印刷制御装置、印刷制御方法、制御プログラム及び記憶媒体
【課題】 Nin1印刷した場合でも、符号画像を元の大きさで出力可能にする。
【解決手段】 プリント画像に含まれる符号画像を検出し、検出した符号画像に関する情報を取得、記憶しておき、プリント画像を含むプリントジョブの印刷設定を取得した後で、プリント画像が縮小印刷される場合に、記憶した符号画像に関する情報をプリントジョブの空白部分に結合する。
【解決手段】 プリント画像に含まれる符号画像を検出し、検出した符号画像に関する情報を取得、記憶しておき、プリント画像を含むプリントジョブの印刷設定を取得した後で、プリント画像が縮小印刷される場合に、記憶した符号画像に関する情報をプリントジョブの空白部分に結合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、符合画像を取り扱うことができる印刷制御装置、印刷制御方法、制御プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
情報を符号化して符号画像を生成し、当該生成された符号画像を原稿画像に合成する手法が実用化されている。二次元バーコードなどは、そのうちで最もよく知られた手法の一つである。前記符号画像は通常、紙やフィルム等のシート状の媒体(以降、紙面と表現する)上に印刷され、前記符号画像を復号する際は、例えばスキャナ等の読取装置によって符号画像を光学的に読み取り、復号する。しかし符号画像を印刷する場合、従来のプリントドライバ等の設定によりNin1(N>1)印刷(論理ページでのNページを物理ページでの1ページに縮小配置して印刷する処理)がなされたとき、印刷される符号画像が縮小処理によりつぶれてしまい、符号画像は、復号時に必要とする精度を失ってしまうことが考えられる。ここで、符号画像を、その復号精度を保った状態で印刷する手法として、文字、図形等の目視にて読み取りが可能な可読画像とデータの符号化によってえた光学的に読み取り可能な符号画像を含む画像を紙面上に相似的に拡大または縮小して記録する際、その符号画像については当該拡大または縮小をせずに記録するというものがある。(例えば特許文献1参照。)また、符号画像を検知し、符号画像が存在する頁のみNin1指定を無効にするというものがある(例えば特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−354236号公報
【特許文献2】特開2009−145977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この特許文献1開示の技術を用いると、前記可読画像は拡大または縮小処理がなされ、前記符号画像は拡大または縮小がされないため、前記可読および符号画像が同紙面上に配置されている場合、その画像レイアウトは大きく崩れるという問題がある。また、出力用紙の物理サイズが考慮されていないため、印刷設定として、出力用紙のサイズダウンやNin1設定がなされた印刷の場合、前記符号画像のサイズによっては紙面上に収まらないという問題も考えられる。
【0005】
また、特許文献2開示の技術を用いると、符号画像が複数の頁に存在する場合、Nin1印刷したものと、Nin1設定を無効にして印刷されたのもが混在することになり可読性の低下が考えられる。また、頁ごとに符号画像が存在している場合はNin1印刷を全く行わないことになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、プリント画像に含まれる符号画像を検出する符号画像検出手段と、検出した符号画像に関する情報を取得し、記憶する符号画像情報記憶手段と、前記プリント画像を含むプリントジョブの印刷設定を取得する印刷設定取得手段と、前記印刷設定取得手段により、前記プリント画像が縮小印刷される場合に、前記符号画像情報記憶手段で記憶した符号画像に関する情報から、前記符号画像を前記プリントジョブの空白部分に結合するプリントジョブ結合手段とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前記符号画像のみを抽出し縮小していない元の大きさの符号画像を別の頁で印刷することで、符号画像については、復号時の光学読み取り精度を保つ最適な設定にて印刷することが可能である。
【0008】
また、前記符号画像が含まれている前記可読画像も印刷設定の通り印刷され、その後に符号画像のみの頁が印刷されるため、Nin1設定がされた頁とNin1設定が無効になった頁が混在することがなく、可読性が損なわれない状態で印刷することが可能である。
【0009】
更に、Nin1設定を無効にしないため符号画像が多い場合は、Nin1設定を無効にしない場合より少ない枚数で紙を印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の印刷制御システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の印刷制御システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の印刷制御装置のソフトウウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の印刷管理装置のソフトウウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態における印刷制御装置の第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態における印刷ジョブの一例を示す模式図である。
【図7】本発明の実施形態における印刷ジョブの一例を示す模式図である。
【図8】本発明の実施形態における印刷ジョブの一例を示す模式図である。
【図9】本発明の実施形態における印刷制御装置が管理する符号画像情報テーブルの一例である。
【図10】本発明の実施形態における印刷制御装置が管理する符号画像位置表記データ記憶部の一例である。
【図11】本発明の実施形態における印刷制御装置の第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係るプログラム生成装置で読み出し可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体のメモリマップを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の印刷制御システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【0013】
このシステムではホストコンピュータ40及び3台の画像形成装置(10,20,30)がLAN50に接続されているが、本発明における印刷システムにおいては、これらの接続数に限られることはない。また、本実施例では接続方法としてLANを適用しているが、これに限られることはない。例えば、WAN(公衆回線)などの任意のネットワーク、USBなどのシリアル伝送方式、セントロニクスやSCSIなどのパラレル伝送方式なども適用可能である。
【0014】
ホストコンピュータ(以下、PCと称する)40はパーソナルコンピュータの機能を有している。このPC40はLAN50やWANを介してFTPやSMBプロトコルを用いファイルを送受信したり電子メールを送受信したりすることができる。またPC40から画像形成装置10、20、30に対して、プリンタドライバを介した印字命令を行うことが可能となっている。
【0015】
画像形成装置10と20は同じ構成を有する装置である。画像形成装置30はプリント機能のみの画像形成装置であり、画像形成装置10や20が有するスキャナ部を有していない。
【0016】
本実施例においては、PC40での動作を想定し、その構成を詳細に説明する。
【0017】
以下、図2を参照して、図1に示したPC40、画像形成装置10、20、あるいは30に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
【0018】
図2は、本発明の印刷制御システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、本発明の機能が実行されるのであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなるシステムであっても、LAN、WAN等のネットワークを介して接続がなされ処理が行われるシステムであっても本発明を適用できる。
【0019】
同図において、ホストコンピュータ3000(図1のPC40)は、ROM2003のプログラム用ROMあるいは外部メモリ3011に記憶された文書処理プログラムに基づいて、図4以降で後述される本発明の実施形態に関わる処理を含む、図形、イメージ、文字、表(表計算等含む)等が混在した文書処理及びそれに基づく印刷処理の実行を制御するCPU2001を備える。このCPU2001は、システムバス2004に接続される各デバイスの制御を総括する。また、ROM2003のプログラム用ROMあるいは外部メモリ3011には、CPU2001の制御プログラムであるオペレーティングシステム(以降OS)等を記憶し、ROM2003のフォント用ROMあるいは外部メモリ3011には前記文書処理の際に使用するフォントデータ等を記憶し、ROM2003のデータ用ROMあるいは外部メモリ3011には前記文書処理等を行う際に使用する各種データを記憶する。RAM2002は、CPU2001の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0020】
キーボードコントローラ(KBC)2005は、キーボード(KB)3009や不図示のポインティングデバイスからの入力を制御する。ディスプレイコントローラ(DSPC)2006は、例えば液晶ディスプレイなどで構成されるディスプレイ(DISP)3010による表示を制御する。ディスクコントローラ(DKC)2007は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、印刷制御コマンド生成プログラム(以降プリンタドライバ)等を記憶するハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)等の外部メモリ3011とのアクセスを制御する。プリンタコントローラ(PRTC)2008は、双方向性インタフェース1821(例えばLAN50)を介してプリンタ1500(画像形成装置10、20、あるいは30)に接続されて、プリンタ1500との通信制御処理を実行する。
【0021】
なお、CPU2001は、例えばRAM2002上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、DISP3010上でのWYSIWYGを可能としている。また、CPU1は、DISP3010上の不図示のポインティングデバイス、たとえばマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは印刷を実行する際、印刷の設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や、印刷モードの選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法の設定を行える。
【0022】
プリンタ1500(画像形成装置10、20、あるいは30)は、そのCPU1012により制御される。プリンタCPU1012は、ROM1013のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等あるいは外部メモリ1514に記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス1015に接続される印刷部(プリンタエンジン)1517(プリンタ14、24、あるいは33)に印刷出力情報としての画像信号を出力する。また、このROM1013のプログラム用ROMには、CPU1012の制御用プログラム等を記憶する。ROM1013のフォント用ROMには上記印刷出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶され、ROM1013のデータ用ROMには、ハードディスク等の外部メモリ1514がないプリンタの場合には、ホストコンピュータ上で利用される情報等が記憶されている。
【0023】
CPU1012は入力部1018を介してホストコンピュータとの通信処理が可能となっており、プリンタ1500内の情報等をホストコンピュータ3000に通知できる。RAM1019は、CPU1012の主メモリや、ワークエリア等として機能するメモリで、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ拡張することができるように構成されている。なお、RAM1019は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。前述のハードディスク(HD)、ICカード等の外部メモリ1514は、オプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、入力部1018には前述した操作パネルで操作のためのスイッチおよびLED表示器等が配されている。
【0024】
また、前述した外部メモリ1514は1個に限らず、複数個備えられ、内蔵フォントに加えてオプションカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されてもよい。さらに、図示しないNVRAMを有し、操作パネル1515(操作部12、22、あるいは32)からのプリンタモード設定を記憶するようにしてもよい。
【0025】
次に、図3及び図4を参照して、PC40のソフトウェアの構成について説明する。
【0026】
図3は、本発明の印刷制御装置のソフトウウェア構成の一例を示すブロック図である。印刷アプリケーション301、グラフィックエンジン302、プリンタドライバ303、およびシステムスプーラ304は、外部メモリ3011に保存されたファイルとして存在し、実行される場合にOSやそのモジュールを利用するモジュールによってRAM2002にロードされ実行されるプログラムモジュールである。また、印刷アプリケーション301およびプリンタドライバ303は外部メモリ3011のFDや不図示のCD−ROM、あるいは不図示のネットワワークを経由して外部メモリ3011に追加することが可能になっている。外部メモリ3011に保存されている印刷アプリケーション301からプリンタ1500(画像形成装置10、20、あるいは30)に対して印刷を行う際には、同様にRAM3002にロードされ実行可能となっているグラフィックエンジン302を利用して出力(描画)を行う。
【0027】
グラフィックエンジン302は、プリンタなどの印刷装置ごとに用意されたプリンタドライバ303を同時に外部メモリ3011からRAM3002にロードし、印刷アプリケーション301の出力をプリンタドライバ303に設定する。そして、印刷アプリケーション301から受け取るGDI(Graphic Device Interface)関数をDDI(Device
Driver Interface)関数に変換して、プリンタドライバ303へDDI関数を出力する。プリンタドライバ303は、グラフィックエンジン302から受け取ったDDI関数に基づいて、プリンタが認識可能な制御コマンド、例えばPDL(Page Description Language)に変換する。変換されたプリンタ制御コマンドは、OSによってRAM3002にロードされたシステムスプーラ304を経て双方向インタフェース1821経由でプリンタ1500へ印刷データとして出力される仕組みとなっている。
【0028】
本実施形態の印刷システムは、印刷アプリケーション301内にプリントジョブ制御部305を有する。印刷アプリケーション301は前記符号画像を含む画像のプリントジョブ生成に関し、前記プリントジョブ制御部305の実行により、後述のプリントジョブ生成などの処理を行う。なお、プリントジョブ制御部305は印刷アプリケーション301のビルトインモジュールであってもよいし、個別のインストレーションによって追加されるライブラリモジュールの形式であっても構わない。また、同機能をプリンタドライバ303等、他の印刷処理過程で行うことも考えられる。あるいはソフトウェアに限らず、例えば、ASICやFPGAなどのハードウェアによっても十分実現は可能である。
【0029】
図4は、本発明の印刷管理装置(ホストコンピュータ3000)における印刷処理のための構成の他の例を示す図である。
【0030】
図4は、図3に示した構成を、特にプリントジョブ制御部305に焦点をあて、さらに詳細に記したブロック図である。
【0031】
本実施例において、プリントジョブ制御部305は、グラフィックエンジン302を介し、印刷要求時に適用される。
【0032】
印刷設定取得部401はプリンタドライバ303等がRAM2002や外部メモリ3011にて保管している印刷設定を取得する。また、符号画像検出部402は図形、イメージ、文字、表(表計算等含む)等が混在する印刷対象画像より符号画像を検出する。符号画像情報記憶部403は、符号画像検出部402で検出した符号画像やその符号画像の位置情報などを記憶する。プリントジョブ生成部404は、プリントジョブを生成する。プリントジョブ結合部405は、プリントジョブ生成部404で生成したプリントジョブに符号画像の情報を結合させる。また、符号画像位置表記データ記憶部は、符号画像の位置を表記するためのデータを記憶している。
【0033】
次に、図5を参照して、本発明におけるNin1(N>1)の縮小印刷の指定がなされた時の一連の処理フローを説明する。
【0034】
図5は、本発明の実施形態における印刷制御装置の第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、プリントジョブ制御処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、図2で示したCPU2001が外部メモリ3011等に格納されたプログラムをRAM2002にロードして実行することにより実現される。また、図中のS501〜S514は各ステップを示す。
【0035】
まず、ステップS501において、印刷制御装置のCPU2001(以後CPU2001)は、外部メモリ3011にある印刷ジョブをRAM2002に読み込む。
【0036】
次に、ステップS502において、CPU2001は、ステップS501でRAM2002に読み込んだ印刷ジョブの論理印刷を実施する。論理印刷とは、実際には印字せずホストコンピュータ3000のメモリ上で印字したイメージを作成することである。以後、論理印刷した結果を論理印刷ジョブと呼ぶ。論理印刷ジョブはRAM2002に記憶される。
【0037】
次に、ステップS503において、CPU2001は、RAM2002に記憶された論理印刷ジョブの中に符号画像が存在するかを確認する。符号画像が存在するかしないかは、印刷ジョブの中に予め指定されていても良いし、論理印刷ジョブの画像を読み込んで判断しても良い。
【0038】
ステップS503で論理印刷ジョブ内に符号画像が存在しないと判断した場合は、ステップS513に移行する。ステップS513に移行した場合は、CPU2001は、RAM2002や外部メモリ3011に記憶された印刷設定を取得して、ステップS511に移行する。
【0039】
一方、ステップS503において、論理印刷ジョブ内に符号画像が存在すると判断した場合は、ステップS504に移行する。
【0040】
ステップS504において、CPU2001は、論理印刷ジョブ内の符号画像情報を取得する。取得する情報としては、符号画像、符号画像の位置などがある。なお、符号画像情報については印刷ジョブの中で予め指定されていても良いし、論理印刷ジョブの画像を読み込んで符号画像や符号画像の位置を特定しても良い。図6に符号画像が含まれる印刷ジョブの例を説明する。
【0041】
図6は、本発明の実施形態における印刷ジョブの一例を示す模式図である。
【0042】
図6の610が論理印刷を実施した論理印刷ジョブの結果の例であり、601〜603が符号画像である。本発明は610の印刷物をNin1印刷した際に、612のような結果を得ることが目的である。図5のフローチャートの説明に戻る。
【0043】
次に、ステップS505において、CPU2001は、符号画像情報を符号画像情報記憶部403に記憶する。記憶する情報は、ステップS504で取得した符号画像自体や符号画像の位置などである。符号画像情報記憶部403に記憶されたデータの例を図9に示す。
【0044】
図9は、本発明の実施形態における印刷制御装置が管理する符号画像情報テーブルの一例である。
【0045】
図9において、901は符号画像毎にユニークに付された画像番号であり、図示しないデータベースなどで保存されている符号画像自体と連携している。902は符号画像の存在する論理印刷ジョブ上での論理ページであり、903は符号画像の論理印刷ジョブ上の論理ページでの存在位置を示している。図9は図6の610の例の場合の符号画像情報テーブルの例である。すなわち、901が画像(1)である符号画像の情報としては、610の601が対応し、画像(2)である符号画像の情報としては610の602、画像(3)である符号画像の情報としては610の603が対応する。902は各符号画像が存在する論理ページ数を示し、601は1ページ目、602は3ページ目、603は5ページ目にあることを示す。903の符号画像の論理印刷ジョブ上の論理ページでの存在位置は、横軸をx軸、縦軸をy軸とし、論理ページの左上を原点として座標で特定されている。図5のフローチャートの説明に戻る。
【0046】
図5のステップS505において、符号画像情報記憶部403に符号画像情報を記憶した後、ステップS506において、CPU2001は、RAM2002や外部メモリ3011に記憶された印刷設定(2in1や4in1などの1枚の物理ページに複数の論理ページを配置して印刷するNin1印刷設定)を取得し、Nin1印刷のNの値をRAM2002などに記憶しておく。
【0047】
次に、ステップS507において、CPU2001は、符号画像情報記憶部に記憶された符号画像をステップS506で取得した印刷設定のNの倍率だけ拡大して、RAM2002などに記憶する。符号画像をN倍に拡大して印刷することにより、後にNin1印刷で縮小される符号画像を元の大きさで印刷可能となる。具体的には2in1の場合には符号画像の1辺が√2倍となるように拡大する。
【0048】
次に、ステップS508において、CPU2001は、論理印刷ジョブの最終ページにステップS507で拡大した符号画像を生成(付与)出来るだけの空白部分があるかどうかを判断する。最終ページに拡大した符号画像を生成できるだけの空白部分がある場合は、ステップS510に移行し、拡大した符号画像を生成できるだけの空白部分が無い場合は、ステップS509に移行する。
【0049】
ステップS509において、CPU2001は、印刷ジョブの論理印刷ジョブの最後に新規ページを作成し、ステップS510に移行する。
【0050】
ステップS510において、CPU2001は、拡大した符号画像を印刷ジョブの最後の空白部分に配置(付与)する。図6を参照して説明する。
【0051】
図6の611は、論理印刷ジョブに拡大した符号画像を配置した例である。論理印刷ジョブの結果の5ページに604の拡大した符号画像を配置した例となっている。604の605は601のN倍した符号画像であり、606、607はそれぞれ、602、603をN倍した符号画像である。図5のフローチャートの説明に戻る。
【0052】
次に、ステップS511において、論理印刷ジョブの結果と拡大した符号画像を付与した結果をステップS506もしくは、S513で取得したNin1印刷設定で実印刷ジョブを生成する。実印刷した結果について、図6を参照して説明する。
【0053】
図6の612は610の論理印刷ジョブを2in1で印刷した実印刷ジョブの結果の一例である。2in1印刷した結果、最後のページ608に符号画像が元の大きさで配置されている。
【0054】
以上の構成により、前記符号画像のみを抽出し縮小していない元の大きさの符号画像を別の頁で印刷することで、符号画像については、復号時の光学読み取り精度を保つ最適な設定にて印刷することが可能である。
【0055】
また、前記符号画像が含まれている前記可読画像も印刷設定の通り印刷され、その後に符号画像のみの頁が印刷されるため、Nin1設定がされた頁とNin1設定が無効になった頁が混在することがなく、可読性が損なわれない状態で印刷することが可能である。
【0056】
更に、Nin1設定を無効にしないため符号画像が多い場合は、Nin1設定を無効にしない場合より少ない枚数で紙を印刷することができる。
<第2の実施形態>
【0057】
第1の実施形態では、図5のステップS508において、論理印刷ジョブの最終ページにステップS507で拡大した符号画像を生成(付与)出来るだけの空白部分がない場合を説明したが、
【0058】
第2の実施形態では、図5のステップS508で、論理印刷ジョブの最終ページにステップS507で拡大した符号画像を生成(付与)出来るだけの空白部分がある場合について、図7を参照して説明する。
【0059】
図7は、本発明の実施形態における印刷ジョブの一例を示す模式図である。
【0060】
図7の710が論理印刷を実施したステップS502で得られる論理印刷ジョブの結果の例であり、701〜702が符号画像である。本発明は710の印刷物をNin1印刷した際に、711のような結果を得ることが目的である。
【0061】
符号画像701及び702をステップS507でN倍に拡大させ、ステップS508において拡大した符号画像を付与出来るだけの空白部分にある場合(図7の703)、711の実印刷ジョブの結果のように706が出力される。711の実印刷ジョブの場合は縮小された符号画像701、702がそれぞれ704、705に元の大きさで付与される。
<第3の実施形態>
【0062】
第1及び第2の実施形態では、図5のステップS510において、拡大した符号画像のみを配置した場合を説明したが、第3の実施形態では、ステップS510で最終ページに拡大した符号画像を付与する際に、元の符号画像の位置情報、もしくは対応するユニークなデータをも付与する構成について、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0063】
図11は、本発明の実施形態における印刷制御装置の第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図5のステップS510の処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、図2で示したCPU2001が外部メモリ3011等に格納されたプログラムをRAM2002にロードして実行することにより実現される。また、図中のS1101〜S1104は各ステップを示す。
【0064】
まず、ステップS1101において、CPU2001は、ステップS504で取得した符号画像情報記憶部に記憶された符号画像の位置情報を読み込む。具体例として、図9の901と同時に902や903の値を読み込む。
【0065】
次に、ステップS1102において、CPU2001は、論理印刷ジョブ内の符号画像上に、各符号画像に振られたユニークなデータを付与する。具体例として、図9の901に記載している画像番号((1)や(2)、(3)など)を付与する。図8を参照して、ステップS1102を説明する。
【0066】
図8は、本発明の実施形態における印刷ジョブの一例を示す模式図である。
【0067】
図8の820が、ステップS502において論理印刷を実施した論理印刷ジョブの結果の例であり、801〜803が符号画像である。
【0068】
ステップS1102において、CPU2001は、論理印刷ジョブ内の符号画像801〜803上に、図9の901にあるユニークなデータ((1)や(2)、(3))を付与し、821の804や805、806のように、論理印刷ジョブの符号画像上にユニークなデータである(1)や(2)、(3)等の記号を付与している。図11のフローチャートの説明に戻る。
【0069】
図11のステップS1102で論理印刷ジョブの符号画像上に、符号画像情報記憶部403に記憶されたユニークなデータを付与すると、次のステップS1103において、CPU2001は、符号画像位置表記データ記憶手段406から符号画像の位置情報の表記情報を取得する。符号画像位置表記データ記憶手段406の例について図10を参照して説明する。
【0070】
図10は、本発明の実施形態における印刷制御装置が管理する符号画像位置表記データ記憶部の一例である。
【0071】
図10の1001は論理印刷ジョブ上での原稿のサイズ及び向きを示しており、A4縦と示されたデータは原稿サイズがA4で縦長の時の論理印刷ジョブに対するデータであることを示す。また、1002は論理印刷ジョブ上での符号画像の位置範囲を示しており、1003は符号画像の位置を表記するデータが保存されている。例えば、A4縦の論理印刷ジョブ上でx=50、y=50の位置に符号画像がある場合は、1004の「x=0〜100、y=0〜70」の行が該当する為、符号画像の位置表記データである「上段、左」を取得する。図11のフローチャートの説明に戻る。
【0072】
図11のステップS1104において、CPU2001は、ステップS1103で取得した符号画像の位置情報に対応した位置表記データを拡大した符号画像と共に論理印刷ジョブに付与する。図9の符号画像情報テーブルの場合について図8を参照して説明する。
【0073】
図9の符号画像情報テーブルに保存された901の符号画像(1)〜(3)の位置座標903から、位置表記904は図10のそれぞれ、(1)、(2)、(3)が1005、1006、1004に対応しているので、(1)、(2)、(3)の位置表記は、「中段、左」、「下段、中央」、「上段、左」となる。その結果、論理印刷ジョブの最後のページは813のように、拡大された符号画像と位置表記が付与される。
【0074】
813の論理ページでは、807に804に出力される符号画像がN倍で付与され、付加情報として、810のように符号画像毎のユニークなデータと符号画像の位置を示した位置表記情報を付与している。同様に、808、809には、805、806で出力される符号画像がN倍で付与され、付加情報としてそれぞれ811、812のように符号画像毎のユニークなデータと符号画像の位置を示した位置表記情報を付与する。
【0075】
以上の手順により、複数の符号画像がある場合にもユーザが対応する符号画像を容易に確認可能という効果を得ることができる。
【0076】
なお、第3の実施形態では、ステップS1102とステップS1103の両方を論理印刷ジョブに付与しているが、ステップS1102もしくはステップS1103のどちらか1つのみを実施しても良いし、どちらも実施しても良い。ステップS1102のみを実施する場合はステップS1104では、901にあるユニークなデータを付与するのみであり、ステップS1103のみを実施する場合は、位置表記のみを付与する。
【0077】
なお、上記各実施形態のいずれか複数を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0078】
以上の構成により、前記符号画像のみを抽出し縮小していない元の大きさの符号画像を別の頁で印刷することで、符号画像については、復号時の光学読み取り精度を保つ最適な設定にて印刷することが可能である。
【0079】
以下、図12に示すメモリマップを参照して本発明に係るプログラム生成装置で読み出し可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0080】
図12は、本発明に係るプログラム生成装置で読み出し可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体のメモリマップを説明する図である。
【0081】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0082】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0083】
本実施形態における図5、図11に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0084】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0085】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0086】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0087】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0088】
この場合、記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0089】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0090】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記録媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0091】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0092】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0093】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0094】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0095】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【符号の説明】
【0096】
301 印刷アプリケーション
302 グラフィックエンジン
305 プリントジョブ制御部
401 印刷設定取得部
402 符号画像検出部
403 符号画像情報取得部
404 プリントジョブ生成部
405 プリントジョブ結合部
406 符号画像位置表記データ記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、符合画像を取り扱うことができる印刷制御装置、印刷制御方法、制御プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
情報を符号化して符号画像を生成し、当該生成された符号画像を原稿画像に合成する手法が実用化されている。二次元バーコードなどは、そのうちで最もよく知られた手法の一つである。前記符号画像は通常、紙やフィルム等のシート状の媒体(以降、紙面と表現する)上に印刷され、前記符号画像を復号する際は、例えばスキャナ等の読取装置によって符号画像を光学的に読み取り、復号する。しかし符号画像を印刷する場合、従来のプリントドライバ等の設定によりNin1(N>1)印刷(論理ページでのNページを物理ページでの1ページに縮小配置して印刷する処理)がなされたとき、印刷される符号画像が縮小処理によりつぶれてしまい、符号画像は、復号時に必要とする精度を失ってしまうことが考えられる。ここで、符号画像を、その復号精度を保った状態で印刷する手法として、文字、図形等の目視にて読み取りが可能な可読画像とデータの符号化によってえた光学的に読み取り可能な符号画像を含む画像を紙面上に相似的に拡大または縮小して記録する際、その符号画像については当該拡大または縮小をせずに記録するというものがある。(例えば特許文献1参照。)また、符号画像を検知し、符号画像が存在する頁のみNin1指定を無効にするというものがある(例えば特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−354236号公報
【特許文献2】特開2009−145977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この特許文献1開示の技術を用いると、前記可読画像は拡大または縮小処理がなされ、前記符号画像は拡大または縮小がされないため、前記可読および符号画像が同紙面上に配置されている場合、その画像レイアウトは大きく崩れるという問題がある。また、出力用紙の物理サイズが考慮されていないため、印刷設定として、出力用紙のサイズダウンやNin1設定がなされた印刷の場合、前記符号画像のサイズによっては紙面上に収まらないという問題も考えられる。
【0005】
また、特許文献2開示の技術を用いると、符号画像が複数の頁に存在する場合、Nin1印刷したものと、Nin1設定を無効にして印刷されたのもが混在することになり可読性の低下が考えられる。また、頁ごとに符号画像が存在している場合はNin1印刷を全く行わないことになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、プリント画像に含まれる符号画像を検出する符号画像検出手段と、検出した符号画像に関する情報を取得し、記憶する符号画像情報記憶手段と、前記プリント画像を含むプリントジョブの印刷設定を取得する印刷設定取得手段と、前記印刷設定取得手段により、前記プリント画像が縮小印刷される場合に、前記符号画像情報記憶手段で記憶した符号画像に関する情報から、前記符号画像を前記プリントジョブの空白部分に結合するプリントジョブ結合手段とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前記符号画像のみを抽出し縮小していない元の大きさの符号画像を別の頁で印刷することで、符号画像については、復号時の光学読み取り精度を保つ最適な設定にて印刷することが可能である。
【0008】
また、前記符号画像が含まれている前記可読画像も印刷設定の通り印刷され、その後に符号画像のみの頁が印刷されるため、Nin1設定がされた頁とNin1設定が無効になった頁が混在することがなく、可読性が損なわれない状態で印刷することが可能である。
【0009】
更に、Nin1設定を無効にしないため符号画像が多い場合は、Nin1設定を無効にしない場合より少ない枚数で紙を印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の印刷制御システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の印刷制御システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の印刷制御装置のソフトウウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の印刷管理装置のソフトウウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態における印刷制御装置の第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態における印刷ジョブの一例を示す模式図である。
【図7】本発明の実施形態における印刷ジョブの一例を示す模式図である。
【図8】本発明の実施形態における印刷ジョブの一例を示す模式図である。
【図9】本発明の実施形態における印刷制御装置が管理する符号画像情報テーブルの一例である。
【図10】本発明の実施形態における印刷制御装置が管理する符号画像位置表記データ記憶部の一例である。
【図11】本発明の実施形態における印刷制御装置の第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係るプログラム生成装置で読み出し可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体のメモリマップを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の印刷制御システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【0013】
このシステムではホストコンピュータ40及び3台の画像形成装置(10,20,30)がLAN50に接続されているが、本発明における印刷システムにおいては、これらの接続数に限られることはない。また、本実施例では接続方法としてLANを適用しているが、これに限られることはない。例えば、WAN(公衆回線)などの任意のネットワーク、USBなどのシリアル伝送方式、セントロニクスやSCSIなどのパラレル伝送方式なども適用可能である。
【0014】
ホストコンピュータ(以下、PCと称する)40はパーソナルコンピュータの機能を有している。このPC40はLAN50やWANを介してFTPやSMBプロトコルを用いファイルを送受信したり電子メールを送受信したりすることができる。またPC40から画像形成装置10、20、30に対して、プリンタドライバを介した印字命令を行うことが可能となっている。
【0015】
画像形成装置10と20は同じ構成を有する装置である。画像形成装置30はプリント機能のみの画像形成装置であり、画像形成装置10や20が有するスキャナ部を有していない。
【0016】
本実施例においては、PC40での動作を想定し、その構成を詳細に説明する。
【0017】
以下、図2を参照して、図1に示したPC40、画像形成装置10、20、あるいは30に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
【0018】
図2は、本発明の印刷制御システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、本発明の機能が実行されるのであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなるシステムであっても、LAN、WAN等のネットワークを介して接続がなされ処理が行われるシステムであっても本発明を適用できる。
【0019】
同図において、ホストコンピュータ3000(図1のPC40)は、ROM2003のプログラム用ROMあるいは外部メモリ3011に記憶された文書処理プログラムに基づいて、図4以降で後述される本発明の実施形態に関わる処理を含む、図形、イメージ、文字、表(表計算等含む)等が混在した文書処理及びそれに基づく印刷処理の実行を制御するCPU2001を備える。このCPU2001は、システムバス2004に接続される各デバイスの制御を総括する。また、ROM2003のプログラム用ROMあるいは外部メモリ3011には、CPU2001の制御プログラムであるオペレーティングシステム(以降OS)等を記憶し、ROM2003のフォント用ROMあるいは外部メモリ3011には前記文書処理の際に使用するフォントデータ等を記憶し、ROM2003のデータ用ROMあるいは外部メモリ3011には前記文書処理等を行う際に使用する各種データを記憶する。RAM2002は、CPU2001の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0020】
キーボードコントローラ(KBC)2005は、キーボード(KB)3009や不図示のポインティングデバイスからの入力を制御する。ディスプレイコントローラ(DSPC)2006は、例えば液晶ディスプレイなどで構成されるディスプレイ(DISP)3010による表示を制御する。ディスクコントローラ(DKC)2007は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、印刷制御コマンド生成プログラム(以降プリンタドライバ)等を記憶するハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)等の外部メモリ3011とのアクセスを制御する。プリンタコントローラ(PRTC)2008は、双方向性インタフェース1821(例えばLAN50)を介してプリンタ1500(画像形成装置10、20、あるいは30)に接続されて、プリンタ1500との通信制御処理を実行する。
【0021】
なお、CPU2001は、例えばRAM2002上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、DISP3010上でのWYSIWYGを可能としている。また、CPU1は、DISP3010上の不図示のポインティングデバイス、たとえばマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは印刷を実行する際、印刷の設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や、印刷モードの選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法の設定を行える。
【0022】
プリンタ1500(画像形成装置10、20、あるいは30)は、そのCPU1012により制御される。プリンタCPU1012は、ROM1013のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等あるいは外部メモリ1514に記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス1015に接続される印刷部(プリンタエンジン)1517(プリンタ14、24、あるいは33)に印刷出力情報としての画像信号を出力する。また、このROM1013のプログラム用ROMには、CPU1012の制御用プログラム等を記憶する。ROM1013のフォント用ROMには上記印刷出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶され、ROM1013のデータ用ROMには、ハードディスク等の外部メモリ1514がないプリンタの場合には、ホストコンピュータ上で利用される情報等が記憶されている。
【0023】
CPU1012は入力部1018を介してホストコンピュータとの通信処理が可能となっており、プリンタ1500内の情報等をホストコンピュータ3000に通知できる。RAM1019は、CPU1012の主メモリや、ワークエリア等として機能するメモリで、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ拡張することができるように構成されている。なお、RAM1019は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。前述のハードディスク(HD)、ICカード等の外部メモリ1514は、オプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、入力部1018には前述した操作パネルで操作のためのスイッチおよびLED表示器等が配されている。
【0024】
また、前述した外部メモリ1514は1個に限らず、複数個備えられ、内蔵フォントに加えてオプションカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されてもよい。さらに、図示しないNVRAMを有し、操作パネル1515(操作部12、22、あるいは32)からのプリンタモード設定を記憶するようにしてもよい。
【0025】
次に、図3及び図4を参照して、PC40のソフトウェアの構成について説明する。
【0026】
図3は、本発明の印刷制御装置のソフトウウェア構成の一例を示すブロック図である。印刷アプリケーション301、グラフィックエンジン302、プリンタドライバ303、およびシステムスプーラ304は、外部メモリ3011に保存されたファイルとして存在し、実行される場合にOSやそのモジュールを利用するモジュールによってRAM2002にロードされ実行されるプログラムモジュールである。また、印刷アプリケーション301およびプリンタドライバ303は外部メモリ3011のFDや不図示のCD−ROM、あるいは不図示のネットワワークを経由して外部メモリ3011に追加することが可能になっている。外部メモリ3011に保存されている印刷アプリケーション301からプリンタ1500(画像形成装置10、20、あるいは30)に対して印刷を行う際には、同様にRAM3002にロードされ実行可能となっているグラフィックエンジン302を利用して出力(描画)を行う。
【0027】
グラフィックエンジン302は、プリンタなどの印刷装置ごとに用意されたプリンタドライバ303を同時に外部メモリ3011からRAM3002にロードし、印刷アプリケーション301の出力をプリンタドライバ303に設定する。そして、印刷アプリケーション301から受け取るGDI(Graphic Device Interface)関数をDDI(Device
Driver Interface)関数に変換して、プリンタドライバ303へDDI関数を出力する。プリンタドライバ303は、グラフィックエンジン302から受け取ったDDI関数に基づいて、プリンタが認識可能な制御コマンド、例えばPDL(Page Description Language)に変換する。変換されたプリンタ制御コマンドは、OSによってRAM3002にロードされたシステムスプーラ304を経て双方向インタフェース1821経由でプリンタ1500へ印刷データとして出力される仕組みとなっている。
【0028】
本実施形態の印刷システムは、印刷アプリケーション301内にプリントジョブ制御部305を有する。印刷アプリケーション301は前記符号画像を含む画像のプリントジョブ生成に関し、前記プリントジョブ制御部305の実行により、後述のプリントジョブ生成などの処理を行う。なお、プリントジョブ制御部305は印刷アプリケーション301のビルトインモジュールであってもよいし、個別のインストレーションによって追加されるライブラリモジュールの形式であっても構わない。また、同機能をプリンタドライバ303等、他の印刷処理過程で行うことも考えられる。あるいはソフトウェアに限らず、例えば、ASICやFPGAなどのハードウェアによっても十分実現は可能である。
【0029】
図4は、本発明の印刷管理装置(ホストコンピュータ3000)における印刷処理のための構成の他の例を示す図である。
【0030】
図4は、図3に示した構成を、特にプリントジョブ制御部305に焦点をあて、さらに詳細に記したブロック図である。
【0031】
本実施例において、プリントジョブ制御部305は、グラフィックエンジン302を介し、印刷要求時に適用される。
【0032】
印刷設定取得部401はプリンタドライバ303等がRAM2002や外部メモリ3011にて保管している印刷設定を取得する。また、符号画像検出部402は図形、イメージ、文字、表(表計算等含む)等が混在する印刷対象画像より符号画像を検出する。符号画像情報記憶部403は、符号画像検出部402で検出した符号画像やその符号画像の位置情報などを記憶する。プリントジョブ生成部404は、プリントジョブを生成する。プリントジョブ結合部405は、プリントジョブ生成部404で生成したプリントジョブに符号画像の情報を結合させる。また、符号画像位置表記データ記憶部は、符号画像の位置を表記するためのデータを記憶している。
【0033】
次に、図5を参照して、本発明におけるNin1(N>1)の縮小印刷の指定がなされた時の一連の処理フローを説明する。
【0034】
図5は、本発明の実施形態における印刷制御装置の第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、プリントジョブ制御処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、図2で示したCPU2001が外部メモリ3011等に格納されたプログラムをRAM2002にロードして実行することにより実現される。また、図中のS501〜S514は各ステップを示す。
【0035】
まず、ステップS501において、印刷制御装置のCPU2001(以後CPU2001)は、外部メモリ3011にある印刷ジョブをRAM2002に読み込む。
【0036】
次に、ステップS502において、CPU2001は、ステップS501でRAM2002に読み込んだ印刷ジョブの論理印刷を実施する。論理印刷とは、実際には印字せずホストコンピュータ3000のメモリ上で印字したイメージを作成することである。以後、論理印刷した結果を論理印刷ジョブと呼ぶ。論理印刷ジョブはRAM2002に記憶される。
【0037】
次に、ステップS503において、CPU2001は、RAM2002に記憶された論理印刷ジョブの中に符号画像が存在するかを確認する。符号画像が存在するかしないかは、印刷ジョブの中に予め指定されていても良いし、論理印刷ジョブの画像を読み込んで判断しても良い。
【0038】
ステップS503で論理印刷ジョブ内に符号画像が存在しないと判断した場合は、ステップS513に移行する。ステップS513に移行した場合は、CPU2001は、RAM2002や外部メモリ3011に記憶された印刷設定を取得して、ステップS511に移行する。
【0039】
一方、ステップS503において、論理印刷ジョブ内に符号画像が存在すると判断した場合は、ステップS504に移行する。
【0040】
ステップS504において、CPU2001は、論理印刷ジョブ内の符号画像情報を取得する。取得する情報としては、符号画像、符号画像の位置などがある。なお、符号画像情報については印刷ジョブの中で予め指定されていても良いし、論理印刷ジョブの画像を読み込んで符号画像や符号画像の位置を特定しても良い。図6に符号画像が含まれる印刷ジョブの例を説明する。
【0041】
図6は、本発明の実施形態における印刷ジョブの一例を示す模式図である。
【0042】
図6の610が論理印刷を実施した論理印刷ジョブの結果の例であり、601〜603が符号画像である。本発明は610の印刷物をNin1印刷した際に、612のような結果を得ることが目的である。図5のフローチャートの説明に戻る。
【0043】
次に、ステップS505において、CPU2001は、符号画像情報を符号画像情報記憶部403に記憶する。記憶する情報は、ステップS504で取得した符号画像自体や符号画像の位置などである。符号画像情報記憶部403に記憶されたデータの例を図9に示す。
【0044】
図9は、本発明の実施形態における印刷制御装置が管理する符号画像情報テーブルの一例である。
【0045】
図9において、901は符号画像毎にユニークに付された画像番号であり、図示しないデータベースなどで保存されている符号画像自体と連携している。902は符号画像の存在する論理印刷ジョブ上での論理ページであり、903は符号画像の論理印刷ジョブ上の論理ページでの存在位置を示している。図9は図6の610の例の場合の符号画像情報テーブルの例である。すなわち、901が画像(1)である符号画像の情報としては、610の601が対応し、画像(2)である符号画像の情報としては610の602、画像(3)である符号画像の情報としては610の603が対応する。902は各符号画像が存在する論理ページ数を示し、601は1ページ目、602は3ページ目、603は5ページ目にあることを示す。903の符号画像の論理印刷ジョブ上の論理ページでの存在位置は、横軸をx軸、縦軸をy軸とし、論理ページの左上を原点として座標で特定されている。図5のフローチャートの説明に戻る。
【0046】
図5のステップS505において、符号画像情報記憶部403に符号画像情報を記憶した後、ステップS506において、CPU2001は、RAM2002や外部メモリ3011に記憶された印刷設定(2in1や4in1などの1枚の物理ページに複数の論理ページを配置して印刷するNin1印刷設定)を取得し、Nin1印刷のNの値をRAM2002などに記憶しておく。
【0047】
次に、ステップS507において、CPU2001は、符号画像情報記憶部に記憶された符号画像をステップS506で取得した印刷設定のNの倍率だけ拡大して、RAM2002などに記憶する。符号画像をN倍に拡大して印刷することにより、後にNin1印刷で縮小される符号画像を元の大きさで印刷可能となる。具体的には2in1の場合には符号画像の1辺が√2倍となるように拡大する。
【0048】
次に、ステップS508において、CPU2001は、論理印刷ジョブの最終ページにステップS507で拡大した符号画像を生成(付与)出来るだけの空白部分があるかどうかを判断する。最終ページに拡大した符号画像を生成できるだけの空白部分がある場合は、ステップS510に移行し、拡大した符号画像を生成できるだけの空白部分が無い場合は、ステップS509に移行する。
【0049】
ステップS509において、CPU2001は、印刷ジョブの論理印刷ジョブの最後に新規ページを作成し、ステップS510に移行する。
【0050】
ステップS510において、CPU2001は、拡大した符号画像を印刷ジョブの最後の空白部分に配置(付与)する。図6を参照して説明する。
【0051】
図6の611は、論理印刷ジョブに拡大した符号画像を配置した例である。論理印刷ジョブの結果の5ページに604の拡大した符号画像を配置した例となっている。604の605は601のN倍した符号画像であり、606、607はそれぞれ、602、603をN倍した符号画像である。図5のフローチャートの説明に戻る。
【0052】
次に、ステップS511において、論理印刷ジョブの結果と拡大した符号画像を付与した結果をステップS506もしくは、S513で取得したNin1印刷設定で実印刷ジョブを生成する。実印刷した結果について、図6を参照して説明する。
【0053】
図6の612は610の論理印刷ジョブを2in1で印刷した実印刷ジョブの結果の一例である。2in1印刷した結果、最後のページ608に符号画像が元の大きさで配置されている。
【0054】
以上の構成により、前記符号画像のみを抽出し縮小していない元の大きさの符号画像を別の頁で印刷することで、符号画像については、復号時の光学読み取り精度を保つ最適な設定にて印刷することが可能である。
【0055】
また、前記符号画像が含まれている前記可読画像も印刷設定の通り印刷され、その後に符号画像のみの頁が印刷されるため、Nin1設定がされた頁とNin1設定が無効になった頁が混在することがなく、可読性が損なわれない状態で印刷することが可能である。
【0056】
更に、Nin1設定を無効にしないため符号画像が多い場合は、Nin1設定を無効にしない場合より少ない枚数で紙を印刷することができる。
<第2の実施形態>
【0057】
第1の実施形態では、図5のステップS508において、論理印刷ジョブの最終ページにステップS507で拡大した符号画像を生成(付与)出来るだけの空白部分がない場合を説明したが、
【0058】
第2の実施形態では、図5のステップS508で、論理印刷ジョブの最終ページにステップS507で拡大した符号画像を生成(付与)出来るだけの空白部分がある場合について、図7を参照して説明する。
【0059】
図7は、本発明の実施形態における印刷ジョブの一例を示す模式図である。
【0060】
図7の710が論理印刷を実施したステップS502で得られる論理印刷ジョブの結果の例であり、701〜702が符号画像である。本発明は710の印刷物をNin1印刷した際に、711のような結果を得ることが目的である。
【0061】
符号画像701及び702をステップS507でN倍に拡大させ、ステップS508において拡大した符号画像を付与出来るだけの空白部分にある場合(図7の703)、711の実印刷ジョブの結果のように706が出力される。711の実印刷ジョブの場合は縮小された符号画像701、702がそれぞれ704、705に元の大きさで付与される。
<第3の実施形態>
【0062】
第1及び第2の実施形態では、図5のステップS510において、拡大した符号画像のみを配置した場合を説明したが、第3の実施形態では、ステップS510で最終ページに拡大した符号画像を付与する際に、元の符号画像の位置情報、もしくは対応するユニークなデータをも付与する構成について、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0063】
図11は、本発明の実施形態における印刷制御装置の第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図5のステップS510の処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、図2で示したCPU2001が外部メモリ3011等に格納されたプログラムをRAM2002にロードして実行することにより実現される。また、図中のS1101〜S1104は各ステップを示す。
【0064】
まず、ステップS1101において、CPU2001は、ステップS504で取得した符号画像情報記憶部に記憶された符号画像の位置情報を読み込む。具体例として、図9の901と同時に902や903の値を読み込む。
【0065】
次に、ステップS1102において、CPU2001は、論理印刷ジョブ内の符号画像上に、各符号画像に振られたユニークなデータを付与する。具体例として、図9の901に記載している画像番号((1)や(2)、(3)など)を付与する。図8を参照して、ステップS1102を説明する。
【0066】
図8は、本発明の実施形態における印刷ジョブの一例を示す模式図である。
【0067】
図8の820が、ステップS502において論理印刷を実施した論理印刷ジョブの結果の例であり、801〜803が符号画像である。
【0068】
ステップS1102において、CPU2001は、論理印刷ジョブ内の符号画像801〜803上に、図9の901にあるユニークなデータ((1)や(2)、(3))を付与し、821の804や805、806のように、論理印刷ジョブの符号画像上にユニークなデータである(1)や(2)、(3)等の記号を付与している。図11のフローチャートの説明に戻る。
【0069】
図11のステップS1102で論理印刷ジョブの符号画像上に、符号画像情報記憶部403に記憶されたユニークなデータを付与すると、次のステップS1103において、CPU2001は、符号画像位置表記データ記憶手段406から符号画像の位置情報の表記情報を取得する。符号画像位置表記データ記憶手段406の例について図10を参照して説明する。
【0070】
図10は、本発明の実施形態における印刷制御装置が管理する符号画像位置表記データ記憶部の一例である。
【0071】
図10の1001は論理印刷ジョブ上での原稿のサイズ及び向きを示しており、A4縦と示されたデータは原稿サイズがA4で縦長の時の論理印刷ジョブに対するデータであることを示す。また、1002は論理印刷ジョブ上での符号画像の位置範囲を示しており、1003は符号画像の位置を表記するデータが保存されている。例えば、A4縦の論理印刷ジョブ上でx=50、y=50の位置に符号画像がある場合は、1004の「x=0〜100、y=0〜70」の行が該当する為、符号画像の位置表記データである「上段、左」を取得する。図11のフローチャートの説明に戻る。
【0072】
図11のステップS1104において、CPU2001は、ステップS1103で取得した符号画像の位置情報に対応した位置表記データを拡大した符号画像と共に論理印刷ジョブに付与する。図9の符号画像情報テーブルの場合について図8を参照して説明する。
【0073】
図9の符号画像情報テーブルに保存された901の符号画像(1)〜(3)の位置座標903から、位置表記904は図10のそれぞれ、(1)、(2)、(3)が1005、1006、1004に対応しているので、(1)、(2)、(3)の位置表記は、「中段、左」、「下段、中央」、「上段、左」となる。その結果、論理印刷ジョブの最後のページは813のように、拡大された符号画像と位置表記が付与される。
【0074】
813の論理ページでは、807に804に出力される符号画像がN倍で付与され、付加情報として、810のように符号画像毎のユニークなデータと符号画像の位置を示した位置表記情報を付与している。同様に、808、809には、805、806で出力される符号画像がN倍で付与され、付加情報としてそれぞれ811、812のように符号画像毎のユニークなデータと符号画像の位置を示した位置表記情報を付与する。
【0075】
以上の手順により、複数の符号画像がある場合にもユーザが対応する符号画像を容易に確認可能という効果を得ることができる。
【0076】
なお、第3の実施形態では、ステップS1102とステップS1103の両方を論理印刷ジョブに付与しているが、ステップS1102もしくはステップS1103のどちらか1つのみを実施しても良いし、どちらも実施しても良い。ステップS1102のみを実施する場合はステップS1104では、901にあるユニークなデータを付与するのみであり、ステップS1103のみを実施する場合は、位置表記のみを付与する。
【0077】
なお、上記各実施形態のいずれか複数を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0078】
以上の構成により、前記符号画像のみを抽出し縮小していない元の大きさの符号画像を別の頁で印刷することで、符号画像については、復号時の光学読み取り精度を保つ最適な設定にて印刷することが可能である。
【0079】
以下、図12に示すメモリマップを参照して本発明に係るプログラム生成装置で読み出し可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0080】
図12は、本発明に係るプログラム生成装置で読み出し可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体のメモリマップを説明する図である。
【0081】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0082】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0083】
本実施形態における図5、図11に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0084】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0085】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0086】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0087】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0088】
この場合、記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0089】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0090】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記録媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0091】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0092】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0093】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0094】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0095】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【符号の説明】
【0096】
301 印刷アプリケーション
302 グラフィックエンジン
305 プリントジョブ制御部
401 印刷設定取得部
402 符号画像検出部
403 符号画像情報取得部
404 プリントジョブ生成部
405 プリントジョブ結合部
406 符号画像位置表記データ記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント画像に含まれる符号画像を検出する符号画像検出手段と、
検出した符号画像に関する情報を取得し、記憶する符号画像情報記憶手段と、
前記プリント画像を含むプリントジョブの印刷設定を取得する印刷設定取得手段と、
前記印刷設定取得手段により、前記プリント画像が縮小印刷される場合に、前記符号画像情報記憶手段で記憶した符号画像に関する情報から、前記符号画像を前記プリントジョブの空白部分に結合するプリントジョブ結合手段とを有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記プリントジョブ結合手段は、前記プリントジョブの最終ページに空白部分があれば、空白部分に前記符号画像を結合し、前記プリントジョブの最終ページに空白部分がなければ、新規ページを生成して該新規ページに該符号画像を結合することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記符号画像情報記憶手段の取得する情報は、前記符号画像の情報と前記符号画像のプリント画像に対する位置情報とを含んでおり、
前記位置情報から、前記プリントジョブ結合手段によりプリントジョブを結合する際に前記符号画像の情報に付加して表記するデータを記憶した符号画像位置表記データ記憶手段を有し、
前記プリントジョブ結合手段は、前記符号画像を前記プリントジョブの空白部分に結合する際に、前記符号画像位置表記データ記憶手段に記憶されたデータを付加して結合することを特徴とする請求項1乃至2記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記プリントジョブ結合手段は、前記プリントジョブ内の符号画像位置にユニークなデータを付与し、前記最終ページに結合する前記符号画像に対応するユニークなデータを付加して結合することを特徴とする請求項1乃至3記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記印刷設定取得手段は前記プリントジョブを1/Nで縮小印刷する印刷設定であって、
前記プリントジョブ結合手段は前記符号画像をN倍に拡大して前記プリントジョブの空白部分に結合することを特徴とする請求項1乃至4記載の印刷制御装置。
【請求項6】
プリント画像に含まれる符号画像を検出する符号画像検出ステップと、
検出した符号画像に関する情報を符号画像情報記憶手段に記憶させるために情報取得する符号画像情報取得ステップと、
前記プリント画像を含むプリントジョブの印刷設定を取得する印刷設定取得ステップと、
前記印刷設定取得ステップにより、前記プリント画像が縮小印刷される場合に、前記符号画像情報記憶手段が記憶した符号画像に関する情報から、前記符号画像を前記プリントジョブの空白部分に結合するプリントジョブ結合ステップとを有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載された印刷制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項6に記載された印刷制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータが読み取り可能に記録した記録媒体。
【請求項1】
プリント画像に含まれる符号画像を検出する符号画像検出手段と、
検出した符号画像に関する情報を取得し、記憶する符号画像情報記憶手段と、
前記プリント画像を含むプリントジョブの印刷設定を取得する印刷設定取得手段と、
前記印刷設定取得手段により、前記プリント画像が縮小印刷される場合に、前記符号画像情報記憶手段で記憶した符号画像に関する情報から、前記符号画像を前記プリントジョブの空白部分に結合するプリントジョブ結合手段とを有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記プリントジョブ結合手段は、前記プリントジョブの最終ページに空白部分があれば、空白部分に前記符号画像を結合し、前記プリントジョブの最終ページに空白部分がなければ、新規ページを生成して該新規ページに該符号画像を結合することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記符号画像情報記憶手段の取得する情報は、前記符号画像の情報と前記符号画像のプリント画像に対する位置情報とを含んでおり、
前記位置情報から、前記プリントジョブ結合手段によりプリントジョブを結合する際に前記符号画像の情報に付加して表記するデータを記憶した符号画像位置表記データ記憶手段を有し、
前記プリントジョブ結合手段は、前記符号画像を前記プリントジョブの空白部分に結合する際に、前記符号画像位置表記データ記憶手段に記憶されたデータを付加して結合することを特徴とする請求項1乃至2記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記プリントジョブ結合手段は、前記プリントジョブ内の符号画像位置にユニークなデータを付与し、前記最終ページに結合する前記符号画像に対応するユニークなデータを付加して結合することを特徴とする請求項1乃至3記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記印刷設定取得手段は前記プリントジョブを1/Nで縮小印刷する印刷設定であって、
前記プリントジョブ結合手段は前記符号画像をN倍に拡大して前記プリントジョブの空白部分に結合することを特徴とする請求項1乃至4記載の印刷制御装置。
【請求項6】
プリント画像に含まれる符号画像を検出する符号画像検出ステップと、
検出した符号画像に関する情報を符号画像情報記憶手段に記憶させるために情報取得する符号画像情報取得ステップと、
前記プリント画像を含むプリントジョブの印刷設定を取得する印刷設定取得ステップと、
前記印刷設定取得ステップにより、前記プリント画像が縮小印刷される場合に、前記符号画像情報記憶手段が記憶した符号画像に関する情報から、前記符号画像を前記プリントジョブの空白部分に結合するプリントジョブ結合ステップとを有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載された印刷制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項6に記載された印刷制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータが読み取り可能に記録した記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−120099(P2012−120099A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270408(P2010−270408)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】
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