説明

印刷方法及び搬送部材

【課題】搬送部材による転写汚れを防止し、搬送部材の耐インク性を向上する印刷方法を提供する。
【解決手段】Kaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが25〜30mN/mであり、かつ下記式1で示される分散成分比率γdrが0.55〜0.75であるインクを記録媒体に印刷し、印刷された記録媒体の少なくとも印刷面に対向する搬送部材100によって記録媒体を搬送する、印刷方法であって、搬送部材100は、Kaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが20mN/m以下であり、かつ下記式1で示される分散成分比率γdrが0.75〜1.00である、印刷方法である。γdr=γd/γ・・・(1)(式1において、γdrは分散成分比率であり、γdは分散成分の表面自由エネルギーであり、γはトータル表面自由エネルギーである。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷方法及び搬送部材に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷方法、孔版印刷方法、オフセット印刷方法等では、記録媒体にインクを塗布して印刷した後、印刷面に定着処理等をせずに、記録媒体はインクが未乾燥の状態で搬送されることがある。印刷直後の排紙工程において、記録媒体を搬送ローラ等を用いて摩擦接触によって搬送する場合では、搬送ローラが記録媒体の印刷面に接すると、記録媒体上のインクが搬送ローラに付着し、さらに搬送ローラに付着したインクが同じ記録媒体、または後続の記録媒体に転写して、いわゆる転写汚れが発生することがある。
【0003】
特許文献1には、印刷用紙を搬送する回転体へのインキの転移による汚れの発生を抑制するために、回転体の外周面に押圧されて接触するとともに回転体の外周面に付着したインキをクリーニングするクリーニング部材を有する印刷装置が提案されている。しかしながら、クリーニング部材を設置するためには、コストを要し、また、印刷装置内に設置空間が必要になるという問題がある。
【0004】
特許文献2には、画像面が形成された後のシートを搬送する際に、未硬化のインクが送りローラに付着して後続のシートがローラからインクの転写を受けて汚れることを防止するために、一対のローラの一方の外周面に複数の突起を形成し、他方の外周面に無数の微小突起を形成するシート送りローラ装置が提案されている。しかしながら、ローラがシートに突起形状で接触するとシート送りの際にすべりが生じてシート送りが遅れるという問題がある。
【0005】
一方、インクは水系インクと非水系インクに大別されるが、非水系インクは紙等の記録媒体がカールやコックリングを起こしにくく、搬送しやすいことから、高速印刷に適したインクである。非水系インクは、インク自体が乾燥固化するものではなく、紙などの記録媒体に浸透して乾燥する浸透乾燥方式のインクである。非水系インクは、乾燥までに比較的時間を要するため、記録媒体を印刷後に搬送ローラによって搬送する際に、転写汚れが発生しやすい傾向がある。また、樹脂製の搬送ローラを用いる場合は、非水系インクによって搬送ローラが侵されて耐久性が低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−338234号公報
【特許文献2】特開2007−320714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的としては、搬送部材による転写汚れを防止し、搬送部材の耐インク性を向上する印刷方法及び搬送部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面としては、Kaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが25〜30mN/mであり、かつ下記式1で示される分散成分比率γdrが0.55〜0.75であるインクを記録媒体に印刷し、印刷された記録媒体の少なくとも印刷面に対向する搬送部材によって記録媒体を搬送する、印刷方法であって、
前記搬送部材は、Kaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが20mN/m以下であり、かつ下記式1で示される分散成分比率γdrが0.75〜1.00である、印刷方法である。
γdr=γd/γ ・・・(1)
(式1において、γdrは分散成分比率であり、γdは分散成分の表面自由エネルギーであり、γはトータル表面自由エネルギーである。)
【0009】
本発明の他の側面としては、Kaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが25〜30mN/mであり、かつ下記式1で示される分散成分比率γdrが0.55〜0.75であるインクによって画像が印刷された記録媒体の搬送に用いられる搬送部材であって、記録媒体の少なくとも印刷面に対向する部分はKaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが20mN/m以下であり、かつ下記式1で示される分散成分比率γdrが0.75〜1.00である、搬送部材である。
γdr=γd/γ ・・・(1)
(式1において、γdrは分散成分比率であり、γdは分散成分の表面自由エネルギーであり、γはトータル表面自由エネルギーである。)
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、搬送部材による転写汚れを防止し、搬送部材の耐インク性を向上する印刷方法及び搬送部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本実施形態の搬送部材の一例として搬送ローラを備えるインクジェット印刷装置の概略構成図である。
【図2】図2は、図1に示す排紙ローラ対33及び反転ローラ対44として用いられる搬送ローラ100の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本実施形態における例示が本発明を限定することはない。
【0013】
本発明の一実施形態による印刷方法としては、Kaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが25〜30mN/mであり、かつ下記式1で示される分散成分比率γdrが0.55〜0.75であるインクを記録媒体に印刷し、印刷された記録媒体の少なくとも印刷面に対向する搬送部材によって記録媒体を搬送する、印刷方法であって、搬送部材は、Kaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが20mN/m以下であり、かつ下記式1で示される分散成分比率γdrが0.75〜1.00であることを特徴とする。
γdr=γd/γ ・・・(1)
(式1において、γdrは分散成分比率であり、γdは分散成分の表面自由エネルギーであり、γはトータル表面自由エネルギーである。)
【0014】
これによって、搬送部材による転写汚れを防止し、搬送部材の耐インク性を向上することができる。すなわち、搬送部材へのインクの付着を防ぐことができ、さらに搬送部材から再度同じ記録媒体、または次に搬送される記録媒体へインクが転写し記録媒体が汚損することを防ぐことができる。また、搬送部材の耐インク性を向上させることができ、搬送部材の耐久性を高めて寿命を長くすることができる。
【0015】
トータル表面自由エネルギーγは濡れ性の評価指標として用いられる。Kaelble−Uyの理論式は、固体のトータル表面自由エネルギーγを定量的に求める方法である。
【0016】
Kaelble−Uyの理論式では、トータル表面自由エネルギーγが分散成分γd、極性成分γpからなると仮定し、トータル表面自由エネルギーγを下記式2で表す。
γ=γd+γp ・・・(2)
【0017】
また、液体の表面の表面エネルギーをγl、固体の表面エネルギーをγs、接触角をθで表すと、下記式3が成り立つ。
γl(1+cosθ)=2√γsdγld+2√γspγlp ・・・(3)
【0018】
したがって、γlの成分が既知である液体を2種類用いてそれぞれの接触角θを測定し、γsd、γspに関する連立方程式を解くことによりγsが求められる。
【0019】
このようにして搬送部材のトータル表面自由エネルギーγ及び分散成分γdを算出することができる。
【0020】
同様に、Kaelble−Uyの理論式を用いて、インクのトータル表面自由エネルギーγ及び分散成分γdを算出することができる。以下の説明では、インクのトータル表面自由エネルギーをγx、分散成分をγxd、極性成分をγxpで表す。
【0021】
インクのトータル表面自由エネルギーγxの算出は、インクの表面張力の測定、及び既知溶剤である水との界面張力の測定結果から連立方程式を解くことにより求められる。
【0022】
水のトータル表面自由エネルギーγwは下記式4となる。
γw=γwd+γwp ・・・(4)
【0023】
また、インクと水との界面張力をγwxとすると、下記式5が成り立つ。
γwx=γw+γx−2√γwdγxd−2√γwpγxp ・・・(5)
【0024】
界面張力γwxを測定し、γxd≧0、γxp≧0の条件下で2元2次方程式を解くことによりインクの2成分を求めることができる。
【0025】
ここで、接触角θの測定は、ペンダントドロップ法を用いて行うことができ、表面張力及び界面張力の測定は液適法を用いて行うことができる。いずれも、協和界面科学株式会社製動的接触角計DM500を用いて測定することができる。
【0026】
インク及び搬送部材のトータル表面自由エネルギー及び分散成分比率を上記範囲にすることで、インクと搬送部材との親和性が低く、記録媒体上のインクが搬送部材に転写されにくく、搬送部材による転写汚れを防止することができる。インク及び搬送部材のトータル表面エネルギー及び分散成分比率が上記範囲外であると、インクと搬送部材との親和性が高くなり、搬送部材による転写汚れが発生することがある。インク及び搬送部材のうち一方のトータル表面自由エネルギー及び分散成分比率が範囲内であっても、他方が範囲外であると、親和性が高くなり、搬送部材による転写汚れが発生することがある。
【0027】
さらに、搬送部材のトータル表面エネルギーγとしては、20mN/m以下であればよく、好ましくは16mN/m以下である。また、搬送部材の分散成分比率γdrとしては、0.75〜1.00であればよく、好ましくは0.80〜1.00であり、より好ましくは0.85〜1.00である。
【0028】
インクと搬送部材との接触角としては50°以上であることが好ましく、さらに60°以上であることがより好ましい。これによって、インクと搬送部材との親和性が低下し、搬送部材へのインクの付着をより効果的に防ぐことができる。また、搬送部材の耐インク性をより効果的に向上させることができる。
【0029】
搬送部材の印刷面に対向する部分の材料としては、上記物性を有するものであれば特に限定されないが、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、エチレンプロピレンジエン樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、ウレタン樹脂及び/またはシリコン樹脂を用いることが好ましい。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0030】
搬送部材の印刷面に対向する部分の材料の市販例としては、シリコン樹脂としては、シリコンSi5406Bk(錦城護謨株式会社製)等が挙げられ、ウレタン樹脂としては、特殊ウレタンLMY−70(錦城護謨株式会社製)、特殊ウレタンLMY−90(錦城護謨株式会社製)、特殊ウレタン81X23G(株式会社金曜社製)等が挙げられる。
【0031】
搬送部材は、印刷面に対向する部分において、摩擦係数を0.3〜0.8とすることができ、硬度を30°〜90°とすることができる。この範囲で調整することで、記録媒体を良好に摩擦接触して搬送することができる。
【0032】
搬送部材は、上記物性を有する範囲であれば、その他の任意の部材を用いてもよい。任意の部材としては、上記以外の樹脂として、POM(ポリアセタール)、フッ素樹脂、エチレンプロピレンジエン樹脂等を添加することができる。
【0033】
搬送部材としては、搬送ローラ、搬送ベルト、搬送経路の壁部等として用いることができる。搬送ローラとしては、1個のローラが記録媒体の一方面に摩擦接触して搬送するものや、2対のローラを互いに圧接させてニッップ部で記録媒体を挟み込み搬送するものであってもよい。搬送ベルトとしては、例えば、無端ベルトを用いることができる。
【0034】
搬送部材としては、少なくとも記録媒体の印刷面に対向する部分が上記物性を有していればよい。例えば、搬送部材の内部は別の材料で構成し、その表層部に上記物性の材料を塗工したものや、上記物性の材料のシート部材を貼付したものを用いてもよい。また、搬送部材全体を上記物性の材料で構成してもよい。
【0035】
以下、図面を参照して、本実施形態の搬送部材の一例として搬送ローラを備えるインクジェット印刷装置について説明する。図1は、本実施形態のインクジェット印刷装置1の概略構成図である。インクジェット印刷装置1は、給紙部10、印刷部20、排紙部30、反転部40および制御部50から構成されている。
【0036】
給紙部10は印刷部20に記録媒体としての用紙Pを供給するものであり、インクジェット印刷装置1の側面下方に設けられた未印刷の用紙Pを積載する給紙台11、用紙Pを給紙台11から印刷部20へ導く給紙経路12、給紙台11から用紙Pを一枚ずつ取り出す給紙ローラ対13、用紙Pを印刷部20に所定のタイミングで送り込むタイミングローラ対14から構成されている。
【0037】
印刷部20は給紙部10から用紙Pを搬入し、用紙Pにインクを吐出して印刷し、用紙Pを排紙部30へ搬出するものであり、インクを吐出するヘッドユニット21、ヘッドユニット21の下方で用紙Pを搬送するプラテンユニット22から構成されている。ヘッドユニット21は、複数のインクジェットヘッド211(Y、M、C、K)と、そのインクジェットヘッド211を保持するヘッドホルダ212とから構成されている。
【0038】
排紙部30は印刷された用紙Pを搬送して排紙するものであり、インクジェット印刷装置1の側面上方に設けられた印刷済みの用紙Pを積載する排紙台31、印刷済みの用紙Pを印刷面が下方を向いた状態で印刷部20から排紙台31に導く排紙経路32、排紙経路32上の用紙Pを一枚ずつ送り出す複数の排紙ローラ対33から構成されている。
【0039】
反転部40は片面印刷済みの用紙Pを反転させ、未印刷面が上方を向いた状態で用紙Pを再び印刷部20に送りだすものであり、排紙台31の裏側に設けられたバッファ空間41、排紙経路32の途中から分岐して用紙Pをバッファ空間41へ導く分岐経路42、バッファ空間41から用紙Pをタイミングローラ対14へ導く再給紙経路43、分岐経路42,再給紙経路43上の用紙Pを一枚ずつ送り出す複数の反転ローラ対44を備えている。
【0040】
制御部50は各部の動作制御や、不図示の操作パネルを通じてのユーザーからの指示を処理するものである。
【0041】
次に、インクジェット印刷装置1の全体動作について説明する。未印刷の用紙Pが給紙台11から給紙ローラ対13によって給紙経路12上に取り出される。給紙経路12上の用紙Pはタイミングローラ対14によって所定のタイミングで印刷部20に送り出される。
【0042】
印刷部20では、プラテンユニット22が所定速度で用紙Pを搬送し、ヘッドユニット21が用紙Pにインクを吐出して印刷を行う。印刷済みの用紙は、排紙ローラ対33によって一枚ずつ排紙経路32上に送りだされ、印刷面が下方を向く状態で排紙台31へ導かれて排紙される。
【0043】
また、両面印刷を行う場合は、排紙経路32上の途中に設けられた不図示の経路切換機構によって排紙経路32上の用紙Pを分岐経路42に送り出し、バッファ空間41に導く。バッファ空間41から再給紙経路43に用紙Pを送り出し、再びタイミングローラ対14に導き、印刷部20へ再給紙を行う。
【0044】
上記したインクジェット印刷装置において、本実施形態の搬送部材を、排紙ローラ対33や、両面印刷用の反転ローラ対44に用いることができる。また、本実施形態の搬送部材を、排紙経路32の併記部や、分岐経路42、再給紙経路43の壁部やガイドとして用いてもよい。また、両面印刷に備えて、本実施形態の搬送部材をタイミングローラ対14に用いてもよい。
【0045】
図2は、図1に示す排紙ローラ対33及び反転ローラ対44として用いられる搬送ローラ100の概略断面図を示す。搬送ローラ100は、軸部110と、軸部110の表面を覆う表層部120から構成され、表層部120が上記した物性を有し、軸部110は金属製とすることができる。
【0046】
搬送ローラの製造方法としては、積層法(キャレンダーから出したゴムシートを巻き上げて成型する方法)、押し出し法(押し出し機を用いた各種成形方法)、型成形法(金型にゴムを充填し、プレス機で加熱・加圧する方法)、注型法(金型に液状樹脂を充填し、オーブンで加熱する方法)等を用いることができ、要求する物性が得られるのであれば、いずれの方法を用いてもよい。
【0047】
本実施形態のインクとしては、上記した物性を有するものであれば特に限定されないが、色材及び非水系溶剤を含む非水系インクや、外相が油相であり内相が水相であるW/O型エマルションインクを用いることができる。以下、非水系インクについて説明する。
【0048】
色材としては、インクの溶媒に溶解または分散するものであれば特に限定されず、染料、顔料のいずれであってもよい。より優れた画質を形成する観点から、顔料を主体として含有することが好ましい。
【0049】
顔料としては、有機顔料、無機顔料を問わず、印刷の技術分野で用いられているものを使用でき、特に限定されない。具体的には、カーボンブラック、カドミウムレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、酸化クロム、ピリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料などが好適に使用できる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0050】
顔料の平均粒径は、吐出安定性と保存安定性の観点から300nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。ここで、顔料の平均粒径は、動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500(株式会社堀場製作所製)等により測定することができる。
【0051】
インク中の顔料は、通常0.01〜20重量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から1〜15重量%であることが好ましく、5〜10重量%であることが一層好ましい。
【0052】
色材として顔料を使用する場合、非水系インク中における顔料の分散を良好にするために、非水系インクに顔料分散剤を添加することが好ましい。顔料分散剤としては、顔料を溶剤中に安定して分散させるものであれば特に限定されないが、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等が使用され、そのうち、高分子分散剤を使用するのが好ましい。
【0053】
顔料分散剤の具体例としては、日本ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000、18000(脂肪酸アミン系)、11200、22000、24000、28000」(いずれも商品名)、Efka CHEMICALS社製「エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46,47,48,49,4010,4055(変性ポリウレタン)」(いずれも商品名)、花王株式会社製「デモールP、EP、ポイズ520、521、530、ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子界面活性剤)」(いずれも商品名)、楠本化成株式会社製「ディスパロンKS−860、KS−873N4(高分子ポリエステルのアミン塩)」(いずれも商品名)、第一工業製薬株式会社製「ディスコール202、206、OA−202、OA−600(多鎖型高分子非イオン系)」(いずれも商品名)等が挙げられる。
【0054】
上記顔料分散剤のうち、ポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛形構造のポリアミド系分散剤が好ましく使用される。ポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛形構造のポリアミド系分散剤とは、ポリエチレンイミンのような主鎖に多数の窒素原子を備え、該窒素原子を介してアミド結合した側鎖を複数備える化合物であって、該側鎖がポリエステル鎖であるものをいい、例えば、特開平5−177123号公報に開示されているような、ポリエチレンイミンなどのポリアルキレンイミンからなる主鎖一分子当り3〜80個のポリ(カルボニル―C3〜C6―アルキレンオキシ)鎖がアミド架橋によって側鎖として結合している構造の分散剤が挙げられる。なお、かかる櫛形構造のポリアミド系分散剤としては、上記日本ルーブリゾール社製ソルスパース11200、ソルスパース28000(何れも商品名)が該当する。
【0055】
顔料分散剤の含有量は、上記顔料を十分に上記非水系溶剤中に分散可能な量であれば足り、適宜設定できる。
【0056】
染料としては、特に限定されず、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料などの染料が使用される。これらの染料は、単独で用いてもよいし、適宜組み合わせて使用することも可能である。
【0057】
インク中の染料は、インク全量に対して0.1〜20質量%の範囲で、より好ましくは1〜10質量%の範囲で含有することが望ましい。
【0058】
非水系溶剤としては、非極性有機溶剤および極性有機溶剤であって、50%留出点が150℃以上の溶剤である。50%留出点は、JIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定される、重量で50%の溶剤が揮発したときの温度を意味する。安全性の観点から、非水系溶剤の50%留出点は160℃以上であることが好ましく、さらに、230℃以上であることがより好ましい。
【0059】
本実施形態では、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤を組み合わせて使用することが好ましく、20〜80質量%の非極性溶剤と80〜20質量%の極性溶剤とから溶剤を構成することが好ましく、30〜70質量%の非極性溶剤と30〜70質量%の極性溶剤とから溶剤を構成することがより好ましい。
【0060】
たとえば、非極性有機溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系溶剤や、流動パラフィン、スピンドル油、軽油、灯油、マシン油、潤滑油、合成油等の鉱物油を好ましく挙げることができる。脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤としては、たとえば、日本石油(株)製「テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、日石ナフテゾールL、日石ナフテゾールM、日石ナフテゾールH、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、日石アイソゾール300、日石アイソゾール400、AF−4、AF−5、AF−6、AF−7」、Exxon社製「Isopar(アイソパー)G、Isopar H、Isopar L、Isopar M、Exxsol D40、Exxsol D80、Exxsol D100、Exxsol D130、Exxsol D140」、株式会社ジャパンエナジー製「ノルマルパラフィンH」等を好ましく挙げることができる。芳香族炭化水素溶剤としては、日本石油(株)製「日石クリーンソルG」(アルキルベンゼン)、Exxon社製「ソルベッソ200」等を好ましく挙げることができる。
【0061】
極性有機溶剤としては、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤、およびこれらの混合溶剤を用いることができる。たとえば、炭素数8〜20の高級脂肪酸と炭素数1〜24のアルコールとのエステルであるエステル系溶剤、炭素数8〜24の高級アルコール、および炭素数8〜20の高級脂肪酸からなる群から選ばれた1種以上を好ましく使用できる。
【0062】
極性有機溶剤としてより具体的には、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルなどのエステル系溶剤;イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノールなどのアルコール系溶剤;ノナン酸、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などの高級脂肪酸系溶剤;ジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル系溶剤、が好ましく挙げられる。
これらの非水系溶剤は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0063】
本実施形態の非水系インクは、上記した非水系溶剤のうち、脂肪酸エステル及び/または鉱物油を含むことが好ましく、特に、脂肪酸エステルと鉱物油の合計量が、非水系インクに含まれる非水系溶剤の全質量の50質量%以上であることが好ましく、さらに75質量%以上であることがより好ましい。
【0064】
本実施形態の非水系インクには、本発明の効果を阻害しない範囲内で、例えば、ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤、定着剤、防腐剤、界面活性剤などを適宜添加することもできる。これらの種類は、特に限定されることはなく、当該分野で使用されているものを用いることができる。
【0065】
本実施形態の非水系インクは、ビーズミル等の分散機に、色材及び非水系溶剤を含む全成分を一喝または分割して加えて攪拌・混合し、所望により、メンブレンフィルター等によりろ過することによって得られる。例えば、予め非水系溶剤の一部と色材の全量を均一に混合させた混合液を調製して分散機にて分散させた後、この分散液に残りの成分を添加してろ過機を通すことにより調製することができる。
【0066】
非水系インクを用いた印刷方法は、特に限定されないが、インクジェット記録装置を用いて行うことができる。インクジェットプリンタは、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本実施形態に係るインクを吐出させ、吐出されたインク液滴をシートに付着させるようにすることが好ましい。その他、孔版印刷方法やオフセット印刷方法によって印刷してもよい。
【0067】
非水系インクをインクジェット記録用非水系インクとして用いる場合のインクの粘度は、吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、約10mPa・s程度であることが最も適している。ここで粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける値を表す。
【0068】
記録媒体としては、特に限定されず、普通紙、上質普通紙、インクジェット(IJ)紙、IJマット紙、記録媒体上にインク吸収溶液がコートされたコート紙、コート紙よりもインク吸収層の厚みが薄い微コート紙、光沢紙(フォト光沢用紙)、特殊紙、布等で使用することができる。
【0069】
本実施形態の搬送部材としては、Kaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが25〜30mN/mであり、かつ下記式1で示される分散成分比率γdrが0.55〜0.75であるインクによって画像が印刷された記録媒体の搬送に用いられる搬送部材であって、記録媒体の少なくとも印刷面に対向する部分はKaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが20mN/m以下であり、かつ下記式1で示される分散成分比率γdrが0.75〜1.00である、搬送部材である。
γdr=γd/γ ・・・(1)
(式1において、γdrは分散成分比率であり、γdは分散成分の表面自由エネルギーであり、γはトータル表面自由エネルギーである。)
【0070】
ここで、インク及び搬送部材は上記した通りである。このような搬送部材によれば、搬送部材による転写汚れを防ぐことができ、搬送部材の耐インク性を高めることができる。
【実施例】
【0071】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0072】
<非水系インクの調整>
表1に示す各成分を表1に示す割合でプレミックスし、その後、直径(φ)0.5mmのジルコニアビーズを入れ、ロッキングミル(株式会社セイワ技研製)にて60分間分散し、得られた分散液をメンブレンフィルター(開口径3μm)でろ過し、非水系黒インクを調製した。
【0073】
表1に示す成分は以下のとおりである。
カーボンブラックMA−11:三菱化学株式会社製「MA−11(商品名)」(カーボンブラック)
ソルスパース28000:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース28000(商品名)」(顔料分散剤)
オレイン酸メチル:花王株式会社製「エキセパールM−OL(商品名)」
ミリスチン酸イソプロピル:花王株式会社製「エキセパールIPM(商品名)」
ノルマルパラフィンH:JX日鉱日石エネルギー株式会社製「ノルマルパラフィンH(商品名)」(炭化水素溶剤)
シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール:日本精化株式会社製「Neosolue−Aqulio(商品名)」
【0074】
【表1】

【0075】
<搬送ローラ>
表層部が表2に示す材料が表層に形成された搬送ローラを準備した。搬送ローラの寸法は、直径20mm×長さ50mmとし、各材料の表層の厚さを8mmとした。
【0076】
【表2】

【0077】
(実施例及び比較例)
上記した各インクと各搬送ローラとを表3に示す組み合わせで用いて印刷を行った。
【0078】
<非水系インクの物性の測定>
非水系インクのトータル表面エネルギーγx及び分散成分比率γxdrを測定し、結果を表3に併せて示す。
【0079】
協和界面科学株式会社製動的接触角計DM500を用いて、非水系インクの表面張力(トータル表面自由エネルギー)γx、及び非水系インク−水の界面張力γwxをペンダントドロップ法から測定した。得られた表面張力γx、及び界面張力γwxの結果から、インクのトータル表面自由エネルギーγx及び分散成分比率γxdrを算出した。すなわち、下記式a1に、界面張力γwx、水の表面張力γw(72.8)、インクの表面張力γx、水の分散成分γwd(21.8)、水の極性成分γwp(51.0)を代入し、下記式a2に、インクの表面張力γxを代入し、2式の連立方程式を解いて、インクの極性成分γspを求め、下記式a3からインクの分散成分比率γxdrを求めた。
γwx=γw+γx−2√γwdγxd−2√γwpγxp ・・・(a1)
γx=γxd+γxp ・・・(a2)
γxdr=γxd/γx ・・・(a3)
【0080】
<搬送ローラの物性の測定>
搬送ローラのトータル表面エネルギーγs及び分散成分比率γsdrを測定し、結果を表3に併せて示す。
【0081】
協和界面科学株式会社製動的接触角計DM500を用いて、搬送ローラとジヨードメタンとの接触角θ1、及び搬送ローラと水との接触角θ2を液滴法からそれぞれ測定し、測定した接触角θの結果から、搬送ローラのトータル表面自由エネルギーγs及び分散成分比率γsdrを算出した。すなわち、下記式b1に接触角θ1、ジヨードメタンのトータル表面自由エネルギー(50.8)、分散成分(48.5)、極性成分(2.3)を代入し、また、下記式b1に接触角θ2、水のトータル表面自由エネルギー(72.8)、分散成分(21.8)、極性成分(51.0)を代入し、2式の連立方程式を解いて、搬送ローラの分散成分γsd及び極性成分γspを求め、下記式b2から搬送ローラのトータル表面自由エネルギーγsを求め、下記式b3から搬送ローラの分散成分比率γsdrを求めた。
γl(1+cosθ)=2√γsdγld+2√γspγlp ・・・(b1)
γs=γsd+γsp ・・・(b2)
γsdr=γsd/γs ・・・(b3)
【0082】
<非水系インクと搬送ローラとの接触角の測定>
協和界面科学株式会社製動的接触角計DM500を用いて、非水系インクと搬送ローラとの接触角(°)を測定し、結果を表3に併せて示す。
【0083】
(評価)
得られた印刷物のローラ転写汚れ及び搬送ローラの耐インク性を評価した。評価結果を表3に併せて示す。
【0084】
<ローラ転写汚れ>
インクジェットプリンタ「ORPHIS−X9050」(商品名;理想科学工業株式会社製)の搬送経路に、インクジェットヘッドに対し記録媒体搬送方向下流側で記録媒体の印刷面に対向して接触する位置に、上記した搬送ローラを取り付けた。上記した非水系インクをインクジェットプリンタの吐出経路に導入し、記録媒体として普通紙「理想用紙薄口」(商品名;理想科学工業株式会社製)を用い、この記録媒体に非水系インクを吐出させ、ベタ画像を印刷した。印刷は、解像度300×300dpiにて、42pl/dotのインク量の条件で行った。繰り返し100枚印刷し、100枚目の記録媒体の搬送方向後端に生じるローラ転写汚れを目視で観察し、以下の基準で評価した。
AA:汚れが確認されない。
A:汚れは極僅かで目立たない。
B:やや汚れが目立つ
C:汚れが目立つ
D:汚れがひどい
【0085】
<搬送ローラの耐インク性>
表3に示す組み合わせで、搬送ローラを常温で1ヶ月間、各インクに浸漬させ、浸漬前後の硬度及び寸法の変化を測定した。硬度は、JISK6253タイプAデュプロメータによって測定した。硬度及び寸法の変化率が5%未満の場合をAとし、それ以上の場合をBとして評価した。
【0086】
【表3】

【0087】
表3に示す通り、実施例1〜5では、ローラ及びインクの物性が適正な範囲内であり、ローラ転写汚れが少なく、ローラの耐インク性が優れることがわかる。比較例1〜4では、ローラの物性が適正な範囲外であり、ローラとインクとの親和性が高くなり、ローラ転写汚れが悪化した。比較例5では、インクの物性が適正な範囲外であり、ローラとインクとの親和性が高くなり、ローラ転写汚れが悪化した。
【符号の説明】
【0088】
1 インクジェット印刷装置
10 給紙部
20印刷部
30 排紙部
40 反転部
50 制御部
100 排紙ローラ
110 軸部
120 表層部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Kaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが25〜30mN/mであり、かつ下記式1で示される分散成分比率γdrが0.55〜0.75であるインクを記録媒体に印刷し、印刷された記録媒体の少なくとも印刷面に対向する搬送部材によって記録媒体を搬送する、印刷方法であって、
前記搬送部材は、Kaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが20mN/m以下であり、かつ下記式1で示される分散成分比率γdrが0.75〜1.00である、印刷方法。
γdr=γd/γ ・・・(1)
(式1において、γdrは分散成分比率であり、γdは分散成分の表面自由エネルギーであり、γはトータル表面自由エネルギーである。)
【請求項2】
前記搬送部材は、Kaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが15mN/m以下であり、かつ式1で示される分散平分比率γdrが0.80〜1.00である、請求項1に記載の印刷方法。
【請求項3】
前記インクと前記搬送部材との接触角が50°以上である、請求項1または2に記載の印刷方法。
【請求項4】
前記搬送部材の印刷面に対向する部分の材料はウレタン樹脂及び/またはシリコン樹脂を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項5】
前記インクは脂肪酸エステル及び/または鉱物油を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項6】
Kaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが25〜30mN/mであり、かつ下記式1で示される分散成分比率γdrが0.55〜0.75であるインクによって画像が印刷された記録媒体の搬送に用いられる搬送部材であって、
記録媒体の少なくとも印刷面に対向する部分はKaelble−Uyの理論式から算出されるトータル表面自由エネルギーγが20mN/m以下であり、かつ下記式1で示される分散成分比率γdrが0.75〜1.00である、搬送部材。
γdr=γd/γ ・・・(1)
(式1において、γdrは分散成分比率であり、γdは分散成分の表面自由エネルギーであり、γはトータル表面自由エネルギーである。)

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−49519(P2013−49519A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188396(P2011−188396)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】