説明

医用画像診断装置およびその制御プログラム

【課題】検査に必要なアプリケーションの相互の関連性を一目で理解できるようその配置を制御するとともに、各アプリケーションの進捗状況を視覚的に表示する。
【解決手段】アプリケーション選定部3は操作検出部2により検査画面上でマウスのホイールボタンの長押しが検出されると、現在行われている検査に必要なアプリケーションを選定する。関連の深さ取得部4は、選定されたアプリケーションと起動中のアプリケーションとの関連の深さを取得する。進捗状況取得部5は、選定されたアプリケーションの進捗状況を取得する。表示処理部6は、アプリケーション選定部3で選定されたアプリケーションの情報からそのアイコンを関連の深さ取得部4で取得されたアプリケーションの関連の深さに応じて画面上に配置する。また表示処理部6は、進捗状況取得部5で取得されたアプリケーションの進捗状況に応じて配置したアイコン上に進捗状況を視覚的に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像診断装置およびその制御プログラムに関し、特に、検査に必要なアプリケーションのアイコンの配置を制御するとともに、アプリケーションの進捗状況を視覚的に表示することができる医用画像診断装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医用画像診断装置において、ある患者の検査の中で一連のアプリケーション(ジョブ)を処理する技術がある。一連のアプリケーションには、画像の収集を行うためのアプリケーション、患部の計測を行うためのアプリケーション、メディアへの保存を行うためのアプリケーションなどがある。アプリケーションの数や種類は、患者の検査内容によって異なる。
【0003】
各アプリケーションの進捗状況を管理するためには、例えば、進捗管理ツールが使用される。この進捗管理ツールは、現在起動中のアプリケーション、次に起動するアプリケーションをワークフローとして表示するものである。が、複数のアプリケーションを制御するようなものではない。
【0004】
また例えば、特許文献1には、画面選択スイッチを選択して、目的の操作画面を表示させることにより、アプリケーションを管理する技術が提案されている。
【特許文献1】特開2001−25456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、進捗管理ツールでは、アプリケーションの数が多くなるに従ってアプリケーションの切り替えが多くなり、検査全体の進捗状況を把握することができない課題があった。
【0006】
また進捗管理ツールを確認する手段と、アプリケーションを切り替える手段は、それぞれ独立しており、操作性が悪い課題があった。
【0007】
さらに特許文献1では、操作画面の切り替えを行うことができるものの、全てのアプリケーションの進捗状況を一目で管理することができず、現在行っているアプリケーションに対して次に行うべきアプリケーションがどれであるかを判断することができない課題があった。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、検査に必要な全てのアプリケーションを一目で把握することができるように表示するとともにアプリケーションをある特定のアプリケーションを基準としてそのアプリケーションとの関連の深さに応じて配置し、さらに、表示されたアプリケーションからはその進捗状況が視覚的に把握できるようにした医用画像診断装置およびその制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、現在行われている検査に必要なアプリケーションを選定する選定手段と、選定手段により選定されたアプリケーションと、起動中のアプリケーションとの関連の深さを取得する関連の深さ取得手段と、選定手段により選定されたアプリケーションの進捗状況を取得する進捗状況取得手段と、選定手段により選定されたアプリケーションのアイコンを、関連の深さ取得手段により取得された関連の深さに応じて配置するとともに、進捗状況取得手段により取得された進捗状況をアイコン上に視覚的に表示する表示手段とを備える。
【0010】
請求項4記載の本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、現在行われている検査に必要なアプリケーションを選定する選定ステップと、選定ステップにより選定されたアプリケーションと、起動中のアプリケーションとの関連の深さを取得する関連の深さ取得ステップと、選定ステップにより選定されたアプリケーションの進捗状況を取得する進捗状況取得ステップと、選定ステップにより選定されたアプリケーションのアイコンを、関連の深さ取得ステップにより取得された関連の深さに応じて配置するとともに、進捗状況取得ステップにより取得された進捗状況をアイコン上に視覚的に表示する表示ステップとを医用画像診断装置が備えるコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、検査に必要な全てのアプリケーションを一目で把握することができるように表示するとともにアプリケーションをある特定のアプリケーションを基準としてそのアプリケーションとの関連の深さに応じて配置し、さらに、表示されたアプリケーションからはその進捗状況が視覚的に把握できるようにした医用画像診断装置およびその制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る医用画像診断装置1の構成例を示す図である。この医用画像診断装置1は、CPU(Central Processing Unit)1a、ROM(Read Only Memory)1b、RAM(Random Access Memory)1c、および入出力インターフェイス1dが、バス1eを介して接続されている。入出力インターフェイス1dには、記憶部1f、通信部1g、表示部1h、入力部1i、およびリムーバブルディスク1jが接続されている。
【0014】
CPU1aは、入力部1iからの入力信号に基づいて医用画像診断装置1を起動するためのブートプログラムをROM1bから読み出して実行し、記憶部1fに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。またCPU1aは、入力部1iからの入力信号に基づいて各種の制御を行ったり、ROM1bや記憶部1fに記憶されたプログラムおよびデータを読み出してRAM1cにロードしたり、あるいはRAM1cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、データ演算または加工などの一連の処理を実行する。
【0015】
記憶部1fは、半導体メモリや磁気ディスクなどで構成されており、CPU1aで実行されるプログラムやデータを記憶する。記憶部1fには、CPU1aが実行するプログラムとして、例えば、現在行われている検査に必要なアプリケーションの進捗状況を管理し、そのアプリケーションをアイコンで視覚的に表示部1hに表示させるためのアプリケーションが用意される。以下、適宜、各アプリケーションの進捗状況を管理し、それらアプリケーションをアイコンで視覚的に表示させるこのアプリケーションを進捗管理アプリケーションという。
【0016】
アプリケーションとは、基本OSに対応する応用プログラムのことである。ここではその例として、例えば、虚血性心疾患の検査として断層像の収集を行うためのストレスエコー収集アプリケーション、観察用の検査Viewerアプリケーション、収集した断層像をメディアに保存するためのメディア保存アプリケーション、患部の大きさや体表からの深さを計測するための通常計測アプリケーション、検査後のレポートを作成するためのレポート作成アプリケーション、患者情報の他の装置への転送を行うための患者情報転送アプリケーション、検査予約を行うための検査予約アプリケーション、検査後の断層像を印刷するための印刷アプリケーション、心機能などの計測のためのストレス計測アプリケーション、および患者の撮影予約を行うための撮影予約アプリケーション等を挙げることができる。
【0017】
通信部1gは、LAN(Local Area Network)カードやモデムなどで構成されており、医用画像診断装置1をローカルエリアネットワークやインターネットといった通信媒体に接続することを可能にする。すなわち通信部1gは、通信媒体から受信したデータを、入出力インターフェイス1dおよびバス1eを介してCPU1aに送信し、CPU1aからバス1eおよび入出力インターフェイス1dを介して受信したデータを、通信媒体に送信する。
【0018】
表示部1hは、例えば液晶ディスプレイであり、CPU1aからバス1eおよび入出力インターフェイス1dを介して受信した信号に基づいて、CPU1aの処理結果などを表示する。
【0019】
入力部1iは、医用画像診断装置1の操作者が各種の操作を入力するキーボードやマウスなどの入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を生成し、入出力インターフェイス1dおよびバス1eを介してCPU1aに送信する。
【0020】
リムーバブルディスク1jは、例えば光ディスクやフレキシブルディスクなどであり、図示せぬディスクドライブによって読み出されたデータが、入出力インターフェイス1dおよびバス1eを介してCPU1aに送信され、CPU1aからバス1eおよび入出力インターフェイス1dを介して受信したデータが、ディスクドライブによって書き込まれる。
【0021】
図2は、医用画像診断装置1の機能構成例を示すブロック図である。図2に示す機能部のうちの少なくとも一部は、図1のCPU1aにより進捗管理アプリケーションが実行されることによって実現される。
【0022】
操作検出部2は、検査画面上で入力部1iのマウスのホイールボタンの長押しが行われたことを検出したとき、検出結果をアプリケーション選定部3に出力する。マウスのホイールボタンとは、マウスの左ボタンと右ボタンの間にある円盤状の部材のことであり、これを回したり、あるいは、これを押しながらマウス本体を移動したりすることによってウィンドウをスクロールすることができる。
【0023】
なお、以下、本発明の実施の形態を説明する際には、操作者の操作を検出するきっかけとしてマウスのホイールボタンによる操作を例に挙げるが、このきっかけとなる操作の設定は自由に行うことができ、特にホイールボタンによる操作に限られない。
【0024】
アプリケーション選定部3は、マウスのホイールボタンの長押しが行われたことが操作検出部2により検出されると、現在行われている検査に必要なアプリケーションを選定し、選定したアプリケーションの情報(アプリケーション名や識別情報など)を関連の深さ取得部4、進捗状況取得部5、および表示処理部6に供給する。アプリケーション選定部3に対しては、現在行われている検査を表す情報が所定のタイミングで入力される。
【0025】
関連の深さ取得部4は、長押しが検出されたときに起動しているアプリケーションを基準としてアプリケーション選定部3により選定されたアプリケーションとの関連の深さを取得する。各検査に必要なアプリケーション、およびアプリケーション同士の関連の深さが医用画像診断装置1の操作者によって予め決められており、それらの情報が関連の深さ取得部4が管理するテーブルに登録されている。例えば、関連の深さ取得部4は、テーブルに登録された情報から、現在行われている検査Aに必要なアプリケーションとして、アプリケーションa、アプリケーションb、およびアプリケーションcを選定し、選定したアプリケーションa、b、cと、長押しが検出されたときに起動しているアプリケーションdとの関連の深さを取得する。
【0026】
例えば、起動中のアプリケーションの次に必ず起動されるアプリケーションは、関連が深いといえる。反対に、起動中のアプリケーションとは関係なく独立して起動されるアプリケーションは関連が浅い、または関連がないといえる。関連の深さは、例えば、0乃至100%の数値や任意に定めた5段階の数値等、任意に定めた表現によって表わすことができる。
【0027】
なお、以下の説明においては、関連の深さに関する理解の便宜上、上述した0乃至100%の数値や任意に定めた5段階の数値を利用する(5段階表示の場合は、「1」から「5」に向けて関連が深くなるものとする)。また、起動中のアプリケーションを基準とした各アプリケーションとの関連の深さを示す数値は説明のために定めたものであり、自由にその関連の深さを規定することができる。
【0028】
関連の深さ取得部4は、取得したアプリケーションの関連の深さを表す情報を表示処理部6に供給する。
【0029】
進捗状況取得部5は、各アプリケーションの進捗状況を監視しており、アプリケーション選定部3により選定されたアプリケーションの進捗状況を取得する。アプリケーションの進捗状況は、例えば0乃至100%の数値で表現される。進捗状況取得部5は、取得したアプリケーションの進捗状況を表す情報を表示処理部6に供給する。
【0030】
表示処理部6は、アプリケーション選定部3より供給されたアプリケーションの情報から、アプリケーションを識別することができるアイコンを作成し、関連の深さ取得部4より供給されたアプリケーションの関連の深さを表す情報に応じて表示部1hの画面上に配置する。また表示処理部6は、進捗状況取得部5より供給されたアプリケーションの進捗状況を表す情報に応じて、表示部1hの画面に配置したアイコン上に、進捗状況を視覚的に表示させる。
【0031】
次に、図3のフローチャートを参照して、進捗管理アプリケーションが実行する表示制御処理について説明する。ここでは、例えば虚血性心疾患の検査が行われており、ストレスエコー収集アプリケーションが起動しているものとする。また現在のストレスエコー収集アプリケーションの起動中、表示部1hにはストレスエコーによって収集される画像等が表示されているが、説明の便宜のため、図4では画像等に替えてこの状態を示す表示として「ストレスエコー収集アプリケーション起動中・・・」との文言を示している。
【0032】
ステップS1において、操作検出部2は、図4に示す画面上でマウスのホイールボタンが長押しされたことを検出したか否かを判定し、マウスのホイールボタンが長押しされたことを検出するまで待機する。そして、操作検出部2は、マウスのホイールボタンが長押しされたことを検出した場合、その検出結果をアプリケーション選定部3に供給する。
【0033】
ステップS2において、アプリケーション選定部3は、現在行われている検査に必要なアプリケーションを選定する。例えば、虚血性心疾患の検査に必要なアプリケーションとして、撮影予約アプリケーション、検査予約アプリケーション、印刷アプリケーション、メディア保存アプリケーション、検査Viewerアプリケーション、患者情報転送アプリケーション、レポート作成アプリケーション、通常計測アプリケーション、およびストレス計測アプリケーションが選定される。
【0034】
ステップS3において、関連の深さ取得部4は、ステップS1の処理でマウスのホイールボタンの長押しが検出されたときに起動しているアプリケーションを基準として、このアプリケーションとステップS2の処理で選定されたアプリケーションとの関連の深さを取得する。
【0035】
例えば、血性心疾患の検査に必要なアプリケーションとして取得されたアプリケーションのうち、撮影予約アプリケーションとストレス計測アプリケーションは、ストレスエコー収集アプリケーションとの関連の深さが5段階の1であることが取得される。つまり、撮影予約アプリケーションとストレス計測アプリケーションは、ストレスエコー収集アプリケーション起動中に選択することができないため、関連が浅い。
【0036】
また、検査予約アプリケーション、印刷アプリケーション、メディア保存アプリケーション、患者情報転送アプリケーション、レポート作成アプリケーション、および通常計測アプリケーションは、ストレスエコー収集アプリケーションとの関連の深さが5段階の3であることが取得される。つまり、検査予約アプリケーション、印刷アプリケーション、メディア保存アプリケーション、患者情報転送アプリケーション、レポート作成アプリケーション、および通常計測アプリケーションは、ストレスエコー収集アプリケーション起動中に選択することができるため、関連がある。
【0037】
さらに、検査Viewerアプリケーションは、ストレスエコー収集アプリケーションとの関連の深さが5段階の5であることが取得される。つまり、検査Viewerアプリケーションは、ストレスエコー収集アプリケーションにより収集された断層像のズームインやズームアウトなどを行うために選択されるものであるため、最も関連が深い。
【0038】
ステップS4において、進捗状況取得部5は、ステップS2の処理で選定された各アプリケーションの進捗状況を取得する。例えば、検査予約アプリケーションの進捗状況は、100%である(つまり終了している)ことが取得される。また、患者情報転送アプリケーションの進捗状況は80%、レポート作成アプリケーションの進捗状況は50%、通常計測アプリケーションの進捗状況は20%であることが取得される。
【0039】
ステップS2の処理で選定されたアプリケーションの情報、ステップS3の処理で取得されたアプリケーション同士の関連の深さを表す情報、およびステップS4の処理で取得されたアプリケーションの進捗状況を表す情報は表示処理部6に供給される。
【0040】
ステップS5において、表示処理部6は、ステップS2の処理で選定されたアプリケーションの情報から、アプリケーションを識別することができるアイコンを作成し、ステップS3の処理で取得されたアプリケーションの関連の深さを表す情報に応じて表示部1hの画面に配置する。また表示処理部6は、ステップS4の処理で取得されたアプリケーションの進捗状況を表す情報に応じて、アイコン上に進捗状況を視覚的に表示させる。
【0041】
図5は、進捗管理アプリケーションによって表示部1hに表示される各アプリケーションの進捗状況を管理する画面の例を示す図である。
【0042】
図5に示すように、現在起動中のアプリケーションであるストレスエコー収集アプリケーションのアイコンA1が画面中心に配置され、その周囲に、撮影予約アプリケーションのアイコンA2、検査予約アプリケーションのアイコンA3、印刷アプリケーションのアイコンA4、メディア保存アプリケーションのアイコンA5、検査ViewerアプリケーションのアイコンA6、患者情報転送アプリケーションのアイコンA7、レポート作成アプリケーションのアイコンA8、通常計測アプリケーションのアイコンA9、およびストレス計測アプリケーションのアイコンA10が配置されている。図5の例においては、各アプリケーションのアイコンとして矩形のアイコンが表示されている。
【0043】
検査Viewerアプリケーションはストレスエコー収集アプリケーションと最も関連が深いため、検査ViewerアプリケーションのアイコンA6は、ストレスエコー収集アプリケーションのアイコンA1の最も近傍に配置される。
【0044】
検査予約アプリケーション、印刷アプリケーション、メディア保存アプリケーション、患者情報転送アプリケーション、レポート作成アプリケーション、および通常計測アプリケーションは、検査Viewerアプリケーションの次にストレスエコー収集アプリケーションと関連が深いため、それらのアイコンA3,A4,A5,A7,A8,A9は、アイコンA1の周辺に配置される。
【0045】
撮影予約アプリケーションとストレス計測アプリケーションは、ストレスエコー収集アプリケーションと関連がないため、それらのアイコンA1,A10は、アイコンA1から最も遠い位置に配置される。さらにこのタイミングではアプリケーションの実行ができないことを表す表示(図5の例では、×印)がなされている。
【0046】
また、検査予約アプリケーションは既にその起動が終了しているので進捗状況が100%であり、該当するアイコンA3は、矩形全体が網掛け表示とされる。患者情報転送アプリケーションは進捗状況が80%であり、アイコンA7は、矩形全体のほぼ80%が網掛け表示とされる。さらに通常計測アプリケーションは進捗状況が20%であり、アイコンA9は、矩形全体のほぼ20%が網掛け表示とされる。
【0047】
なお、図5に示す各アイコンの配置位置は、あくまで一例であり、医用画像診断装置1の操作者によって任意に変更することが可能である。また、図5の例では、アイコンA1乃至A10が表示されているが、表示されるアイコンは、検査の種類や内容などにより異なるため、この限りではない。すなわち、検査の種類や内容などに応じて、アプリケーションの進捗状況やアプリケーションの選択可或いは、不可などが視覚的に表現される。
【0048】
例えば、図5に示す画面において、現在起動中のストレスエコー収集アプリケーションの進捗状況が100%になった(終了した)とき、ストレスエコー収集アプリケーションのアイコンA1は、図6に示すように、矩形全体が網掛け表示になる。またストレスエコー収集アプリケーションが終了したことにより、ストレス計測アプリケーションが選択可能になるため、そのアイコンA10が、ストレスエコー収集アプリケーションのアイコンA1の近傍に配置されるように切り替わる。虚血性心疾患の検査は、ストレスエコーの収集、ストレスの計測、・・・の順に行われるため、ストレスエコーの収集を行うストレスエコー収集アプリケーションが終了したとき、通常、ストレス計測アプリケーションが次に実行されるアプリケーションになる。さらにバックグラウンド処理されていた患者情報転送アプリケーションは、進捗状況が100%になったことにより、ストレスエコー収集アプリケーションとの関連がなくなり、そのアイコンA7は、アイコンA1から最も遠い位置に配置されるように切り替わる。
【0049】
このように、現在起動中のアプリケーションのアイコンを中心にして、その検査において必要とされるアプリケーションの全てがそのアプリケーションとの関連の深さに応じてアイコンを介して配置されるから、操作者は、次に処理すべきアプリケーションを一目で判断することができる。また、アイコン上に進捗状況を視覚的に表示させるようにしたため、操作者は、アプリケーションの進捗状況の管理も同時に行うことができる。
【0050】
さらにマウスを操作してマウスポインタPを所望のアイコン上に移動させ、そこでダブルクリックして選択することにより、容易にアプリケーションを切り替えることができる。
【0051】
例えば、図6に示す画面において、ストレス計測アプリケーションのアイコンA10が選択されたとき、表示部1hには、ストレス計測アプリケーションが起動される(不図示)。この起動に伴ってストレス計測アプリケーションの画面が表示される(表示される画面としては図4参照)。そして、このストレス計測アプリケーションが起動されている画面上でマウスのホイールボタンが長押しされたとき(ステップS1)、現在行われている検査に必要なアプリケーションが選定され(ステップS2)、現在起動中のストレス計測アプリケーションと選定したアプリケーションとの関連の深さが取得され(ステップS3)、選定したアプリケーションの進捗状況が取得され(ステップS4)、各アプリケーションのアイコンにアプリケーション同士の関連の深さや進捗状況が反映されて、図7に示すような画面が表示部1hに表示される(ステップS5)。
【0052】
この場合図7に示すように、現在起動中のアプリケーションであるストレス計測アプリケーションのアイコンA10が画面中心に配置され、処理が終了したストレスエコー収集アプリケーションのアイコンA1は、アイコンA10から遠い位置に配置される。
【0053】
以上の構成を採用することによって、検査に必要な全てのアプリケーションを一目で把握することができるように表示するとともにアプリケーションをある特定のアプリケーションを基準としてそのアプリケーションとの関連の深さに応じて配置し、さらに、表示されたアプリケーションからはその進捗状況が視覚的に把握できるようにした医用画像診断装置およびその制御プログラムを提供することができる。
【0054】
なおこの発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化したり、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせたりすることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【0055】
例えば、以上においては、所定のアプリケーションが起動されている画面上でマウスのホイールボタンが長押しされたとき、図5に示す各プリケーションの進捗状況を管理する画面を表示させるようにしたが、図8に示すように、医用画像診断装置1の表示部1hがワイドモニタの場合には、検査画面W1の横に並べて、各アプリケーションの進捗状況を管理する画面W2を表示させるようにすることができる。これにより、操作者は、検査を行いつつ、全体の進捗状況を管理することができる。
【0056】
また例えば、図9に示すように、医用画像診断装置1が表示部1hの他にタッチパネルなどのサブウィンドウSWを備えている場合には、そのサブウィンドウSWにアプリケーションの進捗状況を管理する画面W2を表示させるようにすることができる。これにより、ワイドモニタと同様に、操作者は、検査を行いつつ全体の進捗状況を管理することができる。
【0057】
さらに、以上において各アプリケーションの進捗状況を管理する画面を表示させる場合に、現在起動中のアプリケーションのアイコンを画面中心に配置し、その周辺に検査に必要なアプリケーションのアイコンを関連の深さに応じて配置するようにしたが、これに限らず、例えば、図10に示すように、現在起動中のアプリケーションのアイコンを画面左上方に配置し、検査に必要なアプリケーションのアイコンを関連の深さに応じて配置するようにしてもよい。図10の例の場合、画面左側にあるアイコンのアプリケーションほど、ストレスエコー収集アプリケーションA1との関連が深く、画面右側にあるアイコンのアプリケーションほど、ストレスエコー収集アプリケーションA1との関連が低くなっている。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係る医用画像診断装置の構成例を示す図である。
【図2】医用画像診断装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】表示制御処理を説明するフローチャートである。
【図4】表示部に表示される画面の例を示す図である。
【図5】図4の画面上でマウスのホイールボタンが長押しされたときに表示部に表示される画面の例を示す図である。
【図6】図5の画面でストレスエコー収集アプリケーションが終了したときに表示部に表示される画面の例を示す図である。
【図7】図5の画面上でストレス計測アプリケーションのアイコンが選択されたときに表示部に表示される画面の例を示す図である。
【図8】ワイドモニタに表示される画面の例を示す図である。
【図9】サブウィンドウを備えた医用画像診断装置の外観例を示す図である。
【図10】表示部に表示される他の画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 医用画像診断装置
2 操作検出部
3 アプリケーション選定部
4 関連の深さ取得部
5 進捗状況取得部
6 表示処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在行われている検査に必要なアプリケーションを選定する選定手段と、
前記選定手段により選定された前記アプリケーションと、起動中のアプリケーションとの関連の深さを取得する関連の深さ取得手段と、
前記選定手段により選定された前記アプリケーションの進捗状況を取得する進捗状況取得手段と、
前記選定手段により選定された前記アプリケーションのアイコンを、前記関連の深さ取得手段により取得された前記関連の深さに応じて配置するとともに、前記進捗状況取得手段により取得された前記進捗状況を前記アイコン上に視覚的に表示する表示手段と
を備えることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】
現在行われている前記検査の画面上で所定の操作が行われたことを検出する検出手段をさらに備え、
前記選定手段は、前記検出手段により前記所定の操作が行われたことが検出されたとき、現在行われている検査に必要なアプリケーションを選定し、
前記関連の深さ取得手段は、前記選定手段により選定されたアプリケーションと、前記検出手段により前記所定の操作が行われたことが検出されたときに起動しているアプリケーションとの関連の深さを表す情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記検出手段により前記所定の操作が行われたことが検出されたときに起動しているアプリケーションのアイコンを画面中心に配置し、その周囲に、前記選定手段により選定されたアプリケーションのアイコンを、前記関連の深さに応じて配置する
ことを特徴とする請求項2に記載の医用画像診断装置。
【請求項4】
現在行われている検査に必要なアプリケーションを選定する選定ステップと、
前記選定ステップにより選定された前記アプリケーションと、起動中のアプリケーションとの関連の深さを取得する関連の深さ取得ステップと、
前記選定ステップにより選定された前記アプリケーションの進捗状況を取得する進捗状況取得ステップと、
前記選定ステップにより選定された前記アプリケーションのアイコンを、前記関連の深さ取得ステップにより取得された前記関連の深さに応じて配置するとともに、前記進捗状況取得ステップにより取得された前記進捗状況を前記アイコン上に視覚的に表示する表示ステップと
を医用画像診断装置が備えるコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−268589(P2009−268589A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−119881(P2008−119881)
【出願日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】