説明

卓球ラケット用ラバーの接着剤

【課題】卓球用ラケットと卓球ラケット用ラバーを優れた接着力により接着でき、卓球ラケット用ラバー貼替え時に卓球ラケット用ラバー及び卓球用ラケットを傷つけることなく、容易に剥がすことができ、また、貼替え時に発生する接着剤の残余物は、水又は水を含ませたスポンジ等を使って容易に除去する事ができる卓球ラバー用水溶性接着剤を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂を主体とする卓球ラバー用水溶性接着剤であり、前記水溶性樹脂の含有率が30重量%以下であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卓球ラケット用ラバーと卓球ラケットとの接着に用いる接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
卓球に用いる卓球ラケットは、卓球ラケット本体(以下「ラケット」という。)と卓球ラケット用ラバー(以下「ラバー」という。)とからなる。
【0003】
ラケットは、通常、木曽檜の単板を始め、中国、ヨーロッパ、アフリカ等を産地とする木材の合板等からなる。一方、ラバーは、ゴム製の表ラバーとゴム製のスポンジとからなるものが多く用いられている。
【0004】
また、ラケットは、シェークハンドタイプ、ペングリップタイプ等の形状があり、ラケットの片面であれば1枚、両面であれば2枚のラバーを貼り付けることで競技用ラケットが完成する。このラバーは打球面となる部分でもあり消耗品である。すなわち、打球による劣化やラバーの酸化により、反発弾力及びスピン性能は減少することになるため、ラバーの貼替え等のメンテナンスが必要である。特に、プロやレベルの高い競技者等になると試合の度にラバーを貼り替える。
【0005】
従来、このラバーの貼替えは、以下の(1)〜(4)の手順で行われている。
(1)剥離作業・・・劣化等したラバーを剥がす工程
(2)除去作業・・・ラケットやラバーに残った、接着剤中に含まれていた天然ゴム又は合成ゴム等の残余物(以下「接着剤の残余物」という。)を除去する工程
この除去作業では、接着剤の残余物を完全に除去する必要がある。
(3)塗布作業・・・接着剤をラケット面およびラバーのスポンジ面に塗布する工程
この塗布作業では、ラバーのスポンジ面側のみに接着剤を塗布して貼合わせる場合(以下「片面塗布」という。)と、ラバーのスポンジ面側及びラケット側の双方に接着剤を塗布して貼合わせる場合(以下「両面塗布」という。)とがある。
(4)貼付作業・・・ラケットとラバーを貼り合わせる工程
尚、ラバーのない新品のラケットにラバーを貼り付ける際は(3)及び(4)の作業のみとなる。
【0006】
また、前記(4)貼付作業の際には、
(a)芯材の両面に粘着剤を塗布した両面テープ又はシートを用いて接着する方法(例えば、特許文献1参照。)
(b)天然ゴム又は合成ゴム等を有機溶剤に溶解した有機溶剤系接着剤を用いて接着する方法(例えば、特許文献2参照。)
が用いられていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、有機溶剤系接着剤を用いる方法では、接着剤中に有害な有機溶剤が含まれている為、人体への有害性が大きく、室内等で接着を行う時に作業者や観客の健康を害する恐れがあった。
貼付作業時には、接着剤を塗布した後、ラケットでラバーをあおぐ等して接着剤を完全に乾かす必要があり、特に有害物質が飛散する危険性が高かった。
【0008】
また、貼替えの際には、剥離後に、接着剤の残余物が多量にラケット及びラバーに残存してしまい、これを除去するためには有機溶剤系の除去剤を使用しなければならない等、除去が容易でなく、この際に使用する有機溶剤系の除去剤(リムーバー)の有害性も問題になっている。
【0009】
特に、卓球を行う会場は、通常室内であり、有害物質の影響により、競技者、観客等の健康に影響を及ぼす高い危険性を伴っている。また、試合会場には貼替えルームが設けられている場合があり、貼替えの際の競技者等の健康への影響が懸念される。
【0010】
現在、前記有機溶剤として主流であるヘプタン等は、刺激臭を有するとともに、皮膚等への影響や頭痛等の原因となる恐れがあり、国際的にも使用が問題視されている。
【0011】
更に、ヘプタンは引火性液体であり、これらの有機溶剤を主とする接着剤においては、引火点が低く、引火点60%以下の物質の搬入が禁止となっている航空機内等に持ち込むことができない。
【0012】
これらの事情により、使用時の臭気や有害性がなく、接着強度も安定しており、しかも剥離作業、除去作業及び運搬が安全かつ容易に行えるためのラケット及びラバーの非有機溶剤系接着剤が切望されている。
【0013】
【特許文献1】特開平09−38258号公報(第2頁、右欄41行目〜第3頁、左欄10行目)
【特許文献2】特開2002−97433号公報(第2頁、左欄2〜3行目)
【0014】
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたもので、下記を課題とする。
(1)使用時において人体や環境に対する有害性や刺激臭等のない安全なラケット用接着剤の製造。
(2)上記に加えて、安定した接着強度を有し、競技の際に長時間使用してもラバーが剥離することのないラケット用接着剤の製造。
(3)上記に加えて、貼替え時に剥離作業が容易なラケット用接着剤の製造。
(4)上記に加えて、貼替え時の除去作業がリムーバ(有機溶剤)を使用する必要がなく、かつ、容易に接着剤の残余物を除去することができるラケット用接着剤の製造。
(5)上記に加えて、引火性がなく、安全に運搬・使用できるラケット用接着剤の製造。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明は、水溶性樹脂であるポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドン主体の水溶性接着剤を提供し、本発明の接着剤を使用しラケットとラバーとを接着することにより、有機溶剤による健康への悪影響をなくし、引火の危険性もなく、かつ、貼替えが容易で、ラバーとラケットに残った接着剤の残余物は、水又は水を含ませたスポンジ等で容易に除去できることを特徴とするものであり、具体的には、下記のような手段を取った。
【0016】
請求項1に記載の本発明は、卓球ラケット用ラバーを卓球用ラケットに接着するための接着剤であって、水溶性樹脂を主成分とすることを特徴とする卓球ラバー用水溶性接着剤である。
【0017】
請求項2に記載の本発明は、前記水溶性樹脂はポリビニルアルコール及び/又はポリビニルピロリドンを主体とし、前記水溶性樹脂の含有率が30重量%以下であることを特徴とする卓球ラバー用水溶性接着剤である。
【0018】
請求項3に記載の本発明は、接着補助剤としてアクリル系樹脂エマルジョンを10重量%以下含有することを特徴とする卓球ラバー用水溶性接着剤である。
【0019】
請求項4に記載の本発明は、可塑剤としてグリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール等のグリコール類、又はエタノールアミン、エタノールアセトアミド、尿素などを含有することを特徴とする卓球ラバー用水溶性接着剤である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の効果は、以上の説明から、以下の全ての効果を同時に達成した。
【0021】
(1)使用時において人体や環境に対する有害性や刺激臭等のない安全なラケット用接着剤を得ることができる。すなわち、本発明のラケット用水溶性接着剤は、有機化学物質を有しないことから、競技者の健康等に対する問題において心配がない。
【0022】
(2)安定した接着強度を有し、競技の際に長時間使用してもラバーが剥離することがない。
【0023】
(3)貼替え時の剥離作業が容易である。
【0024】
(4)貼替え時の除去作業がリムーバ(有機溶剤)を使用する必要がなく、かつ、容易に接着剤の残余物を除去することができる。(3)及び(4)より、結果として、迅速な貼替え作業が可能である。
【0025】
(5)引火性がなく、安全に運搬・使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施例及び比較例に基いて詳細に説明する。尚、以下の各例における%は重量%を意味する。
【0027】
[実施例1]
水79%にポリビニルアルコール(以下「PVA」という。)7%を溶解して、その溶解液にグリセリン10%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0028】
[実施例2]
水76%にPVA7%を溶解して、その溶解液にアクリル系樹脂エマルジョン3%、グリセリン10%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
[実施例3]
水66%にPVA10%を溶解して、その溶解液にグリセリン20%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0029】
[実施例4]
水63%にPVA10%を溶解して、その溶解液にアクリル系樹脂エマルジョン3%、グリセリン20%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0030】
[実施例5]
水59%にPVA10%を溶解して、その溶解液にアクリル系樹脂エマルジョン7%、グリセリン20%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0031】
[実施例6]
水56%にPVA20%を溶解して、その溶解液にグリセリン20%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0032】
[実施例7]
水53%にPVA20%を溶解して、その溶解液にアクリル系樹脂エマルジョン3%、グリセリン20%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0033】
[実施例8]
水49%にPVA20%を溶解して、その溶解液にアクリル系樹脂エマルジョン7%、グリセリン20%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0034】
[実施例9]
水46%にPVA30%を溶解して、その溶解液にグリセリン20%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0035】
[実施例10]
水43%にPVA30%を溶解して、その溶解液にアクリル系樹脂エマルジョン3%、グリセリン20%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0036】
[実施例11]
水66%に脂肪酸ナトリウム15%、及びグリセリン5%を溶解して、その溶解液にポリビニルピロリドン(以下「PVP」という。)10%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0037】
[実施例12]
水63%に脂肪酸ナトリウム15%、及びグリセリン5%を溶解して、その溶解液にPVP10%、アクリル系樹脂エマルジョン3%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0038】
[実施例13]
水56%に脂肪酸ナトリウム15%、及びグリセリン5%を溶解して、その溶解液にPVP20%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0039】
[実施例14]
水53%に脂肪酸ナトリウム15%、及びグリセリン5%を溶解して、その溶解液にPVP20%、アクリル系樹脂エマルジョン3%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0040】
[実施例15]
水46%に脂肪酸ナトリウム15%、及びグリセリン5%を溶解して、その溶解液にPVP30%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0041】
[実施例16]
水43%に脂肪酸ナトリウム15%、及びグリセリン5%を溶解して、その溶解液にPVP30%、アクリル系樹脂エマルジョン3%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0042】
[実施例17]
水84%にPVP7%を溶解して、その溶解液にグリセリン5%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0043】
[実施例18]
水81%にPVP7%を溶解して、その溶解液にアクリル系樹脂エマルジョン3%、グリセリン5%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0044】
[実施例19]
水81%にPVP10%を溶解して、その溶解液にグリセリン5%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0045】
[実施例20]
水78%にPVP10%を溶解して、その溶解液にアクリル系樹脂エマルジョン3%、グリセリン5%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0046】
[実施例21]
水85%にPVA3%、PVP3%を溶解して、その溶解液にグリセリン5%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0047】
[実施例22]
水82%にPVA3%、PVP3%を溶解して、溶解液にアクリル系樹脂エマルジョン3%、グリセリン5%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0048】
[実施例23]
水71%にPVA10%、PVP10%を溶解して、その溶解液にグリセリン5%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0049】
[実施例24]
水68%にPVA10%、PVP10%を溶解して、その溶解液にアクリル系樹脂エマルジョン3%、グリセリン5%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0050】
[実施例25]
水73%にPVA5%、PVP5%、デンプン3%を溶解して、その溶解液にグリセリン10%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0051】
[実施例26]
水63%にPVA10%、PVP10%、デンプン3%を溶解して、その溶解液にグリセリン10%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0052】
[実施例27]
水73%にPVA5%、PVP5%、カルボキシメチルセルロース(以下CMC)3%を溶解して、その溶解液にグリセリン10%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0053】
[実施例28]
水63%にPVA10%、PVP10%、CMC3%を溶解して、その溶解液にグリセリン10%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0054】
[実施例29]
水58%に脂肪酸ナトリウム15%、及びグリセリン5%を溶解して、その溶解液にPVP15%、デンプン3%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0055】
[実施例30]
水58%に脂肪酸ナトリウム15%、及びグリセリン5%を溶解して、その溶解液にPVP15%、CMC3%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0056】
次に、本発明の実施例に対応する比較例について説明する。
【0057】
[比較例1]
水86%にアクリル系樹脂エマルジョン10%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0058】
[比較例2]
水76%にアクリル系樹脂エマルジョン20%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0059】
[比較例3]
水66%にアクリル系樹脂エマルジョン30%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0060】
[比較例4]
水56%にアクリル系樹脂エマルジョン40%、界面活性剤、防腐剤、着色剤、香料を各々1%混合して接着剤を得た。
【0061】
表1は、これらの実施例及び比較例の接着剤の成分を表したものである。
【0062】
【表1】

【0063】
次に、上記の実施例1〜30、比較例1〜4にて作製した接着剤を用いて、接着力、剥離性、水洗い性試験を、それぞれ次に示す方法で行った。これらの試験は、実際の一連の貼替えに要する作業に準じたものである。
【0064】
(1)接着力試験
A)片面塗布:接着剤を卓球ラケット用ラバーのスポンジ面に塗布し、ドライヤ
ーの温風で乾燥させ、このラバーをラケットに貼り付ける。
B)両面塗布:接着剤を卓球ラケット用ラバーのスポンジ面とラケットの両面に
塗布し、ドライヤーの温風で乾燥させ、このラバーとラケットを貼り合わせる。
A、Bの塗布方法により貼り合わせたラバーとラケットの接着状態を観察した。
【0065】
(2)剥離性試験
上記A、Bの塗布方法により貼り合わせたラバーとラケットを手で剥がし、その剥がれ方を観察した
【0066】
(3)水洗い性試験
上記、剥離性試験にて剥離したラバー又はラケットの接着剤塗布面に残った接着剤の残余物を、水を含ませたスポンジを使い、水での除去状態を観察した。
【0067】
次に、実施例1〜30、比較例1〜4にて作製した接着剤の試験結果を評価したものを表2に示す。表2における記号の意味は、次の通りである。
[接着力試験]
○・・・良好
△・・・接着するが使用できないレベル
×・・・不良
[剥離性試験]
○・・・良好
△・・・ラケットからラバーを剥離しにくい
×・・・ラバー又はラケット破損
[水洗い性試験]
○・・・良好
△・・・接着剤(残余物)を除去しにくい、又はわずかに残る
×・・・除去できない
【0068】
【表2】

【0069】
試験結果の評価では、表2に示すように、接着力の評価、剥離性の評価、水洗い性試験の評価のそれぞれにおいて、いずれも実施例1〜30は安定した評価を得ることができた。
【0070】
すなわち、
(1)接着力試験では、競技の際の長時間使用に絶えうるに十分な接着力であることがわかった。
(2)ラケットやラバーの破損がなく剥離作業が迅速かつ容易に行うことができた。
(3)除去試験では、リムーバ(有機溶剤)を使用する必要がなく、水洗いにて、迅速かつ容易に接着剤の残余物を除去することができた。
(4)水溶性接着剤であるため、ヘプタン等の有機溶剤を用いないので、使用時において人体や環境に対する有害性や刺激臭等のない安全なラケット用接着剤の製造することができた。
(5)同様に、いずれの実施例も有機溶剤を用いないため、引火性がなく、安全に運搬・使用することができる。
【0071】
以上の説明は、開示された実施の形態のすべての点で例示であり制限的なものではない。従って、本発明の範囲は、上記の説明に限定されたものではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内のすべての変更が含まれることが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、卓球ラケット用接着剤として必要な接着力や貼替え作業の容易性等を備えながら、安全性に優れた水溶性接着剤であり、国際的な競技上の安全基準等ができた場合には、もれなく基準を満たすものとなると考えられる。また、貼替えが容易で、反発弾性の低下を危惧しない接着剤タイプであるため、初心者からプロの競技者まで安心して使用可能なラケットを提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
卓球ラケット用ラバーを卓球用ラケットに接着するための接着剤であって、水溶性樹脂を主成分とすることを特徴とする卓球ラバー用水溶性接着剤。
【請求項2】
請求項1に記載の水溶性接着剤であって、前記水溶性樹脂はポリビニルアルコール及び/又はポリビニルピロリドンを主体とし、前記水溶性樹脂の含有率が30重量%以下であることを特徴とする卓球ラバー用水溶性接着剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の水溶性接着剤であって、接着補助剤としてアクリル系樹脂エマルジョンを10重量%以下含有することを特徴とする卓球ラバー用水溶性接着剤。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載の水溶性接着剤であって、可塑剤としてグリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール等のグリコール類、又はエタノールアミン、エタノールアセトアミド、尿素などを含有することを特徴とする卓球ラバー用水溶性接着剤。


【公開番号】特開2006−169443(P2006−169443A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−366733(P2004−366733)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(596055039)株式会社レヂテックス (8)
【出願人】(593209404)株式会社ジュウイック (3)
【Fターム(参考)】