説明

医薬活性物質を含む顆粒剤とその製造方法

本発明の1つの側面は、1〜200μmの体積加重平均直径を有し、少なくとも0.1重量%の医薬活性物質、少なくとも10重量%の乳化剤、0〜89.9重量%の水分散性糖を含み、医薬活性物質、乳化剤及び水分散性糖の組み合わせは、合計で顆粒剤の少なくとも60重量%である顆粒剤に関し、ここで、顆粒剤は、一相性であるか、または、顆粒剤は医薬活性物質を含む分散相を含み、前記分散相は、300nm未満の体積加重平均直径を有する。本発明の別の側面は、プロセスが使用する医薬活性物質を含む前記顆粒剤の調製のためのプロセスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬活性物質と乳化剤とを含む顆粒剤に関する。本発明の顆粒剤は、特に、経粘膜(例えば、頬、舌下、経口的、鼻、肺、直腸、子宮内或いは膣内)投与用である投薬単位での使用のために適している。
【0002】
本発明は、また、このような顆粒剤の製造のための方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
医薬活性物質が全身に医薬効果を送達することができるためには、投与に引き続き、このような医薬活性物質は、血液内に吸収される必要がある。特に、医薬物質が粘膜投与されるならば、医薬活性物質は、医薬投薬単位から粘膜組織付近に見出される水性環境へと急速に放出され、その結果、前記粘膜組織から吸収され得ることが重要である。特に、医薬活性物質が、本質的に水不溶性であるか、不十分に水分散性である場合には、粘膜組織による医薬活性物質の効果的な吸収が可能となる方法で、粘膜流体中での医薬活性物質の迅速な放出を達成するであろう送達システムを開発することが重要な課題である。
【0004】
特許文献1は、医薬活性化合物を含む急速に崩壊する芯の調製のためのプロセスが記載され、前記プロセスは、ポンプ搬送可能な組成物を形成するために、水:アルコ−ル混合物中の医薬活性化合物の溶液に、乳化剤/テンシド(tenside)を添加し、ポンプ搬送可能な組成物を、ホモジナイザー、コロイドミル、パールミル及びペドルミルの群から選ばれる装置で激しい処理にかけ、ここで、組成物は、凝集物を生成するために、広い有効表面積を有し、前記医薬活性化合物に対して非結合性を有する少なくとも一つの固体材料の床に分散され、乾燥され、不規則或いは球形状を有する顆粒を生成する。
【0005】
特許文献2は、哺乳類に投与されると、治療効果を与えるに十分な量の親油性物質である第1の成分と;少なくとも一つの固体脂肪を含む脂質である第2の成分と;少なくとも一つの燐脂質である第3の成分とを含み、第2と第3の成分は、哺乳類に投与されたときに、親油性物質のバイオアベイラビリティを増加するに十分な量で存在する乾燥固体脂質組成物を記載している。燐脂質物質は、薬物を含むといわれている。カンナビノイド、ホルモン及びビタミンが、親油性物質の例として言及されている。特許文献2に記載された乾燥固体脂質組成物は、親油性物質の経口送達のために有用であるといわれている。より特別に、乾燥固体脂質組成物は、予期せざる高い薬物充填効率を示し、親油性化合物のための経口バイオアベイラビリティを向上させたといわれている。。
【0006】
特許文献2は、また、前記乾燥固体脂質組成物の製造方法を記載し、前記方法は、
・3つの成分を適切な有機溶媒に溶解すること;
・溶媒を蒸発させ、完全に乾燥すること;
・得られた乾燥固体脂質混合物を水性相で水和し、水中の脂質分散液を得ること;
・粒径をサブミクロン範囲に減じるために、得られた脂質分散液を均質化すること;及び
・均質化された分散液を乾燥して、脂質乾燥-薬物混合物を形成すること、
を含む。
【0007】
特許文献3は、
・0.1〜15重量%の固体活性剤若しくは65重量%までの液体活性剤;
・1〜50重量%の界面活性剤;
・0〜80重量%の共界面活性剤;及び
・0〜85重量%の油成分、
を含み、共界面活性剤と油成分の合計は、少なくとも2.5重量%である、親油性活性剤の経皮的(全身)使用のための医薬多成分系を記載している。顆粒剤は、どこにも言及されていない。
【0008】
特許文献4は、シクロスポリン、親水性相成分、親油性相成分及び界面活性剤を含み、前記組成物は、ミクロエマルジョン前濃縮物であり、水で希釈されると水中油型エマルジョンを与えることができる医薬組成物を記載する。特許文献4には、経口投与のための適切な投薬形態は、例えば、液剤、顆粒剤等を含むことが記載されている。好ましい投薬形態は、単位投薬形態、例えば、錠剤或いはカプセル封入形態、特に、硬或いは軟ゼラチンカプセル封入形態である。
【0009】
特許文献5は、身体の生物学的流体とその場でミクロエマルジョンを形成することができる経口投与のための実質的に無水の医薬組成物を記載している。この医薬組成物は、
i.脂肪酸エステルとグリセリドの混合物から成る親油性相;
ii.ポリグリコール化グリセリドとポリグリセロールのオレイン酸エステルを含む群より選ばれる16未満のHLBを有する界面活性剤;
iii. プロピレングリコールのラウリン酸エステル、ポリグリセロールのオレイン酸エステル及びエチルジグリコールを含む群より選ばれる共界面活性剤;及び
iv.医薬活性成分
を含む。
【0010】
特許文献5では、そこに記載された医薬組成物は、ヒト或いは動物身体の胃及び腸内の生理学的流体の存在下、ミクロエマルジョンを形成し、このミクロエマルジョンを生成するために外部の親水性相を供給する必要はない。顆粒剤は、どこにも言及されていない。
【0011】
特許文献6は、本特許出願の優先日後に刊行されたものであるが、カプセル封入剤の調製のためのプロセスを記載し、プロセスは、
・(i)溶媒と前記溶媒に溶解されたマトリックス形成溶質及び(ii)分散相とを含むポンプ搬送可能なエマルジョン;
・超臨界、亜臨界或いは液化ガスを含む抽出剤
を使用し、前記溶媒は、前記マトリックス形成溶質よりも抽出剤中で実質的により溶解性であり、前記プロセスは、
a.混合条件下、ポンプ搬送可能なエマルジョンを抽出剤と組み合わせること、
b.分散相がマトリックス形成溶質の固体マトリックス中に入れられたカプセル封入粒子の生成を可能とすること
c.カプセル封入物を収集し、溶剤から分離すること
の連続工程を含む。この国際特許出願の例2は、11.5gのイヌリン、30mlの水、1.62gのホエー粉末、1.0gのツイーン-20と5.98gの溶融大麻を含むエマルジョンからのカプセル封入物の調製を記載する。このエマルジョンは、2液ノズルを介して、COと共に加圧高圧容器(6リットル)に噴霧された。容器は、ジャケットを介して40℃に加熱され、30バールに加圧される、こうして、乾燥カプセル封入物が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】US 4,840,799
【特許文献2】WO 97/36577
【特許文献3】US 4,719,239
【特許文献4】US 5,342,625
【特許文献5】US 6,054,136
【特許文献6】WO 2007/024133
【発明の概要】
【0013】
本発明者らは、少なくとも0.1重量%の医薬活性物質を含み、経粘膜送達のための医薬投薬単位の製造に有利には使用されることができる顆粒剤を開発した。特に、本発明の顆粒剤は、医薬活性物質の改善された溶解性及び/又はバイオアベイラビリティを示す経粘膜投薬単位の製造を可能とする。
【0014】
本発明の顆粒剤は、それらが、1〜200μmの体積加重平均直径を有すること、それらが、実質的な量の、すなわち、少なくとも10重量%の、糖脂肪酸エステル、モノ-グリセリド、ジ-グリセリド、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、ジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、ポリグリセロールエステル、ステアリル乳酸カルシウム、ステアリル乳酸ナトリウム及びそれらの組み合わせから成る群より選ばれる乳化剤;0〜89.9重量%の水分散性糖類;を含み、医薬活性物質、乳化剤及び水分散性糖類の組み合わせは、合計で顆粒剤の少なくとも60重量%であり;ここで、顆粒剤は、一相性であるか、または、顆粒剤は医薬活性物質を含む分散相を含み、前記分散相は、300nm未満の体積加重平均直径を有することより、更に、特徴付けられる。
【0015】
本発明の顆粒剤は、医薬活性物質が、たとえ、それ自体本質的に水不溶性であるか、不十分に水分散性であってさえも、投与に引き続き、粘膜組織付近に見出される生物学的流体中に迅速に本質的に完全に放出されという利点を提供する。本発明者は理論により拘束されるつもりはないが、顆粒剤の特別な性質、顆粒剤の相対的に小さい直径と高い乳化剤含有量の組み合わせが、医薬活性物質の生物学的流体中への分散を非常に容易にすることが考えられる。加えて、医薬活性物質が本質的に水不溶性であるならば、乳化剤が、生物学的流体中の非常に細かい(ミクロ)エマルジョンの形成を促進し、そのため粘膜組織による前記物質の迅速な吸収を可能とする。
【0016】
医薬活性物質の送達を助けることに加えて、乳化剤は、また、例えば、酸素、UV光、反応性物質及び/又は湿分の影響下での分解に抗して、医薬活性物質を保護する目的に役立つ。
【0017】
本発明者は、また、医薬活性物質を含む顆粒剤の調製のためのプロセスを開発したが、プロセスは、
・(i)少なくとも30重量%の極性溶媒を含む連続相と(ii)少なくとも10重量%の乳化剤と少なくとも0.1重量%の医薬活性物質を含む分散相とを含むポンプ搬送可能なエマルジョン;
・少なくとも60重量%の超臨界、亜臨界或いは液化ガスを含む抽出剤
を使用し、ここで、前記溶媒は、前記乳化剤よりも抽出剤中で実質的により溶解性であり、プロセスは;
a.混合条件下で、ポンプ搬送可能なエマルジョンと抽出剤とを組み合わすこと;
b.乳化剤と医薬活性物質とを含む顆粒剤の形成を可能とすること;
c.顆粒剤を収集し、それを抽出剤から分離すること
の連続工程を含む。
【0018】
[定義]
ここで使用される用語「顆粒剤」は、分散粒子から成る粒状物を指す。顆粒剤内の分散粒子は、乳化成分と医薬活性物質の両方を含む。
【0019】
ここで使用される用語「一相性の」は、単一の親油性相から本質的に成る顆粒を指す。単一の親油性相において、医薬活性物質と乳化剤は、(固溶体)溶液の形態若しくは分子分散液形態で存在することができる。したがって、本発明の一相性の顆粒剤は、2以上の不混和相、例えば、親油性及び親水性相を含まない。「分子分散液」は、分散相が、個々の分子から成る分散液である。分子が、コロイドサイズ未満であるならば、得られたものは、真の溶液である。
【0020】
ここで使用される用語「乳化剤」は、極性或いはイオン性部分と非極性、例えば、脂肪族部分とを有する1以上の物質を含む界面活性成分を指し、界面活性成分は、エマルジョン、特に、水中油型エマルジョンを安定化することができる。本発明は、2以上の界面活性物質、特に、O/W型乳化剤と共乳化剤との組み合わせを含む乳化剤の使用を包含する。
【0021】
ここで使用される用語「O/W型乳化剤」は、水中油型エマルジョン化を容易にする界面活性成分を指す。典型的には、乳化剤は、3〜7のHLB値を示す。
【0022】
ここで使用される用語「共乳化剤」は、組み合わされるO/W型乳化剤の水中油型エマルジョン化特性を向上することができる親水性を有する界面活性成分を指す。典型的には、共乳化剤は、少なくとも8のHLB値を示す。
【0023】
ここで使用される用語「糖類」は、単糖類、二糖類、3〜10個の糖成分を含むオリゴ糖類と少なくとも11個の糖成分を含む多糖類を包含する。
【0024】
ここで使用される用語「経粘膜投与」は、医薬活性物質を含む投薬単位が、粘膜組織付近に配置若しくは送達され、そこで、医薬活性物質が前記粘膜組織により吸収された後に医薬効果を発揮する投与の態様を指す。経粘膜投与の例は、頬、舌下、経口的、鼻、肺、直腸、子宮内或いは膣内投与を含む。
【0025】
用語「経粘膜投薬単位」は、そこに含まれる医薬活性物質の経粘膜投与のために設計され、そのために適する投薬単位を指す。
【0026】
ここで使用される用語「経口」は、他に断らなければ、口中への若しくは口を通じた医薬投薬単位の挿入を含む投与態様を示す。経口投与の例は、経口的、頬及び舌下投与を含む。
【0027】
ここで使用される用語「経口的」は、口腔中での顕著な滞留時間のない投薬単位の服用を含む投与形態を示す。
【0028】
ここで使用される用語「亜臨界ガス」は、超臨界でも液化状態でもなく、少なくとも10バール、好ましくは、少なくとも20バールに加圧された圧縮ガスを指す。
【0029】
[発明の詳細な説明]
本発明の一つの側面は、1〜200μmの体積加重平均直径を有する顆粒剤であって、
・少なくとも0.1重量%の医薬活性物質;
・少なくとも10重量%の、糖脂肪酸エステル、モノ-グリセリド、ジ-グリセリド、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、ジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、ポリグリセロールエステル、ステアリル乳酸カルシウム、ステアリル乳酸ナトリウム及びそれらの組み合わせから成る群より選ばれる乳化剤;及び
・0〜89.9重量%の水分散性糖類;
を含み、
・医薬活性物質、乳化剤及び水分散性糖類の組み合わせは、合計で顆粒剤の少なくとも60重量%であり;
ここで、顆粒剤は、一相性であるか、または、顆粒剤は医薬活性物質を含む分散相を含み、前記分散相は、300nm未満の、好ましくは、100nm未満の体積加重平均直径を有する。
【0030】
特に好ましい具体例によれば、本発明の顆粒剤は自由流動粉末である。本発明の顆粒剤は、好ましくは、少なくとも3μmの、より好ましくは、少なくとも5μmの体積加重平均直径を有する。顆粒剤の体積加重平均直径は、100μmを超えず、より好ましくは、80μmを超えない。顆粒剤の体積加重平均直径は、画像分析法により適切に決定され得る。
【0031】
医薬活性物質と乳化剤に加えて、本発明の顆粒剤は、抗酸化剤、保存剤、脂肪、ワックス、更なる医薬活性物質等のような他の成分を適切に含み得る。
【0032】
本発明の具体例によれば、本発明の顆粒剤は、一相性の顆粒剤である。以前以後説明するとおり、本発明の一相性顆粒剤は、溶液或いは分子分散液の形態を取り得る。最も好ましくは、一相性顆粒剤は、(真の)溶液の形態で単一の親油性相から成る。本発明の一相性顆粒剤においては、医薬活性物質と乳化剤は一緒になって、好ましくは、顆粒剤の少なくとも60重量%に相当する。特に好ましい具体例によれば、医薬活性物質と乳化剤は一緒になって、本発明の顆粒剤の少なくとも80重量%に相当する。
【0033】
本発明は、非常に多くの種類の乳化剤を包含する。本発明により使用される乳化剤は、好ましくは、非イオン性乳化剤を含む。
【0034】
別の好ましい具体例によれば、乳化剤は、1〜4個のC6−24脂肪酸残基を含むエステルを含む。これらの脂肪酸残基は、乳化剤の親油性部分に含まれる。
【0035】
本発明の顆粒剤に使用される乳化剤は、有利には少なくとも一つの遊離ヒドロキシ基、好ましくは、少なくとも二つの遊離ヒドロキシ基を含む。遊離ヒドロキシ基は、乳化剤の親水性部分に含まれる。
【0036】
親水性と親油性は、乳化剤間で異なり、両者間のバランスはHLB値と呼ばれる。HLB値は、0〜20の範囲であり得る。より高い親油性を有する乳化剤は、より低いHLB値を示し、より高い親水性は、より高いHLB値に反映される。特に好ましい具体例によれば、乳化剤は、6より大きい、より好ましくは、8〜18のHLB値を有するO/W型乳化剤を含む。前述のO/W型乳化剤に加えて、乳化剤は、共乳化剤、特に6より大きくないHLBを有する共乳化剤を適切に含み得る。
【0037】
特に好ましい具体例によれば、本発明にしたがい使用される乳化剤は、糖脂肪酸エステル、より好ましくは、分子ごとに1〜3個の脂肪酸残基を含む糖脂肪酸エステルである。更により好ましい糖脂肪酸エステルは、分子ごとに1或いは2個の酸残基を含む。最も好ましくは、糖脂肪酸エステルは、分子ごとに1個の脂肪酸残基を含む。前述の糖脂肪酸エステル中の糖残基は、最も好ましくは、蔗糖残基である。
【0038】
本発明の顆粒剤中に含まれる医薬活性物質の量は、典型的には、0.1〜50重量%の範囲内である。好ましくは、顆粒剤は、0.3〜30重量%の医薬活性物質を含む。本発明の顆粒剤の有利な特性は、医薬活性物質が顆粒剤マトリックス中に本質的に完全に溶解されている場合に、最も明らかである。したがって、好ましい具体例では、顆粒剤は、0.1〜50重量%の、更により好ましくは、0.3〜30重量%の溶解された医薬活性物質を含む。
【0039】
以前以後説明するとおり、本発明の顆粒剤は、本質的に水不溶性であるか不十分に水に分散性である医薬活性物質を送達するために特に適する。したがって、好ましい具体例では、医薬活性物質は、親油性或いは両親媒性物質である。最も好ましくは、医薬活性物質は、親油性物質である。典型的には、医薬活性物質の水溶解度は、35℃で1mg/ml未満である。好ましくは、35℃での水溶解度は、0.1mg/ml未満である。
【0040】
本発明の顆粒剤に有利に組み込まれ得る医薬活性物質の例は、カンナビノイド、ステロイド、フラボノイド、ポリフェノール及びそれらの組み合わせを含む。好ましいステロイドは、6-6-6-5型に配置された4個の縮合環を有する炭素骨格を含むテルペノイド脂質である。
【0041】
本発明の顆粒剤中への水分散性糖類の組み込みは、特に、乳化剤と医薬活性物質が前記水分散性糖類のマトリックス中に細かく分散されるならば、ミクロエマルジョンの形成の助けになり得る。本発明の顆粒中の随意の水分散性糖類は、有利には、35℃の水中で、少なくとも10mg/ml、好ましくは、少なくとも30mg/mlの溶解度を有する。更に、水分散性糖類は、好ましくは、10,000未満の、好ましくは、6,000g未満の分子量を有する。
【0042】
本発明の顆粒中で使用され得る水分散性糖類の例は、マルトデキストリン、トレハロース、セロビオース、グルコース、フルクトース、マルツロース、イソマルツロース、ラクツロース、マルトース、ゲントビオース、ラクトース、イソマルトース、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、パラチニトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、ズルチトール、リビトール、スクロース、ラフィノース、ゲンチアノース、プランテオース、ベルバスコース、スタキオース、メレジトース、デキストラン及びイノシトールを含む。
【0043】
本発明の有利な具体例に従うと、顆粒剤は、前記顆粒剤が温度37℃を有する適量の水に分散されると、ミクロエマルジョンを形成することができる。ミクロエマルジョンは、一以上の、好ましくは、全ての以下の特性を有するものとして同定される。
【0044】
・それらは、それらの成分が接触時に、自ずから或いは本質的に自然に、すなわち、実質的なエネルギー供給なしで、例えば、熱若しくは高せん断設備或いは他の実質的な攪拌の使用なしで、形成される。
【0045】
・それらは、熱力学的な安定性を示す。
【0046】
・それらは、実質的に不透明ではなく、すなわち、光学顕微鏡により見られると透明か乳白光を発する。
【0047】
・ミクロエマルジョンは、分散した或いは顆粒状(液滴状)相を含み、その粒子は2000Å未満のサイズからなる。
【0048】
本発明は、また、非常に均質な粒径分布を有する顆粒剤の調製を可能とするという利点を持っている、本発明の顆粒剤の調製のためのプロセスを提供する。均質な粒径分布は、非均質な顆粒剤が分離する傾向を示すことから、望ましい。本発明の顆粒剤は、平均直径に対する標準偏差の比が100%未満であるという事実により証明されるとおりの均質な粒径分布を示す。
【0049】
本発明は、また、少なくとも10重量%、好ましくは、少なくとも20重量%の本発明による顆粒剤を含む、固体若しくは半固体医薬投薬単位を提供する。顆粒剤に加えて、医薬投薬単位は、90重量%までの賦形剤、好ましくは、水溶性賦形剤を適切に含み得る。本発明により包含される医薬投薬単位の例は、錠剤、カプセル、顆粒剤、座剤とゲル剤である。最も好ましくは、投薬単位は、経口投与用錠剤、特に、舌下或いは頬投与である。
【0050】
本発明の別の側面は、本発明の顆粒剤の医薬投薬単位の製造における使用に関し、前記製造は、医薬投薬単位での顆粒剤の組み込みを含む。
【0051】
本発明の更なる側面は、治療若しくは予防処置方法での本発明の顆粒剤を含む医薬投薬単位の使用に関し、前記処置が、投薬単位の経粘膜投与を含む。以前以後説明するとおり、経粘膜投与の例は、頬、舌下、経口的、鼻、肺、直腸、子宮内或いは膣内投与を含む。
【0052】
好ましくは、処置は、経口(経口的、頬或いは舌下)若しくは肺投与、更により好ましくは、経口投与を含む。最も好ましくは、処置は、医薬活性物質の舌下若しくは頬投与を含む。本発明の医薬投薬単位は、哺乳類、最も好ましくは、ヒトの処置に有利には使用される。
【0053】
本発明の更に別の側面は、医薬活性物質を含む顆粒剤の調製のためのプロセスに関し、プロセスは、
・(i)少なくとも30重量%、好ましくは、少なくとも50重量%の極性溶媒を含む連続相と(ii)少なくとも10重量%の乳化剤と、少なくとも0.1重量%の医薬活性物質を含む分散相とを含むポンプ搬送可能なエマルジョン;
・少なくとも60重量%の超臨界、亜臨界或いは液化ガスを含む抽出剤
を使用し、ここで、前記溶媒は、前記乳化剤よりも抽出剤中で実質的により溶解性であり;プロセスは、
a.混合条件下で、ポンプ搬送可能なエマルジョンと抽出剤とを組み合わすこと;
b.乳化剤と医薬活性物質とを含む顆粒剤の形成を可能とすること;
c.顆粒剤を収集し、それを抽出剤から分離すること
の連続工程を含む。
【0054】
好ましい具体例によれば、ポンプ搬送可能なエマルジョンと抽出剤が、ポンプ搬送可能なエマルジョンの流れと抽出剤の流れを、両流れ十分に混合される混合ゾーンに供給することにより組み合わされる。組み合わされた流れは、混合ゾーンから別のゾーン(沈殿ゾーン)に有利には移送され、顆粒剤の形成は、制御された条件下で起こることが可能である。本発明の方法は、連続或いは半連続型で適切に操作することができるという利点を提供する。
【0055】
本発明のプロセスのポンプ搬送可能なエマルジョンは、1mmより大きい内部直径を有するノズルにより、抽出剤を含む混合ゾーンにエマルジョンを噴霧することにより、抽出剤と有利には組み合わされる。比較的大きい直径を有するノズルの使用は、エマルジョンが混合ゾーンへの導入時に破壊されないという利点を提供する。
【0056】
好ましい具体例にしたがうと、エマルジョンと抽出剤は、1:5〜1:500の、好ましくは、1:10〜1:300の範囲内の重量比で前混合される。
【0057】
本発明のプロセスのポンプ搬送可能なエマルジョンは、溶媒と、分散相を構成することになる1以上の医薬活性物質及び/又は乳化剤とを組み合わせ、均質化を同時にするか均質化に引き続かれることにより、適切に形成される。好ましくは、乳化剤は、前記乳化剤が液体(例えば、溶融)状態であるときに、溶剤と組み合わされる。
【0058】
本発明のプロセスに使用されるポンプ搬送可能なエマルジョンは、5〜60重量%、好ましくは、30〜50重量%の分散相を適切には含む。ポンプ搬送可能なエマルジョンの分散相は、好ましくは、1〜200μm、より好ましくは、3〜100μmの体積加重平均液滴サイズを有する。
【0059】
溶媒が抽出剤に可溶性であり、乳化剤が抽出剤により可溶性でないならば、原則として、乳化剤、溶媒と抽出剤の任意の組み合わせが、本発明の方法に使用され得る。好ましくは、プロセスに使用される抽出条件下、抽出剤での溶媒の溶解度は、0.1%(w/w)を超え、好ましくは、0.5%(w/w)を超える。
【0060】
一般的に、抽出剤での乳化剤の溶解度は、5%(w/w)を超えない。好ましくは、本発明のプロセスに使用される抽出条件下、抽出剤での乳化剤の溶解度は、同一抽出剤での溶媒の溶解度より、少なくとも100倍、より好ましくは、少なくとも1000倍、より低い。
【0061】
極性溶媒は、C1−6アルコール、ケトン、水及びそれらの組み合わせから成る群より有利には選ばれる。更により好ましくは、有機極性溶媒は、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトン及びそれらの混合物から成る群より選ばれる。
【0062】
本発明者らは、分散相が、抽出剤中で溶媒中と同じか更により溶解性であってさえも、本発明により良好な結果を得ることができるということを、意外なことに見出した。本発明者らは、理論により拘束されることを望まないが、溶剤中での分散相の溶解度は、本発明の方法の有効性と逆相関していると考えられる。したがって、溶剤中での分散相の溶解度は、好ましくは、0.1重量%を超えず、より好ましくは、0.01重量%を超えない。分散相が、エマルジョンを含む場合には、前記エマルジョンの連続相は、前記溶解基準を満足しなければならない。
【0063】
本発明のプロセスに使用される超臨界、亜臨界或いは液化ガスは、二酸化炭素、亜硝酸、エタン、エチレンプロパン、シクロプロパン、プロピレン、ブタン、アルゴン、窒素及びそれらの混合物から成る群より選ばれる。最も好ましくは、前記ガスは、超臨界、亜臨界或いは液化二酸化炭素を含む。
【0064】
本発明のプロセスにおける抽出剤と沈殿した顆粒との接触時間は、乳化剤及び/又は医薬活性物質が封入カプセルから抽出されることを防止するために、好ましくは、可能な限り短く、保たれる。典型的には、顆粒と抽出剤との接触時間は、60分を超えない。接触時間は、好ましくは、30分を超えず、より好ましくは、10分を超えない。
【0065】
特に好ましい具体例によれば、顆粒は、沈殿が続く間、抽出剤から分離される。これは、例えば、サイクロンの助けによるか、抽出剤と不混和性である媒体中で粒子を収集することにより達成され得る。
【0066】
本発明のプロセスの好ましい具体例では、抽出剤の分離に引き続き、抽出された溶媒は、抽出剤から除去され、抽出剤は、プロセスの工程a.に再循環される。こうして、プロセスで使用される抽出剤の合計量は、プロセスの効率若しくは封入カプセルの品質に顕著な悪影響なしで、最小化し得る。特に好ましい具体例では、抽出された溶媒は、高度に選択的な方法で効率的に除去される。例えば、分散相の溶解性成分ではなく溶媒を除去することにより、封入カプセルからの分散相の望ましくない抽出が、回避され得る。有利には、溶媒は、分散相成分の除去よりも、少なくとも10倍、好ましくは、少なくとも100倍高い効率で、除去される。
【0067】
溶媒は、吸収剤若しくは抽出剤でなく溶媒を吸収する吸収剤を使用することにより抽出剤から効率的に除去され得る。代替として、溶媒は、溶媒を濃縮することを可能とする溶媒含有抽出剤の圧力或いは温度を減じることにより除去される。選択性膜を使用することにより溶媒を除去することも可能である。濃縮された溶媒からの抽出剤の分離に続いて、抽出剤は、工程a.に再循環される前に再加圧される。
【0068】
本発明の特別な具体例では、極性溶媒は水を含み、抽出された水は、水吸収剤或いは前記抽出剤に不溶性である水吸収剤と抽出剤を接触させることにより抽出剤から除去される。
【0069】
本発明のプロセスでは、抽出剤は、ポンプ搬送可能なエマルジョンと組み合わされるときに、好ましくは、少なくとも10バール、更により好ましくは、少なくとも20バールの圧力を有する。特に好ましい具体例によれば、抽出剤は、少なくとも0.3xPの圧力と少なくともT60℃の温度を有する液化若しくは超臨界ガスであり、ここで、Pは、ガスの臨界圧力を示し、Tは、ガスの臨界温度を示す。
【0070】
本発明のプロセスから得られる分離された顆粒剤は、典型的には、1〜200μmの、より好ましくは、3〜100μm、最も好ましくは、5〜80μmの体積加重平均直径を有する。
【0071】
本発明は、更に、以下の例により説明される。
【0072】

例1
蔗糖モノラウリン酸エステル(HLB=15)とテトラヒドロカンナビノール(THC)が、窒素気流下120℃まで加熱された。蔗糖モノラウリン酸エステルに対するTHCの比は、重量で1:15であった。完全に混合後、パテ状の溶融物は、次のいずれか一つの方法により、COで飽和された。(そして、それにより軟化された。)
・暖かい溶融物は、120℃に予熱されたオートクレーブに注がれ、250バールにもたらされた。オートクレーブは、プランジャーポンプ(LeWa)を使用して、二酸化炭素で加圧され、加熱油を使用して、ジャケットにより加熱された。塊は、ビュッチ(登録商標)磁気攪拌機を使用して、少なくとも30分間超臨界CO中で溶融物を攪拌することにより、COでの飽和により更に液化された。
【0073】
・溶融物は、−20℃に冷却され、最大表面積を得るために粉砕された。このために、−20℃に予備冷却されたモーターが、不活性及び乾燥雰囲気中で使用された。得られた粉末は、60℃に予熱されたオートクレーブに注がれ、250バールにもたらされた。オートクレーブは、プランジャーポンプ(LeWa)を使用して、二酸化炭素で加圧され、加熱油を使用して、ジャケットにより加熱された。容器は、更に加熱油で120℃に加熱され、連続攪拌下加熱CO(120℃)は、最適なCO溶解化を可能にした。
【0074】
攪拌終了後、溶融物は、オートクレーブ底部に沈降させおかれた。オートクレーブ底部でバルブが開放された。オートクレーブでの高圧は、120℃に加熱された管をたどって120℃に加熱された340μmノズル(Spraying System Inc.)に強制的に入れられる。粉末は、250バールから大気圧に減圧されると生成された。微顆粒剤は、光学顕微鏡により測定されるとおりの30μmの平均直径を有した。
【0075】
例2
THCは、2-プロパノール中の65%(w/v)の蔗糖モノラウリン酸エステル溶液に、7.3%(w/v)の最終濃度にまで溶解された。高圧容器は、プランジャーポンプ(Williams)を使用して、二酸化炭素で加圧され、加熱油を使用して、ジャケットにより加熱された。
【0076】
溶液は、共軸ノズルを介してシリンジポンプ(ISCO260D)により容器中に噴霧された。このノズルは、2つの同軸の管から成り、25ml/minのエマルジョンが、内部管(内径=0.5mm、外径=1.27mm)を介して供給され、500g/minの二酸化炭素が、外部管(内径=1.7mm)を介して供給された。二酸化炭素は、噴霧される前に60℃に加熱された。容器内に生成した粉末は、容器底部のフィルター上に集められた。微顆粒剤は、S.E.Mにより測定されるとおりの5〜50μmの平均直径を有した。
【0077】
例3
水が、蔗糖ステアリン酸エステル(Crodesta(登録商標)F-160、HLB=15)と混合された。混合物は60℃まで暖められ、溶融THCは、安定なエマルジョンが形成されるまで、Ultraturrax(登録商標)攪拌機を使用して、この混合物中に分散された。得られた水中油型エマルジョンは、10重量%のTHC、30重量%の蔗糖ステアリン酸エステルと60重量%の水を含んだ。オートクレーブは、加熱油を使用して、ジャケットにより40℃に加熱された。オートクレーブは、COで30バールにもたらされ、溶液は、2流体ノズルを通じ、シリンジポンプ(ISCO260D)により容器中に噴霧された。このノズルは、2つの同軸の管から成り、0.3ml/minのエマルジョンが、内部管(内径=0.5mm、外径=1.27mm)を介して供給され、500g/minの二酸化炭素が、外部管(内径=1.7mm)を介して供給された。二酸化炭素は、噴霧される前に40℃に加熱された。容器内に生成した粉末は、容器底部のフィルター上に集められた。微顆粒剤は、S.E.Mにより測定されるとおりの5〜50μmの平均直径を有した。流速とノズルパラメータを変えることにより、粒径は、広範囲に変化することができる。
【0078】
例4
水が、蔗糖ステアリン酸エステル(Crodesta(登録商標)F-160、HLB=15)とグリセリルモノステアリン酸エステル(蔗糖ステアリン酸エステル:グリセリルモノステアリン酸エステルは、10:1[w/w]である。)と混合された。混合物は60℃まで暖められ、溶融THCは、安定なエマルジョンが形成されるまで、Ultraturrax(登録商標)攪拌機を使用して、この混合物中に分散された。得られた水中油型エマルジョンは、10重量%のTHC、30重量%の乳化剤と60重量%の水を含んだ。オートクレーブは、加熱油を使用して、ジャケットにより40℃に加熱された。オートクレーブは、COで30バールにもたらされ、溶液は、2流体ノズルを通じシリンジポンプ(ISCO260D)により容器中に噴霧された。このノズルは、2つの同軸の管から成り、0.5ml/minのエマルジョンが、内部管(内径=0.5mm、外径=1.27mm)を介して供給され、500g/minの二酸化炭素が、外部管(内径=1.7mm)を介して供給された。二酸化炭素は、噴霧される前に40℃に加熱された。容器内に生成した粉末は、容器底部のフィルター上に集められた。微顆粒剤は、S.E.Mにより測定されるとおりの5〜50μmの平均直径を有した。
【0079】
例5
テトラヒドロカンナビノール(THC)を含む微顆粒剤が、次のとおり調製された。蔗糖モノラウリン酸エステル(HLB=15)、トレハロース、THC、ビタミンCとビタミンE(重量比:4:20:1:0.05:0.05)をDMSO中25%(w/w)の濃度で含むエマルジョンが調製された。
【0080】
エマルジョンは、シリンジポンプ(ISCO)に移送された。エマルジョンは、次いで、流速5ml/minでポンプ搬送され、600g/minのCO流れに抗して、共軸ノズルを介して容器に噴霧された。容器は、予め40℃に予熱され、超臨界COで100バーで加圧された。二酸化炭素は、また、噴霧される前に40℃に加熱された。容器内に生成した微顆粒剤は、容器底部のフィルター上に集められた。微顆粒剤は、50μmの質量加重平均直径を有した。
【0081】
例6
テトラヒドロカンナビノール(THC)を含む微顆粒剤が、次のとおり調製された。蔗糖モノラウリン酸エステル(HLB=15)、マルトデキストリン20、THC、ビタミンCとビタミンE(重量比:4:20:1:0.05:0.05)をDMSO中25%(w/w)の濃度で含むエマルジョンが調製された。
【0082】
エマルジョンは、シリンジポンプ(ISCO)に移送された。エマルジョンは、次いで、流速1.5ml/minでポンプ搬送され、600g/minのCO流れと一緒に、共軸ノズルを介して容器に噴霧された。容器は、予め40℃に予熱され、超臨界COで90バールで加圧された。二酸化炭素は、また、噴霧される前に40℃に加熱された。容器内に生成した微顆粒剤は、容器底部のフィルター上に集められた。微顆粒剤は、50μmの質量加重平均直径を有した。
【0083】
例7
直接圧縮のための錠剤化粉末は、次の成分を使用して混合された:
・50mgの例1に記載された微顆粒剤
・4mgのSiO(エアロジル)
・15mgのグリコシル化澱粉ナトリウム(Primojel(登録商標))
・60mgのNaHCO
・50mgのクエン酸(1aq.)
粉末は、15kNの力を適用して圧縮され、合計重量129mgで10mmの錠剤を得た。錠剤の強度は40Nであり、錠剤は、37℃の水に60秒で崩壊し、マイクロエマルジョンを形成した。
【0084】
粉末混合と錠剤化は、乾燥不活性雰囲気下なされた。
【0085】
例8
直接圧縮のための錠剤化粉末は、次の成分を使用して混合された:
・5mgの例1に記載されたとおりの微顆粒剤
・10gのマルトデキストリン
・5gのラクトース
・2gのグリコシル化澱粉ナトリウム(Primojel(登録商標))
・0.05gのエアロジル
・0.05gのステアリン酸マグネシウム
粉末は、15kNの力を適用して圧縮され、合計重量60mgで7mmの錠剤を得た。錠剤の強度は25Nであり、錠剤は、37℃の水に5分で崩壊し、マイクロエマルジョンを形成した。
【0086】
例9
直接圧縮のための錠剤化粉末は、次の成分を使用して混合された:
・5gの例1に記載されたとおりの微顆粒剤
・15gのソルビトール
・0.2gのステアリン酸マグネシウム
粉末は、15kNの力を適用して圧縮され、合計重量60mgで7mmの錠剤を得た。錠剤の強度は40Nであり、錠剤は、37℃の水に4.5分で崩壊し、マイクロエマルジョンを形成した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1〜200μmの体積加重平均直径を有し、
・少なくとも0.1重量%の医薬活性物質;
・少なくとも10重量%の、糖脂肪酸エステル、モノ-グリセリド、ジ-グリセリド、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、ジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、ポリグリセロールエステル、ステアリル乳酸カルシウム、ステアリル乳酸ナトリウム及びそれらの組み合わせから成る群より選ばれる乳化剤;及び
・0〜89.9重量%の水分散性糖;
を含み
・医薬活性物質、乳化剤及び水分散性糖の組み合わせは、合計で顆粒剤の少なくとも60重量%である;
顆粒剤であって、ここで、顆粒剤は、一相性であるか、または顆粒剤は医薬活性物質を含む分散相を含み、前記分散相は、300nm未満の体積加重平均直径を有する、顆粒剤。
【請求項2】
乳化剤が、6より大きい、好ましくは、8〜18のHLB値を有する、請求項1記載の顆粒剤。
【請求項3】
乳化剤が、糖脂肪酸エステルである、請求項1または2記載の顆粒剤。
【請求項4】
医薬活性物質が、カンナビノイド、ステロイド、フラボノイド、ポリフェノール及びそれらの組み合わせから成る群より選ばれる、請求項1〜3何れか1項記載の顆粒剤。
【請求項5】
水分散性糖類が、10,000未満、好ましくは、6,000g未満の分子量を有する、請求項1〜4何れか1項の顆粒剤。
【請求項6】
少なくとも10重量%、好ましくは、少なくとも20重量%の請求項1〜5何れか1項記載の顆粒剤を含む、固体或いは半固体医薬投薬単位。
【請求項7】
請求項1〜5何れか1項記載の顆粒剤の、医薬投薬単位の製造での使用。
【請求項8】
医薬投薬単位が、治療若しくは予防処置方法での使用のためであり、前記処置が、医薬投薬単位の経粘膜投与を含む、請求項7記載の使用。
【請求項9】
処置が、医薬投薬単位の舌下、頬、肺若しくは経口的投与を含む、請求項8記載の使用。
【請求項10】
医薬活性物質を含む顆粒剤の調製方法であって、
・(i)少なくとも30重量%の極性溶媒を含む連続相と、(ii)少なくとも10重量%の乳化剤と、少なくとも0.1重量%の医薬活性物質を含む分散相とを含むポンプ搬送可能なエマルジョン;
・少なくとも60重量%の超臨界、亜臨界或いは液化ガスを含む抽出剤
を使用し、ここで、前記溶媒は、前記乳化剤よりも抽出剤中で実質的により溶解性であり;
方法は、
a.混合条件下で、ポンプ搬送可能なエマルジョンと抽出剤とを組み合わせること;
b.乳化剤と医薬活性物質とを含む顆粒剤の形成を可能とすること;
c.顆粒剤を収集し、それを抽出剤から分離すること
の連続工程を含む方法。
【請求項11】
ポンプ搬送可能なエマルジョンと抽出剤が、ポンプ搬送可能なエマルジョンの流れと抽出剤の流れを、両流れが十分に混合される混合ゾーンに供給することにより、組み合わされる、請求項10記載の方法。
【請求項12】
エマルジョンと抽出剤が1:10〜1:300の範囲内の重量比で前混合される、請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
有機極性溶媒が、C1−6アルコール、ケトン、水及びそれらの組み合わせから成る群より選ばれる、請求項10〜12何れか1項記載の方法。
【請求項14】
抽出剤が、二酸化炭素、亜硝酸、エタン、エチレンプロパン、シクロプロパン、プロピレン、ブタン、アルゴン、窒素及びそれらの混合物から成る群より選ばれる、請求項10〜13何れか1項記載の方法。

【公表番号】特表2010−503663(P2010−503663A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528189(P2009−528189)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【国際出願番号】PCT/NL2007/050448
【国際公開番号】WO2008/033023
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(509075170)エコ・ファーマシューティカルズ・ビー.ブイ. (2)
【氏名又は名称原語表記】Echo Pharmaceuticals B.V.
【住所又は居所原語表記】Rijnkade 16a,NL−1382 GS Weesp,The Netherlands
【Fターム(参考)】