説明

印刷機のための測定向上された仮想マスタシステム

【課題】ロール運動の変化を認知してこれに応答することができる印刷機を提供する。
【解決手段】画像をウェブに印刷する少なくとも1つの印刷ユニットと、ウェブと直接に接触する少なくとも1つの印刷機構成要素と、ウェブをシートに断裁するための断裁装置と、少なくとも1つの印刷ユニット及び少なくとも1つの印刷機構成要素に仮想マスタ信号を送信する制御装置と、少なくとも1つの印刷機構成要素を検出するか、又は少なくとも1つの印刷ユニットの下流においてウェブを直接に検出し、センサ信号を発生する、センサと、センサ信号及び仮想マスタ信号を受信するプロセッサとが設けられており、プロセッサが、受信したセンサ信号に関連して、修正された仮想マスタ信号を断裁装置へ送信するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、引用したことにより本明細書に記載されたものとする、2010年7月27日に出願された米国特許仮出願第61/368144号明細書の利益を請求する。
【0002】
本発明は、印刷機、特に、様々な印刷機構成要素に適切な命令を提供するために仮想マスタを使用する印刷機に関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許第5894802号明細書には、印刷運転において分離された位置基準を確立するための方法及び装置が記載されている。様々な異なる調整器によって生ぜしめられる分離された位置基準信号の間で時間とともに生じる恐れがある不一致を補償し、かつこのような不一致から生じる印刷プロセスにおける問題を回避するために、様々な調整器内で生ぜしめられる分離された位置基準信号を、周期的に修正又は標準化することができる。典型的な実施の形態のうちの1つによれば、標準として選択された印刷ユニットが過渡的外乱によって影響されていないときに、分離された位置基準信号は一度に修正又は標準化される。この構成は、例えば、元々の設計的制限により、駆動ユニットの全てに対して同じ分離された位置基準信号を伝送することができない、既存の印刷機に対して適用することができる。
【0004】
この概念の1つの欠点は、システムが、ロール運動の変化を認知しないか又はロール運動の変化に応答しないということである。機械的な伝達エラー等のあらゆる外乱は、ロール運動の変化を生じる。ロール運動のこれらの変化は、ウェブをひずませ、これは、断裁位置に対する印刷位置の整合をシフトさせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5894802号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、ロール運動の変化を認知してこれに応答することができる印刷機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ウェブに画像を印刷する少なくとも1つの印刷ユニットと、ウェブと直接接触する少なくとも1つの印刷機構成要素と、ウェブをシートに断裁するための断裁装置とを有する、ウェブ印刷機を提供する。制御装置は、少なくとも1つの印刷ユニットと、少なくとも1つの印刷機構成要素とに、仮想マスタ信号を送信する。センサは、少なくとも1つの印刷機構成要素を検出するか、又は少なくとも1つの印刷ユニットの下流においてウェブを直接に検出してセンサ信号を発生する。プロセッサは、センサ信号と、仮想マスタ信号とを受信する。プロセッサは、受信したセンサ信号に関連して、修正された仮想マスタ信号を断裁装置へ送信する。
【0008】
本発明は、ウェブを印刷する方法も提供する。この方法は、仮想マスタ信号を受信する印刷ユニットを用いてウェブを印刷するステップと、ウェブと直接に接触する印刷機構成要素の特性を検出するか又は印刷ユニットの下流においてウェブの特性を直接に検出するステップと、検出された特性に関連して、印刷ユニット及び印刷機構成要素の下流の別の印刷機構成要素のために仮想マスタ信号を修正するステップとを有する。
【0009】
本発明は、さらに、ウェブを印刷する方法を提供する。この方法は、仮想マスタ信号を受信する印刷ユニットを用いてウェブを印刷するステップと、仮想マスタ信号を受信する少なくとも1つの印刷機構成要素を用いて、印刷されたウェブに作用するステップと、仮想マスタ信号と、少なくとも1つの印刷機構成要素の実際の特性とのずれを決定するステップと、ずれに関連して、少なくとも1つの印刷機構成要素の下流の別の印刷機構成要素のための仮想マスタ信号を修正するステップとを有する。
【0010】
本発明の好適な実施の形態は、以下の特徴のうちの1つ又は2つ以上を含む。仮想マスタ信号は、速度、位置、加速情報を含む。修正された仮想マスタ信号は、ウェブに印刷される画像の、印刷位置対断裁位置見当を修正する。センサは、少なくとも1つの印刷機構成要素の実際の速度、又は少なくとも1つの印刷機構成要素の下流におけるウェブの実際の速度を検出する。プロセッサは、少なくとも1つの印刷機構成要素の実際の速度又は少なくとも1つの印刷機構成要素の下流におけるウェブの実際の速度を仮想マスタ信号と比較し、あらゆる望ましくない変化を補償するために、修正された仮想マスタ信号を提供する。ウェブ印刷は、ウェブを断裁装置へ案内するための少なくとも1つのウェブコンペンセータを有しており、ウェブコンペンセータも、印刷位置対断裁位置見当におけるあらゆる変化を修正するために、修正された仮想マスタ信号を受信する。少なくとも1つの印刷機構成要素は、専用のモータによって駆動され、断裁装置は、専用のモータによって駆動される。少なくとも1つの印刷機構成要素は、例えば、冷却ユニット又はスリッタである。センサは、少なくとも1つの印刷機構成要素におけるエンコーダである。
【0011】
本発明の好適な実施の形態は、以下の特徴のうちの1つ又は2つ以上を含んでもよい。仮想マスタ信号を修正することは、修正された仮想マスタ信号を発生し、修正された仮想マスタ信号を別の印刷機構成要素へ送信することを含む。特性を検出することは、印刷機構成要素におけるエンコーダを用いることを含む。別の印刷機構成要素は、ウェブを断裁する断裁装置、又はウェブを案内するウェブコンペンセータであってよい。ずれを決定することは、少なくとも1つの印刷機構成要素の実際の速度を検出することを含む。印刷する方法は、少なくとも1つの印刷機構成要素の下流において、印刷されたウェブの特性を測定するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の印刷機及び仮想マスタ制御システムの第1の典型的な実施の形態を概略的に示している。
【図2】本発明の印刷機及び仮想マスタ制御システムの第2の典型的な実施の形態を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
印刷機は、それぞれが専用のモータを有する、複数の個々に駆動される印刷機構成要素を有している。これらの個々に駆動される印刷機構成要素は、例えば、印刷ユニット、ブランケット胴、版胴、冷却ユニット、スリッタ、断裁胴、及びウェブ又はリボンコンペンセータであってよい。印刷機は、個々に駆動される構成要素を制御するために仮想マスタシステムを採用する。印刷プロセス中に印刷機全体を通じて均一な駆動を維持するために、仮想マスタシステムは、同一の仮想マスタ信号を、個々に駆動される印刷機構成要素のそれぞれの専用の駆動装置に送信する。仮想マスタ信号は、通常、速度成分、及び位置設定値成分を含んでいる。
【0014】
仮想マスタ信号は、リアルタイムの印刷作業を補償しない。その結果、駆動装置は、他の駆動装置がどのように作動しているかについての情報を有していない。従って、仮想マスタ信号は、印刷機構成要素において生じる変化、例えばロール運動を補償するか又はこれに反応することができない。機械的伝動エラー等のあらゆる外乱は、印刷機構成要素のロール運動における変化を生ぜしめ、印刷機構成要素の速度、ウェブの速度及び/又は印刷位置対断裁位置見当に影響する。
【0015】
ロール運動の変化は、ウェブにひずみを生ぜしめ、これは、印刷位置対断裁位置整合をシフトさせる。つまり、印刷された画像は、断裁位置に対してシフトさせられ、これは、廃棄物又は望ましくない製品につながる。本発明によれば、ウェブ又は印刷機構成要素における変化、及び印刷位置対断裁位置見当及び整合におけるあらゆる結果として生じる変化を補償する、修正された仮想マスタ信号が使用される。仮想マスタ信号は、断裁胴へ送信され、望ましくないロール運動又は印刷機/ウェブ変化を補償するために、所望のように修正される。従って、システム、ウェブ及び見当ダイナミクスを理解することは、様々なロール運動及びその他の外乱のための、断裁に関する印刷の予測を許容する。
【0016】
図1は、本発明による仮想マスタ制御システムの実施の形態を示している。印刷機100は、複数の個々に駆動される印刷機構成要素を有している。印刷ユニット20,22,24,26はそれぞれ画像をウェブ10に印刷する。各印刷ユニット20,22,24,26は、それぞれ異なる色、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックを印刷する。各印刷ユニット20,22,24,26は、両面オフセット印刷ユニットであってよく、2つのブランケット胴と、2つの版胴とを有している。各印刷ユニットは、それぞれモータ若しくは駆動装置21,23,25,27を有している。択一的に、1つの印刷ユニットのみが駆動され、他の印刷ユニットは、駆動される印刷ユニットに歯車連結されていてもよい。各印刷ユニット駆動装置21,23,25,27は、印刷ユニット制御装置60,62,64,66に接続されている。印刷機は、好適には、多色オフセット平版印刷機であってよく、例えば、同じ仮想マスタ信号を受信する4つの印刷ユニットを備えている。
【0017】
その他の個々に駆動される印刷機構成要素は、ウェブ10が印刷ユニット20,22,24,26によって印刷された後にウェブ10を冷却するための冷却装置30と、ウェブ10を複数のリボンに断裁するためのスリッタ40とを含む。ウェブ10又はリボンをシート12に断裁するために、断裁ユニット50が設けられている。冷却ユニット30は、2つの冷却ロール32と、エンコーダ34とを有している。冷却ロール32は、ウェブ10と直接接触している。冷却ロール32は、制御装置68に接続されたモータ36によって駆動されている。エンコーダ34は、冷却ロール32の実際の速度を測定する。
【0018】
スリッタ40は、ウェブ10を複数のリボンに断裁する。スリッタ40は、ウェブ走行方向でウェブ10を断裁するための少なくとも1つのナイフ41若しくはブレードを有する断裁胴対42,44を有する。断裁胴対42,44は、断裁胴対42,44の実際の速度を測定するためのエンコーダ46を有している。スリッタ40は、断裁胴対42,44を駆動するモータ48をも有している。モータ48は制御装置70に接続されている。断裁胴対42,44は、スリッタブレード46がウェブ10を断裁する時、ウェブ10と直接接触する。
【0019】
断裁ユニット50は、走行方向を横切ってウェブ10をシート12に断裁するための少なくとも1つのナイフ51若しくはブレードを有する断裁胴対52,54を有している。断裁ユニット50は、制御装置72に接続された個々のモータ56によって個々に駆動される。
【0020】
各モータ21,23,25,27,36,48は、印刷機100における個々の制御装置60,62,64,66,68,70に接続されている。択一的に、各モータは、1つの制御装置又はあらゆる所望の数の制御装置に接続されている。各モータ60,62,64,66,68,70は、仮想マスタプロセシングデバイス80に接続されている。仮想マスタプロセシングデバイス80は、各制御装置60,62,64,66,68,70に信号81を送信し、これにより、対応するモータ21,23,25,27,36,48を操作するように、各制御装置60,62,64,66,68,70に命令する。信号81は、モータ21,23,25,27,36,48のための、位置、速度、及び加速命令を含んでいる。
【0021】
冷却ロール32及びスリッティング対42,44は印刷運転中にウェブ10に直接に接触するので、冷却ロール32及びスリッティング対42,44の所望の速度に対する実際の速度のあらゆるずれは、ウェブ10をひずませ、断裁胴対52,54の印刷位置対断裁位置見当に影響する。従って、本発明によれば、冷却ロール32及びスリッティング対42,44の実際の速度を決定するために、エンコーダ34,46が使用されている。冷却ロール32の実際の速度37と、スリッティング対42,44の実際の速度49とは、ウェブ及び見当プロセッサ84へ送信される。ウェブ及び見当プロセッサ84は、仮想マスタ信号81を実際の速度37,49と比較し、印刷された画像がウェブ10上で予想される断裁位置に対してどれだけシフトされているかを推定する。次いで、ウェブ及び見当プロセッサ84は、冷却ユニット30又はスリッタ40におけるあらゆるロール運動のずれ又は変化を補償するために、修正された仮想マスタ信号86を断裁装置50の制御装置72へ送信する。従って、修正された仮想マスタ信号86がモータ56を制御する。断裁装置50へ送信された修正された仮想マスタ信号86は、プロセッサ80によって送信された仮想マスタ信号とは異なってよい。なぜならば、修正された信号86は、ウェブ特性又は印刷機構成要素における変化、特に、印刷位置対断裁位置見当に影響する変化を補償するからである。
【0022】
例えば、機械的な外乱が冷却ロールモータ36を冷却ロール32自体に対して移動させると、冷却ユニット30における冷却ロール32又はウェブ10において測定される実際の速度37は、仮想マスタ信号81に含まれる仮想マスタ速度とは異なる。ウェブ及び見当プロセッサ84は、この差を測定し、変化を補正するために、修正された仮想マスタ信号86を断裁装置50へ送信する。従って、制御装置72は、修正された仮想マスタ信号86において提供された情報に基づいてモータ56の速度を制御する。
【0023】
ウェブ10及び/又は印刷機構成要素30,40の特性を測定することができることは、印刷機100のためのリアルタイムの情報を提供する。この情報を用いて、プロセッサ84は、仮想マスタ信号81と、ウェブ10又は印刷機構成要素30,40の測定された量、例えば、実際の速度37,49とのずれを、計算若しくは決定することができる。仮想マスタ信号81を、修正された仮想マスタ信号86によって更新することによって、下流の処理、例えば、ウェブをシートに断裁する際の誤差が低減される。ウェブ及び/又は印刷機構成要素の測定される特性は、ウェブ又は印刷機構成要素自体から直接に検出されるか、実験的に決定されるか、又はこれらのあらゆる組み合わせであってよい。
【0024】
別の好適な択一的態様において、ウェブにおけるセンサは、ウェブ速度又はウェブにおけるひずみを決定するために使用される。センサは、ウェブ特性の変動を検出するために、それぞれの個々に駆動される構成要素の下流に配置されている。
【0025】
別の好適な実施の形態において、仮想マスタプロセッサ80は、断裁装置50の制御装置72へ仮想マスタ信号81を送信する。次いで、ウェブ及び見当プロセッサ84は、修正された仮想マスタ信号86を制御装置72へ送信する。信号81,86の差に基づき、制御装置72は、必要に応じて、モータ56を進めるか又は遅らせる。択一的に、仮想マスタ信号81が制御装置72へ送信されると、新たな、完全に修正された仮想マスタ信号86を送信する代わりに、修正された仮想マスタ信号86は、元の仮想マスタ信号81を所望のように修正するための情報のみを含んでいる。
【0026】
修正された仮想マスタ信号は、デュープレックスウェブ印刷機において使用されてもよい。この場合、各印刷機のためのウェブコンペンセータは、断裁装置とともに修正される。各印刷機からの測定された特性、例えば、ロール運動情報は、断裁位置に対する印刷位置のシフトを予測するために使用される。これらの測定された特性の効果を予測することができるので、修正された信号を、ウェブコンペンセータ及び断裁装置へ送信することができ、これは、印刷中の変化又は妨害、例えば印刷機構成要素におけるロール運動によって生ぜしめられる、断裁位置に対する印刷位置のシフトを最小限にする。
【0027】
図2は、本発明の別の好適な実施の形態による、デュープレックス印刷機200のための仮想マスタ制御システムの実施の形態を示している。デュープレックス印刷機200は、図1に示された印刷機100におけるものと同様の構成要素を有する2つの印刷機100,100′を有している。同じ構成要素は同じ参照符号で示してあるので、改めて詳細に説明しない。印刷機200は、それぞれが制御装置60,60′に接続されたモータ21,21′によって駆動される印刷ユニット20,20′を有している。各ウェブ10,10′に対して、2つ以上の印刷ユニットが提供されていてよい。冷却ユニット30,30′は、制御装置68,68′に接続されたモータ36,36′によって個々に駆動される。冷却ロール32,32′のうちの1つに設けられたエンコーダ34,34′は、冷却ロール32,32′の実際の速度37,37′を記録する。スリッタ40,40′は、制御装置70,70′に接続されたモータ48,48′によって個々に駆動される。スリッティング対42,44,42′,44′は、スリッティング対42,44,42′,44′の実際の速度49,49′を測定するためのエンコーダ48,48′を有している。ウェブ10,10′を断裁装置50へ案内するためにウェブコンペンセータ90,90′が設けられている。冷却ユニット30,30′、スリッタ40,40′、及びウェブコンペンセータ90,90′は、ウェブ10,10′に直接に接触し、これにより、これらの構成要素のロール運動におけるあらゆる変化は、ウェブ10,10′の速度を変化させ、印刷位置対断裁位置見当に影響する。
【0028】
各制御装置60,68,70,60′,68′,70′は、仮想マスタプロセシングデバイス80に接続されている。仮想マスタプロセシングデバイス80は、対応するモータ21,36,48,21′,36′,48′を作動させるために、各制御装置60,68,70,60′68′,70′へ信号81を送信する。信号81は、各印刷機100,100′に対する、位置、速度、及び加速命令を含んでいる。
【0029】
ウェブ及び見当プロセッサ84は、ロール運動変化に基づいて、各ウェブ10,10′のための断裁位置に対する印刷位置のシフトの量を推測する。仮想マスタプロセシングデバイス80は、ウェブ及び見当プロセッサ84へ仮想マスタ信号81を送信する。実際のロール速度37,49,37′,49′は、ウェブ及び見当プロセッサ84への入力でもある。ウェブ及び見当プロセッサ84は、断裁位置に対してシフトされた印刷位置の推測される量を計算し、この推測を、修正された仮想マスタ信号88,88′,86を送信するために使用する。ウェブコンペンセータ90,90′は、それぞれ、修正された仮想マスタ信号88,88′を受信する。プロセッサ84は、修正された仮想マスタ信号86を断裁装置50へ送信する。択一的に、ウェブコンペンセータ90,90′の代わりに、又はウェブコンペンセータ90,90′に関連して、リボンコンペンセータを使用することができる。択一的な好適な実施の形態において、ウェブコンペンセータ90,90′及び/又は断裁装置50は、それぞれ、修正された仮想マスタ信号88,88′,50を個々に受信する制御装置に接続されている。
【0030】
前記明細書において、発明は、特定の典型的な実施の形態及び例に関連して説明されている。しかしながら、以下の請求項に示された発明のより広い精神及び範囲から逸脱することなく、実施の形態に対して様々な修正及び変更がなされてもよいことは明らかとなるであろう。従って、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく、例示として見なされるべきである。
【符号の説明】
【0031】
10 ウェブ、 20,22,24,26 印刷ユニット、 21,23,25,27 駆動装置、 30 冷却ユニット、 32 冷却ロール、 34 エンコーダ、 36 モータ、 37 実際の速度、 40 スリッタ、 41 ナイフ、 42,44 断裁胴対、 46 エンコーダ、 48 モータ、 49 実際の速度、 50 断裁ユニット、 52,54 断裁胴対、 56 モータ、 60,62,64,66 印刷ユニット制御装置、 70 制御装置、 80 マスタプロセシングデバイス、 81 信号、 84 ウェブ及び見当プロセッサ、 86 修正された信号、 100 印刷機、 200 デュープレックス印刷機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブ印刷機において、
画像をウェブに印刷する少なくとも1つの印刷ユニットと、
前記ウェブと直接に接触する少なくとも1つの印刷機構成要素と、
ウェブをシートに断裁するための断裁装置と、
少なくとも1つの印刷ユニット及び少なくとも1つの印刷機構成要素に仮想マスタ信号を送信する制御装置と、
少なくとも1つの印刷機構成要素を検出するか、又は少なくとも1つの印刷ユニットの下流においてウェブを直接に検出し、センサ信号を発生する、センサと、
センサ信号及び仮想マスタ信号を受信するプロセッサとが設けられており、該プロセッサが、受信したセンサ信号に関連して、修正された仮想マスタ信号を断裁装置へ送信するようになっていることを特徴とする、ウェブ印刷機。
【請求項2】
前記仮想マスタ信号が、速度、位置、及び加速情報を含んでいる、請求項1記載のウェブ印刷機。
【請求項3】
前記修正された仮想マスタ信号が、ウェブに印刷された画像の印刷位置対断裁位置整合を修正する、請求項1記載のウェブ印刷機。
【請求項4】
前記センサが、少なくとも1つの印刷機構成要素の実際の速度、又は少なくとも1つの印刷機構成要素の下流におけるウェブの実際の速度を検出する、請求項1記載のウェブ印刷機。
【請求項5】
前記プロセッサが、少なくとも1つの印刷機構成要素の実際の速度、又は少なくとも1つの印刷機構成要素の下流におけるウェブの実際の速度を、仮想マスタ信号と比較し、あらゆる望ましくない変化を補償するために、修正された仮想マスタ信号を提供する、請求項4記載のウェブ印刷機。
【請求項6】
ウェブを断裁装置へ案内するための少なくとも1つのウェブコンペンセータが設けられており、該ウェブコンペンセータも、印刷位置対断裁位置整合のあらゆる変更を補正するために、修正された仮想マスタ信号を受信する、請求項1記載のウェブ印刷機。
【請求項7】
前記少なくとも1つの印刷機構成要素が、専用のモータによって駆動され、前記断裁装置が、専用のモータによって駆動される、請求項1記載のウェブ印刷機。
【請求項8】
前記少なくとも1つの印刷機構成要素が、冷却ユニット又はスリッタである、請求項1記載のウェブ印刷機。
【請求項9】
前記センサが、少なくとも1つの印刷機構成要素に設けられたエンコーダである、請求項1記載のウェブ印刷機。
【請求項10】
ウェブを印刷する方法において、
仮想マスタ信号を受信する印刷ユニットを用いてウェブを印刷するステップと、
ウェブと直接に接触する印刷機構成要素の特性を検出するか、又は印刷ユニットの下流においてウェブの特性を直接に検出するステップと、
検出された特性に関連して、印刷ユニット及び印刷機構成要素の下流における別の印刷機構成要素のために、仮想マスタ信号を修正するステップとを含むことを特徴とする、ウェブを印刷する方法。
【請求項11】
仮想マスタ信号を修正するステップが、修正された仮想マスタ信号を発生し、該修正された仮想マスタ信号を別の印刷機構成要素へ送信することを含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
特性を検出するステップが、印刷機構成要素に設けられたエンコーダを用いることを含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記仮想マスタ信号が、位置成分、速度成分、及び加速成分を含んでいる、請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記別の印刷機構成要素が、ウェブを断裁する断裁装置又はウェブを案内するウェブコンペンセータである、請求項10記載の方法。
【請求項15】
ウェブを印刷する方法において、
仮想マスタ信号を受信する印刷ユニットを用いてウェブを印刷するステップと、
仮想マスタ信号を受信する少なくとも1つの印刷機構成要素によって、印刷されたウェブに作用するステップと、
仮想マスタ信号と、少なくとも1つの印刷機構成要素の実際の特性とのずれを決定するステップと、
該ずれに関連して、少なくとも1つの印刷機構成要素の下流における別の印刷機構成要素のために、仮想マスタ信号を修正するステップとを含むことを特徴とする、ウェブを印刷する方法。
【請求項16】
仮想マスタ信号を修正するステップが、修正された仮想マスタ信号を発生し、修正された仮想マスタ信号を前記別の印刷機構成要素へ送信することを含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
ずれを決定するステップが、少なくとも1つの印刷機構成要素の実際の速度を検出することを含む、請求項10記載の方法。
【請求項18】
仮想マスタ信号が、位置成分、速度成分、及び加速成分を含んでいる、請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記別の印刷機構成要素が、ウェブをシートに断裁する断裁装置、又はウェブを案内するウェブコンペンセータである、請求項15記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの印刷機構成要素の下流において、印刷されたウェブの特性を測定するステップを有する、請求項15記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−35625(P2012−35625A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−163941(P2011−163941)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(508329715)ゴス インターナショナル アメリカス インコーポレイテッド (42)
【氏名又は名称原語表記】Goss International Americas, Inc.
【住所又は居所原語表記】121 Technologz Drive, Durham NH 03820, United States of America
【Fターム(参考)】