説明

単一セルポイントツーマルチポイント多重化およびスケジューリングのためのシステムおよび方法

【課題】単一セルのポイントツーマルチポイント(SC−PTM)通信を用いてマルチメディア同報通信マルチキャストサービス(MBMS)を提供するシステムの提供。
【解決手段】システムは、MBMSサービスに関係するマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH322)のためのスケジューリング情報を物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH334)に送信することを促進するように構成されているプロセッサを含む。第1の送信において、スケジューリング情報340は、MBMSサービスに関係する変調および符号化の情報348を含む。第2の送信において、スケジューリング情報340は、変調および符号化の情報の代わりにインジケータ350を含む。インジケータ350は、MBMSサービスに関係し、MBMSサービスのための第1の送信において変調および符号化の情報を用いるようにユーザ機器に指示する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(背景)
従来のワイヤレス電気通信システムでは、基地局内の伝送装置が、セルとして公知の地理的な領域全体に、信号を伝送する。技術の進化が進むにつれて、以前は不可能であったサービスを提供することのできる、より高度なネットワークアクセス装置が導入されてきた。この高度なネットワークアクセス装置は、基地局、または従来のワイヤレス電気通信システム内の同等の装置よりも高度に進化した他のシステムおよびデバイスではなく、例えば、拡張ノードB(ENB)を含む場合がある。こうした高度なまたは次世代の装置は、典型的には、本明細書では、ロングタームエボリューション(LTE)装置と称される。LTE装置では、ワイヤレスデバイスが電気通信ネットワークへのアクセスを取得可能な領域を、「ホットスポット」等の、「セル」以外の名前で称する場合がある。本明細書中で用いるように、「セル」という用語は、ワイヤレスデバイスが、従来の移動デバイス、LTEデバイス、または他のデバイスであるかには関係なく、ワイヤレスデバイスが電気通信ネットワークへのアクセスを取得できる任意の領域を称するために使用される。
【0002】
電気通信ネットワークにおいてユーザが使用する可能性のあるデバイスは、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、ハンドヘルドコンピュータ、ポータブルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータおよび同様のデバイス等の携帯端末、および常駐型(residential)ゲートウェイ、テレビ、セットトップボックス等の固定端末の両方を含むことができる。こうしたデバイスは、本明細書では、ユーザ機器またはUEと称される。
【0003】
LTEベースの機器によって提供され得るサービスは、テレビ番組、ストリーミングビデオ、ストリーミング音声、および他のマルチメディアコンテンツの同報通信またはマルチキャストを含み得る。このようなサービスは、一般的に、マルチメディア同報通信マルチキャストサービス(MBMS)と称される。MBMSは、単一セル全体にわたって、または連続的なセルもしくはオーバーラップするセル全体にわたって伝送され得る。MBMSは、ポイントツーポイント(PTP)通信またはポイントツーマルチポイント(PTM)通信を用いて、ENBからUEに通信され得る。PTP通信は、ENBとユーザ機器との間に専用無線ベアラがあるという点で、従来のセルラネットワーク通信と類似している。ENBからのPTP通信は、様々な強化(例えば、ハイブリッド自動リピート要求(HARQ)および高速適合)を用いた、ユーザ機器とENBとの間の通信の双方向性能に少なくとも部分的に起因して、ユーザ機器との高品質の通信を可能にし得る。PTP通信を用いて、非常に多くの数のユーザ機器がENBと通信する場合には、かなりの量のオーバーヘッドが、PTP通信を確立し、維持するために必要とされ得、かなりの量の利用可能なスペクトルが占有され得る。
【0004】
PTM通信は、データまたはサービスを複数のユーザに同報通信するために、専用チャネルまたは専用搬送波を利用することを含み得る。特定の量のオーバーヘッドがPTM通信を開始するために必要とされ得るが、オーバーヘッドは、比較的小さく、UEの数に関連して変化しない場合がある。すなわち、より多くのUEがPTM通信を利用する場合、PTM通信を確立し、維持するために必要なオーバーヘッドは、ほぼ同じままである。PTM通信は、また、新たな追加ユーザに対し必要とされる新たな伝送がないので、UEの数が増加するにつれ、スペクトル効率を向上し得る。いくつかの場合において、PTM通信は、単一セルに限定され、通信は、ENBとそのセルの1つ以上のUEとの間に限定される。このような限定された通信は単一セルPTM(SC−PTM)通信と称される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のより完全な理解のために、添付の図面および発明を実施するための形態に関して述べられる、以下の簡単な説明を参照する。ここで、同一の参照番号は同一のパーツを表す。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
単一セルポイントツーマルチポイント「SC−PTM」通信を用いてマルチメディア同報通信マルチキャストサービス「MBMS」を提供するシステムであって、
MBMSサービスに関連するマルチキャストトラフィックチャネル「MTCH」に対するスケジューリング情報を物理ダウンリンク制御チャネル「PDCCH」に伝送することを促進するように構成されているプロセッサを備え、第1の伝送において、該スケジューリング情報は、該MBMSサービスに関連する変調情報および符号化情報を含み、第2の伝送において、該スケジューリング情報は、該変調情報および符号化情報の代わりにインジケータを含み、該インジケータは、該MBMSサービスに関連し、該MBMSサービスに対する該第1の伝送において、該変調情報および符号化情報を用いるようにユーザ機器に指示する、システム。
(項目2)
前記プロセッサは、ユーザidの代わりにサービス識別子「id」を含む前記PDCCHスケジューリング情報の伝送を促進するようにさらに構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記プロセッサは、第1のチャネル上での第1のMTCH伝送および第2のチャネル上での第2のMTCHの伝送を促進するようにさらに構成され、その結果、該第1のチャネルおよび該第2のチャネルは受信器によって別個のチャネルとして受信可能である、項目1または項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記システムは、前記第1の伝送に続いて、前記第2の伝送を行うように構成されている、項目1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
(項目5)
前記システムは、拡張ノードBを含む、項目1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
(項目6)
前記プロセッサは、MBMS特有の不連続受信「DRx」スケジュールのマルチキャスト制御チャネル「MCCH」を介する伝送を促進するようにさらに構成されている、項目1〜5のいずれか1項に記載のシステム。
(項目7)
単一セルポイントツーマルチポイント「SC−PTM」通信を用いてマルチメディア同報通信マルチキャストサービス「MBMS」を受信するユーザ機器「UE」であって、
関心のあるMBMSサービスに関連するマルチキャストトラフィックチャネル「MTCH」のための物理ダウンリンク制御チャネル「PDCCH」において該UEに伝送されるスケジューリング情報を受信することを促進するように構成されているプロセッサを備え、第1の受信された伝送において、該スケジューリング情報は、該MBMSサービスを受信するために該プロセッサによって用いられる変調情報および符号化情報を含み、第2の受信された伝送において、該スケジューリング情報は、該変調情報および該符号化情報の代わりにインジケータを含み、該プロセッサは、該インジケータの受信に応答して該第1の伝送からの該変調情報および該符号化情報を用い、該MBMSサービスを受信するように構成されている、ユーザ機器。
(項目8)
前記プロセッサは、前記UEに関連するユーザidの代わりにサービス識別子「id」を含む前記PDCCHスケジューリング情報の伝送を受信することを促進するようにさらに構成されている、項目7に記載のUE。
(項目9)
前記プロセッサは、拡張ノードBから複数のMTCHを受信することを促進するようにさらに構成され、該複数のMTCHの各々は、前記UEの受信器によって別個のチャネルにおいて受信される、項目7または項目8に記載のUE。
(項目10)
前記UEは、前記第1の伝送に続いて前記第2の伝送を受信するように構成されている、項目7〜9のいずれか1項に記載のUE。
(項目11)
前記インジケータは、単一のビットを含む、項目7〜10のいずれか1項に記載のUE。
(項目12)
単一セルポイントツーマルチポイント「SC−PTM」通信を用いてマルチメディア同報通信マルチキャストサービス「MBMS」を提供する方法であって、
MBMSサービスに関連するマルチキャストトラフィックチャネル「MTCH」に対するスケジューリング情報を物理ダウンリンク制御チャネル「PDCCH」に伝送することを包含し、第1の伝送において、該スケジューリング情報は、該MBMSサービスに関連する変調情報および符号化情報を含み、第2の伝送において、該スケジューリング情報は、該変調情報および該符号化情報の代わりにインジケータを含み、該インジケータは、該MBMSサービスに関連し、該MBMSサービスのための該第1の伝送において該変調情報および該符号化情報を用いるようにユーザ機器に指示する、方法。
(項目13)
コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行可能なコンピュータ読み取り可能命令を格納するコンピュータ読み取り可能媒体であって、該コンピュータ読み取り可能命令は、項目12に記載の方法のステップを該デバイスに実装させる、コンピュータ読み取り可能媒体。
(項目14)
単一セルポイントツーマルチポイント「SC−PTM」通信を用いてマルチメディア同報通信マルチキャストサービス「MBMS」を受信する方法であって、
関心のあるMBMSサービスに関連するマルチキャストトラフィックチャネル「MTCH」のための物理ダウンリンク制御チャネル「PDCCH」においてユーザ機器「UE」に伝送されるスケジューリング情報を該UEにおいて受信することであって、第1の受信された伝送において、該スケジューリング情報は、該MBMSサービスを受信するために該プロセッサによって用いられる変調情報および符号化情報を含み、第2の受信された伝送において、該スケジューリング情報は、該変調情報および該符号化情報の代わりにインジケータを含む、ことと、
該インジケータを受信することに応答して、該MBMSサービスを受信するために該UEにおいて該第1の伝送からの該変調情報および該符号化情報を用いることと
を包含する、方法。
(項目15)
コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行可能なコンピュータ読み取り可能命令を格納するコンピュータ読み取り可能媒体であって、該コンピュータ読み取り可能命令は、項目14に記載の方法のステップを該デバイスに実装させる、コンピュータ読み取り可能媒体。
(項目16)
単一セルポイントツーマルチポイント「SC−PTM」通信において不連続受信「DRx」を提供するシステムであって、
マルチメディア同報通信マルチキャストサービス「MBMS」特有の不連続受信「DRx」スケジュールのマルチキャスト制御チャネル「MCCH」を介する1以上のユーザ機器「UE」への伝送を促進するように構成されている拡張ノードB「ENB」を備え、該MBMS特有のDRxスケジュールは、1以上のMBMSのサービススケジューリング機会に関連する、システム。
(項目17)
前記ENBは、多重化することなしに、1以上のUEに複数のMTCHを伝送するように構成されている、項目16に記載のシステム。
(項目18)
前記MBMS特有のDRxスケジュールは、特有のMBMSサービス、複数のMBMSサービスを含むサービスグループ、または1以上のMBMSサービスおよび複数のMBMSサービスを含む1以上のサービスグループのいずれかに関連する、項目16または17に記載のシステム。
(項目19)
単一セルポイントツーマルチポイント通信を受信するユーザ機器「UE」であって、
単一セルポイントツーマルチポイント「SC−PTM」環境においてマルチメディア同報通信マルチキャストサービス「MBMS」特有の不連続受信「DRx」を受信するように構成されているプロセッサを備え、該プロセッサは、複数の関心のあるMBMSのうちの少なくとも1つを決定すること、該MBMS特有のDRxを用いて、該DRxによって指定される持続期間中にウェイクすること、該関心のあるMBMSを受信することとを行うようにさらに構成され、電力を保存するために該持続期間に基づきスリープするようにさらに構成されている、ユーザ機器。
(項目20)
単一セルポイントツーマルチポイント「SC−PTM」通信において不連続受信「DRx」を提供する方法であって、
拡張ノードB「ENB」において、マルチキャスト制御チャネル「MCCH」を介して、マルチメディア同報通信マルチキャストサービス「MBMS」特有の不連続受信「DRx」スケジュールを1以上のユーザ機器「UE」に伝送することを包含し、該MBMS特有のDRxスケジュールは、1以上のMBMSのサービススケジューリング機会に関連する、方法。
(項目21)
コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行可能なコンピュータ読み取り可能命令を格納するコンピュータ読み取り可能媒体であって、該コンピュータ読み取り可能命令は、項目20に記載の方法のステップを該デバイスに実装させる、コンピュータ読み取り可能媒体。
(項目22)
単一セルポイントツーマルチポイント通信を受信する方法であって、
ユーザ機器「UE」において、
単一セルポイントツーマルチポイントの「SC−PTM」環境においてマルチメディア同報通信マルチキャストサービス「MBMS」特有の不連続受信「DRx」を受信するステップと、
関心のある複数のMBMSのうちの少なくとも1つを決定するステップと、
該MBMS特有のDRxを用いて、該DRxによって指定される持続期間中にウェイクすることによって、該関心のあるMBMSを受信するステップと、
電力を保存するために該持続期間に基づきスリープするステップと
を包含する、方法。
(項目23)
コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行可能なコンピュータ読み取り可能命令を格納するコンピュータ読み取り可能媒体であって、該コンピュータ読み取り可能命令は、項目22に記載の方法のステップを該デバイスに実装させる、コンピュータ読み取り可能媒体。
(項目24)
マルチメディア同報通信マルチキャストサービス「MBMS」をスケジューリングするワイヤレス電気通信ネットワークにおけるネットワーク制御エンティティであって、
単一セルポイントツーマルチポイント「SC−PTM」通信において実質的に半持続性サービス率を有するマルチキャストトラフィックチャネルを伝送することを促進するように構成されているプロセッサを備え、該プロセッサは、マルチキャスト制御チャネル「MCCH」において該MTCHに関連するスケジューリング情報を提供することを促進するようにさらに構成されている、ネットワーク制御エンティティ。
(項目25)
前記実質的に一定のサービス率は、音声ベースのサービスを含む、項目24に記載のネットワーク制御エンティティ。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本開示の一実施形態に従う、移動通信ネットワークを示す。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に従う、移動通信ネットワーク内のセルを示す。
【図3】図3は、本開示の種々の実施形態のいくつかで動作可能な、マルチメディア同報通信マルチキャストサービス伝送の構造の図である。
【図4】図4は、本開示の種々の実施形態のいくつかで動作可能なモバイルデバイスを含むワイヤレス通信システムの図である。
【図5】図5は、本開示の種々の実施形態のいくつかで動作可能なモバイルデバイスのブロック図である。
【図6】図6は、本開示の種々の実施形態のいくつかで動作可能なモバイルデバイス上に実装され得るソフトウェア環境の図である。
【図7】図7は、本開示の種々の実施形態のいくつかに適した、汎用コンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(詳細な説明)
本開示の1つ以上の実施形態の例示的な実施例を以下に示すが、開示されたシステムおよび/または方法は、現在公知であるか、既に存在しているかに関係なく、任意の数の技術を用いて実施してもよいことを理解されたい。本開示は、本明細書中に図示および記載される例示的なデザインおよび実施例を含む、以下に図示される、例示的な実施例、図面、および技術に制限すべきではなく、その均等物の全範囲と共に、添付の請求項の範囲内において、修正してもよい。
【0008】
一実施形態では、単一セルポイントツーマルチポイント(SC−PTM)通信を用いてマルチメディア同報通信マルチキャストサービス(MBMS)を提供するシステムが開示される。このシステムは、MBMSサービスに関連するマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)に対するスケジューリング情報を物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)に伝送することを促進するように構成されているプロセッサを備えている。第1の伝送において、該スケジューリング情報は、該MBMSサービスに関連する変調情報および符号化情報を含む。第2の伝送において、該スケジューリング情報は、該変調情報および符号化情報の代わりにインジケータを含む。このインジケータは、該MBMSサービスに関連し、該MBMSサービスに対する該第1の伝送において、該変調情報および符号化情報を用いるようにユーザ機器に指示する。
【0009】
別の実施形態では、単一セルポイントツーマルチポイント(SC−PTM)通信を用いてマルチメディア同報通信マルチキャストサービス(MBMS)を受信するユーザ機器(UE)が開示される。このUEは、関心のあるMBMSサービスに関連するマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)のための物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)において該UEに伝送されるスケジューリング情報を受信することを促進するように構成されているプロセッサを備えている。第1の受信された伝送において、該スケジューリング情報は、該MBMSサービスを受信するために該プロセッサによって用いられる変調情報および符号化情報を含む。第2の受信された伝送において、該スケジューリング情報は、該変調情報および該符号化情報の代わりにインジケータを含む。このプロセッサは、該インジケータの受信に応答して該第1の伝送からの該変調情報および該符号化情報を用い、該MBMSサービスを受信するように構成されている。
【0010】
一実施形態では、単一セルポイントツーマルチポイント(SC−PTM)通信において不連続受信(DRx)を提供するシステムが開示される。このシステムは、マルチメディア同報通信マルチキャストサービス(MBMS)特有の不連続受信(DRx)スケジュールのマルチキャスト制御チャネル(MCCH)を介する1以上のユーザ機器(UE)への伝送を促進するように構成されている拡張ノードB(ENB)を備えている。このMBMS特有のDRxスケジュールは、1以上のMBMSのサービススケジューリング機会に関連する。
【0011】
別の実施形態において、単一セルポイントツーマルチポイント通信を受信するユーザ機器(UE)が提供される。このUEは、単一セルポイントツーマルチポイント(SC−PTM)環境においてマルチメディア同報通信マルチキャストサービス(MBMS)特有の不連続受信(DRx)を受信するように構成されているプロセッサを備えている。このプロセッサは、複数の関心のあるMBMSのうちの少なくとも1つを決定すること、該MBMS特有のDRxを用いて、該DRxによって指定される持続期間中にウェイクすること、該関心のあるMBMSを受信することとを行うようにさらに構成され、電力を保存するために該持続期間に基づきスリープするようにさらに構成されている。
【0012】
一実施形態では、マルチメディア同報通信マルチキャストサービス(MBMS)をスケジューリングするワイヤレス電気通信ネットワークにおけるネットワーク制御エンティティが開示される。このネットワーク制御エンティティは、単一セルポイントツーマルチポイント「SC−PTM」通信において実質的に半持続性サービス率を有するマルチキャストトラフィックチャネルを伝送することを促進するように構成されているプロセッサを備えている。このプロセッサは、マルチキャスト制御チャネル「MCCH」において該MTCHに関連するスケジューリング情報を提供することを促進するようにさらに構成されている。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態に従う、例示的なセルラネットワーク100を図示する。セルラネットワーク100は、複数のセル102、102、102、102、102、102、102、102、102、10210、10211、10212、10213、および10214(セル102と総称される)を含んでもよい。当業者には明らかなように、セル102のそれぞれは、拡張ノードB(ENB)からの通信によって、セルラネットワーク100のセルラサービスを提供するための受信可能エリアを表す。セル102は、重複しない受信可能エリアを有するものとして図示されているが、当業者は、セル102のうちの1つ以上は、隣接セルと部分的に重複する受信可能領域を有してもよいことを理解されよう。さらに、特定の数のセル102が図示されているが、当業者は、セルラネットワーク100により多いまたは少ないセル102を含んでもよいことを理解されよう。
【0014】
セル102のそれぞれに、1つ以上のUE10が存在してもよい。1つのみのセル10212内に1つのみのUE10が図示されているが、セル102のそれぞれに、複数のUE10が存在してもよいことが、当業者に明らかであろう。セル102のそれぞれのENB20は、従来の基地局のものと同様の機能を実行する。すなわち、ENB20は、UE10および電気通信ネットワーク内の他のコンポーネントの間の無線リンクを提供する。また、ENB20は、セル10212内のみに示されているが、ENBは、セル102のそれぞれに存在することを、理解されたい。さらに、ENB20以外の無線リンクを使用し得る。中央制御110は、また、セルラネットワーク100に存在し得、セル102内のワイヤレスデータ伝送のいくつかを監視する。
【0015】
複数のセル102のうちの1つ以上におけるMBMSの伝送は、2つのコンポーネント、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)とマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)とを含み得る。MCCHがMBMSに関連する制御情報を配信している間に、MTCHは、MBMSの実際のコンテンツを配信する。MCCHは、MTCH内のコンテンツがENBによってどのように配信され、UEによってどのように受信されるかを明確化するキー制御情報を含み得る。
【0016】
図2は、セル10212のより詳細な図を示す。セル10212内のENB20は、トランスミッタ27、レシーバ29、および/または他の公知の装置を介して、通信を促進できる。また、他のセル102内に同様の装置が存在してもよい。他のセル102内と同様に、複数のUE10が、セル10212内に存在する。本開示において、セルラシステムまたはセル102は、シグナル伝送等の特定のアクティビティに関するものとして記載されているが、当業者には容易に明らかであるように、これらのアクティビティは、実際には、セルを含むコンポーネントによって実行される。
【0017】
セルラネットワーク100内のセル102の各々は、MBMSおよび他のサービスを、PTP通信を用いて、またはPTM通信を用いて、UEに通信するように動作し得る。UEは、セルラネットワーク100を用いて通信し得る任意のデバイスを含み得る。例えば、UEは、セルラネットワーク100を用いて通信し得る、セルラ電話、ラップトップコンピュータ、ナビゲーションシステム、または当業者に公知の任意の他のデバイスを含み得る。いくつかの実施形態において、複数のセル102のうちのいくつかは、PTP通信を用いてサービスを通信するようにのみ動作し得、そして/または複数のセル102のうちのいくつかは、PTM通信を用いてサービスを通信するようにのみ動作し得る。
【0018】
セル102の1つ以上におけるMBMSの伝送は、2つのコンポーネント、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)およびマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)を含むことができる。MTCHは、MBMSの実際のコンテンツを配信し、一方で、MCCHは、MBMSに関連する制御情報を配信する。MCCHは、MTCH内のコンテンツがどのように配信されるかを指定する、重要な制御情報を含んでもよい。MCCHの構成情報は、同報通信制御チャネル(BCCH)内に伝送してもよい。セル102のそれぞれは、UE10に、セル102で利用可能なMBMSについての情報および他の情報を提供するために、BCCHにおいて情報を伝送してもよい。UE10のうちの1つが電力をアップさせる(power up)場合、BCCHを受信し、BCCH内に含まれるMCCH構成を読み出し、1つ以上のMTCHをどのように受信するかを、MCCH制御情報から決定することができる。
【0019】
MCCH制御情報は、2つの部分、すなわち、マスター制御情報およびサービス制御情報に分けてもよい。マスター制御情報は、プライマリMCCH(P−MCCH)情報と称することもでき、サービス制御情報は、セカンダリMCCH(S−MCCH)情報と称することもできる。S−MCCH情報は、MTCHをどのように受信可能であるかについての情報を含むことができる。P−MCCH情報は、S−MCCH情報を直接含むことができる、または、S−MCCH情報を読み出すことができる位置へのポインタを含むことができる。
【0020】
S−MCCH情報は、1つ以上のMTCH伝送のための制御情報を含んでもよい。これは、1つ以上のMTCHのためのスケジューリング情報、1つ以上のMTCHのための変調および符号化情報、およびSFN関連のパラメータを含んでもよい。複数のMTCHが、単一のENB20によって伝送されることがあり、S−MCCH情報の異なるセットが、それぞれのMTCHで必要になることがあるため、S−MCCH情報の複数のセットは、単一のENB20によって伝送されたBCCHに関連付けられる場合がある。
【0021】
MTCHおよびMCCHは、論理的な、上層チャネルである。MTCHおよびMCCHが伝達される下層トランスポートチャネルは、典型的には、MBMSマルチキャストチャネル、マルチキャストトランスポートチャネル、または、MBSFNの場合には(マルチセル動作)の場合には、単に、MCHと称される。PTM通信において、MTCHおよびMCCH論理層チャネルは、(例えば、ダウンリンク共有チャネル(DL−SCH))下層トランスポート層の部分にマッピングされ得る。図3は、MBMS伝送300の構造を示す。伝送300は、MCCH部分310およびMTCH部分320を含む。MCCH310およびMTCH320は、MCH層330にトランスポートされる。MCCH310は、P−MCCH部分312およびS−MCCH部分314を含む。MTCH部分320は、それぞれ、異なるMBMSに対応する、複数の個々のMTCH322を含む。4つのMTCH322が示されているが、より多いまたは少ない数のMTCH322が存在する場合がある。さらに、同じDL−SCH330上に伝達されるものとして、MCCH部分310およびMTCH部分320が示されているが、いくつかの場合では、MCCH部分310およびMTCH部分320は、異なるMCH上で伝達されてもよい。
【0022】
SC−PTM通信に対して、DL−SCH330は、ENBによって、同一のセル内の1つのUEまたは複数のUEに伝送され得る。かなり変化する伝送率を有するいくつかのMBMSに対して、スケジューリングは、サービス受信効率およびスペクトル効率を向上させるために必須であり得る。ENBは、すべてのMTCHに関連するスケジューリング情報をUEに提供し得、この情報は、MBMSコンテンツを含む。
【0023】
MBMSサービスに対するデータパケットのサイズが動的であるので、特定のレベルの動的スケジューリングが典型的に必要とされる。データは、通常長さが1msであるサブフレームを用いてUEに通信され得る。これらのサブフレームは、スケジューリング部分とデータ部分とを含む。物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)334とも称され得るスケジューリング部分は、スケジューリング情報340を提供し得、このスケジューリング情報340は、ユーザid 342(またはユーザグループid)、サービスid
344、リソーススケジュール346、ならびに変調および符号化方式348を含み得る。ユーザid 342(またはユーザグループid)は、伝送されるMTCHが意図されるセル内の特定のUE(または特定のUEグループ)を指定し得る。例えば、ユーザid 342(またはユーザグループid)は、MTCHが、特定のユーザid 342によって受信され得るか、または特定のユーザid 342を意図していることを明確化し得る。開始時間、終了時間、および持続期間情報を含むサービスタイミングを含み得るリソーススケジュール346は伝送される。リソーススケジュール346は、また、周期性およびリソース割り当て情報を含み得る。スケジューリング情報340は、また、変調および符号化方式(MSC)348情報を含み得る。
【0024】
SC−PTM同報通信の性質(例えば、その永続性または半永続性、高速適合性MSCを望まない能力など)に起因して、サブフレーム(1ms)ベースの情報(例えば、変調および符号化方式348)の動的スケジューリングは、不要であり得、有効でない場合があり得る。本開示は、通常、最初に、スケジューリング情報340の一部として変調および符号化方式348を提供することを企図する。しかしながら、引き続く伝送は、変調および符号化方式348を含まない場合があるが、その代わりに、インジケータ350(例えば、フラグまたは単一ビット)を含み得、このインジケータ350は、UEに、以前に受信した変調および符号化方式348を使用するように指示する。ENBは、定期的に、変調および符号化方式348に、セルに入り、特定のサービスを受けることに関連する新たなUEの利益を提供し得る。多くの異なるシーケンスまたは期間が、変調および符号化方式348が伝送される場合に対するインジケータ350が伝送される場合に関して使用され得、これら全ては本開示の精神および範囲内である。定期的に送信することによって、例えば、変調および符号化方式348の代わりに、単一ビットのみがUEおよびスペクトルに対してより有効になる。インジケータ350は、また、割り当てられたリソースが複数のサブフレームに対して変更しない場合を識別するために使用され得る。
【0025】
一実施形態において、ENBは、PDCCH 334を用いて、スケジューリング情報をUEに提供する。SC−PTM通信の性質が、主に単一方向性であり、多くのUEにとって、この環境においてフィードバックを提供することが望ましくあり得るので、ユーザid 342は、不必要である場合がある。そのように、本開示は、スケジューリング情報340がユーザid 342を含まないが、代わりにサービスid 344を提供し、このサービスid 344がMTCHによって搬送される特有のサービスを指定する(例えば、サービスidは、特定のTV番組を指定し得る)ことをさらに企図する。
【0026】
いくつかのMBMSに対して、伝送データ率は、一定であり得るか、あるいは、例えば、オーディオ用途などの場合にはUEによって周期的な時間サイクルにわたり公知であり得るか、または予測可能であり得る。予測可能なデータ率を有するこのようなMBMSに対して、より動的なスケジューリングは不必要であり得る。永続的なスケジュールを有するサービスに対して、本開示は、SC−PTMを用いて、MTCHおよびMCCHをUEに伝送して、MCCHにスケジューリング情報340を提供することをENBに提供する。場合によって、MCCHにおいていくつかのベースでスケジューリング情報340を提供することは、各サブフレームにおいてスケジューリング情報340を提供することに関連するオーバーヘッドを低減し得る。
【0027】
別の実施形態において、MBMS特有の不連続受信(DRx)である、MBMSサービススケジューリング機会は、UEに決定され得、信号送信され得る。このことは、UEが所望のサービスをウェイクし、引き出すことを可能にするが、UEに関心のないサービスを信号伝達している間UEがスリープすることを可能にすることによって、UEのリソースを保存する。この実施形態において、ENBは、MCCHを介してDRxに関するUEに信号を送り得る。いくつかの実施形態において、MBMSまたは複数のMBMSに対して特有の情報のDRx(サービスグループとも称される)は、UEに送信され得る。この態様において、UEは、指定されていないかまたは関心のないMTCHが伝送される間ウェイクし得る。UEは、次いで、指定されているかまたは関心のあるMTCHが伝送されない期間にはスリープし得る。有効なDRxは、UE電力を保存することによってバッテリ寿命を延長するために、SC−PTM通信に実装され得る。
【0028】
SC−PTM通信において、ENBは、MCSを利用し得、MCSは、サービスコンテンツのデータビットを伝送するための当業者に公知の直交位相シフトキーイング変調(QPSK)方式を含む。このようなMCSにおいて、サービスは、66ビット程度に小さいデータブロックまたはフレームで伝送され得る。このような小さなブロックで伝送することの結果として、有意なパディングが、伝送オーバーヘッドを低減するために必要とされ得ない。結果として、複数のサービスを単一のMTCHに多重化することは、必要でない場合がある。実際には、複数のサービスを単一のMTCHに多重化することは、セル内のDRxを実装することを効率的に低減し得る。多重化を用いると、UEは、複数の多重化されたサービスを含むMTCHコンテンツを受容するために必要な時間の一部の間オンにされ続ける必要があり得る。次いで、UEは、グループから1つの指定されたサービスを引き出すために、サービスを逆多重化する必要があり得る。多重化されたサービスを受容するために必要な時間は、指定されたサービスを別個に受容するために必要な時間よりもかなり大きくなり得る。
【0029】
SC−PTM通信システムの一実施形態において、ENBは、複数の別個MTCHを介して複数の別個のサービスを伝送し得、ここで、MTCHは、多重化されない。セル内のDRxを向上させることに加え、伝送スペクトル効率は、SC−PTM通信システム内で多重化することなしに、向上され得る。多重化を回避することによって、システムは、UEによる再伝送要求の数が大きい場合に伝送の降下を回避する。多くの再伝送要求が、セル内のUEによって発行される場合には、システムは、不必要なサービスをENBから要求されたサービスと共に伝送することを回避し、その結果、伝送のためのスペクトル効率を低減することを回避する。
【0030】
図4は、MBMS伝送300等の、複数のMBMS伝送の同報通信および/またはマルチキャストが生じる、複数のMBSFNを図示する。第1のMBSFN420は、セル102、102、102、102、102、102、10211、および10212を含む。第2のMBSFN430は、セル102、102、および102を含む。第3のMBSFN440は、セル102、102、および10210を含む。すなわち、第1のMBMSの同報通信および/またはマルチキャストは、第1のMBSFN420内で生じるものと想定することができ、第2のMBMSの同報通信および/またはマルチキャストは、第2のMBSFN430で生じるものとして想定することができ、第3のMBMSの同報通信および/またはマルチキャストは、第3のMBSFN440で生じるものとして想定することができる。
【0031】
UE10は、ディスプレイ402を含む。UE10はさらに、ユーザによる入力のために、概して404と称されるタッチ操作面、キーボードまたは他の入力キーを含む。キーボードは、QWERTY、Dvorak、AZERTY、およびシーケンシャルタイプ、または電話キーパッドに関連付けられるアルファベット文字を有する従来の数字キーパッド等の、完全なまたは簡略化された英数字キーパッドにしてもよい。入力キーは、さらなる入力機能を提供するために、内側方向に押し下げてもよい、トラックホイール、exitまたはescapeキー、トラックボール、および他のナビゲーションまたは機能キーを含んでもよい。UE10は、ユーザが選択するオプション、ユーザが作動させる制御、および/またはユーザが方向付けるカーソルまたは他のポインタを示してもよい。
【0032】
UE10はさらに、UE10の動作を構成するための、ダイヤルする番号または種々のパラメータ値を含む、ユーザからのデータ入力を受け入れてもよい。UE10はさらに、ユーザコマンドに応答して、1つ以上のソフトウェアまたはファームウェアアプリケーションを実行してもよい。これらのアプリケーションは、ユーザインタラクションに応答して、種々のカスタマイズされた機能を実行するために、UE10を構成してもよい。さらに、UE10は、例えば、ワイヤレス基地局、ワイヤレスアクセスポイント、またはピアUE10から、無線でプログラムおよび/または構成してもよい。
【0033】
UE10で実行可能な種々のアプリケーションに、ウェブブラウザがあり、これにより、ディスプレイ402は、ウェブページを示すことができる。ウェブページは、ワイヤレスネットワークアクセスノード、セルタワー、ピアUE10、または任意の他のワイヤレス通信ネットワークまたはシステム400によって、ワイヤレス通信を介して、取得してもよい。ネットワーク400はインターネット等の有線ネットワーク408に接続される。ワイヤレスリンクおよび有線ネットワークを介して、UE10は、サーバ410等の種々のサーバ上の情報へのアクセスを有する。サーバ410は、ディスプレイ402に示されてもよいコンテンツを提供してもよい。あるいは、UE10は、リレータイプまたはホップタイプの接続において、中間物として働くピアUE10を通って、ネットワーク400にアクセスしてもよい。
【0034】
図5は、UE10のブロック図を示す。UE10の種々の公知のコンポーネントが示されているが、一実施形態では、リストされたコンポーネントおよび/またはリストされていないさらなるサブセットは、UE10に含まれてもよい。UE10は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)502およびメモリ504を含む。示されるように、UE10はさらに、アンテナおよびフロントエンド装置506、無線周波数(RF)トランシーバ508、アナログベースバンド処理装置510、マイクロフォン512、イヤホンスピーカ514、ハンドセットポート516、入出力インターフェース518、取り外し可能メモリカード520、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート522、短距離ワイヤレス通信サブシステム524、アラート526、キーパッド528、タッチ操作面530を含んでもよい液晶ディスプレイ(LCD)、LCDコントローラ532、電荷結合デバイス(CCD)カメラ534、カメラコントローラ536、およびグローバルポジショニングシステム(GPS)センサ538を含んでもよい。一実施形態では、UE10は、タッチ操作画面を提供しない別の種類のディスプレイを含んでもよい。一実施形態では、DSP502は、入出力インターフェース518を通過することなく、メモリ504と直接通信してもよい。
【0035】
DSP502またはコントローラあるいは中央処理装置のいくつかの他の形式は、メモリ504内に格納される、またはDSP502内自体に含まれるメモリ内に格納される、埋め込みソフトウェアまたはファームウェアに従って、UE10の種々のコンポーネントを制御するために、動作する。埋め込みソフトウェアまたはファームウェアに加え、DSP502は、メモリ504に格納される、または取り外し可能メモリカード520のようなポータブルデータストレージメディア等の情報伝達媒体、または有線あるいはワイヤレスネットワーク通信を介して利用可能になる、他のアプリケーションを実行してもよい。アプリケーションソフトウェアは、所望の機能性を提供するために、DSP502を構成するマシン読み込み可能な命令のコンパイルされたセットを含んでもよい、またはアプリケーションソフトウェアは、図DSP502を間接的に構成するために、インタープリタまたはコンパイラによって処理される高度なソフトウェア命令にしてもよい。
【0036】
アンテナおよびフロントエンド装置506は、ワイヤレスシグナルおよび電気的シグナルの間を切り替えるために提供されてもよく、これにより、UE10は、セルラネットワークまたはいくつかの他の利用可能なワイヤレス通信ネットワークからの、またはピアUE10からの情報を送受信することができる。一実施形態では、アンテナおよびフロントエンド装置506は、ビーム形成および/または複数入力複数出力(MIMO)動作をサポートするために、複数のアンテナを含んでもよい。当業者には公知であるように、MIMO動作は、困難なチャネル条件を克服する、および/またはチャネルのスループットを向上させるために使用可能な、空間的多様性を提供してもよい。アンテナおよびフロントエンド装置506は、アンテナチューニングおよび/またはインピーダンス一致コンポーネント、RF電力増幅器、および/または低雑音増幅器を含んでもよい。
【0037】
RFトランシーバ508は、周波数偏移、受信したRFシグナルのベースバンドへの変換、およびベースバンド伝送シグナルのRFへの変換を提供する。いくつかの記載において、無線トランシーバまたはRFトランシーバは、変調/復調、符号化/復号化、インターリーブ/逆インターリーブ、拡散/非拡散、逆高速フーリエ変換(IFFT)/高速フーリエ変換(FFT)、サイクリックプリフィクス追加/除去、および他のシグナル処理機能等の、他のシグナル処理機能を含むことが理解される場合がある。便宜上、ここでの記載は、RFおよび/または無線ステージと、このシグナル処理の記載を別にしており、また、アナログベースバンド処理装置510および/またはDSP502または他の中央処理装置へのそのシグナル処理を、概念的に割り当てる。いくつかの実施形態において、RFトランシーバ508、アンテナおよびフロントエンド506の一部、およびアナログベースバンド処理装置510は、1つ以上の処理装置および/または特定用途向け集積回路(ASIC)に組み合わせてもよい。
【0038】
アナログベースバンド処理装置510は、入力および出力の種々のアナログ処理、例えば、マイクロフォン512およびハンドセット516からの入力およびイヤホン514およびハンドセット516への出力のアナログ処理を提供してもよい。そのために、アナログベースバンド処理装置510は、UE10を携帯電話として使用できるようにする、内蔵マイクロフォン512およびイヤホンスピーカ514への接続のためのポートを有してもよい。アナログベースバンド処理装置510はさらに、ハンドセットまたは他のハンズフリーマイクロフォンおよびスピーカ構成への接続のためのポートを有してもよい。アナログベースバンド処理装置510は、あるシグナル方向におけるデジタル・アナログ変換、および反対のシグナル方向におけるアナログ・デジタル変換を提供してもよい。いくつかの実施形態では、アナログベースバンド処理装置510の機能の少なくともいくつかを、デジタル処理コンポーネント、例えば、DSP502または他の中央処理装置によって、提供してもよい。
【0039】
DSP502は、変調/復調、符号化/復号化、インターリーブ/逆インターリーブ、拡散/非拡散、逆高速フーリエ変換(IFFT)/高速フーリエ変換(FFT)、サイクリックプリフィクス追加/除去、およびワイヤレス通信に関連付けられる他のシグナル処理機能を実行してもよい。一実施形態では、例えば符号分割多元接続(CDMA)技術の応用例において、トランスミッタ機能のために、DSP502は、変調、符号化、インターリーブ、および拡散を実行してもよく、レシーバ機能のために、DSP502は、非拡散、逆インターリーブ、復号化、および復調を実行してもよい。別の実施形態では、例えば、直交波周波数分割多重アクセス(OFDMA)技術の応用例において、トランスミッタ機能のために、DSP502は、変調、符号化、インターリーブ、逆高速フーリエ変換、およびサイクリックプリフィクス追加を実行してもよく、レシーバ機能のために、DSP502は、サイクリックプリフィックス除去、高速フーリエ変換、逆インターリーブ、復号化、および復調を実行してもよい。他のワイヤレス技術の応用例において、さらに他のシグナル処理機能およびシグナル処理機能の組み合わせを、DSP502によって、実行してもよい。
【0040】
DSP502は、アナログベースバンド処理装置510を介して、ワイヤレスネットワークと通信してもよい。いくつかの実施形態では、通信は、インターネット接続を提供してもよく、こうして、ユーザは、インターネット上のコンテンツへのアクセスを得ることができ、電子メールまたはテキストメッセージを送受信することができる。入出力インターフェース518は、DSP502および種々のメモリおよびインターフェースと相互接続する。メモリ504および取り外し可能なメモリカード520は、DSP502の動作を構成するために、ソフトウェアおよびデータを提供してもよい。インターフェースでは、USBインターフェース522および短距離ワイヤレス通信サブシステム524にしてもよい。UE10を充電するためにUSBインターフェース522を使用してもよく、パーソナルコンピュータまたは他のコンピュータシステムと情報を交換するために、UE10を周辺デバイスとして機能させてもよい。短距離ワイヤレス通信サブシステム524は、UE10が、他の隣接する携帯デバイスおよび/またはワイヤレス基地局とワイヤレスで通信することを可能にしてもよい、赤外線ポート、ブルートゥースインターフェース、IEEE802.11準拠ワイヤレスインターフェース、または任意の他の短距離ワイヤレス通信サブシステムを含んでもよい。
【0041】
入出力インターフェース518はさらに、トリガされた場合に、UE10が、例えば、呼び出し音、メロディの演奏、または振動によって、ユーザに通知できるようにする、アラート526へDSP502を接続させてもよい。アラート526は、着信、新しいテキストメッセージ、および約束のリマインダ等の、種々のイベントのいずれかへ、無音の振動、または特定の発信者のための特定の事前指定されたメロディの再生によって、ユーザに注意を促すためのメカニズムとして機能してもよい。
【0042】
キーパッド528は、ユーザが、選択を実行する、情報を入力する、およびUE10への入力を実行するためのあるメカニズムを提供するために、インターフェース518を介して、DSP502に連結する。キーボード528は、QWERTY、Dvorak、AZERTYおよびシーケンシャルタイプ、または電話キーパッドに関連付けられるアルファベット文字を有する従来の数字キーパッド等の、完全なまたは簡略化英数字キーパッドにしてもよい。入力キーは、トラックホイール、exitまたはescapeキー、トラックボール、およびさらに入力機能を提供するために内部に押し下げられてもよい、他のナビゲーションまたは機能キーを含んでもよい。別の入力メカニズムは、タッチスクリーン機能を含んでもよい、さらに、ユーザへテキストおよび/またはグラフィックス表示してもよい、LCD530にしてもよい。また、LCDコントローラ532は、DSP502をLCD530へ連結する。
【0043】
装備されている場合、CCDカメラ534により、UE10は、デジタル画像を撮影することができる。DSP502は、カメラコントローラ536を介して、CCDカメラ534と通信する。別の実施形態では、電荷結合デバイスカメラ以外の技術によって動作するカメラを使用してもよい。GPSセンサ538は、グローバルポジショニングシステムシグナルを復号化するために、DSP502に結合されるため、UE10は、その位置を決定することができる。さらに、さらなる機能、例えば、ラジオおよびテレビの受信を提供するために、種々の他の周辺機器を含んでもよい。
【0044】
図6は、DSP502によって実施してもよい、ソフトウェア環境602を図示する。DSP502は、ソフトウェアの残りが動作するプラットフォームを提供するオペレーティングシステムドライバ604を実行する。オペレーティングシステムドライバ604は、ワイヤレスデバイスハードウェアのドライバに、アプリケーションソフトウェアにアクセス可能な標準化インターフェースを提供する。オペレーションシステムドライバ604は、UE10上で実行するアプリケーションの間の制御を伝達する、アプリケーション管理サービス(「AMS」)606を含む。さらに図6において、ウェブブラウザアプリケーション608、メディアプレイヤーアプリケーション610、およびJava(登録商標)アプレット612が示されている。ウェブブラウザアプリケーション608は、ウェブブラウザとして動作するために、UE10を構成するため、ユーザは、情報をフォームに入力し、ウェブページを読み出しおよび閲覧するためのリンクを選択できる。メディアプレイヤーアプリケーション610は、音声または音声視覚メディアを読み出しおよび再生するために、UE10を構成する。Java(登録商標)アプレット612は、ゲーム、ユーティリティ、および他の機能を提供するために、UE10を構成する。コンポーネント614は、本開示に関連する機能を提供してもよい。
【0045】
図1のUE10、ENB20、および中央制御110ならびにセル102に関連付けられてもよい他のコンポーネントは、その上にかかる必要な負荷を処理するために、十分な処理電力、メモリリソース、およびネットワークスループット機能を有する任意の汎用コンピュータを含んでもよい。図7は、本明細書中に開示される1つ以上の実施形態を実施するために適していてもよい、典型的な、汎用コンピュータシステム700を図示する。コンピュータシステム700は、セカンダリストレージ750、読み出し専用メモリ(ROM)740、ランダムアクセスメモリ(RAM)730、入出力(I/O)デバイス700、およびネットワーク接続デバイス760を含むメモリデバイスと通信する、プロセッサ720(中央プロセッサ装置またはCPUと称されることもある)を含む。プロセッサは、1つ以上のCPUチップとして実施されてもよい。
【0046】
セカンダリストレージ750は、典型的には、1つ以上のディスクドライブまたはテープドライブで構成され、RAM730が、全てのワーキングデータを保持するために十分な大きさでない場合に、データの非揮発性ストレージのために、また、オーバーフローデータストレージデバイスとして、使用される。セカンダリストレージ750は、こうしたプログラムが実行のために選択された場合に、RAM730にロードされるプログラムを格納するために使用してもよい。ROM740は、命令および、おそらくは、プログラム実行中に読み込まれるデータを格納するために使用される。ROM740は、典型的には、セカンダリストレージのより大きいメモリ容量に対して小さいメモリ容量を有する、非揮発性メモリデバイスである。RAM730は、揮発性データを格納し、おそらくは命令を格納するために使用される。ROM740およびRAM730の両方へのアクセスは、典型的に、セカンダリストレージ750よりも高速である。
【0047】
I/Oデバイス700は、プリンタ、ビデオモニタ、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、スイッチ、ダイヤル、マウス、トラックボール、音声認識装置、カードリーダ、ペーパーテープリーダ、または他の公知の入力デバイスを含んでもよい。
【0048】
ネットワーク接続デバイス760は、モデム、モデムバンク、イーサネット(登録商標)カード、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースカード、シリアルインターフェース、トークンリングカード、ファイバー分散データインターフェース(FDDI)カード、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)カード、携帯通信(GSM)無線トランシーバカードのための符号分割複数のアクセス(CDMA)および/またはグローバルシステム等の無線トランシーバカード、および他の公知のネットワークデバイスの形態であってもよい。これらのネットワーク接続デバイス760は、プロセッサ720が、インターネットまたは1つ以上のイントラネットと通信することを可能にする。こうしたネットワーク接続では、プロセッサ720がネットワークからの情報を受信する、または、上記の方法のステップの実行中に、ネットワークへ情報を出力することが、検討される。プロセッサ720を使用して実行される一連の命令として多くの場合表される、こうした情報は、例えば、搬送波として実行されるコンピュータデータシグナルの形態で、ネットワークから受信、およびネットワークへ出力されてもよい。
【0049】
プロセッサ720を使用して実行されるデータまたは命令を含んでもよい、こうした情報は、例えば、コンピュータデータベースバンドシグナルまたは搬送波内で実行されるシグナルの形態で、ネットワークから、およびネットワークへ、入出力されてもよい。ネットワーク接続760によって生成される搬送波内で実行されるベースバンドシグナルまたはシグナル、デバイスは、導電体内または導電体上、同軸ケーブル、導波管、光媒体、例えば光ファイバー、または無線またはフリースペース内を伝播してもよい。ベースバンドシグナルに含まれる情報または搬送波に埋め込まれるシグナルは、情報の処理または生成あるいは情報の送受信のために望ましいように、異なるシーケンスに従い、順序決定されてもよい。ベースバンドシグナルまたは搬送波に埋め込まれているシグナル、または本明細書中で伝送媒体と称される、現在使用されているまたは今後開発される、他の種類のシグナルを、当業者に公知のいくつかの方法に従い、生成してもよい。
【0050】
プロセッサ720は、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク(これらの種々のディスクベースのシステムは、全て、セカンダリストレージ750と考えてもよい)、ROM740、RAM730、またはネットワーク接続デバイス760からアクセスする、命令、コード、コンピュータプログラム、スクリプトを実行する。1つのみのプロセッサ720が示されているが、複数のプロセッサが存在してもよい。このため、命令は、プロセッサによって実行されるものとして記載されてもよいが、命令は、同時に、順次に実行、または、1つまたは複数のプロセッサによって実行されてもよい。
【0051】
本開示において、いくつかの実施形態が提供されているが、本開示の精神または範囲から逸脱しない限り、開示されたシステムおよび方法は、多数の他の特定の形式で実施できることを理解されたい。また、本実施例は、制限的ではなく例示的なものとして考えるべきであり、本明細書内に記載されている詳細事項に制限されるものではない。例えば、種々の要素またはコンポーネントは、別のシステムにおいて組み合わせまたは統合してもよい、あるいは特定の特徴を省略してもよい、または実施しなくてもよい。
【0052】
さらに、種々の実施形態中に、別個に、または区別して、記載および図示される技術、システム、サブシステムならびに方法は、本開示の範囲から逸脱しない限り、他のシステム、モジュール、技術、または方法と組み合わせし得るか、あるいは統合し得る。連結された、または直接連結された、あるいは、互いに通信するように、図示または記載される他の項目は、電気的、機械的、またはその他の形態に関わらず、いくつかのインターフェース、デバイス、または中間コンポーネントを介して、間接的に連結または通信してもよい。また、変更、置換、および改変の他の例が、当業者によって確認可能であり、本明細書に開示されている精神および範囲を逸脱することなく、実行可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−102500(P2013−102500A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−2325(P2013−2325)
【出願日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【分割の表示】特願2010−537151(P2010−537151)の分割
【原出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】