説明

印刷方法並びにこれを用いたカラーフィルターおよび階調マスクの製造方法

【課題】活性エネルギー線照射により光硬化性樹脂層の粘着性を消失させることによって印刷を行う方法であって、一層の光硬化性樹脂層で多色印刷を行うことができ、かつ、マスク露光であっても位置合わせを必要としない精密印刷方法を提供する。
【解決手段】基材上にn種類(ただしnは2以上の自然数とする)のパターン着色層を形成する印刷方法であって、照射活性エネルギー線の照射量に応じて粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂層を形成し、n種類の粘着力の異なる部分硬化した光硬化樹脂層を形成した後に、転写層を転写させる工程をn回繰り返し、n種類の着色層を形成する工程からなる印刷方法により解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精密印刷方法に関するものであり、より詳しくは活性エネルギー線照射によるパターン印刷に関する。
【背景技術】
【0002】
近年ディスプレイの高精細化に伴い、例えば液晶ディスプレイに用いるカラーフィルターや、リアプロジェクションテレビに用いるブラックストライプ付レンチキュラーレンズなど精密印刷技術を必要とする部材が増えている。
【0003】
精密印刷技術の1つとして活性エネルギー線照射により光硬化性樹脂層の粘着性を消失させることによって印刷を行う方法は以前からレンチキュラーレンズのブラックストライプを印刷する方法として提案されている(特許文献1参照)。具体的には基材上にシリンドリカルレンズが配列されたレンチキュラーレンズシートのレンズ面とは反対面の基材上に活性エネルギー線照射によって粘着性が消失する粘着性光硬化性樹脂層を積層し、レンズ面から活性エネルギー線照射することによって該粘着性光硬化性樹脂層のレンズによって集光された部分のみ光硬化によって粘着性を消失させ、未露光部、即ち粘着性のある部分にのみ着色層を積層する方法である。この方法は、レンズのピッチにあわせて精密印刷することができるという優れた方法であるが、1色しか積層できないという問題点がある。この問題点を改良した方法として前述の特許文献1において1色印刷した後、さらに硬化した光硬化樹脂層を加熱することによって粘着性を再発現させる方法も提案されている(特許文献2)が、この方法でも1層の光硬化性樹脂層で最大2層印刷することが限度である。
【0004】
一方、活性エネルギー線照射によって粘着性を制御し、多色印刷する例としてカラーフィルターの製造方法も提案されている(特許文献3参照)。具体的には基材上に、活性エネルギー線照射により基材との接着性が向上する感光性着色層と、活性エネルギー線照射により粘着性が低下する粘着剤層とを、この順に設けた転写シートとカラーフィルター基材を、粘着剤層と基材表面とが密着するように重ねる密着工程と、カラーフィルターを形成する各色パターンを形成する着色パターンに対応した遮蔽部が形成されたマスクを介して活性エネルギー線を照射する露光工程と、転写シートの支持体と、感光性着色層と粘着剤層の露光部に対応する部分とをカラーフィルター基材上から剥離する剥離工程とからなる方法である。
【0005】
この方法は多色印刷を施すことができるという優れた方法であるが、この方法も1層の光硬化性樹脂層を用いて1色しか印刷できないため、n色の印刷を行う場合にはn回マスク露光を行う必要があり、露光を行う前に必ず位置合わせをする必要がある。このため印刷するパターンのピッチが小さくなるほど位置合わせが困難になるという問題点を有している。
【0006】
このため、1層の光硬化性樹脂層を用いてしかもマスク露光時に位置合わせを必要としない多色印刷可能な精密印刷方法が望まれていた。
【0007】
【特許文献1】特開昭59−121033号公報
【特許文献2】特開平02−001863号公報
【特許文献3】特開平08−220526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、活性エネルギー線照射により光硬化性樹脂層の粘着性を消失させることによって印刷を行う方法であって、一層の光硬化性樹脂層で多色印刷を行うことができ、かつ、マスク露光であっても位置合わせを必要としない精密印刷方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、照射量を変えることで光硬化性樹脂の粘着力を制御できることを見出し、さらに検討を重ねた結果、上記課題を解決し得る本発明の樹脂組成物を完成するに至った。
【0010】
即ち本発明は、基材上にn種類(ただしnは2以上の自然数とする)のパターン着色層を形成する印刷方法であって、以下の工程1〜3を含むことを特徴とする印刷方法である。
工程1:基材上に活性エネルギー線を照射することにより、照射活性エネルギー線の照射量に応じて粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂層を形成する工程;
工程2:n種類のパターンごとに異なる照射量の活性エネルギー線を、工程1で得られた積層体の光硬化性樹脂層に照射し、部分硬化させることによって、n種類の粘着力の異なる部分硬化した光硬化樹脂層を形成する工程;
工程3:基材上に、少なくとも着色層を含む転写層を有する転写箔の転写層面を工程2で得られた部分硬化した光硬化樹脂層面に密着させ、転写箔の基材と転写層間の接着力よりも強い粘着力を有する部分にのみ転写層を転写させる工程をn回繰り返し、部分硬化した光硬化樹脂層上にn種類の着色層を形成する工程;
【0011】
また、上記の印刷方法を用いたカラーフィルターの製造方法および階調マスクの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の精密印刷方法は一層の光硬化性樹脂層で多色印刷を行うことができ、且つマスク露光であっても位置合わせを必要としない精密印刷方法であり、カラーフィルターの製造方法として有利に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、基材上にn種類のパターン着色層を形成する方法であって、以下の工程1〜3を含むことを特徴とする印刷方法である。ただしnは2以上の自然数とする。
工程1:基材上に活性エネルギー線を照射することにより、照射活性エネルギー線の照射量に応じて粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂層を形成する工程;
工程2:n種類のパターンごとに異なる照射量の活性エネルギー線を、工程1で得られた積層体の光硬化性樹脂層に照射し、部分硬化させることによって、n種類の粘着力の異なる部分硬化した光硬化樹脂層を形成する工程;
工程3:基材上に、少なくとも着色層を含む転写層を有する転写箔の転写層面を工程2で得られた部分硬化した光硬化樹脂層面に密着させ、転写箔の基材と転写層間の接着力よりも強い粘着力を有する部分にのみ転写層を転写させる工程をn回繰り返し、部分硬化した光硬化樹脂層上にn種類の着色層を形成する工程;
【0014】
以下、本発明の印刷方法の概念を図面に基づいて説明する。
工程1は基材上に活性エネルギー線を照射することにより、照射活性エネルギー線の照射量に応じて粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂層を形成する工程であり、図1(A)に示すように基材上に該粘着性光硬化性樹脂層が積層された積層体が得られる。さらに工程2、即ちパターンごとに異なる照射量の活性エネルギー線を、工程1で得られた積層体の光硬化性樹脂層に照射し(図1(B))、該粘着性光硬化性樹脂層を部分硬化させることによって、粘着力の異なる部分硬化した光硬化樹脂層を形成する。得られた積層体は図1(C)に示すように照射量ごとに異なる粘着力を有する粘着性光硬化性樹脂層の積層体となる。工程3は、図2に示すように少なくとも着色層を含む転写層を有する転写箔の転写層面を図1(D)に示すように工程2で得られた積層体上に密着させ、転写箔の基材と転写層間の接着力よりも強い粘着力を有する部分にのみ転写層を転写させる工程である。得られた積層体は図1(E)に示すように転写箔の基材と転写層間の接着力よりも強い粘着力を有する部分にのみ転写層が転写される。工程3を複数回(図1(F)の例では合計3回)繰り返すことによって、印刷物を得ることができる。
【0015】
本発明を用いて印刷を行う着色数nは2以上の自然数であれば特に制限はないが、nが小さい場合あるいは大きすぎる場合は本発明によるコストメリットが十分に発揮できない可能性があるため、nは20以下が好ましく、3以上10以下がより好ましい。
【0016】
また、本発明はパターン着色層のパターンピッチが大きい場合は本発明によるコストメリットが十分発揮できない可能性があり、パターンピッチが小さすぎる場合は本発明による印刷方法が使用できない可能性があるので、本発明において用いるパターン着色層のパターンピッチは1μm以上500μm以下であることがより好適な使用方法であり、5μm以上200μm以下であることがより好ましい。
【0017】
次に本発明で用いる工程1について説明する。
工程1は基材上に活性エネルギー線を照射することにより粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂層を形成する工程である。
【0018】
本発明で用いる基材に特に制限はないが、板状またはフィルム状の、金属(鉄、アルミニウムなど)基板、ガラス基板を含むセラミック基板、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、アクリルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、シクロオレフィンフィルム、フッ素系樹脂フィルムなどの合成樹脂フィルム;セルロースアセテートフィルムなどの樹脂フィルム;セロハン紙、グラシン紙などの洋紙;和紙などの他のフィルム状物;これらの複合フィルム状物、複合シート状物、熱硬化性樹脂基板等を使用することができる。
【0019】
また、工程2において工程1で用いる基材を介して露光する場合や、本発明によって得られる印刷物を工程1で用いる基材を介して光源を照射する方法で用いる場合は、基材は透明であることが好ましい。
【0020】
基材上に粘着性光硬化性樹脂層を形成する方法としては、ロールコート、ダイコート、ディップコート、スプレーコート、転写法など公知の方法を用いることができる。例えば、基材がガラス板などの巻き取ることができない材質の場合は直接塗工するとバッチ式の塗工方法になり生産性が低下するため、粘着性光硬化性樹脂を予め巻き取り可能な仮基材上に連続塗工し、その後基材上に転写する転写法が好ましい。
【0021】
粘着性光硬化性樹脂層の膜厚はその用途に応じて変更することが可能であり特に制限はないが、薄すぎると粘着力が低下し、厚すぎると照射方法によっては精度が低下するため、通常粘着性光硬化性樹脂層の膜厚は5μm以上30μm以下であることが好ましい。
【0022】
本発明の工程1において用いる活性エネルギー線を照射することにより粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂層は紫外線などの活性エネルギー線によって粘着性が低下する光硬化性樹脂であれば特に制限はないが、未硬化状態の粘着力が低すぎると着色層を転写する時の転写性が低下し、高すぎると粘着層の凝集力が低下する可能性があるのでするので、粘着性光硬化性樹脂層の未硬化状態の粘着力がJIS Z0237(被粘着材:SUS304鋼板、180°剥離試験、剥離速度100mm/min)に準じて測定したときに50mN/cm以上1000mN/cm以下であることが好ましい。
【0023】
本発明の工程1において用いる活性エネルギー線を照射することにより粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂層は、活性エネルギー線を照射することにより粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂からなるものであれば特に制限はないが、活性エネルギー線照射時に粘着力の減少量が大きすぎる場合は粘着力の制御が困難であり、粘着力の減少量が少なすぎる場合はパターンごとの粘着力のコントラストが付きにくい可能性がある。
【0024】
このため、活性エネルギー線を照射することにより粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂層は以下に説明するように粘着力の減衰率が10(mN/(cm・mJ))以上2000(mN/(cm・mJ))以下である露光領域を有することが好ましい。
【0025】
ここで、本発明において用いる粘着力の減衰率について説明する。粘着力の減衰率とは単位量の活性エネルギー線を照射したときの粘着力の減衰量を表し、粘着力の減衰率をs、活性エネルギー線を照射することにより粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂層に対しX(mJ)照射したときのJIS Z0237(被粘着材:SUS304鋼板、180°剥離試験、剥離速度100mm/min)に準じて測定したときの粘着力をa(mN/cm)、同様にY(mJ)照射したときの粘着力をb(mN/cm)とすると以下の式(4)にて求めることができる。
s=(Y−X)/(b−a)[mN/(cm・mJ)] (4)
【0026】
一般に活性エネルギー線を照射することにより粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂の活性エネルギー線の照射量と粘着力の関係は、図3に示すような関係になることが多い。即ち、露光量が少ない領域では粘着力が増加あるいは変化せず、さらに露光量を増加すると粘着力が減少し、更に露光量を増やすと粘着力が微減あるいは変化しないという挙動を示す。これは、該光硬化性樹脂層を構成する樹脂組成物によっても異なるが、露光量が少ない領域では若干の光重合が進行しこのため見かけ上は該光硬化性樹脂層の凝集力が高まり、この結果として粘着力が上がるためである。このように粘着力の減衰率は露光量によって異なり、本発明においては少なくとも粘着力の減衰率が10(mN/(cm・mJ))以上2000(mN/(cm・mJ))以下である露光領域を有する活性エネルギー線を照射することにより粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂層であることが好ましい。また、上記理由により減衰率が10以上2000以下以外の領域を有していてもよい。
【0027】
本発明の工程1において用いる活性エネルギー線を照射することにより粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂層を形成する際に用いる光硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線により重合可能な組成物であれば特に制限はないが、有機重合体、活性エネルギー線により重合可能なエチレン性不飽和化合物および光重合開始剤を含む組成物を用いることが好ましい。
【0028】
具体的には以下の成分(A)〜(C):
(A)ガラス転移温度が20℃以上120℃以下である重合体;
(B)活性エネルギー線により重合可能なエチレン性不飽和化合物;
(C)重合開始剤;
を含み、成分(A)の配合量(質量部)を(Awt)とし、成分(B)の配合量(質量部)を(Bwt)としたときに下記式(1)および(2)
0.3≦(Awt)/{(Awt)+(Bwt)}≦0.7 (1)
0.3≦(Bwt)/{(Awt)+(Bwt)}≦0.7 (2)
の関係を満足する光硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
【0029】
以下成分(A)〜(C)について説明する。
(A)ガラス転移温度が20℃以上120℃以下である重合体は、ガラス転移温度(複数のガラス転移温度を持つ場合は、少なくとも一つ)が20℃以上120℃以下である熱可塑性重合体であることが好ましく、30℃以上110℃以下である熱可塑性重合体であることがより好ましい。また、上記熱可塑性重合体は、成分(B)のエチレン性不飽和化合物との相溶性を向上させる観点から、非水溶性の熱可塑性重合体であることがより好ましい。
【0030】
かかる成分(A)の熱接着性重合体の具体例としては、メタクリル酸エステル系重合体、スチレン系重合体、ポリアクリロニトリル、ポリビニルクロライド、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、セルロース樹脂、ブチラール樹脂これらの重合体を含むランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などが挙げられる。成分(B)のエチレン性不飽和化合物との相溶性の観点からメタクリル酸メチル系重合体がより好ましい。ガラス転移温度が20℃以下の重合体を用いると得られた硬化樹脂層が柔らかく、着色層が変形しやすい可能性があり、ガラス転移温度が120℃以上の場合は成分(B)の重合可能なエチレン性不飽和化合物と相溶性が悪い可能性がある。
【0031】
上記成分(B)の重合可能なエチレン性不飽和化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、フェニルエポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−[2−(メタ)アクリロイルエチル]−1,2−シクロヘキサンジカルボイミド、N−[2−(メタ)アクリロイルエチル]−1,2−シクロヘキサンジカルボイミド−1−エン、N−[2−(メタ)アクリロイルエチル]−1,2−シクロヘキサンジカルボイミド−4−エン、γ−(メタ)アクリロイルキシプロピルチリメトキシシラン等の単官能性(メタ)アクリレート系モノマー;N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカプロラクタム、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸アリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニル系モノマー;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジエポキシジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールのエチレンオキサイド変性ジアクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、ビス(4−(メタ)アクリルチオフェニル)スルフィドなどの2官能性(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンのテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンのテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホルマール、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−ヒドラジンなどの3官能以上の多官能性モノマー;ウレタンアクリレート、エステルアクリレートなどのオリゴアクリレートが挙げられる。
また、必要に応じて、活性エネルギー線で重合可能なビニルエーテル系、エポキシ系またはオキセタン系の化合物等を、成分(B)のエチレン性不飽和化合物と共に使用してもよい。
【0032】
上記ビニルエーテル系化合物の具体例としては、エチレンオキサイド変性ビスフェノール−A−ジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノール−F−ジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性カテコールジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性レゾルシノールジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ハイドロキノンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性−1,3,5,ベンゼントリオールトリビニルエーテルなどが挙げられる。
【0033】
上記エポキシ系化合物の具体例としては、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、フェノールノボラックのグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0034】
また、オキセタン化合物の具体例としては3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンなどが挙げられる。
【0035】
成分(C)の重合開始剤としては、硬化手段である活性エネルギー線の種類(紫外線、可視光、電子線等)に応じて適宜選択することができる。また、光重合を行う場合には、光重合開始剤を使用し、その他に光増感剤、光促進剤などから選ばれる1種類以上の公知の光触媒化合物を併用することが望ましい。
【0036】
上記光重合開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントフルオレノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−オキサントン、カンファーキノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等が挙げられる。また、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する光重合開始剤も用いることができる。
【0037】
光重合開始剤の硬化性樹脂組成物中の含有量は、希釈剤を除いた固形分(硬化後に固形化する成分も含む)中に好ましくは0.01重量%以上5重量%以下、より好ましくは0.1重量%以上1重量%以下である。
【0038】
本発明において、光重合を促進させるために光重合開始剤と共に光増感剤を使用してもよい。光増感剤の具体例としては、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
【0039】
また、本発明においては、光重合を促進させるために光重合開始剤と共に光促進剤を使用してもよい。光促進剤の具体例としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル、安息香酸2−ジメチルアミノエチルなどを挙げることができる。
【0040】
上述の成分(A)と、成分(B)の配合比率は成分(A)の配合量(質量部)を(Awt)とし、成分(B)の配合量(質量部)を(Bwt)としたときに下記式(1)および(2)
0.3≦(Awt)/{(Awt)+(Bwt)}≦0.7 (1)
0.3≦(Bwt)/{(Awt)+(Bwt)}≦0.7 (2)
【0041】
の関係を満足することが好ましく、下記式(5)および(6)
0.4≦(Awt)/{(Awt)+(Bwt)}≦0.6 (5)
0.4≦(Bwt)/{(Awt)+(Bwt)}≦0.6 (6)
を満足することがより好ましい。(Awt)/{(Awt)+(Bwt)}の値が大きいあるいは小さい場合は印刷性が低下する危険性がある。
【0042】
また必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で無機フィラー、重合禁止剤、着色顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、分散剤、光拡散剤、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、非反応性ポリマー、近赤外線吸収材等を含むことも可能である。
【0043】
一般に樹脂組成物の架橋密度が高すぎると粘着力の減衰率が大きくなり、上述のごとく粘着力の制御が困難となるため粘着性光硬化性樹脂層を形成する樹脂組成物の架橋密度の平均をv(mol/L)とした時に、式(3)を満たすことが好ましい。
0.5≦v≦6 (3)
かかる架橋密度の平均(v)は、以下の方法により算出することができる。
【0044】
例えば上述の成分(A)の配合量(質量部)を(Awt)とし、成分(B)の配合量(質量部)を(Bwt)とし、更に成分(B)が光重合可能なn種類のエチレン性不飽和化合物からなる樹脂組成物において、
fn(n=1、2、・・・n):各成分(B)の1分子あたりの官能基数
Mwn(n=1、2、・・・n):各成分(B)の分子量
Rn(n=1、2、・・・n):成分(B)中の各成分(B)のモル比率(mol%)
Mwb:成分(B)の平均分子量
fb:成分(B)の平均官能基密度(mol/L)
vb:成分(B)の架橋密度(mol/L)
v:成分(A)および成分(B)の架橋密度の平均(mol/L)
とすると、架橋密度の平均(v)は、式(7)
(v)=(vb)×(Bwt)/(Awt+Bwt) (7)
と表すことができる。
但し、(vb)、fbおよびMwbは式(8)〜(10)で表される。
(vb)=((fb)-1)×2×1000/(Mwb) (8)
fb=Σ{(fn)×Rn/100} (9)
Mwb=Σ{(Mwn)×Rn/100} (10)
【0045】
例えば、成分(A)としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)30質量部、成分(B)としてトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)56質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)14質量部からなる樹脂組成物の場合について、架橋密度の平均(v)を計算すると、まず下記表1の値を用いて、
【0046】
【表1】

【0047】
下記fbおよびMwbは、式(11)、(12)
fb=(3×82.6/100+4×17.3/100)=3.2 (11)
Mwb=(296.3×82.6/100+352.3×17.3/100)=305.7(12)
【0048】
となり、これより式(13)、(14)
【0049】
(vb)=(3.2−1)×2×1000/305.7=14.2 (14)
(v)=14.4×70/(30+70)=9.9 (15)
【0050】
となって、架橋密度の平均値(v)が求まる。
【0051】
次に本発明で用いる工程2について説明する。
工程2はn種類のパターンごとに異なる照射量の活性エネルギー線を、工程1で得られた積層体の光硬化性樹脂層に照射し、部分硬化させることによって、n種類の粘着力の異なる部分硬化した光硬化樹脂層を形成する工程である。
【0052】
パターンごとに異なる照射量の活性エネルギー線を照射する方法としては、レーザー光線により露光量を調節しながら点描画する方法や、各パターンのフォトマスクを介してパターン毎に露光量を変えて照射する方法や、パターンごとに透過濃度の異なる遮光層を有する、いわゆるグレースケールマスク(階調マスク)を用いて一度に照射する方法などが挙げられる。中でもグレースケールマスクを用いてパターンごとに異なる照射量の活性エネルギー線を同時に照射する方法が工程の省略化の観点から好ましい。マスクを用いて露光する場合の光源としては公知のものであれば特に制限はないが、キセノンランプや高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。また点光源であっても線光源であってもよいが、解像度の観点から並行光であることがより好ましい。
【0053】
またフォトマスクやグレースケールマスクを用いて露光する場合はマスクと工程1で得られた積層体の光硬化性樹脂層は密着してもよいし、1〜10μm程度の間隙を有していてもよい。間隙を有する場合は、間隙を窒素などのラジカル不活性気体で置換することが好ましい。
【0054】
次に本発明の工程3について説明する。
工程3は基材上に、少なくとも着色層を含む転写層を有する転写箔の転写層面を工程2で得られた部分硬化した光硬化樹脂層面に密着させ、転写箔の基材と転写層間の接着力よりも強い粘着力を有する部分にのみ転写層を転写させる工程をn回繰り返し、部分硬化した光硬化樹脂層上にn種類の着色層を形成する工程である。ただしnは2以上の自然数である。
【0055】
少なくとも着色層を含む転写層を有する転写箔は、基材上に少なくとも着色層を含む転写層を有するものである。転写箔に用いる基材に特に制限はないが、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、アクリルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、シクロオレフィンフィルム、フッ素系樹脂フィルムなどの合成樹脂フィルム;セルロースアセテートフィルムなどの人造樹脂フィルム;セロハン紙、グラシン紙などの洋紙;和紙などの他のフィルム状物;これらの複合フィルム状物、複合シート状物等が挙げられる。また基材は転写層との剥離力を調節するために易接着処理や、離型処理を施していても良い。また、転写層と、工程2で得られた部分硬化した光硬化樹脂層面との密着性を向上させるために緩衝層を設けても良い。
【0056】
転写箔に用いる基材の厚さは、特に限定されないが、しわや亀裂の発生を抑制するために、通常4〜150μmの範囲であることが好ましく、12〜100μmの範囲であることがより好ましく、25〜50μmの範囲であることがさらに好ましい。
【0057】
転写層は少なくとも着色層を有するものであれば特に制限はないが、例えば導電層や防汚層を有していても良い。着色層の膜厚は薄すぎると着色力が弱く、厚すぎると印刷精度が落ちるため、0.5μm以上3μm以下であることが好ましい。
【0058】
基材と転写層間の剥離力は大きすぎると目的のパターン形状よりも小さい面積しか転写できず、剥離力が小さすぎると目的のパターン形状以外の部分にも転写してしまう危険性があるので、基材と転写層間の剥離力が10(mN/cm)以上3000(mN/cm)以下であることが好ましい。なおこれらの剥離力は180°剥離試験において剥離速度10mm/minで測定することが好ましい。また、複数の着色層を転写する場合において、転写箔の基材と転写層間の剥離力がそれぞれ異なる場合は、剥離力の大きい転写箔から順番に転写することが好ましい。
【0059】
工程3において用いる転写箔の着色層に含まれる着色剤は溶剤に可溶な、いわゆる染料や、有機溶剤に不溶ないわゆる顔料などいずれも使用可能であるが、耐久性の必要な用途では顔料を用いるほうが好ましい。顔料は分散粒径が大きすぎると印刷精度が低下するため、500nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。なお本発明において分散粒径とは、溶媒中に分散している状態での顔料の粒径を表し、操作型電子顕微鏡や、動的光散乱法によって測定することができる。
【0060】
染料や顔料は公知のものであれば特に制限はないが、例えば染料としてはニトロソ染料、ニトロ染料、アゾ染料、アゾイック染料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン(ジフェニルメタン)染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン・ポリメチン染料、チアゾール染料、インダミン・インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、マイノケトン・オキシケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料等が挙げられる。顔料としては、亜鉛華、鉛白、チタン白、塩基性硫酸鉛、酸化アンチモンなどの白色顔料、カーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アイボリーブラック、ボーンブラック、黒鉛などの黒色顔料、カドミウムレッド、アンチモン朱、赤色レーキなどの赤色顔料、黄鉛、亜鉛黄、カドミウム黄、黄色酸化鉄、黄色レーキなどの黄色顔料、紺青、群青、コバルト青、フタロシアニン色素などの青色顔料、クロムグリーン、酸化クロム、エメラルド緑、亜鉛緑、ギネー緑などの緑色顔料、酸化鉄、弁柄、黄土等の褐色顔料、アルミニウム粉、ブロンズ紛、亜鉛末、鉛粉、金粉、銀粉、銅粉、などの金属顔料、炭酸石灰紛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、クレー、炭酸マグネシウムなどの体質顔料などの無機顔料や、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンバイオレットフタロシアニンブルーフタロシアニングリーン、サップグリーン、モノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、ポリアゾイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、イソインドリノンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、アリザリンレッド、キナクリドンレッド、ナフトールレッド、モノアゾレッド、ポリアゾレッド、ペリレンレッド、アンスラキノニルレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、セピア、アニリンブラックなどの有機顔料を挙げることができる。また用途に応じてこれらの混合物を用いることも可能である。
【0061】
工程3において用いる転写箔の着色層の着色剤として顔料を用いる場合は着色層が以下の成分(a)〜(c);
(a)顔料、
(b)水酸基含有重合体、
(c)酸性基、塩基性基、あるいはこれらの塩を含む重合体、
を含み、成分(a)〜(c)の合計を100質量%としたときに、成分(a)顔料の質量比が50質量%以上90質量%以下である樹脂組成物からなる着色層であることが好ましい。
【0062】
成分(a)の顔料は、添加量が少ないと着色性が低下し、多すぎると膜強度が低くなり脆い膜となるので、樹脂組成物に対する質量比が50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
【0063】
成分(b)の水酸基含有重合体は遮光層の膜強度を確保するために必要な成分であり、水酸基を含有する公知の重合体であれば、特に制限はないが、例えば、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、繊維系樹脂などが挙げられる。転写性、顔料の分散安定性の観点からは、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂が好ましくブチラール樹脂がより好ましい。
【0064】
成分(b)の水酸基含有重合体の質量比は、成分(a)〜(c)の合計を100質量%としたときに、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。
【0065】
成分(c)の酸性基、塩基性基、あるいはこれらの塩を含む重合体は、顔料の分散性を向上させるために必要な成分であり、酸性基、塩基性基、あるいはこれらの塩を含む公知の重合体であれば特に制限はないが、例えば、アクリル樹脂や飽和または不飽和のポリエステル樹脂などが挙げられる。また酸性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基が挙げられ、酸性基の塩としてはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。塩基性基の例としてはアミノ基、イミド基、酸アミド基などが挙げられ、塩基性基の塩としては4級アンモニウムクロライド塩、酸アミドアミン塩等が挙げられる。用いる顔料によって異なるが、酸性顔料に対しては塩基性基およびその塩を含む重合体、塩基性顔料に対しては酸性基およびその塩を含む重合体を用いることがより好ましい。
【0066】
成分(c)の酸性基、塩基性基、あるいはこれらの塩を含む重合体の質量比は、成分(a)〜(c)の合計を100%としたときに、5質量%以上40質量%以下が好ましく、10質量%以上20質量%以下がより好ましい。
【0067】
該樹脂組成物は目的に応じて希釈剤を用いても良い。希釈剤は一般の樹脂塗料に用いられている希釈剤であれば特に制限はないが、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチルなどのエステル系化合物;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル系化合物;トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族化合物;塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素;メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノールなどのアルコール化合物、水などを挙げることができる。
また、該樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲で、レベリング剤、無機フィラーなどを含むことも可能である。
【0068】
本発明の樹脂組成物は、公知の混合方法によって混合することができる。具体的にはプロペラ攪拌やロールミル、ボールミル、ビーズミル、超音波照射などの方法が挙げられ適宜選択することができる。中でも、ボールミルとビーズミルが実用性、分散性の観点から好ましい。
【0069】
基材上に本発明による着色層用樹脂組成物からなる着色層を含む転写層を形成する方法としては、公知の方法であれば特に制限はないが、例えば含浸法、凸版印刷法、平板印刷法、凹版印刷などで用いられるロールを用いた塗工法、ダイコート、基材に噴霧するようなスプレー法、カーテンフローコートなどが挙げられる。
【0070】
工程3において上記転写箔の転写層面を工程2で得られた部分硬化した光硬化樹脂層面に密着させる方法としては、金属ロールや樹脂ロールにより圧着させる方法が一般的であり、必要に応じてロールを加温することも可能である。ロールを加温する場合は温度に特に制限はないが温度が高すぎると転写箔が熱により変性する可能性があるため40℃以上180℃以下が好ましい。また2種類以上の着色層を転写する場合は、着色層ごとにロール温度が異なっていてもよい。工程2で得られた部分硬化した光硬化樹脂層は一般に温度が高くなるほど粘着力が増加する傾向にあるため、後に転写する着色層ほどロール温度を上げて粘着力を増加させたほうが好ましい。すなわち、工程3においてn種類の着色層を形成する場合において、n番目の転写時のロール温度がn−1番目のロール温度よりも高いことが好ましい。なおnは2以上の自然数である。
【0071】
工程3によって得られた積層体は、基材上に部分硬化した光硬化性樹脂層、着色層を含むものであるが、そのまま用いてもよいし、更に全体に活性エネルギー線を照射して部分硬化した光硬化性樹脂層を完全に硬化させても良い。
【0072】
本発明による印刷方法は、複数色を有する微細パターンを形成することが可能であるため、本発明による印刷物は、例えばディスプレイ用カラーフィルター等の部材、それぞれのパターンごとに透過率が異なる階調マスク、着色層が導電性を有する場合は導電性メッシュ印刷物として透明電磁波シールド膜などに利用可能である。
【0073】
次に本発明の印刷方法を用いたカラーフィルターの製造方法について説明する。
本発明によるカラーフィルターの製造方法は、同一基材上に、少なくとも赤色着色領域、緑色着色領域および青色着色領域が配列されてなる画素を配列したカラーフィルターの製造方法であって、上記の精密印刷方法を含むディスプレイ用カラーフィルターの製造方法である。本発明によるカラーフィルターの製造方法は上記した精密印刷方法を含むものであれば特に制限はないが、例えば、液晶ディスプレイ用カラーフィルター等で用いられているように赤色着色領域、緑色着色領域、青色着色領域の各画素が格子状に配列されており、かつ、画素間にブラックマトリックス領域が配置されたカラーフィルターであってもよい。
【0074】
基材側より観察する用途において本発明によるカラーフィルターの製造方法を用いる場合は意匠性の観点から、前記工程3において最初にブラックマトリックス領域の形成を行うことが好ましい。また、コントラストの観点から、着色層の透過濃度は高いほうが好ましいが、高すぎると印刷性が低下する危険性がある。このため、ブラックマトリックス領域の形成を行う際に用いる転写箔の着色層の透過濃度は3.0以上6.0以下であることがより好ましい。
【0075】
また本発明はカラーフィルター用転写材およびその製造方法を提供する。
ガラス基材上にカラーフィルターを設ける場合、その工程は枚様式であるため生産効率が悪い。本発明の印刷方法によればフィルム上に印刷することが可能であるため、一旦フィルム上に積層した着色層をガラス基材上に転写することによってより簡便にカラーフィルターを作製することができる。
【0076】
本発明によるカラーフィルター用転写材は、図4に示すように離型性を有していてもよい基材上に前記工程1記載の粘着性光硬化性樹脂層、少なくとも赤色着色領域、緑色着色領域および青色着色領域が配列されてなる画素を配列した着色層、粘着層をこの順序で有するものであれば特に制限はなく、該粘着性光硬化性樹脂層は部分硬化物であってもよいし、完全硬化物であってもよい。
【0077】
本発明によるカラーフィルター用転写材に用いる粘着層は公知の粘着材組成物からなる層であれば特に制限はないが、たとえばアクリル系樹脂、ポリイソブチレン、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体、塩化ゴム、ポリビニルブチラール、光硬化性樹脂などが挙げられる。カラーフィルターに耐熱性が必要な場合は光硬化性樹脂がより好ましい。光硬化性樹脂を用いた粘着層用樹脂組成物の具体例としてはポリメチルメタアクリレート、1官能アクリル酸エステル、多官能アクリル酸エステルの混合物などが挙げられる。着色層上に粘着層を積層する方法としては基材上に本発明による着色層用樹脂組成物からなる着色層を含む転写層を形成する方法としては、公知の方法であれば特に制限はないが、例えば含浸法、凸版印刷法、平板印刷法、凹版印刷などで用いられるロールを用いた塗工法、ダイコート、基材に噴霧するようなスプレー法、カーテンフローコート、転写法などが挙げられる。例えば、粘着層が希釈溶媒を含む場合であって、希釈溶媒が着色層を溶解させる場合などは、粘着層用樹脂組成物を予め巻き取り可能な仮基材上に連続塗工し、その後着色層上に転写する転写法が好ましい。
【0078】
粘着層の膜厚はその用途に応じて変更することが可能であり特に制限はないが、薄すぎると粘着力が低下し、厚すぎると透過率が低下するため、通常粘着層の膜厚は5μm以上30μm以下であることが好ましい。また必要に応じて粘着層上に保護フィルムを積層することも可能である。
【0079】
さらに、インジウムスズ酸化物などの透明導電層、ハードコート層、反射防止層、液晶ディスプレイの場合は配向膜などを更に積層しても良い。
【0080】
本発明によるカラーフィルター用転写材の製造方法は上記した印刷方法を含むものであれば特に制限はないが、例えば、液晶ディスプレイ用カラーフィルター等で用いられているように赤色着色領域、緑色着色領域、青色着色領域の各画素が格子状に配列されており、かつ、画素間にブラックマトリックス領域が配置され、転写材の基材側より観察する用途のカラーフィルター製造のために用いる転写材の製造に際しては、意匠性の観点から前記工程3において最初にブラックマトリックス領域の形成を行うことが好ましい。また、コントラストの観点から、着色層の透過濃度は高いほうが好ましいが、高すぎると印刷性が低下する危険性がある。このため、ブラックマトリックス領域の形成を行う際に用いる転写箔の着色層の透過濃度は3.0以上6.0以下であることがより好ましい。
【0081】
本発明によるカラーフィルター用転写材を用いたカラーフィルターの製造方法は本発明によるカラーフィルター用転写材を用いるものであれば特に制限はないが、該転写材の粘着層を所望の被転写材に密着させ、該転写材の基材を剥離する方法が好ましい。また、粘着層が光硬化性樹脂である場合は、被転写材に密着時あるいは転写材の基材剥離後に活性エネルギー線を照射し、粘着層を硬化させることが好ましい。また、本発明は本発明によるカラーフィルターの製造方法によって得られたカラーフィルターを提供する。
【0082】
本発明のカラーフィルターはそのまま使用してもよいし、インジウムスズ酸化物などの透明導電層を更に積層しても良いし、液晶ディスプレイに用いる場合は偏光板、位相差フィルム、ハードコート層、反射防止層、配向膜などを積層してもよい。また、前記工程2記載の部分硬化した光硬化樹脂層は焼成することによって取り除くことも可能である。また、これらの操作によって得られたカラーフィルターは液晶ディスプレイや、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイなどのカラーフィルターとして好適に用いることができる。
【0083】
次に本発明の印刷方法を用いた階調マスクの製造方法について説明する。
本発明による階調マスクの製造方法は基材上に少なくとも3つ以上の透過率が異なる遮光領域を有する階調マスクであって、上記した本発明の印刷方法を含む階調マスクの製造方法であれば特に制限はないが、階調マスクに含まれる遮光層の透過率を0%から100%の間で自由に変更させるためには遮光層に含まれる遮光成分がカーボンブラックであることが好ましい。
【0084】
本発明において遮光層の遮光成分として用いるカーボンブラックは、ガスまたは液状の炭化水素の不完全燃焼または熱分解によって得られる黒色微粉末である。具体的にはファーネス法にて生成するファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ドイツファーネスブラックや、衝撃法にて生成するチャンネルブラック、ローラーおよびディスクブラック、ドイツナフタリンブラックなどが挙げられる。
【0085】
カーボンブラックの粒径は作製する階調マスクのパターンによっても異なるが1nm以上500nm以下が好ましく、5nm以上100nm以下がより好ましい。
【0086】
また、遮光層中に存在するカーボンブラックはカーボンブラックの粒子が1つ1つ独立して存在していてもよいし、複数個が凝集し塊状態で存在していてもよい。カーボンブラックが、複数個が凝集し塊状で存在している場合は作製する階調マスクのパターンによっても異なるが、その塊の粒径(以下分散粒径とする。また、本発明における粒径は重量平均粒径であり、動的光散乱法によって測定することができる。)が10nm以上500nm以下であるのが好ましく、10nm以上100nm以下であるのがより好ましい。
分散粒径が大きすぎる場合はパターン精度が低下する可能性がある。
【0087】
遮光成分であるカーボンブラックの量を増減させる方法としては透過率が異なる遮光領域ごとの膜厚を同一とした上で遮光層に含まれるカーボンブラックの濃度を変更させることによって透過率を変更させることも可能であるし、また透過率が異なる遮光領域ごとの膜厚を変更させることによって透過率を変更させることも可能である。更にこれら2つの方法を組み合わせることによっても遮光成分であるカーボンブラックの量を増減させることが可能である。
【0088】
本発明における階調マスクの階調数、即ち透過率の異なる領域の数に特に制限はないが、階調数が多すぎると本発明による階調マスクの製造方法によるコストメリットが十分に発揮できない可能性があるので3以上10以下が好ましい。
【0089】
本発明において用いる遮光層は遮光成分としてカーボンブラックのほか、耐擦傷性が必要な場合はバインダー成分を含むことが好ましい。バインダー成分としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂など公知のものを用いることができる。
【0090】
本発明における階調マスクのパターン形状に特に制限はないが、小さすぎると作製が困難となるため最小ピッチは1μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。
【0091】
本発明において用いる階調マスクの基材としては、特に制限はないが、透明で且つ板状またはフィルム状の物が好ましく、具体的にはガラス基板を含むセラミック基板、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、アクリルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、シクロオレフィンフィルム、フッ素系樹脂フィルムなどの合成樹脂フィルム;セルロースアセテートフィルムなどの樹脂フィルム、これらの複合フィルム状物、複合シート状物、熱硬化性樹脂基板等を使用することができる。これらの基材は必要に応じて離型処理や易接着処理を施したものであっても良い。なかでも透明性、耐久性や取り扱い性の観点からガラス基板がより好ましい。
【0092】
本発明による階調マスクは基材上に遮光パターン層が積層されたものであれば特に制限はないが、必要に応じてハードコート層、離型層、反射防止層、帯電防止層、バインダー層などの機能層を本発明の効果を損なわない範囲で積層しても良いし、これらの機能を複合した機能層を積層してもよい
【実施例】
【0093】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0094】
<参考例1> ブラックマトリックス層用転写箔の作製
以下に示す樹脂組成物を38μm厚の易接着処理付PETフィルム(商品名K1531、東洋紡社製)に固形分膜厚1μmになるように塗工し、80℃で30秒乾燥させブラックマトリックス層用転写箔を得た。
【0095】
(ブラックマトリックス用樹脂組成物)
カーボンブラック(商品名:トーカブラック#8500F 東海カーボン社製)14g、ポリエステル酸アマイドアミン塩(商品名:ディスパロンDA−725 楠本化成社製)3g、ポリブチラール(商品名:MOWITAL30BHH KSE社製)3g、MIBK(和光純薬工業社製)80gをボールミルにて24時間混合しブラックマトリックス用樹脂組成物を得た。動的光散乱法(装置名:粒径アナライザー FPAR−1000 大塚電子株式会社製)によって分散粒径を測定したところ260nmであった。
なお、基材と転写層間の剥離強度(装置名5566型、インストロン社製、剥離速度100mm/min、180°剥離)は1380mN/cmであった。
【0096】
<参考例2> 赤色フィルター層用転写箔の作製
以下に示す樹脂組成物を38μm厚のPETフィルム(商品名E5001、東洋紡社製)上に固形分膜厚1μmになるように塗工し、80℃で30秒乾燥させ赤色フィルター層用転写箔を得た。
(赤色フィルター用樹脂組成物)
Fastgen Super Red ATY 01(大日本インキ化学工業株式会社製)14g、ポリエステル酸アマイドアミン塩(商品名:ディスパロンDA−725 楠本化成社製)3g、ポリブチラール(商品名:MOWITAL30BHH KSE社製)3g、MIBK(和光純薬工業社製)80gをボールミルにて24時間混合し赤色フィルター用樹脂組成物を得た。動的光散乱法(装置名:粒径アナライザー FPAR−1000 大塚電子株式会社製)によって分散粒径を測定したところ210nmであった。
なお、基材と転写層間の剥離強度(装置名5566型、インストロン社製、剥離速度100mm/min、180°剥離)は520mN/cmであった。
【0097】
<参考例3> 青色フィルター層用転写箔の作製
以下に示す樹脂組成物を38μm厚のリリース処理付PETフィルム(商品名K1572、東洋紡社製)に固形分膜厚1μmになるように塗工し、80℃で30秒乾燥させ青色フィルター層用転写箔を得た。
【0098】
(青色フィルター用樹脂組成物)
Fastgen Blue EP−169(大日本インキ化学工業株式会社製)14g、ポリエステル酸アマイドアミン塩(商品名:ディスパロンDA−725 楠本化成社製)3g、ポリブチラール(商品名:MOWITAL30BHH KSE社製)3g、MIBK(和光純薬工業社製)80gをボールミルにて24時間混合し青色フィルター用樹脂組成物樹脂組成物を得た。動的光散乱法(装置名:粒径アナライザー FPAR−1000 大塚電子株式会社製)によって分散粒径を測定したところ180nmであった。
なお、基材と転写層間の剥離強度(装置名5566型、インストロン社製、剥離速度100mm/min、180°剥離)は250mN/cmであった。
【0099】
<参考例4> 緑色フィルター層用転写箔の作製
以下に示す樹脂組成物を38μm厚の上リリース処理付PETフィルム(商品名K1504、東洋紡社製)上に固形分膜厚1μmになるように塗工し、80℃で30秒乾燥させ緑色フィルター層用転写箔を得た。
【0100】
(緑色フィルター用樹脂組成物)
Fastgen Green 2YK−CF(大日本インキ化学工業株式会社製)14g、ポリエステル酸アマイドアミン塩(商品名:ディスパロンDA−725 楠本化成社製)3g、ポリブチラール(商品名:MOWITAL30BHH KSE社製)3g、MIBK(和光純薬工業社製)80gをボールミルにて24時間混合し緑色フィルター用樹脂組成物を得た。動的光散乱法(装置名:粒径アナライザー FPAR−1000 大塚電子株式会社製)によって分散粒径を測定したところ130nmであった。
なお、基材と転写層間の剥離強度(装置名5566型、インストロン社製、剥離速度100mm/min、180°剥離)は130mN/cmであった。
【0101】
<実施例1>
工程1:
板厚1mmのガラス基板上に以下に示す光硬化性樹脂組成物を固形分膜厚20μmになるようにバーコータにて塗工し、80℃で30秒乾燥させることによって積層体1を得た。用いた光硬化性樹脂組成物の固形分の粘着力を別途JIS Z0237に準じて、SUS304鋼板に対する180°剥離試験を行いそれぞれ粘着力を測定した(装置名5566型、インストロン社製、剥離速度100mm/min)ところ、未硬化状態では298mN/cm、5mJ/cm照射時の粘着力が438mN/cm、10mJ/cm照射時の粘着力が11mN/cmであり、粘着力の減衰率は85mN/(cm・mJ)であった。また該光硬化性樹脂組成物の平均架橋密度は2.6(mol/L)であった。
【0102】
(光硬化性樹脂組成物)
200ml三角フラスコにエポキシ変性フェノキシアクリレート(商品名M600A 共栄社化学株式会社製)1g、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(商品名KBM5103 信越化学工業株式会社製)1g、エポキシ変性ビスフェノールAジアクリレート(商品名ビスコート#540 大阪有機化学工業(株)製)2g、トリアジントリアクリレート(商品名M315 東亞合成株式会社社製)2g、ポリメチルメタアクリレート(ガラス転移温度108℃、商品名 パラペットHR−L(株)クラレ製)4g、光重合開始剤(商品名イルガキュア184 日本チバガイギー(株)製)0.3g、MIBK(和光純薬工業社製)90gを投入し、遮光下均一になるまでマグネチックスターラーにて攪拌し光硬化性樹脂組成物を得た。
【0103】
工程2:
図5に示すパターン形状が配列した6インチ角のグレースケールマスクを1μmのギャップを介し工程1で得られた積層体1の光硬化性樹脂層上に配置した後、露光装置(商品名:マスクアライナーPLA−501F、キャノン社製)を用いてグレースケールマスク側より6mJ/cmの紫外線を照射し、4種類の異なる粘着力の領域を有する積層体2を得た。なお図5において1の領域は線幅10μm、2〜4の領域は縦100μm、横20μmの四角形である。紫外線(365nm)透過率は9の領域が0%、10の領域が100%、11の領域が80%、12の領域が50%になるように各部分の紫外線透過濃度を調整した。
【0104】
工程3:
工程2で得られた積層体2の部分硬化光硬化性樹脂層と参考例1で得られたブラックマトリックス用転写箔の転写層をラミネータ(装置:MRK-650Y型 株式会社エム・シー・ケー製、ライン速度1.0m/min、ロール圧0.3MPa、ロール温度23℃)にて張り合わせ、転写箔を剥がし、最も接着力の高い部分にのみブラックマトリックス層を形成した積層体3を得た。同様の方法にて積層体3上に参考例2〜4で得られた赤色フィルター用転写箔、青色フィルター用転写箔、緑色フィルター用転写箔を転写し赤色フィルター層、青色フィルター層、緑色フィルター層を形成し、基材ガラス面より全面UV照射(装置名HTE-3000B、HI-TECH社製、照射量1000mJ/cm)し部分硬化光硬化性樹脂層を完全硬化させることによってカラーフィルターを得た。
【0105】
<実施例2>
工程1:
38μm厚のPETフィルム(商品名A4100、東洋紡社製)上に実施例1で用いた光硬化性樹脂組成物を固形分膜厚20μmになるようにバーコータにて塗工し、80℃で30秒乾燥させることによって積層体1を得た。
工程2:
実施例1と同様の方法にてグレースケールマスク側より10mJ/cmの紫外線を照射し、4種類の異なる粘着力の領域を有する積層体2を得た。
工程3:
工程2で得られた積層体2の部分硬化光硬化性樹脂層と参考例1で得られたブラックマトリックス用転写箔の転写層をラミネータ(装置:MRK-650Y型 株式会社エム・シー・ケー製、ライン速度1.0m/min、ロール圧0.3MPa、ロール温度23℃)にて張り合わせ、転写箔を剥がし、最も接着力の高い部分にのみブラックマトリックス層を形成し、積層体3を得た。
【0106】
積層体3と参考例2で得られた赤色フィルター用転写箔の転写層をラミネータ(装置:MRK-650Y型 株式会社エム・シー・ケー製、ライン速度1.0m/min、ロール圧0.3MPa、ロール温度40℃)にて張り合わせ、転写箔を剥がし、2番目に接着力の高い部分にのみ赤色フィルター層を形成し積層体4を得た。
【0107】
積層体4と参考例3で得られた青色フィルター用転写箔の転写層をラミネータ(装置:MRK-650Y型 株式会社エム・シー・ケー製、ライン速度1.0m/min、ロール圧0.3MPa、ロール温度60℃)にて張り合わせ、転写箔を剥がし、3番目に接着力の高い部分にのみ青色フィルター層を形成し積層体5を得た。
【0108】
積層体5と参考例4で得られた緑色フィルター用転写箔の転写層をラミネータ(装置:MRK-650Y型 株式会社エム・シー・ケー製、ライン速度1.0m/min、ロール圧0.3MPa、ロール温度80℃)にて張り合わせ、転写箔を剥がし、4番目に接着力の高い部分にのみ緑色フィルター層を形成し、基材ガラス面より全面UV照射(装置名HTE-3000B、HI-TECH社製、照射量1000mJ/cm)し部分硬化光硬化性樹脂層を完全硬化させることによってカラーフィルターを得た。
【0109】
<実施例3>
工程1において38μm厚のリリース処理付PETフィルム(商品名K1572、東洋紡社製)を用いた以外は実施例2と同様の方法にて粘着性光硬化性樹脂上に着色層を設け積層体1を得た。
【0110】
38μm厚のリリース処理付PETフィルム(E7002、東洋紡社製)上に実施例1で用いた光硬化性樹脂組成物を固形分膜厚20μmになるようにバーコータにて塗工し、80℃で30秒乾燥させることによって粘着層用転写箔を得た。
【0111】
積層体1の着色層と粘着層用転写箔の転写層をラミネータ(装置:MRK-650Y型 株式会社エム・シー・ケー製、ライン速度1.0m/min、ロール圧0.3MPa、ロール温度60℃)にて張り合わせ、粘着層用転写箔の基材フィルムを剥がし、カラーフィルター用転写材を得た。得られたカラーフィルター用転写材の粘着層を板厚1mmのガラス基板上にラミネータ(装置:MRK-650Y型 株式会社エム・シー・ケー製、ライン速度1.0m/min、ロール圧0.3MPa、ロール温度60℃)にて張り合わせ、カラーフィルター用転写箔の基材フィルム側より紫外線照射(コンベア速度1m/min、光源と被照射物の距離10cm、ウシオ電機(株)製)を行った後、カラーフィルター用転写箔の基材フィルムを剥がし、カラーフィルターを得た。
【0112】
<実施例4>
工程1:
カーボンブラック(商品名:トーカブラック#8500F 東海カーボン社製)7質量部、ポリエステル樹脂(商品名:ディスパロンDA−725 楠本化成社製)1.5質量部、ポリブチラール樹脂(商品名:MOWITAL30BHH KSE社製)1.5質量部、メチルイソブチルケトン90質量部からなる樹脂組成物をボールミルにて24時間混練後、38μm厚のPETフィルム(商品名E5001、東洋紡社製)上に表2に示す膜厚になるように塗工し、80℃で30秒乾燥させ遮光層用転写箔(1〜3)を得た。
【0113】
【表2】

【0114】
工程2:
板厚1mmのガラス基板上に以下に示す光硬化性樹脂組成物を固形分膜厚20μmになるようにバーコータにて塗工し、80℃で30秒乾燥させることによって積層体1を得た。
【0115】
(光硬化性樹脂組成物)
200ml三角フラスコにエポキシ変性フェノキシアクリレート(商品名M600A 共栄社化学株式会社製)1g、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(商品名KBM5103 信越化学工業株式会社製)1g、エポキシ変性ビスフェノールAジアクリレート(商品名ビスコート#540 大阪有機化学工業(株)製)2g、トリアジントリアクリレート(商品名M315 東亞合成株式会社社製)2g、ポリメチルメタアクリレート(ガラス転移温度108℃、商品名 パラペットHR−L(株)クラレ製)4g、光重合開始剤(商品名イルガキュア184 日本チバガイギー(株)製)0.3g、MIBK(和光純薬工業社製)90gを投入し、遮光下均一になるまでマグネチックスターラーにて攪拌し光硬化性樹脂組成物を得た。
【0116】
工程3:
図6に示すように縦100μm、横20μmの画素が10μm間隔で並列し、そのうちの画素15のみが透過率100%であり、その他の画素16、17および画素間18は全て透過率が0%であるフォトマスクを工程2で得られた積層体1の光硬化性樹脂層上に配置した後、露光装置(商品名:マスクアライナーPLA−501F、キャノン社製)を用いてフォトマスク側より6mJ/cmの紫外線を照射した。なお、図6には便宜上透過率0%の画素部分16、および17を白点線で囲んであるが、実際は白点線部分も透過率0%である。同様にフォトマスクを1画素分、即ち30μmだけ画素の単軸方向に平行移動させ4mJ/cmの紫外線を照射した。さらにフォトマスクを1画素分、即ち30μmだけ単軸方向に平行移動させ2mJ/cmの紫外線を照射し、図7に示すように6mJ/cm照射部分19、4mJ/cm照射部分20、2mJ/cm照射部分21および未照射部分22の4種類の異なる粘着力の領域を有する積層体2を得た。
【0117】
工程4:
工程3で得られた積層体2の部分硬化光硬化性樹脂層と工程1で得られた遮光層用転写箔1の転写層をラミネータ(装置:MRK-650Y型 株式会社エム・シー・ケー製、ライン速度1.0m/min、ロール圧0.3MPa、ロール温度23℃)にて張り合わせ、転写箔を剥がし、図7の22の部分にのみ転写層を転写させ積層体3を得た。積層体3の模式図を図8(A)に示す。図8(A)において23の部分が工程4にて形成された。なお、23の部分の可視光透過率はガラス基材を100%としたときに0%であった。
【0118】
工程5:
工程4で得られた積層体3の部分硬化光硬化性樹脂層と工程1で得られた遮光層用転写箔2の転写層をラミネータ(装置:MRK-650Y型 株式会社エム・シー・ケー製、ライン速度1.0m/min、ロール圧0.3MPa、ロール温度23℃)にて張り合わせ、転写箔を剥がし、図7の21の部分にのみ転写層を転写させ積層体4を得た。積層体4の模式図を図8(B)に示す。図8(B)において24の部分が工程5にて形成された。なお、24の部分の可視光透過率はガラス基材を100%としたときに35%であった。
【0119】
工程6:
工程5で得られた積層体4の部分硬化光硬化性樹脂層と工程1で得られた遮光層用転写箔3の転写層をラミネータ(装置:MRK-650Y型 株式会社エム・シー・ケー製、ライン速度1.0m/min、ロール圧0.3MPa、ロール温度23℃)にて張り合わせ、転写箔を剥がし、図7の20の部分にのみ転写層を転写させ積層体5を得た。積層体5の模式図を図8(C)に示す。図8(C)において25の部分が工程6にて形成された。なお、25の部分の可視光透過率はガラス基材を100%としたときに53%、26の部分の可視光透過率はガラス基材を100%としたときに100%であった。
【0120】
上記工程1〜6によって階調マスクを作製した。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の印刷方法の概念図である
【図2】本発明の印刷方法に用いる転写箔の構成図である
【図3】本発明に用いる粘着性光硬化性樹脂に関する露光量と粘着力の関係の概念図である
【図4】本発明のカラーフィルター用転写材の構成図である
【図5】本発明の実施例1〜3に用いたグレーマスクのパターン図である
【図6】本発明の実施例4に用いたフォトマスクのパターン図である
【図7】本発明の実施例4の工程3で得られた積層体2の模式図である
【図8】本発明の実施例4で作製した階調マスクの模式図である
【符号の説明】
【0122】
1・・・基材
2・・・粘着性光硬化性樹脂層(未硬化状態)
3・・・粘着性光硬化性樹脂層(部分硬化状態、硬化度小)
4・・・粘着性光硬化性樹脂層(部分硬化状態、硬化度大)
5・・・転写箔基材
6・・・転写層A
7・・・転写層B
8・・・転写層C
9・・・カラーフィルター転写材用基材
10・・・粘着層
11・・・グレーマスク画素1(透過率0%)
12・・・グレーマスク画素2(透過率50%)
13・・・グレーマスク画素3(透過率80%)
14・・・グレーマスク画素4(透過率100%)
15・・・フォトマスクの透過率100%の部分
16・・・フォトマスクの透過率0%の部分
17・・・フォトマスクの透過率0%の部分
18・・・フォトマスクの透過率0%の部分
19・・・実施例4の積層体2において6mJ/cm照射した部分
20・・・実施例4の積層体2において4mJ/cm照射した部分
21・・・実施例4の積層体2において2mJ/cm照射した部分
22・・・実施例4の積層体2において未照射の部分
23・・・実施例4の工程4にて形成された遮光領域
24・・・実施例4の工程5にて形成された遮光領域
25・・・実施例4の工程6にて形成された遮光領域
26・・・実施例4にて作製した階調マスクの透過率100%の領域


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上にn種類(ただしnは2以上の自然数とする)のパターン着色層を形成する印刷方法であって、以下の工程1〜3を含むことを特徴とする印刷方法。
工程1:基材上に活性エネルギー線を照射することにより、照射活性エネルギー線の照射量に応じて粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂層を形成する工程;
工程2:n種類のパターンごとに異なる照射量の活性エネルギー線を、工程1で得られた積層体の光硬化性樹脂層に照射し、部分硬化させることによって、n種類の粘着力の異なる部分硬化した光硬化樹脂層を形成する工程;
工程3:基材上に、少なくとも着色層を含む転写層を有する転写箔の転写層面を工程2で得られた部分硬化した光硬化樹脂層面に密着させ、転写箔の基材と転写層間の接着力よりも強い粘着力を有する部分にのみ転写層を転写させる工程をn回繰り返し、部分硬化した光硬化樹脂層上にn種類の着色層を形成する工程;
【請求項2】
nが3以上10以下であることを特徴とする請求項1記載の印刷方法。
【請求項3】
パターン着色層のパターンピッチが1μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の印刷方法。
【請求項4】
工程1において転写法によって粘着性光硬化性樹脂層を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項5】
工程1において用いる粘着性光硬化性樹脂層の膜厚が5μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項6】
工程1において用いる活性エネルギー線を照射することにより粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂層の未硬化状態の粘着力がJIS Z0237(被粘着材:SUS304鋼板、180°剥離試験、剥離速度100mm/min)に準じて測定したときに50mN/cm以上1000mN/cm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項7】
工程1において用いる活性エネルギー線を照射することにより粘着力が低下する粘着性光硬化性樹脂層が、少なくとも粘着力の減衰率が10(mN/(cm・mJ))以上2000(mN/(cm・mJ))以下である露光領域を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項8】
工程1において用いる粘着性光硬化性樹脂層が以下の成分(A)〜(C):
(A)ガラス転移温度が20℃以上120℃以下である重合体;
(B)活性エネルギー線により重合可能なエチレン性不飽和化合物
(C)重合開始剤
を含み、成分(A)の配合量(質量部)を(Awt)とし、成分(B)の配合量(質量部)を(Bwt)としたときに、下記式(1)および(2)の関係を満足する光硬化性樹脂組成物からなる層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷方法。
0.3≦(Awt)/{(Awt)+(Bwt)}≦0.7 (1)
0.3≦(Bwt)/{(Awt)+(Bwt)}≦0.7 (2)
【請求項9】
工程1において用いる粘着性光硬化性樹脂層を形成する樹脂組成物に含まれる光重合開始剤が樹脂組成物全体を100wt%としたときに0.1wt%以上5wt%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項10】
工程1において用いる粘着性光硬化性樹脂層を形成する樹脂組成物の架橋密度の平均をv(mol/L)としたときに、式(3)を満たすことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の印刷方法。
0.5≦v≦6 (3)
【請求項11】
工程2においてグレースケールマスクを用いてパターンごとに異なる照射量の活性エネルギー線を同時に照射することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項12】
工程3において用いる転写箔に含まれる着色層の膜厚が0.5μm以上3μm以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項13】
工程3において用いる転写箔において基材と転写層間の剥離力が10(mN/cm)以上3000(mN/cm)以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項14】
工程3において用いるn種類の転写箔の基材と転写層間の剥離力がそれぞれ異なり、かつ、剥離力の大きい転写箔から順番に転写することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項15】
工程3において用いる転写箔において着色層が顔料を含み、かつ、顔料の分散粒径が500nm以下であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項16】
工程3において用いる転写箔において着色層が以下の成分(a)〜(c);
(a)顔料、
(b)水酸基含有重合体、
(c)酸性基、塩基性基、あるいはこれらの塩を含む重合体、
を含み、成分(a)〜(c)の合計を100質量%としたときに、成分(a)顔料の質量比が50質量%以上90質量%以下である樹脂組成物からなる着色層であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項17】
工程3においてロールを用いて密着させ、かつ、該ロールの温度が40℃以上180℃以下であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項18】
工程3においてロールを用いて転写層と部分硬化した光硬化樹脂層面を密着させ、かつ、n番目の転写時のロール温度がn−1番目のロール温度よりも高いことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項19】
同一基材上に、少なくとも赤色着色領域、緑色着色領域および青色着色領域が配列されてなる画素を配列したカラーフィルターの製造方法であって、請求項1〜18のいずれか1項に記載の印刷方法を含むカラーフィルターの製造方法。
【請求項20】
請求項19に記載のカラーフィルターの製造方法であって、前記工程3によって着色領域を形成するにあたり、最初にブラックマトリックス領域の形成を行うことを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
【請求項21】
請求項19または20に記載のカラーフィルターの製造方法であって、前記工程3によってブラックマトリックス領域を形成する際に用いる転写箔の着色層の透過濃度が3.0以上6.0以下であることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
【請求項22】
基材上に光硬化樹脂層、少なくとも赤色着色領域、緑色着色領域および青色着色領域が配列されてなる画素を配列した着色層、粘着層をこの順序で有するカラーフィルター用転写材の製造方法であって、請求項1〜18のいずれか1項に記載の印刷方法を含むカラーフィルター用転写材の製造方法。
【請求項23】
請求項22に記載のカラーフィルター用転写材の製造方法であって、前記工程3によって着色領域を形成するにあたり、最初にブラックマトリックス領域の形成を行うことを特徴とするカラーフィルター用転写材の製造方法。
【請求項24】
請求項22または23に記載のカラーフィルター用転写材の製造方法であって、前記工程3によってブラックマトリックス領域を形成する際に用いる転写箔の着色層の透過濃度が3.0以上6.0以下であることを特徴とするカラーフィルター用転写材の製造方法。
【請求項25】
粘着層が光硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載のカラーフィルター用転写材。
【請求項26】
請求項25記載のカラーフィルター用転写材を用いたカラーフィルターの製造方法。
【請求項27】
基材上に少なくとも3つ以上の透過率が異なる遮光領域を有する階調マスクであって、請求項1〜18のいずれか1項に記載の印刷方法を含む階調マスクの製造方法。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−32940(P2008−32940A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205417(P2006−205417)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】