説明

印刷制御装置及びその制御方法並びにプログラム

【課題】 複数の給紙手段のいずれかから給紙された記録紙に画像を印刷させる際、効率的に画像を印刷させること。
【解決手段】 紙搬送機構1〜Nのいずれかのロール紙格納部のいずれかにロール紙をセットする際、各タイプのロール紙の使用量を判定し、使用量の多いタイプのロール紙が印刷位置までの搬送距離が短いロール紙格納部にセットすることを推奨する表示を操作パネル106に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の給紙手段のいずれかから給紙された記録紙に画像を印刷させるための印刷制御装置及びその制御方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール紙のような連続紙に画像を印刷するプリンタが知られている。このようなプリンタの中には、複数個のロール紙を同時にセットし、給紙段を切り替えることによっていずれかのロール紙への印刷を行えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−20585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように給紙段を切り替えて記録紙を切り替えて印刷を実行させる場合、給紙段によってロール紙が画像の記録位置まで搬送される距離が異なる。即ち、画像の記録位置から遠い給紙段は搬送距離が長く、近い給紙段は搬送距離が短い。そして、搬送距離が長いほど、給紙開始から画像が印刷されるまでに時間がかかってしまう。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、複数の給紙手段のいずれかから給紙された記録紙に画像を印刷させる際、効率的に画像を印刷させることができる印刷制御装置及びその制御方法並びにプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の問題点を解消するため、本発明の印刷制御装置は、複数の給紙手段のいずれかにセットされた記録紙を、印刷位置まで搬送させて当該記録紙に画像を印刷させるための印刷制御装置であって、記録紙のタイプ毎に使用量を判定する判定手段と、前記判定手段で判定された記録紙のタイプ毎の使用量に基づき、使用量の多いタイプの記録紙を、前記複数の給紙手段のうち前記印刷位置までの搬送距離が短い給紙手段にセットさせるよう案内する情報を表示手段に表示させる表示制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、使用量の多いタイプの記録紙を搬送距離の短い給紙手段にセットさせるので、効率的な印刷を実行できる給紙手段に記録紙をセットさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る印刷制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の給紙段切り替えを説明する図である。
【図3】本実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】ロール紙の使用履歴及び用紙設定の画面を示す図である。
【図5】本実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例である、記録紙(シート)に画像を印刷させる印刷制御装置の構成を示すブロック図である。本実施形態における印刷制御装置100は、印刷ジョブを制御する構成(図1の101〜108)と、印刷を実行する印刷機構部(図1の109〜126)とを一体化(1つの筐体)したものを例に説明するが、これに限らない。印刷ジョブを制御する構成を印刷機構部とは別体(異なる筐体)として、それを印刷制御装置としてもよい。印刷機構部と別体とした印刷制御装置は、印刷機構部とネットワークを介して接続されたプリントサーバ、印刷機構部とローカルインタフェースを介して接続されたプリンタコントローラなどにより実現可能である。また、図1の例では、ホストコンピュータ151、152、153から受信した印刷ジョブに基づく印刷を行うものとしたが、さらにスキャナを設けて、スキャナからの画像を印刷するコピー機能を持ったものや、その他の機能を複合させた装置としてもよい。また、印刷ジョブもネットワーク上の端末から受信するものに限らず、ローカルインタフェースを介して受信するものなど、種々のものを採用可能である。また、本実施形態では、連続紙としてロール紙を用いた例について説明するが、ロール状に巻かれたものに限定するものではない。また、印刷制御装置は、連続紙と、カセットに装填されたカット紙とに画像を印刷可能なものとしてもよい。また、複数のカセットを設け、カセットに装填されたカット紙にのみ画像を印刷可能なものでもよい。また、印刷方式としてインクジェット方式を例に説明するが、昇華型、電子写真など、他の方式でもよい。
【0010】
図1に示すように、CPU101、RAM102、ROM103、タイマ104、入力I/F105、操作パネルI/F107、HDD108、記録制御回路109、記録データ生成ブロック121、センサ出力検出回路126は、バスを介して接続される。
【0011】
図1において、CPU101は、ROM103に格納されたプログラムを、RAM1002にロードすることによって印刷制御装置100全体の動作を制御する。RAM102は、CPU101のワーク用として用いられる他、種々の設定値の記憶等も行う。タイマ104は、時刻の計時の他、指定した時間からの経過時間のカウント等を行う。入力インタフェース105は、印刷制御装置100をネットワークに接続するためのインタフェースであり、ネットワークを介してホストコンピュータ151〜153からの印刷ジョブを受信する。なお、ここではホストコンピュータを3台示したが、これに限らず任意の数としてよい。また、入力インタフェース105を、ローカルインタフェースとしてもよい。ホストコンピュータ151〜153は、汎用的なパーソナルコンピュータによって実現可能である。ホストコンピュータ151〜153は、CPU、ROM、RAM、HDD、ディスプレイ、キーボードなどを含む。ホストコンピュータ151〜153のHDDには、印刷制御装置100に印刷を実行させるためのプリンタドライバ、OSなどがインストールされているものとする。そして、プリンタドライバなどのプログラムが、HDDから読み出され、RAM上にロードされ、CPUによって実行される。ホストコンピュータ151〜153は、種々のアプリケーションで作成したデータを、プリンタドライバで印刷制御装置100が扱える印刷データに変換してから、印刷ジョブとして印刷制御装置100に送信する。操作パネル106は、ユーザからの操作を受け付けたり、ユーザに提供すべき情報を表示したりする。操作パネル106は、タッチパネル、ハードキー等によりユーザからの操作を受け付けたり、タッチパネルへの表示、表示専用パネルへの表示、ランプの表示/消灯等によりユーザへ情報を提示したりするなど種々の形態のものを採用可能である。操作パネルインタフェース107は、ユーザが操作パネル106で操作した内容をCPU101に伝えたり、CPU101から受信した操作パネル106に表示すべき内容を操作パネル106に伝えたりする。CPU101は、操作パネル106への各種情報の表示のための表示制御も行う。HDD(ハードディスクドライブ)108は、内蔵するハードディスクに種々のデータを書き込んだり、ハードディスクから種々のデータを読み出したりする。
【0012】
記録制御回路109は、CPU101からの指示に従い、ロール紙の給紙及びキャリッジ122の動作を制御して画像の印刷の制御を行う。また、記録制御回路109は、複数のロール紙のうち選択された1つの給紙とキャリッジ122による走査とを同期させるためのタイミング調整等も行う。紙搬送モータ制御回路110は、ロール紙を搬送するためのモータ111の動作を制御する。モータ111は、ロール紙が巻かれた芯を回転させることによってロール紙を画像の記録位置まで搬送させたり、逆回転させてロール紙を巻き取ったりする。紙搬送機構112は、キャリッジ122の往復動作に応じて搬送ローラなどを用いてロール紙を搬送させ、ロール紙への画像の印刷を可能にする。紙搬送モータ制御回路113、116は紙搬送モータ制御回路110と、モータ114、117はモータ111と、紙搬送機構115、118は紙搬送機構112とそれぞれ同様である。また、印刷制御装置100には、N個のロール紙を同時にセット可能であり、適宜使用すべきロール紙を切り替えて印刷を実行できる。同時にセットされるロール紙は、互いに紙幅の異なるものや、紙種の異なるものとすることができる。ロール紙はユーザが複数の給紙段のいずれかを指定して着脱させることができる。各給紙段には、ロール紙格納部があり、ユーザがこのロール紙格納部にロール紙をセットすると、紙搬送機構によって搬送可能な状態となる。どの紙搬送機構にどのサイズ(幅)でどの紙種のロール紙がセットされているかは、操作パネル106等からの指定によりRAM102に記憶され、CPU101はこれに基づき判断する。また、不図示のカッターを制御して、印刷が実行されたロール紙を切断させることも可能である。キャリッジモータ制御回路119は、キャリッジ122を往復動作させるためのモータ120の動作を制御する。モータ120は、キャリッジ122をロール紙の紙幅分、繰り返し往復動作させる。キャリッジ122は、プリントヘッド制御ブロック123とプリントヘッド124とを含み、往復動作しながらプリントヘッド制御ブロック123の制御に従い、プリントヘッド124からインクを吐出させることによってロール紙上に画像を印刷する。記録データ生成ブロック121は、入力された画像データに基づきプリントヘッド124で吐出させるためのインクのオン/オフを示すデータを生成し、プリントヘッド制御ブロック123に供給する。プリントヘッド制御ブロック123は、これに従ってプリントヘッド124を制御し、画像を印刷させる。センサユニット125は、複数のセンサを用いて印刷機構部の種々の状態を検出する。そして、その検出結果はセンサ出力検出回路126を介してCPU101に伝えられる。また、CPU101は、画像の印刷が実行される度に使用したロール紙のサイズ、搬送量、紙種の情報を、各給紙段(紙搬送機構)のロール紙毎に日時の情報とともにHDD108に記憶させる。
【0013】
次に、紙搬送機構における印刷対象のロール紙の切り替え(給紙段の切り替え)について説明する。図2は、図1に示した紙搬送機構の概観を示す図である。図2に示すように、ロール紙は縦に並んで配置され、搬送ローラ等を制御して給紙対象が切り替えられる。ここでは、説明のため、2つの紙搬送機構を示すが、2つに限るものではない。なお、この図では省略しているが、ロール紙をキャリッジ122の印字位置201まで案内するための搬送ローラやガイドが複数あり、モータの回転によりロール紙は印字位置201まで搬送される。
【0014】
図2において、図2(a)は上段のロール紙が選択されている場合であり、図2(b)は下段のロール紙が選択されている場合である。給紙段の切り替えは、CPU101からの指示に基づき行われる。印刷対象のロール紙を上段から下段に切り替える場合、まず、上段の紙搬送モータ制御回路は、先端が印字位置201まで搬送されていたロール紙を退避位置203まで戻すため、モータを逆回転させる。そして、上段のロール紙の先端が退避位置203に到達すると、下段の紙搬送モータ制御回路は、下段のロール紙の先端を印字位置201まで搬送させる。以降、キャリッジ122をロール紙上、幅方向に走査させながらインクを吐出させる毎に所定の長さ分搬送させる動作を繰り返して順次ロール紙上に画像を印刷させる。印刷対象のロール紙を下段から上段に切り替える場合は、逆の動作を行わせる。即ち、まず、下段の紙搬送モータ制御回路は、先端が印字位置201まで搬送されていたロール紙を退避位置202まで戻すため、モータを逆回転させる。そして、下段のロール紙の先端が退避位置202に到達すると、上段の紙搬送モータ制御回路は、上段のロール紙の先端を印字位置201まで搬送させる。また、3個以上のロール紙を同時にセットし、それらを切り替える場合も同様である。
【0015】
図2に示すように、給紙段によって印字位置までのロール紙の搬送距離は異なっており、下段に行くほど搬送距離は長くなる。ただし、印刷機構や搬送機構によって上下の関係が逆のものや、ロール紙が上下に並ばないものであってもよい。また、複数のカセットのいずれかからカット紙を印字位置まで給紙して画像を印刷するものとしてもよい。カセットから給紙する場合でも各給紙段(カセット)毎に印字位置までの搬送距離は異なる。
【0016】
次に、印刷制御装置100にロール紙をセットするための処理について説明する。図3は、ユーザが印刷制御装置100にロール紙をセットする際の処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、CPU101が、ROM103に格納されたプログラムをRAM102にロードして実行する処理の流れを示す。
【0017】
ステップ301において操作パネル106から、ロール紙を印刷制御装置100にセットするための設定処理が選択されると本処理が開始される。続いて、ステップ302では、例えば「ロール紙の使用履歴を読み出します。期間を指定してください」なる表示を操作パネル106に行い、ユーザに読み出すべき使用履歴の期間を選択させる。ここでユーザにより操作パネル106から読み出すべき使用履歴の期間が選択されたらステップ303に進む。なお、読み出すべき使用履歴の期間が予め決まっている場合や、期間を特定せずにHDD108に記憶されている全ての使用履歴を読み出す場合には、上記表示は行わずにステップ303に進むようにしてもよい。
【0018】
ステップ303では、選択された期間における各ロール紙の使用履歴を、HDD108から読み出す。そして、例えば、選択された期間が1ヶ月であったとすると、CPU101は、ロール紙の紙種及びサイズ毎に、現在の日時から遡ること1ヶ月の間に使用した搬送量を計算し、判定する。なお、搬送量に関しては、計測開始から現時点までの累計もHDD108で記憶しておき、これを併せて読み出すようにしてもよい。
【0019】
次にステップ304に進み、ステップ303で判定したロール紙の紙種及びサイズ(タイプ)毎に判定した使用量に基づき、使用量の多い順に印字位置までの搬送距離が短いロール紙をセットするよう案内する図4の「用紙設定」のような表示を操作パネル106に行う。ユーザは、この表示に従い、ロール紙を印刷制御装置100にセットすることになるが、この表示はあくまでもセット位置を推奨するものなので、これと一致させる必要はない。そして、ユーザは実際にセットしたロール紙の紙種及びサイズを操作パネル106から入力し、CPU101はそれをRAM103等に記憶させる。
【0020】
図4の例は、印刷制御装置100のHDD108に記憶されていたロール紙の使用実績が、上図に示すようにA0サイズの普通紙、B0サイズの普通紙、A0サイズの光沢紙、A0サイズのコート紙の4種類であったことを示している。そして、ステップ303で判定した1ヶ月間の使用量(搬送距離)が順に300m、100m、200m、50mであり、これまでの累計が4500m、200m、250m、50mであった場合を示している。そして、ステップ304における表示では、図4の下図に示すように、1ヶ月の間に使用量の多かった種類のロール紙から上段から下段へセットすることを推奨する旨の表示を行う。ここでは、印刷制御装置100には同時に3つのロール紙をセット可能なので、使用実績のあったロール紙のうち、3種類のロール紙についてのセットを案内する表示を行う。なお、ここでは、ロール紙格納部1が最も上段に位置し(印字位置に近く搬送距離が短い)、以下、ロール紙格納部2以降、順に下段に位置する(印字位置から遠く搬送距離が長い)ものとしたが、他の配置でも構わない。例えば、印刷機構が下の方にあれば、下段の給紙段ほど搬送距離が短くなる。いずれにしても、使用量の多い用紙ほど、より印刷開始の早くなる給紙段にセットされるよう案内できるようにすればよい。
【0021】
なお、図3に示したフローは、印刷制御装置100における処理に限らず、ホストコンピュータ151〜153のいずれかにおける、例えばプリンタドライバ等においても実現可能である。この場合、ホストコンピュータのCPU、HDD、RAMを用い、HDDからプリンタドライバのプログラムを読み出し、RAMにロードして実行する。そして、ホストコンピュータが、印刷制御装置100から使用履歴の情報等を取得し、各ロール紙をセットすべき給紙段を決定し、ステップ304の表示をホストコンピュータのディスプレイに行う。
【0022】
以上のようにして、ユーザがロール紙をセットしようとしたときに、効率化を向上させるようなロール紙のセット位置をユーザに案内できるようになる。
【0023】
次に、印刷制御装置100にセットされていた複数のロール紙のいずれかを、印刷に伴い使い切った場合の処理について説明する。図5は、印刷制御装置100にセットされていたロール紙のいずれかを使い切った際の処理の流れを示すフローチャートである。図3がロール紙を使い切ったか否かには関わらず、ユーザによる指示により実行されるのに対し、図5はロール紙を使い切ったと判断された際に実行されるものである。このフローチャートは、CPU101が、ROM103に格納されたプログラムをRAM102にロードして実行する処理の流れを示す。ここでも印刷制御装置100のロール紙格納部が3つである例について説明する。
【0024】
ステップ501では、印刷制御装置100にセットされたロール紙のいずれかを用いて印刷を行った結果、この印刷に使用していたロール紙を使い切った(用紙切れとなった)かどうか判断する。ロール紙を使い切ったと判断した場合、ステップ502に進み、各ロール紙の使用履歴をHDD108から読み出し、ロール紙毎の使用量を判定する。ここでも、図3の処理と同様に特定の期間の使用量を判定するものとするが、期間を特定しない累積量としても構わない。
【0025】
ステップ503では、判定した各ロール紙の使用量に基づき、ステップ501で使い切ったと判断されたロール紙のサイズ及び紙種が使用履歴に含まれるものの中で最も使用量の多いものであったか判断する。最も使用量の多いものであったと判断された場合、ステップ505に進み、このロール紙と同じサイズと紙種のものを最も印刷位置までの搬送距離が最も短いロール紙格納部1にセットすることを推奨する表示を操作パネル106に行う。このとき、各ロール紙の使用履歴も併せて表示するようにしてもよい。ここでは、ロール紙格納部1に他のロール紙がセットされている可能性もある。その場合、既にセットされているロール紙を他のロール紙格納部にセットし直すよう促すか、または今回セットすべきロール紙を、ロール紙格納部2、またはそれも使用されていればそれ以降のロール紙格納部にセットするよう促す表示を行えばよい。
【0026】
ステップ503で、使い切ったロール紙のサイズ及び紙種が使用履歴に含まれるものの中で最も使用量が多いものでなかったと判断された場合、ステップ504に進み、当該ロール紙の使用量が2番目に多かったかどうかを使用履歴に基づき判断する。そして、2番目に使用量の多いものであったと判断された場合、ステップ506に進み、このロール紙と同じサイズと紙種のものをロール紙格納部2にセットすることを推奨する表示を操作パネル106に行う。このとき、各ロール紙の使用履歴も併せて表示するようにしてもよい。ここで、最も使用量の多かったサイズ及び紙種のロール紙がロール紙格納部1にセットされていない場合、それをロール紙格納部1にセットし直すよう促す表示を行ってもよい。そしてさらに、ロール紙格納部2に既に他のロール紙がセットされていればそれを他のロール紙格納部にセットするよう促すか、または今回対象となっているロール紙をロール紙格納部3にセットするよう促す表示も行ってもよい。
【0027】
ステップ504で、今回使い切ったロール紙のサイズ及び紙種が使用履歴に含まれるものの中で2番目までに多いものではなかった場合、最も印刷位置までの搬送距離の長いロール紙格納部3にセットすることを推奨する表示を操作パネル106に行う。このとき、各ロール紙の使用履歴も併せて表示するようにしてもよい。ここでも必要に応じ各ロール紙格納部に既にセットされているロール紙と入れ替えることを推奨する表示を行ってもよい。
【0028】
なお、図5に示したフローは、印刷制御装置100における処理に限らず、ホストコンピュータ151〜153のいずれかにおける、例えばプリンタドライバ等においても実現可能である。この場合、ホストコンピュータのCPU、HDD、RAMを用い、HDDからプリンタドライバのプログラムを読み出し、RAMにロードして実行する。そして、ホストコンピュータが、印刷制御装置100から使用履歴の情報等を取得し、各ロール紙をセットすべき給紙段を決定し、ステップ505〜507の表示をホストコンピュータのディスプレイに行う。
【0029】
以上のようにして、ロール紙をセットすべきときに、効率化を向上させるようなロール紙のセット位置をユーザに案内できるようになる。
【0030】
また、以上の例では、ロール紙の使用履歴として搬送距離を用いているが、これに限ることなく、例えば、ロール紙の交換回数、給紙段の切替頻度などとしてもよい。また、以上の例は、あくまでも推奨するロール紙のセット位置をユーザに提示するものであり、強制するものではない。例えば、推奨するセット位置とともに、使用履歴や推奨した理由などをさらに提示するなどしてユーザにセット位置をどうすべきかを判断させるための情報を提供するのが好ましい。また、このとき表示する使用履歴は、特定の期間(例えば最近1ヶ月)と累計の両方とすれば、ユーザは累計に対する最近の使用量の比較もでき、状況をより的確に判断可能となる。
【0031】
また、以上の説明では、1つのタイプ(サイズ及び紙種)のロール紙は1つのロール紙格納部にセットする例について述べた。しかしながら、使用量の多い種類のロール紙は複数のロール紙格納部にセットしておいた方がユーザによる交換作業の頻度を減らすことができる。また、ユーザによるロール紙の交換頻度を減らすことにより印刷制御装置100が印刷を中断している時間を減らすことも可能となる。以下では、使用量の多い種類のロール紙を複数のロール紙格納部にセットすることをユーザに案内する例について説明する。
【0032】
図6は、上述した図3の処理について使用量が特定の量以上であるロール紙については複数のロール紙格納部にセットすることをユーザに推奨する処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、CPU101が、ROM103に格納されたプログラムをRAM102にロードして実行する処理の流れを示すものである。また、ホストコンピュータ側で実行する場合には、ホストコンピュータのCPU、HDD、RAMを用い、HDDからプリンタドライバのプログラムを読み出し、RAMにロードすることによって実行される。
【0033】
ステップ601〜603は、ステップ301〜303と同様の処理を行うものであり、ここでの説明は省略する。
【0034】
ステップ604では、ステップ603で判定したロール紙の紙種及びサイズ毎に判定した使用量に基づき、最も使用量の多かったタイプのロール紙の使用量が、他のタイプのロール紙の使用量のN倍以上であったか判断する。Nは適宜設定できる任意の正の整数とする。ここでN倍以上であったと判断された場合、最も使用量の多かったタイプのロール紙を上段(最も印刷位置への搬送距離が短い給紙段)から複数の給紙段(ロール紙格納部)にそれぞれセットすることを推奨する表示を操作パネル106に行う。一方、最も使用量の多かったタイプのロール紙の使用量が他のタイプのN倍に満たなかった場合は、ステップ606に進み、ステップ304と同様の処理とする。
【0035】
これにより、過去の使用履歴に基づき、使用量の多いタイプのロール紙を印刷位置への搬送距離が短い給紙段に、そしてさらに複数の給紙段にセットさせることができ、効率向上を図ることができる。
【0036】
図7は、上述した図5の処理について使用量が特定の量以上であるロール紙については複数のロール紙格納部にセットすることをユーザに推奨する処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、CPU101が、ROM103に格納されたプログラムをRAM102にロードして実行する処理の流れを示すものである。また、ホストコンピュータ側で実行する場合には、ホストコンピュータのCPU、HDD、RAMを用い、HDDからプリンタドライバのプログラムを読み出し、RAMにロードすることによって実行される。
【0037】
ステップ701〜703は、ステップ501〜503と同様の処理を行うものであり、ここでの説明は省略する。
【0038】
ステップ704では、最も使用量が多かったと判断されたタイプのロール紙の使用量が、2番目に使用量が多かったと判断されたタイプのロール紙の使用量のN倍以上であったか判断する。ここでN倍以上であったと判断された場合、最も使用量の多かったタイプのロール紙をロール紙格納部1とロール紙格納部2にそれぞれセットすることを推奨する表示を操作パネル106に行う。一方、最も使用量の多かったタイプのロール紙の使用量が2番目に使用量が多かったタイプのN倍に満たなかった場合は、ステップ707に進み、ステップ505と同様の処理とする。
【0039】
ステップ705、708、709は、ステップ504、506、507と同様の処理を行うものであり、ここでの説明は省略する。
【0040】
これにより、用紙切れが発生した場合、過去の使用履歴に基づき、使用量の多いタイプのロール紙を印刷位置への搬送距離が短い給紙段に、そしてさらに複数の給紙段にセットさせることができ、効率向上を図ることができる。
【0041】
なお、以上の例では、使用量が多いと判断するための目安として、最も多いものが、それ以外のN倍であるものとしたが、これに限るものではない。Nを整数とする必要もないし、他の条件としてもよい。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザがロール紙等の記録紙を、複数の給紙段のいずれかにセットする際、記録紙の使用履歴及び各給紙段における印刷位置までの搬送距離に基づいて、どの給紙段にセットすべきかを表示によってユーザに案内する。従って効率的な印刷を実行できる給紙段に記録紙をセットさせることが可能となる。
【0043】
また、以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム又は装置に供給し、それらのコンピュータ(CPUやMPU等)が格納されたプログラムコードを読出し実行しても本発明の目的は達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OS(オペレーティングシステム)に供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0044】
また、プログラムによって実行される処理の一部または全部をハードウェア(電気回路等)に置き換えても構わない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の給紙手段のいずれかにセットされた記録紙を、印刷位置まで搬送させて当該記録紙に画像を印刷させるための印刷制御装置であって、
記録紙のタイプ毎に使用量を判定する判定手段と、
前記判定手段で判定された記録紙のタイプ毎の使用量に基づき、使用量の多いタイプの記録紙を、前記複数の給紙手段のうち前記印刷位置までの搬送距離が短い給紙手段にセットさせるよう案内する情報を表示手段に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記判定手段で判定された記録紙のタイプ毎の使用量に基づき、使用量の多いタイプの記録紙を、複数の給紙手段にセットさせるよう案内する情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、操作者により記録紙のセットが指示された場合に前記情報を表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記複数の給紙手段のいずれかにセットされた記録紙を使い切った場合に前記情報の表示を行わせることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記判定手段は、予め決められた期間における使用量を判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
複数の給紙手段のいずれかにセットされた記録紙を、印刷位置まで搬送させて当該記録紙に画像を印刷させるための印刷制御装置の制御方法であって、
記録紙のタイプ毎に使用量を判定し、
前記判定された記録紙のタイプ毎の使用量に基づき、使用量の多いタイプの記録紙が、前記複数の給紙手段のうち前記印刷位置までの搬送距離が短い給紙手段にセットさせるよう案内する情報を表示手段に表示させることを特徴とする印刷制御装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の制御方法をコンピュータにより実行することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−1139(P2011−1139A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143527(P2009−143527)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】