説明

印刷システム、印刷指示端末、印刷サーバ、方法およびプログラム

【課題】ユーザにとって最適な、印刷結果の画質とリードタイムとの両立を可能にする。
【解決手段】印刷システムは、ユーザからの印刷指示に対して該ユーザに出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させる印刷方式選択手段702と、速度優先印刷方式が選択された場合に、出力対象ファイルを印刷用データに変換した上で印刷ジョブ情報記憶手段701に記憶させる第1の印刷要求手段703と、品質優先印刷方式が選択された場合に、出力対象ファイルのまま印刷ジョブ情報記憶手段701に記憶させる第2の印刷要求手段704と、印刷ジョブに対するユーザからの出力機器の指定を受け付けときに、印刷用データが記憶されていなければ、指定された出力機器が対応するプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換するオンデマンド印刷用データ変換手段706とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してデータを印刷するネットワーク型の印刷システム、それに用いられる印刷指示端末、印刷サーバ、印刷方法および印刷プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレットPC(パーソナルコンピュータ)といった可搬型の電子デバイスの普及に伴い、社外など公共の場においてオフィスワークを実施する場面が拡大していくことが予想される。しかし、電子デバイスの普及により、電子データを用いたプレゼンテーションの利用は増加しているが、顧客相手の打ち合わせの場では、依然として紙に印刷した資料を使用するケースが多々見受けられる。
【0003】
また、クラウド型のプリンティングサービスを考えた場合、いつでもどこでもデータが利用可能であるという利点を活かして、どこにいても印刷が可能なプリンティングサービスの需要が高まってくるものと考えられる。従って、プリンタ、複合機等の出力機器に印刷用データを蓄積する方式に代わって、ネットワーク環境(ネットワーク上の記憶装置等)に印刷用データを蓄積しておき、印刷直前に出力機器に送信するような方式が拡大することが考えられる。
【0004】
ところで、複数の出力機器の中からユーザが任意に出力先を指定できるようにしようとした場合、共通ドライバ等を用いて、出力対象ファイルを共通仕様の印刷用データに変換したり、複数の出力機器が扱える中間形式のデータに変換した上でネットワーク上のサーバに送信することが一般的に行われていた。
【0005】
また、特許文献1には、事前に印刷用データを作成しない方法として、印刷装置側で、クライアントから受信した印刷データがラスタライズされているか否かを判別して、ラスタライズされていない場合に、Webサービスを利用して指定された出力機器に対応する変換サービス部を発見してラスタライズさせる印刷方法が記載されている。
【0006】
また、例えば、特許文献2には、ネットワークに接続された任意のクライアントとプリンタとの間で実用的な印刷を実現するための印刷仲介方法が記載されている。特許文献2に記載された印刷中継方法では、クライアントが、仲介システムに印刷データと出力先のプリンタを特定する識別番号とを含む印刷要求を送信し、仲介システムが、識別番号からプリンタをネットワーク上で特定し、稼働状態を確認してクライアントに確認情報を表示する。そして、クライアントからの印刷合意入力に応じて、指定されたプリンタに、該プリンタの機種に応じたドライバを用いて印刷データをプリンタ用データに変換して出力し、印刷を行わせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−31616号公報
【特許文献2】特開2009−259292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、共通ドライバ等を利用して、共通仕様の印刷用データや中間形式のデータに変換した上でサーバに保持させる方法は、出力機器に依存する個別仕様が利用できない、また出力先の機器によっては、レイアウト等が崩れるといった所望の品質が得られないという問題があった。
【0009】
なお、特許文献1や特許文献2に記載された方法を利用すれば、出力機器に依存する個別仕様を利用でき、また所望の品質を得ることができる。しかし、特許文献1には、クライアント側でどのような時にラスタライズされていない印刷データを出力するかといったことについては何ら記載がない。
【0010】
また、特許文献1および特許文献2に記載された方法は、いずれも出力機器を印刷指示の際に指定しなければならず、印刷指示とは別に、後からユーザが任意に出力機器の指定をできるようにしようといったことは全く考慮されていない。
【0011】
例えば、クラウド型のプリンティングサービスでは、利用者が印刷を行いたいと思ったときに、利用可能なプリンタがどこに設置されているか、またどんな機種か、といったことがわからないことが想定される。また、セキュリティの問題から、外出先でデータを持ち歩くことは避けたいといった要望もある。そこで、外出する前に印刷が必要なファイルに対して出力先のプリンタを特定せずに印刷指示を行っておき、外出先では、設置されている出力機器に対して認証を行うだけで、その出力機器に印刷指示を行ったファイルが印刷されるという印刷手順が求められると考えられる。
【0012】
このような印刷手順を考えた場合、例えば、指定された出力機器に合わせてオンデマンドに出力対象ファイルを印刷用データに変換する方法では、印刷指示の際に出力機器を指定する認証型の印刷方法と比べて、出力機器に認証を行った後から実際に印刷されるまでのリードタイムが長くなることが懸念される。
【0013】
一方で、既に説明したように、予め共通仕様の印刷用データや中間形式のデータに変換した上でサーバに蓄積させる方法では、いざ出力機器を指定したときに、中間形式のデータがその機器にとって最適なデータ変換ではないために、印刷結果の画質において所望の品質が得られないといった問題が起こる可能性がある。例えば、指定した出力機器が共通仕様に対応していないために、実際に印刷してみると、余白の設定の違いによりレイアウトがずれてしまったり、画像がはみ出てしまうといった問題がおこる可能性が考えられる。また、指定した出力機器には実装されているが、中間形式のデータには含まれない機能、設定であるために、使用したい機能、設定が利用できないといった問題がおこる可能性が考えられる。
【0014】
そこで、本発明は、ネットワークを介してデータを印刷するネットワーク型の印刷システムにおいて、ユーザにとって最適な、印刷結果の画質とリードタイムとの両立を可能にする印刷システム、印刷指示端末、印刷サーバ、印刷方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の印刷システムは、受け付けた印刷ジョブの情報を記憶する印刷ジョブ情報記憶手段と、ユーザからの印刷指示に対して、該ユーザに、出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させる印刷方式選択手段と、印刷方式として速度優先印刷方式が選択された場合に、所定のプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を印刷ジョブ情報記憶手段に記憶させる第1の印刷要求手段と、印刷方式として品質優先印刷方式が選択された場合に、出力対象ファイルまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を印刷ジョブ情報記憶手段に記憶させる第2の印刷要求手段と、印刷ジョブ情報記憶手段に記憶されている印刷ジョブに対する、ユーザからの出力機器の指定を受け付ける出力機器指定受付手段と、出力機器指定受付手段が出力機器の指定を受け付けたときに、印刷ジョブ情報記憶手段に印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報が記憶されていない場合に、指定された出力機器が対応するプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換するオンデマンド印刷用データ変換手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の印刷システムは、ユーザが操作するシンクライアント端末にデスクトップ環境を提供するデスクトップサービス提供サーバと、デスクトップサービス提供サーバからの要求に応じてユーザのデータファイルを記憶するファイルサーバと、デスクトップサービス提供サーバからの要求に応じて印刷のための処理を行う印刷サーバとを備え、デスクトップサービス提供サーバは、ユーザからのあるデータファイルに対する印刷指示に対して、該ユーザに出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させる処理、印刷方式として速度優先印刷方式が選択された場合に、所定のプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む印刷要求を印刷サーバに送信する処理、および印刷方式として品質優先印刷方式が選択された場合に、出力対象ファイルのネットワーク上の所在を示す情報を含む印刷要求を印刷サーバに送信する処理を行うデスクトップ環境をシンクライアント端末に提供するデスクトップ環境提供手段を含んでいてもよい。
【0017】
また、本発明による印刷指示端末は、ユーザからの印刷指示に対して、該ユーザに、出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させる印刷方式選択手段と、印刷方式として速度優先印刷方式が選択された場合に、所定のプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を、ネットワーク上の記憶手段であって受け付けた印刷ジョブの情報を記憶する所定の記憶手段に記憶させる第1の印刷要求手段と、印刷方式として品質優先印刷方式が選択された場合に、出力対象ファイルまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を記憶手段に記憶させる第2の印刷要求手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明による印刷サーバは、ユーザ端末から出力機器が指定されていない印刷要求を受け付ける印刷要求受付手段と、印刷要求受付手段が受け付けた印刷要求を基に、印刷ジョブの情報をネットワーク上の記憶手段に記憶させる印刷ジョブ情報登録手段と、記憶手段に記憶されている印刷ジョブに対する、ユーザからの出力機器の指定を受け付ける出力機器指定受付手段と、出力機器指定受付手段が出力機器の指定を受け付けたときに、記憶手段に記憶されている印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を基に取得した印刷用データを、指定された出力機器に出力する第1の印刷実行手段と、出力機器指定受付手段が出力機器の指定を受け付けたときに、指定された出力機器が対応するプリンタドライバを用いて、記憶手段に記憶されている出力対象ファイルそのネットワーク上の所在を示す情報を基に取得した出力対象ファイルを印刷用データに変換するオンデマンド印刷用データ変換手段に変換要求を行い、変換要求の結果変換された印刷用データを、指定された出力機器に出力する第2の印刷実行手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明による印刷方法は、ユーザからの印刷指示に対して、該ユーザに、出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させ、印刷方式として速度優先印刷方式が選択された場合に、所定のプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を、ネットワーク上の記憶手段であって受け付けた印刷ジョブの情報を記憶する所定の記憶手段に記憶させ、印刷方式として品質優先印刷方式が選択された場合に、出力対象ファイルまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を記憶手段に記憶させ、記憶手段に記憶されている印刷ジョブに対するユーザからの出力機器の指定を受け付け、出力機器の指定を受け付けたときに、記憶手段に印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報が記憶されている場合には、記憶手段に記憶されている印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を基に取得した印刷用データを指定された出力機器に出力し、記憶手段に印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報が記憶されていない場合には、記憶手段に記憶されている出力対象ファイルそのネットワーク上の所在を示す情報を基に取得した出力対象ファイルを印刷用データに変換するオンデマンド印刷用データ変換手段に変換要求を行い、変換要求の結果変換された印刷用データを指定された出力機器に出力することを特徴とする。
【0020】
また、本発明による印刷プログラムは、コンピュータに、ユーザからの印刷指示に対して、該ユーザに、出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させる処理、印刷方式として速度優先印刷方式が選択された場合に、所定のプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を、ネットワーク上の記憶手段であって受け付けた印刷ジョブの情報を記憶する所定の記憶手段に記憶させる処理、および印刷方式として品質優先印刷方式が選択された場合に、出力対象ファイルまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を記憶手段に記憶させる処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ネットワークを介してデータを印刷するネットワーク型の印刷システムにおいて、ユーザにとって最適な、印刷結果の画質とリードタイムとの両立を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施形態の印刷システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態のユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態の出力機器ユニットの構成例を機能面で示す機能ブロック図である。
【図4】第1の実施形態のデータセンタの構成例を機能面で示す機能ブロック図である。
【図5】印刷要求にかかる各装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
【図6】印刷実行要求にかかる各装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
【図7】印刷要求にかかる各装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
【図8】印刷実行要求にかかる各装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
【図9】印刷設定画面の一例を示す説明図である。
【図10】第2の実施形態の印刷システムの構成例を示すブロック図である。
【図11】第2の実施形態のユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
【図12】第2の実施形態のデータセンタの構成例を機能面で示す機能ブロック図である。
【図13】印刷設定画面の一例を示す説明図である。
【図14】本発明の概要を示すブロック図である。
【図15】本発明の印刷システムの他の構成例を示すブロック図である。
【図16】本発明の印刷システムの構成例および当該印刷システムを構成する各装置の構成例を示すブロック図である。
【図17】本発明の印刷システムの他の構成例および当該印刷システムを構成する各装置の構成例を示すブロック図である。
【図18】本発明の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施形態1.
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の印刷システムの構成例を示すブロック図である。図1に示す印刷システムは、ユーザ端末1と、データセンタ2と、出力機器ユニット3とを備える。なお、データセンタ2は、ネットワーク500上で予め決められた機能を提供するためのクラウド型のネットワークサーバ群をいう。図1に示す例では、データセンタ2は、ファイルサーバ21、スプールサーバ22、認証サーバ23、変換サーバ24によって構成されているが、装置構成はこの限りではなく、各サーバが提供する機能がネットワーク500上で実装されていればよい。また、出力機器ユニット3は、少なくとも印刷機能を提供する出力機器31、ユーザ認証機能を提供する認証端末32と、一覧表示機能を提供する表示装置33とをひとつに纏めたユニット構成をいうが、装置構成はこの限りではなく、各装置(端末または機器を含む)がそれぞれ提供する機能が1つの出力機器ユニットとして実装されていればよい。なお、出力機器自体がこれらの機能を全て具備する場合には、その出力機器そのものが出力機器ユニットとして扱われる。以下、出力機器ユニット3を、特に印刷機能を指す場合に単に「出力機器」と表現する場合がある。
【0024】
ユーザ端末1は、ユーザが操作するパーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン等のコンピュータであって、出力対象ファイルの閲覧、編集、印刷指示等が行える端末である。ユーザ端末1には、共通ドライバ11がインストールされているものとする。共通ドライバ11は、一般に「共通ドライバ」と呼ばれる、出力対象ファイルを複数の出力機器に対応した所定の共通仕様に応じた印刷用データに変換を行う変換機能を含むプリンタドライバである。
【0025】
一般に、プリンタドライバといった場合、変換機能の他に、指定の出力機器に印刷要求を行う印刷要求機能を含むソフトウェアを指す。以下、共通ドライバ11といった場合には、少なくとも、複数の出力機器が対応する所定の共通仕様に準じた印刷用データへの変換を行う変換機能と、データセンタ2に対してユーザが選択した方式に応じた印刷要求を行う印刷要求機能とを含むソフトウェアを指すものとする。
【0026】
本発明では、「品質優先」と「速度優先」の2種類の印刷方式をユーザに提供する。「品質優先」印刷方式とは、印刷結果の画質を処理速度よりも優先する印刷方式であって、ユーザから印刷指示がされたタイミングでは印刷用データへの変換を行わずに、出力機器が指定されたタイミングで出力対象ファイルに対して該出力機器に対応したドライバを適用して印刷用データを作成し、作成した印刷データを指定された出力機器に出力して印刷を行う印刷方式である。一方、「速度優先」印刷方式とは、処理速度を印刷結果の画質よりも優先する印刷方式であって、ユーザから印刷指示がされたタイミングで共通ドライバを利用して印刷用データを作成してサーバ上に保持しておき、出力機器が指定されたタイミングではどの出力機器かに関わらず、保持されている印刷用データを指定された出力機器に出力して印刷を行う印刷方式である。
【0027】
なお、本実施形態において、「出力対象ファイル」とは、印刷指示がかけられたデータそのものをいう。すなわち、印刷用データに変換される前のローデータである。また、「印刷用データ」とは、プリンタドライバなどを用いて出力対象ファイルから出力機器が認識可能な形式に変換したデータをいう。なお、出力対象ファイルはユーザ操作により編集が可能なデータであり、印刷用データはユーザ操作により編集が不可能なデータであるということもできる。印刷用データの形式は、基本的には出力機器ごとに定められるものであるが、メーカごとまたはシリーズごとに共通の仕様があったり、共通ドライバ対応の出力機器であれば、主要な(出力機器間で共通する、基本的な)機能、設定については共通の仕様があり、それにより共通化されている。しかし、機器固有の機能や印刷設定を完全に利用するには、その機器専用のプリンタドライバによる変換が必要である。
【0028】
図2は、ユーザ端末1の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、ユーザ端末1は、共通ドライバ11と、ユーザ操作に応じて共通ドライバ11に印刷指示を出すOSまたはアプリケーション12(以下、OS/アプリケーション12という。)とを備える。また、共通ドライバ11は、印刷方式選択手段111と、データ変換手段112と、ユーザID取得手段113と、印刷要求手段114とを含んでいてもよい。
【0029】
印刷方式選択手段111は、OS/アプリケーション12を介してユーザから出力対象ファイルを指定した印刷指示を受け付けると、当該印刷要求に対して行う印刷方式を「品質優先」または「速度優先」のいずれにするかをユーザに選択させる。
【0030】
印刷方式選択手段111は、例えば、印刷設定を行う画面に、印刷方式を選択させる入力インタフェース(選択ボックス等)を追加し、ユーザに選択結果を入力させればよい。なお、予め設定によりデフォルト値(選択が行われなかった時にいずれの選択方式にするかを示す情報)が与えられてもよい。
【0031】
データ変換手段112は、「速度優先」印刷方式が選択された印刷要求について、指定された出力対象ファイルを、共通ドライバを用いて印刷用データに変換する。
【0032】
ユーザID取得手段113は、当該ユーザ端末1を使用しているユーザを識別するための識別子であるユーザIDを取得する。なお、ユーザIDの取得方法は問わない。例えば、直接ユーザから入力させてもよいし、当該ユーザ端末1の起動時のログイン操作により特定されるユーザ固有のファイルから読み出してもよい。
【0033】
印刷要求手段114は、データセンタ2に対して、選択された印刷方式に応じた印刷要求を行う。本実施形態において、印刷要求とは、ユーザが印刷処理を要求した旨を示す情報であって、より具体的には、スプールサーバ22に対して、要求内容を1件の印刷ジョブ(印刷命令)として受け付けることを要求する情報である。なお、この時点では出力機器が指定されていなくてもよい。従って、印刷ジョブの情報は、出力機器の指定がされるまでまたは取り消されるまで保持しつづけられる。なお、出力機器が指定された場合には、指定された出力機器へ即座に印刷用データを出力すればよい。
【0034】
本実施形態では、印刷要求は、要求元のユーザを識別するためのユーザIDと、対象ファイルの情報とを含むものとする。なお、対象ファイルの情報には、出力対象ファイルそのもの若しくはその所在情報、または、印刷用データそのもの若しくはその所在情報を含む。この他に、例えば、ユーザが指定した印刷設定を示す情報を含んでいてもよい。
【0035】
印刷要求手段114は、「品質優先」印刷方式が選択された場合には、出力対象ファイルを、ファイルサーバ21にアップロードして保存させた上で、その保存先等の出力対象ファイル情報とユーザIDとを含む印刷要求を、スプールサーバ22(より具体的には、後述の印刷ジョブ管理手段221)に送信する。ユーザ端末1がシンクライアント端末であって、出力対象ファイルが既にクラウド内(ネットワーク上)にある場合には、アップロード処理は省略される。なお、ファイルサーバ21への蓄積を、データセンタ2側で行ってもよい。そのような場合には、印刷要求手段114は、ユーザIDと出力対象ファイルとを含む印刷要求を印刷ジョブ管理手段221に送信すればよい。または、ファイルサーバ21への蓄積の有無とは関係なく、出力対象ファイルそのものを印刷ジョブの情報としてスプールサーバ22に保持させてもよい。
【0036】
デスクトップサービスを利用することにより、ユーザは、ネットワークに繋がる環境下であれば、どこにいてもデータの編集が可能になる。また、データを編集するユーザ端末と、印刷指示をするユーザ端末が異なることも許容される。また、ユーザ端末は、デスクトップサービス提供サーバ等から画面情報を受信して表示することができる端末であればよく、端末の制約から解放される。
【0037】
また、印刷要求手段114は、「速度優先」印刷方式が選択された場合には、印刷指示を受け付けたタイミングで、共通ドライバ11を利用して、指定された出力対象ファイルを印刷用データに変換する。そして、変換した印刷用データとユーザIDとを含む印刷要求を、スプールサーバ22(より具体的には、印刷ジョブ管理手段221)に送信する。なお、本方式は、出力機器が指定される前に、印刷ジョブの対象ファイルを示す情報として共通ドライバ11によって変換された印刷用データがデータセンタ2側に保持されればよいため、必ずしもユーザ端末1がデータ変換を行わなくてもよい。例えば、出力対象ファイルの印刷用データへの変換を、ユーザ端末1から印刷要求を受け付けたデータセンタ2側で行うことも可能である。また、印刷用データについても、別途ファイルサーバ21に保持させ、スプールサーバ22には印刷用データの所在情報を保持させることも可能である。
【0038】
なお、印刷方式選択手段111は、例えば、マウス、キーボード、ディスプレイといったユーザとの間の入出力装置と、プログラムに従って動作するCPU等の情報処理装置によって実現される。また、データ変換手段112は、ユーザID取得手段113は、例えば、プログラムに従って動作するCPU等の情報処理装置によって実現される。また、印刷要求手段114は、例えば、ネットワーク上の各種サーバとの間の通信装置と、プログラムに従って動作するCPU等の情報処理装置とによって実現される。
【0039】
出力機器ユニット3は、データセンタ2とネットワークを介して接続され、少なくともプリンタや印刷機能を具備した複合機等の出力機器31を備える。なお、出力機器31のメーカおよび機種は問わない。なお、本実施形態では、出力機器31の傍らに、当該出力機器31と対応づけられている認証端末32が設置されているものとする。また、認証端末32は、表示装置33を含むものとする。
【0040】
認証端末32は、例えば、カードリーダI/F、タッチパネル、マウス、キーボード、ディスプレイといったユーザとの間の入出力装置を備えた操作端末であって、カードリーダなどを利用して印刷指示を行うユーザを特定するためのユーザIDをユーザがかざした認証用カードから読み取ってデータセンタ2に対してユーザ認証を要求し、ユーザ認証された情報を基に印刷ジョブの一覧を表示したり、その一覧に対するユーザ操作に応じて印刷ジョブおよび出力機器の指定を行い、データセンタ2に対して印刷実行要求を行う。
【0041】
図3は、出力機器ユニット3の構成例を機能面で示す機能ブロック図である。図3に示すように、出力機器ユニット3は、印刷手段311と、機器ID記憶手段321と、ユーザID取得手段322と、ユーザ認証手段323と、印刷ジョブ指定手段324と、印刷実行要求手段325とを含んでいてもよい。
【0042】
機器ID記憶手段321は、当該出力機器ユニット3が備える出力機器31(以下、単に当該出力機器31という。)に関する情報を保持(記憶)する。機器ID記憶手段321は、例えば、データセンタ側で、出力機器の情報(機種、型番、ドライバ情報等)を保持している場合には、それらの情報に紐付けられている機器ID(当該出力機器31を識別するための識別子)を保持してもよい。なお、当該出力機器31の情報そのものを保持してもよい。また、各出力機器に対応するための機能として、さらに機器連携手段(図示省略)を備えていてもよい。機器連携手段は、例えば、「品質優先」印刷方式の印刷ジョブについて、当該出力機器31に対して指定可能な印刷設定を行うためのメニュー表示や、印刷パラメータ設定/変更を行う。印刷パラメータの設定/変更は、例えば、印刷実行要求にその情報を含めることで実行できる。
【0043】
また、出力機器と認証端末とが異なる装置として実装される場合には、機器連携手段は、機器ID記憶手段321が保持する情報を最新の状態に保つために、当該出力機器31に定期的に問い合わせて情報を取得する機能を有していてもよい。なお、この場合、認証端末と対応づけられる出力機器31は複数であってもよい。そのような場合には、印刷ジョブの指定と併せてユーザに出力機器を選択させる機能や、出力状況に応じて当該出力機器31の中から自動で印刷処理を行わせる出力機器31を選択する機能を含んでいてもよい。
【0044】
印刷手段311は、印刷処理を実行する手段であって、一般の出力機器と同様でよい。
【0045】
ユーザID取得手段322は、当該出力機器31に対して要求済みの印刷ジョブの出力(印字処理)を要求するユーザのユーザIDを取得する。ユーザID取得手段322は、例えば、ユーザが所持している認証用カードからユーザIDを読み取るカードリーダを介して、ユーザIDを読み取ってもよい。なお、ユーザIDの取得方法は特に問わない。例えば、キーボード等を介してユーザに直接入力させてもよい。
【0046】
ユーザ認証手段323は、ユーザID取得手段322が取得したユーザIDを基に、認証サーバ23に対してユーザ認証を要求する。本実施形態では、ユーザ認証の結果、ユーザが認証されると、該ユーザが要求した印刷ジョブの一覧を受け取る。なお、ユーザ認証手段323は、ユーザ認証要求の代わりに、例えば、スプールサーバ22にユーザIDを含む印刷ジョブ一覧要求を送信してもよい。そのような場合には、データセンタ2側でその印刷ジョブ一覧要求を受け付ける際に、ユーザ認証を行えばよい。
【0047】
印刷ジョブ指定手段324は、ユーザ認証手段323によるユーザ認証の結果受け取った該ユーザの印刷ジョブの一覧を表示し、ユーザに当該出力機器31によって印字処理を行う印刷ジョブを指定させる。なお、印刷ジョブが1つしか保持されていない場合などには、印刷ジョブの指定処理を省略することも可能である。印刷ジョブの一覧は、例えば、認証端末32が備える表示装置33(図3における表示手段331)に表示してもよい。なお、表示装置33は、認証端末32や出力機器31と一体であってもよいし、単独で存在していてもよい。すなわち、認証端末が表示装置を備える場合には、該表示装置に表示してもよいし、出力機器が表示装置を備える場合には、該表示装置に表示してもよいし、表示装置が認証端末や出力機器とは独立して配備されている場合には、該表示装置に表示してもよい。
【0048】
印刷実行要求手段325は、印刷ジョブ指定手段324によって指定された印刷ジョブを識別するための印刷ジョブIDと、当該出力機器31(当該出力機器ユニット3が複数の出力機器31と対応づけれられている場合には、そのうちの実際に印字処理を行わせる出力機器31)の機器IDとを含む印刷実行要求をスプールサーバ22(より具体的には、印刷ジョブ管理手段221)にネットワークを介して送信する。なお、印刷実行要求とは、ユーザが以前に要求した印刷処理の実行を要求する旨を示す情報であって、スプールサーバ22に対して、指定した印刷ジョブについて、指定した出力機器に印刷用データを出力することを要求する情報である。本実施形態では、印刷実行要求は、要求元のユーザを識別するためのユーザIDと、印刷ジョブIDと、出力先の機器IDとを含むものとする。この他、例えば、ユーザが指定した印刷設定を示す情報を含んでいてもよい。なお、印刷ジョブIDだけで印刷ジョブを特定可能な場合には、ユーザIDを省略してもよい。また、データセンタ2側で出力機器の情報を保持していない場合には、出力先の機器IDの代わりに、該出力機器の情報を直接含ませてもよい。
【0049】
また、表示手段331は、印刷ジョブの一覧やメニュー表示等を行う、ディスプレイ等の出力装置である。
【0050】
なお、機器ID記憶手段321は、例えば、記憶装置によって実現される。また、ユーザID取得手段322は、例えば、出力機器ユニット3に接続されたカードリーダと、プログラムに従って動作するCPU等の情報処理装置とによって実現される。また、ユーザ認証手段323、印刷実行要求手段325、出力機器連携手段(図示せず)は、例えば、通信装置と、プログラムに従って動作するCPU等の情報処理装置とによって実現される。また、印刷ジョブ指定手段324は、マウス、キーボードといった入力装置と、プログラムに従って動作するCPU等の情報処理装置とによって実現される。また、表示手段331は、ディスプレイ等の表示装置によって実現される。
【0051】
図4は、データセンタ2の構成例を機能面で示す機能ブロック図である。図4に示すように、データセンタ2は、例えば、印刷ジョブ管理手段221と、印刷ジョブデータ記憶手段222と、認証手段231と、データ変換手段242とを含んでいてもよい。
【0052】
図1に示す例では、印刷ジョブ管理手段221は、例えば、スプールサーバ22によって実現される。また、印刷ジョブデータ記憶手段222は、例えば、スプールサーバ22とファイルサーバ21とによって実現される。また、認証手段231は、認証サーバ23によって実現される。また、データ変換手段242は、変換サーバ24によって実現される。
【0053】
印刷ジョブ管理手段221は、ユーザ端末1から印刷要求を受け付け、受け付けた印刷要求で示される印刷要求内容を印刷ジョブに関する情報として印刷ジョブデータ記憶手段222に記憶させる。また、出力機器ユニット3から印刷実行要求を受け付け、受け付けた印刷実行要求で指定される印刷ジョブIDと、印刷ジョブデータ記憶手段222に保持している印刷ジョブ情報とに基づいて、指定された印刷ジョブの印刷実行処理を行う。
【0054】
印刷ジョブ管理手段221は、印刷実行処理として、具体的には、当該印刷ジョブの対象データとして印刷用データが保持されていれば、そのまま指定された出力機器に出力し、印刷用データが保持されてなく出力対象ファイルが保持されていれば、データ変換手段242に印刷用データへの変換要求を行う。印刷用データへの変換がされると、変換された印刷用データを指定された出力機器に出力する。なお、データ変換手段242を複数備える場合には、指定された出力機器が対応するプリンタドライバ(以下、専用ドライバ241という。)を用いて印刷用データへの変換を行うデータ変換手段242にデータ変換を要求する。
【0055】
印刷ジョブデータ記憶手段222は、印刷ジョブ管理手段221が受け付けた印刷要求の内容を、印刷ジョブ情報として記憶する。印刷ジョブ情報は、例えば、印刷ジョブIDと、要求元のユーザIDと、出力対象ファイルまたはその所在情報と、印刷用データまたはその所在情報と、印刷用データに関する情報(用いたドライバ情報等)と、印刷設定を示す情報と、要求日時とを含む情報であってもよい。ここで、出力対象データまたはその所在情報と、印刷用データまたはその所在情報と、印刷用データに関する情報と、印刷設定を示す情報は、それぞれ印刷要求に含まれていれば記憶させ、なければNULLとすればよい。以下、「印刷ジョブの対象データ」と表現した場合には、印刷ジョブ情報に記憶されているまたは所在が示されている出力対象ファイルまたは印刷用データをそのいずれを区別なく指すものとする。
【0056】
認証手段231は、ユーザ端末1または出力機器ユニット3からの当該データセンタ2へのアクセスに際し、要求元のユーザおよび出力機器を認証する。認証手段231は、例えば、ユーザ端末1から印刷要求がスプールサーバ22宛てに送信された際に、その要求に含まれるユーザIDから要求元のユーザを認証する。また、例えば、出力機器ユニット3からユーザ認証要求が認証サーバ23に送信された際に、または印刷ジョブ一覧要求がスプールサーバ22宛てに送信された際に、その要求に含まれるユーザIDから要求元のユーザを認証する。また、例えば、出力機器ユニット3から印刷実行要求がスプールサーバ22宛てに送信された際に、その要求に含まれる機器IDから要求元の出力機器を認証する。ここで、認証とは、少なくとも要求元のユーザや出力機器がどのユーザであるかまたはどの機器であるか特定することをいい、さらに、受け取った情報が正しいことを証示する機能を含んでいてもよい。
【0057】
データ変換手段242は、印刷ジョブ管理手段221からの要求に基づき、指定された出力対象ファイルを印刷用データに変換する。このとき、指定された出力機器に対応するプリンタドライバを用いて印刷用データに変換する。各出力機器に対応するプリンタドライバは、事前に用意しておいてもよいし、出力機器が指定された後でネットワーク上で検索をし、取得するようにしてもよい。
【0058】
なお、データ変換手段242の他に、変換サーバ24は、専用ドライバの管理機能を有していてもよい。例えば、変換サーバ24は、出力機器固有のプリンタドライバを記憶する専用ドライバ記憶手段と、該専用ドライバ記憶手段に当該印刷システムが備える出力機器固有のプリンタドライバを、その出力機器の情報とともに記憶させる専用ドライバ登録手段とを有していてもよい。データ変換手段242は、例えば、指定された出力機器の情報を基に専用ドライバ記憶手段から当該出力機器固有のプリンタドライバを検索し、検索されたプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換すればよい。
【0059】
なお、印刷ジョブ管理手段221、認証手段231、データ変換手段242は、例えば、プログラムに従って動作するCPU等の情報処理装置によって実現される。また、印刷ジョブデータ記憶手段222は、例えば、データベースシステム等の記憶装置によって実現される。
【0060】
次に、本実施形態の動作について説明する。まず、各印刷方式における大まかな印刷対象のデータの流れおよび機器指定の流れを図1を参照して説明する。図1には、各印刷方式における印刷対象のデータの流れおよび機器指定の流れが、方式別順序を付した矢印で示されている。
【0061】
すなわち、丸1:「品質優先」印刷方式の場合、ユーザからユーザ端末1上で出力対象ファイルを指定して印刷指示が実施されると、ユーザ端末1は、出力対象ファイルをファイルサーバ21に格納し(丸1−1)、ユーザIDと、格納先等の出力対象ファイルの情報とを含む印刷要求をスプールサーバ22に送信する(丸1−2)。
【0062】
スプールサーバ22では、印刷要求を受信すると、その印刷要求に含まれるユーザIDと、当該印刷要求に対して割り当てた印刷ジョブIDと、要求内容に関する情報(出力対象ファイルの格納情報等)とを対応づけて、印刷ジョブ情報として記憶装置に記憶させる。
【0063】
その後、ユーザが、ある出力機器ユニット3の認証端末部分(認証端末32)に認証用カードをかざして、ユーザ認証を実施する。このとき、出力機器ユニット3は、認証用カードから読み取ったユーザIDを認証サーバ23に送信し(丸1−3)、認証サーバ23は、認証したユーザID情報と、機器情報とを基に、変換サーバ24に変換指示を送信する(丸1−4)。なお、ユーザ認証から変換指示までの間には、スプールサーバ22に保持されている該ユーザの印刷ジョブ一覧を表示して、ユーザに印刷ジョブを選択させ、スプールサーバ22に印刷実行要求を行う処理が含まれる。
【0064】
変換サーバは、認証したユーザID情報を基に、ファイルサーバ21から出力対象ファイルを抽出する(丸1−5)。また、指定された出力機器の情報を基に、指定された出力機器に対応する専用ドライバ241を用いて印刷用データを生成する(丸1−6)。
【0065】
印刷用データが生成されると、スプールサーバ22が、生成された印刷用データを指定された出力機器ユニット3に送信する(丸1−7)。出力機器ユニット3は、受信した印刷用データを基に印刷する。
【0066】
また、丸2:「速度優先」印刷方式の場合、ユーザからユーザ端末1上で出力対象ファイルを指定して印刷指示が実施されると、ユーザ端末1は、インストールされている共通ドライバ11を用いて指定された出力対象ファイルを印刷用データに変換し、ユーザIDと、変換した印刷用データとを含む印刷要求をスプールサーバ22に送信する(丸2−1)。
【0067】
スプールサーバ22では、印刷要求を受信すると、その印刷要求に含まれるユーザIDと、当該印刷要求に対して割り当てた印刷ジョブIDと、要求内容に関する情報(印刷用データの格納場所等)とを対応づけて、印刷ジョブ情報として記憶装置に記憶させる。
【0068】
その後、ユーザが、ある出力機器ユニット3の認証端末部分(認証端末32)に認証用カードをかざして、ユーザ認証を実施する。このとき、出力機器ユニット3は、認証用カードから読み取ったユーザIDを認証サーバ23に送信し(丸2−2)、認証したユーザID情報と、機器情報とを含む印刷実行指示をスプールサーバ22に送信する(丸2−3)。なお、ユーザ認証から印刷実行指示までの間には、スプールサーバ22に保持されている該ユーザの印刷ジョブ一覧を表示してユーザに印刷ジョブを選択させる処理が含まれる。
【0069】
スプールサーバ22は、引き継いだユーザID情報を基に、保持している該ユーザの印刷用データを指定された出力機器ユニット3に送信する(丸2−4)。出力機器ユニット3は、受信した印刷用データを基に印刷する。
【0070】
このように、ユーザに印刷方式を選択させ、選択された印刷方式に応じて、出力対象ファイルから印刷用データの変換のタイミングおよび用いるドライバを切り替えることによって、ユーザに対して最適な画質と処理速度とを両立させることができる。
【0071】
次に、図5〜8を参照して、本実施形態における各装置(各端末または各サーバ)の動作をより詳細に説明する。
【0072】
まず、「品質優先」印刷方式が選択される場合についての各装置の動作を、図5および図6を参照して説明する。各装置の動作は、大きく印刷要求にかかる動作と、印刷実行要求にかかる動作とに分けられる。図5は、「品質優先」印刷方式が選択された場合の印刷要求にかかる各装置の動作の一例を示すシーケンス図である。また、図6は、「品質優先」印刷方式が選択された場合の印刷実行要求にかかる各装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0073】
図5を参照すると、ユーザ端末1の共通ドライバ11は、出力対象ファイルを指定した印刷指示を受け付けると(ステップS101)、例えば、印刷方式選択手段111が、印刷設定画面を表示して、指定された出力対象ファイルに対して実施する印刷方式をユーザに選択させる(ステップS102)。印刷設定画面は、例えば、当該印刷システム用の共通プリンタに対して印刷設定を行うプロパティ画面として実装してもよい。図9は、ユーザ端末1で表示させる印刷設定画面の一例を示す説明図である。図9に示すように、印刷方式選択手段111は、通常のプリンタの印刷プロパティ画面にある項目に加えて、印刷方式を選択するための選択ボックス1111を含むプロパティ画面を表示するなどして、ユーザに印刷方式を選択させてもよい。
【0074】
ここで、選択された印刷方式が「品質優先」方式であった場合、印刷要求手段114は、指定された出力対象ファイルをファイルサーバ21に出力して、蓄積させた上で(ステップS111,S112)、ユーザID取得手段113が取得した要求元のユーザIDと、出力対象ファイルの格納場所等を示す情報と、ユーザが指定した印刷設定の情報とを含む印刷要求をスプールサーバ22に送信する(ステップS113)。なお、印刷要求についても、まず認証サーバ23が受信するようにし、認証手段231がユーザ認証を行った後でスプールサーバ22に送信するようにしてもよい。
【0075】
スプールサーバ22では、印刷ジョブ管理手段221が、ユーザ端末1からの印刷要求を受け付け、受け付けた印刷要求を基に印刷ジョブをスプールする(ステップS114)。印刷ジョブ管理手段221は、例えば、印刷ジョブIDを割り当て、割り当てた印刷ジョブIDとユーザIDと要求内容とを紐付けて印刷ジョブデータ記憶手段222に記憶する。以上により、印刷要求にかかる処理を終了する。本例の場合、印刷ジョブデータ記憶手段222には、当該印刷ジョブの対象データとして、出力対象ファイル(またはその所在情報)が記憶される。
【0076】
次に、「品質優先」印刷方式が選択された場合の印刷実行要求にかかる各装置の動作例を説明する。図6を参照すると、出力機器ユニット3の認証端末32にユーザが認証用カードをかざすと、ユーザID取得手段322が認証用カードからユーザIDを読み取る(ステップS201)。
【0077】
ユーザID取得手段322がユーザIDを読み取ると、ユーザ認証手段323が、認証サーバ23に、読み取ったユーザIDを含む認証要求を行う(ステップS202)。
【0078】
認証サーバ23では、認証手段231が認証要求に応じてユーザ認証を行い(ステップS203)、ユーザが認証された場合には、スプールサーバ22が該ユーザの印刷ジョブ一覧を認証要求元の出力機器ユニット3に出力する(ステップS204)。出力機器ユニット3では、印刷ジョブ指定手段324が、スプールサーバ22から受信した印刷ジョブ一覧の情報を表示装置33に表示させ(ステップS205)、ユーザに印刷実行を行う印刷ジョブを指定させる。
【0079】
ユーザにより印刷ジョブが指定されると、出力機器ユニット3の印刷実行要求手段325は、ユーザIDと、当該出力機器31の機器IDと、指定された印刷ジョブの印刷ジョブIDとを含む印刷実行要求をスプールサーバに送信する(ステップS206)。なお、印刷実行要求についても、まず認証サーバ23が受信するようにし、認証手段231が機器認証およびユーザ認証を行った後でスプールサーバ22に送信するようにしてもよい。
【0080】
スプールサーバ22の印刷ジョブ管理手段221は、出力機器ユニット3からの印刷実行要求を受け付けると、受け付けた印刷実行要求を基に、指定された印刷ジョブの対象データを確認する(ステップS207)。
【0081】
ここで、指定された印刷ジョブの対象データとして印刷用データが保持されていなく出力対象ファイルが保持されていれば、変換サーバ24に対して、出力対象ファイルの変換要求を行う(ステップS211)。変換要求には、出力機器の情報と、印刷設定の情報とを含ませる。なお、予めユーザ毎のデフォルトの印刷設定の情報を設定、保持しておいてもよい。
【0082】
変換サーバ24のデータ変換手段242は、出力対象ファイルの変換要求を受けて、指定された出力対象ファイルを、指定された出力機器に対応する専用ドライバ241を用いて印刷用データに変換して出力する(ステップS212)。
【0083】
印刷用データへの変換処理が完了すると、スプールサーバ22の印刷ジョブ管理手段221は、変換された印刷用データを、指定された出力機器(印刷実行要求元の出力機器ユニット3)に送信する(ステップS213)。印刷用データを受信した出力機器(出力機器ユニット3の出力機器31)は、印刷(実際に紙等への印字処理)を行う(ステップS214)。以上により、印刷実行要求にかかる処理を終了する。
【0084】
以上のように、「品質優先」印刷方式が選択された場合、ユーザの印刷指示に応じてスプールサーバ22に印刷要求を行うタイミングでは印刷用データへの変換は行わずに出力対象ファイルのまま印刷ジョブをスプールさせ、出力機器が指定されたタイミングで指定された出力機器に対応した専用ドライバを利用して印刷用データに変換して出力機器に出力するので、ユーザは、高品質な(共通ドライバを利用して変換した場合には得られない)印刷結果を得ることができる。例えば、指定した出力機器の機能を最大限に利用した装丁(例えば、画面レイアウト、面付け、ステイプル、カラー出力など)の印刷を行うことができる。
【0085】
次に、「速度優先」印刷方式が選択される場合についての各装置の動作を、図7および図8を参照して説明する。図7は、「速度優先」印刷方式が選択された場合の印刷要求にかかる各装置の動作の一例を示すシーケンス図である。また、図8は、「速度優先」印刷方式が選択された場合の印刷実行要求にかかる各装置の動作の一例を示すシーケンス図である。なお、図7におけるステップS101〜S103の動作は、図5に示したステップS101〜S103の動作と同様のため説明を省略する。
【0086】
図7を参照すると、選択された印刷方式が「品質優先」方式であった場合(ステップS103)、ユーザ端末1の印刷方式選択手段111は、データ変換手段112に対して出力対象ファイルの変換要求を行う。データ変換手段112は、印刷方式選択手段111からの要求に応じて、指定された出力対象ファイルを、共通ドライバ11を用いて印刷用データに変換する(ステップS121)。
【0087】
印刷用データへの変換処理が完了すると、印刷要求手段114は、ユーザID取得手段113が取得した要求元のユーザIDと、生成された印刷用データと、ユーザが指定した印刷設定の情報とを含む印刷要求をスプールサーバ22に送信する(ステップS122)。
【0088】
スプールサーバ22では、印刷ジョブ管理手段221が、ユーザ端末1からの印刷要求を受け付け、受け付けた印刷要求を基に印刷ジョブをスプールする(ステップS123)。以上により、印刷要求にかかる処理を終了する。本例の場合、印刷ジョブデータ記憶手段222には、当該印刷ジョブの対象データとして、印刷用データ(またはその所在情報)が記憶される。
【0089】
次に、「速度優先」印刷方式が選択された場合の印刷実行要求にかかる各装置の動作例を図8を参照して説明する。なお、図8におけるステップS201〜S206の動作は、図6に示したステップS201〜S206の動作と同様である。
【0090】
スプールサーバ22の印刷ジョブ管理手段221は、出力機器ユニット3からの印刷実行要求を受け付けると、受け付けた印刷実行要求を基に、指定された印刷ジョブの対象データを確認する(ステップS207)。
【0091】
ここで、指定された印刷ジョブの対象データとして印刷用データが保持されていれば、その印刷用データをそのまま指定された出力機器(印刷実行要求元の出力機器ユニット3)に送信する(ステップS221)。印刷用データを受信した出力機器(出力機器ユニット3の出力機器31)は、印刷(実際に紙等への印字処理)を行う(ステップS222)。以上により、印刷実行要求にかかる処理を終了する。
【0092】
以上のように、「速度優先」印刷方式が選択された場合、ユーザの印刷指示に応じてスプールサーバ22に印刷要求を行うタイミングで共通ドライバを利用して印刷用データに変換した上で印刷ジョブをスプールさせ、出力機器が指定されたタイミングではスプールされている印刷用データを指定された出力機器に出力するので、ユーザは、共通ドライバを利用して変換した印刷用データで可能な品質の印刷結果をすばやく得ることができる。なお、共通ドライバ対応の出力機器であれば、主要な印刷設定を反映させることもできる。
【0093】
なお、上記説明では、ユーザIDごとに印刷ジョブを管理する例を示したが、ユーザIDを使用せずに、スプールサーバ22が発行する印刷ジョブID(印刷ジョブを識別するためのID)によって直接管理する方法も可能である。例えば、ユーザ端末1の印刷要求手段114は、印刷要求をデータセンタ2に対して行ったその応答として印刷ジョブIDを受け付け、受け付けた印刷ジョブIDをユーザに提示する。出力機器側では、ユーザが印刷要求時に提示された印刷ジョブIDを出力機器ユニット3に入力することにより、ユーザID取得手段322が、ユーザIDに代わって印刷ジョブIDを取得し、取得した印刷ジョブIDと当該出力機器の機器IDとを含む印刷実行要求を印刷実行要求手段325がスプールサーバ22に対して行ってもよい。スプールサーバ22では、印刷実行要求を受け付けると、受け付けた印刷実行要求に含まれる印刷ジョブIDを認証し、認証された印刷ジョブIDで示される印刷ジョブの情報を基に印刷方式に応じた印刷実行処理を行えばよい。
【0094】
また、上記説明では、「速度優先」印刷方式が選択された場合に、共通ドライバ11を利用して印刷用データに変換する例を示したが、共通ドライバ11による変換機能は、必ずしも複数の出力機器が対応する所定の共通仕様に準ずるものでなくてもよい。例えば、設定により、他のプリンタドライバ(例えば、通常使用するプリンタに対応したプリンタドライバ)の変換機能を利用してデータ変換を行えるようにしてもよい。また、例えば、「速度優先」印刷方式が選択された場合に、印刷用データと出力対象ファイルの情報の両方を印刷ジョブの情報として保持するようにしてもよい。そのような場合には、指定された出力機器が変換ずみの印刷用データに対応していない場合であっても、その時点からオンデマンドでプリンタドライバを適用して出力対象ファイルから印刷用データに変換することができ、印刷処理を完了することができる。
【0095】
実施形態2.
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、印刷方式を選択する段階での補助機能として、本システムに対応した出力機器の設置場所と、性能とを表示する。
【0096】
図10は、本発明の第2の実施形態の印刷システムの構成例を示すブロック図である。図10に示す印刷システムは、図1に示す第1の実施形態と比べて、データセンタ2を構成するサーバとして、さらに、出力機器管理サーバ25を備える点が異なる。
【0097】
出力機器管理サーバ25は、本システムに対応した出力機器に関する情報を提供するWebサービスを実施するサーバである。なお、本システムに対応した出力機器は、必ずしも出力機器自体に特別な機能を有していなくてもよく、例えば、1つの出力機器ユニット3として、認証端末32と対応づけられていることにより、少なくとも印刷実行要求を行える機能が備わっていればよい。
【0098】
図10では、さらに、出力機器検索の流れとして、印刷要求を行う前に、出力機器管理サーバ25に位置情報を送信し、送信した位置情報付近に設置している本システムに対応している出力機器の情報を受信する例が示されている(丸1−0、丸2−0)。
【0099】
また、図11は、本実施形態のユーザ端末1の構成例を示すブロック図である。図11に示す例では、図2に示す第1の実施形態と比べて、さらに、位置情報取得手段115と、出力機器検索手段116とを備える点が異なる。
【0100】
位置情報取得手段115は、出力機器の検索条件とする位置情報を取得する。位置情報取得手段115は、例えば、GPS(Global Positioning System)を利用して、当該ユーザ端末1の現在位置を入力してもよい。また、ユーザに直接入力させてもよい。また、例えば、QR(Quick Response)コード(登録商標)やRFIDと住所情報とが紐付いたデーベースと連動可能であれば、QRコードやRFIDを基に代行入力を行ってもよい。
【0101】
出力機器検索手段116は、位置情報取得手段115が取得した位置情報を基に、データセンタ2(より具体的には、出力機器管理サーバ25)に対して、位置情報が示す位置から近い場所に設置されている出力機器を問い合わせ、該当する出力機器に関する情報(設置位置、性能、稼働状態等)を受信し、ユーザに提示する。
【0102】
また、図12は、本実施形態のデータセンタ2の構成例を示す機能ブロック図である。図12に示す構成例は、図4に示す第1の実施形態と比べて、出力機器データ管理手段251を備える点が異なる。
【0103】
出力機器データ管理手段251は、本システムに対応した出力機器に関する情報を保持し、位置情報を含む検索要求に応じて、該位置情報が示す位置から近い場所に設置されている出力機器に関する情報を出力する。
【0104】
図13は、ユーザ端末1で表示させる印刷設定画面の一例を示す説明図である。図13に示すように、本実施形態では、例えば、印刷設定画面に、当該印刷システムに対応している出力機器の一覧および詳細情報を表示するプリンタ検索ボックス1112を加える。出力機器検索手段116は、例えば、印刷設定画面において、検索要求の結果受信した対応出力機器の一覧を表示してもよい。そして、ユーザからの一覧内の出力機器の選択操作を受けて、該当出力機器の性能を表示してもよい。図13では、プリンタ検索ボックス1112として、位置情報の入力方法の選択用のラジオボックスや、テキスト入力ボックス、それによって入力された位置情報による検索を行う旨を指示する検索ボタン、検索の結果取得された最寄りのプリンタの一覧表示用のボックス、選択したプリンタの情報として、設置場所や、印刷開始までの待ち時間、出力枚数/分といった処理速度を表示するボックスを含む例が示されている。なお、これらの各情報は、出力機器データ管理手段251によって収集、保持されている情報である。
【0105】
以上のように、本実施形態によれば、現在位置またはユーザが指定した位置に近い場所に設置されている出力機器の情報をユーザに提示することができるので、ユーザが自分でプリンタを捜す手間を省くことができるだけでなく、提示された情報を基に状況に応じた最適な印刷方式を選択することができる。例えば、ユーザが意図している装丁や処理速度を実現可能か否かを事前に把握することができる。
【0106】
なお、本実施形態では、位置情報から最寄りの出力機器を検索する方法を示したが、検索条件は位置情報に限定されず、例えば、所定の機能を有している出力機器を検索することも可能である。そのような場合には、検索条件をユーザに選択させるインタフェースを追加すればよい。特殊な装丁で印刷したい、または大量の印刷を所定の時間内に終わらせたいといったユーザの要望に合致する出力機器の情報を提示することができる。
【0107】
次に、本発明の概要について説明する。図14は、本発明の概要を示すブロック図である。図14に示すように、本発明による印刷システムは、印刷ジョブ情報記憶手段701と、印刷方式選択手段702と、第1の印刷要求手段703と、第2の印刷要求手段704と、出力機器指定受付手段705と、オンデマンド印刷用データ変換手段706とを備えている。
【0108】
印刷ジョブ情報記憶手段701は、受け付けた印刷ジョブの情報を記憶する。なお、印刷ジョブ情報記憶手段701は、上記実施形態では印刷ジョブデータ記憶手段222として示されている。
【0109】
印刷方式選択手段702は、ユーザからの印刷指示に対して、該ユーザに、出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させる。なお、印刷方式選択手段702は、上記実施形態では印刷方式選択手段111として示されている。
【0110】
第1の印刷要求手段703は、印刷方式として速度優先印刷方式が選択された場合に、所定のプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を印刷ジョブ情報記憶手段701に記憶させる。なお、第1の印刷要求手段703は、上記実施形態では印刷要求手段114として示されている。
【0111】
第2の印刷要求手段704は、印刷方式として品質優先印刷方式が選択された場合に、出力対象ファイルまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を印刷ジョブ情報記憶手段701に記憶させる。なお、第2の印刷要求手段704は、上記実施形態では印刷要求手段114として示されている。
【0112】
出力機器指定受付手段705は、印刷ジョブ情報記憶手段701に記憶されている印刷ジョブに対する、ユーザからの出力機器の指定を受け付ける。なお、出力機器指定受付手段705は、上記実施形態では印刷ジョブ管理手段221として示されている。
【0113】
オンデマンド印刷用データ変換手段706は、出力機器指定受付手段705が出力機器の指定を受け付けたときに、印刷ジョブ情報記憶手段701に印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報が記憶されていない場合に、指定された出力機器が対応するプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換する。なお、オンデマンド印刷用データ変換手段706は、上記実施形態ではデータ変換手段242として示されている。
【0114】
また、第1の印刷要求手段703は、複数の出力機器が対応する所定の共通仕様に準じた印刷用データへの変換を行う共通ドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を印刷ジョブ情報記憶手段701に記憶させてもよい。
【0115】
図15は、本発明の印刷システムの他の構成例を示すブロック図である。図15に示すように、本発明の印刷システムは、さらに、ユーザ識別子入力手段711と、印刷実行要求手段712とを備えていてもよい。また、出力機器検索条件取得手段721と、出力機器検索手段722と、出力機器情報表示手段723とを備えていてもよい。また、専用ドライバ記憶手段601と、専用ドライバ登録手段602とを備えていてもよい。
【0116】
ユーザ識別子入力手段711は、少なくとも印刷機能を具備した出力機器を含む出力機器ユニットに、ユーザ操作に応じて当該ユーザのユーザ識別子を入力する。なお、ユーザ識別子入力手段711は、上記実施形態ではユーザID取得手段322として示されている。
【0117】
印刷実行要求手段712は、ユーザ識別子入力手段711を介して入力されたユーザ識別子を基に、該ユーザの印刷ジョブに対して、当該出力機器または当該認証端末と対応づけられた出力機器を指定した印刷実行要求を行う。なお、印刷実行要求手段712は、上記実施形態では印刷実行要求手段325として示されている。印刷実行要求手段712は、例えば、ユーザ識別子入力手段711を介して入力されたユーザ識別子を基に該ユーザの印刷ジョブの一覧を表示し、表示した印刷ジョブの一覧に対するユーザ操作に応じて、印刷ジョブと出力機器とを指定した印刷実行要求を行ってもよい。
【0118】
そのような構成の場合、出力機器指定受付手段705は、印刷実行要求手段712からの印刷実行要求を受け付けることにより、印刷ジョブ情報記憶手段701に記憶されている印刷ジョブに対する、ユーザからの出力機器の指定を受け付けてもよい。
【0119】
また、出力機器検索条件取得手段721は、出力機器の検索条件とする情報を取得する。なお、出力機器検索条件取得手段721は、上記実施形態では位置情報取得手段115として示されている。
【0120】
出力機器検索手段722は、出力機器検索条件取得手段721により取得された情報を条件に、出力機器を検索する。なお、出力機器検索手段722は、上記実施形態では、出力機器検索手段116として示されている。
【0121】
出力機器情報表示手段723は、出力機器検索手段722によって検索された出力機器の所在地を含む情報を表示する。なお、出力機器情報表示手段723は、上記実施形態では、出力機器検索手段116として示されている。
【0122】
また、印刷方式選択手段702は、ユーザから出力対象ファイルを指定した印刷指示を受け付けた際に、ユーザ操作に応じて表示する印刷設定を行うための印刷設定画面を利用して、該ユーザに、指定された出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させてもよい。
【0123】
専用ドライバ記憶手段601は、出力機器固有のプリンタドライバを記憶する。専用ドライバ登録手段602は、専用ドライバ記憶手段601に、当該印刷システムが備える出力機器固有のプリンタドライバを、該出力機器の情報とともに記憶させる。
【0124】
そのような構成の場合、オンデマンド印刷用データ変換手段706は、指定された出力機器の情報を基に専用ドライバ記憶手段601から当該出力機器固有のプリンタドライバを検索し、検索されたプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換してもよい。
【0125】
また、図16は、本発明の印刷システムの他の構成例を示すブロック図である。また、図16は、当該印刷システムを構成する、印刷指示端末、印刷サーバ、変換サーバ、出力機器ユニットの構成例を示すブロック図でもある。図16に示すように、本発明による印刷システムは、ユーザが操作する印刷指示端末と、印刷サーバと、変換サーバと、少なくとも印刷機能を具備した出力機器を含む1つ以上の出力機器ユニットとを備えていてもよい。
【0126】
印刷指示端末(例えば、ユーザ端末1)は、例えば、上述の印刷方式選択手段702と、第1の印刷要求手段703と、第2の印刷要求手段704とを備えていてもよい。
【0127】
また、印刷サーバ(例えば、スプールサーバ22および認証サーバ23)は、例えば、印刷要求受付手段801と、印刷ジョブ情報登録手段802と、出力機器指定受付手段705と、第1の印刷実行手段803と、第2の印刷実行手段804とを備えていてもよい。なお、印刷要求受付手段801、印刷ジョブ情報登録手段802、出力機器指定受付手段705、第1の印刷実行手段803、第2の印刷実行手段804は、上記実施形態では、全て印刷ジョブ管理手段221として示されている。
【0128】
印刷要求受付手段801は、ユーザ端末から出力機器が指定されていない印刷要求を受け付ける。
【0129】
印刷ジョブ情報登録手段802は、印刷要求受付手段801が受け付けた印刷要求を基に、印刷ジョブの情報をネットワーク上の記憶手段(例えば、印刷ジョブ情報記憶手段701)に記憶させる。なお、当該記憶手段を、印刷サーバが備えていてもよい。
【0130】
第1の印刷実行手段803は、出力機器指定受付手段705が出力機器の指定を受け付けたときに、記憶手段に記憶されている印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を基に取得した印刷用データを、指定された出力機器に出力する。
【0131】
第2の印刷実行手段804は、出力機器指定受付手段705が出力機器の指定を受け付けたときに、指定された出力機器が対応するプリンタドライバを用いて、記憶手段に記憶されている出力対象ファイルそのネットワーク上の所在を示す情報を基に取得した出力対象ファイルを印刷用データに変換するオンデマンド印刷用データ変換手段706に変換要求を行い、変換要求の結果変換された印刷用データを、指定された出力機器に出力する。
【0132】
また、変換サーバ(例えば、変換サーバ24)は、例えば、上述のオンデマンド印刷用データ変換手段706を備えていてもよい。
【0133】
また、各出力機器ユニット(例えば、出力機器ユニット3)は、上述のユーザ識別子入力手段711と、印刷実行要求手段712とを備えていてもよい。
【0134】
また、図17は、本発明による印刷システムの他の構成例および当該印刷システムを構成する印刷指示端末、印刷サーバ、変換サーバ、出力機器ユニットの構成例を示すブロック図もある。図17に示すように、本発明による印刷システムは、シンクライアント端末にデスクトップ環境を提供するデスクトップサービス提供サーバと、デスクトップサービス提供サーバからの要求に応じてユーザのデータファイルを記憶するファイルサーバと、デスクトップサービス提供サーバからの要求に応じて印刷のための処理を行う印刷サーバとを備えた構成であってもよい。
【0135】
そのような構成の場合、デスクトップサービス提供サーバは、ユーザからのあるデータファイルに対する印刷指示に対して、該ユーザに出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させる処理、印刷方式として速度優先印刷方式が選択された場合に、所定のプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む印刷要求を印刷サーバに送信する処理、および印刷方式として品質優先印刷方式が選択された場合に、出力対象ファイルのネットワーク上の所在を示す情報を含む印刷要求を印刷サーバに送信する処理を行うデスクトップ環境をシンクライアント端末に提供するデスクトップ環境提供手段を含んでいてもよい。
【0136】
また、変換サーバは、さらに、上述の専用ドライバ記憶手段601と、専用ドライバ登録手段602とを含んでいてもよい。
【0137】
また、図18は、本発明による印刷方法の概要を示すフローチャートである。図17に示すように、本発明による印刷方法は、ユーザからの印刷指示に対して、該ユーザに、出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させるステップ(ステップS701)と、印刷方式として速度優先印刷方式が選択された場合に、所定のプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を、ネットワーク上の記憶手段であって受け付けた印刷ジョブの情報を記憶する所定の記憶手段に記憶させるステップ(ステップS702,S703)と、印刷方式として品質優先印刷方式が選択された場合に、出力対象ファイルまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を該記憶手段に記憶させるステップ(ステップS704)と、該記憶手段に記憶されている印刷ジョブに対するユーザからの出力機器の指定を受け付けるステップ(ステップS705)と、出力機器の指定を受け付けたときに、該記憶手段に印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報が記憶されている場合には、該記憶手段に記憶されている印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を基に取得した印刷用データを指定された出力機器に出力するステップ(ステップS706)と、出力機器の指定を受け付けたときに、該記憶手段に印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報が記憶されていない場合には、該記憶手段に記憶されている出力対象ファイルそのネットワーク上の所在を示す情報を基に取得した出力対象ファイルを印刷用データに変換するオンデマンド印刷用データ変換手段に変換要求を行い、変換要求の結果変換された印刷用データを指定された出力機器に出力するステップ(ステップS707,S708)とを含んでいてもよい。
【0138】
このような構成を備えることによって、ユーザにとって最適な、印刷結果の画質とリードタイムとの両立を可能にする。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、ネットワークを介して接続される出力機器を1つ以上備えた印刷システムであれば、機種に依存することなく好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0140】
1 ユーザ端末
11 共通ドライバ
111 印刷方式選択手段
112 データ変換手段
113 ユーザID取得手段
114 印刷要求手段
115 位置情報取得手段
116 出力機器検索手段
12 OS/アプリケーション
2 データセンタ
21 ファイルサーバ
22 スプールサーバ
221 印刷ジョブ管理手段
222 印刷ジョブデータ記憶手段
23 認証サーバ
231 認証手段
24 変換サーバ
241 専用ドライバ
242 データ変換手段
25 出力機器管理サーバ
251 出力機器データ管理手段
3 出力機器ユニット
31 出力機器
311 印刷手段
32 認証端末
321 出力機器ID記憶手段
322 ユーザID取得手段
323 ユーザ認証手段
324 印刷ジョブ指定手段
325 印刷実行要求手段
33 表示装置
331 表示手段
500 ネットワーク
601 専用ドライバ記憶手段
602 専用ドライバ登録手段
701 印刷ジョブ情報記憶手段
702 印刷方式選択手段
703 第1の印刷要求手段
704 第2の印刷要求手段
705 出力機器指定受付手段
706 オンデマンド印刷用データ変換手段
711 ユーザ識別子入力手段
712 印刷実行要求手段
721 出力機器検索条件取得手段
722 出力機器検索手段
723 出力機器情報表示手段
801 印刷要求受付手段
802 印刷ジョブ情報登録手段
803 第1の印刷実行手段
804 第2の印刷実行手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け付けた印刷ジョブの情報を記憶する印刷ジョブ情報記憶手段と、
ユーザからの印刷指示に対して、該ユーザに、出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させる印刷方式選択手段と、
印刷方式として速度優先印刷方式が選択された場合に、所定のプリンタドライバを用いて前記出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を前記印刷ジョブ情報記憶手段に記憶させる第1の印刷要求手段と、
印刷方式として品質優先印刷方式が選択された場合に、前記出力対象ファイルまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を前記印刷ジョブ情報記憶手段に記憶させる第2の印刷要求手段と、
前記印刷ジョブ情報記憶手段に記憶されている印刷ジョブに対する、ユーザからの出力機器の指定を受け付ける出力機器指定受付手段と、
前記出力機器指定受付手段が出力機器の指定を受け付けたときに、前記印刷ジョブ情報記憶手段に印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報が記憶されていない場合に、指定された出力機器が対応するプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換するオンデマンド印刷用データ変換手段とを備えた
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
第1の印刷要求手段は、複数の出力機器が対応する所定の共通仕様に準じた印刷用データへの変換を行う共通ドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を前記印刷ジョブ情報記憶手段に記憶させる
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
少なくとも印刷機能を具備した出力機器、または前記出力機器と対応づけられた認証端末に、ユーザ操作に応じて当該ユーザのユーザ識別子を入力するユーザ識別子入力手段と、
前記ユーザ識別子入力手段を介して入力されたユーザ識別子を基に、前記ユーザの印刷ジョブに対して、当該出力機器または当該認証端末と対応づけられた出力機器を指定した印刷実行要求を行う印刷実行要求手段とを備え、
出力機器指定受付手段は、前記印刷実行要求手段からの印刷実行要求を受け付けることにより、印刷ジョブ情報記憶手段に記憶されている印刷ジョブに対する、ユーザからの出力機器の指定を受け付ける
請求項1または請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
出力機器の検索条件とする情報を取得する出力機器検索条件取得手段と、
前記出力機器検索条件取得手段により取得された情報を条件に、出力機器を検索する出力機器検索手段と、
前記出力機器検索手段によって検索された出力機器の所在地を含む情報を表示する出力機器情報表示手段とを備えた
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項5】
出力機器情報表示手段は、出力機器の所在地と性能とを含む情報を表示する
請求項4に記載の印刷システム。
【請求項6】
印刷方式選択手段は、ユーザから出力対象ファイルを指定した印刷指示を受け付けた際に、ユーザ操作に応じて表示する印刷設定を行うための印刷設定画面を利用して、該ユーザに、指定された出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させる
請求項5に記載の印刷システム。
【請求項7】
出力機器固有のプリンタドライバを記憶する専用ドライバ記憶手段と、
前記専用ドライバ記憶手段に、当該印刷システムが備える出力機器固有のプリンタドライバを、該出力機器の情報とともに記憶させる専用ドライバ登録手段とを備え、
オンデマンド印刷用データ変換手段は、指定された出力機器の情報を基に前記専用ドライバ記憶手段から当該出力機器固有のプリンタドライバを検索し、検索されたプリンタドライバを用いて出力対象ファイルを印刷用データに変換する
請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項8】
ユーザが操作するシンクライアント端末にデスクトップ環境を提供するデスクトップサービス提供サーバと、前記デスクトップサービス提供サーバからの要求に応じて前記ユーザのデータファイルを記憶するファイルサーバと、前記デスクトップサービス提供サーバからの要求に応じて印刷のための処理を行う印刷サーバとを備え、
前記デスクトップサービス提供サーバは、
ユーザからのあるデータファイルに対する印刷指示に対して、該ユーザに出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させる処理、印刷方式として速度優先印刷方式が選択された場合に、所定のプリンタドライバを用いて前記出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む印刷要求を前記印刷サーバに送信する処理、および印刷方式として品質優先印刷方式が選択された場合に、前記出力対象ファイルのネットワーク上の所在を示す情報を含む印刷要求を前記印刷サーバに送信する処理を行うデスクトップ環境を前記シンクライアント端末に提供するデスクトップ環境提供手段を含む
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項9】
少なくとも印刷機能を具備した出力機器を含む1以上の出力機器ユニットを備え、
前記各出力機器ユニットは、
ユーザ操作に応じて当該ユーザのユーザ識別子を入力するユーザ識別子入力手段と、
前記ユーザ識別子入力手段を介して入力されたユーザ識別子を基に、前記ユーザの印刷ジョブに対して、当該出力機器ユニットに含まれる出力機器を指定した印刷実行要求を行う印刷実行要求手段とを含む
請求項8に記載の印刷システム。
【請求項10】
ユーザからの印刷指示に対して、該ユーザに、出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させる印刷方式選択手段と、
印刷方式として速度優先印刷方式が選択された場合に、所定のプリンタドライバを用いて前記出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を、ネットワーク上の記憶手段であって受け付けた印刷ジョブの情報を記憶する所定の記憶手段に記憶させる第1の印刷要求手段と、
印刷方式として品質優先印刷方式が選択された場合に、前記出力対象ファイルまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を前記記憶手段に記憶させる第2の印刷要求手段とを備えた
ことを特徴とする印刷指示端末。
【請求項11】
ユーザ端末から出力機器が指定されていない印刷要求を受け付ける印刷要求受付手段と、
前記印刷要求受付手段が受け付けた印刷要求を基に、印刷ジョブの情報をネットワーク上の記憶手段に記憶させる印刷ジョブ情報登録手段と、
前記記憶手段に記憶されている印刷ジョブに対する、ユーザからの出力機器の指定を受け付ける出力機器指定受付手段と、
前記出力機器指定受付手段が出力機器の指定を受け付けたときに、前記記憶手段に記憶されている印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を基に取得した印刷用データを、指定された出力機器に出力する第1の印刷実行手段と、
前記出力機器指定受付手段が出力機器の指定を受け付けたときに、指定された出力機器が対応するプリンタドライバを用いて、前記記憶手段に記憶されている出力対象ファイルそのネットワーク上の所在を示す情報を基に取得した出力対象ファイルを印刷用データに変換するオンデマンド印刷用データ変換手段に変換要求を行い、前記変換要求の結果変換された印刷用データを、指定された出力機器に出力する第2の印刷実行手段とを備えた
ことを特徴とする印刷サーバ。
【請求項12】
ユーザからの印刷指示に対して、該ユーザに、出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させ、
印刷方式として速度優先印刷方式が選択された場合に、所定のプリンタドライバを用いて前記出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を、ネットワーク上の記憶手段であって受け付けた印刷ジョブの情報を記憶する所定の記憶手段に記憶させ、
印刷方式として品質優先印刷方式が選択された場合に、前記出力対象ファイルまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を前記記憶手段に記憶させ、
前記記憶手段に記憶されている印刷ジョブに対するユーザからの出力機器の指定を受け付け、
前記出力機器の指定を受け付けたときに、前記記憶手段に印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報が記憶されている場合には、前記記憶手段に記憶されている印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を基に取得した印刷用データを指定された出力機器に出力し、
前記出力機器の指定を受け付けたときに、前記記憶手段に印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報が記憶されていない場合には、前記記憶手段に記憶されている出力対象ファイルそのネットワーク上の所在を示す情報を基に取得した出力対象ファイルを印刷用データに変換するオンデマンド印刷用データ変換手段に変換要求を行い、前記変換要求の結果変換された印刷用データを指定された出力機器に出力する
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項13】
コンピュータに、
ユーザからの印刷指示に対して、該ユーザに、出力対象ファイルに適用させる印刷方式を選択させる処理、
印刷方式として速度優先印刷方式が選択された場合に、所定のプリンタドライバを用いて前記出力対象ファイルを印刷用データに変換し、変換された印刷用データまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を、ネットワーク上の記憶手段であって受け付けた印刷ジョブの情報を記憶する所定の記憶手段に記憶させる処理、および
印刷方式として品質優先印刷方式が選択された場合に、前記出力対象ファイルまたはそのネットワーク上の所在を示す情報を含む情報を前記記憶手段に記憶させる処理
を実行させる印刷プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−208886(P2012−208886A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75784(P2011−75784)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】