説明

印刷処理装置の制御方法、印刷処理装置、印刷物およびプログラム

【課題】簡易な構成で、偽造防止効果の高い印刷物を作成すること。
【解決手段】偽造防止の必要性がある印刷物として、レシートを作成するレシート印刷装置の制御方法であって、レシートの真贋を判定するためのIDを生成するID生成ステップ(S04)と、生成したIDに基づき、それぞれ異なる情報であって、その全てを組み合わせることによってIDを復元可能な複数の偽造防止情報を生成する偽造防止情報生成ステップ(S05)と、1の印刷媒体上に、複数の偽造防止情報のうち、いずれか1以上の偽造防止情報を通常インクで印刷すると共に、他の1以上の偽造防止情報をステルスインクで印刷する印刷ステップ(S06)と、を実行することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
偽造防止の必要性がある印刷物を作成する印刷処理装置の制御方法、印刷処理装置、印刷物およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、偽造防止の必要性がある印刷物の印刷方法として、例えば特許文献1が提案されている。当該特許文献1の発明は、可視インクを用いて第1の情報を印刷すると共に、蛍光インクを用いて第2の情報を印刷することにより、偽造が困難で、且つ偽造物を簡単に識別可能としたものである。また、同じく特殊インクを用いて偽造防止された印刷物の読み取り方法として、特許文献2が提案されている。当該特許文献2の発明は、可視インクを用いて印刷された2次元コードと、特殊インクを用いて印刷された図形パターンと、の位置関係に基づいて、偽造(変造)の有無を判定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−326443号公報
【特許文献2】特開2007−293836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特許文献1の発明は、複数の情報を、特性の異なるインクで印刷しているだけであるため、偽造抑止効果はあるものの、各情報が個別に複製されれば偽造が可能となる。また、上記特許文献2の発明は、2次元コードと図形パターンの位置関係に基づいて偽造の有無を判定しているため、判定処理が複雑になるといった問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑み、簡易な構成で、偽造防止効果の高い印刷物を作成可能な印刷処理装置の制御方法、印刷処理装置、印刷物およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷処理装置の制御方法は、偽造防止の必要性がある印刷物を作成する印刷処理装置の制御方法であって、印刷処理装置が、印刷物の真贋を判定するためのIDを生成するID生成ステップと、生成したIDに基づき、それぞれ異なる情報であって、その全てを組み合わせることによってIDを復元可能な複数の偽造防止情報を生成する偽造防止情報生成ステップと、1の印刷媒体上に、複数の偽造防止情報のうち、いずれか1以上の偽造防止情報を可視塗料で印刷すると共に、他の1以上の偽造防止情報を不可視塗料で印刷する印刷ステップと、を実行することを特徴とする。
【0007】
本発明の印刷処理装置は、偽造防止の必要性がある印刷物を作成する印刷処理装置であって、印刷物の真贋を判定するためのIDを生成するID生成手段と、生成したIDに基づき、それぞれ異なる情報であって、その全てを組み合わせることによってIDを復元可能な複数の偽造防止情報を生成する偽造防止情報生成手段と、1の印刷媒体上に、複数の偽造防止情報のうち、いずれか1以上の偽造防止情報を可視塗料で印刷すると共に、他の1以上の偽造防止情報を不可視塗料で印刷する印刷手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の印刷物は、それぞれ異なる情報であって、その全てを組み合わせることによって、印刷物の真贋を判定するためのIDを復元可能な複数の偽造防止情報が印刷された印刷物であって、複数の偽造防止情報のうち、いずれか1以上の偽造防止情報が可視塗料で印刷され、他の1以上の偽造防止情報が不可視塗料で印刷されていることを特徴とする。
【0009】
これらの構成によれば、それぞれ異なる情報である複数の偽造防止情報を、可視塗料と不可視塗料で印刷するため、偽造抑止効果がある。つまり、単純に可視塗料で印刷された偽造防止情報のみ複製された場合、IDを復元することができないため、偽造行為を抑止することができ、且つ印刷物の真贋を容易に判定することができる。
また、万が一、各偽造防止情報が個別に複製されたとしても、その全てを組み合わせることによって初めてIDを復元可能であるため、組み合わせ方法(アルゴリズム)が分からなければ、復元結果を知ることができない。つまり、複数の偽造防止情報の組み合わせによってIDを復元可能な構成により、複数の偽造防止情報を細部まで正確に複製しないと偽造が成立しない(偽造が判明してしまう)こと、並びに正確に複製できたか否かの確認ができないこと、などの理由により、高い偽造防止効果を奏することができる。
さらに、偽造判定を行う場合は、印刷物から複数の偽造防止情報を読みとって組み合わせることで、容易に判定ができる。つまり、複雑な判定処理を必要としないため、判定処理の高速化が期待でき、誤判定も少なくすることができる。
なお、印刷物の印刷方法は、インクジェット印刷、サーマル印刷、ドットインパクト印刷、熱転写印刷など、その種類を問わない。また、「不可視塗料」とは、ステルスインク、蛍光インク、赤外線インクなど、光によって可視化されるものの他、熱、化学反応、紙の変質などによって可視化されるものなど、特定の処理を施すことによって可視化される塗料を指す。
【0010】
上記に記載の印刷処理装置の制御方法において、複数の偽造防止情報は、それぞれ単体では意味を成さない情報であることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、複数の偽造防止情報は、それぞれ単体では意味を成さないため、偽造目的で各情報を個別に複製した場合でも、正確に複製できたか否かを判断できない。したがって、より高い偽造防止効果を奏することができる。
【0012】
上記に記載の印刷処理装置の制御方法において、複数の偽造防止情報は、IDを暗号化した暗号化情報と、当該暗号化情報を復号化するための復号化情報と、を含むことが好ましい。
【0013】
この構成によれば、暗号化技術を用いているため、各情報を個別に複製できたとしても、その確認のためのIDの復元が困難である。したがって、より高い偽造防止効果を奏することができる。また、可視塗料によって印刷された情報も暗号化された情報であるため、それを見た犯罪者の偽造行為への抑止効果も期待できる。さらに、暗号化により、セキュリティ確保の効果もある。
なお、暗号化方式としては、DES、トリプルDES、AESなどの共通鍵暗号以外に、秘密鍵暗号や、公開鍵暗号などを採用しても良い。また、特定の人が判別可能な隠語レベルのものを採用しても良い。その他、暗号化のアルゴリズムは問わない。
【0014】
上記に記載の印刷処理装置の制御方法において、印刷物は、会計処理に伴って発行されるレシートであり、印刷処理装置が、会計処理に関する会計情報を取得する会計情報取得ステップをさらに実行し、ID生成ステップでは、会計情報、および印刷処理装置に予め登録されている登録情報に基づいて、IDを生成することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、レシートの偽造を防止することができ、ひいては小売店の損金を低減することができる。また、会計処理に伴って生成される会計情報を利用するため、ID生成のために別途特別な処理を必要としない。また、印刷処理装置に予め登録されている登録情報を利用するため、復元されたIDから、容易にレシートの真贋を判定することができる。
【0016】
上記に記載の印刷処理装置の制御方法において、会計情報は、会計処理の取引合計金額、会計日時、印刷処理装置の操作者であるレジ担当者、のうち少なくとも1以上に関する情報を含み、登録情報は、印刷処理装置が設置されている店舗の店番号、印刷処理装置を識別するための印刷装置番号、の少なくとも一方に関する情報を含むことが好ましい。
【0017】
この構成によれば、復元されたIDから、会計処理の取引合計金額、会計日時、レジ担当者、商品を購入した店舗、レシートを発行した印刷処理装置、などを特定でき、これらの情報に基づいて、レシートの真贋を判定することができる。
【0018】
上記に記載の印刷処理装置の制御方法において、印刷処理装置が、レシートの受取人である顧客の認証情報を取得する認証情報取得ステップをさらに実行し、ID生成ステップでは、認証情報に基づいて、IDを生成することが好ましい。
【0019】
この構成によれば、顧客の認証情報に基づいてIDを生成することで、レシートの真贋判定時に個人認証が必要となるため、より高い偽造防止効果を奏することができる。
【0020】
上記に記載の印刷処理装置の制御方法において、印刷処理装置が、会計レシートの受取人である顧客の認証情報を取得する認証情報取得ステップをさらに実行し、印刷ステップでは、他の1以上の偽造防止情報と共に、認証情報を不可視塗料で印刷することが好ましい。
【0021】
この構成によれば、顧客の認証情報を不可視塗料で印刷することで、レシートの真贋判定時に個人認証が必要となるため、より高い偽造防止効果を奏することができる。
【0022】
上記に記載の印刷処理装置の制御方法において、IDは、いずれか1以上の偽造防止情報と、他の1以上の偽造防止情報と、の演算処理によって復元されることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、複数の偽造防止情報の組み合わせ方法として、演算処理を行うことで、IDを復元することができる。
なお、「演算処理」としては、排他論理演算や、特定ビット数をずらすローテートなど、その種類は問わない。
【0024】
上記に記載の印刷処理装置の制御方法において、複数の偽造防止情報は、それぞれ単体で意味を成し、各偽造防止情報の整合性により、印刷物の真贋が判定されることが好ましい。
【0025】
この構成によれば、複数の偽造防止情報は、それぞれ単体で意味を成すため、例えば複数の偽造防止情報のうち、いずれか1つをレシート番号として用いるなど、他の情報として利用することができる。また、これにより、偽造防止を目的とした印刷であることが分からないため、印刷物を受け取った人(顧客)に不快感を与えることがない。
【0026】
上記に記載の印刷処理装置において、会計処理を行うPOS端末から、会計処理に関する会計情報を取得してレシートを印刷するレシート印刷装置により構成され、ID生成手段は、取得した会計情報に基づいて、IDを生成することが好ましい。
【0027】
この構成によれば、レシート印刷装置によって、印刷処理装置を実現することができる。これにより、POSアプリケーションの変更を必要としないため、既存のPOS端末をそのまま用いることができる。
【0028】
上記に記載の印刷処理装置において、印刷物は、会計処理に伴って発行されるレシートであり、会計処理に関する会計情報に基づいて、IDを生成するID生成手段と、偽造防止情報生成手段と、を有するPOS端末と、POS端末と接続され、印刷手段を有するレシート印刷装置と、から成ることが好ましい。
【0029】
この構成によれば、POS端末とレシート印刷装置によって、印刷処理装置を実現することができる。また、POS端末が、ID生成手段および偽造防止情報生成手段を有するため、既存のレシート印刷装置をそのまま用いることができる。
【0030】
上記に記載の印刷処理装置において、印刷物に印刷された複数の偽造防止情報を読み取る偽造防止情報読み取り手段と、複数の偽造防止情報の読み取り結果に基づいて、IDを復元する復元手段と、復元されたIDに基づいて、印刷物の真贋を判定する真贋判定手段と、をさらに備えたことが好ましい。
【0031】
この構成によれば、印刷処理装置によって、印刷物に印刷された複数の偽造防止情報の読み取りから真贋の判定まで行うことができる。これにより、正確に印刷物の真贋を判定することができる。
【0032】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記に記載の印刷処理装置の制御方法における各ステップを実行させるためのものであることを特徴とする。
【0033】
このプログラムを用いることにより、簡易な構成で、偽造防止効果の高い印刷物を作成可能な印刷処理装置の制御方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1実施形態に係る会計処理システムの制御ブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る会計処理システムの機能ブロック図である。
【図3】レシートの印刷例を示す図である。
【図4】レシート印刷装置によるレシート発行処理を示すフローチャートである。
【図5】判定用IDの生成例および偽造防止情報の生成例を示す図である。
【図6】POS端末による真贋判定処理を示すフローチャートである。
【図7】レシートの他の印刷例を示す図である。
【図8】第2実施形態に係る会計処理システムの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態に係る印刷処理装置の制御方法、印刷処理装置、印刷物およびプログラムについて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。第1実施形態では、本発明の印刷処理装置を、レシート印刷装置に適用した場合について例示する。
【0036】
図1は、第1実施形態に係る会計処理システムSYの制御ブロック図である。同図に示すように、会計処理システムSYは、会計処理を行うPOS端末10と、会計レシートR(以下、単に「レシートR」と称する)を発行するレシート印刷装置20と、レシートRに印刷された情報を読み取るスキャナー30と、から成る。
【0037】
POS端末10は、商品情報を取得すべく、商品に印刷または貼付されたバーコードを読み取るバーコードリーダー11、商品コードなど各種情報を入力するためのキーボード12、商品金額や取引合計金額など各種情報を表示するためのディスプレー13、紙幣や硬貨を収容するキャッシュドロア14、CPU(Central Processing Unit)を主要部とし、POS端末10を統括制御するPOS制御部15、会計処理を行うためのPOSアプリケーション16、レシートRの真贋を判定するための真贋判定プログラム17、レシート印刷装置20およびスキャナー30とそれぞれケーブル等を介して接続するためのPOSインターフェース18、などを備えている。
【0038】
真贋判定プログラム17は、レシートR上に印刷された偽造防止情報50(図3参照)に基づいて、そのレシートRの真贋(偽造されたものであるか否か)を判定するためのプログラムである。詳細については後述するが、偽造防止情報50は、通常インク(可視塗料)によって可視可能に印刷された通常印刷情報51と、ステルスインク(不可視塗料)によって可視不能に印刷されたステルス印刷情報52と、から成る。これらの通常印刷情報51およびステルス印刷情報52は、スキャナー30によって読み取られ、POS端末10がその読み取り結果を取得して真贋を判定する。
【0039】
一方、レシート印刷装置20は、POS端末10による会計処理結果である会計情報、並びに上記の通常印刷情報51を印刷する通常印刷部21、上記のステルス印刷情報52を印刷するステルス印刷部22、長尺状のレシート用紙(印刷媒体)の印刷済み部分をレシート幅方向に切断するレシート切断部23、POS端末10とケーブル等を介して接続するための印刷装置インターフェース24、レシート印刷装置20を統括制御する印刷装置制御部25、各種登録情報を不揮発に記憶する不揮発性メモリー26、偽造防止情報50を印刷するための偽造防止情報印刷プログラム27、レシートRに印刷するための印刷データを一時的に格納する印刷バッファ28、などを備えている。
【0040】
通常印刷部21およびステルス印刷部22は、インクジェット方式により印刷を行う。なお、通常インク吐出用およびステルスインク吐出用として、2つのインクジェットヘッドを備えた構成としても良いし、複数のノズル列を搭載したインクジェットヘッドであれば、ノズル列単位で、異なるインクを吐出させる構成としても良い。
【0041】
また、不揮発性メモリー26には、登録情報として、会計処理システムSYが導入された店舗の店番号や、レシート印刷装置20に固有の印刷装置番号などが登録される。
【0042】
また、偽造防止情報印刷プログラム27は、POS端末10から取得した会計情報、および不揮発性メモリー26に記憶されている登録情報などに基づいて、偽造防止判定に用いられるID(以下、「判定用ID」と称する)を生成し、これを暗号化して、偽造防止情報50(通常印刷情報51およびステルス印刷情報52)を生成する。当該判定用IDは、レジ担当者番号や会計日時などを含む文字列(数字列)であり(図5(a)参照)、レシートRを一意に特定できる情報となっている。
【0043】
一方、スキャナー30は、通常印刷情報51を読み取る通常印刷読み取り部31、ステルス印刷情報52を読み取るステルス印刷読み取り部32、POS端末10とケーブル等を介して接続するためのスキャナーインターフェース33、スキャナー30を統括制御するスキャナー制御部34、通常印刷読み取り部31およびステルス印刷読み取り部32で読み取った読み取りデータを一時的に格納するスキャナーバッファ35、などを備えている。
【0044】
通常印刷読み取り部31は、一般的なスキャナーを適用可能であり、光源の種類(LED、レーザーなど)は問わない。また、ステルス印刷情報52は、例えば、赤外線カメラ(CMOSセンサーに赤外線フィルターを装着したもの)でレシートR上に赤外線を照射し、その反射光を撮影する。なお、これら通常印刷読み取り部31およびステルス印刷読み取り部32は、通常印刷情報51およびステルス印刷情報52を同時に読み取っても良いし、時間分割で読み取っても良い。また、スキャナー30として、通常インク読み取り用のスキャナーと、ステルスインク読み取り用のスキャナーと、を単純に組み合わせたような構造のものを用いても良い。
【0045】
次に、図2を参照し、POS端末10、レシート印刷装置20およびスキャナー30の機能構成について説明する。まず、POS端末10は、主な機能構成として、会計処理手段110、復元手段120、真贋判定手段130および判定結果表示手段140を備えている。
【0046】
会計処理手段110は、POS制御部15がPOSアプリケーション16に基づいて、会計処理を行うものである。また、復元手段120は、POS制御部15が真贋判定プログラム17を利用し、スキャナー30から取得した偽造防止情報50の読み取り結果に基づいて、判定用IDを復元するものである。すなわち、真贋判定プログラム17には、暗号情報を復元(復号化)するためのプログラムが含まれる。
【0047】
また、真贋判定手段130は、POS制御部15が真贋判定プログラム17を利用し、復元手段120による判定用IDの復元結果からレシートRの真贋を判定するものである。さらに、判定結果表示手段140は、POS制御部15が真贋判定手段130の判定結果をディスプレー13に表示するものである。
【0048】
続いて、レシート印刷装置20の機能構成について説明する。レシート印刷装置20は、主な機能構成として、会計情報取得手段210、ID生成手段220、偽造防止情報生成手段230および印刷手段240を備えている。
【0049】
会計情報取得手段210は、印刷装置インターフェース24が、POS端末10から会計情報を取得するものである。また、ID生成手段220は、印刷装置制御部25が偽造防止情報印刷プログラム27を利用して、判定用IDを生成するものである。
【0050】
また、偽造防止情報生成手段230は、印刷装置制御部25がID生成手段220によって生成された判定用IDから、偽造防止情報印刷プログラム27を利用して偽造防止情報50を生成するものである。上記の通り、偽造防止情報50は、通常印刷情報51およびステルス印刷情報52から成る。通常印刷情報51としては、ID生成手段220によって生成された判定用IDを暗号化した暗号化情報を生成し、ステルス印刷情報52としては、暗号化情報を復号化するための復号化キー(復号化情報)を生成する。したがって、偽造防止情報印刷プログラム27には、判定用IDを暗号化するためのプログラムが含まれる。
【0051】
なお、暗号化方式としては、DES、トリプルDES、AESなどの共通鍵暗号以外に、秘密鍵暗号や、公開鍵暗号などを採用しても良い。すなわち、ステルス印刷情報52として、共通鍵、秘密鍵および公開鍵などを生成しても良い。また、暗号化方式としては、店員など、特定の人が判別可能な隠語レベルのものを採用しても良い。
【0052】
印刷手段240は、通常印刷部21により、通常印刷情報51を印刷し、ステルス印刷部22により、ステルス印刷情報52を印刷するものである。これら通常印刷情報51およびステルス印刷情報52は、対で意味を成すため、同一のレシートR上に印刷する。
【0053】
続いて、スキャナー30の機能構成について説明する。スキャナー30は、主な機能構成として、偽造防止情報読み取り手段310および偽造防止情報送信手段320を備えている。
【0054】
偽造防止情報読み取り手段310は、レシートRに印刷された通常印刷情報51を通常印刷読み取り部31で読み取ると共に、ステルス印刷情報52をステルス印刷読み取り部32で読み取るものである。また、偽造防止情報送信手段320は、スキャナー制御部34が、スキャナーバッファ35から偽造防止情報読み取り手段310による読み取り結果を読み出し、スキャナーインターフェース33を介してPOS端末10に送信するものである。
【0055】
次に、図3を参照し、レシートRの印刷項目について説明する。同図に示すように、レシートRには、店情報41と、会計日時情報42と、商品情報43と、取引合計金額情報44と、精算情報45と、レジ担当者情報46と、が印刷される。これらは、POS端末10によって生成される会計情報に基づく項目であり、全て通常印刷部21により印刷される。
【0056】
また、レシートRには、上記の各項目41〜46の下端側に、偽造防止情報50が印刷される。偽造防止情報50は、通常印刷情報51の下端側に、ステルス印刷情報52が印刷される。なお、ステルス印刷情報52は、通常光下では視認できない情報であるため、図3では、鎖線枠にて、その印刷領域を示している。
【0057】
次に、図4のフローチャートを参照し、レシート印刷装置20によるレシート発行処理について説明する。レシート印刷装置20(印刷装置制御部25)は、POS端末10から会計情報を取得すると(S01)、当該会計情報から、レジ担当者番号、会計日時、取引合計金額に関する情報を抽出する(S02)。つまり、図3に示した印刷項目のうち、レジ担当者情報46、会計日時情報42、取引合計金額情報44を抽出する。
【0058】
続いて、レシート印刷装置20は、不揮発性メモリー26から、店舗を識別するための店番号を取得する(読み出す)(S03)。また、店番号、レジ担当者番号、会計日時、取引合計金額に基づいて、判定用IDを生成し(S04)、当該判定用IDを、所定の暗号化アルゴリズムに基づいて暗号化することにより、偽造防止情報50を生成する(S05)。その後、会計情報(図3に示した項目41〜46)と共に、偽造防止情報50を、レシート用紙に印刷し(S06)、これを短冊状に切断して、レシートRを作成する(S07)。
【0059】
次に、図5を参照し、判定用IDおよび偽造防止情報50の生成アルゴリズムについて説明する。図5(a)は、判定用IDの生成例を示す図である。同図に示すように、判定用IDは、3桁の数字で表される「店番号」、3桁の数字で表される「レジ担当者番号」、12桁の数字で表される「会計日時」、7桁の数字で表される「取引合計金額」の、合計25桁の数字から成る。同図において括弧書きで示す数値は、図3に示したレシート印刷例の各項目の数値に対応している。
【0060】
一方、図5(b)は、偽造防止情報50の生成例を示す図である。上記の通り、偽造防止情報50は、「暗号化情報」および「復号化キー」から成る。「暗号化情報」は、図3に示したように、「レジID」の項目名を付して印刷される(符号51参照)。また、「暗号化情報」は、9桁の英数字で表されて通常印刷され(図3の符号51参照)、「復号化キー」は、7桁の英数字で表されてステルス印刷される(図3の符号52で示す領域に印刷される)。このように、視認可能に印刷された情報が暗号化された情報であり、且つ「レジID」などの項目が付加されているため、顧客は、そのレシートRが何らかの目的で管理されていることを判断できる。また、偽造を行おうとする者にとっては、有効な抑止力となる。
【0061】
なお、図5に示した判定用IDおよび偽造防止情報50の生成例は、一例に過ぎず、各項目を表す英数字列の桁数や、文字種類(数字、アルファベット、記号など)の組み合わせは任意である。また、生成に用いるパラメーターも任意である。例えば、判定用IDを生成する際、不揮発性メモリー26に予め登録されている「印刷装置番号」を含めて生成しても良い。また、偽造防止情報50を生成する際、通常印刷情報51およびステルス印刷情報52として、暗号化情報を2つに分けて(例えば、前半5桁と、後半4桁など)印刷し、復号化する場合は、公開鍵を用いるようにしても良い。
【0062】
次に、図6のフローチャートを参照し、POS端末10による真贋判定処理について説明する。POS端末10(POS制御部15)は、スキャナー30から、偽造防止情報50の読み取り結果を取得すると(S11)、これを復号化することにより、判定用IDを復元する(S12)。
【0063】
続いて、復元した判定用ID(図5(a)に示した25桁の数字列)の最初の3桁に基づいて、店番号が、存在する番号であるか否かを判別する(S13)。すなわち、POS端末10内のデーターベース(図示省略)には、店番号の一覧を示す情報が予め記憶されており、当該店番号の一覧を参照して、S13の判別を行う。店番号が、存在する番号でない場合は(S13:No)、偽造の可能性ありと判定する(S14)。
【0064】
また、店番号が、存在する番号である場合は(S13:Yes)、続いて、判定用IDの4桁目〜6桁目に基づいて、レジ担当者番号が、存在する番号であるか否かを判別する(S15)。すなわち、上記のデーターベースには、担当者番号の一覧を示す情報が記憶されており、当該担当者番号の一覧を参照して、S15の判別を行う。但し、担当者番号は、頻繁に追加、削除されることが想定されるため、チェーン展開されている店舗の場合などは、Web上に存在するデーターベースサーバーを参照して、S15の判別を行うようにしても良い。当然、上記S13の判別を行う場合も、当該データーベースサーバーを参照する構成としても良い。S15において、担当者番号が、存在する番号でない場合は(S15:No)、偽造の可能性ありと判定する(S14)。
【0065】
担当者番号が、存在する番号である場合は(S15:Yes)、続いて、判定用IDの7桁目〜18桁目に基づいて、会計日時が、正常な日時であるか否かを判別する(S16)。例えば、復元した判定用IDが示す会計日時が「13月」を示す場合、正常な日時でないものとして(S16:No)、偽造の可能性ありと判定する(S14)。
【0066】
また、会計日時が、正常な日時である場合は(S16:Yes)、続いて、判定用IDの最後の7桁に基づいて、取引合計金額が、正常な数値か否かを判別する(S17)。例えば、復元した判定用IDが示す取引合計金額がマイナスを示す場合、正常な数値でないものとして(S17:No)、偽造の可能性ありと判定する(S14)。また、取引合計金額が、正常な数値である場合は(S17:Yes)、偽造なしと判定する(S18)。その後、S14またはS17の判定結果をディスプレー13に表示し(S19)、処理を終了する。
【0067】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、レシートR上に、互いに異なる情報である2つの偽造防止情報50を、通常インクとステルスインクの2種類を用いて印刷するため、偽造抑止効果がある。また、複数の偽造防止情報50の組み合わせによってIDを復元可能な構成であるため、複数の偽造防止情報50を細部まで正確に複製しないと偽造が成立しないこと、並びに正確に複製したか否かの確認ができないこと、などの理由により、効果的に偽造を防止することができ、且つ偽造物を簡単に識別することができる。これにより、レシートRの偽造を効果的に防止することができ、ひいては小売店の損金を低減することができる。
【0068】
さらに、偽造判定を行う場合は、レシートRから複数の偽造防止情報50を読みとって組み合わせることで、容易に判定ができる。つまり、複雑な判定処理を必要としないため、判定処理の高速化が期待でき、誤判定も少なくすることができる。
【0069】
また、複数の偽造防止情報50として、判定用IDを暗号化した暗号化情報(通常印刷情報51)と、当該暗号化情報を復号化するための復号化キー(ステルス印刷情報52)と、を印刷するため、各情報を個別に複製できたとしても、IDの復元が困難である。つまり、暗号化技術を用いることで、より高い偽造防止効果を奏することができる。また、暗号化情報と復号化キーは、それぞれ単体では意味を成さない情報であるため、複製結果から、各情報を正確に複製したか否かの判断ができない。したがって、より高い偽造防止効果を奏することができる。
【0070】
また、レシート印刷装置20内に、ID生成手段220および偽造防止情報生成手段230を備えているため(図2参照)、POS端末10(POSアプリケーション16)としては、既存のものを用いることができる。つまり、レシート印刷装置20の変更または機能追加のみによって、偽造防止印刷機能を実現することができるため、導入コストの軽減を図ることができる。
【0071】
なお、上記の実施例では、通常印刷情報51とステルス印刷情報52と、を異なる領域に印刷するものとしたが(図3参照)、図7(a)に示すように、通常印刷情報51とステルス印刷情報52とを、重畳印刷しても良い。また、ステルス印刷情報52を、会計情報に重畳して印刷しても良い。この構成によれば、レシートRの使用量を減らすことができる。
【0072】
また、上記の実施例では、通常印刷情報51として、文字列を印刷するものとしたが、図7(b)に示すように、バーコードを印刷しても良い。また、ステルス印刷情報52としても、バーコードを印刷しても良い。
【0073】
また、特に図示しないが、通常印刷情報51およびステルス印刷情報52のうち、いずれか一方のみをバーコードとし、他方を文字列として印刷しても良い。さらに、バーコードに代えて、2次元コードなど、他のコード画像を印刷しても良い。
【0074】
また、上記の実施例では、インクジェット方式により偽造防止情報50の印刷を行うものとしたが、サーマル印刷、ドットインパクト印刷、熱転写印刷など、その種類を問わない。また、複数の偽造防止情報50を、通常インクおよびステルスインクで印刷するものとしたが、ステルスインクに代えて、蛍光インクや赤外線インクなどを採用しても良い。また、光によって可視化されるものの他、熱、化学反応、紙の変質などによって可視化される塗料を用いても良い。すなわち、特定の処理を施すことによって可視化される塗料であれば、その種類は問わない。
【0075】
また、上記の実施例では、図5(a)に示した各項目を含めて、判定用IDを生成するものとしたが、レシートRを受け取る顧客の認証情報(生体情報、暗証番号、身分証明書の記載内容など)を含めても良い。この場合、POS端末10またはレシート印刷装置20において、顧客の認証情報を取得する手段が必要となる(認証情報取得ステップ)。この構成によれば、レシートRの真贋判定時に個人認証が必要となるため、より高い偽造抑止効果を奏することができる。
【0076】
また、顧客の認証情報を含めて判定用IDを生成するのではなく、顧客の認証情報を、ステルス印刷情報52の一部として印刷しても良い。この構成でも、上記と同様の効果を奏することができる。
【0077】
なお、顧客の認証情報の利用を、高額商品の購入時や取引合計金額が所定額以上の場合などに限定しても良い。つまり、レシート印刷装置20において、会計情報の内容から、認証情報の要否を判別し、「要」と判定した場合に、顧客に対して認証を求める(例えば、認証情報入力部を有効にする)ようにしても良い。この構成によれば、偽造レシートによる被害が大きくなりそうな場合に、偽造防止効果を高めるための認証情報を含めて判定用IDを生成したり、ステルス印刷情報52として印刷したりするため、レシートRの偽造による小売店の甚大な被害を未然に防ぐことができる。
【0078】
また、上記の実施例では、暗号化技術を用いて、偽造防止情報50を生成するものとしたが、演算処理によって偽造防止情報50を生成しても良い。すなわち、判定用IDが、複数の偽造防止情報50の演算処理によって復元されるようにしても良い。この構成によれば、容易に偽造防止情報50の生成、およびその復元を行うことができる。なお、「演算処理」としては、排他論理演算や、特定ビット数をずらすローテートなど、その種類を問わない。
【0079】
また、上記の実施例では、偽造防止情報50として、2種類の情報を印刷するものとしたが、3種類以上であっても良い。また、その場合、通常インク、ステルスインクおよび蛍光インクで印刷を行うなど、使用する印刷塗料の種類も、2種類に限定されるものではない。
【0080】
また、上記の実施例では、通常印刷情報51およびステルス印刷情報52の両方が、それぞれ単体で意味を成さない情報であるものとしたが、それぞれ単体で意味を成す情報としても良い。また、レシートRの真贋を、各情報51,52の整合性により判定しても良い。この構成によれば、各偽造防止情報50が、それぞれ単体で意味を成すため、例えば通常印刷情報51およびステルス印刷情報52のいずれか一方をレシート番号として用いるなど、他の情報として利用することができる。また、これにより、偽造防止を目的とした印刷であることが分からないため、顧客に不快感を与えることがない。
【0081】
また、上記の実施例において、POS端末10は、レシートRの真贋判定結果を、ディスプレー13に表示するものとしたが、LEDの点灯、点滅などによって判定結果を表示しても良い。また、顧客からは、判定結果が分からないように、店員に対してのみ判定結果を報知しても良い。この構成によれば、POS端末10が「偽装の可能性あり」と判定した場合、顧客に不快な思いをさせることがない。
【0082】
また、上記の実施例では、POS端末10が真贋判定を行うものとしたが、判定用IDの復元だけを行い、真贋の判定は、店員が行っても良い。この場合、POS端末10は、ディスプレー13上に判定用IDの復元結果を表示することとなる。
【0083】
[第2実施形態]
次に、図8を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。上記の第1実施形態は、レシート印刷装置20内に、ID生成手段220および偽造防止情報生成手段230を備える構成であったが、本実施形態では、これらをPOS端末10内に備える点で異なる。以下、第1実施形態と異なる点のみ簡単に説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
【0084】
図8に示すように、本実施形態の会計処理システムSYでは、POS端末10の機能構成として、ID生成手段410および偽造防止情報生成手段420が含まれる。これに伴い、レシート印刷装置20は、会計情報取得手段210および印刷手段240のみの構成となる。
【0085】
ID生成手段410および偽造防止情報生成手段420は、第1実施形態のID生成手段220および偽造防止情報生成手段230と、ほぼ同様に機能する。但し、ID生成手段410が、店番号や印刷装置番号(POS端末番号)を含めて判定用IDを生成する場合、それらの情報を、予めPOS端末10内に不揮発に記憶しておく必要がある。
【0086】
また、本実施形態では、レシート印刷装置20の会計情報取得手段210が、会計情報の一部として(若しくは、会計情報に付随して)、偽造防止情報50を取得する必要がある。すなわち、レシート印刷装置20は、POS端末10から送信された会計情報に基づいて印刷を行うだけであり、偽造防止情報50を印刷するための特別な構成としては、ステルスインクによる印刷が可能な点だけである。
【0087】
このように、第2実施形態によれば、POS端末10およびレシート印刷装置20によって、請求項における印刷処理装置を実現することができる。また、POS端末10が、ID生成手段410および偽造防止情報生成手段420を備える構成であるため、レシート印刷装置20側で複雑な演算処理を必要とせず、パフォーマンスの低下を防ぐことができる。
【0088】
なお、上記の各実施形態では、POS端末10内に、復元手段120、真贋判定手段130および判定結果表示手段140を備える構成としたが、これらをスキャナー30内に備えても良い(図示省略)。この場合、偽造防止情報送信手段320(図2,図8参照)は不要となる。この構成によれば、レシートRの真贋判定をスキャナー30のみで行い得るため、POS端末10の通常動作に影響を与えることがない。
【0089】
また、各実施形態に示した会計処理システムSYの各構成要素をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリ等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターを会計処理システムSYの各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。
【0090】
また、上記の実施形態では、本発明の印刷処理装置を、レシート印刷装置20に適用した場合について例示したが、レシートR以外の印刷物を印刷可能な装置に適用可能である。印刷対象となる印刷物としては、クーポン、金券、証書、領収書、くじ番号、証明書などが考えられる。つまり、換金可能なものや、各種証明に使用可能なものなど、偽造防止の必要性のあるものを印刷物として印刷する場合に、本発明の適用が有用である。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0091】
10…POS端末 13…ディスプレー 16…POSアプリケーション 17…真贋判定プログラム 20…レシート印刷装置 21…通常印刷部 22…ステルス印刷部 27…偽造防止情報印刷プログラム 30…スキャナー 31…通常印刷読み取り部 32…ステルス印刷読み取り部 50…偽造防止情報 51…通常印刷情報 52…ステルス印刷情報 R…レシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偽造防止の必要性がある印刷物を作成する印刷処理装置の制御方法であって、
前記印刷処理装置が、
前記印刷物の真贋を判定するためのIDを生成するID生成ステップと、
生成した前記IDに基づき、それぞれ異なる情報であって、その全てを組み合わせることによって前記IDを復元可能な複数の偽造防止情報を生成する偽造防止情報生成ステップと、
1の印刷媒体上に、前記複数の偽造防止情報のうち、いずれか1以上の偽造防止情報を可視塗料で印刷すると共に、他の1以上の偽造防止情報を不可視塗料で印刷する印刷ステップと、を実行することを特徴とする印刷処理装置の制御方法。
【請求項2】
前記複数の偽造防止情報は、それぞれ単体では意味を成さない情報であることを特徴とする請求項1に記載の印刷処理装置の制御方法。
【請求項3】
前記複数の偽造防止情報は、前記IDを暗号化した暗号化情報と、当該暗号化情報を復号化するための復号化情報と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の印刷処理装置の制御方法。
【請求項4】
前記印刷物は、会計処理に伴って発行されるレシートであり、
前記印刷処理装置が、
前記会計処理に関する会計情報を取得する会計情報取得ステップをさらに実行し、
前記ID生成ステップでは、前記会計情報、および前記印刷処理装置に予め登録されている登録情報に基づいて、前記IDを生成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の印刷処理装置の制御方法。
【請求項5】
前記会計情報は、前記会計処理の取引合計金額、会計日時、前記印刷処理装置の操作者であるレジ担当者、のうち少なくとも1以上に関する情報を含み、
前記登録情報は、前記印刷処理装置が設置されている店舗の店番号、前記印刷処理装置を識別するための印刷装置番号、の少なくとも一方に関する情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の印刷処理装置の制御方法。
【請求項6】
前記印刷処理装置が、
前記レシートの受取人である顧客の認証情報を取得する認証情報取得ステップをさらに実行し、
前記ID生成ステップでは、前記認証情報に基づいて、前記IDを生成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の印刷処理装置の制御方法。
【請求項7】
前記印刷処理装置が、
前記会計レシートの受取人である顧客の認証情報を取得する認証情報取得ステップをさらに実行し、
前記印刷ステップでは、前記他の1以上の偽造防止情報と共に、前記認証情報を前記不可視塗料で印刷することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の印刷処理装置の制御方法。
【請求項8】
前記IDは、前記いずれか1以上の偽造防止情報と、前記他の1以上の偽造防止情報と、の演算処理によって復元されることを特徴とする請求項2に記載の印刷処理装置の制御方法。
【請求項9】
前記複数の偽造防止情報は、それぞれ単体で意味を成し、各偽造防止情報の整合性により、前記印刷物の真贋が判定されることを特徴とする請求項1に記載の印刷処理装置の制御方法。
【請求項10】
偽造防止の必要性がある印刷物を作成する印刷処理装置であって、
前記印刷物の真贋を判定するためのIDを生成するID生成手段と、
生成した前記IDに基づき、それぞれ異なる情報であって、その全てを組み合わせることによって前記IDを復元可能な複数の偽造防止情報を生成する偽造防止情報生成手段と、
1の印刷媒体上に、前記複数の偽造防止情報のうち、いずれか1以上の偽造防止情報を可視塗料で印刷すると共に、他の1以上の偽造防止情報を不可視塗料で印刷する印刷手段と、を備えたことを特徴とする印刷処理装置。
【請求項11】
会計処理を行うPOS端末から、前記会計処理に関する会計情報を取得してレシートを印刷するレシート印刷装置により構成され、
前記ID生成手段は、取得した前記会計情報に基づいて、前記IDを生成することを特徴とする請求項10に記載の印刷処理装置。
【請求項12】
前記印刷物は、会計処理に伴って発行されるレシートであり、
前記会計処理に関する会計情報に基づいて、前記IDを生成する前記ID生成手段と、前記偽造防止情報生成手段と、を有するPOS端末と、
前記POS端末と接続され、前記印刷手段を有するレシート印刷装置と、から成ることを特徴とする請求項10に記載の印刷処理装置。
【請求項13】
前記印刷物に印刷された前記複数の偽造防止情報を読み取る偽造防止情報読み取り手段と、
前記複数の偽造防止情報の読み取り結果に基づいて、前記IDを復元する復元手段と、
復元された前記IDに基づいて、前記印刷物の真贋を判定する真贋判定手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1項に記載の印刷処理装置。
【請求項14】
それぞれ異なる情報であって、その全てを組み合わせることによって、印刷物の真贋を判定するためのIDを復元可能な複数の偽造防止情報が印刷された印刷物であって、
前記複数の偽造防止情報のうち、いずれか1以上の偽造防止情報が可視塗料で印刷され、他の1以上の偽造防止情報が不可視塗料で印刷されていることを特徴とする印刷物。
【請求項15】
コンピューターに、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の印刷処理装置の制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−284902(P2010−284902A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−140839(P2009−140839)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】