説明

半導体装置の製造方法

【課題】半導体層を主面側に有するウェハを裏面側からエッチングにより切断する際に、半導体層のクラックが半導体素子領域に達することを抑止できる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板12と、主面12a上に設けられた半導体層13とを有するウェハ20を切断予定ラインAに沿って切断する工程を含む半導体装置の製造方法であって、ウェハ20の主面12a側の半導体素子領域10aと切断予定ラインAとの間の半導体層13の領域をエッチングすることにより溝13aを形成する工程と、主面12aと支持基板30とが対向するようにウェハ20を支持基板30に貼付する工程と、裏面12bから切断予定ラインAを含む領域をエッチングするエッチング工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ウェハプロセスを終了した半導体ウェハを個々のチップに分離するための製造方法が開示されている。この製造方法では、半導体基板の表面に形成された複数の半導体素子形成部分の互いの境界部分に規定されたスクライブ領域に分離用溝を形成し、半導体基板におけるスクライブ領域の一部領域を残してスクライブ領域に分割孔を形成し、該一部領域を基板接続部として画定し、分離用溝に沿って基板接続部を切断することで各半導体素子形成部分をチップとして分離する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−173952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体装置を製造する際には、主面に半導体層が成長されたウェハに半導体素子構造を形成したのち、ウェハを複数のチップ状に切断する必要がある。ウェハを切断する技術は種々存在するが、その中の一つの方法として、所定の切断予定線(スクライブライン)に沿った領域をウェハの裏面側からエッチングすることにより、ウェハを切断する方法がある。
【0005】
ウェハをエッチングによって切断する場合、切断対象となるウェハを固定する必要がある。そのために、例えばガラス製の支持基板上にウェハを貼付することが行われる。その際、支持基板とウェハとの間には樹脂接着剤が配置される。
【0006】
しかしながら、エッチングの際に、この基板またはその主面に成長された半導体層にひび割れ(クラック)が入ることがある。その原因としては、樹脂接着剤の緩みや内部応力によってエッチングによって薄くなった基板またはその主面に成長された半導体層に応力が加わることが考えられる。このようなクラックは様々な方向に延びるので、ウェハの主面に形成された半導体層のうち、素子領域にクラックの一部が達することがある。半導体素子領域にクラックが達すると、半導体装置の信頼性の低下につながる。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、半導体層を主面側に有するウェハを裏面側からエッチングにより切断する際に、半導体層のクラックが半導体素子領域に達することを抑止できる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明による半導体装置の製造方法は、主面及び裏面を有する基板と、主面上に設けられた半導体層とを有するウェハを切断予定ラインに沿って切断する工程を含む半導体装置の製造方法であって、ウェハの主面側の半導体素子領域と切断予定ラインとの間の半導体層の領域をエッチングすることにより半導体層に溝を形成する溝形成工程と、基板の主面と支持基板とが対向するように、ウェハを支持基板に貼付する工程と、裏面から切断予定ラインを含む領域をエッチングしてウェハを切断するエッチング工程とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、半導体装置の製造方法は、基板の主面に半導体素子構造を形成する半導体素子形成工程を、溝形成工程の前に更に備えることを特徴としてもよい。
【0010】
また、半導体装置の製造方法は、基板がシリコンカーバイド基板であり、半導体層が窒化ガリウムを含むことを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明による半導体装置の製造方法によれば、半導体層を主面側に有するウェハを裏面側からエッチングにより切断する際に、半導体層のクラックが半導体素子領域に達することを抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】切断される前の状態のウェハを示す平面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す側断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す側断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す側断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す側断面図である。
【図6】複数の半導体装置の構成を示す平面図である。
【図7】半導体層に発生するクラックの様子を示す切欠き斜視図である。
【図8】半導体層に形成された溝によってクラックの進行が妨げられる様子を示す図である。
【図9】半導体層に形成された溝によってクラックの進行が妨げられる様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明による半導体装置の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
以下に説明する半導体装置の製造方法は、本発明の一実施形態に係り、SiC基板といった基板上に半導体素子構造が形成されたウェハをチップ状に切断する工程を含む。図1は、切断される前の状態のウェハ10を示す平面図である。ウェハ10には、2次元状に配列された複数の半導体素子領域10aが予め設定されている。また、互いに隣り合う半導体素子領域10aの間にはスクライブ領域10bが設定されている。スクライブ領域10bは切断予定ラインAを含んでおり、ウェハ10は、この切断予定ラインAに沿って切断される。
【0015】
図2〜図5は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す側断面図である。
<半導体層形成工程>
【0016】
まず、図2(a)に示されるように、基板12の主面12a上に半導体層13をエピタキシャル成長させる。一実施例では、基板12はシリコンカーバイド(SiC)からなり、半導体層13は窒化ガリウム(GaN)の層を含む。半導体層13は、基板12に対してエッチング選択比の異なる、いわゆるエッチング停止層として用いられてもよく、また、必要に応じてバッファ層、デバイス層のように異なる半導体層構造を備えた複数の半導体層構造を有していてもよい。
<半導体素子形成工程>
【0017】
続いて、基板12の主面12a上の半導体素子領域10aに半導体素子構造(図示せず)を形成し、その後、半導体層13上にパッド配線14を形成する。パッド配線14は、後の工程において形成される貫通配線と接続される配線であり、半導体素子領域10a内の任意の位置に形成される。
【0018】
続いて、パッシベーション膜15を形成する。パッシベーション膜15は、基板12の主面12aの全面を覆うように窒化シリコン(SiN)からなる絶縁膜が形成されたのち、該絶縁膜のうちスクライブ領域10b上に形成された部分がエッチングによって除去されることにより形成される。このように、パッシベーション膜15は、半導体素子領域10aの全体を覆うように形成される。
<溝形成工程>
【0019】
続いて、図2(b)に示されるように、レジストによるパターニングを行う。具体的には、半導体層13上(半導体素子領域10aではパッシベーション膜15上)にレジスト16を塗布したのち、半導体層13の所定領域B上に配置されたレジスト16の部分を、通常のフォトリソグラフィ技術により除去する。ここで、所定領域Bとは、切断予定ラインA(図1参照)に沿って設定される領域である。すなわち、所定領域Bとは、切断予定ラインAと半導体素子領域10aの間に位置している。ここでは、所定領域Bは一本の切断予定ラインAに対してその両側に設定される。
【0020】
この所定領域Bは、好ましくは、所定領域Bは、図2(b)に示されるように切断予定ラインAと半導体素子領域10aとの間に設定される。本実施形態の所定領域Bは、その長手方向と切断予定ラインAとが互いに平行になるように設定されている。
【0021】
続いて、図2(c)に示されるように、レジスト16を介して半導体層13のエッチングを行う。このとき、レジスト16によって覆われていない半導体層13の部分のみがエッチングされる。その結果、半導体層13のうち切断予定ラインAに沿った領域に溝13aが形成される。溝13aは、図2(b)に示された所定領域Bと同一の平面形状を有しており、ここでは、一本の切断予定ラインAに対してその両側に形成される。なお、切断予定ラインAを介して隣接する領域が半導体素子領域10aでない場合は、切断予定ラインAの両側でなく、半導体素子領域10aの側だけに溝13aが配置されるパターンを有する所定領域Bを画定してもよい。本実施形態の溝13aは、その長手方向と切断予定ラインAとが互いに平行になるように形成される。本工程の後、レジスト16を除去する。
【0022】
なお、半導体層13に対する上記エッチングは、半導体層13の途中で停止されてもよく、半導体層13を貫通して基板12に達してもよい。言い換えると、溝13aの深さは、半導体層13の層厚より浅くてもよく、半導体層13の層厚と同じかより深くてもよい。
【0023】
以上の工程を経て、図2(d)に示されるウェハ20が形成される。ウェハ20は、基板12と、基板12の主面12a上に設けられ且つ溝13aを有する半導体層13と、半導体素子領域10aに形成されたパッド配線14、パッシベーション膜15、及び図示しない半導体素子構造とを有する。
<基板研磨工程>
【0024】
続いて、図3(a)に示されるように、ウェハ20の上下を反転させた状態で、ウェハ20を支持基板30に貼付する。詳細には、支持基板30の表面30a上に仮止剤としての樹脂接着剤層31を塗布形成し、その上にウェハ20を配置する。このとき、基板12の主面12aと支持基板30の表面30aとを互いに対向させる。樹脂接着剤層31としては、例えば有機溶剤等によって溶解し除去することが可能な樹脂系接着剤が好適に用いられる。樹脂接着剤層31の厚さは、例えば10μmである。支持基板30は、例えばガラス製であり、一例としては耐熱ガラス、サファイア、石英、またはSiC(シリコンカーバイド)から成る。その後、図3(b)に示されるように、基板12の裏面12bを研磨することにより、基板12を薄くする。研磨後の基板12の厚さは、例えば100μmである。
<メタルマスク形成工程>
【0025】
続いて、図3(c)に示されるように、基板12の裏面12b上に金属マスク22を形成する。金属マスク22の形成方法は、例えば次のとおりである。まず、基板12の裏面12b上に種メタル膜を形成する。種メタル膜は、例えばTi(チタン)/Au(金)によって好適に構成される。続いて、所定のパターンを有するレジストを裏面12b上に形成する。ここで、所定のパターンとは、金属マスク22が設けられるべき領域に開口を有するパターンである。そして、裏面12b上にメッキ処理を施す。その後、レジストを除去し、種メタル膜のうちレジストに覆われていた部分を除去する。以上の工程を経て、金属マスク22が形成される。なお、金属マスク22は、例えばNi(ニッケル)及びCr(クロム)のうち少なくとも一方を含む金属材料からなる。一実施例では、金属マスク22はNiからなる。
【0026】
上記工程により形成される金属マスク22は、開口22a,22bを有する。開口22aは、後の工程において基板12がエッチングにより切断される際にエッチングされるべき基板12の領域上に形成される。すなわち、開口22aの平面形状は切断予定ラインAに沿って延びており、切断予定ラインAを含んでいる。また、開口22aは、スクライブ領域10bに含まれている。更に、開口22aの側面は、基板12の裏面12bの法線方向から見て、半導体層13の溝13aと切断予定ラインAとの間に位置する。開口22bは、基板12に形成されるべき貫通孔(スルーホール)のための開口である。
<第1のエッチング工程>
【0027】
続いて、図4(a)に示されるように、基板12のうち金属マスク22に覆われていない部分、すなわち開口22a,22bによって露出した部分をエッチングすることにより、基板12を切断するとともに貫通孔12cを形成する。このとき、裏面12bから半導体層13に達するまで基板12に対してエッチングを行う。ここでは、基板12と半導体層13とで異なるエッチングレートを示すエッチング方法を採用しており、半導体層13が露出した時点でエッチングを停止することができる。上述したように開口22aの平面形状が切断予定ラインAを含むので、この工程では、切断予定ラインAを含む基板12の領域をエッチングすることとなる。
【0028】
このエッチングは、例えば誘導結合プラズマ(ICP)エッチング装置を用いて行う。或いは、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマエッチング装置を用いてもよい。ICPエッチングの場合、エッチングガスとしては例えばNF/OまたはSF/Oを用いるとよく、真空度は0.5〜2.0Paが好適であり、ICPパワーは2kW以上が好ましく、RFパワーは150W〜500Wが好適である。また、ECRエッチングの場合は、ECRパワーが1500W以上であることが好ましく、他の好適な条件はICPエッチングの場合と同じである。
<第2のエッチング工程>
【0029】
続いて、図4(b)に示されるように、半導体層13のうち先の第1のエッチング工程によって露出した部分をエッチングする。
【0030】
このエッチングは、例えば誘導結合プラズマ(ICP)エッチング装置を用いて行う。或いは、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマエッチング装置を用いてもよい。ICPエッチングの場合、エッチングガスとしては例えばSiClを用いるとよく、真空度は2.0〜5.0Paが好適であり、ICPパワーは1kW程度が好ましく、RFパワーは15W〜50Wが好適である。また、ECRエッチングの場合は、ECRパワーが700W程度であることが好ましく、他の好適な条件はICPエッチングの場合と同じである。
【0031】
このエッチング方法は、上記第1のエッチング工程よりもエッチングパワーが低く、樹脂接着剤層31を過剰にエッチングしない方法でもある。樹脂接着剤層31が過剰にエッチングされないことにより、樹脂接着剤が劣化して支持基板とウェハとが剥がれることを抑えることができる。
【0032】
第1のエッチング工程では切断予定ラインAを含む基板12の領域がエッチングされたので、本工程における当該部分もまた、切断予定ラインAを含むこととなる。
【0033】
もちろん、第1のエッチング工程と第2のエッチング工程とを分けないで、基板12と半導体層13を同時にエッチングできるエッチャントを使用してエッチングを行ってもよい。
【0034】
その後、図5(a)に示されるように、金属マスク22を除去する。本工程によって、ウェハ20が完全に切断され、各々が一つの半導体素子領域10aを含む複数の半導体装置23に分割される。また、貫通孔12cが半導体層13にわたって連通し、パッド配線14が露出する。
<裏面側配線形成工程>
【0035】
続いて、図5(b)に示されるように、裏面側配線パターンとしての金属膜26を形成する。具体的には、まず、基板12の裏面12b上、貫通孔12cの内面上、及び各半導体装置23の側面上に、種メタル膜25を形成する。次に、裏面側配線パターンのためのレジストを、基板12の裏面12b上及び各半導体装置23の側面上に形成する。続いて、メッキ処理を施すことによって裏面側配線パターンとしての金属膜26を形成し、その後、レジストを除去する。こののち、種メタル膜25のうちレジストに覆われていた部分(すなわち、金属膜26から露出した部分)を除去する。こうして、裏面側配線パターンとしての金属膜26が形成される。なお、この金属膜26のうち貫通孔12cの内面上に形成された部分は、基板12の主面12a上の配線と裏面12b上の配線とを繋ぐ貫通配線(ビア)となる。
<取外し工程>
【0036】
続いて、図5(c)に示されるように、各半導体装置23を支持基板30から取り外す。詳細には、樹脂接着剤層31を、有機溶剤等により溶解して除去する。これにより、各半導体装置23を支持基板30から取り外す。
【0037】
図6は、以上の工程によって作製された複数の半導体装置23の構成を示す平面図である。各半導体装置23は、複数のパッド配線14を含む半導体素子領域10aを各一つずつ有しており、半導体素子領域10aの形状は、当該半導体装置23の縁に沿った矩形状となっている。そして、半導体素子領域10aの境界線と半導体装置23の外形線との間には、溝13aが形成されている。溝13aは半導体素子領域10aの輪郭に沿って延びており、半導体素子領域10aを囲んでいる。
【0038】
以上に説明した本実施形態による効果について、従来の製造方法が有する課題とともに説明する。従来の製造方法では、ウェハをエッチングによって切断する際に、例えばガラス製の支持基板上にウェハを貼付する。その際、支持基板とウェハとの間には樹脂接着剤が配置される。また、ウェハの主面側に半導体層を予め形成しておき、裏面側からのエッチングを該半導体層で停止させる。しかし、エッチングの際に、この半導体層にひび割れ(クラック)が入ることがある。図7は、このようなクラックの様子を示す切欠き斜視図である。図7(a)はウェハの主面側が、図7(b)はウェハの裏面側がそれぞれ明らかとなるように図示されている。また、図7には、基板100と、基板100上に形成された半導体層101とが示されている。図7に示されるように、半導体層101のクラックCは様々な方向に延びるので、ウェハの主面に形成された半導体素子領域102にクラックCの一部が達することがある。半導体素子領域102にクラックCが達すると、半導体装置の信頼性の低下につながってしまう。
【0039】
このような従来の製造方法の課題に対し、本実施形態の製造方法では、図8及び図9に示されるように、半導体層13に溝13aを予め形成する。なお、図8は、溝13aの深さが半導体層13の層厚と等しい(すなわち、基板12が露出した時点で半導体層13のエッチングを停止した)場合を示しており、図9は、溝13aの深さが半導体層13の層厚より浅い(すなわち、半導体層13の途中でエッチングを停止した)場合を示している。
【0040】
したがって、半導体層13にクラックCが生じても、そのクラックCは溝13aによってその進行が妨げられるので、半導体素子領域10aに到達することを防止できる。すなわち、本実施形態による半導体装置の製造方法によれば、半導体層13を主面側に有するウェハ20を裏面側からエッチングにより切断する際に、半導体層13のクラックCが半導体素子領域10aに達することを効果的に抑止できる。
【0041】
また、本実施形態のように、第1のエッチング工程の際、切断予定ラインAと半導体素子領域10aとの間に溝13aを形成することが好ましい。これにより、半導体素子領域10aをクラックCから効果的に保護することができる。なお、半導体層の溝が半導体素子領域10a内に形成された場合であっても、半導体素子構造の配置によっては、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
また、本実施形態のように、基板12の主面12aに半導体素子構造を形成する半導体素子形成工程を、溝形成工程の前に行うことが好ましい。これにより、半導体素子構造を形成する際に半導体層13の溝13aが埋まってしまうことを回避できる。なお、半導体素子形成工程を溝形成工程の後に行った場合であっても、その後に溝13aを回復させる(掘り出す)ことによって本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
また、本実施形態のように、基板12はSiC基板であり、半導体層13はGaNを含むことが好ましい。このような組み合わせによって、基板12と半導体層13とのエッチング選択比を大きくすることができる。
【0044】
本発明による半導体装置の製造方法は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では本発明の基板としてSiC基板を例示したが、本発明の基板は他の基板であってもよく、或いは絶縁性基板であってもよい。また、上記実施形態では本発明の半導体層としてGaN層を例示したが、本発明の半導体層は、基板とのエッチング選択性を有する様々な材料からなることができる。
【符号の説明】
【0045】
10…ウェハ、10a…半導体素子領域、10b…スクライブ領域、12…基板、12a…主面、12b…裏面、12c…貫通孔、13…半導体層、13a…溝、14…パッド配線、15…パッシベーション膜、16…レジスト、20…ウェハ、22…金属マスク、22a,22b…開口、23…半導体装置、25…種メタル膜、26…金属膜、30…支持基板、30a…表面、31…樹脂接着剤層、A…切断予定ライン、B…所定領域、C…クラック。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面及び裏面を有する基板と、前記主面上に設けられた半導体層とを有するウェハを切断予定ラインに沿って切断する工程を含む半導体装置の製造方法であって、
前記ウェハの前記主面側の半導体素子領域と前記切断予定ラインとの間の前記半導体層の領域をエッチングすることにより前記半導体層に溝を形成する溝形成工程と、
前記基板の前記主面と支持基板とが対向するように、前記ウェハを前記支持基板に貼付する工程と、
前記裏面から前記切断予定ラインを含む領域をエッチングして前記ウェハを切断するエッチング工程と
を備えることを特徴とする、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記基板の前記主面に半導体素子構造を形成する半導体素子形成工程を、前記溝形成工程の前に更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記基板がシリコンカーバイド基板であり、
前記半導体層が窒化ガリウムを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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