印刷プログラム、印刷データ出力装置、および印刷システム
【課題】フォームオーバーレイ印刷においてフォームと印刷データとで解像度が異なる場合に画質が低下して印刷されてしまうのを防止する印刷プログラムを提供する。
【解決手段】印刷データの解像度の解像度を持つフォームの情報を取得して(S1〜S4)、印刷データの解像度と同じ解像度を持つフォームの情報を表示する(S6)手順を有する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷プログラム。
【解決手段】印刷データの解像度の解像度を持つフォームの情報を取得して(S1〜S4)、印刷データの解像度と同じ解像度を持つフォームの情報を表示する(S6)手順を有する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷機器に登録されているフォームにこれから送信する印刷データを重ね合わせて印刷を行うための印刷プログラム、印刷データ出力装置、および印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷形態の一つに、あらかじめプリンタ(印刷機器)に登録されているフォームデータを使用して、それにコンピュータから送信した印刷データを重ね合わせて印刷することが行われている。これをフォームオーバーレイ印刷と称している。
【0003】
このフォームオーバーレイ印刷においては、コンピュータから送信した印刷データとプリンタに登録されているフォームデータとで解像度が異なる場合、そのまま印刷すると、フォームに対して印刷データの文字や画像などの位置がずれてしまう。そこで、従来は登録されているフォームデータの画像サイズを、受信した印刷データの画像サイズに合うように変換して印刷するようにしている(たとえば特許文献1)。
【0004】
しかしながら、このような登録されているフォームデータの画像サイズを変換すると、登録されているフォームデータのもともとの解像度と違うものになってしまう。このため、印刷物の画像、特にフォーム部分においてジャギーが発生したり細線がつぶれたりして印刷画質が低下してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−286860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、フォームオーバーレイ印刷において、印刷機器に登録されているフォームデータと、このフォームに重ね合わせる印刷データとで解像度が異なる場合に、印刷画質が低下して印刷されてしまうのを防止する印刷プログラム、印刷データ出力装置、および印刷システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)印刷機器に登録されているフォームにこれから送信する印刷データを重ね合わせて印刷を行うための印刷プログラムであって、前記印刷機器に登録されているフォームの解像度を含むフォームの情報を取得する手順(a)と、前記印刷データの解像度と同じ解像度を持つ前記フォームの情報を表示する手順(b)と、を有する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷プログラム。
【0009】
(2)前記手順(a)は、前記印刷機器に対して指定した解像度を持つフォームの情報を要求する手順と、前記要求に対する前記印刷機器からの応答として送信された前記フォームの情報を受信する手順と、ことを特徴とする(1)記載の印刷プログラム。
【0010】
(3)前記手順(a)は、前記フォームのなかの指定したページの解像度を含むフォームの情報を要求する手順と、前記要求に対する前記印刷機器からの応答として前記フォームの前記指定されたページの解像度を含むフォームの情報を受信する手順と、を有することを特徴とする(1)記載の印刷プログラム。
【0011】
(4)前記手順(a)で取得した前記フォームの情報のなかに前記印刷データの解像度と一致する解像度を持つフォームがない場合に、前記印刷データの解像度とフォームの解像度が一致しないことを表示する手順(c)をさらに有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載の印刷プログラム。
【0012】
(5)(1)〜(4)のいずれか一つに記載の印刷プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0013】
(6)前記印刷機器に登録されているフォームに印刷データを重ね合わせて印刷を行う際の印刷データを前記印刷機器に出力する印刷データ出力装置であって、前記印刷機器に登録されているフォームの解像度を含むフォームの情報を取得して、前記印刷データの解像度と同じ解像度を持つ前記フォームの情報を表示する演算部を有することを特徴とする印刷データ出力装置。
【0014】
(7)前記演算部は、前記印刷機器に対して指定した解像度を持つフォームの情報を要求し、前記要求に対する前記印刷機器からの応答として送信された前記フォームの情報を受信することを特徴とする(6)記載の印刷データ出力装置。
【0015】
(8)前記演算部は、前記フォームのなかの指定したページの解像度を含むフォームの情報を前記印刷機器に要求し、前記要求に対する前記印刷機器からの応答として送信された前記フォームの前記指定されたページの解像度を受信することを特徴とする(6)記載の印刷データ出力装置。
【0016】
(9)前記演算部は取得した前記フォームの情報のなかに前記印刷データの解像度と一致する解像度を持つフォームがない場合に、前記印刷データの解像度とフォームの解像度が一致しないことを表示することを特徴とする(6)〜(9)のいずれか一つに記載の印刷データ出力装置。
【0017】
(10)コンピュータと印刷機器が接続され、前記コンピュータから印刷データを送信して、前記印刷機器に登録されているフォームに前記印刷データを重ね合わせて印刷を行う印刷システムであって、前記コンピュータが前記印刷機器から前記印刷機器に登録されているフォームの解像度を含むフォームの情報を取得して、前記印刷データの解像度と同じ解像度を持つ前記フォームの情報を表示することを特徴とする印刷システム。
【0018】
(11)前記コンピュータは、指定した解像度を持つフォームの情報を前記印刷機器に対して要求し、前記印刷機器は前記要求に対して要求された解像度を持つフォームの情報を前記コンピュータに送信することを特徴とする(10)記載の印刷システム。
【0019】
(12)前記コンピュータは、前記フォームのなかの指定したページの解像度を含むフォームの情報を前記印刷機器に要求し、前記印刷機器は前記要求された前記フォームの前記指定されたページの解像度を前記コンピュータに送信することを特徴とする(10)記載の印刷システム。
【0020】
(13)前記コンピュータは前記フォームの情報のなかに前記印刷データの解像度と一致する解像度を持つフォームがない場合に、前記印刷データの解像度とフォームの解像度が一致しないことを表示することを特徴とする(10)〜(12)のいずれか一つに記載の印刷システム。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、印刷するデータの解像度と同じ解像度のフォームがあるか否かが印刷実行前にわかるようになる。このため印刷するデータの解像度とフォームの解像度が違う場合にフォームと印刷データの位置がずれたり、印刷画質が低下したりした印刷物が出力されてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】プリンタの構成を示すブロック図である。
【図4】フォームデータの登録指示を行うためのプリンタドライバにより表示された画面例を示す図である。
【図5】プリンタにおけるフォーム登録動作手順を示すフローチャートである。
【図6】実施形態1におけるフォームオーバーレイ印刷の印刷手順を示すフローチャートである。
【図7】実施形態1のフォーム設定画面の一例を示す図である。
【図8】適合する解像度のフォームがプリンタにないことを警告する表示例である。
【図9】実施形態2のフォーム設定画面の一例を示す図である。
【図10】全ページの解像度を確認して印刷するフォームオーバーレイ印刷の処理手順を説明するフローチャートである。
【図11】先頭ページの解像度を確認して印刷するフォームオーバーレイ印刷の処理手順を説明するフローチャートである。
【図12】指定ページの解像度を確認して印刷するフォームオーバーレイ印刷の処理手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0024】
[実施形態1]
(システム構成)
図1は印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【0025】
図1に示す印刷システムは、ネットワーク50によって接続された少なくとも一つのコンピュータ10と、コンピュータ10から印刷データを含む印刷ジョブを受け取って印刷を実行するプリンタ(印刷機器)20からなる。
【0026】
図2は、コンピュータの構成を示すブロック図である。
【0027】
コンピュータ10は、演算を行うCPU11(Central Processing Unit)、必要なデータの展開を行うメモリ13(RAM:Random Access Memory)、プログラムやさまざまなデータを記憶するハードディスク15(HDD:Hard disk drive)、および通信インタフェース16(NIC:Network Interface Card)を含み、これらは信号をやり取りするためのバス18を介して相互に接続されている。
【0028】
本実施形態では、CPU11が演算部であり、後述するフォームオーバーレイ印刷のためのプログラムが実行されてコンピュータ10は印刷データ出力装置として機能する。なお、このようなコンピュータ10の構成は一般的なものであるので詳細な説明は省略する。
【0029】
コンピュータ10は、いわゆるパソコンやワークステーションなどと称される一般的なものである。コンピュータ10にはディスプレイ19が接続(または内蔵)されている。また、通信インタフェース、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードなどが備えられている。このコンピュータの機能は通常ものであるので詳細な説明は省略する。
【0030】
なお、コンピュータ10としては、これに限らず、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)やスマートフォンなどと称される携帯端末、そのほかゲーム機器や家電機器などでネットワークによってプリンタに接続することができる構成を有しているものを含む。また、コンピュータ10内各部の構成についても、通常のコンピュータで用いられているものであればここに示されているものに限定されるものではない。
【0031】
この印刷システムでは、コンピュータ10によって後述するプログラムが実行されることで混雑度の情報がコンピュータ10に接続(または内蔵)されているディスプレイ19に表示されることになる。
【0032】
プリンタ20は、さまざまな機能を有するプリンタであるが、基本機能として、印刷ジョブを受け取って印刷を実行する。そして、このプリンタ20はフォームオーバーレイ機能を有しており、フォームデータを記憶することができるようになっている。フォームデータは、コンピュータ10からフォームデータとして登録する旨が付けされて送られてきた印刷ジョブのなかのデータを登録することにより行われる。ここで登録されるフォームは、たとえば、コンピュータ10から送信されたラスターデータや、ラスタライズされたビットマップデータなどプリンタの機能に応じて記憶される。このプリンタ20もフォームオーバーレイ機能を有しているものであればよく、ここに示されているものに限定されるものではない。
【0033】
図3は、プリンタの構成を示すブロック図である。
【0034】
プリンタ20は、CPU21、印刷部22、メモリ23(RAM)、画像形成部24、ハードディスク25(HDD)、および通信インタフェース26を含み、これらは信号をやり取りするためのバス28を介して相互に接続されている。
【0035】
CPU21は、プリンタ全体の制御を行う。また、コンピュータ10からのフォーム登録指令に基づき、送られてきた印刷ジョブのなかの画像データをハードディスク25に記憶させるなどの処理を行う。
【0036】
印刷部22は、電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、画像形成部24で作成された画像を用紙等の記録媒体に印刷する。
【0037】
メモリ23は、主にCPU21の処理に必要なデータの展開を行うためのRAMである。
【0038】
画像形成部24は、コンピュータ10から送られてきた印刷ジョブの印刷データに基づいて画像形成を行って、形成した画像データを印刷部22へ送る。また、CPU21からの指令に基づいてフォームデータをハードディスク25から取り出してコンピュータ10から送られてきた印刷ジョブの印刷データと合成した画像データを作成する。
【0039】
ハードディスク25は、フォームデータを記憶する。また、プリンタ動作に必要なプログラムなども記憶している。
【0040】
通信インタフェース26は、接続されるネットワークの規格に応じてコンピュータ10との通信を行う。
【0041】
ネットワーク50は、たとえば、イーサネット(登録商標)、トークンリング、およびFDDI(Fiber Distributed Data Interface)等の規格によりコンピュータ10やネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)、またはLAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)等の各種のネットワークである。なお、図1においては、ネットワーク50には、コンピュータ10とプリンタ20がそれぞれ1台ずつ接続されるが、これらは複数台接続されていてもよい。
【0042】
(フォーム登録)
次に、このシステムにおけるプリンタへのフォームデータの登録について説明する。
【0043】
まず、フォームデータを登録する際には、コンピュータ10において印刷指示を行う際に、フォームデータの登録指示が行われる。
【0044】
図4はフォームデータの登録指示を行うための画面例を示す図である。
【0045】
この画面例は、出力設定画面であり、たとえばプリンタドライバにより表示される。この画面例では、解像度指定ボタン101、出力指定ボタン102がある。その他の設定に移行するためのタブ103が表示されている。
【0046】
フォームデータの登録指示は、図示するように、出力指定ボタン102によりフォーム登録が指定されることで行われる。このとき登録するフォームデータの解像度も指定される。指定された内容は印刷ジョブに付加される。
【0047】
印刷ジョブのデータはジョブ全体の情報であるジョブ情報、各ページの情報であるページ情報、そして印刷されるデータ(印刷データ)が含まれている。ジョブ情報は、ジョブ名、総ページ数、解像度である。ここで解像度は、本実施形態1では複数ページがある場合でも同じ解像度のフォームデータを扱うプリンタを前提としている。なお、ページごとに解像度が異なるフォームデータの場合については、後述する実施形態2のとおりである。
【0048】
ページ情報は、ページごとに、ページ番号、ページサイズ(主走査方向サイズ、副走査方向サイズ)、ページ解像度、用紙サイズである。ジョブ情報およびページ情報、たとえばPJL(Printer Job Language)などで記述されている。印刷される画像データは、ラスターデータやビットマップデータである。このような印刷ジョブは、対応したプリンタドライバとプリンタであれば、さまざまな制御言語が用いられる。
【0049】
フォームとして登録されたデータは、これらジョブ情報およびページ情報がフォームの情報(以下フォーム情報という)として登録される。
【0050】
図5は、プリンタにおけるフォーム登録動作手順を示すフローチャートである。
【0051】
プリンタ20のCPU21は、コンピュータ10から送られてきた印刷ジョブのなかからフォーム登録指令があるか否かを判断する(S101)。この判断は印刷ジョブのなかのPJLを処理することにより行われる。ここでフォーム登録指令がなければ、通常印刷が行われる(S103)。なお通常印刷の動作については説明を省略する。
【0052】
一方、フォーム登録指令があれば、プリンタ20のCPU21は、コンピュータ10から送られてきた印刷ジョブの印刷データをフォーム情報(ジョブ情報およびページ情報)とともにハードディスク25に記憶させる(S102)。このとき、記憶させるデータは、印刷データとしてPDL(page description language)データが送られてきている場合は、画像形成部24によりラスタライズしてビットマップデータにしてから記憶するようにしている。これにより、次回以降、フォームデータを使用する印刷指示があった場合に、フォームデータのラスタライズを行う必要がなくなり、その分印刷処理を早くすることができる。なお、この段階でラスタライズせずに送られてきたPDLデータをそのまま記憶するようにしてもよい。一方、ビットマップデータが送られてきている場合はそのままビットマップデータを記憶する。
【0053】
(実施形態1のフォームオーバーレイ印刷)
次に、実施形態1におけるフォームオーバーレイ印刷を説明する。図6は、実施形態1におけるフォームオーバーレイ印刷の印刷手順を示すフローチャートである。この手順はコンピュータによって実行されるプログラム(フォームオーバーレイ印刷プログラムという)として提供されるものである。
【0054】
まず、コンピュータ10は、ユーザによってフォームオーバーレイで印刷する印刷データ(コンピュータから送信するデータ)の指定が行われて、フォームオーバーレイ印刷プログラムが起動される。また、起動と同時にフォーム設定画面を表示する(画面例は後述する)。
【0055】
ここで印刷データの指定は、たとえば、コンピュータ10のディスプレイ19上に用意されているフォームオーバーレイ印刷プログラムのアイコンへ印刷データのファイル(アイコン)を重ね合わせるなどの動作により、印刷データの指定とともにフォームオーバーレイ印刷プログラムの起動が行われる(S1)。もちろんそのほか、フォームオーバーレイ印刷プログラムを起動後、そのプログラムから印刷データを選択するようにする、あるいは、プリンタドライバにこのフォームオーバーレイ印刷プログラムを組み込んで、印刷するデータのファイルを開いているソフトウェアのプリントコマンドから、一旦プリンタドライバが起動されて、そこからフォームオーバーレイ印刷プログラムが起動されるようにするなど、さまざまな方法が用いられるようにしてもよい。
【0056】
フォームオーバーレイ印刷プログラム起動により、フォームオーバーレイ印刷プログラムは印刷データを解析してその解像度を認識する(S2)。そして認識した解像度と同じ解像度を持つフォームの情報を要求する(S3)。本実施形態1で要求するフォームの解像度は、フォーム全体の解像度であり、複数ページからなるフォームでは第1ページの解像度を要求することになる。
【0057】
フォーム情報の要求は、たとえば、http(HyperText Transfer Protocol(ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル)を使用する。表1はフォーム情報要求のhttpコマンドの記載例とその説明である。
【0058】
【表1】
【0059】
表1に示したフォーム情報要求のhttpコマンド記載例では、解像度600dpiのフォームについての情報を要求している。解像度1200dpiのフォーム情報であれば「?1200」とすればよい。
【0060】
このフォーム情報要求コマンドは、認識された印刷データの解像度からコマンド内の解像度の項が設定されて、プリンタ20に送信される。
【0061】
このフォーム情報要求コマンドを受けたプリンタ20は、コマンドを処理し、パラメータ部分の解像度情報から、プリンタ自身内に登録されているフォーム情報から解像度が一致するフォーム情報をメモリ23上に一旦リスト化して、コンピュータ10に送信する。表2はフォーム情報のリスト例である。
【0062】
【表2】
【0063】
このリストでは、第1行目は、このリストにおけるフォームの数である。ここでは3つのフォームがリストアップされているので「3」である。2行目以降は各フォーム情報そのものであり、フォームID、フォーム名、総ページ数、1ページ目用紙サイズの順に並んでいる。ここで表3に示すように、第1行が「0」の場合は、要求した解像度のフォームが存在しないことを示す。
【0064】
【表3】
【0065】
続いて、コンピュータ10は、プリンタ20からのフォームリストを受信する(S4)。続いて、コンピュータ10は、受信したデータにフォーム情報が存在するか否かを判断する(S5)。フォーム情報が存在するか否かの判断は、受信したフォームリストの最初の行で判断する。つまり第1行が「0」の場合はフォームがないものと判断する。
【0066】
ここで、フォーム情報がある場合は、コンピュータ10は、受け取ったフォームリストからフォーム設定画面にフォーム一覧を表示する(S6)。
【0067】
図7は実施形態1のフォーム設定画面の一例を示す図である。この画面例では、フォームオーバーレイ印刷を指令するフォームオーバーレイ指令ボタン111、受信したフォーム一覧を表示するフォームリスト112、オーバーレイの方法を指定するオーバーレイ方法指定ボタン113、オーバーレイした状態を簡易表示するプレビュー114、およびプレビューされている表示ページと印刷指令された印刷ジョブの総ページ数、および原稿サイズなどが表示されたページ情報表示部115などである。また、印刷実行を指令する実行ボタン116、ここでの指令を取り消すキャンセルボタン117がある。また、他の設定に移るためのタブ103も表示されている。
【0068】
ユーザによるフォームオーバーレイによる印刷指令は、フォームオーバーレイ指令ボタン111で「フォームオーバーレイする」を選択することで行われる。そして、ユーザは、フォームリストに表示されたフォームのなかから1つを選択する。
【0069】
ユーザからの入力を受けたコンピュータ10は、選択されたフォームの1ページ目のサムネイル画像とページ情報をプリンタ20から取得する(S7)。
【0070】
続いてコンピュータ10は、プリンタ20からこれらの情報を受信して、サムネイル画像をプレビュー114に表示して、さらにページ情報表示部115に、1ページ目の用紙サイズ、総ページ数を表示する(S8)。
【0071】
ユーザはプレビューで確認したフォームで問題なければ、実行ボタン115を押す。コンピュータ10は、この実行の入力を受けて、フォームオーバーレイ印刷する印刷ジョブをプリンタ20へ送信する(S9)。そして処理は終了する。なお、処理中キャンセルボタン117が押されたなら処理全体が終了となる。
【0072】
S5において、httpコマンドで送信した解像度に適合するフォームが存在しない場合、すなわち、プリンタ20から表3に示した第1行が「0」のフォームリストが送られてきた場合は、フォーム設定画面のフォームリスト112には何も表示されず、さらに本実施形態では、そのことをユーザにわかりやすく示すために、適合する解像度のフォームがプリンタ20にないことを警告表示する(S10)。その後処理は終了する。
【0073】
図8は適合する解像度のフォームがプリンタ20にないことを警告する表示例である。図8に示すように、たとえば、適合する解像度のフォームがプリンタ20にないことを警告すると共に、印刷データ自体の解像度を変更するかどうかを選択する画面を表示するようにする。これによりユーザよって、印刷データの解像度の変更が行われた場合は、S1へ戻って再度フォームリスト要求を行うようにするとよい。
【0074】
以上のように、本実施形態1によれば、プリンタに登録されているフォームの解像度を印刷実行前に取得してこれを表示することとした。これによりユーザは、印刷実行前にプリンタに登録されているフォームの解像度がわかるので、フォームオーバーレイ印刷する印刷データ(イメージやテキスト、グラフィックなど)の解像度とフォームの解像度が異なる場合に、なんら警告なく印刷されてしまって、フォームと印刷データの位置がずれてしまったり、あるいは、強制的に拡大や縮小が行われて印刷画質が低下してしまったりするようなことを防止することができる。
【0075】
特に、フォームの解像度を印刷実行前に取得する際には、実行する印刷データの解像度を持つフォームのフォーム情報のみ要求して、これを表示することとした。このため、印刷データの解像度と異なる解像度のフォームのフォーム情報は表示されないので、ユーザにとって表示されるフォーム情報も見やすいものとなる(解像度の一致するフォームがない場合、フォーム情報は空欄となるので分かりやすい)。
【0076】
また、印刷データの解像度とフォームの解像度が異なる場合に、それを警告すると共に、印刷データの解像度の変更を促すこととしたので、プリンタに登録されているフォームの解像度にあった印刷データを再作成してから印刷することもできる。
【0077】
なお、フォーム情報要求の際に、プリンタに登録されている全てのフォームの情報を取得するようにしてもよい。その場合、印刷データと同じ解像度のフォーム情報のみ表示したり、印刷データと同じ解像度のフォーム情報をハイライトして、他の解像度のものをグレーアウトするなどとすることで分かりやすく表示するとよい。
【0078】
以上説明したフォームオーバーレイ印刷プログラムは、フォームオーバーレイ印刷を実行するための単独のプログラムとして提供されてもよし、通常のプリンタドライバの一機能となるように組み込まれてプリンタドライバとして提供されてもよい。
【0079】
また、フォームオーバーレイで印刷する印刷データの指定とともにフォームオーバーレイ印刷プログラムが起動して、その印刷データの解像度と同じ解像度を持つフォームの情報を要求することとしているが、印刷データの指定はせずに、フォームオーバーレイ印刷プログラムを起動して、任意の解像度を指定してフォーム情報の要求を行うようにしてもよい。この場合たとえば要求する解像度の入力枠を表示するなどすればよい。また印刷データの指定を促す表示などでもよい。
【0080】
[実施形態2]
実施形態2は、フォームのページを指定してその解像度を含むフォーム情報を要求するようにした形態である。本実施形態2においても、システム構成やプリンタへのフォームデータの登録については実施形態1と同様であるので説明を省略する。以下、実施形態2のフォームオーバーレイ印刷について説明する。
【0081】
プリンタのなかには、複数の解像度をサポートするものがある。そして一般的に、文字(フォント)やグラフィック(ラインアートなどの線画像)などを多く含むページは高解像度で出力することでより精細な出力結果が得られる。一方、イメージデータ(写真や絵)は低解像度でも十分な出力結果が得られるとされている。印刷データを作成する際に、文字やグラフィックが多いページはより高解像度な解像度で、イメージデータが多いページは低解像度で作成することで印刷データサイズを抑えつつ見た目の印刷画質の低下が少ない印刷出力が可能となる。このような印刷データは、一つのジョブとしてプリンタへ送られた場合に、ページごとに解像度が異なるものとなる。
【0082】
また、PDF(Portable Document Format)やポストスクリプト(Postscript)といった印刷データを、直接プリンタに送信し、印刷可能なダイレクトプリントアプリケーションがある。このダイレクトプリントアプリケーションはプリンタドライバを介さないことで、プリンタドライバの内部処理などが発生しない。このためユーザの作成した印刷データ通りに出力可能である。
【0083】
ダイレクトプリントアプリケーションでは、プリンタドライバのような後処理やフォームの指定などが可能となる。
【0084】
そこで、本実施形態2では、このようなダイレクトプリントアプリケーションの一つとして本発明を適用して、ページごとに解像度が異なるPDFデータをダイレクトプリントアプリケーションで出力する場合について説明する。
【0085】
本実施形態2では、プリンタは解像度の異なるフォームデータをHDDに保持するものとなる。このプリンタは印刷解像度が変更できるものであって、一つのフォームのなかに複数ページがある場合、ページごとに解像度が異なるフォームデータを保持させることができる。なお、そのようなページごとに解像度の異なるフォームデータであっても、登録動作自体は実施形態1と同様である。
【0086】
ここでは、たとえばユーザがフォームに重ね合わせる印刷データとして、ページごとに解像度が異なる印刷データ(たとえばPDFファイル)を作成したものとする。一例をあげれば表4のような構成とする。
【0087】
【表4】
【0088】
コンピュータ10では、ダイレクトプリントアプリケーション(以下、単に「アプリケーション」という)がユーザによって起動され、アプリケーションに作成されたPDFファイルを読み込ませる。
【0089】
アプリケーションはPDFファイルを読み込むと、コンピュータ10内のメモリ上に展開して、PDFの構成に従って全てのページの解像度を取得する。ここで、PDFの全てのページが同じ解像度の場合、実施形態1と同様に、その解像度によるフォームデータ取得要求コマンドをプリンタ20に送信して、以降実施形態1と同様に処理すればよい。
【0090】
一方、上記表4のようにPDFのページごとに複数解像度が混在する場合、フォームデータ取得要求は表5に示すように、解像度を指定せず要求コマンドを送信する。表1に示したhttpコマンド例との違いは、「?」以下がないことである。これにより解像度を指定なしの要求コマンドとなる。
【0091】
【表5】
【0092】
これによりプリンタ20からは、プリンタ20内で保持する全てのフォーム情報をリスト化して応答する。
【0093】
図9は実施形態2のフォーム設定画面の一例を示す図である。この画面例は図7に示したフォーム設定画面のページ情報表示部115において、解像度の表示枠115aが追加になっている。そのほかは図7と同じである。
【0094】
ここで、取得したフォームデータのうち、たとえば、フォーム名「フォーム1」は複数のページからなり、下記表6のように、ページごとに異なる解像度を持っているものとする。
【0095】
【表6】
【0096】
以下、この「フォーム1」のフォームを使用する場合を例に本実施形態2におけるフォームオーバーレイ印刷の動作を説明する。
【0097】
本実施形態2におけるフォームオーバーレイ印刷は3つの形態がある。第1は全ページの解像度を確認して印刷する形態、第2は先頭ページの解像度のみ確認して印刷する形態、第3は指定ページの解像度を確認して印刷する形態である。
【0098】
(第1形態:全ページの解像度を確認して印刷する形態)
この第1形態は、PDFファイルの1ページ目をフォームページの1ページ目、PDFファイルの2ページ目をフォームページの2ページ目といったようにPDFファイルの各ページに対してフォームの各ページをオーバーレイする動作である。
【0099】
図10は全ページの解像度を確認して印刷するフォームオーバーレイ印刷の処理手順を説明するフローチャートである。この手順に従ってコンピュータ10においてアプリケーション(印刷プログラム)が動作することになる。
【0100】
この第1形態において、上記表6のフォームのように4ページからなるフォームを使用して3ページのPDFファイルで印刷する場合、フォームデータの4ページ目は印刷されない。
【0101】
そして、図9に示したフォーム設定画面において、フォームリスト112でフォームが選択され、オーバーレイ方法指定ボタン113から、オーバーレイ方法として「全ページ」が選択されると、コンピュータ10は、プリンタ20に対して1ページ目から順にページごとの情報取得要求コマンドを送信して、その応答結果であるフォームの各ページの情報を取得する。
【0102】
このためにまず、コンピュータ10は、1ページ目の情報を取得するためにページ番号を指定する(S11)。最初はページ番号=1である。そして、指定フォームの指定ページのフォーム情報を取得するための要求コマンドを送信する(S12)。
【0103】
表8にページごとの情報取得要求コマンド例とその説明を示す。
【0104】
【表7】
【0105】
この表7のコマンド例では、フォームIDが1のフォームの1ページ目の解像度を要求している。2ページ目についての要求であれば最後の項は「?2」となる。
【0106】
上記要求コマンドを受け取ったプリンタ20は、表8に示すように、そのフォームの指定されたページの情報を応答する。なお、この表8の内容は表9のとおりである。
【0107】
【表8】
【0108】
【表9】
【0109】
コンピュータ10はプリンタ20からの指定したページのフォーム情報を受信する(S13)。そして、フォームの全ページの情報を取得したか否かを判断し(S14)、取得していなければページ番号をインクリメントして(S15)、S11へ戻る。S11では、インクリメントされた(ページ番号が増加)ページ番号が指定される。
【0110】
フォームの各ページの情報を全て取得した後は、あらかじめコンピュータ10のメモリに展開したPDFファイルのデータの各ページ解像度とフォームのページ解像度を比較することになる。
【0111】
このために、コンピュータ10はまず、ページ番号を指定する(S16)。最初はページ番号1である。
【0112】
続いて、印刷データのなかのS16で指定されたページ番号について、同じくS16で指定されたフォームのページ番号のページの解像度を比較する(S17)。つまり、印刷するデータとフォームとで同じページ番号同士の解像度を否か比較するのである。
【0113】
そして解像度が一致するか否かを判断し(S18)、一致していればそのまま次のステップに移行して全ページを比較したか否かを判断する(S19)。全ページの比較が終了していなければ、ページ番号をインクリメントして(S20)、S16へ戻る。S16では、インクリメントされた(ページ番号が増加)ページ番号が指定される。S19で全ページの比較が終了したと判断されたなら、印刷実行指令の入力待ちとなり、印刷実行指令が入力されたら(フォーム設定画面で実行ボタン116が押されたら)、全ページフォームオーバーレイ印刷を指定された印刷データが印刷ジョブとしてプリンタ20へ送信される(S21)。その後処理は終了する。
【0114】
一方、S18で印刷データのS16で指定されたページ番号と同じくS16で指定されたフォームのページ番号のページの解像度が一致していなければ、この時点で印刷データとフォームとが解像度が合わないことを表示する(S22)。その後処理は終了する。このとき解像度が一致しないことを表示すると共に印刷データの解像度が一致しないページの解像度を変更するかどうかを選択する画面を表示するようにしてもよい(図8参照)。
【0115】
なお、以上の処理中においてキャンセルボタン117が押されたなら処理全体が終了となる。
【0116】
この第1形態の処理により、印刷データとフォームデータとで全ページの解像度が一致した場合に印刷が実行されるようになる。このため、ページごとに解像度が違って、フォームと印刷データがずれてしまったり、あるいは強制的に拡大や縮小が行われて、印刷画質が低下したページが混ざったりということがなくなる。
【0117】
(第2形態:先頭ページのみの解像度を確認して印刷する形態)
この第2形態は、フォームの先頭ページの解像度のみ確認し、全てのページに対して、そのフォームを印刷データの全てに適応してオーバーレイ印刷するものである。
【0118】
この第2形態では、コンピュータ10はフォームの1ページ目のページ情報取得要求を行い、ページ情報を取得する。そしてPDFデータの各ページ解像度とフォーム1ページ目情報との解像度を比較し、解像度が一致しないページが存在した場合、エラーメッセージ等でユーザに対して解像度が異なることを知らせる。
【0119】
図11は先頭ページの解像度を確認して印刷するフォームオーバーレイ印刷の処理手順を説明するフローチャートである。この手順に従ってコンピュータ10においてアプリケーション(印刷プログラム)が動作することになる。
【0120】
まず、図9に示したフォーム設定画面において、フォームリスト112でフォームが選択され、オーバーレイ方法指定ボタン113から、オーバーレイ方法として「先頭ページ」が選択されると、コンピュータ10は、プリンタ20に対して1ページ目の情報取得要求コマンドを送信して、その応答結果であるフォームの各ページの情報を取得する。
【0121】
このためにまず、コンピュータ10は、1ページ目の情報を取得するためにページ番号に「1」を指定して要求コマンドを送信する(S31)。要求するコマンドは、表7に示したコマンド例において、最後の項が「?1」とページ番号「1」が指定されて送信されることになる。
【0122】
そして、コンピュータ10はプリンタ20から第1ページのフォーム情報を受信する(S32)。
【0123】
続いて、コンピュータ10は、印刷データのページ番号を指定する(S33)。最初はページ番号1である。
【0124】
続いて、印刷データのなかのS33で指定されたページ番号のページの解像度とフォームの1ページ目の解像度を比較する(S34)。
【0125】
そして解像度が一致するか否かを判断し(S35)、一致していればそのまま次のステップに移行して印刷データの全ページを比較したか否かを判断する(S36)。全ページの比較が終了していなければ、印刷データのページ番号をインクリメントして(S37)、S33へ戻る。S33では、インクリメントされた(ページ番号が増加)ページ番号が指定される。S36で印刷データの全ページの比較が終了したと判断されたなら、印刷実行指令の入力待ちとなり、印刷実行指令が入力されたら(フォーム設定画面で実行ボタン116が押されたら)、全ページフォームオーバーレイ印刷を指定された印刷データが印刷ジョブとしてプリンタ20へ送信される(S38)。その後処理は終了する。
【0126】
一方、S35で印刷データのページとフォームの第1ページの解像度が一致していなければ、この時点で印刷データとフォームのが解像度が合わないことを警告表示する(S39)。その後処理は終了する。このとき解像度が一致しない旨を表示すると共に印刷データの解像度が一致しないページの解像度を変更するかどうかを選択する画面を表示するようにしてもよい(図8参照)。
【0127】
なお、処理中キャンセルボタン117が押されたなら処理全体が終了となる。
【0128】
このようにフォームの第1ページ目の解像度でのみ比較することで、高速な処理が可能となる。フォームデータを使用する場合に、それに重ね合わせる印刷データは、多くの場合、使用するフォームに合わせないようになっていることが多い。そうすると先頭ページの解像度が一致すれば、後のページにおいても、多く場合解像度は同じであると考えられる。そこで、この第2の形態のように処理することで、多くの場合、印刷画質の低下もなく、第1形態と比較して短い時間で処理が行われて、印刷結果を受け取るまで(プリントアウトされるまで)のトータルの時間を短くすることができる。
【0129】
(第3形態:指定ページの解像度を確認して印刷する形態)
この第3形態は、印刷データの指定したページに対して、フォームデータの指定したページを1:1でオーバーレイするものである。たとえば、印刷データのページ番号「1」に対して、フォームデータのページ番号「2」を指定すると、印刷データの1ページ目に対してフォームページの2ページ目がオーバーレイされて印刷される。
【0130】
この形態において印刷ページの指定は図9に示したフォーム設定画面において、オーバーレイ方法113内の印刷ページ入力枠113aにフォームを適用する印刷データのページを指定し、オーバーレイ方法113内のフォームページ入力枠113bに適用するフォームのページを指定することにより行われる。たとえば、印刷ページ入力枠113aに「1−3」のように指定することでその区間の印刷データ(この場合1ページ目から3ページ目まで)を同じフォームでフォームオーバーレイ印刷することを指定することになる。また、「2,4」などのようにカンマ区切りで指定すればそれらのページがフォームオーバーレイで印刷することを指定することになる。一方、フォームページ入力枠113bに「2」と入力すれば、印刷ページ入力枠113aで指定されたページに適用すえるフォームのページが指定される。カンマ区切りで指定すればそれらのページが指定した順番で印刷データとして指定されたページに適用されるように指定される。
【0131】
さらに、具体的な指定例を表10〜13に示す。表10〜12では、印刷データ指定ページとフォーム指定ページの指定例とその出力結果をして指定例1(表10)、指定例2(表11)、指定例3(表12)として示した。
【0132】
【表10】
【0133】
【表11】
【0134】
【表12】
【0135】
この第3形態では、コンピュータ10はフォームページに指定されたページ番号を解析して、印刷ページで指定されたページ番号と紐づけて、それぞれの解像度がわかるテーブル形式のデータ(以下単に「テーブル」という)を作成してコンピュータ10内のメモリに展開する。そしてフォームの指定ページ番号におけるフォーム情報を取得して、その解像度をテーブルに書き加える。そしてテーブルを参照することで、印刷データの指定ページの解像度と取得したフォームのページの解像度を比較して、解像度が一致しないページが存在した場合、ユーザに対して解像度が異なることを警告する。
【0136】
図12は指定ページの解像度を確認して印刷するフォームオーバーレイ印刷の処理手順を説明するフローチャートである。この手順に従ってコンピュータ10においてアプリケーション(印刷プログラム)が動作することになる。
【0137】
まず、図9に示したフォーム設定画面において、フォームリスト112でフォームが選択され、オーバーレイ方法指定ボタン113から、オーバーレイ方法として「指定ページ」が選択されると共に、印刷ページ入力枠113aおよびフォームページ入力枠113bにそれぞれページが指定される。これらの指定はユーザにより行われる
これによりコンピュータ10は、コンピュータ10内のメモリ上に、印刷データ指定ページの解像度とフォーム指定ページの解像度を対応付けするテーブルを作成する(S41)。
【0138】
そしてこのテーブルに、印刷データの指定ページの解像度を入れる(S42)。この段階でフォーム指定ページの解像度は入っていない。この段階ではフォーム情報をまだ取得していないからである。この状態のテーブル例を表13に示す。なお、表13は上記表10の指定例1の場合である。
【0139】
【表13】
【0140】
プリンタ20に対してフォーム情報を要求するように指定されたページの情報を取得する(S43)。ここで最初は、フォーム指定ページの最初のページ番号が指定されて、要求コマンドが出される。その場合、要求するコマンドは、最後の項の「?」のあとに、フォーム指定ページのページ番号が設定される。これにより、プリンタ20から、指定されたページのフォーム情報が返信されてくるので、コンピュータ10はそれを受信して取得することになる。
【0141】
続いて、コンピュータ10は、フォームの指定ページの全てについてフォーム情報を取得したか否か判断する(S44)。ここで、フォームの指定ページの全てについてフォーム情報の取得が終了していなければ、フォームの指定ページのうち次のページ番号を要求するページに指定して(S45)、S43へ戻る。S43ではS45で指定された次のページ番号のフォーム情報が取得される。
【0142】
一方、S44でフォーム指定ページの全てについてフォーム情報の取得が終了したなら、取得したフォームの指定ページのフォーム情報を解析して、各ページの解像度をS41で作成したテーブルに入れて、テーブルを完成させる(S46)。
【0143】
表14に完成したテーブルの一例を示す。このテーブル例は表13に続くものである。
【0144】
【表14】
【0145】
続いてコンピュータ10は、完成したテーブルを参照して印刷データのなかのページ番号のページの解像度とフォームのページ番号のページの解像度が対応するページごとに一致しているか否かを調べる(S47)。この判断は既に説明したようにテーブルとして印刷データ指定ページとフォーム指定ページを対応させて作成しているので、それらの対応関係から解像度が一致していないものがないか検証すればよい。
【0146】
続いてコンピュータ10は、調べた結果、解像度が一致するか否かを判断する(S48)。ここで解像度が一致していないページがなければ、印刷実行指令の入力待ちとなり、印刷実行指令が入力されたら(フォーム設定画面で実行ボタン116が押されたら)、指定ページに対するフォームオーバーレイ印刷を指定された印刷データが印刷ジョブとしてプリンタ20へ送信される(S49)。その後処理は終了する。
【0147】
一方、解像度が一致していないページが1ページでもあれば、その旨を警告する表示を行う(S50)。このとき解像度が一致しない旨を表示すると共に印刷データの解像度が一致しないページの解像度を変更するかどうかを選択する画面を表示するようにしてもよい(図8参照)。
【0148】
なお、以上の処理中キャンセルボタン117が押されたなら処理全体が終了となる。
【0149】
このように指定した印刷ページに対して重ね合わせるフォームの指定したページについて解像度を比較することしたので、ページ単位でフォームオーバーレイ印刷を行う際に印刷画質の低下した印刷物がそのまま出力されてしまうようなことを防止することができる。
【0150】
以上のように、本実施形態2ではフォームのなかの指定したページごとにそのページの解像度を含むフォーム情報を取得して、印刷データのページを解像度と、1ページでも一致しないページがある場合、印刷データに対してフォーム全体として一致する解像度のフォームが存在しないものとして警告表示することとしている。これによりページ単位で解像度が一致しないような場合であってもフォームと印刷データがずれてしまったり、あるいは、強制的に拡大や縮小が行われて印刷画質が低下してしまったりするようなことを防止することができる。
【0151】
本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。たとえば、コンピュータとプリンタをネットワークにより接続することとしているが、コンピュータとプリンタを直接接続する形態であってもよい。また、フォーム情報の要求は、httpコマンドに限らず、コンピュータからプリンタの情報を入手するための専用の制御信号を用いるようにしてもよい。また、たとえばフォームデータそのものは、プリンタ本体内ではなく、ネットワーク上にあるプリンタサーバーなどプリンタ本体以外の記憶装置に記憶しておいて、フォームオーバーレイ印刷の指示があれば、プリンタサーバーなどからフォームデータを取得してフォームオーバーレイ印刷を実行するようになっていてもよい。この場合、実施形態で説明したフォーム情報の取得はプリンタサーバーなどプリンタ本体以外の記憶装置から取得することになるが、その動作は実施形態で説明したプリンタ20から取得する場合と同じようにすればよい。
【0152】
本実施形態にかかる各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピュータのいずれによっても実現することが可能である。また上記印刷プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、印刷機器を選択する装置の一機能としてその装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。その他、本発明は特許請求の範囲内において種々改変することができる。
【符号の説明】
【0153】
10 コンピュータ、
11,21 CPU、
13,23 メモリ、
15,25 ハードディスク、
19 ディスプレイ、
16,26 通信インタフェース、
20 プリンタ、
22 印刷部、
24 画像形成部、
50 ネットワーク。
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷機器に登録されているフォームにこれから送信する印刷データを重ね合わせて印刷を行うための印刷プログラム、印刷データ出力装置、および印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷形態の一つに、あらかじめプリンタ(印刷機器)に登録されているフォームデータを使用して、それにコンピュータから送信した印刷データを重ね合わせて印刷することが行われている。これをフォームオーバーレイ印刷と称している。
【0003】
このフォームオーバーレイ印刷においては、コンピュータから送信した印刷データとプリンタに登録されているフォームデータとで解像度が異なる場合、そのまま印刷すると、フォームに対して印刷データの文字や画像などの位置がずれてしまう。そこで、従来は登録されているフォームデータの画像サイズを、受信した印刷データの画像サイズに合うように変換して印刷するようにしている(たとえば特許文献1)。
【0004】
しかしながら、このような登録されているフォームデータの画像サイズを変換すると、登録されているフォームデータのもともとの解像度と違うものになってしまう。このため、印刷物の画像、特にフォーム部分においてジャギーが発生したり細線がつぶれたりして印刷画質が低下してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−286860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、フォームオーバーレイ印刷において、印刷機器に登録されているフォームデータと、このフォームに重ね合わせる印刷データとで解像度が異なる場合に、印刷画質が低下して印刷されてしまうのを防止する印刷プログラム、印刷データ出力装置、および印刷システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)印刷機器に登録されているフォームにこれから送信する印刷データを重ね合わせて印刷を行うための印刷プログラムであって、前記印刷機器に登録されているフォームの解像度を含むフォームの情報を取得する手順(a)と、前記印刷データの解像度と同じ解像度を持つ前記フォームの情報を表示する手順(b)と、を有する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷プログラム。
【0009】
(2)前記手順(a)は、前記印刷機器に対して指定した解像度を持つフォームの情報を要求する手順と、前記要求に対する前記印刷機器からの応答として送信された前記フォームの情報を受信する手順と、ことを特徴とする(1)記載の印刷プログラム。
【0010】
(3)前記手順(a)は、前記フォームのなかの指定したページの解像度を含むフォームの情報を要求する手順と、前記要求に対する前記印刷機器からの応答として前記フォームの前記指定されたページの解像度を含むフォームの情報を受信する手順と、を有することを特徴とする(1)記載の印刷プログラム。
【0011】
(4)前記手順(a)で取得した前記フォームの情報のなかに前記印刷データの解像度と一致する解像度を持つフォームがない場合に、前記印刷データの解像度とフォームの解像度が一致しないことを表示する手順(c)をさらに有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載の印刷プログラム。
【0012】
(5)(1)〜(4)のいずれか一つに記載の印刷プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0013】
(6)前記印刷機器に登録されているフォームに印刷データを重ね合わせて印刷を行う際の印刷データを前記印刷機器に出力する印刷データ出力装置であって、前記印刷機器に登録されているフォームの解像度を含むフォームの情報を取得して、前記印刷データの解像度と同じ解像度を持つ前記フォームの情報を表示する演算部を有することを特徴とする印刷データ出力装置。
【0014】
(7)前記演算部は、前記印刷機器に対して指定した解像度を持つフォームの情報を要求し、前記要求に対する前記印刷機器からの応答として送信された前記フォームの情報を受信することを特徴とする(6)記載の印刷データ出力装置。
【0015】
(8)前記演算部は、前記フォームのなかの指定したページの解像度を含むフォームの情報を前記印刷機器に要求し、前記要求に対する前記印刷機器からの応答として送信された前記フォームの前記指定されたページの解像度を受信することを特徴とする(6)記載の印刷データ出力装置。
【0016】
(9)前記演算部は取得した前記フォームの情報のなかに前記印刷データの解像度と一致する解像度を持つフォームがない場合に、前記印刷データの解像度とフォームの解像度が一致しないことを表示することを特徴とする(6)〜(9)のいずれか一つに記載の印刷データ出力装置。
【0017】
(10)コンピュータと印刷機器が接続され、前記コンピュータから印刷データを送信して、前記印刷機器に登録されているフォームに前記印刷データを重ね合わせて印刷を行う印刷システムであって、前記コンピュータが前記印刷機器から前記印刷機器に登録されているフォームの解像度を含むフォームの情報を取得して、前記印刷データの解像度と同じ解像度を持つ前記フォームの情報を表示することを特徴とする印刷システム。
【0018】
(11)前記コンピュータは、指定した解像度を持つフォームの情報を前記印刷機器に対して要求し、前記印刷機器は前記要求に対して要求された解像度を持つフォームの情報を前記コンピュータに送信することを特徴とする(10)記載の印刷システム。
【0019】
(12)前記コンピュータは、前記フォームのなかの指定したページの解像度を含むフォームの情報を前記印刷機器に要求し、前記印刷機器は前記要求された前記フォームの前記指定されたページの解像度を前記コンピュータに送信することを特徴とする(10)記載の印刷システム。
【0020】
(13)前記コンピュータは前記フォームの情報のなかに前記印刷データの解像度と一致する解像度を持つフォームがない場合に、前記印刷データの解像度とフォームの解像度が一致しないことを表示することを特徴とする(10)〜(12)のいずれか一つに記載の印刷システム。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、印刷するデータの解像度と同じ解像度のフォームがあるか否かが印刷実行前にわかるようになる。このため印刷するデータの解像度とフォームの解像度が違う場合にフォームと印刷データの位置がずれたり、印刷画質が低下したりした印刷物が出力されてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】プリンタの構成を示すブロック図である。
【図4】フォームデータの登録指示を行うためのプリンタドライバにより表示された画面例を示す図である。
【図5】プリンタにおけるフォーム登録動作手順を示すフローチャートである。
【図6】実施形態1におけるフォームオーバーレイ印刷の印刷手順を示すフローチャートである。
【図7】実施形態1のフォーム設定画面の一例を示す図である。
【図8】適合する解像度のフォームがプリンタにないことを警告する表示例である。
【図9】実施形態2のフォーム設定画面の一例を示す図である。
【図10】全ページの解像度を確認して印刷するフォームオーバーレイ印刷の処理手順を説明するフローチャートである。
【図11】先頭ページの解像度を確認して印刷するフォームオーバーレイ印刷の処理手順を説明するフローチャートである。
【図12】指定ページの解像度を確認して印刷するフォームオーバーレイ印刷の処理手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0024】
[実施形態1]
(システム構成)
図1は印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【0025】
図1に示す印刷システムは、ネットワーク50によって接続された少なくとも一つのコンピュータ10と、コンピュータ10から印刷データを含む印刷ジョブを受け取って印刷を実行するプリンタ(印刷機器)20からなる。
【0026】
図2は、コンピュータの構成を示すブロック図である。
【0027】
コンピュータ10は、演算を行うCPU11(Central Processing Unit)、必要なデータの展開を行うメモリ13(RAM:Random Access Memory)、プログラムやさまざまなデータを記憶するハードディスク15(HDD:Hard disk drive)、および通信インタフェース16(NIC:Network Interface Card)を含み、これらは信号をやり取りするためのバス18を介して相互に接続されている。
【0028】
本実施形態では、CPU11が演算部であり、後述するフォームオーバーレイ印刷のためのプログラムが実行されてコンピュータ10は印刷データ出力装置として機能する。なお、このようなコンピュータ10の構成は一般的なものであるので詳細な説明は省略する。
【0029】
コンピュータ10は、いわゆるパソコンやワークステーションなどと称される一般的なものである。コンピュータ10にはディスプレイ19が接続(または内蔵)されている。また、通信インタフェース、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードなどが備えられている。このコンピュータの機能は通常ものであるので詳細な説明は省略する。
【0030】
なお、コンピュータ10としては、これに限らず、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)やスマートフォンなどと称される携帯端末、そのほかゲーム機器や家電機器などでネットワークによってプリンタに接続することができる構成を有しているものを含む。また、コンピュータ10内各部の構成についても、通常のコンピュータで用いられているものであればここに示されているものに限定されるものではない。
【0031】
この印刷システムでは、コンピュータ10によって後述するプログラムが実行されることで混雑度の情報がコンピュータ10に接続(または内蔵)されているディスプレイ19に表示されることになる。
【0032】
プリンタ20は、さまざまな機能を有するプリンタであるが、基本機能として、印刷ジョブを受け取って印刷を実行する。そして、このプリンタ20はフォームオーバーレイ機能を有しており、フォームデータを記憶することができるようになっている。フォームデータは、コンピュータ10からフォームデータとして登録する旨が付けされて送られてきた印刷ジョブのなかのデータを登録することにより行われる。ここで登録されるフォームは、たとえば、コンピュータ10から送信されたラスターデータや、ラスタライズされたビットマップデータなどプリンタの機能に応じて記憶される。このプリンタ20もフォームオーバーレイ機能を有しているものであればよく、ここに示されているものに限定されるものではない。
【0033】
図3は、プリンタの構成を示すブロック図である。
【0034】
プリンタ20は、CPU21、印刷部22、メモリ23(RAM)、画像形成部24、ハードディスク25(HDD)、および通信インタフェース26を含み、これらは信号をやり取りするためのバス28を介して相互に接続されている。
【0035】
CPU21は、プリンタ全体の制御を行う。また、コンピュータ10からのフォーム登録指令に基づき、送られてきた印刷ジョブのなかの画像データをハードディスク25に記憶させるなどの処理を行う。
【0036】
印刷部22は、電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、画像形成部24で作成された画像を用紙等の記録媒体に印刷する。
【0037】
メモリ23は、主にCPU21の処理に必要なデータの展開を行うためのRAMである。
【0038】
画像形成部24は、コンピュータ10から送られてきた印刷ジョブの印刷データに基づいて画像形成を行って、形成した画像データを印刷部22へ送る。また、CPU21からの指令に基づいてフォームデータをハードディスク25から取り出してコンピュータ10から送られてきた印刷ジョブの印刷データと合成した画像データを作成する。
【0039】
ハードディスク25は、フォームデータを記憶する。また、プリンタ動作に必要なプログラムなども記憶している。
【0040】
通信インタフェース26は、接続されるネットワークの規格に応じてコンピュータ10との通信を行う。
【0041】
ネットワーク50は、たとえば、イーサネット(登録商標)、トークンリング、およびFDDI(Fiber Distributed Data Interface)等の規格によりコンピュータ10やネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)、またはLAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)等の各種のネットワークである。なお、図1においては、ネットワーク50には、コンピュータ10とプリンタ20がそれぞれ1台ずつ接続されるが、これらは複数台接続されていてもよい。
【0042】
(フォーム登録)
次に、このシステムにおけるプリンタへのフォームデータの登録について説明する。
【0043】
まず、フォームデータを登録する際には、コンピュータ10において印刷指示を行う際に、フォームデータの登録指示が行われる。
【0044】
図4はフォームデータの登録指示を行うための画面例を示す図である。
【0045】
この画面例は、出力設定画面であり、たとえばプリンタドライバにより表示される。この画面例では、解像度指定ボタン101、出力指定ボタン102がある。その他の設定に移行するためのタブ103が表示されている。
【0046】
フォームデータの登録指示は、図示するように、出力指定ボタン102によりフォーム登録が指定されることで行われる。このとき登録するフォームデータの解像度も指定される。指定された内容は印刷ジョブに付加される。
【0047】
印刷ジョブのデータはジョブ全体の情報であるジョブ情報、各ページの情報であるページ情報、そして印刷されるデータ(印刷データ)が含まれている。ジョブ情報は、ジョブ名、総ページ数、解像度である。ここで解像度は、本実施形態1では複数ページがある場合でも同じ解像度のフォームデータを扱うプリンタを前提としている。なお、ページごとに解像度が異なるフォームデータの場合については、後述する実施形態2のとおりである。
【0048】
ページ情報は、ページごとに、ページ番号、ページサイズ(主走査方向サイズ、副走査方向サイズ)、ページ解像度、用紙サイズである。ジョブ情報およびページ情報、たとえばPJL(Printer Job Language)などで記述されている。印刷される画像データは、ラスターデータやビットマップデータである。このような印刷ジョブは、対応したプリンタドライバとプリンタであれば、さまざまな制御言語が用いられる。
【0049】
フォームとして登録されたデータは、これらジョブ情報およびページ情報がフォームの情報(以下フォーム情報という)として登録される。
【0050】
図5は、プリンタにおけるフォーム登録動作手順を示すフローチャートである。
【0051】
プリンタ20のCPU21は、コンピュータ10から送られてきた印刷ジョブのなかからフォーム登録指令があるか否かを判断する(S101)。この判断は印刷ジョブのなかのPJLを処理することにより行われる。ここでフォーム登録指令がなければ、通常印刷が行われる(S103)。なお通常印刷の動作については説明を省略する。
【0052】
一方、フォーム登録指令があれば、プリンタ20のCPU21は、コンピュータ10から送られてきた印刷ジョブの印刷データをフォーム情報(ジョブ情報およびページ情報)とともにハードディスク25に記憶させる(S102)。このとき、記憶させるデータは、印刷データとしてPDL(page description language)データが送られてきている場合は、画像形成部24によりラスタライズしてビットマップデータにしてから記憶するようにしている。これにより、次回以降、フォームデータを使用する印刷指示があった場合に、フォームデータのラスタライズを行う必要がなくなり、その分印刷処理を早くすることができる。なお、この段階でラスタライズせずに送られてきたPDLデータをそのまま記憶するようにしてもよい。一方、ビットマップデータが送られてきている場合はそのままビットマップデータを記憶する。
【0053】
(実施形態1のフォームオーバーレイ印刷)
次に、実施形態1におけるフォームオーバーレイ印刷を説明する。図6は、実施形態1におけるフォームオーバーレイ印刷の印刷手順を示すフローチャートである。この手順はコンピュータによって実行されるプログラム(フォームオーバーレイ印刷プログラムという)として提供されるものである。
【0054】
まず、コンピュータ10は、ユーザによってフォームオーバーレイで印刷する印刷データ(コンピュータから送信するデータ)の指定が行われて、フォームオーバーレイ印刷プログラムが起動される。また、起動と同時にフォーム設定画面を表示する(画面例は後述する)。
【0055】
ここで印刷データの指定は、たとえば、コンピュータ10のディスプレイ19上に用意されているフォームオーバーレイ印刷プログラムのアイコンへ印刷データのファイル(アイコン)を重ね合わせるなどの動作により、印刷データの指定とともにフォームオーバーレイ印刷プログラムの起動が行われる(S1)。もちろんそのほか、フォームオーバーレイ印刷プログラムを起動後、そのプログラムから印刷データを選択するようにする、あるいは、プリンタドライバにこのフォームオーバーレイ印刷プログラムを組み込んで、印刷するデータのファイルを開いているソフトウェアのプリントコマンドから、一旦プリンタドライバが起動されて、そこからフォームオーバーレイ印刷プログラムが起動されるようにするなど、さまざまな方法が用いられるようにしてもよい。
【0056】
フォームオーバーレイ印刷プログラム起動により、フォームオーバーレイ印刷プログラムは印刷データを解析してその解像度を認識する(S2)。そして認識した解像度と同じ解像度を持つフォームの情報を要求する(S3)。本実施形態1で要求するフォームの解像度は、フォーム全体の解像度であり、複数ページからなるフォームでは第1ページの解像度を要求することになる。
【0057】
フォーム情報の要求は、たとえば、http(HyperText Transfer Protocol(ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル)を使用する。表1はフォーム情報要求のhttpコマンドの記載例とその説明である。
【0058】
【表1】
【0059】
表1に示したフォーム情報要求のhttpコマンド記載例では、解像度600dpiのフォームについての情報を要求している。解像度1200dpiのフォーム情報であれば「?1200」とすればよい。
【0060】
このフォーム情報要求コマンドは、認識された印刷データの解像度からコマンド内の解像度の項が設定されて、プリンタ20に送信される。
【0061】
このフォーム情報要求コマンドを受けたプリンタ20は、コマンドを処理し、パラメータ部分の解像度情報から、プリンタ自身内に登録されているフォーム情報から解像度が一致するフォーム情報をメモリ23上に一旦リスト化して、コンピュータ10に送信する。表2はフォーム情報のリスト例である。
【0062】
【表2】
【0063】
このリストでは、第1行目は、このリストにおけるフォームの数である。ここでは3つのフォームがリストアップされているので「3」である。2行目以降は各フォーム情報そのものであり、フォームID、フォーム名、総ページ数、1ページ目用紙サイズの順に並んでいる。ここで表3に示すように、第1行が「0」の場合は、要求した解像度のフォームが存在しないことを示す。
【0064】
【表3】
【0065】
続いて、コンピュータ10は、プリンタ20からのフォームリストを受信する(S4)。続いて、コンピュータ10は、受信したデータにフォーム情報が存在するか否かを判断する(S5)。フォーム情報が存在するか否かの判断は、受信したフォームリストの最初の行で判断する。つまり第1行が「0」の場合はフォームがないものと判断する。
【0066】
ここで、フォーム情報がある場合は、コンピュータ10は、受け取ったフォームリストからフォーム設定画面にフォーム一覧を表示する(S6)。
【0067】
図7は実施形態1のフォーム設定画面の一例を示す図である。この画面例では、フォームオーバーレイ印刷を指令するフォームオーバーレイ指令ボタン111、受信したフォーム一覧を表示するフォームリスト112、オーバーレイの方法を指定するオーバーレイ方法指定ボタン113、オーバーレイした状態を簡易表示するプレビュー114、およびプレビューされている表示ページと印刷指令された印刷ジョブの総ページ数、および原稿サイズなどが表示されたページ情報表示部115などである。また、印刷実行を指令する実行ボタン116、ここでの指令を取り消すキャンセルボタン117がある。また、他の設定に移るためのタブ103も表示されている。
【0068】
ユーザによるフォームオーバーレイによる印刷指令は、フォームオーバーレイ指令ボタン111で「フォームオーバーレイする」を選択することで行われる。そして、ユーザは、フォームリストに表示されたフォームのなかから1つを選択する。
【0069】
ユーザからの入力を受けたコンピュータ10は、選択されたフォームの1ページ目のサムネイル画像とページ情報をプリンタ20から取得する(S7)。
【0070】
続いてコンピュータ10は、プリンタ20からこれらの情報を受信して、サムネイル画像をプレビュー114に表示して、さらにページ情報表示部115に、1ページ目の用紙サイズ、総ページ数を表示する(S8)。
【0071】
ユーザはプレビューで確認したフォームで問題なければ、実行ボタン115を押す。コンピュータ10は、この実行の入力を受けて、フォームオーバーレイ印刷する印刷ジョブをプリンタ20へ送信する(S9)。そして処理は終了する。なお、処理中キャンセルボタン117が押されたなら処理全体が終了となる。
【0072】
S5において、httpコマンドで送信した解像度に適合するフォームが存在しない場合、すなわち、プリンタ20から表3に示した第1行が「0」のフォームリストが送られてきた場合は、フォーム設定画面のフォームリスト112には何も表示されず、さらに本実施形態では、そのことをユーザにわかりやすく示すために、適合する解像度のフォームがプリンタ20にないことを警告表示する(S10)。その後処理は終了する。
【0073】
図8は適合する解像度のフォームがプリンタ20にないことを警告する表示例である。図8に示すように、たとえば、適合する解像度のフォームがプリンタ20にないことを警告すると共に、印刷データ自体の解像度を変更するかどうかを選択する画面を表示するようにする。これによりユーザよって、印刷データの解像度の変更が行われた場合は、S1へ戻って再度フォームリスト要求を行うようにするとよい。
【0074】
以上のように、本実施形態1によれば、プリンタに登録されているフォームの解像度を印刷実行前に取得してこれを表示することとした。これによりユーザは、印刷実行前にプリンタに登録されているフォームの解像度がわかるので、フォームオーバーレイ印刷する印刷データ(イメージやテキスト、グラフィックなど)の解像度とフォームの解像度が異なる場合に、なんら警告なく印刷されてしまって、フォームと印刷データの位置がずれてしまったり、あるいは、強制的に拡大や縮小が行われて印刷画質が低下してしまったりするようなことを防止することができる。
【0075】
特に、フォームの解像度を印刷実行前に取得する際には、実行する印刷データの解像度を持つフォームのフォーム情報のみ要求して、これを表示することとした。このため、印刷データの解像度と異なる解像度のフォームのフォーム情報は表示されないので、ユーザにとって表示されるフォーム情報も見やすいものとなる(解像度の一致するフォームがない場合、フォーム情報は空欄となるので分かりやすい)。
【0076】
また、印刷データの解像度とフォームの解像度が異なる場合に、それを警告すると共に、印刷データの解像度の変更を促すこととしたので、プリンタに登録されているフォームの解像度にあった印刷データを再作成してから印刷することもできる。
【0077】
なお、フォーム情報要求の際に、プリンタに登録されている全てのフォームの情報を取得するようにしてもよい。その場合、印刷データと同じ解像度のフォーム情報のみ表示したり、印刷データと同じ解像度のフォーム情報をハイライトして、他の解像度のものをグレーアウトするなどとすることで分かりやすく表示するとよい。
【0078】
以上説明したフォームオーバーレイ印刷プログラムは、フォームオーバーレイ印刷を実行するための単独のプログラムとして提供されてもよし、通常のプリンタドライバの一機能となるように組み込まれてプリンタドライバとして提供されてもよい。
【0079】
また、フォームオーバーレイで印刷する印刷データの指定とともにフォームオーバーレイ印刷プログラムが起動して、その印刷データの解像度と同じ解像度を持つフォームの情報を要求することとしているが、印刷データの指定はせずに、フォームオーバーレイ印刷プログラムを起動して、任意の解像度を指定してフォーム情報の要求を行うようにしてもよい。この場合たとえば要求する解像度の入力枠を表示するなどすればよい。また印刷データの指定を促す表示などでもよい。
【0080】
[実施形態2]
実施形態2は、フォームのページを指定してその解像度を含むフォーム情報を要求するようにした形態である。本実施形態2においても、システム構成やプリンタへのフォームデータの登録については実施形態1と同様であるので説明を省略する。以下、実施形態2のフォームオーバーレイ印刷について説明する。
【0081】
プリンタのなかには、複数の解像度をサポートするものがある。そして一般的に、文字(フォント)やグラフィック(ラインアートなどの線画像)などを多く含むページは高解像度で出力することでより精細な出力結果が得られる。一方、イメージデータ(写真や絵)は低解像度でも十分な出力結果が得られるとされている。印刷データを作成する際に、文字やグラフィックが多いページはより高解像度な解像度で、イメージデータが多いページは低解像度で作成することで印刷データサイズを抑えつつ見た目の印刷画質の低下が少ない印刷出力が可能となる。このような印刷データは、一つのジョブとしてプリンタへ送られた場合に、ページごとに解像度が異なるものとなる。
【0082】
また、PDF(Portable Document Format)やポストスクリプト(Postscript)といった印刷データを、直接プリンタに送信し、印刷可能なダイレクトプリントアプリケーションがある。このダイレクトプリントアプリケーションはプリンタドライバを介さないことで、プリンタドライバの内部処理などが発生しない。このためユーザの作成した印刷データ通りに出力可能である。
【0083】
ダイレクトプリントアプリケーションでは、プリンタドライバのような後処理やフォームの指定などが可能となる。
【0084】
そこで、本実施形態2では、このようなダイレクトプリントアプリケーションの一つとして本発明を適用して、ページごとに解像度が異なるPDFデータをダイレクトプリントアプリケーションで出力する場合について説明する。
【0085】
本実施形態2では、プリンタは解像度の異なるフォームデータをHDDに保持するものとなる。このプリンタは印刷解像度が変更できるものであって、一つのフォームのなかに複数ページがある場合、ページごとに解像度が異なるフォームデータを保持させることができる。なお、そのようなページごとに解像度の異なるフォームデータであっても、登録動作自体は実施形態1と同様である。
【0086】
ここでは、たとえばユーザがフォームに重ね合わせる印刷データとして、ページごとに解像度が異なる印刷データ(たとえばPDFファイル)を作成したものとする。一例をあげれば表4のような構成とする。
【0087】
【表4】
【0088】
コンピュータ10では、ダイレクトプリントアプリケーション(以下、単に「アプリケーション」という)がユーザによって起動され、アプリケーションに作成されたPDFファイルを読み込ませる。
【0089】
アプリケーションはPDFファイルを読み込むと、コンピュータ10内のメモリ上に展開して、PDFの構成に従って全てのページの解像度を取得する。ここで、PDFの全てのページが同じ解像度の場合、実施形態1と同様に、その解像度によるフォームデータ取得要求コマンドをプリンタ20に送信して、以降実施形態1と同様に処理すればよい。
【0090】
一方、上記表4のようにPDFのページごとに複数解像度が混在する場合、フォームデータ取得要求は表5に示すように、解像度を指定せず要求コマンドを送信する。表1に示したhttpコマンド例との違いは、「?」以下がないことである。これにより解像度を指定なしの要求コマンドとなる。
【0091】
【表5】
【0092】
これによりプリンタ20からは、プリンタ20内で保持する全てのフォーム情報をリスト化して応答する。
【0093】
図9は実施形態2のフォーム設定画面の一例を示す図である。この画面例は図7に示したフォーム設定画面のページ情報表示部115において、解像度の表示枠115aが追加になっている。そのほかは図7と同じである。
【0094】
ここで、取得したフォームデータのうち、たとえば、フォーム名「フォーム1」は複数のページからなり、下記表6のように、ページごとに異なる解像度を持っているものとする。
【0095】
【表6】
【0096】
以下、この「フォーム1」のフォームを使用する場合を例に本実施形態2におけるフォームオーバーレイ印刷の動作を説明する。
【0097】
本実施形態2におけるフォームオーバーレイ印刷は3つの形態がある。第1は全ページの解像度を確認して印刷する形態、第2は先頭ページの解像度のみ確認して印刷する形態、第3は指定ページの解像度を確認して印刷する形態である。
【0098】
(第1形態:全ページの解像度を確認して印刷する形態)
この第1形態は、PDFファイルの1ページ目をフォームページの1ページ目、PDFファイルの2ページ目をフォームページの2ページ目といったようにPDFファイルの各ページに対してフォームの各ページをオーバーレイする動作である。
【0099】
図10は全ページの解像度を確認して印刷するフォームオーバーレイ印刷の処理手順を説明するフローチャートである。この手順に従ってコンピュータ10においてアプリケーション(印刷プログラム)が動作することになる。
【0100】
この第1形態において、上記表6のフォームのように4ページからなるフォームを使用して3ページのPDFファイルで印刷する場合、フォームデータの4ページ目は印刷されない。
【0101】
そして、図9に示したフォーム設定画面において、フォームリスト112でフォームが選択され、オーバーレイ方法指定ボタン113から、オーバーレイ方法として「全ページ」が選択されると、コンピュータ10は、プリンタ20に対して1ページ目から順にページごとの情報取得要求コマンドを送信して、その応答結果であるフォームの各ページの情報を取得する。
【0102】
このためにまず、コンピュータ10は、1ページ目の情報を取得するためにページ番号を指定する(S11)。最初はページ番号=1である。そして、指定フォームの指定ページのフォーム情報を取得するための要求コマンドを送信する(S12)。
【0103】
表8にページごとの情報取得要求コマンド例とその説明を示す。
【0104】
【表7】
【0105】
この表7のコマンド例では、フォームIDが1のフォームの1ページ目の解像度を要求している。2ページ目についての要求であれば最後の項は「?2」となる。
【0106】
上記要求コマンドを受け取ったプリンタ20は、表8に示すように、そのフォームの指定されたページの情報を応答する。なお、この表8の内容は表9のとおりである。
【0107】
【表8】
【0108】
【表9】
【0109】
コンピュータ10はプリンタ20からの指定したページのフォーム情報を受信する(S13)。そして、フォームの全ページの情報を取得したか否かを判断し(S14)、取得していなければページ番号をインクリメントして(S15)、S11へ戻る。S11では、インクリメントされた(ページ番号が増加)ページ番号が指定される。
【0110】
フォームの各ページの情報を全て取得した後は、あらかじめコンピュータ10のメモリに展開したPDFファイルのデータの各ページ解像度とフォームのページ解像度を比較することになる。
【0111】
このために、コンピュータ10はまず、ページ番号を指定する(S16)。最初はページ番号1である。
【0112】
続いて、印刷データのなかのS16で指定されたページ番号について、同じくS16で指定されたフォームのページ番号のページの解像度を比較する(S17)。つまり、印刷するデータとフォームとで同じページ番号同士の解像度を否か比較するのである。
【0113】
そして解像度が一致するか否かを判断し(S18)、一致していればそのまま次のステップに移行して全ページを比較したか否かを判断する(S19)。全ページの比較が終了していなければ、ページ番号をインクリメントして(S20)、S16へ戻る。S16では、インクリメントされた(ページ番号が増加)ページ番号が指定される。S19で全ページの比較が終了したと判断されたなら、印刷実行指令の入力待ちとなり、印刷実行指令が入力されたら(フォーム設定画面で実行ボタン116が押されたら)、全ページフォームオーバーレイ印刷を指定された印刷データが印刷ジョブとしてプリンタ20へ送信される(S21)。その後処理は終了する。
【0114】
一方、S18で印刷データのS16で指定されたページ番号と同じくS16で指定されたフォームのページ番号のページの解像度が一致していなければ、この時点で印刷データとフォームとが解像度が合わないことを表示する(S22)。その後処理は終了する。このとき解像度が一致しないことを表示すると共に印刷データの解像度が一致しないページの解像度を変更するかどうかを選択する画面を表示するようにしてもよい(図8参照)。
【0115】
なお、以上の処理中においてキャンセルボタン117が押されたなら処理全体が終了となる。
【0116】
この第1形態の処理により、印刷データとフォームデータとで全ページの解像度が一致した場合に印刷が実行されるようになる。このため、ページごとに解像度が違って、フォームと印刷データがずれてしまったり、あるいは強制的に拡大や縮小が行われて、印刷画質が低下したページが混ざったりということがなくなる。
【0117】
(第2形態:先頭ページのみの解像度を確認して印刷する形態)
この第2形態は、フォームの先頭ページの解像度のみ確認し、全てのページに対して、そのフォームを印刷データの全てに適応してオーバーレイ印刷するものである。
【0118】
この第2形態では、コンピュータ10はフォームの1ページ目のページ情報取得要求を行い、ページ情報を取得する。そしてPDFデータの各ページ解像度とフォーム1ページ目情報との解像度を比較し、解像度が一致しないページが存在した場合、エラーメッセージ等でユーザに対して解像度が異なることを知らせる。
【0119】
図11は先頭ページの解像度を確認して印刷するフォームオーバーレイ印刷の処理手順を説明するフローチャートである。この手順に従ってコンピュータ10においてアプリケーション(印刷プログラム)が動作することになる。
【0120】
まず、図9に示したフォーム設定画面において、フォームリスト112でフォームが選択され、オーバーレイ方法指定ボタン113から、オーバーレイ方法として「先頭ページ」が選択されると、コンピュータ10は、プリンタ20に対して1ページ目の情報取得要求コマンドを送信して、その応答結果であるフォームの各ページの情報を取得する。
【0121】
このためにまず、コンピュータ10は、1ページ目の情報を取得するためにページ番号に「1」を指定して要求コマンドを送信する(S31)。要求するコマンドは、表7に示したコマンド例において、最後の項が「?1」とページ番号「1」が指定されて送信されることになる。
【0122】
そして、コンピュータ10はプリンタ20から第1ページのフォーム情報を受信する(S32)。
【0123】
続いて、コンピュータ10は、印刷データのページ番号を指定する(S33)。最初はページ番号1である。
【0124】
続いて、印刷データのなかのS33で指定されたページ番号のページの解像度とフォームの1ページ目の解像度を比較する(S34)。
【0125】
そして解像度が一致するか否かを判断し(S35)、一致していればそのまま次のステップに移行して印刷データの全ページを比較したか否かを判断する(S36)。全ページの比較が終了していなければ、印刷データのページ番号をインクリメントして(S37)、S33へ戻る。S33では、インクリメントされた(ページ番号が増加)ページ番号が指定される。S36で印刷データの全ページの比較が終了したと判断されたなら、印刷実行指令の入力待ちとなり、印刷実行指令が入力されたら(フォーム設定画面で実行ボタン116が押されたら)、全ページフォームオーバーレイ印刷を指定された印刷データが印刷ジョブとしてプリンタ20へ送信される(S38)。その後処理は終了する。
【0126】
一方、S35で印刷データのページとフォームの第1ページの解像度が一致していなければ、この時点で印刷データとフォームのが解像度が合わないことを警告表示する(S39)。その後処理は終了する。このとき解像度が一致しない旨を表示すると共に印刷データの解像度が一致しないページの解像度を変更するかどうかを選択する画面を表示するようにしてもよい(図8参照)。
【0127】
なお、処理中キャンセルボタン117が押されたなら処理全体が終了となる。
【0128】
このようにフォームの第1ページ目の解像度でのみ比較することで、高速な処理が可能となる。フォームデータを使用する場合に、それに重ね合わせる印刷データは、多くの場合、使用するフォームに合わせないようになっていることが多い。そうすると先頭ページの解像度が一致すれば、後のページにおいても、多く場合解像度は同じであると考えられる。そこで、この第2の形態のように処理することで、多くの場合、印刷画質の低下もなく、第1形態と比較して短い時間で処理が行われて、印刷結果を受け取るまで(プリントアウトされるまで)のトータルの時間を短くすることができる。
【0129】
(第3形態:指定ページの解像度を確認して印刷する形態)
この第3形態は、印刷データの指定したページに対して、フォームデータの指定したページを1:1でオーバーレイするものである。たとえば、印刷データのページ番号「1」に対して、フォームデータのページ番号「2」を指定すると、印刷データの1ページ目に対してフォームページの2ページ目がオーバーレイされて印刷される。
【0130】
この形態において印刷ページの指定は図9に示したフォーム設定画面において、オーバーレイ方法113内の印刷ページ入力枠113aにフォームを適用する印刷データのページを指定し、オーバーレイ方法113内のフォームページ入力枠113bに適用するフォームのページを指定することにより行われる。たとえば、印刷ページ入力枠113aに「1−3」のように指定することでその区間の印刷データ(この場合1ページ目から3ページ目まで)を同じフォームでフォームオーバーレイ印刷することを指定することになる。また、「2,4」などのようにカンマ区切りで指定すればそれらのページがフォームオーバーレイで印刷することを指定することになる。一方、フォームページ入力枠113bに「2」と入力すれば、印刷ページ入力枠113aで指定されたページに適用すえるフォームのページが指定される。カンマ区切りで指定すればそれらのページが指定した順番で印刷データとして指定されたページに適用されるように指定される。
【0131】
さらに、具体的な指定例を表10〜13に示す。表10〜12では、印刷データ指定ページとフォーム指定ページの指定例とその出力結果をして指定例1(表10)、指定例2(表11)、指定例3(表12)として示した。
【0132】
【表10】
【0133】
【表11】
【0134】
【表12】
【0135】
この第3形態では、コンピュータ10はフォームページに指定されたページ番号を解析して、印刷ページで指定されたページ番号と紐づけて、それぞれの解像度がわかるテーブル形式のデータ(以下単に「テーブル」という)を作成してコンピュータ10内のメモリに展開する。そしてフォームの指定ページ番号におけるフォーム情報を取得して、その解像度をテーブルに書き加える。そしてテーブルを参照することで、印刷データの指定ページの解像度と取得したフォームのページの解像度を比較して、解像度が一致しないページが存在した場合、ユーザに対して解像度が異なることを警告する。
【0136】
図12は指定ページの解像度を確認して印刷するフォームオーバーレイ印刷の処理手順を説明するフローチャートである。この手順に従ってコンピュータ10においてアプリケーション(印刷プログラム)が動作することになる。
【0137】
まず、図9に示したフォーム設定画面において、フォームリスト112でフォームが選択され、オーバーレイ方法指定ボタン113から、オーバーレイ方法として「指定ページ」が選択されると共に、印刷ページ入力枠113aおよびフォームページ入力枠113bにそれぞれページが指定される。これらの指定はユーザにより行われる
これによりコンピュータ10は、コンピュータ10内のメモリ上に、印刷データ指定ページの解像度とフォーム指定ページの解像度を対応付けするテーブルを作成する(S41)。
【0138】
そしてこのテーブルに、印刷データの指定ページの解像度を入れる(S42)。この段階でフォーム指定ページの解像度は入っていない。この段階ではフォーム情報をまだ取得していないからである。この状態のテーブル例を表13に示す。なお、表13は上記表10の指定例1の場合である。
【0139】
【表13】
【0140】
プリンタ20に対してフォーム情報を要求するように指定されたページの情報を取得する(S43)。ここで最初は、フォーム指定ページの最初のページ番号が指定されて、要求コマンドが出される。その場合、要求するコマンドは、最後の項の「?」のあとに、フォーム指定ページのページ番号が設定される。これにより、プリンタ20から、指定されたページのフォーム情報が返信されてくるので、コンピュータ10はそれを受信して取得することになる。
【0141】
続いて、コンピュータ10は、フォームの指定ページの全てについてフォーム情報を取得したか否か判断する(S44)。ここで、フォームの指定ページの全てについてフォーム情報の取得が終了していなければ、フォームの指定ページのうち次のページ番号を要求するページに指定して(S45)、S43へ戻る。S43ではS45で指定された次のページ番号のフォーム情報が取得される。
【0142】
一方、S44でフォーム指定ページの全てについてフォーム情報の取得が終了したなら、取得したフォームの指定ページのフォーム情報を解析して、各ページの解像度をS41で作成したテーブルに入れて、テーブルを完成させる(S46)。
【0143】
表14に完成したテーブルの一例を示す。このテーブル例は表13に続くものである。
【0144】
【表14】
【0145】
続いてコンピュータ10は、完成したテーブルを参照して印刷データのなかのページ番号のページの解像度とフォームのページ番号のページの解像度が対応するページごとに一致しているか否かを調べる(S47)。この判断は既に説明したようにテーブルとして印刷データ指定ページとフォーム指定ページを対応させて作成しているので、それらの対応関係から解像度が一致していないものがないか検証すればよい。
【0146】
続いてコンピュータ10は、調べた結果、解像度が一致するか否かを判断する(S48)。ここで解像度が一致していないページがなければ、印刷実行指令の入力待ちとなり、印刷実行指令が入力されたら(フォーム設定画面で実行ボタン116が押されたら)、指定ページに対するフォームオーバーレイ印刷を指定された印刷データが印刷ジョブとしてプリンタ20へ送信される(S49)。その後処理は終了する。
【0147】
一方、解像度が一致していないページが1ページでもあれば、その旨を警告する表示を行う(S50)。このとき解像度が一致しない旨を表示すると共に印刷データの解像度が一致しないページの解像度を変更するかどうかを選択する画面を表示するようにしてもよい(図8参照)。
【0148】
なお、以上の処理中キャンセルボタン117が押されたなら処理全体が終了となる。
【0149】
このように指定した印刷ページに対して重ね合わせるフォームの指定したページについて解像度を比較することしたので、ページ単位でフォームオーバーレイ印刷を行う際に印刷画質の低下した印刷物がそのまま出力されてしまうようなことを防止することができる。
【0150】
以上のように、本実施形態2ではフォームのなかの指定したページごとにそのページの解像度を含むフォーム情報を取得して、印刷データのページを解像度と、1ページでも一致しないページがある場合、印刷データに対してフォーム全体として一致する解像度のフォームが存在しないものとして警告表示することとしている。これによりページ単位で解像度が一致しないような場合であってもフォームと印刷データがずれてしまったり、あるいは、強制的に拡大や縮小が行われて印刷画質が低下してしまったりするようなことを防止することができる。
【0151】
本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。たとえば、コンピュータとプリンタをネットワークにより接続することとしているが、コンピュータとプリンタを直接接続する形態であってもよい。また、フォーム情報の要求は、httpコマンドに限らず、コンピュータからプリンタの情報を入手するための専用の制御信号を用いるようにしてもよい。また、たとえばフォームデータそのものは、プリンタ本体内ではなく、ネットワーク上にあるプリンタサーバーなどプリンタ本体以外の記憶装置に記憶しておいて、フォームオーバーレイ印刷の指示があれば、プリンタサーバーなどからフォームデータを取得してフォームオーバーレイ印刷を実行するようになっていてもよい。この場合、実施形態で説明したフォーム情報の取得はプリンタサーバーなどプリンタ本体以外の記憶装置から取得することになるが、その動作は実施形態で説明したプリンタ20から取得する場合と同じようにすればよい。
【0152】
本実施形態にかかる各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピュータのいずれによっても実現することが可能である。また上記印刷プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、印刷機器を選択する装置の一機能としてその装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。その他、本発明は特許請求の範囲内において種々改変することができる。
【符号の説明】
【0153】
10 コンピュータ、
11,21 CPU、
13,23 メモリ、
15,25 ハードディスク、
19 ディスプレイ、
16,26 通信インタフェース、
20 プリンタ、
22 印刷部、
24 画像形成部、
50 ネットワーク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷機器に登録されているフォームにこれから送信する印刷データを重ね合わせて印刷を行うための印刷プログラムであって、
前記印刷機器に登録されているフォームの解像度を含むフォームの情報を取得する手順(a)と、
前記印刷データの解像度と同じ解像度を持つ前記フォームの情報を表示する手順(b)と、を有する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷プログラム。
【請求項2】
前記手順(a)は、前記印刷機器に対して指定した解像度を持つフォームの情報を要求する手順と、
前記要求に対する前記印刷機器からの応答として送信された前記フォームの情報を受信する手順と、ことを特徴とする請求項1記載の印刷プログラム。
【請求項3】
前記手順(a)は、前記フォームのなかの指定したページの解像度を含むフォームの情報を要求する手順と、
前記要求に対する前記印刷機器からの応答として前記フォームの前記指定されたページの解像度を含むフォームの情報を受信する手順と、を有することを特徴とする請求項1記載の印刷プログラム。
【請求項4】
前記手順(a)で取得した前記フォームの情報のなかに前記印刷データの解像度と一致する解像度を持つフォームがない場合に、前記印刷データの解像度とフォームの解像度が一致しないことを表示する手順(c)をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の印刷プログラム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の印刷プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項6】
前記印刷機器に登録されているフォームに印刷データを重ね合わせて印刷を行う際の印刷データを前記印刷機器に出力する印刷データ出力装置であって、
前記印刷機器に登録されているフォームの解像度を含むフォームの情報を取得して、前記印刷データの解像度と同じ解像度を持つ前記フォームの情報を表示する演算部を有することを特徴とする印刷データ出力装置。
【請求項7】
前記演算部は、前記印刷機器に対して指定した解像度を持つフォームの情報を要求し、
前記要求に対する前記印刷機器からの応答として送信された前記フォームの情報を受信することを特徴とする請求項6記載の印刷データ出力装置。
【請求項8】
前記演算部は、前記フォームのなかの指定したページの解像度を含むフォームの情報を前記印刷機器に要求し、
前記要求に対する前記印刷機器からの応答として送信された前記フォームの前記指定されたページの解像度を受信することを特徴とする請求項6記載の印刷データ出力装置。
【請求項9】
前記演算部は取得した前記フォームの情報のなかに前記印刷データの解像度と一致する解像度を持つフォームがない場合に、前記印刷データの解像度とフォームの解像度が一致しないことを表示することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一つに記載の印刷データ出力装置。
【請求項10】
コンピュータと印刷機器が接続され、前記コンピュータから印刷データを送信して、前記印刷機器に登録されているフォームに前記印刷データを重ね合わせて印刷を行う印刷システムであって、
前記コンピュータが前記印刷機器から前記印刷機器に登録されているフォームの解像度を含むフォームの情報を取得して、
前記印刷データの解像度と同じ解像度を持つ前記フォームの情報を表示することを特徴とする印刷システム。
【請求項11】
前記コンピュータは、指定した解像度を持つフォームの情報を前記印刷機器に対して要求し、
前記印刷機器は前記要求に対して要求された解像度を持つフォームの情報を前記コンピュータに送信することを特徴とする請求項10記載の印刷システム。
【請求項12】
前記コンピュータは、前記フォームのなかの指定したページの解像度を含むフォームの情報を前記印刷機器に要求し、
前記印刷機器は前記要求された前記フォームの前記指定されたページの解像度を前記コンピュータに送信することを特徴とする請求項10記載の印刷システム。
【請求項13】
前記コンピュータは前記フォームの情報のなかに前記印刷データの解像度と一致する解像度を持つフォームがない場合に、前記印刷データの解像度とフォームの解像度が一致しないことを表示することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一つに記載の印刷システム。
【請求項1】
印刷機器に登録されているフォームにこれから送信する印刷データを重ね合わせて印刷を行うための印刷プログラムであって、
前記印刷機器に登録されているフォームの解像度を含むフォームの情報を取得する手順(a)と、
前記印刷データの解像度と同じ解像度を持つ前記フォームの情報を表示する手順(b)と、を有する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷プログラム。
【請求項2】
前記手順(a)は、前記印刷機器に対して指定した解像度を持つフォームの情報を要求する手順と、
前記要求に対する前記印刷機器からの応答として送信された前記フォームの情報を受信する手順と、ことを特徴とする請求項1記載の印刷プログラム。
【請求項3】
前記手順(a)は、前記フォームのなかの指定したページの解像度を含むフォームの情報を要求する手順と、
前記要求に対する前記印刷機器からの応答として前記フォームの前記指定されたページの解像度を含むフォームの情報を受信する手順と、を有することを特徴とする請求項1記載の印刷プログラム。
【請求項4】
前記手順(a)で取得した前記フォームの情報のなかに前記印刷データの解像度と一致する解像度を持つフォームがない場合に、前記印刷データの解像度とフォームの解像度が一致しないことを表示する手順(c)をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の印刷プログラム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の印刷プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項6】
前記印刷機器に登録されているフォームに印刷データを重ね合わせて印刷を行う際の印刷データを前記印刷機器に出力する印刷データ出力装置であって、
前記印刷機器に登録されているフォームの解像度を含むフォームの情報を取得して、前記印刷データの解像度と同じ解像度を持つ前記フォームの情報を表示する演算部を有することを特徴とする印刷データ出力装置。
【請求項7】
前記演算部は、前記印刷機器に対して指定した解像度を持つフォームの情報を要求し、
前記要求に対する前記印刷機器からの応答として送信された前記フォームの情報を受信することを特徴とする請求項6記載の印刷データ出力装置。
【請求項8】
前記演算部は、前記フォームのなかの指定したページの解像度を含むフォームの情報を前記印刷機器に要求し、
前記要求に対する前記印刷機器からの応答として送信された前記フォームの前記指定されたページの解像度を受信することを特徴とする請求項6記載の印刷データ出力装置。
【請求項9】
前記演算部は取得した前記フォームの情報のなかに前記印刷データの解像度と一致する解像度を持つフォームがない場合に、前記印刷データの解像度とフォームの解像度が一致しないことを表示することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一つに記載の印刷データ出力装置。
【請求項10】
コンピュータと印刷機器が接続され、前記コンピュータから印刷データを送信して、前記印刷機器に登録されているフォームに前記印刷データを重ね合わせて印刷を行う印刷システムであって、
前記コンピュータが前記印刷機器から前記印刷機器に登録されているフォームの解像度を含むフォームの情報を取得して、
前記印刷データの解像度と同じ解像度を持つ前記フォームの情報を表示することを特徴とする印刷システム。
【請求項11】
前記コンピュータは、指定した解像度を持つフォームの情報を前記印刷機器に対して要求し、
前記印刷機器は前記要求に対して要求された解像度を持つフォームの情報を前記コンピュータに送信することを特徴とする請求項10記載の印刷システム。
【請求項12】
前記コンピュータは、前記フォームのなかの指定したページの解像度を含むフォームの情報を前記印刷機器に要求し、
前記印刷機器は前記要求された前記フォームの前記指定されたページの解像度を前記コンピュータに送信することを特徴とする請求項10記載の印刷システム。
【請求項13】
前記コンピュータは前記フォームの情報のなかに前記印刷データの解像度と一致する解像度を持つフォームがない場合に、前記印刷データの解像度とフォームの解像度が一致しないことを表示することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一つに記載の印刷システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−18581(P2012−18581A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156162(P2010−156162)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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