説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】半導体装置における信頼性の向上を図る。
【解決手段】下段側の第1半導体パッケージ7上に上段側の第2半導体パッケージが積層されて成るPOP型半導体装置において、第1半導体パッケージ7の第1配線基板2の複数の主面側ランド2eを、主面2aの中央部に位置するチップ搭載領域を境にその両側に振り分けて配置しているため、スルーモールド方式を採用することができる。これにより、下段側の第1半導体パッケージ7の第1配線基板2の主面2a上に形成された第1封止体4が、第1配線基板2の一方の第2辺2nの中央部から他方の第2辺2nの中央部に向かって形成されるため、下段側の第1配線基板2の反りに対する強度を高めることができ、前記POP型半導体装置の信頼性の向上を図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造技術に関し、特に、半導体パッケージを多段に積層した構造の半導体装置の信頼性向上に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の高集積化に伴い、メモリ系の半導体チップと、この半導体チップを制御するコントローラ系の半導体チップを1つの半導体装置に混載し、1つのシステムを構築するSIP(System In Package)型の半導体装置が開発されている。
【0003】
そして、この半導体装置に内蔵するメモリ系の半導体装置の容量を製品の用途に合わせて変更できる、特許文献1に示すようなPOP(Package On Package)型の構成が有効とされている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−123454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に示すようなPOP型の半導体装置の場合、上段の配線基板と下段の配線基板を電気的に接続するボール電極(バンプ電極)は、下段の配線基板に搭載された半導体チップの周囲に配置される。そのため、下段の配線基板上に搭載された半導体チップを保護するための封止体が、樹脂を充填(供給)するためのゲート部を半導体チップの上部に設けたトップゲート方式により形成される。
【0005】
このような半導体装置について本願発明者が検討した結果、以下の問題を発見した。
【0006】
まず、配線基板の主面において、封止体が中央部のみに形成され、この封止体の周囲において、上段の配線基板は複数のバンプ電極を介して下段の配線基板と電気的に接続される。すなわち、下段の配線基板の周縁部まで、封止体が形成されていない。また、下段の配線基板、下段の半導体チップ、上段の配線基板、及び上段の半導体チップのそれぞれの厚さや、サイズは、異なっている。そのため、それぞれの熱膨張係数も異なる。
【0007】
これにより、バンプ電極を溶融して接合するための熱処理工程において、上段の配線基板と下段の配線基板(特に、下段の配線基板の周縁部)のそれぞれに反りが発生し、バンプ電極の接合部において、未接続が生じるという問題を見出した。
【0008】
また、トップゲート方式の場合、ゲート部から供給された樹脂は、配線基板の主面上において収束させる。
【0009】
そのため、金型に形成されたキャビティ内に残存する空気を、封止体を形成する領域の外側に排出することが困難となり、形成される封止体の内部に空気が残りやすいという問題を見出した。
【0010】
本発明の目的は、半導体装置における信頼性の向上を図ることができる技術を提供することにある。
【0011】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0013】
すなわち、本発明は、第1配線基板の第1基板主面の平面形状が、一対の第1辺と、前記第1辺と交差する一対の第2辺とを有する四角形から成り、第1封止体は、第1配線基板の一方の前記第2辺の中央部から他方の前記第2辺の中央部に向かって形成されており、複数の第1基板主面側ランドは、前記第1封止体と前記配線基板の前記第1辺との間に配置されているものである。
【0014】
また、本発明は、第1配線基板の第1基板主面の平面形状が、一対の第1辺と、前記第1辺と交差する一対の第2辺とを有する四角形から成り、複数の第1基板主面側ランドは、樹脂が供給される領域と前記配線基板の前記第1辺との間に配置されており、前記樹脂で封止する工程では、前記第1配線基板の一方の前記第2辺の中央部から他方の前記第2辺の中央部に向かって前記樹脂を供給し、封止体を形成するものである。
【発明の効果】
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0016】
下段の配線基板の主面に形成される複数のランドを、配線基板の中央部に位置するチップ搭載領域を境に、その両側に振り分けて配置しているため、スルーモールド方式を採用することができ、その結果、下段の配線基板上の封止体を基板の一方の端部から他方の端部にまで亘って形成することができる。これにより、配線基板の反りに対する強度を高めることができ、半導体装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0017】
スルーモールド方式を採用することができるため、キャビティ内に残留する空気を、封止体を形成する領域の外側に排出することができる。これにより、封止体の内部にボイドが形成されることを低減でき、半導体装置の信頼性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0019】
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
【0020】
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の半導体装置の構造の一例を示す平面図、図2は図1に示す半導体装置の裏面側の構造の一例を示す底面図、図3は図2のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図4は図2のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図5は図3のA部の構造の一例を示す拡大部分断面図である。また、図6は図1に示す半導体装置の第1半導体パッケージの構造の一例を示す平面図、図7は図6に示す第1半導体パッケージの構造を封止体を透過して示す平面図、図8は図6に示す第1半導体パッケージの裏面側の構造を示す底面図、図9は図1に示す半導体装置の第2半導体パッケージの構造の一例を封止体を透過して示す平面図、図10は図9に示す第2半導体パッケージの裏面側の構造を示す底面図である。さらに、図11は図1に示す半導体装置の回路ブロック構成の一例を示す回路ブロック図である。
【0023】
図1〜図5に示す本実施の形態1の半導体装置は、半導体パッケージを多段に積層した構造のPOP(Package On Package)型半導体装置8であり、本実施の形態1では、下段側の第1半導体パッケージ7上に上段側の第2半導体パッケージ17を積層したものである。
【0024】
本実施の形態1のPOP型半導体装置8では、下段側の第1半導体パッケージ7に制御系の第1半導体チップが搭載されており、一方、上段側の第2半導体パッケージ17にはメモリ系の第2半導体チップが搭載されており、このメモリ系の第2半導体チップは、制御系の第1半導体チップによって制御される。したがって、POP型半導体装置8は、SIP型の半導体装置でもある。
【0025】
POP型半導体装置8を、下段側の第1半導体パッケージ7と、上段側の第2半導体パッケージ17とに分けて説明する。
【0026】
まず、下段側の第1半導体パッケージ7の構成について説明すると、制御系の第1半導体チップであるコントローラチップ1と、コントローラチップ1が搭載された第1配線基板2と、コントローラチップ1と第1配線基板2とを電気的に接続する第1導電性部材である複数のワイヤ3と、コントローラチップ1と複数のワイヤ3を樹脂によって封止する第1封止体4と、第1配線基板2の裏面2bに設けられた複数の半田ボール5とから成る。
【0027】
第1配線基板2は、図5及び図7に示すように、複数の第1ボンディングリード2cが形成された第1チップ搭載領域2dを有する主面(第1基板主面)2aと、複数の第1ボンディングリード2cのそれぞれと電気的に接続され、かつ前記主面2aにおいて第1チップ搭載領域2dの周囲に配置された複数の主面側ランド(第1基板主面側ランド)2eを有している。さらに、主面2aとは反対側に位置する裏面(第1基板裏面)2bと、複数の第1ボンディングリード2cのそれぞれと電気的に接続され、かつ前記裏面2bに配置された複数の裏面側ランド(第1基板裏面側ランド)2fを有している。
【0028】
また、第1配線基板2は、図5に示すようにコア材2gと、その表裏両面に形成された配線部2iと、表裏両面の配線部2iを電気的に接続するスルーホール配線2jと、各配線部2iを覆う絶縁膜であるソルダレジスト膜2hとを有している。これにより、主面側ランド2eと第1ボンディングリード2c及び裏面側ランド2fが、配線部2iとスルーホール配線2jを介して電気的に接続されている。ソルダレジスト膜2hは、各配線部2iは覆っているが、主面側ランド2e、第1ボンディングリード2c及び裏面側ランド2fにおいては、それぞれの電極の周縁部のみを覆っており、中央部は開口している。これにより、主面側ランド2e、第1ボンディングリード2c及び裏面側ランド2fの各電極は電気的接続が行えるようになっている。
【0029】
なお、複数の裏面側ランド2fは、図2〜図4の半田ボール5の配列に示すように、第1配線基板2の裏面2bの外周部に2列に並んでペリフェラル配置で設けられている。
【0030】
また、第1半導体パッケージ7に搭載された第1半導体チップである制御系のコントローラチップ1は、図7に示すように第1配線基板2の第1チップ搭載領域2dに搭載され、制御回路を有しており、さらに図5に示すように主面(第1チップ主面)1a、主面1aに形成された複数の第1パッド(第1電極パッド)1c、及び主面1aとは反対側に位置する裏面(第1チップ裏面)1bを有している。
【0031】
なお、コントローラチップ1の主面1aの複数の第1パッド1cは、図7に示すように、主面1aの4辺の周縁部に沿って並んで設けられている。コントローラチップ1は、図5に示すように、第1配線基板2の主面2aにペースト材やフィルム状接着材等のダイボンド材6によって固着されている。
【0032】
また、コントローラチップ1の複数の第1パッド1cと第1配線基板2の複数の第1ボンディングリード2cとは、それぞれワイヤ(第1導電性部材)3によって電気的に接続されている。
【0033】
さらに、図6及び図7に示すように、複数の主面側ランド2eのそれぞれが露出するように第1封止体4が第1配線基板2の主面2a上に形成されており、この第1封止体4によって、コントローラチップ1、複数のワイヤ3及び第1配線基板2の主面2aが樹脂封止されている。
【0034】
また、第1配線基板2の裏面2bの複数の裏面側ランド2fのそれぞれには、図5及び図8に示すように半田ボール5が接合されている。
【0035】
次に、上段側の第2半導体パッケージ17の構成について説明すると、メモリ系の第2半導体チップである不揮発性メモリ11と、不揮発性メモリ11が搭載された第2配線基板12と、不揮発性メモリ11と第2配線基板12とを電気的に接続する第2導電性部材である複数のワイヤ13と、不揮発性メモリ11と複数のワイヤ13を樹脂によって封止する第2封止体14と、第2配線基板12の裏面12bに設けられた複数の半田ボール15とから成る。
【0036】
第2配線基板12は、図5及び図9に示すように、複数の第2ボンディングリード12cが形成された第2チップ搭載領域12dを有する主面(第2基板主面)12aと、主面12aとは反対側に位置する裏面(第2基板裏面)12bと、複数の第2ボンディングリード12cのそれぞれと電気的に接続され、かつ前記裏面12bに配置された複数の裏面側ランド(第2基板裏面側ランド)12fを有している。
【0037】
また、第2配線基板12は、第1配線基板2と同様に、図5に示すようにコア材12gと、その表裏両面に形成された配線部12iと、表裏両面の配線部12iを接続するスルーホール配線12jと、各配線部12iを覆う絶縁膜であるソルダレジスト膜12hとを有している。これにより、第2ボンディングリード12c及び裏面側ランド12fが、配線部12iとスルーホール配線12jを介して電気的に接続されている。ソルダレジスト膜12hは、第1配線基板2と同様に各配線部12iは覆っているが、第2ボンディングリード12c及び裏面側ランド12fにおいては、それぞれの電極の周縁部のみを覆っており、中央部は開口している。これにより、第2ボンディングリード12c及び裏面側ランド12fの各電極は電気的接続が行えるようになっている。
【0038】
なお、複数の裏面側ランド12fは、図10の半田ボール15の配列や図7の第1配線基板2の主面側ランド2eの配列に示されるように、第2配線基板12の裏面12bにおいて対向する1組の辺に沿ってそれぞれ並んで設けられている。
【0039】
また、第2半導体パッケージ17に搭載された第2半導体チップであるメモリ系の不揮発性メモリ11は、図9に示すように第2配線基板12の第2チップ搭載領域12dに搭載され、メモリ回路を有しており、さらに図5に示すように主面(第2チップ主面)11a、主面11aに形成された複数の第2パッド(第2電極パッド)11c、及び主面11aとは反対側に位置する裏面(第2チップ裏面)11bを有している。
【0040】
なお、不揮発性メモリ11の主面11aの複数の第2パッド11cは、図9に示すように、主面11aの4辺のうちの1辺に沿って並んで設けられている。不揮発性メモリ11も、コントローラチップ1と同様に、図5に示すように、第2配線基板12の主面12aにペースト材やフィルム状接着材等のダイボンド材16によって固着されている。
【0041】
また、不揮発性メモリ11は、コントローラチップ1によって制御される。
【0042】
また、不揮発性メモリ11の複数の第2パッド11cと第2配線基板12の複数の第2ボンディングリード12cとは、それぞれワイヤ(第2導電性部材)13によって電気的に接続されている。
【0043】
さらに、図5に示すように第2封止体14が第2配線基板12の主面12a上に形成されており、この第1封止体4によって、不揮発性メモリ11、複数のワイヤ13及び第2配線基板12の主面12aが樹脂封止されている。
【0044】
また、第2配線基板12の裏面12bの複数の裏面側ランド12fのそれぞれには、図5及び図10に示すように半田ボール(第2外部端子、バンプ電極)15が接合されており、上段側の第2配線基板12の複数の裏面側ランド(電極、ランド)12fと、下段側の第1配線基板2の複数の主面側ランド(電極、ランド)2eとが複数の半田ボール15によって電気的に接続されている。
【0045】
なお、半田ボール15は、図5に示すように、下段側の第1半導体パッケージ7の第1封止体4より高さが高くなければならないため、半田ボール5に比べて遥かに大きい。
【0046】
本実施の形態1のPOP型半導体装置8では、その下段側の第1半導体パッケージ7における第1配線基板2の主面2aの平面形状は、図7に示すように、一対の第1辺2mと、この第1辺2mと交差する一対の第2辺2nとを有する四角形から成る。POP型半導体装置8では、第1配線基板2の主面側ランド2eの配列方向に沿った方向の辺を第1辺2mとし、この第1辺2mと交差する方向の辺を第2辺2nとしている。
【0047】
さらに、POP型半導体装置8では、図6に示すように下段側の第1半導体パッケージ7の第1配線基板2上の第1封止体4は、第1配線基板2の一方の第2辺2nの中央部から他方の第2辺2nの中央部に向かって形成されている。すなわち、第1封止体4は、一方の第2辺2nから対向する他方の第2辺2nに到達するように形成されている。
【0048】
さらに、複数の主面側ランド2eは、第1封止体4の両側に配置され、第1封止体4と第1配線基板2の一方の第1辺2mとの間と、他方の第1辺2mとの間において、それぞれ第1辺2mに沿って1列に並んで配置されている。ただし、複数の主面側ランド2eは、第1封止体4の両側において、第1辺2mに沿ってそれぞれ複数列に亘って配置されていてもよい。
【0049】
つまり、POP型半導体装置8では、第1配線基板2の主面2aにおいて、第1封止体4が一方の第2辺2nから対向する他方の第2辺2nに到達するように、かつ第2辺2nより狭い幅(第1チップ搭載領域2dより僅かに大きい程度の幅)で形成されており、また、複数の主面側ランド2eが、第1封止体4の両側に振り分けられてそれぞれ第1辺2mに沿って並んで配置されている。
【0050】
ここで、上段側の第2半導体パッケージ17の第2半導体チップである不揮発性メモリ11と、下段側の第1半導体パッケージ7の第1半導体チップであるコントローラチップ(マイコンチップ)1とで、両者の電極パッド数の違いについて説明する。すなわち、本実施の形態1のPOP型半導体装置8では、上段側の第2半導体パッケージ17には不揮発性メモリ11が搭載されており、下段側の第1半導体パッケージ7には上段側の不揮発性メモリ11を制御するコントローラチップ1が搭載されている。不揮発性メモリ(例えば、FLASHメモリ)11は、読み出すためのデータや書き込んだデータを格納しておく記録手段である。
【0051】
図11の回路ブロック図に示すように、コントローラチップ1は、POP型半導体装置8、言い換えるとコントローラチップ1と不揮発性メモリ11により構築されたシステムの内部に位置する不揮発性メモリ11の制御を行うため、不揮発性メモリ11と信号の入出力を行う(電気的に接続する)ためのメモリインターフェース(内部インターフェース)を有している。また、POP型半導体装置8、言い換えるとシステムの外部(又は、外部に搭載された外部機器)と信号のやり取り(入出力)も行う(電気的に接続する)ための外部インターフェースも有している。すなわち、コントローラチップ1に形成された複数の第1パッド1cは、内部インターフェース用のパッドと、外部インターフェース用のパッドを有している。一方、不揮発性メモリ11は、外部機器と直接的に信号のやり取りは行わないため、両者の電極パッド数の違いは明らかであり、コントローラチップ1の方が不揮発性メモリ11より電極パッド数が多い。つまり、POP型半導体装置8において、コントローラチップ1が有する複数の第1パッド1cの数(総数)は、不揮発性メモリ11が有する複数の第2パッド11cの数(総数)よりも多い。
【0052】
さらに、本実施の形態1のPOP型半導体装置8では、上段側の第2半導体パッケージ17に搭載されたメモリは1種類のみである。したがって、必然的に不揮発性メモリ11の電極パッド数は少ない。
【0053】
このように本実施の形態1のPOP型半導体装置8では、上段側の第2半導体パッケージ17に搭載される半導体チップがメモリチップであるとともに、その種類が1種類のみであるため、上段側の第2半導体パッケージ17の裏面側ランド12fの数を少なくすることができ、その結果、下段側の第1半導体パッケージ7の主面側ランド2eの数も少なくすることができる。したがって、これら主面側ランド2eを第1封止体4の両側に振り分けて配置することが可能になる。
【0054】
これにより、第1封止体4を第1配線基板2の主面2aの端部まで配置することができる。したがって、樹脂モールディング時のゲート部を第1配線基板2の主面2aの端部近傍に配置することができ、第1封止体4の形成時に、スルーモールド方式(一括モールド方式:複数のデバイス領域を樹脂成形金型の1つのキャビティで一括して覆って樹脂モールドを行う方式)を採用することができる。
【0055】
したがって、図6に示すように第1封止体4を第1配線基板2の一方の第2辺2nの中央部から、対向する他方の第2辺2nの中央部に到達するように形成することが可能になる。その結果、第1封止体4を第1配線基板2の主面2a上の端(辺)から対向する端(辺)まで形成可能になるため、第1半導体パッケージ7の剛性を高めることができる。
【0056】
このように、本実施の形態1のPOP型半導体装置8の下段側の第1半導体パッケージ7の第1封止体4は、スルーモールド方式によって形成されたものである。
【0057】
次に、本実施の形態1のPOP型半導体装置8の製造方法について説明する。
【0058】
図12は図1に示す半導体装置の第1半導体パッケージの組み立てで用いられる配線基板の構造の一例を示す平面図、図13は図12に示す配線基板の裏面側の構造の一例を示す裏面図、図14は図12のA部の構造を示す拡大部分平面図、図15は図14のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図16は図14のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。また、図17は図6に示す第1半導体パッケージの組み立てにおけるダイボンディング後の構造の一例を示す部分拡大平面図、図18は図17のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図19は図17のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。さらに、図20は図6に示す第1半導体パッケージの組み立てにおけるワイヤボンディング後の構造の一例を示す部分拡大平面図、図21は図20のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図22は図20のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。また、図23は図6に示す第1半導体パッケージの組み立てにおける樹脂モールディング後の構造の一例を示す部分拡大平面図、図24は図23のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図25は図23のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図26は図13のA部におけるボールマウント後の構造の一例を示す裏面図、図27は図26のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【0059】
まず、下段側の第1半導体パッケージ7の製造方法について説明する。
【0060】
図12〜図16に示すように、第1チップ搭載領域2dを有する主面2a、主面2aにおいて第1チップ搭載領域2dの周囲に配置された複数の主面側ランド2e、主面2aとは反対側に位置する裏面2b、及び裏面2bに配置された複数の裏面側ランド2fを有するデバイス領域9aが複数個形成されたマトリクス基板(第1配線基板2)9を準備する。なお、図12に示すように、主面2aの第1チップ搭載領域2dには複数の第1ボンディングリード2cが形成されている。また、図14に示すように、複数の主面側ランド2eのそれぞれは、複数の第1ボンディングリード2cと電気的に接続されている。また、図12及び図14に示すように、複数のデイバス領域9aの第2辺2nと、この第2辺2nと隣接し、このデバイス領域9aの外側に位置するマトリクス基板9の辺(前記第2辺2nに最も近い辺)との間には、ゲート部9dが配置されている。このゲート部9dの表面には、Auメッキ層が形成されており、このゲート部9dを介して、ポット部(図示しない)に投入された樹脂がデバイス領域9a内に供給される。尚、ゲート部9dの表面に、Auメッキ層が形成されているため、後の工程で形成された封止体18の一部を分離するゲートブレーク工程において、マトリクス基板9から容易に封止体18の一部を分離(剥離)することができる。さらに、図15及び図16に示す複数の裏面側ランド2fのそれぞれも複数の第1ボンディングリード2cと電気的に接続されている。
【0061】
その後、ダイボンディングを行う。ここでは、図17〜図19に示すように、主面1a、主面1aに形成された複数の第1パッド1c、及び主面1aとは反対側に位置する裏面1bを有する複数のコントローラチップ1を、マトリクス基板(第1配線基板2)9の複数のデバイス領域9aのそれぞれの図14に示す第1チップ搭載領域2d上に搭載する。その際、図5に示すように、各コントローラチップ1はダイボンド材6を介して第1配線基板2上に搭載する。
【0062】
その後、ワイヤボンディングを行う。ここでは、図20〜図22に示すように、コントローラチップ1の複数の第1パッド1cと、第1配線基板2の複数の第1ボンディングリード2cとを複数のワイヤ3(例えば、金線)を介してそれぞれ電気的に接続する。
【0063】
その後、樹脂モールディングを行う。ここでは、図23〜図25に示すように、複数の主面側ランド2eのそれぞれが露出するように、複数のコントローラチップ1、複数のワイヤ3、及び第1配線基板2の主面2aを樹脂で一括して封止する。ここで、前述したゲートブレーク工程において、半導体チップ1を封止する封止体18から、ゲート部9d上に形成された不要な封止体18(ゲートレジン)を分離し易くするために、図25に示すように、ゲート部9dに対応する上金型の一部(図示しない)に段差部を形成している。これにより、ゲート部9dに形成された封止体18の表面(厚さ)は、デバイス領域9aに形成された封止体18の表面(厚さ)よりも低く(薄く)なる。
【0064】
なお、第1配線基板2では、図7に示すようにその主面2aの平面形状は、一対の第1辺2mと、第1辺2mと交差する一対の第2辺2nとを有する四角形から成り、複数の主面側ランド2eは、樹脂が供給される領域(封止体18(第1封止体4)が形成される領域;モールド領域2k)と第1配線基板2の一方の第1辺2mとの間(と、他方の第1辺2mとの間)に(おいて、第1辺2mに沿って)配置されている。そこで、前記樹脂で封止する工程では、第1配線基板2の一方の第2辺2nの中央部から、対向する他方の第2辺2nの中央部に向かって前記樹脂を供給し、これによって図23に示すように一括した封止体18を形成する。
【0065】
すなわち、POP型半導体装置8では、上段側の第2半導体パッケージ17に搭載される半導体チップがメモリチップであるとともに、その種類が1種類のみであるため、上段側の第2半導体パッケージ17の裏面側ランド12fの数を少なくすることができ、その結果、下段側の第1半導体パッケージ7の主面側ランド2eの数も少なくすることができる。したがって、これら主面側ランド2eを図20に示すモールド領域2kの両側に振り分けて配置することが可能になる。これにより、封止体18を図7に示す第1配線基板2の一方の第2辺2nの中央部から、対向する他方の第2辺2nの中央部に到達するように形成することが可能になり、樹脂モールド方式として、スルーモールド方式(一括モールド方式:複数のデバイス領域を樹脂成形金型の1つのキャビティで一括して覆って樹脂モールドを行う方式)を採用することができる。つまり、図7の第1配線基板2の第1辺2mに沿った方向である図23に示すレジン流動方向10に沿って樹脂をスルーモールド方式で第1配線基板2に対して供給できる。なお、レジン流動方向10は、図23に示された方向と180°反対の方向であってもよい。
【0066】
以上のように、本実施の形態1のPOP型半導体装置8の組み立てでは、その樹脂モールディング工程で、スルーモールド方式を採用して、複数のデバイス領域9aを一括して封止して、これにより、一括した細長い封止体18を形成できる。
【0067】
その後、ボールマウントを行う。ここでは、図26及び図27に示すように、図5の第1配線基板2の複数の裏面側ランド2fのそれぞれに複数の第1外部端子である半田ボール5を形成する。その後、個片化の切断を行って下段側の第1半導体パッケージ7の組み立て完了となる。
【0068】
次に、上段側の第2半導体パッケージ17の製造方法について説明する。
【0069】
図28は図1に示す半導体装置の第2半導体パッケージの組み立てで用いられる配線基板の構造の一例を示す平面図、図29は図28に示す配線基板の裏面側の構造の一例を示す裏面図、図30は図28のA部の構造を示す拡大部分平面図、図31は図30のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図32は図30のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。また、図33は図9に示す第2半導体パッケージの組み立てにおけるダイボンディング後の構造の一例を示す部分拡大平面図、図34は図33のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図35は図33のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。さらに、図36は図9に示す第2半導体パッケージの組み立てにおけるワイヤボンディング後の構造の一例を示す部分拡大平面図、図37は図36のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図38は図36のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。また、図39は図9に示す第1半導体パッケージの組み立てにおける樹脂モールディング後の構造の一例を示す部分拡大平面図、図40は図39のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図41は図39のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。さらに、図42は図29のA部におけるボールマウント後の構造の一例を示す裏面図、図43は図42のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図44は図42のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【0070】
まず、図28〜図32に示すように、図30の第2チップ搭載領域12dを有する主面12a、主面12aとは反対側に位置する裏面12b、及び裏面12bに配置された複数の裏面側ランド12fを有するデバイス領域9cが複数個形成されたマトリクス基板(第2配線基板12)9bを準備する。なお、図30に示すように、主面12aの第2チップ搭載領域12dには複数の第2ボンディングリード12cが形成されている。ただし、第2配線基板12の第2ボンディングリード12cの数が、第1配線基板2の第1ボンディングリード2cの数より少ないことは言うまでもない。また、図31及び図32に示す複数の裏面側ランド12fのそれぞれは複数の第2ボンディングリード12cと電気的に接続されている。
【0071】
その後、ダイボンディングを行う。ここでは、図33〜図35に示すように、主面11a、主面11aに形成された複数の第2パッド11c、及び主面11aとは反対側に位置する裏面11bを有する複数の不揮発性メモリ11を、マトリクス基板(第2配線基板12)9bの複数のデバイス領域9cのそれぞれの図30に示す第2チップ搭載領域12d上に搭載する。その際、図5に示すように、各不揮発性メモリ11はダイボンド材16を介して第2配線基板12上に搭載する。
【0072】
その後、ワイヤボンディングを行う。ここでは、図36〜図38に示すように、不揮発性メモリ11の複数の第2パッド11cと、第2配線基板12の複数の第2ボンディングリード12cとを複数のワイヤ13(例えば、金線)を介してそれぞれ電気的に接続する。
【0073】
その後、樹脂モールディングを行う。ここでは、図39〜図41に示すように、複数の不揮発性メモリ11、複数のワイヤ13、及び第2配線基板12の主面12aを樹脂で一括して封止する。ここでは、複数のデバイス領域9cを一括して樹脂封止して図36の複数のデバイス領域9cを一括して覆う封止体18を形成する。
【0074】
その後、ボールマウントを行う。ここでは、図42〜図44に示すように、図5の第1配線基板2の主面側ランド2eと同ピッチで形成された第2配線基板12の複数の裏面側ランド12fのそれぞれに複数の第2外部端子である半田ボール15を形成する。その後、個片化を行って上段側の第2半導体パッケージ17の組み立て完了となる。
【0075】
その後、下段側の第1半導体パッケージ7上に上段側の第2半導体パッケージ17を積層する。
【0076】
詳細には、第2配線基板12上に不揮発性メモリ11が搭載され、かつ主面12aとは反対側に位置する裏面12bに複数の裏面側ランド12fが配置された第2半導体パッケージ17の第2配線基板12を、複数の半田ボール15を介して第1半導体パッケージ7の第1配線基板2上に搭載する。これにより、第1配線基板2の複数の主面側ランド2eと第2配線基板12の複数の裏面側ランド12fとをそれぞれ半田ボール15を介して電気的に接続する。
【0077】
その際、予め第2半導体パッケージ17の第2配線基板12の裏面側ランド12fに複数の半田ボール15を設けておき、この複数の半田ボール15を、第2半導体パッケージ17に設けられた状態で、第1配線基板2の複数の主面側ランド2e上に配置した後、第1半導体パッケージ7の複数の主面側ランド2eと、第2半導体パッケージ17の複数の裏面側ランド12fとを複数の半田ボール15を介して電気的に接続する。
【0078】
以上により、本実施の形態1のPOP型半導体装置8の組み立て完了となる。
【0079】
なお、上段側の第2半導体パッケージ17の第2配線基板12の複数の裏面側ランド12fに形成された複数の半田ボール15は、必ずしも予め第2配線基板12に形成されていなくてもよい。つまり、第2配線基板12を第1配線基板2上に積層する際に、この複数の半田ボール15を介して搭載(積層)してもよい。
【0080】
本実施の形態1のPOP型半導体装置8及びその製造方法によれば、下段側の第1半導体パッケージ7の第1配線基板2に形成される複数の主面側ランド2eを、第1配線基板2の中央部に位置する第1チップ搭載領域2dを境にその両側に振り分けて配置しており、これによって、第1封止体4を第1配線基板2の主面2aの端部まで配置することができる。
【0081】
したがって、樹脂モールディング時のゲート部を第1配線基板2の主面2aの端部近傍に配置することができ、樹脂モールディングにおいてスルーモールド方式を採用することができる。
【0082】
その結果、下段側の第1半導体パッケージ7の第1配線基板2上の第1封止体4を第1配線基板2の一方の端部(第2辺2n)から、これに対向する他方の端部(第2辺2n)にまで亘って形成することができる。これにより、第1半導体パッケージ7の剛性を高めることができるため、第1配線基板2の反りに対する強度を高めることができ、POP型半導体装置8の信頼性の向上を図ることができる。
【0083】
また、スルーモールド方式を採用することができるため、樹脂成形金型のキャビティ内に残留する空気を、第1封止体4を形成する領域の外側に排出することができる。これにより、第1封止体4の内部にボイドが形成されることを低減でき、POP型半導体装置8の信頼性の向上を図ることができる。
【0084】
次に、本実施の形態1の変形例について説明する。
【0085】
本実施の形態1では、上段側の第2配線基板12側の組み立てまで完了した第2半導体パッケージ17を、下段側の第1半導体パッケージ7上に積層する段階まで行うPOP型半導体装置8について説明したが、下段側の第1半導体パッケージ7の製造を完了した時点でこの第1半導体パッケージ7を出荷してもよい。これにより、製品の用途に応じて、マザーボード上に実装する前に、不揮発性メモリ11(例えば、FLASH)の容量を変更することが容易になる。
【0086】
また、本実施の形態1では、上段側の第2配線基板12上にメモリチップを搭載し、上段側の第2半導体パッケージ17を製造してから、下段側の第1半導体パッケージ7上に積層する工程について説明したが、下段側の第1半導体パッケージ7を製造してから、予め準備しておいた上段側の第2半導体パッケージ17を積層してもよい。これにより、上段側の第2半導体パッケージ17を製造する工程が削減できるため、完成したPOP型半導体装置8の製造コストを低減することができる。
【0087】
(実施の形態2)
図45は本発明の実施の形態2の半導体装置における第1半導体パッケージの構造の一例を封止体を透過して示す平面図、図46は図45のB−B線に沿って切断した本発明の実施の形態2の半導体装置の構造の一例を示す断面図である。また、図47は本発明の実施の形態2の半導体装置の第1変形例における第1半導体パッケージの構造の一例を封止体を透過して示す平面図、図48は図47のB−B線に沿って切断した本発明の実施の形態2の半導体装置の第1変形例の構造を示す断面図、図49は図46に示す半導体装置の回路ブロック構成の一例を示す回路ブロック図である。
【0088】
図45及び図46に示す本実施の形態2の半導体装置は、実施の形態1と同様に、半導体パッケージを多段に積層した構造のPOP型半導体装置19であり、下段側の第1半導体パッケージ7上に上段側の第2半導体パッケージ17を積層したものである。
【0089】
本実施の形態2のPOP型半導体装置19では、下段側の第1半導体パッケージ7に制御系の第1半導体チップとその横にメモリ系の第3半導体チップが搭載されている。上段側の第2半導体パッケージ17には実施の形態1のPOP型半導体装置8と同様にメモリ系の第2半導体チップのみが搭載されている。下段側の第1半導体パッケージ7に搭載されたメモリ系の第3半導体チップは、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)21等であり、上段側の第1半導体パッケージ7に搭載された第2半導体チップである不揮発性メモリ11とは、異なったメモリ機能のメモリ回路を有している。下段側の第1半導体パッケージ7に搭載された第1半導体チップは、実施の形態1と同様にコントローラチップ1である。
【0090】
SDRAM21は、例えば、コントローラチップ1のキャッシュメモリとして設けられ、一時的に演算データを格納しておく記録手段であり、図45に示すように第1配線基板2の第1辺2mに沿った方向のコントローラチップ1の隣に搭載されている。SDRAM21はその主面21aを上方に向け、裏面21bと第1配線基板2の主面2aとが接合されている。
【0091】
図49のPOP型半導体装置19の回路ブロック図に示すように、上段側の不揮発性メモリ11と下段側のSDRAM21は、両者とも下段側のコントローラチップ1によって制御される。実施の形態1のPOP型半導体装置8と同様に、不揮発性メモリ11及びSDRAM21は、外部機器との信号のやり取りは行わず、コントローラチップ1のみが外部機器と信号のやり取りを行うため、コントローラチップ1が有する第1パッド(第1電極パッド)1cの数は、不揮発性メモリ11が有する図5に示す第2パッド(第2電極パッド)11cの数やSDRAM21が有する第3パッド(第3電極パッド)21cの数に比べて多い。つまり、SDRAM21の第3パッド21cの数も不揮発性メモリ11と同様に、コントローラチップ1の第1パッド1cの数に比べて少ない。
【0092】
このように本実施の形態2のPOP型半導体装置19においても、上段側の第2半導体パッケージ17に搭載されるメモリチップの種類が1種類のみであるため、上段側の第2半導体パッケージ17の裏面側ランド12fの数を少なくすることができ、その結果、下段側の第1半導体パッケージ7の主面側ランド2eの数を少なくすることができる。
【0093】
これにより、図45に示すように、複数の主面側ランド2eを図46に示す第1封止体4の両側に振り分けて配置することが可能になる。
【0094】
なお、SDRAM21は、コントローラチップ1のキャッシュメモリであり、信号処理の高速化を図るため、コントローラチップ1の近くに配置することが好ましい。したがって、下段側の第1半導体パッケージ7に搭載されている。その際、SDRAM21の主面(第3チップ主面)21aは、不揮発性メモリ11の主面11aより小さく、かつ第1配線基板2の第1辺2mに沿った方向のコントローラチップ1の隣に搭載することで、第1封止体4の幅を広げることなく下段側のコントローラチップ1の近くにSDRAM21を搭載することができる。これにより、POP型半導体装置19においても実施の形態1のPOP型半導体装置8と同様に、第1封止体4をスルーモールド方式で形成することができる。
【0095】
また、SDRAM21の平面形状(主面21aの形状)は、長方形から成り、主面21aに形成された複数の第3パッド(第3電極パッド)21cは、図45に示すように主面21aの長辺に沿って配置されている。すなわち、複数の第3パッド21cは、第1配線基板2の第1辺2mに沿った方向のSDRAM21の主面21aの中央部(SDRAM21の長方形の主面21aの幅方向の中央部)に第2辺2nに沿った方向に並んで配置されており、所謂センタパッド配置である。その際、前記センタパッド配置は、複数の第3パッド21cが1列から成るものであっても、複数列から成るものであっても何れでもよい。
【0096】
さらに、SDRAM21の主面21aに形成された複数の第3パッド21cが、複数のワイヤ3によって第1配線基板2の主面2aの複数の第3ボンディングリード(電極)2pに電気的に接続されている。
【0097】
その際、複数のワイヤ3は、第1配線基板2の第1辺2mに沿った方向にワイヤリングされている。すなわち、SDRAM21の第3パッド21cと第1配線基板2の第3ボンディングリード2pとを電気的に接続する複数のワイヤ3のそれぞれは、SDRAM21の短辺に沿って形成されている。
【0098】
このようにSDRAM21と接続する複数のワイヤ3をSDRAM21の短辺(第1配線基板2の第1辺2m)に沿ってワイヤリングすることで、複数のワイヤ3が第1封止体4を形成する際のレジン流動方向10に沿ってワイヤリングされるため、レジン流れの妨害となることを低減できる。
【0099】
これにより、ワイヤ剥離やボイドの形成等を低減することができる。
【0100】
すなわち、SDRAM21と接続する複数のワイヤ3は、樹脂モールドの際のレジン流動方向10に沿ってワイヤリングすることが好ましく、特に、SDRAM21がセンタパッド配置の場合には、ワイヤ長が長くなるため、レジン流動方向10に沿ってワイヤリングすることが、レジン流れの妨害に対してはより有効である。
【0101】
なお、本実施の形態2のPOP型半導体装置19のその他の構造と、POP型半導体装置19によって得られるその他の効果については、実施の形態1のPOP型半導体装置8のものと同様であるため、その重複説明は省略する。
【0102】
次に、図47及び図48を用いて本実施の形態2の変形例について説明する。
【0103】
図47及び図48に示すPOP型半導体装置19は、下段側の第1半導体パッケージ7の第1配線基板2上に、コントローラチップ1及びSDRAM21に加えてチップ部品20が搭載されているものである。
【0104】
すなわち、POP型半導体装置19の下段側の第1半導体パッケージ7においては、コントローラチップ1またはSDRAM21の隣にチップ部品20を搭載してもよく、図48に示すように、コントローラチップ1及びSDRAM21とその周辺に搭載されたチップ部品20も第1封止体4によって樹脂封止されている。
【0105】
なお、チップ部品20は、例えば、抵抗、コイル(水晶振動子)、コンデンサ(キャパシタ、静電容量)等である。
【0106】
(実施の形態3)
図50は本発明の実施の形態3の半導体装置における第1半導体パッケージの構造の一例を封止体を透過して示す平面図、図51は図50のB−B線に沿って切断した本発明の実施の形態3の半導体装置の構造の一例を示す断面図である。また、図52は本発明の実施の形態3の半導体装置の第1変形例における第1半導体パッケージの構造を封止体を透過して示す平面図、図53は図52のB−B線に沿って切断した本発明の実施の形態3の半導体装置の第1変形例の構造を示す断面図、図54は本発明の実施の形態3の半導体装置の第2変形例における第1半導体パッケージの構造を封止体を透過して示す平面図、図55は図54のB−B線に沿って切断した本発明の実施の形態3の半導体装置の第2変形例の構造を示す断面図である。さらに、図56は図55に示す半導体装置における第2半導体パッケージの構造を封止体を透過して示す平面図、図57は図55に示す半導体装置の裏面側の構造の一例を示す底面図である。
【0107】
図50及び図51に示す本実施の形態3の半導体装置は、実施の形態2と同様に、半導体パッケージを多段に積層した構造のPOP型半導体装置22であり、下段側の第1半導体パッケージ7上に上段側の第2半導体パッケージ17を積層したものである。
【0108】
本実施の形態3のPOP型半導体装置22は、上段側の第2半導体パッケージ17の第2配線基板12の実装強度を向上するための補強用ランド(第3ランド)2qが第1配線基板2に設けられているものである。
【0109】
すなわち、POP型半導体装置22では、第1半導体パッケージ7に形成された第1封止体4が、コントローラチップ1を封止する第1封止部4aと、第1辺2mに沿った方向の第1封止部4aの両側に第1封止部4aと一体で形成された第2封止部4bとから成り、第1配線基板2の主面2aの第2封止部4bの第2辺2nに沿った方向の両側に第3ランドである補強用ランド2qが設けられている。図50,図51に示す第1半導体パッケージ7では、第1封止部4aの周囲4箇所に補強用ランド2qが形成されている。4箇所に補強用ランド2qが形成され、これら補強用ランド2qも半田ボール15を介して上段側の第2配線基板12と接続されることで、上段側の第2配線基板12の実装強度を向上することができる。
【0110】
なお、補強用ランド2qは、信号用の伝達経路となる主面側ランド2eと第2封止部4bとの間に位置している。
【0111】
また、POP型半導体装置22では、補強用ランド2qを回避するために、第2封止部4bの第2辺2nに沿った方向の幅は、第1封止部4aの同方向の幅より狭く形成されている。
【0112】
すなわち、補強用ランド2qを回避するために、コントローラチップ1の周囲に形成された第2封止部4bの第2辺2nに沿った方向の幅は、コントローラチップ1を封止する第1封止部4aの同方向の幅より狭くなっている。
【0113】
ただし、図51に示すように、第2封止部4bの厚さは、第1封止部4aの厚さより厚くなっている。
【0114】
つまり、補強用ランド2qを回避した分、第1封止部4aの外側の第2封止部4bは第1封止部4aより幅が狭いが、高さは第1封止部4aより高い。
【0115】
これにより、第1封止部4aと第2封止部4bとで、樹脂モールディング工程での樹脂供給時の樹脂の流速を変えることなく安定した速度で樹脂を流すことができる。
【0116】
本実施の形態3のPOP型半導体装置22のその他の構造と、POP型半導体装置22によって得られるその他の効果については、実施の形態2のPOP型半導体装置19のものと同様であるため、その重複説明は省略する。
【0117】
次に、本実施の形態3の変形例について説明する。
【0118】
図52及び図53に示す本実施の形態3の第1変形例は、第2封止部4bによって、第1半導体パッケージ7の第1配線基板2の主面2a上に搭載されたチップ部品20を封止している構造を示している。
【0119】
すなわち、チップ部品20は、コントローラチップ1やSDRAM21より厚さ(実装高さ)が厚い(高い)場合が多く、高さが高いチップ部品20であっても第2封止部4bによって封止することができる。
【0120】
次に、図54〜図57に示す本実施の形態3の第2変形例について説明する。
【0121】
前記第1変形例で説明したように、第2封止部4bは第1封止部4aより厚さが厚い。言い換えると、第1封止部4aの厚さは第2封止部4bの厚さよりも薄くなっている。
【0122】
すなわち、第1封止部4aと第2封止部4bから成る第1封止体4の中央付近に相当する第1封止部4aの高さは、その外側の第2封止部4bより低い。
【0123】
そこで、図56に示す第2配線基板12の平面方向の大きさが、図54に示す第1配線基板2の平面方向の大きさより小さい場合に、図55に示すように第2配線基板12の裏面12bは、第1封止部4aより高く、かつ第2封止部4bより低い位置に配置されている。
【0124】
つまり、上段側の第2配線基板12の外形寸法が、下段側の第1配線基板2の外形寸法よりも小さい場合(図56に示すように、第2チップ搭載領域12dのサイズが第2配線基板12の主面2aのサイズとほぼ同じ場合)、図55に示すように、第1封止部4aの厚さを第2封止部4bの厚さよりも薄くして凹状の段差部4cを形成しておくことで、凹状の段差部4cに第2配線基板12を配置することができ、完成したPOP型半導体装置22の実装高さを低減することができる。
【0125】
また、本実施の形態3においては、補強用ランド2qを設けない場合であっても(補強用ランド2qの有無に係わらず)、第2封止部4bの厚さを第1封止部4aの厚さよりも厚くすることで、高さが高いチップ部品20でも第2封止部4bによって封止することができる。
【0126】
(実施の形態4)
図58は本発明の実施の形態4の半導体装置の第1半導体パッケージの組み立てにおける樹脂モールディング後の構造を示す拡大部分平面図、図59は図58のA−A線に沿って切断した本発明の実施の形態4の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0127】
図58及び図59に示す本実施の形態4の半導体装置は、実施の形態3と同様に、半導体パッケージを多段に積層した構造のPOP型半導体装置23であり、下段側の第1半導体パッケージ7上に上段側の第2半導体パッケージ17を積層したものである。
【0128】
本実施の形態4のPOP型半導体装置23は、下段側の第1半導体パッケージ7の第1配線基板2の強度を向上するための第3封止部4dが形成されているものである。
【0129】
すなわち、下段側の第1半導体パッケージ7において、第1配線基板2の主面2a上の複数の主面側ランド2e列の外側に、第1辺2mに沿って第3封止部4dが形成されており、上段側の第2半導体パッケージ17の第2配線基板12の裏面12bの端部が第3封止部4dによって支持されている。
【0130】
すなわち、第1半導体パッケージ7の第1配線基板2の主面2a上の複数の主面側ランド2e列それぞれの外側に、前記主面側ランド2e列に沿って細長い第3封止部4dが形成されており、上段側の第2配線基板12の裏面12bの端部が第3封止部4dによって支持されている。
【0131】
これにより、下段側の第1配線基板2の強度を向上させることができる。
【0132】
なお、下段側の第1配線基板2に図53に示すようなチップ部品20を搭載する場合、第3封止部4dによってチップ部品20を封止してもよい。
【0133】
また、第3封止部4dの厚さを、コントローラチップ1を封止する第1封止体4(第1封止部4a、第2封止部4b)の厚さよりも厚くする。言い換えると、コントローラチップ1を封止する第1封止体4の厚さを、第3封止部4dの厚さより薄くして、第1封止体4と第2配線基板12の間に隙間24を形成しておくことで、下段側の第1配線基板2が凸状に反った場合でも、第1封止体4がその上方の第2配線基板12を押し上げることを防ぐことができる。
【0134】
また、上段側の第2配線基板12が第3封止部4dによって支持されているため、上段側からの応力に対応することができ、第1半導体パッケージ7にクラックが形成されることを防止できる。さらに、上段側の第2半導体パッケージ17が第3封止部4dによって支持されているため、半田ボール15の潰れを低減することができる。
【0135】
これにより、半田ボール15間のショートを防ぐことができる。
【0136】
また、半田ボール15が潰れることを低減できるため、予め、半田ボール15の径を小さくすることができる。すなわち、下段側の第1配線基板2と上段側の第2配線基板12の距離を短くすることができ、半田ボール15の大きさを小さくするとともに、ボールの取り付けピッチを小さくして半田ボール15の設置数を増やすことができる。
【0137】
本実施の形態4のPOP型半導体装置23のその他の構造と、POP型半導体装置23によって得られるその他の効果については、実施の形態3のPOP型半導体装置22のものと同様であるため、その重複説明は省略する。
【0138】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0139】
例えば、前記実施の形態1〜4では、上段側の第2半導体パッケージ17に搭載される第2半導体チップがメモリチップ(不揮発性メモリ11)であり、このメモリチップが1つ搭載されている場合について説明したが、上段側の第2半導体パッケージ17においても複数のメモリチップを積層して搭載してもよい。その際、積層するメモリチップの種類を1種類にすることにより、端子を共用して使用することができ、端子数を増やすことなく複数のメモリチップを積層することができる。
【0140】
また、下段側の第1半導体パッケージ7と上段側の第2半導体パッケージ17の平面方向の大きさは、同じであっても、異なっていてもどちらでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明は、複数の半導体チップを有する電子装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明の実施の形態1の半導体装置の構造の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示す半導体装置の裏面側の構造の一例を示す底面図である。
【図3】図2のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図4】図2のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図5】図3のA部の構造の一例を示す拡大部分断面図である。
【図6】図1に示す半導体装置の第1半導体パッケージの構造の一例を示す平面図である。
【図7】図6に示す第1半導体パッケージの構造を封止体を透過して示す平面図である。
【図8】図6に示す第1半導体パッケージの裏面側の構造を示す底面図である。
【図9】図1に示す半導体装置の第2半導体パッケージの構造の一例を封止体を透過して示す平面図である。
【図10】図9に示す第2半導体パッケージの裏面側の構造を示す底面図である。
【図11】図1に示す半導体装置の回路ブロック構成の一例を示す回路ブロック図である。
【図12】図1に示す半導体装置の第1半導体パッケージの組み立てで用いられる配線基板の構造の一例を示す平面図である。
【図13】図12に示す配線基板の裏面側の構造の一例を示す裏面図である。
【図14】図12のA部の構造を示す拡大部分平面図である。
【図15】図14のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図16】図14のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図17】図6に示す第1半導体パッケージの組み立てにおけるダイボンディング後の構造の一例を示す部分拡大平面図である。
【図18】図17のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図19】図17のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図20】図6に示す第1半導体パッケージの組み立てにおけるワイヤボンディング後の構造の一例を示す部分拡大平面図である。
【図21】図20のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図22】図20のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図23】図6に示す第1半導体パッケージの組み立てにおける樹脂モールディング後の構造の一例を示す部分拡大平面図である。
【図24】図23のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図25】図23のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図26】図13のA部におけるボールマウント後の構造の一例を示す裏面図である。
【図27】図26のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図28】図1に示す半導体装置の第2半導体パッケージの組み立てで用いられる配線基板の構造の一例を示す平面図である。
【図29】図28に示す配線基板の裏面側の構造の一例を示す裏面図である。
【図30】図28のA部の構造を示す拡大部分平面図である。
【図31】図30のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図32】図30のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図33】図9に示す第2半導体パッケージの組み立てにおけるダイボンディング後の構造の一例を示す部分拡大平面図である。
【図34】図33のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図35】図33のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図36】図9に示す第2半導体パッケージの組み立てにおけるワイヤボンディング後の構造の一例を示す部分拡大平面図である。
【図37】図36のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図38】図36のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図39】図9に示す第1半導体パッケージの組み立てにおける樹脂モールディング後の構造の一例を示す部分拡大平面図である。
【図40】図39のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図41】図39のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図42】図29のA部におけるボールマウント後の構造の一例を示す裏面図である。
【図43】図42のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図44】図42のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図45】本発明の実施の形態2の半導体装置における第1半導体パッケージの構造の一例を封止体を透過して示す平面図である。
【図46】図45のB−B線に沿って切断した本発明の実施の形態2の半導体装置の構造の一例を示す断面図である。
【図47】本発明の実施の形態2の半導体装置の第1変形例における第1半導体パッケージの構造の一例を封止体を透過して示す平面図である。
【図48】図47のB−B線に沿って切断した本発明の実施の形態2の半導体装置の第1変形例の構造を示す断面図である。
【図49】図46に示す半導体装置の回路ブロック構成の一例を示す回路ブロック図である。
【図50】本発明の実施の形態3の半導体装置における第1半導体パッケージの構造の一例を封止体を透過して示す平面図である。
【図51】図50のB−B線に沿って切断した本発明の実施の形態3の半導体装置の構造の一例を示す断面図である。
【図52】本発明の実施の形態3の半導体装置の第1変形例における第1半導体パッケージの構造を封止体を透過して示す平面図である。
【図53】図52のB−B線に沿って切断した本発明の実施の形態3の半導体装置の第1変形例の構造を示す断面図である。
【図54】本発明の実施の形態3の半導体装置の第2変形例における第1半導体パッケージの構造を封止体を透過して示す平面図である。
【図55】図54のB−B線に沿って切断した本発明の実施の形態3の半導体装置の第2変形例の構造を示す断面図である。
【図56】図55に示す半導体装置における第2半導体パッケージの構造を封止体を透過して示す平面図である。
【図57】図55に示す半導体装置の裏面側の構造の一例を示す底面図である。
【図58】本発明の実施の形態4の半導体装置の第1半導体パッケージの組み立てにおける樹脂モールディング後の構造の一例を示す拡大部分平面図である。
【図59】図58のA−A線に沿って切断した本発明の実施の形態4の半導体装置の構造の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0143】
1 コントローラチップ(第1半導体チップ)
1a 主面(第1チップ主面)
1b 裏面(第1チップ裏面)
1c 第1パッド(第1電極パッド)
2 第1配線基板
2a 主面(第1基板主面)
2b 裏面(第1基板裏面)
2c 第1ボンディングリード
2d 第1チップ搭載領域
2e 主面側ランド(第1基板主面側ランド)
2f 裏面側ランド(第1基板裏面側ランド)
2g コア材
2h ソルダレジスト膜
2i 配線部
2j スルーホール配線
2k モールド領域
2m 第1辺
2n 第2辺
2p 第3ボンディングリード
2q 補強用ランド(第3ランド)
3 ワイヤ(第1導電性部材)
4 第1封止体
4a 第1封止部
4b 第2封止部
4c 段差部
4d 第3封止部
5 半田ボール(第1外部端子)
6 ダイボンド材
7 第1半導体パッケージ
8 POP型半導体装置
9 マトリクス基板(第1配線基板)
9a デバイス領域
9b マトリクス基板(第2配線基板)
9c デバイス領域
9d ゲート部
10 レジン流動方向
11 不揮発性メモリ(第2半導体チップ)
11a 主面(第2チップ主面)
11b 裏面(第2チップ裏面)
11c 第2パッド(第2電極パッド)
12 第2配線基板
12a 主面(第2基板主面)
12b 裏面(第2基板裏面)
12c 第2ボンディングリード
12d 第2チップ搭載領域
12f 裏面側ランド(第2基板裏面側ランド)
12g コア材
12h ソルダレジスト膜
12i 配線部
12j スルーホール配線
13 ワイヤ(第2導電性部材)
14 第2封止体
15 半田ボール(第2外部端子)
16 ダイボンド材
17 第2半導体パッケージ
18 封止体
19 POP型半導体装置
20 チップ部品
21 SDRAM(第3半導体チップ)
21a 主面(第3チップ主面)
21b 裏面
21c 第3パッド(第3電極パッド)
22 POP型半導体装置
23 POP型半導体装置
24 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1ボンディングリードが形成された第1チップ搭載領域を有する第1基板主面、前記複数の第1ボンディングリードのそれぞれと電気的に接続され、前記第1基板主面において前記第1チップ搭載領域の周囲に配置された複数の第1基板主面側ランド、前記第1基板主面とは反対側に位置する第1基板裏面、及び前記複数の第1ボンディングリードのそれぞれと電気的に接続され、前記第1基板裏面に配置された複数の第1基板裏面側ランドを有する第1配線基板と、
第1チップ主面、前記第1チップ主面に形成された複数の第1電極パッド、及び前記第1チップ主面とは反対側に位置する第1チップ裏面を有し、前記第1配線基板の前記第1チップ搭載領域上に搭載された第1半導体チップと、
前記第1半導体チップの前記複数の第1電極パッドと前記第1配線基板の前記複数の第1ボンディングリードとをそれぞれ電気的に接続する複数の第1導電性部材と、
前記複数の第1基板主面側ランドのそれぞれを露出するように、前記第1半導体チップ、前記複数の第1導電性部材及び前記第1配線基板の前記第1基板主面を封止する第1封止体と、
前記第1配線基板の前記複数の第1基板裏面側ランドのそれぞれに形成された複数の第1外部端子と、
複数の第2ボンディングリードが形成された第2チップ搭載領域を有する第2基板主面、前記第2基板主面とは反対側に位置する第2基板裏面、及び前記複数の第2ボンディングリードのそれぞれと電気的に接続され、前記第2基板裏面に配置された複数の第2基板裏面側ランドを有する第2配線基板と、
第2チップ主面、前記第2チップ主面に形成された複数の第2電極パッド、及び前記第2チップ主面とは反対側に位置する第2チップ裏面を有し、前記第2配線基板の前記第2チップ搭載領域上に搭載された第2半導体チップと、
前記第2半導体チップの前記複数の第2電極パッドと前記第2配線基板の前記複数の第2ボンディングリードとをそれぞれ電気的に接続する複数の第2導電性部材と、
前記第2半導体チップ、前記複数の第2導電性部材及び前記第2基板主面を封止する第2封止体と、
前記第2配線基板の前記複数の第2基板裏面側ランドのそれぞれに形成され、前記複数の第2基板裏面側ランドと前記複数の第1基板主面側ランドとをそれぞれ電気的に接続する複数の第2外部端子と、
を含み、
前記第1配線基板の前記第1基板主面の平面形状は、一対の第1辺と、前記第1辺と交差する一対の第2辺とを有する四角形から成り、
前記第1封止体は、前記第1配線基板の一方の前記第2辺の中央部から他方の前記第2辺の中央部に向かって形成されており、
前記複数の第1基板主面側ランドは、前記第1封止体と前記配線基板の前記第1辺との間に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、前記第1半導体チップは制御回路を有した半導体チップであり、前記第2半導体チップはメモリ回路を有した半導体チップであり、前記第2半導体チップは、前記第1半導体チップによって制御されることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置において、前記第1半導体チップが有する前記複数の第1電極パッドの数は、前記第2半導体チップが有する前記複数の第2電極パッドの数より多いことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置において、前記第1配線基板の前記第1基板主面上に、前記第2半導体チップのメモリ回路と異なったメモリ機能のメモリ回路を有する第3半導体チップが、前記第1辺に沿った方向の前記第1半導体チップの隣に搭載されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項4記載の半導体装置において、前記第3半導体チップが有する複数の第3電極パッドの数は、前記第1半導体チップが有する前記複数の第1電極パッドの数より少ないことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5記載の半導体装置において、前記第3半導体チップは、前記複数の第3電極パッドが複数のワイヤによって前記第1配線基板の前記第1基板主面の複数の第3ボンディングリードに電気的に接続されており、前記複数のワイヤは、前記第1辺に沿った方向にワイヤリングされていることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項6記載の半導体装置において、前記第3半導体チップの前記複数の第3電極パッドは、前記第1辺に沿った方向の前記第3半導体チップの第3チップ主面の中央部に並んで配置されたセンタパッド配置であることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1記載の半導体装置において、前記第1封止体は、前記第1半導体チップを封止する第1封止部と、前記第1辺に沿った方向の前記第1封止部の両側に前記第1封止部と一体で形成された第2封止部とから成り、前記第1配線基板の前記第1基板主面の前記第2封止部の前記第2辺に沿った方向の両側に第3ランドが設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置において、前記第2封止部の前記第2辺に沿った方向の幅は、前記第1封止部の同方向の幅より狭いことを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置において、前記第2封止部の厚さは、前記第1封止部の厚さより厚いことを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項10記載の半導体装置において、前記第2封止部は、前記第1配線基板の前記第1基板主面上に搭載されたチップ部品を封止していることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項10記載の半導体装置において、前記第2配線基板の平面方向の大きさが前記第1配線基板の平面方向の大きさより小さく、前記第2配線基板の前記第2基板裏面は、前記第1封止部より高く、かつ前記第2封止部より低い位置に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項1記載の半導体装置において、前記第1配線基板の前記第1基板主面上の前記複数の第1基板主面側ランド列の外側に、前記第1辺に沿って第3封止部が形成されており、前記第2配線基板の前記第2基板裏面の端部が前記第3封止部によって支持されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項13記載の半導体装置において、前記第3封止部の厚さは、前記第1封止部及び前記第2封止部の厚さより厚いことを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
(a)複数の第1ボンディングリードが形成された第1チップ搭載領域を有する第1基板主面、前記複数の第1ボンディングリードのそれぞれと電気的に接続され、前記第1基板主面において前記第1チップ搭載領域の周囲に配置された複数の第1基板主面側ランド、前記第1基板主面とは反対側に位置する第1基板裏面、及び前記複数の第1ボンディングリードのそれぞれと電気的に接続され、前記第1基板裏面に配置された複数の第1基板裏面側ランドを有するデバイス形成領域が複数個形成された第1配線基板を準備する工程;
(b)第1チップ主面、前記第1チップ主面に形成された複数の第1電極パッド、及び前記第1チップ主面とは反対側に位置する第1チップ裏面を有する複数の第1半導体チップを、前記第1配線基板の前記複数のデバイス形成領域のそれぞれの前記第1チップ搭載領域上に搭載する工程;
(c)前記第1半導体チップの前記複数の第1電極パッドと前記第1配線基板の前記複数の第1ボンディングリードとを複数の第1導電性部材を介してそれぞれ電気的に接続する工程;
(d)前記複数の第1基板主面側ランドのそれぞれを露出するように、前記複数の第1半導体チップ、前記複数の第1導電性部材及び前記第1配線基板の前記第1基板主面を樹脂で一括して封止する工程;
(e)前記第1配線基板の前記複数の第1基板裏面側ランドのそれぞれに複数の第1外部端子を形成する工程;
(f)第2基板主面上に第2半導体チップが搭載され、前記第2基板主面とは反対側に位置する第2基板裏面に複数の第2基板裏面側ランドが配置された第2配線基板を、複数の第2外部端子を介して前記第1配線基板上に搭載し、前記複数の第1基板主面側ランドと前記複数の第2基板裏面側ランドとをそれぞれ電気的に接続する工程;
を含み、
前記第1配線基板の前記第1基板主面の平面形状は、一対の第1辺と、前記第1辺と交差する一対の第2辺とを有する四角形から成り、
前記複数の第1基板主面側ランドは、前記樹脂が供給される領域と前記配線基板の前記第1辺との間に配置されており、
前記(d)工程では、前記第1配線基板の一方の前記第2辺の中央部から他方の前記第2辺の中央部に向かって前記樹脂を供給し、封止体を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項15記載の半導体装置の製造方法において、前記(f)工程で、予め前記第2基板裏面側ランドに設けられた前記複数の第2外部端子を、前記第1配線基板の前記複数の第1基板主面側ランド上に配置した後、前記複数の第1基板主面側ランドと前記複数の第2基板裏面側ランドとを前記複数の第2外部端子を介して電気的に接続することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【公開番号】特開2010−147090(P2010−147090A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319938(P2008−319938)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)