説明

半導体回路の故障検出方法およびこれを用いた故障検出装置

【課題】被テスト回路の可変電圧と入力電圧のレベルを可変して、テスト時の誤動作をなくして電流を測定し、故障を検出する。
【解決手段】被テスト回路の電源供給端子に時間経過とともに変化する可変電圧を供給する電源回路と、電源回路の出力端子に一方の端子が接続され、他方の端子が被テスト回路の電源供給端子に接続され、電源回路から供給される可変電圧に対応して被テスト回路に流れる電流を計測する電流計と、被テスト回路の入力端子に上記電源回路から出力される可変電圧より低くかつ時間経過とともに変化する電圧を供給する入力信号供給部と、被テスト回路に流れる電流を電流計で検出し、検出した電流に基いてこの被テスト回路の故障を検出する制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体回路の故障検出方法およびこれを用いた故障検出装置に関し、特に半導体回路にランプ波形の可変電圧を印加しながら電流を測定して故障を検出する電流テストに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路のテスト方法(故障検出方法)として電流テスト方法が知られている。
この方法のうち、静的電流(IDDQ)テストと呼ばれる方法においては、回路を動作させて外部入力にテスト入力信号を印加した後の安定状態で静的電流を計測する。
またこの手法を拡張した方法として、電源電圧をランプ状に可変しながら、被テスト回路に流れる電源電流を計測する電流テストが開示されている。
【0003】
図14に、従来の固定の電源電圧に代わりランプ波形の可変電圧を印加して、静的電流を計測する半導体回路の故障検出装置200のブロック構成の例を示す。被テスト回路201の可変電圧VDD(t)を供給する電源供給端子T2cには電流計203の一方の端子が接続され、この電流計203の他方の端子は電源回路202の一方の端子(電源供給端子)に接続される。電源回路202の他方の端子は、グランド(GND)に接続される。
被テスト回路201の入力端子T1cにテスト入力信号などが印加される。しかしながら、ランプ波形の可変電圧VDD(t)が被テスト回路201に供給されて静的電流を測定する電流テストにおいては、入力端子T1cに印加される信号または電圧は明確に開示されていない。
【0004】
次に半導体回路の故障検出装置200の動作を図15(a),(b)を用いて説明する。
図15(a)は、横軸に時間を示し、縦軸に電源回路202から出力されるVDD(t)可変電圧を示す。時刻t0からt1にの期間、電源回路202から電流計203を介して被テスト回路201の電源供給端子T2cに電圧V0(たとえば0[V])が印加される。時刻t1になると、電源供給端子T2cにランプ波形の可変電圧VDD(t)が印加される。時刻t1からt2の期間、電圧は直線状に上昇し、時刻t2で一定になる。
しかしながら、図15(b)に示すように、この期間の被テスト回路201の入力端子T1cに印加される入力信号または入力電圧は規定されておらず、任意である(×印で表す)。従来は、例えば被テスト回路201が論理回路であると、“H”(ハイレベル;例えば電源電圧)、または“L”(ローレベル;例えばグランドGND)に設定される。
このように、入力端子T1cに印加される入力電圧を一定にした状態において、可変電圧VDD(t)を変化して電流計203に流れる静的電流を測定し、この電流値に基づき被テスト回路201が正常かまたは故障かを検出していた。
【0005】
次に、図16に非特許文献1に示す他の半導体回路の故障検出装置の具体例を示す。この非特許文献1は、被テスト回路にLNA(Low Noise Amplifier)回路300を用いた例であり、LNA回路300にランプ波形の可変電圧を印加してそのランプ波形の電圧に応じて静的電流を測定する技術が開示してある。
【0006】
図16に示すLNA回路300はCMOSで構成されたRF(Radio Frequency;無線周波数)増幅回路である。
NMOSトランジスタQ2,Q3で差動型の増幅回路を構成し、NMOSトランジスタQ1はこの増幅回路の定電流源を構成し、PMOSトランジスタQ4,Q5はNMOSトランジスタQ2,Q3に対するアクティブ負荷を構成する。
また、PMOSトランジスタQ4,Q5のソースは電源供給端子に接続され、ランプ波形の電源電圧Vddが印加される。
NMOSトランジスタQ2のゲートには抵抗R1aの一端が接続され、この抵抗R1aの他端には基準電圧Vcomが印加される。同様に、NMOSトランジスタQ3のゲートには抵抗R2aの一端が接続され、この抵抗R2aの他端には基準電圧Vcomが印加される。また、NMOSトランジスタQ2のゲートには入力電圧(信号)Vinnが供給され、またNMOSトランジスタQ3のゲートには入力電圧(信号)Vinpが供給される。
なお、このLNA回路において、たとえば電源電圧Vddは1.8[V]、ゲート電圧(基準電圧Vcom)は0.8[V]にそれぞれ設定されている。
このLNA回路300において、電源電圧Vddを1.8[V]とし、またゲート電圧を0.8[V]と一定としたときの、利得(Gain)、1dBコンプレッションレベル、IP3(3次インターセプトパワーポイント)、N.F(雑音指数;ノイズフィギュアー)などの電気的特性が開示されている。
【0007】
図17(a)に、LNA回路300の電源電圧Vddをランプ波形の可変電圧としたときの、時間(time)に対する電圧の変化を示す。
水平軸は、上記電源電圧Vddに対して3つの領域に分けられ、この領域はサブスレッショールド領域、リニア領域と飽和領域で構成される。なおテスト条件については、電源電圧Vddはランプ状に可変するが、外部入力端子からこのLNA回路300に供給する基準電圧Vcomについては全く規定してない。
図17(b)に、LNA回路300に流れる静的電流Iddと印加される電源電圧Vddの関係を示す。静的電流Iddは、電源電圧Vddに対応して3つの領域、領域A、領域B、領域Cに分けられる。
【0008】
このように、電源電圧Vddをランプ状に可変しながら電源電流を測定する電流テスト法が開示されているが、テスト用の入力印加電圧または信号については全く開示されていない。
【0009】
【特許文献1】特開平11−211788号公報
【非特許文献1】Jose Pineda de Gyvez,Guido Gronthoud and Rashid Amine,“VDD Ramp Testing for RF Circuits”,ITC INTERNATIONAL TEST CONFERENCE,Paper26.1,pp651−658,2003 IEEE。
【非特許文献2】S.Somayayula,E.Sanchez−Sinencio and J.Pineda de Gyvez,“Analog Fault Diagnosis based on Ramping Power Supply Current Signature”,IEEE Trans.On Circuits and Systems−II,Vol.43,no.10,pp703−712,October 1996.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、従来の電流テスト法においては、被テスト回路の電源電圧としての可変電圧を固定またはランプ状に設定するが、入力の印加電圧または信号が固定したままであるか、または不明であった。入力の印加電圧または信号が固定されると、電源電圧をランプ状に可変しても例えばCMOS回路においては例えば、リーク電流または貫通電流などをいろいろな条件で測定することができず、被テスト回路の正確な故障を検出できないという不利益があった。
本発明は、被テスト回路に供給する電源電圧と入力電圧を可変して、細かなテスト条件を設定してテスト時の誤動作や不適切な入力値の設定を回避することを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の半導体回路の故障検出装置は、被テスト回路の電源供給端子に時間経過とともに変化する可変電圧を供給する電源回路と、上記電源回路の出力端子に一方の端子が接続され、他方の端子が上記被テスト回路の電源供給端子に接続され、上記電源回路から供給される可変電圧に対応して上記被テスト回路に流れる電流を計測する電流計と、上記被テスト回路の入力端子に上記電源回路から出力される可変電圧より低くかつ時間経過とともに変化する入力電圧を供給する入力信号供給部と、上記被テスト回路に流れる電流を上記電流計で計測し、計測した電流に基いて該被テスト回路の故障を検出する制御部とを有する。
【0012】
本発明の半導体回路の故障検出方法は、被テスト回路の電源供給端子に時間経過とともに変化する可変電圧を供給するステップと、上記被テスト回路の入力端子に、上記可変電圧が供給される時またはその前後から該可変電圧より低く時間経過とともに変化する入力電圧を供給するステップと、上記被テスト回路の電源供給端子に前記可変電圧と前記被テスト回路の入力端子に入力電圧が供給される期間に時間経過とともに変化する電流を計測するステップと、上記被テスト回路に流れる電流に基いて該被テスト回路の故障を検出するステップとを有する。
【0013】
本発明の半導体回路の故障検出方法およびこれを用いた故障検出装置は、被テスト回路の電源供給端子に時間経過とともに変化する電源用の可変電圧を供給すると共に、被テスト回路の入力端子に電源用の可変電圧より低く時間経過とともに変化する入力信号用の可変電圧を供給し、被テスト回路に流れる電流を測定して、この測定結果に基いて被テスト回路の故障を検出する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の半導体回路の故障検出方法およびこれを用いた故障検出装置は、自動的に半導体回路の入力に供給される印加電圧を可変して、電源電圧と入力電圧または入力信号に関する細かな条件で電流テストが出来、正確な故障が検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態例である半導体回路の故障検出方法およびこれを用いた故障検出装置10について図1を用いて説明する。
この半導体回路の故障検出装置10は、可変電圧VDD(t)を供給する電源回路12、電流を測定する電流計13、被テスト回路11の入力端子に入力電圧(信号)を供給する可変抵抗R1(14),R2(15)で構成される。
可変抵抗R1の一方の端子は電源回路12の一方の端子(電圧出力端子)に接続され、この可変抵抗R1の他方の端子は被テスト回路11の入力端子T1と可変抵抗R2の一方の端子に接続される。可変抵抗R2の他方の端子はグランド(GND)に接続される。
被テスト回路11に可変電圧VDD(t)が供給される電源供給端子T2には電流計13の一方の端子が接続され、この電流計13の他方の端子は電源回路12の一方の端子に接続される。また、電源回路12の他方の端子は、グランドに接続される。
【0016】
図1に示すように、半導体回路の故障検出装置10は、電流計13を可変電圧VDD(t)の出力端子と被テスト回路11の電源供給端子T2の間に接続しているが、これ以外に、被テスト回路11の端子T3とグランド間に電流計13を接続してもよい。
【0017】
次に半導体回路の故障検出装置10の動作を図2(a),(b)を用いて説明する。図2(a)に時間経過に対する可変電圧VDD(t)の特性を示す。図2の示す特性図は、横軸に時間を示し、縦軸に電源回路12から出力される可変電圧VDD(t)を示す。時刻t0からt1まで例えばV0[V](たとえば0[V])に設定され、時刻t1になると、電源回路12から電流計13を介して被テスト回路11の電源供給端子T2へランプ波形の可変電圧VDD(t)が印加される。時刻t1からt2になるまで電圧は直線状に増加し、時刻t2で一定になる。
入力信号(電圧)供給部は、例えば電源回路12の出力端子とグランド間に直列接続された可変抵抗R1とR2で構成される。この可変抵抗R1とR2の共通接続点から入力電圧Vi(t)が発生し、被テスト回路11の入力端子T1に供給される。
このように、電源回路12から供給されるランプ波形の可変電圧VDD(t)が被テスト回路11に印加されるとそれに伴い入力端子T1にも可変電圧VDD(t)以下の入力電圧Vi(t)が供給される。
【0018】
図2(b)に示すように、ランプ波形の可変電圧VDD(t)に同期して入力(信号)電圧Vi(t)が発生する。入力電圧Vi(t)は時刻t1になると、可変電圧VDD(t)を可変抵抗R1とR2で分圧した電圧が入力端子T1に供給される。
入力電圧Vi(t)は時間t1〜t2の期間、下記のように表せる。
[数1]
Vi(t)={R2/(R1+R2)}*VDD(t)・・・(1)
(ただし、t1<=t<=t2;記号<=は、“〜以上”を表す)
ここで、*印は乗算記号を表す。
そして、時刻t2以後の測定期間中は一定電圧のVi(t)(t2<=t)が入力端子T1に供給される。
【0019】
このように、電源電圧をランプ波形の可変電圧VDD(t)とし、かつ被テスト回路11の入力端子T1に印加される入力電圧Vi(t)を可変電圧VDD(t)以下とすることで、入力電圧Vi(t)を可変しながら各時間における被テスト回路11に流れる電流を測定して、細かな動作条件における被テスト回路11の故障を検出することができる。
【0020】
図2において、可変抵抗R1とR2の比を一定にした状態で可変電圧VDD(t)を分圧して入力電圧Vi(t)を発生させたが、これ以外に、上述した時刻t1とt2の期間に、可変抵抗R1またはR2の一方の抵抗値、あるいは両方の可変抵抗R1とR2を時間経過とともに任意に可変することにより、鋸波形、任意のスロープと平坦を組み合わせた波形などを有する入力電圧Vi(t)を発生することもできる。このような、種々の波形を有する入力電圧Vi(t)を被テスト回路11の入力端子T1に供給することにより、ランプ波形以外の細かな入力電圧条件における電流テストを行うことができる。
【0021】
図3に、上述した入力電圧Vi(t)を任意の波形を発生した例を示す。図3(a)は、可変電圧VDD(t)の時間経過に対する波形を示し、図3(b)は可変抵抗R1,R2を時間経過と共に変化したときの波形を示す。
時刻t1から時刻t2の期間、可変抵抗R1/R2の比を一定としたときの入力電圧Vi(t)の波形を示す。
次に、時刻t1〜taの期間、可変抵抗R1/R2の比を一定とした時の入力電圧Vi(t)波形を直線b1に示す。ただし、この期間の可変抵抗の比R1/R2は直線aのときの可変抵抗の比R1/R2より小さいために、直線b1の傾斜が緩やかになっている。
時刻ta〜tbの期間、可変電圧VDD(t)は直線状に増加するが、入力電圧Vi(t)は、可変抵抗の比R1/R2を変化することにより直線状に減少する(直線b2)。このとき、可変抵抗R1を一定にして可変抵抗R2の値を増加して直線b2を示す入力電圧Vi(t)を実現できるが、これ以外に可変抵抗R1を減少させるに伴いR2を増加させて両者を同時に可変しても実現できる。本発明は、これらの変形例に限定されない。
時刻tb〜tcの期間、可変抵抗の比R1/R2を一定にして、直線b3を示す。なお、時刻t2以後は一定の入力電圧Vi(t)(t2<=t)とする。
このように、被テスト回路11の入力端子T1に入力する入力電圧Vi(t)は、可変抵抗R1とR2を用いて、時間経過に対して任意の波形の電圧を発生することができる。
【0022】
次に、半導体回路の故障検出方法について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップST1において、電源回路12から被テスト回路11の電源供給端子に時間経過とともに変化する可変電圧VDD(t)を供給する。例えば、時刻t0において所定の電圧V0とし、時刻t1から可変電圧VDD(t)の供給を開始する。この可変電圧VDD(t)は、たとえばランプ波形の可変電圧VDD(t)とする(図2参照)。
ステップST2において、上記被テスト回路11の入力端子に、上記可変電圧VDD(t)が供給される期間に該可変電圧VDD(t)より低い電圧を入力電圧Vi(t)(ただし、t1<=t<=t2の期間)として供給する。この入力電圧Vi(t)は入力信号供給部で発生する。上述したように、入力信号供給部は、例えば可変電圧VDD(t)を分圧した入力電圧Vi(t)(ただし、t1<=t<=t2の期間)を発生する。
また、この入力信号供給部は図1に示す構成に限定されず、入力電圧Vi(t)の波形はランプ波形以外にサイン波形、鋸波形などである。なお、他の入力信号供給部については後述する。
ステップST3において、上記被テスト回路11の電源供給端子T2に時間経過とともに変化する電圧に対応して流れる電流を電流計13を用いて計測する。
ステップST4で、上記被テスト回路11に流れる電流を計測し、この計測した電流に基いて該被テスト回路11の故障を不図示のCPU(マイクロコンピュータ;または制御回路)などを用いて検出する。
【0023】
このように、可変電圧VDD(t)が時間経過とともに変化し、それに伴い被テスト回路11の入力端子T1に可変電圧VDD(t)より低くかつ時間経過とともに変化する入力電圧Vi(t)を供給することにより、被テスト回路11の詳細な故障を検出することができる。
【0024】
次に、本発明の実施形態例の変形例である他の半導体回路の故障検出装置50について説明する。
図5に示す半導体回路の故障検出装置50は、図1に示す半導体回路の故障検出装置10の入力信号供給部以外は同じ構成である。半導体回路の故障検出装置10の入力信号供給部は、可変抵抗R1,R2で分割して、入力電圧Vi(t)を発生する構成となっていたが、図5に示す半導体回路の故障検出装置50の入力信号供給部は、NMOSトランジスタ54、可変抵抗55,56、入力可変電圧回路(Vcont(t))57、信号発生器(Sig)58などで構成される。
【0025】
電源回路52の出力端子は、電流計53の一方の端子に接続され、この電流計53の他方の端子は被テスト回路51の可変電圧が供給される電源供給端子T2aに接続される。また、電源回路52の他方の端子は、グランド(GND)に接続される。
電源回路52の出力端子は可変抵抗55の一方の端子に接続され、可変抵抗55の他方の端子はNMOSトランジスタ54のドレインと被テスト回路51の入力端子T1aに接続される。NMOSトランジスタ54のソースは可変抵抗56の一方の端子に接続され、ゲートはACまたはパルス信号を発生する信号発生器58の一方の端子に接続される。また、可変抵抗56の他方の端子はグランドに接続される。
そして、ACまたはパルス信号を発生する信号発生器58の他方の端子は入力可変電圧回路57を介してグランドに接続される。この信号発生器58はサイン波形、台形波形、鋸波形などの種々の信号を発生する。入力可変電圧回路57からは、例えばランプ波形の電圧を発生するが、信号発生器58を含めた構成にしても良い。この場合は、信号発生器58を省略する。
【0026】
次に、半導体回路の故障検出装置50の動作について説明する。図6(a)に電源電圧の可変電圧VDD(t)と入力電圧Vi(t)の特性図を示す。この特性図は、横軸に時間を示し、縦軸に電源回路52の出力電圧を示す。時刻t0からt1まで例えばV0[V]で、時刻t1になると、電源回路52から電流計53を介して被テスト回路51の電源供給端子T2aへランプ波形の可変電圧VDD(t)が印加される。時刻t1からt2になるまで電圧は直線状に上昇し、時刻t2になると一定になる。
一方、入力可変電圧回路57において、信号発生器58から所定の電圧から直線状に減衰させる可変電圧VDD(t)とは逆位相のランプ波形を発生させ、時刻t1からtaの期間はサイン波形がランプ波形に重畳され、時刻taからt2の期間は鋸波形の信号がランプ波形に重畳されてNMOSトランジスタ54のゲートに入力され、このNMOSトランジスタ54のドレインを介して入力端子T1aに供給される。その時の入力電圧Vi(t)を図6(b)に示す。
【0027】
さらに、図5で示したNMOSトランジスタ54からの出力をドレインに代わって、ソースから取り出してもよい。このとき、入力電圧Vi(t)の位相は可変電圧VDD(t)と同じ位相のランプ波形とする。
【0028】
このように、被テスト回路51の入力端子T1aには入力可変電圧回路57から時間経過とともに変化する電圧に信号発生器58ランプ波形から発生するACやパルス信号を重畳した信号を増幅器を介して被テスト回路51に入力電圧Vi(t)として供給する。
そして、可変電圧VDD(t)とこの入力電圧Vi(t)に対応して被テスト回路51に流れる電流を電流計53で計測する。この測定した電流に基いて不図示のCPUや制御回路を用いて電圧と電流の関係から、被テスト回路51の配線不良、リーク電流などの素子不良に関する故障モードを検出する。
したがって、図5に示す半導体回路の故障検出装置50は、図1に示した半導体回路の故障検出装置10よりさらに詳細な故障を検出できる。この具体例については後述する。
【0029】
次に、図1の半導体回路の故障検出装置10として、被テスト回路11にレベルシフト回路を用いたときの電流を計測し故障を検出する具体例を示す。
まず、図7にレベルシフト回路100の具体回路構成を示す。レベルシフト回路100はCMOSで構成され、低電圧で動作するインバータINV0(110)、INV1(111)と、高電圧で動作するNMOSトランジスタ103,106とPMOSトランジスタ101,102,104,105とインバータINV2(112)で構成される。なお図7において、可変電圧VDD(t)が供給される端子を電源端子(VDD)と表す。
【0030】
インバータINV0の入力に入力電圧Vi(t)が供給される。このインバータINV0の出力端子は、NMOSトランジスタ103のゲートとPMOSトランジスタ102のゲートとインバータINV1の入力端子に接続される。NMOSトランジスタ103のドレインはPMOSトランジスタ102のドレインとPMOSトランジスタ104のゲートに接続され、このNMOSトランジスタ103のソースはグランド(GND)に接続される。PMOSトランジスタ102のソースはPMOSトランジスタ101のドレインに接続される。PMOSトランジスタ101のソースは電源端子(VDD)に接続され、ゲートはNMOSトランジスタ106のドレインとPMOSトランジスタ105のドレインとインバータINV2の入力端子に接続される。
インバータINV1(111)の出力端子は、NMOSトランジスタ106のゲートとPMOSトランジスタ105のゲートに接続される。NMOSトランジスタ106のソースはグランドに接続され、ドレインはPMOSトランジスタ105のドレインとインバータINV2の入力端子に接続される。PMOSトランジスタ105のソースはPMOSトランジスタ104のドレインに接続され、PMOSトランジスタ104のソースは電源端子(VDD)に接続される。そして、インバータINV2の出力端子から、レベル変換された出力信号が導出される。
なお、図7において、PMOSトランジスタ105が劣化したときは、例えばソースとドレインに等価抵抗120を接続して、このPMOSトランジスタ105が劣化していることを表す。
【0031】
次に、レベルシフト回路100の動作について説明する。
図8に、図7に示したレベルシフト回路100におけるPMOSトランジスタ105のソースとドレイン間に接続された等価抵抗120を削除し、全ての素子が正常であるときの通常動作を示す。このとき、VDDT(t)は一定で例えば4.0[V]とし、入力信号(入力電圧)Vi(t)をパルス波形の“L”レベルを0[V]、“H”レベルを4.0[V]としたときの、入力信号と出力信号を示す。
【0032】
時刻t0からt1まで入力信号は“H”レベルで、インバータINV0の出力は“L”レベルとなるので、PMOSトランジスタ102とNMOSトランジスタ103の共通ゲートの電圧は“L”レベルとなる。
それに伴い、NMOSトランジスタ103はオフし、PMOSトランジスタ102はオン状態となる。また、インバータINV0の出力は“L”レベルであるので、インバータINV1の出力は“H”レベルとなり、その結果、NMOSトランジスタ106はオンし、PMOSトランジスタ105はオフ状態となる。
NMOSトランジスタ106のドレインが“L”レベルとなるので、この値がPMOSトランジスタ101のゲートに帰還されPMOSトランジスタ101はオンする。そして、PMOSトランジスタ102はオンする。
PMOSトランジスタ102のドレインの“H”レベルの信号が、PMOSトランジスタ104のゲートに入力され、PMOSトランジスタ104はオフする。また、インバータINV1の出力は“H”レベルであるので、PMOSトランジスタ105はオフする。
すなわち、PMOSトランジスタ104,105はオフし、NMOSトランジスタ106はオンしているので、インバータINV2の入力は“L”レベルとなり、出力(OUT)は“H”レベルとなる。
【0033】
時刻t1になると、入力信号は“L”レベルとなり、PMOSトランジスタ102とNMOSトランジスタ103の共通ゲートの電圧(端子INの電圧)は“H”レベルとなる。
この入力信号の条件において、各N,PMOSトランジスタとインバータの動作は上述した動作と逆になり、その結果、インバータINV2の出力は“L”レベルとなる。以下同様に、入力信号に応じて、同様な動作が繰り返される。その波形を図8(a),(b)に示す。
【0034】
図9に、故障回路の通常動作における入力信号と出力信号の波形を示す。このときの故障回路として、図7に示したレベルシフト回路100を用いた。図7に示すように、レベルシフト回路100の出力段のPMOSトランジスタ105が故障していると仮定する。これを等価的に示すためにPMOSトランジスタ105のソースとドレイン間に等価抵抗120を並列接続する。
なお、このときの電圧条件は、可変電圧VDD(t)(電源電圧)を4.0[V]とし、入力信号を図8と同様に、“L”レベル(0[V])と“H”レベル(4.0[V])を繰り返すパルスとする。
その結果、図9(a),(b)は、正常回路の波形を示す図8(a),(b)と比較して、入力信号に対する出力電圧の波形の差は判別できない。このように、レベルシフト回路100に故障回路があっても、従来の通常動作では回路の故障検出ができない。
【0035】
図10に、被テスト回路11に図7のレベルシフト回路100(図7において等価抵抗120が存在しないときの回路構成)を用いたときの電流テストに関するシミュレーション結果を示す。
所定の傾斜を持つランプ波形の可変電圧VDD(t)を電源端子(VDD)に供給し(図10(a)参照)、これに伴い、インバータINV0の入力にも入力電圧Vi(t)を供給し、INV0を介してレベルシフト回路100のPMOSトランジスタとNMOSトランジスタ103の共通接続点である入力端子に供給される(図10(b)においては端子(IN)の電圧を示す)。
図10(c)に、可変電圧VDD(t)と入力電圧Vi(t)(または端子INにおける電圧)の時間経過と共にレベルシフト回路100に流れる電流IDDの波形を示す。
その結果、このレベルシフト回路100の流れる電流IDDは、可変電圧VDD(t)と入力電圧Vi(t)の増加に伴い、単調に増加し急激な増加点は計測されない。すなわち、このレベルシフト回路100は正常と検出される。
【0036】
次に、図1の半導体回路の故障検出装置10において、レベルシフト回路100(図7)の出力段のPMOSトランジスタ105が故障していると仮定したときの、シミュレーション結果を図11に示す。
図11(a),(b)に示すように、可変電圧VDD(t)と入力電圧Vi(t)(端子INにおける電圧)は図10と同一とする。
しかしながら、図11(c)に示すように、時刻t1とt2の期間(約14.5μs(マイクロ秒)に電流IDDが急に増加し、その後単調に増加している。すなわち、図9の通常の動作条件では急激な電流の変化は計測できなかったが、本発明における電流テストにおいては、ある可変電圧VDD(t)と入力電圧Vi(t)の条件により、電流IDDの変化を測定することができる。このように、電流増加または変化をパターン化してデータを蓄積して、パターンに対する故障モードを対応付けることにより、CPUや制御回路を用いて被測定回路の故障を検出することができる。
【0037】
図12に、半導体の故障検出装置50に上述の正常なレベルシフト回路100を用いたときの電流テストのシミュレーション結果を示す。
図12(a)に示すように、可変電圧VDD(t)はスタート(0μs)から40μsの期間、0.0[V]から4.0[V]まで単調に増加するランプ波形である。
図12(b)に、入力電圧Vi(t)がインバータINV0に入力される波形を示す。端子INにおける電圧は、スタートから15μsまでの期間、0.0[V]から約0.5[V]までランプ波形状に単調に増加する。しかし、15μsから23μsの期間、最大値を約2.0[V]とする正弦波状に変化し約1.0[V]まで変化する。その後、曲線状に緩やかに増加して約1.0[V]になった後、時刻27μsから30μsまで直線状に増加して約2.7[V]になる。その後34μsまで単調に減少し約1.3[V]となる。
【0038】
可変電圧VDD(t)がランプ状に変化し、一方、端子INにおける電圧が図12(b)のように変化するとき、被テスト回路51(レベルシフト回路100)に流れる電流IDDの波形を図12(c)に示す。
時刻23〜27μsの両端でパルス状の電流が流れ、かつこの期間に約50μA(マイクロ・アンペア)流れる。また、36μs付近で電流IDDが急に増加し、その後約150μAの電流が流れる。
【0039】
一方、図13に、半導体の故障検出装置50に上述のレベルシフト回路100が故障したときのシミュレーション結果を示す。このときのレベルシフト回路100は図7と同じ構成とする。
可変電圧VDD(t)とレベルシフト回路100の端子INにおける電圧波形は図12(a),(b)と同じである。
【0040】
図13(c)に示すように、被テスト回路51(レベルシフト回路100)に流れる電流IDDは、15μs付近に50μAの電流が流れ、また23〜27μsの期間に約100〜150μA流れる。また、36μs付近で電流IDDが急に増加し、その後約370〜400μA流れる。
この図13(c)の電流IDDと図12(c)の電流IDDを比較すると、レベルシフト回路100に故障箇所があると、可変電圧VDD(t)と入力電圧Vi(t)の特定領域で、計測される電流量が大きく異なり、この差を用いて回路の故障を検出することができる。
【0041】
上述した故障検出では、被テスト回路の1例としてレベルシフト回路を用い、しかも出力段の特定のトランジスタが故障した例を示した。これ以外にも、例えば出力段を構成するトランジスタの貫通電流を計測またはシミュレーションすることができる。これらの測定結果に応じて故障の検出を行うことができる。
さらに、CMOS回路の配線の切断、エレクトロマイグレーションなども測定またはシミュレーションを行うことができ、詳細な故障の検出を行うことができる。
【0042】
上述したように、図1の半導体回路の故障検出方法およびこれを用いた故障検出装置では、テスト入力を意図的に印加することなしに、可変電圧を印加することで、自動的にテスト入力(外部入力への印加電圧)を印加できる。
入力電圧を抵抗分割比により発生することより、被テスト回路に印加する可変電圧の調整も可能となる。また、入力電圧として可変電圧より低い電圧を印加できるので、テスト時の誤動作や不適切な入力値の設定を回避することができる。
さらに、被テスト回路の電源にランプ波形の可変電圧を印加し、また入力端子にこの可変電圧より電圧の低い電圧を印加するので、入力条件を細かく設定することができ、詳細な故障を検出することができる。
【0043】
被テスト回路の電源供給端子に時間経過とともに変化する可変電圧を供給する電源回路は、電源回路12に対応する。上記電源回路の出力端子に一方の端子が接続され、他方の端子が上記被テスト回路の電源供給端子に接続され、上記電源回路から供給される可変電圧に対応して上記被テスト回路に流れる電流を計測する電流計は、電流計13に対応する。上記被テスト回路の入力端子に上記電源回路から出力される可変電圧より低くかつ時間経過とともに変化する可変電圧を供給する入力信号供給部は、図1においては可変抵抗R1とR2に対応し、また図5においては可変抵抗55,56、NMOSトランジスタ54、入力可変電圧回路57と信号発生器58に対応する。上記被テスト回路に流れる電流を上記電流計で検出し、検出した電流に基いて該被テスト回路の故障を検出する制御部は、CPUや制御回路に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の半導体回路の故障検出装置のブロックの回路構成例を示す図である。
【図2】図1に示した半導体回路の故障検出装置の可変電圧と入力電圧の波形を示す図である。
【図3】半導体回路の故障検出装置に供給される可変電圧と他の入力電圧の波形を示す図である。
【図4】図1の半導体回路の故障検出方法を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の他の半導体回路の故障検出装置のブロックの回路構成例を示す図である。
【図6】本発明の他の半導体回路の故障検出装置の可変電圧と入力電圧の波形を示す図である。
【図7】図1に示す半導体回路の故障検出装置の被テスト回路の回路構成例を示す図である。
【図8】図1と図5の半導体回路の故障検出装置に図7に示す被テスト回路が正常回路で通常動作の時の波形図である。
【図9】図1と図5の半導体回路の故障検出装置に図7に示す被テスト回路が故障回路で通常動作の時の波形図である。
【図10】図1と図5の半導体回路の故障検出装置に図7に示す被テスト回路が正常回路で可変電圧と入力電圧がランプ波形の時の波形図である。
【図11】図1と図5の半導体回路の故障検出装置に図7に示す被テスト回路が故障回路で可変電圧と入力電圧がランプ波形の時の波形図である。
【図12】図1と図5の半導体回路の故障検出装置に図7に示す被テスト回路が正常回路で可変電圧がランプ波形で入力電圧を変化した時の波形図である。
【図13】図1と図5の半導体回路の故障検出装置に図7に示す被テスト回路が故障回路で可変電圧がランプ波形で入力電圧を変化した時の波形図である。
【図14】従来の半導体回路の故障検出装置のブロックの回路構成図である。
【図15】図14に示す従来の半導体回路の故障検出装置に供給する可変電圧と入力電圧の波形図である。
【図16】従来の他の半導体回路の故障検出装置に用いる被テスト回路の回路構成図である。
【図17】図16に示す被テスト回路における可変電圧に対する静的電流の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
10,50,200…故障検出装置、11,51,201…被テスト回路、12,52,202…電源回路、13,53,203…電流計、14,15,55,56…可変抵抗、54,103,106…NMOSトランジスタ、57…入力可変電圧回路(Vcont(t))、58…信号発生器、100…レベルシフト回路、101,102,104,105…PMOSトランジスタ、110,111,112…インバータ、120…等価抵抗、300…LNA回路、Q1〜Q3…NMOSトランジスタ、Q4,Q5…PMOSトランジスタ、R1a,R2a…抵抗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被テスト回路の電源供給端子に時間経過とともに変化する可変電圧を供給する電源回路と、
上記電源回路の出力端子に一方の端子が接続され、他方の端子が上記被テスト回路の電源供給端子に接続され、上記電源回路から供給される可変電圧に対応して上記被テスト回路に流れる電流を計測する電流計と、
上記被テスト回路の入力端子に上記電源回路から出力される可変電圧より低くかつ時間経過とともに変化する入力電圧を供給する入力信号供給部と、
上記被テスト回路に流れる電流を上記電流計で計測し、計測した電流に基いて上記被テスト回路の故障を検出する制御部と
を有する
半導体回路の故障検出装置。
【請求項2】
上記被テスト回路の電源供給端子に時間経過とともに変化する可変電圧は、ランプ状に変化する電圧である
請求項1記載の半導体回路の故障検出装置。
【請求項3】
上記入力信号供給部は複数の直列抵抗を有し、上記可変電圧を上記複数の直列抵抗の分割比により発生した電圧を上記被テスト回路の入力端子に供給する
請求項1記載の半導体回路の故障検出装置。
【請求項4】
上記複数の直列抵抗の少なくとも1個は可変抵抗を有し、該複数の直列抵抗の分割比により発生した電圧を上記被テスト回路の入力端子に供給する
請求項3記載の半導体回路の故障検出装置。
【請求項5】
上記被テスト回路の入力端子に供給される入力電圧は、上記可変電圧が供給される期間に、時間経過とともに電圧レベルが任意に可変する
請求項1記載の半導体回路の故障検出装置。
【請求項6】
上記入力信号供給部から上記被テスト回路の入力端子に供給される上記入力電圧は、ランプ波形またはサイン波形または鋸波形である
請求項5記載の半導体回路の故障検出装置。
【請求項7】
被テスト回路の電源供給端子に時間経過とともに変化する可変電圧を供給するステップと、
上記被テスト回路の入力端子に、上記可変電圧が供給される時またはその前後から該可変電圧より低く時間経過とともに変化する入力電圧を供給するステップと、
上記被テスト回路の電源供給端子に前記可変電圧と前記被テスト回路の入力端子に入力電圧が供給される期間に時間経過とともに変化する電流を計測するステップと、
上記被テスト回路に流れる電流に基いて該被テスト回路の故障を検出するステップと
を有する
半導体回路の故障検出方法。
【請求項8】
上記被テスト回路の電源供給端子に時間経過とともに変化する可変電圧は、ランプ波形の電圧である
請求項7記載の半導体回路の故障検出方法。
【請求項9】
上記被テスト回路の入力端子に供給される入力電圧は、上記可変電圧を分圧して得られる電圧である
請求項7記載の半導体回路の故障検出方法。
【請求項10】
上記被テスト回路の入力端子に供給される上記入力電圧は、上記可変電圧が供給される期間に、時間経過とともに電圧レベルが任意に可変する
請求項7記載の半導体回路の故障検出方法。
【請求項11】
上記入力電圧は、ランプ波形またはサイン波形または鋸波形である
請求項10記載の半導体回路の故障検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−103461(P2009−103461A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−272731(P2007−272731)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(305027401)公立大学法人首都大学東京 (385)
【出願人】(800000080)タマティーエルオー株式会社 (255)
【Fターム(参考)】