説明

医用診断イメージングシステム上のイメージの利得を適応的に制御するための方法

【課題】利得最適化は重要であるが、造影剤のイメージングには困難性があり、適当な感度になるよう利得をセッティングするのが困難であるなどの従来技術の問題点を解消する。
【解決手段】多重モードイメージングや造影剤イメージング上の利得が自動的に調節され、利得アルゴリズムにより別個に組織及び造影剤イメージングなど2つの異なるタイプのイメージングに対する利得パラメータが求められる。造影剤注入前測定されたノイズ値をダイナミックレンジ内の低い値に、又はディスプレイダイナミックレンジ内を幾らか下回る低い値にマッピングすることで、造影剤イメージに基づく利得を最大感度が生じるよう最適化できる。イメージ内の造影剤の存否に基づき異なる利得パラメータが使用される

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用診断超音波イメージングに関し、特に、そのようなイメージングを改善するよう、利得を適応的にセッティングするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の超音波イメージングにおいては、Bモードイメージ信号が表示のためグレイレベルのレンジ、又はカラーのレンジにマッピングされる前に、信号の利得が調節される。利得は、従来マスタ利得又はB利得制御と共に深部利得補償(DGC)又は、時間利得補償(TGC)制御を使用してユーザにより変化させることができる。DGC及びTGC制御は、従来、レンジにおいてのみ可変であり、マスタ利得は、レンジ及び方位位置の双方から独立している。しかし、方位利得補償(LGC)を使用することもできる。
【0003】
市販の1次元の利得制御が、しばしば輝度レベルを調節するためユーザにより使用される。多くの場合、ユーザは、主に軟部組織グレイレベルの領域内平均をグレイ値の狭いレンジ内に抑えるため利得を制御する。そのような好まれるレンジは、ユーザごとに幾らか一貫性があり、そのリニヤマップが黒の0から白の255までマッピングする場合、多くのユーザは、軟部組織に対するグレイレベルをリニヤマップ上で64番目のグレイレベルにセッティングするよう利得を調節しがちである。とはいえ軟部組織輝度均一性のための利得調節が、ノイズ抑圧及び飽和効果の回避を同時に最適化することはない。手動の利得調節は時間がかかり、ユーザの専門技術を要する。利得は、イメージの幾らか又は、すべての部分に対して最適状態には及ばないことが多い。その結果、低いレベルのカットオフにより、又は、高レベル信号の飽和により情報損失が起こるおそれがある。
【0004】
これまで様々な自動的利得セッティングアルゴリズムが使用されてきた。一例として、カラードップラエネルギイメージング向けのものが提供されている。センタラインに沿った熱ノイズの測定を使用して、音響エネルギの送信に応答して、信号に関係なく最大の信号感度を提供できる利得の深部依存性が設定される。ユーザはこの利得を調節できず、利得は多次元特性に依存して最適化されることはない。
【0005】
より最適に利得を制御するため、米国特許第6,398,733号(本発明の譲受人に譲渡されている)には、Bモードイメージに対する利得を適応的にセッティングすることが開示されている。空間的分散は、実質的に軟部組織に相応するイメージの領域を識別するため使用される。このシステムはトランスミッタを遮断した状態でノイズフレームを取得し、次いで、ノイズフレーム及び軟部組織の識別された領域の双方を使用して、局所的に、かつ適応的に利得をセッティングして、イメージ全体にわたり一定の平均レベルで軟部組織を表示させる。
【0006】
造影剤をイメージングするための最適の利得セッティングには、種々異なるものがある。目標輝度を、第2ハーモニックBモード造影剤イメージングのため手動で調節できる。利得最適化は重要なことであるが、造影剤のイメージングについては利得最適化は難しい。造影剤イメージングは低い送信パワーを使用できるが、適当な感度になるよう利得をセッティングするのが困難になる。組織からの信号は造影剤イメージ中にまぎれ込んで、利得が造影剤と組織との間のコントラストを低減するおそれがある。幾つかの造影剤イメージングプロトコルは輝度レベル比較を要求し、このためには造影剤の注入前からは利得が調節されないこと、又は少なくとも組織内への造影剤の取り込み又は、組織からの流出の過程中、利得が調節されないことが必要である。
【0007】
組織イメージングに関する上述の様々な利得セッティング技術は、造影剤イメージングのような他のタイプのイメージングにとって最適状態には及ばないことがあり、その逆が成り立つこともある。幾つかの異なるタイプのイメージング技術が、しばしば造影剤をイメージングするため使用され、ここで、造影剤を表すため一方のイメージを生成し、組織を表すため他方のイメージを生成するようなイメージング技術が用いられる。造影剤及び組織イメージは別個に表示され、又は、一方のイメージが他方のイメージ上に重ねられる。同じ利得特性カーブを両イメージに使用できる。組織イメージに基づく利得特性カーブをセッティングすると、造影剤イメージには劣悪な利得特性カーブが生じる。軟部組織を識別するのに適する利得セッティングアルゴリズムは、造影剤イメージの利得にはロバスト又は最適でないことがある。造影剤イメージの特性は、組織イメージとは異なるものである。造影剤イメージングは、通常造影剤の導入前に始まるので、造影剤の管理後はすべての初期的利得セッティングが、不適当なものとなるおそれがある。造影剤の管理前は、造影剤イメージに基づく自動的利得セッティングが信号の欠除の故に成功しないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,398,733号
【特許文献2】米国特許第5,910,115号
【特許文献3】米国特許第5,579,768号
【特許文献4】米国特許第5,951,478号
【特許文献5】米国特許第5,632,277号
【特許文献6】米国特許第5,577,505号
【特許文献7】米国特許第6,095,980号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題とするところは、従来技術の問題点を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題は、本願発明の請求項1により、医用診断イメージングシステム上のイメージの利得を適応的に制御するための方法において、
a)1つの領域内の複数のロケーションにおいてノイズ値を求めるステップと、
b)ノイズ値に基づきシステムの利得を適応的に変化させるステップと、
c)該利得に応答して、造影剤のイメージを生成するステップを有し、前記利得は、1つのイメージ内でのノイズ値を実質的に一定の低い値にマッピングすることに関連付けられていることを特徴とする、医用診断イメージングシステム上のイメージの利得を適応的に制御するための方法によって解決される。
【0011】
また前記課題は、本願発明の請求項10により、医用診断イメージングシステム上のイメージの利得を適応的に制御するための方法において、
a)2次元領域を表す第1データを検出するステップと、
b)ノイズに関連付けられた第1データにより表された空間的ロケーションを求めるステップと、
c)ノイズに関連付けられた空間的ロケーションに依存して第1データをマスキングするステップと、
d)少なくとも一部においてマスキングされた第1データに基づきシステムの利得を適応的に変化させるステップを有することを特徴とする、医用診断イメージングシステム上のイメージの利得を適応的に制御するための方法によって解決される。
【0012】
また前記課題は、本願発明の請求項16により、医用診断イメージングシステム上のイメージの利得を適応的に制御するための方法において、
a)2次元領域を表す第1データを検出するステップと、
b)第1データに依存して2次元領域内での造影剤の存否の状態を求めるステップと、
c)存否の状態に基づきシステムの利得を適応的に変化させるステップを有することを特徴とする、
医用診断イメージングシステム上のイメージの利得を適応的に制御するための方法によって解決される。
【0013】
本発明は、特許請求の範囲の請求項により規定され、このセクションにおけるいずれの事項も特許請求の範囲に対する限定を成すものと理解すべきではない。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利得最適化は重要なことであるが、造影剤のイメージング上は困難性があり、適当な感度になるよう利得をセッティングするのが困難であり、組織イメージングのための従来の種々の利得セッティング技術が造影剤イメージングには最適でなく、その逆も成り立つということなどの、従来技術の問題点を解消できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】自動利得制御付きイメージングシステムの1実施形態のブロック図である。
【図2】多重イメージングモード用の自動利得制御付きシステムの1実施形態のブロック図である。
【図3】単一イメージングモード用の自動利得制御付きシステムの1実施形態のブロック図である。
【図4】組織イメージング上の利得を求めるための方法の1実施形態のフロー図である。
【図5】造影剤イメージング上の利得を求めるための方法の他の実施形態のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
説明の導入部分として以下記載される有利な実施形態は、多重モードイメージング及び/又は造影剤イメージングのための利得を自動的に調節するための方法及びシステムを含む。多重モードイメージング及び/又は造影剤イメージング上の利得が自動的に調節される。利得アルゴリズムによって、別個に組織及び造影剤イメージングのような2つの相異なるタイプのイメージングに対する利得パラメータが求められる。造影剤注入前測定されたノイズ値をダイナミックレンジ内の低い値に、又は、ディスプレイダイナミックレンジ内を幾らか下回る低い値にマッピングするような手段により、造影剤イメージに基づく利得を、最大感度を生じさせるよう最適化できる。造影剤イメージに基づく自動的利得は分散計算なしで行うことができる。2つの利得パラメータのうちの1つを、システムの利得として選択し、又は、2つの利得パラメータをシステムの利得を形成するよう結合する。イメージ内の造影剤の存否状態を求めることができ、造影剤のあるなしに基づき相異なる利得パラメータが使用される。
【0017】
本発明の1実施形態では請求項1の前記ステップb)は感度を最大化することを含む。
【0018】
また別の1実施形態では前記低い値は、イメージのダイナミックレンジ内で一定の値である。
【0019】
さらに別の1実施形態では前記低い値は、表示されたダイナミックレンジ以下である。
【0020】
さらに別の1実施形態では、請求項1の前記ステップa)及びステップb)は、第1のタイプのイメージングの第1のデータに応答して第1の利得パラメータを求めることを含み、さらに、
d)第1のタイプのイメージングとは異なる第2のタイプのイメージングの第2のデータに応答して第2の利得を求めるステップと、
e)第1及び第2利得パラメータのうちの少なくとも1つを選択するステップとを有し、ここで前記ステップc)は、選択された利得パラメータに応答して第1及び/又は第2データに基づくイメージを表示することを含む。
【0021】
さらに別の1実施形態では、請求項1の前記ステップe)は、第1及び第2利得パラメータの双方を選択することを含み、さらに、
f)第1及び第2利得パラメータを結合するステップを有しており、ここで前記ステップc)は、結合された第1及び第2利得パラメータに応答してイメージを表示することを含む。
【0022】
さらに別の1実施形態では、請求項1の前記ステップb)は表面をノイズ値に適合させることを含む。
【0023】
さらに別の1実施形態では、請求項1の前記ステップb)は造影剤を表すデータの分散に無関係に利得を適応的に変化させることを含む。
【0024】
さらに別の1実施形態では、請求項1の前記ステップd)イメージ内の造影剤の存否の状態を求めるステップを有しており、ここで前記ステップb)は、さらに造影剤の存否の状態が造影剤の欠除に相応する場合、ノイズ値に応答して利得を適応的に変化させ、造影剤の存否の状態が造影剤の存在に相応する場合、ノイズ値及び造影剤値に応答して第2の利得を適応的に変化させることを含む。
【0025】
本発明の別の1実施形態において、請求項10のステップc)は第1データの分散パラメータフリーにマスキングを行うことを含む。
【0026】
また本発明の別の1実施形態において、請求項10のステップa)は造影剤を検出することを含む。
【0027】
また本発明のさらに別の1実施形態において、請求項10のステップd)はノイズ値に基づきシステムの利得を適応的に変化させることを含み、該利得はイメージ内のノイズ値を実質的に一定の低い値にマッピングすることに関連付けられており、さらに、
e)利得に応答して造影剤のイメージを表示するステップを有する。
【0028】
また本発明のさらに別の1実施形態において、請求項10のステップd)は第1のタイプのイメージングの第1データに応答して利得を変化させることを含み、さらに、
e)第1のタイプのイメージングとは異なる第2のタイプのイメージングの第2データに応答して、第2の利得パラメータを求めるステップと、
f)前記ステップd)及び第2の利得パラメータに応答して、第1及び第2データのうちの少なくとも1つに基づくイメージを生成するステップを有する。
【0029】
また本発明のさらに別の1実施形態において、請求項10のステップa)は造影剤を検出することを含み、さらに、
e)2次元領域内の空間的ロケーションに対して造影剤の存否の状態を求めるステップを有し、ここで前記ステップd)は、造影剤の存否の状態が造影剤の欠除に相応する場合、ノイズ値に応答して利得を適応的に変化させ、造影剤の存否の状態が造影剤の存在に相応する場合、ノイズ値及び造影剤値に応答して利得を適応的に変化させることを含む。
【0030】
また本発明のさらに別の1実施形態において、請求項16のステップd)は利得及び第1データとは異なる第2データに依存してイメージを表示するステップを有する。
【0031】
上に要約した利得調節の種々のもの又は、それらの組合せ結合を使用できる。
【0032】
本発明のさらなる側面及び利点は、望ましい実施形態に関連して以下説明される。コンポーネントや図は必ずしも縮尺度通りに示されておらず、その代わりに本発明の基本手法のわかり易い図解に重点をおいている。さらに図中、同様の参照番号は、各図にわたり相応のコンポーネントを示す。
【実施例】
【0033】
図1は、デュアルモード、又は造影剤イメージで利得を適応的に制御するための医用超音波イメージングシステム10のブロック図を示す。図1に示すように、送信ビームフォーマ11は、送信/受信スイッチ12を介してトランスジューサアレイ13へ送信波形を加える。トランスジューサアレイ13は送信波形に応答して、超音波パルスを発生し、これらの超音波パルスはイメージングすべき身体Bの視野内に向けられる。身体Bから戻ったエコーはトランスジューサアレイ13上に当たり、このトランスジューサアレイは、それらのエコーを受信信号に変換し、これらの受信信号は、送信/受信スイッチ12を介して、受信ビームフォーマ14へ伝送される。受信ビームフォーマ14は、適当な遅延及び位相シフトを施し、これにより身体B内での選択されたロケーションからの受信信号がコヒーレントに加えられる。
【0034】
ビームフォーミングされた信号は、1つ又は2つの検出器15,20へ加えられる。相異なる検出器15,20は、相異なるタイプのイメージングのため使用される。異なるタイプのイメージングは、相異なる送信及び所属の受信シーケンス(例えば単一パルス対マルチパルス)、同様の送信及び相異なる受信シーケンス(例えば相異なる受信組合せに対して少なくとも1つの送信パルスを共用する)、相異なるフィルタ(例えば基本情報の除去対ハーモニック情報除去)、相異なる重み(例えば非パルス間振幅変調対パルス間振幅変調)、相異なるタイプの検出(例えば強度対エネルギ)、又は他のイメージング属性を使用する。
【0035】
1つの実施形態において、検出器15は、Bモード又は振幅検出器を有する。検出器15は、組織情報を検出するが、造影剤、運動又は他の構造を検出することもできる。検出器15は、単一送信、又は多重送信及び所属の受信信号に応答して、基本周波数、第2ハーモニック情報又は、その他のハーモニック情報を検出する。
【0036】
他の検出器20は、検出器15とは異なる方法を用いて、造影剤情報を求めるため動作する振幅検出器を有する。例えば、受信信号は結合され、その結果の振幅は、Bモード検出器又はドップラ検出器により検出される。検出器20は、造影剤情報を検出する。例えば、米国出願番号第09/514,803及び第09/650,942号に開示されている検出器の任意のもの、及び所属の送信及び受信シーケンスが使用されそれの開示内容は、本明細書中に含まれるものである。これらの検出器は、相異なるパルス間位相及び/又は振幅変調に応答して造影剤情報を検出する。そのような検出方法は、主に造影剤を表す信号又は造影剤を欠除した組織情報を表す信号を提供できる。他の実施形態において、検出器20は、単一パルス又はマルチパルスハーモニックBモードイメージングによるような造影剤及び組織情報双方を検出する。ハイパワー伝送、ローパワー伝送又は両者の組合せを使用して、造影剤イメージングの一部として造影剤の破壊を回避し又は引き起こすために使用することができる。1つの実施形態において、造影剤データが、パルス間の振幅及び位相変調の双方を伴う多重ローパワーパルスに応答して検出される。
【0037】
1つの検出器15に対する送信及び受信パルスを、他の検出器20に対して使用できる。例えば検出器20は、位相変調を伴って、又は位相変調を伴わずに3つのパルス間振幅変調された送信パルスに応答して情報を結合する。この場合、1つのパルスに応答するエコーが、Bモード組織イメージングのため検出器15により使用される。他の実施形態において、付加的パルス、相異なるパルス、又は非パルスが2つ以上の検出器15,20により共用される。
【0038】
代替的実施形態において、ただ1つの検出器15,20が設けられ又は使用される。単一の検出器15,20は、1つ以上の相異なるタイプのイメージングに対するデータを順次検出し、又は、1つのタイプのイメージングに対するデータだけを検出する。例えば、検出器15,20は、Bモード検出器で検出されるような造影剤及び組織情報の双方を検出する。
【0039】
検出された情報は、バックエンドプロセッサに供給され、このバックエンドプロセッサは、対数圧縮装置16及び適応形多次元バックエンドマッピング段18を有する。バックエンドマッピング段18は、イメージングのタイプに対して最適化された総合的利得及び/又は利得特性カーブを適用する。バックエンドプロセッサの出力は、スキャンコンパータ17に加えられる。スキャンコンパータ17は、ディスプレイ19に適するグリッド上に表示値を発生する。
【0040】
構成要素11−17及び19のすべてが任意の適当な形態をとることができ、何らの特定のインプリメンテーションに限定されない。例えば、送信及び受信ビームフォーマを、アナログ又はデジタル装置として構成でき、単一素子トランスジューサアレイ及び種々の次元のフェーズドアレイを含めた任意の適当なビームフォーマを使用できる。また、システム10は、トランスジューサアレイ13とディスプレイ19との間の信号経路中に付加的構成素子を有することができ、図示の構成要素のうちの選択されたものを削除できるし、又は、構成要素のうちの幾つかの順序を切換えできる。例えばバックエンドプロセッサ及びスキャンコンバータ17の順序を変えることができる。
【0041】
システム10は、ユーザの入力又はトリガイベントに応答して、自動的に、又は適応的にイメージングのための利得をセッティングする。例えばユーザは、ボタンを押して、システム10に利得を自動的にセッティングさせる。他の事例としてシステム10は、造影剤イメージング構成を選択するようなイメージング構成のユーザの選択に応答して、利得を自動的にセッティングする。さらに別の事例として、利得セッティングは、イメージングされた視野における造影剤の存否の状態のような検出されたイベントに応答して、又は、利得を秒ごとにセッティングするようなタイムリミットに応答してトリガされる。ユーザは、さらに、平均輝度、側方輝度、又は深部輝度に対するポテンシオメータ又はノブをコントロールすることにより利得を調節できる。別個の、又は、共用の制御操作を、多重のタイプのイメージングのため行わせることができる。
【0042】
システム10において、適応的多次元バックエンドマッピング段18は利得をコントロールする。マッピング段18は、1つ以上のプロセッサ、フィルタ、ASIC、デジタル信号プロセッサ、アナログコンポーネント、デジタルコンポーネント及びそれらの組合せを有する。マッピング段18は、多くの形態をとることができ、一般に、自動的に、総合的、平均又はマスタ利得及び側方/深部利得特性カーブを求める。マッピング段18は、1つのイメージ内の空間的ロケーションに対する輝度レベルをセッティングし適用する。代替的実施形態においては、マッピング段18は、対数圧縮前又はスキャンコンバージョンの後に、データの振幅を変える。
【0043】
1つの実施形態において、マッピング段18は、2つ以上の相異なるタイプのイメージングに対して利得パラメータを求めるため、ハードウエアデバイス及び/又はソフトウエアアルゴリズムを含む。利得パラメータは、側方利得特性カーブ、深部利得特性カーブ、平均又は総合利得、利得情報を求めるため使用される単数又は複数の値、又は、1つ以上の空間的ロケーションに対する利得を表す他のパラメータを含む。
【0044】
図2は、2つの相異なるタイプのイメージングに使用するためのマッピング段18の1つの実施形態を示す。2つの相異なるプロセッサ24,26は、同じ又は異なるハードウエア上でインプリメントされる。一方の利得プロセッサ24は、第1のタイプのイメージングに対する利得パラメータを求める。他方の利得プロセッサ26は、第2のタイプのイメージングに対する利得パラメータを求める。図示のように、2次元又は表面特性カーブ(LGC及びDGC)及びマスタ又は平均利得の双方が両プロセッサ24,26により求められ、そして出力される。代替的実施形態において、異なるパラメータが出力され、又は、一方の利得プロセッサ24は、他方の利得プロセッサ26とは異なるタイプのパラメータを出力する。
【0045】
分解プロセッサ28は、第1、第2利得プロセッサ24,26から提供される種々の利得パラメータからシステムの、又は最終の利得情報を求める。分解プロセッサ28は、第1、第2利得プロセッサ24,26と同じ又は異なるハードウエアを使用する。分解アルゴリズムは、2つの相異なるタイプのイメージングのそれぞれに対して2次元又は表面利得特性カーブ(LGC及びDGC)及びマスタ又は平均利得の双方を出力する。代替的実施形態において、別個の側方(方位)及び深部利得特性カーブが出力され、唯1つの利得パラメータが出力され、唯2つの利得パラメータが出力され、空間的に変化する利得及び平均利得を含む利得特性カーブ又は他の利得パラメータが出力される。
【0046】
1つの実施形態において、マッピング段18により使用されるイメージングの2つのタイプは、造影剤イメージング及び組織イメージングである。造影剤イメージング技術の中には、最小の組織情報又は殆ど組織情報無しで造影剤を表す検出情報を生じさせるものがある。組織情報は、造影剤の注入前及び注入中、基準組織情報を与えるため造影剤イメージと共に表示される。造影剤イメージは組織情報上に重ねられ、又は、イメージが別個に表示される。利得を求めるための相異なるアルゴリズムは、イメージングのタイプに基づく利得アルゴリズムの最適化を許容する。利得アルゴリズムは、異なるイメージングのタイプに応答して、独立的にデータに適用される。
【0047】
図3及び図4は、組織イメージングでの使用向けの第1プロセッサ24のインプリメンテーションの1実施例を示す。例えば、第1プロセッサ24は、Bモード、第2ハーモニックBモード又は、単独で、又は他の情報と共に組織情報を与えるイメージング技術を使用する。図3及び図4に関連して以下説明する実施形態は、組織イメージのニアフィールド及びファーフィールドの双方における局所的利得を求め、ここで、軟部組織が実質的に一定の目標値で表示されるようにする。米国特許第6,398,733号に開示された他の実施形態を使用でき、それの開示内容が参考として、本明細書中に含まれ、又は、組織情報に対する利得パラメータを求めるための他の実施形態を使用できる。
【0048】
図3に示すように、第1プロセッサ24は、ノイズフレームプロセッサ30と、軟部組織プロセッサ32と、利得プロセッサ34を含む。ノイズフレームプロセッサ30は、ノイズがフレームにわたり変化するのに従い、電子的又は熱的ノイズの推定を発生する。軟部組織プロセッサ32は、フレームにおける種々のロケーションでの、イメージフレーム内の軟部組織の強度を指示する平滑化された表面を生成する。利得プロセッサ34は、プロセッサ30及び32からの出力を使用して、平均利得、深部利得及び/又は側方(方位)利得を適応的に調節し又は求める。
【0049】
図4は、組織データから利得を求めるための第1プロセッサ24の動作の望ましい実施形態の詳細なフローチャートを示す。システム10のイメージ取得パラメータは前以て選択された値にセッティングされる。これらの前以て選択された値により、適応形利得プロセッサの動作が最適化される。事例として、以降の全般的ガイドラインが1つの実施形態において適当であることが判明している。利得及びダイナミックレンジを含むイメージ取得パラメータが求められ、その結果イメージング状況の最も広い可能な多様性のため、最も高い可能な信号対雑音比(SNR)が、イメージのいずれの部分の飽和をも引き起こさずに、イメージ全体にわたり維持される。このことにより、信号の弱いエリヤが適応的利得プロセッサ34により考慮されることが保証される。
【0050】
ノイズプロセッサ30は、入力としてノイズフレームを受け取る、すなわち、トランスミッタを遮断した状態で取得されたイメージデータのフレームを受け取る。トランスミッタは遮断されているので、真正なエコー信号が存在せず、イメージフレーム内に出現するいずれの信号も、システムの熱的又は電子的ノイズを表す。ノイズフレームは、SNRバイナリイメージの生成と関連して、低いSNRにより特徴付けられるイメージの領域を識別するため使用される。
【0051】
フレームにわたり分布する種々のロケーションでの平均電子ノイズの尺度が生成される。データのノイズフレームは、アクション40において低域ろ波され、アクション42においてデシメートされる。低域ろ波によりノイズフレームが平滑化され、デシメーションによって低域ろ波されたノイズが比較的粗いグリッドに移し変えられ、例えば1つの辺上で例えば50ピクセルを測定する。このデシメーションはオプションでありシステム処理速度に依存する。
【0052】
軟部組織プロセッサ32は、入力として組織を表すデータのフレームを受け取る。アクション44において、組織データは低域ろ波される。低域ろ波されたデータは、アクション46においてデシメートされる。1つの実施形態において、アクション44,46は、相応のアクション40,42と同じである。
【0053】
ろ波されデシメートされたノイズフレームはアクション54において負の極性で、ろ波されデシメートされたイメージフレームと加算される。ノイズフレーム及びイメージフレームは、この事例において、事後検出、事後圧縮信号であるので、加算によりデータの2つのフレームにより表される所属の領域に対してSNRに等しい出力信号が発生される。SNR信号は、アクション56において限界値と比較されて、1つのSNRバイナリイメージを生成する。SNRバイナリイメージは、所定値より大きいSNR例えば3dBにより特徴付けられるフレームに対する領域において1に等しくセッティングされ、所定の値より小又はそれに等しい領域において0にセッティングされる。こうして、SNRバイナリイメージによっては、軟部組織イメージ信号に対する候補となれるのに十分高いSNRを有するイメージフレームの領域が識別される。ロジック値0により特徴付けられるSNRバイナリイメージの部分は、イメージの低いSNR領域、高いノイズに相応し、それらの領域は、軟部組織の候補とは考えられない。
【0054】
軟部組織プロセッサ32は、また、アクション48において組織データの局所分散を計算することにより、分散バイナリイメージを生成する。軟部組織において、各々の分解セル内に存在する多数の散乱体がある。完全に展開されたスペックルが、反射された信号間の不規則性の干渉に基づき生じ、信号の振幅が、軟部組織を表すイメージフレームの領域内でのレーリー分布に従う。この実施形態において、各イメージピクセルの周りの若干の分解セル内で計算された局所分散が完全に展開されたスペックルのそれに類似する度合いが、所定のイメージピクセルが軟部組織のイメージを表すゆう度の尺度として使用される。
【0055】
アクション48において、多様性の統計的尺度が、イメージフレームの領域の選択のため求められる。振幅−検出された対数圧縮されるデータの空間的時間的平均を多様性を求めるため使用できる。代替的に、ノイズパワーの局所平均により規準化されるノイズパワーの空間的分散を使用できる。例えば、規準化された空間的分散を、事前圧縮信号上で求めることができ、ここで、空間的分散は、事前圧縮信号の局所平均により規準化される。多様性の統計的尺度を、横方向(側方)、軸方向及び上下方向軸のうちの任意のもの、それらの軸のうちの任意の2つ又はすべての3つの軸に沿って計算できる。イメージ又はデータのフレームは、比較的小さい領域のグリッドに分割される。それらの領域のサイズは、各軸に沿って、イメージの分解サイズより、10倍長いオーダであるのが望ましい。座標(i,j)を有する領域又はセルCのセンタの空間的分散Vi,jは、次のように計算できる。
【0056】
【数1】

【0057】
局所分散は、アクション50においてデシメートされる。アクション50のデシメーションは、アクション42及び46のデシメーションと同じスケールで動作すると望ましい。次いで、デシメートされたデータの分散フレームは、アクション52においてデータごとに最小及び最大分散レベルと比較される。この比較は、特に、対数圧縮されたデータには簡単であり、ここで、軟部組織の完全に展開されたスペックル特性の分散はほぼ(5.57dB)2である。こうして、イメージフレームにおける軟部組織の領域は、(5.57dB)2に近い分散を有する完全に展開されたスペックルにより特徴付けられる。例えば、分散が下記の関係を充足すれば、分散は軟部組織の特性として分類される。
【0058】
【数2】

【0059】
スペックルの実際の局所分散は、超音波システムの信号処理経路中のフィルタに基づき理論値に等しくないことがある。実際上、分散は、軟部組織に類似するファントム上での測定により求められる。分散バイナリイメージは、分散が軟部組織と一致する領域では1に等しく、そうでないときは0に等しくセッティングされる。
【0060】
アクション60において、AND関数を使用するような手段により、軟部組織マスクが生成される。SNRバイナリ及び分散バイナリデータフレームの双方が軟部組織マスクを生成するため入力される。電子ノイズは、軟部組織の分散に近い分散を有し、AND演算は、電子ノイズを軟部組織として誤分類するのを回避するためSNRバイナリイメージ及び分散バイナリイメージを使用する。このAND演算は、デシメートされたSNRバイナリイメージ及びデシメートされた分散バイナリイメージの各領域に対して実行される。所属の領域が低いSNR比により特徴付けられることをSNRバイナリイメージが、指示するか、又は、所属の領域が軟部組織でないことを分散バイナリイメージが指示するならば、生成するデシメートされた組織バイナリイメージは0に等しい値をとる。SNRバイナリイメージは、すべての実施形態において必要とされるものでなく、他の技術を、ノイズにより支配されたイメージの領域を軟部組織として誤分類するのを回避するため使用できる。例えば、ノイズ低減技術を、局所分散推定前に適用できる。
【0061】
局所的コヒーレンスファクタを使用して、高い音響ノイズ又はクラッタの領域がマッピング判別から排除されることを保証できる。局所的コヒーレンスファクタは、遅延された及びアポダイズされた信号の受信チャネルにわたっての、コヒーレント(位相感応性)和と、インコヒーレント(位相非感応性)和との比として定義される。Rigby氏の考察については米国特許第5,910,115号参照のこと。低いコヒーレンスファクタは、強い位相収差、すなわち、音響ノイズまたはクラッタの高いレベルを指示する。したがって、コヒーレンスファクタを用いて、クラッタにより支配されるイメージの領域を無視できる。
【0062】
上述のように、この軟部組織識別を、多様性の統計的尺度に基づき行うことができる。代替的に、軟部組織を識別するため、例えば、イメージ信号の大きさに基づく方法のような他の方法を使用できる。Klesenski氏の議論については、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,579,768号を参照のこと。
【0063】
アクション61において、アクション60からの組織バイナリイメージ出力が、十分な数の組織領域の有無についてテストされる。例えば、デシメートされた組織バイナリイメージは、6×6グリッドに相応する36の領域を含む。横方向(側方)に間隔をおいた3つの列の各々における、そして、深部方向で間隔をおいた3つの行の各々における少なくとも1つの領域が、組織に関連付けられる場合(すなわち、所定の分布を有する少なくとも6つの領域が存在する)、十分な数の組織領域が存在する。他のテスト、領域数、所要の組織領域の数、又は非テスト状態を使用できる。不十分な数の組織領域又は組織領域の間隔が識別された場合、利得プロセスは終了されるか、又は、組織イメージのため完成されない。
【0064】
組織領域の十分な数又は間隔が識別された場合、軟部組織強度がアクション62において計算される。アクション46から出力されたろ波されデシメートされたデータのイメージフレーム及びアクション60から出力されたデータのバイナリ組織イメージフレームが、軟部組織強度を計算するための入力として加えられる。殊に、アクション62は、同じ領域における組織バイナリイメージの相応の値に依存する強度値を有するデシメートされたフレームを出力する。そこで組織バイナリイメージがロジック値0(領域が軟部組織に相応しないことを指示する)に等しい領域に対して、出力は、相応の領域に対する強度値を含まない。代替的にそこで組織バイナリイメージがロジック値1に等しい領域に対して、出力は、アクション44において、ろ波され、そしてアクション46においてデシメートされるような、相応の領域に対する強度値を含む。
【0065】
アクション64において、利得パラメータが求められる。表面、例えば、第2次表面がデータのフレームに適合している。この第2次表面は、イメージフレームにわたり強度が変化するとき平均軟部組織強度の尺度を与える。SNRバイナリイメージの使用の故に、ノイズにより支配されるイメージの部分は、その第2次表面をくずさせない。表面は、デシメートされたフレームに適合した第2次表面であるので、表面は、相異なるコントラストの軟部組織間のインターフェースの遷移の提示を妨げるほど迅速には変化しない。適合した表面と、軟部組織目標強度レベルTtとの間の差異は、領域ごと、又は、空間的ロケーションをベースとして計算される。差異は、組織利得Gtであり、この組織利得Gtは、レンジ及び方位角の双方と共に変化し、局所組織平均に適合した表面を、軟部組織目標レベルTtで表示させるために必要とされる利得である。代替的実施形態において、領域のすべて、又はサブ集合に対する平均差異を表すオフセットがマスタ組織利得として計算される。次いで、2次元利得特性カーブは、オフセットからの差異として表される。他の値又は計算を、各々の空間的ロケーションに対する1つ以上の利得パラメータを提供するため使用できる。
【0066】
低域ろ波されデシメートされた、アクション40,42からのデータのノイズフレームが、アクション80においてノイズ目標値と比較される。利得パラメータ信号Gnは、領域ごと又は空間的ロケーションを基盤にして、ノイズ目標レベルTnと、ろ波されたデシメートされたノイズフレームの相応の値との間の差異として発生される。こうして、ノイズ利得Gnは、また、レンジ及び方位角の双方と共に変化し、局所平均ノイズレベルがノイズ目標レベルTnで提示されることを保証するため必要とされる利得を表す。代替的実施形態において、領域のすべて又はサブ集合に対する平均差異を表すオフセットは、マスタノイズ利得として計算される。2次元の利得特性カーブは、次いで、オフセットからの差異として表される。各空間的ロケーションに対して1つ以上の利得パラメータを提供するため他の値または計算を使用できる。
【0067】
アクション84において、最終の組織2次元利得パラメータGfが求められる。組織利得Gt及びノイズ利得Gnの最小値が、各々の空間的ロケーション又は領域に対して選択される。1つの実施形態において、最終の2次元利得パラメータの領域のすべて、又はサブ集合に対する平均差異を表すオフセットがマスタ利得として計算される。次いで、2次元利得特性カーブは、オフセットからの差異として表される。各領域のセンタから離れた空間的ロケーションに対して利得は、利得特性カーブに基づき補間される。各空間的ロケーションに対して1つ以上のパラメータを提供するため、他の値又は計算を使用できる。最終利得Gfがセッティングされ、その結果、イメージの組織領域が、そこで、ノイズ信号がノイズ目標レベルより小さいイメージのすべての部分に対して、ほぼ組織目標レベルTtのあたりに表示される。そこでノイズ強度がノイズ目標レベルTtより大であるイメージの領域において、ノイズが不適当に増幅されないことを保証するため低い利得が使用される。局所利得は、それぞれのロケーションにおいて2次表面の振幅を有する信号をイメージの幾つか、又はすべてにわたり軟部組織目標値として表示させるため適応的に変化される。
【0068】
軟部組織目標値を多くの手法でセッティングできる。目標表示値はたんに、記憶された値、又は、ユーザにより選択された値、又は、周囲光に応答して適応的に求められた値であってよい。代替的に、軟部組織目標レベルは、現在引き起こされている事後処理特性カーブの関数である。特定的には、ユーザにより制御操作可能又は所定の値を目標軟部組織グレイレベルTgとして使用できる。ついで、Ttは、事後処理特性カーブが、表示グレイレベルTgにマッピングされる信号強度レベルであるように選択されるときはいつでも規定される。
【0069】
同じ又は異なる入力及びプロセスを使用した他のアルゴリズムを、組織又は他の情報に対する1つ以上のパラメータを適応的に求めるため使用できる。代替的実施形態において、組織及び造影剤情報の双方を含むイメージングの1つのモードが使用され、こうして、造影剤に適するアルゴリズムが、以下説明するように使用される。
【0070】
図2に示す第2のプロセッサ26は、図2及び図3に示すような第1プロセッサ24と類似して動作する。異なったタイプのイメージングに応答する検出データは第2プロセッサ26に入力される。例えば、第2プロセッサ26は、ハーモニックBモード、相関のロス(loss of correlation)、非直線性の基本モードの検出、他の多重パルス検出技術、又は、主に造影剤情報を提供し、又は、造影剤情報に他の情報を与える他のイメージング技術を使用する。造影剤イメージのニアフィールド及びファーフィールドにおける局所利得が求められ、ここで、造影剤が実質的に一定の目標値で表示されるようにする。
【0071】
第2プロセッサ26は、また、図3に示すようにインプリメントされているが、但し、軟部組織プロセッサ32が、造影剤プロセッサであることは除外する。ノイズフレームプロセッサ30は、ノイズがフレームにわたり変化すると、造影剤イメージングに関連付けられた受信構成に応答して、電子的又は熱的ノイズの推定を生成する。造影剤プロセッサ32は、フレーム内の種々のロケーションにおいて、データのイメージフレーム内で造影剤の強度を指示する平滑化された表面を生成する。利得プロセッサ34は、プロセッサ30,32からの出力を使用して、平均利得、深部利得、側方利得及び/又は他の利得パラメータを適応的に調節し又は求める。
【0072】
図5は、造影剤データから利得を求めるための、第2プロセッサ26の動作の1つの実施形態の詳細なブロック図である。造影剤及びノイズを表すデータの検出された対数圧縮されたフレームは、利得パラメータを求めるため使用される。図5のフローは、図4のフローと類似しており、そして、同じデータタイプ又は異なるデータタイプを使用した同じアクション(すなわち、同じ参照番号)は図5の説明中繰り返さない。代わりに、造影剤データに対する利得パラメータを求めるためのアルゴリズム上の差異について以下説明する。
【0073】
アクション60のバイナリマスクは造影剤データの分散計算に無関係に求められる。バイナリマスクは、造影剤データのどのような分散パラメータにもとらわれない。分散に基づくマスキングは、造影剤を表すデータの統計的性質に基づき信頼性がない。最小の情報を有するか、又は組織情報のない造影剤に対して、不信頼性はさらにより大である。造影剤の注入前は、造影剤を表すデータは何らの分散情報をも提供できない。分散情報は無視され、SNR情報は、アクション60に対して上に論じたようにマスキングのため領域又は空間的ロケーションを識別するため使用される。代替的実施形態において、造影剤を表すデータをさらに、マスキングのため使用できる。例えば、分散情報が、造影剤の注入後求められる。別の事例として、データの統計的性質の原因となる造影剤を表すデータの異なる特性が使用される。心臓イメージングにおいて、心室における造影剤を表すデータの信号レベルは、一般に心筋層における造影剤の信号レベルより大である。上方又は最大信号レベル限界値を造影剤データに加え、上方信号レベル限界値をS/N比データに加え、ピーク信号レベルに基づく適応的限界値を加えることにより、又は、心室を識別する識別性イメージング方法又は検出技術を使用することにより、心室を表す空間的ロケーションを排除するためバイナリマスクを使用できる。これについては以下述べる。
【0074】
別の差異は、アクション61(図4)及び63(図5)の組織領域の十分な数の有無についてのテスト後のプロセスである。アクション63において、造影剤データは、十分な数の組織領域の有無についてテストされる。アクション61に対して上に論じたような類似の空間的及び/又は信号テストを使用できる。予期された造影剤イメージング特性に基づく他のテストを使用できる。このテストの結果は、視野内に造影剤が存在しているか否かに応じて異なる。造影剤の注入前は、造影剤を表すデータは、最小の信号を含むか信号を含まない。この場合において熱的ノイズに基づく最大感度に対する利得の最適化が望ましい。しかし、組織からのような、非造影剤源からの信号は、無視可能でなく、造影剤をイメージングする能力を妨げる。組織からの信号の漏出に関連させないで利得を調節すると、造影剤に対する感度がより小さくなる。事前コントラスト状態を識別することは、組織からの信号の漏出がある場合でも、最大の感度に利得をセッティングすることを許容する。感度は、造影剤イメージングにとって重要である。利得及び所属の信号マッピングは、理想的には造影剤信号に対する感度を最大化するようセッティングされる。
【0075】
図4のアルゴリズムと異なって、不十分な数の造影剤領域しか識別されない場合、図5のプロセスが継続する。矢印65は、テストで不十分な数が見出された場合のプロセスを示す。アクション84は、アクション85と置換される。アクション85において、アクション80により出力される利得パラメータは最終利得パラメータとして使用される。システムの利得は、造影剤データから計算される利得パラメータの使用又は計算をせずにノイズ値に基づき適応的に変化される。ノイズをベースとした利得パラメータを使用して、ノイズ値は、イメージ内でゼロ値又はダイナミックレンジ以下の値のような実質的に一定の低い値にマッピングされる。造影剤の注入前一様な減光信号レベルが提供されるよう、アクション80のノイズ目標値が選択される。ノイズは、システムのダイナミックレンジ内又はそれより低い減光値にマッピングされる。イメージ又は視野にわたりノイズの一定の低いレベルを生じさせる利得パラメータは、任意の信号に最大の感度を与える。造影剤が一旦注入されると、利得は、生成する造影剤信号に一層より大きな感度を与える。造影剤の注入前のノイズ情報に関連付けられた利得パラメータを使用することにより、最適の利得が、注入の前後に造影剤をイメージングするため与えられる。造影剤の注入は、さらなる利得調節をトリガするためトラッキングされず、又は必要とされることはない。
【0076】
代替的実施形態において、利得は、記憶された利得を使用することにより、最大の感度に調節される。例えば、アクション63のテストにおいて不十分な造影剤信号が見出された場合、予期されたノイズレベルを表す記憶された利得パラメータが使用される。他の代替的実施形態において、利得は、予期されたノイズを計算することにより最大感度になるよう調節される。
【0077】
造影剤の注入後利得をセッティングしている場合、一様な減光輝度を与えるよう利得パラメータをセッティングすることは許容できない。造影剤信号情報を失うことになるからである。代わりに、利得パラメータは、組織イメージングに対するセッティングと類似の要領で求められる。造影剤に関連付けられた領域は、軟部組織に関連付けられた領域として扱われる。アクション63における十分な数の領域の識別により、造影剤が視野内に注入されていることが指示される。十分な数の造影剤領域が識別されると、アクション62及び64が造影剤データを使用して実行される。造影剤データに対する目標値は、組織目標値と類似又は異なったものである。例えば、より明るい輝度のマッピングレベルに関連付けられた比較的大きい値により造影剤が強調される。アクション85においてはアクション84のように、最小値又は他の関数が、造影剤データ及びノイズデータから、利得パラメータ間で選択するため使用される。
【0078】
同じ、又は異なる入力及びプロセスを使用した他のアルゴリズムを、造影剤又は他のデータに対する1つ以上の利得パラメータを適応的に求めるため使用できる。例えば記憶された平均利得又は利得特性カーブが、造影剤の注入前造影剤イメージングのため適用される。記憶された利得情報は、視野内にイメージング造影剤がある間及びその前に使用可能な所望の又はもっともらしい利得を提供する。他の実施形態において、記憶された利得情報が、造影剤の存否の状態が求められた後使用される。
【0079】
造影剤データに対する目標値又は他の入力は、異なるイメージングのタイプの場合と同じ、又はそれと異なったものであってよい。代替的実施形態において、ノイズデータ及び/又は造影剤に対する目標値は、造影剤の存否の状態に依存して変化する。第2ハーモニックBモード造影剤イメージングのような、実質的組織情報量を含む造影剤データの場合、視野における空間的ロケーションに対する造影剤の存否の状態が求められる。1つの実施形態において、領域数及びコントラスト信号の領域の分布が、アクション63に対して上に議論したように求められる。他の計算が可能である。限界値を上回る平均S/N比での領域数は造影剤の存在状態を指示する。他の事例として、平均S/N比が限界値を上回り、造影剤データの局所分散が値の限界値レンジ内にある場合における領域の数は、造影剤の存否の状態を指示する。なお他の事例として、平均又は他のS/N比値が、現在のイメージング構成(例えば、トランスジューサ、動作周波数及び造影剤のタイプ)に基づき求められる限界値と比較される。ユーザ入力を、造影剤の存否の状態を指示するため使用できる。造影剤注入後の時間の大きさに基づき存否の状態を求めるような、時間トリガを使用することもできる。時間に依存しての、S/N比の増大又はその増大のレートもまた造影剤の存在状態を指示することができる。
【0080】
利得パラメータアルゴリズムは、造影剤の存否の状態に依存して最適化される。造影剤が存在しない、又はほとんど存在しない場合、目標値は、減光輝度に関連付けられたような、低い一定の値にデータをマッピングするよう選択される。例えば、造影剤データに加えられる目標値は、生成するイメージに対して一様の輝度を提供するようセッティングされる。組織情報はノイズとしてマッピングされる。造影剤が存在している場合、目標値は、造影剤に関連付けられた空間的ロケーションに対するユーザの所望の輝度を提供するよう選択される。目標値を適合させることのほかに付加的に、又はそれと代替的に、使用されたアルゴリズム又は他の変量が、視野における造影剤の存否の状態に応じて適合化される。
【0081】
利得パラメータを1度又は1つのトリガに応答して利得を求めるよりむしろ、他の実施形態は、連続的に、又は周期的に利得パラメータを求め適用する。例えば、利得パラメータは、イメージングのスタートに応答して、又は遅延の後求められ、次いで、一旦造影剤の存否の状態が求められると再適用される。時間又はイベントをベースとするトリガはいずれも、利得パラメータを第1回、又は、引き続いて何回も求めるため使用できる。
【0082】
1,2又はそれより多くのタイプのイメージングに応答する利得パラメータは、イメージにおけるそれぞれの空間的ロケーションに対する最終利得を求めるため使用される。図2に示すような分解プロセッサ28は、利得パラメータを受け取る。1つの実施形態において、平均利得及び2次元利得特性カーブが各タイプのイメージングに対して設けられる。代替的実施形態において、平均利得及び利得における空間的分散の組合せ結合を表す2次元利得特性カーブが設けられる。他の代替的実施形態において、ただ深部又は側方利得特性カーブ又は平均利得が設けられる。他の利得パラメータを使用できる。
【0083】
分解プロセッサ28は利得パラメータを合成する。利得パラメータのうちの少なくとも1つが選択される。1つの実施形態において、平均組織利得及び平均造影剤利得の双方が選択され、別個に出力される。分解プロセッサ28は、2つの空間的に変化する関数上で動作し、そして、その意味で局所的に動作する。多重利得特性カーブをどのように組合せ結合するかについての判別又は重み付けは、大域的パラメータとして実行される。例えば、同じ重みが、イメージにわたり使用される。代替的に、組合せ結合はイメージ内の所定のロケーションに依存する。コントラストが存在しているか否かの判定をイメージ全体に対して局所的に又は大域的に実行できる。大域的判定のため、イメージの任意の領域内でのコントラストの存否の状態が判定される。
【0084】
各領域に対する2次元利得特性カーブ(LGC及びDGC)は、ディスプレイのタイプに基づき、又はディスプレイのタイプに無関係に選択される。造影剤イメージだけ、組織イメージだけ又は両イメージの組合せを表示するには、利得特性カーブがイメージ全体へ適用されるよう選択される。ユーザは表示すべきイメージの1つ又は複数のタイプを選択する。造影剤利得、組織利得、造影剤及び組織利得の最小値又は、造影剤及び組織利得の重み付けられた平均がイメージングのタイプに基づき選択される。重み付けられた平均化は、各タイプのイメージングに対してLGC及び/又はDGCパラメータを結合する。利得パラメータはそれぞれ重み付けられ、次いで重み付けられた利得が加算される。同じ(例えば平均)又は異なる重みを使用して一方の利得を他方の利得より強調することができる。最小、最大または他の非直線性の関数を選択するようにして、組合せが非直線性である場合、生成する利得特性カーブが規準化される。例えば、特性カーブの平均利得が、ゼロ値にセッティングされ、所属のオフセットが、マスタ又は平均利得に加えられる。
【0085】
代替的実施形態において、複数の平均利得が結合され、又は唯1つが選択され、その結果複数の平均利得が無関係に制御されることはない。他の代替的実施形態において、LGC及び/又はDGC利得特性カーブが選択されて別個に出力され、2つの相異なるタイプのイメージングに対してデータの利得が独立的に制御される。他の実施形態において、空間的に変化する利得及び平均利得は、分解プロセッサ28への入力及び/又はそれからの出力に対して1つの利得パラメータとして結合される。
【0086】
最終利得パラメータは、イメージを生成するようデータに加えられる。平均利得及び2次元特性カーブの利得がデータに加えられる。イメージが両タイプのイメージングに対するデータを含む場合、相異なる利得パラメータが、相異なるタイプのデータに加えられる。例えば、組織データに対するのとは異なる平均利得が造影剤データに対して適用されるが、同じLGC及び/又はDGC利得特性カーブが適用される。次いで利得の補正されたデータは、イメージを生成するため使用される。1つ以上の利得パラメータ及び1つ以上のタイプのイメージングに対するデータに応答してのイメージが表示される。
【0087】
組織又は流体運動の検出のような付加的なタイプのイメージングを使用できる。付加的なタイプのイメージングは、組織及び造影剤イメージングのような1つ又は2つの他のタイプのイメージングと組合せ結合して使用される。運動イメージングは他のタイプのイメージングとして、別個の送信及び/又は受信情報を使用又は共用できる。例えば、造影剤イメージングは、[1/2 -1 1/2]として表されるパルス間振幅及び位相変調で音響エネルギの3つのビームを送信する。受信されたパルスは位相反転なしで等しく重み付けられる[1 1 1]。運動に対して、3つのパルスが、同じ振幅及び相対位相[1 1 1]で送信される。受信したパルスは[1/2 -1 1/2]のような重みで結合される。結合された受信信号の振幅が検出される。心臓イメージングにおいて、検出した運動により、利得を求める部分として造影剤データをマスキングするため心室を識別できる。生成する造影剤利得パラメータが、関心領域である心筋層に関連付けられた造影剤データに基づきセッティングされる。
【0088】
他の代替的実施形態において、造影剤イメージングは、組織情報を含むように変更される。例えば、造影剤イメージングのため、音響エネルギの3つのビームが、[1/2 -1 1/2]として表されるパルス間振幅及び位相変調で送信される。受信したパルスは、[1 0.95 1]の受信重みのように等しく重み付けされず、幾らかの組織情報が漏出するのを許容する。組織情報は、十分な信号を与え、その結果視野内に造影剤がなくても利得パラメータを求めるためアクション62及び64を、使用する確率がより高くなる。
【0089】
他の実施形態において、図5のプロセスの1つ以上の側面が、唯1つのタイプのイメージングに応答してイメージを生成するため使用される。例えば利得パラメータは、分散に応答して、マスキングすることなく求められ、又は、造影剤の存否の状態が求められる。それらの、又は他の側面を使用したタイプのイメージングとして含まれるものには、Coherent Contrast ImagingTM(コヒーレント コントラスト イメージング)(すなわちオルタネート スキャン ライン フェージング)、米国特許第5,951,478号及び第5,632,277号に記載されているようなpulse or phase inversion imaging(パルス又は位相反転イメージング)、米国特許第6,095,980号に記載されているようなpulse inversion Doppler imaging(パルス反転ドップライメージング)、米国特許第5,577,505号に記載されているようなpower modulation imaging(パワー変調イメージング)又は組織及び/又は造影剤情報を含むその他のイメージング技術がある。上記のリストアップした米国特許は参考として本明細書中に含まれている。
【0090】
なお他の実施形態において、解剖学的構造が識別され、利得判別すべくデータをマスキングするため使用される。例えば、相関ロス(loss of correlation)はシーケンス(例えば[1 1 1]の送信重み及び[1 -2 1]の受信重み)を用いて形成される。限界値は、心臓イメージングにおける心室のような相関ロス(loss of correlation)データから解剖学的構造を識別するため適用される。限界値を上回るデータ又は、限界値レンジ内のデータが、解剖学的構造として識別される。解剖学的構造に関連付けられた空間的ロケーションに相応するデータは、利得パラメータ判定から除かれる。例えば、異なるシーケンス(例えば[1/2 -1 1/2]の送信重み及び[1 1 1]の受信重み)に応答して付加的データが形成される。代替的に、同じ相関ロスデータが使用される。データは、識別された解剖学的構造に相応する情報を排除するためマスキングされる。マスキングされたデータは、利得パラメータを求めるため使用される。イメージが、利得パラメータに応答して相関ロスデータ、付加的データ又はその他のデータから生成される。
【0091】
本発明を種々の実施形態を参照して上述したが、多くの変更及び変形を、本発明の精神から逸脱することなく行うことができることを理解すべきである。たとえば造影剤イメージングのような唯1つのタイプのイメージングが使用される。図5の実施形態又は他のアルゴリズムが造影剤イメージングに対する利得を求める。利得を1つのタイプのデータを用いて求めることができるが、異なったタイプのデータでのイメージングのため適用できる。異なった送信シーケンスが使用され、又はデータの別の再結合が、利得を求めるため使用されるというよりむしろ、イメージングのため実行される。
【0092】
したがって、先に行った詳細な説明は、本発明の望ましい実施形態の1図解と理解すべきであり、本発明を規定するものと理解すべきでないというものである。本発明の範囲を規定すべきものは、あらゆる等価技術を含めた特許請求の範囲のみである。
【符号の説明】
【0093】
10 医用超音波イメージングシステム、 11 送信ビームフォーミング、 12 送信/受信スイッチ、 13 トランスジューサアレイ、 14 受信ビームフォーミング、 15 検出器、 16 対数圧縮、 17 スキャンコンバータ、 18 多次元バックエンドマッピング段、 19 ディスプレイ、 20 検出器、 24 第1プロセッサ、 26 第2プロセッサ、 28 分解プロセッサ、 30 ノイズプロセッサ、 32 軟部組織プロセッサ、 34 利得プロセッサ、 40 低域ろ波、 42 デシメート、 44 低域ろ波、 46 デシメート、 48 局所分解、 50 デシメート、 52 分散の最小;最大レベルとの比較、 60 軟部組織マスク生成、 61 十分な軟部組織領域数についてのテスト、 62 軟部組織強度計算、 63 十分な造影剤領域についてのテスト、 64 利得パラメータを求める、 65 不十分な数を見出した場合のプロセスを示す、 80 ノイズ目標レベルとの比較

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用診断イメージングシステム上のイメージの利得を適応的に制御するための方法において、
a)1つの領域内の複数のロケーションにおいてノイズ値を求めるステップと、
b)ノイズ値に基づきシステムの利得を適応的に変化させるステップと、
c)該利得に応答して、造影剤のイメージを生成するステップを有し、前記利得は、1つのイメージ内でのノイズ値を実質的に一定の低い値にマッピングすることに関連付けられていることを特徴とする、
医用診断イメージングシステム上のイメージの利得を適応的に制御するための方法。
【請求項2】
前記ステップb)は感度を最大化することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記低い値はイメージのダイナミックレンジ内で一定の値である、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記低い値は表示されたダイナミックレンジ以下である、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記のステップa)及びステップb)は、第1のタイプのイメージングの第1のデータに応答して第1の利得パラメータを求めることを含み、さらに、
d)第1のタイプのイメージングとは異なる第2のタイプのイメージングの第2のデータに応答して第2の利得を求めるステップと、
e)第1及び第2利得パラメータのうちの少なくとも1つを選択するステップとを有し、ここで前記ステップc)は、選択された利得パラメータに応答して第1及び/又は第2データに基づくイメージを表示することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記ステップe)は、第1及び第2利得パラメータの双方を選択することを含み、さらに、
f)第1及び第2利得パラメータを結合するステップを有しており、ここで前記ステップc)は、結合された第1及び第2利得パラメータに応答してイメージを表示することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記ステップb)は表面をノイズ値に適合させることを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記ステップb)は造影剤を表すデータの分散に無関係に利得を適応的に変化させることを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項9】
d)イメージ内の造影剤の存否の状態を求めるステップを有しており、ここで前記ステップb)は、さらに造影剤の存否の状態が造影剤の欠除に相応する場合、ノイズ値に応答して利得を適応的に変化させ、造影剤の存否の状態が造影剤の存在に相応する場合、ノイズ値及び造影剤値に応答して第2の利得を適応的に変化させることを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項10】
医用診断イメージングシステム上のイメージの利得を適応的に制御するための方法において、
a)2次元領域を表す第1データを検出するステップと、
b)ノイズに関連付けられた第1データにより表された空間的ロケーションを求めるステップと、
c)ノイズに関連付けられた空間的ロケーションに依存して第1データをマスキングするステップと、
d)少なくとも一部においてマスキングされた第1データに基づきシステムの利得を適応的に変化させるステップを有することを特徴とする、
医用診断イメージングシステム上のイメージの利得を適応的に制御するための方法。
【請求項11】
前記ステップc)は第1データの分散パラメータフリーにマスキングを行うことを含む、
請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記ステップa)は造影剤を検出することを含む、
請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記ステップd)はノイズ値に基づきシステムの利得を適応的に変化させることを含み、該利得はイメージ内のノイズ値を実質的に一定の低い値にマッピングすることに関連付けられており、さらに、
e)利得に応答して造影剤のイメージを表示するステップを有する、
請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記ステップd)は第1のタイプのイメージングの第1データに応答して利得を変化させることを含み、さらに、
e)第1のタイプのイメージングとは異なる第2のタイプのイメージングの第2データに応答して、第2の利得パラメータを求めるステップと、
f)前記ステップd)及び第2の利得パラメータに応答して、第1及び第2データのうちの少なくとも1つに基づくイメージを生成するステップを有する、
請求項10記載の方法。
【請求項15】
前記ステップa)は造影剤を検出することを含み、さらに、
e)2次元領域内の空間的ロケーションに対して造影剤の存否の状態を求めるステップを有し、ここで前記ステップd)は、造影剤の存否の状態が造影剤の欠除に相応する場合、ノイズ値に応答して利得を適応的に変化させ、造影剤の存否の状態が造影剤の存在に相応する場合、ノイズ値及び造影剤値に応答して利得を適応的に変化させることを含む、
請求項10記載の方法。
【請求項16】
医用診断イメージングシステム上のイメージの利得を適応的に制御するための方法において、
a)2次元領域を表す第1データを検出するステップと、
b)第1データに依存して2次元領域内での造影剤の存否の状態を求めるステップと、
c)存否の状態に基づきシステムの利得を適応的に変化させるステップを有することを特徴とする、
医用診断イメージングシステム上のイメージの利得を適応的に制御するための方法。
【請求項17】
d)利得及び第1データとは異なる第2データに依存してイメージを表示するステップを有する、
請求項16記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−240829(P2009−240829A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177794(P2009−177794)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【分割の表示】特願2003−176997(P2003−176997)の分割
【原出願日】平成15年6月20日(2003.6.20)
【出願人】(500157642)アキュソン コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】