説明

印刷制御装置及び方法、並びに記憶媒体

【課題】 オペレータによる印刷要求時の使い勝手を向上し、割り込み印刷が入ることなく印刷装置に連続印刷させることができる印刷制御装置及び方法、並びに記憶媒体を提供する。
【解決手段】 ネットワークを介してプリンタ11に接続されたホストコンピュータ9は、プリンタ11に送信するジョブデータに即座に印刷する指示がないときは、ジョブデータに付加するジョブ情報に「即座に印刷しない」との設定を行う一方、即座に印刷する指示があるときは、プリンタ11にジョブ情報が保存されているか否かの問い合わせを行った後、プリンタ11から返送されたジョブ保存情報を表示部に表示し、表示されたジョブ保存情報の中からオペレータにより複数のジョブデータを選択させると共に、ジョブ情報が付加されたジョブデータをプリンタ11に送信する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷制御装置及び方法、並びに記憶媒体に関し、特に、ジョブデータを記憶することが可能な印刷装置に接続する印刷制御装置及び方法、並びに記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷データ(ジョブデータ)等を記憶する記憶装置を有するプリンタに対してホストコンピュータから印刷要求を行う場合、プリンタにジョブデータを送信するだけで即座に印刷しないときは、ユーザ(オペレータ)がプリンタの側に行き、プリンタ上の操作パネル等で印刷したいジョブデータを選択し、必要に応じてパスワード等を入力して印刷出力する印刷制御方法が取られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の印刷制御方法では、オペレータがプリンタにジョブデータを送信するだけで即座に印刷しない場合は、オペレータがプリンタの側に行き、操作パネルを使ってプリンタ内の記憶装置に記憶保存されているオペレータ自身のジョブデータを検索して印刷すべきジョブデータを選択した後、パスワード等を入力してから印刷出力しなければならない。
【0004】また、オペレータが操作パネルを使って印刷したいジョブデータを複数選択して連続印刷要求を行う際、該プリンタに接続された他のホストコンピュータからの印刷要求による割り込みを受けると、連続印刷ができない可能性があった。このように、従来の印刷システムでは、オペレータにとって使い勝手に問題があった。
【0005】本発明は、オペレータによる印刷要求時の使い勝手を向上し、割り込み印刷が入ることなく印刷装置に連続印刷させることができる印刷制御装置及び方法、並びに記憶媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の印刷制御装置は、ネットワークを介して印刷装置に接続され、前記印刷装置との間でジョブ情報が付加されたジョブデータを送受信する印刷制御装置において、前記ジョブデータの印刷指示に即座に印刷する指示があるか否かを判別するジョブ印刷指示判別手段と、前記印刷指示に即座に印刷する指示がないときは、前記ジョブデータを前記印刷装置に送信して保存させるジョブ送信手段と、前記印刷指示に即座に印刷する指示があるときは、前記印刷装置にジョブ情報が保存されているか否かを問い合わせるジョブ問い合わせ手段と、前記ジョブ情報が保存されているときは、前記印刷装置から返信された前記ジョブ情報を表示するジョブ情報表示手段と、前記表示されたジョブ情報から印刷すべきジョブデータを選択するジョブ選択手段と、前記選択されたジョブデータ及び前記即座に印刷する指示があったジョブデータを前記印刷装置に一括して連続印刷指示するジョブ一括印刷指示手段とを備えることを特徴とする。
【0007】請求項2記載の印刷制御装置は、請求項1記載の印刷制御装置において、前記ジョブ情報表示手段は、前記保存されているジョブ情報のうち、未印刷の前記ジョブデータに付加されたジョブ情報を表示することを特徴とする。
【0008】請求項3記載の印刷制御装置は、請求項1又は2記載の印刷制御装置において、前記ジョブ情報表示手段は、前記ジョブ問い合わせ手段により得られたジョブ情報のうち、未印刷の前記ジョブデータに付加されたジョブ情報を表示することを特徴とする。
【0009】請求項4記載の印刷制御装置は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷制御装置において、前記表示されたジョブ情報から印刷するジョブデータを選択する際に、該ジョブデータの印刷順を指定する印刷順指定手段を備えることを特徴とする。
【0010】請求項5記載の印刷制御装置は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷制御装置において、前記選択されたジョブ情報に、前記印刷装置の連続印刷中の割り込み印刷を禁止する設定を行う割り込み印刷禁止手段を備えることを特徴とする。
【0011】上記目的を達成するために、請求項6記載の印刷制御方法は、ネットワークを介して印刷装置に接続され、前記印刷装置との間でジョブ情報が付加されたジョブデータを送受信する印刷制御装置の印刷制御方法において、前記ジョブデータの印刷指示に即座に印刷する指示があるか否かを判別するジョブ印刷指示判別工程と、前記印刷指示に即座に印刷する指示がないときは、前記ジョブデータを前記印刷装置に送信して保存させるジョブ送信工程と、前記印刷指示に即座に印刷する指示があるときは、前記印刷装置にジョブ情報が保存されているか否かを問い合わせるジョブ問い合わせ工程と、前記ジョブ情報が保存されているときは、前記印刷装置から返信された前記ジョブ情報を表示するジョブ情報表示工程と、前記表示されたジョブ情報から印刷すべきジョブデータを選択するジョブ選択工程と、前記選択されたジョブデータ及び前記即座に印刷する指示があったジョブデータを前記印刷装置に一括して連続印刷指示するジョブ一括印刷指示工程とを備えることを特徴とする。
【0012】請求項7記載の印刷制御方法は、請求項6記載の印刷制御方法において、前記ジョブ情報表示工程は、前記保存されているジョブ情報のうち、未印刷の前記ジョブデータに付加されたジョブ情報を表示することを特徴とする。
【0013】請求項8記載の印刷制御方法は、請求項6又は7記載の印刷制御方法において、前記ジョブ情報表示工程は、前記ジョブ問い合わせ工程にて得られたジョブ情報のうち、未印刷の前記ジョブデータに付加されたジョブ情報を表示することを特徴とする。
【0014】請求項9記載の印刷制御方法は、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の印刷制御方法において、前記表示されたジョブ情報から印刷するジョブデータを選択する際に、該ジョブデータの印刷順を指定する印刷順指定工程を備えることを特徴とする。
【0015】請求項10記載の印刷制御方法は、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の印刷制御方法において、前記選択されたジョブ情報に、前記印刷装置の連続印刷中の割り込み印刷を禁止する設定を行う割り込み印刷禁止工程を備えることを特徴とする。
【0016】上記目的を達成するために、請求項11記載の記憶媒体は、ネットワークを介して印刷装置に接続され、前記印刷装置との間でジョブ情報が付加されたジョブデータを送受信する印刷制御装置の印刷制御方法を実行するプログラムを記憶した読み出し可能な記憶媒体において、前記プログラムは、前記ジョブデータの印刷指示に即座に印刷する指示があるか否かを判別するジョブ印刷指示判別モジュールと、前記印刷指示に即座に印刷する指示がないときは、前記ジョブデータを前記印刷装置に送信して保存させるジョブ送信モジュールと、前記印刷指示に即座に印刷する指示があるときは、前記印刷装置にジョブ情報が保存されているか否かを問い合わせるジョブ問い合わせモジュールと、前記ジョブ情報が保存されているときは、前記印刷装置から返信されたジョブ情報を表示するジョブ情報表示モジュールと、前記表示されたジョブ情報から印刷すべきジョブデータを選択するジョブ選択モジュールと、前記選択されたジョブデータ及び前記即座に印刷する指示があったジョブデータを前記印刷装置に一括して連続印刷指示するジョブ一括印刷指示モジュールとを備えることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】図1は、本発明の実施の形態に係る印刷制御装置を備える印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【0019】図1において、本印刷システムは、印刷装置であるプリンタ11と、印刷制御装置であるホストコンピュータ9とから成る。ホストコンピュータ9は、プリンタ11にネットワークを介して接続されている。プリンタ11は、プリンタ本体1と、該プリンタ本体1に接続され、プリンタ本体1から受信した印刷データや画像データ等の印刷出力を行うエンジン部10とを備える。
【0020】プリンタ本体1は、マイクロコンピュータ等から成るCPU(Central Processing Unit)2と、CPU2のワークエリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)3と、画像データ等をエンジン部10に出力する画像出力部4と、プリンタ1全体の制御用プログラム等を記憶するROM5(Read Only Memory)と、ユーザ(オペレータ)による操作を受け付けたり、プリンタ本体1の状態表示等を行う表示部6と、ホストコンピュータ9からの印刷データ(ジョブデータ)を記憶する記憶装置7と、ホストコンピュータ9や外部装置等との通信を制御する回路から成る通信制御部8とを備える。
【0021】CPU2は、上述したRAM3、画像出力部4、及びROM5等にCPUバスを介して接続され、それら各部をROM5に記憶された制御用プログラムに基づいて制御すると共に、ROM5等に記憶されたプログラムを呼びだし、該プログラムに基づいて後述する図7R>7,図8の処理を行う。
【0022】RAM3は、フレームメモリ3aと、ページバッファ3bと、後述する図7のジョブ情報リストを記憶保存するジョブ情報リスト3cと、割り込み印刷禁止フラグがセットされる割り込み印刷禁止フラグ3dとから成る各記憶領域を備える。画像出力部4は、フレームメモリ3aに展開された画像データをエンジン部10に出力する。通信制御部8におけるインターフェース(I/F)には、双方向パラレルI/FやRS−232C、USB等のシリアルI/F、SCSI(Small Computer System Interface)、及び赤外線通信等が用いられる。
【0023】ホストコンピュータ9は、不図示のCPU、並びにメモリ(RAM、ROM)及びハードディスク等の記憶装置を備え、所定のオペレーティングシステム(以下「OS」という。)により動作する本体と、モニタ等から成る表示部と、キーボード、マウス等から成る操作部とを備え、CPUが記憶装置に記憶されたプログラムを読み出し、該プログラムに基づいて後述する図6R>6の処理を行う。オペレータは、ホストコンピュータ9によりネットワーク上の所望のプリンタ11にジョブデータを送信し、該ジョブデータによる印刷要求を行う。
【0024】次に、図1におけるホストコンピュータ9により実行される印刷制御処理を図2〜図4を参照して説明する。
【0025】図2は、図1におけるホストコンピュータ9により実行される印刷制御処理を示すフローチャートである。図2の印刷制御処理は、ホストコンピュータ9のCPUにより実行される。
【0026】図2において、プリンタ11に送信するジョブデータの印刷指示を受け付け(ステップS601)、該印刷指示に即座に印刷する指示があるか否かを判別する(ステップS602)。この判別の結果、印刷指示に即座に印刷する指示がないときは(ステップS602でNO)、図3に示す印刷付加情報40における印刷指示情報41に「即座に印刷しない」との設定を行い(印刷付加情報セット)(ステップS610)、ステップS611へ進む。図3に示す印刷付加情報40とは、ジョブデータをプリンタ11に送信する際、当該ジョブデータに付加されるジョブ情報である。また、印刷付加情報セットとは、ジョブ情報である印刷付加情報40に所定の指示を格納することであり、例えば、印刷付加情報40における印刷指示情報41に「即座に印刷する」又は「即座に印刷しない」という指示を格納することである。
【0027】次に、ステップS611では、ジョブ情報が付加されたジョブデータをプリンタ11に送信し、該プリンタ11にジョブデータを記憶装置7に保存させると共に、ジョブ情報をRAM3内のジョブ情報リスト3cに保存させ、本処理を終了する。ジョブ情報リスト3cは、後述する図7に示す形態でジョブ情報を保存する。
【0028】一方、ステップS602の判別の結果、ジョブデータの印刷指示に即座に印刷する指示があるときは(ステップS602でYES)、プリンタ11にジョブ保存情報を問い合わせる(ステップS603)。この問い合わせに対するプリンタ11から返信されたジョブ保存情報からプリンタ11にジョブ情報が保存されているか否か、即ちRAM3内のジョブ情報リスト3cにジョブ情報が保存されているか否かを判別する(ステップS604)。この判別の結果、ジョブ情報が保存されていないときは(ステップS604でNO)、プリンタ11に送信するジョブデータに付加されるジョブ情報に「即座に印刷する」との設定を行い(印刷付加情報セット)(ステップS609)、ステップS611以降の処理を行って、本処理を終了する。
【0029】一方、ステップS604の判別の結果、ジョブ情報が保存されているときは(ステップS604でYES)、プリンタ11から返信されたジョブ保存情報をホストコンピュータ9の表示部に図4に示す画面のように表示する(ステップS605)。表示されたジョブ保存情報は、ジョブ名称、送信日時、及びジョブサイズである。なお、表示されたジョブ保存情報は、未印刷のジョブデータのものであってもよい。
【0030】次に、ステップS601でオペレータにより印刷指示されたジョブデータの他に、表示部に表示されたジョブ保存情報から印刷すべきジョブデータがオペレータにより選択されたか否か、即ち印刷すべき複数のジョブデータが選択されたか否かを判別する(ステップS606)。この判別の結果、表示部に表示されたジョブ保存情報からオペレータによりジョブデータが選択されず、且つステップS601で印刷指示されたジョブデータのみを印刷するとき、即ち印刷すべき複数のジョブデータが選択されていないときは(ステップS606でNO)、ステップS609以降の処理を行って、本処理を終了する。
【0031】一方、ステップS606の判別の結果、表示部に表示されたジョブ保存情報から印刷すべきジョブデータがオペレータにより選択されたとき、即ち印刷すべき複数のジョブデータが選択されたときは(ステップS606でYES)、オペレータによる印刷環境情報の設定を受け付ける(ステップS607)。印刷環境情報の設定とは、オペレータの指示に基づいて印刷付加情報40の印刷指示情報41に「即座に印刷する」又は「即座に印刷しない」を設定したり、割り込み印刷禁止情報42に割り込み印刷許可/禁止を設定したりすることである。割り込み印刷禁止情報42とは、オペレータにより選択された複数のジョブデータをプリンタ11に割り込み印刷させることなく一括して連続印刷させるためのものであり、複数のジョブデータの連続印刷中に、プリンタ11に接続された他のホストコンピュータからのジョブデータの割り込み印刷を許可するか否かのフラグがセットされる。
【0032】また、ステップS607では、表示部に表示されたジョブ保存情報から印刷すべきジョブデータがオペレータにより選択された際、選択された複数のジョブデータをどのような順番で印刷するかの印刷順が設定される。なお、設定された印刷順の情報は、印刷付加情報40における印刷指示ジョブ情報43に印刷指示ジョブとして格納される。
【0033】ステップS608では、さらに必要な印刷付加情報40の設定を行い(印刷付加情報セット)、ステップS611の処理を行って、本処理を終了する。
【0034】本処理によれば、ジョブデータを即座に印刷しない場合は、該ジョブデータをプリンタ11に送信しておくことができる一方、即座に印刷する場合は、実際にジョブデータの印刷指示を行う際に、オペレータがプリンタ11側に行って印刷指示を行うことなくホストコンピュータ9から適切に指示するだけで、プリンタ11に保存されている既送信済みのジョブデータと共に、実際に印刷指示を行ったジョブデータを連続印刷することができる。
【0035】次に、図1におけるプリンタ11により実行される印刷処理を図5〜図8を参照して説明する。
【0036】図5は、図1におけるプリンタ11により実行される印刷処理を示すフローチャートである。図5の印刷処理は、プリンタ11のCPU2により実行される。
【0037】図5において、ステップS701では、ホストコンピュータ9から送られてきた情報の受信処理を行う。次に、受信した情報を解析してホストコンピュータ9からの要求は何かを判別する(ステップS702)。この判別の結果、ホストコンピュータ9からの要求がジョブ情報が保存されている否かの問い合わせであったときは、RAM3内のジョブ情報リスト3cに保存されているジョブ情報から、ホストコンピュータ9が問い合わせてきたホストコンピュータ9又はオペレータの識別コード(ユーザID)に対応するジョブ情報を検索する(ステップS703)。
【0038】次に、検索したジョブ情報に基づいてジョブ保存情報を作成し(ステップS704)、問い合わせてきたホストコンピュータ9に対してジョブ保存情報を送信し(ステップS705)、本処理を終了する。
【0039】ステップS702の判別の結果、ホストコンピュータ9からの要求が「即座に印刷しない」要求であるときは、受信したジョブデータに画像展開処理を行わず(ステップS706)、記憶装置7にジョブデータを記憶すると共に(ステップS707)、該ジョブデータに付加されたジョブ情報に基づいてジョブ情報リスト3cの更新処理を行い(ステップS708)、本処理を終了する。
【0040】ステップS702の判別の結果、ホストコンピュータ9からの要求が「即座に印刷する」要求であるときは、受信したジョブデータに付加されたジョブ情報から割り込み印刷禁止情報42や印刷指示ジョブ情報43等に設定されたものの確認を行う(印刷付加情報確認)(ステップS709)。なお、割り込み印刷禁止情報42に割り込み印刷禁止が設定されていた場合は、割り込み印刷禁止フラグ3dにONを設定する。また、印刷指示ジョブ情報43に即座に印刷しないというフラグが設定されていた場合は、RAM3内の所定の領域に図8R>8に示すジョブ情報リスト出力テーブルを作成する。ジョブ情報リスト出力テーブルは、ジョブ名称の他にジョブ情報リスト3c内にあるジョブ情報を一意に表わすジョブIDをリンク情報として有する。
【0041】次に、ホストコンピュータ9から要求されたジョブデータの印刷処理を行い(ステップS710)、図8のジョブ情報リスト出力テーブルに基づいてすべての印刷処理が終了したか否かを判別し(ステップS711)、すべての印刷処理が終了したときは、本処理を終了する。
【0042】図6は、図5のステップS710における印刷処理を示すフローチャートである。
【0043】図6において、ステップS801では、ジョブデータに付加されたジョブ情報である印刷付加情報40の割り込み印刷禁止情報42をチェックし、割り込み印刷禁止が設定されているか否かを判別する。この判別の結果、割り込み印刷禁止が設定されてないときは(ステップS801でNO)、割り込み印刷禁止フラグ3dをOFFしてステップS803へ進む一方、割り込み印刷禁止が設定されているときは(ステップS801でYES)、ステップS802で割り込み印刷禁止フラグ3dをONして割り込み印刷禁止フラグをセットし、ステップS803へ進む。
【0044】ステップS803では通常の印刷処理を行い、印刷が終了したときは(ステップS804でYES)、本処理を終了する。
【0045】上記実施の形態によれば、プリンタ11に送信するジョブデータに即座に印刷する指示がないときは(ステップS602でNO)、ジョブデータに付加するジョブ情報に「即座に印刷しない」との設定を行う一方、即座に印刷する指示があったときは(ステップS602でYES)、プリンタ11にジョブ情報が保存されているか否かの問い合わせを行った(ステップS603)後、プリンタ11から返送されたジョブ保存情報を表示部に表示し(ステップS605)、表示されたジョブ保存情報の中からオペレータにより複数のジョブデータを選択させると共に(ステップS606)、ジョブ情報が付加されたジョブデータをプリンタ11に送信するので、オペレータによる印刷要求時の使い勝手を向上し、割り込み印刷が入ることなくプリンタ11に連続印刷させることができる。
【0046】上記実施の形態では、プリンタ11がホストコンピュータ9から問い合わせ要求があった場合は、ジョブ情報リスト3c内のジョブ情報リストを検索してジョブ保存情報の作成、更新を行っているが、ジョブ情報リストが検索される度に更新する以外に、毎回記憶装置7内を検索する度にジョブ情報リストを更新させてもよい。また、上記実施の形態では、ホストコンピュータ9からの保存情報問い合わせに対してホストコンピュータ9又はオペレータの識別コードに関連するジョブ情報を検索していたが、その他の検索条件を用いる方法も考えられる。
【0047】上記実施の形態におけるプリンタは、複写機、ファクシミリ、又は複写機能やファクシミリ機能を備えた複合機であってもよい。
【0048】上述したCPU2内蔵のROMにMFP1内の各部の制御方法を記憶する代わりに、上述した実施の形態を実現する制御方法を実行するプログラムを記憶した任意の記憶媒体が、上述したMFP1に上記プログラムを供給し、ホストコンピュータ、CPU又は不図示のMPUのいずれか1つが上記プログラムを実行してもよい。上記プログラムを供給する記憶媒体としては、例えば、フレキシブルデイスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等がある。また、ホストコンピュータ、CPU又はMPUのいずれか1つの代わりに、これらと同様の作動をする不図示の回路が上述した実施の形態を実現してもよい。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1記載の装置、請求項6記載の方法、及び請求項11記載の記憶媒体によれば、ジョブデータの印刷指示に即座に印刷する指示がないときは、ジョブデータを印刷装置に送信して保存させ、印刷指示に即座に印刷する指示があるときは、印刷装置にジョブ情報が保存されているか否かを問い合わせ、さらに、印刷装置から返信されたジョブ情報を表示し、表示されたジョブ情報から印刷すべきジョブデータを選択し、選択されたジョブデータ及び即座に印刷する指示があったジョブデータを印刷装置に一括して連続印刷指示するので、オペレータによる印刷要求時の使い勝手を向上し、割り込み印刷が入ることなく印刷装置に連続印刷させることができる。
【0050】請求項2記載の装置及び請求項7記載の方法によれば、保存されているジョブ情報のうち、未印刷の前記ジョブデータに付加されたジョブ情報を表示するので、請求項1記載の装置及び請求項6記載の方法による効果を確実に奏することができる。
【0051】請求項5記載の装置及び請求項10記載の方法によれば、選択されたジョブ情報に、印刷装置の連続印刷中の割り込み印刷を禁止する設定を行うので、割り込み印刷が入ることなく印刷装置に連続印刷させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷制御装置を備える印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1におけるホストコンピュータ9により実行される印刷制御処理を示すフローチャートである。
【図3】ジョブデータに付加されるべき印刷付加情報40の概略図である。
【図4】図2のステップS605においてホストコンピュータ9の表示部に表示される画面の概略図である。
【図5】図1におけるプリンタ11により実行される印刷処理を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS710で実行される印刷処理を示すフローチャートである。
【図7】図1のプリンタ11のジョブ情報リスト3cに保存されるジョブ情報リストの概略図である。
【図8】図7のジョブ情報リストに基づいて作成されるジョブ情報リスト出力テーブルの概略図である。
【符号の説明】
1 プリンタ本体
2 CPU
3 RAM
3c ジョブ情報リスト
3d 割り込み印刷禁止フラグ
6 表示部
7 記憶装置
9 ホストコンピュータ
11 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ネットワークを介して印刷装置に接続され、前記印刷装置との間でジョブ情報が付加されたジョブデータを送受信する印刷制御装置において、前記ジョブデータの印刷指示に即座に印刷する指示があるか否かを判別するジョブ印刷指示判別手段と、前記印刷指示に即座に印刷する指示がないときは、前記ジョブデータを前記印刷装置に送信して保存させるジョブ送信手段と、前記印刷指示に即座に印刷する指示があるときは、前記印刷装置にジョブ情報が保存されているか否かを問い合わせるジョブ問い合わせ手段と、前記ジョブ情報が保存されているときは、前記印刷装置から返信された前記ジョブ情報を表示するジョブ情報表示手段と、前記表示されたジョブ情報から印刷すべきジョブデータを選択するジョブ選択手段と、前記選択されたジョブデータ及び前記即座に印刷する指示があったジョブデータを前記印刷装置に一括して連続印刷指示するジョブ一括印刷指示手段とを備えることを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】 前記ジョブ情報表示手段は、前記保存されているジョブ情報のうち、未印刷の前記ジョブデータに付加されたジョブ情報を表示することを特徴とする請求項1記載の印刷制御装置。
【請求項3】 前記ジョブ情報表示手段は、前記ジョブ問い合わせ手段により得られたジョブ情報のうち、未印刷の前記ジョブデータに付加されたジョブ情報を表示することを特徴とする請求項1又は2記載の印刷制御装置。
【請求項4】 前記表示されたジョブ情報から印刷するジョブデータを選択する際に、該ジョブデータの印刷順を指定する印刷順指定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項5】 前記選択されたジョブ情報に、前記印刷装置の連続印刷中の割り込み印刷を禁止する設定を行う割り込み印刷禁止手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項6】 ネットワークを介して印刷装置に接続され、前記印刷装置との間でジョブ情報が付加されたジョブデータを送受信する印刷制御装置の印刷制御方法において、前記ジョブデータの印刷指示に即座に印刷する指示があるか否かを判別するジョブ印刷指示判別工程と、前記印刷指示に即座に印刷する指示がないときは、前記ジョブデータを前記印刷装置に送信して保存させるジョブ送信工程と、前記印刷指示に即座に印刷する指示があるときは、前記印刷装置にジョブ情報が保存されているか否かを問い合わせるジョブ問い合わせ工程と、前記ジョブ情報が保存されているときは、前記印刷装置から返信された前記ジョブ情報を表示するジョブ情報表示工程と、前記表示されたジョブ情報から印刷すべきジョブデータを選択するジョブ選択工程と、前記選択されたジョブデータ及び前記即座に印刷する指示があったジョブデータを前記印刷装置に一括して連続印刷指示するジョブ一括印刷指示工程とを備えることを特徴とする印刷制御方法。
【請求項7】 前記ジョブ情報表示工程は、前記保存されているジョブ情報のうち、未印刷の前記ジョブデータに付加されたジョブ情報を表示することを特徴とする請求項6記載の印刷制御方法。
【請求項8】 前記ジョブ情報表示工程は、前記ジョブ問い合わせ工程にて得られたジョブ情報のうち、未印刷の前記ジョブデータに付加されたジョブ情報を表示することを特徴とする請求項6又は7記載の印刷制御方法。
【請求項9】 前記表示されたジョブ情報から印刷するジョブデータを選択する際に、該ジョブデータの印刷順を指定する印刷順指定工程を備えることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の印刷制御方法。
【請求項10】 前記選択されたジョブ情報に、前記印刷装置の連続印刷中の割り込み印刷を禁止する設定を行う割り込み印刷禁止工程を備えることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の印刷制御方法。
【請求項11】 ネットワークを介して印刷装置に接続され、前記印刷装置との間でジョブ情報が付加されたジョブデータを送受信する印刷制御装置の印刷制御方法を実行するプログラムを記憶した読み出し可能な記憶媒体において、前記プログラムは、前記ジョブデータの印刷指示に即座に印刷する指示があるか否かを判別するジョブ印刷指示判別モジュールと、前記印刷指示に即座に印刷する指示がないときは、前記ジョブデータを前記印刷装置に送信して保存させるジョブ送信モジュールと、前記印刷指示に即座に印刷する指示があるときは、前記印刷装置にジョブ情報が保存されているか否かを問い合わせるジョブ問い合わせモジュールと、前記ジョブ情報が保存されているときは、前記印刷装置から返信されたジョブ情報を表示するジョブ情報表示モジュールと、前記表示されたジョブ情報から印刷すべきジョブデータを選択するジョブ選択モジュールと、前記選択されたジョブデータ及び前記即座に印刷する指示があったジョブデータを前記印刷装置に一括して連続印刷指示するジョブ一括印刷指示モジュールとを備えることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2003−122523(P2003−122523A)
【公開日】平成15年4月25日(2003.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−312653(P2001−312653)
【出願日】平成13年10月10日(2001.10.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】