医用製品、薬用製品及び栄養補給用製品の中の一つ以上を収容するためのブリスター包装ベルト
本発明は、個々のブリスター区画(13)に分離することができる巻取可能な製品保持体(12)を有する、医用製品、薬用製品及び栄養補給用製品(11)の中の一つ以上を収容するためのブリスター包装ベルト(10)であって、単一のストリップとして構成された製品保持体(12)が、その移送方向Fに対して順番に、ブリスター包装ベルト(10)のピッチTを規定する、個別化された製品(11)を収容するための個々の保管部(14)と、各製品(11)が保管部(14)内に密閉して配置されるように保管部(14)を閉鎖するためのフォイル状のカバー(15)とを有するブリスター包装ベルト(10)に関し、各保管部(14)が、製品の幾何学的な形状に依存しない窪み(24)と製品の幾何学的な形状に依存する窪み(25)とを備えた二段式に成形された収容空間(23)を有し、カバー(15)を基準レベルとする製品に依存しない窪み(24)の深さDは、一方では少なくともブリスター包装ベルト(10)の側面を製品に依存しない窪み(24)に沿って機械的に誘導することが可能な大きさであり、他方では保管部(14)内に収容すべき最小の製品(11)の厚さよりも小さいことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個々のブリスター包装区間に分離することができる巻取可能な製品保持体を有する、医用製品、薬用製品及び栄養補給用製品の中の一つ以上を収容するためのブリスター包装ベルトであって、単一のストリップとして構成された製品保持体は、その移送方向Fに順番に、ブリスター包装ベルトのピッチTを規定する、個別化された製品を収容するための個別の保管部と、各製品が保管部内に密閉して配置されるように保管部を閉鎖するためのフォイル状のカバーとを有するブリスター包装ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなブリスター包装ベルトは、特に、個々の患者のパッケージを製作する場合に使用されている。そのようなパッケージは、手動又は自動で製作することができる。その場合、有利には、それぞれ一つの形式の製品を装填するための単一の巻き取られたブリスター包装ベルトから、単一の製品又は複数の製品を収容する区画を巻き戻し、ブリスター包装ベルトから切り離して、基板上に配置し、場合によっては、例えば、接着等によって固定している。通常ブリスター包装ベルトは、基板とカバー部材の間にサンドイッチ状に配置される。カバー部材は、開口部を有し、そこを通して、保管部の少なくとも一部が突き出ている。基板は、製品の領域にパーフォレーションが設けられており、そのため、ブリスター包装ベルトのフォイル状のカバー及び基板の部分的に弱体化された材料を破って製品を取り出す際に、保管部に圧力が加わることによって、製品を押し付けている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている通りの周知のブリスター包装ベルトは、保管部が製品又は製品の形式毎にそれぞれ1段式に構成されている。即ち、ブリスター包装ベルトは、特に、製品を収容するために形成された保管部も、製品毎に、或いは製品の形式毎に、製品の幾何学的な形状に応じて異なる幾何学的な形状を有する。具体的には、例えば、錠剤の保管部と楕円錠又はカプセルの保管部とは、形と大きさが異なる。それに応じて、異なるブリスター包装ベルトの、製品を保持するブリスター区画も、それぞれ異なる長さ及び/又は幅を有する。一例を挙げると、そのことは、製品A用のブリスター包装ベルトが製品Aに合った保管部を有する一方、製品Aと異なる幾何学的な形状を有する製品B用のブリスター包装ベルトは、製品Bに合った保管部を有し、例えば、製品Aを保持するブリスター包装ベルトのブリスター区画は、製品Bを保持するブリスター包装ベルトのブリスター区画よりも長いことを意味する。更に、保管部は、通常製品毎に単一の1段式収容空間を有する。そのことは、保管部又は収容空間が専ら製品特有かつ個別的に構成されていることを意味する。言い換えると、保管部から製品を押し出す、或いは取り出すための開口部の大きさは、製品の大きさと一致する。
【0004】
例えば、断面が楕円形に形成されたブリスター包装用保管部は、特許文献2により周知であり、保管部に収容された製品よりも高さが高く幅が広い。その保管部は、保管部から製品を容易に押し出せるように、複数の部分が周囲を取り囲む形の複数段で構成されている。多くの部分で周囲を取り囲むことによって、押し続けた場合に、保管部の最上部分の外面が崩れ易くなり、その後下方の部分が順次折れ曲がって押し潰れるように一緒にずれて行くという効果を保証している。特許文献3は、断面が菱形の保管部がそれぞれ1段に形成された収容空間を有するブリスター包装ベルトに関する。各保管部には、製品を収容する収容空間に加えて、収容空間を覆うカバーを基準レベルとして、収容空間の背後に有る押出部分が設けられている。
【0005】
これらの従来から周知のブリスター包装ベルトは、取り扱い時の様々な理由から、有利には、基板上に自動的に装填する場合と保管部から押し出す場合の両方において不利である。ブリスター包装ベルト又はブリスター区画の幾何学的な形状が異なることによって、大きな測定負担及び制御負担でしか、自動的な装填を実現することができない。言い換えると、自動装填機械の装填ヘッドが、それぞれブリスター包装ベルトから分離されたブリスター区画のための個々の操作位置に駆動されなければならない。そのことは、装填時間を長くするとともに、装填エラー数を増大させることとなり、それらは、まさに個々の患者のパッケージを製作する場合に避けるべきことである。更に、保管部の幾何学的な形状が異なることは、それに対応して、特に、カバー部材を適合させることが必要となる。詳しく言うと、保管部の大きさに応じて、それぞれカバー部材の開口部又は打抜部が必要となり、そのことは、カバー部材の型の数を増加させることとなる。異なるカバー部材のための追加費用の他に、物流の問題も有る、即ち、自動装填機械の領域に異なるカバー部材の型を保管しなければならない。保管部の大きさが製品毎に個別化されていることによる別の問題は、小さい製品は小さい保管部にしか対応しないことである。そのことは、押し付ける面積が小さくなるために、保管部から製品を押し出す際に、力による負荷を増大する必要が有り、全ての使用者/患者が加えることができるとは限らないこととなる。周知の保管部内の製品が開口部の大きさと一致しているという事実によっても、保管部を密閉するカバーは、克服しなければならない大きな応力又は保持力を有することとなるので、押し出すことが難しくなる。カバーする横断面又はカバーする開口部が小さくなる程、そのような応力又は保持力が大きくなる。更に、保管部が小さくなる程、ブリスター包装ベルト用のベルト材料が厚くなることによっても、押し出すことが難しくなる。周知のブリスター包装ベルトの別の欠点は、保管部内の、製品を装填されていない自由空間が大きく、その結果空気を閉じ込めてしまうため、製品の保存性が不十分となる可能性が有ることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,244,442号明細書
【特許文献2】国際特許公開第99/01001号明細書
【特許文献3】米国特許第4,574,954号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のことから、本発明の課題は、一方ではパッケージを自動的に製作する際、並びに他方では「使用」時の取り扱いを改善することを保証するブリスター包装ベルトを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本課題は、本発明にもとづき、冒頭に述べた特徴を有するブリスター包装ベルトにおいて、各保管部が、製品の幾何学的な形状に依存しない窪みと製品の幾何学的な形状に依存する窪みとを備えた2段式に成形された収容空間を有し、カバーを基準レベルとする製品に依存しない窪みの深さDは、一方では少なくともブリスター包装ベルトの側面を製品に依存しない窪みに沿って機械的に誘導することができる大きさであり、他方では保管部内に収容する最小の製品の厚さよりも小さいことによって解決される。そのような実施形態は、驚くほど簡単な手法で、一方ではパッケージを製作する際の自動的な処理を改善し、他方では「使用」時の取り扱いを改善することとなる保管部の標準化を実現することを保証するものである。「使用」時の取り扱いは、特に、本発明による押し出しを支援する二重効果を実現することによって容易となる。一方では、押し出す際に各製品における梃子の腕を長くすることは、押し出す力を小さくすることとなる。他方では、そのように保管部、特に、製品に依存しない窪みを成形することは、保管部の壁面を薄くして、その結果押し込む際の抵抗を低下させることとなる。
【0009】
有利な実施形態は、製品に依存しない窪みの、カバーに対して平行に延びる横断面が、製品に依存する窪みよりも大きく、それによって、押し出しとそのため取り扱いを容易にするものと規定する。この関連において、カバーに対して平行な横断面とは、カバーの平面内における窪みの平面図である。
【0010】
本発明の目的に適う改善構成は、製品に依存しない窪みの、カバーに対して平行に延びる横断面の幾何学的な形状が、全ての製品に関して同一であることを特徴とする。それによって、一方では標準化された前室とも呼ばれる、製品に依存しない窪みと、他方では製品用の部屋とも呼ばれる、製品に依存する窪みとが、標準化されたブリスター内において幾何学的な形状が異なる製品を収容することを保証し、その結果保管すべき全ての製品に関して、例えば、同一のカバー部材を使用することが可能となり、そのため製造コストを削減することが可能となる。本発明による実施形態の更なる利点は、製造に必要な多彩な部材/部品を減らせる、即ち、全ての製品に関してカバー部材が共通となるので、物流の負担を軽減することができることである。
【0011】
有利な実施構成は、製品に依存しない窪みの深さDが最小1.2mm、最大2.5mmであることを特徴とする。製品に依存しない窪みの深さが最低1,2mmであることによって、ブリスター包装ベルトが依然として機械的に誘導可能であることが保証される。言い換えると、移送平面に対して垂直の方向を向いた窪みの側端が、ブリスター包装ベルトの移動中又は移送中の誘導手段を構成し、窪みの深さDと一致する側端の最低限の高さが、移動時又は移送時のブリスター包装ベルトの側方へのずれを効果的に防止している。製品に依存しない窪みの最大限の深さは、保管部に装填後の製品が製品に依存する窪み内に有って、誤って製品に依存しない窪みとカバーとの間の領域内に到達しないことを保証している。言い換えると、本発明による製品に依存しない窪みの実施形態又は構成によって、製品に依存する窪み内に製品が静止して固定されることとなる。
【0012】
本発明の目的に適う別の実施形態は、製品に依存しない窪みの、カバーに対して平行に延びる横断面の幾何学的な形状が、異なる形式の製品を収容するために構成、設計されていることを特徴とする。そうすることによって、保管部の少ない数の幾何学的な形状を用いて、幾何学的な形状が異なる製品を個々の保管部に装填することが可能であることを保証している。それによって、保管部を製造又は成形する際の型部品の必要数が減る。
【0013】
有利には、製品に依存しない窪みの、カバーに対して平行に延びる横断面が、角を丸くした菱形と一致する。製品に依存しない窪みの面の外縁が楕円とその中央に重なり合った円を規定して、楕円の軌道と円の軌道の間の遷移部分が滑らかであるものと規定することもできる。そのような製品に依存しない窪みの特殊な幾何学的な形状は、種々雑多な製品、即ち、例えば、最大の丸い平坦な、或いは球形の錠剤も、最大限の大きさの長方形又はカプセル形状の錠剤も一つのブリスター包装ベルトでブリスター包装することができることを保証している。更なる利点は、本発明による製品に依存しない窪みの実施形態及び配置構成が、製品に依存しない窪みのスペースの最適設計を保証しているので、ブリスター包装ベルトの幅及び長さを節約することができることである。
【0014】
有利には、ブリスター包装ベルト又はブリスター区画の幾何学的な形状のサイズが製品に依存せず、その結果複数のブリスター包装ベルトから異なる製品のパッケージを製作する際に、製作を大幅に簡単化する共通の標準品が得られることとなる。製品又は製品の幾何学的な形状に依存することなく、所定の操作位置が実現可能となり、その結果測定又は制御負担が回避、或いは大幅に低減されることとなる。
【0015】
有利には、各保管部には、第一の位置決め補助部材が設けられて、その位置決め補助部材の位置は、保管部に対して固定されている。そのような位置決め補助部材を用いて、例えば、自動装填機械等におけるブリスター包装ベルト又はブリスター区画の位置決めと駆動を改善することができる。
【0016】
別の有利な実施構成では、各保管部又は各ブリスター区画には、コードが付与される。そのようなコードによって、保管部内に保持すべき製品の「保管部毎」の識別が可能となり、そのため誤った装填が防止される。
【0017】
本発明の目的に適う更に別の、或いは有利な特徴及び改善構成は、従属請求項及び明細書から明らかとなる。添付図面にもとづき、特に有利な実施構成を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】単一のストリップから成るブリスター包装ベルトの平面図
【図2】ブリスター包装ベルトの別の実施構成の平面図
【図3】ブリスター包装ベルトの更に別の実施構成の平面図
【図4】複数のブリスター区画を備えた基板の平面図
【図5】本発明による錠剤を収容した2段式保管部の側方断面図
【図6】楕円錠を収容した別の保管部の側方断面図
【図7】図6の保管部の前面図
【図8】カプセルを収容した別の保管部の側方断面図
【図9】図8の保管部の前面図
【図10】製品の幾何学的な形状に依存しない窪みの側面図
【図11】図10の窪みの平面図
【図12】三つの保管部が二段式に構成されたブリスター区画の側方断面図
【図13】図12のブリスター区画の平面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、特に、個々の患者のパッケージを組み立てるのに適した様々な変化形態のブリスター包装ベルトに関する。
【0020】
本発明によるブリスター包装ベルト10は、図1に図示されている通り、医用製品、薬用製品及び栄養補給用製品11の中の一つ以上を収容する役割を果たす。製品11は、錠剤、楕円錠、カプセル或いはそれ以外の一般的な提供形態として構成することができる。基本的に単一のストリップで構成されたブリスター包装ベルト10は、通常ポリ塩化ビニル(PVC)又はそれと同等の特性を持つ材料から構成され、個別のブリスター区画13に分離することができる、巻取可能な製品保持体12を有する。製品保持体12は、ブリスター包装ベルト10又は製品保持体12の移送方向F(移送方向Fは、特に、有利には装填が自動化されている場合の巻き戻しに関する方向である)に対して順番に、個別化された製品11を収容する役割を果たす個々の保管部14を有する。保管部14又はそのブリスター包装ベルト10のピッチTを規定する相互間隔部分は、有利には、アルミニウム又はそれと同等の特性を持つ材料から成るフォイル状のカバー15で密閉され、その結果保管部14内における個々の製品11は、それぞれ周辺環境に対して完全に保護されている。
【0021】
各ブリスター包装ベルト10は、装填形態又は保管部14に組み込まれる製品11の形式に依存することのないピッチT、即ち、保管部の中心点間の間隔を有する。有利には、ブリスター区画13は、長方形に構成される。移送方向Fにおけるブリスター区画13の長さL、即ち、製品11を保持するブリスター区画13の側方の辺の長さは、通常ブリスター包装ベルト10の幅Bよりも長い。当然のことながら、ブリスター区画13は、別の形状を持つこともできる。例えば、ブリスター包装ベルト10の長さLがその幅Bと一致し、そのためブリスター区画13を正方形に構成することができる。
【0022】
この場合、ブリスター包装ベルト10又は個々のブリスター区画13の幾何学的な形状のサイズは、製品に依存しない。言い換えると、全ての異なる製品11に関して、ブリスター包装ベルト10又はブリスター区画13は、共通の標準化されたサイズを有する。各ブリスター区画13は、ちょうど単一の製品11を収容するように構成された個別の保管部14を有する。当然のことながら、ブリスター包装ベルト10から、一つのブリスター区画列として互いに繋がった複数のブリスター区画13を切り離すこともできる。保管部14は、各ブリスター区画13上又はブリスター区画内の中央に揃えて配置されている。そのことは、保管部14の中心点がブリスター区画13の中心点の上方又は上に有ることを意味する。しかし、ブリスター区画13における保管部14の別の位置も同じく可能である。
【0023】
任意選択として、位置決め補助部材17が、保管部14の間に形成される。位置決め補助部材17は、ブリスター包装ベルト10の移送方向Fに対して、二つの保管部14の間に形成することができ、この例では、位置決め補助部材17は、一つの穴である。当然のことながら、位置決め補助部材17の形状及び位置は変更可能である。即ち、位置決め補助部材17としては、それ以外の、特に、光学的に検知可能な、或いは読取可能なマーク又は記号も考えられる。しかし、有利には、そのような穴は、ブリスター包装ベルト10の幅Bに関して、常に保管部14に対して相対的に決まった同じ位置に配置される。例えば、穴をブリスター包装ベルト10の幅Bに関して中央に配置することができる。更に、隣接するブリスター区画13の間において、パーフォレーション18等が移送方向Fと垂直な向きに延びることもできる。パーフォレーション18は、例えば、目打ち、材料の削減などによる材料の弱体化によって形成することができる。有利には、パーフォレーション18は、ブリスター包装ベルト10の幅B全体に渡って拡がるが、幅Bの一部だけに延びることもできる。図示されている実施構成では、パーフォレーション18は、穴を貫通して延びている。
【0024】
任意選択により、ブリスター包装ベルト10は、移送方向Fに対して側方に、図1と2に図示されている通り、パーフォレーションの無い形で構成することも、或いは図3に図示されている通り、パーフォレーション19を配備することもできる。パーフォレーション19は、片側又は両側に形成することができ、例えば、自動装填機械において、ブリスター包装ベルト10の移動を誘導する役割を果たす。個々のブリスター区画13を互いに切り離すためのパーフォレーション18は、例えば、図2に図示されている通り、仮想的な刃によるカッティングによって、パーフォレーション領域20として形成することもできる。ダブルカッティング又は二枚刃によるカッティングによって、ブリスター区画13を切り離した場合の各ブリスター区画13の長さLが僅かに短くなり、そのため、基板21等におけるブリスター区画13の重なりの無い最適な配置を実現することができる。図4から分かる通り、基板21上の縦方向及び/又は横方向に、異なる製品11を収容した様々なブリスター区画13又はそれらから成るブリスター区画列22を配置することができる。全てのブリスター区画13のピッチ及び幅の比率を一定又は同じにすることによって、種々雑多な製品11を収容した全ての保管部14が、所定の標準化された位置に有って、異なる製品11にも関わらず、(図示されていない)カバー部材に関して、画一的な型を使用することが可能となる。縦方向及び/又は横方向に配列することができることによって、基板21上におけるブリスター区画列22の省スペースの配置構成が保証される。そのような配列は、正方形でも、長方形又はその他の形状のブリスター区画13又はそれに対応するブリスター区画列22でも保証される。
【0025】
異なる縮尺で様々な保管部14を図示した図5〜11にもとづき、本発明による保管部14自体の実施形態を詳しく説明する。各保管部14は、正確に2段式に成形された収容空間23を有する。そのことは、製品保持体12が、各保管部14の領域において、異なるサイズの二つの窪みを有することを意味する。有利な実施構成では、保管部14は、製品の幾何学的な形状に依存しない窪み24と、製品の幾何学的な形状に依存する窪み25とから構成される。
【0026】
製品の幾何学的な形状に適合した窪み25は、平面Eを規定するカバー15を基準レベルとして、製品の幾何学的な形状に依存しない窪み24の背後に配置されている。この場合、製品に依存しない窪み24の、カバー15に対して平行に延びる(即ち、平面図における)横断面は、それに対応する製品に依存する窪み25の横断面よりも大きい。製品特有のサイズを有する窪み25内には、製品11が、保管部14に関して同心に保持されており、その結果製品11を押し出す際に生じる圧力が製品11に直接作用する。製品に依存しない窪み24は、それに対応するパッケージの(図示されていない)カバー部材の開口部の大きさと一致し、その横断面の幾何学的な形状は、全ての製品11及び全ての保管部14に関して同一の形状に選定されている。
【0027】
従って、二つの窪み24,25は、2段式の収容空間23を構成する。言い換えると、製品に依存しない窪み24は、普遍的な前室を構成する一方、製品に依存する窪み25は、製品特有の部屋を構成する。製品に依存しない窪み24の深さDは、特に重要である。一方では、深さDは、ブリスター包装ベルト10の側面を製品に依存しない窪み24に沿って機械的に誘導することが可能な程十分に大きい。他方では、深さDは、収容すべき最小の製品11の厚さよりも小さい。この場合、特に、周縁領域における製品11の厚さが重要である。そのことは、一方では、窪み24によって形成される、周囲を取り囲む、平面Eに対して垂直な周縁部分の高さが、その周縁部分に沿って確実に機械的に誘導することを可能とする高さであることを意味する。他方では、製品の厚さと比較して選定された窪み24の深さDによって、製品に依存する窪み25内に確実に製品11を保持することが可能である。深さDは、約1.2mm〜2.5mmの選択範囲内に有り、有利には、2mmである。しかし、許容範囲内における僅かな偏差も同じく許される。
【0028】
同様に、製品に依存しない窪み24の形状は、特に重要であり、その形状は、単独で、或いは窪み24の選定した深さ範囲と関連して、特有の利点を提供する。窪み24の形状とは、特に、カバー15に対して平行に延びる、製品に依存しない窪み24の横断面を意味する。その横断面の幾何学的な形状は、平面Eに対して平行な断面において、種々雑多な形式の製品を収容するように構成、設計されている。言い換えると、窪み24の外縁の横断面は、種々雑多な製品形状及び/又は製品サイズをそれに対応して形成された製品に依存する窪み25内に収容することができるように最適化された形状である。平面図において、窪み24は、角を丸くした菱形と一致する。窪み24の横断面の形状を規定するために、円の軌道が中心で重なり合った楕円軌道によって、窪み24の外縁を規定することもでき、円の直径は、楕円の短軸よりも長く選定される。二つの幾何学的な図形の重なり合った領域における軌道は滑らかである。
【0029】
製品に依存しない窪み24の形状は、次の通り規定することもできる。特に、図11に図示されている、カバー15に対して平行に延びる、製品に依存しない窪み24の横断面の外側輪郭は、複数の部分区間から構成されている。窪み24の外側輪郭は、直角に交差する二つの線分aとbによって規定される。線分aは、窪み24の横断面の縦軸を構成し、ブリスター包装ベルト10の長手方向に延びる軸Kに対して角度αだけ傾斜している。角度αは、14°〜21°であり、有利には、16°〜18°、特に有利には、16.5°〜17.5°である。図11は、前室の輪郭の配置及び構造の模式図であり、その図の縮尺は、正しくない。図11に図示されている角度αは、有利な実施構成では、約16.7°である。前述した範囲、特に、前述した有利な範囲、特に有利には、前述した特に有利な範囲の傾斜によって、ブリスター区画13の長さLが比較的短い場合でも、保管部14内に縦長の製品11を収容することが可能となる。角度αが約16.7°の場合、ブリスター区画13の窪み24の横断面の線分aの最適な配置構成が実現されるとともに、保管部14に容易に装填することができることが保証される。
【0030】
線分bは、窪み24の横断面の横軸を構成し、線分aに対して直角に位置する。線分aと線分bは、それぞれ線分a又はbの半分の長さで互いに交差する。線分aの長さに対する線分bの長さの比率は、有利には、0.55〜0.75であり、特に有利には、0.6〜0.7である。そのような比率、特に、特に有利な比率では、最小限の自由空間で縦長の製品も、丸い製品11も収容することが可能である。図11に図示されている実施例では、そのような比率は、約0.656であり、線分aの長さが約25.9mmで、線分bの長さが約17mmである。
【0031】
線分bの各終端側において、部分区間から成る窪み24の外側輪郭が、半径R1の弧を形成している。線分aの各終端側では、部分区間から成る窪み24の外側輪郭が、半径R2の弧を形成している。半径R1は、有利には、6〜10mmであり、特に有利には、7〜9mmである。図11に図示されている実施例では、半径R1は約8mmである。半径R2に対する半径R1の比率は、約1.2〜1.3のオーダーである。そのことは、半径R2が6mm〜7mmであり、有利には、約6.5mmであることを意味する。前述した範囲、特に、前述した特に有利な範囲内の半径R1は、種々雑多な製品11を収容すると同時に、保管部14内の自由空間を最小限にすることを保証している。そうすることによって、最小限の空気量しか閉じ込められず、それは、所謂「貯蔵寿命」を長くする。従って、その結果、何らかの品質の劣化を心配することなく、より長い時間に渡って、保管部14内に収容された製品11を在庫として保持することができる。
【0032】
(線分bの)横軸の終端における半径R1の二つの弧と(線分aの)縦軸の終端における半径R2の二つの弧以外の、窪み24の横断面を構成する外側輪郭の別の部分区間は、一方では半径R1の弧と繋がり、他方では半径R2の弧と繋がる四つの接線の区間Sを形成している。前述した区間Sは、それぞれ当該の接線と半径R1の弧との接点から、その接線と半径R2の弧との接点まで延びている。即ち、前述した外側輪郭は、互いに対向する半径R1の二つの弧と、互いに対向する半径R2の二つの弧と、これらの弧を互いに接続する、(半径R1とR2の)弧の対と繋がった接線の四つの直線区間Sとの組合せから得られる。
【0033】
有利には、半径R1の弧と半径R2の弧を互いに接続する直線区間Sは、ブリスター包装ベルト10又はブリスター区画13の縦に延びる部分に対して平行に配置される。言い換えると、少なくとも一つの区間Sは、ブリスター包装ベルト10の側端に対して平行に延びる。そのような接続区間Sの配置構成では、その区間Sが、例えば、誘導レールを備えた装填ステーションに沿って、ブリスター包装ベルト10を誘導するのに特に良く適した壁面を形成する。その場合、壁面によって構成される比較的長い誘導面のために、特に薄い壁厚で動作可能とする比較的低い面圧が実現される。それによって、材料消費量を削減することも可能となる。そのような接続区間Sが殆ど消滅させる程半径R1及び/又はR2の大きさを互いに変化させた場合、確かに移送中の面圧が上昇するために、損傷する虞が高くなるが、壁厚を相応に選定することによって、そのような虞を低減することができる。
【0034】
窪み24の横断面の外側輪郭をブリスター包装ベルト10又はブリスター区画13の縦に延びる部分に対して垂直に投影した長さdは、有利には、22〜28mmであり、特に有利には、23〜27mmである。図11に図示されている実施例では、長さdは、約25mmである。窪み24の横断面の外側輪郭をブリスター包装ベルト10又はブリスター区画13の縦に延びる部分に沿って投影した幅cは、有利には、14〜20mmであり、特に有利には、15.5〜18.5mmである。図11に図示されている実施例では、幅cは、約17mmである。長さdと幅cが、前述した範囲、特に、特に有利な範囲内に有る場合、最小限の自由空間を有する保管部14内に、多くの種々雑多な幾何学的な形状の製品11を収容することができる。
【0035】
窪み24の形状を簡単かつ丈夫にすると同時に、装填時に良好に誘導することができることを実現するためには、二つの半径R3とR4を規定する。窪み24の突き出た自由な段部分の半径R3は、有利には、0.7〜0.9mmであり、特に有利には、0.75〜0.85mmである。図10に図示されている実施例では、半径R3は、約0.8mmである。窪み24のブリスター底面に向かっての遷移部分における半径R4が、有利には、0.2〜0.4mmであり、特に有利には、0.25〜0.35mmであるものと規定する。図10に図示されている実施例では、半径R4は、約0.3mmである。
【0036】
任意選択により、各保管部14には、別の位置決め補助部材26が更に設けられ(図13を参照)、例えば、打抜き穴として形成することができる位置決め補助部材26の位置は、保管部14の位置に対して固定されている。しかし、位置決め補助部材26としては、それ以外の特に光学的に検知可能な、或いは読取可能なマーク又は記号も考えられる。位置決め補助部材26に追加して、各保管部14又は各ブリスター区画13にコード27を付与することができる。コード27は、当該の保管部14及びその中に有る製品11に関する情報を有する。更に、ブリスター包装ベルト10は、ブリスター包装ベルト10自体に関する情報(例えば、製造年月日など)を有する(図示されていない)上位のメインコードを備えることもできる。
【0037】
以下において、本発明によるブリスター包装ベルト10及び個々のブリスター区画13又はブリスター区画列22から成るパッケージの製造方法の基本的な考えを詳しく説明する。
【0038】
深絞り加工機械等の上に、製品保持体12である、PVCから成る所謂ベースフォイルをエンドレスロールから巻き戻して、基本的に、予備加熱部、ブローヘッド、深絞り型から成る深絞りステーションに供給する。各保管部14は、例えば、圧縮空気を用いて成形される。保管部14の成形は、少なくとも部分的に打抜き等によって行うこともできる。従って、複数段式の保管部14に関して、複数の成形工程を順番に、或いは同時に行う必要が有る。
【0039】
ブリスター包装ベルト10又は製品保持体12を形成するベースフォイルを製造する場合、保管部14に製品11を装填し、ブリスター包装ベルト10の保管部14にそれぞれ同じ製品11を装填する。しかし、ブリスター包装ベルト10に異なる製品11を装填することもできる。基本的には、各保管部14は、製品11を一つだけ装填される。任意選択により、検査システム等によって、装填状況を調べることができる。有利には、空の保管部14への手動による装填を後で行うこともできる。それに続いて、フォイル状のカバー15、即ち、アルミニウム等から成るカバーフォイルを用いて、装填・制御済みのブリスター包装ベルト10を密閉又は封印する。更に、穴打抜きステーション等が配備されている。保管部14の成形及び封印後、各保管部14の領域において、位置決め補助部材26としての打抜き穴をベースフォイル又はカバーフォイルに付与する。カバーフォイルへの付与に続いて、ブリスター包装ベルト10の移送方向Fに対して垂直なパーフォレーション18を付与することができる。それによって、個々のブリスター区画13をブリスター包装ベルト10から所望通り切り離すことが容易となる。
【0040】
それに続いて、各保管部14の領域において、保管部14の中身を識別することを可能とするコード27を付与する。例えば、ベースフォイル側から、ベースフォイルに二次元マトリックスコードをレーザー加工する。当然のことながら、それ以外の付与方法及びそれ以外の識別手段も実現可能である。
【0041】
前述した製造方法は、互いに接続された複数のブリスター包装ベルト10に関して並行的に実施することもでき、前述した方法の工程にもとづき、ブリスター包装ベルト10の縦方向の切り離しが行われる。言い換えると、複数の列、例えば、五つの列から成るストリップを五つの個々のブリスター包装ベルト10に分離することができる。製品に依存しない窪み24は、例えば、五つのストリップから成るトレイを誘導する役割を果たす。個々のブリスター包装ベルト10への分離後に、同じ幅のブリスター包装ベルト10が得られるように、側端をカットすることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、個々のブリスター包装区間に分離することができる巻取可能な製品保持体を有する、医用製品、薬用製品及び栄養補給用製品の中の一つ以上を収容するためのブリスター包装ベルトであって、単一のストリップとして構成された製品保持体は、その移送方向Fに順番に、ブリスター包装ベルトのピッチTを規定する、個別化された製品を収容するための個別の保管部と、各製品が保管部内に密閉して配置されるように保管部を閉鎖するためのフォイル状のカバーとを有するブリスター包装ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなブリスター包装ベルトは、特に、個々の患者のパッケージを製作する場合に使用されている。そのようなパッケージは、手動又は自動で製作することができる。その場合、有利には、それぞれ一つの形式の製品を装填するための単一の巻き取られたブリスター包装ベルトから、単一の製品又は複数の製品を収容する区画を巻き戻し、ブリスター包装ベルトから切り離して、基板上に配置し、場合によっては、例えば、接着等によって固定している。通常ブリスター包装ベルトは、基板とカバー部材の間にサンドイッチ状に配置される。カバー部材は、開口部を有し、そこを通して、保管部の少なくとも一部が突き出ている。基板は、製品の領域にパーフォレーションが設けられており、そのため、ブリスター包装ベルトのフォイル状のカバー及び基板の部分的に弱体化された材料を破って製品を取り出す際に、保管部に圧力が加わることによって、製品を押し付けている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている通りの周知のブリスター包装ベルトは、保管部が製品又は製品の形式毎にそれぞれ1段式に構成されている。即ち、ブリスター包装ベルトは、特に、製品を収容するために形成された保管部も、製品毎に、或いは製品の形式毎に、製品の幾何学的な形状に応じて異なる幾何学的な形状を有する。具体的には、例えば、錠剤の保管部と楕円錠又はカプセルの保管部とは、形と大きさが異なる。それに応じて、異なるブリスター包装ベルトの、製品を保持するブリスター区画も、それぞれ異なる長さ及び/又は幅を有する。一例を挙げると、そのことは、製品A用のブリスター包装ベルトが製品Aに合った保管部を有する一方、製品Aと異なる幾何学的な形状を有する製品B用のブリスター包装ベルトは、製品Bに合った保管部を有し、例えば、製品Aを保持するブリスター包装ベルトのブリスター区画は、製品Bを保持するブリスター包装ベルトのブリスター区画よりも長いことを意味する。更に、保管部は、通常製品毎に単一の1段式収容空間を有する。そのことは、保管部又は収容空間が専ら製品特有かつ個別的に構成されていることを意味する。言い換えると、保管部から製品を押し出す、或いは取り出すための開口部の大きさは、製品の大きさと一致する。
【0004】
例えば、断面が楕円形に形成されたブリスター包装用保管部は、特許文献2により周知であり、保管部に収容された製品よりも高さが高く幅が広い。その保管部は、保管部から製品を容易に押し出せるように、複数の部分が周囲を取り囲む形の複数段で構成されている。多くの部分で周囲を取り囲むことによって、押し続けた場合に、保管部の最上部分の外面が崩れ易くなり、その後下方の部分が順次折れ曲がって押し潰れるように一緒にずれて行くという効果を保証している。特許文献3は、断面が菱形の保管部がそれぞれ1段に形成された収容空間を有するブリスター包装ベルトに関する。各保管部には、製品を収容する収容空間に加えて、収容空間を覆うカバーを基準レベルとして、収容空間の背後に有る押出部分が設けられている。
【0005】
これらの従来から周知のブリスター包装ベルトは、取り扱い時の様々な理由から、有利には、基板上に自動的に装填する場合と保管部から押し出す場合の両方において不利である。ブリスター包装ベルト又はブリスター区画の幾何学的な形状が異なることによって、大きな測定負担及び制御負担でしか、自動的な装填を実現することができない。言い換えると、自動装填機械の装填ヘッドが、それぞれブリスター包装ベルトから分離されたブリスター区画のための個々の操作位置に駆動されなければならない。そのことは、装填時間を長くするとともに、装填エラー数を増大させることとなり、それらは、まさに個々の患者のパッケージを製作する場合に避けるべきことである。更に、保管部の幾何学的な形状が異なることは、それに対応して、特に、カバー部材を適合させることが必要となる。詳しく言うと、保管部の大きさに応じて、それぞれカバー部材の開口部又は打抜部が必要となり、そのことは、カバー部材の型の数を増加させることとなる。異なるカバー部材のための追加費用の他に、物流の問題も有る、即ち、自動装填機械の領域に異なるカバー部材の型を保管しなければならない。保管部の大きさが製品毎に個別化されていることによる別の問題は、小さい製品は小さい保管部にしか対応しないことである。そのことは、押し付ける面積が小さくなるために、保管部から製品を押し出す際に、力による負荷を増大する必要が有り、全ての使用者/患者が加えることができるとは限らないこととなる。周知の保管部内の製品が開口部の大きさと一致しているという事実によっても、保管部を密閉するカバーは、克服しなければならない大きな応力又は保持力を有することとなるので、押し出すことが難しくなる。カバーする横断面又はカバーする開口部が小さくなる程、そのような応力又は保持力が大きくなる。更に、保管部が小さくなる程、ブリスター包装ベルト用のベルト材料が厚くなることによっても、押し出すことが難しくなる。周知のブリスター包装ベルトの別の欠点は、保管部内の、製品を装填されていない自由空間が大きく、その結果空気を閉じ込めてしまうため、製品の保存性が不十分となる可能性が有ることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,244,442号明細書
【特許文献2】国際特許公開第99/01001号明細書
【特許文献3】米国特許第4,574,954号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のことから、本発明の課題は、一方ではパッケージを自動的に製作する際、並びに他方では「使用」時の取り扱いを改善することを保証するブリスター包装ベルトを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本課題は、本発明にもとづき、冒頭に述べた特徴を有するブリスター包装ベルトにおいて、各保管部が、製品の幾何学的な形状に依存しない窪みと製品の幾何学的な形状に依存する窪みとを備えた2段式に成形された収容空間を有し、カバーを基準レベルとする製品に依存しない窪みの深さDは、一方では少なくともブリスター包装ベルトの側面を製品に依存しない窪みに沿って機械的に誘導することができる大きさであり、他方では保管部内に収容する最小の製品の厚さよりも小さいことによって解決される。そのような実施形態は、驚くほど簡単な手法で、一方ではパッケージを製作する際の自動的な処理を改善し、他方では「使用」時の取り扱いを改善することとなる保管部の標準化を実現することを保証するものである。「使用」時の取り扱いは、特に、本発明による押し出しを支援する二重効果を実現することによって容易となる。一方では、押し出す際に各製品における梃子の腕を長くすることは、押し出す力を小さくすることとなる。他方では、そのように保管部、特に、製品に依存しない窪みを成形することは、保管部の壁面を薄くして、その結果押し込む際の抵抗を低下させることとなる。
【0009】
有利な実施形態は、製品に依存しない窪みの、カバーに対して平行に延びる横断面が、製品に依存する窪みよりも大きく、それによって、押し出しとそのため取り扱いを容易にするものと規定する。この関連において、カバーに対して平行な横断面とは、カバーの平面内における窪みの平面図である。
【0010】
本発明の目的に適う改善構成は、製品に依存しない窪みの、カバーに対して平行に延びる横断面の幾何学的な形状が、全ての製品に関して同一であることを特徴とする。それによって、一方では標準化された前室とも呼ばれる、製品に依存しない窪みと、他方では製品用の部屋とも呼ばれる、製品に依存する窪みとが、標準化されたブリスター内において幾何学的な形状が異なる製品を収容することを保証し、その結果保管すべき全ての製品に関して、例えば、同一のカバー部材を使用することが可能となり、そのため製造コストを削減することが可能となる。本発明による実施形態の更なる利点は、製造に必要な多彩な部材/部品を減らせる、即ち、全ての製品に関してカバー部材が共通となるので、物流の負担を軽減することができることである。
【0011】
有利な実施構成は、製品に依存しない窪みの深さDが最小1.2mm、最大2.5mmであることを特徴とする。製品に依存しない窪みの深さが最低1,2mmであることによって、ブリスター包装ベルトが依然として機械的に誘導可能であることが保証される。言い換えると、移送平面に対して垂直の方向を向いた窪みの側端が、ブリスター包装ベルトの移動中又は移送中の誘導手段を構成し、窪みの深さDと一致する側端の最低限の高さが、移動時又は移送時のブリスター包装ベルトの側方へのずれを効果的に防止している。製品に依存しない窪みの最大限の深さは、保管部に装填後の製品が製品に依存する窪み内に有って、誤って製品に依存しない窪みとカバーとの間の領域内に到達しないことを保証している。言い換えると、本発明による製品に依存しない窪みの実施形態又は構成によって、製品に依存する窪み内に製品が静止して固定されることとなる。
【0012】
本発明の目的に適う別の実施形態は、製品に依存しない窪みの、カバーに対して平行に延びる横断面の幾何学的な形状が、異なる形式の製品を収容するために構成、設計されていることを特徴とする。そうすることによって、保管部の少ない数の幾何学的な形状を用いて、幾何学的な形状が異なる製品を個々の保管部に装填することが可能であることを保証している。それによって、保管部を製造又は成形する際の型部品の必要数が減る。
【0013】
有利には、製品に依存しない窪みの、カバーに対して平行に延びる横断面が、角を丸くした菱形と一致する。製品に依存しない窪みの面の外縁が楕円とその中央に重なり合った円を規定して、楕円の軌道と円の軌道の間の遷移部分が滑らかであるものと規定することもできる。そのような製品に依存しない窪みの特殊な幾何学的な形状は、種々雑多な製品、即ち、例えば、最大の丸い平坦な、或いは球形の錠剤も、最大限の大きさの長方形又はカプセル形状の錠剤も一つのブリスター包装ベルトでブリスター包装することができることを保証している。更なる利点は、本発明による製品に依存しない窪みの実施形態及び配置構成が、製品に依存しない窪みのスペースの最適設計を保証しているので、ブリスター包装ベルトの幅及び長さを節約することができることである。
【0014】
有利には、ブリスター包装ベルト又はブリスター区画の幾何学的な形状のサイズが製品に依存せず、その結果複数のブリスター包装ベルトから異なる製品のパッケージを製作する際に、製作を大幅に簡単化する共通の標準品が得られることとなる。製品又は製品の幾何学的な形状に依存することなく、所定の操作位置が実現可能となり、その結果測定又は制御負担が回避、或いは大幅に低減されることとなる。
【0015】
有利には、各保管部には、第一の位置決め補助部材が設けられて、その位置決め補助部材の位置は、保管部に対して固定されている。そのような位置決め補助部材を用いて、例えば、自動装填機械等におけるブリスター包装ベルト又はブリスター区画の位置決めと駆動を改善することができる。
【0016】
別の有利な実施構成では、各保管部又は各ブリスター区画には、コードが付与される。そのようなコードによって、保管部内に保持すべき製品の「保管部毎」の識別が可能となり、そのため誤った装填が防止される。
【0017】
本発明の目的に適う更に別の、或いは有利な特徴及び改善構成は、従属請求項及び明細書から明らかとなる。添付図面にもとづき、特に有利な実施構成を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】単一のストリップから成るブリスター包装ベルトの平面図
【図2】ブリスター包装ベルトの別の実施構成の平面図
【図3】ブリスター包装ベルトの更に別の実施構成の平面図
【図4】複数のブリスター区画を備えた基板の平面図
【図5】本発明による錠剤を収容した2段式保管部の側方断面図
【図6】楕円錠を収容した別の保管部の側方断面図
【図7】図6の保管部の前面図
【図8】カプセルを収容した別の保管部の側方断面図
【図9】図8の保管部の前面図
【図10】製品の幾何学的な形状に依存しない窪みの側面図
【図11】図10の窪みの平面図
【図12】三つの保管部が二段式に構成されたブリスター区画の側方断面図
【図13】図12のブリスター区画の平面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、特に、個々の患者のパッケージを組み立てるのに適した様々な変化形態のブリスター包装ベルトに関する。
【0020】
本発明によるブリスター包装ベルト10は、図1に図示されている通り、医用製品、薬用製品及び栄養補給用製品11の中の一つ以上を収容する役割を果たす。製品11は、錠剤、楕円錠、カプセル或いはそれ以外の一般的な提供形態として構成することができる。基本的に単一のストリップで構成されたブリスター包装ベルト10は、通常ポリ塩化ビニル(PVC)又はそれと同等の特性を持つ材料から構成され、個別のブリスター区画13に分離することができる、巻取可能な製品保持体12を有する。製品保持体12は、ブリスター包装ベルト10又は製品保持体12の移送方向F(移送方向Fは、特に、有利には装填が自動化されている場合の巻き戻しに関する方向である)に対して順番に、個別化された製品11を収容する役割を果たす個々の保管部14を有する。保管部14又はそのブリスター包装ベルト10のピッチTを規定する相互間隔部分は、有利には、アルミニウム又はそれと同等の特性を持つ材料から成るフォイル状のカバー15で密閉され、その結果保管部14内における個々の製品11は、それぞれ周辺環境に対して完全に保護されている。
【0021】
各ブリスター包装ベルト10は、装填形態又は保管部14に組み込まれる製品11の形式に依存することのないピッチT、即ち、保管部の中心点間の間隔を有する。有利には、ブリスター区画13は、長方形に構成される。移送方向Fにおけるブリスター区画13の長さL、即ち、製品11を保持するブリスター区画13の側方の辺の長さは、通常ブリスター包装ベルト10の幅Bよりも長い。当然のことながら、ブリスター区画13は、別の形状を持つこともできる。例えば、ブリスター包装ベルト10の長さLがその幅Bと一致し、そのためブリスター区画13を正方形に構成することができる。
【0022】
この場合、ブリスター包装ベルト10又は個々のブリスター区画13の幾何学的な形状のサイズは、製品に依存しない。言い換えると、全ての異なる製品11に関して、ブリスター包装ベルト10又はブリスター区画13は、共通の標準化されたサイズを有する。各ブリスター区画13は、ちょうど単一の製品11を収容するように構成された個別の保管部14を有する。当然のことながら、ブリスター包装ベルト10から、一つのブリスター区画列として互いに繋がった複数のブリスター区画13を切り離すこともできる。保管部14は、各ブリスター区画13上又はブリスター区画内の中央に揃えて配置されている。そのことは、保管部14の中心点がブリスター区画13の中心点の上方又は上に有ることを意味する。しかし、ブリスター区画13における保管部14の別の位置も同じく可能である。
【0023】
任意選択として、位置決め補助部材17が、保管部14の間に形成される。位置決め補助部材17は、ブリスター包装ベルト10の移送方向Fに対して、二つの保管部14の間に形成することができ、この例では、位置決め補助部材17は、一つの穴である。当然のことながら、位置決め補助部材17の形状及び位置は変更可能である。即ち、位置決め補助部材17としては、それ以外の、特に、光学的に検知可能な、或いは読取可能なマーク又は記号も考えられる。しかし、有利には、そのような穴は、ブリスター包装ベルト10の幅Bに関して、常に保管部14に対して相対的に決まった同じ位置に配置される。例えば、穴をブリスター包装ベルト10の幅Bに関して中央に配置することができる。更に、隣接するブリスター区画13の間において、パーフォレーション18等が移送方向Fと垂直な向きに延びることもできる。パーフォレーション18は、例えば、目打ち、材料の削減などによる材料の弱体化によって形成することができる。有利には、パーフォレーション18は、ブリスター包装ベルト10の幅B全体に渡って拡がるが、幅Bの一部だけに延びることもできる。図示されている実施構成では、パーフォレーション18は、穴を貫通して延びている。
【0024】
任意選択により、ブリスター包装ベルト10は、移送方向Fに対して側方に、図1と2に図示されている通り、パーフォレーションの無い形で構成することも、或いは図3に図示されている通り、パーフォレーション19を配備することもできる。パーフォレーション19は、片側又は両側に形成することができ、例えば、自動装填機械において、ブリスター包装ベルト10の移動を誘導する役割を果たす。個々のブリスター区画13を互いに切り離すためのパーフォレーション18は、例えば、図2に図示されている通り、仮想的な刃によるカッティングによって、パーフォレーション領域20として形成することもできる。ダブルカッティング又は二枚刃によるカッティングによって、ブリスター区画13を切り離した場合の各ブリスター区画13の長さLが僅かに短くなり、そのため、基板21等におけるブリスター区画13の重なりの無い最適な配置を実現することができる。図4から分かる通り、基板21上の縦方向及び/又は横方向に、異なる製品11を収容した様々なブリスター区画13又はそれらから成るブリスター区画列22を配置することができる。全てのブリスター区画13のピッチ及び幅の比率を一定又は同じにすることによって、種々雑多な製品11を収容した全ての保管部14が、所定の標準化された位置に有って、異なる製品11にも関わらず、(図示されていない)カバー部材に関して、画一的な型を使用することが可能となる。縦方向及び/又は横方向に配列することができることによって、基板21上におけるブリスター区画列22の省スペースの配置構成が保証される。そのような配列は、正方形でも、長方形又はその他の形状のブリスター区画13又はそれに対応するブリスター区画列22でも保証される。
【0025】
異なる縮尺で様々な保管部14を図示した図5〜11にもとづき、本発明による保管部14自体の実施形態を詳しく説明する。各保管部14は、正確に2段式に成形された収容空間23を有する。そのことは、製品保持体12が、各保管部14の領域において、異なるサイズの二つの窪みを有することを意味する。有利な実施構成では、保管部14は、製品の幾何学的な形状に依存しない窪み24と、製品の幾何学的な形状に依存する窪み25とから構成される。
【0026】
製品の幾何学的な形状に適合した窪み25は、平面Eを規定するカバー15を基準レベルとして、製品の幾何学的な形状に依存しない窪み24の背後に配置されている。この場合、製品に依存しない窪み24の、カバー15に対して平行に延びる(即ち、平面図における)横断面は、それに対応する製品に依存する窪み25の横断面よりも大きい。製品特有のサイズを有する窪み25内には、製品11が、保管部14に関して同心に保持されており、その結果製品11を押し出す際に生じる圧力が製品11に直接作用する。製品に依存しない窪み24は、それに対応するパッケージの(図示されていない)カバー部材の開口部の大きさと一致し、その横断面の幾何学的な形状は、全ての製品11及び全ての保管部14に関して同一の形状に選定されている。
【0027】
従って、二つの窪み24,25は、2段式の収容空間23を構成する。言い換えると、製品に依存しない窪み24は、普遍的な前室を構成する一方、製品に依存する窪み25は、製品特有の部屋を構成する。製品に依存しない窪み24の深さDは、特に重要である。一方では、深さDは、ブリスター包装ベルト10の側面を製品に依存しない窪み24に沿って機械的に誘導することが可能な程十分に大きい。他方では、深さDは、収容すべき最小の製品11の厚さよりも小さい。この場合、特に、周縁領域における製品11の厚さが重要である。そのことは、一方では、窪み24によって形成される、周囲を取り囲む、平面Eに対して垂直な周縁部分の高さが、その周縁部分に沿って確実に機械的に誘導することを可能とする高さであることを意味する。他方では、製品の厚さと比較して選定された窪み24の深さDによって、製品に依存する窪み25内に確実に製品11を保持することが可能である。深さDは、約1.2mm〜2.5mmの選択範囲内に有り、有利には、2mmである。しかし、許容範囲内における僅かな偏差も同じく許される。
【0028】
同様に、製品に依存しない窪み24の形状は、特に重要であり、その形状は、単独で、或いは窪み24の選定した深さ範囲と関連して、特有の利点を提供する。窪み24の形状とは、特に、カバー15に対して平行に延びる、製品に依存しない窪み24の横断面を意味する。その横断面の幾何学的な形状は、平面Eに対して平行な断面において、種々雑多な形式の製品を収容するように構成、設計されている。言い換えると、窪み24の外縁の横断面は、種々雑多な製品形状及び/又は製品サイズをそれに対応して形成された製品に依存する窪み25内に収容することができるように最適化された形状である。平面図において、窪み24は、角を丸くした菱形と一致する。窪み24の横断面の形状を規定するために、円の軌道が中心で重なり合った楕円軌道によって、窪み24の外縁を規定することもでき、円の直径は、楕円の短軸よりも長く選定される。二つの幾何学的な図形の重なり合った領域における軌道は滑らかである。
【0029】
製品に依存しない窪み24の形状は、次の通り規定することもできる。特に、図11に図示されている、カバー15に対して平行に延びる、製品に依存しない窪み24の横断面の外側輪郭は、複数の部分区間から構成されている。窪み24の外側輪郭は、直角に交差する二つの線分aとbによって規定される。線分aは、窪み24の横断面の縦軸を構成し、ブリスター包装ベルト10の長手方向に延びる軸Kに対して角度αだけ傾斜している。角度αは、14°〜21°であり、有利には、16°〜18°、特に有利には、16.5°〜17.5°である。図11は、前室の輪郭の配置及び構造の模式図であり、その図の縮尺は、正しくない。図11に図示されている角度αは、有利な実施構成では、約16.7°である。前述した範囲、特に、前述した有利な範囲、特に有利には、前述した特に有利な範囲の傾斜によって、ブリスター区画13の長さLが比較的短い場合でも、保管部14内に縦長の製品11を収容することが可能となる。角度αが約16.7°の場合、ブリスター区画13の窪み24の横断面の線分aの最適な配置構成が実現されるとともに、保管部14に容易に装填することができることが保証される。
【0030】
線分bは、窪み24の横断面の横軸を構成し、線分aに対して直角に位置する。線分aと線分bは、それぞれ線分a又はbの半分の長さで互いに交差する。線分aの長さに対する線分bの長さの比率は、有利には、0.55〜0.75であり、特に有利には、0.6〜0.7である。そのような比率、特に、特に有利な比率では、最小限の自由空間で縦長の製品も、丸い製品11も収容することが可能である。図11に図示されている実施例では、そのような比率は、約0.656であり、線分aの長さが約25.9mmで、線分bの長さが約17mmである。
【0031】
線分bの各終端側において、部分区間から成る窪み24の外側輪郭が、半径R1の弧を形成している。線分aの各終端側では、部分区間から成る窪み24の外側輪郭が、半径R2の弧を形成している。半径R1は、有利には、6〜10mmであり、特に有利には、7〜9mmである。図11に図示されている実施例では、半径R1は約8mmである。半径R2に対する半径R1の比率は、約1.2〜1.3のオーダーである。そのことは、半径R2が6mm〜7mmであり、有利には、約6.5mmであることを意味する。前述した範囲、特に、前述した特に有利な範囲内の半径R1は、種々雑多な製品11を収容すると同時に、保管部14内の自由空間を最小限にすることを保証している。そうすることによって、最小限の空気量しか閉じ込められず、それは、所謂「貯蔵寿命」を長くする。従って、その結果、何らかの品質の劣化を心配することなく、より長い時間に渡って、保管部14内に収容された製品11を在庫として保持することができる。
【0032】
(線分bの)横軸の終端における半径R1の二つの弧と(線分aの)縦軸の終端における半径R2の二つの弧以外の、窪み24の横断面を構成する外側輪郭の別の部分区間は、一方では半径R1の弧と繋がり、他方では半径R2の弧と繋がる四つの接線の区間Sを形成している。前述した区間Sは、それぞれ当該の接線と半径R1の弧との接点から、その接線と半径R2の弧との接点まで延びている。即ち、前述した外側輪郭は、互いに対向する半径R1の二つの弧と、互いに対向する半径R2の二つの弧と、これらの弧を互いに接続する、(半径R1とR2の)弧の対と繋がった接線の四つの直線区間Sとの組合せから得られる。
【0033】
有利には、半径R1の弧と半径R2の弧を互いに接続する直線区間Sは、ブリスター包装ベルト10又はブリスター区画13の縦に延びる部分に対して平行に配置される。言い換えると、少なくとも一つの区間Sは、ブリスター包装ベルト10の側端に対して平行に延びる。そのような接続区間Sの配置構成では、その区間Sが、例えば、誘導レールを備えた装填ステーションに沿って、ブリスター包装ベルト10を誘導するのに特に良く適した壁面を形成する。その場合、壁面によって構成される比較的長い誘導面のために、特に薄い壁厚で動作可能とする比較的低い面圧が実現される。それによって、材料消費量を削減することも可能となる。そのような接続区間Sが殆ど消滅させる程半径R1及び/又はR2の大きさを互いに変化させた場合、確かに移送中の面圧が上昇するために、損傷する虞が高くなるが、壁厚を相応に選定することによって、そのような虞を低減することができる。
【0034】
窪み24の横断面の外側輪郭をブリスター包装ベルト10又はブリスター区画13の縦に延びる部分に対して垂直に投影した長さdは、有利には、22〜28mmであり、特に有利には、23〜27mmである。図11に図示されている実施例では、長さdは、約25mmである。窪み24の横断面の外側輪郭をブリスター包装ベルト10又はブリスター区画13の縦に延びる部分に沿って投影した幅cは、有利には、14〜20mmであり、特に有利には、15.5〜18.5mmである。図11に図示されている実施例では、幅cは、約17mmである。長さdと幅cが、前述した範囲、特に、特に有利な範囲内に有る場合、最小限の自由空間を有する保管部14内に、多くの種々雑多な幾何学的な形状の製品11を収容することができる。
【0035】
窪み24の形状を簡単かつ丈夫にすると同時に、装填時に良好に誘導することができることを実現するためには、二つの半径R3とR4を規定する。窪み24の突き出た自由な段部分の半径R3は、有利には、0.7〜0.9mmであり、特に有利には、0.75〜0.85mmである。図10に図示されている実施例では、半径R3は、約0.8mmである。窪み24のブリスター底面に向かっての遷移部分における半径R4が、有利には、0.2〜0.4mmであり、特に有利には、0.25〜0.35mmであるものと規定する。図10に図示されている実施例では、半径R4は、約0.3mmである。
【0036】
任意選択により、各保管部14には、別の位置決め補助部材26が更に設けられ(図13を参照)、例えば、打抜き穴として形成することができる位置決め補助部材26の位置は、保管部14の位置に対して固定されている。しかし、位置決め補助部材26としては、それ以外の特に光学的に検知可能な、或いは読取可能なマーク又は記号も考えられる。位置決め補助部材26に追加して、各保管部14又は各ブリスター区画13にコード27を付与することができる。コード27は、当該の保管部14及びその中に有る製品11に関する情報を有する。更に、ブリスター包装ベルト10は、ブリスター包装ベルト10自体に関する情報(例えば、製造年月日など)を有する(図示されていない)上位のメインコードを備えることもできる。
【0037】
以下において、本発明によるブリスター包装ベルト10及び個々のブリスター区画13又はブリスター区画列22から成るパッケージの製造方法の基本的な考えを詳しく説明する。
【0038】
深絞り加工機械等の上に、製品保持体12である、PVCから成る所謂ベースフォイルをエンドレスロールから巻き戻して、基本的に、予備加熱部、ブローヘッド、深絞り型から成る深絞りステーションに供給する。各保管部14は、例えば、圧縮空気を用いて成形される。保管部14の成形は、少なくとも部分的に打抜き等によって行うこともできる。従って、複数段式の保管部14に関して、複数の成形工程を順番に、或いは同時に行う必要が有る。
【0039】
ブリスター包装ベルト10又は製品保持体12を形成するベースフォイルを製造する場合、保管部14に製品11を装填し、ブリスター包装ベルト10の保管部14にそれぞれ同じ製品11を装填する。しかし、ブリスター包装ベルト10に異なる製品11を装填することもできる。基本的には、各保管部14は、製品11を一つだけ装填される。任意選択により、検査システム等によって、装填状況を調べることができる。有利には、空の保管部14への手動による装填を後で行うこともできる。それに続いて、フォイル状のカバー15、即ち、アルミニウム等から成るカバーフォイルを用いて、装填・制御済みのブリスター包装ベルト10を密閉又は封印する。更に、穴打抜きステーション等が配備されている。保管部14の成形及び封印後、各保管部14の領域において、位置決め補助部材26としての打抜き穴をベースフォイル又はカバーフォイルに付与する。カバーフォイルへの付与に続いて、ブリスター包装ベルト10の移送方向Fに対して垂直なパーフォレーション18を付与することができる。それによって、個々のブリスター区画13をブリスター包装ベルト10から所望通り切り離すことが容易となる。
【0040】
それに続いて、各保管部14の領域において、保管部14の中身を識別することを可能とするコード27を付与する。例えば、ベースフォイル側から、ベースフォイルに二次元マトリックスコードをレーザー加工する。当然のことながら、それ以外の付与方法及びそれ以外の識別手段も実現可能である。
【0041】
前述した製造方法は、互いに接続された複数のブリスター包装ベルト10に関して並行的に実施することもでき、前述した方法の工程にもとづき、ブリスター包装ベルト10の縦方向の切り離しが行われる。言い換えると、複数の列、例えば、五つの列から成るストリップを五つの個々のブリスター包装ベルト10に分離することができる。製品に依存しない窪み24は、例えば、五つのストリップから成るトレイを誘導する役割を果たす。個々のブリスター包装ベルト10への分離後に、同じ幅のブリスター包装ベルト10が得られるように、側端をカットすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々のブリスター区画(13)に分離することができる巻取可能な製品保持体(12)を有する、医用製品、薬用製品及び栄養補給用製品(11)の中の一つ以上を収容するためのブリスター包装ベルト(10)であって、単一のストリップとして構成された製品保持体(12)が、その移送方向Fに対して順番に、ブリスター包装ベルト(10)のピッチTを規定する、個別化された製品(11)を収容するための個々の保管部(14)と、各製品(11)が保管部(14)内に密閉して配置されるように保管部(14)を閉鎖するためのフォイル状のカバー(15)とを有するブリスター包装ベルト(10)において、
各保管部(14)が、製品の幾何学的な形状に依存しない窪み(24)と製品の幾何学的な形状に依存する窪み(25)とを備えた二段式に成形された収容空間(23)を有し、カバー(15)を基準レベルとする製品に依存しない窪み(24)の深さDは、一方では少なくともブリスター包装ベルト(10)の側面を製品に依存しない窪み(24)に沿って機械的に誘導することが可能な大きさであり、他方では保管部(14)内に収容すべき最小の製品(11)の厚さよりも小さいことを特徴とするブリスター包装ベルト。
【請求項2】
製品に依存しない窪み(24)の、カバー(15)に対して平行に延びる横断面が、製品に依存する窪み(25)の横断面よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のブリスター包装ベルト。
【請求項3】
製品に依存しない窪み(24)の、カバー(15)に対して平行に延びる横断面の幾何学的な形状が、全ての製品(11)に関して同一であることを特徴とする請求項1又は2に記載のブリスター包装ベルト。
【請求項4】
製品に依存しない窪み(24)の深さDが、最小1.2mm、最大2.5mmであることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項5】
製品に依存しない窪み(24)の、カバー(15)に対して平行に延びる横断面の幾何学的な形状が、種々雑多な形式の製品を収容するように構成、設計されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項6】
製品に依存しない窪み(24)の、カバー(15)に対して平行に延びる横断面が、角を丸くした菱形と一致することを特徴とする請求項5に記載のブリスター包装ベルト。
【請求項7】
ブリスター包装ベルト(10)又はブリスター区画(13)の幾何学的なサイズが、製品に依存しないことを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項8】
各保管部(14)が、ブリスター区画(13)上又はブリスター区画内の中央に配置されていることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項9】
各保管部(14)には、第一の位置決め補助部材(26)が設けられており、位置決め補助部材(26)の位置が保管部(14)に対して固定されていることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項10】
ブリスター包装ベルト(10)の移送方向Fに関して、それぞれ二つの保管部(14)の間に更に別の位置決め補助部材(17)が形成されていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項11】
別の位置決め補助部材(17)は、ブリスター包装ベルト(10)の幅Bに関して、保管部(14)に対して相対的に決まった同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項10に記載のブリスター包装ベルト。
【請求項12】
各保管部(14)又は各ブリスター区画(13)には、コード(27)が付与されていることを特徴とする請求項1から11までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項13】
コード(27)が、光学的に検知可能なフィールド及び/又は電子的に検知可能なフィールドとして構成されていることを特徴とする請求項12に記載のブリスター包装ベルト。
【請求項14】
ブリスター包装ベルト(10)には、上位のメインコードが付与されていることを特徴とする請求項1から13までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項1】
個々のブリスター区画(13)に分離することができる巻取可能な製品保持体(12)を有する、医用製品、薬用製品及び栄養補給用製品(11)の中の一つ以上を収容するためのブリスター包装ベルト(10)であって、単一のストリップとして構成された製品保持体(12)が、その移送方向Fに対して順番に、ブリスター包装ベルト(10)のピッチTを規定する、個別化された製品(11)を収容するための個々の保管部(14)と、各製品(11)が保管部(14)内に密閉して配置されるように保管部(14)を閉鎖するためのフォイル状のカバー(15)とを有するブリスター包装ベルト(10)において、
各保管部(14)が、製品の幾何学的な形状に依存しない窪み(24)と製品の幾何学的な形状に依存する窪み(25)とを備えた二段式に成形された収容空間(23)を有し、カバー(15)を基準レベルとする製品に依存しない窪み(24)の深さDは、一方では少なくともブリスター包装ベルト(10)の側面を製品に依存しない窪み(24)に沿って機械的に誘導することが可能な大きさであり、他方では保管部(14)内に収容すべき最小の製品(11)の厚さよりも小さいことを特徴とするブリスター包装ベルト。
【請求項2】
製品に依存しない窪み(24)の、カバー(15)に対して平行に延びる横断面が、製品に依存する窪み(25)の横断面よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のブリスター包装ベルト。
【請求項3】
製品に依存しない窪み(24)の、カバー(15)に対して平行に延びる横断面の幾何学的な形状が、全ての製品(11)に関して同一であることを特徴とする請求項1又は2に記載のブリスター包装ベルト。
【請求項4】
製品に依存しない窪み(24)の深さDが、最小1.2mm、最大2.5mmであることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項5】
製品に依存しない窪み(24)の、カバー(15)に対して平行に延びる横断面の幾何学的な形状が、種々雑多な形式の製品を収容するように構成、設計されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項6】
製品に依存しない窪み(24)の、カバー(15)に対して平行に延びる横断面が、角を丸くした菱形と一致することを特徴とする請求項5に記載のブリスター包装ベルト。
【請求項7】
ブリスター包装ベルト(10)又はブリスター区画(13)の幾何学的なサイズが、製品に依存しないことを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項8】
各保管部(14)が、ブリスター区画(13)上又はブリスター区画内の中央に配置されていることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項9】
各保管部(14)には、第一の位置決め補助部材(26)が設けられており、位置決め補助部材(26)の位置が保管部(14)に対して固定されていることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項10】
ブリスター包装ベルト(10)の移送方向Fに関して、それぞれ二つの保管部(14)の間に更に別の位置決め補助部材(17)が形成されていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項11】
別の位置決め補助部材(17)は、ブリスター包装ベルト(10)の幅Bに関して、保管部(14)に対して相対的に決まった同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項10に記載のブリスター包装ベルト。
【請求項12】
各保管部(14)又は各ブリスター区画(13)には、コード(27)が付与されていることを特徴とする請求項1から11までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【請求項13】
コード(27)が、光学的に検知可能なフィールド及び/又は電子的に検知可能なフィールドとして構成されていることを特徴とする請求項12に記載のブリスター包装ベルト。
【請求項14】
ブリスター包装ベルト(10)には、上位のメインコードが付与されていることを特徴とする請求項1から13までのいずれか一つに記載のブリスター包装ベルト。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2010−536681(P2010−536681A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522267(P2010−522267)
【出願日】平成20年8月30日(2008.8.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007211
【国際公開番号】WO2009/030475
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(509299075)アヴィディアメド・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月30日(2008.8.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007211
【国際公開番号】WO2009/030475
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(509299075)アヴィディアメド・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (1)
【Fターム(参考)】
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