説明

医用画像診断装置およびその制御プログラム

【課題】各検査の進捗状況を容易に把握することができる。
【解決手段】工程管理部2は、工程処理部3で行われる各工程の進捗状況を管理し、進捗状況や各工程の作業を行うことができる進捗状況管理画面をGUI表示部5に表示させる。工程管理部2は、GUI表示部5に表示されている進捗状況管理画面上で行われた操作内容を管理し、その操作内容に応じて進捗状況管理画面の表示を更新する。GUI表示部5は、工程管理部2の制御の下、各工程を処理するために操作者が操作するGUIを含む進捗状況管理画面を表示させる。例えば、GUI表示部5は、ひとつの検査をひとつのアイコンで表し、そのアイコンを工程の処理順に並べて画面に配置する。またGUI表示部5は、画面に配置したアイコン上に、待ち状況を視覚的に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像診断装置およびその制御プログラムに関し、特に、医療に関する各工程の進捗状況を容易に把握することができる医用画像診断装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療業務を効率化させる技術として、医療業務に関する情報を統括的に管理するためのシステムがある。例えば、病院内の事務的な情報を統括的に管理する病院情報システム(Hospital Information System:HIS)、あるいは、放射線部門内における医療情報を統括的に管理する放射線部門情報システム(Radiology Information System:RIS)等がある。また、医療行為の効率化は、院内LAN、医用ワークステーション等の導入により実現されている。
【0003】
一般的に、医療施設内には、様々なメーカのシステムが導入されていることが多く、仮に同一メーカ製品で構成されていたとしても、装置毎の操作性が統一されていないことが多い。そのため、操作を熟知するのに時間がかかり、誤操作を行う危険性もある。
【0004】
例えば、特許文献1には、医療業務の流れを、適切且つ容易に把握することができるようにするために、検査の進捗状況を把握するためのストリームリストを表示する技術が提案されている。
【特許文献1】特開2002−207824号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、所定期間が経過した検査は逐次的に処理されるのではなく、例えば、検査の途中で前回の検査を処理したり、あるいは、検査を行っている途中で緊急性の高い検査が割り込んだりすることがある。このような場合、複数の検査の工程が入り交じることになり、操作者は、各検査の進捗状況を把握することができなくなるという課題があった。
【0006】
また特許文献1の技術では、工程の進捗状況に問題が生じてもそれを見逃してしまう課題があった。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、医療に関する各工程の進捗状況を容易に把握することができ、進捗状況に問題が生じた場合に警告を表示することができる医用画像診断装置およびその制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、医療に関する所定の業務を定義する工程の進捗状況を管理する工程管理手段と、工程管理手段により管理されている工程の進捗状況を表すアイコンを処理順に並べて表示するとともに、工程の進捗状況に問題が生じたとき、警告を表示する表示制御手段とを備える。
【0009】
請求項3記載の本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、医療に関する所定の業務を定義する工程の進捗状況を管理する工程管理ステップと、工程管理ステップにより管理されている工程の進捗状況を表すアイコンを処理順に並べて表示するとともに、工程の進捗状況に問題が生じたとき、警告を表示する表示制御ステップとを医用画像診断装置が備えるコンピュータに実行させることである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、医療に関する各工程の進捗状況を容易に把握することができ、進捗状況に問題が生じた場合に警告を表示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施の形態)
以下、本発明における第1の実施の形態について図1乃至図9を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る医用画像診断装置1の構成例を示す図である。この医用画像診断装置1は、CPU(Central Processing Unit)1a、ROM(Read Only Memory)1b、RAM(Random Access Memory)1c、および入出力インターフェイス1dが、バス1eを介して接続されている。入出力インターフェイス1dには、記憶部1f、通信部1g、表示部1h、入力部1i、およびリムーバブルメディア1jが接続されている。
【0013】
CPU1aは、入力部1iからの入力信号に基づいて医用画像診断装置1を起動するためのブートプログラムをROM1bから読み出して実行し、記憶部1fに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。またCPU1aは、入力部1iからの入力信号に基づいて各種の制御を行ったり、ROM1bや記憶部1fに記憶されたプログラムおよびデータを読み出してRAM1cにロードしたり、あるいはRAM1cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、データ演算または加工などの一連の処理を実行する。
【0014】
記憶部1fは、半導体メモリや磁気ディスクなどで構成されており、CPU1aで実行されるプログラムやデータを記憶する。記憶部1fには、CPU1aが実行するプログラムとして、例えば、各工程の進捗状況を管理し、それらの工程をアイコンで視覚的に表示部1hに表示させるためのアプリケーションが用意される。以下、適宜、各工程の進捗状況を管理し、それらの工程をアイコンで視覚的に表示させるこのアプリケーションを進捗管理アプリケーションという。
【0015】
通信部1gは、LAN(Local Area Network)カードやモデムなどで構成されており、医用画像診断装置1をローカルエリアネットワークやインターネットといった通信媒体に接続することを可能にする。すなわち通信部1gは、通信媒体から受信したデータを、入出力インターフェイス1dおよびバス1eを介してCPU1aに送信し、CPU1aからバス1eおよび入出力インターフェイス1dを介して受信したデータを、通信媒体に送信する。
【0016】
表示部1hは、例えば液晶ディスプレイであり、CPU1aからバス1eおよび入出力インターフェイス1dを介して受信した信号に基づいて、CPU1aの処理結果などを表示する。
【0017】
入力部1iは、医用画像診断装置1の操作者が各種の操作を入力するキーボードやマウスなどの入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を生成し、入出力インターフェイス1dおよびバス1eを介してCPU1aに送信する。
【0018】
リムーバブルメディア1jは、例えば光ディスクやフレキシブルディスクなどであり、図示せぬディスクドライブによって読み出されたデータが、入出力インターフェイス1dおよびバス1eを介してCPU1aに送信され、CPU1aからバス1eおよび入出力インターフェイス1dを介して受信したデータが、ディスクドライブによって書き込まれる。
【0019】
図2は、医用画像診断装置1の機能構成例を示すブロック図である。図2に示す機能部のうちの少なくとも一部は、図1のCPU1aにより進捗管理アプリケーションが実行されることによって実現される。
【0020】
工程管理部2は、工程処理部3で行われる各工程の進捗状況を管理し、進捗状況や各工程の作業を行うことができる進捗状況管理画面をGUI(Graphical User Interface)表示部5に表示させる工程管理手段として機能する。ここで工程とは、医療に関する所定の業務を定義する少なくとも1つのプロセスを表している。工程には、例えば、検査予約、医用画像の生成、診断、アーカイブ、フィルミング、レポート、紹介、転送、および会計が含まれる。
【0021】
工程管理部2は、GUI表示部5に表示されている進捗状況管理画面上で行われた操作内容を管理し、その操作内容に応じて進捗状況管理画面の表示を更新する。工程管理部2は、データベース4に記憶されている各種情報や画像などを管理する。
【0022】
工程処理部3は、例えば、検査予約を行う工程、X線放射線画像、超音波画像、核医学画像、またはMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像など検査の種類に合わせた医用画像を生成する工程、検査で得られた画像から病症の診断を行う工程、検査で得られた画像をアーカイブする工程、検査で得られた画像からフィルムを作成する工程、検査後のレポートを作成する工程、近年の地域医療連携の進展に鑑み検査結果を他の病院に紹介する工程、検査結果を他の装置やメディアに転送する工程、および会計を行う工程などで構成される。これらの工程は、医療機関毎に定義することができ、操作者によって予め登録される。また登録された工程は、任意に変更することが可能である。
【0023】
データベース4には、工程処理部3による処理で得られた患者の年齢や病歴などの患者情報、検査内容や計測値などの検査情報、および検査画像などが記憶される。
【0024】
GUI表示部5は、工程管理部2の制御の下、各工程を処理するために操作者が操作するGUIを含む進捗状況管理画面を表示部1hに表示させる表示制御手段として機能する。例えば、GUI表示部5は、ひとつの検査をひとつのアイコン(矩形や円形など)で表し、そのアイコンを工程の処理順に並べて表示部1hの画面に配置する。またGUI表示部5は、表示部1hの画面に配置したアイコン上に、処理待ちの状況を視覚的に表示させる。
【0025】
図3は、進捗管理アプリケーションによって表示部1hに表示される進捗状況管理画面の例を示す図である。
【0026】
図3に示す進捗状況管理画面において、上方には、工程状態表示エリア11が配置されており、各検査を識別することができるアイコンが、工程の処理順に並べられている。
【0027】
図3の例では、「検査予約」の工程で処理待ちとなっている検査を表すアイコン12a、「検査」の工程で処理待ちとなっている検査を表すアイコン12b、「診断」の工程で処理待ちとなっている検査を表すアイコン12c、「アーカイブ」の工程で処理待ちとなっている検査を表すアイコン12d、「フィルミング」の工程で処理待ちとなっている検査を表すアイコン12e、「レポート」の工程で処理待ちとなっている検査を表すアイコン12f、「紹介」の工程で処理待ちとなっている検査を表すアイコン12g、「転送」の工程で処理待ちとなっている検査を表すアイコン12h、「会計」の工程で処理待ちとなっている検査を表すアイコン12iが表示されている。
【0028】
「検査予約」のアイコン12a、「アーカイブ」のアイコン12d、「フィルミング」のアイコン12e、「会計」のアイコン12iは、処理待ちの検査が発生しているためにアイコンが積み上げられたようなスタック表示となっている。図3の例の場合、「検査予約」のアイコン12a、「アーカイブ」のアイコン12d、および「フィルミング」のアイコン12eからは、それぞれ3件の処理待ちが発生していることが示されており、「会計」のアイコン12iからは、「会計」の工程は4件の処理待ちが発生していることが示されている。このように、スタック表示は、処理待ちの検査数に応じて変化させることができる。
【0029】
工程状態表示エリア11の下方には、工程作業画面13が配置されている。例えば、操作者により、アイコン12a乃至12iのうちのいずれかが選択されたとき、さらにアイコン12a、12d、12e、12iのいずれかが選択された場合には、複数の検査から所定の検査が選択されたとき、工程作業画面13上に、選択された検査の工程に必要なGUIが表示される。
【0030】
また工程作業画面13には、工程作業画面13上に表示されているGUIを中断するときに操作される「中断」ボタン14、工程作業画面13上に表示されているGUIを終了するときに操作される「終了」ボタン15が表示されている。
【0031】
このような図3に示す進捗状況管理画面を表示させることにより、操作者は、各工程の進捗状況を把握するとともに、どの工程で処理待ちが発生しているかを容易に確認することができる。また工程状態表示エリア11に表示されているアイコン12a乃至12iを選択することにより、工程作業画面13上に選択された検査の工程に必要なGUIを表示させることができるため、全体の工程管理をしつつ、スムーズに特定の工程作業を行うことができる。
【0032】
次に、図4のフローチャートを参照して、進捗管理アプリケーションが実行する工程状態表示エリア11の表示更新処理について説明する。この処理を開始するにあたり、表示部1hには、図3に示す進捗状況管理画面が表示されている。
【0033】
ステップS1において、工程管理部2は、操作者により検査が選択されたか否か、すなわち、進捗状況管理画面の工程状態表示エリア11に表示されているアイコン12a乃至12iの中から所定のアイコンが選択されたか否かを判定し、検査が選択されるまで待機する。
【0034】
例えば、操作者により、工程状態表示エリア11に表示されているアイコン12a乃至12iのうち、「フィルミング」の工程を表すアイコン12eが選択されたとき、図5に示すようなリスト16が表示される。リスト16には、「フィルミング」の工程で処理待ちとなっている検査を表すアイコン12e−1乃至12e−3が表示される。このアイコンによるリスト表示は、あくまで一例であり、文字によるリスト表示などでもよい。
【0035】
このように、スタック表示となっている(つまり、処理待ちが発生している)アイコンが選択されると、積み上げられていたアイコンが展開されてリスト表示に切り替わる。
【0036】
ステップS1において所定の検査が選択されると、ステップS2に進み、GUI表示部5は、工程管理部2の制御の下、選択された検査の工程のGUIを工程作業画面13上に表示させる。これにより、操作者は、工程作業画面13上に表示されたGUIを用いて、工程に必要な情報を入力したり、工程に必要な作業を行ったりすることができる。
【0037】
ステップS3において、工程管理部2は、工程作業画面13上で必要情報が入力されたか否かを判定し、必要情報が入力されるまで待機する。そして必要情報が入力されたと判定した場合、ステップS4に進み、GUI表示部5は、工程管理部2の制御の下、工程状態表示エリア12の表示を更新する。
【0038】
例えば、図5に示す進捗状況管理画面において、操作者によりリスト16に表示されているアイコン12e−1乃至12e−3の中から、アイコン12e−3が選択されたとき、そのアイコン12e−3に対応する「フィルミング」の工程のGUIが工程作業画面13上に表示される。操作者は、工程作業画面13上に表示されているGUIを用いて、必要な情報を入力したり、必要な作業を行ったりした後、「終了」ボタン15を選択する。この一連の作業により、アイコン12e−3に該当する検査では、「フィルミング」の工程が終了し、次の工程である「レポート」の工程に移動する。これにより、図6に示すように、「レポート」のアイコン12fがスタック表示に更新される。
【0039】
そしてステップS4の処理の後、ステップS1に戻り、上述した処理が繰り返し実行される。
【0040】
以上のように、各工程の進捗状況を視覚的に表示させるようにしたので、操作者は、各工程の進捗状況を容易に管理することができる。また、進捗状況管理画面上で所定の検査が選択されたとき、選択された検査の工程のGUIを表示させるようにしたので、操作者は、選択した検査の工程に必要な情報の入力や作業を行うことができる。従って、操作者は、全体の工程管理をしつつ、同時に特定の工程作業も行うことが可能となる。
【0041】
次に、図7のフローチャートを参照して、工程が中断された場合の処理について説明する。この処理を開始するにあたり、表示部1hには、図3に示す進捗状況管理画面が表示されている。
【0042】
ステップS11において、工程管理部2は、操作者により検査が中断されたか否か、すなわち、進捗状況管理画面の工程作業画面13上に表示されている「中断」ボタン14が選択されたか否かを判定し、検査が中断されるまで待機する。そして検査が中断されたと判定した場合、ステップS12に進み、GUI表示部5は、工程管理部2の制御の下、中断された検査のアイコンを、中断中を示す表示に変化させる。
【0043】
例えば、「検査予約」の工程が行われている途中で「中断」ボタン14が選択された場合、図6に示すように、「検査予約」の工程を表すアイコン12aが斜線の模様に変化される。この表示は、あくまで一例であり、色や形状を変更したり、あるいは、「中断」の文字を重ねて表示したりするようにしてもよい。
【0044】
ステップS13において、工程管理部2は、操作者により検査が再開されたか否かを判定し、検査が再開されるまで待機する。図示は省略するが、「中断」ボタン14が選択されることよって、このボタンは「再開」ボタンに切り替わっており、操作者が再びボタン14を選択することにより、検査を再開することができる。
【0045】
ステップS13において、検査が再開されたと判定された場合、ステップS14に進み、GUI表示部5は、工程管理部2の制御の下、工程作業画面13で中断されていた工程を再開することができるように表示を元に戻す。その後、処理はステップS11に戻り、上述した処理が繰り返し実行される。
【0046】
以上のように、緊急の検査が入った場合にも、簡単な操作で工程を中断することができる。そして、緊急の検査が終了し、中断していた工程を再開する場合にも、簡単な操作で中断した続きから工程を再開することができ、作業の効率化を図ることができる。
【0047】
また工程管理部2は、図示せぬ外部の検査予約装置から緊急の検査が入ったことを検知した場合、または既に処理が行われている検査が緊急になったことを検知した場合、緊急の検査のアイコンを、緊急を示す表示に変化させる。例えば、アイコン12bに対応する検査が緊急の検査になった場合、図6に示すように、「検査」の工程を表すアイコン12bを縦線の模様に変化させる。この表示は、あくまで一例であり、色や形状を変更したり、あるいは、「緊急」の文字を重ねて表示したりするようにしてもよい。
【0048】
さらに工程管理部2は、各工程に処理待ちの検査数の閾値を設けておき、処理待ちの検査数が閾値を超えたことを検知した場合、例えば、図8に示すようなメッセージボックス21を表示させ、操作者に対して処理待ちの検査数が閾値を超えた旨を通知することができる。図8の例では、メッセージボックス21に「閾値(50)を超えました。対処してください。」という内容のメッセージ、およびメッセージ内容が確認されたときに選択されるボタン21aが表示されている。
【0049】
以上のように、工程管理部2は、処理待ちの検査数が閾値を超えるなどの工程の進捗状況に問題が生じたとき、警告メッセージを画面上に表示させるようにしたが、これだけでなく、例えば、予め設定された送信先に、処理待ちの検査数が閾値を超えた旨を電子メールなどで通知するようにしてもよい。
【0050】
これにより、操作者は、医用画像診断装置1の表示部1hに表示されている進捗状況管理画面上で進捗状況を管理していなくても、例えば、携帯電話機が受信した電子メールを確認し、処理待ちの検査数が閾値を超えたことを容易に知ることができる。そして操作者は、処理待ちが発生している検査をスムーズに処理することができるようにするために、人員の配置換えや増員などを指示することが可能となる。
【0051】
また工程管理部2は、各工程での検査時間を記録しておき、検査の平均処理時間を算出して提示するようにしてもよい。例えば、工程管理部2は、図9に示すようなダイアログ22を表示させ、操作者に対して平均処理時間、処理待ち検査数、および総待ち時間を通知することができる。図9の例では、ダイアログ22に「平均処理時間10:00(分)、待ち検査数12、待ち時間120(分)」が表示されている。これにより、操作者は、処理待ちの検査数だけでなく、処理待ち時間をも容易に知ることができる。
【0052】
以上のような構成を採用することによって、医療に関する各工程の進捗状況を容易に把握することができ、進捗状況に問題が生じた場合に警告を表示することが可能となる。
【0053】
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について図10を参照して説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付してあり、重複する説明は省略する。
【0054】
図10に示す第2の実施の形態の工程管理システムにおいては、工程管理装置30、工程処理端末40A、および工程処理端末40Bから構成され、これらは、有線または無線のネットワークを介して、あるいは、専用線を介してデータ通信可能に接続される。
【0055】
工程管理装置30は、第1の実施の形態の医用画像診断装置1の工程管理部2およびデータベース4を有しており、新たにネットワークを介して他の装置と通信するための通信部31が設けられている。
【0056】
工程処理端末40Aは、第1の実施の形態の医用画像診断装置1の工程処理部3(図中、工程処理部3Aと示す)およびGUI表示部5(図中、GUI表示部5Aと示す)を有しており、新たにネットワークを介して他の装置と通信するための通信部41Aが設けられている。同様に、工程処理端末40Bも、工程処理部3(図中、工程処理部3Bと示す)、GUI表示部5(図中、GUI表示部5Bと示す)、および通信部41Bが設けられている。
【0057】
以下において、工程処理端末40A,40Bを個々に区別する必要が無い場合、単に工程処理端末40と称する。同様に、工程処理部3A,3B、GUI表示部5A,5B、通信部41A,41Bを個々に区別する必要がない場合、単に工程処理部3、GUI表示部5、通信部41と称する。
【0058】
工程管理装置30の工程管理部2は、通信部31を介して工程処理端末40と通信し、工程処理端末40で行われる各工程の進捗状況を管理し、図3に示した進捗状況管理画面を、ネットワークを介して工程処理端末40のGUI表示部5に表示させる。また工程管理部2は、工程処理端末40のGUI表示部5に表示されている進捗状況管理画面上で行われた操作内容を、ネットワークを介して管理し、その操作内容に応じて進捗状況管理画面の表示を更新する。
【0059】
工程処理端末40のGUI表示部5は、工程管理装置10の制御の下、図3に示した進捗状況管理画面を表示部に表示させる。
【0060】
以上のように、工程管理装置30に各工程の進捗状況を管理させ、工程処理端末40に進捗状況管理画面を表示させることによっても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、操作者は、各工程の進捗状況を把握するとともに、どの工程で処理待ちが発生しているかを容易に確認することができる。また、工程作業画面13上に検査に必要なGUIを表示させることができるため、スムーズに作業を行うことができる。
【0061】
さらに、工程管理装置30が工程処理端末40の各工程の進捗状況を管理することができるため、例えば、工程処理端末40Aの工程処理部3Aに「検査予約」を行う工程を実施させ、工程処理端末40Bの工程処理部3Bに「検査」を行う工程を実施させるといったように、医療施設内で各工程を分散させることも可能である。
【0062】
(第3の実施の形態)
次に本発明における第3の実施の形態について図11および図12を参照して説明する。なお、第3の実施の形態において、上述の第2の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付してあり、重複する説明は省略する。
【0063】
図11に示す第3の実施の形態の地域医療工程管理システムにおいては、第2の実施の形態の医療施設内における工程管理システムが地域医療ネットワークに展開されている。
【0064】
図11に示すように、地域医療工程管理システムは、工程管理装置30Aと工程処理端末40A,40Bを有する医療施設A、工程管理装置30Bと工程処理端末40C,40Dを有する医療施設B、工程管理装置30Cと工程処理端末40E,40Fを有する医療施設Cから構成されている。また医療施設Aの工程管理装置30A、医療施設Bの工程管理装置30B、および医療施設Cの工程管理装置30Cは、公衆回線網などの地域医療ネットワーク50を介してデータ通信可能に接続される。
【0065】
工程管理装置30Aは、工程処理端末40A,40Bで行われる各工程の進捗状況を管理するとともに、地域医療ネットワーク50を介して他の医療施設の工程管理装置30B,30Cと通信し、各医療施設の工程処理端末40C乃至40Fで行われる各工程の進捗状況を管理する。
【0066】
また工程管理装置30Aは、進捗状況に応じて、図12に示すような進捗状況管理画面を工程処理端末40A,40Bに表示させるとともに、他の医療施設の工程管理装置30B,30Cと通信し、各医療施設の工程処理端末40C乃至40Fにも図12に示すような進捗状況管理画面を表示させる。
【0067】
図12の例では、進捗状況管理画面に、医療施設Aで行われている各工程の進捗状況が視覚的に表示される工程状態表示エリア11A、医療施設Bで行われている各工程の進捗状況が視覚的に表示される工程状態表示エリア11B、および医療施設Cで行われている各工程の進捗状況が視覚的に表示される工程状態表示エリア11Cが配置されている。この表示により、操作者は、各医療施設の各工程の進捗状況を把握するとともに、どの工程で処理待ちが発生しているかを容易に確認することができる。
【0068】
さらに工程管理装置30Aは、工程処理端末40A,40Bに表示されている進捗状況管理画面上で行われた操作内容を管理するとともに、他の医療施設の工程管理装置30B,30Cと通信し、各医療施設の工程処理端末40C乃至40Fに表示されている進捗状況管理画面上で行われた操作内容を管理し、それらの操作内容に応じて進捗状況管理画面の表示を更新する。
【0069】
以上のように、地域医療ネットワークに適用した場合にも、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、操作者は、各医療施設の各工程の進捗状況を把握するとともに、どの工程で処理待ちが発生しているかを容易に確認することができる。また処理待ちの工程が多い医療施設があった場合、他の医療施設が協力して処理待ちが多い工程を処理することにより、混雑状況の緩和を図ることができる。
【0070】
以上においては、医療施設Aの工程管理装置30Aを地域医療ネットワーク内におけるメインの管理装置として機能させるようにしたが、医療施設Bの工程管理装置30Bと医療施設Cの工程管理装置30Cと連携して各工程を管理するようにしてもよい。
【0071】
なおこの発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化したり、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせたりすることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係る医用画像診断装置の構成例を示す図である。
【図2】医用画像診断装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】進捗状況管理画面の表示例を示す図である。
【図4】表示更新処理を説明するフローチャートである。
【図5】進捗状況管理画面の他の表示例を示す図である。
【図6】進捗状況管理画面の他の表示例を示す図である。
【図7】工程が中断された場合の処理を説明するフローチャートである。
【図8】進捗状況管理画面に表示されるメッセージボックスの表示例を示す図である。
【図9】進捗状況管理画面に表示されるダイアログの表示例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態における工程管理システムの構成例を示す図である。
【図11】第3の実施の形態における地域医療工程管理システムの構成例を示す図である。
【図12】進捗状況管理画面の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
1 医用画像診断装置
2 工程管理
3 工程処理部
4 データベース
5 GUI表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療に関する所定の業務を定義する工程の進捗状況を管理する工程管理手段と、
前記工程管理手段により管理されている前記工程の進捗状況を表すアイコンを処理順に並べて表示するとともに、前記工程の進捗状況に問題が生じたとき、警告を表示する表示制御手段と
を備えることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記アイコンが選択されたとき、選択されたアイコンに対応する工程に必要なGUIを表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
医療に関する所定の業務を定義する工程の進捗状況を管理する工程管理ステップと、
前記工程管理ステップにより管理されている前記工程の進捗状況を表すアイコンを処理順に並べて表示するとともに、前記工程の進捗状況に問題が生じたとき、警告を表示する表示制御ステップと
を医用画像診断装置が備えるコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−276830(P2009−276830A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124815(P2008−124815)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】