半導体装置及びその製造方法
【目的】 半導体装置及びその製造方法に関し、薄膜化されたSi半導体基板基板中に生成される正孔或いは電子を極めて簡単な構成を採ることで他に逃がし、寄生バイポーラ・トランジスタ動作を有効に阻止することができるようにする。
【構成】 Si半導体支持基板25上にPSG膜24及び不要なキャリヤを逃がす導電膜23及びキャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ絶縁膜22及び薄膜化されたp−Si半導体基板21が順に積層され、その薄膜化されたp−Si半導体基板21をフィールド絶縁膜26に依って区分けした部分に電界効果トランジスタを作り込み、その電界効果トランジスタが存在しない部分を貫通すると共に不要なキャリヤを逃がす導電膜23にコンタクトする埋め込みコンタクト電極40を形成する。
【構成】 Si半導体支持基板25上にPSG膜24及び不要なキャリヤを逃がす導電膜23及びキャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ絶縁膜22及び薄膜化されたp−Si半導体基板21が順に積層され、その薄膜化されたp−Si半導体基板21をフィールド絶縁膜26に依って区分けした部分に電界効果トランジスタを作り込み、その電界効果トランジスタが存在しない部分を貫通すると共に不要なキャリヤを逃がす導電膜23にコンタクトする埋め込みコンタクト電極40を形成する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MIS(metal insulator semiconductor)電界効果トランジスタを作り込んだSOI(silicon on insulator)構造をもつ半導体装置及びその製造方法の改良に関する。
【0002】一般に、MIS電界効果トランジスタを高速化する有力な手段として微細化が行われてきたのであるが、現在、その微細化も、何等かのブレイク・スルーがなければ、近いうちに限界に到達する。そうした中で、更なる高速化を図る為、SOI構造の半導体装置が注目されているところであるが、その高性能を引き出す為には、未だ解決しなければならない問題が多い。
【0003】
【従来の技術】通常、MIS電界効果トランジスタを作り込んだSOI構造をもつ半導体装置は、絶縁膜上の薄膜化されたシリコン(Si)半導体基板にMIS電界効果トランジスタを形成している。
【0004】このようなSOI構造のMIS電界効果トランジスタに於けるゲート長を微細化してゆくと、その内部電界が強くなって、動作中、ドレイン近傍に於けるインパクト・イオン化率が高まる。
【0005】このインパクト・イオン化で生成された電子及び正孔のうち、電子はドレイン電流としてドレイン領域に流れ込むので問題は起きない。然しながら、正孔の場合は問題である。即ち、基板が通常のバルクSiであれば、正孔は基板電流として基板に流れるのであるが、SOI構造では、基板が活性層と呼ばれていることからも判るように極めて薄くなっていて、その下は絶縁膜で覆われた構造になっている。
【0006】従って、正孔は薄膜化されたSi半導体基板に蓄積されてしまい、そこでの電位が高くなって、ソース領域に正孔電流が流れ込むことになり、この電流が寄生バイポーラ・トランジスタをオンにするベース電流としての役割を果たしてしまい、ソース領域からドレイン領域へバイポーラ電流が流れてしまう。
【0007】図9は寄生バイポーラ・トランジスタの動作を解説する為のSOI構造MIS電界効果半導体装置の要部切断側面図を表している。図に於いて、2はSiO2 からなる絶縁膜、3は薄膜化されたp−Si半導体基板、4はSiO2 からなるフィールド絶縁膜、5はSiO2 からなるゲート絶縁膜、6は多結晶Siからなるゲート電極、7はn−ソース領域、8はn−ドレイン領域、9はSiO2 からなる絶縁膜、10はSiO2 からなるサイド・ウォール状絶縁膜、11はインパクト・イオン化で生成された電子及び正孔、i1 は正常なMISチャネル電流、i2 は寄生バイポーラ・トランジスタのベース電流として作用する正孔電流、i3 は寄生バイポーラ電流をそれぞれ示している。
【0008】このように、寄生バイポーラ電流i3 が流れるような状態になると、ゲート電圧に依る制御は不可能になって大きな電流が流れるようになり、その状態が酷くなるとMIS電界効果トランジスタは破壊されてしまう。
【0009】特に、SOIの厚さ、即ち、薄膜化Si半導体基板の厚さを0.1〔μm〕程度に薄くし、ソース領域及びドレイン領域が下地の絶縁膜に達する、所謂、完全空乏化MIS電界効果トランジスタになると寄生バイポーラ・トランジスタの影響を大きく受けることになる。
【0010】図10は寄生バイポーラ・トランジスタの動作を解説する為のSOI構造MIS電界効果半導体装置の要部切断側面図を表し、図9に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。図に於いて、1はSi半導体支持基板を示している。
【0011】このSOI構造MIS電界効果半導体装置では、薄膜化p−Si半導体基板3をメサになるようエッチングして素子間分離を行っていて、このp−Si半導体基板3は極めて薄いので、n−ソース領域7及びn−ドレイン領域8は完全に下地の絶縁膜2に達している。
【0012】従って、ゲート電極6の下に在る狭いp−Si半導体基板3に蓄積される正孔の影響は大きなものとなり、寄生バイポーラ・トランジスタ動作は起こり易くなる。この為、SOI構造の利点が活かされるゲート長0.2〔μm〕以下の微細化MIS電界効果トランジスタを実現するには、寄生バイポーラ・トランジスタ動作の防止が重要な課題になっている。
【0013】前記したような問題を解消しようとして、種々な手段が提案されている。図11は改良された従来のSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図であり、図10に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。この従来例では、p−Si半導体基板3の下地になっている絶縁膜2に開口2Aを形成し、正孔をSi半導体支持基板1に逃がすようにしたことに依って、寄生バイポーラ・トランジスタ動作を解消している。
【0014】この他、通常のバイポーラ・トランジスタに於いて、コレクタとして作用する埋め込み層と同じような高濃度不純物層をp−Si半導体基板3中に設け、その高濃度不純物層に正孔を吸収させるようにしたSOI構造MIS電界効果トランジスタも提案されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】図11に見られるSOI構造MIS電界効果半導体装置に於いては、各トランジスタ毎に対応する開口2Aを形成することが必要となるが、ゲート長自体、その時代に於ける微細化ルールの最小線幅を用いて形成されるのであるから、それよりも更に微細な開口2Aを形成することは不可能に近いほど至難の技である。
【0016】また、p−Si半導体基板3中にバイポーラ・トランジスタのコレクタとして作用する埋め込み層のような高濃度不純物層を形成することは、実現は不可能である。その理由は、高濃度不純物層が正孔を吸収する作用をする為には、不純物濃度を1×1019〔cm-3〕〜1×1020〔cm-3〕にしなければならないが、そのように高濃度不純物層をチャネルの直下、即ち、0.1〔μm〕も離れていないような箇所に形成することは無理であり、たとい、そのような箇所に高濃度不純物を導入したとしても、トランジスタの形成過程や分離領域の形成過程に於ける熱処理で不純物が拡散されてしまい、正常な動作をする半導体装置は得られないことになる。
【0017】本発明は、薄膜化されたSi半導体基板の基板中に生成される正孔或いは電子を極めて簡単な構成を採ることで他に逃がし、寄生バイポーラ・トランジスタ動作を有効に阻止することができるようにする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に於いては、薄膜化されたSi半導体基板に生成される正孔及び電子のうち、寄生バイポーラ・トランジスタ動作に関与するキャリヤを絶縁膜をトンネリングさせて他に放出させることが基本になっている。
【0019】図1は本発明の原理を解説する為のSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。図に於いて、21はp−Si半導体基板、22はSiO2 からなる絶縁膜(第二の絶縁膜)、23は導電膜、24はPSG膜(第一の絶縁膜)、25はSi半導体支持基板、26はSiO2 からなるフィールド絶縁膜、27はSiO2 からなるゲート絶縁膜、28は多結晶Siからなるゲート電極、29はSiO2 からなる絶縁膜、30Sはn- −ソース領域、30Dはn- −ドレイン領域、31はSiO2 からなるサイド・ウォール状絶縁膜、32はSiO2 からなるスルー酸化膜、33Sはn+ −ソース領域、33Dはn+ −ドレイン領域、34はBPSGからなる層間絶縁膜、35はTi及びTiNからなるバリヤ・メタル膜、37はAlからなる金属ソース電極、38はAlからなる金属ドレイン電極、39はAlからなる金属ゲート電極、40はAlからなる埋め込みコンタクト電極をそれぞれ示している。
【0020】このSOI構造MIS電界効果半導体装置では、p−Si半導体基板21に生成される不要なキャリヤは、第二の絶縁膜である絶縁膜22をトンネリングして導電膜23へ流れるようになっている。
【0021】このようなことから、本発明に依る半導体装置及びその製造方法に於いては、(1)Si半導体基板(例えばSi半導体支持基板25)上に順に積層された第一の絶縁膜(例えばPSG膜24)及び不要なキャリヤを逃がす導電膜(例えば導電膜23)及びキャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜(例えば絶縁膜22)及び薄膜化されたSi半導体基板(例えばp−Si半導体基板21)と、該薄膜化されたSi半導体基板を絶縁分離(例えば絶縁膜を形成することに依る分離やメサを形成することに依る空気絶縁分離)に依って区分けした部分に作り込まれた電界効果トランジスタと、該電界効果トランジスタが存在しない部分を貫通し且つ該不要なキャリヤを逃がす導電膜にコンタクトする埋め込みコンタクト電極(例えば埋め込みコンタクト電極40)とを備えてなることを特徴とするか、或いは、
【0022】(2)前記(1)に於いて、キャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜上に積層形成されたアモルファスSiからなる活性層(例えばα−Siからなる活性層55)が薄膜化されたSi半導体基板に代替されてなることを特徴とするか、或いは、
【0023】(3)キャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜と不要なキャリヤを逃がす導電膜と貼り合わせ面となる第一の絶縁膜とが積層形成されたSi半導体基板及び貼り合わせ面となる第一の絶縁膜が形成されたSi半導体支持基板を貼り合わせる工程と、次いで、該Si半導体基板を薄膜化してから絶縁分離に依って区分けする工程と、次いで、該薄膜化されたSi半導体基板の該区分けした部分に電界効果トランジスタを作り込むと共に該電界効果トランジスタが存在しないい部分を貫通し且つ該不要なキャリヤを逃がす導電膜にコンタクトする埋め込みコンタクト電極を形成する工程とを含んでなることを特徴とするか、或いは、
【0024】(4)Si半導体基板上に第一の絶縁膜及び不要なキャリヤを逃がす導電膜及びキャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜及びTFTを作り込むことが可能な厚さのアモルファスSiからなる活性層を順に積層形成する工程と、次いで、該TFTを作り込むことが可能な厚さのアモルファスSi膜を絶縁分離に依って区分けする工程と、次いで、該TFTを作り込むことが可能な厚さのアモルファスSiからなる活性層の該区分けした部分に電界効果トランジスタを作り込むと共に該電界効果トランジスタが存在しない部分を貫通し且つ該不要なキャリヤを逃がす導電膜にコンタクトする埋め込みコンタクト電極を形成する工程とを含んでなることを特徴とする。
【0025】
【作用】前記手段を採ることに依り、薄膜化されたSi半導体基板などに作り込まれた電界効果トランジスタに於けるインパクト・イオン化に依って生成されるキャリヤのうち、ドレイン電流としてドレイン領域に流れ込むことができない極性をもったキャリヤは、該薄膜化されたSi半導体基板などに接している第二の絶縁膜をトンネリングして下地の導電膜に流れてしまうので、薄膜化されたSi半導体基板などに蓄積されることはなくなり、そこでの電位が不当に高くなって寄生バイポーラ・トランジスタ動作が生起されるなどの問題は解消され、従って、SOI構造を利用して微細化された電界効果トランジスタを安定に動作させることが可能になる。
【0026】また、そのように優れた特性をもつ半導体装置を製造するに際して必要になることは、キャリヤがトンネリング可能な薄い絶縁膜並びにその下地に導電膜を形成することのみであるから、従来から多用されている技術を適用して容易に作成することができる。
【0027】更にまた、その半導体装置を動作させるに際して必要になることは、該導電膜に不要なキャリヤを引き込む為の適当な電位を印加するのみであるから、その使用について何等の困難性もない。
【0028】
【実施例】図2乃至図6は本発明に於ける第一実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図であり、以下、これ等の図を参照しつつ詳細に説明する。尚、本実施例では貼り合わせSOI構造を利用している。
【0029】図2参照2−(1)
熱酸化法を適用することに依り、p−Si半導体基板21に厚さ例えば50〔Å〕のSiO2 からなる絶縁膜22を形成する。尚、絶縁膜22はSiO2の代わりにSiON或いはSiNなどを用いても良い。ここで形成した絶縁膜22は、正孔がトンネリング可能な厚さにすることが肝要である。
【0030】2−(2)
化学気相堆積(chemical vapor deposition:CVD)法を適用することに依り、厚さ例えば2000〔Å〕の不純物含有多結晶Siからなる導電膜23を形成する。尚、導電膜23は多結晶Siの代わりにα−SiやSiGeを用いても良い。また、多結晶Siなどにドーピングするには、その成膜時にソース・ガスの他にホスフィン(PH3 )或いはジボラン(B2 H6 )などを添加して不純物を含有させたり、或いは、成膜後にイオン注入で不純物を導入するなど任意の手段を採って良い。
【0031】2−(3)
CVD法を適用することに依り、厚さ例えば5000〔Å〕の燐珪酸ガラス(phospho−silicate glass:PSG)膜24Aを形成する。
【0032】2−(4)
CVD法を適用することに依り、Si半導体支持基板25に厚さ例えば5000〔Å〕のPSG膜24Bを形成する。尚、ここでは、p−Si半導体基板21に関する加工をSi半導体支持基板25に関する加工よりも先に行う順序で説明したが、これは、どちらを先にしても良く、また、両方同時に行っても良い。
【0033】図3参照3−(1)
p−Si半導体基板21に於けるPSG膜24AとSi半導体支持基板25に於けるPSG膜24Bとを対向させ、通常の技法、例えば、パルス電圧を印加するなどして貼り合わせる。尚、貼り合わせ後のPSG膜を記号24で指示する。
3−(2)
通常の技法、例えば、研削法や研磨法を適用することに依り、p−Si半導体基板21の薄膜化を行って例えば1000〔Å〕の厚さを残すようにする。
【0034】図4参照4−(1)
選択的熱酸化(local oxidation of silicon:LOCOS)法を適用することに依り、表面から絶縁膜22に達するSiO2からなるフィールド絶縁膜26を形成する。
4−(2)
熱酸化法を適用することに依り、p−Si半導体基板21の表面に厚さ例えば100〔Å〕のSiO2 からなるゲート絶縁膜27を形成する。
【0035】4−(3)
CVD法を適用することに依り、厚さ例えば1200〔Å〕の多結晶Si膜を形成する。
4−(4)
CVD法を適用することに依り、厚さ例えば300〔Å〕のSiO2 からなる絶縁膜29を形成する。
【0036】4−(5)
主なエッチング・ガスをCCl4 (SiO2 用)及びCl2 +O2 (多結晶Si用)とする反応性イオン・エッチング(reactive ion etching:RIE)法を適用することに依り、絶縁膜29及び多結晶Si膜及びゲート絶縁膜27のパターニングを行う。この工程を経ると、多結晶Si膜はゲート電極の形状になるので、これを記号28で指示する。
【0037】図5参照5−(1)
イオン注入法を適用することに依り、不純物量を2×1013〔cm-3〕、加速電圧を30〔keV〕として燐イオンの打ち込みを行ってLDD(lightly doped drain)構造の為のn- −ソース領域30S及びn-−ドレイン領域30Dを形成する。尚、実際には、不純物活性化の熱処理後、これ等の領域が動作可能の状態となる。
【0038】5−(2)
CVD法を適用することに依り、厚さ例えば1000〔Å〕のSiO2 からなる絶縁膜31を形成する。
5−(3)
主なエッチング・ガスをCCl4 とするRIE法を適用することに依り、絶縁膜31の異方性エッチングを行う。この工程を経ることに依って、絶縁膜31はゲート電極28の側面に在るもののみ、サイド・ウォールとなって残る。従って、絶縁膜31をサイド・ウォール状絶縁膜と呼ぶことにする。
【0039】5−(4)
熱酸化法を適用することに依り、表出されているSi面上にSiO2 からなる厚さ例えば100〔Å〕のスルー酸化膜32を形成する。尚、スルー酸化膜32はイオン注入時に不純物イオンが通り抜ける厚さであり、しかも、Si半導体基板21の表面保護の役割を果たすことは云うまでもない。
5−(5)
イオン注入法を適用することに依り、不純物量を4×1015〔cm-3〕、加速電圧を35〔keV〕として砒素(As)イオンの打ち込みを行い、n+ −ソース領域33S及びn+ −ドレイン領域33Dを形成する。
5−(6)
温度を850〔℃〕としたN2 雰囲気中で時間を30〔分〕とする不純物活性化の熱処理を行う。
【0040】図6参照6−(1)
CVD法を適用することに依り、厚さ例えば5000〔Å〕のBPSG(borophosphosilicate glass)からなる層間絶縁膜34を形成する。
6−(2)
リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセス、並びに、エッチング・ガスを例えばCCl4 (BPSG用)とするRIE法を適用することに依り、層間絶縁膜34の選択的エッチングを行って電極コンタクト窓を形成する。
【0041】6−(3)
リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセス、並びに、エッチング・ガスを例えばCCl4 (SiO2 用)及びCl2 +O2 (Si用)とするRIE法を適用することに依り、スルー酸化膜32、Si半導体基板21、トンネリング絶縁膜22の選択的エッチングを行い、導電膜23に対処する電極コンタクト窓を延伸する。
6−(4)
真空蒸着法を適用することに依って、厚さが例えば200〔Å〕のTi膜と厚さが例えば1000〔Å〕のTiN膜とからなるバリヤ・メタル膜35、厚さが例えば5000〔Å〕のAl膜を順に形成する。
【0042】6−(5)
通常のリソグラフィ技術を適用することに依り、Al膜、バリヤ・メタル膜35のパターニングを行って金属ソース電極37、金属ドレイン電極38、金属ゲート電極39、キャリヤがトンネリング可能な絶縁膜22の下に在る導電膜23にコンタクトする埋め込みコンタクト電極40を形成する。
【0043】前記実施例に依って作成されたSOI構造MIS電界効果半導体装置は、SOI構造を実現するのに貼り合わせ基板を用いているが、本発明は、貼り合わせ基板以外のSOI構造にも適用することができる。
【0044】図7は本発明に於ける第二実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図、図8は第二実施例の工程を採って完成されたSOI構造MIS電界効果半導体装置の要部切断側面図であり、以下、これ等の図を参照しつつ詳細に説明する。尚、本実施例では貼り合わせ基板に依らないSOI構造を利用している。
【0045】図7参照7−(1)
熱酸化法を適用することに依り、通常のSi半導体基板51上に厚さ例えば500〔Å〕のSiO2 からなる絶縁膜52を形成する。
7−(2)
CVD法を適用することに依り、絶縁膜52上に厚さ例えば2000〔Å〕の不純物含有α−Siからなる導電膜53を形成する。尚、導電膜53はα−Siの代わりに多結晶SiやSiGeを用いても良い。また、この場合も、α−Siなどにドーピングを行うには、その成膜時にソース・ガスの他にホスフィン(PH3 )或いはジボラン(B2 H6 )などを添加して不純物を含有させたり、或いは、成膜後にイオン注入で不純物を導入するなど任意の手段を採って良い。
【0046】7−(3)
熱酸化法を適用することに依り、α−Siからなる導電膜53上に厚さ例えば50〔Å〕のSiO2 からなる絶縁膜54を形成する。尚、絶縁膜54としては、SiO2 の代わりにSiON或いはSiNなどを用いても良い。ここで形成した絶縁膜54は、第一実施例と同様、正孔がトンネリング可能な厚さにすることは云うまでもない。
7−(4)
CVD法を適用することに依り、絶縁膜54上に厚さ例えば1000〔Å〕の不純物含有α−Siからなる活性層55を形成する。尚、活性層55は、第一実施例で説明したp−Si半導体基板21の役割を果たすものであり、導電型は同じくp型であって良い。
【0047】第二実施例が特徴とする工程は以上であり、この後は、第一実施例に於ける工程4−(1)以下と全く同じ工程を採って完成させることができる。
【0048】図8は第二実施例に依って完成されたSOI構造電界効果半導体装置の要部切断側面図であり、図7R>7に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとし、次の説明では、既出の記号については説明を省略する。
【0049】図に於いて、56はSiO2 からなるフィールド絶縁膜、57はSiO2 からなるゲート絶縁膜、58は不純物含有多結晶Siからなるゲート電極、59はSiO2 からなる絶縁膜、60SはLDD構造をなすn- −ソース領域、60DはLDD構造をなすn- −ドレイン領域、61はSiO2 からなるサイド・ウォール状絶縁膜、62はSiO2 からなるスルー酸化膜、63Sはn+ −ソース領域、63Dはn+ −ドレイン領域、64はBPSGからなる層間絶縁膜、65はTi膜+TiN膜からなるバリヤ・メタル膜、67はAlからなるソース電極、68はAlからなるドレイン電極、69はAlからなるゲート電極、70はAlからなる埋め込みコンタクト電極である。
【0050】第二実施例に依って得られるSOI構造電界効果半導体装置は、所謂、TFT(thin film transistor)であって、近年、種々な分野で多用されている。
【0051】前記説明した何れの実施例に依って製造されたSOI構造電界効果半導体装置に於いても、キャリヤがトンネリング可能な絶縁膜22或いは54の下に在る導電膜23或いは53の導電型は、トランジスタがnチャネル型であれば、n+ として接地電位に固定して良く、また、p+ にして負電位を維持するようにしても良い。これは、絶縁膜22の内部電界を増して、トンネリング電流を流れ易くする為である。
【0052】
【発明の効果】本発明に依る半導体装置及びその製造方法に於いては、Si半導体基板上に第一の絶縁膜及び不要なキャリヤを逃がす導電膜及びキャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜及び薄膜化されたSi半導体基板が順に積層され、その薄膜化されたSi半導体基板を絶縁分離に依って区分けした部分に電界効果トランジスタを作り込み、その電界効果トランジスタが存在しない部分を貫通し、且つ、不要なキャリヤを逃がす導電膜にコンタクトする埋め込みコンタクト電極を形成するようにしている。
【0053】前記構成を採ることに依り、薄膜化されたSi半導体基板などに作り込まれた電界効果トランジスタに於けるインパクト・イオン化に依って生成されるキャリヤのうち、ドレイン電流としてドレイン領域に流れ込むことができない極性をもったキャリヤは、該薄膜化されたSi半導体基板などに接している第二の絶縁膜をトンネリングして下地の導電膜に流れてしまうので、薄膜化されたSi半導体基板などに蓄積されることはなくなり、そこでの電位が不当に高くなって寄生バイポーラ・トランジスタ動作が生起されるなどの問題は解消され、従って、SOI構造を利用して微細化された電界効果トランジスタを安定に動作させることが可能になる。
【0054】また、そのように優れた特性をもつ半導体装置を製造するに際して必要になることは、キャリヤがトンネリング可能な薄い絶縁膜並びにその下地に導電膜を形成することのみであるから、従来から多用されている技術を適用して容易に作成することができる。
【0055】更にまた、その半導体装置を動作させるに際して必要になることは、該導電膜に不要なキャリヤを引き込む為の適当な電位を印加するのみであるから、その使用について何等の困難性もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【図2】本発明に於ける第一実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【図3】本発明に於ける第一実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【図4】本発明に於ける第一実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【図5】本発明に於ける第一実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【図6】本発明に於ける第一実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【図7】本発明に於ける第二実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【図8】第二実施例の工程を採って完成されたSOI構造MIS電界効果半導体装置の要部切断側面図である。
【図9】寄生バイポーラ・トランジスタの動作を解説する為のSOI構造MIS電界効果半導体装置の要部切断側面図を表している。
【図10】寄生バイポーラ・トランジスタの動作を解説する為のSOI構造MIS電界効果半導体装置の要部切断側面図である。
【図11】改良された従来のSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【符号の説明】
21 p−Si半導体基板
22 絶縁膜
23 導電膜
24 PSG膜(第一の絶縁膜)
25 Si半導体支持基板
26 フィールド絶縁膜
27 ゲート絶縁膜
28 ゲート電極
29 絶縁膜
30S n- −ソース領域
30D n- −ドレイン領域
31 サイド・ウォール状絶縁膜
32 スルー酸化膜
33S n+ −ソース領域
33D n+ −ドレイン領域
34 層間絶縁膜
35 バリヤ・メタル膜
37 金属ソース電極
38 金属ドレイン電極
39 金属ゲート電極
40 埋め込みコンタクト電極
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MIS(metal insulator semiconductor)電界効果トランジスタを作り込んだSOI(silicon on insulator)構造をもつ半導体装置及びその製造方法の改良に関する。
【0002】一般に、MIS電界効果トランジスタを高速化する有力な手段として微細化が行われてきたのであるが、現在、その微細化も、何等かのブレイク・スルーがなければ、近いうちに限界に到達する。そうした中で、更なる高速化を図る為、SOI構造の半導体装置が注目されているところであるが、その高性能を引き出す為には、未だ解決しなければならない問題が多い。
【0003】
【従来の技術】通常、MIS電界効果トランジスタを作り込んだSOI構造をもつ半導体装置は、絶縁膜上の薄膜化されたシリコン(Si)半導体基板にMIS電界効果トランジスタを形成している。
【0004】このようなSOI構造のMIS電界効果トランジスタに於けるゲート長を微細化してゆくと、その内部電界が強くなって、動作中、ドレイン近傍に於けるインパクト・イオン化率が高まる。
【0005】このインパクト・イオン化で生成された電子及び正孔のうち、電子はドレイン電流としてドレイン領域に流れ込むので問題は起きない。然しながら、正孔の場合は問題である。即ち、基板が通常のバルクSiであれば、正孔は基板電流として基板に流れるのであるが、SOI構造では、基板が活性層と呼ばれていることからも判るように極めて薄くなっていて、その下は絶縁膜で覆われた構造になっている。
【0006】従って、正孔は薄膜化されたSi半導体基板に蓄積されてしまい、そこでの電位が高くなって、ソース領域に正孔電流が流れ込むことになり、この電流が寄生バイポーラ・トランジスタをオンにするベース電流としての役割を果たしてしまい、ソース領域からドレイン領域へバイポーラ電流が流れてしまう。
【0007】図9は寄生バイポーラ・トランジスタの動作を解説する為のSOI構造MIS電界効果半導体装置の要部切断側面図を表している。図に於いて、2はSiO2 からなる絶縁膜、3は薄膜化されたp−Si半導体基板、4はSiO2 からなるフィールド絶縁膜、5はSiO2 からなるゲート絶縁膜、6は多結晶Siからなるゲート電極、7はn−ソース領域、8はn−ドレイン領域、9はSiO2 からなる絶縁膜、10はSiO2 からなるサイド・ウォール状絶縁膜、11はインパクト・イオン化で生成された電子及び正孔、i1 は正常なMISチャネル電流、i2 は寄生バイポーラ・トランジスタのベース電流として作用する正孔電流、i3 は寄生バイポーラ電流をそれぞれ示している。
【0008】このように、寄生バイポーラ電流i3 が流れるような状態になると、ゲート電圧に依る制御は不可能になって大きな電流が流れるようになり、その状態が酷くなるとMIS電界効果トランジスタは破壊されてしまう。
【0009】特に、SOIの厚さ、即ち、薄膜化Si半導体基板の厚さを0.1〔μm〕程度に薄くし、ソース領域及びドレイン領域が下地の絶縁膜に達する、所謂、完全空乏化MIS電界効果トランジスタになると寄生バイポーラ・トランジスタの影響を大きく受けることになる。
【0010】図10は寄生バイポーラ・トランジスタの動作を解説する為のSOI構造MIS電界効果半導体装置の要部切断側面図を表し、図9に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。図に於いて、1はSi半導体支持基板を示している。
【0011】このSOI構造MIS電界効果半導体装置では、薄膜化p−Si半導体基板3をメサになるようエッチングして素子間分離を行っていて、このp−Si半導体基板3は極めて薄いので、n−ソース領域7及びn−ドレイン領域8は完全に下地の絶縁膜2に達している。
【0012】従って、ゲート電極6の下に在る狭いp−Si半導体基板3に蓄積される正孔の影響は大きなものとなり、寄生バイポーラ・トランジスタ動作は起こり易くなる。この為、SOI構造の利点が活かされるゲート長0.2〔μm〕以下の微細化MIS電界効果トランジスタを実現するには、寄生バイポーラ・トランジスタ動作の防止が重要な課題になっている。
【0013】前記したような問題を解消しようとして、種々な手段が提案されている。図11は改良された従来のSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図であり、図10に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。この従来例では、p−Si半導体基板3の下地になっている絶縁膜2に開口2Aを形成し、正孔をSi半導体支持基板1に逃がすようにしたことに依って、寄生バイポーラ・トランジスタ動作を解消している。
【0014】この他、通常のバイポーラ・トランジスタに於いて、コレクタとして作用する埋め込み層と同じような高濃度不純物層をp−Si半導体基板3中に設け、その高濃度不純物層に正孔を吸収させるようにしたSOI構造MIS電界効果トランジスタも提案されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】図11に見られるSOI構造MIS電界効果半導体装置に於いては、各トランジスタ毎に対応する開口2Aを形成することが必要となるが、ゲート長自体、その時代に於ける微細化ルールの最小線幅を用いて形成されるのであるから、それよりも更に微細な開口2Aを形成することは不可能に近いほど至難の技である。
【0016】また、p−Si半導体基板3中にバイポーラ・トランジスタのコレクタとして作用する埋め込み層のような高濃度不純物層を形成することは、実現は不可能である。その理由は、高濃度不純物層が正孔を吸収する作用をする為には、不純物濃度を1×1019〔cm-3〕〜1×1020〔cm-3〕にしなければならないが、そのように高濃度不純物層をチャネルの直下、即ち、0.1〔μm〕も離れていないような箇所に形成することは無理であり、たとい、そのような箇所に高濃度不純物を導入したとしても、トランジスタの形成過程や分離領域の形成過程に於ける熱処理で不純物が拡散されてしまい、正常な動作をする半導体装置は得られないことになる。
【0017】本発明は、薄膜化されたSi半導体基板の基板中に生成される正孔或いは電子を極めて簡単な構成を採ることで他に逃がし、寄生バイポーラ・トランジスタ動作を有効に阻止することができるようにする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に於いては、薄膜化されたSi半導体基板に生成される正孔及び電子のうち、寄生バイポーラ・トランジスタ動作に関与するキャリヤを絶縁膜をトンネリングさせて他に放出させることが基本になっている。
【0019】図1は本発明の原理を解説する為のSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。図に於いて、21はp−Si半導体基板、22はSiO2 からなる絶縁膜(第二の絶縁膜)、23は導電膜、24はPSG膜(第一の絶縁膜)、25はSi半導体支持基板、26はSiO2 からなるフィールド絶縁膜、27はSiO2 からなるゲート絶縁膜、28は多結晶Siからなるゲート電極、29はSiO2 からなる絶縁膜、30Sはn- −ソース領域、30Dはn- −ドレイン領域、31はSiO2 からなるサイド・ウォール状絶縁膜、32はSiO2 からなるスルー酸化膜、33Sはn+ −ソース領域、33Dはn+ −ドレイン領域、34はBPSGからなる層間絶縁膜、35はTi及びTiNからなるバリヤ・メタル膜、37はAlからなる金属ソース電極、38はAlからなる金属ドレイン電極、39はAlからなる金属ゲート電極、40はAlからなる埋め込みコンタクト電極をそれぞれ示している。
【0020】このSOI構造MIS電界効果半導体装置では、p−Si半導体基板21に生成される不要なキャリヤは、第二の絶縁膜である絶縁膜22をトンネリングして導電膜23へ流れるようになっている。
【0021】このようなことから、本発明に依る半導体装置及びその製造方法に於いては、(1)Si半導体基板(例えばSi半導体支持基板25)上に順に積層された第一の絶縁膜(例えばPSG膜24)及び不要なキャリヤを逃がす導電膜(例えば導電膜23)及びキャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜(例えば絶縁膜22)及び薄膜化されたSi半導体基板(例えばp−Si半導体基板21)と、該薄膜化されたSi半導体基板を絶縁分離(例えば絶縁膜を形成することに依る分離やメサを形成することに依る空気絶縁分離)に依って区分けした部分に作り込まれた電界効果トランジスタと、該電界効果トランジスタが存在しない部分を貫通し且つ該不要なキャリヤを逃がす導電膜にコンタクトする埋め込みコンタクト電極(例えば埋め込みコンタクト電極40)とを備えてなることを特徴とするか、或いは、
【0022】(2)前記(1)に於いて、キャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜上に積層形成されたアモルファスSiからなる活性層(例えばα−Siからなる活性層55)が薄膜化されたSi半導体基板に代替されてなることを特徴とするか、或いは、
【0023】(3)キャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜と不要なキャリヤを逃がす導電膜と貼り合わせ面となる第一の絶縁膜とが積層形成されたSi半導体基板及び貼り合わせ面となる第一の絶縁膜が形成されたSi半導体支持基板を貼り合わせる工程と、次いで、該Si半導体基板を薄膜化してから絶縁分離に依って区分けする工程と、次いで、該薄膜化されたSi半導体基板の該区分けした部分に電界効果トランジスタを作り込むと共に該電界効果トランジスタが存在しないい部分を貫通し且つ該不要なキャリヤを逃がす導電膜にコンタクトする埋め込みコンタクト電極を形成する工程とを含んでなることを特徴とするか、或いは、
【0024】(4)Si半導体基板上に第一の絶縁膜及び不要なキャリヤを逃がす導電膜及びキャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜及びTFTを作り込むことが可能な厚さのアモルファスSiからなる活性層を順に積層形成する工程と、次いで、該TFTを作り込むことが可能な厚さのアモルファスSi膜を絶縁分離に依って区分けする工程と、次いで、該TFTを作り込むことが可能な厚さのアモルファスSiからなる活性層の該区分けした部分に電界効果トランジスタを作り込むと共に該電界効果トランジスタが存在しない部分を貫通し且つ該不要なキャリヤを逃がす導電膜にコンタクトする埋め込みコンタクト電極を形成する工程とを含んでなることを特徴とする。
【0025】
【作用】前記手段を採ることに依り、薄膜化されたSi半導体基板などに作り込まれた電界効果トランジスタに於けるインパクト・イオン化に依って生成されるキャリヤのうち、ドレイン電流としてドレイン領域に流れ込むことができない極性をもったキャリヤは、該薄膜化されたSi半導体基板などに接している第二の絶縁膜をトンネリングして下地の導電膜に流れてしまうので、薄膜化されたSi半導体基板などに蓄積されることはなくなり、そこでの電位が不当に高くなって寄生バイポーラ・トランジスタ動作が生起されるなどの問題は解消され、従って、SOI構造を利用して微細化された電界効果トランジスタを安定に動作させることが可能になる。
【0026】また、そのように優れた特性をもつ半導体装置を製造するに際して必要になることは、キャリヤがトンネリング可能な薄い絶縁膜並びにその下地に導電膜を形成することのみであるから、従来から多用されている技術を適用して容易に作成することができる。
【0027】更にまた、その半導体装置を動作させるに際して必要になることは、該導電膜に不要なキャリヤを引き込む為の適当な電位を印加するのみであるから、その使用について何等の困難性もない。
【0028】
【実施例】図2乃至図6は本発明に於ける第一実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図であり、以下、これ等の図を参照しつつ詳細に説明する。尚、本実施例では貼り合わせSOI構造を利用している。
【0029】図2参照2−(1)
熱酸化法を適用することに依り、p−Si半導体基板21に厚さ例えば50〔Å〕のSiO2 からなる絶縁膜22を形成する。尚、絶縁膜22はSiO2の代わりにSiON或いはSiNなどを用いても良い。ここで形成した絶縁膜22は、正孔がトンネリング可能な厚さにすることが肝要である。
【0030】2−(2)
化学気相堆積(chemical vapor deposition:CVD)法を適用することに依り、厚さ例えば2000〔Å〕の不純物含有多結晶Siからなる導電膜23を形成する。尚、導電膜23は多結晶Siの代わりにα−SiやSiGeを用いても良い。また、多結晶Siなどにドーピングするには、その成膜時にソース・ガスの他にホスフィン(PH3 )或いはジボラン(B2 H6 )などを添加して不純物を含有させたり、或いは、成膜後にイオン注入で不純物を導入するなど任意の手段を採って良い。
【0031】2−(3)
CVD法を適用することに依り、厚さ例えば5000〔Å〕の燐珪酸ガラス(phospho−silicate glass:PSG)膜24Aを形成する。
【0032】2−(4)
CVD法を適用することに依り、Si半導体支持基板25に厚さ例えば5000〔Å〕のPSG膜24Bを形成する。尚、ここでは、p−Si半導体基板21に関する加工をSi半導体支持基板25に関する加工よりも先に行う順序で説明したが、これは、どちらを先にしても良く、また、両方同時に行っても良い。
【0033】図3参照3−(1)
p−Si半導体基板21に於けるPSG膜24AとSi半導体支持基板25に於けるPSG膜24Bとを対向させ、通常の技法、例えば、パルス電圧を印加するなどして貼り合わせる。尚、貼り合わせ後のPSG膜を記号24で指示する。
3−(2)
通常の技法、例えば、研削法や研磨法を適用することに依り、p−Si半導体基板21の薄膜化を行って例えば1000〔Å〕の厚さを残すようにする。
【0034】図4参照4−(1)
選択的熱酸化(local oxidation of silicon:LOCOS)法を適用することに依り、表面から絶縁膜22に達するSiO2からなるフィールド絶縁膜26を形成する。
4−(2)
熱酸化法を適用することに依り、p−Si半導体基板21の表面に厚さ例えば100〔Å〕のSiO2 からなるゲート絶縁膜27を形成する。
【0035】4−(3)
CVD法を適用することに依り、厚さ例えば1200〔Å〕の多結晶Si膜を形成する。
4−(4)
CVD法を適用することに依り、厚さ例えば300〔Å〕のSiO2 からなる絶縁膜29を形成する。
【0036】4−(5)
主なエッチング・ガスをCCl4 (SiO2 用)及びCl2 +O2 (多結晶Si用)とする反応性イオン・エッチング(reactive ion etching:RIE)法を適用することに依り、絶縁膜29及び多結晶Si膜及びゲート絶縁膜27のパターニングを行う。この工程を経ると、多結晶Si膜はゲート電極の形状になるので、これを記号28で指示する。
【0037】図5参照5−(1)
イオン注入法を適用することに依り、不純物量を2×1013〔cm-3〕、加速電圧を30〔keV〕として燐イオンの打ち込みを行ってLDD(lightly doped drain)構造の為のn- −ソース領域30S及びn-−ドレイン領域30Dを形成する。尚、実際には、不純物活性化の熱処理後、これ等の領域が動作可能の状態となる。
【0038】5−(2)
CVD法を適用することに依り、厚さ例えば1000〔Å〕のSiO2 からなる絶縁膜31を形成する。
5−(3)
主なエッチング・ガスをCCl4 とするRIE法を適用することに依り、絶縁膜31の異方性エッチングを行う。この工程を経ることに依って、絶縁膜31はゲート電極28の側面に在るもののみ、サイド・ウォールとなって残る。従って、絶縁膜31をサイド・ウォール状絶縁膜と呼ぶことにする。
【0039】5−(4)
熱酸化法を適用することに依り、表出されているSi面上にSiO2 からなる厚さ例えば100〔Å〕のスルー酸化膜32を形成する。尚、スルー酸化膜32はイオン注入時に不純物イオンが通り抜ける厚さであり、しかも、Si半導体基板21の表面保護の役割を果たすことは云うまでもない。
5−(5)
イオン注入法を適用することに依り、不純物量を4×1015〔cm-3〕、加速電圧を35〔keV〕として砒素(As)イオンの打ち込みを行い、n+ −ソース領域33S及びn+ −ドレイン領域33Dを形成する。
5−(6)
温度を850〔℃〕としたN2 雰囲気中で時間を30〔分〕とする不純物活性化の熱処理を行う。
【0040】図6参照6−(1)
CVD法を適用することに依り、厚さ例えば5000〔Å〕のBPSG(borophosphosilicate glass)からなる層間絶縁膜34を形成する。
6−(2)
リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセス、並びに、エッチング・ガスを例えばCCl4 (BPSG用)とするRIE法を適用することに依り、層間絶縁膜34の選択的エッチングを行って電極コンタクト窓を形成する。
【0041】6−(3)
リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセス、並びに、エッチング・ガスを例えばCCl4 (SiO2 用)及びCl2 +O2 (Si用)とするRIE法を適用することに依り、スルー酸化膜32、Si半導体基板21、トンネリング絶縁膜22の選択的エッチングを行い、導電膜23に対処する電極コンタクト窓を延伸する。
6−(4)
真空蒸着法を適用することに依って、厚さが例えば200〔Å〕のTi膜と厚さが例えば1000〔Å〕のTiN膜とからなるバリヤ・メタル膜35、厚さが例えば5000〔Å〕のAl膜を順に形成する。
【0042】6−(5)
通常のリソグラフィ技術を適用することに依り、Al膜、バリヤ・メタル膜35のパターニングを行って金属ソース電極37、金属ドレイン電極38、金属ゲート電極39、キャリヤがトンネリング可能な絶縁膜22の下に在る導電膜23にコンタクトする埋め込みコンタクト電極40を形成する。
【0043】前記実施例に依って作成されたSOI構造MIS電界効果半導体装置は、SOI構造を実現するのに貼り合わせ基板を用いているが、本発明は、貼り合わせ基板以外のSOI構造にも適用することができる。
【0044】図7は本発明に於ける第二実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図、図8は第二実施例の工程を採って完成されたSOI構造MIS電界効果半導体装置の要部切断側面図であり、以下、これ等の図を参照しつつ詳細に説明する。尚、本実施例では貼り合わせ基板に依らないSOI構造を利用している。
【0045】図7参照7−(1)
熱酸化法を適用することに依り、通常のSi半導体基板51上に厚さ例えば500〔Å〕のSiO2 からなる絶縁膜52を形成する。
7−(2)
CVD法を適用することに依り、絶縁膜52上に厚さ例えば2000〔Å〕の不純物含有α−Siからなる導電膜53を形成する。尚、導電膜53はα−Siの代わりに多結晶SiやSiGeを用いても良い。また、この場合も、α−Siなどにドーピングを行うには、その成膜時にソース・ガスの他にホスフィン(PH3 )或いはジボラン(B2 H6 )などを添加して不純物を含有させたり、或いは、成膜後にイオン注入で不純物を導入するなど任意の手段を採って良い。
【0046】7−(3)
熱酸化法を適用することに依り、α−Siからなる導電膜53上に厚さ例えば50〔Å〕のSiO2 からなる絶縁膜54を形成する。尚、絶縁膜54としては、SiO2 の代わりにSiON或いはSiNなどを用いても良い。ここで形成した絶縁膜54は、第一実施例と同様、正孔がトンネリング可能な厚さにすることは云うまでもない。
7−(4)
CVD法を適用することに依り、絶縁膜54上に厚さ例えば1000〔Å〕の不純物含有α−Siからなる活性層55を形成する。尚、活性層55は、第一実施例で説明したp−Si半導体基板21の役割を果たすものであり、導電型は同じくp型であって良い。
【0047】第二実施例が特徴とする工程は以上であり、この後は、第一実施例に於ける工程4−(1)以下と全く同じ工程を採って完成させることができる。
【0048】図8は第二実施例に依って完成されたSOI構造電界効果半導体装置の要部切断側面図であり、図7R>7に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとし、次の説明では、既出の記号については説明を省略する。
【0049】図に於いて、56はSiO2 からなるフィールド絶縁膜、57はSiO2 からなるゲート絶縁膜、58は不純物含有多結晶Siからなるゲート電極、59はSiO2 からなる絶縁膜、60SはLDD構造をなすn- −ソース領域、60DはLDD構造をなすn- −ドレイン領域、61はSiO2 からなるサイド・ウォール状絶縁膜、62はSiO2 からなるスルー酸化膜、63Sはn+ −ソース領域、63Dはn+ −ドレイン領域、64はBPSGからなる層間絶縁膜、65はTi膜+TiN膜からなるバリヤ・メタル膜、67はAlからなるソース電極、68はAlからなるドレイン電極、69はAlからなるゲート電極、70はAlからなる埋め込みコンタクト電極である。
【0050】第二実施例に依って得られるSOI構造電界効果半導体装置は、所謂、TFT(thin film transistor)であって、近年、種々な分野で多用されている。
【0051】前記説明した何れの実施例に依って製造されたSOI構造電界効果半導体装置に於いても、キャリヤがトンネリング可能な絶縁膜22或いは54の下に在る導電膜23或いは53の導電型は、トランジスタがnチャネル型であれば、n+ として接地電位に固定して良く、また、p+ にして負電位を維持するようにしても良い。これは、絶縁膜22の内部電界を増して、トンネリング電流を流れ易くする為である。
【0052】
【発明の効果】本発明に依る半導体装置及びその製造方法に於いては、Si半導体基板上に第一の絶縁膜及び不要なキャリヤを逃がす導電膜及びキャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜及び薄膜化されたSi半導体基板が順に積層され、その薄膜化されたSi半導体基板を絶縁分離に依って区分けした部分に電界効果トランジスタを作り込み、その電界効果トランジスタが存在しない部分を貫通し、且つ、不要なキャリヤを逃がす導電膜にコンタクトする埋め込みコンタクト電極を形成するようにしている。
【0053】前記構成を採ることに依り、薄膜化されたSi半導体基板などに作り込まれた電界効果トランジスタに於けるインパクト・イオン化に依って生成されるキャリヤのうち、ドレイン電流としてドレイン領域に流れ込むことができない極性をもったキャリヤは、該薄膜化されたSi半導体基板などに接している第二の絶縁膜をトンネリングして下地の導電膜に流れてしまうので、薄膜化されたSi半導体基板などに蓄積されることはなくなり、そこでの電位が不当に高くなって寄生バイポーラ・トランジスタ動作が生起されるなどの問題は解消され、従って、SOI構造を利用して微細化された電界効果トランジスタを安定に動作させることが可能になる。
【0054】また、そのように優れた特性をもつ半導体装置を製造するに際して必要になることは、キャリヤがトンネリング可能な薄い絶縁膜並びにその下地に導電膜を形成することのみであるから、従来から多用されている技術を適用して容易に作成することができる。
【0055】更にまた、その半導体装置を動作させるに際して必要になることは、該導電膜に不要なキャリヤを引き込む為の適当な電位を印加するのみであるから、その使用について何等の困難性もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【図2】本発明に於ける第一実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【図3】本発明に於ける第一実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【図4】本発明に於ける第一実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【図5】本発明に於ける第一実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【図6】本発明に於ける第一実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【図7】本発明に於ける第二実施例を解説する為の工程要所に於けるSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【図8】第二実施例の工程を採って完成されたSOI構造MIS電界効果半導体装置の要部切断側面図である。
【図9】寄生バイポーラ・トランジスタの動作を解説する為のSOI構造MIS電界効果半導体装置の要部切断側面図を表している。
【図10】寄生バイポーラ・トランジスタの動作を解説する為のSOI構造MIS電界効果半導体装置の要部切断側面図である。
【図11】改良された従来のSOI構造MIS電界効果半導体装置を表す要部切断側面図である。
【符号の説明】
21 p−Si半導体基板
22 絶縁膜
23 導電膜
24 PSG膜(第一の絶縁膜)
25 Si半導体支持基板
26 フィールド絶縁膜
27 ゲート絶縁膜
28 ゲート電極
29 絶縁膜
30S n- −ソース領域
30D n- −ドレイン領域
31 サイド・ウォール状絶縁膜
32 スルー酸化膜
33S n+ −ソース領域
33D n+ −ドレイン領域
34 層間絶縁膜
35 バリヤ・メタル膜
37 金属ソース電極
38 金属ドレイン電極
39 金属ゲート電極
40 埋め込みコンタクト電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】Si半導体基板上に順に積層された第一の絶縁膜及び不要なキャリヤを逃がす導電膜及びキャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜及び薄膜化されたSi半導体基板と、該薄膜化されたSi半導体基板を絶縁分離に依って区分けした部分に作り込まれた電界効果トランジスタと、該電界効果トランジスタが存在しない部分を貫通し且つ該不要なキャリヤを逃がす導電膜にコンタクトする埋め込みコンタクト電極とを備えてなることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】キャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜上に積層形成されたアモルファスSiからなる活性層が薄膜化されたSi半導体基板に代替されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】キャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜と不要なキャリヤを逃がす導電膜と貼り合わせ面となる第一の絶縁膜とが積層形成されたSi半導体基板及び貼り合わせ面となる第一の絶縁膜が形成されたSi半導体支持基板を貼り合わせる工程と、次いで、該Si半導体基板を薄膜化してから絶縁分離に依って区分けする工程と、次いで、該薄膜化されたSi半導体基板の該区分けした部分に電界効果トランジスタを作り込むと共に該電界効果トランジスタが存在しない部分を貫通して該不要なキャリヤを逃がす導電膜にコンタクトする埋め込みコンタクト電極を形成する工程とを含んでなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】Si半導体基板上に第一の絶縁膜及び不要なキャリヤを逃がす導電膜及びキャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜及びTFTを作り込むことが可能な厚さのアモルファスSi膜を順に積層形成する工程と、次いで、該TFTを作り込むことが可能な厚さのアモルファスSi膜を絶縁分離に依って区分けする工程と、次いで、該TFTを作り込むことが可能な厚さのアモルファスSi膜の該区分けした部分に電界効果トランジスタを作り込むと共に該電界効果トランジスタが存在しない部分を貫通して該不要なキャリヤを逃がす導電膜にコンタクトする埋め込みコンタクト電極を形成する工程とを含んでなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項1】Si半導体基板上に順に積層された第一の絶縁膜及び不要なキャリヤを逃がす導電膜及びキャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜及び薄膜化されたSi半導体基板と、該薄膜化されたSi半導体基板を絶縁分離に依って区分けした部分に作り込まれた電界効果トランジスタと、該電界効果トランジスタが存在しない部分を貫通し且つ該不要なキャリヤを逃がす導電膜にコンタクトする埋め込みコンタクト電極とを備えてなることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】キャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜上に積層形成されたアモルファスSiからなる活性層が薄膜化されたSi半導体基板に代替されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】キャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜と不要なキャリヤを逃がす導電膜と貼り合わせ面となる第一の絶縁膜とが積層形成されたSi半導体基板及び貼り合わせ面となる第一の絶縁膜が形成されたSi半導体支持基板を貼り合わせる工程と、次いで、該Si半導体基板を薄膜化してから絶縁分離に依って区分けする工程と、次いで、該薄膜化されたSi半導体基板の該区分けした部分に電界効果トランジスタを作り込むと共に該電界効果トランジスタが存在しない部分を貫通して該不要なキャリヤを逃がす導電膜にコンタクトする埋め込みコンタクト電極を形成する工程とを含んでなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】Si半導体基板上に第一の絶縁膜及び不要なキャリヤを逃がす導電膜及びキャリヤがトンネリング可能な厚さをもつ第二の絶縁膜及びTFTを作り込むことが可能な厚さのアモルファスSi膜を順に積層形成する工程と、次いで、該TFTを作り込むことが可能な厚さのアモルファスSi膜を絶縁分離に依って区分けする工程と、次いで、該TFTを作り込むことが可能な厚さのアモルファスSi膜の該区分けした部分に電界効果トランジスタを作り込むと共に該電界効果トランジスタが存在しない部分を貫通して該不要なキャリヤを逃がす導電膜にコンタクトする埋め込みコンタクト電極を形成する工程とを含んでなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図2】
【図3】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図10】
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【公開番号】特開平5−226660
【公開日】平成5年(1993)9月3日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−27751
【出願日】平成4年(1992)2月14日
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【公開日】平成5年(1993)9月3日
【国際特許分類】
【出願日】平成4年(1992)2月14日
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
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