説明

半導体ナノ結晶−金属複合体及びその製造方法

【課題】半導体ナノ結晶−金属複合体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体ナノ結晶の表面に少なくとも一つの金属粒子が結合した半導体ナノ結晶−金属複合体及びその製造方法を提供する。該半導体ナノ結晶−金属複合体は、従来半導体ナノ結晶の基本特性の他にも、光電特性及び向上した結合性を持つことから半導体ナノ結晶の応用を広めることができ、かつ別の複雑な工程無しに常温で容易に合成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ナノ結晶−金属複合体及びその製造方法に係り、より詳細には、半導体ナノ結晶の表面に1個以上の金属粒子が結合した半導体ナノ結晶−金属複合体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ナノ結晶(Semiconductor Nanocrystal、「量子点(Quantum Dot)」とも呼ぶ。)は、数ナノサイズの結晶構造を持つ物質で、数百乃至数千個程度の原子から構成されている。このように小さいサイズの物質は、単位体積あたりの表面積が広いから大部分の原子が表面に存在するようになり、量子制限(quantum confinement)効果などが奏されることから、物質自体の固有特性とは違う独特の電気的、磁気的、光学的、化学的、機械的特性を持つようになる。すなわち、半導体ナノ結晶の物理的なサイズを調節することによって多様な特性を得ることが可能になる。このような半導体ナノ結晶の多様な特性を応用してディスプレイ、バイオプローブなどが開発されている。
【0003】
特許文献1は、半導体ナノ結晶を発光物質として用いるLEDなどの電子素子について開示し、特許文献2は、半導体ナノ結晶(QD)に連結剤(linking agent)、親和物質(affinity molecule)を順に結合して対象となるバイオ物質を測定するプローブ(probe)として使用する方法について開示している。
【特許文献1】米国特許第6,501,091号明細書
【特許文献2】米国特許第6,727,065号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では半導体ナノ結晶の基本特性自体を利用しているため応用分野に制限があるし、バイオアッセイなどに応用するためには半導体ナノ結晶の表面に数個の連結物質を結合させねばならず、そのための工程が複雑で、反応性が落ちるという欠点があった。
【0005】
本発明は上記の従来技術の問題点を解決するためのもので、その目的は、半導体ナノ結晶の特性を多様化することができ、反応性の向上した半導体ナノ結晶−金属複合体を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、別の装置の使用や複雑な工程を経ることなく常温で実施できる半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の一つの様相は、半導体ナノ結晶に少なくとも一つの金属粒子が結合した半導体ナノ結晶−金属複合体に関する。
【0008】
上記目的を達成する本発明の他の様相は、(a)半導体ナノ結晶を合成する段階と、(b)合成された半導体ナノ結晶を第2の金属前駆体と混合したのち第2の金属前駆体を還元して半導体ナノ結晶に金属粒子を結合させる段階と、を含む半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る半導体ナノ結晶−金属複合体は、半導体と金属の特性が混合されるため、優れた光電(photocurrent)特性を有し、金属粒子によって半導体ナノ結晶と他の物質間の結合性が向上するため半導体ナノ結晶の応用を広めることができる。
【0010】
また、本発明の方法によれば、別の装置の使用や複雑な工程を経ることなく常温でも半導体ナノ結晶−金属複合体を容易に合成することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0012】
本発明の一側面は、半導体ナノ結晶に金属粒子が結合した半導体ナノ結晶−金属複合体に関する。より詳細には、半導体ナノ結晶の表面に1個以上の金属粒子が結合した半導体ナノ結晶−金属複合体に関する。
【0013】
本発明の半導体ナノ結晶に結合する金属粒子は、半導体ナノ結晶表面に直接結合することができる。
【0014】
本発明の半導体ナノ結晶は、球形、正4面体(tetrahedron)、円筒形、棒形(rod)、三角形、円板形(disc)、トリポッド(tripod)、テトラポッド(tetrapod)、キューブ(cube)、ボックス(box)、スター(star)、チューブ(tube)など、多様な形態を有する。本発明の半導体ナノ結晶に結合する金属粒子の位置は、特に制限されることはないが、上記半導体ナノ結晶のエッジ(edge)あるいは末端に結合することができる。このような本発明の半導体ナノ結晶−金属複合体の構造を、図1a乃至図1cに示す。
【0015】
図1aは、本発明の半導体ナノ結晶が球形に形成された半導体ナノ結晶−金属複合体構造を示す。図1aに示すように、一実施例において本発明の複合体は、球形半導体ナノ結晶の表面エッジに金属粒子が一つ以上結合した構造を有することができる。
【0016】
図1bは、本発明の半導体ナノ結晶が棒形に形成された半導体ナノ結晶−金属複合体構造を示し、図1cは、本発明の半導体ナノ結晶がトリポッド及びテトラポッド型に形成された半導体ナノ結晶−金属複合体構造を示す。図1cに示すように、本発明の複合体がトリポッドまたはテトラポッドなどの樹枝状(dendrite)に形成される場合に、各枝の末端に金属粒子が結合することができる。
【0017】
本発明の半導体ナノ結晶に金属粒子を連続して反応させると、半導体ナノ結晶の表面に結合した金属粒子が相互に連結して半導体ナノ結晶を取り囲む連続した層を形成でき、この場合、半導体ナノ結晶と金属粒子がコアシェル形態の半導体ナノ結晶−金属複合体を構成する。
【0018】
このような本発明のコア−シェル形態の半導体ナノ結晶−金属複合体の構造を、図2に示す。図2に示すように、球形、棒形、テトラポッド型など、多様な形態の半導体ナノ結晶からなるコアと、これを取り囲む金属粒子からなるシェルによってコア−シェル形態の半導体ナノ結晶−金属複合体が形成される。
【0019】
本発明による半導体ナノ結晶−金属複合体の半導体ナノ結晶を構成する物質は、半導体ナノ結晶であり、かつ、量子制限効果を持つ物質であればいずれも使用可能であり、具体的には、周期律表のII−VI族、III−V族、IV−VI族及びIV族の半導体化合物とこれらの混合物からなる群より選ばれる。
【0020】
このような半導体ナノ結晶として、Si、Ge、Sn、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、PbS、PbSe、PbTe、AlN、AlP、AlAs、GaN、GaP、GaAs、InN、InP、InAs、CdSeSまたはこれらの混合物が挙げられる。
【0021】
また、本発明に用いられる半導体ナノ結晶の大きさは特に制限されることはなく、1〜100nmの範囲にあればよい。
【0022】
本発明の金属粒子は、ナノ結晶の表面に結合し得る金属であればいずれでもよく、具体的には、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Ni、Fe、およびCoからなる群より選ばれるとよいが、これに制限されることはない。
【0023】
また、本発明の金属粒子の大きさは特に制限されることはなく、数ナノ乃至数十ナノサイズの金属ナノ粒子であればよい。
【0024】
本発明による半導体ナノ結晶−金属複合体は、優れた光電特性を有し、また、複雑な工程を経ることなく室温でも合成が容易である。半導体は一般的にチャージング(charging)されると、電導性が増加する。本発明の半導体ナノ結晶−金属複合体はチャージングが多くなり、これにつれて、電導性も増加し、優れた光電特性が得られる。
【0025】
本発明の半導体ナノ結晶−金属複合体は、半導体ナノ構造と金属ナノ構造の特性が混合され、それによって、量子化したエネルギーレベルに励起された電子が金属ナノ構造に遷移して共鳴現象を起こすなどの新しい特性を持つようになる。
【0026】
本発明の半導体ナノ結晶−金属複合体は、光励起発光スペクトルの測定時に、半導体ナノ結晶と違い、発光特性が消えたり弱まったりすることがあるが、これは、半導体−金属複合体内でエキシトンの再組合が十分に起きずに電荷分離が起き、または、金属構造によって半導体ナノ結晶上の非発光再結合(Auger Recombination)が起きたためと推論される。
【0027】
本発明の半導体ナノ結晶−金属複合体は、光電特性を用い太陽電池や光センサーのような光電特性を利用する様々な素子に適用できる。
【0028】
また、本発明の半導体ナノ結晶−金属複合体は、半導体ナノ結晶に結合した金属粒子が、官能基を持つ有機物などと容易に強い共有結合を形成するため、半導体ナノ結晶の特徴を利用できる配列(array)などに適用することができ、バイオアッセイなどの多様な分野で使用することができる。
【0029】
本発明の他の側面は、半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法に関する。
【0030】
本発明の製造方法は、(a)半導体ナノ結晶を合成する段階と、(b)合成された半導体ナノ結晶を第2の金属前駆体と混合したのち、該第2の金属前駆体を還元して半導体ナノ結晶に金属粒子として結合させる段階と、を含むことを特徴とする。
【0031】
より具体的に、上記(a)段階において、半導体ナノ結晶は、それぞれ該当の元素を含む前駆体を使用し、本発明の属する技術分野に知られている通常の方法によって合成できる。例えば、該半導体ナノ結晶は、溶媒及び分散剤中の第1の金属前駆体と溶媒中のカルコゲン化合物(chalcogenide)前駆体とを混合した後、この混合物を均一に撹拌しながら温度を上げ、不活性雰囲気を保ちつつ反応させて形成することができる。他の方法として、第1の金属前駆体及びカルコゲン化合物前駆体の代わりに、金属とカルコゲン化合物元素の両方を含む単一化合物を入れてもよい。このとき、合成される半導体結晶の形態を調節するために前駆体の濃度、反応温度、分散剤の種類などを変えてもよい。
【0032】
上記(a)段階で、半導体ナノ結晶を形成するために、第1の金属前駆体とカルコゲン化合物前駆体を用いる半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法を使用する場合、上記(a)段階の第1の金属前駆体には、ジメチル亜鉛(dimethyl zinc)、ジエチル亜鉛(diethyl zinc)、酢酸亜鉛(Zinc acetate)、亜鉛アセチルアセトナート(Zinc acetylactetonate)、ヨウ化亜鉛(Zinc iodide)、臭化亜鉛(Zinc bromide)、塩化亜鉛(Zinc chloride)、フッ化亜鉛(Zinc fluoride)、炭酸亜鉛(Zinc carbonate)、シアン化亜鉛(Zinc cyanide)、硝酸亜鉛(Zinc nitrate)、酸化亜鉛(Zinc oxide)、過酸化亜鉛(Zinc peroxide)、過塩素酸亜鉛(Zinc perchlorate)、硫酸亜鉛(Zinc sulfate)、ジメチルカドミウム(dimethyl cadmium)、ジエチルカドミウム(diethyl cadmium)、酢酸カドミウム(Cadmium acetate)、カドミウムアセチルアセトナート(Cadmium acetylactetonate)、ヨウ化カドミウム(Cadmium iodide)、臭化カドミウム(Cadmium bromide)、塩化カドミウム(Cadmium chloride)、フッ化カドミウム(Cadmium fluoride)、炭酸カドミウム(Cadmium carbonate)、硝酸カドミウム(Cadmium nitrate)、酸化カドミウム(Cadmium oxide)、過塩素酸カドミウム(Cadmium perchlorate)、リン化カドミウム(Cadmium phosphide)、硫酸カドミウム(Cadmium sulfate)、酢酸水銀(Mercury acetate)、ヨウ化水銀(Mercury iodide)、臭化水銀(Mercury bromide)、塩化水銀(Mercury chloride)、フッ化水銀(Mercury fluoride)、シアン化水銀(Mercury cyanide)、硝酸水銀(Mercury nitrate)、酸化水銀(Mercury oxide)、過塩素酸水銀(Mercury perchlorate)、硫酸水銀(Mercury sulfate)、酢酸鉛(Lead acetate)、臭化鉛(Lead bromide)、塩化鉛(Lead chloride)、フッ化鉛(Lead fluoride)、酸化鉛(Lead oxide)、過塩素酸鉛(Lead perchlorate)、硝酸鉛(Lead nitrate)、硫酸鉛(Lead sulfate)、炭酸鉛(Lead carbonate)、酸化スズ(Tin acetate)、スズビスアセチルアセトナート(Tin bisacetylacetonate)、臭化スズ(Tin bromide)、塩化スズ(Tin chloride)、フッ化スズ(Tin fluoride)、酸化スズ(Tin oxide)、硫酸スズ(Tin sulfate)、四塩化ゲルマニウム(Germanium tetrachloride)、酸化ゲルマニウム(Germanium oxide)、ゲルマニウムエトキシド(Germanium ethoxide)、ガリウムアセチルアセトナート(Gallium acetylacetonate)、塩化ガリウム(Gallium chloride)、フッ化ガリウム(Gallium fluoride)、酸化ガリウム(Gallium oxide)、硝酸ガリウム(Gallium nitrate)、硫酸ガリウム(Gallium sulfate)、塩化インジウム(Indium chloride)、酸化インジウム(Indium oxide)、硝酸インジウム(Indium nitrate)、硫酸インジウム(Indium sulfate)などを用いることができるが、これに限定されることはない。
【0033】
上記(a)段階において、半導体ナノ結晶を形成するために、第1の金属前駆体とカルコゲン化合物前駆体を用いる半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法を使用する場合、上記(a)段階のカルコゲン化合物前駆体には、ヘキサンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、メルカプトプロピルシランなどのアルキルチオール化合物、サルファー−トリオクチルホスフィン(S−TOP)、サルファー−トリブチルホスフィン(S−TBP)、サルファー−トリフェニルホスフィン(S−TPP)、サルファー−トリオクチルアミン(S−TOA)、トリメチルシリルサルファ(trimethylsilyl sulfur)、硫化アンモニウム、硫化ナトリウム、セレン−トリオクチルホスフィン(Se−TOP)、セレン−トリブチルホスフィン(Se−TBP)、セレン−トリフェニルホスフィン(Se−TPP)、テルル−トリブチルホスフィン(Te−TBP)、テルル−トリフェニルホスフィン(Te−TPP)、トリメチルシリルホスフィン(trimethylsilyl phosphine)及びトリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリシクロへキシルホスフィンを含むアルキルホスフィン(alkyl phosphine)、酸化ヒ素(Arsenic oxide)、塩化ヒ素(Arsenic chloride)、硫化ヒ素(Arsenic sulfide)、臭化ヒ素(Arsenic bromide)、ヨウ化ヒ素(Arsenic iodide)、亜酸化窒素(Nitrous oxide)、硝酸(Nitric acid)、硝酸アンモニウム(Ammonium nitrate)などを用いることができるが、これに限定されることはない。
【0034】
本発明による半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法において、上記(a)段階で使用可能な溶媒には、炭素数6〜22の1級アルキルアミン、炭素数6〜22の2級アルキルアミン、及び炭素数6〜22の3級アルキルアミン;炭素数6〜22の1級アルコール、炭素数6〜22の2級アルコール及び炭素数6〜22の3級アルコール;炭素数6〜22のケトン及びエステル;炭素数6〜22の窒素または硫黄を含むヘテロ環化合物(heterocyclic compound);炭素数6〜22のアルカン、炭素数6〜22のアルケン、炭素数6〜22のアルキン;トリオクチルホスフィン、トリオクチルホスフィンオキシドなどが挙げられるが、必ずしもこれらに制限されるわけではない。
【0035】
また、本発明による半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法において、上記(a)段階の分散剤としては、末端にCOOH基を持つ炭素数6〜22のアルカン及びアルケン;末端にPOOH基を持つ炭素数6〜22のアルカン及びアルケン;末端にSOOH基を持つ炭素数6〜22のアルカン及びアルケン;及び、末端にNH基を持つ炭素数6〜22のアルカン及びアルケンが挙げられる。
【0036】
具体的に、この分散剤としては、オレイルアミン、オレイン酸(oleic acid)、ステアリン酸(stearic acid)、パルミチン酸(palmitic acid)、へキシルホスホン酸(hexyl phosphonic acid)、n−オクチルホスホン酸(n−octyl phosphonic acid)、テトラデシルホスホン酸(tetradecyl phosphonic acid)、オクタデシルホスホン酸(octadecyl phosphonic acid)、n−オクチルアミン(n−octyl amine)、ヘキサデシルアミン(hexadecyl amine)などが挙げられる。
【0037】
(b)段階では、このようにして製造された半導体ナノ結晶を、金属粒子形成のための第2の金属前駆体と混合したのち第2の金属前駆体を還元して、半導体ナノ結晶に金属粒子を結合させる。
【0038】
本発明の製造方法において、上記(b)段階の第2の金属前駆体は、有機溶媒に溶解可能で該当する金属錯体、例えば金属の有機または無機の金属錯体を溶媒及び分散剤に入れ溶解させたものであり、第2の金属前駆体の形成に用いられる金属としては、ナノ結晶の表面に結合可能な金属ならいずれも可能であり、具体的には、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Ni、Fe、およびCoからなる群より選ばれる。
【0039】
これに該当する有機金属錯体の例には、ジ−n−ブチル錫ジアウラート、酢酸銀、銀シクロヘキサネブチラート(Silver cyclohexanebutyrate)、銀2−エチルヘキサノアート、トリフルオロ酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト銀、トリメチルホスフィン(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)銀、ビニルトリエチルシラン(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)銀、ビス(N,N’−ジ−sec−ブチルアセトアミジナト)ジ銅(Cu)、ビス(6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフルオロ−2,2−ジメチル−3,5−オクタンジオナート)銅、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)銅、ビス(トリフェニルホスフィン)銅ニトラート、ブロモ(1,10−フェナントロリン)(トリフェニルホスフィン)銅、銅(I)アセタート、銅(II)アセタート、銅(II)アセチルアセトナート、銅イソブチラート、銅シクロヘキサンブチラート、銅エチルアセトアセタート、銅2−エチルヘキサノアート、ギ酸銅、グルコ酸銅、銅ヘキサフルオロアセチルアセトナート、銅ヘキサフルオロアセチルアセトナート、ナフテン酸銅、銅ネオドデカノアート、銅フェニルアセチラード、銅フタロシアニン、銅(II)トリフルオロアセチルアセトナート、銅(II)トリフルオロメタンスルホナート、シクロペンタジエニル(トリエチルホスフィン)銅、(1,10−フェナントロリン)ビス(トリフェニルホスフィン)銅ニトラートジクロロメタン、テトラキス(アセトニトリル)銅ヘキサフルオロフォスファート、トリメチルホスフィン(ヘキサフルオロアセチルアセトナート)銅、ビス(エチレンジアミン)プラチニウムクロリド、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)プラチニウム、1,1−シクロブタンジカルボキシラートジアミンプラチニウム、ジブロモ(1,5−シクロオクタジエン)プラチニウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)プラチニウム、シス−ジクロロビス(ジエチルスルフィド)プラチニウム、シス−ジクロロビス(ピリジン)プラチニウム、シス−ジクロロビス(トリエチルホスフィン)プラチニウム、シス−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)プラチニウム、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)プラチニウム、ジ−μ−クロロ−ジクロロビス(エチレン)ジプラチニウム、ジクロロ(ジシクロペンタジエニル)プラチニウム、ジ−μ−ヨードビス(エチレンジアミン)ジプラチニウムニトラート、ジヨード(1,5−シクロオクタジエン)プラチニウム、ヨードトリメチルプラチニウム、プラチニウムアセチルアセトナート、プラチニウムヘキサフルオロアセチルアセトナート、(トリメチル)シクロペンタジエニルプラチニウム、(トリメチル)メチルシクロペンタジエニルプラチニウム、ポタシウムビス(オキサラト)プラチナート、ポタシウムトリクロロ(エチレン)プラチナート、アリルパラジウムクロリドダイマー、ビス(アセタト)トリフェニルホスフィンパラジウム、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロへキシルホスフィン)パラジウム、ジ(アセタト)ジシクロへキシルフェニルホスフィンパラジウム、ジ−ブロモビス(トリ−t−ブチルホスフィノ)ジパラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ジクロロ(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)パラジウム、ジクロロ(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)パラジウム、トランス−ジクロロビス(トリシクロへキシルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トランス−ジクロロビス(トリ−o−トルイルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、パラジウムアセタート、パラジウムアセチルアセトナート、パラジウムトリフルオロアセタート、テトラキス(アセトニトリル)パラジウムテトラフルオロボラート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンニッケルクロリド、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンニッケルクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(i−プロピルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタジオナト)ニッケル、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルブロミドビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジカルボニル、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ニッケル、ニッケルアセタート、ニッケルアセチルアセトナート、ニッケルシクロヘキサンブチラート、ニッケル2−エチルヘキサノアート、ニッケルヘキサフルオロアセチルアセトナート、ニッケルヒドロキシアセタート、ニッケルナフテナート、ニッケルオキサラート、ニッケルフタロシアニン、ニッケルステアラート、ニッケルトリフルオロアセチルアセトナート、ビス(シクロペンタジエニル)コバルト、ビス(N,N’−ジ−i−プロピルアアセトアミジナト)コバルト、コバルトアセタート、コバルトアセチルアセトナート、コバルトカルボナート、コバルトシトラート、コバルトシクロヘキサンブチラート、コバルト2−エチルヘキサノアート、コバルトフタロシアニン、コバルトステアラート、シクロペンタジエニルコバルトジカルボニル、ソジウムコバルトカルボラン、ソジウム(シクロペンタジエニル)トリス(ジメチルホスフィット)コバルタート、ビス(シクロペンタジエニル)アイロン、ビス(エチルシクロペンタジエニル)アイロン、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)アイロン、ビス(i−プロピルシクロペンタジエニル)アイロン、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)アイロン、シクロヘキサジエンアイロントリカルボニル、アイロンアセタート、アイロンアセチルアセトナート、アイロンフタロシアニン、アイロンi−プロポキシド、アイロンステアラート、アイロントリフルオロアセチルアセトナートなどが挙げられるが、これに制限されることはない。
【0040】
これに該当する無機金属錯体の例には、アンモニウムテトラクロロアウラート(ammonium tetrachloroaurate)、ハイドロゲンテトラブロモアウラート、ハイドロゲンテトラクロロアウラート、ポタシウムジシアノアウラート、ポタシウムテトラブロモアウラート、ポタシウムテトラクロロアウラート、ソジウムテトラブロモアウラート、臭化銀、炭酸銀、塩化銀、クロム酸銀、シアン化銀、銀(I)フルオリド、銀(II)フルオリド、銀ヘキサブロモカーボネート、銀ヘキサフルオロアンチモナート、銀ヘキサフルオロアルセナート、銀ヘキサフルオロフォスファート、ヨウ化銀、硝酸銀、銀ペルクロラート、銀ペルクロラートモノヒドラート、過レニウム酸銀(Silver perrhenate)、リン酸銀、硫酸銀、テルル化銀、テトラフルオロホウ酸銀、チオシアン化銀、タングステン酸銀、銅(I)ブロミド、銅(II)ブロミド、炭酸銅、塩化銅(I)、塩化銅(II)、シアン化銅、フッ化銅(II)、ヨウ化銅、硝酸銅、銅、過塩素酸銅、硫酸銅、無水銅テトラフルオロボラート、銅(I)チオシアナート、テトラアミン銅スルファート、アンモニウムヘキサクロロプラチナート、アンモニウムテトラクロロプラチナート、バリウムテトラシアノプラチナート、クロロプラチン酸ヘキサヒドラート、ジアミンプラチニウムニトリト、ジクロロジアミンプラチニウム、ジハイドロゲンヘキサヒドロキシプラチナート、プラチニウムブロミド、プラチニウムクロリド、プラチニウムシアニド、プラチニウムヨージド、テトラアミンプラチニウムクロリド、テトラアミンプラチニウム、テトラアミンプラチニウムニトラート、テトラクロロジアミンプラチニウム、テトラキス(トリフルオロホスフィン)プラチニウム、ポタシウムヘキサブロモプラチナート、ポタシウムヘキサクロロプラチナート、ポタシウムヘキサシアノプラチナート、ポタシウムテトラブロモプラチナート、ポタシウムテトラクロロプラチナート、ポタシウムテトラシアノプラチナート、ポタシウムテトラニトロプラチナート、ポタシウムトリクロロアミンプラチナート、ソジウムヘキサクロロプラチナートヘキサヒドラート、ソジウムテトラクロロプラチナート、ジアミンパラジウムニトリト、トランス−ジクロロジアミンパラジウム、パラジウムブロミド、パラジウムクロリド、パラジウムシアニド、パラジウムヨージド、パラジウムニトラート、テトラアミンパラジウムニトラート溶液、テトラアミンパラジウムテトラクロロパラダート、ヘキサアミンニッケルクロリド、ヘキサアミンニッケルヨージド、ニッケルブロミドニッケルカルボナート、ニッケルカルボニル、ニッケルクロリド、ニッケルフルオリド、ニッケルヨージド、ニッケルニトラート、ニッケルペルクロラート、ニッケルテトラフルオロボラート、ニッケルチオシアナート、ポタシウムヘキサフルオロニッケラート、ポタシウムテトラシアノニッケラートヒドラート、コバルトブロミド、コバルトカルボニル、コバルトクロリド、コバルトフルオリド、コバルトヨージド、コバルトニトラート、コバルトペルクロラート、コバルトホスファート、コバルトチオシアナート、ヘキサアミンコバルトクロリド、テトラコバルトドデカカルボニル、ポタシウムヘキサシアノコバルタート、ソジウムヘキサニトリトコバルタート、アイロンブロミドアイロンクロリド、アイロンドデカカルボニルアイロンフルオリド、アイロンヨージド、アイロンニトラート、アイロンノナカルボニル、アイロンペンタカルボニル、アイロンペルクロラート、アイロンテトラフルオロボラートなどが挙げられるが、これに制限されることはない。
【0041】
本発明の製造方法で、上記(b)段階の第2の金属前駆体形成に用いられる溶媒には、トルエン(toluene)、クロロホルム(chloroform)、ヘキサン(hexane)、オレイルアミン(oleylamine)、トリオクチルアミン(trioctylamine)、オクタデセン(octadecene)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)及びオクチルエーテル(octylether)などが挙げられる。これらは、1種で、または2種以上混合して用いることができる。
【0042】
本発明の製造方法で、上記(b)段階の第2の金属前駆体形成に用いられる分散剤は、オレイルアミン、オレイン酸(oleic acid)、ステアリン酸(stearic acid)、パルミチン酸(palmitic acid)、へキシルホスホン酸(hexylphosphonic acid)、n−オクチルホスホン酸(n−octylphosphonic acid)、テトラデシルホスホン酸(tetradecyl phosphonic acid)、オクタデシルホスホン酸(octadecyl phosphonic acid)、トリオクチルホスフィン(trioctylphosphine)、トリオクチルホスフィンオキシド(trioctylphosphine oxide)、n−オクチルアミン(n−octyl amine)、ヘキサデシルアミン(hexadecyl amine)、へキシルチオール(hexyl thiol)、オクチルチオール(octyl thiol)、オクタデシルチオール(octadecyl thiol)などからなる群より選ばれるが、これに制限されることはない。
【0043】
本発明で第2の金属前駆体を還元する方法には、金属粒子を製造するための前駆体溶液に、前段階で合成された半導体ナノ結晶の溶液を加えて一定時間撹拌する方法などがある。このとき、反応温度は特に制限されず、別の加熱処理を行うことなく常温で反応を行っても本発明の半導体ナノ結晶−金属複合体を十分に合成することが可能である。
【0044】
本発明の半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法において、上記(b)段階の金属粒子は半導体ナノ結晶の表面に結合させることができる。
【0045】
そして、上記(b)段階で半導体ナノ結晶に結合する金属粒子の位置は特に制限されることはないが、図1に示すように、半導体ナノ結晶の角部分であるエッジ或いは末端などに優先して結合するとよい。
【0046】
本発明の半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法において、上記(b)段階で第2の金属前駆体の濃度や種類、反応時間を調節すると、半導体ナノ結晶の表面上に金属粒子が多量に還元されながら連続的あるいは不連続的な金属粒子層が形成される。この場合、半導体ナノ結晶のコアと金属粒子のシェルからなるコア−シェル構造が形成できる。このように形成されたコア−シェル構造の半導体金属複合体の構造を、図2に示す。
【実施例】
【0047】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は、本発明を説明するためのもので、本発明を制限するためのものではない。
【0048】
(実施例1.球形半導体ナノ結晶−金属複合体(CdSeS/Au)の合成)
トリオクチルアミン(trioctylamine、以下、「TOA」という。)16gとオレイン酸(Oleic acid)0.5g、酸化カドミウム0.4mmolを同時に還流コンデンサの設置されている100mLフラスコに入れ、これを撹拌しながら反応温度を300℃に調節してカドミウム前駆体溶液を形成した。
【0049】
これとは別に、Se粉末はトリオクチルホスフィン(trioctylphosphine:以下、「TOP」という。)に溶かして、Se濃度0.1M程度のSe−TOP錯体(complex)溶液を作り、S粉末はTOPに溶かしてS濃度4M程度のS−TOP錯体溶液を用意した。
【0050】
カドミウム前駆体溶液に、S−TOP錯体溶液0.5mLとSe−TOP錯体溶液0.5mLの混合物を速い速度で注入し、4分程度さらに撹拌してCdSeSナノ結晶を形成した。
【0051】
ハイドロゲンテトラクロロアウラート(HAuCl)0.017gをテトラヒドロフラン(Tetrahydrofuran:以下、「THF」という。)に溶かし、オレイルアミン(Oleyl amine:以下、「OAm」という。)4mLをさらに加えてゴールド前駆体溶液を製造した。この溶液に、合成したCdSeS 1wt%トルエン溶液1mLを加え、常温で3時間撹拌してCdSeS/Au半導体ナノ結晶−金属複合体を形成した。このCdSeS/Au半導体ナノ結晶−金属複合体の透過電子顕微鏡写真を、図3に示す。図3に示すように、球形半導体ナノ結晶の表面に一つ以上の金属粒子が結合して複合体が形成されたことが確認できる。
【0052】
(実施例2.棒形半導体ナノ結晶−金属複合体(CdSe/Au)の合成)
トリオクチルホスフィンオキシド(trioctylphosphine:以下、「TOPO」という。)2.2gとオクタデシルホスホン酸(Octadecylphosphonic acid)1.07g、酸化カドミウム0.205gを同時に還流コンデンサの設置されている100mLフラスコに入れ、これを撹拌しながら反応温度を330℃に調節してカドミウム前駆体溶液を形成した。
【0053】
これとは別に、Se粉末0.063g、トリブチルホスフィン(tributylphosphine:以下、「TBP」という。)0.23mLとTOP 1.74mLとトルエン0.3mLを混合し溶かしてSe錯体溶液を用意した。上記カドミウム前駆体溶液に、Se錯体溶液を注入しながら、反応温度を280℃に下げ、6分程度撹拌してCdSeナノ結晶(棒形)を形成した。
【0054】
ハイドロゲンテトラクロロアウラート(HAuCl)0.017gをTHFに溶かし、OAm 4mLを加えてゴールド前駆体溶液を製造した。この溶液に、上記合成したCdSeナノ結晶1wt%トルエン溶液1mLを加え、常温で3時間撹拌してCdSe/Au半導体ナノ結晶−金属複合体を形成した。この棒形CdSe/Au半導体ナノ結晶−金属複合体の透過電子顕微鏡写真を、図4に示す。
【0055】
また、得られた半導体ナノ結晶−金属複合体のSTEM写真を図5aに示し、半導体ナノ結晶−金属複合体の成分をEDS分析した結果を、図5bに示す。図5bに示すように、半導体ナノ結晶−金属複合体ではCd、Se、Auの成分が分析された。
【0056】
(実験例1.球形半導体ナノ結晶−金属複合体の特性評価)
球形半導体ナノ結晶−金属複合体の特性を評価するために、実施例1で製造された球形半導体ナノ結晶−金属複合体と、第2の金属前駆体と反応していない半導体ナノ結晶(QD)のそれぞれの粒子形成反応が終結すると、反応混合物の反応温度をできるだけ速く常温に低下させ、非溶媒(non solvent)であるエタノールを加えて遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿物以外の上澄液を捨て、沈殿物はトルエンに1wt%程度に分散させた。このようにして合成されたCdSeSナノ結晶と、CdSeS/Au半導体ナノ結晶−金属複合体溶液のそれぞれに対して吸収スペクトルと光励起発光スペクトル(photoluminescence)を測定し、図6及び図7にそれぞれ示す。
【0057】
CdSeSナノ半導体の場合、最初の吸収最大波長は580nmで現れ、発光強度の最大点は約598nmで現れ、半値幅(Full width half maximum)は約30nmで現れたのに対し、CdSeS/Au半導体ナノ結晶−金属複合体は、最初の吸収最大波長は582nmで現れ、発光強度は10倍も増加して表したが、発光特性がほとんど現れなかった。
【0058】
(実験例2.棒形半導体ナノ結晶−金属複合体の特性評価)
棒形半導体ナノ結晶−金属複合体の特性を評価するために、実施例2で製造された棒形半導体ナノ結晶−金属複合体と、第2の金属前駆体と反応していない半導体ナノ結晶(QD)それぞれの粒子形成反応が終結すると、反応混合物の反応温度をできるだけ速く常温に低下させ、非溶媒(non solvent)であるエタノールを加えて遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿物以外の上澄液を捨て、沈殿物はトルエンに1wt%程度に分散させた。このようにして合成された棒形CdSeナノ結晶と、CdSe/Au半導体ナノ結晶−金属複合体溶液のそれぞれに対して吸収スペクトルを測定し、図8に示す。
【0059】
棒形CdSeナノ半導体の場合、最初の吸収最大波長は570nmで現れたのに比べ、棒形CdSe/Au半導体ナノ結晶−金属複合体は、最初の吸収最大波長が別に現れなかった。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1a】本発明の半導体ナノ結晶が球形の場合に形成されうる半導体ナノ結晶−金属複合体構造の模式図である。
【図1b】本発明の半導体ナノ結晶が棒形である場合に形成されうる半導体ナノ結晶−金属複合体構造の模式図である。
【図1c】本発明の半導体ナノ結晶がトリポッド及びテトラポッド型である場合に形成されうる半導体ナノ結晶−金属複合体構造の模式図である。
【図2】本発明の半導体ナノ結晶上に結合した金属粒子が層をなすコアシェルタイプの半導体ナノ結晶−金属複合体構造の模式図である。
【図3】実施例1で得られた半導体ナノ結晶−金属複合体の透過電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例2で得られた半導体ナノ結晶−金属複合体の透過電子顕微鏡写真である。
【図5a】実施例2で得られた半導体ナノ結晶−金属複合体のSTEM写真である。
【図5b】実施例2で得られた半導体ナノ結晶−金属複合体のEDS分析結果である。
【図6】実験例1で得られた半導体ナノ結晶及び半導体ナノ結晶−金属複合体溶液のそれぞれに対する吸収スペクトルである。
【図7】実験例2で得られた半導体ナノ結晶及び半導体ナノ結晶−金属複合体溶液のそれぞれに対する光励起発光スペクトルである。
【図8】実験例2で得られた半導体ナノ結晶及び半導体ナノ結晶−金属複合体溶液のそれぞれに対する吸収スペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ナノ結晶に、少なくとも一つの金属粒子が結合してなることを特徴とする半導体ナノ結晶−金属複合体。
【請求項2】
前記半導体ナノ結晶の形態は、球形、正4面体、円筒形、棒形、三角形、円板形、トリポッド、テトラポッド、キューブ、ボックス、スター、およびチューブからなる群より選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体。
【請求項3】
前記金属粒子は、前記半導体ナノ結晶の表面に結合してなることを特徴とする請求項1に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体。
【請求項4】
前記金属粒子は、前記半導体ナノ結晶のエッジあるいは末端に結合してなることを特徴とする請求項1に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体。
【請求項5】
前記金属粒子は、前記半導体ナノ結晶を取り囲んで連続した層を形成してなることを特徴とする請求項1に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体。
【請求項6】
前記半導体ナノ結晶−金属複合体は、前記半導体ナノ結晶から構成されたコアと、前記金属粒子から構成されたシェルとからなるコア−シェル形態を有することを特徴とする請求項5に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体。
【請求項7】
前記金属粒子は、金属ナノ粒子であることを特徴とする請求項1に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体。
【請求項8】
前記半導体ナノ結晶を構成する物質が、II−VI族、III−V族、IV−VI族及びIV族半導体化合物とこれらの混合物からなる群より選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体。
【請求項9】
前記半導体ナノ結晶を構成する物質が、Si、Ge、Sn、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、PbS、PbSe、PbTe、AlN、AlP、AlAs、GaN、GaP、GaAs、InN、InP、InAs、CdSeS及びこれらの混合物からなる群より選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体。
【請求項10】
前記金属粒子は、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Ni、Fe及びCoからなる群より選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体。
【請求項11】
請求項1に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体を含む素子。
【請求項12】
(a)半導体ナノ結晶を合成する段階と、
(b)合成された半導体ナノ結晶を第2の金属前駆体と混合したのち、該第2の金属前駆体を還元させて半導体ナノ結晶に金属粒子として結合させる段階と、を含むことを特徴とする半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法。
【請求項13】
前記(b)段階において、前記金属粒子は、前記半導体ナノ結晶の表面に結合することを特徴とする請求項12に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法。
【請求項14】
前記(b)段階において、前記第2の金属前駆体は、有機溶媒に溶解可能な金属錯体を溶媒及び分散剤に入れて反応させて形成することを特徴とする請求項12に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法。
【請求項15】
前記(b)段階の反応を常温で行うことを特徴とする請求項12に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法。
【請求項16】
前記(b)段階において、前記金属粒子は、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Ni、Fe、およびCoからなる群より選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項12に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法。
【請求項17】
前記溶媒は、トルエン、クロロホルム、ヘキサン、オレイルアミン、トリオクチルアミン、オクタデセン、テトラヒドロフラン及びオクチルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項14に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法。
【請求項18】
前記分散剤は、オレイルアミン、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、へキシルホスホン酸、n−オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、トリオクチルホスフィン、トリオクチルホスフィンオキシド、n−オクチルアミン、ヘキサデシルアミン、へキシルチオール、オクチルチオール及びオクタデシルチオールからなる群より選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項14に記載の半導体ナノ結晶−金属複合体の製造方法。
【請求項19】
請求項12の方法によって製造された半導体ナノ結晶−金属複合体。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【公開番号】特開2007−307702(P2007−307702A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122635(P2007−122635)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】