印刷機及び印刷基材への書き込み方法
【課題】電子ペーパへの書き込みが高速であり、かつ、コストも安くすることのできる印刷機を提供する。
【解決手段】印刷面が絶縁性を有し、当該面の所定箇所に導電性の液体が付けられる刷版と、電気泳動素子が平面的に並べられた印刷基材を前記刷版との間で挟む関係に配置した導電性を有する押圧部と、前記刷版と前記押圧板の間に直流電圧を加える電圧印加装置と、を有する印刷機。
【解決手段】印刷面が絶縁性を有し、当該面の所定箇所に導電性の液体が付けられる刷版と、電気泳動素子が平面的に並べられた印刷基材を前記刷版との間で挟む関係に配置した導電性を有する押圧部と、前記刷版と前記押圧板の間に直流電圧を加える電圧印加装置と、を有する印刷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、紙媒体の代わりとして電子ペーパに書き込みが可能な印刷機に関するものである。また本発明は特に、電気泳動素子を使用した印刷基材としての電子ペーパに書き込みが可能な印刷機に関するものである。また本発明は、印刷基材として電子ペーパに書き込みを行う方法である。
【背景技術】
【０００２】
従来までそして現在においても、携帯可能な情報伝達媒体として、書籍、新聞、雑誌などのように、紙に文字・絵画・模様を印刷したものが使用されている。書籍、新聞、雑誌などは大量に発行するものであるため、印刷速度が速い輪転印刷機が多く使用される。輪転印刷機は、インキが塗布され、円筒に取り付けた版（版胴）に送られた紙に、円筒状の圧胴で圧力をかける方法を採用しており、版胴と圧胴が同じスピードで高速回転するため、大量印刷に向いている。
【０００３】
しかし、インクを版面に描き出されている文字・絵画・模様などを、紙その他の被印刷体の表面に刷り出すことは、紙に半永久的に文字・絵画・模様など記録させることであり、消去が困難である。また、いったん印刷が行われた紙は無地の紙に再生することも可能である。しかし、再生にはコストがかかり、再生しようとする紙にはインクが付着しているため、再生した紙の質は、パルプにより製造された紙の質よりもどうしても劣る。さらに、いったん紙に付着させたインクを、再生して再使用することは困難である。
【０００４】
そこで、近年、紙媒体の代わりとして電子ペーパに書き込みを行ったものを情報伝達媒体として使用することが考えられている（特許文献１〜特許文献３）。電子ペーパについて説明をするため、図３を参照する。
【０００５】
電子ペーパ１０は、図３（ａ）に示したように、可撓性のあるプラスチックなどからなる基材１１の表面に、マイクロカプセルの形状をなす電気泳動素子１２を無数個平面的に貼り合わせたものである。電気泳動素子１２の内部は、図３（ｂ）に示したように、分散媒１３と帯電した複数個の電気泳動粒子１４とが封入されている。
【０００６】
図３（ｂ）に示したような電子ペーパ１０の上面に、書き込み装置によりデジタルデータに応じて電荷を加えることで、各電気泳動素子１２の底に沈んでいた電気泳動粒子１４が浮かび上がってくる。例えば、電気泳動粒子１４が黒色で負に帯電している場合に、電子ペーパ１０の上面側が高電位となるような電圧を加えると、電気泳動粒子１４が浮かび上がる。電気泳動粒子１４が浮かび上がった箇所の電気泳動素子１２を上から見ると、浮かび上がった電気泳動粒子１４のために黒く見える。そして、分散媒１３の色として白を使用した場合は電気泳動粒子１４が浮かび上がらない箇所の電気泳動素子１２を上から見ると白く見える。
【０００７】
そのため、基材１１の表面に張り合わされた電気泳動素子１２のうち、電気泳動粒子１４を浮かび上がらせるべき電気泳動素子１２を電子ペーパ１０に書き込みたい文字・絵画・模様などのパターンとなるように選択することによって、電子ペーパ１０に文字・絵画・模様を表示させることができる。
【０００８】
この状態で電圧の印加を遮断しても電気泳動粒子１４の配列は保持されるため、書込み装置によって書き込みが行われた電子ペーパ１０のみを携帯して、紙のように何処でも見ることができるのである。さらに、書き込みが行われた電子ペーパ１０の両面に一様な電圧を加えることで、すべての電気泳動粒子１４を浮かび上がらせないようにして、何も書き込まれていない電子ペーパ１０にすることができる。その際、印刷が行われた紙を無地の紙に再生する場合と異なり、質の劣化がないというメリットもある。
【０００９】
【特許文献１】特開昭６４−８６１１６号公報
【特許文献２】特開平８−５４８４１号公報
【特許文献３】特開平８−２９７４７０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
電子ペーパに書き込みを行うための装置は、専用の装置が必要であり、その書き込み速度は紙に対して印刷を行う輪転印刷機のように、高速とすることはできない。また、かかる装置は電子ペーパ書き込み専用のものであるため、特殊な設計が必要でありコストがかかる。
【００１１】
今後、電子ペーパが、書籍、新聞、雑誌などの情報伝達媒体として広く使用されていく場合を考えると、電子ペーパへの書き込みが高速で、コストの安い書き込みの装置が必要となる。そこで、本発明が解決しようとする課題は、電子ペーパへの書き込みが高速であり、かつ、コストも安くすることのできる印刷機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明に係る印刷機は、印刷面が絶縁性を有し、当該面の所定箇所に導電性の液体が付けられる刷版と、電気泳動素子が平面的に並べられた印刷基材を前記刷版との間で挟む関係に配置した導電性を有する押圧部と、前記刷版と前記押圧板の間に直流電圧を加える電圧印加装置と、を有する。
【００１３】
好ましくは、前記導電性の液体は、前記印刷基材に付着後透明化する性質を有する。
【００１４】
好ましくは、前記導電性の液体は硬化させた状態で前記刷版に付けられている。
【００１５】
好ましくは、前記刷版は版胴であり、前記押圧部は圧胴である。
【００１６】
好ましくは、前記版胴と前記圧胴にはさまれた前記印刷基材の送り口の手前に、前記印刷基材の両面に電圧を加えて前記印刷基材の表示を消去する消去部を有する。
【００１７】
好ましくは、前記刷版は凸版、凹版、平版、孔版のうちいずれかである。
【００１８】
また本発明は、印刷面が絶縁性を有し、当該面の所定箇所に導電性の液体が付けられる刷版と、印刷基材を前記刷版との間で挟む関係に配置した導電性を有する押圧部と、を有する印刷機を使用して、前記刷版と前記押圧板の間に直流電圧を加えて、電気泳動素子が平面的に並べられた印刷基材への書き込みを行う印刷基材への書き込み方法である。
【発明の効果】
【００１９】
本発明の印刷機及び印刷基材への書き込み方法は、従来型の印刷機を流用して電子ペーパへの書き込みが可能であるため、高速の書き込みができる。また、従来型の印刷機を流用できるのでコストも安くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２０】
本発明に係る印刷機１について図面を参照しながら説明する。
図１に示した印刷機１は、円筒形状をなし回転をする版胴２と版胴２に対して対向して並べられた円筒形状をなし回転をする圧胴３により構成される輪転式の印刷機１となっている。また、版胴２に対してインクを供給するインク供給装置７を備えている。さらに、印刷基材５に付着したインクをふき取る機能を有する吸収用のスポンジ胴９が設けられている。
【００２１】
版胴２は印刷基材５に対して、文字・絵画・模様などのパターンを転写するために、円筒面に当該パターンに対応させた凹みが形成された刷版となっている。また、版胴２の円筒面の表面は、絶縁性を有する材料により形成されている。
【００２２】
圧胴３は、印刷基材５が版胴２の円筒面を通過する際に、印刷基材５を版胴２に対して挟んで押し付ける押圧部としての機能を有している。また、下記のように、電圧源４により電圧を印加できるように、押圧部には導電性を持たせるようにする。図１に示した版胴２と圧胴３を有する印刷機１は、従来の輪転式の印刷機の構成と全く構成を共通にしている。
【００２３】
インク供給装置７は、例えばローラからなり、インク受けなどに貯められたインクを浸し、版胴２と接するように回転して版胴２にインクを付着させる。また、本発明の印刷機１で使用されるインクは導電性を有する液体である。
【００２４】
さらに、図１に示した印刷機１は、版胴２と圧胴３の間に直流電圧を加える電圧源４を有している。電圧源４は例えば、版胴２側がプラス側で、圧胴３側がアース側となるように直流電圧を加える電圧印加装置の機能を果たしている。
【００２５】
また、版胴２と圧胴３が回転するのに伴って、印刷基材５が図１において右方向に送られるが、版胴２と圧胴３にはさまれた印刷基材５の送り口の手前に、消去部６を設ける。消去部６は、平面形状をなす印刷基材５の上下方向に対して一方向の高い電界を加える。
【００２６】
例えば、図３（ｂ）に示した印刷基材としての電子ペーパ１０において、基材１１上の各電気泳動素子１２の電気泳動粒子１４がそれぞれについて電気泳動素子１２の上部に浮かび上がっている状態又は、下部に沈んでいる場合がある。すなわち、電子ペーパ１０に文字・絵画・模様が表示されている状態である。
【００２７】
この状態で電子ペーパ１０を消去部６に送ると、電子ペーパ１０には、図３（ｂ）に示した図において上下にわたる一方向の電界が一様に加わる。そうすると、基材１１上の各電気泳動素子１２の電気泳動粒子１４は一斉に電気泳動素子１２の下部に沈む。電気泳動粒子１４は一斉に電気泳動素子１２の下部に沈んだ状態において、電子ペーパ１０は表示されていた文字・絵画・模様が全て消去されることになる。
【００２８】
図１に示した本発明に係る印刷機１において、印刷基材５への書き込みを行う場合を説明するため、図２を参照する。図２には、図３に示したような電気泳動素子１２が基材１１上に平面的に並べられた電子ペーパ１０（印刷基材５）の一部の箇所が回転している版胴２と圧胴３に挟まれている状態を拡大したものが示されている。
【００２９】
説明したように、版胴２は印刷基材５に対して、文字・絵画・模様などのパターンを転写するために、円筒面に当該パターンに対応させた凹みが形成されたものである。図２に示した版胴２は、円筒２ａに文字・絵画・模様のパターンに対応させた凹み２ｂを設けた凹版になっている。
【００３０】
図２では、印刷基材５の表側の面が版胴２と接し、印刷基材５の裏側の面が圧胴３と接している。そして、圧胴３が印刷基材５を版胴２に対して押し付けるような力を加えている。また、図示しない電圧源により、版胴２側がプラス側で、圧胴３側がアース側となるような電圧が加えられている。
【００３１】
版胴２側がプラス側で、圧胴３側がアース側となるような電圧が加えられているので、図２において印刷基材５の表側から裏側の方向に電界Ｅが加わることになる。ここで、版胴２の印刷面は絶縁性を有しているが、版胴２には凹み２ｂが設けられ、凹み２ｂの箇所にはインク供給装置７により供給された導電性のインク８が溜まる。
【００３２】
インク８は導電性を有する液体であり、かつ、版胴２には電圧が加わっているので、インク８が溜まった版胴２の凹み２ｂの箇所は、金属電極に似た性質を有するようになる。そのため、凹み２ｂと圧胴３との間に挟まれた印刷基材５の間に電界Ｅbが加わる。また、印刷基材５は、圧胴３によって版胴２に対して押し付けられているので、電界Ｅbの強度は強い。
【００３３】
一方で、版胴２において凹み２ｂが形成されていない箇所にはインク８は付着しない。その箇所における印刷基材５は、版胴２の絶縁性がある面が接することになる。そのため、その面と圧胴３との間に挟まれた印刷基材５の間に加わる電界Ｅaは、電界Ｅbと比較して非常に弱くなる。
【００３４】
図２には、図３（ｂ）に示したような断面図を有する電子ペーパ１０と同様の、基材１１の表面に、電気泳動素子１２を平面的に貼り合わせた印刷基材５の断面が示されている。電気泳動素子１２に分散媒１３とともに封入された電気泳動粒子１４は、印刷基材５の面方向に加わる電界の強度に応じて泳動する。
【００３５】
例えば、電気泳動粒子１４が負に帯電している場合を考えると、凹み２ｂが形成されている箇所の電界Ｅbは強いので、凹み２ｂと接近している箇所の印刷基材５の電気泳動粒子１４は浮かび上がってくる。電気泳動粒子１４が浮かび上がった箇所の印刷基材５の表示は黒色に変化する。
【００３６】
一方で、凹み２ｂが形成されていない箇所の電界Ｅbは弱いので、その箇所に対応する印刷基材５の電気泳動粒子１４は浮かび上がることはない。電気泳動粒子１４が浮かび上がっていない箇所の印刷基材５は依然として分散媒の色と同じ白色の表示のままとなる。
【００３７】
こうして、版胴２の円筒２ａにおいて形成されている凹み２ｂの文字・絵画・模様のパターンに応じて、印刷基材５の表面に文字・絵画・模様の黒色のパターンが形成される。すなわち、印刷基材５に文字・絵画・模様が書き込まれる。
【００３８】
ここで、版胴２には凹み２ｂが形成されており、凹み２ｂにはインク８がたまるので、版胴２が印刷基材５に接する際に、インク８も印刷基材５に印刷され付着してしまう。特にインク８に色が付いている場合には、電気泳動素子１２の電気泳動粒子１４が浮かび上がることによって印刷基材５の表面に書き込まれたパターンが、隠されてしまう。なお、印刷基材５に付着したインクをふき取る機能を有する吸収用のスポンジ胴９を設けていたとしても、インクを完全にふき取ることができない場合もある。
【００３９】
そこで、使用する導電性の液体としてのインク８は、印刷後透明化する性質を有するものが望ましい。そうすれば、印刷基材５の表面に書き込まれたパターンが隠されることがなくなる。
【００４０】
以上説明した印刷機１は、常時インク供給装置７から版胴２に導電性のインクを付けながら、印刷基材５への書き込みを行っていた。しかし、予め版胴２に形成されている凹み２ｂに導電性の液体を付着させ、硬化させた後、その版胴２を印刷機１にセットして、印刷基材５への書き込みを行うこともできる。この場合、インク供給装置７にインクを供給する必要はない。また、インク供給装置７自体を不要にすることもできる。
【００４１】
版胴２に形成されている凹み２ｂに導電性の液体を付着、硬化させた版胴２を使用した場合でも、図２に示したように、導電性の液体となるインクが固まった版胴２の凹み２ｂの箇所は、金属電極に似た性質を有するようになる。このとき、凹み２ｂと圧胴３との間に挟まれた印刷基材５の間に電界Ｅbが加わり、印刷基材５への書き込みを行うことができる。
【００４２】
版胴２の凹み２ｂには、硬化したインク８が固まっているので、印刷基材５への書き込みの際に、インク８が印刷基材５へ付着することはない。そのため、使用する導電性の液体は必ずしも透明化するものでなくても良い。例えば、通常の硬化性のあるインクを使用することができるし、熱や紫外線により硬化する樹脂を導電性の液体として使用することもできる。
【００４３】
以上のように、本発明に係る印刷機は、従来型の輪転式の印刷機に、電圧印加装置を付加する改造を行うだけで、電子ペーパへの書き込みを行わせることができる。もちろん、従来型の輪転式の印刷機の改造は行わず、輪転式の印刷機の機構と同様の機構に電圧印加装置を付加したものを新造することもできる。
【００４４】
なお、電圧印加装置の機能は圧胴と版胴に一定の電圧を加えるだけであるため、電圧印加装置のコストもかからない。さらに、電圧印加装置は圧胴と版胴の間に電圧を加えるだけであり、電流を流すものではないため、消費電力がほとんどない。そのため、印刷機に余計なランニングコストがかかりにくい。
【００４５】
さらに、輪転式の印刷機は、本来的に高速印刷が可能である。そのため、輪転式の機構を有する本発明に係る印刷機は、電子ペーパに対して高速で書き込みが可能となる。また、消去部を備えておけば、既に書き込みがなされた電子ペーパの書き込み内容をいったん消去して、新たな書き込みを行うことができるようになる。
【００４６】
また、図２に示した版胴２は円筒２ａに凹み２ｂを設けた凹版になっているが、版胴２は、表面が絶縁性を有し、その面の所定箇所に導電性の液体を付着することができるようなものであれば何であってもよい。このような版胴２であれば、図２に示したように、版胴２と圧胴３との間に挟まれた印刷基材５の間に加わる電界Ｅに強弱を付けることが可能であるため、印刷基材５への書き込みを行えるためである。
【００４７】
例えば、版胴２として、平版、孔版を使用することができる。さらに、以上説明した版胴２の表面は絶縁性を有しており、その面の所定箇所に導電性の液体を付着させるものである。しかし逆に、版胴２の表面が導電性を有しており、その面の特定箇所に絶縁性の液体を付着させるものであっても良い。
【００４８】
このような版胴２であっても、図２に示した場合と同様にして、版胴２と圧胴３との間に挟まれた印刷基材５の間に加わる電界Ｅに強弱を付けることが可能であるため、印刷基材５への書き込みを行えるためである。
【００４９】
また、図１，図２で説明した印刷機１では、刷版として円筒形をなす版胴２を使用する円圧式のものであったが、平圧式の印刷機であってもよい。この場合、刷版は円筒形をなす版胴２の代わりに、平面をなす版を使用する。
【００５０】
また、図２において印刷基材５の表側から裏側の方向に電界Ｅが加わっている。ここで、印刷基材５の厚さが薄いほど、電界Ｅの強度は大きくなる。そのため、版胴２と圧胴３にはさまれた記印刷基材５の送り口の手前に、印刷基材５の厚さを予め薄くさせるローラや、スキージを設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【００５１】
【図１】本発明に係る印刷機の構造図である。
【図２】本発明に係る印刷機を使用して印刷基材に書き込みを行うための説明図である。
【図３】印刷基材としての電子ペーパを示すものであり（ａ）は平面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａにおける断面図である。
【符号の説明】
【００５２】
１…印刷機， ２…版胴， ３…圧胴， ４…電圧源， ５…印刷基材， ６…消去部， ７…インク供給装置， ８…インク， ９…スポンジ胴， １０…電子ペーパ， １１…基材， １２…電気泳動素子， １３…分散媒， １４…電気泳動粒子
【技術分野】
【０００１】
本発明は、紙媒体の代わりとして電子ペーパに書き込みが可能な印刷機に関するものである。また本発明は特に、電気泳動素子を使用した印刷基材としての電子ペーパに書き込みが可能な印刷機に関するものである。また本発明は、印刷基材として電子ペーパに書き込みを行う方法である。
【背景技術】
【０００２】
従来までそして現在においても、携帯可能な情報伝達媒体として、書籍、新聞、雑誌などのように、紙に文字・絵画・模様を印刷したものが使用されている。書籍、新聞、雑誌などは大量に発行するものであるため、印刷速度が速い輪転印刷機が多く使用される。輪転印刷機は、インキが塗布され、円筒に取り付けた版（版胴）に送られた紙に、円筒状の圧胴で圧力をかける方法を採用しており、版胴と圧胴が同じスピードで高速回転するため、大量印刷に向いている。
【０００３】
しかし、インクを版面に描き出されている文字・絵画・模様などを、紙その他の被印刷体の表面に刷り出すことは、紙に半永久的に文字・絵画・模様など記録させることであり、消去が困難である。また、いったん印刷が行われた紙は無地の紙に再生することも可能である。しかし、再生にはコストがかかり、再生しようとする紙にはインクが付着しているため、再生した紙の質は、パルプにより製造された紙の質よりもどうしても劣る。さらに、いったん紙に付着させたインクを、再生して再使用することは困難である。
【０００４】
そこで、近年、紙媒体の代わりとして電子ペーパに書き込みを行ったものを情報伝達媒体として使用することが考えられている（特許文献１〜特許文献３）。電子ペーパについて説明をするため、図３を参照する。
【０００５】
電子ペーパ１０は、図３（ａ）に示したように、可撓性のあるプラスチックなどからなる基材１１の表面に、マイクロカプセルの形状をなす電気泳動素子１２を無数個平面的に貼り合わせたものである。電気泳動素子１２の内部は、図３（ｂ）に示したように、分散媒１３と帯電した複数個の電気泳動粒子１４とが封入されている。
【０００６】
図３（ｂ）に示したような電子ペーパ１０の上面に、書き込み装置によりデジタルデータに応じて電荷を加えることで、各電気泳動素子１２の底に沈んでいた電気泳動粒子１４が浮かび上がってくる。例えば、電気泳動粒子１４が黒色で負に帯電している場合に、電子ペーパ１０の上面側が高電位となるような電圧を加えると、電気泳動粒子１４が浮かび上がる。電気泳動粒子１４が浮かび上がった箇所の電気泳動素子１２を上から見ると、浮かび上がった電気泳動粒子１４のために黒く見える。そして、分散媒１３の色として白を使用した場合は電気泳動粒子１４が浮かび上がらない箇所の電気泳動素子１２を上から見ると白く見える。
【０００７】
そのため、基材１１の表面に張り合わされた電気泳動素子１２のうち、電気泳動粒子１４を浮かび上がらせるべき電気泳動素子１２を電子ペーパ１０に書き込みたい文字・絵画・模様などのパターンとなるように選択することによって、電子ペーパ１０に文字・絵画・模様を表示させることができる。
【０００８】
この状態で電圧の印加を遮断しても電気泳動粒子１４の配列は保持されるため、書込み装置によって書き込みが行われた電子ペーパ１０のみを携帯して、紙のように何処でも見ることができるのである。さらに、書き込みが行われた電子ペーパ１０の両面に一様な電圧を加えることで、すべての電気泳動粒子１４を浮かび上がらせないようにして、何も書き込まれていない電子ペーパ１０にすることができる。その際、印刷が行われた紙を無地の紙に再生する場合と異なり、質の劣化がないというメリットもある。
【０００９】
【特許文献１】特開昭６４−８６１１６号公報
【特許文献２】特開平８−５４８４１号公報
【特許文献３】特開平８−２９７４７０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
電子ペーパに書き込みを行うための装置は、専用の装置が必要であり、その書き込み速度は紙に対して印刷を行う輪転印刷機のように、高速とすることはできない。また、かかる装置は電子ペーパ書き込み専用のものであるため、特殊な設計が必要でありコストがかかる。
【００１１】
今後、電子ペーパが、書籍、新聞、雑誌などの情報伝達媒体として広く使用されていく場合を考えると、電子ペーパへの書き込みが高速で、コストの安い書き込みの装置が必要となる。そこで、本発明が解決しようとする課題は、電子ペーパへの書き込みが高速であり、かつ、コストも安くすることのできる印刷機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明に係る印刷機は、印刷面が絶縁性を有し、当該面の所定箇所に導電性の液体が付けられる刷版と、電気泳動素子が平面的に並べられた印刷基材を前記刷版との間で挟む関係に配置した導電性を有する押圧部と、前記刷版と前記押圧板の間に直流電圧を加える電圧印加装置と、を有する。
【００１３】
好ましくは、前記導電性の液体は、前記印刷基材に付着後透明化する性質を有する。
【００１４】
好ましくは、前記導電性の液体は硬化させた状態で前記刷版に付けられている。
【００１５】
好ましくは、前記刷版は版胴であり、前記押圧部は圧胴である。
【００１６】
好ましくは、前記版胴と前記圧胴にはさまれた前記印刷基材の送り口の手前に、前記印刷基材の両面に電圧を加えて前記印刷基材の表示を消去する消去部を有する。
【００１７】
好ましくは、前記刷版は凸版、凹版、平版、孔版のうちいずれかである。
【００１８】
また本発明は、印刷面が絶縁性を有し、当該面の所定箇所に導電性の液体が付けられる刷版と、印刷基材を前記刷版との間で挟む関係に配置した導電性を有する押圧部と、を有する印刷機を使用して、前記刷版と前記押圧板の間に直流電圧を加えて、電気泳動素子が平面的に並べられた印刷基材への書き込みを行う印刷基材への書き込み方法である。
【発明の効果】
【００１９】
本発明の印刷機及び印刷基材への書き込み方法は、従来型の印刷機を流用して電子ペーパへの書き込みが可能であるため、高速の書き込みができる。また、従来型の印刷機を流用できるのでコストも安くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２０】
本発明に係る印刷機１について図面を参照しながら説明する。
図１に示した印刷機１は、円筒形状をなし回転をする版胴２と版胴２に対して対向して並べられた円筒形状をなし回転をする圧胴３により構成される輪転式の印刷機１となっている。また、版胴２に対してインクを供給するインク供給装置７を備えている。さらに、印刷基材５に付着したインクをふき取る機能を有する吸収用のスポンジ胴９が設けられている。
【００２１】
版胴２は印刷基材５に対して、文字・絵画・模様などのパターンを転写するために、円筒面に当該パターンに対応させた凹みが形成された刷版となっている。また、版胴２の円筒面の表面は、絶縁性を有する材料により形成されている。
【００２２】
圧胴３は、印刷基材５が版胴２の円筒面を通過する際に、印刷基材５を版胴２に対して挟んで押し付ける押圧部としての機能を有している。また、下記のように、電圧源４により電圧を印加できるように、押圧部には導電性を持たせるようにする。図１に示した版胴２と圧胴３を有する印刷機１は、従来の輪転式の印刷機の構成と全く構成を共通にしている。
【００２３】
インク供給装置７は、例えばローラからなり、インク受けなどに貯められたインクを浸し、版胴２と接するように回転して版胴２にインクを付着させる。また、本発明の印刷機１で使用されるインクは導電性を有する液体である。
【００２４】
さらに、図１に示した印刷機１は、版胴２と圧胴３の間に直流電圧を加える電圧源４を有している。電圧源４は例えば、版胴２側がプラス側で、圧胴３側がアース側となるように直流電圧を加える電圧印加装置の機能を果たしている。
【００２５】
また、版胴２と圧胴３が回転するのに伴って、印刷基材５が図１において右方向に送られるが、版胴２と圧胴３にはさまれた印刷基材５の送り口の手前に、消去部６を設ける。消去部６は、平面形状をなす印刷基材５の上下方向に対して一方向の高い電界を加える。
【００２６】
例えば、図３（ｂ）に示した印刷基材としての電子ペーパ１０において、基材１１上の各電気泳動素子１２の電気泳動粒子１４がそれぞれについて電気泳動素子１２の上部に浮かび上がっている状態又は、下部に沈んでいる場合がある。すなわち、電子ペーパ１０に文字・絵画・模様が表示されている状態である。
【００２７】
この状態で電子ペーパ１０を消去部６に送ると、電子ペーパ１０には、図３（ｂ）に示した図において上下にわたる一方向の電界が一様に加わる。そうすると、基材１１上の各電気泳動素子１２の電気泳動粒子１４は一斉に電気泳動素子１２の下部に沈む。電気泳動粒子１４は一斉に電気泳動素子１２の下部に沈んだ状態において、電子ペーパ１０は表示されていた文字・絵画・模様が全て消去されることになる。
【００２８】
図１に示した本発明に係る印刷機１において、印刷基材５への書き込みを行う場合を説明するため、図２を参照する。図２には、図３に示したような電気泳動素子１２が基材１１上に平面的に並べられた電子ペーパ１０（印刷基材５）の一部の箇所が回転している版胴２と圧胴３に挟まれている状態を拡大したものが示されている。
【００２９】
説明したように、版胴２は印刷基材５に対して、文字・絵画・模様などのパターンを転写するために、円筒面に当該パターンに対応させた凹みが形成されたものである。図２に示した版胴２は、円筒２ａに文字・絵画・模様のパターンに対応させた凹み２ｂを設けた凹版になっている。
【００３０】
図２では、印刷基材５の表側の面が版胴２と接し、印刷基材５の裏側の面が圧胴３と接している。そして、圧胴３が印刷基材５を版胴２に対して押し付けるような力を加えている。また、図示しない電圧源により、版胴２側がプラス側で、圧胴３側がアース側となるような電圧が加えられている。
【００３１】
版胴２側がプラス側で、圧胴３側がアース側となるような電圧が加えられているので、図２において印刷基材５の表側から裏側の方向に電界Ｅが加わることになる。ここで、版胴２の印刷面は絶縁性を有しているが、版胴２には凹み２ｂが設けられ、凹み２ｂの箇所にはインク供給装置７により供給された導電性のインク８が溜まる。
【００３２】
インク８は導電性を有する液体であり、かつ、版胴２には電圧が加わっているので、インク８が溜まった版胴２の凹み２ｂの箇所は、金属電極に似た性質を有するようになる。そのため、凹み２ｂと圧胴３との間に挟まれた印刷基材５の間に電界Ｅbが加わる。また、印刷基材５は、圧胴３によって版胴２に対して押し付けられているので、電界Ｅbの強度は強い。
【００３３】
一方で、版胴２において凹み２ｂが形成されていない箇所にはインク８は付着しない。その箇所における印刷基材５は、版胴２の絶縁性がある面が接することになる。そのため、その面と圧胴３との間に挟まれた印刷基材５の間に加わる電界Ｅaは、電界Ｅbと比較して非常に弱くなる。
【００３４】
図２には、図３（ｂ）に示したような断面図を有する電子ペーパ１０と同様の、基材１１の表面に、電気泳動素子１２を平面的に貼り合わせた印刷基材５の断面が示されている。電気泳動素子１２に分散媒１３とともに封入された電気泳動粒子１４は、印刷基材５の面方向に加わる電界の強度に応じて泳動する。
【００３５】
例えば、電気泳動粒子１４が負に帯電している場合を考えると、凹み２ｂが形成されている箇所の電界Ｅbは強いので、凹み２ｂと接近している箇所の印刷基材５の電気泳動粒子１４は浮かび上がってくる。電気泳動粒子１４が浮かび上がった箇所の印刷基材５の表示は黒色に変化する。
【００３６】
一方で、凹み２ｂが形成されていない箇所の電界Ｅbは弱いので、その箇所に対応する印刷基材５の電気泳動粒子１４は浮かび上がることはない。電気泳動粒子１４が浮かび上がっていない箇所の印刷基材５は依然として分散媒の色と同じ白色の表示のままとなる。
【００３７】
こうして、版胴２の円筒２ａにおいて形成されている凹み２ｂの文字・絵画・模様のパターンに応じて、印刷基材５の表面に文字・絵画・模様の黒色のパターンが形成される。すなわち、印刷基材５に文字・絵画・模様が書き込まれる。
【００３８】
ここで、版胴２には凹み２ｂが形成されており、凹み２ｂにはインク８がたまるので、版胴２が印刷基材５に接する際に、インク８も印刷基材５に印刷され付着してしまう。特にインク８に色が付いている場合には、電気泳動素子１２の電気泳動粒子１４が浮かび上がることによって印刷基材５の表面に書き込まれたパターンが、隠されてしまう。なお、印刷基材５に付着したインクをふき取る機能を有する吸収用のスポンジ胴９を設けていたとしても、インクを完全にふき取ることができない場合もある。
【００３９】
そこで、使用する導電性の液体としてのインク８は、印刷後透明化する性質を有するものが望ましい。そうすれば、印刷基材５の表面に書き込まれたパターンが隠されることがなくなる。
【００４０】
以上説明した印刷機１は、常時インク供給装置７から版胴２に導電性のインクを付けながら、印刷基材５への書き込みを行っていた。しかし、予め版胴２に形成されている凹み２ｂに導電性の液体を付着させ、硬化させた後、その版胴２を印刷機１にセットして、印刷基材５への書き込みを行うこともできる。この場合、インク供給装置７にインクを供給する必要はない。また、インク供給装置７自体を不要にすることもできる。
【００４１】
版胴２に形成されている凹み２ｂに導電性の液体を付着、硬化させた版胴２を使用した場合でも、図２に示したように、導電性の液体となるインクが固まった版胴２の凹み２ｂの箇所は、金属電極に似た性質を有するようになる。このとき、凹み２ｂと圧胴３との間に挟まれた印刷基材５の間に電界Ｅbが加わり、印刷基材５への書き込みを行うことができる。
【００４２】
版胴２の凹み２ｂには、硬化したインク８が固まっているので、印刷基材５への書き込みの際に、インク８が印刷基材５へ付着することはない。そのため、使用する導電性の液体は必ずしも透明化するものでなくても良い。例えば、通常の硬化性のあるインクを使用することができるし、熱や紫外線により硬化する樹脂を導電性の液体として使用することもできる。
【００４３】
以上のように、本発明に係る印刷機は、従来型の輪転式の印刷機に、電圧印加装置を付加する改造を行うだけで、電子ペーパへの書き込みを行わせることができる。もちろん、従来型の輪転式の印刷機の改造は行わず、輪転式の印刷機の機構と同様の機構に電圧印加装置を付加したものを新造することもできる。
【００４４】
なお、電圧印加装置の機能は圧胴と版胴に一定の電圧を加えるだけであるため、電圧印加装置のコストもかからない。さらに、電圧印加装置は圧胴と版胴の間に電圧を加えるだけであり、電流を流すものではないため、消費電力がほとんどない。そのため、印刷機に余計なランニングコストがかかりにくい。
【００４５】
さらに、輪転式の印刷機は、本来的に高速印刷が可能である。そのため、輪転式の機構を有する本発明に係る印刷機は、電子ペーパに対して高速で書き込みが可能となる。また、消去部を備えておけば、既に書き込みがなされた電子ペーパの書き込み内容をいったん消去して、新たな書き込みを行うことができるようになる。
【００４６】
また、図２に示した版胴２は円筒２ａに凹み２ｂを設けた凹版になっているが、版胴２は、表面が絶縁性を有し、その面の所定箇所に導電性の液体を付着することができるようなものであれば何であってもよい。このような版胴２であれば、図２に示したように、版胴２と圧胴３との間に挟まれた印刷基材５の間に加わる電界Ｅに強弱を付けることが可能であるため、印刷基材５への書き込みを行えるためである。
【００４７】
例えば、版胴２として、平版、孔版を使用することができる。さらに、以上説明した版胴２の表面は絶縁性を有しており、その面の所定箇所に導電性の液体を付着させるものである。しかし逆に、版胴２の表面が導電性を有しており、その面の特定箇所に絶縁性の液体を付着させるものであっても良い。
【００４８】
このような版胴２であっても、図２に示した場合と同様にして、版胴２と圧胴３との間に挟まれた印刷基材５の間に加わる電界Ｅに強弱を付けることが可能であるため、印刷基材５への書き込みを行えるためである。
【００４９】
また、図１，図２で説明した印刷機１では、刷版として円筒形をなす版胴２を使用する円圧式のものであったが、平圧式の印刷機であってもよい。この場合、刷版は円筒形をなす版胴２の代わりに、平面をなす版を使用する。
【００５０】
また、図２において印刷基材５の表側から裏側の方向に電界Ｅが加わっている。ここで、印刷基材５の厚さが薄いほど、電界Ｅの強度は大きくなる。そのため、版胴２と圧胴３にはさまれた記印刷基材５の送り口の手前に、印刷基材５の厚さを予め薄くさせるローラや、スキージを設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【００５１】
【図１】本発明に係る印刷機の構造図である。
【図２】本発明に係る印刷機を使用して印刷基材に書き込みを行うための説明図である。
【図３】印刷基材としての電子ペーパを示すものであり（ａ）は平面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａにおける断面図である。
【符号の説明】
【００５２】
１…印刷機， ２…版胴， ３…圧胴， ４…電圧源， ５…印刷基材， ６…消去部， ７…インク供給装置， ８…インク， ９…スポンジ胴， １０…電子ペーパ， １１…基材， １２…電気泳動素子， １３…分散媒， １４…電気泳動粒子
【特許請求の範囲】
【請求項１】
印刷面が絶縁性を有し、当該面の所定箇所に導電性の液体が付けられる刷版と、
電気泳動素子が平面的に並べられた印刷基材を前記刷版との間で挟む関係に配置した導電性を有する押圧部と、
前記刷版と前記押圧板の間に直流電圧を加える電圧印加装置と、
を有する印刷機。
【請求項２】
前記導電性の液体は、前記印刷基材に付着後透明化する性質を有する請求項１に記載の印刷機。
【請求項３】
前記導電性の液体は硬化させた状態で前記刷版に付けられている請求項１又は請求項２に記載の印刷機。
【請求項４】
前記刷版は版胴であり、前記押圧部は圧胴である請求項１から請求項３のいずれか一に記載の印刷機。
【請求項５】
前記版胴と前記圧胴にはさまれた前記印刷基材の送り口の手前に、前記印刷基材の両面に電圧を加えて前記印刷基材の表示を消去する消去部を有する請求項４に記載の印刷機。
【請求項６】
前記刷版は凸版、凹版、平版、孔版のうちいずれかである請求項１から請求項５のいずれか一に記載の印刷機。
【請求項７】
印刷面が絶縁性を有し、当該面の所定箇所に導電性の液体が付けられる刷版と、
印刷基材を前記刷版との間で挟む関係に配置した導電性を有する押圧部と、
を有する印刷機を使用して、
前記刷版と前記押圧板の間に直流電圧を加えて、電気泳動素子が平面的に並べられた印刷基材への書き込み方法。
【請求項１】
印刷面が絶縁性を有し、当該面の所定箇所に導電性の液体が付けられる刷版と、
電気泳動素子が平面的に並べられた印刷基材を前記刷版との間で挟む関係に配置した導電性を有する押圧部と、
前記刷版と前記押圧板の間に直流電圧を加える電圧印加装置と、
を有する印刷機。
【請求項２】
前記導電性の液体は、前記印刷基材に付着後透明化する性質を有する請求項１に記載の印刷機。
【請求項３】
前記導電性の液体は硬化させた状態で前記刷版に付けられている請求項１又は請求項２に記載の印刷機。
【請求項４】
前記刷版は版胴であり、前記押圧部は圧胴である請求項１から請求項３のいずれか一に記載の印刷機。
【請求項５】
前記版胴と前記圧胴にはさまれた前記印刷基材の送り口の手前に、前記印刷基材の両面に電圧を加えて前記印刷基材の表示を消去する消去部を有する請求項４に記載の印刷機。
【請求項６】
前記刷版は凸版、凹版、平版、孔版のうちいずれかである請求項１から請求項５のいずれか一に記載の印刷機。
【請求項７】
印刷面が絶縁性を有し、当該面の所定箇所に導電性の液体が付けられる刷版と、
印刷基材を前記刷版との間で挟む関係に配置した導電性を有する押圧部と、
を有する印刷機を使用して、
前記刷版と前記押圧板の間に直流電圧を加えて、電気泳動素子が平面的に並べられた印刷基材への書き込み方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００７−２９６７４３（Ｐ２００７−２９６７４３Ａ）
【公開日】平成１９年１１月１５日（２００７．１１．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−１２６３４２（Ｐ２００６−１２６３４２）
【出願日】平成１８年４月２８日（２００６．４．２８）
【出願人】（０００１１５７７３）リズム時計工業株式会社 (208)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１１月１５日（２００７．１１．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年４月２８日（２００６．４．２８）
【出願人】（０００１１５７７３）リズム時計工業株式会社 (208)
【Ｆターム（参考）】
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