説明

印刷機器の混雑度表示プログラムおよび混雑度表示方法

【課題】ネットワークを介して接続された印刷機器の状況をユーザが正確かつ直感的に把握することを可能とする印刷機器の混雑度表示プログラムおよび混雑度表示方法を提供する。
【解決手段】ネットワーク10を介して複数の印刷機器20A〜20Eに接続され、指定された印刷機器に対して印刷ジョブを送信する端末装置10を制御する方法であって、前記印刷ジョブが開始されるまでの待ち時間に対応する混雑度の大きさに応じて絵表示の数が増加する複数の表示情報から、前記印刷機器の混雑度の大きさに応じた表示情報を選択する選択ステップと、選択された前記表示情報を前記印刷機器に関連付けて表示する表示ステップと、を有し、前記混雑度は、前記絵表示の数に対応して区分されており、前記混雑度の区分幅は、非線形に漸増している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷機器の混雑度表示プログラムおよび混雑度表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷機器と印刷ジョブを発信する端末装置とが、ネットワークを介して接続された構成が広まっており、ネットワークに多数の印刷機器が接続されている場合や、端末装置のユーザから印刷機器が目視できない場合が多々存在する。このような場合、印刷機器の状態(混雑度)を確認することが困難であり、例えば、印刷機器の稼働の有無や待機中の印刷ジョブの総数を、容易に把握することできない。
【0003】
そのため、端末装置のディスプレイに待機中の印刷ジョブに係る部数や総ページ数を表示することにより、印刷機器の状態を管理しているものがある(例えば、特許文献1参照。)。また、印刷ジョブの進行状況を数値とゲージを組み合わせたメータで表示しているものものある(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−200209号公報
【特許文献2】特開2001−047710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ユーザが混雑していると感じる感覚は、印刷ジョブに係る部数や総ページ数からなる数値や、数値とゲージを組み合わせたメータの表示に、単純に比例していない。そのため、例えば、ユーザの「混雑していない」、「少し混雑している」、「非常に混雑している」などの感覚と、混雑度の表示情報から受ける感覚とが一致しない問題を有しており、印刷機器の状況をユーザが正確かつ直感的に把握することが困難である。
【0006】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、ネットワークを介して接続された印刷機器の状況をユーザが正確かつ直感的に把握することを可能とする印刷機器の混雑度表示プログラムおよび混雑度表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)ネットワークを介して複数の印刷機器に接続され、指定された印刷機器に対して印刷ジョブを送信する端末装置を制御するプログラムであって、
前記印刷ジョブが開始されるまでの待ち時間に対応する混雑度の大きさに応じて絵表示の数が増加する複数の表示情報から、前記印刷機器の混雑度の大きさに応じた表示情報を選択する選択手順と、
選択された前記表示情報を前記印刷機器に関連付けて表示する表示手順と、
を有する処理を、前記端末装置に実行させ、
前記混雑度は、前記絵表示の数に対応して区分されており、前記混雑度の区分幅は、非線形に漸増している
ことを特徴とするプログラム。
【0009】
(2)前記処理は、前記混雑度の区分幅をユーザからの指示に従って変更する変更手順をさらに有することを特徴とする上記(1)に記載のプログラム。
【0010】
(3)前記複数の表示情報は、前記絵表示を1つ有するアイコンと、前記アイコンを並置してなるアイコン列とから構成されることを特徴とする上記(1)又は上記(2)に記載のプログラム。
【0011】
(4)前記複数の表示情報は、前記絵表示の数が異なる複数のアイコンから構成されることを特徴とする上記(1)又は上記(2)に記載のプログラム。
【0012】
(5)前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中の印刷ジョブの総数を取得する取得手順をさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総数によって定義される
ことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のプログラム。
【0013】
(6)前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中および実行中の印刷ジョブの総数を取得する取得手順をさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総数によって定義される
ことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のプログラム。
【0014】
(7)前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数を取得する取得手順と、前記ページ数および前記部数から印刷ジョブの総ページ数を算出する算出手順とをさらに有し、
前記混雑度は、前記総ページ数によって定義される
ことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のプログラム。
【0015】
(8)前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中および実行中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数を取得する取得手順と、前記ページ数および前記部数から印刷ジョブの総ページ数を算出する算出手順とをさらに有し、
前記混雑度は、前記総ページ数によって定義される
ことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のプログラム。
【0016】
(9)前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数と印刷速度とを取得する取得手順と、前記ページ数、前記部数および前記印刷速度から前記印刷ジョブの総処理時間を算出する算出手順とをさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総処理時間によって定義される
ことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のプログラム。
【0017】
(10)前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中および実行中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数と印刷速度とを取得する取得手順と、前記ページ数、前記部数および前記印刷速度から前記印刷ジョブの総処理時間を算出する算出手順とをさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総処理時間によって定義される
ことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のプログラム。
【0018】
(11)前記表示手順においては、前記混雑度が取得された印刷機器と、印刷機器毎に関連付けられた前記表示情報とが、一覧表示されることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれか1項に記載のプログラム。
【0019】
(12)前記プログラムは、プリンタドライバであり、
前記処理は、ユーザによって指定された印刷機器に対して前記ネットワークを介して前記印刷ジョブを送信する送信手順をさらに有する
ことを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれか1項に記載のプログラム。
【0020】
(13)ネットワークを介して複数の印刷機器に接続され、指定された印刷機器に対して印刷ジョブを送信する端末装置を制御する方法であって、
前記印刷ジョブが開始されるまでの待ち時間に対応する混雑度の大きさに応じて絵表示の数が増加する複数の表示情報から、前記印刷機器の混雑度の大きさに応じた表示情報を選択する選択ステップと、
選択された前記表示情報を前記印刷機器に関連付けて表示する表示ステップと、
を有し、
前記混雑度は、前記絵表示の数に対応して区分されており、前記混雑度の区分幅は、非線形に漸増している
ことを特徴とする方法。
【0021】
(14)前記処理は、前記混雑度の区分幅をユーザからの指示に従って変更する変更手順をさらに有することを特徴とする上記(13)に記載の方法。
【0022】
(15)前記複数の表示情報は、前記絵表示を1つ有するアイコンと、前記アイコンを並置してなるアイコン列とから構成されることを特徴とする上記(13)又は上記(14)に記載の方法。
【0023】
(16)前記複数の表示情報は、前記絵表示の数が異なる複数のアイコンから構成されることを特徴とする上記(13)又は上記(14)に記載の方法。
【0024】
(17)前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中の印刷ジョブの総数を取得する取得ステップをさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総数によって定義される
ことを特徴とする上記(13)〜(16)のいずれか1項に記載の方法。
【0025】
(18)前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中および実行中の印刷ジョブの総数を取得する取得ステップをさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総数によって定義される
ことを特徴とする上記(13)〜(16)のいずれか1項に記載の方法。
【0026】
(19)前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数を取得する取得ステップと、
前記ページ数および前記部数から印刷ジョブの総ページ数を算出する算出ステップと、をさらに有し、
前記混雑度は、前記総ページ数によって定義される
ことを特徴とする上記(13)〜(16)のいずれか1項に記載の方法。
【0027】
(20)前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中および実行中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数を取得する取得ステップと、
前記ページ数および前記部数から印刷ジョブの総ページ数を算出する算出ステップと、をさらに有し、
前記混雑度は、前記総ページ数によって定義される
ことを特徴とする上記(13)〜(16)のいずれか1項に記載の方法。
【0028】
(21)前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数と印刷速度とを取得する取得ステップと、前記ページ数、前記部数および前記印刷速度から前記印刷ジョブの総処理時間を算出する算出ステップとをさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総処理時間によって定義される
ことを特徴とする上記(13)〜(16)のいずれか1項に記載の方法。
【0029】
(22)前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中および実行中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数と印刷速度とを取得する取得ステップと、前記ページ数、前記部数および前記印刷速度から前記印刷ジョブの総処理時間を算出する算出ステップとをさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総処理時間によって定義される
ことを特徴とする上記(13)〜(16)のいずれか1項に記載の方法。
【0030】
(23)前記表示ステップにおいて、前記混雑度が取得された印刷機器と、印刷機器毎に関連付けられた前記表示情報とが、一覧表示されることを特徴とする上記(13)〜(22)のいずれか1項に記載の方法。
【0031】
(24)ユーザによって指定された印刷機器に対して前記ネットワークを介して前記印刷ジョブを送信する送信ステップをさらに有する
ことを特徴とする上記(13)〜(23)のいずれか1項に記載の方法。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係るプログラムおよび表示方法によれば、混雑度の区分幅は、単純な等間隔ではなく、非線形に漸増しているため、ユーザが混雑していると感じる感覚と一致させることが可能である。また、表示情報においては、混雑度の大きさに応じて絵表示の数が増加するため、良好な視認性を有する。したがって、印刷機器の状況をユーザは直感的に把握することができる。つまり、ネットワークを介して接続された印刷機器の状況をユーザが正確かつ直感的に把握することを可能とする印刷機器の混雑度表示プログラムおよび混雑度表示方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施形態1に係る印刷システムを説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示される端末装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図1に示される端末装置にインストールされているプリンタドライバに組込まれている混雑度表示プログラムを説明するためのブロック図である。
【図4】混雑度と文書アイコンとの対応関係を説明するためのテーブルである。
【図5】印刷ジョブを送信するプリンタを指定するための操作画面を説明するための概略図である。
【図6】図5に示される状態表示部のアイコンを説明するためのテーブルである。
【図7】図1に示されるプリンタを説明するためのブロック図である。
【図8】図1に示される端末装置おける混雑度表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8に示されるステップS102の混雑度取得処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】実施形態1に係る変形例を説明するためのブロック図である。
【図11】実施形態1に係る変形例を説明するためのテーブルである。
【図12】実施形態2に係る混雑度と文書アイコンとの対応関係を説明するためのテーブルである。
【図13】実施形態2に係る混雑度表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】実施形態3に係る混雑度と文書アイコンとの対応関係を説明するためのテーブルである。
【図15】実施形態3に係る混雑度表示処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0035】
図1は、実施形態1に係る印刷システムを説明するためのブロック図である。
【0036】
実施形態1に係る印刷システムは、印刷ジョブを送信する端末装置10と、印刷ジョブを実行するプリンタ20A〜20Eと、端末装置10とプリンタ20とを相互に通信可能に接続するためのネットワーク50と、を有する。なお、プリンタ20A〜20Eは、略同一の構成を有しており、以下においてプリンタ20として参照する。
【0037】
ネットワーク50は、イーサネット(登録商標)、トークンリング、およびFDDI(Fiber−Distributed Data Interface)等の規格によりコンピュータやネットワーク機器同士を接続する構内情報通信網(LAN:Local Area Network)、LAN同士を専用線で接続した広域情報通信網(WAN:Wide Area Network)、インターネット、これらの組み合わせ等の各種のネットワークからなる。ネットワークプロトコルは、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)である。ネットワーク50に接続される機器の種類および台数は、図1に示される構成に限定されない。
【0038】
次に、端末装置10を説明する。
【0039】
図2は、図1に示される端末装置の構成を説明するためのブロック図、図3は、図1に示される端末装置にインストールされているプリンタドライバに組込まれている混雑度表示プログラムを説明するためのブロック図、図4は、混雑度と文書アイコンとの対応関係を説明するためのテーブル、図5は、印刷ジョブが送信されるプリンタを指定するための操作画面を説明するための概略図、図6は、図5に示される状態表示部のアイコンを説明するためのテーブルである。
【0040】
端末装置10は、ユーザにより指定されたプリンタ20に対して印刷ジョブを送信するために使用されるコンピュータ装置からなり、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク14、ディスプレイ15、入力装置16および通信インタフェース17を有し、これらは、信号をやり取りするためのバス18を介して相互に接続されている。
【0041】
CPU11は、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を実行するマイクロプロセッサ等から構成される制御回路であり、端末装置10の各機能は、それに対応するプログラムをCPU11が実行することにより発揮される。
【0042】
ROM12は、各種プログラムおよび各種データを格納するための読取り専用の記憶装置である。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムおよびデータを記憶するランダムアクセス記憶装置である。ハードディスク14は、アプリケーション、プリンタドライバ、オペレーティングシステム等の各種プログラムや各種データを格納する大容量のランダムアクセス記憶装置である。
【0043】
アプリケーションは、電子文書を作成するための文書作成プログラムや、ネットワーク管理プログラムである。電子文書の規格は、例えば、XPS(XML Paper Specification)や、PDF(Portable Document Format)である。ネットワーク管理プログラムは、インターネットのIP体系に基づくSNMP(Simple Network Management Protocol)を利用しており、端末装置10をSNMPマネージャとして機能させるために使用される。
【0044】
なお、プリンタ20は、後述するようにSNMPエージェントであり、ハードディスク14には、プリンタ20の管理情報ベースであるMIB(Management Information Base)から取得される待機中および実行中の印刷ジョブの総数が格納されている。ネットワーク管理プログラムは、SNMPプロトコルを利用する形態に限定されず、CMI/CMIP(Common Management Information Services/Common Management Information Protocol)や、独自方式のプロトコルを適用することも可能である。
【0045】
プリンタドライバは、複数機種のプリンタに対応できる所謂ユニバーサルプリンタドライバであり、ユーザによって指定されたプリンタ20が対応可能な記述言語形式による印刷データを作成し、これを印刷ジョブとしてネットワーク50を介してプリンタ20に送信するために使用される。記述言語形式は、例えば、PostScript(登録商標)やPCL(Printer Control Language)等のPDL(ページ記述言語:Page Description Language)である。
【0046】
なお、実施形態1に係るプリンタドライバは、図3に示される混雑度表示プログラム100が組み込まれている。混雑度表示プログラム100は、ネットワークを介して接続されたプリンタ20の状況をユーザが正確かつ直感的に把握することを可能とするためのものであり、ネットワーク通信部110、印刷機器データ記憶部120、表示内容生成部140、表示データ記憶部130、および表示制御部150を有しており、起動時にRAM13に読み出されて、CPU11により実行されることにより、上記構成要素の機能が発揮される。
【0047】
ネットワーク通信部110は、ネットワーク管理プログラムを利用し、ネットワーク50を介してプリンタ20から待機中および実行中の印刷ジョブの総数を取得する。印刷機器データ記憶部120は、プリンタ20から取得した印刷ジョブの総数を、ハードディスク14に格納する。
【0048】
表示データ記憶部130は、混雑度と、紙を模した絵表示を有する文書アイコン(表示情報)とを関連付けしているテーブル200(図4参照)を、ハードディスク14に格納する。文書アイコンは、3種類あり、紙を模した絵表示(一隅が折られた2枚の用紙が部分的に重なり合った形態)の数が異なっており、関連付けは、混雑度の大きさに応じて紙を模した絵表示の数が増加するように実行される。混雑度は、印刷ジョブが開始されるまでの待ち時間に対応しており、実施形態1において、印刷ジョブの総数によって定義され、4種類に区分されている。混雑度の区分幅は、単純な等間隔ではなく、非線形に漸増させることで、ユーザが混雑していると感じる感覚と一致させている。
【0049】
詳述すると、印刷ジョブの総数が「0」である場合、即時印刷可能であるため、関連付けされる文書アイコンは存在しない。印刷ジョブの総数が「1」の場合、ユーザは「混雑していない」と感じると想定し、紙を模した絵表示の数が1つの文書アイコンが関連付けされる。印刷ジョブの総数が「2〜9」の場合、ユーザは「少し混雑している」と感じると想定し、紙を模した絵表示の数が2つの文書アイコンが関連付けされる。印刷ジョブの総数が「10以上」の場合、ユーザは「非常に混雑している」と感じると想定し、紙を模した絵表示の数が3つの文書アイコンが関連付けされる。印刷ジョブの総数が「不明」の場合、注意を喚起するため、印刷ジョブの総数が「10以上」を意味する文書アイコンがグレーアウトされてなるアイコンが関連付けされる。
【0050】
ネットワーク50を介して接続されたプリンタ20の混雑度の区分幅が、単純な等間隔ではなく、非線形に漸増しているため、ユーザが混雑していると感じる感覚と一致させることが可能である。また、表示情報においては、混雑度の大きさに応じて文書アイコンの数が増加するため、良好な視認性を有する。したがって、プリンタ20の状況をユーザは直感的に把握することができる。つまり、ネットワーク50を介して接続されたプリンタ20の状況をユーザが正確かつ直感的に把握することが可能である。
【0051】
文書アイコンは、紙を模した絵表示を有するため、印刷ジョブに基づいていることがユーザに正確に伝わり、残トナー量などの消耗品の残量を示している表示情報であると誤解される虞を排除することが可能である。また、文書アイコンにおいては、混雑度の大きさに応じて紙を模した絵表示の数が増加するため、紙を模した絵表示の数が多いものほどプリンタの状況がビジーであり、紙を模した絵表示の数が少ないほどプリンタの状況の状況が良好であることが、容易に把握することができる。
【0052】
なお、文書アイコンは、絵表示の数が1つであるアイコン、絵表示の数が2つであるアイコンおよび絵表示の数が3つであるアイコンからなり、ハードディスク14に事前に格納し、必要に応じて読み出して使用されるが、構成部品となるデータをハードディスク14に格納し、表示時に生成することも可能である。例えば、絵表示の数が1つであるアイコンを構成部品として、2個並置することで、絵表示の数が2つの表示情報を生成したり、3個並置することで、絵表示の数が3つの表示情報を生成することが可能である。
【0053】
混雑度は、4種類に区分されて3種類のアイコンを使用するする形態に限定されない。例えば、ユーザの「少し混雑している」と感じる感覚を細分化し、印刷ジョブの総数が「2〜9」の場合を、「2〜4」と「5〜9」とに分割し、関連付けされるアイコンの種類を増加させたり、印刷ジョブの総数が「0」の場合用のアイコンを用意することも可能である。
【0054】
表示内容生成部140は、ハードディスク14に格納されている混雑度と文書アイコンとを関連付けしているテーブル200を参照し、プリンタ20の混雑度に対応する文書アイコンを選択し、選択された文書アイコンをプリンタ20に関連付けて表示するための表示データを生成する。
【0055】
表示制御部150は、プリンタ20の表示データが一覧表示される操作画面300を生成し、ディスプレイ15に表示させる。リストされる順番は、特に限定されず、検出した順や、機器名でソータされた順(昇順あるいは降順)とすることも可能である。
【0056】
操作画面300は、例えば図5に示されるように、機器名表示部310、状態表示部320、設置場所表示部330、印刷速度表示部340、ポート表示部350、OKボタン360およびキャンセルボタン370を有する。
【0057】
機器名表示部310には、ネットワーク50に接続されていることが検出されたプリンタ20の機器名の一覧が表示される。
【0058】
状態表示部320には、プリンタ20の混雑度を視覚的に通知するための文書アイコンが示される。文書アイコンは、良好な視認性を有し、また、混雑度の大きさに応じ、ユーザが混雑していると感じる感覚と一致してその数が増加するため、プリンタ20の状況をユーザは直感的に把握することができる。したがって、ネットワーク50を介して接続されたプリンタ20の状況をユーザが正確かつ直感的に把握することが可能である。
【0059】
また、出力先のプリンタとして指定可能なプリンタ20が一覧表示されるため、プリンタ間の比較および選択が容易である。つまり、出力先のプリンタとして現在空いている機器を探すことが容易であり、出力先のプリンタを指定する際のユーザの使い勝手が向上する。
【0060】
特に、プリンタドライバなどの限られた画面領域の中で、プリンタ情報を表示するに当たり、表示情報の種類やプリンタの接続数が増えるに連れ、印刷ジョブの混雑度の表示に利用できる画面領域は狭くなる。そのため、この限られた領域でユーザに情報を伝えることが求められるが、印刷ジョブの混雑度を通知する手段として、文書アイコンを利用することは非常に有利である。
【0061】
また、状態表示部320には、プリンタ20の機器状態を視覚的に通知するためのアイコン(機器状態アイコン)も示されており、視認性をさらに向上させている。機器状態は、図6のテーブル205に示されるように、アイドリング、印刷中あるいはウォームアップ中の状態で印刷が可能である「印刷可」、印刷中あるいはウォームアップ中の状態であるが警告が存在している「警告あり」、機器のエラーや用紙切れ等により印刷が不可能である「印刷不可」、および、装置との通信失敗、通信不能を意味する「不明」に分類されている。
【0062】
設置場所表示部330には、プリンタ20が設置されている場所が示される。印刷速度表示部340には、プリンタ20の印刷速度(ppm)が示される。
【0063】
ポート表示部350には、プリンタ20のポート情報が示される。プリンタ20はネットワークに接続されているため、ポート情報には、IPアドレスが含まれている。IPアドレスは、ブロードキャスト、マルチキャスト、あるいはユニキャストを利用してネットワーク50に接続されているプリンタを検索して入手したり、マニュアルで入力することも可能である。
【0064】
ディスプレイ15は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイあるいはLCD(Liquid Crystal Display)であり、図5の操作画面等の各種画面を表示するために使用される。
【0065】
入力装置16は、マウス等のポインティングデバイスおよびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。通信インタフェース17は、所謂LANボードからなる通信部であり、ネットワーク50に接続するための通信機能を端末装置10に追加する拡張装置である。
【0066】
なお、必要に応じ、ROM12に格納されるプログラムやデータの一部を、ハードディスク14に格納したり、ハードディスク14に格納されているプログラムやデータの一部を、ROM12に格納することも可能である。
【0067】
次に、プリンタ20を詳述する。
【0068】
図7は、図1に示されるプリンタを説明するためのブロック図である。
【0069】
プリンタ20は、端末装置10から送信された印刷ジョブを実行し、記録媒体である用紙に印刷するために使用され、CPU21、ROM22、RAM23、ハードディスク24、操作パネル25、プリンタエンジン26および通信インタフェース27を有し、これらは、信号をやり取りするためのバス28を介して相互に接続されている。
【0070】
CPU21は、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を実行するマイクロプロセッサ等から構成される制御回路であり、プリンタ20の各機能は、それに対応するプログラムをCPU21が実行することにより発揮される。
【0071】
ROM12は、各種プログラムおよび各種データを格納するための読取り専用の記憶装置である。RAM23は、作業領域として一時的にプログラムおよびデータを記憶するランダムアクセス記憶装置である。
【0072】
ハードディスク24は、管理情報ベースであるMIB等の各種データや各種プログラムを格納する大容量のランダムアクセス記憶装置である。格納されているプログラムは、CPU21により必要に応じて読み出され、RAM23上で実行処理される。格納されているプログラムは、例えば、ネットワーク管理プログラム、RIP処理(ラスタライズ処理:Raster Image Processing)プログラム、印刷制御プログラムである。
【0073】
ネットワーク管理プログラムは、プリンタ20をSNMPエージェントとして機能させ、MIBに保持されているプリンタ情報、印刷ジョブ情報および機器状態を、SNMPマネージャである端末装置10から取得可能とするために使用される。具体的には、RFC1213で規定されているSNMPのMIB−IIのプライベートエリアを適用している。プリンタ情報は、例えば、製造者や接続形態である。印刷ジョブ情報は、待機中の印刷ジョブ数、実行中の印刷ジョブの有無、印刷ジョブの各々に係るページ数および部数、印刷速度を含んでいる。機器状態は、「印刷可」状態、「印刷不可」状態、「警告あり」状態を含んでいる。
【0074】
RIP処理は、端末装置10からの印刷ジョブに含まれる画像データを、プリンタエンジン26で用いるラスターイメージデータに変換する処理である。格納されているデータは、例えば、待機中の印刷ジョブである。
【0075】
印刷制御プログラムは、印刷ジョブ数の管理およびプリンタエンジン26への印刷ジョブの提供を制御する。例えば、待機ジョブ数に変化があった場合、ハードディスク24に格納されている印刷ジョブ情報を更新する。また、プリンタエンジン26が印刷処理中でなければ印刷ジョブをプリンタエンジン26へ送信し、印刷処理中であればハードディスク24に一旦格納し、プリンタエンジン26での印刷処理の完了後、ハードディスク24から読み出してプリンタエンジン26へ送信し、さらに、印刷処理が完了した印刷ジョブの消去を、ハードディスク24に対して指示する。
【0076】
操作パネル25は、入力部および表示部を有する。入力部は、キーボード、タッチパネル等からなり、文字入力、各種設定、スタート指示などのユーザ指示を取得するために使用される。キーボードは、例えば、コピー枚数等を設定するテンキー、動作の開始を指示するスタートキー、動作の停止を指示するストップキー等からなる複数のキーを有している。表示部は、例えば、LCDからなり、機器構成、プリントジョブの進行状況、エラーの発生状況、現在変更可能な設定などを、ユーザに提示するために使用される。
【0077】
プリンタエンジン26は、例えば、帯電、露光、現像、転写および定着工程を含む電子写真式プロセス等の作像プにロセスを用いて、印刷ジョブに含まれる画像データから変換されたラスターイメージデータを用紙に印刷するために使用される。
【0078】
通信インタフェース27は、所謂LANボードからなる通信部であり、ネットワーク50に接続するための通信機能をプリンタ20に追加する拡張装置である。
【0079】
次に、端末装置10にインストールされているプリンタドライバに組込まれている混雑度表示プログラムによって実行される混雑度表示処理のアルゴリズムを説明する。
【0080】
図8は、図1に示される端末装置おける混雑度表示処理を説明するためのフローチャート、図9は、図8に示されるステップS102の混雑度取得処理を説明するためのフローチャートである。
【0081】
まず、例えば、ユーザが使用している文書作成プログラムの印刷設定画面において、混雑度表示処理が選択され、混雑度表示プログラムが起動される(ステップS101)。そして、混雑度取得処理が実行される(ステップS102)。混雑度取得処理においては、プリンタ20における待機中および実行中の印刷ジョブの総数が取得される。
【0082】
次に、テーブル200(図4参照)を利用し、印刷ジョブの総数に応じた文書アイコンが選択される(ステップS103)。例えば、印刷ジョブの総数が「1」の場合、紙を模した絵表示の数が1つの文書アイコンが選択され、印刷ジョブの総数が「2〜9」の場合、紙を模した絵表示の数が2つの文書アイコンが選択され、印刷ジョブの総数が「10以上」の場合、紙を模した絵表示の数が3つの文書アイコンが選択される。
【0083】
そして、選択された文書アイコンが、プリンタ20に関連付けられて、操作画面300(図5参照)に表示される(ステップS104)。その後、処理を終了するか否かが判断される(ステップS105)。例えば、ユーザにより、出力先のプリンタが指定され、OKボタン360が押し下げられことにより、処理が終了されると判断され、操作画面300が閉じられる。処理は終了しないと判断される場合(ステップS105:NO)、ステップS102に復帰し、処理が繰り返されることで、操作画面300上の情報が周期的に更新される。
【0084】
したがって、例えば、図5に示される操作画面300を観察したユーザは、状態表示部320に示される文書アイコンを比較することにより、2および9行目に示される機種名がプリンタBおよびIであるプリンタおよび8行目に示される機種名がプリンタHであるプリンタが、「非常に混雑している」および「少し混雑している」ことが、正確かつ直感的に把握することを可能である。
【0085】
次に、図9を参照し、ステップS102の混雑度取得処理を説明する。
【0086】
まず、ネットワーク50に接続されているプリンタが検索され、検出されたプリンタのIPアドレスを対象として、SNMPプロトコルを利用して、プリンタ情報をプリンタのMIBから取得する(ステップS201)。
【0087】
そして、プリンタ情報に基づいて、端末装置10にインストールされているプリンタドライバが、検出されたプリンタに対応しているか否かが判断される(ステップS202)。プリンタドライバが検出されたプリンタに対応していないと判断される場合(ステップS202:NO)、必要な情報を取得することができないため、無駄な通信を省き、通信時間を短縮するため、プロセスは、ステップS206に進む。なお、プリンタドライバが対応しているか否かの判断は、例えば、プリンタの機種名や、接続先のポート番号に基づくことが可能である。
【0088】
プリンタドライバが検出されたプリンタに対応していると判断される場合(ステップS202:YES)、待機中および実行中の印刷ジョブの総数を、SNMPプロトコルを利用して、プリンタのMIBから取得し、RAM13に一時的に格納する(ステップS203)。
【0089】
取得されたデータが、正常値であるか否かが判断される(ステップS204)。例えば、正常値の下限は「0」であり、データが負数である場合、異常である。また、通信エラーが発生した場合も異常となる。なお、正常値の上限を設定することも可能であり、この場合、過去の実績、プリンタの性能、接続されている端末装置10の台数等を考慮して、適宜設定される。
【0090】
取得されたデータが異常であると判断される場合(ステップS204:NO)、プロセスは、ステップS206に進む。取得されたデータが正常値であると判断される場合(ステップS204:YES)、取得されたデータはハードディスク14に格納され(ステップS205)、プロセスは、ステップS207に進む。
【0091】
ステップS206においては、印刷ジョブの総数が「不明」としてハードディスク14に格納され、そして、プロセスは、ステップS207に進む。
【0092】
ステップS207においては、混雑度を取得していないプリンタが残っているか否かが判断される。混雑度を取得していないプリンタが存在すると判断される場合(ステップS207:YES)、プロセスは、ステップS201に復帰し、処理が繰り返されることで、混雑度が取得される。混雑度を取得していないプリンタが存在しないと判断される場合(ステップS207:NO)、プロセスは、終了する。
【0093】
次に、実施形態1に係る変形例を説明する。
【0094】
図10および図11は、実施形態1に係る変形例を説明するためのブロック図およびテーブルである。混雑度表示プログラム100Aは、関連付け変更部160を有する点で、図3に示される混雑度表示プログラム100と概して異なる。
【0095】
関連付け変更部160は、混雑度の区分幅を、入力装置16を利用したユーザからの指示に従って、変更するための機能を有し、ハードディスク14に格納されているテーブル200(図4参照)の混雑度と、文書アイコンとを関連付けを修正することが可能である。
【0096】
例えば、実際に使用しているユーザの個人感覚が、テーブル200のプリセット値と一致しておらず、印刷ジョブの総数が「1〜3」、「4〜7」および「8以上」の場合、「混雑していない」、「少し混雑している」および「非常に混雑している」とそれぞれ感じる場合、図11に示されるように、テーブル200の値を調整し、カスタマイズすることにより、混雑度の区分幅をユーザが混雑していると感じる感覚と確実に一致させることが可能である。
【0097】
以上のように、実施形態1においては、ネットワークを介して接続されたプリンタの混雑度の区分幅が、単純な等間隔ではなく、非線形に漸増しているため、ユーザが混雑していると感じる感覚と一致させることが可能である。また、表示情報においては、混雑度の大きさに応じて文書アイコンの数が増加するため、良好な視認性を有する。したがって、プリンタ20の状況をユーザは直感的に把握することができる。つまり、ネットワークを介して接続されたプリンタの状況をユーザが正確かつ直感的に把握することが可能である。なお、印刷ジョブの総数は、待機中のもののみを考慮することで、処理を簡略化することが可能である。
【0098】
次に、実施形態2を説明する。
【0099】
図12は、実施形態2に係る混雑度と文書アイコンとの対応関係を説明するためのテーブル、図13は、実施形態2に係る混雑度表示処理を説明するためのフローチャートである。なお、図13に示されるフローチャートにより示されるアルゴリズムは、端末装置にインストールされているプリンタドライバに組込まれている混雑度表示プログラムによって実行される。
【0100】
実施形態2は、印刷ジョブが開始されるまでの待ち時間に対応する混雑度として、印刷ジョブの総ページ数を利用している点で、印刷ジョブの総数を利用している実施形態1と概して異なる。
【0101】
図12のテーブル210に示されるように、混雑度を定義する総ページ数は、4種類に区分され、その区分幅は、単純な等間隔ではなく、非線形に漸増させることで、ユーザが混雑していると感じる感覚と一致させている。詳述すると、総ページ数が「0」の場合、関連付けされる文書アイコンは存在しない。総ページ数が「1〜10」の場合、ユーザは「混雑していない」と感じると想定し、絵表示の数が1つの文書アイコンが関連付けされる。総ページ数が「11〜99」の場合、ユーザは「少し混雑している」と感じると想定し、絵表示の数が2つの文書アイコンが関連付けされる。総ページ数が「100以上」の場合、ユーザは「非常に混雑している」と感じると想定し、絵表示の数が3つの文書アイコンが関連付けされる。総ページ数が「不明」の場合、注意を喚起するため、総ページ数が「100以上」を意味する文書アイコンがグレーアウトされてなるアイコンが関連付けされる。
【0102】
次に、図13を参照し、総ページ数に係る混雑度取得処理を説明する。
【0103】
まず、ネットワーク50に接続されているプリンタが検索され、検出されたプリンタのIPアドレスを対象として、プリンタ情報をプリンタのMIBから取得する(ステップS301)。
【0104】
そして、プリンタ情報に基づいて、端末装置10にインストールされているプリンタドライバが、検出されたプリンタに対応しているか否かが判断される(ステップS302)。プリンタドライバが検出されたプリンタに対応していないと判断される場合(ステップS302:NO)、プロセスは、ステップS307に進む。
【0105】
プリンタドライバが検出されたプリンタに対応していると判断される場合(ステップS302:YES)、待機中および実行中の印刷ジョブの総数、印刷ジョブの各々に係るページ数および部数を、プリンタのMIBから取得し、RAM13に一時的に格納する(ステップS303)。
【0106】
取得されたデータが、正常値であるか否かが判断される(ステップS304)。取得されたデータが異常であると判断される場合(ステップS304:NO)、プロセスは、ステップS307に進む。
【0107】
取得されたデータが正常値であると判断される場合(ステップS304:YES)、印刷ジョブの総ページ数が算出される(ステップS305)。総ページ数は、待機中および実行中の印刷ジョブ毎にページ数と部数との積を算出し、これを全印刷ジョブに関して累計することによって得られる。算出された総ページ数は、ハードディスク14に格納され(ステップS306)、プロセスは、ステップS308に進む。
【0108】
ステップS307においては、印刷ジョブの総数が「不明」としてハードディスク14に格納され、そして、プロセスは、ステップS308に進む。
【0109】
ステップS308においては、混雑度を取得していないプリンタが残っているか否かが判断される。混雑度を取得していないプリンタが存在すると判断される場合(ステップS308:YES)、プロセスは、ステップS301に復帰し、処理が繰り返されることで、混雑度が取得される。混雑度を取得していないプリンタが存在しないと判断される場合(ステップS309:NO)、プロセスは、終了する。
【0110】
以上のように、実施形態2においては、印刷ジョブが開始されるまでの待ち時間に対応する混雑度として、印刷ジョブの総ページ数を利用することが可能である。なお、印刷ジョブの総ページ数は、待機中のもののみを考慮することで、処理を簡略化することが可能である。また、印刷ジョブの総処理時間は、プリンタサイドで算出し、端末装置に直接送信することも可能である。
【0111】
次に、実施形態3を説明する。
【0112】
図14は、実施形態3に係る混雑度と文書アイコンとの対応関係を説明するためのテーブル、図15は、実施形態3に係る混雑度表示処理を説明するためのフローチャートである。なお、図15に示されるフローチャートにより示されるアルゴリズムは、端末装置にインストールされているプリンタドライバに組込まれている混雑度表示プログラムによって実行される。
【0113】
実施形態3は、印刷ジョブが開始されるまでの待ち時間に対応する混雑度として、印刷ジョブの総処理時間を利用している点で、印刷ジョブの総数を利用している実施形態1および印刷ジョブの総ページ数を利用している実施形態2と概して異なる。
【0114】
図14のテーブル220に示されるように、混雑度を定義する総処理時間は、4種類に区分され、その区分幅は、単純な等間隔ではなく、非線形に漸増させることで、ユーザが混雑していると感じる感覚と一致させている。詳述すると、総処理時間が「0」の場合、関連付けされる文書アイコンは存在しない。総処理時間が「1分未満」の場合、ユーザは「混雑していない」と感じると想定し、絵表示の数が1つの文書アイコンが関連付けされる。総処理時間が「1分以上〜10分未満」の場合、ユーザは「少し混雑している」と感じると想定し、絵表示の数が2つの文書アイコンが関連付けされる。総処理時間が「10分以上」の場合、ユーザは「非常に混雑している」と感じると想定し、絵表示の数が3つの文書アイコンが関連付けされる。総処理時間が「不明」の場合、注意を喚起するため、総処理時間が「10分以上」を意味する文書アイコンがグレーアウトされてなるアイコンが関連付けされる。
【0115】
次に、図15を参照し、総ページ数に係る混雑度取得処理を説明する。
【0116】
まず、ネットワーク50に接続されているプリンタが検索され、検出されたプリンタのIPアドレスを対象として、プリンタ情報をプリンタのMIBから取得する(ステップS401)。
【0117】
そして、プリンタ情報に基づいて、端末装置10にインストールされているプリンタドライバが、検出されたプリンタに対応しているか否かが判断される(ステップS402)。プリンタドライバが検出されたプリンタに対応していないと判断される場合(ステップS402:NO)、プロセスは、ステップS407に進む。
【0118】
プリンタドライバが検出されたプリンタに対応していると判断される場合(ステップS402:YES)、待機中および実行中の印刷ジョブの総数、印刷ジョブの各々に係るページ数、部数、印刷速度を、プリンタのMIBから取得し、RAM13に一時的に格納する(ステップS403)。
【0119】
取得されたデータが、正常値であるか否かが判断される(ステップS404)。取得されたデータが異常であると判断される場合(ステップS404:NO)、プロセスは、ステップS407に進む。
【0120】
取得されたデータが正常値であると判断される場合(ステップS404:YES)、印刷ジョブの総処理時間が算出される(ステップS405)。総処理時間は、印刷ジョブの各々に係るページ数および部数から算出される印刷ジョブの総ページ数を、印刷速度によって除することによって得られる。算出された総処理時間は、ハードディスク14に格納され(ステップS406)、プロセスは、ステップS408に進む。
【0121】
ステップS407においては、印刷ジョブの総数が「不明」としてハードディスク14に格納され、そして、プロセスは、ステップS408に進む。
【0122】
ステップS408においては、混雑度を取得していないプリンタが残っているか否かが判断される。混雑度を取得していないプリンタが存在すると判断される場合(ステップS408:YES)、プロセスは、ステップS401に復帰し、処理が繰り返されることで、混雑度が取得される。混雑度を取得していないプリンタが存在しないと判断される場合(ステップS408:NO)、プロセスは、終了する。
【0123】
以上のように、実施形態3においては、印刷ジョブが開始されるまでの待ち時間に対応する混雑度として、印刷ジョブの総処理時間を利用することが可能である。なお、印刷ジョブの総処理時間は、待機中のもののみを考慮することで、処理を簡略化することが可能である。また、印刷ジョブの総処理時間は、プリンタサイドで算出し、端末装置に直接送信することも可能である。
【0124】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することが可能である。例えば、印刷機器は、プリンタ専用機に限定されず、コピー機能、プリンタ機能およびスキャン機能を有するMFP(Multi−Function Peripheral)に適用することができる。また、文書アイコン(表示情報)を表示する際、印刷ジョブの総数、印刷ジョブの総ページ数あるいは印刷ジョブの総処理時間を並置したり、文書アイコンの近傍に配置することも可能である。
【0125】
なお、本発明に係る手段、方法およびプログラムは、専用のハードウェア回路によっても実現することも可能である。また、プログラムされたコンピュータ装置によって本発明を実現する場合、コンピュータ装置を動作させるプログラムは、USBメモリやCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供したり、記録媒体によらず、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供したりすることも可能である。この場合、プログラムは、通常、コンピュータ装置のハードディスク等のランダムアクセス記憶装置に送信されて記憶される。また、プログラムは、単独のアプリケーションソフトウェアとして提供されてもよいし、コンピュータ装置の一機能としてそのコンピュータ装置のソフトウェアに組み込むことも可能である。
【符号の説明】
【0126】
10 端末装置、
11 CPU、
12 ROM、
13 RAM、
14 ハードディスク、
15 ディスプレイ、
16 入力装置、
17 通信インタフェース、
18 バス、
20(20A〜20E) プリンタ、
21 CPU、
22 ROM、
23 RAM、
24 ハードディスク、
25 操作パネル、
26 プリンタエンジン、
27 通信インタフェース、
28 バス、
50 ネットワーク、
100.100A 混雑度表示プログラム、
110 ネットワーク通信部、
120 印刷機器データ記憶部、
130 表示データ記憶部、
140 表示内容生成部、
150 表示制御部、
160 関連付け変更部、
200,205,210,220 テーブル、
300 操作画面、
310 機器名表示部、
320 状態表示部、
330 設置場所表示部、
340 印刷速度表示部、
350 ポート表示部、
360 OKボタン、
370 キャンセルボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して複数の印刷機器に接続され、指定された印刷機器に対して印刷ジョブを送信する端末装置を制御するプログラムであって、
前記印刷ジョブが開始されるまでの待ち時間に対応する混雑度の大きさに応じて絵表示の数が増加する複数の表示情報から、前記印刷機器の混雑度の大きさに応じた表示情報を選択する選択手順と、
選択された前記表示情報を前記印刷機器に関連付けて表示する表示手順と、
を有する処理を、前記端末装置に実行させ、
前記混雑度は、前記絵表示の数に対応して区分されており、前記混雑度の区分幅は、非線形に漸増している
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記処理は、前記混雑度の区分幅をユーザからの指示に従って変更する変更手順をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記複数の表示情報は、前記絵表示を1つ有するアイコンと、前記アイコンを並置してなるアイコン列とから構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記複数の表示情報は、前記絵表示の数が異なる複数のアイコンから構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中の印刷ジョブの総数を取得する取得手順をさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総数によって定義される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中および実行中の印刷ジョブの総数を取得する取得手順をさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総数によって定義される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数を取得する取得手順と、前記ページ数および前記部数から印刷ジョブの総ページ数を算出する算出手順とをさらに有し、
前記混雑度は、前記総ページ数によって定義される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中および実行中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数を取得する取得手順と、前記ページ数および前記部数から印刷ジョブの総ページ数を算出する算出手順とをさらに有し、
前記混雑度は、前記総ページ数によって定義される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数と印刷速度とを取得する取得手順と、前記ページ数、前記部数および前記印刷速度から前記印刷ジョブの総処理時間を算出する算出手順とをさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総処理時間によって定義される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中および実行中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数と印刷速度とを取得する取得手順と、前記ページ数、前記部数および前記印刷速度から前記印刷ジョブの総処理時間を算出する算出手順とをさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総処理時間によって定義される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記表示手順においては、前記混雑度が取得された印刷機器と、印刷機器毎に関連付けられた前記表示情報とが、一覧表示されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記プログラムは、プリンタドライバであり、
前記処理は、ユーザによって指定された印刷機器に対して前記ネットワークを介して前記印刷ジョブを送信する送信手順をさらに有する
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
ネットワークを介して複数の印刷機器に接続され、指定された印刷機器に対して印刷ジョブを送信する端末装置を制御する方法であって、
前記印刷ジョブが開始されるまでの待ち時間に対応する混雑度の大きさに応じて絵表示の数が増加する複数の表示情報から、前記印刷機器の混雑度の大きさに応じた表示情報を選択する選択ステップと、
選択された前記表示情報を前記印刷機器に関連付けて表示する表示ステップと、
を有し、
前記混雑度は、前記絵表示の数に対応して区分されており、前記混雑度の区分幅は、非線形に漸増している
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記処理は、前記混雑度の区分幅をユーザからの指示に従って変更する変更手順をさらに有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の表示情報は、前記絵表示を1つ有するアイコンと、前記アイコンを並置してなるアイコン列とから構成されることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の表示情報は、前記絵表示の数が異なる複数のアイコンから構成されることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中の印刷ジョブの総数を取得する取得ステップをさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総数によって定義される
ことを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中および実行中の印刷ジョブの総数を取得する取得ステップをさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総数によって定義される
ことを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数を取得する取得ステップと、
前記ページ数および前記部数から印刷ジョブの総ページ数を算出する算出ステップと、をさらに有し、
前記混雑度は、前記総ページ数によって定義される
ことを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中および実行中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数を取得する取得ステップと、
前記ページ数および前記部数から印刷ジョブの総ページ数を算出する算出ステップと、をさらに有し、
前記混雑度は、前記総ページ数によって定義される
ことを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数と印刷速度とを取得する取得ステップと、前記ページ数、前記部数および前記印刷速度から前記印刷ジョブの総処理時間を算出する算出ステップとをさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総処理時間によって定義される
ことを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記処理は、前記ネットワークを介して前記印刷機器から待機中および実行中の印刷ジョブの各々に係るページ数および部数と印刷速度とを取得する取得ステップと、前記ページ数、前記部数および前記印刷速度から前記印刷ジョブの総処理時間を算出する算出ステップとをさらに有し、
前記混雑度は、前記印刷ジョブの総処理時間によって定義される
ことを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記表示ステップにおいて、前記混雑度が取得された印刷機器と、印刷機器毎に関連付けられた前記表示情報とが、一覧表示されることを特徴とする請求項13〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
ユーザによって指定された印刷機器に対して前記ネットワークを介して前記印刷ジョブを送信する送信ステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項13〜23のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図15】
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【図4】
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【図5】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−203903(P2011−203903A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69288(P2010−69288)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】