説明

単一光源による均一で並行な光のカーテン

【課題】高分解能の光学液面連続監視システムの線形光源は、均一な光の強度を達成させるために、一般的に高拡散のLEDアレイを使用する。結果として、線形光源は、非常に大きな視角をもつことになり、光線すなわち光のビームは、並行でなくなる。
【解決手段】点光源は、放物面反射鏡の焦点に置かれ、放物面反射鏡を照らす。放物面反射鏡は、点光源からの光を反射させ、並行な光のカーテンを生成する。並行な光のカーテンは、放物面反射鏡の対称軸に並行になる。並行な光のカーテンは、流体を収納する眼科手術用チャンバーを照らす。チャンバーに結合したセンサアレイは、チャンバーを照らす並行な光のカーテンを検出する。センサアレイは、チャンバーの液面を決定するために、検出/処理/制御システムに、出力を供給する。手術用流体の液面を決定するこの光学的方法は、手術用流体の物理的汚染を防ぐことに利点を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の請求項は、2006年12月22日に出願した米国での仮特許出願番号60/871,640号に対する合衆国法典第35巻第119条に基づく優先権を有し、上記出願時の内容は、本願に参照として取り込まれている。
【0002】
本発明は、一般的に言えば、手術システムおよび手術方法に関連する。より具体的には、本発明は、眼科手術システムでの手術用カセット内の液面を感知するシステムおよび方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
最も単純に表現すると、人間の眼は、角膜と呼ばれる透明な外側の部分を介して光を伝達し、水晶体によって網膜に映像の焦点を結ぶようにして、視覚を提供するように機能する。焦点が結ばれた映像の品質は、眼のサイズおよび形状、並びに角膜および水晶体の透過性を含む多くの要素に依存している。
【0004】
高齢化または病気が、水晶体の透過性を低下させるように作用するとき、上記視覚は、網膜に伝達できる光量の減少により、劣化することになる。眼の水晶体内におけるこの劣化は、医学的に白内障として知られている。白内障の症状において認められている治療法は、水晶体を手術で除去し、水晶体機能を人工水晶体(IOL)に置き換えることである。
【0005】
米国において、白内障となった水晶体の大部分は、水晶体超音波乳化吸引術と呼ばれる手術方法によって除去される。この手術を実施する間、水晶体超音波乳化吸引術用の細いカッティング・チップ(cutting tip)は、病気の水晶体の中に挿入され、超音波により振動する。振動するカッティング・チップは、眼の外に水晶体を吸引できるように、病的な水晶体を液化または乳化する。病的な水晶体が一旦除去されると、人工水晶体によって置き換えられる。
【0006】
眼科用手術に適した典型的な超音波手術装置は、超音波で駆動されるハンドピース、付属のカッティング・チップ、洗浄用スリーブ、および電子制御用コンソールを備える。ハンドピースの集合体は、電気ケーブルおよび柔軟性のある管類によって、制御用コンソールに接続される。電気ケーブルを介して、制御用コンソールは、ハンドピースが、付属のカッティング・チップに伝達するパワーレベルを変化させる。また、ハンドピース集合体を介して、柔軟性のある管類は、眼に洗浄用流体を供給し、かつ眼から吸引用流体を取り出すようにする。
【0007】
手術中、カッティング・チップおよび洗浄用スリーブの端部は、角膜、眼球の強膜、または他の場所における所定幅の小さな切開部に挿入される。カッティング・チップは、洗浄用スリーブ内の縦軸方向に沿って、水晶駆動の超音波用ホーンによって超音波振動させられ、こうして、カッティング・チップは、手術部位で選択された細胞組織を乳化する。カッティング・チップの中空の穴は、ホーン内の穴に連通し、ホーン内の穴は、ハンドピースからコンソールへとつながる吸引ラインに順番に連通する。コンソール内の減圧された圧力源または真空源は、カッティング・チップの開口端部、カッティング・チップおよびホーンの穴、および吸引ラインを介して、乳化した細胞組織を眼から吸引し、収集装置に取り出す。乳化した細胞組織の吸引は、洗浄用食塩溶液または洗浄液によって支援され、この洗浄用液体は、注水用スリーブの内側表面とカッティング・チップの外側表面との間にある小さな環状のギャップを介して、手術部位に注入される。
【0008】
最近、新しい白内障除去技術が、発展しており、硬い水晶体の中心部を液化すなわちゲル化させるために、暖かい湯(おおよそ、45℃〜105℃)または生理食塩水を注入することを備え、この結果、眼から液化した水晶体を吸収することが可能となっている。上記吸収は、加熱溶液の注入および比較的冷たい溶液の注入と、同時に実施されるため、緊急に冷却し、加熱した溶液を除去することになる。
【0009】
白内障除去の液化技術において、白内障水晶体は、ハンドピースから放出される手術用流体の繰返しパルスによって、液化または乳化される。こうして、液化された水晶体は、眼から吸収することができる。手術用流体は、白内障水晶体を液化するのに、現実に使用されるので、手術用流体での一貫性ある加圧源は、液化技術の成功には重要となる。加えて、異なる手術用流体の利用は、異なった硬度の白内障の除去、または種々の患者の状態のためにも、便利なものとなるであろう。
【0010】
従来の眼科手術用機器システムは、手術部位を吸引するための真空装置、および手術部位を洗浄する加圧装置を使用していた。一般的に、カセットは、圧力発生に使用される手段と手術機器との間を、直列的に接続するものである。手術部位における流体の吸引および洗浄の管理を援助するために、手術機器と共にカセットを使用することは、よく知られている。米国特許番号4.493695号、4.627833号(クック)、4.395.258号(ワング、他)、4.713.051号(ステップ、他)、4.798.580号(デメオ、他)、4.758.238号、4.790.816号(サンドブロム、他)、5267.956号、5364.342号(ベチェット)、5.747.824号(ユング、他)の全ては、チューブ付きまたはチューブ無しの眼科手術用カセットを開示している。上気内容は、本明細書に参照として完全に取り込まれている。流体の吸引速度、ポンプ速度、真空レベル、洗浄用流体の圧力、および洗浄用流体の流速は、眼科手術中において正確な制御で必要とされるいくつかのパラメータである。
【0011】
吸引機器のために、カセット内の空気圧は、大気圧よりも低い状態にされ、こうして、カセット内の流体が、手術部位から除去されるようになる。洗浄機器のために、カセット内の空気圧は、大気圧よりも高い状態にされ、カセット内の流体は、手術部位へ輸送されるようになる。両方のタイプの機器において、カセットは、圧力発生手段によって生じる変化を和らげる流体用容器として機能する。
【0012】
効果ある流体用容器として機能するカセットのために、カセット内の液面(ひいては、空となる量)は、カセットが完全に満杯または空状態のいずれにもならないように、制御しなければいけない。吸引システムにおいて、流体がカセットを満杯にしたとき、流体は、真空発生手段(一般的には、ベンチュリ)の方に吸い込まれ、許容できない程、手術機器の真空レベルを妨げることになる。吸引システムでの空となったカセットは、空気が排出用バッグに注入される状態になり、排出用バッグは、バッグ容器内の有効スペースを無駄にすることになる。さらに、吸引システムでのカセット内の一定値は、手術用機器内でのより正確な真空レベルを可能にする。洗浄システムでのカセット内の液面の制御は、同様なことが望まれる。
【0013】
さらに、カセット内の容器のサイズは、カセットの応答時間に影響を与える。より大きな容器は、より大きな収納能力を提供するが、システムの応答時間を遅くする。より小さな容器は、システムの応答時間を増加させるが、適切な収納能力をもてない可能性がある。このジレンマは、2つの内部容器をもつカセットによって解決される。このようなカセットは、米国特許番号4.758.238号(サンドブロム、他)中に「サンドブロム カセット」として説明されている。大きな容器が、小さな容器と真空源の間に置かれる一方で、小さな容器は、手術用ハンドピースシステムと共に流水伝達手段の中に直接置かれる。このことは、より速い応答時間とより大きな収納能力とを可能にしている。しかしながら、小さな容器は、容器が満杯になる前に、大きな容器に周期的に流入させる必要がある。このことは、小さな容器が、制御コンソールに通知するための液面センサを備え、小さな容器を適切な時間に空にすることを必要としていることを意味する。「サンドブロム カセット」は、2つの電気的プローブ76(図8参照)を使用しており、この電気的プローブは、オープン状態の電気警報回路を形成している。手術用流水(導電性)が、小さな容器30を満杯にすると、2つのプローブ76は、流水の中に沈み、そしてオープン状態であった回路を閉じて、小さな容器30が満杯になった警報をトリガーすることになる。この「サンドブロム カセット」に使用されている液面センサは、単純なオン/オフ用スイッチのために限界がある。このセンサは、「容器が満杯」の警報をトリガーする以上の機能を有しておらず、小さな容器での流体の量についてユーザに情報を提供することができない。
【0014】
米国特許5.747.824号(ユング、他)で開示されたような、他の圧力センサは、空気/流体の接触面の位置を読み取ることで検知する、連続測定可能な液面センサ用光学デバイスを使用している。これらの光学デバイスは、比較的高価な投光器と受光器とを必要とし、容器内の流体を泡立てるために、不正確になることがある。加えて、光学的圧力センサの精度は、周囲の光レベルにより影響される可能性がある。
【0015】
音圧センサは、水タンクの液面を監視するために、過去において使用されている。超音波変換器が、タンク内側の頂上部に搭載され、超音波信号が、タンク内に収容されている水面の頂上部に向けて、下方向に送信される。しかしながら、この配置方法は、無菌が重要な手術用機器での使用には適しておらず、超音波変換器が、流体と接触することは許容されることはではない。更に、手術用デバイスは、一般的に使い捨てなので、チャンバー内に変換器を置くことは、望ましいことではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、単純で、信頼性があり、かつ正確な液面センサに対するニーズが、継続して存在している。
【0017】
本発明の実施例は、眼科手術装置内の液面を決定すること、および液化用ハンドピースを用いるユーザに液面の特定状態を通知することに機能するシステムおよび方法を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
より特定すれば、高分解能の液面連続監視システムが、本発明の実施例によって提示される。高分解能の液面連続監視システムの1つの実施例は、ユニークな液面センサを含み、この液面センサは、点光源、放物面反射鏡、センサアレイ、並びに、検出、処理および制御用システムを備える。上記放物面反射鏡の焦点に置かれた上記点光源は、上記放物面反射鏡を照らす。上記放物面反射鏡は、上記点光源からの光を反射させ、並行な光のカーテンを生成する。上記並行な光のカーテンは、上記放物面反射鏡の対称軸に並行になる。上記並行な光のカーテンは、流体を収納するのに使用される眼科手術用チャンバーのようなチャンバーを照らす。上記チャンバーに結合するセンサアレイは、上記チャンバーを照らす上記並行な光のカーテンを検出する。上記センサアレイは、上記チャンバーの液面を決定するために、検出/処理/制御システムに出力を提供する。手術用流体の液面を決定するこの光学的方法は、手術用流体の物理的汚染を防ぐことに利点を有することができる。
【0019】
更に、他の実施例が、眼科手術装置用チャンバー内の液面を決定する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明および本発明の有効性を、より完全に理解してもらうために、具体的な実施例を、添付図面に関連して以下に説明する。参照番号は、主要部分を示す。
【0021】
本発明の好ましい実施例を複数の図面により説明するが、各図面における同一部分または対応部分については、参照番号は同一の番号を使用する。
【0022】
医療装置内の液体または流体の液面を監視することは、たびたび重要なことがある。液面が監視されることは重要であるが、同時に監視装置によって汚染されないことも重要である。このようにする方法の1つが、超音波技術である。もう1つの方法が、光学的液面センサを使用する方法である。
【0023】
図1は、線形光源がチャンバー内の液面を決定するのに使用される、従来技術の解決方法を表している。光学的液面センサシステム10は、チャンバー12、線形光源16、線形センサアレイ18、および処理モジュール20を備える。線形光源16は、一般的に、線形レーザ発生器または線形LED発光ダイオード・バーである。しかし、線形光源に関するこれらの選択は、一般的に、高分解能の連続監視用光学的液面センサシステムの要求には合わない。このことは、チャンバー12内の流体14を照らすために選択される線形光源に内在している大きな視角に起因する。さらに、LEDの個数は、線形光源16内で使用することに制限されるので、均一性の問題が、線形光源16によって生成される光の強度に存在する可能性がある。
【0024】
均一な光の強度を達成させるために、図1で提示される線形光源16は、一般的に高拡散のLEDアレイを使用する。結果として、線形光源16は、非常に大きな視角をもつことになり、光線すなわち光のビームは、並行でなくなる。この問題を解決するため、本発明の1つの実施例は、実質的に均一で並行な光のカーテンを提示する。
【0025】
図2は、本発明の実施例において、均一で並行な光のカーテンを発生させるのに使用される線形光源200を表している。この線形光源200は、点光源202および放物面反射鏡204を備える。点光源202は、放物面反射鏡204を規定するのに使用される放物線の焦点位置に置かれる。点光源202は、円弧(arc)206を照らすが、円弧内の光線208は、並行ではない。しかし、放物面反射鏡204は、並行な光のカーテン210が生じるように光線208を反射させる。並行な光のカーテンは、カーテン高さ212のカーテン210となる。カーテン高さ212は、流体用チャンバーの要求によって規定することができるので、線形光源200は、チャンバー内の液面を決定するのに使用することが可能である。そして、カーテン高さ212は、放物線によって規定される放物面反射鏡204の放物線の円弧を決定するのに使用することができる。同様に、この放物線の円弧が一度規定されると、点光源202によって照らされる円弧206が、また規定される。放物面反射鏡204の焦点位置は、再び放物面反射鏡204に付随するカーテン高さ212の要求によって決定することができる。
【0026】
供給される光のカーテン210は、均一強度を伴う並行な光線214を有する。均一強度は、単一の点光源202から発生した照明用光線から結果として生まれる。加えて、光のカーテン210は、光線214が並行なので、大きな視角をもっていない。このことは、高分解能の連続監視用光学的液面センサシステムには必須である。反射器へのアプローチは、光学レンズへのアプローチと比較したとき、特に光のカーテン210の高さが大きいときに、より小さなサイズを供給してくれる。
【0027】
図3は、本発明の実施例における液面センサシステム300を表している。液面センサシステム300は、図2を参照して説明した放物線用線形光源200を使用した液面センサを含むことになる。さらに、液面センサシステム300は、流体304を含む流体用チャンバー302、線形センサアレイ308、および検出/処理/制御モジュール310を備える。点光源202は、放物面反射鏡204を照らすのに使用され、並行な光線214を有する並行な光のカーテン210を生成する。線形光源200は、流体用チャンバー302を照らすために、光学的に結合することができる。光のカーテン210は、流体用チャンバー302を照らし、光のカーテン210からの光線は、センサアレイ308によって検出される。センサアレイ308において、いくつかのセンサは、流体304を通過した低い密度の光を検出し、別のセンサは、流体304を通過しない、より高い強度の光を検出することになる。センサアレイ308は、各センサが受光した異なる光強度を表す出力を、検出/処理/制御モジュール310に提供する。こうして、処理および制御モジュール310は、センサアレイ308の信号に基づき、チャンバー302内における高分解能の液面連続測定を提供することができる。センサアレイ308の信号は、受光した光密度の実質的な変化がどの高さにあるか検出しており、この方法は、当業者にとって慣れ親しんだ方法である。既に説明したように、手術装置の液面は特定レベル以下にあるときに知ることが重要なので、この液面測定(信号)は眼科手術装置用として使用することができる。
【0028】
検出/処理/制御モジュール310のシステムは、単一の処理装置でも、複数の処理装置でも可能である。このような装置は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号処理装置、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィルド・プログラマブル・ゲートアレイ、プログラマブル・ロジックデバイス、状態機械、ロジック回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は、メモリ内に格納された処理命令に基づいて(アナログ/デジタル)信号を処理するどのようなデバイスにすることができる。メモリは、単一のメモリ装置、または複数のメモリ装置にすることができる。このメモリ装置は、リードオンリー・メモリ、ランダムアクセス・メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティック・メモリ、ダイナミック・メモリ、フラッシュ・メモリ、キャッシュ・メモリ、及び/又は、デジタル情報を格納するどのようなデバイスにすることができる。システムコントローラが、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又はロジック回路を介して、1つ以上の機能を実行するとき、対応する処理命令を格納しているメモリを、上記回路内、または状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又はロジック回路を含む外部の回路に搭載できることに留意するべきである。メモリは、処理命令を格納し、システムコントローラは、処理命令を実行することになるが、本発明の実施例に付随する、少なくともいくつかのステップ及び/又は機能に対応する処理命令を図4に示す。
【0029】
図4は、本発明の実施例による、チャンバー内の液面を決定する方法の論理フロー図を提示する。処理400は、ステップ402から開始され、このステップにおいて、点光源が、放物面反射鏡の焦点に置かれる。ステップ404において、放物面反射鏡は、点光源によって照らされる。ステップ406において、放物面反射鏡からの光は、放物面反射鏡の対称軸に並行になる並行な光のカーテンを生成するように反射される。このことが、単一光源から、実質的に均一で並行な光のカーテンを生成することを可能にする。加えて、この並行な光のカーテンは、別な光のカーテンたとえばLEDの線形アレイを使用して生成した光のカーテンと比較したとき、相対的に小さな視野角を有することになる。ステップ408において、チャンバー内の流体が照らされるが、流体用チャンバーは、眼科手術治療で使用する手術用流体を含むことができる。また、流体用チャンバーに結合する線形センサアレイまたは他のセンサアレイは、チャンバー内の液面を検知/決定することができる。このことは、チャンバー内において、高分解能でかつ連続的に液面を決定することを可能にする。放物線の円弧の位置および高さは、並行な光のカーテンが必要とする高さによって決定することができる。
【0030】
要約すると、本発明の実施例は、高分解能の液面連続監視システムおよび方法を提示する。高分解能の液面連続監視システムの実施例は、点光源を有するユニークな液面センサ、放物面反射鏡、センサアレイ、並びに検出、処理、および制御システムを備える。放物面反射鏡の焦点に置かれた点光源は、放物面反射鏡を照らす。放物面反射鏡は、点光源からの光を反射させ、並行な光のカーテンを生成する。並行な光のカーテンは、放物面反射鏡の対称軸に並行になる。並行な光のカーテンは、流体を収納するに使用される眼科手術用チャンバーのようなチャンバーを照らす。眼科手術装置用カセットは、たとえば、当業者によく知られている、水晶体超音波乳化吸引術システムまたは硝子体網膜手術システムにおいて使用される眼科用カセットである可能性がある。チャンバーに結合したセンサアレイは、チャンバーを照らす並行な光のカーテンを検出する。センサアレイは、チャンバーの液面を決定するために、検出/処理/制御システムに、出力を供給する。手術用流体の液面を決定するこの光学的方法は、手術用流体の物理的汚染を防ぐことに利点を有することができる。
【0031】
当業界において通常の技術を有する者として、「実質的」または「おおよそ」の語句を本願において使用できるのは、語句に対応する産業界に認められる耐性を提供していると認識するからである。このような産業界に認められる耐性は、1%未満から20%、および相当の数値の範囲であるが、成分値、集積回路プロセスの変動、温度変動、上昇時間および下降時間、及び/又は雑熱音に制限されるものではない。さらに、当業界において通常の技術を有する者として、本願で使用できるように、「機能的に結合された」の語句は、直接的結合と、別のコンポーネント、要素、回路、またモジュールを経由する間接的結合とを含むことを認識する。ここで、上記の別のコンポーネント、要素、回路、またモジュールは、間接的結合のために、信号の情報を修正することはないが、電流レベル、電圧レベル、及び/又は電力レベルに適合させることは可能である。また、当業界において通常の技術を有する者として、推定された結合(即ち、推定によって、1つの要素が他の要素に結合すること)は、「機能的に結合」と同一の方法で、2つの要素間で直接的または間接的に結合することを含むことと認識することである。当業界において通常の技術を有する者として、「好ましく比較する」の語句を本願において使用できるのは、2つ以上の要素、項目、信号、等の比較が、必要とする関係を示すことが認識されるからである。例えば、信号1が信号2より大きい振幅をもつことが必要とする関係のとき、好ましい比較は、信号1の振幅が信号2の振幅より大きいとき、または信号2の振幅が信号1の振幅より小さいときに、達成することができる。
【0032】
本発明について、詳細に説明してきたが、請求項の範囲に記載した発明の思想および範囲から逸脱することなく、種々の変形、置換、および代替が、本明細書の内容から可能であることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】チャンバー内の液面を決定するのに、線形光源が使用される従来技術の解決法を表す図である。
【図2】本発明による線形光源を表す図である。
【図3】本発明の実施例による液面センサシステムを表す図である。
【図4】本発明の実施例によるチャンバー内液面の決定方法の論理フロー図である。
【符号の説明】
【0034】
10 光学的液面センサシステム
12 チャンバー
14 流体
16 線形光源
18 線形センサアレイ
20 処理および制御モジュール
200 線形光源
202 点光源
204 放物面反射鏡
206 円弧(arc)
208 光線
210 光のカーテン
214 並行な光線
300 液面センサシステム
302 流体用チャンバー
304 流体
308 線形センサアレイ
310 処理および制御モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバー内の液面を決定する方法であって、
放物面反射鏡の焦点に点光源を置くこと、
前記点光源で、前記放物面反射鏡を照らすこと、
前記放物面反射鏡からの光を、前記放物面反射鏡の対称軸に並行となる並行な光のカーテンを生成するように反射させること、
前記並行な光のカーテンで、流体を収納することができるチャンバーを照らすこと、および
線形のセンサアレイで、前記チャンバー内の液面を決定することを含む方法。
【請求項2】
前記液面は、前記並行な光のカーテンを前記チャンバー内に照らすことで、連続して決定される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記並行な光のカーテンは、実質的に均一強度を有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記点光源は、円弧を照らし、前記円弧は、前記並行な光のカーテンの高さによって規定される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記チャンバーは、眼科用手術器具内にある請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記放物面反射鏡への前記点光源からの焦点距離および照明の円弧は、前記並行な光のカーテンの高さによって決定される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
点光源と、
前記点光源を焦点に置いている放物面反射鏡と、
ここで、前記点光源は、前記放物面反射鏡を照らすことができ、
前記放物面反射鏡は、並行な光のカーテンを生成するように、前記点光源からの光を反射させることができ、
前記並行な光のカーテンは、前記放物面反射鏡の対称軸に並行であり、および
前記並行な光のカーテンは、流体を収納することができるチャンバーを照らし、
前記チャンバーに結合するセンサアレイであって、前記チャンバーを照らす前記並行な光のカーテンを検出することができるセンサアレイと、
前記センサアレイに結合する処理システムであって、前記チャンバー内の液面の決定を、線形のセンサアレイと共に決定できる処理システムと、備える液面センサ。
【請求項8】
前記液面は、前記並行な光のカーテンをチャンバー内に照らすことで、連続して決定される請求項7に記載の液面センサ。
【請求項9】
前記並行な光のカーテンは、実質的に均一強度を有する請求項7に記載の液面センサ。
【請求項10】
前記点光源は、円弧を照らし、前記円弧は、前記並行な光のカーテンの高さによって規定される請求項7に記載の液面センサ。
【請求項11】
前記チャンバーは、眼科用手術器具内にある請求項7に記載の液面センサ。
【請求項12】
前記放物面反射鏡への前記点光源からの焦点距離および照明の円弧は、前記並行な光のカーテンの高さによって決定される請求項7に記載の液面センサ。
【請求項13】
眼科装置用容器内の液面を決定することができる液面センサであって、
点光源と、
前記点光源を焦点に置いている放物面反射鏡と、
ここで、前記点光源は、前記放物面反射鏡を照らすことができ、
前記放物面反射鏡は、並行な光のカーテンを生成するように、前記点光源からの光を反射させることができ、
前記並行な光のカーテンは、前記放物面反射鏡の対称軸に並行であり、および
前記並行な光のカーテンは、流体を収納することができるチャンバーに照らし、
前記チャンバーに結合するセンサアレイであって、前記チャンバーを照らす前記並行な光のカーテンを検出することができるセンサアレイと、
前記センサアレイに結合する処理システムであって、前記チャンバー内の液面の決定を、線形のセンサアレイと共に決定することができる処理システムと、備える液面センサ。
【請求項14】
前記液面は、前記並行な光のカーテンが前記チャンバー内を照らすことで、連続して決定される請求項13に記載の液面センサ。
【請求項15】
前記並行な光のカーテンは、実質的に均一強度を有する請求項13に記載の液面センサ。
【請求項16】
前記点光源は、円弧を照らし、前記円弧は、前記並行な光のカーテンの高さによって規定される請求項13に記載の液面センサ。
【請求項17】
前記放物面反射鏡への前記点光源からの焦点距離および照明の円弧は、前記並行な光のカーテンの高さによって決定される請求項13に記載の液面センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−203244(P2008−203244A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−330558(P2007−330558)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(500319044)アルコン,インコーポレイティド (87)
【Fターム(参考)】