説明

医薬品管理システム

【課題】
救急箱に収納されている医薬品等を活用した利用者に最適な処置方法の情報を提供する。
【解決手段】
利用者は、RF−IDタグ付き医薬品等及び利用者情報を記録したRF−IDタグ搭載利用者IDカードが収容されたRF−IDタグ用質問器搭載救急箱に有線等にて携帯端末を接続する。
この携帯端末は、RF−IDタグ用質問器搭載医薬品箱が収納するRF−IDタグ付き医薬品等及びRF−IDタグ搭載利用者IDカードを自動認識後にインターネットを介して、サーバーシステムに自動認識結果を送信する。
サーバーシステムは、自動認識結果等により利用者に最適な処置方法を選択後、インターネットを介して、携帯端末に最適な処置方法を送信する。
携帯端末は、サーバーシステムより送信された最適な処置方法を表示画面に表示することで、課題の解決をはかるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流分野等で普及が見込まれているRF−ID(無線周波数識別:Radio
Frequency Identification)技術を利用したRF−IDタグシステムに関するものである。
特に、本発明は、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱とRF−IDタグ付き医薬品等を用いたネットワーク対応型の医薬品管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
RF−IDタグシステムを利用した収容物を自動認識する発明は、特許文献1で開示している。
特許文献1で開示されている発明は、自動冷蔵システムであって、食品のパッケージ等に付された非接触式ICタグのICメモリに記録された食品の内容物、保存条件に関する情報を非接触ICタグリーダ付き冷蔵庫が読み取ることにより、食品を最適の条件で冷蔵することを特徴するものである。
また、特許文献1では、非接触ICタグのICメモリに記録された食品の内容物、消費期限、賞味期限に関する情報を非接触ICタグリーダ付き冷蔵庫が読み取ることにより、消費期限や賞味期限が間近になった場合に警告を発することを特徴とするものである。
また、特許文献1では、非接触式ICタグ用リーダ付き冷蔵庫は、表示部と食品情報に関するデータベースを有し、利用者に予め記録してある調理方法等の情報を提供することを特徴とするものである。
なお、特許文献1では、家庭等で利用される大型冷凍冷蔵庫を前提としてしており、冷蔵庫それ自体の可搬性は考慮していないものである。
【0003】
【特許文献1】特開2001−317862
【0004】
しかしながら、アウトドアでも利用される救急箱には可搬性が要求され、アウトドアでの利用の場合まで考慮すると、救急箱でも紛失の危険性が生じることになる。
このため、アウトドアでも利用される可搬性のある救急箱は、特許文献1の非接触ICタグリーダ付き冷蔵庫と同じく救急箱自体にデータベースを保有する構成にすると、紛失時に個人情報の安全性の問題が生じる。
さらに、利用者の立場では、一般的には負荷を負うことなくデータベースが最新情報に更新されることが望ましい。
しかし、特許文献1の非接触タグリーダ付き冷蔵庫では調理方法等に関しては、予め記録している情報のみを活用して、表示装置に助言情報を表示しているのみである。さらに、特許文献1では、調理方法等の情報の更新は考慮ていないものである。即ち、特許文献1の非接触タグリーダ付き冷蔵庫では、利用者のみが予め記録しているデータベースを活用するものである。
これに対して、医薬品の分野では、医師の処方箋による医薬品又は市販医薬品購入時等に薬局の店頭にて薬剤師等は、二重投薬を回避する目的等で、常に更新されている利用者の医薬品履歴等のデータベースの活用を欲する場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、アウトドアでの利用される可搬性のある救急箱では、特許文献1の発明のように救急箱自体にデータベースを持つ構成としたのでは安全性が保てないという課題がある。
そこで、本発明は、個人情報の安全性に配慮した可搬性がある救急箱で、RF−IDタグシステム利用して収容物である医薬品及びRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計を自動認識し、この自動認識結果と利用者の負担なく更新された医薬品履歴情報をもとに、利用者に最適な処置方法等の助言情報を利用者が求める場合にいつでもどこでも提供可能とし、かつ、薬局の薬剤師等は、医師よりの処方箋による医薬品及び市販医薬品購入時等に利用者の負担なく更新された医薬品履歴情報の活用が可能な医薬品管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の医薬品管理システムは、以下の態様により上記課題を解決するものである。
本発明の第1の態様は、RF−IDタグ(1)を装着する医薬品(2)及びRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計(3)及びRF−IDタグ搭載利用者IDカード(5)とを、RF−IDタグ用質問器(9)による前記RF−IDタグ(1)を装着する医薬品並びにRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計(3)を利用する利用者情報及び体温測定結果情報並びにRF−IDタグ搭載利用者IDカード(5)の利用者情報を読み取り手段と、通信端末に接続する手段と、前記医薬品(2)及びRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計(3)及びRF−IDタグ搭載利用者IDカード(5)を保管する保管手段とを備えた救急箱(8)であって、前記通信端末に接続する手段に通信端末(17)を接続し、通信端末(17)がネットワーク(20)を介してセンターサーバーシステム(21)に接続することを特徴とする医薬品管理システムである。
【0007】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載のRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計(3)は、指紋センサー(3h)を搭載し、予め登録された利用者の指紋情報と前記指紋センサー(3h)よりの指紋情報とを照合し、前記前記指紋センサー(3h)よりの指紋情報が予め登録された指紋情報であることを認識後、利用者の体温測定後にRF−IDタグ用質問器(9)による読み取り手段と通信端末に接続する手段を具備する救急箱(8)に入れ、前記救急箱(8)の通信端末を接続する手段に通信端末(17)を接続し、前記RF−IDタグ用応答器機能搭載電子体温計(3)に記録されている利用者情報及び体温測定結果情報を前記通信端末(17)がネットワーク(20)を介してセンターサーバーシステム(21)に送信することを特徴とする医薬品管理システム。
【0008】
本発明の第3の態様は、第1の態様に記載の通信端末(17)は、RF−IDタグ用質問器(9)によるRF−IDタグ(1)を装着する医薬品(2)並びにRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計(3)に記録されている利用者情報及び体温測定結果並びにRF−IDタグ搭載利用者IDカード(5)の利用者情報を読み取る手段を具備した救急箱(8)よりの情報を、センターサーバーシステム(21)に送信し、前記センターサーバーシステム(21)では、予め登録された利用者データ部(25)と前記救急箱(8)の読み取り手段からの前記RF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計(3)に記録されている利用者情報及ぶRF−IDタグ搭載利用者IDカード(5)の利用者情報とを比較照合し、予め登録された利用者であると認識できるときは当該医薬品(2)及び前記RF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計(3)による体温測定結果情報にもとづき最適な提供情報を選択し、選択された情報をネットワーク(20)を介して、前記通信端末(17)に送信することを特徴とする医薬品管理システムである。
【0009】
本発明の第4の態様は、第1の態様に記載のセンターサーバーシステム(21)には利用者ごとの医薬品履歴データ部(23)を備えており、前記センターサーバーシステム(21)とネットワーク(20)を介して接続された薬局に設置される通信端末(17)にRF−IDタグ(1)を装着する医薬品(2)及びRF−IDタグ搭載IDカード(5)の利用者情報を読み取り手段であるRF−IDタグ用質問器(9)を接続し、当該医薬品(2)及び前記RF−IDタグ搭載IDカード(5)の利用者情報をセンターサーバーシステム(21)に送信する機能を有する薬局システム側から、前記前記RF−IDタグ搭載IDカード(5)の利用者情報をセンターサーバーシステム(21)に送信し、センターサーバーシステム(21)では、予め登録された利用者データ部(25)の利用者情報と比較照合し、予め登録された利用者であると認識できるときは、前記医薬品履歴データ部(23)に当該医薬品(1)を自動記録することを特徴とする医薬品管理システムである。
【0010】
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載の薬局システムは、RF−IDタグ(1)を装着する医薬品(2)及びRF−IDタグ搭載利用者IDカード(5)の利用者情報を取得するRF−IDタグ用質問器(9)と、通信端末(17)とを備え、前記医薬品(2)及ぶ前記RF−IDタグ搭載利用者IDカード(5)の利用者情報をセンターサーバーシステム(21)に送信し、センターサーバーシステム(21)では、予め登録された利用者データ部(25)の利用者情報と比較照合し、予め登録された利用者であると認識できるときは、当該医薬品(2)及びRF−IDタグ搭載利用者IDカード(5)からの利用者情報にもとづき利用者の医薬品(2)の購入時の最適な提供情報を選択し、選択された情報をネットワーク(20)を介して薬局システムに送信することを特徴とする医薬品管理システムである。
【0011】
本発明の第6の態様は、第3の態様又は第4の態様又は第5の態様に記載の最適な提供情報は、利用者への最適な助言又は最適処置方法であることを特徴とする医薬品管理システムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の医薬品管理システムでは、RF−IDタグ利用自動認識システムであるため、利用者及び薬剤師等の操作上の負担が少なく、コンピュータシステムに不慣れな方でもすぐに利用できる。
また、本発明の医薬品管理システムでは、利用者のセンターサーバーシステムよりの助言情報の入手は、医療機関の診察外の時間及び休診日でも、かつ、どこでも可能なため、アウトドア等での必要時に有効活用可能である。
また、本発明の医薬品管理システムでは、可搬性のある救急箱を利用しているが、センターサーバーシステムに個人情報が格納されているために安全性も確保できる。
さらに、本発明の医薬品管理システムは、薬剤師等もセンターサーバーシステムの医薬品履歴等の確認が容易であり、薬局店頭での利用者への最適な助言に活用が可能となる。例えば、眼科より、ものもらいで抗生物質の化膿止めが処方されている利用者が、内科から扁桃腺炎にて抗生物質の消炎剤が処方された場合に薬剤師は、内科の医師に連絡をして、二重投薬を回避することが可能となる。このため、利用者のみならず、薬局の双方に有効な医薬分業を補完する医薬品管理システムでもある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の医薬品管理システムについて、図面を参照して説明する。図1はRF−IDタグを医薬品に装着した外観図、図2はRF−IDタグをRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計に装着した外観図、図3はRF−IDタグ搭載利用者IDカードの外観図、図4はRF−IDタグ用質問器搭載救急箱の構成図、図5は医薬品管理システムの全体を説明する構成図である。
なお、RF−IDタグ1とは、RF−IDタグシステムの応答器であり、ISO/IEC15693等にて規格化されているものを採用する。
RF−IDタグ1の構成について、以下に概説する。
RF−IDタグ1は、アンテナパターン(図示せず。)とRF−IDタグ用チップ(図示せず。)とからなるものである。アンテナパターンとRF−IDタグ用ICチップの接続部は、ポリエステルフィルム上にシルク印刷にて導電性インキを印刷後に乾燥させて形成する。この状態は、アンテナシートと称している。このアンテナシートのRF−IDタグ用ICチップの接続部には、メモリ素子として電気的に書き換え可能なEEPROMを搭載したRF−IDタグ用ICチップを実装する。具体的には、RF−IDタグ用ICチップの接続パットにハンダバンプを形成し、回路面を下にして、ACFによるフィリップチップ実装法によりアンテナシートのRF−IDタグ用ICチップの接続部に実装する。アンテナシートにRF−IDチップを実装したものをインレイ4等と称している。このインレイ4の両側をポリエステルフィルム等で被覆したものが、RF−IDタグ1である。
【0014】
図2には、RF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計3の構成を示す。電子体温計にRF−IDタグ用応答機能を搭載し、利用者認証用の指紋センサーを搭載したものである。
回路構成では、RF−IDタグ応答機能搭載電子体温計3に内蔵するRF−IDタグ用アンテナ3aはRF−IDタグ用アンテナ通信制御回路部3bに接続し、内部バス線3cを介して制御回路部3eに接続している。さらに、制御回路部3dには電源回路部及び着脱可能な充電地3eが接続している。また、内部バス線3cは、液晶表示部3fを接続した液晶表示制御回路3g、半導体指紋センサー3hを接続した半導体指紋センサー制御回路3i、及び体温センサーkが接続した体温センサー制御回路3jがそれぞれ接続している。
【0015】
図3のRF−IDタグ搭載利用者IDカード5とは、インレイ4をカード基材に実装したプラスチックカードの一例である。具体的には、インレイ4の両側に接着シートと乳白PET−Gフィルム等の順に積層し、平プレスにて加熱加圧することで、一体化後にプラスチックカードサイズ(ISO/IEC 7816 ID−1型)に仕上げ抜きしたIDカードである。
なお、RF−IDタグ搭載利用者IDカード5の表面の片側には、利用者の氏名等を記入するサインパネル6を形成する。さらに、例えば、RF−IDタグ搭載利用者IDカード5の初期発行時には、シリアル番号などEEPROMに入力し、このシリアル番号をRF−IDタグ搭載利用者IDカード5の表面に目視可能な刻印番号7として刻印する。
これは、後述するエンボッサー等の特別なIDカード発行機器を必要とせずに薬局の店頭でのRF−IDタグ搭載利用者IDカード5の即時発行を可能とするものである。
【0016】
図4には、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8の構成を示す。救急箱にRF−IDタグ用質問器9を搭載したものである。RF−IDタグ用質問器9とは、RF−IDタグ用アンテナ10とRF−IDタグ用アンテナ通信制御回路部11及び電源回路部12及び外部接続回路部13等の回路部9aを有し、電源回路部12には着脱可能な充電地14が接続され、外部接続回路13には外部接続コネクター15が接続されるものである。さらに、この外部接続コネクター15は、両端に接続コネクターを有する接続ケーブル16を接続し、通信端末17の接続端子部18と接続するためのものである。
また、このRF−IDタグ用アンテナ10の通信範囲は、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8に収容されているすべてのRF−IDタグ付き医薬品1及びRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計2を自動認識しなければならないため、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8内側全体に及ぶものである。
さらに、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8が、金属製品等の上に置かれたとき又は金属製品の近くに置かれたときは、ISO/IEC15693等のRF−IDタグシステムではデータ交信等が電磁誘導方式を採用しているために金属の影響を受けて、RF−IDタグ付き医薬品1及びRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計2が自動認識できなる不都合が生じる。
このため、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8の内側には、金属製品の影響を排除可能なフェライト材料19等を貼り、その上のRF−IDタグ用アンテナ10を形成した。
さらに、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8には多種類、多数のRF−IDタグ付き医薬品1及びRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計2が収容される。自動認識時には、多数のRF−IDタグ付き医薬品1及びRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計2から一斉に応答されるので、応答データのコリジョン(衝突)が生じる。このため、すべてのRF−IDタグ1のメモリ素子に異なる識別IDを事前に記録しておき、この識別ID別にRF−ID質問器9が順次交信することで、自動認識を可能とした。
【0017】
図5に本発明の全体システム構成を示す。通信端末17とは、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8の外部接続コネクター15と両端に接続コネクターを有する接続ケーブル16を介して接続するための外部接続コネクター18を有し、液晶画面等の表示装置とタッチパネル等の入力装置と無線にてネットワーク20に接続するための無線通信機能を備えた機器である。具体的には、ノートパソコン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)等である。
【0018】
薬局が運営するサーバーシステム21とは、ネットワーク20を介して、通信端末17には無線にて、薬局システム22には有線若しくは無線にて接続されるサーバーシステムである。
このサーバーシステム21上では、医師の処方箋による医薬品又は購入した市販医薬品の医薬品履歴データ部23とRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計よりの体温を加味し、利用者に適切に処置方法を提供するために数々の処置方法を収容する処置データ部24と利用者の氏名、暗証番号等のID情報を収容する利用者データ部25が形成されている。
【0019】
薬局システム22とは、RF−IDタグ用質問器9が接続するための外部接続装置インターフェース、液晶表示等の表示装置、キーボート等の入力装置、薬局が運営するサーバーシステム21にネットワーク20を介して有線若しくは無線にて接続するための通信制御機能等を備える機器である。具体的には、ノートパソコン、POS(Point Of Saies)レジシステム等である。
【0020】
本発明の医薬品管理システムの利用方法について、以下に説明する。
<利用者登録>
1.消費者が、薬局にて、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8を購入する。
2.薬局の薬剤師等は、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8を購入した消費者、即ち、 利用者に例えば店頭にて利用者登録用紙を手渡し、氏名、住所、メールアドレス、暗 証番号、アレルギー情報等の必要事項の記入を依頼する。
3.薬局の薬剤師等は、利用者より、利用者が必要事項を記入済みの利用者登録用紙を回 収する。
4.薬局の薬剤師等は、薬局の薬局システム22を操作し、利用者登録モードに設定し、 ネットワーク20を介して、薬局が運営しているサーバーシステム21にアクセスす る。薬局システム22より、薬局の薬剤師等は、利用者登録用紙の記載事項を入力し 、薬局が運営しているサーバーシステム21上の利用者データ部25に利用者データ として登録する。なお、薬局の薬剤師等は、RF−IDタグ搭載利用者IDカード5 の表面に目視可能な刻印番号7も薬局システム22より合わせて入力する。これは、 利用者に手渡したRF−IDタグ搭載利用者IDカード5と利用者データとの整合性 をはかるためのものである。
5.薬局の薬剤師等は、薬局システム22は、ネットワーク20を介して、薬局が運営し ているサーバーシステム21上の利用者データ部に登録された利用者デーダより、薬 局が運営しているサーバーシステム21上で生成された利用者IDコード等のRF− IDタグ搭載利用者IDカード5のメモリ素子に登録する発行データを入手する。
6.薬局の薬剤師等は、薬局システム22に接続されたRF−IDタグ用質問器9にRF −IDタグ搭載利用者IDカード5をかかげて、発行データをメモリ素子に登録する 。
7.薬局の薬剤師等は、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8の利用者に発行処理済みR F−IDタグ搭載利用者IDカード5を手渡すことで、薬局での店頭でのRF−ID タグ搭載利用者カード5の発行処理が終了する。
8.利用者は、薬局の薬剤師等より、RF−IDタグ搭載利用者カード5を手渡された後 、サインパネル6に筆記用具を用いて氏名を記入する。
【0021】
<医薬品、RF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計等の購入時の登録>
1.利用者は、薬局にて、RF−IDタグ付き医薬品2及びRF−IDタグ用応答機能搭 載電子体温計3を選び、RF−IDタグ搭載利用者IDカード5ともに薬剤師等に手 渡す。なお、RF−IDタグ付き医薬品1及びRF−IDタグ用応答機能搭載電子体 温計2のRF−IDタグのメモリ素子には、医薬品2及びRF−IDタグ用応答機能 搭載電子体温計3の製造者等で商品固有の識別コード及び製造年月日、有効期限等が 事前に登録されている。
2.薬剤師等は、薬局システム22に接続されたRF−IDタグ用質問器9に、まず、利 用者のRF−IDタグ搭載利用者IDカード5をかかげ、利用者ID番号等を認識さ せた後にRF−IDタグ付き医薬品1及びRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計 2をかかげ、識別コード等を認識させた後にネットワーク20を介して、薬局が運営 しているサーバーシステム21上の医薬品履歴データ部23に利用者の医薬品履歴を 自動記録する。
3.薬剤師等は、RF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計3の指紋センサー部に利用者 の指を触れさせ、この指紋データをRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計3の制 御回路部3dに接続されたメモリに指紋データを暗号化して登録する。さらに、薬局 システム22に接続されたRF−IDタグ用質問器9に、利用者の指紋が登録された RF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計2をかかげ、薬局が運営しているサーバー システム21上の利用者データ部25に利用者の指紋が登録したことを自動記録する 。
【0022】
<医薬品等の購入時等の薬局店頭での薬剤師等よりの助言>
1.薬局の薬剤師等は、本願発明を利用して、利用者の医師の処方箋による医薬品の二重 投薬の確認が容易である。即ち、利用者が、薬局訪問時にRF−IDタグ搭載利用者 IDカード5を薬剤師等に手渡す。薬剤師等は、薬局システム22を顧客情報モード に設定し、薬局システム22に接続されたRF−IDタグ用質問器9にRF−IDタ グ搭載利用者IDカード5をかかげて、薬局が運営するサーバーシステム21上の利 用者データ部25とネットワーク20を介して認証後、薬局が運営するサーバーシス テム21上の医薬品履歴データ部22や利用者データ部25にネットワーク20を介 してアクセスし、その結果である顧客情報がネットワーク20を介して薬局システム の表示装置に表示される。薬剤師等は、この顧客情報をもとに医師よりの処方箋によ る医薬品では、二重投薬になる場合には、処方した医師に連絡をとり、適切な指示を 仰ぐことも可能になる。
2.薬局の薬剤師等は、本願発明を利用して、市販医薬品購入時等の適切な助言も可能で ある。即ち、利用者が、薬局訪問時にRF−IDタグ搭載利用者IDカード5を薬剤 師等に手渡す。薬剤師等は、薬局システム22を顧客情報モードに設定し、薬局シス テム22に接続されたRF−IDタグ用質問器9にRF−IDタグ搭載利用者IDカ ード5をかかげて、薬局が運営するサーバーシステム21上の利用者データ部25と ネットワーク20を介して認証後、薬局が運営するサーバーシステム21上の医薬品 履歴データ部22や利用者データ部25にネットワーク20を介してアクセスし、そ の結果である顧客情報がネットワーク20を介して薬局システムの表示装置に表示さ れる。この顧客情報をもとに薬局での薬剤師等は、利用者が市販医薬品を購入の際で は、利用者に最適な市販医薬品の紹介が可能となり、薬局にとっての顧客固定化の一 助となる。
3.薬局の薬剤師等は、利用者が市販医薬品の購入時の適切な助言以外にも、利用者の保 有している医薬品等が医薬品履歴データ部23より把握されるため、利用者の保有し ている医薬品等を利用した適切な処置方法の助言も、処置データ部24も参照するこ とが可能となり、顧客の固定化の一助となる。
【0023】
<利用者の救急箱の利用>
1.利用者は、RF−ID付き医薬品2及びRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計3 及びRF−IDタグ搭載利用者IDカード5を収容しているRF−IDタグ用質問器 搭載救急箱8の外部接続コネクター15に両端に接続コネクターを有するケーブル1 6で接続し、さらに、両端に接続コネクターを有するケーブル16の他の端に通信端 末17の接続コネクター部18を接続する。これにより、通信端末17は、RF−I Dタグ用質問器搭載救急箱8に収容されているRF−IDタグ付き医薬品1及びRF −IDタグ用応答機能搭載電子体温計2、RF−IDタグ搭載利用者IDカードを自 動認識することが可能になる。
2.利用者は、通信端末17を操作し、ネットワーク20を介して、薬局の運営するサー バーシステム21にアクセスする。
3.利用者は、通信端末17より、暗証番号を入力する。この暗証番号とRF−IDタグ 搭載利用者IDカード5より自動認識した利用者ID番号は、通信端末17にて暗号 化され、ネットワーク20を介して、薬局の運営するサーバーシステム21上にに送 られる。薬局の運営するサーバーシステム21上では、通信端末17より送られた暗 号化された暗証番号と利用者ID番号を復号化し、事前に登録されている利用者デー タ部25の利用者ID番号と暗証番号と照合することで、本人認証を実施する。
4.薬局の運営するサーバーシステム21は、利用者が本人であると認証された場合のみ 以後の処理を実施する。
5.通信端末等を利用したRF−IDタグ用質問器搭載救急箱8に収容されたRF−ID タグ付き医薬品1及びRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計2の自動認識結果が 、ネットワークを介して、薬局の運営するサーバーシステム21に送られ、薬局の運 営するサーバーシステム21上の医薬品履歴データ部と照合される。この照合結果の 一覧が、通信端末17の表示装置に表示される。なお、通信端末17の表示装置の画 面に表示された照合の結果の一覧表には、医薬品の有効期限等の情報を合わせて表示 する。自動認識結果で有効期限が間近に迫った医薬品がRF−IDタグ用質問器搭載 救急箱8の中にある場合には、通信端末17の表示装置の画面に表示して利用者に注 意を促すためのである。
6.利用者は、処置方法の助言を得たい場合には、通信端末17を操作し、薬局の運営す るサーバーシステム21上の処置データ部24にアクセスする。薬局の運営するサー バーシステム21上では、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8に収容されているR F−ID付き医薬品1及びRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計2及びRF−I Dタグ搭載利用者IDカードが自動認識された結果と、さらに、利用者のアレルギー 情報なども利用者データ部25に記録されていいるため、これを考慮して利用者に適 切な処置方法を選別し、ネットワーク20を介して、通信端末17の表示装置の画面 に表示することで、利用者への処置方法の助言をいつでもどこでも可能にするもので ある。
7.サーバーシステム21は、必要に応じて、利用者にRF−IDタグ用応答機能搭載電 子体温計2にて、利用者の体温を測定するように要請する。利用者は、RF−IDタ グ用応答機能搭載電子体温計2の半導体指紋センサー3hに利用者の指を触れて指紋 照合し、利用者本人であること認識した上で、体温測定後にRF−IDタグ用質問器 搭載救急箱8に入れれば、体温測定結果がサーバーシステム21に自動送信される。 サーバーシステム21は、体温測定結果をもとにした助言をすることが可能になる。
【0024】
<変形実施例>
上記実施例では、本発明の基本構成での実施形態で説明してきたが、本発明はこれに拘泥されることなく、数々の実施形態が可能であることを付記し、以下にその一例を示す。
RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8と通信端末17は、両端に接続コネクターを有するケーブル16で接続して使用することで説明したが、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8と通信端末17の間のデータ伝送は、赤外線方式や電磁誘導方式等の非接触近接通信方式を用いて実施しても良い。
さらに、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8は、通信端末17は分離している状態で説明したが、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱8と通信端末17が一体型化されている構成でもあっても良い。
【0025】
RF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計のみならず、RF−IDタグ用応答機能を電子血圧計等に搭載して血圧データをもとにした助言も可能である。
さらに、RF−IDタグ用質問器搭載救急箱を利用する家族それぞれにRF−IDタグ搭載利用者IDカードを持たせ、それぞれに適合する薬を管理するようすることも可能である。
【0026】
RF−IDタグ1を金属材料に密着させた場合にRF−IDタグ1が、動作しなくなる問題がある。これは、RF−IDタグ用質問器9より発信された電磁波が、金属材料表面に渦電流を発生させるための影響である。このため、RF−IDタグ1が装着される医薬品2の容器に金属材料が採用されていた場合には、RF−IDタグ用アンテナ10と金属材料の間にフェライト等の粉末又はフレークを練り込んだプラスチックの複合材料を挟み込み、金属材料の影響を排除するもとする。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本願発明の携帯可能な救急箱は、収容される医薬品等の収容物及びIDカードのID情報を自動認識が可能である。さらに、利用者は、いつでもどこでも、必要に応じて、自動認識結果を通信端末よりネットワークを介して、センターサーバーシステムに送ることが可能である。さらに、センターサーバーシステム上では予め登録されている情報等を比較考量等して、ネットワークを介して、携帯可能な救急箱に収容されている収容物を使用して助言情報を通信端末の表示装置に表示するものである。
本発明は、救急箱にもとづき説明したが、可搬型の収容箱の中に収容している物を有効に活用するべく、いつでもどこでも助言情報が得られる情報提供システムである。本願発明と同一構成で、電気製品修理者等の工具箱やカメラマンのバックで活用が可能であるため、広範囲な業種及び家庭利用での可搬型の収容箱での利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】RF−IDタグを医薬品に装着した外観図
【図2】RF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計の構成図
【図3】RF−IDタグ搭載利用者IDカードの外観図
【図4】RF−IDタグ用質問器搭載救急箱の構成図
【図5】全体システム構成図
【符号の説明】
【0029】
1……RF−IDタグ
2……医薬品
3……RF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計
3a…RF−IDタグ用アンテナ
3b…RF−IDタグ用アンテナ通信制御回路部
3c…内部バス線
3d…制御回路部
3e…電源回路部及び着脱可能な充電地
3f…液晶表示部
3g…液晶表示制御回路
3h…半導体指紋センサー
3i…半導体指紋センサー制御回路
3j…体温センサー
3k…体温センサー制御回路
4……インレイ
5……RF−IDタグ搭載利用者IDカード
6……サインパネル
7……刻印番号
8……RF−IDタグ用質問器搭載救急箱
9……RF−IDタグ用質問器
9a…RF−IDタグ用質問器の回路部
10…RF−IDタグ用アンテナ
11…RF−IDタグ用アンテナ通信制御回路部
12…電源回路部
13…外部接続回路部
14…充電地
15…外部接続コネクター
16…両端に接続コネクターを有するケーブル
17…通信端末
18…接続コネクター部
19…フェライト材料
20…ネットワーク
21…薬局が運営するサーバーシステム
22…薬局システム
23…医薬品履歴データ部
24…処置データ部
25…利用者データ部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
RF−IDタグを装着する医薬品及びRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計及びRF−IDタグ搭載利用者IDカードとを、RF−IDタグ用質問器による前記RF−IDタグを装着する医薬品並びにRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計を利用する利用者情報及び体温測定結果情報並びにRF−IDタグ搭載利用者IDカードの利用者情報を読み取り手段と、通信端末に接続する手段と、前記医薬品及びRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計及びRF−IDタグ搭載利用者IDカードを保管する保管手段とを備えた救急箱であって、前記通信端末に接続する手段に通信端末を接続し、通信端末がネットワークを介してセンターサーバーシステムに接続することを特徴とする医薬品管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計は、指紋センサーを搭載し、予め登録された利用者の指紋情報と前記指紋センサーよりの指紋情報とを照合し、前記前記指紋センサーよりの指紋情報が予め登録された指紋情報であることを認識後、利用者の体温測定後にRF−IDタグ用質問器による読み取り手段と通信端末に接続する手段を具備する救急箱に入れ、前記救急箱の通信端末を接続する手段に通信端末を接続し、前記RF−IDタグ用応答器機能搭載電子体温計に記録されている利用者情報及び体温測定結果情報を前記通信端末がネットワークを介してセンターサーバーシステムに送信することを特徴とする医薬品管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の通信端末は、RF−IDタグ用質問器によるRF−IDタグを装着する医薬品並びにRF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計に記録されている利用者情報及び体温測定結果並びにRF−IDタグ搭載利用者IDカードの利用者情報を読み取る手段を具備した救急箱よりの情報を、センターサーバーシステムに送信し、前記センターサーバーシステムでは、予め登録された利用者データ部と前記救急箱の読み取り手段からの前記
RF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計に記録されている利用者情報及ぶRF−IDタグ搭載利用者IDカードの利用者情報とを比較照合し、予め登録された利用者であると認識できるときは当該医薬品及び前記RF−IDタグ用応答機能搭載電子体温計による体温測定結果情報にもとづき最適な提供情報を選択し、選択された情報をネットワークを介して、前記通信端末に送信することを特徴とする医薬品管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載のセンターサーバーシステムには利用者ごとの医薬品履歴データ部を備えており、前記センターサーバーシステムとネットワークを介して接続された薬局に設置される通信端末にRF−IDタグを装着する医薬品及びRF−IDタグ搭載IDカードの利用者情報を読み取り手段であるRF−IDタグ用質問器を接続し、当該医薬品及び前記RF−IDタグ搭載IDカードの利用者情報をセンターサーバーシステムに送信する機能を有する薬局システム側から、前記前記RF−IDタグ搭載IDカードの利用者情報をセンターサーバーシステムに送信し、センターサーバーシステムでは、予め登録された利用者データ部の利用者情報と比較照合し、予め登録された利用者であると認識できるときは、前記医薬品履歴データ部に当該医薬品を自動記録することを特徴とする医薬品管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の薬局システムは、RF−IDタグを装着する医薬品及びRF−IDタグ搭載利用者IDカードの利用者情報を取得するRF−IDタグ用質問器と、通信端末とを備え、前記医薬品及ぶ前記RF−IDタグ搭載利用者IDカードの利用者情報をセンターサーバーシステムに送信し、センターサーバーシステムでは、予め登録された利用者データ部の利用者情報と比較照合し、予め登録された利用者であると認識できるときは、当該医薬品及びRF−IDタグ搭載利用者IDカードからの利用者情報にもとづき利用者の医薬品の購入時の最適な提供情報を選択し、選択された情報をネットワークを介して薬局システムに送信することを特徴とする医薬品管理システム。
【請求項6】
請求項3又は請求項4又は請求項5の記載の最適な提供情報は、利用者への最適な助言又は最適処置方法であることを特徴とする医薬品管理システム。




【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−259939(P2006−259939A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−74166(P2005−74166)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】