説明

医療画像検索方法及びシステム

データベースから医療画像を検索する方法において、画像処理アルゴリズムは第1の医療画像に適用される。一実施例において、第1の医療画像に画像処理アルゴリズムを適用した結果がデータベースに蓄積された複数の結果と比較される。複数の結果はそれぞれ、画像処理アルゴリズムを複数の医療画像にそれぞれ適用した、データベースに蓄積された結果である。その後、複数の医療画像のうちの第2の医療画像であって、関連の結果が第1の医療画像に関連する結果に類似する第2の医療画像が突き止められ、データベースから検索される。さらに、データベース処理ユニット及びデータベースより成るシステムにおいて、データ処理ユニットは、第1の医療画像を蓄積し、画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用し、画像処理アルゴリズムの適用による第1の結果を得るように構成されている。データベースは、複数の医療画像及び複数の結果により構成され、複数の結果はそれぞれ複数の医療画像に画像処理アルゴリズムを適用した結果である。データ処理ユニットは、第1の結果を複数の結果のそれぞれと比較し、第2の医療画像をデータベースから検索するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データベースから医療画像を検索する方法及びシステムに係る。
【0002】
患者を診断する際、その診断は患者の医療画像に基づくことがある。医療画像は、X線装置または磁気共鳴装置のような特殊な医療装置によるか、標準のカメラを用いて撮像できる。医師は医療画像を分析し、最終的な診断を下す。医師は、その判断に確信が持てない場合、その患者の医療画像を、一般的に、同じ診断を下された異なる患者の基準医療画像と比較する。基準となる医療画像が患者の医療画像に類似する場合、即ち、両方の医療画像が、例えば、その診断に特有の同一または類似の異常性を示す場合、医師はその診断が正しい可能性が非常に高いものと確信できる。
【0003】
基準となる医療画像を得るために、医師は特別のデータベースを調べることがある。かかるデータベースは、例えば、眼病について利用可能である。このデータベース、即ち、眼科学マルチメディアオンラインデータベース(MODO)は、眼科学オンラインジャーナルにより管理されており、インターネット(http://www.onjoph.com/modo/)によりアクセスできる。基準となる医療画像を検索するには、医師は関連の診断結果を先験的に知っている必要がある。従って、医師がその診断について確信が持てないか診断結果を全く知らない場合、患者の医療画像にマッチする基準医療画像を容易に発見することは不可能である。
【0004】
本発明の目的は、患者の診断結果を知ることなしにデータベースから患者の医療画像に類似する医療画像を検索する方法を提供することにある。
【0005】
本発明の別の目的は、患者の診断結果を知ることなしにデータベースから患者の医療画像に類似する医療画像を検索する際利用できるシステムを提供することにある。
【0006】
第1の目的は、本発明によると、医療画像の検索方法であって、画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用し、同じ医療画像アルゴリズムをデータベースに蓄積された医療画像セットの各画像に適用し、画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用した結果を画像処理アルゴリズムを医療画像セットのうちの各医療画像に適用した結果と比較し、データベースから第2の医療画像を検索ステップより成る医療画像検索方法により達成される。第2の医療画像は医療画像セットより属しており、画像処理システムを第2の医療画像に適用した結果は画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用した結果に類似する。
【0007】
本発明の方法によると、画像処理アルゴリズムは第1の医療画像に適用される。第1の医療画像は、例えば、診断を受ける患者から撮像される。第1の医療画像は、X線または磁気共鳴装置のような特殊な医療装置か、第1の画像を撮像するに適した標準のカメラにより撮像可能である。第1の医療画像を分析するために、画像処理アルゴリズムがその画像に適用される。画像処理アルゴリズムは、例えば、特殊な異常に関連があり、従って、ある特定の診断に特有の特殊なパターンを第1の医療画像中に検出するように設計されている。例えば、第1の医療画像が患者の一方の眼の網膜の画像である場合、画像処理アルゴリズムは、例えば、その患者に拡がり、第1の医療画像中に多かれ少なかれ認めることができる病斑を検出するように設計されている。詳述すると、画像処理アルゴリズムは、第1の医療画像に現れる、病斑の数、検出された病斑の重大性または病斑のタイプを検出するように設計することができる。従って、第1の画像に画像処理アルゴリズムを適用した結果は、第1の医療画像において検出された病斑の数、重大性またはタイプである。適当な画像処理アルゴリズムとしては、当該技術分野でよく知られた画像認識アルゴリズムがある。適当な画像処理アルゴリズムは、例えば、G. Zahlmann, et al., “Hybrid Fuzzy Image Processing For Situation Assessment”, IEEE Engineering In Medicine And Biology, January/February 2000, pp. 76-83に記載されている。
【0008】
画像処理アルゴリズムが第1の医療画像に適用された後、同じ画像処理アルゴリズムはデータベースに蓄積された医療画像セットのうちの各医療画像に適用される。ところで、画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用した後同じ画像処理アルゴリズムを医療画像セットに適用する代わりに、画像処理アルゴリズムを最初に医療画像セットに適用し、その後、第1の医療画像に適用することも可能である。その後、医療画像セットの各医療画像に画像処理アルゴリズムを適用した結果をそれぞれ画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用した結果と比較する。第1の医療画像に画像処理アルゴリズムを適用した結果が医療画像セットのうちの1またはそれ以上の医療画像に関連する結果に類似する場合、この医療画像が、本発明の方法に従ってデータベースから検索される第2の医療画像である。類似する結果は、例えば、眼の医療画像の場合は、検出される病斑の数、重大性またはタイプもしくは病斑に関連するパターンである。
【0009】
従って、第1の医療画像に基づき診断を下す者は、第1の医療画像の患者と同じ異常または疾患を有する可能性が非常に高い異なる患者から一般的に得られた第2の画像である基準医療画像を得る。診断を下すべき者は、第2の画像を知悉するため、その第1の医療画像が評価される患者に対してより良い診断を行える態勢にある。診断を下す者は、第1の画像が眼の画像である場合は眼科医か、または一般的な医師または開業医である。しかしながら、診断を下す者は、医療スクリーニング時に医療画像を評価する評価者のような医療バックグラウンドをほとんど備えていない者であることもある。
【0010】
診断を下す者は、本発明の方法の種々の実施例に従って、データベースから検索した後のその関連の結果を有する第2の医療画像がスクリーン上に表示され、第1の医療画像の関連性のある結果が表示されるか、または第1の医療画像と第2の医療画像の両方に関連のある結果が表示されると、より良い診断を下せる可能性が高くなる。
【0011】
第1の医療画像に基づき患者を診断する者はさらに、本発明の方法のさらに限定された実施例に従って、第2の医療画像がその第2の医療画像に関連する診断情報と共に表示されると、その判断につき支援される。この情報もまたデータベースに蓄積される。
【0012】
本発明の方法の別の限定された実施例によると、第1の医療画像において興味ある領域が特定され、画像処理アルゴリズムがその興味ある領域に適用される。
【0013】
第1の目的はまた、本発明によると、データベースから医療画像を検索する方法であって、画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用し、画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用して得た結果を、データベースに蓄積された複数の医療画像のうちの各医療画像に適用した結果である複数の結果と比較するステップより成る医療画像検索方法により達成される。比較を行った後、複数の医療画像のうちの第2の医療画像であって、第2の医療画像に画像処理アルゴリズムが適用された結果が第1の医療画像に画像処理アルゴリズムが適用された結果に類似する第2の医療画像が特定される。最後に、第2の医療画像がデータベースから検索される。
【0014】
本発明の方法は、複数の医療画像及び複数の結果が蓄積されたデータベースを利用する。複数の結果のうちの各結果は、画像処理アルゴリズムが複数の医療画像のうちの1つの医療画像に適用された結果である。上述した本発明の方法とは対照的に、画像処理の結果のうちの関連する結果はデータベースに既に蓄積されている。従って、画像処理アルゴリズムは、第1の医療画像に適用される直前または直後に複数の医療画像のうちの各医療画像に適用する必要がなく、その結果、第2の本発明の方法を実施するに必要な時間が短縮される。
【0015】
さらに、本発明は、データ処理ユニットと、そのユニットに作動的に結合されたデータベースとより成るシステムを提供する。データ処理ユニットは、第1の医療画像を蓄積し、画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用し、画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用して第1の結果を得るように構成されている。データベースは、複数の医療画像と、各々が画像処理アルゴリズムを複数の医療画像のうちの各医療画像に適用した結果である複数の結果とを含む。データ処理ユニットはさらに、第1の結果を第2の結果のそれぞれと比較し、データベースから、第1の結果に類似する第2の結果を有する複数の画像のうちから第2の医療画像を検索するように構成されている。
【0016】
本発明のシステムのさらに限定された実施例では、データ処理ユニットは、第2の医療画像に加えて第2の医療画像についての第2の結果を検索するように構成されている。
【0017】
本発明のシステムのさらに限定された実施例によると、データベースは、複数の医療画像のうちの各医療画像について、複数の医療画像の各医療画像に関連する診断についての情報を含んでおり、データ処理ユニットは、第2の医療画像に加えてデータベースにあるそれに関連する情報を検索するように構成されている。
【0018】
図1は本発明のシステムの例示的なシナリオを示す。このシステムは、コンピュータ1がデータベース2に作動的に結合されたものより成る。データベース2は、図1に示すようにコンピュータ1に直接接続したものでよい。しかしながら、データベース2をコンピュータ1の一部とするか、インターネットのような情報ネットワークを介してコンピュータ1に間接的に接続してもよい。データベース2は、それぞれ関連の診断結果を含む複数の医療画像により構成される。
【0019】
コンピュータ1はさらに、医療画像を少なくとも一時的に蓄積し、コンピュータ1に接続されたスクリーン3上に表示するように構成されている。さらに、コンピュータ1には、その医療画像に適用可能な1またはそれ以上の画像処理アルゴリズムが搭載されている。画像処理アルゴリズムは、ある特定のパターンの医療画像を認識するように設計されている。医療画像が、例えば、患者の眼の画像である場合、画像処理アルゴリズムはその眼の病斑を検出するように設計可能である。典型的な病斑には、微細動脈瘤(MA)、出血(HAEM)、硬性白斑プラス側頭弧に関連するそれらの場所(HE)、黄斑症、綿毛斑(CWS)及び網膜内微小血管異常(IRMA)がある。適当な画像処理アルゴリズムとして当該技術分野で有名なパターン認識アルゴリズムがあるが、これ以上説明しない。適当な画像処理アルゴリズムは、例えば、G. Zahlmann, et al., “Hybrid Fuzzy Image Processing For Situation Assessment”, IEEE Engineering In Medicine And Biology, January/February 2000, pp. 76-83に記載されている。
【0020】
図2において、データベース2の構造を例示する。データベース2は複数の医療画像により構成されている。医療画像は、「X線画像」、「コンピュータ断層撮影(CT)画像」、「磁気共鳴(MR)画像」、「核医学(NM)画像」、「超音波(US)画像」及び「可視光画像」として分類される。可視光画像は、医療目的用に特化可能な標準のカメラで撮像される。各タイプの医療画像はさらに詳細に分類される。それでも、図2には、可視光画像のさらに詳細な分類だけを示す。この例のために、可視光画像はさらに、「眼」、「皮膚」、「内部画像」及び「分子画像」のような人体の種々の部分に従って分類される。その副分類はそれぞれさらに分割される。図2をオーバーロードしないようにするため、目の可視光画像の副分類だけを示す。この実施例では、眼の可視光画像は「網膜」、「眼瞼」、「水晶体」、「虹彩」及び「角膜」に分類される。この副分類はそれぞれされに分類されるが、網膜の可視光画像の分類だけを図2に示す。網膜の可視光画像は網膜に影響を与え種々の疾患または異常に分割される。この実施例において、網膜の可視光画像は「手術後」、「網膜剥離」、「腫瘍」及び「血管病」に分類される。その副分類はそれぞれさらに分割されるが、網膜の血管病の分類だけをさらに詳細に示す。血管病は、この例では、「大動脈瘤」、「動脈閉塞症」、「糖尿病」及び「網膜脈管炎」に分類される。それらの分類のそれぞれについて、関連の診断の説明を含む1またはそれ以上の関連の可視光画像が蓄積される。この実施例において、それら関連の診断結果を含む可視光画像セット21を分類「大動脈瘤」として示し、それら関連の診断結果を含む可視光画像セット22を「動脈閉塞症」として、それら関連の診断結果を含む可視光画像のセット23を分類「糖尿病」として、またそれら関連の診断結果を含む可視光画像のセット24を「網膜脈管炎」として示す。
【0021】
この実施例について、データベース2の各医療画像には、その医療画像に係る或る特定の異常または疾患に関連する特定のパターンを検出する画像処理アルゴリズムが適用されている。例えば、糖尿病患者の眼の画像に関連する可視光画像のセット23には、病斑にとる典型的なパターンを検出するように設計された画像処理アルゴリズムが適用されている。この画像処理アルゴリズムは、特に、微細動脈瘤(MA)、出血(HAEM)、硬性白斑プラス側頭弧に関連するそれらの場所(HE)、黄斑症、綿毛斑(CWS)及び網膜内微小血管異常(IRMA)のような病斑を求めてサーチする。各タイプの病斑は特定のパターンを有する。例えば、綿毛斑(CWS)は眼の網膜画像で検出可能なふわふわした白斑により特徴付けられ、浅網膜内腔出血は黒斑を含む黒線で特徴付けられる。
【0022】
データベース2に蓄積される各医療画像へ画像処理アルゴリズムを適用した結果は、その関連の医療画像と共に蓄積される。その情報に加えて、データベース2には各医療画像に関連する診断情報も蓄積されている。
【0023】
実施例において、眼科医4はコンピュータ1を用いて図3に示す医療画像30を評価する。この例において、医療画像30は患者5から撮像したものである。医療画像30を評価するために、この医療画像はコンピュータ1に蓄積され、そのコンピュータに接続されたスクリーン3上に表示される。この例では、眼科医4は医療画像30に基づき患者5の診断を下そうとする。一般的に、コンピュータ1は医療画像の評価をしたい者であれば誰でも使用可能である。その結果、評価を下す者は眼科医4または開業医である必要はない。特に、その者は医療スクリーニング時に医療画像を評価する評価者であればよい。
【0024】
医療画像30がスクリーン3上に表示されると、眼科医4は画像処理アルゴリズムをこの医療画像30に適用する。適用されるこの画像処理アルゴリズムは、この例では、医療画像30に現れる病斑を、特に、微細動脈瘤(MA)、出血(HAEM)、硬性白斑プラス側頭弧に関連するそれらの場所(HE)、黄斑症、綿毛斑(CWS)及び網膜内微小血管異常(IRMA)をサーチしようとする。その結果、画像処理アルゴリズムは種々の病斑のそれぞれに関連するパターンを突き止めようとする。
【0025】
この特定のケースでは、画像処理アルゴリズムはふわふわして白斑と黒斑を有する幾つかの黒線を検出する。ふわふわした白斑は円41を付され、黒斑は小さな矢印42により強調されているが、これらは図4に示すように医療画像30に挿入される。
【0026】
その後、コンピュータ1上を走るコンピュータプログラムは、医療画像30に画像処理アルゴリズムを適用した結果と、データベース2に蓄積された、医療画像に画像処理アルゴリズムを適用した結果の自動的な比較を行う。このケースでは、コンピュータプログラムは、眼の医療画像において、特に、黒斑を有する黒線と、ふわふわして白斑とを示す画像部分を求めてサーチする。コンピュータプログラムは、かかる画像部分を発見すると、医療画像30に画像処理アルゴリズムを適用した結果が、発見した画像部分に類似すると見なし、データベース2からその関連の結果及び診断を含む関連の医療画像を検索する。
【0027】
この例では、コンピュータプログラムはデータベース2に蓄積されたかかる結果を検出する。この結果は可視光画像50に係るものである。図5にさらに詳細に示す可視光画像50は、微小梗塞を示すふわふわした白斑(綿毛斑)及び浅い網膜内腔出血のある血管を表す黒斑のある黒線を有する眼の画像である。その結果、コンピュータプログラムは、画像処理アルゴリズムを適用した結果とその関連の診断を含む可視光画像50をデータベース2から検索し、それらをスクリーン3上に表示する。ふわふわした白斑には円51が付され、黒班のある黒線は矢印52で強調されている。この例では、可視光画像50は患者5とは異なる患者(図示せず)から得られたものである。
【0028】
眼科医4は、可視光画像50に画像処理アルゴリズムを適用した結果とそれに関連する診断結果とを含む可視光画像50を得るため、その可視光画像50を医療画像30と比較することができる。この比較により、眼科医4は患者5の診断を下すにあたり支援を得る。
【0029】
本発明の別の実施例では、図1に示したものに似たシナリオを用いる。しかしながら、この別の実施例では、データベース2には、このデータベースに蓄積された医療画像への画像処理アルゴリズムの適用に関する情報は含まれない。
【0030】
上述した実施例と同様に、コンピュータ1は、上述したような、コンピュータ1に少なくとも一時的に蓄積された医療画像に適用することができる画像処理アルゴリズムを搭載されている。コンピュータプログラムが始動されると、この画像処理アルゴリズムは上述したように医療画像30のような医療画像を分析する。コンピュータプログラムはさらに、この画像処理アルゴリズムをデータベース2に蓄積された各医療画像に適用し、その結果をそれぞれ医療画像30に画像処理アルゴリズムを適用した結果と比較するように設計されている。医療画像30と可視光画像50とに画像処理アルゴリズムを適用した結果はそれぞれ類似するため、コンピュータ1はデータベース2から可視光画像50をその関連の診断結果と共に検索し、スクリーン3上に可視光画像50をその関連の診断結果及び画像処理アルゴリズムを適用した関連の結果と共に表示する。
【0031】
信号処理アルゴリズムを医療画像30全体に適用する代わりに、眼科医4は、例えば、医療画像30の興味ある領域31にコンピュータ1のマウスにより印を付けることができる。その後、画像処理アルゴリズムはその興味ある領域31だけに適用される。
【0032】
本発明を眼の医療画像に関連して説明したが、本発明は、一般的に、全てのタイプの医療画像、特にマンモグラフィーで得られるX線画像に適用可能である。
【0033】
医療画像30全体に信号処理アルゴリズムを適用する代わりに、眼科医4は、例えば、コンピュータ1のマウスにより医療画像30の興味ある領域31に印を付けることができる。その後、画像処理アルゴリズムは興味ある領域31だけに適用される。
【0034】
当業者により変形例及び設計変更が提案されるであろうが、本願の発明者の意図は、本願で保証される特許の範囲内において当該技術分野への貢献の範囲内で合理的且つ適切に包含される全ての変形例及び設計変更を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を説明するシナリオである。
【図2】本発明の構造を示す。
【図3】患者の眼の医療画像である。
【図4】画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用した結果を含む図2の医療画像を示す。
【図5】第2の医療画像についての情報を含む図2に示すデータベースに蓄積された医療画像である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療画像の検索方法であって、
画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用して第1の処理結果を得、
前記医療画像アルゴリズムを、前記第1の医療画像を含まないデータベースに蓄積された医療画像セットの各画像に適用して第2の処理結果を得、
第1の処理結果を第2の処理結果のそれぞれと比較し、
データベースから、第1の処理結果に類似する第2の処理結果を有する医療画像セットのうちの画像である第2の医療画像を検索ステップより成る医療画像検索方法。
【請求項2】
データベースから医療画像を検索する方法であって、
画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用して第1の処理結果を得、
第1の処理結果を、第1の医療画像を含まないデータベースに蓄積された複数の医療画像のうちの各医療画像に適用した結果である複数の第2の処理結果と比較し、
第1の処理結果に類似する第2の処理結果を有する複数の医療画像のうちの第2の医療画像を特定し、
データベースから前記第2の医療画像を検索ステップより成る医療画像検索方法。
【請求項3】
データベースから第2の医療画像を検索した後、第2の医療画像をその第2の処理結果と共に表示するステップを含む請求項1または2の方法。
【請求項4】
データベースから第2の医療画像を検索した後、第1の処理結果を表示するステップを含む請求項1乃至3のうちの1項の方法。
【請求項5】
データベースから第2の医療画像を検索した後、第2の医療画像をその第2の処理結果と共に表示し、第1の処理結果を表示するステップを含む請求項1乃至4のうちの1項の方法。
【請求項6】
データベースから第2の医療画像を検索した後、第2の医療画像をデータベースに第2の医療画像と共に蓄積された第2の医療画像に関連する診断情報と共に表示するステップを含む請求項1乃至5のうち1項の方法。
【請求項7】
画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用する前に、第1の医療画像の中の興味ある領域を特定するステップを含み、画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用するステップは、画像処理アルゴリズムを第1の医療画像の中の興味ある前記領域に適用することより成る請求項1乃至6のうちの1項の方法。
【請求項8】
第1の医療画像を蓄積し、画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用し、画像処理アルゴリズムを第1の医療画像に適用して第1の結果を得るように構成されたデータ処理ユニットと、
データ処理ユニットに作動的に結合されたデータベースとより成り、
データベースは第1の医療画像を含まない複数の医療画像と、各々が画像処理アルゴリズムを複数の医療画像のうちの各医療画像に適用した結果である複数の第2の結果とを含み、
前記データ処理ユニットはさらに、第1の結果を第2の結果のそれぞれと比較し、データベースから、第1の結果に類似する第2の結果を有する複数の画像のうちから第2の医療画像を検索するように構成されているシステム。
【請求項9】
データ処理ユニットは、第2の医療画像に加えて前記第2の医療画像についての第2の結果を検索するように構成されている請求項8のシステム。
【請求項10】
データベースは、前記複数の医療画像のうちの各医療画像について、前記複数の医療画像の各医療画像に関連する診断についての情報を含んでおり、
データ処理ユニットは、第2の医療画像に加えてデータベースにあるそれに関連する情報を検索するように構成されている請求項8または9のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−507577(P2006−507577A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−552489(P2004−552489)
【出願日】平成15年10月23日(2003.10.23)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011753
【国際公開番号】WO2004/046959
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(591209109)シーメンス アクチェンゲゼルシャフト (29)
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】