印刷制御装置、印刷装置、及び、印刷制御プログラム
【課題】印刷時間が短縮されるシートの置き方を短時間に選択できること。
【解決手段】印刷部を制御する印刷制御装置であって、画像の配置位置に関する印刷設定に基づいて、シート上において画像が配置される1以上の配置領域を特定する領域特定部(S101)と、シートの長辺において各配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を配置領域の長辺方向の合計長さといい、シートの短辺において各配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を配置領域の短辺方向の合計長さというとき、長辺方向の合計長さが短辺方向の合計長さ以上である場合は横置きを選択し、長辺方向の合計長さが短辺方向の合計長さ未満である場合は縦置きを選択するシート方向選択部(S103〜S105)と、を備える。
【解決手段】印刷部を制御する印刷制御装置であって、画像の配置位置に関する印刷設定に基づいて、シート上において画像が配置される1以上の配置領域を特定する領域特定部(S101)と、シートの長辺において各配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を配置領域の長辺方向の合計長さといい、シートの短辺において各配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を配置領域の短辺方向の合計長さというとき、長辺方向の合計長さが短辺方向の合計長さ以上である場合は横置きを選択し、長辺方向の合計長さが短辺方向の合計長さ未満である場合は縦置きを選択するシート方向選択部(S103〜S105)と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷時間が短縮されるシートの置き方を選択する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホストコンピュータから送られてくる複数のオブジェクトを含む印刷データを解析し、解析結果に応じて、印刷速度が速くなるような用紙方向を決定する印刷制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、上述した印刷制御装置では、印刷データに含まれるバンド当たりのオブジェクト数を解析し、バンド当たりのオブジェクト数が少なくなる用紙方向に決定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−25642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術によると、用紙方向(以下「シートの置き方」という)を決定するために印刷データを解析しなければならないので、シートの置き方の選択に時間がかかるという問題があった。
本明細書では、印刷時間が短縮されるシートの置き方を短時間に選択できる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される印刷制御装置は、印刷時に短辺方向が主走査方向と平行になる縦置きで収容されているシート、及び、印刷時に長辺方向が主走査方向と平行になる横置きで収容されているシートのうちいずれかの置き方で収容されているシートを搬送して当該シートに画像を印刷する印刷部を制御する印刷制御装置であって、前記画像の配置位置に関する印刷設定に基づいて、前記シート上において前記画像が配置される1以上の配置領域を特定する領域特定部と、前記シートの長辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の長辺方向の合計長さといい、前記シートの短辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の短辺方向の合計長さというとき、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ以上である場合は横置きを選択し、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ未満である場合は縦置きを選択するシート方向選択部と、を備える。
【0006】
また、前記領域特定部は、前記シートの片面に複数の前記画像を互いに間隔を空けずに配置するよう前記印刷設定に設定されている場合は、それら複数の前記画像が配置されている領域全体を一つの前記配置領域として特定してもよい。
【0007】
また、前記領域特定部は、前記シートの片面に複数の前記画像を互いに離間して配置するよう前記印刷設定に設定されている場合は、各前記画像が配置されている領域をそれぞれ一つの前記配置領域として特定してもよい。
【0008】
また、上記印刷制御装置は、前記シート方向選択部によって選択された置き方で収容されているシートがない場合に、前記シート方向選択部によって選択された置き方でシートを収容するようユーザに報知する報知部を備えてもよい。
【0009】
また、前記シート方向選択部は、選択した置き方でシートを収容可能なシート収容部がない場合は、当該選択された置き方とは異なる置き方を選択してもよい。
【0010】
なお、この発明は、印刷装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、印刷制御プログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
【発明の効果】
【0011】
上記の印刷制御装置によると、印刷時間が短縮されるシートの置き方を短時間に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態1に係るプリンタの概略構成を示す側断面図。
【図2】プリンタの電気的構成を示すブロック図。
【図3】画像形成部の構成を簡略化して示す模式図。
【図4】配置領域の例を示す模式図。
【図5】配置領域の例を示す模式図。
【図6】配置領域の例を示す模式図。
【図7】配置領域の例を示す模式図。
【図8】配置領域の例を示す模式図。
【図9】シート収容部の設定処理の流れを示すフローチャート。
【図10】配置領域の例を示す模式図。
【図11】シートをセットするようユーザに指示するメッセージの模式図。
【図12】配置領域の例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図12によって説明する。
(1)印刷装置の概略構成
図1は、実施形態1に係る印刷装置としてのプリンタ1の概略構成を示す側断面図である。プリンタ1は、本体ケーシング10、複数のシート収容部20、搬送部30、画像形成部40を備えている。
【0014】
シート収容部20a、20bはそれぞれ本体ケーシング10から引き出し可能に設けられている。シート収容部20a、20bには互いに異なる置き方で印刷用紙やOHPシートなどのシート21が収容される。例えばシート収容部20aには印刷時にシート21の短辺方向が画像形成部40の主走査方向と平行になる縦置きでシート21が収容される。一方、シート収容部20bには印刷時にシート21の長辺方向が画像形成部40の主走査方向と平行になる横置きでシート21が収容される。各シート収容部20a、20bが縦置き及び横置きのいずれの置き方でシート21を収容するかは予めROM50b(図2参照)に記憶されているものとする。
【0015】
各シート収容部20はシート21が積載されるシートトレイ22を有している。シートトレイ22はバネ23によって上方に付勢されており、シートトレイ22が上方に付勢されることによりシートトレイ22の最も上に積載されているシート21がピックアップローラ31に圧接する。
【0016】
搬送部30は、ピックアップローラ31、各種のローラ32〜35、これらのローラを回転駆動する図示しないステッピングモータを備えている。搬送部30はシート収容部20a及び20bに収容されているシート21を1枚ずつ搬送経路Tに沿って搬送し、画像形成部40によって画像が形成されたシート21を排出口13から本体ケーシング10の外部に排出する。
【0017】
画像形成部40は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインクを吐出してシート21にインクジェット方式で画像を印刷する。画像形成部40の詳細については後述する。
排出トレイ11は本体ケーシング10の上壁の一部を構成しており、搬送部30によって本体ケーシング10から排出されたシート21が積載される。
【0018】
図2は、プリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。プリンタ1は制御部50、操作部51、搬送部30、画像形成部40、インタフェース部52、及び、シート有無センサ53を備えて構成されている。
制御部50は、CPU50a、ROM50b、RAM50cなどを備えて構成されている。CPU50aはROM50bに記憶されている各種のプログラムを実行することによってプリンタ1の各部を制御する。ROM50bはCPU50aによって実行される印刷制御プログラムや各種のデータなどを記憶している。RAM50cはCPU50aが各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0019】
操作部51は、各種のボタンや液晶ディスプレイなどを備えて構成されている。
インタフェース部52は例えばUSB(Universal Serial Bus)クライアントインタフェースとして構成されており、USBケーブルを介して外部装置から画像及び印刷設定を受信する。なお、プリンタ1はLAN(Local Aria Network)やインターネットなどの通信ネットワークを介して外部装置と接続される構成であってもよい。
【0020】
シート有無センサ53は、シート収容部20にシート21が置かれているか否かを判定するセンサである。シート有無センサ53としては、例えばシートトレイ22に開口を設け、シートトレイ22の下方に設けた投光器からシートトレイ22の上方に設けた受光器にその開口を介して光を出射する光電センサを用いることができる。
【0021】
搬送部30と画像形成部40とは印刷部の一例である。CPU50aは、印刷制御装置、領域特定部、及び、シート方向選択部の一例である。また、CPU50aと操作部51とは報知部の一例である。
【0022】
図3は画像形成部40の構成を簡略化して示す模式図である。画像形成部40は、記録ヘッド41、及び、記録ヘッド搬送部42を備えて構成されている。
記録ヘッド41は、C、M、Y、Kの各インクが収容されている複数のインクカートリッジ、各色のインクカートリッジに対応して設けられている複数のノズル、インクカートリッジとノズルとを接続するインク通路、インク通路を圧縮してノズルからインクを吐出させる圧電素子、印刷する画像に応じた駆動信号に従って圧電素子に電圧を印加する駆動回路などを備えて構成されている。
【0023】
記録ヘッド搬送部42は、記録ヘッド41を摺動可能に支持するガイドロッド43、駆動ローラ44、従動ローラ45、駆動ローラ44と従動ローラ45とに掛け回されているタイミングベルト46、駆動ローラ44を回転駆動するステッピングモータ47を備えており、記録ヘッド41をガイドロッド43に平行な主走査方向に往復移動させる。
なお、図3においてシート21は搬送部30によって紙面に垂直な副走査方向に搬送される。
【0024】
(2)画像の配置位置に関する印刷設定
印刷設定とは、印刷部数、カラー/モノクロ印刷、拡大/縮小印刷、片面印刷/両面印刷、綴じ代、Nin1印刷、余白領域のサイズなどの印刷設定項目毎の設定値をいう。印刷設定は例えばプリンタドライバを実行するパーソナルコンピュータなどの外部装置でユーザによって設定される。これらの印刷設定項目の設定値のうち、拡大/縮小印刷、綴じ代、Nin1印刷、及び、余白領域のサイズの設定値はそれぞれ画像の配置位置に関する印刷設定の一例である。
なお、画像の配置位置に関する印刷設定は、画像の配置位置に影響を与える印刷設定項目の設定値であればよく、上述した例に限られない。例えばシート上において画像が配置される矩形領域の左上の座標と右下の座標とを示す情報であってもよい。
【0025】
(3)配置領域
図4〜図8は、シート21上において画像が配置される配置領域の例を示す模式図である。
図4はシート21に一つの画像を配置した場合の配置領域を示す例である。図示する例では以下に説明する印刷領域に丁度重なるサイズで論理ページ1ページ分に相当する画像62を配置した場合の配置領域を示しており、画像62が配置されている領域が配置領域である。
印刷領域とは、シート21から余白領域を除外した領域のことをいう。一般に印刷設定では上30mm、下30mm、左25mm、右20mmなどといったようにシート21の縁からの距離が余白領域として設定される。シート21からその余白領域を除外した領域が印刷領域である。
【0026】
画像の内容にもよるが、基本的に配置領域ではシート21が副走査方向に1ライン分移動する毎に記録ヘッド41が主走査方向に移動するので、シート21が副走査方向に1ライン分移動する毎に記録ヘッド41の移動を待つ待ち時間が生じる。これに対し、配置領域以外の領域、言い換えると、印刷が行われずにシート21の搬送だけが行われる領域ではシート21が副走査方向に1ライン分移動しても記録ヘッド41は主走査方向に移動しないので、シート21を副走査方向に連続して搬送することができる。従って、配置領域の副走査方向の長さが短いほど印刷時間が短くなる。
【0027】
図示する例の場合、シート21を縦置きで搬送すると、配置領域の副走査方向の長さはL1である。これに対し、シート21を横置きで搬送すると、配置領域の副走査方向の長さはL2(<L1)である。つまり、図示する例では横置きにした方が配置領域の副走査方向の長さが短くなるので、横置きにした方が印刷時間を短縮できることになる。なお、配置領域の各方向の長さは、設定された余白領域の大きさと用紙サイズから求めることができる。
【0028】
図5は両面印刷が設定されている場合の配置領域を示す例である。両面印刷が設定されている場合は、印刷領域61内に綴じ代が設定される場合が多い。印刷領域61内に綴じ代が設定されている場合は、印刷領域61から綴じ代を除外した領域が配置領域となる。綴じ代の幅と位置は印刷設定でユーザが任意に設定可能であるので、配置領域の大きさは、設定されている綴じ代の幅と位置から求めることができる。図示する例ではシート21の長辺に沿って綴じ代が設定されている場合を示しており、この場合、画像62が配置されている領域が配置領域である。
図示する例の場合も横置きにした方が配置領域の副走査方向の長さが短くなるので、横置きにした方が印刷時間を短縮できる。
【0029】
図6はNin1印刷する場合の配置領域を示す例である。Nin1印刷とは、シート21の片面に複数の画像を配置して印刷することをいう。図示する例ではシート21上の印刷領域を4分割し、各領域に画像を印刷する4in1印刷を示している。また、図示する例では4in1印刷する場合に複数の画像を互いに間隔を空けずに配置した場合を示している。この場合は、それら複数の画像が配置されている領域全体を一つの配置領域とする。
【0030】
Nin1印刷の場合、画像の数がNで割り切れない場合は最後のシートに余りの数の画像が印刷される。図6は2つの画像が余った場合を示しており、最後のシートは分割された4つの領域の上段の2つの領域にのみ画像が配置されている。なお、最後のページにおいて余った画像を4つの領域のどこに配置するかは適宜に選択可能であり、例えば上段から下段の順で、且つ、各段においては左から右の順で配置してもよいし、右列から左列の順で、且つ、各列においては上段から下段の順で画像を配置してもよい。このように、最後のページの配置領域の大きさは設定されたNの値、画像の数、設定された配置順から求めることができる。
図示する例の場合、1枚目のシート21から最後のシート21の直前のシート21まではシート21を横置きで搬送したほうが配置領域の副走査方向の長さが短くなる。これに対し、最後のシート21は縦置きで搬送したほうが配置領域の副走査方向の長さが短くなる。従って、図6に示す例では、1枚目のシート21から最後のシート21の直前のシート21までは横置きで搬送し、最後のページは縦置きで搬送すると印刷時間を最も短縮できる。
【0031】
図7は縮小印刷するように設定されている場合の配置領域を示す例である。図示する例では画像62が配置されている領域が配置領域である。図示する例の場合、シート21を縦置きで搬送すると、配置領域の副走査方向の長さはL3である。これに対し、シート21を横置きで搬送すると、配置領域の副走査方向の長さはL4(>L3)である。従って、この場合は縦置きにした方が印刷時間を短縮できることになる。なお、配置領域のそれぞれの方向の長さは設定されている縮小率から求めることができる。
【0032】
図8はシート21の任意の位置に複数の画像62を配置した場合の配置領域を示す例である。図示する例では複数の画像62を互いに離間して配置した場合を示している。例えば画像編集ソフトを用いると図示するようにシート21上に複数の画像62を自由にレイアウトして印刷できる。この場合は、各画像62が配置されている領域をそれぞれ一つの配置領域とする。
複数の画像62が互いに離間して配置される場合は、シート21の長辺において各配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を配置領域の長辺方向の合計長さといい、シート21の短辺において各配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を配置領域の短辺方向の合計長さというとき、長辺方向の合計長さが短辺方向の合計長さ以上である場合は横置きを選択し、長辺方向の合計長さが短辺方向の合計長さ未満である場合は縦置きを選択すると、印刷時間を短縮できる。図示する例では長辺方向の合計長さ(L5+L6)が短辺方向の合計長さ(L7+L8)以上であるので、横置きにした方が印刷時間を短縮できることになる。
【0033】
なお、長辺方向の合計長さと短辺方向の合計長さとが同じである場合も横置きを選択するのは、長辺方向の合計長さと短辺方向の合計長さとが同じである場合は横置きにした方が配置領域以外の領域の搬送に要する時間が短くなるので、結果として印刷時間が短くなるからである。
【0034】
(4)シート収容部の設定処理
図9は、シート収容部20の設定処理の流れを示すフローチャートである。本処理はシート21を1枚搬送する毎にその搬送の前に実行される。
【0035】
S101では、印刷制御プログラムを実行するCPU50a(以下、単に「CPU50a」という)は、印刷設定に基づいて配置領域を特定する。以下、配置領域の特定について説明する。
例えば、図4に示すように印刷領域に丁度重なるように画像62が配置される場合は、印刷領域全体が配置領域として特定される。
【0036】
また、例えば、図5に示すように両面印刷が設定されており、その場合に、印刷領域に綴じ代が設定されている場合は、印刷領域から綴じ代を除外した領域が配置領域として特定される。
また、例えば、図6に示すように4in1印刷が設定されており、最後のシート21は画像が2つしか配置されない場合は、1枚目から最後のシート21の直前のシート21までは印刷領域全体が配置領域として特定され、最後のシート21は印刷領域を4分割した領域のうち上段の2領域が配置領域として特定される。
【0037】
また、例えば、図7に示すように縮小印刷が設定されている場合は、印刷領域内において縮小された画像62が配置される領域が配置領域として特定される。
【0038】
また、例えば、両面印刷、Nin1印刷、縮小印刷のうち2以上の印刷が同時に設定される場合もある。例えば、図10は、両面印刷で綴じ代が長辺に設定されており、且つ、4in1印刷が設定されており、最後のシート21は画像62が1つしか配置されない場合を示している。この場合は、1枚目から最後のシート21の直前のシート21までは印刷領域から綴じ代を除外した領域が配置領域として特定され、最後のシート21は図10に示すように印刷領域から綴じ代を除外し、その綴じ代を除外した領域を4分割したうちの左上の1領域が配置領域として特定される。
【0039】
S102では、CPU50aは、配置領域の長辺方向の合計長さ、及び、配置領域の短辺方向の合計長さを求める。
具体的には例えば、図4〜図7、及び、図10に示す例では配置領域が一つであるので、配置領域においてシート21の長辺に平行な辺の長さがそのまま長辺方向の合計長さであり、配置領域においてシート21の短辺に平行な辺の長さがそのまま短辺方向の合計長さである。
一方、図8に示す例では、配置領域の長辺方向の合計長さは(L5+L6)であり、配置領域の短辺方向の合計長さは(L7+L8)である。
【0040】
S103では、CPU50aは配置領域の長辺方向の合計長さが短辺方向の合計長さ以上であるか否かを判定し、長辺方向の合計長さが短辺方向の合計長さ以上である場合はS104に進み、短辺方向の合計長さ未満である場合はS105に進む。
S104では、CPU50aは横置きを選択する。
S105では、CPU50aは縦置きを選択する。
【0041】
S106では、CPU50aは選択した置き方で置かれているシート21があるか否かを判定する。
具体的には例えば、選択した置き方が縦置きである場合は、CPU50aは、まずシート21を縦置きで収容するシート収容部20があるか否かをROM50bを参照して判定する。
【0042】
なお、実施形態1に係るプリンタ1はシート21が縦置きで置かれるシート収容部20aとシート21が横置きで置かれるシート収容部20bとを有しているのでこの判定は常に「ある」と判定されるが、プリンタ1によってはシート収容部20が1つしかないものもあり、その場合には選択した置き方でシート21を収容するトレイがない場合もある。
【0043】
シート21を縦置きで収容するシート収容部20がある場合、次に、CPU50aはシート有無センサ53から検出信号を取得してそのシート収容部20にシート21があるか否かを判定し、シート21がある場合は選択した置き方で置かれているシート21があると判定する。
一方、シート21を縦置きで収容するシート収容部20がない場合、あるいはシート21を縦置きで収容するシート収容部20があってもそのシート収容部20にシート21がない場合は、選択した置き方で置かれているシートはないと判定する。
CPU50aは、選択した置き方で置かれているシートがある場合はS107に進み、ない場合はS108に進む。
【0044】
S107では、CPU50aは選択した置き方でシート21が置かれているシート収容部20から給紙するように設定する。
S108では、CPU50aは選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20があるか否かを判定する。
前述したS106で「No」と判定される場合としては、選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20がない場合と、選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20はあるが、そのシート収容部20にシート21がない場合とがある。CPU50aは、選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20がある場合はS109に進み、ない場合はS111に進む。
【0045】
S109では、CPU50aは、例えば図11に示すように、選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20にシート21をセットするようユーザに指示するメッセージ70を操作部51の表示装置に表示する。
CPU50aは、メッセージ70を表示した後、選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20のシート有無センサ53から検出信号を一定時間間隔で取得し、ユーザがシート21をセットすることによってシート21があることを示す検出信号が検出されるとS110に進む。
【0046】
S110では、CPU50aは選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20から給紙するように設定する。
S111では、CPU50aは縦置きであるか横置きであるかによらずシート21が収容されているシート収容部20からシート21を給紙するように設定する。
言い換えると、CPU50aは、選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20がない場合は、当該選択された置き方とは異なる置き方を選択し、その異なる置き方でシートを収容するシート収容部20からシート21を給紙するように設定する。
【0047】
(5)印刷時の画像の回転
上述したシート収容部20の設定処理によってシート収容部20を設定した後、プリンタ1はその設定したシート収容部20に収容されているシート21を搬送して画像を印刷する。この印刷において、印刷する画像が縦長、所謂ポートレートである場合、CPU50aはシート21の置き方を横置きに選択した場合は画像を90度回転させて印刷する。同様に、印刷する画像が横長、所謂ランドスケープである場合、CPU50aはシート21の置き方を縦置きに選択した場合は画像を90度回転させて印刷する。
【0048】
(6)実施形態の効果
以上説明した実施形態1に係る印刷制御装置としてのCPU50aによると、配置領域の長辺方向の合計長さが配置領域の短辺方向の合計長さ以上である場合は横置きを選択し、長辺方向の合計長さが短辺方向の合計長さ未満である場合は縦置きを選択するので、印刷時間が短縮されるシート21の置き方を、画像の内容を解析することなく選択することができる。これにより、画像の内容を解析して置き方を選択する場合に比べ、印刷時間が短縮されるシート21の置き方を短時間に選択できる。
【0049】
ところで、本実施形態では画像の内容を解析しないので画像の内容によっては本実施形態によって選択される置き方とは異なる置き方を選択した方が印刷時間が短縮されることもあり得る。例えば、図12に示すように画像62のほとんどが空白であり、一部に横長の図形63があるだけの画像62を考えると、本実施形態では横置きが選択されることになるが、実際には縦置きにした方が印刷時間が短縮される。しかしながら、画像の内容の解析には時間を要するので、印刷時間は短縮されたとしても印刷に要する全体的な時間を考えると大差はないといえる。
【0050】
一方、画像の内容を解析して置き方を選択する方法によって選択される置き方と本実施形態によって選択される置き方とが同じになる場合は、画像を解析しない分だけ本実施形態の方が印刷に要する全体的な時間を短縮できる。
【0051】
つまり、本実施形態は、画像の内容を解析して置き方を選択する方法によって選択される置き方とは異なる置き方が選択される場合は印刷に要する全体的な時間に大差はないものの、画像の内容を解析して置き方を選択する方法と同じ置き方が選択される場合は印刷に要する全体的な時間を短縮できるので、その分だけ本実施形態の方が有利である。
【0052】
更に、CPU50aによると、シート21の片面に複数の画像を間隔を空けずに配置するよう印刷設定に設定されている場合は、それら複数の画像が配置されている領域全体を一つの配置領域として特定するので、配置領域の長辺方向の合計長さや短辺方向の合計長さを容易に求めることができる。
【0053】
更に、CPU50aによると、シート21の片面に複数の画像を互いに離間して配置するよう印刷設定に設定されている場合は、シート21の長辺において各配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を配置領域の長辺方向の合計長さとする。このようにすると、シート21の長辺方向に垂直な方向(図8に示すA方向)から見た場合に、複数の配置領域が重なっている部分の長さが長辺方向の長さとして重複してカウントされないようにすることができる。短辺方向の合計長さについても同様である。
【0054】
更に、CPU50aによると、選択した置き方で収容されているシート21がない場合に、選択した置き方でシート21を収容するようユーザに報知するので、選択した置き方で収容されているシート21がない場合であっても選択した置き方で置かれているシート21に印刷できる。
【0055】
更に、CPU50aによると、選択した置き方でシート21を収容可能なシート収容部20がない場合は、当該選択された置き方とは異なる置き方を選択するので、選択した置き方でシート21を収容可能なシート収容部20がない場合であってもシート21に印刷できる。
【0056】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を説明する。
実施形態1では印刷制御装置としてプリンタ1のCPU50aを例に説明したが、印刷制御装置は例えばパーソナルコンピュータ(PC)であってもよいし、携帯電話や携帯情報端末であってもよい。
【0057】
具体的には例えば、実施形態1のCPU50aが実行する処理をPCに実行させるためのプリンタドライバをPCにインストールし、PCがそのプリンタドライバを実行することによって印刷制御装置として機能してもよい。この場合、プリンタドライバは印刷制御プログラムの一例である。
プリンタドライバは、印刷設定終了後、印刷データを生成する場合に印刷制御プログラムを実行する。このとき、必要な収容トレイ20やシート21の有無の情報はプリンタから取得すればよい。また、決定されたシート21の置き方は印刷データの各ページのヘッダとして付加すればよい。
【0058】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0059】
(1)上記実施形態では印刷制御装置としてCPU50aを例に説明したが、印刷制御装置は複数のCPUで構成されてもよいし、ASICによって構成されてもよいし、CPUとASICとの組み合わせによって構成されてもよい。
【0060】
(2)上記実施形態では印刷装置として印刷機能のみを有する単機能のプリンタを例に説明したが、印刷機能、コピー機能、スキャン機能、ファクシミリ機能などを備える複合機に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1・・・プリンタ、20a、20b・・・シート収容部、21・・・シート、50・・・制御部、50a・・・CPU、50b・・・ROM、50c・・・RAM、61・・・印刷領域、62・・・画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷時間が短縮されるシートの置き方を選択する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホストコンピュータから送られてくる複数のオブジェクトを含む印刷データを解析し、解析結果に応じて、印刷速度が速くなるような用紙方向を決定する印刷制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、上述した印刷制御装置では、印刷データに含まれるバンド当たりのオブジェクト数を解析し、バンド当たりのオブジェクト数が少なくなる用紙方向に決定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−25642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術によると、用紙方向(以下「シートの置き方」という)を決定するために印刷データを解析しなければならないので、シートの置き方の選択に時間がかかるという問題があった。
本明細書では、印刷時間が短縮されるシートの置き方を短時間に選択できる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される印刷制御装置は、印刷時に短辺方向が主走査方向と平行になる縦置きで収容されているシート、及び、印刷時に長辺方向が主走査方向と平行になる横置きで収容されているシートのうちいずれかの置き方で収容されているシートを搬送して当該シートに画像を印刷する印刷部を制御する印刷制御装置であって、前記画像の配置位置に関する印刷設定に基づいて、前記シート上において前記画像が配置される1以上の配置領域を特定する領域特定部と、前記シートの長辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の長辺方向の合計長さといい、前記シートの短辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の短辺方向の合計長さというとき、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ以上である場合は横置きを選択し、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ未満である場合は縦置きを選択するシート方向選択部と、を備える。
【0006】
また、前記領域特定部は、前記シートの片面に複数の前記画像を互いに間隔を空けずに配置するよう前記印刷設定に設定されている場合は、それら複数の前記画像が配置されている領域全体を一つの前記配置領域として特定してもよい。
【0007】
また、前記領域特定部は、前記シートの片面に複数の前記画像を互いに離間して配置するよう前記印刷設定に設定されている場合は、各前記画像が配置されている領域をそれぞれ一つの前記配置領域として特定してもよい。
【0008】
また、上記印刷制御装置は、前記シート方向選択部によって選択された置き方で収容されているシートがない場合に、前記シート方向選択部によって選択された置き方でシートを収容するようユーザに報知する報知部を備えてもよい。
【0009】
また、前記シート方向選択部は、選択した置き方でシートを収容可能なシート収容部がない場合は、当該選択された置き方とは異なる置き方を選択してもよい。
【0010】
なお、この発明は、印刷装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、印刷制御プログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
【発明の効果】
【0011】
上記の印刷制御装置によると、印刷時間が短縮されるシートの置き方を短時間に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態1に係るプリンタの概略構成を示す側断面図。
【図2】プリンタの電気的構成を示すブロック図。
【図3】画像形成部の構成を簡略化して示す模式図。
【図4】配置領域の例を示す模式図。
【図5】配置領域の例を示す模式図。
【図6】配置領域の例を示す模式図。
【図7】配置領域の例を示す模式図。
【図8】配置領域の例を示す模式図。
【図9】シート収容部の設定処理の流れを示すフローチャート。
【図10】配置領域の例を示す模式図。
【図11】シートをセットするようユーザに指示するメッセージの模式図。
【図12】配置領域の例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図12によって説明する。
(1)印刷装置の概略構成
図1は、実施形態1に係る印刷装置としてのプリンタ1の概略構成を示す側断面図である。プリンタ1は、本体ケーシング10、複数のシート収容部20、搬送部30、画像形成部40を備えている。
【0014】
シート収容部20a、20bはそれぞれ本体ケーシング10から引き出し可能に設けられている。シート収容部20a、20bには互いに異なる置き方で印刷用紙やOHPシートなどのシート21が収容される。例えばシート収容部20aには印刷時にシート21の短辺方向が画像形成部40の主走査方向と平行になる縦置きでシート21が収容される。一方、シート収容部20bには印刷時にシート21の長辺方向が画像形成部40の主走査方向と平行になる横置きでシート21が収容される。各シート収容部20a、20bが縦置き及び横置きのいずれの置き方でシート21を収容するかは予めROM50b(図2参照)に記憶されているものとする。
【0015】
各シート収容部20はシート21が積載されるシートトレイ22を有している。シートトレイ22はバネ23によって上方に付勢されており、シートトレイ22が上方に付勢されることによりシートトレイ22の最も上に積載されているシート21がピックアップローラ31に圧接する。
【0016】
搬送部30は、ピックアップローラ31、各種のローラ32〜35、これらのローラを回転駆動する図示しないステッピングモータを備えている。搬送部30はシート収容部20a及び20bに収容されているシート21を1枚ずつ搬送経路Tに沿って搬送し、画像形成部40によって画像が形成されたシート21を排出口13から本体ケーシング10の外部に排出する。
【0017】
画像形成部40は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインクを吐出してシート21にインクジェット方式で画像を印刷する。画像形成部40の詳細については後述する。
排出トレイ11は本体ケーシング10の上壁の一部を構成しており、搬送部30によって本体ケーシング10から排出されたシート21が積載される。
【0018】
図2は、プリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。プリンタ1は制御部50、操作部51、搬送部30、画像形成部40、インタフェース部52、及び、シート有無センサ53を備えて構成されている。
制御部50は、CPU50a、ROM50b、RAM50cなどを備えて構成されている。CPU50aはROM50bに記憶されている各種のプログラムを実行することによってプリンタ1の各部を制御する。ROM50bはCPU50aによって実行される印刷制御プログラムや各種のデータなどを記憶している。RAM50cはCPU50aが各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0019】
操作部51は、各種のボタンや液晶ディスプレイなどを備えて構成されている。
インタフェース部52は例えばUSB(Universal Serial Bus)クライアントインタフェースとして構成されており、USBケーブルを介して外部装置から画像及び印刷設定を受信する。なお、プリンタ1はLAN(Local Aria Network)やインターネットなどの通信ネットワークを介して外部装置と接続される構成であってもよい。
【0020】
シート有無センサ53は、シート収容部20にシート21が置かれているか否かを判定するセンサである。シート有無センサ53としては、例えばシートトレイ22に開口を設け、シートトレイ22の下方に設けた投光器からシートトレイ22の上方に設けた受光器にその開口を介して光を出射する光電センサを用いることができる。
【0021】
搬送部30と画像形成部40とは印刷部の一例である。CPU50aは、印刷制御装置、領域特定部、及び、シート方向選択部の一例である。また、CPU50aと操作部51とは報知部の一例である。
【0022】
図3は画像形成部40の構成を簡略化して示す模式図である。画像形成部40は、記録ヘッド41、及び、記録ヘッド搬送部42を備えて構成されている。
記録ヘッド41は、C、M、Y、Kの各インクが収容されている複数のインクカートリッジ、各色のインクカートリッジに対応して設けられている複数のノズル、インクカートリッジとノズルとを接続するインク通路、インク通路を圧縮してノズルからインクを吐出させる圧電素子、印刷する画像に応じた駆動信号に従って圧電素子に電圧を印加する駆動回路などを備えて構成されている。
【0023】
記録ヘッド搬送部42は、記録ヘッド41を摺動可能に支持するガイドロッド43、駆動ローラ44、従動ローラ45、駆動ローラ44と従動ローラ45とに掛け回されているタイミングベルト46、駆動ローラ44を回転駆動するステッピングモータ47を備えており、記録ヘッド41をガイドロッド43に平行な主走査方向に往復移動させる。
なお、図3においてシート21は搬送部30によって紙面に垂直な副走査方向に搬送される。
【0024】
(2)画像の配置位置に関する印刷設定
印刷設定とは、印刷部数、カラー/モノクロ印刷、拡大/縮小印刷、片面印刷/両面印刷、綴じ代、Nin1印刷、余白領域のサイズなどの印刷設定項目毎の設定値をいう。印刷設定は例えばプリンタドライバを実行するパーソナルコンピュータなどの外部装置でユーザによって設定される。これらの印刷設定項目の設定値のうち、拡大/縮小印刷、綴じ代、Nin1印刷、及び、余白領域のサイズの設定値はそれぞれ画像の配置位置に関する印刷設定の一例である。
なお、画像の配置位置に関する印刷設定は、画像の配置位置に影響を与える印刷設定項目の設定値であればよく、上述した例に限られない。例えばシート上において画像が配置される矩形領域の左上の座標と右下の座標とを示す情報であってもよい。
【0025】
(3)配置領域
図4〜図8は、シート21上において画像が配置される配置領域の例を示す模式図である。
図4はシート21に一つの画像を配置した場合の配置領域を示す例である。図示する例では以下に説明する印刷領域に丁度重なるサイズで論理ページ1ページ分に相当する画像62を配置した場合の配置領域を示しており、画像62が配置されている領域が配置領域である。
印刷領域とは、シート21から余白領域を除外した領域のことをいう。一般に印刷設定では上30mm、下30mm、左25mm、右20mmなどといったようにシート21の縁からの距離が余白領域として設定される。シート21からその余白領域を除外した領域が印刷領域である。
【0026】
画像の内容にもよるが、基本的に配置領域ではシート21が副走査方向に1ライン分移動する毎に記録ヘッド41が主走査方向に移動するので、シート21が副走査方向に1ライン分移動する毎に記録ヘッド41の移動を待つ待ち時間が生じる。これに対し、配置領域以外の領域、言い換えると、印刷が行われずにシート21の搬送だけが行われる領域ではシート21が副走査方向に1ライン分移動しても記録ヘッド41は主走査方向に移動しないので、シート21を副走査方向に連続して搬送することができる。従って、配置領域の副走査方向の長さが短いほど印刷時間が短くなる。
【0027】
図示する例の場合、シート21を縦置きで搬送すると、配置領域の副走査方向の長さはL1である。これに対し、シート21を横置きで搬送すると、配置領域の副走査方向の長さはL2(<L1)である。つまり、図示する例では横置きにした方が配置領域の副走査方向の長さが短くなるので、横置きにした方が印刷時間を短縮できることになる。なお、配置領域の各方向の長さは、設定された余白領域の大きさと用紙サイズから求めることができる。
【0028】
図5は両面印刷が設定されている場合の配置領域を示す例である。両面印刷が設定されている場合は、印刷領域61内に綴じ代が設定される場合が多い。印刷領域61内に綴じ代が設定されている場合は、印刷領域61から綴じ代を除外した領域が配置領域となる。綴じ代の幅と位置は印刷設定でユーザが任意に設定可能であるので、配置領域の大きさは、設定されている綴じ代の幅と位置から求めることができる。図示する例ではシート21の長辺に沿って綴じ代が設定されている場合を示しており、この場合、画像62が配置されている領域が配置領域である。
図示する例の場合も横置きにした方が配置領域の副走査方向の長さが短くなるので、横置きにした方が印刷時間を短縮できる。
【0029】
図6はNin1印刷する場合の配置領域を示す例である。Nin1印刷とは、シート21の片面に複数の画像を配置して印刷することをいう。図示する例ではシート21上の印刷領域を4分割し、各領域に画像を印刷する4in1印刷を示している。また、図示する例では4in1印刷する場合に複数の画像を互いに間隔を空けずに配置した場合を示している。この場合は、それら複数の画像が配置されている領域全体を一つの配置領域とする。
【0030】
Nin1印刷の場合、画像の数がNで割り切れない場合は最後のシートに余りの数の画像が印刷される。図6は2つの画像が余った場合を示しており、最後のシートは分割された4つの領域の上段の2つの領域にのみ画像が配置されている。なお、最後のページにおいて余った画像を4つの領域のどこに配置するかは適宜に選択可能であり、例えば上段から下段の順で、且つ、各段においては左から右の順で配置してもよいし、右列から左列の順で、且つ、各列においては上段から下段の順で画像を配置してもよい。このように、最後のページの配置領域の大きさは設定されたNの値、画像の数、設定された配置順から求めることができる。
図示する例の場合、1枚目のシート21から最後のシート21の直前のシート21まではシート21を横置きで搬送したほうが配置領域の副走査方向の長さが短くなる。これに対し、最後のシート21は縦置きで搬送したほうが配置領域の副走査方向の長さが短くなる。従って、図6に示す例では、1枚目のシート21から最後のシート21の直前のシート21までは横置きで搬送し、最後のページは縦置きで搬送すると印刷時間を最も短縮できる。
【0031】
図7は縮小印刷するように設定されている場合の配置領域を示す例である。図示する例では画像62が配置されている領域が配置領域である。図示する例の場合、シート21を縦置きで搬送すると、配置領域の副走査方向の長さはL3である。これに対し、シート21を横置きで搬送すると、配置領域の副走査方向の長さはL4(>L3)である。従って、この場合は縦置きにした方が印刷時間を短縮できることになる。なお、配置領域のそれぞれの方向の長さは設定されている縮小率から求めることができる。
【0032】
図8はシート21の任意の位置に複数の画像62を配置した場合の配置領域を示す例である。図示する例では複数の画像62を互いに離間して配置した場合を示している。例えば画像編集ソフトを用いると図示するようにシート21上に複数の画像62を自由にレイアウトして印刷できる。この場合は、各画像62が配置されている領域をそれぞれ一つの配置領域とする。
複数の画像62が互いに離間して配置される場合は、シート21の長辺において各配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を配置領域の長辺方向の合計長さといい、シート21の短辺において各配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を配置領域の短辺方向の合計長さというとき、長辺方向の合計長さが短辺方向の合計長さ以上である場合は横置きを選択し、長辺方向の合計長さが短辺方向の合計長さ未満である場合は縦置きを選択すると、印刷時間を短縮できる。図示する例では長辺方向の合計長さ(L5+L6)が短辺方向の合計長さ(L7+L8)以上であるので、横置きにした方が印刷時間を短縮できることになる。
【0033】
なお、長辺方向の合計長さと短辺方向の合計長さとが同じである場合も横置きを選択するのは、長辺方向の合計長さと短辺方向の合計長さとが同じである場合は横置きにした方が配置領域以外の領域の搬送に要する時間が短くなるので、結果として印刷時間が短くなるからである。
【0034】
(4)シート収容部の設定処理
図9は、シート収容部20の設定処理の流れを示すフローチャートである。本処理はシート21を1枚搬送する毎にその搬送の前に実行される。
【0035】
S101では、印刷制御プログラムを実行するCPU50a(以下、単に「CPU50a」という)は、印刷設定に基づいて配置領域を特定する。以下、配置領域の特定について説明する。
例えば、図4に示すように印刷領域に丁度重なるように画像62が配置される場合は、印刷領域全体が配置領域として特定される。
【0036】
また、例えば、図5に示すように両面印刷が設定されており、その場合に、印刷領域に綴じ代が設定されている場合は、印刷領域から綴じ代を除外した領域が配置領域として特定される。
また、例えば、図6に示すように4in1印刷が設定されており、最後のシート21は画像が2つしか配置されない場合は、1枚目から最後のシート21の直前のシート21までは印刷領域全体が配置領域として特定され、最後のシート21は印刷領域を4分割した領域のうち上段の2領域が配置領域として特定される。
【0037】
また、例えば、図7に示すように縮小印刷が設定されている場合は、印刷領域内において縮小された画像62が配置される領域が配置領域として特定される。
【0038】
また、例えば、両面印刷、Nin1印刷、縮小印刷のうち2以上の印刷が同時に設定される場合もある。例えば、図10は、両面印刷で綴じ代が長辺に設定されており、且つ、4in1印刷が設定されており、最後のシート21は画像62が1つしか配置されない場合を示している。この場合は、1枚目から最後のシート21の直前のシート21までは印刷領域から綴じ代を除外した領域が配置領域として特定され、最後のシート21は図10に示すように印刷領域から綴じ代を除外し、その綴じ代を除外した領域を4分割したうちの左上の1領域が配置領域として特定される。
【0039】
S102では、CPU50aは、配置領域の長辺方向の合計長さ、及び、配置領域の短辺方向の合計長さを求める。
具体的には例えば、図4〜図7、及び、図10に示す例では配置領域が一つであるので、配置領域においてシート21の長辺に平行な辺の長さがそのまま長辺方向の合計長さであり、配置領域においてシート21の短辺に平行な辺の長さがそのまま短辺方向の合計長さである。
一方、図8に示す例では、配置領域の長辺方向の合計長さは(L5+L6)であり、配置領域の短辺方向の合計長さは(L7+L8)である。
【0040】
S103では、CPU50aは配置領域の長辺方向の合計長さが短辺方向の合計長さ以上であるか否かを判定し、長辺方向の合計長さが短辺方向の合計長さ以上である場合はS104に進み、短辺方向の合計長さ未満である場合はS105に進む。
S104では、CPU50aは横置きを選択する。
S105では、CPU50aは縦置きを選択する。
【0041】
S106では、CPU50aは選択した置き方で置かれているシート21があるか否かを判定する。
具体的には例えば、選択した置き方が縦置きである場合は、CPU50aは、まずシート21を縦置きで収容するシート収容部20があるか否かをROM50bを参照して判定する。
【0042】
なお、実施形態1に係るプリンタ1はシート21が縦置きで置かれるシート収容部20aとシート21が横置きで置かれるシート収容部20bとを有しているのでこの判定は常に「ある」と判定されるが、プリンタ1によってはシート収容部20が1つしかないものもあり、その場合には選択した置き方でシート21を収容するトレイがない場合もある。
【0043】
シート21を縦置きで収容するシート収容部20がある場合、次に、CPU50aはシート有無センサ53から検出信号を取得してそのシート収容部20にシート21があるか否かを判定し、シート21がある場合は選択した置き方で置かれているシート21があると判定する。
一方、シート21を縦置きで収容するシート収容部20がない場合、あるいはシート21を縦置きで収容するシート収容部20があってもそのシート収容部20にシート21がない場合は、選択した置き方で置かれているシートはないと判定する。
CPU50aは、選択した置き方で置かれているシートがある場合はS107に進み、ない場合はS108に進む。
【0044】
S107では、CPU50aは選択した置き方でシート21が置かれているシート収容部20から給紙するように設定する。
S108では、CPU50aは選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20があるか否かを判定する。
前述したS106で「No」と判定される場合としては、選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20がない場合と、選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20はあるが、そのシート収容部20にシート21がない場合とがある。CPU50aは、選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20がある場合はS109に進み、ない場合はS111に進む。
【0045】
S109では、CPU50aは、例えば図11に示すように、選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20にシート21をセットするようユーザに指示するメッセージ70を操作部51の表示装置に表示する。
CPU50aは、メッセージ70を表示した後、選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20のシート有無センサ53から検出信号を一定時間間隔で取得し、ユーザがシート21をセットすることによってシート21があることを示す検出信号が検出されるとS110に進む。
【0046】
S110では、CPU50aは選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20から給紙するように設定する。
S111では、CPU50aは縦置きであるか横置きであるかによらずシート21が収容されているシート収容部20からシート21を給紙するように設定する。
言い換えると、CPU50aは、選択した置き方でシート21を収容するシート収容部20がない場合は、当該選択された置き方とは異なる置き方を選択し、その異なる置き方でシートを収容するシート収容部20からシート21を給紙するように設定する。
【0047】
(5)印刷時の画像の回転
上述したシート収容部20の設定処理によってシート収容部20を設定した後、プリンタ1はその設定したシート収容部20に収容されているシート21を搬送して画像を印刷する。この印刷において、印刷する画像が縦長、所謂ポートレートである場合、CPU50aはシート21の置き方を横置きに選択した場合は画像を90度回転させて印刷する。同様に、印刷する画像が横長、所謂ランドスケープである場合、CPU50aはシート21の置き方を縦置きに選択した場合は画像を90度回転させて印刷する。
【0048】
(6)実施形態の効果
以上説明した実施形態1に係る印刷制御装置としてのCPU50aによると、配置領域の長辺方向の合計長さが配置領域の短辺方向の合計長さ以上である場合は横置きを選択し、長辺方向の合計長さが短辺方向の合計長さ未満である場合は縦置きを選択するので、印刷時間が短縮されるシート21の置き方を、画像の内容を解析することなく選択することができる。これにより、画像の内容を解析して置き方を選択する場合に比べ、印刷時間が短縮されるシート21の置き方を短時間に選択できる。
【0049】
ところで、本実施形態では画像の内容を解析しないので画像の内容によっては本実施形態によって選択される置き方とは異なる置き方を選択した方が印刷時間が短縮されることもあり得る。例えば、図12に示すように画像62のほとんどが空白であり、一部に横長の図形63があるだけの画像62を考えると、本実施形態では横置きが選択されることになるが、実際には縦置きにした方が印刷時間が短縮される。しかしながら、画像の内容の解析には時間を要するので、印刷時間は短縮されたとしても印刷に要する全体的な時間を考えると大差はないといえる。
【0050】
一方、画像の内容を解析して置き方を選択する方法によって選択される置き方と本実施形態によって選択される置き方とが同じになる場合は、画像を解析しない分だけ本実施形態の方が印刷に要する全体的な時間を短縮できる。
【0051】
つまり、本実施形態は、画像の内容を解析して置き方を選択する方法によって選択される置き方とは異なる置き方が選択される場合は印刷に要する全体的な時間に大差はないものの、画像の内容を解析して置き方を選択する方法と同じ置き方が選択される場合は印刷に要する全体的な時間を短縮できるので、その分だけ本実施形態の方が有利である。
【0052】
更に、CPU50aによると、シート21の片面に複数の画像を間隔を空けずに配置するよう印刷設定に設定されている場合は、それら複数の画像が配置されている領域全体を一つの配置領域として特定するので、配置領域の長辺方向の合計長さや短辺方向の合計長さを容易に求めることができる。
【0053】
更に、CPU50aによると、シート21の片面に複数の画像を互いに離間して配置するよう印刷設定に設定されている場合は、シート21の長辺において各配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を配置領域の長辺方向の合計長さとする。このようにすると、シート21の長辺方向に垂直な方向(図8に示すA方向)から見た場合に、複数の配置領域が重なっている部分の長さが長辺方向の長さとして重複してカウントされないようにすることができる。短辺方向の合計長さについても同様である。
【0054】
更に、CPU50aによると、選択した置き方で収容されているシート21がない場合に、選択した置き方でシート21を収容するようユーザに報知するので、選択した置き方で収容されているシート21がない場合であっても選択した置き方で置かれているシート21に印刷できる。
【0055】
更に、CPU50aによると、選択した置き方でシート21を収容可能なシート収容部20がない場合は、当該選択された置き方とは異なる置き方を選択するので、選択した置き方でシート21を収容可能なシート収容部20がない場合であってもシート21に印刷できる。
【0056】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を説明する。
実施形態1では印刷制御装置としてプリンタ1のCPU50aを例に説明したが、印刷制御装置は例えばパーソナルコンピュータ(PC)であってもよいし、携帯電話や携帯情報端末であってもよい。
【0057】
具体的には例えば、実施形態1のCPU50aが実行する処理をPCに実行させるためのプリンタドライバをPCにインストールし、PCがそのプリンタドライバを実行することによって印刷制御装置として機能してもよい。この場合、プリンタドライバは印刷制御プログラムの一例である。
プリンタドライバは、印刷設定終了後、印刷データを生成する場合に印刷制御プログラムを実行する。このとき、必要な収容トレイ20やシート21の有無の情報はプリンタから取得すればよい。また、決定されたシート21の置き方は印刷データの各ページのヘッダとして付加すればよい。
【0058】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0059】
(1)上記実施形態では印刷制御装置としてCPU50aを例に説明したが、印刷制御装置は複数のCPUで構成されてもよいし、ASICによって構成されてもよいし、CPUとASICとの組み合わせによって構成されてもよい。
【0060】
(2)上記実施形態では印刷装置として印刷機能のみを有する単機能のプリンタを例に説明したが、印刷機能、コピー機能、スキャン機能、ファクシミリ機能などを備える複合機に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1・・・プリンタ、20a、20b・・・シート収容部、21・・・シート、50・・・制御部、50a・・・CPU、50b・・・ROM、50c・・・RAM、61・・・印刷領域、62・・・画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷時に短辺方向が主走査方向と平行になる縦置きで収容されているシート、及び、印刷時に長辺方向が主走査方向と平行になる横置きで収容されているシートのうちいずれかの置き方で収容されているシートを搬送して当該シートに画像を印刷する印刷部を制御する印刷制御装置であって、
前記画像の配置位置に関する印刷設定に基づいて、前記シート上において前記画像が配置される1以上の配置領域を特定する領域特定部と、
前記シートの長辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の長辺方向の合計長さといい、前記シートの短辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の短辺方向の合計長さというとき、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ以上である場合は横置きを選択し、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ未満である場合は縦置きを選択するシート方向選択部と、
を備える印刷制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷制御装置であって、
前記領域特定部は、前記シートの片面に複数の前記画像を互いに間隔を空けずに配置するよう前記印刷設定に設定されている場合は、それら複数の前記画像が配置されている領域全体を一つの前記配置領域として特定する、印刷制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の印刷制御装置であって、
前記領域特定部は、前記シートの片面に複数の前記画像を互いに離間して配置するよう前記印刷設定に設定されている場合は、各前記画像が配置されている領域をそれぞれ一つの前記配置領域として特定する、印刷制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の印刷制御装置であって、
前記シート方向選択部によって選択された置き方で収容されているシートがない場合に、前記シート方向選択部によって選択された置き方でシートを収容するようユーザに報知する報知部を備える、印刷制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の印刷制御装置であって、
前記シート方向選択部は、選択した置き方でシートを収容可能なシート収容部がない場合は、当該選択された置き方とは異なる置き方を選択する、印刷制御装置。
【請求項6】
印刷時に短辺方向が主走査方向と平行になる縦置きで収容されているシート、及び、印刷時に長辺方向が主走査方向と平行になる横置きで収容されているシートのうちいずれか選択された置き方で収容されているシートを搬送して当該シートに画像を印刷する印刷部と、
前記画像の配置位置に関する印刷設定に基づいて、前記シート上において前記画像が配置される1以上の配置領域を特定する領域特定部と、
前記シートの長辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の長辺方向の合計長さといい、前記シートの短辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の短辺方向の合計長さというとき、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ以上である場合は横置きを選択し、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ未満である場合は縦置きを選択するシート方向選択部と、
を備える印刷装置。
【請求項7】
印刷時に短辺方向が主走査方向と平行になる縦置きで収容されているシート、及び、印刷時に長辺方向が主走査方向と平行になる横置きで収容されているシートのうちいずれか選択された置き方で収容されているシートを搬送して当該シートに画像を印刷する印刷部と通信可能に接続されている情報処理装置に、
前記画像の配置位置に関する印刷設定に基づいて、前記シート上において前記画像が配置される1以上の配置領域を特定する領域特定処理と、
前記シートの長辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の長辺方向の合計長さといい、前記シートの短辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の短辺方向の合計長さというとき、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ以上である場合は横置きを選択し、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ未満である場合は縦置きを選択するシート方向選択処理と、
を実行させる印刷制御プログラム。
【請求項1】
印刷時に短辺方向が主走査方向と平行になる縦置きで収容されているシート、及び、印刷時に長辺方向が主走査方向と平行になる横置きで収容されているシートのうちいずれかの置き方で収容されているシートを搬送して当該シートに画像を印刷する印刷部を制御する印刷制御装置であって、
前記画像の配置位置に関する印刷設定に基づいて、前記シート上において前記画像が配置される1以上の配置領域を特定する領域特定部と、
前記シートの長辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の長辺方向の合計長さといい、前記シートの短辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の短辺方向の合計長さというとき、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ以上である場合は横置きを選択し、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ未満である場合は縦置きを選択するシート方向選択部と、
を備える印刷制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷制御装置であって、
前記領域特定部は、前記シートの片面に複数の前記画像を互いに間隔を空けずに配置するよう前記印刷設定に設定されている場合は、それら複数の前記画像が配置されている領域全体を一つの前記配置領域として特定する、印刷制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の印刷制御装置であって、
前記領域特定部は、前記シートの片面に複数の前記画像を互いに離間して配置するよう前記印刷設定に設定されている場合は、各前記画像が配置されている領域をそれぞれ一つの前記配置領域として特定する、印刷制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の印刷制御装置であって、
前記シート方向選択部によって選択された置き方で収容されているシートがない場合に、前記シート方向選択部によって選択された置き方でシートを収容するようユーザに報知する報知部を備える、印刷制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の印刷制御装置であって、
前記シート方向選択部は、選択した置き方でシートを収容可能なシート収容部がない場合は、当該選択された置き方とは異なる置き方を選択する、印刷制御装置。
【請求項6】
印刷時に短辺方向が主走査方向と平行になる縦置きで収容されているシート、及び、印刷時に長辺方向が主走査方向と平行になる横置きで収容されているシートのうちいずれか選択された置き方で収容されているシートを搬送して当該シートに画像を印刷する印刷部と、
前記画像の配置位置に関する印刷設定に基づいて、前記シート上において前記画像が配置される1以上の配置領域を特定する領域特定部と、
前記シートの長辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の長辺方向の合計長さといい、前記シートの短辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の短辺方向の合計長さというとき、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ以上である場合は横置きを選択し、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ未満である場合は縦置きを選択するシート方向選択部と、
を備える印刷装置。
【請求項7】
印刷時に短辺方向が主走査方向と平行になる縦置きで収容されているシート、及び、印刷時に長辺方向が主走査方向と平行になる横置きで収容されているシートのうちいずれか選択された置き方で収容されているシートを搬送して当該シートに画像を印刷する印刷部と通信可能に接続されている情報処理装置に、
前記画像の配置位置に関する印刷設定に基づいて、前記シート上において前記画像が配置される1以上の配置領域を特定する領域特定処理と、
前記シートの長辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の長辺方向の合計長さといい、前記シートの短辺において各前記配置領域が垂直に投影された区間の長さを合計した値を前記配置領域の短辺方向の合計長さというとき、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ以上である場合は横置きを選択し、前記長辺方向の合計長さが前記短辺方向の合計長さ未満である場合は縦置きを選択するシート方向選択処理と、
を実行させる印刷制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−35134(P2013−35134A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170428(P2011−170428)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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