説明

印刷制御システム、印刷制御方法、印刷制御プログラム、印刷システム、印刷方法、印刷プログラム、及び記録媒体

【課題】印刷と同時にその後工程に関する情報をその印刷物により取得することにより、
印刷後の作業手順を円滑に行う。
【解決手段】印刷データを、印刷ジョブ定義データとコンテンツデータとに分離するデー
タ分離部11と、印刷ジョブ定義データに含まれる後工程に関する情報から後工程情報を
作成する後工程情報生成部12と、後工程情報生成部において作成された後工程情報と、
前記印刷ジョブ定義データと、コンテンツデータとを前記印刷装置に送出し、コンテンツ
データ及び後工程情報の印刷を指示する制御部13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ジョブ定義データに基づく印刷時に、その印刷後の印刷媒体の後処理工
程に関する情報を印刷する印刷制御システム、印刷制御方法、印刷制御プログラム、印刷
システム、印刷方法、印刷プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、PostScript(米国Adobe Systems社の商標)などのペ
ージ記述言語(PDL:Page Description Language)による
印刷データをプリントする際、印刷ジョブに関する情報を印刷ジョブ定義データ(DPA
(Document Printing Application)、JDF(Job
Definition Format)等として扱い、印刷制御する方法が知られている

【0003】
印刷ジョブ定義データは、印刷ジョブ仕様データと印刷ジョブ設定データとからなり、
印刷ジョブ仕様データは、印刷仕様情報ともいい、印刷処理によって最終成果物として所
望する印刷物の仕様が記載された情報を言う。印刷ジョブ設定データは、印刷設定情報と
もいい、印刷処理に用いる印刷装置の詳細な設定情報を言い、印刷設定情報に含まれる設
定情報の中には、印刷仕様情報と重複する情報もある。
また、印刷ジョブ定義データに基づく印刷時に、その印刷後の印刷媒体の後処理工程に
関する情報を提示して印刷を行う装置が提案されている。
【0004】
このような装置の一例として、特許文献1に記載の印刷装置は、印刷ジョブの分散先を
決定して分散印刷処理が指示されると、その分散印刷処理に応じた分散処理指示を含むジ
ョブチケットを作成し、その先頭ページを印刷することにより指示された印刷装置にその
ジョブチケットを発行し、これにより、その印刷装置では、そのジョブチケットに基づく
指示書を印刷して著作者に提示できる、という装置である。印刷後工程は、ジョブチケッ
トを用いることによって自動化された印刷前工程及び印刷工程から完全に分離する必要が
あり、ジョブチケットによるワークフローの効率化を図るPOD(プリント・オン・デマ
ンド:Print on Demand)システムにおいて別運用でメンテナンスしなけ
ればならないとしている。
【特許文献1】特開2006−301741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1記載の発明は、分散して印刷された場合の印刷後の
印刷媒体の収集方法に係る指示書であるので、印刷直後に印刷媒体を収集する場合には効
果があるが、後処理工程には、例えば、丁合、綴じ方、製本方法、折り方、梱包、又は輸
送などに関する情報等、種々の工程があり、これらの後工程を経て最終工程において前述
した特許文献1記載の発明を適用しようとしてもその最終後工程を行った場所が分からな
いので適用することはできず、何よりも印刷直後からの後処理工程を指示するものがない
ので、作業者にとっては非常に不便であり、このため、印刷仕様に合致した後工程をその
都度他人に問い合わせたり自分で考えたりしていたので印刷後の処理を円滑に行うことが
できないという問題があった。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであって、印刷と同時にその後工程に関
する情報をその印刷物により取得することにより、印刷後の作業手順を円滑に行うことが
できる印刷制御システム、印刷制御方法、印刷制御プログラム、印刷システム、印刷方法
、印刷プログラム、及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[形態1] 上記目的を達成するために、形態1の印刷制御システムは、
印刷ジョブ定義データとコンテンツデータとを含む印刷データを受け取り、印刷装置に
、当該印刷ジョブ定義データに基づいて前記コンテンツデータを印刷させる印刷制御シス
テムであって、
前記印刷データを、前記印刷ジョブ定義データと前記コンテンツデータとに分離するデ
ータ分離部と、
前記印刷ジョブ定義データに含まれる後工程に関する情報から後工程情報を作成する後
工程情報生成部と、
前記後工程情報生成部において作成された後工程情報と、前記印刷ジョブ定義データと
、前記コンテンツデータとを前記印刷装置に送出し、前記コンテンツデータ及び前記後工
程情報の印刷を指示する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、データ分離部により、前記印刷データを、前記印刷ジョブ定義デー
タと前記コンテンツデータとに分離し、後工程情報生成部により、前記印刷ジョブ定義デ
ータに含まれる後工程に関する情報から後工程情報を作成し、制御部により、前記後工程
情報生成部において作成された後工程情報と、前記印刷ジョブ定義データと、前記コンテ
ンツデータとを前記印刷装置に送出し、前記コンテンツデータ及び前記後工程情報の印刷
を指示するので、印刷と同時にその後工程に関する情報をその印刷物により取得すること
ができ、印刷後の作業手順を円滑に行うことができるという効果が得られる。
【0008】
なお、データ分離部は、印刷データがMIME(Multipurpose Inte
rnet mail Extensions)エンコードされたデータの場合、MIME
デコード分離し、コンテンツデータと、印刷ジョブ定義データとが別々のデータとして入
力された場合は、それぞれのデータブロックの特徴的な部分を検出することによってデー
タの種類を認識した後、それぞれのデータを分離して取り出す。
【0009】
なお、ここで説明する印刷ジョブ定義データは、最終的な仕上がり仕様が記述された印
刷ジョブ仕様データと、印刷後の印刷媒体の後工程に関する情報とを含むものとする。
なお、「後工程に関する情報」とは、印刷ジョブ定義データに含まれている情報をいい
、「後工程情報」とは、後工程情報作成部にて作成された情報をいう。
また、前記印刷ジョブ設定データの後工程に関する情報に対応する指示情報が後工程情
報として格納されている後工程情報データベースを備えているので、対応テーブルを用い
て後工程情報が容易に生成できるが、複雑な場合には、if−then形式の条件節―結
論節を用いた推論ルールを適用すれば、推論的に生成することができる。
【0010】
[形態2] 形態2の発明は、形態1の印刷制御システムに係り、
前記後工程情報に対応する指示情報が格納されている後工程情報データベースを備えた
ことを特徴とする。
この構成によれば、後工程情報データベースに前記後工程情報に対応する指示情報が格
納されているので、後工程生成部はこの後工程情報データベースを参照することにより、
容易に後工程情報を生成することができるという効果が得られる。
【0011】
[形態3] 形態3の発明は、形態2の印刷制御システムに係り、
前記後工程情報は、前記制御部において前記コンテンツデータの最初のページにマージ
されるか、又は前記コンテンツデータの間に挿入されてマージされ、前記印刷装置におい
て前記コンテンツデータと印刷されることを特徴とする。
この構成によれば、前記後工程情報は、コンテンツデータの最初のページにマージされ
ても、コンテンツデータの間に挿入されてマージされても前記コンテンツデータと印刷さ
れることになるので、後工程情報がマージされたコンテンツデータの印刷と同時にその後
工程に関する情報をその印刷物により取得することができ、印刷後の作業手順を円滑に行
うことができるという効果が得られる。
また、特に、前記後工程情報を前記コンテンツデータの最初のページにマージされてい
れば、印刷したときに最初のページに後工程情報が見えるので、後工程情報を探す手間が
殆どなく、円滑に後工程を行うことができる。
【0012】
[形態4] 形態4の発明は、形態3の印刷制御システムに係り、
前記後工程情報生成部は、前記コンテンツデータの前記後工程情報を挿入した箇所を示
すために、外枠線の描画、又は用紙サイズの変更を行うことを特徴とする。
この構成によれば、前記コンテンツデータの前記後工程情報を挿入した箇所を示すため
に、外枠線の描画、又は用紙サイズが変更されているので、コンテンツの途中でその内容
が変化したり、用紙サイズが変更になったり、色が変わったりして、後工程を変更しなけ
ればならない場合においても、その箇所が容易に判別できるという効果が得られる。
【0013】
[形態5] 形態5の発明は、形態1の印刷制御システムに係り、
前記後工程情報は、印刷媒体に印刷されることを特徴とする。
この構成によれば、後工程情報がコンテンツデータの印刷に関わらず、印刷媒体に印刷
されるので、必要なとき、必要な箇所に随時後工程情報を印刷することができるという効
果が得られる。
【0014】
[形態6] 形態6の発明は、形態5の印刷制御システムに係り、
前記後工程情報は、前記印刷媒体の折線、綴じ部分、切断線を含むことを特徴とする。
この構成によれば、前記後工程情報が、前記印刷媒体の折線、綴じ部分、切断線などの
後工程に必要な線形状で印刷されると、この線形上に沿って後処理を行うことができ、後
処理を円滑に行うことができるという効果が得られる。
【0015】
[形態7] 形態7の発明は、形態1〜6のいずれか1の印刷制御システムに係り、
前記後工程情報生成部は、前記後工程情報を画像データ及びテキストデータの両方を用
いて生成することを特徴とする。
この構成によれば、前記後工程情報生成部は、前記後工程情報を画像データ及びテキス
トデータの両方を用いて生成するので、長文を用いて後工程情報を示さなければならない
場合にも、画像データにより一目りょう然であるので、後工程情報を簡単に把握できると
いう効果が得られる。
【0016】
[形態8] 形態8の発明は、形態1〜7のいずれか1の印刷制御システムに係り、
前記後工程情報は、複数の印刷装置を用いて分散印刷を行う場合、印刷後の印刷媒体の
収集方法に関する情報を含むことを特徴とする。
この構成によれば、前記後工程情報は、印刷後の印刷媒体の収集方法に関する情報を含
むので、複数の印刷装置を用いて分散印刷を行った場合でも、その収集する順番、最後の
後工程の種類が容易に判明するので、円滑に後工程としての収集作業を行うことができる
という効果が得られる。
【0017】
[形態9] 形態9の印刷制御方法は、
印刷ジョブ定義データとコンテンツデータとを含む印刷データを受け取り、印刷装置に
、当該印刷ジョブ定義データに基づいて前記コンテンツデータを印刷させる印刷制御方法
であって、
前記印刷データを、前記印刷ジョブ定義データと前記コンテンツデータとに分離するデ
ータ分離ステップと、
前記印刷ジョブ定義データに含まれる後工程に関する情報から後工程情報を作成する後
工程情報生成ステップと、
前記後工程情報生成ステップにおいて作成された後工程情報と、前記印刷ジョブ定義デ
ータと、前記コンテンツデータとを前記印刷装置に送出し、前記コンテンツデータ及び前
記後工程情報の印刷を指示する制御ステップと、
を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態1と同様の効果が得られる。
【0018】
[形態10] 形態10の発明は、形態9の印刷制御方法に係り、
前記後工程情報に対応する指示情報を後工程情報データベースに格納する格納ステップ
を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態2と同様の効果が得られる。
[形態11] 形態11の発明は、形態9の印刷制御方法に係り、
前記後工程情報は、前記制御ステップにおいて前記コンテンツデータの最初のページに
マージされるか、又は前記コンテンツデータの間に挿入されてマージされ、前記印刷装置
において前記コンテンツデータと印刷されることを特徴とする。
この構成によれば、形態3と同様の効果が得られる。
【0019】
[形態12] 形態12の発明は、形態11の印刷制御方法に係り、
前記後工程情報生成ステップは、前記コンテンツデータの前記後工程情報を挿入した箇
所を示すために、外枠線の描画、又は用紙サイズの変更を行うことを特徴とする。
この構成によれば、形態4と同様の効果が得られる。
[形態13] 形態13の発明は、形態9の印刷制御方法に係り、
前記後工程情報は、印刷媒体に印刷されることを特徴とする。
この構成によれば、形態5と同様の効果が得られる。
【0020】
[形態14] 形態14の発明は、形態13の印刷制御方法に係り、
前記後工程情報は、前記印刷媒体の折線、綴じ部分、切断線を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態6と同様の効果が得られる。
[形態15] 形態15の発明は、形態9〜14のいずれか1の印刷制御方法に係り、
前記後工程情報生成ステップは、前記後工程情報を画像データ及びテキストデータの両
方を用いて生成することを特徴とする。
この構成によれば、形態7と同様の効果が得られる。
[形態16] 形態16の発明は、形態9〜15のいずれか1の印刷制御方法に係り、
前記後工程情報は、複数の印刷装置を用いて分散印刷を行う場合、印刷後の印刷媒体の
収集方法に関する情報を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態8と同様の効果が得られる。
【0021】
[形態17] 形態17の印刷制御プログラムは、
印刷ジョブ定義データとコンテンツデータとを含む印刷データを受け取り、印刷装置に
、当該印刷ジョブ定義データに基づいて前記コンテンツデータを印刷させる印刷制御プロ
グラムであって、
前記印刷データを、前記印刷ジョブ定義データと前記コンテンツデータとに分離するデ
ータ分離ステップ、
前記印刷ジョブ定義データに含まれる後工程に関する情報から後工程情報を作成する後
工程情報生成ステップ、及び
前記後工程情報生成ステップにおいて作成された後工程情報と、前記印刷ジョブ定義デ
ータと、前記コンテンツデータとを前記印刷装置に送出し、前記コンテンツデータ及び前
記後工程情報の印刷を指示する制御ステップとして実現される処理をコンピュータに実行
させることを特徴とする。
この構成によれば、形態1と同様の効果が得られる。
【0022】
[形態18] 形態18の発明は、形態17の印刷制御プログラムに係り、
前記後工程情報に対応する指示情報を後工程情報データベースに格納する格納ステップ
を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態2と同様の効果が得られる。
[形態19] 形態19の発明は、形態17の印刷制御プログラムに係り、
前記後工程情報は、前記制御ステップにおいて前記コンテンツデータの最初のページに
マージされるか、又は前記コンテンツデータの間に挿入されてマージされ、前記印刷装置
において前記コンテンツデータと印刷されることを特徴とする。
この構成によれば、形態3と同様の効果が得られる。
【0023】
[形態20] 形態20の発明は、形態19の印刷制御プログラムに係り、
前記後工程情報生成ステップは、前記コンテンツデータの前記後工程情報を挿入した箇
所を示すために、外枠線の描画、又は用紙サイズの変更を行うことを特徴とする。
この構成によれば、形態4と同様の効果が得られる。
[形態21] 形態21の発明は、形態17の印刷制御プログラムに係り、
前記後工程情報は、印刷媒体に印刷されることを特徴とする。
この構成によれば、形態5と同様の効果が得られる。
【0024】
[形態22] 形態22の発明は、形態21の印刷制御プログラムに係り、
前記後工程情報は、前記印刷媒体の折線、綴じ部分、切断線を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態6と同様の効果が得られる。
[形態23] 形態23の発明は、形態17〜22のいずれか1の印刷制御プログラム
に係り、
前記後工程情報生成ステップは、前記後工程情報を画像データ及びテキストデータの両
方を用いて生成することを特徴とする。
この構成によれば、形態7と同様の効果が得られる。
【0025】
[形態24] 形態24の発明は、形態17〜23のいずれか1の印刷制御プログラム
に係り、
前記後工程情報は、複数の印刷装置を用いて分散印刷を行う場合、印刷後の印刷媒体の
収集方法に関する情報を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態8と同様の効果が得られる。
【0026】
[形態25] 形態25の印刷システムは、
印刷ジョブ定義データとコンテンツデータとを含む印刷データを受け取り、当該印刷ジ
ョブ定義データに基づいて前記コンテンツデータを印刷する印刷システムであって、
前記印刷データを、前記印刷ジョブ定義データと前記コンテンツデータとに分離するデ
ータ分離部と、
前記印刷ジョブ定義データに含まれる後工程に関する情報から後工程情報を作成する後
工程情報生成部と、
前記後工程情報生成部において作成された後工程情報と、前記印刷ジョブ定義データと
、前記コンテンツデータとを前記印刷装置に送出し、前記コンテンツデータ及び前記後工
程情報の印刷を指示する制御部と、
前記制御部からの指示により、前記コンテンツデータ及び前記後処理工程情報の印刷を
実行する印刷部と、
を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、形態1と同様の効果が得られる。
【0027】
[形態26] 形態26の発明は、形態25の印刷システムに係り、
前記後工程情報に対応する指示情報が格納されている後工程情報データベースを備えた
ことを特徴とする。
この構成によれば、形態2と同様の効果が得られる。
【0028】
[形態27] 形態27の発明は、形態25の印刷システムに係り、
前記後工程情報は、前記制御部において前記コンテンツデータの最初のページにマージ
されるか、又は前記コンテンツデータの間に挿入されてマージされ、前記コンテンツデー
タと印刷されることを特徴とする。
この構成によれば、形態3と同様の効果が得られる。
【0029】
[形態28] 形態28の発明は、形態27の印刷システムに係り、
前記後工程情報生成部は、前記コンテンツデータの前記後工程情報を挿入した箇所を示
すために、外枠線の描画、又は用紙サイズの変更を行うことを特徴とする。
この構成によれば、形態4と同様の効果が得られる。
[形態29] 形態29の発明は、形態25の印刷システムに係り、
前記後工程情報は、印刷媒体に印刷されることを特徴とする。
この構成によれば、形態5と同様の効果が得られる。
【0030】
[形態30] 形態30の発明は、形態29の印刷システムに係り、
前記後工程情報は、前記印刷媒体の折線、綴じ部分、切断線を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態6と同様の効果が得られる。
[形態31] 形態31の発明は、形態25〜30のいずれか1の印刷システムに係り

前記後工程情報生成部は、前記後工程情報を画像データ及びテキストデータの両方を用
いて生成することを特徴とする。
この構成によれば、形態7と同様の効果が得られる。
【0031】
[形態32] 形態32の発明は、形態25〜31のいずれか1の印刷システムに係り

前記後工程情報は、複数の印刷装置を用いて分散印刷を行う場合、印刷後の印刷媒体の
収集方法に関する情報を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態8と同様の効果が得られる。
【0032】
[形態33] 形態33の印刷方法は、
印刷ジョブ定義データとコンテンツデータとを含む印刷データを受け取り、当該印刷ジ
ョブ定義データに基づいて前記コンテンツデータを印刷する印刷方法であって、
前記印刷データを、前記印刷ジョブ定義データと前記コンテンツデータとに分離するデ
ータ分離ステップと、
前記印刷ジョブ定義データに含まれる後工程に関する情報から後工程情報を作成する後
工程情報生成ステップと、
前記後工程情報生成ステップにおいて作成された後工程情報と、前記印刷ジョブ定義デ
ータと、前記コンテンツデータとを前記印刷装置に送出し、前記コンテンツデータ及び前
記後工程情報の印刷を指示する制御ステップと、
前記制御ステップからの指示により、前記コンテンツデータ及び前記後工程情報の印刷
を実行する印刷ステップと、
を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態1と同様の効果が得られる。
【0033】
[形態34] 形態34の発明は、形態33の印刷方法に係り、
前記後工程情報に対応する指示情報を後工程情報データベースに格納する格納ステップ
を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態2と同様の効果が得られる。
[形態35] 形態35の発明は、形態33の印刷方法に係り、
前記後工程情報は、前記制御ステップにおいて前記コンテンツデータの最初のページに
マージされるか、又は前記コンテンツデータの間に挿入されてマージされ、前記コンテン
ツデータと印刷されることを特徴とする。
この構成によれば、形態3と同様の効果が得られる。
【0034】
[形態36] 形態36の発明は、形態35の印刷方法に係り、
前記後工程情報生成ステップは、前記コンテンツデータの前記後工程情報を挿入した箇
所を示すために、外枠線の描画、又は用紙サイズの変更を行うことを特徴とする。
この構成によれば、形態4と同様の効果が得られる。
[形態37] 形態37の発明は、形態33の印刷方法に係り、
前記後工程情報は、印刷媒体に印刷されることを特徴とする。
この構成によれば、形態5と同様の効果が得られる。
[形態38] 形態38の発明は、形態37の印刷方法に係り、
前記後工程情報は、前記印刷媒体の折線、綴じ部分、切断線を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態6と同様の効果が得られる。
【0035】
[形態39] 形態39の発明は、形態33〜38のいずれか1の印刷方法に係り、
前記後工程情報生成ステップは、前記後工程情報を画像データ及びテキストデータの両
方を用いて生成することを特徴とする。
この構成によれば、形態7と同様の効果が得られる。
[形態40] 形態40の発明は、形態33〜39のいずれか1の印刷方法に係り、
前記後工程情報は、複数の印刷装置を用いて分散印刷を行う場合、印刷後の印刷媒体の
収集方法に関する情報を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態8と同様の効果が得られる。
【0036】
[形態41] 形態41の印刷プログラムは、
印刷ジョブ定義データとコンテンツデータとを含む印刷データを受け取り、当該印刷ジ
ョブ定義データに基づいて前記コンテンツデータを印刷する印刷プログラムであって、
前記印刷データを、前記印刷ジョブ定義データと前記コンテンツデータとに分離するデ
ータ分離ステップ、
前記印刷ジョブ定義データに含まれる後工程に関する情報から後工程情報を作成する後
工程情報生成ステップ、
前記後工程情報生成ステップにおいて作成された後工程情報と、前記印刷ジョブ定義デ
ータと、前記コンテンツデータとを前記印刷装置に送出し、前記コンテンツデータ及び前
記後工程情報の印刷を指示する制御ステップ、
前記制御ステップからの指示により、前記コンテンツデータ及び前記後工程情報の印刷
を実行する印刷ステップとして実現される処理をコンピュータに実行させることを特徴と
する。
この構成によれば、形態1と同様の効果が得られる。
【0037】
[形態42] 形態42の発明は、形態41の印刷プログラムに係り、
前記後工程情報に対応する指示情報を後工程情報データベースに格納する格納ステップ
を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態2と同様の効果が得られる。
【0038】
[形態43] 形態43の発明は、形態41の印刷プログラムに係り、
前記後工程情報は、前記制御ステップにおいて前記コンテンツデータの最初のページに
マージされるか、又は前記コンテンツデータの間に挿入されてマージされ、前記コンテン
ツデータと印刷されることを特徴とする。
この構成によれば、形態3と同様の効果が得られる。
【0039】
[形態44] 形態44の発明は、形態43の印刷プログラムに係り、
前記後工程情報生成ステップは、前記コンテンツデータの前記後工程情報を挿入した箇
所を示すために、外枠線の描画、又は用紙サイズの変更を行うことを特徴とする。
この構成によれば、形態4と同様の効果が得られる。
[形態45] 形態45の発明は、形態41の印刷プログラムに係り、
前記後工程情報は、印刷媒体に印刷されることを特徴とする。
この構成によれば、形態5と同様の効果が得られる。
【0040】
[形態46] 形態46の発明は、形態45の印刷プログラムに係り、
前記後工程情報は、前記印刷媒体の折線、綴じ部分、切断線を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態6と同様の効果が得られる。
[形態47] 形態47の発明は、形態41〜46のいずれか1の印刷プログラムに係
り、
前記後工程情報生成ステップは、前記後工程情報を画像データ及びテキストデータの両
方を用いて生成することを特徴とする。
この構成によれば、形態7と同様の効果が得られる。
【0041】
[形態48] 形態48の発明は、形態41〜47のいずれか1の印刷プログラムに係
り、
前記後工程情報は、複数の印刷装置を用いて分散印刷を行う場合、印刷後の印刷媒体の
収集方法に関する情報を含むことを特徴とする。
この構成によれば、形態8と同様の効果が得られる。
【0042】
[形態49] 形態49の記録媒体は、形態17〜24のいずれか1の印刷制御プログ
ラム、又は形態41〜48のいずれか1の印刷プログラムを記録したことを特徴とするコ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
この構成によれば、形態1と同様の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態に係る印刷制御システムについて詳細に説明する。なお、この
印刷制御装置は、印刷部を備えた印刷装置としても適用でき、また、この印刷制御装置の
各部の機能を有する各々の装置の組合せとしても適用できる。
図1は、本発明の実施形態に係る印刷制御システムの構成を示すブロック図である。
この印刷制御システム1は、ユーザから送られる印刷データを分離するデータ分離部1
1と、印刷後の後工程に関する情報を生成する後工程情報生成部12と、データ分離部1
1及び後工程情報生成部12を制御する制御部13と、後工程情報を格納する後工程情報
データベース14とを備え、制御部13から印刷に必要な印刷ジョブ設定データを印刷装
置2に送る。
【0044】
入力される印刷データは、コンテンツデータと印刷ジョブ定義データとから構成されて
いる。印刷ジョブ定義データは、印刷ジョブ仕様データと印刷ジョブ設定データとが含ま
れ、DPA(Document Printing Application)、JDF
(Job Definition Format)等と呼ばれる。印刷ジョブ仕様データ
は、印刷仕様情報ともいい、印刷処理によって最終成果物として所望する印刷物の仕様が
記載された情報をいう。また、印刷設定情報とは、印刷処理に用いる印刷装置の詳細な設
定情報をいう。コンテンツデータとは、印刷仕様データによって関連付けられた文書デー
タであり、印刷処理に基づいた印刷処理の対象となる電子的な文書データをいい、アプリ
ケーションが出力する印刷データや、ページ記述言語(PDF(Portable Do
cument Format)やPostScriptなど)によって記述されるデータ
である。
【0045】
本実施形態では、印刷ジョブ定義データとコンテンツデータとを含む印刷データを入力
とした場合の例について説明する。
データ分離部11は、ユーザからパーソナルコンピュータなどを用いて送付される印刷
データ(コンテンツデータ及び印刷ジョブ定義データを含む)を、それぞれ、コンテンツ
データと印刷ジョブ定義データとに分離する。なお、データ分離部11は、印刷データが
MIME(Multipurpose Internet mail Extensio
ns)エンコードされたデータの場合、MIMEデコード分離し、コンテンツデータと、
印刷ジョブ定義データとが別々のデータとして入力された場合は、それぞれのデータブロ
ックの特徴的な部分を検出することによってデータの種類を認識した後、それぞれのデー
タを分離して取り出す。
【0046】
後工程情報生成部12は、印刷が終了した後の印刷媒体を処理する後処理工程における
情報を生成する。この後工程情報は、後処理装置(図示せず)から直接入手しても良いし
、インターネットなどのネットワークを介して入手しても良い。また、ユーザから受け取
る印刷データに添付され、この印刷データから抽出することにより入手しても良い。
後工程情報データベース14は、後工程情報生成部12にて後工程情報を生成するため
の後工程情報を格納している。この後工程情報は、印刷ジョブ定義データとの対応表とし
て格納されていても良いし、単に列挙して推論表、ルールなどを用いて後工程情報を引き
出すように格納されていても良い。
【0047】
制御部13は、後工程情報生成部12において作成された後工程情報と、印刷ジョブ定
義データと、前記コンテンツデータとを印刷装置2に送出する。又は、コンテンツデータ
及び前記後工程情報の印刷を指示するデータ分離部11にて分離されたコンテンツデータ
に、後工程情報生成部12にて生成された後工程情報を付加し、これら変換された印刷ジ
ョブ設定データと付加されたコンテンツデータとを印刷装置2に送出する。すなわち、後
工程情報を、コンテンツデータの最初のページにマージするか、又はコンテンツデータの
間に挿入されてマージし、印刷装置2においてコンテンツデータと印刷するように指示す
る。
【0048】
この構成によれば、データ分離部11により、印刷データを印刷ジョブ定義データと、
コンテンツデータとに分離し、後工程情報生成部12により、印刷ジョブ定義データに基
づいて、印刷後の印刷媒体の後処理を行う後工程に関する後工程情報を生成し、制御部1
3にて、データ分離部11にて分離されたコンテンツデータに、後工程情報生成部12に
て生成された後工程情報を付加するので、その付加されたコンテンツデータを印刷すると
同時にその後工程に関する情報をそのコンテンツデータの印刷物により取得することがで
き、印刷後の作業手順を円滑に行うことができる。
【0049】
また、印刷ジョブ定義データに対応する後工程情報を格納した後工程情報データベース
を備えているので、必要な後工程情報を自動的に瞬時に知ることができ、コンテンツデー
タに後工程情報を容易に短時間で付加することができる。すなわち、後工程情報データベ
ースは、印刷ジョブ設定データの後工程に関する情報に対応する指示情報が後工程情報と
して格納されているので、後工程情報生成部12は、印刷ジョブ設定データの後工程に関
する情報と指示情報との対応テーブルを参照して後工程情報を容易に生成することができ
る。
なお、制御部13は、後工程情報を、印刷媒体に印刷するように指示することもできる

【0050】
また、「印刷ジョブ定義データ」とは、一般に、印刷ジョブに関する情報をいうが、本
実施形態では、入力されるデータを印刷ジョブ定義データという。
「印刷ジョブ仕様データ」は、「印刷仕様情報」といい、印刷処理によって最終生成物
として所望する印刷物の仕様が記載された情報を言う。具体的には、仕上がり用紙サイズ
、印刷媒体の種類、折り方および裁断方法、綴じ位置、綴じ方、両面印刷方法、印刷対象
となる文書データおよびページ、並びに使用するインクに関する情報が含まれる。印刷仕
様情報は、最終成果物の仕様のみ記述すればよく、印刷設定情報は記述されない。換言す
れば、印刷仕様情報だけでは印刷装置を自動稼動させることはできず、何らかの形で印刷
仕様情報からその仕様を満たすような印刷設定情報に変換を行う必要がある。
【0051】
また、「印刷ジョブ設定データ」は、「印刷設定情報」といい、印刷処理における印刷
装置の詳細な設定情報をいう。具体的には、例えば、面付け(折り、裁断を経て仕上がり
用紙サイズになるように、用紙の一面に複数ページを割り付けて、印刷すること)する際
に、用いる用紙のサイズ、面付け方法、面付けにおける詳細な座標情報、折り方法および
裁断位置に関する情報が含まれる。印刷設定情報に含まれる設定情報の中には印刷仕様情
報と重複する情報もある。
【0052】
また、「コンテンツデータ」とは、印刷仕様情報に関連付けられた文書データをいい、
印刷仕様に基づいた印刷処理の対象となる電子的な文書データをいう。関連付けの方法は
、印刷仕様情報の中に直接文書が埋め込まれていても良いし、印刷仕様情報にはURL(
Uniform Resource Locator)や、ファイルパスなどの文書デー
タの所在のみが記載されていれも良い。また、印刷仕様情報に複数の文書が関連付けられ
ていても良い。また、文書データ全ページだけでなく、特定のページのみ関連付けられて
いても良い。
【0053】
図2は、コンピュータシステムのハードウェア構成を示す機能ブロック図である。
ここで、この印刷制御システム1は、データ分離部11、後工程情報生成部12、制御
部13などをソフトウェア上で実現するためのコンピュータシステムを備えており、その
ハードウェア構成は、図2に示すように、各種制御や演算処理を担う中央演算処理装置で
あるCPU(Central Processing Unit)60と、主記憶装置(
Main Storage)を構成するRAM(Random Access Memo
ry)62と、読み出し専用の記憶装置であるROM(Read Only Memor
y)64との間をPCI(Peripheral Component Interco
nnect)バスやISA(Industrial Standard Archite
cture)バス等からなる各種内外バス68で接続すると共に、このバス68に入出力
インターフェース(I/F)66を介して、HDD(Hard Disk Drive)
などの外部記憶装置(Secondary Storage)70や、印刷手段やCRT
、LCDモニター等の出力装置72、操作パネルやマウス、キーボード、スキャナなどの
入力装置74、および図示しない印刷指示装置などと通信するためのネットワークLなど
を接続したものである。
【0054】
そして、電源を投入すると、ROM64等に記憶されたBIOS等のシステムプログラ
ムが、ROM64に予め記憶された各種専用のコンピュータプログラム、あるいは、CD
−ROMやDVD−ROM、フレキシブルディスク(FD)などの記憶媒体を介して、ま
たはインターネットなどの通信ネットワークLを介して記憶装置70にインストールされ
た各種専用のコンピュータプログラムを同じくRAM62にロードし、そのRAM62に
ロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU60が各種リソースを駆使して
所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各手段の各機能をソフトウェア上
で実現できるようになっている。
【0055】
図3は、本発明の実施形態に係る印刷制御システムにおける処理の流れを示すフローチ
ャートである。
まず、ステップS101にて印刷制御システム1を起動させると、ステップS102に
おいて、データ分離部11にて、ユーザからパーソナルコンピュータなどのクライアント
装置を用いて送付される、印刷ジョブに関するデータである印刷ジョブ定義データ及び印
刷内容を示すコンテンツデータなどを含む印刷データの入力を行い、ステップS103に
おいて、データ分離部11にて、印刷データに含まれる印刷ジョブ定義データとコンテン
ツデータとを分離する。次に、ステップS104において、後工程情報生成部12にて、
印刷後の後処理に関するデータである後工程情報を作成する。この後工程情報の作成の際
には、印刷ジョブ定義データと後工程情報との対応表を有する後工程情報データベース1
4を参照して作成する。そして、ステップS105において、制御部13にて、後工程情
報作成部12により作成された後工程情報を、データ分離部11より送られるコンテンツ
データにマージ(合併)する。あるいは、コンテンツデータの途中に挿入して含ませるこ
ともできる。その後、ステップS106において、制御部13にて、データ分離部11よ
り送られた印刷ジョブ定義データを用いて、実際に印刷を実行するための印刷ジョブ設定
データを生成し、後工程情報がマージされたコンテンツデータと共に、印刷装置2に送出
する。そして、印刷装置2では、受け取った印刷ジョブ設定データに基づいて、後工程情
報がマージされたコンテンツデータを印刷する。
【0056】
以上説明したように、後工程情報生成部2は、後工程情報をコンテンツデータのページ
の間に挿入してマージするので、コンテンツの途中でその内容が変化したり、用紙サイズ
が変更になったり、色が変わったりして、後工程を変更しなければならない場合において
も有効に対処できる。
また、後工程情報生成部12は、コンテンツデータの後工程情報を挿入した箇所を示す
ために、外枠線の描画、又は用紙サイズが変更されているので、コンテンツの途中でその
内容が変化したり、用紙サイズが変更になったり、色が変わったりして、後工程を変更し
なければならない場合においても、その箇所が容易に判別できる。
【0057】
図4は、印刷ジョブ設定データの一例を示す図である。
この印刷ジョブ設定データは、JDF(Job Definition Format
)形式で示したものであり、次の3行が綴じ設定の部分を示している。
<Binding Intent ID=”ID_2006145”Class=”I
ntent”Status=”Available”>
<Binding Type Data Type=”EnumerationSpa
n”Preferred=”Saddle Stitch”/>
<Binding Side Data Type=”EnumerationSpa
n”Preferred=”Left”/>
すなわち、「状態」(Status)は「利用可能」(Available)、「タイ
プ」(Type)は「中綴じ」(Saddle Stitch)、「サイド」(Side
)は「左綴じ」(Left)、であることが設定されている。
【0058】
そして、次の2行にステッチ数を示している。
<Saddle Stiching>
<Stich Number Data Type=”IntegerSpan” P
referred=”2”/>
すなわち、「ステッチ数」(Stich Number)は2箇所であることが設定さ
れている。
【0059】
また、次の行に仕上がり用紙サイズを示している。
<Finished Dimensions Data Type=”Shape S
pan” Preferred=”595 842 0”>
すなわち、「仕上がり用紙サイズ」はA4サイズ(595 842 0)、であること
が設定されている。
【0060】
本実施形態において用いたJDFは、Job Ticket(ジョブチケット:プログ
ラムやデバイスに対する作業指示情報)を構築する言語として、XML(eXtensi
ble Markup Language:拡張可能なマーク付き言語)が利用されてい
る。また、JDFでは、スキーマと呼ばれるXMLの要素や属性の配列を記述したテンプ
レートを定義しており、定義されたスキーマに従って、それぞれの工程でXMLデータの
書き換えを行っている。
以上、印刷ジョブ設定データをJDF形式で表示した例を挙げて説明したが、本発明は
、JDF形式に限定されず、他の種々の言語で表示することもできる。
【0061】
図5は、図4に示した後処理情報を描画により示した図である。(a)はステッチ位置
を分かりやすく描画した図であり、(b)は折り位置を分かりやすく描画した図である。
この図は、前述した図4に示した印刷ジョブ設定データに基づく後処理情報を描画したも
のである。
上記印刷ジョブ設定データによりステッチ数が2箇所、サイド左綴じと設定されている
ので、図5(a)に示すような描画図となる。また、上記印刷ジョブ設定データにより綴
じ設定において、タイプ中綴じとして設定されているので、用紙の真ん中で折られ、図5
(b)に示すような描画図となる。折り位置については、上述した図4では設定されてい
なかったが、例えば、図5(b)に示すように、4箇所に設定することができる。
【0062】
図6は、印刷装置により印刷された印刷媒体を折ったり裁断したりする後処理工程の手
順を示す図である。この手順は同図の(a)→(b)→(c)→(d)→(e)→(f)
→(g)→(h)→(i)で示されている。
同図(a)に示すように、印刷装置から取り出される直前の印刷媒体は、紙面に向かっ
て縦長の状態で取り出されるものとする。そして、同図(b)に示すように、取り出され
た直後の印刷媒体は、四分割されてそれぞれのページを構成している。この例では、紙面
に向かって左上が6頁、右上が3頁、左下が7頁、右下が2頁と面付けされている。同図
(c)は、(b)の縦長の印刷媒体を左90度回転させて横長にしたものである。従って
、各ページは、左上が3頁、右上が2頁、左下が6頁、右下が7頁となっている。次に、
同図(d)は、横長に配置されている印刷媒体の縦を折り目として少し折り曲げた状態を
示している。この状態を更に折り曲げた状態が同図(e)となり、同図(b)において3
頁と6頁が見えていた印刷媒体が同図(e)においては、その裏面のページである4頁及
び5頁が見えることとなる。そして、さらに折り曲げて、両側が密着した状態を示す図が
同図(f)となる。同図(f)では、上側が4頁、下側が5頁となっている。そして、同
図(f)において、ハサミを用いて折り曲げられた左側端部を切断し、折りたたみ機を用
いて上下2ページをさらに折りたたむようになっている。このようにして、折りたたまれ
る途中の状態を示す図が同図(g)であり、さらに折りたたまれた状態を示す図が同図(
h)である。同図(h)では、そして、最後まで折りたたまれ、最終的には、同図(i)
に示すように、6頁のみが見えるようになる。
【0063】
このように、後工程情報生成部12は、後工程情報を画像データを用いて生成すること
により、長文を用いて後工程情報を示さなければならない場合にも、画像データにより一
目りょう然であるので、後工程情報を簡単に把握できる。
以上、単一の印刷装置を用いて後工程情報を含む印刷を行うことについて説明したが、
複数の印刷装置を用いて分散印刷を行う場合、後工程情報に印刷後の印刷媒体の収集方法
に関する情報を含ませるようにすれば、複数の印刷装置を用いて分散印刷を行った場合で
も、その収集する順番、最後の後工程の種類が容易に判明するので、円滑に後工程として
の収集作業を行うことができる。
【0064】
なお、上記実施形態において、図3のフローチャートに示す処理を実行するにあたって
は、ROMに予め格納されている制御プログラムを実行する場合について説明したが、こ
れに限らず、これらの手順を示したプログラムが記録された記憶媒体から、そのプログラ
ムをRAMに組み込んで実行するようにしても良い。あるいは、そのプログラムをネット
ワークから取得しても良い。
【0065】
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶
型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記
憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のい
かんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体
を含むものである。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定され
ることなく、本発明の趣旨を逸脱することなく、種々の変更が可能である。
【0066】
例えば、本実施形態では、印刷制御装置1と印刷装置2とは、直接接続されるものとし
て説明したが、これに限定されず、データの受け渡しは、ネットワークを介しても良いし
、CD−ROM、DVD−RAM、USBメモリのような外部記憶メディアを用いても良
い。
また、例えば、本実施形態では、印刷データをコンテンツデータと印刷ジョブ定義デー
タとに分離するデータ分離部11のみを設けたが、これに限定されず、コンテンツデータ
と印刷ジョブ定義データとを含む印刷データを入手するデータ取得部を別に設けても良い

【0067】
また、本実施形態では、入力される印刷データに含まれている印刷ジョブ定義データと
、後工程情報を付加したコンテンツデータとを印刷装置2に送出するように構成したが、
その間、印刷ジョブ定義データを印刷装置にて実際に印刷を行うための設定である印刷ジ
ョブ設定データに変換するデータ変換部をさらに設けることもできる。
また、例えば、本実施形態では、後工程情報の例として綴じ方のみを例に挙げたが、そ
の他、折り設定、切断方法、裁断方法、両面印刷方法など種々の情報が含まれることはい
うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1実施形態に係る印刷制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】コンピュータシステムのハードウェア構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る印刷制御システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】印刷ジョブ定義データの一例を示す図である。
【図5】図4の印刷ジョブ定義データを描画して示した概略図である。(a)はステッチ位置、(b)は折り位置を示す図である。
【図6】後処理工程の手順を示す概略図である。(a)〜(i)の順に処理される。
【符号の説明】
【0069】
1…印刷制御システム、2…印刷装置、11…データ分離部、12…後工程情報生成部、
13…制御部、14…後工程情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブ定義データとコンテンツデータとを含む印刷データを受け取り、印刷装置に
、当該印刷ジョブ定義データに基づいて前記コンテンツデータを印刷させる印刷制御シス
テムであって、
前記印刷データを、前記印刷ジョブ定義データと前記コンテンツデータとに分離するデ
ータ分離部と、
前記印刷ジョブ定義データに含まれる後工程に関する情報から後工程情報を作成する後
工程情報生成部と、
前記後工程情報生成部において作成された後工程情報と、前記印刷ジョブ定義データと
、前記コンテンツデータとを前記印刷装置に送出し、前記コンテンツデータ及び前記後工
程情報の印刷を指示する制御部と、
を備えたことを特徴とする印刷制御システム。
【請求項2】
前記後工程情報に対応する指示情報が格納されている後工程情報データベースを備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御システム。
【請求項3】
前記後工程情報は、前記制御部において前記コンテンツデータの最初のページにマージ
されるか、又は前記コンテンツデータの間に挿入されてマージされ、前記印刷装置におい
て前記コンテンツデータと印刷されることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御システ
ム。
【請求項4】
前記後工程情報生成部は、前記コンテンツデータの前記後工程情報を挿入した箇所を示
すために、外枠線の描画、又は用紙サイズの変更を行うことを特徴とする請求項3に記載
の印刷制御システム。
【請求項5】
前記後工程情報は、印刷媒体に印刷されることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御
システム。
【請求項6】
前記後工程情報は、前記印刷媒体の折線、綴じ部分、切断線を含むことを特徴とする請
求項5に記載の印刷制御システム。
【請求項7】
前記後工程情報生成部は、前記後工程情報を画像データ及びテキストデータの両方を用
いて生成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷制御システム。
【請求項8】
前記後工程情報は、複数の印刷装置を用いて分散印刷を行う場合、印刷後の印刷媒体の
収集方法に関する情報を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷
制御システム。
【請求項9】
印刷ジョブ定義データとコンテンツデータとを含む印刷データを受け取り、印刷装置に
、当該印刷ジョブ定義データに基づいて前記コンテンツデータを印刷させる印刷制御方法
であって、
前記印刷データを、前記印刷ジョブ定義データと前記コンテンツデータとに分離するデ
ータ分離ステップと、
前記印刷ジョブ定義データに含まれる後工程に関する情報から後工程情報を作成する後
工程情報生成ステップと、
前記後工程情報生成ステップにおいて作成された後工程情報と、前記印刷ジョブ定義デ
ータと、前記コンテンツデータとを前記印刷装置に送出し、前記コンテンツデータ及び前
記後工程情報の印刷を指示する制御ステップと、
を含むことを特徴とする印刷制御方法。
【請求項10】
印刷ジョブ定義データとコンテンツデータとを含む印刷データを受け取り、印刷装置に
、当該印刷ジョブ定義データに基づいて前記コンテンツデータを印刷させる印刷制御プロ
グラムであって、
前記印刷データを、前記印刷ジョブ定義データと前記コンテンツデータとに分離するデ
ータ分離ステップ、
前記印刷ジョブ定義データに含まれる後工程に関する情報から後工程情報を作成する後
工程情報生成ステップ、及び
前記後工程情報生成ステップにおいて作成された後工程情報と、前記印刷ジョブ定義デ
ータと、前記コンテンツデータとを前記印刷装置に送出し、前記コンテンツデータ及び前
記後工程情報の印刷を指示する制御ステップとして実現される処理をコンピュータに実行
させることを特徴とする印刷制御プログラム。
【請求項11】
印刷ジョブ定義データとコンテンツデータとを含む印刷データを受け取り、当該印刷ジ
ョブ定義データに基づいて前記コンテンツデータを印刷する印刷システムであって、
前記印刷データを、前記印刷ジョブ定義データと前記コンテンツデータとに分離するデ
ータ分離部と、
前記印刷ジョブ定義データに含まれる後工程に関する情報から後工程情報を作成する後
工程情報生成部と、
前記後工程情報生成部において作成された後工程情報と、前記印刷ジョブ定義データと
、前記コンテンツデータとを送出し、前記コンテンツデータ及び前記後工程情報の印刷を
指示する制御部と、
前記制御部からの指示により、前記コンテンツデータ及び前記後処理工程情報の印刷を
実行する印刷部と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項12】
印刷ジョブ定義データとコンテンツデータとを含む印刷データを受け取り、当該印刷ジ
ョブ定義データに基づいて前記コンテンツデータを印刷する印刷方法であって、
前記印刷データを、前記印刷ジョブ定義データと前記コンテンツデータとに分離するデ
ータ分離ステップと、
前記印刷ジョブ定義データに含まれる後工程に関する情報から後工程情報を作成する後
工程情報生成ステップと、
前記後工程情報生成ステップにおいて作成された後工程情報と、前記印刷ジョブ定義デ
ータと、前記コンテンツデータとを送出し、前記コンテンツデータ及び前記後工程情報の
印刷を指示する制御ステップと、
前記制御ステップからの指示により、前記コンテンツデータ及び前記後工程情報の印刷
を実行する印刷ステップと、
を含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項13】
印刷ジョブ定義データとコンテンツデータとを含む印刷データを受け取り、当該印刷ジ
ョブ定義データに基づいて前記コンテンツデータを印刷する印刷プログラムであって、
前記印刷データを、前記印刷ジョブ定義データと前記コンテンツデータとに分離するデ
ータ分離ステップ、
前記印刷ジョブ定義データに含まれる後工程に関する情報から後工程情報を作成する後
工程情報生成ステップ、
前記後工程情報生成ステップにおいて作成された後工程情報と、前記印刷ジョブ定義デ
ータと、前記コンテンツデータとを送出し、前記コンテンツデータ及び前記後工程情報の
印刷を指示する制御ステップ、及び
前記制御ステップからの指示により、前記コンテンツデータ及び前記後工程情報の印刷
を実行する印刷ステップとして実現される処理コンピュータに実行させることを特徴とす
る印刷プログラム。
【請求項14】
請求項10記載の印刷制御プログラム、又は請求項13記載の印刷プログラムを記録し
たことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−181176(P2008−181176A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12273(P2007−12273)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】