印刷可能なファスナ複合体
シート形態の複合体は、紙側と、ファスナフックの領域を有する側と、を有する。紙側は、表側のファスナフックのある側に印刷可能、書き込み可能または写真現像可能であるように形成される面を有する。弱いフック領域は、フック及びループ締結のために設計されていないループ面の上に軽量の紙を支持することができる。フックが属する選択された帯は、フックと干渉するか、またはフックを損傷する非フック領域における他の作業を行うことができる。複合体は、ディスプレイ、販売、広告または装飾に有用であり、標準的なインクジェットプリンタ及び他のプリンタによって容易に供給される。このようにして、画像は、コンピュータによって複合体上に取得及び転写される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
本発明は一般的に、ループまたは他のファスナ要素を解放可能に係合するように構成された雄ファスナ要素の配列を備えた複合タッチファスナ製品に関し、さらに詳細には印刷、写真及び他の表示を備えるためにそのようなファスナ製品の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷に関して、以下の用語が本願明細書では用いられる。「紙」なる語は、図画を描くために作製される繊維状の紙代替品及び非繊維状の紙代替品、例えば、米国ペンシルバニア州モンローヴィルのピー・ピー・ジー・インダストリーズ(PPG Industries(Monroeville,PA,USA))によるテスリン(Teslin)TMという、印刷または書き込みを受けて作製された面を有する「合成」紙を指す。「印刷紙」とは、印刷を受けるように設計された紙を指す。繊維状の紙の場合には、紙は一般に、繊維の所望の平坦性を作製するために、カレンダ処理される。「高品質」繊維状の印刷紙は、向上した表面仕上げを提供するためにコーティングされる。「印刷品質」は、紙上における元の画像の印刷再現性に関する。「良好な印刷品質」とは、ほぼ正確な複製を指す。「印刷可能」とは、図画情報、例えば英数字記号、図形、デザインまたは印刷によって形成される写真画像をはじめとする類似の目に見える形態を表すドットの印刷されたパターンを表す形態で印刷物質を受けて表示することができることを意味する。印刷物質は、流体インク、トナーなどの微粒子または製品の印刷可能な面に接着することができる転写物質を含みうる。「写真品質印刷可能」とは、プロセスカラー印刷(細かい、CYMKなどの異なる色の隣接するドット、例えば実質的に重なり合わないドット)を受けて表示することができる。用語は、アートワーク及び図面のほか、写真などの製品を網羅し、プリンタのX−Yトラバースによって印刷される製品のほか、製品がカットシートまたは連続長さの形態におけるシート材料のために蛇行または他の湾曲した経路を横断するプリンタによって印刷される製品を網羅することを広義に意図している。「書き込み可能」とは、流体インクボールペンなどの自由な形態の手書きまたは手書き印刷、またはグラフプロットをはじめとする図画情報のためのストリップチャートレコーダのスタイラスなどの制限された形態の書き込みを受けることができることを意味する。「写真における現像可能」または「写真現像可能」とは、写真を形成するために、例えば化学薬品によって露光して現像または写真印刷されることができることを意味する。
【0003】
「輝度」は、紙面から拡散反射される光の相対強度の測度である。紙の輝度は、印刷画像と印刷されていない紙面との間で得られるコントラストを左右する。「ドットゲイン」は、紙に塗布された紙の上のドットサイズの増大を百分率で表したものである。インクジェット印刷に関して、ドットゲインは、紙の上に噴射されるインク滴のサイズに対する紙の上に設定される増大した最終的なドットサイズを指す。「ドットサイズ」は、印刷材料の液滴の体積によって決定される。インクジェット用インクの場合には、液滴サイズは2ピコリットルほど小さくてもよく、紙の上の結果は、直径約13ミクロンのドットとなる。「光沢仕上げ」とは、紙からの鏡面反射を指す。紙シートは、歪みのない光の大部分を反射するとき、すなわち入射角が異符号の反射角に等しい反射であるときに高い光沢を有する。「艶消し仕上げ」とは、光の拡散反射、すなわちランダムな方向に散乱される光を生じる仕上げを指す。大きな割合の光を拡散する紙は、「艶消し」紙または「艶無し」紙と呼ばれる。拡散反射は一般に、さまざまな平面に向けられる紙面を形成する粒子によって生じる。「画像の鮮明さ」とは、紙の上に再現される物体の画像の線の真度及び縁の明瞭さを指す。「光吸収度」とは、紙面から反射されない光の量すなわち紙を透過する光の量を指す。「不透明度」とは、光の透過を防止する紙の能力を指す。印刷画像が「透けて見える」のを防止するために、高い不透明度が望ましい。「反射率」は、入射光量と比べた表面から反射される光量の比である。「表面色」とは、見る人によって認識される色を指し、紙によって吸収、透過または鏡面反射を受けない入射光の部分を指す。「表面仕上げ」は、表面粗さを形成する高さの差、すなわち表面の高い個々の凹凸と低い個々の凹凸との間のZ軸(紙面に対して垂直)における距離の範囲に関する。
【0004】
「樹脂コート紙」とは、紙面の上に押出されたまたは他の方法でコーティングされたポリマーコーティングを備えている紙を指す。樹脂コーティングは、光沢面を形成するために通常用いられる。「キャストコート紙」とは、ドラムの表面品質がコーティングの表面に配置されるように与えられるように、滑らかな回転乾燥ドラムに対して濡れたコート紙面の方を押し付けることによって滑らかな光沢面を作製するように設計された紙コーティングプロセスを指す。「機械供給」とは、プリンタによる紙の進行を指す。「紙厚」とは、ミル(1インチの千分の一)単位で表される紙の厚さを指す。「坪量」とは、所与のサイズの紙の500枚の連量を指す。シートのサイズは、消費者の種類による。例えば、米国において、商業新聞用紙(business papers)の所与の坪量は17インチ×22インチのシートサイズに基づいており、書籍用紙の所与の坪量は25インチ×28インチのシートサイズに基づいている。「剛性」は、湾曲したプリンタ供給路を介して進むときの、紙の曲げ抵抗に関する。「平面度」とは、紙が陥没または盛り上がりがわずかであるか、または全くない滑らかな水平面を呈する度合いを指す。「走行可能」とは、図画情報または他の正確な作用を受けることができるように十分に装置と基板の位置合せ精度を維持すると同時に、基板に作用する装置を介して進行することができることを意味する。
【0005】
「連続長さ」とは、印刷機または連続プリンタを走行すると同時に、印刷を受けることができるウェブ形態の製品のような連続長さを意味する。「カットシート」は、コンピュータプリンタによってスタックから供給されることができるシートなどのスタックの倍数単位で供給される一般に予め指定された寸法に切断されたウェブ形態の製品のシートである。「ノートシート」は、スタックまたはノートの倍数単位で供給されるような書き込み可能なカットシートである。
【0006】
「ファスナフック」または「フックファスナ」とは、例えば、Jフック、パームツリー型フックまたはマッシュルーム型フックなどの成形フック、後成形用フックのための予備成形物、適切に位置決めされる単一フィラメントステムに成形されるヘッド及び切断及び延伸技術によって成形されるフックをはじめとするフック・ループ(hook-to-loop)締結またはフック・フック(hook-to-hook)締結のための任意のフックを意味する。これは、1方向、2方向または多くの方向に面するフックを含む。「ミニフック」は、約0.015インチ(0.48mm)以下の高さのフックである。「マイクロフック」は、約0.010インチ(0.25mm)以下の高さのフックである。「サブマイクロフック」は、約0.008インチ(0.2mm)以下の高さのフックである。「成形ファスナフック」は、ファスナフックとして機能するのに十分な剛性を有する一般に熱可塑性樹脂のフック成形可能な組成物から成形されるフックである。「後成形ファスナフック」は、フックヘッドを形成するために付随する溶融流れ(メルトフロー)による加熱などによる予備成形物要素を後成形することによって成形されるファスナフック、または加圧成形または成形を伴う加熱によってまたはそれを同時に用いる加熱によって予備成形物要素の遠心端を再加工することによって成形されるファスナフックである。
【0007】
「印刷装置」とは、非接触印刷、接触印刷及び転写印刷をはじめとする紙フック複合体の紙側に印刷することができる任意の印刷装置を意味する。例としては、以下のもの、すなわちインクジェット印刷、静電印刷、フレキソ印刷(適切に弾性のある印刷面を用いる)、パッド転写印刷、スクリーン印刷及び凸版印刷(弾性のある印刷面などのフックを保護するための種々の接触印刷技術における適切な条件または複合体において提供される適切なクッション特性を用いる)が挙げられる。「ディジタル印刷装置」は、ディジタル形態またはアナログ形態のディジタルコンピュータによる制御信号に直接対応する印刷可能な製品への印刷を行うように構成された印刷装置である。「コンピュータプリンタ」は、印刷可能なカットシートが一般に約1.5インチ未満の曲げ半径のアーチ型の経路部分を含む印刷経路を通過するディジタル印刷装置である。「非接触印刷」とは、印刷可能な面を備えた印刷装置の物理的な接触を必要としない印刷技術を指す。「インクジェット印刷」とは、インクジェット印刷またはバブルジェット印刷のいずれかを意味する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、紙フック複合体シート製品は紙側及びフックファスナ側を有するように形成され、フックファスナ側はファスナフックの領域を有し、紙側は表側のファスナフックのある側に印刷可能、書き込み可能または写真現像可能であるように形成される面を有する。
【0009】
本発明のこの態様及び説明される別の態様によれば、フックは、例えば、Jまたはパームツリー型フック、マッシュルーム型フックなどの成形フック、適切に位置決めされる単一フィラメントステムまたは成形ステムに成形されるヘッド及び切断及び延伸技術によって成形されるフックなどの成形フックをはじめとするフック・ループ締結またはフック・フック締結のための任意のフックと定義される。フックの係合可能な部分は、1方向、2方向または多くの方向に面する。
【0010】
この態様の実施には、1つ以上の以下の特徴がある。紙側は、少なくとも40%の輝度を有する。紙側は、印刷可能であり、少なくとも200ドット/インチ(508ドット/センチメートル)または少なくとも600ドット/インチ(1524ドット/センチメートル)または少なくとも1600ドット/インチ(4064ドット/センチメートル)または少なくとも2400ドット/インチ(6096ドット/センチメートル)のインクドット密度を受けて、正確に表示するように選択される特性を有する。紙側は、4色を用いたプロセスによって印刷可能である。紙側は、印刷可能であり、50%以下のドットゲイン特性を有する。好ましい事例では、紙はカレンダ処理され、高品質印刷のために紙の印刷を受ける側がコーティングされる。
【0011】
本発明の別の態様によれば、紙フック複合体シート製品は、印刷可能な紙側及びフックファスナ側を有するように形成され、印刷可能側は、例えば4色印刷を受けることができる写真品質印刷可能であるように形成される特性を有する。
【0012】
この態様の実施には、1つ以上の以下の特徴がある。紙はカレンダ処理され、その印刷を受ける側がコーティングされる。紙側は、少なくとも80%の輝度を有する。紙側は、色ごとに少なくとも600ドット/インチ(色ごとに1524ドット/センチメートル)のインクドット密度を受けて、正確に表示するように選択される特性を有する。紙側は、20%以下のドットゲイン特性を有する。紙側は、少なくとも80%の不透明度を有する。紙側は、少なくとも60%の鏡面反射率の光沢仕上げを有し、好ましい事例では6マイクロインチ以下の表面粗さ(15.24×10−6cmの表面粗さ)を有する光沢仕上げを有する。
【0013】
本発明の別の態様として、2つの前述の態様の種々の製品は、多くの場合には「走行可能な」製品であり、すなわち、図画情報または他の正確な作用を受けることができるように十分に装置と製品の位置合せ精度を維持すると同時に、製品に作用する装置を介して進行することができる。
【0014】
この態様の好ましい実施には、1つ以上の以下の特徴がある。フック側のフックは、0.025インチ(1.27mm)未満の高さを有し、0.020インチ(0.508mm)未満なら好ましく、良好な印刷品質のためには約0.005インチ(0.127mm)〜0.010インチ(0.254mm)の高さである。紙側は個別の層であり、フックは0.005インチ(0.127mm)の最大厚さを有し、多くの場合には、0.003インチ(0.076mm)未満であることが好ましい一体の裏打ち層を有する。フック側のフックは平方インチ当たり約100〜7500個のフックがあるフック密度(平方cm当たり15.5〜1162.5個)を有する。フック側は、約15,000〜60,000ポンド/平方インチ(psi)(1.03421e+08〜4.13685e+08パスカル)であり、一部の好ましい事例では約30,000psi(2.06843e+08パスカル)の曲げ弾性率を有する熱可塑性樹脂から形成される。フック側は、フィルムグレードの低密度ポリエチレンを含む。印刷可能な紙側は、約0.003インチ(0.0762mm)〜0.015インチ(0.381mm)の厚さを有する個別の予備成形紙層によって定義される。印刷可能な紙側は、22インチ(55.88cm)×17インチ(43.18cm)の500枚のシートの連量を基準にして、約18ポンド(8.16466kg)〜90ポンド(40.8233kg)の坪量を有する個別の予備成形紙層によって定義される。
【0015】
さらに、印刷可能な紙側は、フック側と接合する前、ガーレイ剛性試験によって測定した場合、200mg〜3000mgの剛性を有する。複合体製品は、フックの成形の縦方向においてガーレイ剛性試験によって測定した場合、約100mg〜1500mgの剛性を有する。製品は、紙の縦方向においてガーレイ剛性試験によって測定した場合、約100mg〜2500mgの剛性を有する。紙フック複合体の全厚(総厚)は約0.035インチ(0.889mm)以下であり、多くの場合には約0.030インチ(0.762mm)以下または0.025インチ(0.635mm)であることが好ましい。複合体製品は、その紙側を上にして平面上に置く場合には、製品の任意の部分がカールせず(上に丸まらず)、平面から約1.5インチ(3.81cm)以下の高さである特徴を有する。複合体製品は、デスクトップ型インクジェットプリンタによって供給するために、約1.5インチ(3.81cm)未満の曲げ半径を中心にして曲げることができる。インクジェットプリンタによって供給するために、約0.8インチ(2.032cm)未満の曲げ半径を中心にして弾性曲げすることができる曲げ特性を有することが好ましい。
【0016】
複合体の紙側を含む材料の裏は、印刷前にフックの領域に密接に接合されることが好ましく、接合はフック自体に直接であってもよく、または1層以上の介在層を介してもよい。この態様の実施において、製品は、紙フック積層品または現場積層品を含む。
【0017】
種々の態様の製品は、ディジタル印刷装置によって印刷されることができるように選択される特性またはコンピュータプリンタによって印刷されることができるように選択される特性、特殊な場合には現場紙フック積層品を含むか、または非接触印刷を行うことができるように選択される特性またはインクジェット印刷を行うことができるように選択される特性またはインクジェット型の非接触印刷を行うことができるように選択される特性を有する。
【0018】
紙側を印刷可能にした種々の実施において、紙側は、インクジェット印刷を受けるように選択される特性のキャストコーティングを有し、好ましい事例では、キャストコーティングは、300秒/100cc以下の通気性、すなわち自由に移動する内部シリンダの負荷(567±1.0g)の下で100mlの空気がサンプル紙の645mm2を300秒以下で通過する。
【0019】
製品は、連続長さ製品またはカットシート製品、特に、カットシートの印刷可能な製品、例えば長さ11インチ(27.94cm)及び幅8.5インチ(21.59cm)または他の標準的な紙サイズに切断されるシートを含みうる。
【0020】
本発明の別の態様は、任意の数の上述の製品を提供し、選択された印刷装置によって製品を印刷することができるプロセスである。好ましい実施において、印刷装置は、ディジタル印刷装置または非接触印刷によって印刷する印刷装置またはコンピュータプリンタまたはインクジェットプリンタである。ある実施において、紙フック複合体は連続長さの印刷可能製品であり、印刷は連続長さを印刷するように進むことが有利である。他の事例では、紙フック複合体はカットシートの印刷可能製品であり、その結果、印刷される。
【0021】
本発明の別の態様は、紙に対する所定の経路を定義するロールを有するプリンタと共に用いるためのフックファスナ側のフックの複数の帯を含む製品であり、フックの帯が所定の経路からずれ、少なくとも2本の帯のフックがある製品である。これらをはじめとする他の事例では、フックの帯は、複合体の対向する長手方向のマージンに沿って位置決めされる。
【0022】
本発明の別の態様は、紙の一方の側または両側の選択された位置にのみフックを支持する紙フック複合体である。
【0023】
この態様の実施には、1つ以上の以下の特徴がある。
【0024】
紙には依然として、紙の両側の選択された領域にフック成形樹脂がない。フックは、フックを成形する縦方向における1つ以上の連続帯に位置決めされる。帯または複数の帯は、完成した製品の長手方向のマージンに沿って位置決めされる。フックの1つ以上の帯は、比較的広いシートの縁から内側に離隔される少なくとも1つの位置を含む、成形を伴う選択された位置で形成され、紙フック複合体はスリット縁の2つの部分のカットエッジに帯を設けるために、帯でスリットが入れられる。紙は、フックが位置決めされる位置以外の紙の領域におけるフックの成形を伴う作用を受ける。作用は印刷であり、フックは、印刷が行われない縦方向の領域に位置決めされる。1つの事例では、印刷は、紙の両側で支持するシリンダによって行い、シリンダはフックが印圧を受けないようにそのゾーンに関して対応する領域において解放される。印刷の圧力は、フックが損傷を受ける圧力を超える。フックは、35,000psi(2.41316e+08パスカル)または30,000psi(2.06843e+08パスカル)または25,000psi(1.72369e+08パスカル)未満の曲げ弾性率である。印刷は、剛性または非弾性(非コンプライアント:non−compliant)ロール面を用いて行われる。フックは、所望の最終用途に対応するドットまたはパッチに位置している。
【0025】
場合によっては、製品は、フックファスナ側を連続的に覆うフックの領域を含む。
【0026】
本発明の別の態様は印刷可能な紙フック複合体であり、個別のフックが意図的に弱く、個別に容易に係合されているループ、特に装飾的な織壁紙などのループファスナ構成要素として機能するように設計されていないループから解放可能である。一般にそのようなフックは、広い領域にわたって高い密度に含まれるため、総合効果によって物体が確実に固定される。実施には、1つ以上の以下の特徴がある。すべてが同一方向に面するJフックが選択される。フックは、例えば、35,000psi(2.41316e+08パスカル)または30,000psi(2.06843e+08パスカル)未満の弾性率である低い曲げ弾性率の樹脂から構成される。実際には、設計及び作成方法に応じて、25,000psi(1.72369e+08パスカル)または15,000psi(1.03421e+08パスカル)程度の低い弾性率の値が使用可能であることが分かっている。同様に、特定の条件に関して、選択されるフックのサイズ及び係合形状にも応じて、フックの密度も同様に、製品が適用される任意の面の崩壊を最小限に抑えるために、本願明細書に記載される最大値未満に維持されてもよい。
【0027】
本発明の別の態様は、ファスナ積層品材料を作製する方法を特徴としている。この方法は、キャビティの配列を画定する成形ロールの面に隣接して画定される間隙に溶融樹脂を導入することを含み、間隙内の圧力が樹脂をキャビティの中に押し込み、樹脂のシートから一体に延在し、材料の予備成形シートに樹脂のシートを永久に積層するステムの配列を成形するようになっている。この方法は、積層品材料において樹脂に接合されるとき、予備成形シートの広い側が露出され、予備成形シートの露出側は、その上に印刷または書き込み、またはその上に写真画像を現像するのに適した面を有することを特徴とする。
【0028】
本発明の別の態様は、印刷可能、書き込み可能または写真現像可能な紙側及びフックファスナ側を有する紙フック複合体製品に、材料を提供し、そのために材料を加工することを含む製品を成形するための作製プロセスである。
【0029】
これらの態様の実施には、1つ以上の以下の特徴がある。予備成形紙は、印刷可能、書き込み可能または現像可能な側及び表側を有するように形成し、表側に直接的または間接的にファスナフックの層が塗布される。また、ある事例では、フックは、紙に対してフックを現場で積層する間に形成されるか、またはファスナフックの層が予備成形され、予備成形紙層の裏に積層される。
【0030】
場合によっては、予備成形紙層及び予備成形フック層が形成され、層は紙層、フック層または両方の層の裏に接着材料を加えることによって接合される。本発明の別の態様は、フォームの形で加える接着材料を提供する。
【0031】
本発明の別の態様は、積層中に、接着材料を提供するためにフォーム厚さの一部が溶融され、最終的な製品に緩衝効果を提供するためにフォーム厚さの一部が維持されるプロセスである。別の態様は、フックに紙層を接合し、しかる後にそれを印刷可能、書き込み可能または現像可能にするために紙層に処理を施すことを含み、場合によっては処理には感光性組成物を塗布することを含む。
【0032】
本発明の別の態様は、そのような製品に有用な紙基板を形成し、好ましくは現場での積層によって、紙またはコート紙の裏にフックの領域を塗布し、しかる後に紙を写真現像可能にするコーティングを施すことによって基板を暗い所で加工することを含む写真などの写真現像可能な紙を作製するプロセスである。
【0033】
本発明の別の態様は、紙フック複合体を含むノートシートである。この態様の実施には、1つ以上の以下の特徴がある。複合体は、紙フック積層品であり、好ましくは現場積層品である。フックは、約0.025インチ(0.635mm)以下の高さを有する。前述の態様と同様に、多くの場合には、フックはミニフックまたはそれより小さく、すなわち約0.015インチ(0.48mm)以下の高さを有する。フックはマイクロフックまたはそれより小さく、すなわち約0.010インチ(0.25mm)以下の高さを有する。フックはサブマイクロフックまたはそれより小さく、すなわち約0.008インチ(0.2mm)以下の高さを有する。フックファスナ側はフックの少なくとも1つの領域を含み、その領域ではフックは延在する領域に沿って平方インチ当たり少なくとも100個のフック(平方センチメートル当たり15.5個のフック)の密度を有する。
【0034】
本発明の別の態様は、コンピュータによって画像にアクセスすることによってコンピュータによる画像を調整するか、または例えばタイピングまたはアートワーク、または画像の走査によってコンピュータ上で画像を調整することを含む印刷対象を調整し、次に、ディジタル画像をインクジェットプリンタに指向し、ファスナフックによって裏打ちされる印刷可能な紙上に画像を印刷する方法を特徴としている。
【0035】
本発明の種々の態様の1つ以上の実施の詳細が、添付図面及び以下の詳細に記載される。本発明の他の特徴、目的及び利点は、詳細及び図面、請求項から明白となるであろう。
【0036】
種々の図面における類似の参照符号は、類似の要素を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
詳細な説明
図1〜図1Cを参照すると、本発明の種々の態様は、印刷紙料、例えば紙及びフック材料の現場積層品として形成されるシートのスタック14に関する。そのような積層品における印刷紙の接合されていない側の吸収特性及び接着特性は、印刷中に裏にフックがあるにもかかわらず、印刷に関して大きな有用性を有することが分かっている。適切なグレードの紙を選択することによって、複合体の形成の後に、上質で正確な印刷を実現することができる。例えば、ホームコンピュータのインクジェットプリンタで写真品質であっても紙フック積層品を印刷することができること、または実際には紙は写真現像可能(写真印刷可能)であってもよいことが分かっている。例えば、約0.015インチ以下の高さのフックの配列に関して、例えば壁紙グレードの紙を用いて、紙を裏打ちした積層品はホームコンピュータプリンタ、例えばキヤノン(Canon)TM「バブルジェットプリンタ(Bubble Jet Printer)」を容易に通過することができることは注目すべき知見である。必要に応じて所望のデザインまたはコンピュータにダウンロードされたデザインによって、フック材料における画像及び図画の望ましい品質を実現することができる。したがって、積層品は、例えば、広告の形としてドッグフードまたはベビーフードの供給業者が広告主の犬用マットまたは幼児用床マットの広告主によって顧客にアクセス可能であり、インターネットを介してダウンロード可能なデザインにすることができる。インターネットによるダウンロードのデザインを材料から切り離して、個人専用のものにする効果のために貼り付けてもよい。
【0038】
次に図7を参照すると、ホームコンピュータ2が描かれており、インターネットと通信を行い、PCまたはラップトップなどのホームコンピュータ2と共に動作するのに適しているホームインクジェットプリンタ4に出力する。紙8及びフック材料10の積層品6はコンピュータによる印刷が可能であり、例えばきわめて装飾的で色彩豊かな人形の服がホームコンピュータ2のコンピュータプリンタ4によって印刷される。同様に、小さなサイズの型紙(またはインクジェット製図用プリンタ上でより大きなパターン)を印刷し、ピンなどを用いることなく布の上に係合してもよい。これは、縫製者及びアパレル業者の両方によって有用である。ペットショップは、所有者または飼い主にデザインを伝えてもよい。例えば、ペットショップは名札及び実際にペットの写真であってもよいペットの鑑札を考案してもよい。この鑑札は、コンピュータによってインターネットを介してダウンロードされ、ホームインクジェットプリンタによってフック材料の紙面122上に印刷されてもよい。マットまたは動物を個人専用のものにするために、これらのデカール(移し絵:デカルコマニア)を切り取って、マットの上に配置することができる。また、その上に印刷されたループ材料から形成されるマットの上でフックを備えたペットの食器は安全に留まり、ペットが動いてもひっくり返らないことが分かっている。
【0039】
図8を参照すると、説明された現場における方法で、フック材料に積層される紙を含むデカール36、38、40及び42を見ている自動車の後部座席にいる幼い子供が描かれている。そのようなデカール36、38、40及び42を、所有者のコンピュータで描いてもよく、またはインターネットによって友人または他のソースから入手して、図7Aに示されているように、材料上に印刷し、切り抜いて、幼児または幼い子供に提供して、ドライブ中、子供の注意をひきつけたり楽しませたりしてよい。多くの自動車の天井は、ループ材料から構成されており、記載したような紙フック積層品のフックによって容易に係合可能である。
【0040】
フックによって裏打ちされた性質を有するカラープロセス印刷可能な紙の別の用途は、腕輪、ブローチ及び他の身体装飾品または衣装、または手荷物及びバックパックに対する用途であり、これらはループの領域を保持し、ユーザ(幼児、小学生、ティーンエージャ、祖父母)はカメオの写真などをその領域に取付けることができる。例えば、友人の顔などのインクジェットによる写真再現写真を廉価な紙ループリストバンドに取付けてもよい。同様に、例えば、永久ループの領域を備えた野球帽の衣装の一部は、例えば、少年のために軍隊の階級、ボールチームのロゴなどの自身の設計のフックに裏打ちされたインクジェット印刷されるバッジを受けてもよい。
【0041】
図9を参照すると、シート19は、多数の個別のフック20と、合成樹脂から一体形成される一体の裏打ち層22から構成されるフック側10を有する。フック20の隣接する列は、対向する方向に面している。フック20の高さはt3であり、裏打ち層22の厚さはt2である。積層品シート19はまた、厚さt1の印刷紙8を備える。図9によって示される1つの実施において、フックまたは「ミニフック」は、ベルクロ・ユー・エス・エー・インコーポレイテッド(Velcro USA Inc.)からフック#29として市販されている。この実施例では、t3は0.0152インチであり、ミニフックの密度は平方インチ当たり567個のフックであり、裏打ち層の厚さt2は0.002インチであり、紙はテキサス州ダラスのレッド・リバー・ペーパー(Red River paper)TM(Dallas,TX)から「プレミアム・グロス(Premium Gloss)68#」として市販されており、0.010インチの厚さt1を有する。
【0042】
ループを損傷から保護するための好都合な取付けでは、例えば図1Aに示されているように、1つの方向に面するJ字型のフックが用いられる。このようなフックは印刷される物質に対して配置され、垂直面または傾斜面(図画情報を適切な方向に向ける)の上に配置されると、フックの屈曲部の先端が下向きであるためループに係合し、紙フック複合体を支持するようになっている。
【0043】
図4及び図5は、垂直壁面31に掛けられている紙フック複合体を示している。フックに裏打ちされた紙の解放は、壁に沿って紙フック複合体をはがすことによって簡単に行われることが分かる。ループからのフックの屈曲部のこの解放は一般に、ループの損傷がない。さらに、領域にわたるフックの数を制限し、フックを比較的弱い(低い曲げ弾性率)樹脂から作製し、適切なフックデザインによって、壁のほぼ任意の面上に紙フック複合体を支持し、非常に高いかまたはループの多い面を図らずも有し、損傷を与えることなく着脱可能に解放されるようにするのに適したフックが形成される。これは、フック構成要素として機能するように設計されていないループの多い面から紙物体を吊り下げる場合に、重要な考慮事項である。
【0044】
複合体材料を形成するために、印刷可能な紙が好ましい。積層によって、紙の裏面に多数のフック形のファスナ突出部を設けることができる。好ましい実施において、この目的のために、その周囲に画定される内部に延在し、固定される突出部を形成するキャビティを有する冷却した回転成形ロールが設けられる。成形ローラの外側に、キャビティを充填するために溶融プラスチック材料が塗布され、突出部のそれぞれが個別に、または共通のベース層によって紙に積層されるようになっている。キャビティから成形される突出部を引き出すことを含むステップにおいて、積層品が成形ロールから引き出される。突出部が最終的なファスナフックの構成要素となってもよく、またはファスナフックを形成するための次の処理を受ける要素を予備成形してもよい。
【0045】
例えば、紙は、米国特許第5,260,015号明細書(本願明細書に参照によって援用されるものとする)においてケネディ(Kennedy)らによって教示されるように、紙に直接接合するために、フック材料のベースを形成する樹脂の層を用いて、現場で積層されてもよい。図10に示されているように、溶融プラスチック93がニップに入ると同時に、連続長さの紙90は成形ロール600と圧力ロールとの間のニップ96に供給される。したがって、この紙は連続するフック裏打ちを備えるように形成され、紙はファスナ樹脂によって複合体構造の一体部分となるように、フックファスナを用いて密接に接合される。プロセスの終わりで、プラスチック裏打ちを備えた連続長さの紙は、供給ロール95に巻き取られる。突出部が完全に形成されるフックとして成形される場合には、これにより作製プロセスを完了することができ、スタックは直列であるかまたは図1のように後にシートに切断されスタックされる、またはロールに巻き取られるかまたは後に印刷紙料のロールに再形成されるかのいずれかである。この本文の後半において、成形される予備成形物の再形成について記載される。このステップもまた、直列または次の作業として行われることができる。
【0046】
他の用途は、例えば、紙フック積層品の紙側におけるコーティングなど熱感知材料を必要とする可能性がある。図10の現場プロセスによる作製中に、そのようなコート紙の面は、圧力ロールの冷却面と係合されるため、ニップの通過及びフック層の積層中、温度変化から保護される。
【0047】
現場積層の別の実施例は、村崎らの米国特許第5,441,687号明細書に示されている。図11を参照すると、押出成形ノズル602の上半分の前端面に、その曲線がダイホイール600(成形ロール)の曲線を反映する上部アーチ面604があり、ノズル602の下半分の前端面に、その曲線がダイホイールの曲線を反映する別の下部アーチ面606がある。印刷紙90が導入されるガイドチャネル608が、押出成形ノズル602の下半分に形成される。後部圧力ローラ610が、樹脂に紙90を接合するために、押出成形ノズルから押し出される溶融樹脂のシートの間に圧力を印加する。
【0048】
したがって、動作において、押出成形ノズル602から押し出される溶融樹脂は、ダイホイール600と下部アーチ面606との間の間隙に押し込まれ、フック金型キャビティを充填し、一定の厚さ及び幅のベース層を形成する。この成形プロセスが行われると同時に、紙90が押出成形ノズル602中の裏打ち材料ガイドチャネル608を通って誘導され、共に確実に接合するために、後部圧力ローラ610によって溶融ベース層の面に対して押し付けられるため、紙が樹脂によって確実に保持される。現場積層のまた別の実施形態において、紙はプロセスにおいてさらに後に導入されるが、フックは金型キャビティ内で保護される位置に依然としてある。そのような事例において、圧力ロールによるループ材料の印加の直前に、補足的な面の加熱が樹脂に印加されてもよい。
【0049】
図1に戻って参照すると、シート6のスタック14は、販売可能な製品を形成する。スタック14は、入れ子状の箱に50〜100枚のシートの量で包装されてもよく、またはチップボードの封筒に5〜50枚のシートの量で包装されてもよい。包装の他の有用な形態は、紙袋及び紙包である。シート6は、幅Wが5インチ〜11.75インチの範囲であり、長さLが5.75インチ〜17インチの範囲である標準的な紙サイズに切断される。別の実施において、紙フック積層品は、手書きの注意に入るために用いられてもよい。そのような実施の場合には、紙フック積層品6のシートは、幅Wが1.5インチ〜5インチの範囲であり、長さLが2インチ〜8インチの範囲である標準的なパッドサイズに切断される。各シート6は、一方の側に完全に遮られない印刷可能な面8と、他方の側を完全に覆うループ係合可能なフック10の領域と、を有する。特に、紙フック積層品6のシートは、インクジェットプリンタ4によって個別の供給するために、予め指定されたシート寸法に切断される。所与のプリンタに関する特定の変数に注意することによって、プリンタは、面8の上に印刷を行い、インクジェットプリンタ4を用いて進め、位置合せを維持し、シートに転写される高品質の図画情報を有するか、または行われる他の正確な作用を有することができるようになっている。
【0050】
周知であるように、インクジェットプリンタは、画像を形成するために、紙の上にインクの小さな液滴を配置する。デスクトッププリンタによって形成されるドットは非常に小さく(場合によっては、直径約50〜60ミクロン)、非常に小さいため、人間の髪の毛の直径(70ミクロン)より小さいこともある。ドットは、2400ドット/インチ(dpi)または4800ドット/インチ(dpi)以上の解像度できわめて正確に位置決めされる。インクジェットプリンタのドットは、異なる色であることが多く、いわゆる4色プロセスのように、写真品質画像を形成するために、密接に隣接し、共に結合されてもよい。
【0051】
上述のフックに裏打ちされた紙の場合には、印刷可能な面8は、図画情報を表すインクジェット印刷、例えば英数字のシンボル、絵、デザインまたは類似の視覚的な形態を表す印刷パターンを受けてもよい。印刷紙または他の裏打ち材料は、シアン、黄、マゼンタ及び黒(CYMK)などの異なる色の実質的に重ならないドットを用いて、プロセスカラー印刷を受けて表示することができる面8を提供するように選択される。印刷可能な面8は、シート材料の場合には、プリンタのX−Yトラバースのほか、蛇行または他の湾曲した経路を画定するプリンタによって印刷されることができる。
【0052】
紙の裏にあるフック10は、例えば、上述したように、成形フック、成形される予備成形物の上に後成形されるフックをはじめとするフック・ループ締結またはフック・フック締結用である。他の事例では、ヘッドは適切に位置決めされる単一フィラメントステムに成形されてもよく、または切断及び延伸技術によって成形されるフックを用いてもよい。フック10は、フック成形可能な組成物、フック締結を可能にするほど十分な剛性を有する一般に熱可塑樹脂からなる。
【0053】
図2、図2A、図3及び図3Aは、本発明による印刷可能なシートが適合しうる異なる供給経路を有するインクジェットプリンタを示している。プリンタ12は後部から始まる紙供給経路14’を有し、プリンタ16は下から始まる紙供給経路18を有する。1つの実施において、プリンタ12によって印刷される紙フックシート6は、110°の角度及び0.625インチの曲げ半径で通過する。別の実施において、プリンタ14によって印刷される紙フックシート6は、180°の角度及び1.0インチの曲げ半径で通過する。
【0054】
図4〜図6を参照すると、印刷可能な紙フック複合体製品の種々の用途が、オフィスの小部屋23で見つかる。オフィスの小部屋23は、フック係合可能なループを有する繊維で覆われた壁36を備えている。コンピュータ2は、グリーティングカード、お気に入りの車、電話帳及び写真のディジタル画像をメモリに保持している。小部屋の左の壁にあるグリーティングカード26、車28、電話帳30及び印刷された4色の写真32を作成するために、これらの記憶された画像は、プリンタ4を用いて、異なるサイズの印刷可能な紙フック複合体製品6の上に印刷される。次に、これらの印刷された紙フック複合体シートは、繊維で覆われた壁36上のループに対して紙フック複合体シート6のフック側10にあるフックファスナ20を軽く押し付けることによって壁36に容易に取付けてもよい。しかし、ファスナ技術用語では、このような小部屋の被覆物の比較的大きなループと、プリンタにとって使いやすい小さなサイズのフックとの間には不一致があり、係合されるループを見つけるためにセットの中にあるきわめて多くのフックに対して統計的には多数の機会があることから、適切なフック係合が行われることが分かる。図6に示されているように、ノートパッド25の形をとった紙フック複合体シートのスタックの一番上のシート24に字が書かれ、備忘録として小部屋の壁に貼り付けてもよい。
【0055】
同様の原理を受けて、チップボードに積層されたフック係合可能な軽量のループ材料と用いて、掲示板を形成してもよい。ループ材料は、連続接着層によってチップボードに接着される。永久的な印刷またはデザインが材料に含まれていてもよい。紙フック複合体シート上の印刷される画像または他のメッセージは、フックファスナによってループ材料に着脱可能に取付けられる。
【0056】
図4に戻って参照すると、右壁36には、オフィスの小部屋の占有者の趣味に合わせて選択されたデザインを備え、従来の壁紙印刷機によって印刷された従来幅の壁紙のフックに裏打ちされた細片31がある。これは、壁の永久ループ繊維に着脱可能に固着される。占有者が移動するときに、壁から容易に剥ぎ取って、移動して別の小部屋の壁に再度取付けてもよく、第1の小部屋の新しい占有者の趣味に合わせて新しい細片を壁に飾ってもよい。
【0057】
印刷可能な紙フック複合体材料の有用性は、オフィスまたは家の標準的なインクジェットプリンタに対して印刷適性及び走行性を供給することによって拡張される。上記で画定したように、印刷適性は、印刷可能な媒体が印刷画像を受け入れて表示することに対する忠実性を指す。特定の目的のための印刷適性を画定する物理特性は、反射率、ドットゲイン、表面粗さ及び不透明度である。上記で説明したように、上述の現場積層のプロセスが、印刷可能な媒体の裏にファスナまたはファスナ予備成形物を付着する間、紙の最初に選択された特性を実質的に維持することが分かっている。
【0058】
このことは、写真品質画像を表示するための紙の選択の場合においても言えることが分かっている。そのような実施は、非写真品質の4色印刷用に設計された実施よりも高い反射率及び低いドットゲインを有する。紙フック複合体シートにおける写真品質の4色印刷の場合には、一般に、紙側は少なくとも80%の輝度及び20%以下のドットゲインを有する必要がある。これにより、例えばインクジェットプリンタを写真画像の忠実な表示によって色ごとに少なくとも2400ドット/インチで紙側に印刷することができる。紙フック複合体シートにおける非写真品質印刷の場合には、紙側は依然として、少なくとも40%または60%の輝度及び50%以下のドットゲインを有するものとする。インクジェットプリンタに相当良好な品質で印刷させることができるようにするために、合わせて200ドット/インチまたは2400ドット/インチを用い、効果的な印刷のための繊維状の紙は一般に漂白した紙料を用い、平滑面を形成するためにカレンダ処理される。一般に、これらの紙はまた、白土または他の鉱物顔料の水溶性混合物によってコーティングされ、顔料結合剤として天然ポリマーまたは剛性ポリマーを用いる。インクジェット印刷の場合には、一般に、そのような紙は、80%以上の輝度を有する。
【0059】
写真品質の4色画像用に設計された実施は、写真画像を強調するために、紙側に光沢仕上げコーティングを有することが望ましいことが多い。光沢仕上げは、鏡面反射によって測定される。この目的のために、紙には、樹脂コーティングまたはキャストコーティングが施される。上述のように、樹脂コーティングは紙面に押し出され、光沢面を形成するように設計されるポリマーコーティングであり、キャストコーティングは滑らかな熱い乾燥ドラムに対して濡れたコート紙を押し付けることによって、滑らかな光沢面を形成するように設計される紙コーティングプロセスであり、プロセスにおいて、ドラム面の滑らかさが紙面に与えられる。
【0060】
これらすべての事例において、紙の選択された特性は、上述した現場プロセスを通じて実質的に維持されることが分かっている。印刷可能な媒体の印刷適性は、印刷可能な媒体に印刷される試験画像を調べることによって主観的に測定されてもよい。
【0061】
走行性は、上記で画定したように、印刷可能な紙フック複合体材料が印刷されるためにプリンタにどのようにうまく供給されるかを示す測度である。印刷可能なシートの走行性に影響を及ぼす物理特性は、特に剛性及び厚さである。十分に理解され、容易に適合されるように、平面度または無屈曲性、坪量及び他の要因もある程度影響を及ぼす。
【0062】
剛性は、紙を曲げるために必要とする力の量に関し、ガーレイ剛性試験を用いて測定することができる。紙フック複合体の全厚は、特に複合体の剛性に影響を及ぼすが、所与の紙経路を通過することができるように制限される必要もある。一般的には0.025インチ未満の高さであり、好ましくは0.020インチ未満の高さの制限された高さ(約0.015インチ以下のミニフックが好ましい)のフックファスナと適切な紙の組合せにより、走行性を有効にし、室内用途に関して適切な取付けを実現することができることが分かっている。約0.015インチの高さのミニフックを備えた紙フック複合体は、さまざまな品質の紙の上できわめて申し分のなく進み、約0.010インチ未満のマイクロフックまたは約0.008インチ未満のサブマイクロフックでは走行性及び画質の向上が見られ、依然として、一般にさらに増大する数のために、小部屋の壁面に見られるような大きなループを備えている場合であっても十分に係合可能であることが分かっている。インクジェットプリンタによって供給及び印刷される印刷可能な紙フック積層品シートの場合には、他のインクジェット印刷紙料と同様に、シートはまた、供給ローラの周囲をシートが回転することを含むインクジェットプリンタの機械動作によって永久的な屈曲に耐えるほど十分に硬くなければならない。
【0063】
光沢の高い写真品質インクジェット紙などの比較的硬い紙の場合には、60,000ポンド/平方インチ未満などの比較的低い曲げ弾性率を有する樹脂の使用によって、紙の固有の剛性に適合させることができることが分かっている。例えば、約30,000psiの曲げ弾性率を有するフィルムグレードの低密度ポリエチレンを選択してもよい。そのような樹脂は、ファスナ強度の欠如のために、ファスナ業界では通常は用いられないが、室内用途など種々の用途に使用可能であり、裏面全体を覆うなどの多数のフックが壁上で紙のシートを支持するために必要な比較的低いフッキング力を合わせて提供するために利用可能であることが分かっている。紙自体は、紙フック複合体全体のガーレイ剛性の少なくとも2分の1、多くの場合には少なくとも75%を備えうる。複合体の剛性を制限し、コストを削減するために、フックを接続する樹脂のベース層の厚さは約0.005インチ未満が好ましい。
【0064】
インクジェットプリンタに関する実施例の供給経路が、図2A及び図3Aに示されている。複合体材料は、そのようなフィーダ機構にスタックされるとき、紙詰まりを避けるために十分に平坦であることが分かっている。この平面度を測定するための1つの方法は、印刷可能なシートが紙側に蓄積される平面から紙フックシートがどれほどカールするかを測定することである。
【0065】
インクジェットプリンタは共通のオフィス用インクジェット紙の走行性特性にあわせて設計されているが、紙の裏に樹脂から構成されるフックを提供することにより、この紙の特性を変化させる。それにもかかわらず、多種多様な紙を用いて成功することが分かっている。以下の印刷されたインクジェット紙のタイプ、すなわちKS−JET−812、ピーグロス(Pgloss) 68#、アストロジェット(ASTROJET)、テスリン(Teslin)、MIJ−65−180及びパシフィックインクジェット紙(Pacific Inkjet Paper)では、裏打ちフックの領域を備え、インクジェットプリンタによって走行することに成功している。これらの紙は、インクジェット印刷用に設計されており、テスリン(Teslin)以外はコーティングを備えたセルロース繊維状の紙である。テスリン(Teslin)は、合成プラスチック紙である。これらのインクジェット紙は、図10に示されているプロセスを通過し、図9に示されている紙フック複合体が6種類の紙のそれぞれに関して作製された。用いられた樹脂は、30,000psiの曲げ弾性率のフィルムグレードの低密度ポリエチレンであった。フックの密度は、平方インチ当たり566個のフックであった。次に、紙フック複合体シートは、以下の標準的なインクジェットプリンタ(括弧内は印刷解像度)、すなわちレックスマーク(Lexmark) Z65(4800dpi×1200dpi)、キヤノン(Canon) S330(2400dpi×1200dpi)、キヤノン(Canon) i850(4800dpi×1200dpi)及びHP 3820(4800dpi×1200dpi)を用いて、供給し印刷に成功した。したがって、紙フック複合体は、0.015インチのフックの高さ及び0.0007インチ〜0,0027インチのフック裏打ち厚さを与えた場合に、種々の標準的なインクジェットプリンタにおいて、走行可能かつ印刷可能である。
【0066】
ガーレイ剛性試験によって測定される紙フック複合体の剛性は、その裏に形成されるフックを備えていない用紙の剛性とは異なることが分かっている。印刷可能な試験サンプルの場合には、複合体の剛性は、1678.3mgの最大ガーレイ剛性を備え、元の普通紙の48%〜190%の範囲であった。紙フック複合体の平面度は、増大するが、約1.5インチ未満の許容可能な範囲であった。試験サンプルの場合には、ある程度平坦な紙シートから、水平面から0.04インチ〜1.56インチの範囲のカールに変化した。(カール傾向は、紙側を上にし、水平面から紙の任意の部分の最大変位である。)
【0067】
一般に、フック裏打ち及び用紙の組合せは、元の紙より硬い複合体を生じるものと仮定される。しかし、実際には、場合によっては、紙フック複合体は、元の用紙より軟らかいことがあることが分かっている。図12を参照すると、樹脂がカレンダ処理ロールニップ93の中に押し出されるとき、紙における繊維状の接着剤の一部が遮られるため、複合体の紙部分、場合によっては全体的な複合体自体も軟らかくなることが分かっている。硬すぎてインクジェットプリンタによって供給することができないと初めは考えられている紙を用いて、紙フック複合体の印刷を行うことができるときに、この効果が分かる。
【0068】
図3のインクジェットプリンタの供給経路を示す図13及び図14を参照すると、上述したように、フック裏打ちを備えた紙のスタック120がトレイ124の中に配置される。印刷ヘッド128による印刷のために、インクジェットプリンタに新たなシート6を供給するために、トレイ124は前方に回転し、平行なドライブローラ126、132及び134は、一番上の複合体シート6をスタック120からニップ127を通って移動し、シート6に対するドライブローラ126の摩擦を用いて、図3Aに示される110°の紙供給経路を回って紙をドライブローラ122の方に引き寄せる。次に、シート6は、ドライブローラ122に沿って移動し、印刷ヘッド128によってその上に印刷される。最後に、外側供給ガイドローラ130が紙をプリンタから排出する。プラテン129は、印刷プロセス中、位置合せ制御のためにドライブローラ126、132及び134に対して紙を保持する。複合体シートが重すぎる場合には、紙フック複合体はニップ127で折り畳まれるため、適切に供給されない。上述のプリンタを用いて成功を収め、プリンタの周知のニップパターンの外側にフックの帯を戦略的に配置することにより、特にシート経路の長いマージンに沿って、フックの帯の間の広い印刷可能な空間にわたって、フックまたは樹脂さえも配置せずに、供給に関する問題を避けることができることが分かっている。これは、プリンタの供給に関する問題を克服するために、ドライブローラ126、132及び134の下のニップ領域におけるシートの厚さを削減する所望の効果を有する。
【0069】
したがって、いくつかの実施例では、フックは、印刷可能な面に対向する面を完全に覆わない。フック帯の戦略的な配置は、一般的なプリンタドライブ構成に見られる位置に基づいている。図15は、8.5インチ×11インチのシート124の上に重ね合わせられる種々の標準的なインクジェットプリンタに関してドライブローラセット130’、132’及び134’の平面図を示している。これらのプリンタは、HP 3820(ドライブローラセット130’に対応)、キヤノン(Canon) i850(ドライブローラセット132’に対応)及びキヤノン(Canon) S330(ドライブローラセット134’に対応)を具備している。図示されているように、ドライブローラセット130’、132’及び134’は、左マージン128’のシート124及び紙経路の右マージン126’に接触しない。左マージン128’の幅はW1であり、右マージン126’の幅はW2である。調査されたプリンタの設定では、W1は1.5インチであり、W2では1.125インチである。これらのマージンに配置されるフックの帯は、ローラ120及び122と接触しない。別の問題は、外部供給ローラとフックとの間の接触によって生じると考えられる。左マージン及び右マージンの別のセットは、ドライブローラまたは外部供給ローラのいずれにも接触しないため、これらの領域における帯のみの配置は、フックの領域と外部供給ローラの領域との間の接触を阻むことが分かっている。したがって、ドライブローラ及び外部供給ローラの組合せが印刷ヘッド128に対する紙を制御するようなシステムにおいて、位置合せ制御(すなわち、供給経路に沿った印刷の制度)は、特定のプリンタの場合にはドライブローラ及び外部供給ローラの配置に基づいて決定される左マージン及び右マージンにフックを戦略的に制限することによって維持されうる。図16に示される結果として生じる紙フック複合体シート134は、特定のプリンタの場合にはドライブローラ及び外部供給ローラの配置に基づき、左マージン及び右マージンの上にフックストリップ130”及び132”を有する。
【0070】
図16Aによって示される一実施例において、フックストリップのベース樹脂層は紙の幅を横切って延在する連続ストリップ140である。図16Bによって示される第2の実施例において、マージン内のシート部分は普通紙であり、その厚さは標準的なプリンタによって供給されるように設計されている。これは、ドライブローラ126、132及び134の下のプリンタニップを通るシートの厚さを削減し、プリンタの供給に関する問題を解消するのにさらに役立つ。図16Aの製品の作製に関して、溶融樹脂の機械幅の供給が図10または図11の実施における成形ロールに導入されるが、成形ロールの使用可能な金型キャビティは所望のマージンの帯に制限される。これらのマージンの間に固体樹脂層が形成される。図16Bの場合には、溶融樹脂は、フック帯が所望である領域に限って、成形ロールに供給される。この場合には、成形ロールの面全体がフックキャビティによって覆われ、製品におけるフックの帯の配置は、樹脂が供給される場所に左右される。
【0071】
図17は、フックによって覆われていない領域に、図16の複合体を係合する回転可能なニップロールR及びR1を示している。紙の係合される領域は無地であってもよく、またはフックが形成される樹脂の平面層140を保持してもよい。ロールの向こうにある領域にのみ、上述したようにフックを保持するため、フックはニップ圧力から保護される。ロールRまたはR1は印刷ロールであってもよく、高圧で基板に保持する剛性ロールであってもよい。したがって、基板は、オフセット技術などの高圧によって印刷されてもよい。同様に、ロールR、R1の一方または両方は、紙に塗布されるコーティング材料をニップに運んでもよい。さらに、ロールRまたはR1はカレンダ処理ロールを含んでもよく、予め成形されたフックを妨害することなく、複合体上の他の特徴部を成形するための成形ロールであってもよい。フックは、縦方向の連続帯をなしていてもよく、または画定された帯の境界内で複合体の長さに沿って分散される不連続なパッチであってもよい。横方向に面する成形フックとして図示されているが、フックは多くの場合、対応する帯の広がる方向に延在するように成形されることを理解されたい。ロールRは、必要に応じて紙の中心線に沿って延在するフックの帯(図示せず)に適合させるために、周辺の溝を備えていてもよい。ロールR1は、紙の対向する側にあるフックの1つ以上の帯に適合させるための溝を備えていてもよい。
【0072】
図18は単独ロールのフック保護構成を示しており、圧力ARがロールRに対して複合体の非フック保持領域に印加される。ARは、別法として、フックが施された後の印刷またはコーティングなどの複合体の処理を示してもよい。したがって、ロールに関して操作することによって実現可能な複合体の正確な位置決めは、予備成形フックの存在にかかわらず実現される。処理ARの他の例としては、例えば、感光性材料の露光などの放射線曝露、例えば紫外レーザ走査またはレーザ書き込みまたは電子ビームなどの放射線架橋、火炎をはじめとする噴射などの空気または気体、または制御された反応性空気または薄い金属コーティングを形成するために金属蒸気などの他の空中浮揚材料に対する曝露、噴射コーティング、液体カーテン及び液浸をはじめとする液体コーティング状態に対する曝露(特に、この技術はフィルタ層及び上部クリアコートも含む写真現像可能な複合体コーティングのゼラチンの精密な許容差の適用を可能にする)、紙が正確に位置決めされる非接触印刷、インクジェット印刷、ゼログラフィー(トナー粒子の使用などの静電印刷)または写真現像などの印刷状態に対する曝露などが挙げられる。
【0073】
図19は、フックの帯から距離Lで位置決めされるループ材料LPを備えた、図16Aに示されるものなどの紙フック積層品を示している。物体を中心にして延在する長さLを選択し、フック構成要素及びループ構成要素の広がりを適切に選択することによって、複合体は、写真再生を行う広告用スリーブを形成するため、または陳列した製品に関する図画を購入場所に配置するため、または印刷された政治ポスターを形成するため、または例えば祝われる人の写真表示などを保持する装飾的な冠を作製して頭などの人間の身体の一部に配置するため、または廉価な腕輪を形成するために腕の周囲または他の身体の部分の周囲に配置するために適したサイズであってもよい。図20は、その外面にループ材料LPを備えた腕輪の一部を示している。紙フック積層品6上に印刷されたカメオ写真が、ループに着脱可能に係合するフック10によって備えられることが示されている。
【0074】
図21は図16Aの材料を示しており、フック10がベルクロ・ユー・エス・エー・インコーポレイテッド(Velcro USA Inc.)からループL3311として入手可能なニードル加工の不織ループ材料などのループ材料LPの分離パッチの上に係合していることが示されている。このループ材料は、紙基板Sに積層されていることが示されている。紙Sの裏には感圧接着剤Aが備えられ、その対向する面上の接着剤は基板S1にシリコンの剥離コーティングを備えた剥離紙を保持している。接着剤及びフック・ループ係合は、接触接着剤が曝露され、紙フック複合体を支持することを目的とした壁などの面に固定された後、ループからフックを剥がして解放することができるように協働的に設計されている。写真は、例えば紙フック複合体6の紙側に印刷される写真であってもよい。
【0075】
図22は、紙フック複合体LPが付着される壁630を示している。紙フック複合体は、「J」字型のフックを備えていることが示されている。裏打ち全体のすべてのフックは、同一方向に向けられ、壁面の下方に延在している。複合体を取り外す場合には、具体的には付加的なわずかに上向きの力によって上部から剥がすことによって、ループからのフックの解放を容易にするため、ループを損傷から保護するのに一役担っている。このような保護を必要とするループとしては、ファスナのループ構成要素として機能するように設計されていない壁の被覆または衣服などの面上のループが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0076】
上述の概念の一部の実施において、締結強度を最大するための一般的な要望に反して、低い剥離強度を提供することが有利であるように、フックを設計して用意することが好ましい。そのような「弱い」フックによって裏打ちされた紙または写真は、ファスナとして機能するように作製されていない従来の繊維に取付け、取外し及び再取付けされることができる。例としては、自動車の天井、繊維状の壁紙及び比較的繊細な品質の衣服として機能するニードルパンチされた繊維である。
【0077】
フック剥離強度を低下する1つのアプローチは、フックファスナを形成するためには従来推奨されていない熱可塑性樹脂を選択することである。この目的のために、樹脂は約35,000psiを超える曲げ弾性率を備えていないことが望ましい。フィルムグレードの低密度ポリエチレンなどの30,000psiの曲げ弾性率を有する材料が推奨される。一定の状況下では、25,000psi、実際には20,000psiの曲げ弾性率を有する樹脂はまた、フックに裏打ちされた印刷可能な紙が係合される面を保護する際に有利であることが予想される。
【0078】
フックまたは予備成形物の曲げ弾性率及び強度を低減することによって、成形品の取出し中に成形された特徴部を破損する危険性が増大する可能性がある。この傾向を相殺するために、米国特許第6,163,939号明細書に開示された化学エッチプロセスによる金型リングの成形などによって、きわめて滑らかな面を備えた金型が推奨される。別の技術は、金型キャビティから容易に解放される形で屈曲部のない簡素なステムを現場で成形することである。後成形作業として、次に、これらのステムは、例えば、わずかに平坦なトッピングを用いてフックに形成される。その際、積極的にフックを形成するように取り計らう必要はない。例えば、静止抵抗面または通過するステムの面測度と著しく不一致である面測度で動作している平面トッピングロールの面などの金型は、所望の効果を備えうる。軟らかいステム材料は1方向に引っ張られ、「J」フックを形成する。さらに、所望の弱いループ係合可能なフックまたは極端に弱いループ係合可能なフックは、薄いか、または積極的に角度を成していないか、または従来より小さい改変した屈曲部によって形成されることができるため、ループ材料から容易に解放されることができる。
【0079】
類似の効果のために、一部の環境では単位面積当たりのフックの数が、平方インチ当たり100個のフック程度まで意図的に削減される。このように削減されたフック密度は、光分散効果または光分散力が予測される条件で過度に軽い紙物品を支持する。複合体に略均一な有効厚さを与えるために、隣接フックによって最初に示される場所では、フックの突起がないように成形されてもよい。
【0080】
次に図23を参照すると、見本市ブース500は、テーブル400及び自己支持式床ディスプレイシステム300を具備している。いずれもループを有する不織材料114によって覆われている。広告及び宣伝パンフレットを備えた印刷された紙シート153が種々の面に取付けられる。壁用紙料はまた、上述の紙フック積層品として形成され、続いて、高速のオフセット印刷を用いて、連続長さのフックに裏打ちされた壁用紙料を印刷することによって印刷されてもよい。この壁紙は、ループL3311としてベルクロ・ユー・エス・エー・インコーポレイテッド(Velcro USA Inc.)から入手可能なニードル加工及び延伸され、結合剤がコーティングされた不織材料などの低い位置にあるフック係合可能な軽量の材料を有する壁に取付けることが好都合である。
【0081】
図24を参照すると、スクラップブック200の頁202が、ニードル加工ループ製品などのフック係合可能な材料シート114を紙のシート208に積層することによって形成される。または頁安定性のために適切な結合剤を有するループ材料がそのまま用いられる。材料シートは、所望の判型の頁202を形成するために切断され、スクラップブック200を形成するために製本される。このようなスクラップブックは、上述したようなその裏に係合可能なフックファスナを用いて、上述の印刷された紙フック積層品または写真などの展示される物体204を整理する場合に有用である。物体204は、紙フック複合体の裏のフックファスナ104を用いて、頁のフック係合可能な面114に着脱可能に取付けられる。締結システムのために、展示される品目の特定の構成は、剥離して、その位置を再調整し、新しい材料を追加することによって、容易に変更されることができる。
【0082】
図25に示される他の実施例において、印刷された紙フック複合体プラカード368は、販売促進メッセージ、価格、宣伝または季節のテーマを表示するために店頭のウィンドウ366に接着剤によって永久に固定されるループ材料に取付けられる。同様に、フック裏打ちを備えた丈夫な合成繊維の紙などの印刷された紙から作製される丈夫な紙のフロアマット372は、メッセージまたは案内矢印を備えるように印刷される。フロアマット370は、カーペットの床370のループに着脱可能に取付ける。
【0083】
図26を参照すると、吊り下げディスプレイ450が、ループ材料114で覆われた段ボールまたは合成樹脂フォームの支持物452を具備している。個別の梱包商品451が、表側のフック10によって支持物に取付けられる。各梱包商品は、上述のフック紙積層品を形成するために、フック樹脂を用いて積層される用紙の裏打ちカードを含み、表側にもロゴ及び製品情報を備えるように印刷されることができる。フック樹脂を通して印刷を読むために、適度に不透明でない樹脂を用いてフックを成形することができ、カード試料は積層前に予め印刷されることができる。各梱包商品451は、中でも剃刀の刃、カードまたはキャンディなどの商品454を保持するブリスターパックを備える。
【0084】
上述のフック紙複合体は、広告看板画像などの用途用の大型インクジェットプリンタによって印刷されてもよい。例えば、ニューハンプシャー州メレディスのヴューテック(Vutek(Meredith,NH))から入手可能な「ユートラ・ヴュー(Utra−Vu)(登録商標)」5300及び5330プリンタが、広告看板材料の上に印刷する場合に適している。類似の態様において、大きな設計図または意匠図は、従来のインクジェットドロープリンタによってフックに裏打ちされた画用紙に印刷され、新しい工事現場の事務所または損傷制御の試みの場合には海軍艦艇上に容易に取付けられてもよい。同様に、布を係合し、その裁断を誘導するための大きなパターンが、縫製者及びアパレル業者のために作製されてもよい。
【0085】
紙フック複合体シートはまた、印刷紙またはラベル紙料の形で形成されてもよい。熱転写プリンタを用いて、紙フック複合体の上にバーコードを印刷してもよい。感熱印刷は、感熱印刷ヘッドから転写テープへの熱移動を伴い、加熱点で、テープの組成物が溶融し、紙に転写する。加熱素子が文字及び図画の形を成すとき、文字及び図画が転写されるため、見ることができる。感熱ヘッドは、紙と接触している転写テープに対して常に押し付けられる小型の加熱素子の列からなる。バーコードは、図画画像の形態である。ループ係合可能なフックを備えた紙フック積層品を用いて印刷されたバーコードは、カーペット及び衣服などの繊維を備えた商品に着脱可能に取付けられてもよい。紙フック複合体シートは、供給ロールに巻き取られ、プリンタの供給経路に従うことができる。
【0086】
静電印刷複写システムもまた、紙フック複合体シート上にカラー画像または白黒画像を複写するために用いられてもよい。
【0087】
別の実施例は、連続長さの紙フック複合体材料に画像を印刷するために、フレキソ印刷を用いる。スタックプレスを用いたこのような高速印刷は、フック裏打ちを備えた壁紙を作製するために、紙フック複合体材料におけるカラー印刷を含みうる。また、「中心の圧痕」及び「直列」のプレスを用いることができる。基板上のフレキソ印刷は、低粘性のフレキソ印刷用インクまたは染料を基板に塗布し、基板上に印刷を固定するのに十分な条件に塗布されたインクまたは染料を曝すことを含む。紙フック積層品の場合には、裏でフックに害を及ぼすことなく、エラストマー弾性ロールが紙に接触する。
【0088】
別の実施において、紙フック複合体6は、人がボールペンまたはインクペンを用いて、図6に示されているような紙側8に情報を手書きしてもよいように選択された特性を備えていてもよい。これは、ブレインストーミング及びアイデア収集行為中など、オフィスの繊維で覆われた壁または掲示板に手書きのメモを着脱可能に取付けるノートパッド用として有用である。別の実施において、紙フック複合体シートのスタックは、3つのリングのバインダに合わせて穴があけられてもよい。メモはシート上に書かれてもよく、シートは印刷画像を備えていてもよく、またはメモは印刷シート上に書かれてもよい。
【0089】
別の実施において、印画紙は紙フック複合体を作製するために、印刷可能な紙または書き込み可能な紙で代用してもよい。光化学物質を塗布し、続いて現場積層を行うか、またはその前に冷却ロール保護物によって行ってもよい。このようにして、フック裏打ちを備えた紙上に写真を現像(写真印刷)してもよい。これは、スクラップブック、小部屋の壁または掲示板などの繊維ループを保持する面に本物の写真を着脱可能に取付けることができる。前述のように、紙の裏にフックを取付けた後、複合体は、写真印刷可能(写真現像可能)な紙に暗いところで処理してもよい。したがって、そのような基板に有用な紙基板を作製することを含む写真などのための写真現像可能な紙を形成し、好ましくは現場積層によって紙(またはコート紙)の裏にフックの領域を塗布し、しかる後に、暗いところで、紙の面を写真現像可能にするコーティングを施すことによって基板を処理するために、プロセスが行われる。材料はロール形態で提供されてもよく、またはプロセスは、作製された連続材料をシートに切断して、スタックし、依然として暗いところで不透明な包装によって梱包することをさらに含んでもよい。印画紙は一般に、ポリエチレンによって表も裏もコーティングされる。フックに関して共通のポリエチレンベース層を用いてポリエチレンのフックを施し、紙の裏を覆うことによって、裏の通常のポリエチレンコーティングを省略することができる。裏にフックを備えた紙は、ハロゲン化銀をはじめとする種々のゼラチン層を施すことによって、通常の方法で処理されることができる。カラー写真の場合には、付けられた染料を有するハロゲン化銀に、染料(CYMK)に作用して選択された色を通すフィルタ層及び最終的なクリアコートを加える。
【0090】
ある事例では、写真現像可能な紙の裏のコーティング(上述のゼラチン層など)の厚さは、紙における写真の適切な現像のために確実に画定しなければならない。写真現像可能な紙がフック裏打ちを有するとき、これらの厚さを十分に画定することは困難である。本願のように、精密許容差層を形成するために、帯に沿って連続的または選択された場所のいずれかで最小の帯の境界内にフックが設けられることが有利である。フックは、紙、この場合には写真現像可能であるように選択された紙の裏にあるこれらの領域にのみ成形される。帯は、図16などのマージンにおいて縦方向に沿って延在する。これらのマージンの内側に、必要なゼラチン層が印画紙の面に施される。コーティング中またはコーティングニップの通過中、基準ロールの周囲で操作される複合体の非フック部分によって、厚さ精度が実現される。図16Aによって示される事例では、連続的なポリエチレンのフック裏打ちがマージンの間に形成され、通常のポリエチレンコーティングが省略され、マージンの中間のクリアコートに加えて、ゼラチン層が施される。
【0091】
多くの金型成形リングによって形成されるロールを用いて成形フックの現場成形が実現されるとき、成形ロールを形成する金型または「金型」リングの外径のわずかな変動及び離心率は、特に光沢面上で写真品質画像に表れるようなわずかな印を紙に残しうる。そのような印は、種々の実際の写真用途用の複合体の有用性を無効にするわけではないことが分かっている。最終的なフックの形状はまた、薄い金型リングのマークがきわめて厳しい環境で生じうる任意の問題を避けるために、2段階成形作業において形成されてもよい。第一に、ステム予備成形物がまっすぐな孔状の金型を有する固体の研磨カレンダ処理ロールを用いて、まっすぐなシャフトとして形成される。第二に、紙の上にこのように現場積層される予備成形物が、後成形処理に曝される。例えば、ステムが好ましくは非接触熱源によって加熱され、紙側が冷却ロールに係合される。次に、加熱部分は、上部が平坦な形状(フラットトップ形状)のフックまたはマッシュルーム形状のフックなどのステム及びループ係合可能な成形物を変形させるために、プレス面と接触する。このようなマッシュルーム形状のフックは複数の方向において繊維材料のループを把持するため、ヘッドサイズに応じて、把持強度がJ型フックの場合より高くなりうる。このような把持強度は、紙フック複合体がループ面により確実に粘着する必要がある用途、またはすべての方向から生じる分離力に対して安全にする必要がある用途において有利である。このような用途は、風の強い状態の屋外に配置されるラベル及び広告看板を含みうる。ファスナ要素を形成するためにステムを後処理する有用な方法及び有用なマッシュルーム型ファスナ要素特性に関する詳細は、米国特許第6,248,276号明細書において見られる。
【0092】
紙フック複合体材料を作製する別の方法において、フック材料は、押出成形及び成形ロールカレンダ処理スタックを用いて、印刷可能な紙に同時に積層することなく作製される。第二の作業において、この予備成形フック材料が接着剤を用いて印刷可能な紙に積層される。第一に、フック材料は、適合する接着性樹脂または化学的性質によってコーティングされる。接着コーティングは、噴射コーティング、カーテンコーティング、ロールコーティング及び任意の他の種々のコーティング方法を用いて施されてもよい。
【0093】
図27は、機械500を用いた噴射コーティン及び積層技術を示している。左から始まり、ロール501が予備成形フック材料502を解き、同時にロール504印刷可能な紙506を解く。スプレー514が、印刷可能な紙8の裏に接着剤512を噴射して接着剤506を有する印刷可能な紙を形成する。次に、フック及び紙の2つのウェブは、一方がコーティングされ(または、ゴムベースの接触接着剤を用いる場合には両方がコーティングされる)、紙フック複合体510を形成するために2つのウェブを接着するために、2つのカレンダ処理ロール700、702を用いて密接するように接触する。2つのカレンダ処理ロールの間の圧力はかなり小さく、例えば1200ポンド/平方インチ(psi)以下でフックを保護することができる。接着剤512に応じたオプションとして、硬化炉またはヒータ508を用いて、接着剤512を硬化し、フック及び紙の2つのウェブを永久に積層することができる。
【0094】
図28は、機械520を用いたカーテンコーティング技術を示している。右から始まり、ロール504が接着剤512の連続ストリームの中に印刷可能な紙8を解いて、接着剤506を備えた印刷可能な紙を作製する。ロール501は、予備成形フック材料502を解く。次に、図27の説明に基づいて、フック及び紙の2つのウェブが積層されて、紙フック複合体510を形成する。
【0095】
図29は、機械540を用いたロールコーティング技術を示している。右から始まり、ロール504がローラ542、544及び546を用いて接着剤512のコーティングを受ける印刷可能な紙8を解き、接着剤506を備えた印刷可能な紙を作製する。ロール501は、予備成形フック材料502を解く。次に、図27の説明に基づいて、フック及び紙の2つのウェブが積層されて、紙フック複合体510を形成する。
【0096】
図30は、機械560を用いた押出し及び積層技術を示している。左から始まり、カレンダ処理スタック562が、フック材料502を形成する。フック材料502には、噴霧器564によって接着剤512が噴射される。ロール504が、印刷可能な紙8を解く。次に、図27の説明に基づいて、フック及び紙の2つのウェブが積層されて、紙フック複合体510を形成する。
【0097】
予備成形フック材料は、図27〜図30に示される積層の前に、米国特許第6,035,498号明細書に開示されるように機械断面方向に延伸されてもよい。フック材料が延伸された後、フック材料は印刷可能な紙によって積層され、紙フック複合体を作製する。例えば、連続長さのフック材料は、米国特許第4,794,028号明細書のカレンダ処理成形機などによって、幅12インチに形成される。次に、幅12インチの材料が、幅36〜48インチまで延伸される。続いて、このような延伸されたフック材料が、上述のような接着剤を用いて印刷可能な紙に積層される。製品がフックの列の間で延伸されるため、フック材料の延伸はフック密度の減少を生じる。この実施は、フックとループとの間に強力な取付けが必要でない軽量の用途の場合には有用である。この代替となる作製方法の利点は、遅い押出成形プロセスが幅のより広い材料を作製するために延伸されるフック材料を生じるため、作製プロセス全体が少ない費用で紙フック材料の高い処理能力を実現することである。
【0098】
場合によっては、第2の材料が、連続長さの予備成形フック材料と印刷可能な紙との間に接着結合層として設けられる。薄く廉価なフォーム層は、結合層として機能してもよい。火炎がその面をわずかに溶融するために加熱すると、フォームの構造(必要に応じて)を維持するほか、フックを保護するために、比較的小さい積層圧力が印加されるとき、フォーム層はフック材料と紙との間で作用する接着剤となる。フォームの残りの厚さはさらに、最終的な紙フック複合体にある程度の緩衝材を提供しうる。最初に形成されるとき、フォームシートの厚さは、1/16インチ以下であってもよい。プロセスにおいて、予備成形フック材料の裏がフォームまたは発泡性樹脂の押出されたコーティングを受け、連続気泡または独立気泡のいずれかが火炎積層に適し、印刷可能な紙と接合される。次に、フォームの露出面が、火炎を用いて溶融される。次に、フック材料が、フックを押しつぶさないようにするために、1200ポンド/平方インチ(psi)以下のニップ圧力で低圧のカレンダ処理ロールを用いて、印刷可能な紙に粘着性のフォームによって積層される。一部の実施において、この積層は、材料の全厚とカレンダ処理ロール間のニップの間隙との間に、1/32インチ以下の締めしろを用いてこの積層が実現される。フォームの溶融面は紙面と係合して結合し、フォーム樹脂が接着剤として機能する。冷却時に、製品はロールに巻き取られる。ポリ塩化ビニル(PVC)またはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を用いて、予備成形フック材料を成形してもよい。この場合には、フック材料の裏打ちは、印刷可能な紙の裏に接着されるテトラヒドロフラン(THF)溶剤を用いて粘着状態まで軟化される。
【0099】
ポリエチレン及びシリカなどの充填剤材料の配合物を含む合成紙は、強度及び耐水性という付加的な利点を有する印刷可能な媒体として一般に用いられている。この合成紙は、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ及びフレキソ印刷プリンタによって印刷可能であり、上記で画定したように「品質印刷可能」である。そのような合成紙は、ペンシルバニア州ビッツバーグのピー・ピー・ジー(PPG(Pittsburgh,PA))からテスリン(Teslin)(登録商標)として市販され、米国特許第4,861,644号明細書及び欧州特許第0289,859 B1号明細書に基づいて作製される。品質印刷可能な合成紙の1つの層及びフック材料の別の層を有する紙フック複合体材料を形成するために、ポリエチレンの一般的に印刷可能な紙配合物及び不活性充填剤からなる樹脂は、フック樹脂と共に、図10及び図11の機械の積層間隙に同時押出しされてもよい。印刷可能なポリエチレン配合物はまた、フックが形成された後の第二の作業として、フックウェブの裏に押出されてもよい。フック及び印刷可能な合成紙層はまた、印刷可能なポリエチレン配合物から形成されてもよい。また、このように形成されるフックの弱さは、軽量の複合体材料を係合して保持するために入手されるフックが膨大な数であるために、容易に耐えうることが分かっている。
【0100】
押出し可能な接着性樹脂はまた、予備成形フック材料と印刷紙との間の結合層として用いられて、望ましい紙フック積層品印刷紙料を形成してもよい。そのような1つの実施において、フックは既に述べた成形技術を用いてポリエチレン樹脂から予備成形される。次の作業において、フック材料のフックに対向する側がわずかに加熱され、印刷紙がフック材料の裏に積層される。わずかに溶融したポリエチレンが、印刷紙を備えた接着剤を形成する。
【0101】
別の実施において、押出し可能で、紙に接着する個別の樹脂が、フック樹脂と共に同時押出しされ、接着剤の裏打ちまたはフック材料の裏の結合層を形成する。そのような押出し可能な接着性樹脂は、デラウェア州ウィルミントンのデュポン(DuPont(Wilmington,DE))から「バイネル(Bynell)(登録商標)」として市販されている。接着剤の裏打ちを備えたフック材料を形成する第1の作業が完了した後に、品質印刷可能な紙がフック材料の裏側に積層される。
【0102】
以下の米国特許出願明細書及び公開明細書、すなわち米国特許出願第09/322,663号明細書(基板上のループ材料(Loop Material on Substrates))、米国特許出願第60/404,722号明細書(印刷可能なファスナ積層品に基づくディスプレイ及びプレイシステム(Displays and Play Systems Based on Printable Fastener Laminates))、米国特許第5,260,015号明細書、米国特許第6,248,276号明細書及び米国特許第6,035,498号明細書は、参照によって完全に本願明細書に援用されるものとする。
【0103】
本発明の種々の実施形態について記載されている。本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、多くの改変を行うことができることを理解されたい。したがって、他の実施形態は、以下の請求項の範囲内に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】紙フック複合体のシートの巻き付けられたスタックの斜視図である。各シートの裏は、ファスナフックの領域を保持する。
【図1A】図1のスタックの個々の紙フック複合体シートの拡大側面図である。
【図1B】フック側の平面図である。
【図1C】図1Aのシートの紙側の平面図である。
【図2】インクジェットプリンタを介して供給されるフックで裏打ちされる紙シートの斜視図である。
【図2A】プリンタに関してプリンタの紙供給経路の概略側面図である。
【図3】別のインクジェットプリンタによって供給されるフックで裏打ちされる紙シートの斜視図である。
【図3A】プリンタの紙供給経路の側面図である。
【図4】繊維で覆われた壁を備えるオフィスの小部屋の斜視図であり、壁の一面には印刷を伴うフックで裏打ちされる紙が取付けられる。フックで裏打ちされる壁紙で覆われた別の壁が示されている。
【図5】図4の取付けを拡大して示す部分断面概略図である。
【図6】書き込み可能紙シートのスタックの斜視図であり、各紙シートはその裏にファスナフックを有する。
【図7】インクジェットプリンタに関連するホームコンピュータシステムのデスクトップを示している。
【図7A】紙及び成形フック積層品を含む印刷可能な材料の概略斜視図である。
【図8】自動車の天井にフックファスナによって取付けられるデカールを見ている自動車の座席にいる子供の概略図である。
【図9】フックで裏打ちされる紙の拡大側面図である。
【図10】現場積層技術によって紙と部材を係合する一体成形フックを作製するための装置を示している。
【図11】同一の一般的な原理に基づく機械及び方法の変形である。
【図12】図10の成形ニップの拡大図である。
【図13】インクジェットプリンタの紙供給経路の概略側面図である。
【図14】図13の線14に沿って切り取った長手断面図である。
【図15】標準的な印刷可能なシートの上に重ね合わせられる多数のインクジェットプリンタのドライブローラパターンの平面図である。
【図16】その裏にファスナフックの2つの帯を保持する印刷可能な紙フック複合体シートの概略平面図である。
【図16A】ファスナ要素の帯の1つの内縁における図16の紙の拡大側面図である。
【図16B】ファスナ要素の帯の1つの内縁における図16の別の構成を示している紙の拡大側面図である。
【図17】フックによって示されていない領域における紙フック複合体の側面と係合する圧力ニップの断面図である。
【図18】ロール上で処理される紙フック複合体を示している。
【図19】紙フック・ループ複合体帯の一部の側面図である。
【図20】図19の帯から形成され、紙ループ複合体カメオ写真が取付けられる外向きのループを保持するリストバンドの側面図である。
【図21】壁に固定するためのループ材料を保持する紙ループ複合体を示している。
【図22】下を指している単一方向のフックをかけている壁紙フック複合体壁を示している。
【図23】見本市のブース及び床ディスプレイシステムの概略図である。
【図24】スクラップブックを概略的に示している。
【図25】店においてフック係合可能な材料を塗布し、ディスプレイされる印刷された紙フック複合体の床ランナ及びウィンドウディスプレイを示している。
【図26】商品の吊り下げディスプレイの概略側面図である。
【図27】接着積層のスプレーコーティングによる紙フック複合体の積層を示している。
【図28】接着積層のカーテンコーティングによる紙フック複合体の積層を示している。
【図29】接着積層のロールコーティングによる紙フック複合体の積層を示している。
【図30】接着積層の押出成形による紙フック複合体の積層を示している。
【技術分野】
【0001】
背景
本発明は一般的に、ループまたは他のファスナ要素を解放可能に係合するように構成された雄ファスナ要素の配列を備えた複合タッチファスナ製品に関し、さらに詳細には印刷、写真及び他の表示を備えるためにそのようなファスナ製品の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷に関して、以下の用語が本願明細書では用いられる。「紙」なる語は、図画を描くために作製される繊維状の紙代替品及び非繊維状の紙代替品、例えば、米国ペンシルバニア州モンローヴィルのピー・ピー・ジー・インダストリーズ(PPG Industries(Monroeville,PA,USA))によるテスリン(Teslin)TMという、印刷または書き込みを受けて作製された面を有する「合成」紙を指す。「印刷紙」とは、印刷を受けるように設計された紙を指す。繊維状の紙の場合には、紙は一般に、繊維の所望の平坦性を作製するために、カレンダ処理される。「高品質」繊維状の印刷紙は、向上した表面仕上げを提供するためにコーティングされる。「印刷品質」は、紙上における元の画像の印刷再現性に関する。「良好な印刷品質」とは、ほぼ正確な複製を指す。「印刷可能」とは、図画情報、例えば英数字記号、図形、デザインまたは印刷によって形成される写真画像をはじめとする類似の目に見える形態を表すドットの印刷されたパターンを表す形態で印刷物質を受けて表示することができることを意味する。印刷物質は、流体インク、トナーなどの微粒子または製品の印刷可能な面に接着することができる転写物質を含みうる。「写真品質印刷可能」とは、プロセスカラー印刷(細かい、CYMKなどの異なる色の隣接するドット、例えば実質的に重なり合わないドット)を受けて表示することができる。用語は、アートワーク及び図面のほか、写真などの製品を網羅し、プリンタのX−Yトラバースによって印刷される製品のほか、製品がカットシートまたは連続長さの形態におけるシート材料のために蛇行または他の湾曲した経路を横断するプリンタによって印刷される製品を網羅することを広義に意図している。「書き込み可能」とは、流体インクボールペンなどの自由な形態の手書きまたは手書き印刷、またはグラフプロットをはじめとする図画情報のためのストリップチャートレコーダのスタイラスなどの制限された形態の書き込みを受けることができることを意味する。「写真における現像可能」または「写真現像可能」とは、写真を形成するために、例えば化学薬品によって露光して現像または写真印刷されることができることを意味する。
【0003】
「輝度」は、紙面から拡散反射される光の相対強度の測度である。紙の輝度は、印刷画像と印刷されていない紙面との間で得られるコントラストを左右する。「ドットゲイン」は、紙に塗布された紙の上のドットサイズの増大を百分率で表したものである。インクジェット印刷に関して、ドットゲインは、紙の上に噴射されるインク滴のサイズに対する紙の上に設定される増大した最終的なドットサイズを指す。「ドットサイズ」は、印刷材料の液滴の体積によって決定される。インクジェット用インクの場合には、液滴サイズは2ピコリットルほど小さくてもよく、紙の上の結果は、直径約13ミクロンのドットとなる。「光沢仕上げ」とは、紙からの鏡面反射を指す。紙シートは、歪みのない光の大部分を反射するとき、すなわち入射角が異符号の反射角に等しい反射であるときに高い光沢を有する。「艶消し仕上げ」とは、光の拡散反射、すなわちランダムな方向に散乱される光を生じる仕上げを指す。大きな割合の光を拡散する紙は、「艶消し」紙または「艶無し」紙と呼ばれる。拡散反射は一般に、さまざまな平面に向けられる紙面を形成する粒子によって生じる。「画像の鮮明さ」とは、紙の上に再現される物体の画像の線の真度及び縁の明瞭さを指す。「光吸収度」とは、紙面から反射されない光の量すなわち紙を透過する光の量を指す。「不透明度」とは、光の透過を防止する紙の能力を指す。印刷画像が「透けて見える」のを防止するために、高い不透明度が望ましい。「反射率」は、入射光量と比べた表面から反射される光量の比である。「表面色」とは、見る人によって認識される色を指し、紙によって吸収、透過または鏡面反射を受けない入射光の部分を指す。「表面仕上げ」は、表面粗さを形成する高さの差、すなわち表面の高い個々の凹凸と低い個々の凹凸との間のZ軸(紙面に対して垂直)における距離の範囲に関する。
【0004】
「樹脂コート紙」とは、紙面の上に押出されたまたは他の方法でコーティングされたポリマーコーティングを備えている紙を指す。樹脂コーティングは、光沢面を形成するために通常用いられる。「キャストコート紙」とは、ドラムの表面品質がコーティングの表面に配置されるように与えられるように、滑らかな回転乾燥ドラムに対して濡れたコート紙面の方を押し付けることによって滑らかな光沢面を作製するように設計された紙コーティングプロセスを指す。「機械供給」とは、プリンタによる紙の進行を指す。「紙厚」とは、ミル(1インチの千分の一)単位で表される紙の厚さを指す。「坪量」とは、所与のサイズの紙の500枚の連量を指す。シートのサイズは、消費者の種類による。例えば、米国において、商業新聞用紙(business papers)の所与の坪量は17インチ×22インチのシートサイズに基づいており、書籍用紙の所与の坪量は25インチ×28インチのシートサイズに基づいている。「剛性」は、湾曲したプリンタ供給路を介して進むときの、紙の曲げ抵抗に関する。「平面度」とは、紙が陥没または盛り上がりがわずかであるか、または全くない滑らかな水平面を呈する度合いを指す。「走行可能」とは、図画情報または他の正確な作用を受けることができるように十分に装置と基板の位置合せ精度を維持すると同時に、基板に作用する装置を介して進行することができることを意味する。
【0005】
「連続長さ」とは、印刷機または連続プリンタを走行すると同時に、印刷を受けることができるウェブ形態の製品のような連続長さを意味する。「カットシート」は、コンピュータプリンタによってスタックから供給されることができるシートなどのスタックの倍数単位で供給される一般に予め指定された寸法に切断されたウェブ形態の製品のシートである。「ノートシート」は、スタックまたはノートの倍数単位で供給されるような書き込み可能なカットシートである。
【0006】
「ファスナフック」または「フックファスナ」とは、例えば、Jフック、パームツリー型フックまたはマッシュルーム型フックなどの成形フック、後成形用フックのための予備成形物、適切に位置決めされる単一フィラメントステムに成形されるヘッド及び切断及び延伸技術によって成形されるフックをはじめとするフック・ループ(hook-to-loop)締結またはフック・フック(hook-to-hook)締結のための任意のフックを意味する。これは、1方向、2方向または多くの方向に面するフックを含む。「ミニフック」は、約0.015インチ(0.48mm)以下の高さのフックである。「マイクロフック」は、約0.010インチ(0.25mm)以下の高さのフックである。「サブマイクロフック」は、約0.008インチ(0.2mm)以下の高さのフックである。「成形ファスナフック」は、ファスナフックとして機能するのに十分な剛性を有する一般に熱可塑性樹脂のフック成形可能な組成物から成形されるフックである。「後成形ファスナフック」は、フックヘッドを形成するために付随する溶融流れ(メルトフロー)による加熱などによる予備成形物要素を後成形することによって成形されるファスナフック、または加圧成形または成形を伴う加熱によってまたはそれを同時に用いる加熱によって予備成形物要素の遠心端を再加工することによって成形されるファスナフックである。
【0007】
「印刷装置」とは、非接触印刷、接触印刷及び転写印刷をはじめとする紙フック複合体の紙側に印刷することができる任意の印刷装置を意味する。例としては、以下のもの、すなわちインクジェット印刷、静電印刷、フレキソ印刷(適切に弾性のある印刷面を用いる)、パッド転写印刷、スクリーン印刷及び凸版印刷(弾性のある印刷面などのフックを保護するための種々の接触印刷技術における適切な条件または複合体において提供される適切なクッション特性を用いる)が挙げられる。「ディジタル印刷装置」は、ディジタル形態またはアナログ形態のディジタルコンピュータによる制御信号に直接対応する印刷可能な製品への印刷を行うように構成された印刷装置である。「コンピュータプリンタ」は、印刷可能なカットシートが一般に約1.5インチ未満の曲げ半径のアーチ型の経路部分を含む印刷経路を通過するディジタル印刷装置である。「非接触印刷」とは、印刷可能な面を備えた印刷装置の物理的な接触を必要としない印刷技術を指す。「インクジェット印刷」とは、インクジェット印刷またはバブルジェット印刷のいずれかを意味する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、紙フック複合体シート製品は紙側及びフックファスナ側を有するように形成され、フックファスナ側はファスナフックの領域を有し、紙側は表側のファスナフックのある側に印刷可能、書き込み可能または写真現像可能であるように形成される面を有する。
【0009】
本発明のこの態様及び説明される別の態様によれば、フックは、例えば、Jまたはパームツリー型フック、マッシュルーム型フックなどの成形フック、適切に位置決めされる単一フィラメントステムまたは成形ステムに成形されるヘッド及び切断及び延伸技術によって成形されるフックなどの成形フックをはじめとするフック・ループ締結またはフック・フック締結のための任意のフックと定義される。フックの係合可能な部分は、1方向、2方向または多くの方向に面する。
【0010】
この態様の実施には、1つ以上の以下の特徴がある。紙側は、少なくとも40%の輝度を有する。紙側は、印刷可能であり、少なくとも200ドット/インチ(508ドット/センチメートル)または少なくとも600ドット/インチ(1524ドット/センチメートル)または少なくとも1600ドット/インチ(4064ドット/センチメートル)または少なくとも2400ドット/インチ(6096ドット/センチメートル)のインクドット密度を受けて、正確に表示するように選択される特性を有する。紙側は、4色を用いたプロセスによって印刷可能である。紙側は、印刷可能であり、50%以下のドットゲイン特性を有する。好ましい事例では、紙はカレンダ処理され、高品質印刷のために紙の印刷を受ける側がコーティングされる。
【0011】
本発明の別の態様によれば、紙フック複合体シート製品は、印刷可能な紙側及びフックファスナ側を有するように形成され、印刷可能側は、例えば4色印刷を受けることができる写真品質印刷可能であるように形成される特性を有する。
【0012】
この態様の実施には、1つ以上の以下の特徴がある。紙はカレンダ処理され、その印刷を受ける側がコーティングされる。紙側は、少なくとも80%の輝度を有する。紙側は、色ごとに少なくとも600ドット/インチ(色ごとに1524ドット/センチメートル)のインクドット密度を受けて、正確に表示するように選択される特性を有する。紙側は、20%以下のドットゲイン特性を有する。紙側は、少なくとも80%の不透明度を有する。紙側は、少なくとも60%の鏡面反射率の光沢仕上げを有し、好ましい事例では6マイクロインチ以下の表面粗さ(15.24×10−6cmの表面粗さ)を有する光沢仕上げを有する。
【0013】
本発明の別の態様として、2つの前述の態様の種々の製品は、多くの場合には「走行可能な」製品であり、すなわち、図画情報または他の正確な作用を受けることができるように十分に装置と製品の位置合せ精度を維持すると同時に、製品に作用する装置を介して進行することができる。
【0014】
この態様の好ましい実施には、1つ以上の以下の特徴がある。フック側のフックは、0.025インチ(1.27mm)未満の高さを有し、0.020インチ(0.508mm)未満なら好ましく、良好な印刷品質のためには約0.005インチ(0.127mm)〜0.010インチ(0.254mm)の高さである。紙側は個別の層であり、フックは0.005インチ(0.127mm)の最大厚さを有し、多くの場合には、0.003インチ(0.076mm)未満であることが好ましい一体の裏打ち層を有する。フック側のフックは平方インチ当たり約100〜7500個のフックがあるフック密度(平方cm当たり15.5〜1162.5個)を有する。フック側は、約15,000〜60,000ポンド/平方インチ(psi)(1.03421e+08〜4.13685e+08パスカル)であり、一部の好ましい事例では約30,000psi(2.06843e+08パスカル)の曲げ弾性率を有する熱可塑性樹脂から形成される。フック側は、フィルムグレードの低密度ポリエチレンを含む。印刷可能な紙側は、約0.003インチ(0.0762mm)〜0.015インチ(0.381mm)の厚さを有する個別の予備成形紙層によって定義される。印刷可能な紙側は、22インチ(55.88cm)×17インチ(43.18cm)の500枚のシートの連量を基準にして、約18ポンド(8.16466kg)〜90ポンド(40.8233kg)の坪量を有する個別の予備成形紙層によって定義される。
【0015】
さらに、印刷可能な紙側は、フック側と接合する前、ガーレイ剛性試験によって測定した場合、200mg〜3000mgの剛性を有する。複合体製品は、フックの成形の縦方向においてガーレイ剛性試験によって測定した場合、約100mg〜1500mgの剛性を有する。製品は、紙の縦方向においてガーレイ剛性試験によって測定した場合、約100mg〜2500mgの剛性を有する。紙フック複合体の全厚(総厚)は約0.035インチ(0.889mm)以下であり、多くの場合には約0.030インチ(0.762mm)以下または0.025インチ(0.635mm)であることが好ましい。複合体製品は、その紙側を上にして平面上に置く場合には、製品の任意の部分がカールせず(上に丸まらず)、平面から約1.5インチ(3.81cm)以下の高さである特徴を有する。複合体製品は、デスクトップ型インクジェットプリンタによって供給するために、約1.5インチ(3.81cm)未満の曲げ半径を中心にして曲げることができる。インクジェットプリンタによって供給するために、約0.8インチ(2.032cm)未満の曲げ半径を中心にして弾性曲げすることができる曲げ特性を有することが好ましい。
【0016】
複合体の紙側を含む材料の裏は、印刷前にフックの領域に密接に接合されることが好ましく、接合はフック自体に直接であってもよく、または1層以上の介在層を介してもよい。この態様の実施において、製品は、紙フック積層品または現場積層品を含む。
【0017】
種々の態様の製品は、ディジタル印刷装置によって印刷されることができるように選択される特性またはコンピュータプリンタによって印刷されることができるように選択される特性、特殊な場合には現場紙フック積層品を含むか、または非接触印刷を行うことができるように選択される特性またはインクジェット印刷を行うことができるように選択される特性またはインクジェット型の非接触印刷を行うことができるように選択される特性を有する。
【0018】
紙側を印刷可能にした種々の実施において、紙側は、インクジェット印刷を受けるように選択される特性のキャストコーティングを有し、好ましい事例では、キャストコーティングは、300秒/100cc以下の通気性、すなわち自由に移動する内部シリンダの負荷(567±1.0g)の下で100mlの空気がサンプル紙の645mm2を300秒以下で通過する。
【0019】
製品は、連続長さ製品またはカットシート製品、特に、カットシートの印刷可能な製品、例えば長さ11インチ(27.94cm)及び幅8.5インチ(21.59cm)または他の標準的な紙サイズに切断されるシートを含みうる。
【0020】
本発明の別の態様は、任意の数の上述の製品を提供し、選択された印刷装置によって製品を印刷することができるプロセスである。好ましい実施において、印刷装置は、ディジタル印刷装置または非接触印刷によって印刷する印刷装置またはコンピュータプリンタまたはインクジェットプリンタである。ある実施において、紙フック複合体は連続長さの印刷可能製品であり、印刷は連続長さを印刷するように進むことが有利である。他の事例では、紙フック複合体はカットシートの印刷可能製品であり、その結果、印刷される。
【0021】
本発明の別の態様は、紙に対する所定の経路を定義するロールを有するプリンタと共に用いるためのフックファスナ側のフックの複数の帯を含む製品であり、フックの帯が所定の経路からずれ、少なくとも2本の帯のフックがある製品である。これらをはじめとする他の事例では、フックの帯は、複合体の対向する長手方向のマージンに沿って位置決めされる。
【0022】
本発明の別の態様は、紙の一方の側または両側の選択された位置にのみフックを支持する紙フック複合体である。
【0023】
この態様の実施には、1つ以上の以下の特徴がある。
【0024】
紙には依然として、紙の両側の選択された領域にフック成形樹脂がない。フックは、フックを成形する縦方向における1つ以上の連続帯に位置決めされる。帯または複数の帯は、完成した製品の長手方向のマージンに沿って位置決めされる。フックの1つ以上の帯は、比較的広いシートの縁から内側に離隔される少なくとも1つの位置を含む、成形を伴う選択された位置で形成され、紙フック複合体はスリット縁の2つの部分のカットエッジに帯を設けるために、帯でスリットが入れられる。紙は、フックが位置決めされる位置以外の紙の領域におけるフックの成形を伴う作用を受ける。作用は印刷であり、フックは、印刷が行われない縦方向の領域に位置決めされる。1つの事例では、印刷は、紙の両側で支持するシリンダによって行い、シリンダはフックが印圧を受けないようにそのゾーンに関して対応する領域において解放される。印刷の圧力は、フックが損傷を受ける圧力を超える。フックは、35,000psi(2.41316e+08パスカル)または30,000psi(2.06843e+08パスカル)または25,000psi(1.72369e+08パスカル)未満の曲げ弾性率である。印刷は、剛性または非弾性(非コンプライアント:non−compliant)ロール面を用いて行われる。フックは、所望の最終用途に対応するドットまたはパッチに位置している。
【0025】
場合によっては、製品は、フックファスナ側を連続的に覆うフックの領域を含む。
【0026】
本発明の別の態様は印刷可能な紙フック複合体であり、個別のフックが意図的に弱く、個別に容易に係合されているループ、特に装飾的な織壁紙などのループファスナ構成要素として機能するように設計されていないループから解放可能である。一般にそのようなフックは、広い領域にわたって高い密度に含まれるため、総合効果によって物体が確実に固定される。実施には、1つ以上の以下の特徴がある。すべてが同一方向に面するJフックが選択される。フックは、例えば、35,000psi(2.41316e+08パスカル)または30,000psi(2.06843e+08パスカル)未満の弾性率である低い曲げ弾性率の樹脂から構成される。実際には、設計及び作成方法に応じて、25,000psi(1.72369e+08パスカル)または15,000psi(1.03421e+08パスカル)程度の低い弾性率の値が使用可能であることが分かっている。同様に、特定の条件に関して、選択されるフックのサイズ及び係合形状にも応じて、フックの密度も同様に、製品が適用される任意の面の崩壊を最小限に抑えるために、本願明細書に記載される最大値未満に維持されてもよい。
【0027】
本発明の別の態様は、ファスナ積層品材料を作製する方法を特徴としている。この方法は、キャビティの配列を画定する成形ロールの面に隣接して画定される間隙に溶融樹脂を導入することを含み、間隙内の圧力が樹脂をキャビティの中に押し込み、樹脂のシートから一体に延在し、材料の予備成形シートに樹脂のシートを永久に積層するステムの配列を成形するようになっている。この方法は、積層品材料において樹脂に接合されるとき、予備成形シートの広い側が露出され、予備成形シートの露出側は、その上に印刷または書き込み、またはその上に写真画像を現像するのに適した面を有することを特徴とする。
【0028】
本発明の別の態様は、印刷可能、書き込み可能または写真現像可能な紙側及びフックファスナ側を有する紙フック複合体製品に、材料を提供し、そのために材料を加工することを含む製品を成形するための作製プロセスである。
【0029】
これらの態様の実施には、1つ以上の以下の特徴がある。予備成形紙は、印刷可能、書き込み可能または現像可能な側及び表側を有するように形成し、表側に直接的または間接的にファスナフックの層が塗布される。また、ある事例では、フックは、紙に対してフックを現場で積層する間に形成されるか、またはファスナフックの層が予備成形され、予備成形紙層の裏に積層される。
【0030】
場合によっては、予備成形紙層及び予備成形フック層が形成され、層は紙層、フック層または両方の層の裏に接着材料を加えることによって接合される。本発明の別の態様は、フォームの形で加える接着材料を提供する。
【0031】
本発明の別の態様は、積層中に、接着材料を提供するためにフォーム厚さの一部が溶融され、最終的な製品に緩衝効果を提供するためにフォーム厚さの一部が維持されるプロセスである。別の態様は、フックに紙層を接合し、しかる後にそれを印刷可能、書き込み可能または現像可能にするために紙層に処理を施すことを含み、場合によっては処理には感光性組成物を塗布することを含む。
【0032】
本発明の別の態様は、そのような製品に有用な紙基板を形成し、好ましくは現場での積層によって、紙またはコート紙の裏にフックの領域を塗布し、しかる後に紙を写真現像可能にするコーティングを施すことによって基板を暗い所で加工することを含む写真などの写真現像可能な紙を作製するプロセスである。
【0033】
本発明の別の態様は、紙フック複合体を含むノートシートである。この態様の実施には、1つ以上の以下の特徴がある。複合体は、紙フック積層品であり、好ましくは現場積層品である。フックは、約0.025インチ(0.635mm)以下の高さを有する。前述の態様と同様に、多くの場合には、フックはミニフックまたはそれより小さく、すなわち約0.015インチ(0.48mm)以下の高さを有する。フックはマイクロフックまたはそれより小さく、すなわち約0.010インチ(0.25mm)以下の高さを有する。フックはサブマイクロフックまたはそれより小さく、すなわち約0.008インチ(0.2mm)以下の高さを有する。フックファスナ側はフックの少なくとも1つの領域を含み、その領域ではフックは延在する領域に沿って平方インチ当たり少なくとも100個のフック(平方センチメートル当たり15.5個のフック)の密度を有する。
【0034】
本発明の別の態様は、コンピュータによって画像にアクセスすることによってコンピュータによる画像を調整するか、または例えばタイピングまたはアートワーク、または画像の走査によってコンピュータ上で画像を調整することを含む印刷対象を調整し、次に、ディジタル画像をインクジェットプリンタに指向し、ファスナフックによって裏打ちされる印刷可能な紙上に画像を印刷する方法を特徴としている。
【0035】
本発明の種々の態様の1つ以上の実施の詳細が、添付図面及び以下の詳細に記載される。本発明の他の特徴、目的及び利点は、詳細及び図面、請求項から明白となるであろう。
【0036】
種々の図面における類似の参照符号は、類似の要素を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
詳細な説明
図1〜図1Cを参照すると、本発明の種々の態様は、印刷紙料、例えば紙及びフック材料の現場積層品として形成されるシートのスタック14に関する。そのような積層品における印刷紙の接合されていない側の吸収特性及び接着特性は、印刷中に裏にフックがあるにもかかわらず、印刷に関して大きな有用性を有することが分かっている。適切なグレードの紙を選択することによって、複合体の形成の後に、上質で正確な印刷を実現することができる。例えば、ホームコンピュータのインクジェットプリンタで写真品質であっても紙フック積層品を印刷することができること、または実際には紙は写真現像可能(写真印刷可能)であってもよいことが分かっている。例えば、約0.015インチ以下の高さのフックの配列に関して、例えば壁紙グレードの紙を用いて、紙を裏打ちした積層品はホームコンピュータプリンタ、例えばキヤノン(Canon)TM「バブルジェットプリンタ(Bubble Jet Printer)」を容易に通過することができることは注目すべき知見である。必要に応じて所望のデザインまたはコンピュータにダウンロードされたデザインによって、フック材料における画像及び図画の望ましい品質を実現することができる。したがって、積層品は、例えば、広告の形としてドッグフードまたはベビーフードの供給業者が広告主の犬用マットまたは幼児用床マットの広告主によって顧客にアクセス可能であり、インターネットを介してダウンロード可能なデザインにすることができる。インターネットによるダウンロードのデザインを材料から切り離して、個人専用のものにする効果のために貼り付けてもよい。
【0038】
次に図7を参照すると、ホームコンピュータ2が描かれており、インターネットと通信を行い、PCまたはラップトップなどのホームコンピュータ2と共に動作するのに適しているホームインクジェットプリンタ4に出力する。紙8及びフック材料10の積層品6はコンピュータによる印刷が可能であり、例えばきわめて装飾的で色彩豊かな人形の服がホームコンピュータ2のコンピュータプリンタ4によって印刷される。同様に、小さなサイズの型紙(またはインクジェット製図用プリンタ上でより大きなパターン)を印刷し、ピンなどを用いることなく布の上に係合してもよい。これは、縫製者及びアパレル業者の両方によって有用である。ペットショップは、所有者または飼い主にデザインを伝えてもよい。例えば、ペットショップは名札及び実際にペットの写真であってもよいペットの鑑札を考案してもよい。この鑑札は、コンピュータによってインターネットを介してダウンロードされ、ホームインクジェットプリンタによってフック材料の紙面122上に印刷されてもよい。マットまたは動物を個人専用のものにするために、これらのデカール(移し絵:デカルコマニア)を切り取って、マットの上に配置することができる。また、その上に印刷されたループ材料から形成されるマットの上でフックを備えたペットの食器は安全に留まり、ペットが動いてもひっくり返らないことが分かっている。
【0039】
図8を参照すると、説明された現場における方法で、フック材料に積層される紙を含むデカール36、38、40及び42を見ている自動車の後部座席にいる幼い子供が描かれている。そのようなデカール36、38、40及び42を、所有者のコンピュータで描いてもよく、またはインターネットによって友人または他のソースから入手して、図7Aに示されているように、材料上に印刷し、切り抜いて、幼児または幼い子供に提供して、ドライブ中、子供の注意をひきつけたり楽しませたりしてよい。多くの自動車の天井は、ループ材料から構成されており、記載したような紙フック積層品のフックによって容易に係合可能である。
【0040】
フックによって裏打ちされた性質を有するカラープロセス印刷可能な紙の別の用途は、腕輪、ブローチ及び他の身体装飾品または衣装、または手荷物及びバックパックに対する用途であり、これらはループの領域を保持し、ユーザ(幼児、小学生、ティーンエージャ、祖父母)はカメオの写真などをその領域に取付けることができる。例えば、友人の顔などのインクジェットによる写真再現写真を廉価な紙ループリストバンドに取付けてもよい。同様に、例えば、永久ループの領域を備えた野球帽の衣装の一部は、例えば、少年のために軍隊の階級、ボールチームのロゴなどの自身の設計のフックに裏打ちされたインクジェット印刷されるバッジを受けてもよい。
【0041】
図9を参照すると、シート19は、多数の個別のフック20と、合成樹脂から一体形成される一体の裏打ち層22から構成されるフック側10を有する。フック20の隣接する列は、対向する方向に面している。フック20の高さはt3であり、裏打ち層22の厚さはt2である。積層品シート19はまた、厚さt1の印刷紙8を備える。図9によって示される1つの実施において、フックまたは「ミニフック」は、ベルクロ・ユー・エス・エー・インコーポレイテッド(Velcro USA Inc.)からフック#29として市販されている。この実施例では、t3は0.0152インチであり、ミニフックの密度は平方インチ当たり567個のフックであり、裏打ち層の厚さt2は0.002インチであり、紙はテキサス州ダラスのレッド・リバー・ペーパー(Red River paper)TM(Dallas,TX)から「プレミアム・グロス(Premium Gloss)68#」として市販されており、0.010インチの厚さt1を有する。
【0042】
ループを損傷から保護するための好都合な取付けでは、例えば図1Aに示されているように、1つの方向に面するJ字型のフックが用いられる。このようなフックは印刷される物質に対して配置され、垂直面または傾斜面(図画情報を適切な方向に向ける)の上に配置されると、フックの屈曲部の先端が下向きであるためループに係合し、紙フック複合体を支持するようになっている。
【0043】
図4及び図5は、垂直壁面31に掛けられている紙フック複合体を示している。フックに裏打ちされた紙の解放は、壁に沿って紙フック複合体をはがすことによって簡単に行われることが分かる。ループからのフックの屈曲部のこの解放は一般に、ループの損傷がない。さらに、領域にわたるフックの数を制限し、フックを比較的弱い(低い曲げ弾性率)樹脂から作製し、適切なフックデザインによって、壁のほぼ任意の面上に紙フック複合体を支持し、非常に高いかまたはループの多い面を図らずも有し、損傷を与えることなく着脱可能に解放されるようにするのに適したフックが形成される。これは、フック構成要素として機能するように設計されていないループの多い面から紙物体を吊り下げる場合に、重要な考慮事項である。
【0044】
複合体材料を形成するために、印刷可能な紙が好ましい。積層によって、紙の裏面に多数のフック形のファスナ突出部を設けることができる。好ましい実施において、この目的のために、その周囲に画定される内部に延在し、固定される突出部を形成するキャビティを有する冷却した回転成形ロールが設けられる。成形ローラの外側に、キャビティを充填するために溶融プラスチック材料が塗布され、突出部のそれぞれが個別に、または共通のベース層によって紙に積層されるようになっている。キャビティから成形される突出部を引き出すことを含むステップにおいて、積層品が成形ロールから引き出される。突出部が最終的なファスナフックの構成要素となってもよく、またはファスナフックを形成するための次の処理を受ける要素を予備成形してもよい。
【0045】
例えば、紙は、米国特許第5,260,015号明細書(本願明細書に参照によって援用されるものとする)においてケネディ(Kennedy)らによって教示されるように、紙に直接接合するために、フック材料のベースを形成する樹脂の層を用いて、現場で積層されてもよい。図10に示されているように、溶融プラスチック93がニップに入ると同時に、連続長さの紙90は成形ロール600と圧力ロールとの間のニップ96に供給される。したがって、この紙は連続するフック裏打ちを備えるように形成され、紙はファスナ樹脂によって複合体構造の一体部分となるように、フックファスナを用いて密接に接合される。プロセスの終わりで、プラスチック裏打ちを備えた連続長さの紙は、供給ロール95に巻き取られる。突出部が完全に形成されるフックとして成形される場合には、これにより作製プロセスを完了することができ、スタックは直列であるかまたは図1のように後にシートに切断されスタックされる、またはロールに巻き取られるかまたは後に印刷紙料のロールに再形成されるかのいずれかである。この本文の後半において、成形される予備成形物の再形成について記載される。このステップもまた、直列または次の作業として行われることができる。
【0046】
他の用途は、例えば、紙フック積層品の紙側におけるコーティングなど熱感知材料を必要とする可能性がある。図10の現場プロセスによる作製中に、そのようなコート紙の面は、圧力ロールの冷却面と係合されるため、ニップの通過及びフック層の積層中、温度変化から保護される。
【0047】
現場積層の別の実施例は、村崎らの米国特許第5,441,687号明細書に示されている。図11を参照すると、押出成形ノズル602の上半分の前端面に、その曲線がダイホイール600(成形ロール)の曲線を反映する上部アーチ面604があり、ノズル602の下半分の前端面に、その曲線がダイホイールの曲線を反映する別の下部アーチ面606がある。印刷紙90が導入されるガイドチャネル608が、押出成形ノズル602の下半分に形成される。後部圧力ローラ610が、樹脂に紙90を接合するために、押出成形ノズルから押し出される溶融樹脂のシートの間に圧力を印加する。
【0048】
したがって、動作において、押出成形ノズル602から押し出される溶融樹脂は、ダイホイール600と下部アーチ面606との間の間隙に押し込まれ、フック金型キャビティを充填し、一定の厚さ及び幅のベース層を形成する。この成形プロセスが行われると同時に、紙90が押出成形ノズル602中の裏打ち材料ガイドチャネル608を通って誘導され、共に確実に接合するために、後部圧力ローラ610によって溶融ベース層の面に対して押し付けられるため、紙が樹脂によって確実に保持される。現場積層のまた別の実施形態において、紙はプロセスにおいてさらに後に導入されるが、フックは金型キャビティ内で保護される位置に依然としてある。そのような事例において、圧力ロールによるループ材料の印加の直前に、補足的な面の加熱が樹脂に印加されてもよい。
【0049】
図1に戻って参照すると、シート6のスタック14は、販売可能な製品を形成する。スタック14は、入れ子状の箱に50〜100枚のシートの量で包装されてもよく、またはチップボードの封筒に5〜50枚のシートの量で包装されてもよい。包装の他の有用な形態は、紙袋及び紙包である。シート6は、幅Wが5インチ〜11.75インチの範囲であり、長さLが5.75インチ〜17インチの範囲である標準的な紙サイズに切断される。別の実施において、紙フック積層品は、手書きの注意に入るために用いられてもよい。そのような実施の場合には、紙フック積層品6のシートは、幅Wが1.5インチ〜5インチの範囲であり、長さLが2インチ〜8インチの範囲である標準的なパッドサイズに切断される。各シート6は、一方の側に完全に遮られない印刷可能な面8と、他方の側を完全に覆うループ係合可能なフック10の領域と、を有する。特に、紙フック積層品6のシートは、インクジェットプリンタ4によって個別の供給するために、予め指定されたシート寸法に切断される。所与のプリンタに関する特定の変数に注意することによって、プリンタは、面8の上に印刷を行い、インクジェットプリンタ4を用いて進め、位置合せを維持し、シートに転写される高品質の図画情報を有するか、または行われる他の正確な作用を有することができるようになっている。
【0050】
周知であるように、インクジェットプリンタは、画像を形成するために、紙の上にインクの小さな液滴を配置する。デスクトッププリンタによって形成されるドットは非常に小さく(場合によっては、直径約50〜60ミクロン)、非常に小さいため、人間の髪の毛の直径(70ミクロン)より小さいこともある。ドットは、2400ドット/インチ(dpi)または4800ドット/インチ(dpi)以上の解像度できわめて正確に位置決めされる。インクジェットプリンタのドットは、異なる色であることが多く、いわゆる4色プロセスのように、写真品質画像を形成するために、密接に隣接し、共に結合されてもよい。
【0051】
上述のフックに裏打ちされた紙の場合には、印刷可能な面8は、図画情報を表すインクジェット印刷、例えば英数字のシンボル、絵、デザインまたは類似の視覚的な形態を表す印刷パターンを受けてもよい。印刷紙または他の裏打ち材料は、シアン、黄、マゼンタ及び黒(CYMK)などの異なる色の実質的に重ならないドットを用いて、プロセスカラー印刷を受けて表示することができる面8を提供するように選択される。印刷可能な面8は、シート材料の場合には、プリンタのX−Yトラバースのほか、蛇行または他の湾曲した経路を画定するプリンタによって印刷されることができる。
【0052】
紙の裏にあるフック10は、例えば、上述したように、成形フック、成形される予備成形物の上に後成形されるフックをはじめとするフック・ループ締結またはフック・フック締結用である。他の事例では、ヘッドは適切に位置決めされる単一フィラメントステムに成形されてもよく、または切断及び延伸技術によって成形されるフックを用いてもよい。フック10は、フック成形可能な組成物、フック締結を可能にするほど十分な剛性を有する一般に熱可塑樹脂からなる。
【0053】
図2、図2A、図3及び図3Aは、本発明による印刷可能なシートが適合しうる異なる供給経路を有するインクジェットプリンタを示している。プリンタ12は後部から始まる紙供給経路14’を有し、プリンタ16は下から始まる紙供給経路18を有する。1つの実施において、プリンタ12によって印刷される紙フックシート6は、110°の角度及び0.625インチの曲げ半径で通過する。別の実施において、プリンタ14によって印刷される紙フックシート6は、180°の角度及び1.0インチの曲げ半径で通過する。
【0054】
図4〜図6を参照すると、印刷可能な紙フック複合体製品の種々の用途が、オフィスの小部屋23で見つかる。オフィスの小部屋23は、フック係合可能なループを有する繊維で覆われた壁36を備えている。コンピュータ2は、グリーティングカード、お気に入りの車、電話帳及び写真のディジタル画像をメモリに保持している。小部屋の左の壁にあるグリーティングカード26、車28、電話帳30及び印刷された4色の写真32を作成するために、これらの記憶された画像は、プリンタ4を用いて、異なるサイズの印刷可能な紙フック複合体製品6の上に印刷される。次に、これらの印刷された紙フック複合体シートは、繊維で覆われた壁36上のループに対して紙フック複合体シート6のフック側10にあるフックファスナ20を軽く押し付けることによって壁36に容易に取付けてもよい。しかし、ファスナ技術用語では、このような小部屋の被覆物の比較的大きなループと、プリンタにとって使いやすい小さなサイズのフックとの間には不一致があり、係合されるループを見つけるためにセットの中にあるきわめて多くのフックに対して統計的には多数の機会があることから、適切なフック係合が行われることが分かる。図6に示されているように、ノートパッド25の形をとった紙フック複合体シートのスタックの一番上のシート24に字が書かれ、備忘録として小部屋の壁に貼り付けてもよい。
【0055】
同様の原理を受けて、チップボードに積層されたフック係合可能な軽量のループ材料と用いて、掲示板を形成してもよい。ループ材料は、連続接着層によってチップボードに接着される。永久的な印刷またはデザインが材料に含まれていてもよい。紙フック複合体シート上の印刷される画像または他のメッセージは、フックファスナによってループ材料に着脱可能に取付けられる。
【0056】
図4に戻って参照すると、右壁36には、オフィスの小部屋の占有者の趣味に合わせて選択されたデザインを備え、従来の壁紙印刷機によって印刷された従来幅の壁紙のフックに裏打ちされた細片31がある。これは、壁の永久ループ繊維に着脱可能に固着される。占有者が移動するときに、壁から容易に剥ぎ取って、移動して別の小部屋の壁に再度取付けてもよく、第1の小部屋の新しい占有者の趣味に合わせて新しい細片を壁に飾ってもよい。
【0057】
印刷可能な紙フック複合体材料の有用性は、オフィスまたは家の標準的なインクジェットプリンタに対して印刷適性及び走行性を供給することによって拡張される。上記で画定したように、印刷適性は、印刷可能な媒体が印刷画像を受け入れて表示することに対する忠実性を指す。特定の目的のための印刷適性を画定する物理特性は、反射率、ドットゲイン、表面粗さ及び不透明度である。上記で説明したように、上述の現場積層のプロセスが、印刷可能な媒体の裏にファスナまたはファスナ予備成形物を付着する間、紙の最初に選択された特性を実質的に維持することが分かっている。
【0058】
このことは、写真品質画像を表示するための紙の選択の場合においても言えることが分かっている。そのような実施は、非写真品質の4色印刷用に設計された実施よりも高い反射率及び低いドットゲインを有する。紙フック複合体シートにおける写真品質の4色印刷の場合には、一般に、紙側は少なくとも80%の輝度及び20%以下のドットゲインを有する必要がある。これにより、例えばインクジェットプリンタを写真画像の忠実な表示によって色ごとに少なくとも2400ドット/インチで紙側に印刷することができる。紙フック複合体シートにおける非写真品質印刷の場合には、紙側は依然として、少なくとも40%または60%の輝度及び50%以下のドットゲインを有するものとする。インクジェットプリンタに相当良好な品質で印刷させることができるようにするために、合わせて200ドット/インチまたは2400ドット/インチを用い、効果的な印刷のための繊維状の紙は一般に漂白した紙料を用い、平滑面を形成するためにカレンダ処理される。一般に、これらの紙はまた、白土または他の鉱物顔料の水溶性混合物によってコーティングされ、顔料結合剤として天然ポリマーまたは剛性ポリマーを用いる。インクジェット印刷の場合には、一般に、そのような紙は、80%以上の輝度を有する。
【0059】
写真品質の4色画像用に設計された実施は、写真画像を強調するために、紙側に光沢仕上げコーティングを有することが望ましいことが多い。光沢仕上げは、鏡面反射によって測定される。この目的のために、紙には、樹脂コーティングまたはキャストコーティングが施される。上述のように、樹脂コーティングは紙面に押し出され、光沢面を形成するように設計されるポリマーコーティングであり、キャストコーティングは滑らかな熱い乾燥ドラムに対して濡れたコート紙を押し付けることによって、滑らかな光沢面を形成するように設計される紙コーティングプロセスであり、プロセスにおいて、ドラム面の滑らかさが紙面に与えられる。
【0060】
これらすべての事例において、紙の選択された特性は、上述した現場プロセスを通じて実質的に維持されることが分かっている。印刷可能な媒体の印刷適性は、印刷可能な媒体に印刷される試験画像を調べることによって主観的に測定されてもよい。
【0061】
走行性は、上記で画定したように、印刷可能な紙フック複合体材料が印刷されるためにプリンタにどのようにうまく供給されるかを示す測度である。印刷可能なシートの走行性に影響を及ぼす物理特性は、特に剛性及び厚さである。十分に理解され、容易に適合されるように、平面度または無屈曲性、坪量及び他の要因もある程度影響を及ぼす。
【0062】
剛性は、紙を曲げるために必要とする力の量に関し、ガーレイ剛性試験を用いて測定することができる。紙フック複合体の全厚は、特に複合体の剛性に影響を及ぼすが、所与の紙経路を通過することができるように制限される必要もある。一般的には0.025インチ未満の高さであり、好ましくは0.020インチ未満の高さの制限された高さ(約0.015インチ以下のミニフックが好ましい)のフックファスナと適切な紙の組合せにより、走行性を有効にし、室内用途に関して適切な取付けを実現することができることが分かっている。約0.015インチの高さのミニフックを備えた紙フック複合体は、さまざまな品質の紙の上できわめて申し分のなく進み、約0.010インチ未満のマイクロフックまたは約0.008インチ未満のサブマイクロフックでは走行性及び画質の向上が見られ、依然として、一般にさらに増大する数のために、小部屋の壁面に見られるような大きなループを備えている場合であっても十分に係合可能であることが分かっている。インクジェットプリンタによって供給及び印刷される印刷可能な紙フック積層品シートの場合には、他のインクジェット印刷紙料と同様に、シートはまた、供給ローラの周囲をシートが回転することを含むインクジェットプリンタの機械動作によって永久的な屈曲に耐えるほど十分に硬くなければならない。
【0063】
光沢の高い写真品質インクジェット紙などの比較的硬い紙の場合には、60,000ポンド/平方インチ未満などの比較的低い曲げ弾性率を有する樹脂の使用によって、紙の固有の剛性に適合させることができることが分かっている。例えば、約30,000psiの曲げ弾性率を有するフィルムグレードの低密度ポリエチレンを選択してもよい。そのような樹脂は、ファスナ強度の欠如のために、ファスナ業界では通常は用いられないが、室内用途など種々の用途に使用可能であり、裏面全体を覆うなどの多数のフックが壁上で紙のシートを支持するために必要な比較的低いフッキング力を合わせて提供するために利用可能であることが分かっている。紙自体は、紙フック複合体全体のガーレイ剛性の少なくとも2分の1、多くの場合には少なくとも75%を備えうる。複合体の剛性を制限し、コストを削減するために、フックを接続する樹脂のベース層の厚さは約0.005インチ未満が好ましい。
【0064】
インクジェットプリンタに関する実施例の供給経路が、図2A及び図3Aに示されている。複合体材料は、そのようなフィーダ機構にスタックされるとき、紙詰まりを避けるために十分に平坦であることが分かっている。この平面度を測定するための1つの方法は、印刷可能なシートが紙側に蓄積される平面から紙フックシートがどれほどカールするかを測定することである。
【0065】
インクジェットプリンタは共通のオフィス用インクジェット紙の走行性特性にあわせて設計されているが、紙の裏に樹脂から構成されるフックを提供することにより、この紙の特性を変化させる。それにもかかわらず、多種多様な紙を用いて成功することが分かっている。以下の印刷されたインクジェット紙のタイプ、すなわちKS−JET−812、ピーグロス(Pgloss) 68#、アストロジェット(ASTROJET)、テスリン(Teslin)、MIJ−65−180及びパシフィックインクジェット紙(Pacific Inkjet Paper)では、裏打ちフックの領域を備え、インクジェットプリンタによって走行することに成功している。これらの紙は、インクジェット印刷用に設計されており、テスリン(Teslin)以外はコーティングを備えたセルロース繊維状の紙である。テスリン(Teslin)は、合成プラスチック紙である。これらのインクジェット紙は、図10に示されているプロセスを通過し、図9に示されている紙フック複合体が6種類の紙のそれぞれに関して作製された。用いられた樹脂は、30,000psiの曲げ弾性率のフィルムグレードの低密度ポリエチレンであった。フックの密度は、平方インチ当たり566個のフックであった。次に、紙フック複合体シートは、以下の標準的なインクジェットプリンタ(括弧内は印刷解像度)、すなわちレックスマーク(Lexmark) Z65(4800dpi×1200dpi)、キヤノン(Canon) S330(2400dpi×1200dpi)、キヤノン(Canon) i850(4800dpi×1200dpi)及びHP 3820(4800dpi×1200dpi)を用いて、供給し印刷に成功した。したがって、紙フック複合体は、0.015インチのフックの高さ及び0.0007インチ〜0,0027インチのフック裏打ち厚さを与えた場合に、種々の標準的なインクジェットプリンタにおいて、走行可能かつ印刷可能である。
【0066】
ガーレイ剛性試験によって測定される紙フック複合体の剛性は、その裏に形成されるフックを備えていない用紙の剛性とは異なることが分かっている。印刷可能な試験サンプルの場合には、複合体の剛性は、1678.3mgの最大ガーレイ剛性を備え、元の普通紙の48%〜190%の範囲であった。紙フック複合体の平面度は、増大するが、約1.5インチ未満の許容可能な範囲であった。試験サンプルの場合には、ある程度平坦な紙シートから、水平面から0.04インチ〜1.56インチの範囲のカールに変化した。(カール傾向は、紙側を上にし、水平面から紙の任意の部分の最大変位である。)
【0067】
一般に、フック裏打ち及び用紙の組合せは、元の紙より硬い複合体を生じるものと仮定される。しかし、実際には、場合によっては、紙フック複合体は、元の用紙より軟らかいことがあることが分かっている。図12を参照すると、樹脂がカレンダ処理ロールニップ93の中に押し出されるとき、紙における繊維状の接着剤の一部が遮られるため、複合体の紙部分、場合によっては全体的な複合体自体も軟らかくなることが分かっている。硬すぎてインクジェットプリンタによって供給することができないと初めは考えられている紙を用いて、紙フック複合体の印刷を行うことができるときに、この効果が分かる。
【0068】
図3のインクジェットプリンタの供給経路を示す図13及び図14を参照すると、上述したように、フック裏打ちを備えた紙のスタック120がトレイ124の中に配置される。印刷ヘッド128による印刷のために、インクジェットプリンタに新たなシート6を供給するために、トレイ124は前方に回転し、平行なドライブローラ126、132及び134は、一番上の複合体シート6をスタック120からニップ127を通って移動し、シート6に対するドライブローラ126の摩擦を用いて、図3Aに示される110°の紙供給経路を回って紙をドライブローラ122の方に引き寄せる。次に、シート6は、ドライブローラ122に沿って移動し、印刷ヘッド128によってその上に印刷される。最後に、外側供給ガイドローラ130が紙をプリンタから排出する。プラテン129は、印刷プロセス中、位置合せ制御のためにドライブローラ126、132及び134に対して紙を保持する。複合体シートが重すぎる場合には、紙フック複合体はニップ127で折り畳まれるため、適切に供給されない。上述のプリンタを用いて成功を収め、プリンタの周知のニップパターンの外側にフックの帯を戦略的に配置することにより、特にシート経路の長いマージンに沿って、フックの帯の間の広い印刷可能な空間にわたって、フックまたは樹脂さえも配置せずに、供給に関する問題を避けることができることが分かっている。これは、プリンタの供給に関する問題を克服するために、ドライブローラ126、132及び134の下のニップ領域におけるシートの厚さを削減する所望の効果を有する。
【0069】
したがって、いくつかの実施例では、フックは、印刷可能な面に対向する面を完全に覆わない。フック帯の戦略的な配置は、一般的なプリンタドライブ構成に見られる位置に基づいている。図15は、8.5インチ×11インチのシート124の上に重ね合わせられる種々の標準的なインクジェットプリンタに関してドライブローラセット130’、132’及び134’の平面図を示している。これらのプリンタは、HP 3820(ドライブローラセット130’に対応)、キヤノン(Canon) i850(ドライブローラセット132’に対応)及びキヤノン(Canon) S330(ドライブローラセット134’に対応)を具備している。図示されているように、ドライブローラセット130’、132’及び134’は、左マージン128’のシート124及び紙経路の右マージン126’に接触しない。左マージン128’の幅はW1であり、右マージン126’の幅はW2である。調査されたプリンタの設定では、W1は1.5インチであり、W2では1.125インチである。これらのマージンに配置されるフックの帯は、ローラ120及び122と接触しない。別の問題は、外部供給ローラとフックとの間の接触によって生じると考えられる。左マージン及び右マージンの別のセットは、ドライブローラまたは外部供給ローラのいずれにも接触しないため、これらの領域における帯のみの配置は、フックの領域と外部供給ローラの領域との間の接触を阻むことが分かっている。したがって、ドライブローラ及び外部供給ローラの組合せが印刷ヘッド128に対する紙を制御するようなシステムにおいて、位置合せ制御(すなわち、供給経路に沿った印刷の制度)は、特定のプリンタの場合にはドライブローラ及び外部供給ローラの配置に基づいて決定される左マージン及び右マージンにフックを戦略的に制限することによって維持されうる。図16に示される結果として生じる紙フック複合体シート134は、特定のプリンタの場合にはドライブローラ及び外部供給ローラの配置に基づき、左マージン及び右マージンの上にフックストリップ130”及び132”を有する。
【0070】
図16Aによって示される一実施例において、フックストリップのベース樹脂層は紙の幅を横切って延在する連続ストリップ140である。図16Bによって示される第2の実施例において、マージン内のシート部分は普通紙であり、その厚さは標準的なプリンタによって供給されるように設計されている。これは、ドライブローラ126、132及び134の下のプリンタニップを通るシートの厚さを削減し、プリンタの供給に関する問題を解消するのにさらに役立つ。図16Aの製品の作製に関して、溶融樹脂の機械幅の供給が図10または図11の実施における成形ロールに導入されるが、成形ロールの使用可能な金型キャビティは所望のマージンの帯に制限される。これらのマージンの間に固体樹脂層が形成される。図16Bの場合には、溶融樹脂は、フック帯が所望である領域に限って、成形ロールに供給される。この場合には、成形ロールの面全体がフックキャビティによって覆われ、製品におけるフックの帯の配置は、樹脂が供給される場所に左右される。
【0071】
図17は、フックによって覆われていない領域に、図16の複合体を係合する回転可能なニップロールR及びR1を示している。紙の係合される領域は無地であってもよく、またはフックが形成される樹脂の平面層140を保持してもよい。ロールの向こうにある領域にのみ、上述したようにフックを保持するため、フックはニップ圧力から保護される。ロールRまたはR1は印刷ロールであってもよく、高圧で基板に保持する剛性ロールであってもよい。したがって、基板は、オフセット技術などの高圧によって印刷されてもよい。同様に、ロールR、R1の一方または両方は、紙に塗布されるコーティング材料をニップに運んでもよい。さらに、ロールRまたはR1はカレンダ処理ロールを含んでもよく、予め成形されたフックを妨害することなく、複合体上の他の特徴部を成形するための成形ロールであってもよい。フックは、縦方向の連続帯をなしていてもよく、または画定された帯の境界内で複合体の長さに沿って分散される不連続なパッチであってもよい。横方向に面する成形フックとして図示されているが、フックは多くの場合、対応する帯の広がる方向に延在するように成形されることを理解されたい。ロールRは、必要に応じて紙の中心線に沿って延在するフックの帯(図示せず)に適合させるために、周辺の溝を備えていてもよい。ロールR1は、紙の対向する側にあるフックの1つ以上の帯に適合させるための溝を備えていてもよい。
【0072】
図18は単独ロールのフック保護構成を示しており、圧力ARがロールRに対して複合体の非フック保持領域に印加される。ARは、別法として、フックが施された後の印刷またはコーティングなどの複合体の処理を示してもよい。したがって、ロールに関して操作することによって実現可能な複合体の正確な位置決めは、予備成形フックの存在にかかわらず実現される。処理ARの他の例としては、例えば、感光性材料の露光などの放射線曝露、例えば紫外レーザ走査またはレーザ書き込みまたは電子ビームなどの放射線架橋、火炎をはじめとする噴射などの空気または気体、または制御された反応性空気または薄い金属コーティングを形成するために金属蒸気などの他の空中浮揚材料に対する曝露、噴射コーティング、液体カーテン及び液浸をはじめとする液体コーティング状態に対する曝露(特に、この技術はフィルタ層及び上部クリアコートも含む写真現像可能な複合体コーティングのゼラチンの精密な許容差の適用を可能にする)、紙が正確に位置決めされる非接触印刷、インクジェット印刷、ゼログラフィー(トナー粒子の使用などの静電印刷)または写真現像などの印刷状態に対する曝露などが挙げられる。
【0073】
図19は、フックの帯から距離Lで位置決めされるループ材料LPを備えた、図16Aに示されるものなどの紙フック積層品を示している。物体を中心にして延在する長さLを選択し、フック構成要素及びループ構成要素の広がりを適切に選択することによって、複合体は、写真再生を行う広告用スリーブを形成するため、または陳列した製品に関する図画を購入場所に配置するため、または印刷された政治ポスターを形成するため、または例えば祝われる人の写真表示などを保持する装飾的な冠を作製して頭などの人間の身体の一部に配置するため、または廉価な腕輪を形成するために腕の周囲または他の身体の部分の周囲に配置するために適したサイズであってもよい。図20は、その外面にループ材料LPを備えた腕輪の一部を示している。紙フック積層品6上に印刷されたカメオ写真が、ループに着脱可能に係合するフック10によって備えられることが示されている。
【0074】
図21は図16Aの材料を示しており、フック10がベルクロ・ユー・エス・エー・インコーポレイテッド(Velcro USA Inc.)からループL3311として入手可能なニードル加工の不織ループ材料などのループ材料LPの分離パッチの上に係合していることが示されている。このループ材料は、紙基板Sに積層されていることが示されている。紙Sの裏には感圧接着剤Aが備えられ、その対向する面上の接着剤は基板S1にシリコンの剥離コーティングを備えた剥離紙を保持している。接着剤及びフック・ループ係合は、接触接着剤が曝露され、紙フック複合体を支持することを目的とした壁などの面に固定された後、ループからフックを剥がして解放することができるように協働的に設計されている。写真は、例えば紙フック複合体6の紙側に印刷される写真であってもよい。
【0075】
図22は、紙フック複合体LPが付着される壁630を示している。紙フック複合体は、「J」字型のフックを備えていることが示されている。裏打ち全体のすべてのフックは、同一方向に向けられ、壁面の下方に延在している。複合体を取り外す場合には、具体的には付加的なわずかに上向きの力によって上部から剥がすことによって、ループからのフックの解放を容易にするため、ループを損傷から保護するのに一役担っている。このような保護を必要とするループとしては、ファスナのループ構成要素として機能するように設計されていない壁の被覆または衣服などの面上のループが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0076】
上述の概念の一部の実施において、締結強度を最大するための一般的な要望に反して、低い剥離強度を提供することが有利であるように、フックを設計して用意することが好ましい。そのような「弱い」フックによって裏打ちされた紙または写真は、ファスナとして機能するように作製されていない従来の繊維に取付け、取外し及び再取付けされることができる。例としては、自動車の天井、繊維状の壁紙及び比較的繊細な品質の衣服として機能するニードルパンチされた繊維である。
【0077】
フック剥離強度を低下する1つのアプローチは、フックファスナを形成するためには従来推奨されていない熱可塑性樹脂を選択することである。この目的のために、樹脂は約35,000psiを超える曲げ弾性率を備えていないことが望ましい。フィルムグレードの低密度ポリエチレンなどの30,000psiの曲げ弾性率を有する材料が推奨される。一定の状況下では、25,000psi、実際には20,000psiの曲げ弾性率を有する樹脂はまた、フックに裏打ちされた印刷可能な紙が係合される面を保護する際に有利であることが予想される。
【0078】
フックまたは予備成形物の曲げ弾性率及び強度を低減することによって、成形品の取出し中に成形された特徴部を破損する危険性が増大する可能性がある。この傾向を相殺するために、米国特許第6,163,939号明細書に開示された化学エッチプロセスによる金型リングの成形などによって、きわめて滑らかな面を備えた金型が推奨される。別の技術は、金型キャビティから容易に解放される形で屈曲部のない簡素なステムを現場で成形することである。後成形作業として、次に、これらのステムは、例えば、わずかに平坦なトッピングを用いてフックに形成される。その際、積極的にフックを形成するように取り計らう必要はない。例えば、静止抵抗面または通過するステムの面測度と著しく不一致である面測度で動作している平面トッピングロールの面などの金型は、所望の効果を備えうる。軟らかいステム材料は1方向に引っ張られ、「J」フックを形成する。さらに、所望の弱いループ係合可能なフックまたは極端に弱いループ係合可能なフックは、薄いか、または積極的に角度を成していないか、または従来より小さい改変した屈曲部によって形成されることができるため、ループ材料から容易に解放されることができる。
【0079】
類似の効果のために、一部の環境では単位面積当たりのフックの数が、平方インチ当たり100個のフック程度まで意図的に削減される。このように削減されたフック密度は、光分散効果または光分散力が予測される条件で過度に軽い紙物品を支持する。複合体に略均一な有効厚さを与えるために、隣接フックによって最初に示される場所では、フックの突起がないように成形されてもよい。
【0080】
次に図23を参照すると、見本市ブース500は、テーブル400及び自己支持式床ディスプレイシステム300を具備している。いずれもループを有する不織材料114によって覆われている。広告及び宣伝パンフレットを備えた印刷された紙シート153が種々の面に取付けられる。壁用紙料はまた、上述の紙フック積層品として形成され、続いて、高速のオフセット印刷を用いて、連続長さのフックに裏打ちされた壁用紙料を印刷することによって印刷されてもよい。この壁紙は、ループL3311としてベルクロ・ユー・エス・エー・インコーポレイテッド(Velcro USA Inc.)から入手可能なニードル加工及び延伸され、結合剤がコーティングされた不織材料などの低い位置にあるフック係合可能な軽量の材料を有する壁に取付けることが好都合である。
【0081】
図24を参照すると、スクラップブック200の頁202が、ニードル加工ループ製品などのフック係合可能な材料シート114を紙のシート208に積層することによって形成される。または頁安定性のために適切な結合剤を有するループ材料がそのまま用いられる。材料シートは、所望の判型の頁202を形成するために切断され、スクラップブック200を形成するために製本される。このようなスクラップブックは、上述したようなその裏に係合可能なフックファスナを用いて、上述の印刷された紙フック積層品または写真などの展示される物体204を整理する場合に有用である。物体204は、紙フック複合体の裏のフックファスナ104を用いて、頁のフック係合可能な面114に着脱可能に取付けられる。締結システムのために、展示される品目の特定の構成は、剥離して、その位置を再調整し、新しい材料を追加することによって、容易に変更されることができる。
【0082】
図25に示される他の実施例において、印刷された紙フック複合体プラカード368は、販売促進メッセージ、価格、宣伝または季節のテーマを表示するために店頭のウィンドウ366に接着剤によって永久に固定されるループ材料に取付けられる。同様に、フック裏打ちを備えた丈夫な合成繊維の紙などの印刷された紙から作製される丈夫な紙のフロアマット372は、メッセージまたは案内矢印を備えるように印刷される。フロアマット370は、カーペットの床370のループに着脱可能に取付ける。
【0083】
図26を参照すると、吊り下げディスプレイ450が、ループ材料114で覆われた段ボールまたは合成樹脂フォームの支持物452を具備している。個別の梱包商品451が、表側のフック10によって支持物に取付けられる。各梱包商品は、上述のフック紙積層品を形成するために、フック樹脂を用いて積層される用紙の裏打ちカードを含み、表側にもロゴ及び製品情報を備えるように印刷されることができる。フック樹脂を通して印刷を読むために、適度に不透明でない樹脂を用いてフックを成形することができ、カード試料は積層前に予め印刷されることができる。各梱包商品451は、中でも剃刀の刃、カードまたはキャンディなどの商品454を保持するブリスターパックを備える。
【0084】
上述のフック紙複合体は、広告看板画像などの用途用の大型インクジェットプリンタによって印刷されてもよい。例えば、ニューハンプシャー州メレディスのヴューテック(Vutek(Meredith,NH))から入手可能な「ユートラ・ヴュー(Utra−Vu)(登録商標)」5300及び5330プリンタが、広告看板材料の上に印刷する場合に適している。類似の態様において、大きな設計図または意匠図は、従来のインクジェットドロープリンタによってフックに裏打ちされた画用紙に印刷され、新しい工事現場の事務所または損傷制御の試みの場合には海軍艦艇上に容易に取付けられてもよい。同様に、布を係合し、その裁断を誘導するための大きなパターンが、縫製者及びアパレル業者のために作製されてもよい。
【0085】
紙フック複合体シートはまた、印刷紙またはラベル紙料の形で形成されてもよい。熱転写プリンタを用いて、紙フック複合体の上にバーコードを印刷してもよい。感熱印刷は、感熱印刷ヘッドから転写テープへの熱移動を伴い、加熱点で、テープの組成物が溶融し、紙に転写する。加熱素子が文字及び図画の形を成すとき、文字及び図画が転写されるため、見ることができる。感熱ヘッドは、紙と接触している転写テープに対して常に押し付けられる小型の加熱素子の列からなる。バーコードは、図画画像の形態である。ループ係合可能なフックを備えた紙フック積層品を用いて印刷されたバーコードは、カーペット及び衣服などの繊維を備えた商品に着脱可能に取付けられてもよい。紙フック複合体シートは、供給ロールに巻き取られ、プリンタの供給経路に従うことができる。
【0086】
静電印刷複写システムもまた、紙フック複合体シート上にカラー画像または白黒画像を複写するために用いられてもよい。
【0087】
別の実施例は、連続長さの紙フック複合体材料に画像を印刷するために、フレキソ印刷を用いる。スタックプレスを用いたこのような高速印刷は、フック裏打ちを備えた壁紙を作製するために、紙フック複合体材料におけるカラー印刷を含みうる。また、「中心の圧痕」及び「直列」のプレスを用いることができる。基板上のフレキソ印刷は、低粘性のフレキソ印刷用インクまたは染料を基板に塗布し、基板上に印刷を固定するのに十分な条件に塗布されたインクまたは染料を曝すことを含む。紙フック積層品の場合には、裏でフックに害を及ぼすことなく、エラストマー弾性ロールが紙に接触する。
【0088】
別の実施において、紙フック複合体6は、人がボールペンまたはインクペンを用いて、図6に示されているような紙側8に情報を手書きしてもよいように選択された特性を備えていてもよい。これは、ブレインストーミング及びアイデア収集行為中など、オフィスの繊維で覆われた壁または掲示板に手書きのメモを着脱可能に取付けるノートパッド用として有用である。別の実施において、紙フック複合体シートのスタックは、3つのリングのバインダに合わせて穴があけられてもよい。メモはシート上に書かれてもよく、シートは印刷画像を備えていてもよく、またはメモは印刷シート上に書かれてもよい。
【0089】
別の実施において、印画紙は紙フック複合体を作製するために、印刷可能な紙または書き込み可能な紙で代用してもよい。光化学物質を塗布し、続いて現場積層を行うか、またはその前に冷却ロール保護物によって行ってもよい。このようにして、フック裏打ちを備えた紙上に写真を現像(写真印刷)してもよい。これは、スクラップブック、小部屋の壁または掲示板などの繊維ループを保持する面に本物の写真を着脱可能に取付けることができる。前述のように、紙の裏にフックを取付けた後、複合体は、写真印刷可能(写真現像可能)な紙に暗いところで処理してもよい。したがって、そのような基板に有用な紙基板を作製することを含む写真などのための写真現像可能な紙を形成し、好ましくは現場積層によって紙(またはコート紙)の裏にフックの領域を塗布し、しかる後に、暗いところで、紙の面を写真現像可能にするコーティングを施すことによって基板を処理するために、プロセスが行われる。材料はロール形態で提供されてもよく、またはプロセスは、作製された連続材料をシートに切断して、スタックし、依然として暗いところで不透明な包装によって梱包することをさらに含んでもよい。印画紙は一般に、ポリエチレンによって表も裏もコーティングされる。フックに関して共通のポリエチレンベース層を用いてポリエチレンのフックを施し、紙の裏を覆うことによって、裏の通常のポリエチレンコーティングを省略することができる。裏にフックを備えた紙は、ハロゲン化銀をはじめとする種々のゼラチン層を施すことによって、通常の方法で処理されることができる。カラー写真の場合には、付けられた染料を有するハロゲン化銀に、染料(CYMK)に作用して選択された色を通すフィルタ層及び最終的なクリアコートを加える。
【0090】
ある事例では、写真現像可能な紙の裏のコーティング(上述のゼラチン層など)の厚さは、紙における写真の適切な現像のために確実に画定しなければならない。写真現像可能な紙がフック裏打ちを有するとき、これらの厚さを十分に画定することは困難である。本願のように、精密許容差層を形成するために、帯に沿って連続的または選択された場所のいずれかで最小の帯の境界内にフックが設けられることが有利である。フックは、紙、この場合には写真現像可能であるように選択された紙の裏にあるこれらの領域にのみ成形される。帯は、図16などのマージンにおいて縦方向に沿って延在する。これらのマージンの内側に、必要なゼラチン層が印画紙の面に施される。コーティング中またはコーティングニップの通過中、基準ロールの周囲で操作される複合体の非フック部分によって、厚さ精度が実現される。図16Aによって示される事例では、連続的なポリエチレンのフック裏打ちがマージンの間に形成され、通常のポリエチレンコーティングが省略され、マージンの中間のクリアコートに加えて、ゼラチン層が施される。
【0091】
多くの金型成形リングによって形成されるロールを用いて成形フックの現場成形が実現されるとき、成形ロールを形成する金型または「金型」リングの外径のわずかな変動及び離心率は、特に光沢面上で写真品質画像に表れるようなわずかな印を紙に残しうる。そのような印は、種々の実際の写真用途用の複合体の有用性を無効にするわけではないことが分かっている。最終的なフックの形状はまた、薄い金型リングのマークがきわめて厳しい環境で生じうる任意の問題を避けるために、2段階成形作業において形成されてもよい。第一に、ステム予備成形物がまっすぐな孔状の金型を有する固体の研磨カレンダ処理ロールを用いて、まっすぐなシャフトとして形成される。第二に、紙の上にこのように現場積層される予備成形物が、後成形処理に曝される。例えば、ステムが好ましくは非接触熱源によって加熱され、紙側が冷却ロールに係合される。次に、加熱部分は、上部が平坦な形状(フラットトップ形状)のフックまたはマッシュルーム形状のフックなどのステム及びループ係合可能な成形物を変形させるために、プレス面と接触する。このようなマッシュルーム形状のフックは複数の方向において繊維材料のループを把持するため、ヘッドサイズに応じて、把持強度がJ型フックの場合より高くなりうる。このような把持強度は、紙フック複合体がループ面により確実に粘着する必要がある用途、またはすべての方向から生じる分離力に対して安全にする必要がある用途において有利である。このような用途は、風の強い状態の屋外に配置されるラベル及び広告看板を含みうる。ファスナ要素を形成するためにステムを後処理する有用な方法及び有用なマッシュルーム型ファスナ要素特性に関する詳細は、米国特許第6,248,276号明細書において見られる。
【0092】
紙フック複合体材料を作製する別の方法において、フック材料は、押出成形及び成形ロールカレンダ処理スタックを用いて、印刷可能な紙に同時に積層することなく作製される。第二の作業において、この予備成形フック材料が接着剤を用いて印刷可能な紙に積層される。第一に、フック材料は、適合する接着性樹脂または化学的性質によってコーティングされる。接着コーティングは、噴射コーティング、カーテンコーティング、ロールコーティング及び任意の他の種々のコーティング方法を用いて施されてもよい。
【0093】
図27は、機械500を用いた噴射コーティン及び積層技術を示している。左から始まり、ロール501が予備成形フック材料502を解き、同時にロール504印刷可能な紙506を解く。スプレー514が、印刷可能な紙8の裏に接着剤512を噴射して接着剤506を有する印刷可能な紙を形成する。次に、フック及び紙の2つのウェブは、一方がコーティングされ(または、ゴムベースの接触接着剤を用いる場合には両方がコーティングされる)、紙フック複合体510を形成するために2つのウェブを接着するために、2つのカレンダ処理ロール700、702を用いて密接するように接触する。2つのカレンダ処理ロールの間の圧力はかなり小さく、例えば1200ポンド/平方インチ(psi)以下でフックを保護することができる。接着剤512に応じたオプションとして、硬化炉またはヒータ508を用いて、接着剤512を硬化し、フック及び紙の2つのウェブを永久に積層することができる。
【0094】
図28は、機械520を用いたカーテンコーティング技術を示している。右から始まり、ロール504が接着剤512の連続ストリームの中に印刷可能な紙8を解いて、接着剤506を備えた印刷可能な紙を作製する。ロール501は、予備成形フック材料502を解く。次に、図27の説明に基づいて、フック及び紙の2つのウェブが積層されて、紙フック複合体510を形成する。
【0095】
図29は、機械540を用いたロールコーティング技術を示している。右から始まり、ロール504がローラ542、544及び546を用いて接着剤512のコーティングを受ける印刷可能な紙8を解き、接着剤506を備えた印刷可能な紙を作製する。ロール501は、予備成形フック材料502を解く。次に、図27の説明に基づいて、フック及び紙の2つのウェブが積層されて、紙フック複合体510を形成する。
【0096】
図30は、機械560を用いた押出し及び積層技術を示している。左から始まり、カレンダ処理スタック562が、フック材料502を形成する。フック材料502には、噴霧器564によって接着剤512が噴射される。ロール504が、印刷可能な紙8を解く。次に、図27の説明に基づいて、フック及び紙の2つのウェブが積層されて、紙フック複合体510を形成する。
【0097】
予備成形フック材料は、図27〜図30に示される積層の前に、米国特許第6,035,498号明細書に開示されるように機械断面方向に延伸されてもよい。フック材料が延伸された後、フック材料は印刷可能な紙によって積層され、紙フック複合体を作製する。例えば、連続長さのフック材料は、米国特許第4,794,028号明細書のカレンダ処理成形機などによって、幅12インチに形成される。次に、幅12インチの材料が、幅36〜48インチまで延伸される。続いて、このような延伸されたフック材料が、上述のような接着剤を用いて印刷可能な紙に積層される。製品がフックの列の間で延伸されるため、フック材料の延伸はフック密度の減少を生じる。この実施は、フックとループとの間に強力な取付けが必要でない軽量の用途の場合には有用である。この代替となる作製方法の利点は、遅い押出成形プロセスが幅のより広い材料を作製するために延伸されるフック材料を生じるため、作製プロセス全体が少ない費用で紙フック材料の高い処理能力を実現することである。
【0098】
場合によっては、第2の材料が、連続長さの予備成形フック材料と印刷可能な紙との間に接着結合層として設けられる。薄く廉価なフォーム層は、結合層として機能してもよい。火炎がその面をわずかに溶融するために加熱すると、フォームの構造(必要に応じて)を維持するほか、フックを保護するために、比較的小さい積層圧力が印加されるとき、フォーム層はフック材料と紙との間で作用する接着剤となる。フォームの残りの厚さはさらに、最終的な紙フック複合体にある程度の緩衝材を提供しうる。最初に形成されるとき、フォームシートの厚さは、1/16インチ以下であってもよい。プロセスにおいて、予備成形フック材料の裏がフォームまたは発泡性樹脂の押出されたコーティングを受け、連続気泡または独立気泡のいずれかが火炎積層に適し、印刷可能な紙と接合される。次に、フォームの露出面が、火炎を用いて溶融される。次に、フック材料が、フックを押しつぶさないようにするために、1200ポンド/平方インチ(psi)以下のニップ圧力で低圧のカレンダ処理ロールを用いて、印刷可能な紙に粘着性のフォームによって積層される。一部の実施において、この積層は、材料の全厚とカレンダ処理ロール間のニップの間隙との間に、1/32インチ以下の締めしろを用いてこの積層が実現される。フォームの溶融面は紙面と係合して結合し、フォーム樹脂が接着剤として機能する。冷却時に、製品はロールに巻き取られる。ポリ塩化ビニル(PVC)またはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を用いて、予備成形フック材料を成形してもよい。この場合には、フック材料の裏打ちは、印刷可能な紙の裏に接着されるテトラヒドロフラン(THF)溶剤を用いて粘着状態まで軟化される。
【0099】
ポリエチレン及びシリカなどの充填剤材料の配合物を含む合成紙は、強度及び耐水性という付加的な利点を有する印刷可能な媒体として一般に用いられている。この合成紙は、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ及びフレキソ印刷プリンタによって印刷可能であり、上記で画定したように「品質印刷可能」である。そのような合成紙は、ペンシルバニア州ビッツバーグのピー・ピー・ジー(PPG(Pittsburgh,PA))からテスリン(Teslin)(登録商標)として市販され、米国特許第4,861,644号明細書及び欧州特許第0289,859 B1号明細書に基づいて作製される。品質印刷可能な合成紙の1つの層及びフック材料の別の層を有する紙フック複合体材料を形成するために、ポリエチレンの一般的に印刷可能な紙配合物及び不活性充填剤からなる樹脂は、フック樹脂と共に、図10及び図11の機械の積層間隙に同時押出しされてもよい。印刷可能なポリエチレン配合物はまた、フックが形成された後の第二の作業として、フックウェブの裏に押出されてもよい。フック及び印刷可能な合成紙層はまた、印刷可能なポリエチレン配合物から形成されてもよい。また、このように形成されるフックの弱さは、軽量の複合体材料を係合して保持するために入手されるフックが膨大な数であるために、容易に耐えうることが分かっている。
【0100】
押出し可能な接着性樹脂はまた、予備成形フック材料と印刷紙との間の結合層として用いられて、望ましい紙フック積層品印刷紙料を形成してもよい。そのような1つの実施において、フックは既に述べた成形技術を用いてポリエチレン樹脂から予備成形される。次の作業において、フック材料のフックに対向する側がわずかに加熱され、印刷紙がフック材料の裏に積層される。わずかに溶融したポリエチレンが、印刷紙を備えた接着剤を形成する。
【0101】
別の実施において、押出し可能で、紙に接着する個別の樹脂が、フック樹脂と共に同時押出しされ、接着剤の裏打ちまたはフック材料の裏の結合層を形成する。そのような押出し可能な接着性樹脂は、デラウェア州ウィルミントンのデュポン(DuPont(Wilmington,DE))から「バイネル(Bynell)(登録商標)」として市販されている。接着剤の裏打ちを備えたフック材料を形成する第1の作業が完了した後に、品質印刷可能な紙がフック材料の裏側に積層される。
【0102】
以下の米国特許出願明細書及び公開明細書、すなわち米国特許出願第09/322,663号明細書(基板上のループ材料(Loop Material on Substrates))、米国特許出願第60/404,722号明細書(印刷可能なファスナ積層品に基づくディスプレイ及びプレイシステム(Displays and Play Systems Based on Printable Fastener Laminates))、米国特許第5,260,015号明細書、米国特許第6,248,276号明細書及び米国特許第6,035,498号明細書は、参照によって完全に本願明細書に援用されるものとする。
【0103】
本発明の種々の実施形態について記載されている。本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、多くの改変を行うことができることを理解されたい。したがって、他の実施形態は、以下の請求項の範囲内に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】紙フック複合体のシートの巻き付けられたスタックの斜視図である。各シートの裏は、ファスナフックの領域を保持する。
【図1A】図1のスタックの個々の紙フック複合体シートの拡大側面図である。
【図1B】フック側の平面図である。
【図1C】図1Aのシートの紙側の平面図である。
【図2】インクジェットプリンタを介して供給されるフックで裏打ちされる紙シートの斜視図である。
【図2A】プリンタに関してプリンタの紙供給経路の概略側面図である。
【図3】別のインクジェットプリンタによって供給されるフックで裏打ちされる紙シートの斜視図である。
【図3A】プリンタの紙供給経路の側面図である。
【図4】繊維で覆われた壁を備えるオフィスの小部屋の斜視図であり、壁の一面には印刷を伴うフックで裏打ちされる紙が取付けられる。フックで裏打ちされる壁紙で覆われた別の壁が示されている。
【図5】図4の取付けを拡大して示す部分断面概略図である。
【図6】書き込み可能紙シートのスタックの斜視図であり、各紙シートはその裏にファスナフックを有する。
【図7】インクジェットプリンタに関連するホームコンピュータシステムのデスクトップを示している。
【図7A】紙及び成形フック積層品を含む印刷可能な材料の概略斜視図である。
【図8】自動車の天井にフックファスナによって取付けられるデカールを見ている自動車の座席にいる子供の概略図である。
【図9】フックで裏打ちされる紙の拡大側面図である。
【図10】現場積層技術によって紙と部材を係合する一体成形フックを作製するための装置を示している。
【図11】同一の一般的な原理に基づく機械及び方法の変形である。
【図12】図10の成形ニップの拡大図である。
【図13】インクジェットプリンタの紙供給経路の概略側面図である。
【図14】図13の線14に沿って切り取った長手断面図である。
【図15】標準的な印刷可能なシートの上に重ね合わせられる多数のインクジェットプリンタのドライブローラパターンの平面図である。
【図16】その裏にファスナフックの2つの帯を保持する印刷可能な紙フック複合体シートの概略平面図である。
【図16A】ファスナ要素の帯の1つの内縁における図16の紙の拡大側面図である。
【図16B】ファスナ要素の帯の1つの内縁における図16の別の構成を示している紙の拡大側面図である。
【図17】フックによって示されていない領域における紙フック複合体の側面と係合する圧力ニップの断面図である。
【図18】ロール上で処理される紙フック複合体を示している。
【図19】紙フック・ループ複合体帯の一部の側面図である。
【図20】図19の帯から形成され、紙ループ複合体カメオ写真が取付けられる外向きのループを保持するリストバンドの側面図である。
【図21】壁に固定するためのループ材料を保持する紙ループ複合体を示している。
【図22】下を指している単一方向のフックをかけている壁紙フック複合体壁を示している。
【図23】見本市のブース及び床ディスプレイシステムの概略図である。
【図24】スクラップブックを概略的に示している。
【図25】店においてフック係合可能な材料を塗布し、ディスプレイされる印刷された紙フック複合体の床ランナ及びウィンドウディスプレイを示している。
【図26】商品の吊り下げディスプレイの概略側面図である。
【図27】接着積層のスプレーコーティングによる紙フック複合体の積層を示している。
【図28】接着積層のカーテンコーティングによる紙フック複合体の積層を示している。
【図29】接着積層のロールコーティングによる紙フック複合体の積層を示している。
【図30】接着積層の押出成形による紙フック複合体の積層を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙側(8)及びフックファスナ側(10)を有する紙フック複合体製品(6)であり、前記フックファスナ側がファスナフック(20)の領域を有し、前記紙側(8)が印刷可能、書き込み可能または写真現像可能であるように形成される面を有し、前記ファスナフックが表側に存在する紙フック複合体製品(6)。
【請求項2】
前記フック(20)がステム及びヘッドを有し、少なくとも前記ステムが成形品であるか、または前記ステム及び前記ヘッドが成形品である請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記紙(8)が印刷可能であるように形成されるコーティング面を有するか、または写真品質印刷可能であるように形成されるコーティング面を有する請求項1または2に記載の製品。
【請求項4】
前記紙(8)が白色であり、少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも80%の輝度を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の製品。
【請求項5】
前記紙(8)が少なくとも200ドット/インチ(dpi)(78.74ドット/センチメートル、すなわちdpc)または600dpi(236.22dpc)または1600dpi(629.92dpc)または2600dpi(1023.62dpc)のインクドット密度を受け、忠実に提示するように選択される特性を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の製品。
【請求項6】
前記紙(8)が、3色以上、好ましくは少なくとも4色を用いるプロセス印刷によって印刷可能であるように選択される特性を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の製品。
【請求項7】
前記紙(8)が、カレンダ処理状態にあり、50%以下、好ましくは20%以下のドットゲイン特性を有することが好ましい、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製品。
【請求項8】
前記紙(8)が、少なくとも80%の不透明度を有する請求項7に記載の製品。
【請求項9】
前記紙(8)が、6マイクロインチ以下の表面粗さ(15.24×10−6cmの表面粗さ)を有し、少なくとも60%の鏡面反射率を有することが好ましい光沢仕上げを有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の製品。
【請求項10】
前記紙が個別の予備成形層であり、前記紙が22インチ(55.88cm)×17インチ(43.18cm)の500枚のシートの連量を基準にして約18ポンド(8.16kg)〜90ポンド(40.8kg)の坪量を有することが好ましく、前記紙が約0.003インチ〜0.015インチ(0.076mm〜0.381mm)の厚さを有することが好ましく、前記紙が200mg〜3000mgのガーレイ剛性試験によって測定される剛性を有することが好ましく、または約100mg〜150mgのそのような剛性を有することが好ましく、前記フックが0.005インチ(0.127mm)〜0.020インチ(0.108mm)の高さを有することが好ましく、前記フックが0.005インチ(0.127mm)の最大厚さを有する一体裏打ち層から延在することが好ましく、前記フックが平方インチ当たり約100〜7500個(平方cm当たり15.5〜1162.5個)のフックがあるフック密度を有することが好ましい、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製品。
【請求項11】
前記フックが約15,000〜60,000ポンド/平方インチ(psi)(1.03421e+08〜4.13685e+08パスカル)であり、一部の好ましい事例では約30.000psi(2.06843e+08パスカル)の曲げ弾性率を有する熱可塑性樹脂の裏打ち層と共に形成され、前記樹脂がフィルムグレードの低密度ポリエチレンであることが好ましい請求項1〜10のいずれか一項に記載の製品。
【請求項12】
0.035インチ以下、好ましくは約0.025インチ(0.635mm)以下の全厚を有する請求項1〜11のいずれか一項に記載の製品。
【請求項13】
非接触印刷を可能にするために、デスクトップ型インクジェットプリンタなどのコンピュータディジタル印刷装置によって供給するように約1.5インチ(3.81cm)未満の曲げ半径で曲げることができ、前記製品が約0.8インチ未満の曲げ半径で弾性曲げすることができる曲げ特性を有することが好ましく、前記製品がその紙側を上にして平面上に置く場合には、前記製品の任意の部分が平面から約1.5インチを超える高さまでカールしない特性を有することが好ましい請求項1〜12のいずれか一項に記載の製品。
【請求項14】
前記フックが、フック・ループ締結またはフック・フック締結のためのフック領域を含み、予備成形要素に対する物理的作用及び予備成形要素に対する他の形成作用と同時に、またはその後に予備成形要素の加熱をはじめとする加熱及び溶融流れによって、完全に成形されたフック、または単一フィラメント構成をはじめとする他の構成のステムまたはヘッドを既に有するステムなどの成形された予備成形要素から形成されるフックが好ましい請求項1〜13のいずれか一項に記載の製品。
【請求項15】
前記紙が予備成形され、前記紙側は、フックの前記領域が延在する側に対向するベース層の側に積層され、前記積層が直接または1つ以上の介在層を介してのいずれかであり、前記ステムを成形する間に、前記紙が樹脂層に直接的または間接的に積層される現場積層プロセスまたは前記層の対向する側にステム及びヘッドを有する完全なフックの成形によって積層されることが好ましい積層品の形である請求項1〜14のいずれか一項に記載の製品。
【請求項16】
前記紙側が非接触印刷を可能にするために選択される特性、好ましくはインクジェット印刷を受けるように選択される特性を有し、前記紙がキャストコーティングを保持することが好ましく、前記キャストコーティングが、300秒/100cc以下の通気性、すなわち自由に移動する内部シリンダの負荷(567±1.0g)の下で100mlの空気がサンプル紙の645mm2を300秒以下で通過することが好ましい請求項1〜15のいずれか一項に記載の製品。
【請求項17】
連続長さである請求項1〜16のいずれか一項に記載の製品。
【請求項18】
カットシートの形である請求項1〜16のいずれか一項に記載の製品。
【請求項19】
前記シートが長さ11インチ(27.5cm)及び幅8.5インチ(21.59cm)または長さ11.69インチ(29.7cm)及び幅8.27インチ(21cm)に切断される請求項18に記載の製品。
【請求項20】
前記表側がフック、好ましくはループ係合可能なフックで全体を覆われる請求項1〜19のいずれか一項に記載の製品。
【請求項21】
前記フックが、フック、好ましくはループ係合可能なフックの複数の帯として提示される請求項1〜19のいずれか一項に記載の製品。
【請求項22】
前記紙に対して所定の経路を画定するロールを有するプリンタと共に用いられ、フックの前記帯が前記所定の経路から偏倚している請求項21に記載の製品。
【請求項23】
フックの帯が、前記製品の対向する長手方向の縁に沿って位置決めされる請求項21に記載の製品。
【請求項24】
フックの1つ以上の帯が、比較的広いシートの縁から内側に離隔された少なくとも1つの位置を含む選択された位置で形成され、形成の後に、前記紙フック複合体が前記紙フック複合体のスリットの縁の2つの部分の切断した縁に帯を設けるために、前記帯でスリットが入れられる請求項21に記載の製品。
【請求項25】
前記フックは印刷が生じない1つ以上の流れ方向領域に位置決めされ、印刷が接触プリンタを用いて前記製品上に剛性または非弾性(コンプライアント)ロール面または弾性(コンプライアント)ロール面によって行われ、前記印刷の圧力は、前記フックが損傷を受ける圧力を超えるようになっており、印刷シリンダが前記製品の両側に保持されるのが好ましく、前記シリンダは、前記フックが印刷圧力を受けない領域に対応する領域で解放される請求項24に記載の製品。
【請求項26】
フックを含む前記帯の間に位置決めされる前記紙の第1の側に印刷ロールを、前記紙の他方の側に圧力ロールを備えたオフセットプリンタによって印刷可能であるように構成され、前記フックが、印刷プロセス中、前記オフセットプリンタによって破損されないようになっている請求項21に記載の製品。
【請求項27】
フックを含む前記帯の間に位置決めされる前記紙の第1の側にロールを、前記紙の他方の側に圧力ロールを備えた写真現像機によって写真現像可能であるように構成され、前記フックが、写真現像プロセス中、前記写真現像機によって破損されないようになっている請求項21に記載の製品。
【請求項28】
前記フックが、低いはく離力を必要とし、締結を目的としないループとの係合から容易に解放可能であるように構成され、前記フックが35,000psi(2.41316e+08パスカル)未満の曲げ弾性率の樹脂であり、平方インチ当たり最大600個のフック(平方センチメートル当たり93.0個のフック)より低い密度で提示されることが好ましい請求項1〜27のいずれか一項に記載の製品。
【請求項29】
ループ材料、好ましくは不織材料のニードル加工、延伸加工及び安定化を含む紙ループ積層品が、前記フック材料に塗布され、前記複合体を固定したい面に移動されるようになされる請求項1〜28のいずれか一項に記載の製品。
【請求項30】
前記ループ材料が、その裏に感圧接着剤を保持し、剥離層は、前記接着剤が面に塗布されるまで、前記接着剤を保護するために前記接着剤と係合する請求項29に記載の製品。
【請求項31】
前記接着剤の領域及び特性が、前記係合を解放することができるように、前記フック・ループ係合より大きな保持強度を有するように選択される請求項30に記載の製品。
【請求項32】
前記ループ材料は、前記フックが延在する前記積層品の対向する面に位置決めされ、したがって、前記ループ材料は前記紙ループ積層品をループの形に曲げることによって前記フックによって係合されるように位置決めされ、前記紙ループ積層品が広告スリーブを形成するための形状を成し、印刷されることが好ましい請求項29に記載の製品。
【請求項33】
前記紙ループ積層品が、ヘッドバンド、リストバンド、アームバンド、胴帯または脚バンドまたは人間または動物の他の身体部分を形成するように成される請求項31に記載の製品。
【請求項34】
前記ループ材料は、前記スリーブのいずれかの外面に位置決めされ、前記ループ材料が印刷画像を備えた前記製品を受けるように露出される請求項31に記載の製品。
【請求項35】
前記フックが、所望の最終用途に対応するドットまたはパッチに位置決めされる請求項1〜34のいずれか一項に記載の製品。
【請求項36】
上縁から垂直に保持されるとき、前記製品の部分が保持された縁を含む垂直面から横方向に0.5インチより多くカールしないことを特徴とする請求項1〜35のいずれか一項に記載の製品。
【請求項37】
前記フックファスナ側が、溶融温度から室温まで0.005インチ/インチ(0.005cm/cm)以下の熱収縮特性を有するプラスチック樹脂から成形される請求項1〜36のいずれか一項に記載の製品。
【請求項38】
前記プラスチック樹脂が、35,000psi(2.41316e+08パスカル)以下の曲げ弾性率特性を有する請求項1〜37のいずれか一項に記載の製品。
【請求項39】
紙フック積層品ノートシートのスタックのノートシートを形成し、前記スタックの各ノートシートが、下にあるノートシートと接合されるマージン縁を有する請求項1〜38のいずれか一項に記載の製品。
【請求項40】
不織材料の上に少なくとも部分的に印刷されるグラフィックデザインまたは画像を備え、フック係合可能な不織材料の外部層に接合される基板を含む着脱可能なディスプレイ構成要素を形成する請求項1〜39のいずれか一項に記載の製品。
【請求項41】
前記基板が、紙、木材、合成フォーム、チップボード、壁板、金属、プラスチック及びコルクからなる群から選択される請求項40に記載の製品。
【請求項42】
前記グラフィックデザインまたは画像が、フレキソ印刷、染料昇華印刷、静電印刷またはインクジェット印刷を用いて印刷される請求項40または41に記載の製品。
【請求項43】
前記基板が、オフィスの小部屋の壁である請求項40に記載の製品。
【請求項44】
前記製品が、バーコードを印刷するために、感熱プリンタによって供給されることができる請求項1〜43のいずれか一項に記載の製品。
【請求項45】
印刷可能な媒体に面して積層されるフックファスナテープを含む製品であって、前記フックファスナテープが樹脂ベースの1つの面と一体に形成され、そこから延在するステムを有するファスナ要素の配列を含み、前記樹脂ベースが前記印刷可能な媒体に積層されるように横方向に延伸される状態にある製品。
【請求項46】
前記印刷可能な媒体が、プラスチックシート、好ましくはビニルである請求項45に記載の製品。
【請求項47】
前記印刷可能な媒体が、意匠図用のシートのサイズに切断される紙シートなどの紙シートである請求項45に記載の製品。
【請求項48】
前記フックファスナテープが、上部が平坦である成形ステムを含み、前記ステムは、前記樹脂ベースが永久に延伸される前または後のいずれかで、ファスナヘッドを形成するための形成作用によって処理される請求項45〜47のいずれか一項に記載の製品。
【請求項49】
広告看板画像を展示するのに適した幅及び長さからなる請求項45〜48のいずれか一項に記載の製品。
【請求項50】
ファスナ積層品材料の作製方法であって、キャビティの配列を画定する成形ロールの面に隣接して画定される間隙に溶融樹脂を導入し、前記間隙の圧力が前記樹脂を前記キャビティに押し込んで、樹脂のシートから一体に延在するステムの配列を成形し、材料の予備成形シートに樹脂の前記シートを永久に積層することを含む方法であり、
前記積層品材料において前記樹脂に接合するときに、前記予備成形シートの広い側が露出され、前記予備成形シートの前記露出側が、その上に印刷または書き込みまたは写真画像の現像に適した面を有することを特徴とする方法。
【請求項51】
材料の前記予備成形シートが紙を含む請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ファスナ積層品材料が、印刷可能、書き込み可能または写真現像可能な側と、フックファスナ側とを有する請求項50または51に記載の方法。
【請求項53】
材料の前記予備成形シートが、前記溶融樹脂と共に前記間隙に導入され、材料の前記予備成形シートに前記樹脂を積層するために、前記ステムが成形されるときに、前記樹脂が、前記間隙において材料の前記予備成形シートに密接に結合される請求項50〜52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
材料の前記予備成形シートに現場で前記樹脂を積層する間、ループ係合可能なヘッドが前記ステムに成形される請求項53に記載の方法。
【請求項55】
材料の前記予備成形シートは、前記間隙に導入されるとき、前記材料の対向する面に対する前記樹脂の成形によってあまり影響を受けない印刷可能、書き込み可能または写真現像可能な面を有する請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
材料の前記予備成形シートが、前記間隙に導入される前に第1の剛性を有し、前記間隙に導入された後、第2の剛性を有し、積層プロセスの結果として前記第2の剛性が前記第1の剛性未満であり、それによってプリンタに前記ファスナ積層品材料を供給することが可能となる請求項53〜55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
結果として生じるファスナ積層品材料の前記剛性が、前記間隙に導入されるとき、材料の前記予備成形シートの剛性未満である請求項56に記載の方法。
【請求項58】
樹脂の前記シートが、材料の前記予備成形シートに積層され、続いて成形される請求項50〜52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
材料の前記予備成形シート及び樹脂が、接着材料、好ましくは合成フォームを材料の前記予備成形シート、樹脂またはその両方に追加することによって結合される請求項58に記載の方法。
【請求項60】
材料の前記予備成形シート及び樹脂の積層は、接着材料を設けるために合成フォームの厚さの一部を溶融し、緩和効果を提供するためにフォーム厚さの一部を保持することを含む請求項59に記載の方法。
【請求項61】
材料の前記予備成形シートが処理され、続いて積層されて、印刷可能、書き込み可能または写真現像可能にする請求項50または58に記載の方法。
【請求項62】
材料の前記予備成形シートを写真現像可能にするコーティングを施すことによって、材料の前記予備成形シートが処理される請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記樹脂シートが、積層前に、永久に延伸され、続いて成形される請求項58に記載の方法。
【請求項64】
材料の前記予備成形シートがビニルであり、前記ステムがビニルから成形される請求項58または63に記載の方法。
【請求項65】
前記予備成形シートの前記露出側が、写真品質で印刷可能である請求項50〜64のいずれか一項に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙側(8)およびフックファスナ側(10)を有する紙フック複合体製品(6)であり、前記フックファスナ側がファスナフック(20)の領域を有し、前記紙側(8)が写真現像可能または写真品質印刷可能であるように形成される面を有し、前記ファスナフックが表側に存在する紙フック複合体製品(6)。
【請求項2】
前記フック(20)がステムおよびヘッドを有し、少なくとも前記ステムが成形品であるか、または前記ステムおよび前記ヘッドが成形品である請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記紙(8)が白色であり、少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも80%の輝度を有する請求項1または2記載の製品。
【請求項4】
前記紙(8)が少なくとも200ドット/インチ(dpi)(78.74ドット/センチメートル、すなわちdpc)または600dpi(236.22dpc)または1600dpi(629.92dpc)または2600dpi(1023.62dpc)のインクドット密度を受け、忠実に提示するように選択される特性を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の製品。
【請求項5】
前記紙(8)が、3色以上、好ましくは少なくとも4色を用いるプロセス印刷によって印刷可能であるように選択される特性を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の製品。
【請求項6】
前記紙(8)が、カレンダ処理状態にあり、50%以下、好ましくは20%以下のドットゲイン特性を有することが好ましい、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製品。
【請求項7】
前記紙(8)が、少なくとも80%の不透明度を有する請求項6に記載の製品。
【請求項8】
前記紙(8)が、6マイクロインチ以下の表面粗さ(15.24×10−6cmの表面粗さ)を有し、少なくとも60%の鏡面反射率を有することが好ましい光沢仕上げを有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の製品。
【請求項9】
前記紙が個別の予備成形層であり、前記紙が22インチ(55.88cm)×17インチ(43.18cm)の500枚のシートの連量を基準にして約18ポンド(8.16kg)〜90ポンド(40.8kg)の坪量を有することが好ましく、前記紙が約0.003インチ〜0.015インチ(0.076mm〜0.381mm)の厚さを有することが好ましく、前記紙が200mg〜3000mgのガーレイ剛性試験によって測定される剛性を有することが好ましく、または約100mg〜150mgのそのような剛性を有することが好ましく、前記フックが0.005インチ(0.127mm)〜0.020インチ(0.108mm)の高さを有することが好ましく、前記フックが0.005インチ(0.127mm)の最大厚さを有する一体裏打ち層から延在することが好ましく、前記フックが平方インチ当たり約100〜7500個(平方cm当たり15.5〜1162.5個)のフックがあるフック密度を有することが好ましい、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製品。
【請求項10】
前記フックが約15,000〜60,000ポンド/平方インチ(psi)(1.03421e+08〜4.13685e+08パスカル)であり、一部の好ましい事例では約30.000psi(2.06843e+08パスカル)の曲げ弾性率を有する熱可塑性樹脂の裏打ち層と共に形成され、前記樹脂がフィルムグレードの低密度ポリエチレンであることが好ましい請求項1〜9のいずれか一項に記載の製品。
【請求項11】
0.035インチ以下、好ましくは約0.025インチ(0.635mm)以下の全厚を有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の製品。
【請求項12】
非接触印刷を可能にするために、デスクトップ型インクジェットプリンタなどのコンピュータディジタル印刷装置によって供給するように約1.5インチ(3.81cm)未満の曲げ半径で曲げることができ、前記製品が約0.8インチ未満の曲げ半径で弾性曲げすることができる曲げ特性を有することが好ましく、前記製品がその紙側を上にして平面上に置く場合には、前記製品の任意の部分が平面から約1.5インチを超える高さまでカールしない特性を有することが好ましい請求項1〜11のいずれか一項に記載の製品。
【請求項13】
前記フックが、フック・ループ締結またはフック・フック締結のためのフック領域を含み、予備成形要素に対する物理的作用および予備成形要素に対する他の形成作用と同時に、またはその後に予備成形要素の加熱をはじめとする加熱および溶融流れによって、完全に成形されたフック、または単一フィラメント構成をはじめとする他の構成のステムまたはヘッドを既に有するステムなどの成形された予備成形要素から形成されるフックが好ましい請求項1〜12のいずれか一項に記載の製品。
【請求項14】
前記紙が予備成形され、前記紙側は、フックの前記領域が延在する側に対向するベース層の側に積層され、前記積層が直接または1つ以上の介在層を介してのいずれかであり、前記ステムを成形する間に、前記紙が樹脂層に直接的または間接的に積層される現場積層プロセスまたは前記層の対向する側にステムおよびヘッドを有する完全なフックの成形によって積層されることが好ましい積層品の形である請求項1〜13のいずれか一項に記載の製品。
【請求項15】
前記紙側が非接触印刷を可能にするために選択される特性、好ましくはインクジェット印刷を受けるように選択される特性を有し、前記紙がキャストコーティングを保持することが好ましく、前記キャストコーティングが、300秒/100cc以下の通気性、すなわち自由に移動する内部シリンダの負荷(567±1.0g)の下で100mlの空気がサンプル紙の645mm2を300秒以下で通過することが好ましい請求項1〜14のいずれか一項に記載の製品。
【請求項16】
連続長さである請求項1〜15のいずれか一項に記載の製品。
【請求項17】
カットシートの形である請求項1〜15のいずれか一項に記載の製品。
【請求項18】
前記シートが長さ11インチ(27.5cm)および幅8.5インチ(21.59cm)または長さ11.69インチ(29.7cm)および幅8.27インチ(21cm)に切断される請求項17に記載の製品。
【請求項19】
前記表側がフック、好ましくはループ係合可能なフックで全体を覆われる請求項1〜18のいずれか一項に記載の製品。
【請求項20】
前記フックが、フック、好ましくはループ係合可能なフックの複数の帯として提示される請求項1〜18のいずれか一項に記載の製品。
【請求項21】
前記紙に対して所定の経路を画定するロールを有するプリンタと共に用いられ、フックの前記帯が前記所定の経路から偏倚している請求項20に記載の製品。
【請求項22】
フックの帯が、前記製品の対向する長手方向の縁に沿って位置決めされる請求項20に記載の製品。
【請求項23】
フックの1つ以上の帯が、比較的広いシートの縁から内側に離隔された少なくとも1つの位置を含む選択された位置で形成され、形成の後に、前記紙フック複合体が前記紙フック複合体のスリットの縁の2つの部分の切断した縁に帯を設けるために、前記帯でスリットが入れられる請求項20に記載の製品。
【請求項24】
前記フックは印刷が生じない1つ以上の流れ方向領域に位置決めされ、印刷が接触プリンタを用いて前記製品上に剛性または非弾性(コンプライアント)ロール面または弾性(コンプライアント)ロール面によって行われ、前記印刷の圧力は、前記フックが損傷を受ける圧力を超えるようになっており、印刷シリンダが前記製品の両側に保持されるのが好ましく、前記シリンダは、前記フックが印刷圧力を受けない領域に対応する領域で解放される請求項23に記載の製品。
【請求項25】
フックを含む前記帯の間に位置決めされる前記紙の第1の側に印刷ロールを、前記紙の他方の側に圧力ロールを備えたオフセットプリンタによって印刷可能であるように構成され、前記フックが、印刷プロセス中、前記オフセットプリンタによって破損されないようになっている請求項20に記載の製品。
【請求項26】
フックを含む前記帯の間に位置決めされる前記紙の第1の側にロールを、前記紙の他方の側に圧力ロールを備えた写真現像機によって写真現像可能であるように構成され、前記フックが、写真現像プロセス中、前記写真現像機によって破損されないようになっている請求項20に記載の製品。
【請求項27】
前記フックが、低いはく離力を必要とし、締結を目的としないループとの係合から容易に解放可能であるように構成され、前記フックが35,000psi(2.41316e+08パスカル)未満の曲げ弾性率の樹脂であり、平方インチ当たり最大600個のフック(平方センチメートル当たり93.0個のフック)より低い密度で提示されることが好ましい請求項1〜26のいずれか一項に記載の製品。
【請求項28】
ループ材料、好ましくは不織材料のニードル加工、延伸加工および安定化を含む紙ループ積層品が、前記フック材料に塗布され、前記複合体を固定したい面に移動されるようになされる請求項1〜27のいずれか一項に記載の製品。
【請求項29】
前記ループ材料が、その裏に感圧接着剤を保持し、剥離層は、前記接着剤が面に塗布されるまで、前記接着剤を保護するために前記接着剤と係合する請求項28に記載の製品。
【請求項30】
前記接着剤の領域および特性が、前記係合を解放することができるように、前記フック・ループ係合より大きな保持強度を有するように選択される請求項29に記載の製品。
【請求項31】
前記ループ材料は、前記フックが延在する前記積層品の対向する面に位置決めされ、したがって、前記ループ材料は前記紙ループ積層品をループの形に曲げることによって前記フックによって係合されるように位置決めされ、前記紙ループ積層品が広告スリーブを形成するための形状を成し、印刷されることが好ましい請求項28に記載の製品。
【請求項32】
前記紙ループ積層品が、ヘッドバンド、リストバンド、アームバンド、胴帯または脚バンドまたは人間または動物の他の身体部分を形成するように成される請求項30に記載の製品。
【請求項33】
前記ループ材料は、前記スリーブのいずれかの外面に位置決めされ、前記ループ材料が印刷画像を備えた前記製品を受けるように露出される請求項30に記載の製品。
【請求項34】
前記フックが、所望の最終用途に対応するドットまたはパッチに位置決めされる請求項1〜33のいずれか一項に記載の製品。
【請求項35】
上縁から垂直に保持されるとき、前記製品の部分が保持された縁を含む垂直面から横方向に0.5インチより多くカールしないことを特徴とする請求項1〜34のいずれか一項に記載の製品。
【請求項36】
前記フックファスナ側が、溶融温度から室温まで0.005インチ/インチ(0.005cm/cm)以下の熱収縮特性を有するプラスチック樹脂から成形される請求項1〜35のいずれか一項に記載の製品。
【請求項37】
前記プラスチック樹脂が、35,000psi(2.41316e+08パスカル)以下の曲げ弾性率特性を有する請求項1〜36のいずれか一項に記載の製品。
【請求項38】
紙フック積層品ノートシートのスタックのノートシートを形成し、前記スタックの各ノートシートが、下にあるノートシートと接合されるマージン縁を有する請求項1〜37のいずれか一項に記載の製品。
【請求項39】
不織材料の上に少なくとも部分的に印刷されるグラフィックデザインまたは画像を備え、フック係合可能な不織材料の外部層に接合される基板を含む着脱可能なディスプレイ構成要素を形成する請求項1〜38のいずれか一項に記載の製品。
【請求項40】
前記基板が、紙、木材、合成フォーム、チップボード、壁板、金属、プラスチックおよびコルクからなる群から選択される請求項39に記載の製品。
【請求項41】
前記グラフィックデザインまたは画像が、フレキソ印刷、染料昇華印刷、静電印刷またはインクジェット印刷を用いて印刷される請求項39または40に記載の製品。
【請求項42】
前記基板が、オフィスの小部屋の壁である請求項39に記載の製品。
【請求項43】
前記製品が、バーコードを印刷するために、感熱プリンタによって供給されることができる請求項1〜42のいずれか一項に記載の製品。
【請求項44】
印刷可能な媒体に面して積層されるフックファスナテープを含む製品であって、前記フックファスナテープが樹脂ベースの1つの面と一体に形成され、そこから延在するステムを有するファスナ要素の配列を含み、前記樹脂ベースが前記印刷可能な媒体に積層されるように横方向に延伸される状態にある製品。
【請求項45】
前記印刷可能な媒体が、プラスチックシート、好ましくはビニルである請求項44記載の製品。
【請求項46】
前記印刷可能な媒体が、意匠図用のシートのサイズに切断される紙シートなどの紙シートである請求項44に記載の製品。
【請求項47】
前記フックファスナテープが、上部が平坦である成形ステムを含み、前記ステムは、前記樹脂ベースが永久に延伸される前または後のいずれかで、ファスナヘッドを形成するための形成作用によって処理される請求項44〜46のいずれか一項に記載の製品。
【請求項48】
広告看板画像を展示するのに適した幅および長さからなる請求項44〜47のいずれか一項に記載の製品。
【請求項49】
ファスナ積層品材料の作製方法であって、キャビティの配列を画定する成形ロールの面に隣接して画定される間隙に溶融樹脂を導入し、前記間隙の圧力が前記樹脂を前記キャビティに押し込んで、樹脂のシートから一体に延在するステムの配列を成形し、材料の予備成形シートに樹脂の前記シートを永久に積層することを含む方法であり、
前記積層品材料において前記樹脂に接合するときに、前記予備成形シートの広い側が露出され、前記予備成形シートの前記露出側が、その上に印刷または書き込みまたは写真画像の現像に適した面を有することを特徴とする方法。
【請求項50】
材料の前記予備成形シートが紙を含む請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記ファスナ積層品材料が、印刷可能、書き込み可能または写真現像可能な側と、フックファスナ側とを有する請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
材料の前記予備成形シートが、前記溶融樹脂と共に前記間隙に導入され、材料の前記予備成形シートに前記樹脂を積層するために、前記ステムが成形されるときに、前記樹脂が、前記間隙において材料の前記予備成形シートに密接に結合される請求項49〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
材料の前記予備成形シートに現場で前記樹脂を積層する間、ループ係合可能なヘッドが前記ステムに成形される請求項52に記載の方法。
【請求項54】
材料の前記予備成形シートは、前記間隙に導入されるとき、前記材料の対向する面に対する前記樹脂の成形によってあまり影響を受けない印刷可能、書き込み可能または写真現像可能な面を有する請求項52または53に記載の方法。
【請求項55】
材料の前記予備成形シートが、前記間隙に導入される前に第1の剛性を有し、前記間隙に導入された後、第2の剛性を有し、積層プロセスの結果として前記第2の剛性が前記第1の剛性未満であり、それによってプリンタに前記ファスナ積層品材料を供給することが可能となる請求項52〜54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
結果として生じるファスナ積層品材料の前記剛性が、前記間隙に導入されるとき、材料の前記予備成形シートの剛性未満である請求項55に記載の方法。
【請求項57】
樹脂の前記シートが、材料の前記予備成形シートに積層され、続いて成形される請求項49〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
材料の前記予備成形シートおよび樹脂が、接着材料、好ましくは合成フォームを材料の前記予備成形シート、樹脂またはその両方に追加することによって結合される請求項57に記載の方法。
【請求項59】
材料の前記予備成形シートおよび樹脂の積層は、接着材料を設けるために合成フォームの厚さの一部を溶融し、緩和効果を提供するためにフォーム厚さの一部を保持することを含む請求項58に記載の方法。
【請求項60】
材料の前記予備成形シートが処理され、続いて積層されて、印刷可能、書き込み可能または写真現像可能にする請求項49または57に記載の方法。
【請求項61】
材料の前記予備成形シートを写真現像可能にするコーティングを施すことによって、材料の前記予備成形シートが処理される請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記樹脂シートが、積層前に、永久に延伸され、続いて成形される請求項57に記載の方法。
【請求項63】
材料の前記予備成形シートがビニルであり、前記ステムがビニルから成形される請求項57または62に記載の方法。
【請求項64】
前記予備成形シートの前記露出側が、写真品質で印刷可能である請求項49〜63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項1】
紙側(8)及びフックファスナ側(10)を有する紙フック複合体製品(6)であり、前記フックファスナ側がファスナフック(20)の領域を有し、前記紙側(8)が印刷可能、書き込み可能または写真現像可能であるように形成される面を有し、前記ファスナフックが表側に存在する紙フック複合体製品(6)。
【請求項2】
前記フック(20)がステム及びヘッドを有し、少なくとも前記ステムが成形品であるか、または前記ステム及び前記ヘッドが成形品である請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記紙(8)が印刷可能であるように形成されるコーティング面を有するか、または写真品質印刷可能であるように形成されるコーティング面を有する請求項1または2に記載の製品。
【請求項4】
前記紙(8)が白色であり、少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも80%の輝度を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の製品。
【請求項5】
前記紙(8)が少なくとも200ドット/インチ(dpi)(78.74ドット/センチメートル、すなわちdpc)または600dpi(236.22dpc)または1600dpi(629.92dpc)または2600dpi(1023.62dpc)のインクドット密度を受け、忠実に提示するように選択される特性を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の製品。
【請求項6】
前記紙(8)が、3色以上、好ましくは少なくとも4色を用いるプロセス印刷によって印刷可能であるように選択される特性を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の製品。
【請求項7】
前記紙(8)が、カレンダ処理状態にあり、50%以下、好ましくは20%以下のドットゲイン特性を有することが好ましい、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製品。
【請求項8】
前記紙(8)が、少なくとも80%の不透明度を有する請求項7に記載の製品。
【請求項9】
前記紙(8)が、6マイクロインチ以下の表面粗さ(15.24×10−6cmの表面粗さ)を有し、少なくとも60%の鏡面反射率を有することが好ましい光沢仕上げを有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の製品。
【請求項10】
前記紙が個別の予備成形層であり、前記紙が22インチ(55.88cm)×17インチ(43.18cm)の500枚のシートの連量を基準にして約18ポンド(8.16kg)〜90ポンド(40.8kg)の坪量を有することが好ましく、前記紙が約0.003インチ〜0.015インチ(0.076mm〜0.381mm)の厚さを有することが好ましく、前記紙が200mg〜3000mgのガーレイ剛性試験によって測定される剛性を有することが好ましく、または約100mg〜150mgのそのような剛性を有することが好ましく、前記フックが0.005インチ(0.127mm)〜0.020インチ(0.108mm)の高さを有することが好ましく、前記フックが0.005インチ(0.127mm)の最大厚さを有する一体裏打ち層から延在することが好ましく、前記フックが平方インチ当たり約100〜7500個(平方cm当たり15.5〜1162.5個)のフックがあるフック密度を有することが好ましい、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製品。
【請求項11】
前記フックが約15,000〜60,000ポンド/平方インチ(psi)(1.03421e+08〜4.13685e+08パスカル)であり、一部の好ましい事例では約30.000psi(2.06843e+08パスカル)の曲げ弾性率を有する熱可塑性樹脂の裏打ち層と共に形成され、前記樹脂がフィルムグレードの低密度ポリエチレンであることが好ましい請求項1〜10のいずれか一項に記載の製品。
【請求項12】
0.035インチ以下、好ましくは約0.025インチ(0.635mm)以下の全厚を有する請求項1〜11のいずれか一項に記載の製品。
【請求項13】
非接触印刷を可能にするために、デスクトップ型インクジェットプリンタなどのコンピュータディジタル印刷装置によって供給するように約1.5インチ(3.81cm)未満の曲げ半径で曲げることができ、前記製品が約0.8インチ未満の曲げ半径で弾性曲げすることができる曲げ特性を有することが好ましく、前記製品がその紙側を上にして平面上に置く場合には、前記製品の任意の部分が平面から約1.5インチを超える高さまでカールしない特性を有することが好ましい請求項1〜12のいずれか一項に記載の製品。
【請求項14】
前記フックが、フック・ループ締結またはフック・フック締結のためのフック領域を含み、予備成形要素に対する物理的作用及び予備成形要素に対する他の形成作用と同時に、またはその後に予備成形要素の加熱をはじめとする加熱及び溶融流れによって、完全に成形されたフック、または単一フィラメント構成をはじめとする他の構成のステムまたはヘッドを既に有するステムなどの成形された予備成形要素から形成されるフックが好ましい請求項1〜13のいずれか一項に記載の製品。
【請求項15】
前記紙が予備成形され、前記紙側は、フックの前記領域が延在する側に対向するベース層の側に積層され、前記積層が直接または1つ以上の介在層を介してのいずれかであり、前記ステムを成形する間に、前記紙が樹脂層に直接的または間接的に積層される現場積層プロセスまたは前記層の対向する側にステム及びヘッドを有する完全なフックの成形によって積層されることが好ましい積層品の形である請求項1〜14のいずれか一項に記載の製品。
【請求項16】
前記紙側が非接触印刷を可能にするために選択される特性、好ましくはインクジェット印刷を受けるように選択される特性を有し、前記紙がキャストコーティングを保持することが好ましく、前記キャストコーティングが、300秒/100cc以下の通気性、すなわち自由に移動する内部シリンダの負荷(567±1.0g)の下で100mlの空気がサンプル紙の645mm2を300秒以下で通過することが好ましい請求項1〜15のいずれか一項に記載の製品。
【請求項17】
連続長さである請求項1〜16のいずれか一項に記載の製品。
【請求項18】
カットシートの形である請求項1〜16のいずれか一項に記載の製品。
【請求項19】
前記シートが長さ11インチ(27.5cm)及び幅8.5インチ(21.59cm)または長さ11.69インチ(29.7cm)及び幅8.27インチ(21cm)に切断される請求項18に記載の製品。
【請求項20】
前記表側がフック、好ましくはループ係合可能なフックで全体を覆われる請求項1〜19のいずれか一項に記載の製品。
【請求項21】
前記フックが、フック、好ましくはループ係合可能なフックの複数の帯として提示される請求項1〜19のいずれか一項に記載の製品。
【請求項22】
前記紙に対して所定の経路を画定するロールを有するプリンタと共に用いられ、フックの前記帯が前記所定の経路から偏倚している請求項21に記載の製品。
【請求項23】
フックの帯が、前記製品の対向する長手方向の縁に沿って位置決めされる請求項21に記載の製品。
【請求項24】
フックの1つ以上の帯が、比較的広いシートの縁から内側に離隔された少なくとも1つの位置を含む選択された位置で形成され、形成の後に、前記紙フック複合体が前記紙フック複合体のスリットの縁の2つの部分の切断した縁に帯を設けるために、前記帯でスリットが入れられる請求項21に記載の製品。
【請求項25】
前記フックは印刷が生じない1つ以上の流れ方向領域に位置決めされ、印刷が接触プリンタを用いて前記製品上に剛性または非弾性(コンプライアント)ロール面または弾性(コンプライアント)ロール面によって行われ、前記印刷の圧力は、前記フックが損傷を受ける圧力を超えるようになっており、印刷シリンダが前記製品の両側に保持されるのが好ましく、前記シリンダは、前記フックが印刷圧力を受けない領域に対応する領域で解放される請求項24に記載の製品。
【請求項26】
フックを含む前記帯の間に位置決めされる前記紙の第1の側に印刷ロールを、前記紙の他方の側に圧力ロールを備えたオフセットプリンタによって印刷可能であるように構成され、前記フックが、印刷プロセス中、前記オフセットプリンタによって破損されないようになっている請求項21に記載の製品。
【請求項27】
フックを含む前記帯の間に位置決めされる前記紙の第1の側にロールを、前記紙の他方の側に圧力ロールを備えた写真現像機によって写真現像可能であるように構成され、前記フックが、写真現像プロセス中、前記写真現像機によって破損されないようになっている請求項21に記載の製品。
【請求項28】
前記フックが、低いはく離力を必要とし、締結を目的としないループとの係合から容易に解放可能であるように構成され、前記フックが35,000psi(2.41316e+08パスカル)未満の曲げ弾性率の樹脂であり、平方インチ当たり最大600個のフック(平方センチメートル当たり93.0個のフック)より低い密度で提示されることが好ましい請求項1〜27のいずれか一項に記載の製品。
【請求項29】
ループ材料、好ましくは不織材料のニードル加工、延伸加工及び安定化を含む紙ループ積層品が、前記フック材料に塗布され、前記複合体を固定したい面に移動されるようになされる請求項1〜28のいずれか一項に記載の製品。
【請求項30】
前記ループ材料が、その裏に感圧接着剤を保持し、剥離層は、前記接着剤が面に塗布されるまで、前記接着剤を保護するために前記接着剤と係合する請求項29に記載の製品。
【請求項31】
前記接着剤の領域及び特性が、前記係合を解放することができるように、前記フック・ループ係合より大きな保持強度を有するように選択される請求項30に記載の製品。
【請求項32】
前記ループ材料は、前記フックが延在する前記積層品の対向する面に位置決めされ、したがって、前記ループ材料は前記紙ループ積層品をループの形に曲げることによって前記フックによって係合されるように位置決めされ、前記紙ループ積層品が広告スリーブを形成するための形状を成し、印刷されることが好ましい請求項29に記載の製品。
【請求項33】
前記紙ループ積層品が、ヘッドバンド、リストバンド、アームバンド、胴帯または脚バンドまたは人間または動物の他の身体部分を形成するように成される請求項31に記載の製品。
【請求項34】
前記ループ材料は、前記スリーブのいずれかの外面に位置決めされ、前記ループ材料が印刷画像を備えた前記製品を受けるように露出される請求項31に記載の製品。
【請求項35】
前記フックが、所望の最終用途に対応するドットまたはパッチに位置決めされる請求項1〜34のいずれか一項に記載の製品。
【請求項36】
上縁から垂直に保持されるとき、前記製品の部分が保持された縁を含む垂直面から横方向に0.5インチより多くカールしないことを特徴とする請求項1〜35のいずれか一項に記載の製品。
【請求項37】
前記フックファスナ側が、溶融温度から室温まで0.005インチ/インチ(0.005cm/cm)以下の熱収縮特性を有するプラスチック樹脂から成形される請求項1〜36のいずれか一項に記載の製品。
【請求項38】
前記プラスチック樹脂が、35,000psi(2.41316e+08パスカル)以下の曲げ弾性率特性を有する請求項1〜37のいずれか一項に記載の製品。
【請求項39】
紙フック積層品ノートシートのスタックのノートシートを形成し、前記スタックの各ノートシートが、下にあるノートシートと接合されるマージン縁を有する請求項1〜38のいずれか一項に記載の製品。
【請求項40】
不織材料の上に少なくとも部分的に印刷されるグラフィックデザインまたは画像を備え、フック係合可能な不織材料の外部層に接合される基板を含む着脱可能なディスプレイ構成要素を形成する請求項1〜39のいずれか一項に記載の製品。
【請求項41】
前記基板が、紙、木材、合成フォーム、チップボード、壁板、金属、プラスチック及びコルクからなる群から選択される請求項40に記載の製品。
【請求項42】
前記グラフィックデザインまたは画像が、フレキソ印刷、染料昇華印刷、静電印刷またはインクジェット印刷を用いて印刷される請求項40または41に記載の製品。
【請求項43】
前記基板が、オフィスの小部屋の壁である請求項40に記載の製品。
【請求項44】
前記製品が、バーコードを印刷するために、感熱プリンタによって供給されることができる請求項1〜43のいずれか一項に記載の製品。
【請求項45】
印刷可能な媒体に面して積層されるフックファスナテープを含む製品であって、前記フックファスナテープが樹脂ベースの1つの面と一体に形成され、そこから延在するステムを有するファスナ要素の配列を含み、前記樹脂ベースが前記印刷可能な媒体に積層されるように横方向に延伸される状態にある製品。
【請求項46】
前記印刷可能な媒体が、プラスチックシート、好ましくはビニルである請求項45に記載の製品。
【請求項47】
前記印刷可能な媒体が、意匠図用のシートのサイズに切断される紙シートなどの紙シートである請求項45に記載の製品。
【請求項48】
前記フックファスナテープが、上部が平坦である成形ステムを含み、前記ステムは、前記樹脂ベースが永久に延伸される前または後のいずれかで、ファスナヘッドを形成するための形成作用によって処理される請求項45〜47のいずれか一項に記載の製品。
【請求項49】
広告看板画像を展示するのに適した幅及び長さからなる請求項45〜48のいずれか一項に記載の製品。
【請求項50】
ファスナ積層品材料の作製方法であって、キャビティの配列を画定する成形ロールの面に隣接して画定される間隙に溶融樹脂を導入し、前記間隙の圧力が前記樹脂を前記キャビティに押し込んで、樹脂のシートから一体に延在するステムの配列を成形し、材料の予備成形シートに樹脂の前記シートを永久に積層することを含む方法であり、
前記積層品材料において前記樹脂に接合するときに、前記予備成形シートの広い側が露出され、前記予備成形シートの前記露出側が、その上に印刷または書き込みまたは写真画像の現像に適した面を有することを特徴とする方法。
【請求項51】
材料の前記予備成形シートが紙を含む請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ファスナ積層品材料が、印刷可能、書き込み可能または写真現像可能な側と、フックファスナ側とを有する請求項50または51に記載の方法。
【請求項53】
材料の前記予備成形シートが、前記溶融樹脂と共に前記間隙に導入され、材料の前記予備成形シートに前記樹脂を積層するために、前記ステムが成形されるときに、前記樹脂が、前記間隙において材料の前記予備成形シートに密接に結合される請求項50〜52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
材料の前記予備成形シートに現場で前記樹脂を積層する間、ループ係合可能なヘッドが前記ステムに成形される請求項53に記載の方法。
【請求項55】
材料の前記予備成形シートは、前記間隙に導入されるとき、前記材料の対向する面に対する前記樹脂の成形によってあまり影響を受けない印刷可能、書き込み可能または写真現像可能な面を有する請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
材料の前記予備成形シートが、前記間隙に導入される前に第1の剛性を有し、前記間隙に導入された後、第2の剛性を有し、積層プロセスの結果として前記第2の剛性が前記第1の剛性未満であり、それによってプリンタに前記ファスナ積層品材料を供給することが可能となる請求項53〜55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
結果として生じるファスナ積層品材料の前記剛性が、前記間隙に導入されるとき、材料の前記予備成形シートの剛性未満である請求項56に記載の方法。
【請求項58】
樹脂の前記シートが、材料の前記予備成形シートに積層され、続いて成形される請求項50〜52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
材料の前記予備成形シート及び樹脂が、接着材料、好ましくは合成フォームを材料の前記予備成形シート、樹脂またはその両方に追加することによって結合される請求項58に記載の方法。
【請求項60】
材料の前記予備成形シート及び樹脂の積層は、接着材料を設けるために合成フォームの厚さの一部を溶融し、緩和効果を提供するためにフォーム厚さの一部を保持することを含む請求項59に記載の方法。
【請求項61】
材料の前記予備成形シートが処理され、続いて積層されて、印刷可能、書き込み可能または写真現像可能にする請求項50または58に記載の方法。
【請求項62】
材料の前記予備成形シートを写真現像可能にするコーティングを施すことによって、材料の前記予備成形シートが処理される請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記樹脂シートが、積層前に、永久に延伸され、続いて成形される請求項58に記載の方法。
【請求項64】
材料の前記予備成形シートがビニルであり、前記ステムがビニルから成形される請求項58または63に記載の方法。
【請求項65】
前記予備成形シートの前記露出側が、写真品質で印刷可能である請求項50〜64のいずれか一項に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙側(8)およびフックファスナ側(10)を有する紙フック複合体製品(6)であり、前記フックファスナ側がファスナフック(20)の領域を有し、前記紙側(8)が写真現像可能または写真品質印刷可能であるように形成される面を有し、前記ファスナフックが表側に存在する紙フック複合体製品(6)。
【請求項2】
前記フック(20)がステムおよびヘッドを有し、少なくとも前記ステムが成形品であるか、または前記ステムおよび前記ヘッドが成形品である請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記紙(8)が白色であり、少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも80%の輝度を有する請求項1または2記載の製品。
【請求項4】
前記紙(8)が少なくとも200ドット/インチ(dpi)(78.74ドット/センチメートル、すなわちdpc)または600dpi(236.22dpc)または1600dpi(629.92dpc)または2600dpi(1023.62dpc)のインクドット密度を受け、忠実に提示するように選択される特性を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の製品。
【請求項5】
前記紙(8)が、3色以上、好ましくは少なくとも4色を用いるプロセス印刷によって印刷可能であるように選択される特性を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の製品。
【請求項6】
前記紙(8)が、カレンダ処理状態にあり、50%以下、好ましくは20%以下のドットゲイン特性を有することが好ましい、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製品。
【請求項7】
前記紙(8)が、少なくとも80%の不透明度を有する請求項6に記載の製品。
【請求項8】
前記紙(8)が、6マイクロインチ以下の表面粗さ(15.24×10−6cmの表面粗さ)を有し、少なくとも60%の鏡面反射率を有することが好ましい光沢仕上げを有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の製品。
【請求項9】
前記紙が個別の予備成形層であり、前記紙が22インチ(55.88cm)×17インチ(43.18cm)の500枚のシートの連量を基準にして約18ポンド(8.16kg)〜90ポンド(40.8kg)の坪量を有することが好ましく、前記紙が約0.003インチ〜0.015インチ(0.076mm〜0.381mm)の厚さを有することが好ましく、前記紙が200mg〜3000mgのガーレイ剛性試験によって測定される剛性を有することが好ましく、または約100mg〜150mgのそのような剛性を有することが好ましく、前記フックが0.005インチ(0.127mm)〜0.020インチ(0.108mm)の高さを有することが好ましく、前記フックが0.005インチ(0.127mm)の最大厚さを有する一体裏打ち層から延在することが好ましく、前記フックが平方インチ当たり約100〜7500個(平方cm当たり15.5〜1162.5個)のフックがあるフック密度を有することが好ましい、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製品。
【請求項10】
前記フックが約15,000〜60,000ポンド/平方インチ(psi)(1.03421e+08〜4.13685e+08パスカル)であり、一部の好ましい事例では約30.000psi(2.06843e+08パスカル)の曲げ弾性率を有する熱可塑性樹脂の裏打ち層と共に形成され、前記樹脂がフィルムグレードの低密度ポリエチレンであることが好ましい請求項1〜9のいずれか一項に記載の製品。
【請求項11】
0.035インチ以下、好ましくは約0.025インチ(0.635mm)以下の全厚を有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の製品。
【請求項12】
非接触印刷を可能にするために、デスクトップ型インクジェットプリンタなどのコンピュータディジタル印刷装置によって供給するように約1.5インチ(3.81cm)未満の曲げ半径で曲げることができ、前記製品が約0.8インチ未満の曲げ半径で弾性曲げすることができる曲げ特性を有することが好ましく、前記製品がその紙側を上にして平面上に置く場合には、前記製品の任意の部分が平面から約1.5インチを超える高さまでカールしない特性を有することが好ましい請求項1〜11のいずれか一項に記載の製品。
【請求項13】
前記フックが、フック・ループ締結またはフック・フック締結のためのフック領域を含み、予備成形要素に対する物理的作用および予備成形要素に対する他の形成作用と同時に、またはその後に予備成形要素の加熱をはじめとする加熱および溶融流れによって、完全に成形されたフック、または単一フィラメント構成をはじめとする他の構成のステムまたはヘッドを既に有するステムなどの成形された予備成形要素から形成されるフックが好ましい請求項1〜12のいずれか一項に記載の製品。
【請求項14】
前記紙が予備成形され、前記紙側は、フックの前記領域が延在する側に対向するベース層の側に積層され、前記積層が直接または1つ以上の介在層を介してのいずれかであり、前記ステムを成形する間に、前記紙が樹脂層に直接的または間接的に積層される現場積層プロセスまたは前記層の対向する側にステムおよびヘッドを有する完全なフックの成形によって積層されることが好ましい積層品の形である請求項1〜13のいずれか一項に記載の製品。
【請求項15】
前記紙側が非接触印刷を可能にするために選択される特性、好ましくはインクジェット印刷を受けるように選択される特性を有し、前記紙がキャストコーティングを保持することが好ましく、前記キャストコーティングが、300秒/100cc以下の通気性、すなわち自由に移動する内部シリンダの負荷(567±1.0g)の下で100mlの空気がサンプル紙の645mm2を300秒以下で通過することが好ましい請求項1〜14のいずれか一項に記載の製品。
【請求項16】
連続長さである請求項1〜15のいずれか一項に記載の製品。
【請求項17】
カットシートの形である請求項1〜15のいずれか一項に記載の製品。
【請求項18】
前記シートが長さ11インチ(27.5cm)および幅8.5インチ(21.59cm)または長さ11.69インチ(29.7cm)および幅8.27インチ(21cm)に切断される請求項17に記載の製品。
【請求項19】
前記表側がフック、好ましくはループ係合可能なフックで全体を覆われる請求項1〜18のいずれか一項に記載の製品。
【請求項20】
前記フックが、フック、好ましくはループ係合可能なフックの複数の帯として提示される請求項1〜18のいずれか一項に記載の製品。
【請求項21】
前記紙に対して所定の経路を画定するロールを有するプリンタと共に用いられ、フックの前記帯が前記所定の経路から偏倚している請求項20に記載の製品。
【請求項22】
フックの帯が、前記製品の対向する長手方向の縁に沿って位置決めされる請求項20に記載の製品。
【請求項23】
フックの1つ以上の帯が、比較的広いシートの縁から内側に離隔された少なくとも1つの位置を含む選択された位置で形成され、形成の後に、前記紙フック複合体が前記紙フック複合体のスリットの縁の2つの部分の切断した縁に帯を設けるために、前記帯でスリットが入れられる請求項20に記載の製品。
【請求項24】
前記フックは印刷が生じない1つ以上の流れ方向領域に位置決めされ、印刷が接触プリンタを用いて前記製品上に剛性または非弾性(コンプライアント)ロール面または弾性(コンプライアント)ロール面によって行われ、前記印刷の圧力は、前記フックが損傷を受ける圧力を超えるようになっており、印刷シリンダが前記製品の両側に保持されるのが好ましく、前記シリンダは、前記フックが印刷圧力を受けない領域に対応する領域で解放される請求項23に記載の製品。
【請求項25】
フックを含む前記帯の間に位置決めされる前記紙の第1の側に印刷ロールを、前記紙の他方の側に圧力ロールを備えたオフセットプリンタによって印刷可能であるように構成され、前記フックが、印刷プロセス中、前記オフセットプリンタによって破損されないようになっている請求項20に記載の製品。
【請求項26】
フックを含む前記帯の間に位置決めされる前記紙の第1の側にロールを、前記紙の他方の側に圧力ロールを備えた写真現像機によって写真現像可能であるように構成され、前記フックが、写真現像プロセス中、前記写真現像機によって破損されないようになっている請求項20に記載の製品。
【請求項27】
前記フックが、低いはく離力を必要とし、締結を目的としないループとの係合から容易に解放可能であるように構成され、前記フックが35,000psi(2.41316e+08パスカル)未満の曲げ弾性率の樹脂であり、平方インチ当たり最大600個のフック(平方センチメートル当たり93.0個のフック)より低い密度で提示されることが好ましい請求項1〜26のいずれか一項に記載の製品。
【請求項28】
ループ材料、好ましくは不織材料のニードル加工、延伸加工および安定化を含む紙ループ積層品が、前記フック材料に塗布され、前記複合体を固定したい面に移動されるようになされる請求項1〜27のいずれか一項に記載の製品。
【請求項29】
前記ループ材料が、その裏に感圧接着剤を保持し、剥離層は、前記接着剤が面に塗布されるまで、前記接着剤を保護するために前記接着剤と係合する請求項28に記載の製品。
【請求項30】
前記接着剤の領域および特性が、前記係合を解放することができるように、前記フック・ループ係合より大きな保持強度を有するように選択される請求項29に記載の製品。
【請求項31】
前記ループ材料は、前記フックが延在する前記積層品の対向する面に位置決めされ、したがって、前記ループ材料は前記紙ループ積層品をループの形に曲げることによって前記フックによって係合されるように位置決めされ、前記紙ループ積層品が広告スリーブを形成するための形状を成し、印刷されることが好ましい請求項28に記載の製品。
【請求項32】
前記紙ループ積層品が、ヘッドバンド、リストバンド、アームバンド、胴帯または脚バンドまたは人間または動物の他の身体部分を形成するように成される請求項30に記載の製品。
【請求項33】
前記ループ材料は、前記スリーブのいずれかの外面に位置決めされ、前記ループ材料が印刷画像を備えた前記製品を受けるように露出される請求項30に記載の製品。
【請求項34】
前記フックが、所望の最終用途に対応するドットまたはパッチに位置決めされる請求項1〜33のいずれか一項に記載の製品。
【請求項35】
上縁から垂直に保持されるとき、前記製品の部分が保持された縁を含む垂直面から横方向に0.5インチより多くカールしないことを特徴とする請求項1〜34のいずれか一項に記載の製品。
【請求項36】
前記フックファスナ側が、溶融温度から室温まで0.005インチ/インチ(0.005cm/cm)以下の熱収縮特性を有するプラスチック樹脂から成形される請求項1〜35のいずれか一項に記載の製品。
【請求項37】
前記プラスチック樹脂が、35,000psi(2.41316e+08パスカル)以下の曲げ弾性率特性を有する請求項1〜36のいずれか一項に記載の製品。
【請求項38】
紙フック積層品ノートシートのスタックのノートシートを形成し、前記スタックの各ノートシートが、下にあるノートシートと接合されるマージン縁を有する請求項1〜37のいずれか一項に記載の製品。
【請求項39】
不織材料の上に少なくとも部分的に印刷されるグラフィックデザインまたは画像を備え、フック係合可能な不織材料の外部層に接合される基板を含む着脱可能なディスプレイ構成要素を形成する請求項1〜38のいずれか一項に記載の製品。
【請求項40】
前記基板が、紙、木材、合成フォーム、チップボード、壁板、金属、プラスチックおよびコルクからなる群から選択される請求項39に記載の製品。
【請求項41】
前記グラフィックデザインまたは画像が、フレキソ印刷、染料昇華印刷、静電印刷またはインクジェット印刷を用いて印刷される請求項39または40に記載の製品。
【請求項42】
前記基板が、オフィスの小部屋の壁である請求項39に記載の製品。
【請求項43】
前記製品が、バーコードを印刷するために、感熱プリンタによって供給されることができる請求項1〜42のいずれか一項に記載の製品。
【請求項44】
印刷可能な媒体に面して積層されるフックファスナテープを含む製品であって、前記フックファスナテープが樹脂ベースの1つの面と一体に形成され、そこから延在するステムを有するファスナ要素の配列を含み、前記樹脂ベースが前記印刷可能な媒体に積層されるように横方向に延伸される状態にある製品。
【請求項45】
前記印刷可能な媒体が、プラスチックシート、好ましくはビニルである請求項44記載の製品。
【請求項46】
前記印刷可能な媒体が、意匠図用のシートのサイズに切断される紙シートなどの紙シートである請求項44に記載の製品。
【請求項47】
前記フックファスナテープが、上部が平坦である成形ステムを含み、前記ステムは、前記樹脂ベースが永久に延伸される前または後のいずれかで、ファスナヘッドを形成するための形成作用によって処理される請求項44〜46のいずれか一項に記載の製品。
【請求項48】
広告看板画像を展示するのに適した幅および長さからなる請求項44〜47のいずれか一項に記載の製品。
【請求項49】
ファスナ積層品材料の作製方法であって、キャビティの配列を画定する成形ロールの面に隣接して画定される間隙に溶融樹脂を導入し、前記間隙の圧力が前記樹脂を前記キャビティに押し込んで、樹脂のシートから一体に延在するステムの配列を成形し、材料の予備成形シートに樹脂の前記シートを永久に積層することを含む方法であり、
前記積層品材料において前記樹脂に接合するときに、前記予備成形シートの広い側が露出され、前記予備成形シートの前記露出側が、その上に印刷または書き込みまたは写真画像の現像に適した面を有することを特徴とする方法。
【請求項50】
材料の前記予備成形シートが紙を含む請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記ファスナ積層品材料が、印刷可能、書き込み可能または写真現像可能な側と、フックファスナ側とを有する請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
材料の前記予備成形シートが、前記溶融樹脂と共に前記間隙に導入され、材料の前記予備成形シートに前記樹脂を積層するために、前記ステムが成形されるときに、前記樹脂が、前記間隙において材料の前記予備成形シートに密接に結合される請求項49〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
材料の前記予備成形シートに現場で前記樹脂を積層する間、ループ係合可能なヘッドが前記ステムに成形される請求項52に記載の方法。
【請求項54】
材料の前記予備成形シートは、前記間隙に導入されるとき、前記材料の対向する面に対する前記樹脂の成形によってあまり影響を受けない印刷可能、書き込み可能または写真現像可能な面を有する請求項52または53に記載の方法。
【請求項55】
材料の前記予備成形シートが、前記間隙に導入される前に第1の剛性を有し、前記間隙に導入された後、第2の剛性を有し、積層プロセスの結果として前記第2の剛性が前記第1の剛性未満であり、それによってプリンタに前記ファスナ積層品材料を供給することが可能となる請求項52〜54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
結果として生じるファスナ積層品材料の前記剛性が、前記間隙に導入されるとき、材料の前記予備成形シートの剛性未満である請求項55に記載の方法。
【請求項57】
樹脂の前記シートが、材料の前記予備成形シートに積層され、続いて成形される請求項49〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
材料の前記予備成形シートおよび樹脂が、接着材料、好ましくは合成フォームを材料の前記予備成形シート、樹脂またはその両方に追加することによって結合される請求項57に記載の方法。
【請求項59】
材料の前記予備成形シートおよび樹脂の積層は、接着材料を設けるために合成フォームの厚さの一部を溶融し、緩和効果を提供するためにフォーム厚さの一部を保持することを含む請求項58に記載の方法。
【請求項60】
材料の前記予備成形シートが処理され、続いて積層されて、印刷可能、書き込み可能または写真現像可能にする請求項49または57に記載の方法。
【請求項61】
材料の前記予備成形シートを写真現像可能にするコーティングを施すことによって、材料の前記予備成形シートが処理される請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記樹脂シートが、積層前に、永久に延伸され、続いて成形される請求項57に記載の方法。
【請求項63】
材料の前記予備成形シートがビニルであり、前記ステムがビニルから成形される請求項57または62に記載の方法。
【請求項64】
前記予備成形シートの前記露出側が、写真品質で印刷可能である請求項49〜63のいずれか一項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図22】
【図19】
【図20】
【図21】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
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【図21】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公表番号】特表2006−500242(P2006−500242A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−531129(P2004−531129)
【出願日】平成15年8月20日(2003.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2003/026069
【国際公開番号】WO2004/017781
【国際公開日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
バブルジェット
【出願人】(500090202)ベルクロ インダストリーズ ビー ヴィッ (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年8月20日(2003.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2003/026069
【国際公開番号】WO2004/017781
【国際公開日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
バブルジェット
【出願人】(500090202)ベルクロ インダストリーズ ビー ヴィッ (4)
【Fターム(参考)】
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