説明

半導体装置、接続子、および、半導体装置の製造方法

【課題】製造コストを削減することが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】少なくとも3つの端子を有し、ダイパッド101の上面と第1の端子1aが電気的に接続された半導体素子1と、ダイパッド101と電気的に接続された第1のリードL1と、半導体素子の第2の端子2bに一端が電気的に接続され導電性を有する第1の接続部材S1と、半導体素子の第3の端子1cに一端が電気的に接続され導電性を有する第2の接続部材S2と、第1の接続部材S1と第2の接続部材S2との間を支持する支持部材S3と、を有する接続子Sと、第1の接続部材S1の他端に一端が電気的に接続された第2のリードL2と、第2の接続部材S2の他端に一端が電気的に接続された第3のリードL3と、支持部材S3が露出した状態で封止するモールド樹脂102を備える。第2のリードL2と第3のリードL3との間が絶縁されるように、支持部材S3の少なくとも一部が切断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、接続子、および、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の半導体装置100Aの構成の一例を示す図である。なお、図1において、半導体素子を封止するモールド樹脂は、省略されている。
【0003】
図1に示すように、従来の半導体装置には、半導体素子1に電気的に接続される複数の外部リードL1〜L3が、該半導体素子1を内包する封止樹脂(図示せず)の同一の側面から突出する樹脂封止型の半導体装置100Aがある。
【0004】
この従来の半導体装置100Aでは、例えば、半導体素子1Aの各端子と該複数の外部リードL2、L3とが、一対一に、ボンディングワイヤB1、B2により、接続されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
このような半導体装置100Aの製造方法においては、該外部リードL2、L3の一端L2a、L3aとボンディングワイヤB1、B2の一端B1a、B2aとをボンディングした後、該半導体素子1の端子1a、1bと該ボンディングワイヤB1、B2の他端B1b、B2bとをボンディングする。
【0006】
そして、半導体素子1を内包するように樹脂モールドを実施し、その後、隣接する該該部リードをリードフレームから例えばプレス金型を用いてプレスカットすることにより分離する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−272578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、既述の従来技術では、各々の該外部リードに対してワイヤボンディング等するため、これらの製造工程自体にかかる時間が長く、また、位置合わせ等も各々の該外部リードに対して実行する必要があり、半導体装置の製造コストが増加する問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る実施例に従った半導体装置は、
導電性を有する板状のダイパッドと、
前記ダイパッド上に配置され、少なくとも3つの端子を有し、前記ダイパッドの上面と第1の端子が電気的に接続された半導体素子と、
前記ダイパッドと電気的に接続された第1のリードと、
前記半導体素子の第2の端子に一端が電気的に接続され導電性を有する第1の接続部材と、前記半導体素子の第3の端子に一端が電気的に接続され導電性を有する第2の接続部材と、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材との間を支持する支持部材と、を有する接続子と、
前記第1の接続部材の他端に一端が電気的に接続された第2のリードと、
前記第2の接続部材の他端に一端が電気的に接続された第3のリードと、
前記支持部材が露出した状態で、前記ダイパッド、前記半導体素子、前記第1の接続部材の少なくとも一部、前記第2の接続部材の少なくとも一部、前記第1のリードの一端、前記第2のリードの一端、および、前記第3のリードの一端を封止するモールド樹脂と、を備え、
前記第2のリードと前記第3のリードとの間が絶縁されるように、前記支持部材の少なくとも一部が切断される
ことを特徴とする。
【0010】
前記半導体装置において、
前記第2のリードと前記第3のリードとの間が絶縁されるように、前記支持部材の少なくとも一部が除去されることを特徴とする。
【0011】
前記半導体装置において、
前記支持部材の除去される部分には、切断のための切断用溝が形成されていることを特徴とする。
【0012】
前記半導体装置において、
前記切断用溝は、前記支持部材の切断の方向に沿って形成されていることを特徴とする。
【0013】
前記半導体装置において、
前記支持部材の除去される部分の厚さは、前記第2のリードおよび前記第3のリードの厚さよりも薄い
ことを特徴とする。
【0014】
前記半導体装置において、
前記半導体素子の前記第1の端子は前記半導体素子の下面に配置され、前記半導体素子の前記第2の端子および前記第3の端子は前記半導体素子の上面に配置されている
ことを特徴とする。
【0015】
前記半導体装置において、
前記第2のリードの一端に第1の嵌合用溝が形成されており、
前記第1の接続部材の他端は、前記第1の嵌合用溝に嵌合された状態で前記第2のリードの一端に接続され、
前記第3のリードの一端に第2の嵌合用溝が形成されており、
前記第2の接続部材の他端は、前記第2の嵌合用溝に嵌合された状態で前記第3のリードの一端に接続されている
ことを特徴とする。
【0016】
前記半導体装置において、
前記第1の接続部材の他端は、前記第2のリードの一端の側面と接続され、前記第2の接続部材の他端は、前記第3のリードの一端の側面と接続されている
ことを特徴とする。
【0017】
前記半導体装置において、
前記第2のリードの一端の上面および前記第3のリードの一端の上面の前記ダイパッドの上面に対する高さは、前記第1の接続部材の他端の上面および前記第2の接続部材の他端の上面の前記ダイパッドの上面に対する高さと等しい
ことを特徴とする。
【0018】
前記半導体装置において、
前記半導体素子の前記第1の端子と前記ダイパッドの上面とは、半田付けにより電気的に接続されていることを特徴とする。
【0019】
前記半導体装置において、
前記半導体素子の前記第2の端子と前記第1の接続部材の一端とは、半田付けにより電気的に接続され、
前記半導体素子の前記第3の端子と前記第2の接続部材の一端とは、半田付けにより電気的に接続されている
ことを特徴とする。
【0020】
本発明の一態様に係る実施例に従った接続子は、
導電性を有する板状のダイパッドと、前記ダイパッド上に配置され、少なくとも3つの端子を有し、前記ダイパッドの上面と第1の端子が電気的に接続された半導体素子と、前記ダイパッドと電気的に接続された第1のリードと、第2のリードと、第3のリードと、モールド樹脂と、を備えた半導体装置に適用される接続子であって、
前記接続子は、前記半導体素子の第2の端子に一端が電気的に接続され、第3のリードの一端に前記第2の接続部材の他端が電気的に接続され、前記第2のリードの一端に前記第1の接続部材の他端が電気的に接続され、導電性を有する第1の接続部材と、前記半導体素子の第3の端子に一端が電気的に接続され、導電性を有する第2の接続部材と、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材との間を支持する支持部材と、を有し、
モールド樹脂により、前記支持部材が露出した状態で、前記ダイパッド、前記半導体素子、前記第1の接続部材の少なくとも一部、前記第2の接続部材の少なくとも一部、前記第1のリードの一端、前記第2のリードの一端、および、前記第3のリードの一端が封止され、
前記第2のリードと前記第3のリードとの間が絶縁されるように、前記支持部材の少なくとも一部が切断される
ことを特徴とする。
【0021】
本発明の一態様に係る実施例に従った半導体装置の製造方法は、
導電性を有する第1、第2の接続部材と、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材との間を支持する支持部材と、を有する接続子により、リードと半導体素子とを電気的に接続する半導体装置の製造方法であって、
第1のリードが電気的に接続され且つ導電性を有する板状のダイパッド上に、少なくとも3つの端子を有する半導体素子を配置し、前記ダイパッドの上面と前記半導体素子の第1の端子とを電気的に接続する第1の工程と、
前記半導体素子の第2の端子と第2のリードの一端とを、前記第1の接続部材により電気的に接続するとともに、前記半導体素子の第3の端子と第3のリードの一端とを前記第2の接続部材により電気的に接続する第2の工程と、
モールド樹脂により、前記支持部材が露出した状態で、前記ダイパッド、前記半導体素子、前記第1の接続部材の少なくとも一部、前記第2の接続部材の少なくとも一部、前記第1のリードの一端、前記第2のリードの一端、および、前記第3のリードの一端を封止する第3の工程と、
前記第2のリードと前記第3のリードとの間が絶縁されるように、前記支持部材の少なくとも一部を切断する第4の工程と、を備える
ことを特徴とする。
【0022】
前記半導体装置の製造方法において、
リードフレームから前記第1ないし第3のリードを切り離すタイミングと、前記支持部材を切断するタイミングとが同時である
ことを特徴とする。
【0023】
前記半導体装置の製造方法において、
プレス金型によりプレスカットすることにより、前記リードフレームから前記第1ないし第3のリードを切り離すとともに、前記支持部材を切断する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様に係る半導体装置は、導電性を有する板状のダイパッドと、該ダイパッド上に配置され、少なくとも3つの端子を有し、該ダイパッドの上面と第1の端子が電気的に接続された半導体素子と、該ダイパッドと電気的に接続された第1のリードと、該半導体素子の第2の端子に一端が電気的に接続され導電性を有する第1の接続部材と、該半導体素子の第3の端子に一端が電気的に接続され導電性を有する第2の接続部材と、該第1の接続部材と該第2の接続部材との間を支持する支持部材と、を有する接続子と、該第1の接続部材の他端に一端が接続された第2のリードと、該第2の接続部材の他端に一端が接続された第3のリードと、該支持部材が露出した状態で、該ダイパッド、該半導体素子、該第1の接続部材の少なくとも一部、該第2の接続部材の少なくとも一部、該第1のリードの一端、該第2のリードの一端、および、該第3のリードの一端を封止するモールド樹脂と、を備える。
【0025】
そして、第2のリードと第3のリードとの間が絶縁されるように、支持部材の少なくとも一部が切断される。
【0026】
このような構成により、1つの接続子で2つの該第2、第3のリードと該半導体素子とを同時に接続することを可能にする。
【0027】
そして、この半導体装置の製造方法においては、1つの接続子で2つのリードと半導体素子とを同時に接続するので、リードと半導体素子との接続に必要な時間や位置合わせ等の回数を削減することができ、半導体装置の製造コストを削減することができる。
【0028】
さらに、該接続子の該支持部材に切断用の切断用溝を設けたり、支持部材の厚さを該第2、第3のリードよりも薄くしたりすることにより、より確実に該支持部材を切断することができる。
【0029】
すなわち、該第2のリードと該第3のリードとの間をより確実に絶縁して半導体装置の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、従来の半導体装置100Aの構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、本発明の一態様である実施例1に係る半導体装置100の構成の一例を示す平面図である。
【図3】図3は、図2に示す半導体装置100を側面から見た側面図である。
【図4】図4は、図2に示す半導体装置100を斜め方向から見た斜視図である。
【図5】図5は、図2に示す半導体装置100の接続子Sの支持部材S3が切断された状態の一例を示す図である。
【図6】図6は、実施例1に係る半導体装置100の製造方法のフローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る各実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0032】
図2は、本発明の一態様である実施例1に係る半導体装置100の構成の一例を示す平面図である。また、図3は、図2に示す半導体装置100を側面から見た側面図である。また、図4は、図2に示す半導体装置100を斜め方向から見た斜視図である。また、図5は、図2に示す半導体装置100の接続子Sの支持部材S3が切断された状態の一例を示す図である。
図2ないし図4に示すように、半導体装置100は、半導体素子1と、ダイパッド101と、第1のリードL1と、第2のリードL2と、第3のリードL3と、接続子Sと、モールド樹脂102と、を備える。
【0033】
ダイパッド101は、導電性を有し、板状の形状を有する。このダイパッド101は、例えば、銅、鉄、または、それらの少なくとも何れかを含む合金により構成されている。
【0034】
半導体素子1は、ダイパッド101上に配置され、少なくとも3つの端子を有する。半導体素子1の第1の端子1aは半導体素子1の下面に配置され、半導体素子1の第2の端子1bおよび第3の端子1cは半導体素子1の上面に配置されている。
【0035】
半導体素子1は、ダイパッド101の上面と第1の端子1aが電気的に接続されている。半導体素子1の第1の端子1aとダイパッド101の上面とは、半田付けにより電気的に接続されている。
【0036】
この半導体素子1は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSトランジスタ、又は、サイリスタである。
【0037】
また、接続子Sは、第1の接続部材S1と、第2の接続部材S2と、支持部材S3と、を有する。
【0038】
第1の接続部材S1は、半導体素子1の第2の端子1bに一端S1aが電気的に接続され導電性を有する。半導体素子1の第2の端子1bと第1の接続部材S1の一端S1aとは、半田付けにより電気的に接続されている。
【0039】
第2の接続部材S2は、半導体素子1の第3の端子1cに一端S2aが電気的に接続され導電性を有する。半導体素子1の第3の端子1cと第2の接続部材S2の一端S2aとは、半田付けにより電気的に接続されている。
【0040】
支持部材S3は、第1の接続部材S1と第2の接続部材S2との間を支持するようになっている。
【0041】
第1のリードL1は、ダイパッド101と電気的に接続されている。
【0042】
第2のリードL2は、第1の接続部材S1の他端S1bに一端L2aが電気的に接続されている。
【0043】
第3のリードL3は、第2の接続部材S2の他端D2bに一端L3aが電気的に接続されている。
【0044】
これらの第1ないし第3のリードL1〜L3は、それぞれ間隔を空けて配置されている。これらの第1ないし第3のリードL1〜L3、および、ダイパッド101は、例えば、1つのリードフレームを加工することにより、形成される。
【0045】
なお、第2のリードL2の一端L2aの上面および第3のリードL3の一端L3aの上面のダイパッド101の上面に対する高さは、第1の接続部材S1の他端の上面および第2の接続部材S2の他端の上面のダイパッド101の上面に対する高さと等しくなるように設定されている。
【0046】
第2のリードL2の一端L2aに第1の嵌合用溝M1が形成されている。第1の接続部材S1の他端S1bは、この第1の嵌合用溝M1に嵌合された状態で第2のリードL2の一端L2aに接続されている。
【0047】
第3のリードL3の一端L3aに第2の嵌合用溝M2が形成されている。第2の接続部材S2の他端S2bは、この第2の嵌合用溝M2に嵌合された状態で第3のリードL3の一端に接続されている。
【0048】
なお、代替的に、第1の接続部材S1の他端S1bは、第2のリードL2の一端L2aの側面と接続され、且つ、第2の接続部材S2の他端S2bは、第3のリードL3の一端L3aの側面と接続されているようにしてもよい。
【0049】
また、第1の接続部材S1の他端S1bと、第2のリードL2の一端の下部とが接続され、且つ、第2の接続部材S2の他端S2bと、第3のリードL3の一端の下部とが接続されるようにしてもよい。
【0050】
また、第1ないし第3のリードL1〜L3は、銅、鉄、または、それらの少なくとも何れかを含む合金により構成されている。
【0051】
既述の接続子Sは、例えば、第1ないし第3のリードL1〜L3と同じ材料で構成されている。すなわち、接続子Sは、例えば、銅、鉄、または、それらの少なくとも何れかを含む合金により構成されている。
【0052】
これにより、第1ないし第3のリードL1〜L3と接続子Sとの間の導電性を向上するとともに、熱膨張率等の特性の影響を低減することができる。
【0053】
なお、図5に示すように、第2のリードL2と第3のリードL3との間が絶縁されるように、例えば、支持部材S3の少なくとも一部が切断(除去)される。
【0054】
支持部材S3の切断(除去)される部分には、例えば、切断のための切断用溝(図示せず)が形成されている。この切断用溝は、例えば、支持部材S3の切断の方向に沿って形成されている。また、支持部材S3の切断(除去)される部分の厚さは、例えば、第2のリードL2および第3のリードL3の厚さよりも薄くなるように設定されている。
【0055】
これにより、より確実に該支持部材S3を切断(除去)することができる。
【0056】
また、モールド樹脂102は、支持部材S3が露出した状態で、ダイパッド101、半導体素子1、第1の接続部材S1の少なくとも一部、第2の接続部材S2の少なくとも一部、第1のリードL1の一端L1a、第2のリードL2の一端L2a、および、第3のリードL3の一端L3aを封止するようになっている。
【0057】
なお、このモールド樹脂102には、図示省略の放熱フィンを、螺子を用いて取り付けるべく、螺子を挿通するための放熱のための開口部102aが形成されている。
【0058】
次に、以上のような構成を有する半導体装置100の製造方法の一例について説明する。
【0059】
ここで、図6は、実施例1に係る半導体装置100の製造方法のフローの一例を示す図である。この図6のフローでは、特に、導電性を有する第1、第2の接続部材S1、S2と、第1の接続部材S1と第2の接続部材S2との間を支持する支持部材S3と、を有する接続子Sにより、リードと半導体素子1とを電気的に接続する方法について示している。
【0060】
図6に示すように、先ず、第1のリードL1が電気的に接続され且つ導電性を有する板状のダイパッド101上に、少なくとも3つの端子を有する半導体素子1を配置し、ダイパッド101の上面と半導体素子1の第1の端子1aとを電気的に接続する(ステップS1)。
【0061】
次に、半導体素子1の第2の端子1bと第2のリードL2の一端L2aとを、第1の接続部材S1により電気的に接続するとともに、半導体素子1の第3の端子1cと第3のリードL3の一端L3aとを第2の接続部材S2により電気的に接続する(ステップS2)。
【0062】
次に、モールド樹脂により、支持部材S3が露出した状態で、ダイパッド101、半導体素子1、第1の接続部材S1の少なくとも一部、第2の接続部材S2の少なくとも一部、第1のリードL1の一端L1a、第2のリードL2の一端L2a、および、第3のリードL3の一端L3aを封止する(ステップS3)。
【0063】
次に、第2のリードL2と第3のリードL3との間が絶縁されるように、支持部材S3の少なくとも一部を切断する(ステップS4)。
【0064】
なお、例えば、該リードフレームから第1ないし第3のリードL1〜L3を切り離すタイミングと、支持部材S3を切断するタイミングとが同時に設定される。例えば、プレス金型によりプレスカットすることにより、該リードフレームから第1ないし第3のリードL1〜L3を切り離すとともに、支持部材S3を切断する。
【0065】
以上のフローにより、図5に示す状態の半導体装置100が完成する。
【0066】
本発明の一態様に係る半導体装置では、第2のリードL2と第3のリードL3との間が絶縁されるように、支持部材S3の少なくとも一部が切断される。
【0067】
このような構成により、1つの接続子Sで2つの該第2、第3のリードL2、L3と該半導体素子1とを同時に接続することを可能にする。
【0068】
そして、この半導体装置の製造方法においては、1つの接続子Sで2つのリードと半導体素子1とを同時に接続するので、リードと半導体素子1との接続に必要な時間や位置合わせ等の回数を削減することができ、半導体装置100の製造コストを削減することができる。
【0069】
さらに、該接続子Sの該支持部材S3に切断用の切断用溝を設けたり、支持部材S3の厚さを該第2、第3のリードL2、L3よりも薄くしたりすることにより、より確実に該支持部材S3を切断することができる。
【0070】
すなわち、該第2のリードL2と該第3のリードL3との間をより確実に絶縁して半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0071】
なお、既述の実施例では、半導体装置100が1つの半導体素子1を備えた場合の一例について説明したが、半導体装置100が、複数の半導体素子1を備えるようにしてもよい。この場合、接続子Sの第1の接続部材S1は、複数の半導体素子1の第2の端子1bに一端が電気的に接続され、接続子Sの第2の接続部材S2は、複数の半導体素子1の第3の端子1cに一端が電気的に接続されることになる。
【0072】
なお、実施形態は例示であり、発明の範囲はそれらに限定されない。
【符号の説明】
【0073】
1 半導体素子
1a 第1の端子
1b 第2の端子
1c 第3の端子
100、100A 半導体装置
101 ダイパッド
102 モールド樹脂
102a 開口部
L1 第1のリード
L1a 第1のリードの一端
L2 第2のリード
L2a 第2のリードの一端
L3 第3のリード
L3a 第3のリードの一端
M1 第1の嵌合用溝
M2 第2の嵌合用溝
S 接続子
S1 第1の接続部材
S1a 第1の接続部材の一端
S1b 第1の接続部材の他端
S2 第2の接続部材
S2a 第2の接続部材の一端
S2b 第2の接続部材の他端
S3 支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する板状のダイパッドと、
前記ダイパッド上に配置され、少なくとも3つの端子を有し、前記ダイパッドの上面と第1の端子が電気的に接続された半導体素子と、
前記ダイパッドと電気的に接続された第1のリードと、
前記半導体素子の第2の端子に一端が電気的に接続され導電性を有する第1の接続部材と、前記半導体素子の第3の端子に一端が電気的に接続され導電性を有する第2の接続部材と、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材との間を支持する支持部材と、を有する接続子と、
前記第1の接続部材の他端に一端が電気的に接続された第2のリードと、
前記第2の接続部材の他端に一端が電気的に接続された第3のリードと、
前記支持部材が露出した状態で、前記ダイパッド、前記半導体素子、前記第1の接続部材の少なくとも一部、前記第2の接続部材の少なくとも一部、前記第1のリードの一端、前記第2のリードの一端、および、前記第3のリードの一端を封止するモールド樹脂と、を備え、
前記第2のリードと前記第3のリードとの間が絶縁されるように、前記支持部材の少なくとも一部が切断される
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2のリードと前記第3のリードとの間が絶縁されるように、前記支持部材の少なくとも一部が除去される
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記支持部材の除去される部分には、切断のための切断用溝が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記切断用溝は、前記支持部材の切断の方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記支持部材の除去される部分の厚さは、前記第2のリードおよび前記第3のリードの厚さよりも薄い
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体素子の前記第1の端子は前記半導体素子の下面に配置され、前記半導体素子の前記第2の端子および前記第3の端子は前記半導体素子の上面に配置されている
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2のリードの一端に第1の嵌合用溝が形成されており、
前記第1の接続部材の他端は、前記第1の嵌合用溝に嵌合された状態で前記第2のリードの一端に接続され、
前記第3のリードの一端に第2の嵌合用溝が形成されており、
前記第2の接続部材の他端は、前記第2の嵌合用溝に嵌合された状態で前記第3のリードの一端に接続されている
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1の接続部材の他端は、前記第2のリードの一端の側面と接続され、前記第2の接続部材の他端は、前記第3のリードの一端の側面と接続されている
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2のリードの一端の上面および前記第3のリードの一端の上面の前記ダイパッドの上面に対する高さは、前記第1の接続部材の他端の上面および前記第2の接続部材の他端の上面の前記ダイパッドの上面に対する高さと等しい
ことを特徴とする請求項7または8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記半導体素子の前記第1の端子と前記ダイパッドの上面とは、半田付けにより電気的に接続されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項11】
導電性を有する板状のダイパッドと、前記ダイパッド上に配置され、少なくとも3つの端子を有し、前記ダイパッドの上面と第1の端子が電気的に接続された半導体素子と、前記ダイパッドと電気的に接続された第1のリードと、第2のリードと、第3のリードと、モールド樹脂と、を備えた半導体装置に適用される接続子であって、
前記接続子は、前記半導体素子の第2の端子に一端が電気的に接続され、第3のリードの一端に前記第2の接続部材の他端が電気的に接続され、前記第2のリードの一端に前記第1の接続部材の他端が電気的に接続され、導電性を有する第1の接続部材と、前記半導体素子の第3の端子に一端が電気的に接続され、導電性を有する第2の接続部材と、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材との間を支持する支持部材と、を有し、
モールド樹脂により、前記支持部材が露出した状態で、前記ダイパッド、前記半導体素子、前記第1の接続部材の少なくとも一部、前記第2の接続部材の少なくとも一部、前記第1のリードの一端、前記第2のリードの一端、および、前記第3のリードの一端が封止され、
前記第2のリードと前記第3のリードとの間が絶縁されるように、前記支持部材の少なくとも一部が切断される
ことを特徴とする接続子。
【請求項12】
導電性を有する第1、第2の接続部材と、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材との間を支持する支持部材と、を有する接続子により、リードと半導体素子とを電気的に接続する半導体装置の製造方法であって、
第1のリードが電気的に接続され且つ導電性を有する板状のダイパッド上に、少なくとも3つの端子を有する半導体素子を配置し、前記ダイパッドの上面と前記半導体素子の第1の端子とを電気的に接続する第1の工程と、
前記半導体素子の第2の端子と第2のリードの一端とを、前記第1の接続部材により電気的に接続するとともに、前記半導体素子の第3の端子と第3のリードの一端とを前記第2の接続部材により電気的に接続する第2の工程と、
モールド樹脂により、前記支持部材が露出した状態で、前記ダイパッド、前記半導体素子、前記第1の接続部材の少なくとも一部、前記第2の接続部材の少なくとも一部、前記第1のリードの一端、前記第2のリードの一端、および、前記第3のリードの一端を封止する第3の工程と、
前記第2のリードと前記第3のリードとの間が絶縁されるように、前記支持部材の少なくとも一部を切断する第4の工程と、を備える
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
リードフレームから前記第1ないし第3のリードを切り離すタイミングと、前記支持部材を切断するタイミングとが同時である
ことを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
プレス金型によりプレスカットすることにより、前記リードフレームから前記第1ないし第3のリードを切り離すとともに、前記支持部材を切断する
ことを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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