説明

印刷ジョブの印刷プレビュー内に挿入されたページのラベル付け

【課題】 本発明は、印刷ジョブの印刷プレビュー内の挿入ページをラベル付けするシステム及び方法を提供する。
【解決手段】 システムは、論理ページを含む印刷データを受信し、前記印刷データの論理ページの間にページを挿入する命令を受信する。システムは、印刷データの印刷プレビューの要求を更に受信し、前記命令に基づき前記印刷データの挿入物を識別し、前記印刷データの論理ページと前記挿入物とをラスタライズして前記印刷プレビューのシート画像を生成し、前記挿入物を前記印刷データのラスタライズされた論理ページと区別する非印刷マークを前記挿入物のシート画像に含める。前記システムは、前記印刷プレビューのシート画像を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システムの分野に関し、特に印刷システムの印刷ジョブのためのプレビューに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷システムの分野では、ユーザは、種々のプリンタ及びディスプレイ装置にわたり一貫して提示されることを望む。提示の統一性を保証するために、印刷ジョブは多くの場合、所与のページに印刷される要素の位置及び構造を詳細に示すことを意図しているページ記述言語のような一律基準に従って定められる印刷データを含む。印刷データにはジョブチケット又はジョブの印刷データを処理するための若しくはジョブの印刷されたシートを処理(例えば、印刷後のページのステープル止め、ページの穴あけ、等)するための他の命令が付随し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
残念ながら、各プリンタ又はディスプレイは、他と異なる色スキーム(例えば、RGBに対してCMTYK)、異なる解像度、異なる処理アルゴリズムを用い得る。これは、これらの装置によりユーザに提示される最終生成物が有意に異なることを意味する。このため、ユーザは、印刷ジョブがページ記述言語に従ってどのように現れるかの指示だけでなく、印刷ジョブが特定の装置で実際にどのように印刷されるかの指示も提供する印刷プレビューを望む。このような印刷プレビューを用いて、ユーザは、ジョブがどのように印刷されるかに関する問題を、ジョブがプリンタで開始される前に発見できる。高容量又は高額な印刷ジョブでは、印刷の開始前にジョブの印刷プレビューを再検討することは、費用及び時間を大幅に節約できる可能性が高い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
望ましくは、印刷プレビューは、所与のジョブを印刷しようとしている装置のRaster Image Processor(RIP)により生成される。これらの印刷プレビューは、印刷ジョブがどのように印刷されるかを確実にプレビューする。なぜなら、それらは、実際にジョブを印刷する装置の画像処理コンポーネントにより生成されるからである。印刷プレビューは、ユーザにとって望ましく、ユーザは、印刷システムにおいて印刷プレビューの機能を向上する方法及びシステムを望んでいる。
【0005】
本願明細書に記載される実施形態は、非印刷マークにより印刷プレビュー内に挿入されたページ(挿入物)の存在を示す。これらの非印刷マークは、ラスタライズされた挿入物を、印刷ジョブの印刷データのラスタライズされたページと区別する。この技術を用いて、ユーザは、印刷データ自体の印刷ページのみならず、ジョブに挿入するためのページ(例えば、表紙ページ、仕切りページ、印刷データの付随するジョブチケットに定められた他のページ)も素早くプレビューできる。これは、ユーザが印刷プレビューの過程中に挿入物に関連するエラーを検出し補償することを可能にする。
【0006】
ある実施形態は、非印刷マークにより印刷ジョブの印刷プレビュー内の挿入物をラベル付けするシステムである。このシステムは、論理ページを含む印刷データを受信でき及び印刷データの論理ページの間にページを挿入するための命令を受信できるインタフェースを有する。このシステムは、印刷データについての印刷プレビューの要求を受信し、命令に基づき印刷データの挿入物を特定し、印刷データの論理ページ及び挿入物をラスタライズして印刷プレビューためのシート画像を生成し、挿入物を印刷データのラスタライズされた論理ページと区別する非印刷マークを挿入物のシート画像に含めることができる制御ユニットを更に有する。さらに、制御ユニットは、印刷プレビューのシート画像を送信できる。
【0007】
他の例示的な実施形態を以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の幾つかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に記載する。全ての図を通じて、同様の参照符号は同一の要素又は同一の種類の要素を表す。
【図1】例示的な実施形態のプリンタのブロック図である。
【図2】例示的な実施形態の印刷ジョブに挿入されたページをラベル付けする方法を説明するフローチャートである。
【図3】例示的な実施形態の印刷プレビューを説明するブロック図である。
【図4】例示的な実施形態のコンピュータ可読媒体に具現化された所望の機能を実行するためのプログラム命令を実行可能な処理システムである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図及び以下の記載は、本発明の特定の例示的な実施形態を説明する。したがって、当業者は、本願明細書に明示的に記載又は示されないが、本発明の原理を具現化する種々の構成を考案できること、及びそれらが本発明の範囲に包含されることが理解されるだろう。さらに、本願明細書に記載された例は、本発明の理解を助けることを意図しており、このような特に引用された例及び条件に限定されるものではない。結果として、本発明は、以下に記載された特定の実施形態又は例に限定されず、請求項及びその等価物により定められる。
【0010】
図1は、例示的な実施形態におけるプリンタ100のブロック図である。この実施形態では、印刷制御部120は、ホスト110に通信可能に結合される。また、プリンタ100は、印刷制御部120、ディスプレイ130及びマーク付けエンジン140を有する。ホスト110は、コンピュータ、プリント・サーバ、ソフトウェア・アプリケーション、又は印刷ジョブを提出できる任意の他の機能コンポーネントを有してもよい。印刷制御部120は、印刷に関連する装置の動作を管理できる任意のシステム、装置又はコンポーネントを有する。好適な実施形態では、印刷制御部120は、ラスタ画像処理ロジック及び到来する印刷ジョブが印刷される装置(例えば、プリンタ100)により実際に用いられるソフトウェア/ハードウェアを実装する。しかしながら、代替の実施形態では、印刷制御部120は、プリンタ100から離れたシステムに実装され、プリンタ100に配置されたRIPの画像処理能力を模倣するよう構成される。
【0011】
本実施形態では、印刷制御部120は、インタフェース122及び制御ユニット124を有する。インタフェース122は、到来する印刷ジョブ及び要求をホスト110から受信する装置を有する。インタフェース122は、印刷データ及び印刷データを処理するための命令を有するジョブチケットの両方を含む印刷ジョブを受信する。さらに、インタフェース122は、到来する印刷ジョブ及び要求をホストから制御ユニット124へ処理のために転送する。インタフェース122は、1つのホスト110又は複数のホストと(例えば、プリント・サーバを介して)通信してもよく、直接物理リンク又はネットワーク接続された通信経路を介してホスト110と通信してもよい。インタフェース122は、制御ユニット124による処理のために到来する印刷ジョブ及び要求を準備するために、それらの初期フォーマットを実行してもよい。
【0012】
制御ユニット124は、到来するジョブの印刷データのラスタライズされたプレビューを生成するシステムを有する。例えば、制御ユニット124は、到来する印刷データをページ記述言語に従って解釈及びラスタライズできる1又は複数のRaster Image Processor(RIP)を有してもよい。制御ユニット124は、1又は複数のRIPの動作を指示するプロセッサにより実施されるロジックを更に有してもよい。ディスプレイ130は、到来する印刷ジョブの印刷プレビューをユーザに提示する任意の装置、システム又はコンポーネントを有する。例えば、ディスプレイ130は、モニタ、スクリーン、端末、テレビジョン、プロジェクタ又は他の装置を有してもよい。
【0013】
マーク付けエンジン140は、シート上の画像をマーク付けする印刷機構の任意の組合せを有してもよい。マーク付けエンジン140は、例えば、トナー又はインクを用いてシート上の画像をマーク付けする。印刷プレビューがディスプレイ130での閲覧のために印刷制御部120により生成されるとき、印刷プレビューは、主に、どのようにマーク付けエンジン140が実際にジョブを物理的なシート媒体上に印刷するかを示す。
【0014】
マーク付けエンジン140及びディスプレイ130が印刷制御部120に物理的に接続されているか又は同一のプリンタ内に統合されている必要はないことに留意する。幾つかの実施形態では、マーク付けエンジン140及び/又はディスプレイ130は、印刷制御部120から遠隔に配置され、ネットワーク接続された通信チャネルを介して印刷制御部120に通信可能に接続される。
【0015】
有利なことに、上述の印刷制御部120を用い、ユーザは印刷ジョブをプレビューするときに、挿入されたページのラスタライズされたものを見ることができる。さらに、印刷プレビューに含まれるこれらの挿入されたページのラスタライズされたシート画像は、ページが印刷ジョブに挿入されていることを示す非印刷マークを含む。例えば、挿入ページのラスタライズされた画像は、ページが「挿入物」であることを提示するラベル又はシンボルを有してもよい。これは、ユーザがジョブ内に挿入されたページを素早く特定し、それらをジョブの印刷データから区別することを可能にする。
【0016】
図2を参照して、印刷制御部120の動作を更に詳細に議論する。本実施形態では、印刷制御部120は、ホスト110から到来する印刷ジョブを受信するよう初期化する。印刷制御部120は、到来する印刷ジョブをラスタライズし、マーク付けエンジン140にラスタライズしたジョブを物理的なシート媒体に印刷するよう指示する。さらに、印刷制御部120は、どのようにマーク付けエンジン140が到来するジョブを物理的に印刷するかを説明する印刷プレビューを生成する。
【0017】
図2は、例示的な実施形態における、印刷ジョブに挿入されたページをラベル付けする方法200を説明するフローチャートである。方法200のステップは、図1の印刷制御部120を参照して説明されるが、当業者は方法200が他のシステムでも実行されることを理解するだろう。本願明細書で説明されるフローチャートのステップは、網羅的ではなく、図示されない他のステップを有してもよい。本願明細書に記載されるステップは、別の順序で実行されてもよい。
【0018】
ステップ202で、印刷制御部120のインタフェース122は、論理ページを有する印刷データを受信する。この印刷データは、ページ記述言語(例えば、PostScript)に従ってエンコードされてもよい。さらに、印刷制御部120は、印刷データの論理ページの間にページを挿入する命令を受信する。これらの命令は、例えば、Job Definition Format(JDF)標準に従ってエンコードされたジョブチケットのような、印刷データの付随するジョブチケットで受信されてもよい。命令は、ページが印刷データのページの間に挿入されるべきであることを指示する。これらの挿入物は、例えば、印刷ジョブ内の境界を示すために用いられるカスタマイズされた前刷りシートであってもよい。挿入物のためのシートは、印刷ジョブのためにプリンタの利用可能な特定のトレイに保持されてもよい。挿入物は印刷制御部120により受信されるときに印刷データから分離されるので、挿入物は印刷データ自体のページから区別されることに留意する。さらに、挿入物は、印刷データ内のページの既存の順序に基づき、印刷ジョブ内に配置される。例えば、挿入物は、印刷データのページ4の後に又は印刷データのページ7の前に配置されるページであってもよい。このように、挿入物は、印刷データの論理ページの一部ではないが、ジョブチケット内の命令に基づき、印刷データのページの間に挿入される。幾つかの実施形態では、挿入物は、プリンタ100により印刷されないが、印刷ジョブのページ間に物理的に置かれる前刷りドキュメントである。他の実施形態では、挿入物は、ジョブチケット内の命令に基づき、プリンタ100自体により印刷されてもよい。この差異を念頭に置くと、挿入物が既に生成された印刷データのページの間に配置されること、及びラスタライズ及び印刷のためにジョブが提出される時に挿入物がまだ印刷データの一部ではないことが分かる。
【0019】
ステップ204で、制御ユニット124は、印刷データの印刷プレビューの要求を識別する。この要求は、例えば、ホスト110からインタフェース122を介して受信されてもよい。
【0020】
ステップ206で、制御ユニット124は、命令に基づき、印刷データの挿入物を識別する。このステップでは、制御ユニット124は、いくつの挿入物が要求されているか、挿入物はジョブの印刷データの間のどこに配置されるべきか、どんな種類の挿入物が用いられるべきかを決定するために、受信したジョブチケット又は印刷ジョブに関連する他のデータを解析する。
【0021】
ステップ208で、制御ユニット124は、印刷データの論理ページ及び挿入物をラスタライズし、印刷プレビューのためのシート画像を生成する。論理ページのシート画像は、これらの論理ページについて印刷データをラスタライズしたものである。さらに、シート画像は、マーク付けエンジン140のラスタライズ能力に合わせられる。したがって、シート画像は、印刷ジョブのページを、それらがマーク付けエンジン140により印刷されるように示す。印刷データの論理ページのラスタライズされたものを生成することは、印刷データ自体がページ上のテキスト及び画像の位置及び特性を記述する命令を含むので、極めて直接的な処理である。
【0022】
印刷データに付随するよう挿入物を生成することは、もっと複雑な処理である。ジョブチケットは、挿入物自体の簡単な説明のみを提供し(例えば、命令自体が「ページ4の後に表紙ページを挿入する」ことであってもよい)、例えばどんな種類のラスタライズ画像が挿入物のために生成されるべきかに関して曖昧さを残してもよい。さらに複雑な課題では、挿入物は、マーク付けエンジン140により使用されるトレイに備わっている前刷りシートであってもよく、トレイ内のこれらのシートは、印刷されたグラフィックスを既に含んでいてもよい(つまり、挿入されるシートは、前刷りの「表紙」又は「仕切り紙」であってもよい)。このような環境では、挿入されるシートへの印刷は実際には生じない。しかしながら、ユーザは、挿入物が印刷ジョブの印刷されたシートに含まれたときに、挿入物がおおよそどのように見えるかを見たいと望み得る。
【0023】
印刷ジョブの特性を説明するために、ステップ210で、制御ユニット124は、非印刷マークを挿入物のラスタライズされたシート画像に挿入する。これらの非印刷マークは、挿入物のシート画像を印刷データのラスタライズされた論理ページ(つまり、シート画像)から区別する。印刷データに含まれるジョブチケットは、非印刷グラフィカル・マークを生成又は定期要する命令を有してもよい。或いは、制御ユニット124の内部ロジックは、これらのマークの生成及び配置を指示してもよい。非印刷グラフィカル・マークは、例えば、挿入されたページを挿入物としてラベル付けするテキスト、画像又はそれらの特定の組合せを有してもよい。制御ユニット124は、これらのマークの予めラスタライズされたものをメモリ内に有してもよい。或いは、ホスト110は、印刷ジョブに付随するジョブチケットに、マークを生成する命令を含めてもよい。非印刷マークを印刷ジョブのプレビューに含めることは、ユーザが印刷ジョブの挿入されたページを素早く特定するのを助ける。同時に、これらのマークをシートに実際に印刷するためのインクが要らない。これらの非印刷マークは、例えば、挿入物が前刷りされることの指定、挿入物に用いられるシートの物理的特性(サイズ、重さ、色、等)の表示、マーク付けエンジン140により挿入物のために使用されるトレイ、及び他の特性を有してもよい。更なる実施形態では、非印刷マークは、印刷ジョブの印刷されたシートに実行されるべき後処理を示すグラフィックスを有してもよい。例えば、グラフィカル・マークは、挿入されるページの印刷プレビューと共に含まれ、挿入物に空けられる穴の位置及び大きさを示してもよい。
【0024】
非印刷マークは、全ての挿入物に一貫して同一の位置に配置されるので、ユーザにとってはこれらのページを挿入物として識別するのが容易になる。一実施形態では、非印刷マークは、実際に印刷されるシート画像上のマークとの重なりを低減/最小化するよう配置される。更なる実施形態では、非印刷マークは、ページの印刷可能領域の外側に配置され、挿入されたページのシート上に印刷されるマークとの干渉と最小限に抑える。さらに、非印刷マークは、透かし又は他の捕らえにくい特徴で作成され、それらの印刷されるマークとの干渉を最小限に抑えてもよい。
【0025】
更なる実施形態では、挿入物において、印刷するマークを非印刷マークと明確に区別することが望ましい。これは、非印刷マークのためにユニークな色を用いることにより(例えば、所与の色でマークを強調表示する)、非印刷マークのために異なる線種を用いることにより(例えば、破線又は点線でマークをマーク付けする)、非印刷マークにユニークな境界を適用することにより、又は非印刷マークにユニークな明度又は輝度を用いることにより、達成できる。
【0026】
ステップ212では、制御ユニット124は、ユーザへの提示のために、挿入物として挿入されたページをラベル付けする非印刷マークを含む印刷プレビューのシート画像をディスプレイ130へ送信する。
【0027】
したがって、上述の方法により、ユーザは、印刷ジョブの印刷プレビューを受けることができ、プレビューは、ジョブに挿入されたページのラスタライズされたシート画像を含む。挿入物のシート画像が印刷プレビュー内に含まれるので、ユーザは、印刷データと挿入物の両方をプレビューでき、潜在的な印刷エラーをチェックできる。さらに、ホスト又は第三のアプリケーションの代わりに印刷制御部120でジョブの挿入物をラスタライズすることは、利益をもたらす。なぜなら、印刷プレビューを見るために用いられるアプリケーションに関係なく、挿入されたページのシート画像が一様に表示されることを保証するからである。
【0028】
<例>
以下の例では、更なる処理、システム及び方法が、印刷ジョブのラスタライズされたページに挿入物のシート画像を挿入する状況で記載される。
【0029】
図3は、例示的な実施形態における印刷プレビューを説明するブロック図である。印刷プレビューは、ディスプレイ130を介してユーザに示される。この実施形態では、印刷制御部は、印刷データ及びジョブチケットの論理ページを含む印刷ジョブを受信しているとする。ジョブチケットは、ページが印刷データのページ7の後に印刷プレビューに挿入されるべきであると示す。ジョブチケットは、挿入物が印刷ジョブの種々の特性を記述するデータを含むことも要求する。これらの特性は、例えば、日付、印刷ジョブを提出したユーザ、用紙サイズ、用紙の色、ジョブ内の総ページ数を有する。この情報の全ては、ジョブチケットに含まれる。後に、ユーザは、この印刷ジョブのためにプレビューを生成することを要求する。この要求は、例えば、ユーザが利用可能なアプリケーション又はブラウザを介して受け取られ得る。
【0030】
印刷制御部の制御ユニットは、印刷ジョブのページをラスタライズすることにより、プレビューの生成を開始する。さらに、制御ユニットは、要求された挿入物のシート画像を作成する命令を生成し、次にRIPを用いてこれらのマークを挿入物300のシート画像上にラスタライズする。挿入物300のシート画像に追加されたこれらのマーク302は、印刷されるためのものであり、例えば時間及び日付、印刷ジョブを開始したユーザ、印刷ジョブ内のページ数及び他の特性を示すカスタマイズされた情報を含む。制御ユニットはこのラスタライズされた印刷ジョブが(マーク付けエンジンで実際の印刷のために用いられる代わりに)印刷プレビューのために用いられることを決定するので、制御ユニットは、挿入物300のシート画像内に非印刷マーク304を追加する。特に、制御ユニットは、「このページが挿入ページである」と提示するテキストを追加する。非印刷マーク304をマーク302と区別するために、制御ユニットは、非印刷マーク304に境界線を追加する。この例では、境界線は、破線を有する。本実施形態では、挿入物300のシート画像は、印刷プレビュー内で印刷されるページ310及び印刷されるページ320のシート画像を伴う。したがって、印刷プレビューを見るユーザは、挿入物300が印刷ジョブに挿入されていることを素早く識別し、非印刷マーク304が実際の印刷される印刷ジョブには現れないことを素早く判断できる。
【0031】
本願明細書に開示された実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの種々の組合せの形式を取ることができる。ある特定の実施形態では、ソフトウェアは、印刷制御部120の処理システムに本願明細書に開示された種々の動作を実行することを指示するために用いられる。図4は、コンピュータ可読媒体に具現化された、例示的な実施形態における所望の機能を実行するプログラム命令を実行する処理システムを図示する。処理システム400は、コンピュータ可読記憶媒体412に有形に具現化されたプログラム命令を実行することにより、上述の動作を実行する。これに関して、本発明の実施形態は、コンピュータ又は任意の他の命令実行システムにより使用されるプログラム・コードを提供するコンピュータ可読媒体412を介してアクセス可能なコンピュータ・プログラムの形式を取ることができる。この説明の目的のため、コンピュータ可読記憶媒体412は、コンピュータにより使用されるプログラムを有する又は格納できる任意のものである。
【0032】
コンピュータ可読記憶媒体412は、電子、磁気、光、光磁気、赤外線、又は半導体装置であり得る。コンピュータ可読記憶媒体412の例は、固体メモリ、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータ・ディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、硬質磁気ディスク、及び光ディスクを含む。光ディスクの現在の例は、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、CD-R/W、及びDVDを含む。
【0033】
プログラム・コードを格納及び/又は実行するのに適している処理システム400は、システム・バス450を通じてメモリ要素404に結合された少なくとも1つのプロセッサ402を有する。メモリ要素404は、プログラム・コードの実際の実行中に用いられるローカル・メモリ、大容量記憶装置、並びに実行中に大容量記憶装置からコード及び/又はデータが読み出される回数を低減させるために少なくとも一部のプログラム・コード及び/又はデータの一時記憶を提供するキャッシュ・メモリを含み得る。
【0034】
(キーボード、ディスプレイ、ポインティング・デバイス等を含むがこれらに限定されない)入力/出力又はI/O装置406は、システムに直接に又はI/O制御部を介して結合され得る。ネットワーク・アダプタ・インタフェース408も、システムに結合され、処理システム400を他のデータ処理システム又は記憶装置に仲介するプライベート又は公共ネットワークを通じて結合させ得る。モデム、ケーブル・モデム、IBM Channelアッタッチメント、SCSI、光ファイバ・チャネル、イーサネット(登録商標)・カードは、現在利用可能な種類のネットワーク又はホスト・インタフェース・アダプタのほんの一例である。提示装置インタフェース410は、プロセッサ402により生成される提示データの提示のために、印刷システム及びディスプレイのような1又は複数の提示装置と接続するために、システムに結合され得る。
【0035】
特定の実施形態が本願明細書に記載されたが、本発明の範囲はこれらの特定の実施形態に限定されない。本発明の範囲は、添付の請求の範囲及びその等価物により定められる。
【符号の説明】
【0036】
102 プリンタ
110 ホスト
120 印刷制御部
122 インタフェース
124 制御ユニット
130 ディスプレイ
140 マーク付けエンジン
400 処理システム
402 プロセッサ
404 プログラム及びデータ・メモリ
406 I/O装置
408 ネットワーク・インタフェース
410 提示装置インタフェース
412 記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
論理ページを有する印刷データを受信し、前記印刷データの前記論理ページの間にページを挿入する命令を受信するインタフェース、
前記印刷データの印刷プレビューの要求を受信し、前記命令に基づき前記印刷データの挿入物を識別し、前記印刷データの論理ページ及び前記挿入物をラスタライズして前記印刷プレビューのためにシート画像を生成し、前記挿入物のシート画像に、前記挿入物をラスタライズされた前記印刷データの論理ページと区別する非印刷マークを含め、前記印刷プレビューの前記シート画像を送信する制御ユニット、
を有する印刷制御部。
【請求項2】
前記制御ユニットは、印刷されるべきマークとの重なりを低減する位置に前記非印刷マークを含める、請求項1に記載の印刷制御部。
【請求項3】
前記制御ユニットは、印刷されるべきマークにより用いられる色と異なる色の前記非印刷マークを含める、請求項1に記載の印刷制御部。
【請求項4】
前記制御ユニットは、挿入物が前刷りシートであることを示す前記非印刷マークを含める、請求項1に記載の印刷制御部。
【請求項5】
前記制御ユニットは、前記挿入物のために用いられるシートを保持するトレイを示す前記非印刷マークを含める、請求項1に記載の印刷制御部。
【請求項6】
前記制御ユニットは、所定の画像を有する非印刷マークを含める、請求項1に記載の印刷制御部。
【請求項7】
前記制御ユニットは、テキストを有する非印刷マークを含める、請求項1に記載の印刷制御部。
【請求項8】
前記制御ユニットは、前記挿入物のシートに実行される物理的な後処理を特定する非印刷マークを含める、請求項1に記載の印刷制御部。
【請求項9】
印刷ジョブの印刷データを処理する印刷制御部のための方法であって、前記方法は、
論理ページと印刷データの前記論理ページの間にページを挿入する命令とを含む前記印刷データを受信するステップ、
前記印刷データの印刷プレビューの要求を受信するステップ、
前記命令に基づき、前記印刷データの挿入物を識別するステップ、
前記印刷プレビューのためのシート画像を生成するために、前記印刷データの論理ページ及び前記挿入物をラスタライズするステップ、
前記挿入物を前記印刷データのラスタライズされた論理ページと区別する非印刷マークを前記挿入物のシート画像に含めるステップ、
前記印刷プレビューの前記シート画像を送信するステップ、
を有する方法。
【請求項10】
印刷されるべきマークとの重なりを低減する位置に前記非印刷マークを含めるステップ、
を更に有する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
印刷されるべきマークにより用いられる色と異なる色の前記非印刷マークを含めるステップ、
を更に有する請求項9に記載の方法。
【請求項12】
挿入物が前刷りシートであることを示す前記非印刷マークを含めるステップ、
を更に有する請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記挿入物のために用いられるシートを保持するトレイを示す前記非印刷マークを含めるステップ、
を更に有する請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記非印刷マークは所定の画像を有する、
請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記非印刷マークはテキストを有する、
請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記挿入物のシートに実行される物理的な後処理を特定する非印刷マークを含めるステップ、
を更に有する請求項9に記載の方法。
【請求項17】
プログラム命令を具現化する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記プログラム命令は、プロセッサにより実行されると、方法を実行し、前記方法は、
論理ページと印刷データの前記論理ページの間にページを挿入する命令とを含む印刷データを受信するステップ、
前記印刷データの印刷プレビューの要求を受信するステップ、
前記命令に基づき、前記印刷データの挿入物を識別するステップ、
前記印刷プレビューのためのシート画像を生成するために、前記印刷データの論理ページ及び前記挿入物をラスタライズするステップ、
前記挿入物を前記印刷データのラスタライズされた論理ページと区別する非印刷マークを前記挿入物のシート画像に含めるステップ、
前記印刷プレビューの前記シート画像を送信するステップ、
を有する、媒体。
【請求項18】
前記方法は、
印刷されるべきマークとの重なりを低減する位置に前記非印刷マークを含めるステップ、
を更に有する、請求項17に記載の媒体。
【請求項19】
前記方法は、
印刷されるべきマークにより用いられる色と異なる色の前記非印刷マークを含めるステップ、
を更に有する、請求項17に記載の媒体。
【請求項20】
前記方法は、
挿入物が前刷りシートであることを示す前記非印刷マークを含めるステップ、
を更に有する、請求項17に記載の媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−39830(P2013−39830A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−179867(P2012−179867)
【出願日】平成24年8月14日(2012.8.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】