説明

協調的なウェブベースの航空機の水平障害影響分析ツール

【課題】少なくとも1つの誤動作ならびに少なくとも1つの誤動作の各々に関連付けられる複数の直接的および間接的な影響を含むシステム誤動作影響データを受信するため、および受信されたシステム誤動作影響データを格納するための方法、装置、ならびに製造品の実施例を提供する。
【解決手段】当該実施例はさらに、ユーザがシステム誤動作影響データを見ることおよび/または修正することを容易にすることができ、当該見ることは、リレーショナルな態様で、すなわち各誤動作が1つ以上の直接的な影響にリンクされ、各直接的な影響が1つ以上の間接的な影響にリンクされる状態でデータを提示することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は、データ処理の分野に関し、特に、システム誤動作影響データを受信および格納するためおよびユーザがそのデータを見ることおよび/または修正することを容易にするための方法ならびに装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
航空機の設計の進歩は、非常に多くの相互に依存するシステムの発展に繋がった。これらのシステムのうち1つ以上の障害または誤動作は、直接的または間接的に他のシステムに影響を及ぼすことが多い。さらに、これらの障害/誤動作ならびにそれらの直接的および間接的な影響の分析はしばしば、認可プロセスの一部として必要である。典型的にはこのような分析は、このような分析を容易にできるシステムまたはプロセスに関係なく、システムアナリストのグループによって手動で行なわれる。
【0003】
さらに、ネットワークおよびコンピュータシステムの進歩によって、コンピュータシステムユーザは、データの共有ブロックを作成および修正する際に、他のユーザと協調することがますます容易になった。例はオンライン「掲示板」を含み、このオンライン「掲示板」によって、インターネットまたは何らかの他のネットワークによって接続される、異なる場所にいる複数のユーザは「掲示板」のデータを作成および修正できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近の進歩によって、システムアナリストのグループはオンライン掲示板に類似したツールによって協調できるようになったが、リレーショナルな態様で、たとえば各誤動作/障害が1つ以上の直接的な影響にリンクされ、各直接的な影響が1つ以上の間接的な影響にリンクされる状態で誤動作および障害影響データを提示し、ユーザが誤動作/障害および直接的および間接的な影響を定義すること、ならびに誤動作/障害および影響を見ることおよび/または修正することを容易にするシステムまたはプロセスはなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
この発明の例示的な実施例は、少なくとも1つの誤動作ならびに少なくとも1つの誤動作の各々に関連付けられる複数の直接的および間接的な影響を含むシステム誤動作影響データを受信するため、および受信されたシステム誤動作影響データを格納するための方法ならびに装置を含むが、それらに限定されない。例示的な実施例はさらに、ユーザがシステム誤動作影響データを見ることおよび/または修正することを容易にすることができ、当該見ることは、リレーショナルな態様で、すなわち各誤動作が1つ以上の直接的な影響にリンクされ、各直接的な影響が1つ以上の間接的な影響にリンクされる状態でデータを提示することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
発明の実施例の詳細な説明
さまざまな動作は、例示的な実施例を理解するのに最も役立つ態様で、順に、複数の、別々の動作として記載されることになる。しかしながら、記載の順序は、これらの動作が必ず順序に依存していることを暗に意味するように解釈されるべきではない。特に、これらの動作は説明の順序で実行される必要はない。
【0007】
図1は、さまざまな実施例によるこの発明の概要図である。示されるように、実施例では、クライアント102はサーバ106に接続されてもよい。サーバ106は、誤動作および障害事例110、ならびにこのような事例の直接的な影響112および間接的な影響114をクライアント102から受信でき、いくつかの実施例では、影響を受けるシステム104から自動的に誤動作/障害110および影響112/114を受信でき、システム設計データベース118を参照することによって、システムから受信された誤動作/障害110と影響112/114との間の関係を求めることができる。サーバ106の協調ツール107は次いで、受信されたシステム誤動作影響データ(コンテンツ108)をデータベース116などのデータベースに格納してもよい。ツール107はさらに、クライアント102のユーザがコンテンツ108を見ることおよび/または修正することを容易にすることができ、リレーショナルな態様で、すなわち各誤動作110が1つ以上の直接的な影響112にリンクされ、各直接的な影響112が1つ以上の間接的な影響114にリンクされる状態で、クライアント102を介してユーザに誤動作110および影響112/114を提示できる。
【0008】
さまざまな実施例では、クライアント102は、インターネットエクスプローラ、ネットスケープまたはモジラなどのウェブブラウザを有するコンピュータシステムであってもよい。クライアントは、サーバ106の協調ツール107などの、リモートサーバによってもたらされるウェブアプリケーションとユーザが対話するのを容易にすることができる。代替的な実施例では、クライアント102は、ユーザが協調ツール107と対話することのみを容易にするウェブアプリケーション専用のエージェントを含んでもよい。どちらの場合でも、総称的なブラウザまたはウェブアプリケーション専用のエージェントは、コンピュータシステムのプロセスであってもよい。さらに他の実施例では、クライアント102は、協調ツール107と対話できるコンピュータシステムのシステムシミュレーションプログラムであってもよい。コンピュータシステムは、PC(Personal Computer)、ワークステーション、サーバ、PDA(Personal Digital Assistant)または携帯機器などの、当該技術分野において公知の任意の種類のシステムであってもよい。クライアント102のコンピュータシステムは、ネットワーキング機構(図示せず)を介してサーバ106に接続されてもよい。ネットワーキング機構は、ローカルエリアネットワーキングおよび/または広域ネットワーキング、有線および/または無線を含んでもよく、TCP/IP(Transmission Protocol/Internet Protocol)またはATM(Asynchronous Transfer Mode)などの当該技術分野において公知の任意の通信プロトコルを利用してもよい。
【0009】
示されるように、システム104は、誤動作する可能性があるもしくは誤動作110によって影響を受ける可能性がある、航空機などの任意の種類の電気的および/もしくは機械的システム、またはそこに配置されるシステム/サブシステムであってもよい。いくつかの実施例では、システム104は、誤動作110を示す信号を自動的にサーバ106に伝送できるセンサまたは組込型システムを備え付けてもよい。
【0010】
いくつかの実施例では、サーバ106は、この発明の協調ツール107の実施例を備え付ける、当該技術分野において公知の任意の種類のコンピュータシステムであってもよい。サーバ106のオペレーションを実行できる例示的なコンピュータシステムは、図5によって示される。
【0011】
サーバ106は、ネットワーキング機構(図示せず)を介して、データベース116を格納するデータベースサーバ(図示せず)およびシステム設計データベース118を格納する同一のまたは別のデータベースサーバにも接続されてもよい。このようなネットワーキング機構は、上述のネットワークなどの当該技術分野において公知の任意の種類の機構であってもよく、上述のネットワーキング機構と同一のネットワーキング機構であっても
よい。データベースサーバはさらに、上述のコンピュータシステムなどの当該技術分野において公知の任意の種類のコンピュータシステムであってもよい。他の実施例では、データベース116および/またはシステム設計データベース118は、サーバ106に局所的に格納されてもよく、データベースサーバの必要性を排除する。
【0012】
データベース116は、さまざまな実施例では、リレーショナルな態様で誤動作110および影響112/114を格納できる複数のテーブルで構成されるリレーショナルデータベースであってもよい。このようなリレーショナルデータベースは、当該技術分野において周知である。さらに他の実施例では、サーバ106は、データベース116に接続されないかもしれず、またはデータベース116を持たないかもしれないが、その代わりに誤動作110、影響112/114、およびそれらの関係をファイルに格納できる。
【0013】
いくつかの実施例では、システム設計データベース118はさらに、航空機の設計概略図を格納できる複数のテーブルで構成されるリレーショナルデータベースであってもよい。さらに他の実施例では、サーバ106は、システム設計データベース118に接続されないかもしれず、またはシステム設計データベース118を持たないかもしれないが、その代わりに航空機の設計概略図をファイルに格納できる。
【0014】
一実施例では、クライアント102、サーバ106、データベース116、およびシステム設計データベース118はすべて、同一のコンピュータシステム上に、たとえばコンピュータシステムの複数の仮想マシンに存在してもよい。
【0015】
示されるように、サーバ106は、クライアント102のユーザから誤動作および障害事例110を受信できる。クライアント102のユーザによって定義および入力される誤動作110は、いくつかの実施例では、任意の種類の航空機レベルのシステム障害または誤動作であってもよい。たとえば、ユーザは、航空機の電気的なバスまたは航空機の航法システムの誤動作110を入力できる。さまざまな実施例では、入力された誤動作110の各々は、航空機の1つ以上の他のシステムに影響を及ぼす可能性がある。さらに、ユーザは各誤動作110ごとに確率およびハザードレベルも入力でき、確率は飛行中に誤動作110が発生する見込みを示し、ハザードレベルは航空機の乗員および運航に対する誤動作110の影響を示す。誤動作事例110、確率およびハザードレベルの入力ならびに定義を課されたユーザは、航空機統合、安全性、システムアナリストおよび規制当局の設計グループに編成され得る。一実施例では、各グループは、グループのメンバーの専門知識の範囲内に収まる特定のシステムまたはシステムのセットに集中できる。他の実施例では、単一ユーザがクライアント102を介して誤動作110のうちのいくつかまたはすべてを入力および定義できる。サーバ106は、予め定められた更新時に、または誤動作110がユーザによって定義され、クライアント102に入力されるときにリアルタイムで、定義された誤動作110をバッチで受信できる。
【0016】
さまざまな実施例では、クライアント102のユーザは許可レベルを割当てられてもよく、特定の許可レベルを有するユーザのみが誤動作事例110を入力できる。サーバ106の協調ツール107または別個のプロセスは、クライアント102から誤動作事例110を受入れる前にクライアント102のユーザが適切な許可レベルを有する状態でログオンしたかどうかを判断できる。ツール107がウェブアプリケーションであり、クライアント102がウェブブラウザを含むいくつかの実施例では、ツール107は最初に、当該技術分野においてしばしば使用される種類のログイン/認証ウェブページをクライアント102に与えてもよく、クライアント102のユーザが適正な許可レベルを有することをツール107が確認したときにのみ誤動作事例110の入力を可能にするウェブページをクライアント102に与えてもよい。
【0017】
いくつかの実施例では、当該技術分野において公知の許可レベルの任意のスキームが使用されてもよい。たとえば、ツール107は、「ReadOnlyUser」、「ReadWriteUser」、「SystemFocal」、および「Admin」の役割を定義できる。「ReadOnlyUser」は、誤動作110、影響112/114、およびそれらの関係を単に見ることはできるが、それらを入力または修正することはできない。「ReadWriteUser」は、「ReadOnlyUser」の特権を有し、特定の誤動作110の直接的な影響112および間接的な影響114も入力でき、万一誤動作が発生した場合に取られ得る、関連付けられるフライトデッキメッセージおよび補完的な航空機搭乗員/パイロットの行動も入力できる。このユーザは次いで、ユーザが入力したデータのみを修正および/または削除できる。「SystemFocal」ユーザは、「ReadWriteUser」の特権を有し、1つ以上のシステムについての誤動作事例110を入力、更新および削除することもできる。「Admin」ユーザは、誤動作110、影響112/114、および関連付けられるデータを見る、入力する、更新するおよび削除するための完全な許可を有することができる。
【0018】
代替的な実施例では、誤動作事例110は、誤動作しているシステム104からサーバ106によって直接に受信されてもよい。システム104は、万一システム104が誤動作または故障した場合に信号を伝送できるセンサまたは組込型システムを備え付けてもよい。誤動作110を検知すると、センサまたは組込型システムはすぐにリアルタイムでサーバ106に警告を出すことができる。送られる信号は、無線周波数(radio frequency)(RF)信号または光信号などの、当該技術分野において公知の任意の種類の信号であってもよい。このようなセンサ、組込型機器および信号は、当該技術分野において周知であり、さらに説明される必要はない。
【0019】
示されるように、サーバ106は、クライアント102のユーザによって入力される誤動作事例110の直接的な影響112および間接的な影響114もクライアント102から受信できる。直接的な影響112とは、システム誤動作110に直接的に起因する任意の第1の影響であり得る。間接的な影響114とは、システム誤動作110に間接的に起因する任意の第2、第3などの影響、および直接的な影響112または別の間接的な影響114に直接的に起因する任意の第2、第3などの影響であり得る。このように、ユーザは、影響112/114およびそれらの伝播を入力でき、伝播は、各々の入力された影響112/114ごとに、新しく入力される影響112/114がどの誤動作110、直接的な影響112または間接的な影響114に起因し得るかを示す。たとえば、上述の電気的なバスの誤動作110は、油圧への影響、航法への影響およびアビオニクスへの影響などのいくつかの直接的な影響112を有する可能性がある。油圧への影響は操縦装置への影響などの間接的な影響114に関連付けられる可能性があり、間接的な操縦装置への影響114は機体振動への影響などのさらに他の間接的な影響114に関連付けられる可能性がある。いくつかの実施例では、影響112/114は、誤動作事例110の組合せ、他の影響112/114の組合せ、またはその組合せが生じるときにのみ生じるそれら両方の組合せに関連付けられる可能性がある。したがって、たとえば、特定の直接的な影響112は2つの誤動作110が発生するときにのみ生じる可能性があり、または特定の間接的な影響114は2つの直接的な影響112および/もしくは間接的な影響114が生じるときにのみ生じる可能性がある。さらに、さまざまな実施例では、直接的な影響112が、ある誤動作110について入力され、次いで第2の誤動作110について再び入力されると、ツール107はその直接的な影響112に関連付けられる間接的な影響114を直接的な影響112の第2の入力にマップでき、これは同一のデータを再入力する必要性を排除する。
【0020】
いくつかの実施例では、影響112/114は、誤動作事例110を入力したユーザの同一のグループによって入力される。他の実施例では、影響112/114は、システムアナリストのその他のチームによって入力される。上述のように、特定の許可レベルを有
するユーザのみがさまざまな影響112/114を入力できる。たとえば、ツール107は、誤動作110の影響112/114を入力するためにユーザが「ReadWriteUser」であるか、「SystemFocal」ユーザであるか、または「Admin」ユーザであることを要求し得る。いくつかの実施例では、誤動作110、直接的な影響112および間接的な影響114は反復サイクルで入力され、ユーザのレビューならびに直接的な影響112および間接的な影響114の追加のレベルの入力を必要とする新しい誤動作110または影響112/114が入力されたときに、ツール107はクライアント102を介してまたはeメールによってユーザに通知する。さらに、直接的な影響112および間接的な影響114の入力に加えて、ユーザは誤動作事例110に関連付けられるフライトデッキメッセージおよび補完的なパイロット/航空機搭乗員の行動、ならびに誤動作事例に関連して上述した確率およびハザードレベルに類似した、各影響ごとの発生確率およびハザードレベルも入力できる。
【0021】
代替的な実施例では、サーバ106は、ユーザによって入力された誤動作事例110および影響112/114を受信するのではなく、またはそれらを受信することに加えて、誤動作110を示す信号をシステム104から受信してもよい。誤動作110または(第2もしくは第3の誤動作として現われる)誤動作110の影響112/114を経験するシステム104は、上述の態様でサーバ106に誤動作110の警告を出すことができる。サーバ106のツール107は次いで、どの受信信号が誤動作110を示すか、どれが直接的な影響112を示すか、およびどれが間接的な影響114を示すかを、信号到着の時間からまたはシステム関係を示す予め定められた航空機の概略図から導き出すことができる。このような概略図は、上述のシステム設計データベース118に格納されてもよい。一実施例では、クライアント102は、システムから受信された誤動作110および影響112/114を見るために協調ツール107を使用してもよく、影響の関係を求めるために航空機の概略図を使用してもよい。各システム104は固有の信号を有する可能性があり、したがって、ツール107は誤動作110または影響112/114を経験するシステム104を決定することができる。
【0022】
再び図1を参照して、いくつかの実施例では、サーバ106の協調ツール107は、受信された誤動作事例110、影響112/114、および(システム誤動作影響データを構成する)他の追加の情報をデータベース116に格納してもよい。データベース116は、データ関係によって接続された複数のテーブルを所有するリレーショナルデータベースを含む、当該技術分野において公知の任意の種類のデータベースであってもよい。各誤動作110および影響112/114は、テーブル間の関係が誤動作110、直接的な影響112および間接的な影響114の間の関係に対応する状態で、テーブルに格納されてもよい。上述の種類のフライトデッキメッセージおよび補完的な行動は、独自のテーブルに格納される場合もあれば、メッセージおよび行動が関連する誤動作110または影響112/114についての誤動作または影響テーブルのフィールドとして格納される場合もある。さらに、上のテーブルは、確率およびハザードレベルについてのフィールドを含んでもよい。代替的な実施例では、ツール107は、データベース116ではなくファイルの構造にシステム誤動作影響データ108を格納してもよい。
【0023】
示されるように、一旦サーバ106の協調ツール107がシステム誤動作影響データ108を受信および格納すると、ツール107はユーザがクライアント102を介してデータ108を見ることおよび/または修正することを容易にすることができる。1つ以上の誤動作110ならびにそれらの直接的な影響112および間接的な影響114を見ることを要求するユーザは、リレーショナルな態様で提示される要求された誤動作110および影響112/114を含むコンテンツ108を有することができ、このコンテンツ108は、各誤動作110とその1つ以上の直接的な影響112との間、各直接的な影響112とその起こり得る1つ以上の間接的な影響114との間、およびいくつかの実施例では各
間接的な影響114とそのさらに他の1つ以上の間接的な影響114との間の関連を示す。コンテンツ108は、ツール107によって作成されるウェブページ上でグラフィックツリー構造で提示されてもよく、コンテンツ108を示すウェブページは、クライアント102に送られてもよく、クライアント102上でユーザに表示されてもよい。したがって、ユーザは、影響の伝播がツリー構造または何らかの類似したグラフィック表現によって示される状態で、誤動作110およびその関連付けられる影響112/114を表示するグラフィックウェブページを見ることができる。他の実施例では、表示されるコンテンツ108は、フライトデッキメッセージおよび補完的な行動も含んでもよく、ツール107によって生成されるウェブページグラフィックディスプレイの一部としてメッセージおよび行動を含んでもよい。さらに他の実施例では、クライアント102に与えられるウェブページは対話型ウェブページであってもよく、ツール107によって作成される対話型ウェブページ上での誤動作110または影響112/114のユーザクリックに応答して、このようなコンテンツを表示する追加のウェブページを返すことによって、誤動作110または影響112/114に関連付けられる確率およびハザードレベルをユーザが見ることを容易にする。上述の設計グループに加えて、パイロットおよび他の航空会社従業員もシステム誤動作影響データ108を見ることができる。このようなユーザは、「ReadOnlyUser」の許可レベルを割当てられるかもしれない。
【0024】
さまざまな実施例では、ツール107によって生成されるウェブページは、ユーザが誤動作110、影響112/114、または関連付けられるデータを修正することも容易にすることができる。ユーザがデータ108の任意の部分を修正または削除できることは、上述のように、ユーザの許可レベルによって制御されることができ、特定の誤動作110の影響112/114を編集または削除することのみが可能なユーザもいれば、特定の誤動作110の影響112/114を編集または削除でき、それに加えて特定の誤動作110を編集および削除できるユーザもおり、システム誤動作影響データ108の任意の部分を編集および削除できるユーザもいる。このような修正は、ユーザが修正できる要素についての対話型ウェブページ要素をユーザに与えることによって達成され得る。たとえば、特定のユーザ用のウェブページは、対話型影響112/114ボックスをウェブページの一部として表示させるかもしれない。ユーザは、ボックスに表示された情報を変更できるか、またはボックスを削除できるかもしれない。このような双方向性は、クライアントおよび/またはサーバサイドのスクリプティングによって達成され得る。この種のスクリプティングは、当該技術分野において周知であり、さらに説明される必要はない。さらに、ユーザが影響112/114を削除する場合、その影響112/114にのみ関連付けられるいずれの間接的な影響114も自動的に削除されることができる。表示されたデータのユーザの操作は、クライアント102によってサーバ106に戻るように通信されてもよく、ツール107によって格納されてもよい。
【0025】
さらに、いくつかの実施例では、協調ツール107は航空機の設計に対して設計変更を勧告してもよい。設計変更勧告は、1つ以上の誤動作110および/または影響112/114のハザードレベルに、ある特定の閾値を超える誤動作/影響110/112/114の確率を乗算した結果によって引起こされるかもしれない。たとえば、ハザードレベルは数値で表わされるかもしれず、「1」は最低のハザードレベルを示し、「5」は最高のハザードレベルを示す。設計変更勧告を引起こす閾値メトリック(metric)は「3」であるかもしれない。したがって、「5」のハザードレベルおよび60%またはそれより大きな確率を有する誤動作110または影響112/114はいずれも設計変更勧告を引起こすであろう。設計変更勧告は、間接的な影響114のレベルの数値を測定するおよび/または誤動作110の場合の影響112/114の発生の確率を考慮する公式などのより複雑な公式によっても引起こされるかもしれない。このような勧告によって、結果的に「停止」メッセージが、航空機システムのサプライチェーンを担当する従業員および/またはシステムに送られるかもしれない。ユーザに設計変更勧告を通知する警告eメールは、勧
告を引起こす誤動作110および/または影響112/114に関連付けられる設計グループにも送られることができる。
【0026】
いくつかの実施例では、サーバ106の協調ツール107は、航空機の設計認可プロセスで使用できるレポートも生成してもよい。ツール107は、ツール107によって生成されたレポートをカスタマイズするためにクライアントがいくつかのパラメータの中で選択できるおよび/またはいくつかのパラメータを入力できるウェブページをクライアント102のユーザに与えてもよい。
【0027】
図2は、さまざまな実施例によるこの発明の選択された動作のフローチャート図である。示されるように、サーバは、クライアントのユーザから誤動作および障害事例を受信でき、これはブロック202である。クライアントのユーザによって定義および入力される誤動作は、いくつかの実施例では、任意の種類の航空機レベルのシステム障害または誤動作であってもよい。たとえば、ユーザは、航空機の電気的なバスまたは航空機の航法システムの誤動作を入力できる。さまざまな実施例では、入力された誤動作の各々は、航空機の1つ以上の他のシステムに影響を及ぼす可能性がある。さらに、ユーザは各誤動作ごとに確率およびハザードレベルも入力でき、確率は飛行中に誤動作が発生する見込みを示し、ハザードレベルは航空機の乗員および運航に対する誤動作の影響を示す。誤動作事例、確率およびハザードレベルの入力ならびに定義を課されたユーザは、航空機統合、安全性、システムアナリストおよび規制当局の設計グループに編成され得る。一実施例では、各グループは、グループのメンバーの専門知識の範囲内に収まる特定のシステムまたはシステムのセットに集中できる。他の実施例では、単一ユーザがクライアントを介して誤動作のうちのいくつかまたはすべてを入力および定義できる。サーバは、予め定められた更新時に、または誤動作がユーザによって定義され、クライアントに入力されるときにリアルタイムで、定義された誤動作をバッチで受信できる。
【0028】
さまざまな実施例では、クライアントのユーザは許可レベルを割当てられてもよく、特定の許可レベルを有するユーザのみが誤動作事例を入力でき、これはブロック202である。サーバの協調ツールまたは別個のプロセスは、クライアントから誤動作事例を受入れる前にクライアントのユーザが適切な許可レベルを有する状態でログオンしたかどうかを判断できる。ツールがウェブアプリケーションであり、クライアントがウェブブラウザであるいくつかの実施例では、ツールは最初に、当該技術分野においてしばしば使用される種類のログイン/認証ウェブページをクライアントに与えてもよく、クライアントのユーザが適正な許可レベルを有することをツールが確認したときにのみ誤動作事例の入力を可能にするウェブページをクライアントに与えてもよい。
【0029】
いくつかの実施例では、当該技術分野において公知の許可レベルの任意のスキームが使用されてもよい。たとえば、ツールは、「ReadOnlyUser」、「ReadWriteUser」、「SystemFocal」、および「Admin」の役割を定義できる。「ReadOnlyUser」は、誤動作、影響、およびそれらの関係を単に見ることはできるが、それらを入力または修正することはできない。「ReadWriteUser」は、「ReadOnlyUser」の特権を有し、特定の誤動作の直接的な影響および間接的な影響も入力でき、万一誤動作が発生した場合に取られ得る、関連付けられるフライトデッキメッセージおよび補完的な航空機搭乗員/パイロットの行動も入力できる。このユーザは次いで、ユーザが入力したデータのみを修正および/または削除できる。「SystemFocal」ユーザは、「ReadWriteUser」の特権を有し、1つ以上のシステムについての誤動作事例を入力、更新および削除することもできる。「Admin」ユーザは、誤動作、影響、および関連付けられるデータを見る、入力する、更新するおよび削除するための完全な許可を有することができる。
【0030】
代替的な実施例では、誤動作事例は、誤動作しているシステムからサーバによって直接
に受信されてもよく、これはブロック202である。システムは、万一システムが誤動作または故障した場合に信号を伝送できるセンサまたは組込型システムを備え付けてもよい。誤動作を検知すると、センサまたは組込型システムはすぐにリアルタイムでサーバに警告を出すことができる。送られる信号は、無線周波数(radio frequency)(RF)信号または光信号などの、当該技術分野において公知の任意の種類の信号であってもよい。このようなセンサ、組込型機器および信号は、当該技術分野において周知であり、さらに説明される必要はない。
【0031】
示されるように、サーバは、クライアントのユーザによって入力される誤動作事例の直接的な影響もクライアントから受信でき、これはブロック204であり、間接的な影響もクライアントから受信でき、これはブロック206である。直接的な影響とは、システム誤動作に直接的に起因する任意の第1の影響であり得る。間接的な影響とは、システム誤動作に間接的に起因する任意の第2、第3などの影響、および直接的な影響または別の間接的な影響に直接的に起因する任意の第2、第3などの影響であり得る。このように、ユーザは、影響およびそれらの伝播を入力でき、伝播は、各々の入力された影響ごとに、新しく入力される影響がどの誤動作、直接的な影響または間接的な影響に起因し得るかを示す。たとえば、上述の電気的なバスの誤動作は、油圧への影響、航法への影響およびアビオニクスへの影響などのいくつかの直接的な影響を有する可能性がある。油圧への影響は操縦装置への影響などの間接的な影響に関連付けられる可能性があり、間接的な操縦装置への影響は機体振動への影響などのさらに他の間接的な影響に関連付けられる可能性がある。いくつかの実施例では、影響は、誤動作事例の組合せ、他の影響の組合せ、またはその組合せが生じるときにのみ生じるそれら両方の組合せに関連付けられる可能性がある。したがって、たとえば、特定の直接的な影響は2つの誤動作が発生するときにのみ生じる可能性があり、または特定の間接的な影響は2つの直接的な影響および/もしくは間接的な影響が生じるときにのみ生じる可能性がある。さらに、さまざまな実施例では、直接的な影響が、ある誤動作について入力され、次いで第2の誤動作について再び入力されると、ツールはその直接的な影響に関連付けられる間接的な影響を直接的な影響の第2の入力にマップでき、これは同一のデータを再入力する必要性を排除する。
【0032】
いくつかの実施例では、影響は、誤動作事例を入力したユーザの同一のグループによって入力される。他の実施例では、影響は、システムアナリストのその他のチームによって入力される。上述のように、特定の許可レベルを有するユーザのみがさまざまな影響を入力できる。たとえば、ツールは、誤動作の影響を入力するためにユーザが「ReadWriteUser」であるか、「SystemFocal」ユーザであるか、または「Admin」ユーザであることを要求し得る。いくつかの実施例では、誤動作、直接的な影響および間接的な影響は反復サイクルで入力され、新しい誤動作または影響が入力されたときにツールはクライアントを介してまたはeメールによってユーザに通知し、ユーザのレビューならびに直接的な影響および間接的な影響の追加のレベルの入力を必要とする。したがって、直接的な影響に関連付けられる間接的な影響についてあるレベルを入力した後、ユーザは間接的な影響の別のレベルを入力するように協調ツール方法によって要求されてもよく、これはブロック208であり、ユーザは間接的な影響の追加のレベルを入力することを選ぶ場合もあれば、選ばない場合もある。さらに、直接的な影響および間接的な影響の入力に加えて、ユーザは誤動作事例に関連付けられるフライトデッキメッセージおよび補完的なパイロット/航空機搭乗員の行動、ならびに誤動作事例に関連して上述した確率およびハザードレベルに類似した、各影響ごとの発生確率およびハザードレベルも入力できる。
【0033】
代替的な実施例では、サーバは、ユーザによって入力された誤動作事例および影響を受信するのではなく、誤動作を示す信号のみをシステムから受信してもよい。誤動作または(第2もしくは第3の誤動作として現われる)誤動作の影響を経験するシステムは、上述の態様でサーバに誤動作の警告を出すことができる。サーバのツールは次いで、どの受信
信号が誤動作を示すか、どれが直接的な影響を示すか、およびどれが間接的な影響を示すかを、信号到着の時間からまたはシステム関係を示す予め定められた航空機の概略図から導き出すことができる。いくつかの実施例では、このような航空機の設計概略図は、サーバによってアクセス可能であり得るシステム設計データベースに格納されてもよい。このような実施例では、各システムは固有の信号を有する可能性があり、したがって、ツールは誤動作または影響を経験するシステムを決定することができる。
【0034】
再び図2を参照して、協調ツール方法は、受信された誤動作事例、影響、および(システム誤動作影響データを構成する)他の追加の情報をデータベースに格納してもよく、これはブロック210である。データベースは、データ関係によって接続された複数のテーブルを所有するリレーショナルデータベースを含む、当該技術分野において公知の任意の種類のデータベースであってもよい。各誤動作および影響は、テーブル間の関係が誤動作、直接的な影響および間接的な影響の間の関係に対応する状態で、テーブルに格納されてもよい。上述の種類のフライトデッキメッセージおよび補完的な行動は、独自のテーブルに格納される場合もあれば、メッセージおよび行動が関連する誤動作または影響についての誤動作または影響テーブルのフィールドとして格納される場合もある。さらに、上のテーブルは、確率およびハザードレベルについてのフィールドを含んでもよい。代替的な実施例では、ツールは、データベースではなくファイルの構造にシステム誤動作影響データを格納してもよい。
【0035】
示されるように、一旦協調ツール方法がシステム誤動作影響データを受信および格納すると、この方法はユーザがクライアントを介してデータを見ることを容易にすることができ、これはブロック212である。1つ以上の誤動作ならびにそれらの直接的な影響および間接的な影響を見ることを要求するユーザは、リレーショナルな態様で提示される要求された誤動作および影響を含むコンテンツを有することができ、このコンテンツは、各誤動作とその1つ以上の直接的な影響との間、各直接的な影響とその起こり得る1つ以上の間接的な影響との間、およびいくつかの実施例では各間接的な影響とそのさらに他の1つ以上の間接的な影響との間の関連を示す。コンテンツは、ツールによって作成されるウェブページ上でグラフィックツリー構造で提示されてもよく、コンテンツを示すウェブページは、クライアントに送られてもよく、クライアント上でユーザに表示されてもよい。したがって、ユーザは、影響の伝播がツリー構造または何らかの類似したグラフィック表現によって示される状態で、誤動作およびその関連付けられる影響を表示するグラフィックウェブページを見ることができる。他の実施例では、表示されるコンテンツは、フライトデッキメッセージおよび補完的な行動も含んでもよく、ツールによって生成されるウェブページグラフィックディスプレイの一部としてメッセージおよび行動を含んでもよい。さらに他の実施例では、クライアントに与えられるウェブページは対話型ウェブページであってもよく、ツールによって作成される対話型ウェブページ上での誤動作または影響のユーザクリックに応答して、このようなコンテンツを表示する追加のウェブページを返すことによって、誤動作または影響に関連付けられる確率およびハザードレベルをユーザが見ることを容易にする。上述の設計グループに加えて、パイロットおよび他の航空会社従業員もシステム誤動作影響データを見ることができる。このようなユーザは、「ReadOnlyUser」の許可レベルを割当てられるかもしれない。
【0036】
さまざまな実施例では、協調ツール方法によって生成されるウェブページは、ユーザが誤動作、影響、または関連付けられるデータを修正することも容易にすることができ、これはブロック214である。ユーザがデータの任意の部分を修正または削除できることは、上述のように、ユーザの許可レベルによって制御されることができ、特定の誤動作の影響を編集または削除することのみが可能なユーザもいれば、特定の誤動作の影響を編集または削除でき、それに加えて特定の誤動作を編集および削除できるユーザもおり、システム誤動作影響データの任意の部分を編集および削除できるユーザもいる。このような修正
は、ユーザが修正できる要素についての対話型ウェブページ要素をユーザに与えることによって達成され得る。たとえば、特定のユーザ用のウェブページは、対話型影響ボックスをウェブページの一部として表示させるかもしれない。ユーザは、ボックスに表示された情報を変更できるか、またはボックスを削除できるかもしれない。このような双方向性は、クライアントおよび/またはサーバサイドのスクリプティングによって達成され得る。この種のスクリプティングは、当該技術分野において周知であり、さらに説明される必要はない。さらに、ユーザが影響を削除する場合、その影響にのみ関連付けられるいずれの間接的な影響も自動的に削除されることができる。表示されたデータのユーザの操作は、クライアントによってサーバに戻るように通信されてもよく、ツールによって格納されてもよい。
【0037】
いくつかの実施例では、協調ツール方法は、航空機の設計認可プロセスで使用できるレポートも生成してもよく、これはブロック216である。ツールは、ツールによって生成されたレポートをカスタマイズするためにクライアントがいくつかのパラメータの中で選択できるおよび/またはいくつかのパラメータを入力できるウェブページをクライアントのユーザに与えてもよい。
【0038】
さらに、いくつかの実施例では、協調ツール方法は航空機の設計に対して変更を勧告してもよく、これはブロック218である。設計変更勧告は、1つ以上の誤動作および/または影響のハザードレベルに、ある特定の閾値を超える誤動作/影響の確率を乗算した結果によって引起こされるかもしれない。たとえば、ハザードレベルは数値で表わされるかもしれず、「1」は最低のハザードレベルを示し、「5」は最高のハザードレベルを示す。設計変更勧告を引起こす閾値メトリックは「3」であるかもしれない。したがって、「5」のハザードレベルおよび60%またはそれより大きな確率を有する誤動作または影響はいずれも設計変更勧告を引起こすであろう。設計変更勧告は、間接的な影響のレベルの数値を測定するおよび/または誤動作の場合の影響の発生の確率を考慮する公式などのより複雑な公式によっても引起こされるかもしれない。このような勧告によって、結果的に「停止」メッセージが、航空機システムのサプライチェーンを担当する従業員および/またはシステムに送られるかもしれない。ユーザに設計変更勧告を通知する警告eメールは、勧告を引起こす誤動作および/または影響に関連付けられる設計グループにも送られることができる。
【0039】
図3は、さまざまな実施例によるこの発明の協調的な、役割ベースの局面の図である。図1および図2に関連して上述したように、複数の設計グループ304は誤動作事例および影響を入力すること、すなわちブロック302に関与する可能性があり、誤動作事例および影響は次に協調ツール308によって受信されることができる。いくつかの実施例では、各設計グループ304は、専門知識の特定の領域を有する可能性があり、専門知識のその領域に関連付けられる誤動作および影響を入力できる。代替的な実施例では、システム306のセンサまたは組込型システムは、万一システム306が誤動作した場合に自動的に信号をツール308に伝送できる。誤動作および影響を入力ならびに受信するためのプロセスについては、上でより詳細に説明している。
【0040】
同様に示されるように、複数の設計グループ312は、誤動作事例および影響を見ることおよび修正すること、すなわちブロック310に関与する可能性がある。いくつかの実施例では、設計グループ312は設計グループ304と同一であってもよい。再び、各設計グループ312は、専門知識の特定の領域を有する可能性があり、専門知識のその領域に関連付けられる誤動作および影響を見ることができ、それを修正できる。さらに、パイロット314および他の航空会社従業員も、誤動作、影響、および上述の補完的な行動などの他の関連付けられるデータを見ることができる。誤動作および影響を見るためのならびに修正するためのプロセスについては、上でより詳細に説明している。
【0041】
図4は、さまざまな実施例による、複数の誤動作および影響テーブルを含むこの発明の例示的なリレーショナルデータベーススキーマの図である。図1および図2に関連して上述したように、テーブルは、テーブル間の関連が誤動作、直接的な影響および間接的な影響の間の関連に対応する状態で、誤動作および影響データを格納してもよい。テーブルは、万一誤動作が発生した場合のフライトデッキメッセージおよび航空機搭乗員/パイロットのための補完的な行動も格納してもよい。しかしながら、他の実施例では、メッセージおよび行動は、メッセージ/行動が関連付けられる誤動作/影響を格納するテーブルのフィールドとして格納されてもよい。さらに、テーブルのフィールドは、各誤動作/影響ごとに発生確率および/またはハザードレベルも格納してもよい。
【0042】
図5は、さまざまな実施例による、この発明を実施するために使用するのに好適な例示的な計算機器の図である。示されるように、計算機器500は、1つ以上のプロセッサ502と、システムメモリ504とを含む。さらに、計算機器500は、(ディスケット、ハードドライブ、CDROMなどの)大容量記憶装置506と、(キーボード、カーソル制御装置などの)入/出力機器508と、(ネットワークインターフェイスカード、モデムなどの)通信インターフェイス510とを含む。これらの要素はシステムバス512を介して互いに結合され、システムバス512は1つ以上のバスを表わす。複数のバスの場合には、それらは1つ以上のバスブリッジ(図示せず)によって架橋される。
【0043】
これらの要素の各々は、当該技術分野において公知の従来の機能を実行する。特に、システムメモリ504および大容量記憶装置506は、ここでは計算論理522として示される、この発明の実施例または選択される局面を実現するプログラミング命令の作業用のコピーおよび永久的なコピーを格納するために利用されてもよい。プログラミング命令は、プロセッサ502によってサポートされるアセンブラ命令またはこのような命令にコンパイルされ得るC言語などの高級言語として実現されてもよい。
【0044】
プログラミング命令の永久的なコピーは、たとえば配布媒体(図示せず)を介してまたは(配布サーバ(図示せず)からの)通信インターフェイス510を介して、ファクトリ(factory)またはフィールドにおける永久記憶装置506の中に置かれてもよい。
【0045】
これらの要素502〜512の構成は公知であり、したがってさらに説明されることはない。
【0046】
具体的な実施例が本明細書において示され、記載されてきたが、この発明の範囲から逸脱することなく、示される具体的な実施例および記載される具体的な実施例の代わりに幅広い種類の代替的なおよび/または等価の実現例を使用できることが当業者によって認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】さまざまな実施例によるこの発明の概要図である。
【図2】さまざまな実施例によるこの発明の選択された動作のフローチャート図である。
【図3】さまざまな実施例によるこの発明の協調的な、役割ベースの局面の図である。
【図4】さまざまな実施例による、複数の誤動作および影響テーブルを含むこの発明の例示的なリレーショナルデータベーススキーマの図である。
【図5】さまざまな実施例による、この発明を実施するために使用するのに好適な例示的な計算機器の図である。
【符号の説明】
【0048】
110 誤動作
112 直接的な影響
114 間接的な影響

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの誤動作ならびに前記少なくとも1つの誤動作の各々に関連付けられる複数の直接的および間接的な影響を含むシステム誤動作影響データを受信することと、
前記受信されたシステム誤動作影響データを格納することと、
ユーザが前記システム誤動作影響データを見ることおよび/または修正することを容易にすることとを備え、前記見ることは、リレーショナルな態様で、すなわち各誤動作が1つ以上の直接的な影響にリンクされ、各直接的な影響が1つ以上の間接的な影響にリンクされる状態で前記データを提示することを含む、方法。
【請求項2】
前記システム誤動作影響データは、航空機レベルの障害影響伝播データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ユーザが前記システム誤動作影響データを見ることおよび/または修正することを前記容易にすることは、ユーザが、前記ユーザに関連付けられる許可レベルに基づいて、見ることおよび/または修正することを認められる前記データの一部のみを前記ユーザが見ることおよび/または修正することを容易にすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
誤動作、直接的な影響および間接的な影響のうち少なくとも1つは、数値的な確率に関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
直接的な影響は、組合せが生じるときにのみ生じる誤動作の前記組合せに関連付けられ、間接的な影響は直接的な影響の組合せに関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
直接的な影響が新しい誤動作に関連付けられるときに、前記直接的な影響に関連付けられる1つ以上の間接的な影響を前記新しい誤動作にマップすることをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記システム誤動作影響データに少なくとも基づいて設計変更を勧告することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
認可プロセスで使用するための、前記システム誤動作影響データのレポートを準備することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
プロセッサと、
協調ツールとを備える装置であって、前記協調ツールは、
少なくとも1つの誤動作ならびに前記少なくとも1つの誤動作の各々に関連付けられる複数の直接的および間接的な影響を含むシステム誤動作影響データを受信するように前記プロセッサによって作動され、
前記受信されたシステム誤動作影響データを格納するように前記プロセッサによって作動され、
ユーザが前記システム誤動作影響データを見ることおよび/または修正することを容易にするように前記プロセッサによって作動され、前記見ることは、リレーショナルな態様で、すなわち各誤動作が1つ以上の直接的な影響にリンクされ、各直接的な影響が1つ以上の間接的な影響にリンクされる状態で前記データを提示することを含む、装置。
【請求項10】
前記協調ツールは、前記システム誤動作影響データを受信するように前記プロセッサによってさらに作動され、前記受信することは、1つ以上の影響を受けるシステムから自動的に前記システム誤動作影響データの少なくとも一部を受信することをさらに含む、請求
項9に記載の装置。
【請求項11】
前記協調ツールは、前記システム誤動作影響データを格納するように前記プロセッサによってさらに作動され、前記格納することはリレーショナルデータベースに前記データを格納することを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記システム誤動作影響データは、航空機レベルの障害影響伝播データを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記協調ツールは、ユーザが前記システム誤動作影響データを見ることおよび/または修正することを容易にするように前記プロセッサによってさらに作動され、前記容易にすることは、ユーザが、前記ユーザに関連付けられる許可レベルに基づいて、見ることおよび/または修正することを認められる前記データの一部のみを前記ユーザが見ることおよび/または修正することを容易にすることをさらに含む、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
直接的な影響は、組合せが生じるときにのみ生じる誤動作の前記組合せに関連付けられ、間接的な影響は直接的な影響の組合せに関連付けられる、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記協調ツールは、前記システム誤動作影響データに少なくとも基づいて設計変更を勧告するように前記プロセッサによってさらに作動される、請求項9に記載の装置。
【請求項16】
前記協調ツールは、前記システム誤動作影響データのレポートを準備するように前記プロセッサによってさらに作動され、前記レポートは認可プロセスで使用できる、請求項9に記載の装置。
【請求項17】
記憶媒体と、
前記記憶媒体に格納される複数のプログラミング命令とを備える製造品であって、前記複数のプログラミング命令は、
少なくとも1つの誤動作ならびに前記少なくとも1つの誤動作の各々に関連付けられる複数の直接的および間接的な影響を含むシステム誤動作影響データを装置が受信できるように前記装置をプログラムするように適合されており、
前記受信されたシステム誤動作影響データを前記装置が格納できるように前記装置をプログラムするように適合されており、
ユーザが前記システム誤動作影響データを見ることおよび/または修正することを前記装置が容易にすることができるように前記装置をプログラムするように適合されており、前記見ることは、リレーショナルな態様で、すなわち各誤動作が1つ以上の直接的な影響にリンクされ、各直接的な影響が1つ以上の間接的な影響にリンクされる状態で前記データを提示することを含む、製造品。
【請求項18】
前記システム誤動作影響データは、航空機レベルの障害影響伝播データを含む、請求項17に記載の製造品。
【請求項19】
前記複数のプログラミング命令は、ユーザが前記システム誤動作影響データを見ることおよび/または修正することを前記装置が容易にすることができるようにさらに適合されており、前記容易にすることは、ユーザが、前記ユーザに関連付けられる許可レベルに基づいて、見ることおよび/または修正することを認められる前記データの一部のみを前記ユーザが見ることおよび/または修正することを容易にすることをさらに含む、請求項17に記載の製造品。
【請求項20】
前記複数のプログラミング命令は、前記システム誤動作影響データのレポートを前記装
置が準備できるようにさらに適合されており、前記レポートは認可プロセスで使用できる、請求項17に記載の製造品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−323638(P2007−323638A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131685(P2007−131685)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】