説明

印刷システム

【課題】連続紙を印刷して裁断する場合であっても、好適な裁断位置で裁断することができる印刷システムを提供する。
【解決手段】連続紙に印刷情報を印刷すると共に連続紙を裁断するための裁断位置を示す裁断情報(マーク)を印刷する印刷装置と、該印刷装置を通過した連続紙から裁断情報を検出して、該検出した裁断情報が示す裁断位置で連続紙を裁断する裁断装置を有する印刷システムであって、連続紙に印刷情報が印刷される前に、該印刷情報と等しい長さのページ長の頁(SEP)を挿入すると共に、該挿入した印刷情報と等しい長さのページ長の頁に対してマークが印刷されるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続紙を印刷して裁断する印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より連続紙を印刷する印刷装置が知られているが、ミシン目等の無い連続紙を印刷してスタッカ等に収容する場合には、スタッカに収容する前に連続紙を裁断する必要がある。従って、印刷装置の後段に連続紙を裁断する裁断装置を配置し、印刷装置で印刷された連続紙を後段の裁断装置で裁断する印刷システムが提案されている。
【0003】
このような印刷システムには、前段の印刷装置で連続紙に裁断位置を示すマークを印刷し、該マークを後段の裁断装置で検出し、マークが示す裁断位置で連続紙を裁断することができるものもある。
【0004】
なお、連続紙を印刷する印刷装置では、連続紙の先端からすぐに印刷を開始することができないため、印刷開始直後にはマークが印刷されない白紙ページが形成されてしまう。また、印刷停止後も白紙ページが形成される。特に、複数の印刷ステーションが連続して連なり、多重転写を行なう印刷装置の場合には、白紙ページも長くなる。後段の裁断装置では、前述のスタッカのサイズ等に合わせて、実際に印刷された部分だけでなくこの白紙ページもページ長単位で裁断している。
【0005】
なお、連続紙として搬送用の穴がある穴あき用紙等を用い、連続紙をページ単位で搬送する従来の印刷装置では、印刷動作の開始からページ単位で搬送すると共に、印刷停止時にも同様にページ単位で搬送することができるため、印刷動作を一旦停止した後に印刷を再開しても、実際に連続紙に印刷されるまでの白紙ページがページ長単位となり、常にページ単位での裁断が可能となる。
【0006】
しかし、連続紙として穴の無い用紙を用い、モータの加速誤差等により搬送量が不定長となる印刷装置は、ページ長単位で動作することができない。従って、起動時や停止時にマークの無い状態で形成される白紙ページがページ長単位にならない。
【0007】
なお、連続紙に論理ページを連接して印刷しカットするプリンタ装置であって、連続紙の用紙長と印刷ジョブの論理ページ長とを比較し、比較結果、用紙長が印刷ジョブの論理ページ長の整数倍のときに印刷するプリンタ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)が、この技術は、ページ長単位で動作しないプリンタには対応していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−20278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、連続紙を印刷して裁断する場合であっても、好適な裁断位置で裁断することができる印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明の印刷システムは、連続紙に印刷情報を印刷すると共に連続紙を裁断するための裁断位置を示す裁断情報を印刷する印刷手段、及び前記印刷手段の印刷を制御する印刷制御手段を備えた印刷装置と、前記印刷装置を通過した連続紙を裁断する裁断手段、前記印刷装置を通過した連続紙を前記裁断手段に搬送する搬送手段、前記搬送手段の搬送中に前記連続紙から前記裁断情報を検出する検出手段、前記検出手段により検出した裁断情報が示す裁断位置で前記連続紙が裁断されるように前記裁断手段を制御する裁断制御手段を備えた裁断装置と、を有し、前記印刷制御手段は、前記印刷手段により前記印刷情報が印刷される前に、前記印刷情報と等しい長さのページ長の頁を挿入すると共に、該挿入した頁に対して前記裁断情報が印刷されるように前記印刷手段を制御することを特徴とするものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の印刷システムにおいて、前記印刷制御手段は、第1の印刷情報を印刷して印刷を停止した後に、前記第2の印刷情報を印刷する場合には、前記第2の印刷情報が印刷される前に、前記第2の印刷情報と等しいページ長の頁を挿入し、第1の印刷情報と第2の印刷情報とを連続して印刷する場合には、前記第2の印刷情報が印刷される前に、前記第2の印刷情報と等しいページ長の頁を挿入しないことを特徴とするものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の印刷システムにおいて、前記裁断制御手段は、前記印刷情報に対応して印刷された裁断情報が示す裁断位置で裁断が行われ、前記挿入した頁に対して印刷された裁断情報が示す裁断位置に拘わらず裁断が行われるように前記裁断手段を制御することを特徴とするものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3記載の印刷システムにおいて、前記裁断制御手段は、前記裁断手段による裁断位置から前記搬送手段の搬送方向上流側の所定範囲内で前記裁断情報が前記検出手段により検出されない場合には、予め設定された設定長で前記連続紙が裁断されるように前記裁断手段を制御し、前記挿入した頁に対して印刷された裁断情報が前記検出手段により検出された場合には、該裁断情報が検出される前の最後の裁断位置と該検出された裁断情報が示す裁断位置との間隔に、前記ページ長を加算した値を2で除算した値が示す長さだけ、前記最後の裁断位置より前記連続紙の搬送方向上流側の位置で前記連続紙が裁断されるように前記裁断手段を制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、連続紙を印刷して裁断する場合であっても、好適な裁断位置で裁断することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1〜第3の実施の形態に係る印刷システムの構成を示す図である。
【図2】後処理装置に設けられた後処理機構部の構成を示す構成図である。
【図3】表面印刷装置及び裏面印刷装置の制御系の構成を示したブロック図である。
【図4】後処理装置の制御系の構成を示したブロック図である。
【図5】第1の実施の形態の印刷システムで印刷される連続紙Pの印刷状態の一例を示す図である。
【図6】第1〜第3の実施の形態の印刷システムのシステム構成を模式的に示した図である。
【図7】第1の実施の形態における後処理装置で実行される裁断処理プログラムの流れを示すフローチャートである。
【図8】図8(A)〜(C)は、裁断位置の決定方法を説明する説明図である。
【図9】図9(A)は、第1の実施の形態の後処理装置の後処理機構部の構成を示した図であり、図9(B)は、第2の実施の形態の後処理装置の後処理機構部の構成を示した図である。
【図10】第3の実施の形態の後処理装置で実行される裁断処理プログラムの流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態に係る印刷システム10の構成を示す図である。
【0018】
この印刷システム10は、搬送用の穴が無い連続紙であって折れ線やミシン目が形成されていない連続紙Pを印刷することができる印刷システム10であって、該連続紙Pの表面を印刷する表面印刷装置12と該連続紙Pの裏面を印刷する裏面印刷装置14とを含んで構成されている。
【0019】
表面印刷装置12と裏面印刷装置14との間には、連続紙Pの表裏を反転する表裏反転装置18が配置されている。表裏反転装置18は、表面印刷装置12で印刷された連続紙Pの表裏を反転し、裏面印刷装置14に該反転した連続紙Pを搬送する。裏面印刷装置14は、表裏反転装置18から搬送された連続紙Pの裏面を印刷する。
【0020】
また、表面印刷装置12の前段には給紙装置16が配置されている。給紙装置16は、表面印刷装置12に連続紙Pを供給する。
【0021】
また、裏面印刷装置14の後段には、バッファ装置20を介して後処理装置30が配置されている。後処理装置30は、本発明の裁断装置に相当し、裏面印刷装置14から搬送された連続紙Pを裁断する。
【0022】
表面印刷装置12及び裏面印刷装置14の内部構成は同一である。図1に示すように、表面印刷装置12及び裏面印刷装置14は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色の画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kが設けられたタンデム形式の印刷装置である。
【0023】
表面印刷装置12及び裏面印刷装置14は同一構成となっている。表面印刷装置12及び裏面印刷装置14には、画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kの他に、複数の搬送ローラ26が設けられており、該複数の搬送ローラ26によって画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kに対して連続紙Pが搬送される。
【0024】
画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kは、搬送ローラ26によって搬送された連続紙Pに印刷情報を印刷する。また、印刷情報近傍には、印刷情報を印刷した部分を裁断するための裁断位置を示す裁断情報(以下、マークと呼称)を印刷する。マークは印刷情報のページ長の間隔で印刷される。このページ長の情報は後述するホスト装置54からの印刷ジョブ内で指定される。
【0025】
各色毎の画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kは、それぞれ感光体を備え、感光体の周囲に帯電装置、露光装置、現像装置、及び転写装置がそれぞれ配置されている。このような構成により、電子写真方式で連続紙Pに印刷することができる。
【0026】
なお、ここでは画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kを電子写真方式で印刷するユニットとして説明したが、印刷方式は特に限定されず、例えばインクジェット方式で印刷するユニットであってもよい。
【0027】
画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kに対して搬送方向下流側には、定着装置24が配置されている。定着装置24は、画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kにより連続紙Pに転写されたYMCK各色のトナー像を定着させる。連続紙Pは、定着装置24で定着された後、後段の装置に搬送される。
【0028】
図2は、後処理装置30に設けられた後処理機構部72の構成を示す構成図である。
【0029】
後処理装置30の後処理機構部72には裁断ローラ対32が設けられている。裁断ローラ対32の上部のローラ32aにはカッタ刃33が設けられており、上下のローラが回転しながら連続紙Pを挟み込んで、上部のローラ32aのカッタ刃33で連続紙Pを裁断する。本実施の形態では、裁断ローラ対32にはカッタ刃33が1つのみ設けられているため、上部のローラ32aの1回転分の長さが最小の裁断間隔となる。
【0030】
なお、上下のローラは上下方向(連続紙Pの搬送方向と略直交する方向)に移動可能に構成されている。従って、裁断動作を行なわない場合には、上部のローラ32aを上方に移動させ、下部のローラ32bを下方に移動させることによって、上下のローラ32a、32bを離間させる。
【0031】
また、後処理機構部72には、裁断ローラ対32に連続紙Pを搬送する複数の搬送ローラ対36が設けられている。また、裁断ローラ対32に対して搬送方向上流側には、連続紙Pの余白部分に印刷されたマークを検出するためのセンサ34が配置されている。なお、センサ34の読取部は、搬送経路の上部及び下部の両方に配置され、搬送経路上を搬送される連続紙Pの表面に印刷されたマークだけでなく、裏面に印刷されたマークも検出することができる。
【0032】
裁断ローラ対32に対して搬送方向下流側には、スタッカ38が設けられている。スタッカ38には、裁断ローラ対32で裁断された連続紙P(以下、裁断物と呼称)が収容される。
【0033】
この後処理装置30では、基本的には、マークの無い部分については、後処理装置30に予め設定されているページ長(以下、設定長と呼称する)の間隔で連続紙Pを裁断し、マークのある部分については、マークが示す裁断位置で連続紙Pを裁断する。ただし、マークの無い部分とマークのある部分の境界部分については、後述する裁断方法で裁断位置が調整される。
【0034】
図3は、表面印刷装置12及び裏面印刷装置14の制御系の構成を示したブロック図である。なお、表面印刷装置12及び裏面印刷装置14は、制御系についても同一構成である。
【0035】
表面印刷装置12及び裏面印刷装置14は、制御部40、操作パネル50、及び印刷機構部52を備えている。
【0036】
印刷機構部52は、図1を用いて説明したように、画像形成ユニット22Y、22M、22C、22K、搬送ローラ26、定着装置24を含んで構成されており、実際に連続紙Pを印刷する印刷手段として機能する。
【0037】
制御部40は、ホストインタフェース(I/F)部41、ROM42、RAM43、NVRAM44、CPU45、パネルI/F部46、HDD47、及びエンジンI/F部48を備えている。
【0038】
ホストI/F部41は、ホスト装置54に接続されている。表面印刷装置12及び裏面印刷装置14は、ホストI/F部41を介して、ホスト装置54から印刷ジョブや制御信号を取得したり、ホスト装置54に対してエラー通知や正常終了通知等、各種メッセージを送信したりすることができる。
【0039】
なお、ホスト装置54は、表面印刷装置12や裏面印刷装置14に対する印刷ジョブや各種制御信号を生成して送信する装置であって、該印刷ジョブには、連続紙Pに印刷する印刷情報や、印刷情報を印刷するときの印刷条件などが含まれる。
【0040】
ROM42には、CPU45が実行するプログラムや、CPU45の処理に必要なデータ等が記憶されている。
【0041】
RAM43は、CPU45によりワークメモリとして使用される。
【0042】
NVRAM44は、不揮発性のRAMであって、ネットワークアドレスや装置の識別IDなどが記憶されている。
【0043】
パネルI/F部46は、操作パネル50に接続されている。CPU45は、パネルI/F部46を介して、操作パネル50に印刷に関するメッセージを表示させたり、また操作パネル50から入力された各種情報を取得して、装置の制御に用いたりする。
【0044】
HDD47には、CPU45が実行するプログラムや、CPU45の処理に必要なデータ等が予め記憶されていると共に、ホスト装置54から受信した印刷ジョブの印刷情報等が一時的に記憶される。
【0045】
エンジンI/F部48は、印刷機構部52に接続されている。CPU45は、エンジンI/F部48を介して、印刷機構部52の印刷を制御する。また、裏面印刷装置14のエンジンI/F部48には、後処理装置30が接続される。裏面印刷装置14のCPU45は、エンジンI/F部48を介して後処理装置30に印刷開始通知や印刷停止通知、エラー通知等を送信したりする。
【0046】
CPU45は、ROM42やHDD47に記憶されているプログラムを実行することにより、ホスト装置54から受信した印刷ジョブや制御信号に応じて印刷機構部52の印刷動作の制御を行なったり、各種メッセージの表示を行なったり、ホスト装置54に対して印刷完了通知やエラー通知等を送信する等の処理を行なう。
【0047】
図4は、後処理装置30の制御系の構成を示したブロック図である。
【0048】
後処理装置30は、制御部60、操作パネル70、及び後処理機構部72を備えている。
【0049】
後処理機構部72は、図2を用いて説明したように、裁断ローラ対32、搬送ローラ対36、スタッカ38、及びセンサ34を含んで構成されている。
【0050】
制御部40は、印刷装置I/F部61、ROM62、RAM63、CPU64、パネルI/F部65、NVRAM66、及び機構制御I/F部67を備えている。
【0051】
印刷装置I/F部61は、裏面印刷装置14装置に接続されている。後処理装置30は、印刷装置I/F部61を介して、裏面印刷装置14から印刷開始通知や印刷停止通知、エラー通知等を取得したり、裏面印刷装置14に対して裁断動作中のエラー通知や正常終了通知等、各種メッセージを送信したりすることができる。
【0052】
ROM62には、CPU64が実行するプログラムや、CPU64の処理に必要なデータ等が記憶されている。
【0053】
RAM63は、CPU64によりワークメモリとして使用される。
【0054】
NVRAM66は、不揮発性のRAMであって、ネットワークアドレスや装置の識別IDなどが記憶されている。また、連続紙Pの裁断位置を示すマークが印刷されていない部分を裁断するときの裁断間隔(設定長)や、マークの有無を判定する際の連続紙Pの裁断位置からの検出範囲も予め設定され、このNVRAM66に記憶されている。
【0055】
パネルI/F部65は、操作パネル70に接続されている。CPU64は、パネルI/F部65を介して、操作パネル70に印刷に関するメッセージを表示させたり、また操作パネル70から入力された各種情報を取得して、装置の制御に用いたりする。
【0056】
機構制御I/F部67は、後処理機構部72に接続されている。CPU64は、機構制御I/F部67を介して、後処理機構部72の裁断動作を制御する。
【0057】
CPU64は、ROM62に記憶されているプログラムを実行することにより、裏面印刷装置14から受信した印刷開始通知や印刷停止通知、エラー通知等を取得したり、該取得した印刷開始通知や印刷停止通知に応じて後処理機構部72の裁断動作を制御したり、裏面印刷装置14に対して裁断動作中のエラー通知や正常終了通知等、各種メッセージを送信したりする。
【0058】
次に、本実施の形態の印刷システム10の表面印刷装置12及び裏面印刷装置14の印刷処理と、後処理装置30の裁断処理について説明する。
【0059】
図5は、本実施の形態の印刷システム10で印刷される連続紙Pの印刷状態の一例を示す図である。以下では、図5に示す例を説明することによって、本印刷システム10の印刷処理の概要を説明する。
【0060】
また、図6は、本実施の形態の印刷システム10のシステム構成を模式的に示した図である。ここではバッファ装置20の図示を省略した。
【0061】
図6に示されるA点は、給紙装置16の給紙開始点である。B点は、連続紙Pの搬送方向上流側の(連続紙Pの表面印刷の)印刷開始点である。
給紙装置16の給紙開始点である。C点は、連続紙Pの搬送方向上流側の定着部出口であり、表面の印刷が完成するポイントである。D点は、連続紙Pの搬送方向下流側の(連続紙Pの裏面印刷の)印刷開始点である。E点は、連続紙Pの搬送方向下流側の定着部出口であり、裏面及び表面の印刷が完成するポイントである。F点は、連続紙Pの印刷が保証されるポイントである。従って、表面印刷装置12や裏面印刷装置14で印刷されたものは、C点やE点を通過しても、F点を通過しなければ、印刷が完全に終了したものとみなされない。
【0062】
まず、利用者は、連続紙Pに印刷させるために、給紙装置16から連続紙Pの端部を取り出して引き出し、表面印刷装置12、表裏反転装置18、裏面印刷装置14、バッファ装置20、及び後処理装置30にわたって、該連続紙Pをセットする。このようにセットされた状態において、図6のBからFまでの連続紙Pは印刷ができない部分となるため、この部分は図5の(1)に示すように白紙となる。この部分の長さは、印刷システム10の各装置の配置に応じて変動する。
【0063】
次に、利用者は、印刷システム10の起動スイッチ(不図示)をオンし、印刷をスタートさせる。これにより、印刷システム10の各装置ではウォームアップ動作が行なわれ、図5の(2)に示すように両面白紙の状態で連続紙Pが搬送される。このとき、モータの加速等の誤差があるため、その搬送量は不定長となる。また、この期間は、裁断位置を示すマークを印刷することはできない。なお、起動スイッチオン時に、後処理装置30では、表面印刷装置12及び裏面印刷装置14を通過した連続紙Pを裁断する裁断処理のプログラムが起動されるが、この裁断処理については、後述する。
【0064】
印刷システム10のウォームアップ動作が完了すると、本実施の形態の印刷システム10では調整印刷が行なわれる。調整印刷では、画像濃度や位置ずれ等を調整するため、図5(3)に示すように連続紙Pには調整用の画像(パッチ)が印刷される。このとき、印刷前半は裏面のみ印刷され、その後は表裏面とも印刷される。パッチは、表裏非同期で印刷され、印刷されたパッチの濃度や位置が不図示のセンサで読み取られ、濃度調整や位置ずれ調整などが行なわれる。
【0065】
なお、調整印刷部分では、裁断位置を示すマークの印刷が可能である。しかしながら、この部分は印刷ジョブの印刷情報が印刷される部分ではないため、スタッカ38に収容できるサイズであれば後処理装置30でどのように裁断されてもよく、従ってマークは印刷してもしなくてもよい。本実施の形態では、調整印刷部分にマークは印刷しない。さらにまた、この部分も図5(2)と同様に搬送量が不定長となる。なお、この調整印刷自体も必須の動作ではなく、起動時に常に実行される必要はない。
【0066】
調整印刷が完了した後は、ホスト装置54からの印刷ジョブに従って印刷情報が印刷される。本実施の形態では、図5(4)に示すように、表面印刷装置12及び裏面印刷装置14によって、該印刷情報の印刷前に、白紙ページ(以下、スタートセパレータと呼称)を挿入し、該スタートセパレータに対して調整用のマークを印刷する。本実施の形態の表面印刷装置12及び裏面印刷装置14では、スタートセパレータの直後に印刷する印刷情報のページ長(印刷間隔)と等しい長さのスタートセパレータが挿入されるように動作する。なお、調整用のマークは、連続紙Pの余白部分であって、スタートセパレータの挿入開始点に印刷される。
【0067】
続いて、表面印刷装置12及び裏面印刷装置14は、図5(5)に示すように、連続紙Pに印刷ジョブの印刷情報を印刷する。印刷ジョブが複数あるときには、該複数の印刷ジョブの印刷情報を連続して印刷する。また、印刷情報に対する裁断位置を示すマークも連続紙Pの余白部分であって各印刷情報の印刷部分を裁断する位置に印刷される。スタートセパレータの搬送方向上流側の端部と印刷ジョブの印刷情報との境界位置にも、該境界位置を裁断するためのマークが印刷される。
【0068】
なお、ここでは、連続して印刷する各印刷ジョブのページ長(FCB長)は同じ長さであり、印刷機構部52は各マークが印刷情報のページ長間隔で印刷されるように制御される。また、以下では、印刷情報に対するマークを調整用のマークと区別して説明するため、裁断マークと呼称する場合がある。
【0069】
表面印刷装置12及び裏面印刷装置14でホスト装置54から指定のあった1〜M番目の印刷ジョブの印刷がなされると、表面印刷装置12及び裏面印刷装置14は印刷を停止する。なお、印刷停止時には、連続紙Pは下流の定着部出口点であるE点まで搬送されるため、図5(6)に示すように、印刷ジョブの印刷後に、両面白紙の部分が生成される。ここで生成される白紙部分の長さは、図6のBからFまでの長さに誤差を加算した長さとなる。
【0070】
印刷停止後、またホスト装置54から印刷ジョブが受信されると、図5(2)と同様に、ウォームアップ動作が行なわれ、図5の(7)に示すように不定長の両面白紙の部分が生成される。
【0071】
そしてまた、表面印刷装置12及び裏面印刷装置14は、図5(8)に示すようにスタートセパレータを挿入して(図5(4)と同様)、図5(9)に示すように印刷ジョブの印刷を行なう(図5(5)と同様)。印刷ジョブの印刷の後は印刷を停止し、図5(10)に示すように、連続紙Pを下流の定着部出口点であるE点まで搬送する(図5(6)と同様)。
【0072】
ここで、印刷システム10の起動スイッチをオフすると、連続紙Pが搬送方向下流側に搬送され、排紙される(図5(11)参照)。排紙時の白紙部分も図6のEからFまでの長さに誤差を加算した長さとなって、不定長となる。
【0073】
このように、マークが印刷されない部分とマークが印刷される部分とが連なって後処理装置30に搬送される。前述したように、モータの加速等の誤差があるため、その搬送量は不定長となる。このため、マークが印刷されない部分は不定長となるが、後処理装置30は、マークが印刷されない部分では予め設定された設定長で裁断する。また、マークが印刷される部分ではマークに応じて裁断する。
【0074】
また、裁断ローラ対32の最小の裁断間隔では裁断できないことから、この最小の裁断間隔に対応できるように、本実施の形態ではマークが印刷されない部分とマークが印刷される部分との境界にスタートセパレータを挿入して、境界部分の裁断間隔が裁断ローラ対32の最小の裁断間隔以上となるように制御する。
【0075】
図7は、後処理装置30で実行される裁断処理プログラムの流れを示すフローチャートである。
【0076】
この裁断処理は、前述したように印刷システム10の起動スイッチがオンされ、印刷がスタートしたときに起動する。なお、起動直後は、マークが印刷されない白紙がしばらく続くため、マークを検出するまでの間は後処理装置30に設定されているページ長で裁断されることとなる。
【0077】
ステップ100では、後処理装置30に設定されているページ長で裁断される裁断位置から所定範囲内にマークが検出されたか否かを判定する。マークの有無を判定するための「所定範囲」の値は、後処理装置30に予め設定しておく。例えばスタッカ38のサイズと同じか、或いは該スタッカ38のサイズよりも多少大きな値を所定範囲として設定しておくようにしてもよい。また、マークの印刷間隔の最大値を予め設定しておき、該最大値と同じか、或いは該最大値より大きな値を所定範囲として設定しておくようにしてもよい。所定範囲を、該最大値よりも大きめの値に設定しておけば、マークの印刷誤差にも簡易に対応できる。
【0078】
ステップ100で、否定判定した場合には、ステップ102で、後処理装置30に予め設定されている設定長で裁断を行なう。裁断後は、ステップ100に戻る。例えば、前述した図5の例では、(1)〜(3)の部分は、マークが印刷されない部分であるため、ステップ100で否定判定され、設定長の間隔で裁断が行なわれる。
【0079】
なお、設定長は、予めNVRAM66に記憶されている。設定長の値は特に限定されないが、マークの有無を判定するときの「所定範囲」と同一の値としてもよいし、該所定範囲よりも小さい値としてもよい。また、設定長は、利用者が操作パネル70を介して任意の値を設定するようにしてもよい。
【0080】
設定長を所定範囲と同一の値とする場合には、センサ34と裁断ローラ対32とを略同じ位置に配置することができるため、後処理装置30をコンパクト化できる。
【0081】
また、設定長を利用者が任意に設定すれば、白紙の裁断物を利用者が好みの用途で使用できる。
【0082】
一方、ステップ100で、肯定判定した場合には、図5の(4)或いは(8)のスタートセパレータの挿入位置が後処理装置30のセンサ34の読取位置に到達してスタートセパレータに対して印刷された調整用のマークが検出された状態であるため、スタートセパレータに続く印刷ジョブの印刷部分が適切に裁断されるように、ステップ104で、連続紙Pの裁断位置を決定する。本実施の形態では、スタートセパレータに続く印刷ジョブの印刷部分の最初から、該印刷部分を裁断するために印刷されたマークが示す位置で確実に切断できるようにするため、マークの無い部分とマークが存在する部分の境界部分(ここでは、マークの無い部分の最後の裁断位置からスタートセパレータの搬送方向上流側の端部までの部分)の裁断間隔が、裁断ローラ対32の最小の裁断間隔未満とならないように裁断位置を決定し、裁断ローラ対32の裁断を制御する。
【0083】
裁断位置の決定方法には様々ある。基本的には、裁断ローラ対32で裁断してから、次の裁断位置までの間隔が裁断ローラ対32の最小の裁断間隔以上あいていないと、次の裁断位置で裁断することはできない。従って、調整用のマークの後に印刷された、印刷ジョブの印刷部分の先頭のマークが示す裁断位置より搬送方向上流側の裁断ローラ対32の最小の裁断間隔未満の位置で連続紙Pが裁断されないように制御する。
【0084】
図8(A)〜(C)は、裁断位置の決定方法を説明する説明図である。図8(A)は、調整用のマークと印刷ジョブに対する裁断マークとが印刷された連続紙Pにおいて、該マークの検出されない部分における裁断イメージの例を表した図である。図8(A)に示すように、マークの検出されない部分では、後処理装置30に予め設定された設定長(L1)で裁断される。連続紙Pの搬送方向において最初のマークは、調整用のマークであって、調整用のマークの次から印刷ジョブに対する裁断マークが印刷されている。スタートセパレータや印刷ジョブのページ長はここでは同一(L3)である。また、マークの無い部分の最後の裁断位置から調整用のマークが示す裁断位置までの間隔はL2で示されている。
【0085】
裁断位置の決定方法の1つとして、図8(B)に示すように、マークの無い部分の最後の裁断位置より連続紙Pの搬送方向に、L2とL3を加算した値を2で除算した値が示す長さだけ上流側の位置を、裁断位置として決定する方法を採用してもよい。これにより、境界部分をちょうど半分に分割した位置で裁断することとなるため、無駄紙が同じ大きさとなる。印刷ジョブのページ長は、十分な長さ、最低でも裁断ローラ対32の最小の裁断間隔の2倍程度は確保される。従って、L2の長さが極端に小さくても、印刷ジョブの印刷部分の先頭のマークが示す裁断位置より裁断ローラ対32の最小の裁断間隔以上手前の位置で連続紙Pを裁断することができる。
【0086】
また、図8(C)に示すように、マークの無い部分の最後の裁断位置より連続紙Pの搬送方向に、L2とL3を加算した値を2で除算した値が示す長さより短い長さだけ上流側の位置を、裁断位置として決定する方法がある。すなわち、境界部分の前半部分より後半部分の方が裁断間隔が長くなるようにする。これにより、次に続く裁断マークでは十分な余裕を持って裁断準備ができるため、裁断精度が向上する。
【0087】
なお、マークの無い部分の最後の裁断位置より裁断ローラ対32の最小の裁断間隔だけ搬送方向上流側の位置を裁断位置として決定してもよい。すなわち、可能な限りすぐに裁断する。これにより次の裁断マークまでの距離が長くなり裁断精度が向上する。
【0088】
ステップ104で裁断位置を決定した後は、ステップ106で、決定された裁断位置で裁断されるように裁断ローラ対32を制御する。
【0089】
ステップ108では、上記検出されたマークが示す裁断位置から所定範囲内に次のマークを検出したか否かを判定する。ステップ108で肯定判定した場合には、ステップ110で、マーク検出による裁断動作を行なう。すなわち、マークが示す裁断位置で裁断されるように裁断ローラ対32を制御する。なお、ステップ104〜106での処理により、印刷ジョブの印刷部分の先頭のマークが示す裁断位置の手前の裁断位置は、裁断ローラ対32の最小の裁断間隔以上手前の位置となっているため、印刷ジョブの印刷部分の先頭のマークが示す裁断位置で確実に裁断することができる。
【0090】
ステップ110の後は、ステップ108に戻り、上記処理を繰り返す。前述した図5の例では、(5)や(9)の印刷ジョブによる印刷部分では、このようにマーク検出による裁断が行なわれる。
【0091】
一方、ステップ108で否定判定された場合には、ステップ112に移行し、後処理装置30に予め設定されているページ長で裁断を行なう。例えば、前述した図5の例では、(6)や(10)、(11)の部分で、ステップ112の処理が行なわれる。裁断後は、ステップ114で、前段の装置からの連続紙Pの搬送が停止したか否かを判定する。ステップ114で否定判定した場合にはステップ108に戻り、後処理装置30に予め設定されている設定長間隔での裁断を繰り返し、ステップ114で肯定判定した場合には、この裁断処理プログラムを終了する。
【0092】
なお、スタートセパレータを挿入して調整用のマークを印刷し、裁断位置を制御する方法では、センサ34と裁断ローラ対32との間隔に制約なく制御でき、センサ34と裁断ローラ対32との間隔を小さくすることができるため、後処理装置30をコンパクト化できる。
【0093】
上記実施の形態では、調整印刷部分にマークが印刷されない場合を例に挙げて説明したが、調整印刷部分にマークが印刷される場合であっても、表面印刷装置12及び裏面印刷装置14において、裁断ローラ対32の最小の裁断間隔以上の間隔で各マークを印刷することができるため、調整印刷部分にある無しに拘わらず上記と同様に制御しても問題なく印刷ジョブの印刷情報の印刷部分を適切な位置で裁断することができる。
【0094】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、マークを検出するセンサ34を第1の実施の形態のセンサ34に比べて連続紙Pの搬送方向上流側に配置する場合を例に挙げて説明する。なお、印刷システム10全体のシステム構成と表面印刷装置12、裏面印刷装置14、及び後処理装置30の制御系の構成は第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0095】
図9(A)は、第1の実施の形態の後処理装置30の後処理機構部72の構成を示した図であり、図9(B)は、第2の実施の形態の後処理装置30の後処理機構部72の構成を示した図である。
【0096】
図9(A)、(B)から明らかなように、本実施の形態の後処理装置30のほうが、裁断ローラ対32とセンサ34との間隔Lが広くなっている。なお、本実施の形態の後処理装置30における裁断ローラ対32とセンサ34との間隔Lは、裁断ローラ対32の最小の裁断間隔よりも長い。
【0097】
次に、本実施の形態で行なわれる印刷処理について説明する。上記第1の実施の形態では、印刷ジョブの印刷情報の印刷前にスタートセパレータを挿入し、調整用のマークを印刷したが、本実施の形態では、印刷ジョブの印刷情報の印刷前にスタートセパレータは挿入せず、調整用のマークも印刷しない。これ以外は、第1の実施の形態と同様に印刷処理が実行される。
【0098】
次に、本実施の形態で行なわれる裁断処理について説明する。本実施の形態で行なわれる裁断処理は、第1の実施の形態で図7を用いて説明した裁断処理の流れのうち、ステップ104の裁断位置決定処理だけが第1の実施の形態と異なる。その他の処理は同様に行なわれる。
【0099】
本実施の形態では、裁断ローラ対32とセンサ34との間隔Lが長いため、裁断準備のための時間を十分にとることができる。従って、ステップ104では、マークを検出する直前に裁断された裁断位置から該検出されたマークが示す裁断位置までの部分を境界部分とし、この境界部分において、裁断間隔が裁断ローラ対32の最小の裁断間隔未満とならないように裁断ローラ対32の裁断位置を決定する。
【0100】
境界部分の最後の裁断間隔が裁断ローラ対32の最小の裁断間隔以上となるならば、裁断間隔は、後処理装置30に予め設定されているページ長(設定長)より長くても短くても良い。長い場合には、裁断回数を減らすことができるし、短い場合には、効率的に裁断できる。
【0101】
さらにまた、境界部分の長さがスタッカ38のサイズ以下であるならば、マークが検出された時点から、該検出されたマークが示す裁断位置で裁断するまでの間は、裁断ローラ対32の裁断を停止するようにしてもよい。前述したように、裁断ローラ対32とセンサ34との間隔Lは、裁断ローラ対32の最小の裁断間隔よりも長くなっているため、印刷ジョブの印刷情報が印刷された部分をマークが示す裁断位置で確実に裁断することができる。
【0102】
[第3の実施の形態]
第1及び第2の実施の形態では、マークを何ら区別せずに印刷して制御する例について説明したが、本実施の形態では、複数種類のマークを用意し、マークの種類に応じて、裁断ローラ対32で裁断された裁断物をスタッカ38に格納する際の格納位置を異ならせる例について説明する。以下、裁断物の格納位置をずらす処理をオフセット処理と呼称する。
【0103】
本実施の形態の印刷システム10の構成は、後処理装置30にオフセット処理を行なうためのオフセット装置(図示省略)が裁断ローラ対32とスタッカ38との間に設けられている以外は、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同じである。ただし、本実施の形態の後処理装置30のCPU64は、センサ34で検出されたマークに応じて裁断物のスタッカ38に対する格納位置がずれるようにオフセット装置を制御する。
【0104】
また、本実施の形態で行なわれる印刷処理について説明する。上記第1の実施の形態では、印刷ジョブの印刷情報の印刷前にスタートセパレータを挿入し、調整用のマークを印刷したが、例えば、この調整用のマークの形状を、印刷ジョブの印刷情報を印刷した部分を裁断するためのマークの形状と異ならせる。本実施の形態では、調整用のマークの形状をオフセット動作を行なうための形状として設定しておく。
【0105】
次に、本実施の形態で行なわれる裁断処理について説明する。図10は、本実施の形態の後処理装置30で実行される裁断処理プログラムの流れを示すフローチャートである。
【0106】
ステップ200〜ステップ210までの処理は、第1の実施の形態または第2の実施の形態の図7のステップ100〜110の処理と同様であり、ステップ216〜218の処理は、第1の実施の形態または第2の実施の形態の図7のステップ112〜218の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0107】
本実施の形態では、ステップ210におけるマーク検出による裁断動作の後、ステップ212で、該マークの形状がオフセット動作マークか否かを判定する。該マークの形状が、オフセット動作マークとして設定されている形状であれば、ステップ212で肯定判定され、ステップ214で、オフセット装置にオフセット動作を実行させる。これにより、裁断物が判別しやすくなり、裁断物の仕分けが容易になる。
【0108】
ステップ212で否定判定した場合、或いはステップ214の後は、ステップ208に戻る。
【0109】
なお、本実施の形態では、調整用のマークの形状をオフセット動作を行なうための形状として設定した例について説明したが、これに限定されず、印刷情報に対する裁断マークの形状をオフセット動作を行なうための形状としてもよい。
【0110】
また、第2の実施の形態のように調整用のマークを印刷しない場合であっても、マークの形状を異ならせてオフセット処理を行なうこともできる。例えば、連続して印刷される印刷ジョブについてはそれぞれ同一の形状のマークを印刷し、一旦印刷を停止して再開した後の印刷ジョブについては、それとは異なる形状のマークを印刷し、後処理装置30で、マークの形状に応じてオフセット処理する。このような処理は、第1の実施の形態のように調整用マークを印刷する場合であっても、同様に行なうことができる。
【0111】
さらにまた、オフセット量をマークの形状に応じて異ならせるようにしてもよい。
【0112】
また、ここではマークの形状を異ならせる例について説明したが、これに限定されず、マークの色やマークの大きさ等を異ならせてもよい。
【0113】
また、上記第1〜第3の実施の形態では、印刷装置を2台連ねて連続紙に印刷するシステムを例に挙げて説明したが、印刷装置は1台でもよいし、3台以上であってもよい。
【符号の説明】
【0114】
10 印刷システム
12 表面印刷装置
14 裏面印刷装置
30 後処理装置
32 裁断ローラ対
33 カッタ刃
34 センサ
36 搬送ローラ対
38 スタッカ
40 制御部
52 印刷機構部
60 制御部
72 後処理機構部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続紙に印刷情報を印刷すると共に連続紙を裁断するための裁断位置を示す裁断情報を印刷する印刷手段、及び前記印刷手段の印刷を制御する印刷制御手段を備えた印刷装置と、
前記印刷装置を通過した連続紙を裁断する裁断手段、前記印刷装置を通過した連続紙を前記裁断手段に搬送する搬送手段、前記搬送手段の搬送中に前記連続紙から前記裁断情報を検出する検出手段、前記検出手段により検出した裁断情報が示す裁断位置で前記連続紙が裁断されるように前記裁断手段を制御する裁断制御手段を備えた裁断装置と、を有し、
前記印刷制御手段は、前記印刷手段により前記印刷情報が印刷される前に、前記印刷情報と等しい長さのページ長の頁を挿入すると共に、該挿入した頁に対して前記裁断情報が印刷されるように前記印刷手段を制御することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記印刷制御手段は、第1の印刷情報を印刷して印刷を停止した後に、前記第2の印刷情報を印刷する場合には、前記第2の印刷情報が印刷される前に、前記第2の印刷情報と等しいページ長の頁を挿入し、
第1の印刷情報と第2の印刷情報とを連続して印刷する場合には、前記第2の印刷情報が印刷される前に、前記第2の印刷情報と等しいページ長の頁を挿入しないことを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項3】
前記裁断制御手段は、前記印刷情報に対応して印刷された裁断情報が示す裁断位置で裁断が行われ、前記挿入した頁に対して印刷された裁断情報が示す裁断位置に拘わらず裁断が行われるように前記裁断手段を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記裁断制御手段は、前記裁断手段による裁断位置から前記搬送手段の搬送方向上流側の所定範囲内で前記裁断情報が前記検出手段により検出されない場合には、予め設定された設定長で前記連続紙が裁断されるように前記裁断手段を制御し、前記挿入した頁に対して印刷された裁断情報が前記検出手段により検出された場合には、該裁断情報が検出される前の最後の裁断位置と該検出された裁断情報が示す裁断位置との間隔に、前記ページ長を加算した値を2で除算した値が示す長さだけ、前記最後の裁断位置より前記連続紙の搬送方向上流側の位置で前記連続紙が裁断されるように前記裁断手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−207229(P2011−207229A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114983(P2011−114983)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【分割の表示】特願2006−355539(P2006−355539)の分割
【原出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】