能になり、診断効率や精度の向上に資する。
【0039】
また、入力医用画像データと所定の関連性を有する関連医用画像データについても表示プロトコルに定義し、医用画像データベースから関連医用画像データも検索して表示させるようにすれば、解剖学的構造物や病変に応じた最適な関連医用画像との比較観察が可能になり、診断効率や精度の向上に資する。
【0040】
また、表示プロトコルをユーザまたはグループ毎に定義し、医用画像表示装置のユーザ情報を取得し、取得されたユーザ情報に応じて表示プロトコルを決定するようにすれば、同じ解剖学的構造物や病変であっても、医師毎、あるいは、診療科等の医師グループ毎に異なる表示プロトコルで医用画像を表示させることが可能になり、個人の嗜好等に応じたよりきめの細かな画像の表示が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態における医用画像表示装置が導入された医療情報システムの概略構成図
【図2】本発明の第1の実施形態における医用画像表示機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図
【図3A】読影レポートの表示画面の構成例を模式的に表した図
【図3B】読影レポートの表示画面の他の構成例を模式的に表した図
【図4】読影レポート中の所見とキーワードテーブルとからキーワードを抽出する処理を模式的に表した図
【図5A】表示プロトコルの一例を模式的に表した図
【図5B】表示プロトコルテーブルの実装例を示した図
【図6】本発明の第2の実施形態における医用画像表示機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図
【図7】読影レポートの情報と画像情報データベースの情報とから関連画像を取得する処理を模式的に表した図
【図8A】読影対象の画像と関連画像とを同時に表示する表示プロトコルの一例を模式的に表した図
【図8B】図8Aの表示プロトコルの表示プロトコルテーブルへの実装例を示した図
【図9A】読影対象の画像と関連画像とを同時に表示する表示プロトコルの他の例を模式的に表した図(1)
【図9B】読影対象の画像と関連画像とを同時に表示する表示プロトコルの他の例を模式的に表した図(2)
【図9C】読影対象の画像と関連画像とを同時に表示する表示プロトコルの他の例を模式的に表した図(3)
【図9D】読影対象の画像と関連画像とを同時に表示する表示プロトコルの他の例を模式的に表した図(4)
【図9E】読影対象の画像と関連画像とを同時に表示する表示プロトコルの他の例を模式的に表した図(5)
【図10】本発明の第2の実施形態の変形例における医用画像表示機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図
【図11A】同一臓器同種病変での異なる表示プロトコル例の1つを模式的に表した図
【図11B】同一臓器同種病変での異なる表示プロトコル例の他の1つを模式的に表した図
【図12】本発明の第3の実施形態における医用画像表示機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図
【図13】画像処理条件のみを定義した表示プロトコルテーブルの一例を表した図
【図14A】本発明の第3の実施形態における読影レポートの表示画面の構成例を模式的に表した図
【図14B】本発明の第3の実施形態において読影対象の画像を表示するポップアップ画面の一例を模式的に表した図
【図15】本発明の第3の実施形態の変形例においてポップアップ画面中に画像処理条件を表示した例を模式的に表した図
【図16】本発明の第4の実施形態における医用画像表示機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0043】
図1に、本発明の実施形態における医用画像表示装置が導入された医療情報システムの概略構成を示す。このシステムは、公知のオーダリングシステムを用いた診療科の医師からの検査オーダーに基づいて、被検体の検査対象部位の撮影および保管、放射線科の読影医による撮影された画像の読影および読影レポートの作成、依頼元の診療科の医師による読影レポートの閲覧および読影対象だった画像の詳細観察を行うためのシステムである。図に示すように、医用画像の撮影装置(モダリティ)1、画像品質チェック用ワークステーション(QA−WS)2、放射線科用ワークステーション3、診療科用ワークステーション4、画像情報管理サーバ5、画像情報データベース6、読影レポートサーバ7、読影レポートデータベース8が、ネットワーク9を介して互いに通信可能な状態で接続されて構成されている。各機器は、CD−ROM等の記録媒体からインストールされたプログラムによって制御される。また、プログラムは、インターネット等のネットワーク経由で接続されたサーバの記憶装置からダウンロードされた後にインストールされたものであってもよい。
【0044】
モダリティ1には、被検体の検査対象部位を撮影することにより、その部位を表す画像の画像データを生成し、その画像データにDICOM規格で規定された付帯情報を付加して、画像情報として出力する装置が含まれる。具体例としては、CT、MR、PET、超音波撮影装置、平面X線検出器(FPD)を用いたX線撮影装置などが挙げられる。なお、以下では、被写体を表す画像データと画像データの付帯情報の組を「画像情報」と称することとする。すなわち「画像情報」の中には画像に係るテキスト情報も含まれる。
【0045】
QA−WS2は、汎用の処理装置(コンピュータ)と1台または2台の高精細ディスプレイとキーボード・マウスなどの入力機器により構成される。処理装置には、検査技師の作業を支援するためのソフトウェアが組み込まれている。QA−WS2は、そのソフトウェアプログラムの実行によって実現される機能により、モダリティ1からDICOMに準拠した画像情報を受信し、受信した画像情報に含まれる画像データと付帯情報の内容を画面に表示することで検査技師に確認を促す。そして、検査技師による確認が済んだ画像情報を、ネットワーク9を介して画像情報管理サーバ5に転送し、その画像情報の画像情報データベース6への登録を要求する。
【0046】
放射線科用ワークステーション3は、放射線科の読影医が画像の読影や読影レポートの作成に利用するコンピュータであり、CPU、主記憶装置、補助記憶装置、入出力インターフェース、通信インターフェース、入力装置、表示装置、データバス等の周知のハードウェア構成を備え、周知のオペレーションシステム等がインストールされたものであるが、表示装置として1台または2台の高精細ディスプレイを有している。この放射線科用ワークステーション3では、画像情報管理サーバ5に対する画像の閲覧要求や、画像情報管理サーバ5から受信した画像の表示、画像中の病変らしき部分の自動検出・強調表示、読影レポートの作成の支援、読影レポートサーバ7に対する読影レポートの登録要求や閲覧要求、読影レポートサーバ7から受信した読影レポートの表示等の各処理が、各処理のためのソフトウェアプログラムの実行により行われる。
【0047】
診療科用ワークステーション4は、診療科の医師が画像の詳細観察や読影レポートの閲覧、電子カルテの閲覧・入力等に利用するコンピュータであり、CPU、主記憶装置、補助記憶装置、入出力インターフェース、通信インターフェース、入力装置、表示装置、データバス等の周知のハードウェア構成を備え、周知のオペレーションシステム等がインストールされたものであるが、表示装置として1台または2台の高精細ディスプレイを有している。この診療科用ワークステーション4では、画像情報管理サーバ5に対する画像の閲覧要求や、画像情報管理サーバ5から受信した画像の表示、画像中の病変らしき部分の自動検出・強調表示、読影レポートサーバ7に対する読影レポートの閲覧要求、読影レポートサーバ7から受信した読影レポートの表示等の各処理が、各処理のためのソフトウェアプログラムの実行により行われる。本発明の医用画像表示装置は、この診療科用ワークステーション4に実装されているが、これについては後述する。
【0048】
画像情報管理サーバ5は、汎用の比較的処理能力の高いコンピュータにデータベース管理システム(DataBase Management System: DBMS)の機能を提供するソフトウェアプログラムを組み込んだものである。画像情報管理サーバ5は画像情報データベース6が構成される大容量ストレージを備えている。このストレージは、画像情報管理サーバ5とデータバスによって接続された大容量のハードディスク装置であってもよいし、ネットワーク9に接続されているNAS(Network Attached Storage)やSAN(Storage Area Network)に接続されたディスク装置であってもよい。
【0049】
画像情報データベース6には、被写体画像を表す画像データと付帯情報とが登録される。付帯情報には、例えば、個々の画像を識別するための画像ID、被写体を識別するための患者ID、検査を識別するための検査ID、画像情報ごとに割り振られるユニークなID(UID)、その画像情報が生成された検査日、検査時刻、その画像情報を取得するための検査で使用されたモダリティの種類、患者氏名、年齢、性別などの患者情報、検査部位(撮影部位)、撮影条件(造影剤の使用有無や、放射線量など)、1回の検査で複数の画像を取得したときのシリーズ番号あるいは採取番号などの情報が含まれうる。画像情報は、例えばXMLやSGMLデータとして管理されうる。
【0050】
画像情報管理サーバ5は、QA−WS2からの画像情報の登録要求を受け付けると、その画像情報をデータベース用のフォーマットに整えて画像情報データベース6に登録する。
【0051】
また、画像情報管理サーバ5は、放射線科用ワークステーション3や診療科用ワークステーション4からの閲覧要求をネットワーク9経由で受信すると、上記画像情報データベース6に登録されている画像情報を検索し、抽出された画像情報を要求元の放射線科用ワークステーション3や診療科用ワークステーション4に送信する。
【0052】
放射線科用ワークステーション3や診療科用ワークステーション4は、画像診断医や診療科医等のユーザによって読影・観察対象画像の閲覧を要求する操作が行われると、画像情報管理サーバ5に対して閲覧要求を送信し、必要な画像情報を取得する。そして、その画像情報をモニタ画面に表示し、ユーザからの要求に応じて病変の自動検出処理などを実行する。
【0053】
放射線科用ワークステーション3は、読影レポートの作成を支援するレポート作成画面をモニタに表示し、放射線科医によって読影に基づいて行った所見などの内容を示すテキストが入力されたときに、入力された情報と読影の対象とされた画像(以下、読影対象画像)を記録した読影レポートを生成する。読影対象画像が複数あるときは、読影レポートには、読影所見を最も顕著に表す代表的な画像(以下、代表画像)を記録する。放射線科用ワークステーション3は、生成した読影レポートを、ネットワーク9を介して読影レポートサーバ7に転送し、その読影レポートの読影レポートデータベース8への登録を要求する。
【0054】
読影レポートサーバ7は、汎用の比較的処理能力の高いコンピュータにデータベース管理システム(DataBase Management System: DBMS)の機能を提供するソフトウェアプログラムを組み込んだものであり、放射線科用ワークステーション3からの読影レポートの登録要求を受け付けると、その読影レポートをデータベース用のフォーマットに整えて読影レポートデータベース8に登録する。
【0055】
読影レポートデータベース8には、例えば、読影対象画像もしくは代表画像を識別する画像IDや、読影を行った画像診断医を識別するための読影者ID、関心領域の位置情報、所見、所見の確信度といった情報が登録される。この他、画像の読影時に画像情報の付帯情報を参照することで取得された検査番号、患者番号、さらには、読影対象画像または代表画像の画像データ自体も等も含まれうる。読影対象画像または代表画像の画像データは、画像情報データベース6に登録されている画像データよりも画素数が少ない(間引きされた)縮小画像データとすることができる。この場合、この縮小画像データの生成のもとになる、画像情報データベース6に登録されている画像データへのアクセスを可能にするためのリンク情報(画像情報データベース6に登録されている画像データのアドレスやフォルダ名、ファイル名等)も読影レポートデータベース8に登録しておくことが好ましい。また、画像情報データベース6に登録されている画像データをそのままコピーしたものを読影レポートデータベース8に登録しておいてもよい。また、関心領域の位置情報は、読影レポートデータベース8ではなく、画像データの付帯情報として画像情報データベース6に登録しておいてもよい。なお、読影レポートは、例えばXMLやSGMLデータとして管理されうる。
【0056】
読影レポートサーバ7は、放射線科用ワークステーション3や診療科用ワークステーション4からの閲覧要求をネットワーク9経由で受信すると、読影レポートデータベース8に登録されている読影レポートを検索し、抽出された読影レポートを要求元の放射線科用ワークステーション3や診療科用ワークステーション4に送信する。
【0057】
ネットワーク9は病院内の各種装置を接続するローカルエリアネットワークである。但し、放射線科用ワークステーション3や診療科用ワークステーション4が他の病院あるいは診療所にも設置されている場合には、ネットワーク9は、各病院のローカルエリアネットワーク同士をインターネットもしくは専用回線で接続した構成としてもよい。いずれの場合にも、ネットワーク9は光ネットワークなど画像情報の高速転送を実現できるものとすることが好ましい。
【0058】
図2は、診療科用ワークステーション4における読影レポートおよび読影レポートの対象画像の連携閲覧機能として実装された本発明の第1の実施形態となる医用画像表示装置の構成とデータの流れを模式的に示したブロック図である。図に示したように、本発明の医用画像表示装置は、キーワードテーブル21、キーワード抽出部22、表示プロトコルテーブル23、表示プロトコル決定部24、画像取得部25、画像処理部26、表示画面生成部27から構成される。
【0059】
まず、この連携閲覧機能を実現するソフトウェアプログラムは、読影レポートの閲覧中に、そのレポートの対象となっている画像を詳細に観察するための操作を行うことによって起動される。図3Aおよび図3Bは、読影レポートの表示画面中でこの起動操作を行う場合の具体例を示したものである。図3Aに示したように、読影レポートの表示画面30は、患者IDを表示する領域31、検査IDを表示する領域32、検査日を表示する領域33、読影対象画像の所見を表示する領域34、読影対象画像または代表画像の縮小画像36を表示する領域35、詳細観察ボタン37から構成されている。ユーザである診療科の医師が、診療科用ワークステーション4のマウスのクリック操作等により、詳細観察ボタン37を押下すると、このソフトウェアプログラムが起動される。また、図3Bは、詳細観察ボタン37を表示しない例であり、ここでは、詳細観察を行いたい画像36に対するダブルクリック操作等により、このソフトウェアプログラムが起動される。
【0060】
このソフトウェアプログラムが起動されると、キーワード抽出部22は、キーワードテーブル21を用いて読影レポートRPTの所見情報(図3A、図3Bの所見領域34の表示内容)を解析し、表示プロトコルの決定要因となるキーワードK1,K2を抽出する。図4は、この処理の具体的内容の一例を模式的に示したものである。図に示したように、キーワードテーブル21は、キーワードと抽出対象語とが関連づけられたものであり、キーワードおよび抽出対象語として、解剖学的構造物および病変に関する情報が登録されている。キーワード抽出部22は、読影レポートRPTの所見情報中にキーワードテーブル21に登録された抽出対象語が存在するかどうか検索を行う。この例では、所見中の「左肺」「上葉」「結節」が抽出対象語と一致する。次に、キーワード抽出部22は、検索でヒットした抽出対象語をキーワードに変換する。すなわち、「左肺」「上葉」は、各語と関連づけられたキーワード「肺」(キーワードK1)に変換され、「結節」は、そのままキーワード「結節」(キーワードK2)となる。
【0061】
ここで、キーワードの抽出方法は上記の方法に限定されず、例えば、サーチエンジン等で用いられる公知の自然言語処理技術等を採用することも可能であるが、読影レポートの作成時に、解剖学的構造物や病変の選択入力するユーザインターフェースを提供するなどして、解剖学的構造物や病変の呼称を標準化しておけば、上記のようなキーワードテーブルを用いた検索でも十分な効果は得られる。
【0062】
また、図3Bの具体例において、特許文献1に記載された従来技術のように、所見中のキーワードとそのキーワードとともに参照すべき画像とを関連づけるリンクを作成しておいた場合、例えば、図3Bの所見欄の「左肺上葉S2」や「結節」と貼付画像36とが関連づけられていれば、貼付画像36に対するダブルクリック操作等により、このソフトウェアプログラムが起動された際に、キーワード抽出部22は、上記リンクをたどることによって、指定された貼付画像36と関連づけられた「左肺上葉S2」や「結節」を抽出対象語として抽出し、キーワードテーブル21を用いてキーワード「肺」「結節」に変換するようにしてもよい。
【0063】
なお、キーワードテーブル21は、所定のGUIから、診療科の医師等のユーザが、必要に応じて、登録、変更、削除等のメンテナンスが可能である。
【0064】
次に、表示プロトコル決定部24は、キーワード抽出部22によって抽出されたキーワードK1、K2を用いて表示プロトコルテーブル23を参照し、これらのキーワードK1、K2と関連づけられた表示プロトコルを特定する。
【0065】
図5Aは、ある表示プロトコルの内容を模式的に表したものである。図に示したように、この表示プロトコルは、画面をSub1、Sub2、Sub3、Sub4の4つの小領域に分割し、小領域Sub1にはCT画像からアキシャル断面画像を再構成し、肺野条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行ったものを表示し、小領域Sub2にはCT画像からコロナル断面画像を再構成し、肺野条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行ったものを表示し、小領域Sub3にはCT画像からアキシャル断面画像を再構成し、縦隔条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行ったものを表示し、小領域Sub4にはCT画像からコロナル断面画像を再構成し、縦隔条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行ったものを表示することを示している。なお、画像処理条件等は、実際には、断面位置等、さらに詳細なパラメータを設定する必要があるが、説明を簡潔にするため、アキシャル断面画像、肺野条件等の用語で表現している。図5Bは、この表示プロトコルを表示プロトコルテーブル23に登録した例を示している。図に示したように、表示プロトコルテーブル23は、表示プロトコルを識別する表示プロトコルID、キーワード、画面中の小領域を識別する領域ID、各小領域の位置情報(左上端の座標、幅(W)、高さ(H))、各小領域に表示する画像のモダリティ等の条件(取得画像の項目)、画像処理の内容(画像処理1、画像処理2の項目)が関連づけられて登録されたものであり、この表示プロトコルでは、1つの表示プロトコル「001」に対するキーワードは「肺」および「結節」で、4つの小領域Sub1、Sub2、Sub3、Sub4がその属性(位置情報、取得画像、画像処理1、画像処理2、・・・)とともに登録されている。
【0066】
なお、このような表示プロトコルは、診療科の医師等のユーザが、必要に応じて、登録、変更、削除等のメンテナンスが可能である。このメンテナンスは、表示プロトコルテーブル23を直接設定してもよいが、画面の分割数、配置、各小領域に嵌め込む画像の属性や画像処理条件等を対話的に入力、選択するGUIから設定できるようにすることが好ましい。
【0067】
図4の具体例のように、キーワード抽出部22によって「肺」(キーワードK1)および「結節」(キーワードK2)がキーワードとして抽出された場合、表示プロトコル決定部22が、これらの抽出されたキーワードに基づいて、図5Bに例示した表示プロトコルテーブル23に登録されたキーワードを検索すると、表示プロトコル「001」にヒットする。これにより、表示プロトコルDPが特定される。
【0068】
一方、画像取得部25は、まず、読影レポートRPTに貼付された読影対象画像36の生成のもとになる画像データにアクセスするためのリンク情報ILを取得する。なお、読影レポートデータベース8の説明で言及したとおり、このリンク情報ILは読影レポート中の他の情報とともに読影レポートデータベース8に関連づけられているので、診療科用ワークステーション4が読影レポートを読影レポートサーバ7から取得する際には、読影レポートRPTとともにリンク情報ILも取得するものとする。次に画像取得部25は、リンク情報ILに基づいて画像情報管理サーバ5に対して閲覧要求を行い、読影レポートRPTにおいて読影対象だった画像(以下、読影対象画像)の元データI1を取得する。なお、図4の具体例では、この画像データI1はCT画像データである。
【0069】
画像処理部26は、表示プロトコル決定部24で決定された表示プロトコルDPに基づいて、画像データI1を入力として画像処理を行い、処理済みの画像データI11、I12、I13・・・を出力する。なお、画像処理部26は、MPR、MIP、MinIP、ボリュームレンダリング、ウィンドウ処理等の各種処理毎に別のプログラムとして実装してもよい。図4、図5A、図5Bの具体例では、画像処理部26は、画像データI1を入力として、小領域Sub1に対応する、CT画像からアキシャル断面画像を再構成し、肺野条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行った画像と、小領域Sub2に対応する、コロナル断面画像を再構成し、肺野条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行った画像と、小領域Sub3に対応する、アキシャル断面画像を再構成し、縦隔条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行った画像と、小領域Sub4に対応する、コロナル断面画像を再構成し、縦隔条件のウィンドウレベルやウィンドウ幅で処理を行った画像とを生成する。
【0070】
表示画面生成部27は、画像処理部26で生成された処理済み画像データI11、I12、I13・・・による画像を、表示プロトコル決定部24で決定された表示プロトコルDPに基づく表示レイアウトに配置した表示画面SCを生成する。これにより、図4、図5A、図5Bの具体例では、図5Aに示したようなレイアウトで、各小領域には画像処理部26で処理済みの画像が嵌め込まれた表示画面SCが生成され、診療科用ワークステーション4のディスプレイに表示される。
【0071】
以上のように、本実施形態では、読影医と依頼元の診療科の医師の連携による、従来と同様の画像診断のワークフローが前提となっている。すなわち、依頼元の診療科の医師からの検査オーダーに基づいてモダリティ1で撮影され、画像情報データベース6に保管された画像情報を、放射線科の読影医が放射線科用ワークステーション3で読影を行い、読影レポートRPTを作成し、作成された読影レポートRPTが読影レポートデータベース8に保管されると、検査オーダーの完了が依頼元の診療科の医師に伝えられる。
【0072】
そして、本発明に特有の読影レポートと連携した医用画像の閲覧機能が実現される。具体的には、依頼元の診療科の医師が、診療科用ワークステーション4で、読影医によって作成された読影レポートRPTを読影レポートデータベース8から取得して閲覧し、所望の画像に対する詳細観察の操作を行うと、キーワード抽出部22がキーワードテーブル21を用いて読影レポートRPTから解剖学的構造物および病変に関する情報を表すキーワードK1,K2・・・を抽出し、表示プロトコル決定部24が、キーワードK1,K2・・・に適合する表示プロトコルDPを表示プロトコルテーブル23から自動選択し、画像取得部25が取得した読影対象画像の元データI1に対して、画像処理部26が、表示プロトコルDPに基づいて画像処理を行って表示対象の画像I11、I12・・・を生成し、表示画面生成部27が、表示プロトコルDPに基づくレイアウトで表示対象の画像I11、I12・・・を嵌め込んだ表示画面SCを生成し、表示画面SCは、診療科用ワークステーション4に表示される。
【0073】
したがって、読影対象画像と表示対象画像は同じ元データI1から生成されたものであるが、前者は読影医による読影に用いられたものであり、後者は診療科の医師による詳細観察のために用いられたものであり、本発明の実施形態では、両画像を画像処理条件や表示条件が異なったものとすることができる。
【0074】
これにより、上記の読影医と依頼医の連携による画像診断ワークフローにおいて、依頼元の診療科の医師は、読影医が作成した読影レポート情報RPT中の解剖学的構造物や病変の情報から自動的に決定された最適な表示プロトコルDPに基づいて表示された画像を観察することが可能になり、読影医や依頼医に余計な作業の手間をかけさせることなく、上記ワークフローが効率化される。
【0075】
なお、上記実施形態において、キーワードテーブル21およびキーワード抽出部22が本発明の抽出手段に相当し、画像取得部25、画像処理部26、表示画面生成部27が本発明の画像処理・表示制御手段に相当する。
【0076】
また、図5Bに示したような取得画像のモダリティ毎に表示プロトコルを定義した表示プロトコルテーブル23を用いているので、表示対象の画像の元データI1のモダリティに応じた最適な表示態様で表示された画像を観察することが可能になり、診断効率や精度の向上に資する。
【0077】
図6は、診療科用ワークステーション4における読影レポートおよび読影レポートの対象画像の連携閲覧機能として実装された本発明の第2の実施形態となる医用画像表示装置の構成とデータの流れを模式的に示したブロック図である。本発明の第2の実施形態は、読影レポートに関連づけられた読影対象画像だけでなく、それに関連する画像も表示させるようにするものである。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0078】
本実施形態では、画像取得部25は、読影対象画像の元データI1だけでなく、読影対象画像と所定の関連性を有する関連画像の画像データI2、I3・・・を画像情報データベース6から取得する。具体的には、以下のような検索条件が挙げられる。
(1) 読影対象画像と同一患者
(2) (1)かつ検査日付が同一かつモダリティが異なる
(3) (1)かつ検査日付が読影対象画像より前(過去画像)
図7は、この処理の具体的内容の一例を模式的に示したものである。図に示したように、画像情報データベース6には、画像ID、患者ID、検査ID、検査日、モダリティ、撮影条件、ファイル名等の付帯情報が表形式で格納されている。画像取得部25は、例えば、上記(1)の検索条件の場合、読影レポートRPTに関連づけられた患者ID「12345」を検索キーとして画像情報データベース6に対する検索を行うことにより、読影対象画像と同一患者の画像データ(画像ID=「24680」)を取得することができる。なお、画像ID=「13579」の画像データは、検査IDの値が、読影レポートRPTと同じ「1001」であるから、読影対象画像の画像データI1であることがわかる。
【0079】
表示プロトコル決定部24は、キーワード情報K1、K2・・・だけでなく、画像取得部25で取得された関連画像の付帯情報に基づいて、表示プロトコルテーブル23から表示プロトコルDPを選択する。
【0080】
図8Aは、本実施形態において表示プロトコルテーブルDPに登録されている表示プロトコルの内容を模式的に表したものである。図5Aと比較すると、小領域Sub3、Sub4に表示される画像のモダリティがHRCT(高分解能CT)である点が相違している。すなわち、この表示プロトコルは、読影対象画像だけでなく、それに関連する画像も同時に表示させるためのものである。図8Bは、この表示プロトコルを表示プロトコルテーブル23に登録した例を示している。図に示したように、取得画像の項目において、読影対象画像と関連画像を区別するために、小領域Sub1およびSub2では、読影対象画像を表す「入力」が付加され、小領域Sub3およびSub4では、関連画像の選択条件となる「同日(検査日付が読影対象画像と同日)」が付加され、関連画像のモダリティとして「HRCT」が設定されている。この例の場合、表示プロトコル決定部24は、キーワード抽出部22によって抽出されたキーワードK1(「肺」)、K2(「結節」)を用いるとともに、画像取得部25で取得された関連画像の付帯情報と表示プロトコルテーブル23の取得画像の値とを比較し、キーワードおよび取得画像の両条件を満たす表示プロトコルを選択する。例えば、図7に示した画像ID=「24680」の関連画像は、読影対象画像と検査日が同一でモダリティがHRCTであるから、取得画像の条件を満たす。ここで、画像情報データベース6に読影対象画像と同一患者で検査日が同じだが、モダリティがHRCTとは異なる画像があった場合には、この表示プロトコルは選択されない。なお、取得画像の条件をすべて満たす表示プロトコルが表示プロトコルテーブル23に登録されていない場合には、キーワードの条件のみを満たす表示プロトコルをリスト表示して、ユーザが所望の表示プロトコルを選択できるようにしてもよいし、個々の表示プロトコルに優先順位を付しておき、キーワードの条件を満たす表示プロトコルのうち、最も優先度の高い表示プロトコルを選択するようにしてもよい。また、関連画像が多数存在し、取得画像の条件の異なる表示プロトコルが多数存在する場合には、キーワードと取得画像の条件の両方を満たす表示プロトコルが表示プロトコルテーブル23に複数登録されていることもありうるが、その場合についても上記と同様に、両条件を満たす表示プロトコルをリスト表示したり、最も優先度の高い表示プロトコルを選択したりすればよい。
【0081】
図9Aから図9Eは、読影対象画像と関連画像を同時に表示する表示プロトコルの例を示したものである。図9Aは肺びまん性疾患の場合、図9Bは肺結節の場合でCR画像とCT画像とを同時に表示させる場合、図9Cは肺結節の場合で現在CT画像と過去CT画像を同時に表示させる場合、図9Dは脳アルツハイマーの場合、図9Eは椎間板ヘルニアの場合に適した表示プロトコルである。これらの場合であっても、図7に示した画像情報データベース6の検査日付やモダリティ、撮影条件等の付帯情報を用いることにより、表示プロトコルテーブル23の取得画像の条件の判断ができる。
【0082】
また、画像処理部26は、画像取得部25によって取得された読影対象画像の画像データI1を対象に表示プロトコル決定部24で決定された表示プロトコルDPの定義に応じた画像処理を行うとともに、画像取得部25によって取得された関連画像の画像データI2、I3のうち、その決定された表示プロトコルDPにおいて表示対象とされた関連画像の画像データI2のみを対象に、その表示プロトコルDPの定義に応じた画像処理を行い、処理済み画像I11、I12・・・、I21、I22・・・を生成する。
【0083】
以上のように、本発明の第2の実施形態では、画像取得部25(本発明の関連画像検索手段にも相当)が、画像情報データベース6に対する検索により、読影対象画像の元データI1だけでなく、その関連画像の画像データI2、I3も取得し、表示プロトコル決定部24が、読影対象画像と関連画像を同時に表示する態様が定義された表示プロトコルテーブル23に基づいて、解剖学的構造物や病変に関するキーワードK1、K2、および、関連画像の属性の両方の条件を満たす表示プロトコルDPを選択するようにしたので、解剖学的構造物や病変に応じた最適な関連医用画像との比較観察が可能になり、診断効率や精度の向上に資する。
【0084】
なお、上記の第2の実施形態では、画像取得部25が関連画像を取得してから、表示プロトコル決定部24が表示対象の関連画像を選択しつつ、表示プロトコルDPを決定していたが、図10に示したように、表示プロトコル決定部24が、キーワードK1、K2・・・のみに基づいて表示プロトコルDPを仮決定した後、画像取得部25が、仮決定された表示プロトコルに定義された条件を満たす関連画像を画像情報データベース26に対する検索により取得してもよい。具体的には、図8A、図8Bに例示された表示プロトコルの場合、画像取得部25は、上記第2の実施形態のように、読影対象画像と同一患者のすべての画像を検索するのではなく、読影対象画像と同一患者、かつ、読影対象画像と同一検査日付で、かつ、モダリティがHRCTの画像を検索する。
【0085】
また、上記の第2の実施形態において、読影レポートRPTに記載された読影対象画像に対する所見と同一所見の画像を関連画像として表示する表示プロトコルDPを定義しておくとともに、画像取得部25が読影対象画像と同一所見の画像の画像データを取得するようにすることも可能である。具体的には、表示プロトコルDPについては、図5B、図8Bに例示した表示プロトコルテーブル23の場合、取得画像の項目に「同一所見CT」のように登録しておけばよい。一方、画像取得部25については、画像情報データベース6にその画像に対する所見の情報が格納されていれば、画像情報データベース6に対する検索により、読影対象画像と同一所見の画像、例えば、図3Aの例では、左肺上葉に結節があるという所見を有する画像や、肺に3cmの結節があるという所見を有する画像の画像データを取得することが可能である。あるいは、読影レポートデータベース8に対して読影対象画像と同一所見を有する読影レポートの検索を行い、検索された読影レポートに関連づけられた画像の画像データを画像情報データベース6から取得することも可能である。
【0086】
上記の各実施形態では、表示プロトコルは画像処理条件と表示条件の両方を含むものとしていたが、以下に説明する本発明の第3の実施形態のように、画像処理条件のみ定義されたものであってもよい。
【0087】
図12は、診療科用ワークステーション4に実装された本発明の第3の実施形態となる医用画像表示装置の構成とデータの流れを模式的に示したブロック図である。図に示したように、表示画面生成部27が、表示プロトコル決定部24で決定された表示プロトコルDPを参照せずに、画像処理部26で生成された処理済み画像データI11による画像を予め決められた表示レイアウトで配置した表示画面SCを生成する点において、第1の実施形態と異なる。
【0088】
図13は、画像処理条件のみを定義した表示プロトコルテーブル23の登録例を表したものである。図に示したように、表示プロトコルを識別する表示プロトコルIDに対して、キーワード、生成する画像の種別、マスク(自動認識処理の対象)、そのマスク対象の表示/非表示、カラーテンプレートを識別する情報が関連づけられて登録されたものである。表示プロトコルID「101」の例では、読影レポートからキーワード「肝臓」が抽出され、生成する画像として「ボリュームレンダリング(VR)画像」が選択された場合には、「肝臓」を自動認識して表示対象とし、カラーテンプレート「カラー01」を用いる旨が登録されている。表示プロトコルID「102」の例では、読影レポートからキーワード「肝臓」および「脾臓」が抽出され、生成する画像として「ボリュームレンダリング(VR)画像」が選択された場合には、「肝臓」および「脾臓」を自動認識してともに表示対象とし、カラーテンプレート「カラー02」を用いる旨が登録されている。表示プロトコルID「103」の例では、読影レポートからキーワード「血管」が抽出され、生成する画像として「ボリュームレンダリング(VR)画像」が選択された場合には、「骨」を自動認識して非表示とし(骨除去処理を行い)、カラーテンプレート「カラー11」を用いる旨が登録されている。表示プロトコルID「104」の例では、読影レポートからキーワード「心臓」が抽出され、生成する画像として「ボリュームレンダリング(VR)画像」が選択された場合には、「心臓」および「冠動脈」を自動認識してともに表示対象とし、カラーテンプレート「カラー21」を用いる旨が登録されている。表示プロトコルID「105」の例では、読影レポートからキーワード「脳」および「血管」が抽出され、生成する画像として「MIP画像」が選択された場合には、カラーテンプレート「白黒01」を用いる旨が登録されている。また、表示プロトコルID「106」の例では、読影レポートからキーワード「脳」および「血管」が抽出され、生成する画像として「ボリュームレンダリング(VR)画像」が選択された場合には、「血管」を自動認識して表示対象とし、カラーテンプレート「カラー31」を用いる旨が登録されている。なお、本実施形態の表示プロトコルテーブルの他の構成例として、図5Bに示した表示プロトコルテーブルから、領域ID、位置情報の欄を削除したものを用いてもよい。
【0089】
図14Aは、読影レポートの表示画面中で、本発明の第3の実施形態における読影レポートおよび読影レポートの対象画像の連携閲覧機能を実現するソフトウェアプログラムの起動操作を行う場合の具体例を示したものである。図に示したように、読影レポートの表示画面30は、図3Bの表示画面から読影対象画像の縮小画像36を表示する領域35を除いた画面構成となっており、ユーザが、読影対象画像の所見を表示する領域34に設定された「脳動脈瘤の疑いあり」のリンクに対してクリック操作を行うと、図14Bに示したような読影対象画像を含むポップアップ画面39が表示される。そして、ユーザがこの読影対象画像を右クリックすると、新たに生成する画像の種別を選択するためのメニューが表示され、例えば「MIP画像」を選択すると、このプログラムが起動され、キーワード抽出部22がリンク部分の文字列に基づいてキーワードテーブル21の参照を行い、キーワード「脳」および「血管」を抽出する。次に、表示プロトコル決定部24は、抽出されたキーワード「脳」と「血管」、および、図14Bのポップアップ画面39で選択された画像種別「MIP画像」に基づいて表示プロトコルテーブル23を参照し、表示プロトコルID「105」の表示プロトコルを取得する。画像処理部26は、表示プロトコル決定部24によって決定された表示プロトコルID「105」、および、図14Bのポップアップ画面39で選択された画像種別「MIP画像」に基づき、画像取得部25によって取得された読影対象画像の元データI1に対してカラーテンプレート「白黒01」を用いたMIP処理を行い、処理済の画像データI11を生成し、表示画面生成部27は、ポップアップ画面39に表示させる画像を処理済の画像I11に更新する。
【0090】
上記実施形態では、画像種別をユーザが選択するようにしていたが、表示プロトコル決定部24が、キーワード抽出部22によって抽出されたキーワードに基づいて画像種別も決定するようにしてもよい。
【0091】
また、上記実施形態においてポップアップ画面39に処理済の画像I11を表示させる際に、図15に示したように、ポップアップ画面39中に、画像処理部26によって適用された、すなわち、表示プロトコル決定部24によって決定された画像処理条件の内容を表示する領域40を設けてもよい。図では、表示プロトコルID「106」に基づいて生成された画像の例であり、領域40に、血管を表示するマスクが表示対象として設定され、脳のボリュームレンダリング用のカラーテンプレートが選択されていることが示されている。なお、マスクで指定された解剖学的構造物を非表示とした場合には、例えば、領域40の矩形のチェック欄に「×」印を表示するなどすればよい。これにより、ユーザは、現在表示されている画像に対してどの画像処理条件が選択されているかを容易に把握することが可能になる。さらに、領域40のチェック(黒塗り部分)の変更操作を受付可能にし、画像処理部26が変更後の画像処理条件に基づいて画像を再生成し、表示画面生成部27が再生成された画像に表示を更新するようにしてもよい。
【0092】
さらに、読影レポート中に結節等の病変に関する記述を行った場合には、その病変の位置情報を読影レポートと関連づけて記録するようにしておき、その位置情報を画像処理条件の1つとして用いてもよい。例えば、この病変の位置をボリュームレンダリング画像等の視野の中心となるように画像処理部26が処理を行うようにすることが考えられる。
【0093】
なお、上記実施形態の説明では、便宜上、画像処理部26が1つの画像のみ生成する場合を例として説明したが、複数の画像を生成するように表示プロトコルテーブル23を定義しておき、それに基づいて複数の画像を生成するようにしてもよい。例えば、キーワード「血管」と「病変」に対して、図13の表示プロトコルID「103」のように、血管用のカラーテンプレートを用いた骨除去されたボリュームレンダリング画像を生成するための定義と、血管用の白黒のテンプレートを用いて骨除去されたMIP画像を生成するための定義とを関連づけておくことが考えられる。
【0094】
上記の第3の実施形態とは逆に、以下に説明する本発明の第4の実施形態のように、表示プロトコルとして表示条件のみ定義するようにしてもよい。
【0095】
図16は、診療科用ワークステーション4に実装された本発明の第4の実施形態となる医用画像表示装置の構成とデータの流れを模式的に示したブロック図である。図に示したように、画像取得部25が、表示プロトコル決定部24によって決定された表示プロトコルDPを参照し、表示プロトコルDPに定義された画像処理が行われた表示対象の画像の画像データI11、I12、I13・・・を画像情報管理サーバ5から取得し、表示画面生成部27が、画像取得部25で生成された画像処理済み画像データI11、I12、I13・・・による画像を、表示プロトコル決定部24で決定された表示プロトコルDPに基づく表示レイアウトに配置した表示画面SCを生成するようにすればよい。
【0096】
上記の各実施形態では、全ユーザに共通の表示プロトコルとして表示プロトコルテーブル23を設けていたが、ユーザ毎、あるいは、複数のユーザによるグループ(例えば、脳外科グループ)毎に表示プロトコルを定義してもよい。具体的には、ユーザ毎、グループ毎に別個の表示プロトコルテーブルを設けてもよいし、表示プロトコルテーブルにユーザIDやグループIDの項目を追加し、診療科用医用画像ワークステーション4へのログインIDと照合するなどして、そのユーザやグループで定義された表示プロトコルのみにアクセスするようにしてもよい。
【0097】
さらに、読影、参照、カンファレンス等の目的別に表示プロトコルを定義し、ユーザによって入力された目的に応じた表示プロトコルを選択するようにしてもよい。
【0098】
あるいは、ワークステーションの表示デバイスの種類別に表示プロトコルを定義し、表示プロトコル決定部24が、オペレーティングシステム等から表示デバイスに関する情報を取得し、表示デバイスの種類にも応じて表示プロトコルを選択するようにしてもよい。ここで、表示デバイスの種類の具体例としては、モニタの数(1面または2面等)、モニタのサイズ、立体視表示対応の有無、デスクトップ端末かモバイル端末か等が挙げられる。
【0099】
また、ワークステーションの入力装置の種類別に表示プロトコルを定義し、表示プロトコル決定部24が、オペレーティングシステム等から入力装置に関する情報を取得し、入力装置の種類にも応じて表示プロトコルを選択するようにしてもよい。ここで、入力装置の種類の具体例としては、マウス、タッチパネル等の入力装置自体のタイプや、右クリック、ホイール等の各種操作機能の有無等が挙げられる。
【0100】
さらに、ワークステーションの設置場所別に表示プロトコルを定義し、表示プロトコル決定部24が、ワークステーションのネットワーク上のアドレス等からその設置場所に関する情報を特定し、設置場所にも応じた表示プロトコルを選択するようにしてもよい。ここで、設置場所の具体例としては、カンファレンス室、手術室、読影室、診察室等の病院内の各部屋の他、総合病院、大学病院、開業医等の病院の規模、遠隔地かどうか、あるいは、個別の病院を識別する情報等が挙げられる。
【0101】
さらにまた、表示タイミング別に表示プロトコルを定義し、表示プロトコル決定部24が、表示タイミングに関する情報を取得し、表示タイミングにも応じて表示プロトコルを選択するようにしてもよい。ここで、表示タイミングの情報の具体例としては、手術前、手術中、手術後が挙げられる。また、表示タイミングの具体的な取得方法としては、ユーザによる入力を受け付けたり、入力画像の付帯情報や患者情報が登録されたデータベースからその患者の手術履歴を取得したり、読影レポートから表示タイミングを表す文字列を取得したりして、表示タイミングの情報を取得する方法が挙げられる。
【0102】
図11Aおよび図11Bは、肝臓腫瘍の場合の異なる2つの表示プロトコルを表したものであり、このように、同一臓器の同種の病変に対して、複数の表示プロトコルが考えられる場合にも、ユーザ毎、グループ毎、目的毎、表示デバイス毎、入力装置毎、設置場所毎、表示タイミング毎に、表示プロトコルを使い分けられるようになる。
【0103】
あるいは、リンク情報ILに基づいて取得される元データI1の属性別にも表示プロトコルを定義し、表示プロトコル決定部24が、元データI1の属性に関する情報を取得し、元データI1の属性にも応じて表示プロトコルを選択するようにしてもよい。例えば、元データI1が時系列データである場合には、各時相における画像データに対する画像処理条件、および、各時相の画像処理済みの画像を時系列順に所定の時間間隔で切り替えて表示させるような表示条件を表示プロトコルテーブル23に定義しておけばよい。これにより、表示対象の画像を動画的に再生することが可能になる。
【0104】
また、読影レポートの作成の際に、表示プロトコルを特定可能な情報の入力を受け付ける領域を設け、入力された情報を読影レポートに関連づけて記憶しておき、この領域に入力された値を表示プロトコルの決定のための一連の処理に用いてもよい。具体例としては、この領域にキーワードの入力を受け付け、表示プロトコル決定部24がこの領域に入力されたキーワードを用いて表示プロトコルを決定するようにしてもよい。この場合、この領域に入力されたキーワードを優先的に用いるようにしてもよいし、読影レポートの所見内容等から抽出されたキーワードに対する追加情報として用いるようにしてもよい。あるいは、この領域に図5Bに示した表示プロトコルIDの入力を受け付けるようにし、表示プロトコル決定部24がこの領域に入力された表示プロトコルIDに基づいて表示プロトコルを決定するようにしてもよい。
【0105】
この他、上記の実施形態におけるシステム構成、処理フロー、モジュール構成等に対して、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な改変を行ったものも、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0106】
例えば、上記の実施形態では、図2,6,10に示された各処理が1台の診療科用ワークステーション4で行われるように説明したが、複数台のワークステーションに各処理を分散して協調処理するように構成してもよい。
【0107】
また、上記の実施形態はあくまでも例示であり、上記のすべての説明が本発明の技術的範囲を限定的に解釈するために利用されるべきものではない。
【符号の説明】
【0108】
1 画像撮影装置(モダリティ)
2 画像品質チェック用ワークステーション(QA−WS)
3 放射線科用ワークステーション
4 診療科用ワークステーション
5 画像情報管理サーバ
6 画像情報データベース
7 読影レポートサーバ
8 読影レポートデータベース
9 ネットワーク
21 キーワードテーブル
22 キーワード抽出部
23 表示プロトコルテーブル
24 表示プロトコル決定部
25 画像取得部
26 画像処理部
27 表示画面生成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された医用画像データから表示対象の医用画像を生成するための画像処理条件、および/または、該表示対象の医用画像の表示条件が、解剖学的構造物および/または病変に関する情報と関連づけられて定義された表示プロトコルを記憶する表示プロトコル記憶手段と、
前記入力医用画像データから生成された読影対象の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報に基づいて、前記表示プロトコル記憶手段に記憶された前記表示プロトコルからの選択によって、前記入力医用画像データに対する前記表示プロトコルを決定する表示プロトコル決定手段と、
前記決定された表示プロトコルに基づいて、前記入力医用画像データからの前記表示対象の医用画像の生成、および/または、前記表示対象の医用画像の表示制御を行う画像処理・表示制御手段とを備えたことを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項2】
前記表示プロトコルは、入力医用画像データのモダリティとさらに関連づけられたものであり、
前記表示プロトコル決定手段は、前記入力医用画像データのモダリティにさらに基づいて前記入力医用画像データに対する表示プロトコルを決定するものであることを特徴とする請求項1に記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記表示プロトコルは、前記入力医用画像データと所定の関連性を有する関連医用画像データからさらなる表示対象の関連医用画像を生成するための画像処理条件、および、該さらなる表示対象の医用画像の表示条件がさらに定義されたものであり、
医用画像データと、該医用画像データの属性情報であって前記所定の関連性の判断に利用可能な情報とが関連づけられて格納された医用画像データベースと、
前記入力医用画像データと前記所定の関連性を有する関連医用画像データの検索を前記医用画像データベースに対して行う関連画像検索手段とをさらに備え、
前記表示プロトコル決定手段が、前記検索の結果にさらに基づいて、前記さらなる表示対象の関連医用画像を生成するための関連医用画像データを決定するとともに、前記表示プロトコルを決定するものであり、
前記画像処理・表示制御手段が、前記決定された表示プロトコルに基づいて、前記さらなる表示対象の医用画像を生成するための関連医用画像データを前記医用画像データベースから取得し、前記表示対象の医用画像および前記さらなる表示対象の関連医用画像を表示させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
前記表示プロトコルは、前記入力医用画像データと所定の関連性を有する関連医用画像データからさらなる表示対象の関連医用画像を生成するための画像処理条件、および、該さらなる表示対象の医用画像の表示条件がさらに定義されたものであり、
医用画像データと、該医用画像データの属性情報であって前記所定の関連性の判断に利用可能な情報とが関連づけられて格納された医用画像データベースをさらに備え、
前記画像処理・表示制御手段が、前記決定された表示プロトコルに基づいて、前記入力医用画像との間で前記決定された表示プロトコルに定義された前記所定の関連性を有する関連画像データを前記医用画像データベースから取得し、前記表示対象の医用画像および前記さらなる表示対象の関連医用画像を表示させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
前記医用画像表示装置のユーザを識別するユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段をさらに備え、
前記表示プロトコルは、前記ユーザ、または、複数の前記ユーザからなるグループを識別するグループ情報とさらに関連づけられたものであり、
前記表示プロトコル決定手段は、前記ユーザまたは前記グループ情報にさらに基づいて、前記表示プロトコルを決定するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の医用画像表示装置。
【請求項6】
前記表示プロトコル記憶手段に記憶されている表示プロトコルの変更、および/または、新たな表示プロトコルの追加を受け付ける表示プロトコル編集手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の医用画像表示装置。
【請求項7】
入力された医用画像データから生成された読影対象の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を抽出するステップと、
前記抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報に基づいて、記憶手段に記憶された、入力された医用画像データから表示対象の医用画像を生成するための画像処理条件、および/または、該表示対象の医用画像の表示条件が、解剖学的構造物および/または病変に関する情報と関連づけられて定義された表示プロトコルからの選択によって、前記入力医用画像データに対する表示プロトコルを決定するステップと、
前記決定された表示プロトコルに基づいて前記表示対象の医用画像の生成、および/または、前記表示対象の医用画像の表示制御を行うステップとを有することを特徴とする医用画像表示方法。
【請求項8】
コンピュータに、
入力された医用画像データから生成された読影対象の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を抽出するステップと、
前記抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報に基づいて、記憶手段に記憶された、入力された医用画像データから表示対象の医用画像を生成するための画像処理条件、および/または、該表示対象の医用画像の表示条件が、解剖学的構造物および/または病変に関する情報と関連づけられて定義された表示プロトコルからの選択によって、前記入力医用画像データに対する表示プロトコルを決定するステップと、
前記決定された表示プロトコルに基づいて前記表示対象の医用画像の生成、および/または、前記表示対象の医用画像の表示制御を行うステップとを実行させることを特徴とする医用画像表示プログラム。
【請求項1】
入力された医用画像データから表示対象の医用画像を生成するための画像処理条件、および/または、該表示対象の医用画像の表示条件が、解剖学的構造物および/または病変に関する情報と関連づけられて定義された表示プロトコルを記憶する表示プロトコル記憶手段と、
前記入力医用画像データから生成された読影対象の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報に基づいて、前記表示プロトコル記憶手段に記憶された前記表示プロトコルからの選択によって、前記入力医用画像データに対する前記表示プロトコルを決定する表示プロトコル決定手段と、
前記決定された表示プロトコルに基づいて、前記入力医用画像データからの前記表示対象の医用画像の生成、および/または、前記表示対象の医用画像の表示制御を行う画像処理・表示制御手段とを備えたことを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項2】
前記表示プロトコルは、入力医用画像データのモダリティとさらに関連づけられたものであり、
前記表示プロトコル決定手段は、前記入力医用画像データのモダリティにさらに基づいて前記入力医用画像データに対する表示プロトコルを決定するものであることを特徴とする請求項1に記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記表示プロトコルは、前記入力医用画像データと所定の関連性を有する関連医用画像データからさらなる表示対象の関連医用画像を生成するための画像処理条件、および、該さらなる表示対象の医用画像の表示条件がさらに定義されたものであり、
医用画像データと、該医用画像データの属性情報であって前記所定の関連性の判断に利用可能な情報とが関連づけられて格納された医用画像データベースと、
前記入力医用画像データと前記所定の関連性を有する関連医用画像データの検索を前記医用画像データベースに対して行う関連画像検索手段とをさらに備え、
前記表示プロトコル決定手段が、前記検索の結果にさらに基づいて、前記さらなる表示対象の関連医用画像を生成するための関連医用画像データを決定するとともに、前記表示プロトコルを決定するものであり、
前記画像処理・表示制御手段が、前記決定された表示プロトコルに基づいて、前記さらなる表示対象の医用画像を生成するための関連医用画像データを前記医用画像データベースから取得し、前記表示対象の医用画像および前記さらなる表示対象の関連医用画像を表示させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
前記表示プロトコルは、前記入力医用画像データと所定の関連性を有する関連医用画像データからさらなる表示対象の関連医用画像を生成するための画像処理条件、および、該さらなる表示対象の医用画像の表示条件がさらに定義されたものであり、
医用画像データと、該医用画像データの属性情報であって前記所定の関連性の判断に利用可能な情報とが関連づけられて格納された医用画像データベースをさらに備え、
前記画像処理・表示制御手段が、前記決定された表示プロトコルに基づいて、前記入力医用画像との間で前記決定された表示プロトコルに定義された前記所定の関連性を有する関連画像データを前記医用画像データベースから取得し、前記表示対象の医用画像および前記さらなる表示対象の関連医用画像を表示させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
前記医用画像表示装置のユーザを識別するユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段をさらに備え、
前記表示プロトコルは、前記ユーザ、または、複数の前記ユーザからなるグループを識別するグループ情報とさらに関連づけられたものであり、
前記表示プロトコル決定手段は、前記ユーザまたは前記グループ情報にさらに基づいて、前記表示プロトコルを決定するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の医用画像表示装置。
【請求項6】
前記表示プロトコル記憶手段に記憶されている表示プロトコルの変更、および/または、新たな表示プロトコルの追加を受け付ける表示プロトコル編集手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の医用画像表示装置。
【請求項7】
入力された医用画像データから生成された読影対象の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を抽出するステップと、
前記抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報に基づいて、記憶手段に記憶された、入力された医用画像データから表示対象の医用画像を生成するための画像処理条件、および/または、該表示対象の医用画像の表示条件が、解剖学的構造物および/または病変に関する情報と関連づけられて定義された表示プロトコルからの選択によって、前記入力医用画像データに対する表示プロトコルを決定するステップと、
前記決定された表示プロトコルに基づいて前記表示対象の医用画像の生成、および/または、前記表示対象の医用画像の表示制御を行うステップとを有することを特徴とする医用画像表示方法。
【請求項8】
コンピュータに、
入力された医用画像データから生成された読影対象の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を抽出するステップと、
前記抽出された解剖学的構造物および/または病変に関する情報に基づいて、記憶手段に記憶された、入力された医用画像データから表示対象の医用画像を生成するための画像処理条件、および/または、該表示対象の医用画像の表示条件が、解剖学的構造物および/または病変に関する情報と関連づけられて定義された表示プロトコルからの選択によって、前記入力医用画像データに対する表示プロトコルを決定するステップと、
前記決定された表示プロトコルに基づいて前記表示対象の医用画像の生成、および/または、前記表示対象の医用画像の表示制御を行うステップとを実行させることを特徴とする医用画像表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図16】
【図15】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図16】
【図15】
【公開番号】特開2011−92682(P2011−92682A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75500(P2010−75500)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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