説明

半導体試験装置

【課題】被検体の破壊後に継続電流による被検体の損傷拡大や試験回路の損傷を抑制可能な半導体試験装置を提供する。
【解決手段】電源部21と被検体10との間に設けられ、被検体10の破壊時に被検体10に流れる電流を遮断する半導体スイッチ22aのターンオフ時に発生するサージ電圧を吸収するスナバ回路として、放電阻止型のスナバ回路23を用いることで、半導体スイッチ22aがターンオフ後に流れる継続電流を減少でき、被検体10の損傷の拡大及び試験回路の損傷が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体試験装置に関し、特に、不良発生時に被検体の破壊を伴う試験を行う半導体試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の試験において、不良発生時に被検体の破壊を伴うスクリーニング試験が行われる。
被検体の破壊を伴うスクリーニング試験には、たとえば、スイッチング試験、RBSOA(Reverse Biased Safe Operating Area)試験、L負荷(誘導性負荷)アバランシェ試験、負荷短絡試験などがある。
【0003】
このようなスクリーニング試験において、不良発生時の被検体の損傷量を低減するために、従来、以下のような半導体試験装置が用いられている。
図6は、従来の半導体試験装置の回路構成を示す図である。
【0004】
ここでは、被検体50に対して誘導負荷スイッチング試験を行う場合の回路構成を示している。
被検体50は、たとえば、IGBT(Insulator Gate Bipolar Transistor)などのトランジスタを含む半導体モジュール、半導体パッケージ、ウェハ、チップなどである。
【0005】
半導体試験装置は、電源部61、遮断用スイッチ部62、充放電型のスナバ回路63、負荷用コイル64、保護用フリーホイーリングダイオード(FWD)65,66、ゲート抵抗67、及びゲートドライバ68を有する。なお、図6では、さらに、配線などに起因して生じている回路の浮遊インダクタンス69a,69bを図示している。
【0006】
電源部61は、電源電圧Vccを供給する直流電源61aと電源安定用のコンデンサ61bを有している。
遮断用スイッチ部62は、IGBTなどの半導体スイッチ62a、ゲート抵抗62b、ゲートドライバ62cを有している。
【0007】
充放電型のスナバ回路63は、半導体スイッチ62aのコレクタ−エミッタ間に直列に接続されたダイオード63aとコンデンサ63bとを有している。また、ダイオード63aのアノード−カソード間にスナバ抵抗63cを接続している。
【0008】
誘導負荷スイッチング試験は、電源部61で直流電圧を回路に印加し、ゲートドライバ68により、被検体50のゲート電極にゲート抵抗67を介して矩形波のスイッチングパルスを入力し、被検体50をスイッチング(オン/オフ)させることで行われる。
【0009】
ここで、被検体50が破壊した場合、その後の被検体50の破壊拡大を防ぐために、遮断用スイッチ部62のゲートドライバ62cにより、破壊検出後直ちに、あるいは所定のタイミングで半導体スイッチ62aをターンオフさせ、電源部61と被検体50とを切り離す。
【0010】
ただし、このとき回路の負荷用コイル64や浮遊インダクタンス69a,69bによるサージ電圧が発生するが、保護用FWD65,66と、サージ吸収用のスナバ回路63によって、被検体50の破壊拡大を防いでいる。このようなスナバ回路を用いた半導体試験装置に関する先行技術としては、たとえば、特許文献2に記載のものが知られている。
【0011】
なお、IGBTなどのスイッチング素子のターンオフ時のサージ電圧を抑制するために、放電阻止型のスナバ回路を内蔵した半導体モジュールは知られている(たとえば、特許文献1、非特許文献1参照。)。
【0012】
しかし、被検体50として半導体モジュールの試験を行う従来の半導体試験装置では、図6に示したような、サージ吸収効果が高い充放電型のスナバ回路63が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平10−136637号公報
【特許文献2】特開平5−333089号公報
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】富士電機デバイステクノロジー株式会社、“富士 IGBT モジュール アプリケーション マニュアル”、p.5−8〜5−11、[online]、2004年2月、[平成20年9月17日検索]、インターネット<URL:http://www.fujielectric.co.jp/fdt/scd/pdf/RH984/RH984.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、充放電型のスナバ回路63を用いた従来の半導体試験装置では、半導体スイッチ62aのターンオフ後に以下のような継続電流が回路に流れる。
図7は、図6の半導体試験装置に流れる継続電流の例である。
【0016】
実線の矢印が、半導体スイッチ62aのターンオフ後に、充放電型のスナバ回路63のコンデンサ63bが充電されるまで回路に流れる充電電流Iaを示している。点線の矢印が、浮遊インダクタンス69aによる回生電流Ibを示している。
【0017】
ターンオフ直前のコンデンサ63bの両端の電圧をVs1、ターンオフ完了後のコンデンサ63bの両端の電圧をVs2、静電容量をCsとすると、充電電流Iaとして流れる電荷量Qは、Q=Cs(Vs2−Vs1)となる。
【0018】
なお、Vs2は、ほぼ電源電圧Vccに等しい。また、Vs1は、半導体スイッチ62aのオン電圧をVon、ダイオードの順電圧をVFとすると、電圧Vs1=Von−VFであるが、通常、Von及びVFは数V以下である。試験時の電源電圧Vcc(通常数10V〜数1000V)と比較すると、非常に小さい。そのため、充電電流Iaとして流れる電荷量は、Q≒Cs×Vccとなる。
【0019】
図8は、被検体破壊前後の被検体のコレクタ電流Icの変化を示す図である。
縦軸がコレクタ電流Ic[A]であり、横軸が時間t[μs]である。時刻tbで被検体50の破壊が発生すると、半導体スイッチ62aがターンオフするが、図7の充電電流Iaや回生電流Ibなどの継続電流によりコレクタ電流Icはただちに0にならない。
【0020】
このような継続電流により、被検体50の損傷が拡大し、また試験回路のプローブやステージなどの試験電極に損傷を与えてしまう問題があった。
同様の問題は、上述した誘導負荷スイッチング試験のほかに、RBSOA試験、L負荷アバランシェ試験、負荷短絡試験など、遮断用の半導体スイッチを設ける必要があるスクリーニング試験でも発生する。
【0021】
上記の点を鑑みて、本発明者らは、被検体の破壊後に継続電流による被検体の損傷拡大や試験回路の損傷を抑制可能な半導体試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成するために、以下のような構成を有する半導体試験装置が提供される。この半導体試験装置は、電源部と被検体との間に設けられ、前記被検体の破壊時に前記被検体に流れる電流を遮断する半導体スイッチと、前記被検体と前記半導体スイッチ間に接続された負荷と、前記負荷及び前記被検体に対して並列に接続されたフリーホイーリングダイオードと、前記被検体、前記負荷及び前記フリーホイーリングダイオードを結ぶ経路に挿入された抵抗器と、を有する。
【発明の効果】
【0023】
被検体の破壊後の継続電流による被検体の損傷の拡大や、試験回路の損傷を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施の形態の半導体試験装置の回路構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態の半導体試験装置の変形例を示す図である。
【図3】試験条件dVce/dtの抵抗器29の抵抗値による変化を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の半導体試験装置を適用したことによる継続電流の減衰の効果を示す図である。
【図5】第2の実施の形態半導体試験装置の回路構成を示す図である。
【図6】従来の半導体試験装置の回路構成を示す図である。
【図7】図6の半導体試験装置に流れる継続電流の例である。
【図8】被検体破壊前後の被検体のコレクタ電流Icの変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、第1の実施の形態の半導体試験装置の回路構成を示す図である。
ここでは、被検体10に対して誘導負荷スイッチング試験を行う場合の回路構成を示している。
【0026】
被検体10は、たとえば、IGBTなどの半導体チップ、その集合体であるウェハ、半導体モジュールまたは半導体パッケージなどである。
第1の実施の形態の半導体試験装置は、電源部21、遮断用スイッチ部22、放電阻止型のスナバ回路23、負荷用コイル24、それぞれ負荷用コイル24及び浮遊インダクタンスにより誘起される電流を流して負荷用コイル24及び浮遊インダクタンスに蓄えられているエネルギーを回生・減衰させる保護用FWD25及び保護用FWD26、ゲート抵抗27、ゲートドライバ28及び抵抗器29を有する。
【0027】
なお、図1では、さらに、配線などに起因して生じている、回路の浮遊インダクタンス30a,30bを図示している。
電源部21は、直流電源21aと電源安定用のコンデンサ21bを有している。
【0028】
遮断用スイッチ部22は、被検体10と電源部21の正極との間にあって、被検体10の破壊時に、被検体10に流れる電流を遮断する。遮断用スイッチ部22は、半導体スイッチ22a、ゲート抵抗22b、ゲートドライバ22cを有している。なお、半導体スイッチ22aは、IGBTやMOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field Effect Transistor))などである。以下では、IGBTとして説明する。ゲートドライバ22cは、半導体スイッチ22aのエミッタに接続しているとともに、ゲート抵抗22bを介して半導体スイッチ22aのゲートに接続していて、試験の終了または被検体10の破壊を検知した場合、半導体スイッチ22aをオフさせる。
【0029】
放電阻止型のスナバ回路23は、直列に接続されたコンデンサ23aとダイオード23bとを有しており、これらは、半導体スイッチ22aのコレクタ−エミッタ間に接続されている。また、コンデンサ23aと、ダイオード23bのアノード間のノードが、スナバ抵抗23cを介して直流電源21aの負極側に接続されている。このような放電阻止型のスナバ回路23によれば、ターンオフ時に発生するサージ電圧を吸収するとともに、後述するように、ターンオフ後の継続電流を少なくできる。
【0030】
負荷用コイル24は、半導体スイッチ22aのエミッタと被検体10との間に接続されている。誘導負荷スイッチング試験の負荷として用いられる。
保護用FWD25は、負荷用コイル24に並列に接続されており、半導体スイッチ22aのターンオフ時の、負荷用コイル24による逆起電力を防止している。
【0031】
保護用FWD26は、負荷用コイル24及び被検体10の直列回路と並列に接続されており、半導体スイッチ22aのエミッタと負荷用コイル24との間にカソードが接続され、被検体10と直流電源21aの負極側との間にアノードが接続されている。保護用FWD26は、回路の浮遊インダクタンス30aによるサージ電圧を抑制する。
【0032】
抵抗器29は、保護用FWD26と負荷用コイル24と被検体10を結ぶ経路の任意の位置に挿入される。図1の半導体試験回路では、保護用FWD26に直列に接続した場合について示している。抵抗器29の役割については後述する。
【0033】
ゲートドライバ28は、ゲート抵抗27を介して被検体10に供給するゲート電圧を制御して、被検体10をオンまたはオフする。
以下第1の実施の形態の半導体試験装置の動作を説明する。
【0034】
誘導負荷スイッチング試験は、直流電源21aにより直流電圧を回路に印加し、ゲートドライバ28により、被検体10にゲート抵抗27を介して矩形波のスイッチングパルスを入力し、被検体10をスイッチング(オン/オフ)させることで行われる。
【0035】
試験中(被検体10の破壊前)は、半導体スイッチ22aはオン状態である。このとき、スナバ回路23のコンデンサ23aの負極はスナバ抵抗23cを介して、直流電源21aの負極と接続されている。定常状態での電源電圧をVcc、コンデンサ23aの両端の電圧をVsとすると、コンデンサ23aとスナバ抵抗23cは時定数回路を構成していて、その時定数を小さなものに設定しておくことにより、試験開始後すぐにほぼVs=Vccとなる。通常、試験時の電源電圧Vccは数10V〜数1000Vであり、コンデンサ23aの両端は、この電源電圧がチャージされている状態となっている。
【0036】
次に、遮断用スイッチ部22のゲートドライバ22cは、被検体10の試験の終了または被検体10の破壊を検知した場合、半導体スイッチ22aをターンオフする。このとき、半導体スイッチ22aの両端には電源電圧Vccに回路の浮遊インダクタンス30a,30bにより誘起された電圧が重畳されたサージ電圧が印加される。ただし、スナバ回路23のコンデンサ23aには、ほぼ電源電圧がチャージされているため、スナバ回路23に流れる電流は抑制される。
【0037】
コンデンサ23aの静電容量をCs、半導体スイッチ22aの両端に発生するサージ電圧をVceとすると、Q=Cs×(Vce−Vcc)で決まる電荷量の電流のみがスナバ回路23に流れることになる。
【0038】
この電荷量は、図6で示した充放電型のスナバ回路63を用いた場合におけるターンオフ後に流れる電荷量Q≒Cs×Vcc、と比較すると大幅に少ない。
たとえば、Vcc=800V、半導体スイッチ22aの両端に発生するサージ電圧のピーク値を、Vce=900Vとすると、放電阻止型のスナバ回路23を用いた場合の方が、充電型のスナバ回路63を用いた場合よりも電荷量を約1/8に低減することが可能である。
【0039】
すなわち、充電完了までの電荷移動量を大幅に低減することができ、継続電流を低減できる。つまり、高速に電流を遮断できる。被検体10がベアチップの場合には、高速な電流遮断が要求されるため、特に有益である。
【0040】
一方、回路配線などによる浮遊インダクタンス30a,30bによる継続電流(回生電流)は、浮遊インダクタンス30a,30bに蓄積されたエネルギーE=1/2×Ls×Ic2によって決まる。ここで、Lsは、浮遊インダクタンス30a,30bのインダクタンス値であり、Icは半導体スイッチ22aのターンオフ前に回路に流れている試験電流である。
【0041】
このエネルギーにより、被検体10の破壊後または試験終了時、半導体スイッチ22aがターンオフすると継続電流が流れる。本実施の形態の半導体試験装置では、この継続電流による被検体10の損傷拡大または試験電極の破壊を防止するために、抵抗器29を、保護用FWD26と負荷用コイル24と被検体10とを結ぶ経路の任意の位置に挿入している。これにより、継続電流を速く減衰させることができ、被検体10の損傷拡大や試験電極の損傷を抑制することができる。
【0042】
なお、誘導負荷スイッチング回路やL負荷アバランシェ試験回路、負荷短絡試験回路において、抵抗器29の接続位置によっては試験条件、試験品質に影響を及ぼす場合がある。
【0043】
図2は、第1の実施の形態の半導体試験装置の変形例を示す図である。
また、図3は、図2の半導体試験装置における、抵抗器29の抵抗値による試験条件dVce/dtの変化を示す図である。縦軸はdVce/dt[kV/μs]、横軸は抵抗値[Ω]である。
【0044】
図2の半導体試験装置では、浮遊インダクタンス30a,30bによる継続電流を減衰させるための抵抗器29を、負荷用コイル24と被検体10と電源部21の正極とを結ぶ経路に接続している。被検体10の両側の電圧をVceとすると、試験条件の1つである被検体10がターンオフするときのdVce/dtは、図3のように、抵抗器29の抵抗値によって変化する。そのため、試験条件を変化させたくない場合には、図1のように、抵抗器29を、被検体10と並列に接続された保護用FWD26と直列に接続することで、試験条件、試験品質への影響を回避できる。
【0045】
図4は、第1の実施の形態の半導体試験装置を適用したことによる継続電流の減衰の効果を示す図である。
横軸が抵抗器29の抵抗値[Ω]であり、縦軸が継続電流Iの2乗を時間で積分した値である。
【0046】
黒塗りの四角のプロットが、放電阻止型のスナバ回路23を用いた第1の実施の形態の半導体試験装置の特性を示している。比較のため、充放電型のスナバ回路を使用した場合の特性を丸印のプロットで、スナバ回路を用いず抵抗器29のみの場合の特性を白抜きの四角のプロットで示している。
【0047】
縦軸の値に破壊後の被検体10の抵抗値を乗じればエネルギーになる。この抵抗値を一定と仮定した場合、継続電流により被検体10に流れるエネルギーは、放電阻止型のスナバ回路23を用いると、充放電型のスナバ回路を用いた場合より大幅に減少できる。
【0048】
たとえば、充放電型のスナバ回路を用い、0.1Ωの抵抗器29を用いた場合よりも、放電阻止型のスナバ回路23を用い、5Ωの抵抗器29を用いた場合には、図4のように、被検体10の破壊後に被検体10に流れるエネルギーを約1/5に低減できる。
【0049】
これにより、被検体10の損傷拡大や、試験電極の損傷を抑制できる。
次に、第2の実施の形態の半導体試験装置を説明する。
図5は、第2の実施の形態半導体試験装置の回路構成を示す図である。
【0050】
図1で示した第1の実施の形態と同じ構成要素については、同一符号を付している。
第2の実施の形態の半導体試験装置は、スナバ回路23を設けず、ツェナーダイオード31a,31bを逆方向に接続した双方向ツェナーダイオードを、半導体スイッチ22aのゲートと高電位側の端子(たとえば、NチャネルIGBTの場合はコレクタ、NチャネルMOSFETの場合はドレイン。)間に接続している。
【0051】
このような半導体試験装置において、遮断用スイッチ部22のゲートドライバ22cは、被検体10の試験の終了または被検体10の破壊を検知した場合、半導体スイッチ22aをターンオフする。このとき、半導体スイッチ22aの両端には、サージ電圧が発生するが、サージ電圧が、接続されたツェナーダイオード31a,31bのツェナー電圧を上回ると、半導体スイッチ22aがターンオンし、サージが吸収される。
【0052】
第2の実施の形態の半導体試験装置では、双方向ツェナーダイオードを用いることで、被検体10の破壊後に、スナバ回路23を用いた場合のようにコンデンサに充電電流が流れることはないので、継続電流を少なくできる。また、浮遊インダクタンス30aによる継続電流についても、抵抗器29を、保護用FWD26と負荷用コイル24と被検体10とを結ぶ経路の任意の位置に挿入することで、早く減衰させることができる。
【0053】
これにより、被検体10の破壊拡大や、試験電極の破壊を抑制できる。
以上、誘導負荷スイッチング試験を行う場合を例にして、第1及び第2の実施の形態の半導体試験装置を説明してきたが、L負荷アバランシェ試験、負荷短絡試験などのスクリーニング試験を行う際にも同様に適用可能である。
【0054】
また、サージ電圧の影響を、保護用FWD26や発生するサージ電圧に対し十分な耐圧をもつ半導体スイッチ22aを適用することなどで抑制可能であれば、スナバ回路23や双方向ツェナーダイオードを設けず、抵抗器29のみを設けるようにしてもよい。抵抗器29のみとした場合、図4の白抜きの四角のプロットで示したように、半導体スイッチ22aのターンオフ後に被検体10に流れるエネルギーを大幅に減少でき、被検体10の損傷拡大や試験回路の損傷を抑制できる。
【符号の説明】
【0055】
10,50 被検体
21,61 電源部
21a,61a 直流電源
21b,61b コンデンサ
22,62 遮断用スイッチ部
22a,62a 半導体スイッチ
22b,27,62b,67 ゲート抵抗
22c,28,62c,68 ゲートドライバ
23,63 スナバ回路
23a,63b コンデンサ
23b,63a ダイオード
23c,63c スナバ抵抗
24,64 負荷用コイル
25,65 負荷用コイルのエネルギーを回生・減衰させる保護用フリーホイーリングダイオード(FWD)
26,66 浮遊インダクタンスのエネルギーを回生・減衰させる保護用フリーホイーリングダイオード(FWD)
29 抵抗器
30a,30b,69a,69b 浮遊インダクタンス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の破壊を伴う試験を行う半導体試験装置において、
電源部と前記被検体との間に設けられ、前記被検体の破壊時に前記被検体に流れる電流を遮断する半導体スイッチと、
前記被検体と前記半導体スイッチ間に接続された負荷と、
前記負荷及び前記被検体に対して並列に接続されたフリーホイーリングダイオードと、
前記被検体、前記負荷及び前記フリーホイーリングダイオードを結ぶ経路に挿入された抵抗器と、
を有することを特徴とする半導体試験装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−92534(P2013−92534A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−5978(P2013−5978)
【出願日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【分割の表示】特願2009−25768(P2009−25768)の分割
【原出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】