説明

半導電性樹脂成形品および半導電性樹脂組成物

【課題】 半導電性、低脱落性、および除電性の良好な樹脂成形品ならびに樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 表面抵抗値が10〜1011Ω、トラエボチャージ試験による帯電圧が50V以下、LPC試験による粒子径1〜20μmの脱落数が5000個以下、および荷重たわみ温度が115℃以上である樹脂成形品、並びに(A)ポリカーボネート樹脂45〜95質量%、(B)変性オレフィン系樹脂2〜25質量%、および(C)炭素繊維3〜30質量%を含有する樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気・電子分野に用いられる樹脂成形品および樹脂組成物に関するものであり、さらに詳しくはIC(集積回路)、磁気ヘッドなどの組立てあるいは運搬する際に使用されるトレイ、その他の電気電子分野に必要とされる半導電性、耐熱性、低脱落性および除電性を有する樹脂成形品および樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁気ヘッドやICなどの電気電子部品を製造・搬送・組み付けする場合、これらの部品を載せる台として専用の樹脂製のトレイが使用される。
このトレイの役割は単なる台としての役割だけではなく、電気電子部品に内蔵される電子回路を電気的なショックから保護する役割もある。
【0003】
電気電子部品に内蔵される電子回路を電気的なショックから保護するためには、トレイに使用される樹脂に半導電性が要求される。この半導電性とは、内部に発生した電荷をアースするための導電性と、外部からの電気の流入を防止するための絶縁性とを両立する性質であり、具体的には、10〜1011Ω程度の表面抵抗値を有することである。
【0004】
樹脂に半導電性を付与するためには、絶縁性の樹脂にカーボンブラックなどの導電性フィラーを配合して表面抵抗値を所定値とすることが有効であるが、導電性フィラーにカーボンブラックなどの粉体状のフィラーを使用すると、フィラーの脱落によりフィラーが電子回路に付着しショートの原因になる。従って、樹脂に配合する導電性フィラーとしては、脱落の少ない炭素繊維などの繊維状導電性フィラーが、従来使用されてきた。(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1には、ポリカーボネートに炭素繊維を配合することによって樹脂成形品(トレイ)の表面抵抗値を10〜10Ωとすることが記載されているが、帯電したトレイをアースした金属板上に置いた場合に除電がスムーズに起こらず、表面抵抗値を半導電性の範囲にするだけでは除電性について不十分であった。
【特許文献1】特開2001−118222号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、半導電性、低脱落性、および除電性の良好な樹脂成形品ならびに樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は表面抵抗値が10〜1011Ω、トラエボチャージ試験による帯電圧が50V以下、LPC試験による粒子径1〜20μmの脱落数が5000個以下、および荷重たわみ温度が115℃以上である樹脂成形品に関するものであり、(A)ポリカーボネート樹脂45〜95質量%、(B)変性オレフィン系樹脂2〜25質量%、および(C)炭素繊維3〜30質量%を含有する樹脂組成物に関するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の熱可塑性樹脂成形品は、半導電性で除電性に優れるために電気ショックによる破壊から電子回路を保護することに優れ、また低脱落性に優れることから磁気ヘッドの製造などに使用されるトレイ用途に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の樹脂成形品は、表面抵抗値が10〜1011Ωである。
本発明において表面抵抗値とは、プローブ型端子を使用し、樹脂成形品の表面の2点間抵抗値を測定したものである。なお、プローブ型端子は2探針プローブで、プローブ先端:2mmφ、プローブ中心間距離:20mm、プローブ間印可電圧0.1Vにて測定した。
【0010】
表面抵抗値が10Ω以上である場合に、電気を絶縁する効果が良好であり、外部からの電気的なショックから電子回路を保護する効果が高い。また1011Ω以下である場合に電荷をアースする効果が良好であり、電子回路のショートを防ぐ効果が高い。
本発明の樹脂成形品の表面抵抗値の上限値は、1010Ω以下が好ましく、10Ω以下が特に好ましい。
本発明の樹脂成形品の表面抵抗値の下限値は、1.5×10Ω以上が好ましく、2×10Ω以上が特に好ましい。
【0011】
本発明の樹脂成形品は、トラエボチャージ試験による帯電圧が50V以下である。トラエボチャージ試験は、摩擦による帯電のし易さを評価する方法である。なお、本発明においてトラエボチャージ試験は、ゴム手袋で成形品を20回摩擦し、アースした金属板上にこの樹脂成形品を置いたときの帯電圧を測定したものである。
【0012】
帯電圧が50V以下の場合に、樹脂成形品の除電がスムーズに起こる傾向にあり、この樹脂成形品をトレーとして用いた場合に、電子回路の電気的な破損が起こらない傾向にある。
帯電圧の上限値は、40V以下が好ましく、30V以下が特に好ましい。また、帯電圧の下限値は、特に制限されない。
【0013】
本発明の樹脂成形品は、LPC試験による粒子径1〜20μmの脱落数が5000個以下である。LPC試験は液中の粒子数を測定する方法であり、樹脂成形品を純水で洗浄したときの脱落数をカウントした。なお、本発明においてLPC試験は、3mm厚さの100mm×100mmの成形片を2Lの純水中に浸漬し、超音波洗浄を1分間行った後の純水10mlについて脱落数を測定したものである。なお、脱落数はRION社製パーティクルカウンター Kl−11を用いて計測した。
LPC試験による脱落数が5000個以下の場合に、樹脂成形品をトレーとして用いた場合に、脱落物による電子回路のショートが起こらない傾向にある。
LPC試験による脱落数の上限値は、4000個以下が好ましく、3000個以下が特に好ましい。
また、LPC試験による脱落数の下限値は、特に制限されない。
【0014】
本発明の樹脂成形品の加重たわみ温度は115℃以上である。荷重たわみ温度が115℃以上の場合に、樹脂成形品をトレーとして用いた場合に、接着などの過熱工程で変形しない傾向にある。
荷重たわみ温度の下限値は、120℃以上が好ましく、125℃以上が特に好ましい。
荷重たわみ温度の上限値は、特に制限されないが、180℃以下が好ましい。この荷重たわみ温度の上限値は、170℃以下がより好ましく、160℃以下が特に好ましい。
【0015】
このような物性を有する樹脂成形品を得る方法は、特に制限されないが、例えば、(A)ポリカーボネート樹脂45〜95質量%、(B)変性オレフィン系樹脂2〜15質量%、(C)炭素繊維3〜30質量%を含有する樹脂組成物を成形することによって製造することができる。
【0016】
本発明の樹脂組成物は(A)ポリカーボネート樹脂を含有する。この(A)成分は、樹脂成形品に耐熱性および寸法安定性を付与する成分である。
(A)ポリカーボネート樹脂の含有量は、樹脂組成物全量中45〜95質量%である。(A)成分の含有量が45質量%以上の場合に、熱可塑性樹脂として十分な流動性が得られるとともに、樹脂成形品の耐熱性および寸法安定性が良好となる傾向にある。また(A)成分の含有量が95質量%以下の場合に、半導電性、除電性を得るために必要な他の成分を配合することができる。
(A)成分の含有量の下限値は、50質量%以上が特に好ましい。また(A)成分の含有量の上限値は、85質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下が特に好ましい。
【0017】
(A)ポリカーボネート樹脂としては、特に制限されないが、芳香族ジヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸ジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性芳香族ポリカーボネートの重合体または共重合体が挙げられる。なお、(A)ポリカーボネート樹脂は、線状重合体でも、分岐状重合体でもよい。
【0018】
(B)変性オレフィン系樹脂は、樹脂成形品に除電性を付与する成分である。
除電性は表面抵抗値が低いほど向上する傾向であるが、表面抵抗値が半導電性の範囲である10〜1011Ωでは十分な除電性が得られない傾向にある。
このため(B)変性ポリオレフィンを添加することによって、樹脂成形品に除電性を付与することが可能となる。
【0019】
(B)変性オレフィン系樹脂の含有量は、樹脂組成物全量中2〜25質量%である。(B)成分の含有量が2質量%以上である場合に、樹脂成形品からの除電がスムーズとなる傾向にある。また、(B)成分の含有量が25質量%以下の場合に、樹脂成形品の耐熱性が十分となる傾向にある。
(B)成分の含有量の下限値は、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が特に好ましい。また、(B)成分の含有量の上限値は、20質量%以下が特に好ましい。
【0020】
(B)変性オレフィン系樹脂としては、特に制限されないが、エチレンやプロピレンなどのオレフィン系モノマーを用い、変性種として無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジルメタクリレート、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチルなどのモノマーを用いて得られた共重合体が挙げられる。これらの変性種の中では、無水マレイン酸が特に好ましい。
分子鎖の配列は、特に制限されず、グラフトタイプ、ブロックタイプ、ランダムタイプなどが挙げられる。
【0021】
(B)変性オレフィン系樹脂としては市販品を使用することができる。例えば、三洋化成工業社製のユーメックスシリーズ(主骨格がポリプロピレンあるいはポリエチレンで無水マレイン酸を共重合したもの)、三井・デュポンポリケミカル社製のハイミランシリーズ(エチレン−メタクリル酸共重合体であり、分子間を亜鉛やナトリウムなどの金属イオンで架橋したもの)、住友化学社製のボンドファーストシリーズ(エチレンとグリシジルメタクリレートを主成分とし、酢酸ビニルやアクリル酸メチルなどを共重合したもの)、日本油脂社製のモディパーAシリーズ(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、およびエチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体から選ばれる重合体を主鎖とし、この主鎖にポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、およびアクリロニトリル−スチレン共重合体から選ばれる重合体を側鎖としてグラフトしたもの)を挙げることができる。
【0022】
本発明の樹脂組成物は(C)炭素繊維を含有する。(C)成分は、絶縁体である樹脂に導電性を付与する成分であり、(C)成分の含有量を制御することによって樹脂成形品に半導電性を付与することができる。導電性フィラーとして(C)炭素繊維を使用することによって、導電性フィラーとしてカーボンブラックを使用した場合よりも、脱落量が著しく少なくなる。
【0023】
(C)炭素繊維の含有量は、樹脂組成物全量中3〜30質量%である。
(C)炭素繊維の含有量が、3質量%以上である場合に十分な導電性が得られる傾向にあり、30質量%以下である場合に十分な絶縁性が得られる傾向にある。
(C)成分の含有量の下限値は、5質量%以上がより好ましい。また(C)成分の含有量の上限値は、25質量%以下がより好ましい。
【0024】
(C)炭素繊維は、特に制限されず、PAN系、ピッチ系、または気相成長型の炭素繊維であり、例えば、長繊維タイプや短繊維タイプのチョプドストランド、ミルドファイバーなどが挙げられる。成形時などの繊維折損を抑えるため、高強度・高伸度タイプのものが好ましく、これらの特性を得ることのできるPAN系炭素繊維が好ましい。
【0025】
(C)炭素繊維の弾性率は、特に制限されないが、成形時の繊維折損を抑える面から、195〜450GPaであることが好ましい。(C)炭素繊維の弾性率の下限値は、215GPa以上がより好ましく、上限値は390GPa以下がより好ましい。
【0026】
また、(C)炭素繊維の直径については、特に制限されないが、3〜10μmであることが好ましい。(C)炭素繊維の直径の下限値は5μm以上がより好ましく、また、上限値は8μm以下がより好ましい。
【0027】
(C)炭素繊維の表面処理については、特に制限されないが、表面酸化処理等の処理を行うことが好ましい。
酸化処理の方法には、通電処理による表面酸化、オゾンなどの酸化性ガス雰囲気中で酸化処理を行う方法があげられ、通電処理が好ましく用いられる。
さらにサイジング剤としてエポキシ系、ポリアミド系、ウレタン系、ポリエステル系等が挙げられる。
【0028】
(C)炭素繊維の形態は、特に制限されないが、数千から数十万本の炭素繊維の束からなるストランド状または粉砕したミルド状の形態で用いられる。ストランド状の形態についても、直接導入するロービング法、あるいは所定長さにカットしたチョップドストランドを使用することが可能である。
また、(C)炭素繊維の表面を金属でコートした炭素繊維を使用してもよい。金属コート炭素繊維として好ましいものは、ニッケルコート炭素繊維である。
【0029】
本発明の樹脂組成物は、前述の(A)成分、(B)成分、および(C)成分を基本成分として含有するものであるが、必要に応じて、これらの成分以外にも、(C)炭素繊維以外の導電性フィラー、難燃剤、各種フィラー、金属酸化物及びセラミックス等の粒状物、流動改質剤、離型剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤等の添加剤を加えることができる。
(C)炭素繊維以外の他の導電性フィラーとしては、特に制限されず、カーボン系導電性フィラー、金属系導電性フィラーがあげられる。
カーボン系導電性フィラーとしてはカーボンブラックやカーボンナノチューブ、燐片状黒鉛があげられる。
金属系導電性フィラーとしては銅、スズ、真鍮、ステンレス、鉄、アルミニウムなどの粉末や繊維状充填剤が挙げられる。またこれらの中ではスズ系の低融点金属あるいは銅や黄銅の繊維あるいは粉体を併用することが好ましい。
【0030】
フィラーとしては、例えば、マイカ、ガラスフレーク、扁平状ガラス繊維などの板状フィラーが挙げられ、これらを添加することにより、炭素繊維の配向を抑制し、導電性の均一化および成形品の反りを防止する効果が得られる傾向にある。
これらの添加剤の含有量は、特に制限されないが、本発明の樹脂組成物全量中30質量%以下の範囲であることが好ましい。
【0031】
樹脂組成物の製造方法は、特に制限されず、従来の樹脂組成物の製造方法として一般に用いられる設備と方法により製造することができる。その中でも、溶融混練法が好ましい。溶融混練に用いる装置としては、特に制限されず、例えば、押出し機、バンバリーミキサー、ローラー、ニーダー等を挙げることができる。
押出機については、単軸押出機、二軸押出機があるが、短時間で混練を行うために二軸押出機であることが好ましい。
【0032】
また炭素繊維の投入方法としては、特に制限されず、スクリューの根元から添加する方法、中間から添加する方法(サイドフィード法)、あるいはこれらの方法により押出したものを再度押出す方法などがある。
樹脂組成物の成形方法は、特に制限されない。例えば、射出成形、押出成形による棒状、中空状、シート状への成形、真空成形、ブロー成形などが挙げられる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)樹脂成形品の評価方法
樹脂成形品の評価については、次に述べる方法にしたがって評価した。
【0034】
(1−1)表面抵抗値
ISOダンベル型の試験片について、プローブ型端子を使用し2点間での表面抵抗値を測定した。アドバンテスト社製高抵抗率計を使用 ダンベルの中央部を流動方向に沿って測定した。
(1−2)トラエボチャージ試験
ゴム手袋で成形品を20回摩擦し、アースした金属板上にこの成形品を置いたときの帯電圧を測定した。
【0035】
(1−3)LPC試験
樹脂組成物を3mm厚さの100mm×100mmの成形片に射出成形し、これを2Lの純水中に浸漬し、超音波洗浄を1分間行った後の純水10mlについて測定。LPC試験には、RION社製パーティクルカウンター Kl−11を使用した。
(1−4)荷重たわみ温度
0.45MPaでの荷重たわみ温度をISO 75−1:93、ISO 75−2:93に準じて測定した。
【0036】
(2)使用した原料
(2−1)(A)ポリカーボネート樹脂
出光石油化学社製 ポリカーボネートA1700
(2−2)変性オレフィン系樹脂(B)
三洋化成工業社製 ユーメックス1010(ポリプロピレンを主骨格とし、無水マレイン酸で変性したもの、酸価52mgKOH/g)
【0037】
(2−3)(C)炭素繊維
CF−1(TR06UB4E 三菱レイヨン社製 チョップド炭素繊維。繊維径7μm、一次サイズ剤 エポキシ系、二次サイズ剤 ポリウレタン系、引張り弾性率235GPa、繊維長6mm、フィラメント数12000本、体積固有抵抗値1.5×10-3Ωcm。)
CF−2 ミルドファイバーM(TCテクノ社製 繊維径7μm、平均繊維長80μm PAN系炭素繊維の粉砕物)
【0038】
(2−4)その他
コンダクテクス953(コロンビアンカーボン社製 導電性カーボンブラック)
マイカ(山口雲母社製 ミカレット121PE 平均粒子径22μmの白雲母をエポキシ樹脂で収束したもの)
【0039】
実施例1〜4および比較例1〜4
二軸押出機(池貝製作所製PCM−30)を用いて、表1または表2に示した成分(表中の数値は質量部を表す)を樹脂温度300℃の温度で溶融混練した。溶融樹脂を円形のダイスから押出してストランドとし、水冷により固化させた後にカットしてペレット状とした。なお、押出機の中間に設けられたベント口より減圧し、水分を除去した。
また、炭素繊維については樹脂フィーダー(押出機の根元にあるフィーダー)および/またはサイドフィーダーから供給した。
次いでこのペレットを150℃で2時間の熱風による乾燥をし、射出成形機(日本製鋼所(JSW)製75T射出成形機J75SSII)を用いて、樹脂温度300℃、金型温度80℃の温度条件でダンベル試験片または3mm厚さの100mm×100mmの板状に成形した。成形品の評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の成形品は、半導電性、除電性、低脱落性が要求される電気電子分野に使用することが可能であり、中でもICや磁気ヘッドなどの電機電子部品の製造や搬送などに使用されるトレイとして好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面抵抗値が10〜1011Ω、トラエボチャージ試験による帯電圧が50V以下、LPC試験による粒子径1〜20μmの脱落数が5000個以下、および荷重たわみ温度が115℃以上である樹脂成形品。
【請求項2】
(A)ポリカーボネート樹脂45〜95質量%、(B)変性オレフィン系樹脂2〜25質量%、および(C)炭素繊維3〜30質量%を含有する樹脂組成物。

【公開番号】特開2006−316148(P2006−316148A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−138893(P2005−138893)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】