説明

印刷流体カートリッジ及び画像記録装置

【課題】印刷流体カートリッジに設けられた電気的インターフェースの汚れを防止できる手段を提供する。
【解決手段】インクカートリッジ30は、本体31と、本体31の上壁39に設けられたIC基板74と、本体31の上壁39の少なくとも一部を覆う上壁92を有しており、上壁92がIC基板74から離れた第1位置及び第1位置よりIC基板74に近接した第2位置に移動可能なカバー90と、を具備する。カバー90が第1位置と第2位置に移動可能なので、IC基板74にユーザが不用意に触れること、また、インク供給部34から飛び散ったインク滴がIC基板74に付着することの少なくともいずれかを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ装着部に装着される印刷流体カートリッジ、及び当該印刷流体カートリッジを備えた画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インクを用いて記録用紙に画像を記録する画像記録装置が知られている。この画像記録装置は、インクジェット方式の記録ヘッドを備え、記録ヘッドのノズルからインク滴を記録用紙へ向けて選択的に噴出する。このインク滴が記録用紙に着弾することによって、記録用紙に所望の画像が記録される。この画像記録装置には、記録ヘッドへ供給するインクを貯蔵するインクカートリッジが設けられる。インクカートリッジは、画像記録装置に設けられた装着部に対して着脱可能である(特許文献1)。
【0003】
インクカートリッジには、インクの色や材料、残量、メンテナンス状態などを個別に把握するために、メモリモジュールなどの電子部品が設けられることがある。メモリモジュールなどは、インクカートリッジが装着部に装着された状態において、装着部に設けられた接点と電気的に導通されて、記憶しているデータが読出し可能となる(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−132098号公報
【特許文献2】特開2000−37880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メモリモジュールなどの電子部品は、接点との導通が容易とするために、外部に露出された状態でインクカートリッジに設けられている。しかしながら、インクカートリッジが装着部に装着されるまでに、ユーザの指が電子部品に触れたり、塵埃が電子部品に付着したりするおそれがある。また、インクカートリッジが装着部から取り出されるときに、インク供給部から飛び散ったインク滴が電子部品に付着するおそれもある。電子部品が皮脂や塵埃、インク滴などで汚されると、装着部の接点との導通が不完全となり、電子部品からデータを読み出すことができなくなるおそれがある。その結果、インクカートリッジ内にインクが十分にあるにも拘わらず、そのインクカートリッジが使用できないという状況が生じ得る。
【0006】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷流体カートリッジに設けられた電気的インターフェースの汚れを防止できる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る印刷流体カートリッジは、本体と、上記本体の外表面である第1面に設けられた電気的インターフェースと、上記本体の第1面の少なくとも一部を覆う外壁を有しており、当該外壁が上記電気的インタフェースから離れた第1位置及び当該第1位置より上記電気的インターフェースに近接した第2位置に移動可能な移動部材と、を具備する。
【0008】
本発明は、カートリッジ装着部に印刷流体カートリッジが装着され、当該印刷流体カートリッジから供給される印刷流体によって画像記録を行う画像記録装置に関する。上記印刷流体カートリッジは、印刷流体を貯留する本体と、上記本体の少なくとも一部を覆うカバーと、上記本体に設けられて印刷流体を流出させる印刷流体供給部と、上記本体に設けられた電気的インターフェースと、を具備する。上記カートリッジ装着部は、上記本体が挿入可能であり、上記カバーと当接する終面を有するケースと、上記ケースの終面に設けられており、上記印刷流体供給部に挿入される印刷流体供給管と、上記ケースに設けられており、上記電気的インターフェースに接触する接点と、を具備する。上記カバーは、上記本体に対して、上記印刷流体供給部及び上記電気的インターフェースを覆う第1位置と、上記印刷流体供給部及び上記電気的インターフェースをアクセス可能に露出させる第2位置と、に移動可能であって第1位置へ弾性付勢されており、上記ケースの終面と当接することによって、第1位置から第2位置へ移動されるものであり、かつ、上記ケースから上記本体が取り出されるときに、上記印刷流体供給管が上記印刷流体供給部から抜け出る前に、第2位置から第1位置側へ移動して上記電気的インターフェースを覆うものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、少なくとも以下の何れかの効果を得ることができる。
移動部材が第1位置と第2位置に移動可能なので、移動部材が第2位置に配置されることにより、電気的インターフェースにユーザが不用意に触れること、また、印刷流体供給部から飛び散ったインク滴が電気的インターフェースに付着することの少なくともいずれかを防止することができる。これにより、電気的インターフェースの汚れを防止できる
【0010】
また、ケースから本体が取り出されるときにおいて、カバーが第2位置側へ移動して壁が電気的インターフェースを覆うので、印刷流体供給管が印刷流体供給部から抜け出るときに飛び散るインク滴が電気的インターフェースに付着することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態としてのカートリッジ装着部110を備えたプリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態としてのインクカートリッジ30の外観構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態としてのインクカートリッジ30の外観構成を示す斜視図である。
【図4】図4は、インクカートリッジ30の内部構成を示す断面図である。
【図5】図5は、カートリッジ装着部110の構成を示す断面図である。
【図6】図6は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態を示すインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の部分断面図である。
【図7】図7は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から取り外される過程を示すインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の部分断面図である。
【図8】図8は、本発明の一変形例としてのインクカートリッジ30の外観構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0013】
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10は、インク供給装置100を備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面が外部に開放された開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を介してカートリッジ装着部110に挿入され、或いはカートリッジ装着部110から抜き出される。
【0014】
インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインクが貯留されている。カートリッジ装着部110に装着された状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とがインクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。
【0015】
給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ送給された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する記録用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、画像が記録用紙に記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対22によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
【0016】
[インクカートリッジ30]
図2〜4に示されるように、インクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。インクカートリッジ30の内部に形成されている空間がインクを貯留するインク室36である。インク室36は、本体31の筐体によって形成されているが、例えば、インクカートリッジ30の外観を形成している本体31の筐体とは別の部材である内部フレームなどによって形成されていてもよい。
【0017】
インクカートリッジ30は、図2〜4に示された起立状態、つまり、同図の下側の面を底面とし、同図の上側の面を上面として、カートリッジ装着部110に対して矢印50で示される方向(図5参照、以下「挿入及び取出方向50」と称する。)に沿って挿抜される。挿入及び取出方向50は水平方向に沿っている。インクカートリッジ30は、起立状態のままカートリッジ装着部110に挿抜される。この起立状態が、装着姿勢に相当する。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される向きが挿入向き56であり、取り出される向きが取出向き55である。また、起立状態における高さ方向(上下方向)52が、重力方向に相当する。すなわち、インクカートリッジ30は、挿入及び取出方向50に沿ってカートリッジ装着部110に挿入され、また、挿入及び取出方向50に沿ってカートリッジ装着部110から抜き出される。なお、本実施形態では、挿入及び取出方向50が水平方向に沿っているが、挿入及び取出方向50は、重力方向や、水平方向及び重力方向と交差する方向であってもよい。挿入及び取出方向50が例えば重力方向であれば、インクカートリッジ30の前面が下方へ向いていることになる。
【0018】
図2〜4に示されるように、インクカートリッジ30は、平面又は曲面で構成される立体形状、例えば、略直方体形状の本体31及びカバー90を有する。本体31にカバー90が組み付けられて、インクカートリッジ30の外形が構成されている。インクカートリッジ30は、全体として、幅方向(左右方向)51に細く、高さ方向(上下方向)52と奥行き方向(前後方向)53が幅方向51よりも大きい扁平形状である。
【0019】
[本体31]
図2〜4に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときに挿入向き56前方側となる本体31の壁が前壁40であり、挿入向き56後方側となる本体31の壁が後壁42である。前壁40と後壁42とは、挿入及び取出方向50において対向している。前壁40及び後壁42は、挿入及び取出方向50に延びる左右一対の側壁37,38、側壁37,38と前壁40及び後壁42とを接続し、かつ前壁40の上端から後壁42の上端に渡って挿入及び取出方向50に沿って拡がる上壁39、及び前壁40の下端から後壁42の下端に渡って挿入及び取出方向50に渡って拡がる下壁41、の4つの壁によりそれぞれ区画されている。なお、挿入及び取出方向50は奥行き方向53と平行である。前壁40の外面が前面、第2面に相当する。後壁42の外面が後面、第3面に相当する。上壁39の外面が上面、第1面に相当する。下壁41の外面が下面に相当する。
【0020】
図2〜4に示されるように、本体31の前壁40における高さ方向52の中央付近には、残量検知部33が設けられている。残量検知部33は、インク室36に通ずるように一方が開口された箱形である。また、残量検知部33は、光センサ114(図5参照)から出射されて、挿入及び取出方向50と垂直な方向(本実施形態では、幅方向51)に進行する光、例えば赤外光を透過させる透光性の樹脂からなる一対の壁を有する。残量検知部33は、カバー90の開口95と通じて、インクカートリッジ30の外部へ露出され得る。なお、残量検知部33は、透光性の樹脂に対し、光が臨界角を越えた角度で入射されることによって、光を反射させる反射部材としてもよい。また、光は赤外光でもよいし、可視光であってもよい。
【0021】
残量検知部33の左右一対の壁の間はインクを貯留可能とするために中空とされている。図4に示されるように、残量検知部33の左右一対の壁の間にはセンサーアーム60のインジケータ部62が位置している。センサーアーム60は、板状のアーム本体61の両端に、インジケータ部62及びフロート部63とがそれぞれ設けられたものである。センサアーム60は、インク室36において、幅方向51に沿って延びる支軸64により回動可能に支持されている。センサーアーム60は、インク室36に存在するインク量に対応して回動するものである。センサアーム60は、インジケータ部62が残量検知部33の重力方向下側に位置する下位姿勢と、インジケータ部62が下位姿勢よりも残量検知部33の重力方向上側に位置する上位姿勢に姿勢変化可能である。なお、図4では、インクが所定量以上あり、インジケータ部62が下位姿勢である状態が示されている。
【0022】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、カートリッジ装着部110に設けられた光センサ114に対して、残量検知部33は、挿入及び取出方向50と垂直な方向(本実施形態では、幅方向51)に進行する赤外光を所定量以上透過させる状態と、残量検知部33が赤外光を所定量未満に遮光又は減衰させる状態とに変化する。インジケータ部62が上位姿勢であれば残量検知部33は赤外光を透過させ、インジケータ部62が下位姿勢であれば、残量検知部33は赤外光を遮光又は減衰させる。この残量検知部33の透光状態に応じて、インク室36内のインク残量が所定量未満になったことが判定される。
【0023】
なお、残量検知部33には、センサーアーム60がなくてもよい。光センサ114は、発光素子と受光素子とが挿入及び取出方向50と垂直な水平方向(インクカートリッジ30の幅方向(左右方向)51に一致する。)に対向されている。そして、発光素子から出射された光は、挿入及び取出方向50と垂直な水平方向に進行し、受光素子に受光される。そして、残量検知部33内にインクがある状態では、発光素子から出射された赤外光が遮断又は減衰され、残量検知部33内にインクがない状態では、発光素子から出射された赤外光が所定量以上透過されるように構成されていてもよい。さらに、残量検知部33が柔らかいフィルムで構成されていてもよい。つまり、残量検知部33内にインクがある状態ではフィルムが膨らんでおり、このフィルムに回動可能なレバーが接触することによって、レバーが赤外光を遮断する位置に保持される。一方、残量検知部33内にインクがない状態ではフィルムが萎んでおり、回動可能なレバーが下方又は上方へ回動して赤外光を遮断しない位置へ回動するように構成されていてもよい。また、残量検知部33内にインクがある状態では、光センサ114の発光素子から出射された赤外光が受光素子に到達しないように反射され、残量検知部33内にインクがない状態では、発光素子から出射された赤外光が受光素子に到達するように反射されるように構成されていてもよい。
【0024】
本体31の前壁40側における残量検知部33の下側に、インク供給部34が設けられている。インク供給部34は、円筒形状の外形をなしており、前壁40から挿入及び取出方向50に沿って外側へ突出している。インク供給部34の突出端にはインク供給口71が形成されている。インク供給部34のインク供給口71は、カバー90の開口97を通じて外部へ露出され得る。
【0025】
インク供給口71からインク供給部34の内部空間を通じて、挿入及び取出方向50に延びてインク室36へ通ずるインク流路72が形成されている。インク供給口71は、インク供給バルブ70によって開閉可能に構成されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル122(図5参照)が、インク供給口71に挿入されてインク供給バルブ70を開く。これにより、インク流路72を通ってインク室36から、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル122へインクが流出される。
【0026】
なお、インク供給口71は、必ずしもインク供給バルブ70によって開閉可能な構成に限定されず、例えば、インク供給口71がフィルムなどで閉塞されており、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インクニードル122がフィルムを突き破ることによりインク供給口71が開かれる構成であってもよい。また、本実施形態では示されていないが、本体31には、負圧に維持された状態のインク室36の気圧を外気圧とするための大気連通口が設けられていてもよい。
【0027】
本体31の上壁39における奥行き方向53の中央付近には、係止部45が形成されている。係止部45は、インクカートリッジ30の幅方向51及び高さ方向52に拡がる係止面46を有して上壁39から上側へ突出されている。係止面46には、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態で、後述される係合部材145が係合する。係止部45は、インクカートリッジ30を取出向き55に押し出させる付勢力とは反対向きの外力、すなわち本実施形態では係合部材145からの力を受けるものである。
【0028】
本体31の後壁42側の高さ方向52の上側には、回動部材80が設けられている。回動部材80は、例えば、屈曲された平板形状をなしており、その長手方向が奥行き方向53に沿うように配置されている。回動部材80は、その屈曲された位置に軸83を有する。この軸83が、本体31の係止面46から後壁42側へ離間された位置において回転可能に支持されている。回動部材80は、軸83周りに回動可能である。回動部材80において、前壁40側となる先端部81は、軸83から係止面46側へ延出されている。回動部材80の後端部82は、軸83から後壁42側へ延出されている。
【0029】
回動部材80に外力が付与されていない状態では、回動部材80は、自重によって先端部81が上壁39に対して最も上側(先端部81が上壁39から最も離れた位置)に位置する。この状態において、後端部82は、本体31の上壁39より下側に位置する。先端部81は、本体31の外形よりも外側にはみ出るように位置される。回動部材80の先端部81が下向きへ押し下げられることにより、回動部材80は、例えば、自重に抗して図6における時計回りへ回動する。回動部材80が最も時計回りに回動された状態において、先端部81は、係止面46より下側に位置する。なお、回動部材80は本体31と一体にされていてもよい。また、回動部材80は、コイルバネによって時計回りに付勢されていてもよい。その場合、回動部材80は、後端部82が下向きに押し下げられることにより、コイルバネの付勢力に抗して反時計回りに回動される。
【0030】
本体31の外表面、例えば上壁39であって係止部45より前壁40側には、IC基板74が設けられている。IC基板74は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される途中において接点106(図5参照)と導通し、かつインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態においても接点106と導通する。IC基板74が、電気的インターフェースに相当する。
【0031】
各図には詳細に示されていないが、IC基板74には、IC、HOT電極、GND電極及びシグナル電極が搭載されている。ICは、半導体集積回路であり、インクカートリッジ30に関する情報、例えば、ロット番号や製造年月日、インク色などの情報を示すデータが読み出し可能に格納されている。
【0032】
HOT電極、GND電極及びシグナル電極はICと電気的に接続されている。HOT電極、GND電極及びシグナル電極は、それぞれが奥行き方向(前後方向)53に沿って延出されており、幅方向51に離間されて配置されている。HOT電極、GND電極及びシグナル電極は、IC基板の上面に電気的にアクセス可能に露出されている。つまり、HOT電極、GND電極及びシグナル電極は、装着姿勢の本体31の上側からアクセス可能に露出されている。
【0033】
[カバー90]
カバー90は、本体31を構成する外表面の少なくとも一部を覆う形状、例えば、本体31の前壁40と、側壁37,38、上壁39及び下壁41の一部を外側から覆うことが可能な薄平な容器形状である。カバー90は、本体31の前壁40の全てを覆うことが可能な幅及び高さと、側壁37,38、上壁39及び下壁41の一部を覆うことが可能な奥行きを有する。つまり、カバー90は、本体31の幅及び高さより一回り大きい幅及び高さを有し、かつ本体31の奥行きより短い奥行きを有する箱形状であり、前壁90と対向する側に本体31を挿入可能な開口を有する。
【0034】
各図には詳細に示されていないが、カバー90は、本体31に組み付けられた状態において、奥行き方向53へ本体31との相対移動可能である。このようなカバー90のスライドは、例えば、本体31及びカバー90の一方に係合爪を設けて、他方に奥行き方向53に延びる長孔を設けて、その長孔に係合爪を係入させることによって実現可能である。なお、本体31に組み付けられたカバー90は、本体31の上壁39に支持されている。カバー90が移動部材に相当する。
【0035】
図4に示されるように、本体31の前壁40とカバー90との間には、奥行き方向53に沿って弾性的に収縮可能なコイルバネ47が設けられている。カバー90の前壁91は、コイルバネ47に付勢されており、外力が付与されていない状態においては、本体31の前壁40から前後方向に最も離れた第1位置に位置する(図2参照)。カバー90が第1位置に位置すると、本体31の前壁40と対向するカバー90の前壁91は、残量検知部33及びインク供給部34より前側に位置する。したがって、残量検知部33及びインク供給部34は、カバー90内に没入される。本体31又はカバー90を近接させる向きの外力が付与されると、コイルバネ47が弾性的に収縮して、カバー90は、本体31の前壁40側に向かってスライド移動し、本体31の前壁40に最も近接する第2位置に位置する(図3参照)。つまり、第2位置は、第1位置より本体31の後壁42側である。このように、カバー90は、コイルバネ47の伸縮に応じて、第1位置と第2位置との間を往復移動可能である。
【0036】
カバー90の前壁91において、高さ方向52の概ね中央には、奥行き方向53へ貫通する開口95が形成されている。開口95は、カバー90が第1位置に移動すると、本体31の残量検知部33を外部へ露出するための通路になる。したがって、開口95は、本体31の残量検知部33と対応する位置、寸法及び形状に形成されている。
【0037】
カバー90の前壁91側において、高さ方向52の下側には、奥行き方向53へ貫通する開口97が形成されている。開口97は、カバー90が第2位置に移動すると、本体31のインク供給部34を外部へ露出させるための通路になる。したがって、開口97は、本体31のインク供給部34と対応する位置、寸法及び形状に形成されている。
【0038】
カバー90において本体31の上壁39と対向する上壁92において、前後方向53の概ね中央には、高さ方向52へ貫通する開口96が形成されている。カバー90が第2位置に移動すると、上壁92がIC基板74から離れ、開口96が本体31のIC基板74を外部へ露出するための窓になる。また、カバー90が第1位置に移動すると、開口96がIC基板74より前壁40側へ移動して、IC基板74全体は、カバー90の上壁92によって覆われる。したがって、開口96は、本体31のIC基板74と対応する位置、寸法及び形状に形成されている。例えば、IC基板74が本体31の側面に配置されていれば、開口96もまた、IC基板74と同じ側の面に対応して設けられることとなる。上壁92が、壁に相当する。第1位置において、IC基板74は、全体を覆われなくてもよい。例えば、IC基板74の外表面に露出する電極部分のみが覆われるようにしてもよい。
【0039】
カバー90の前壁91の下端には、突起93が設けられている。突起93の幅は、前壁91の幅と同じである。突起93は、前壁91から前向き(挿入向き56)へ突出されている。突起93は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときに、ケース101の終面102に当接する。突起が終面102に当接した状態において本体31が更に挿入されることにより、カバー90が本体31に対して相対的に移動される。したがって、突起93の突出寸法は、カバー90の移動距離に対応して設定されている。
【0040】
[インク供給装置100]
図1に示されるように、インク供給装置100は、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21へインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。なお、図1においては、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着された状態が示されている。
【0041】
[カートリッジ装着部110]
図5に示されるように、カートリッジ装着部110の筐体を形成するケース101は、プリンタ10の正面側に開口112を有する。開口112を通じてケース101へインクカートリッジ30が挿抜される。ケース101には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能であるが、図5においては、1つのインクカートリッジ30が収容可能なケース101の空間が示されている。
【0042】
図5に示されるように、ケース101の終面102の下部に接続部103が設けられている。接続部103は、終面102において、ケース101に装着された各インクカートリッジ30のインク供給部34に対応する位置にそれぞれ配置されている。
【0043】
接続部103は、インクニードル122と、保持部121とを有する。インクニードル122は、管状の樹脂針からなる。インクニードル122は、ケース101の終面と表裏をなす外面側でインクチューブ20に接続されている。各インクニードル122からケース101の終面と表裏をなす外面側へ引き出された各インクチューブ20は、ケース101の当該外面に沿って上方へ引き上げられたのち、プリンタ10の記録ヘッド21へインクを流通可能に延出されている。なお、図5においては、インクチューブ20は省略されている。
【0044】
保持部121は、円筒状に形成されている。保持部121の中心にインクニードル122が配置されている。図6に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インク供給部34が保持部121の円筒の内側に挿入される。このとき、インク供給部34の外周面が保持部121の円筒の内周面に密着する。これにより、インク供給部34が保持部121へ所定の間隔をもって挿入される。インク供給部34が保持部121へ挿入されると、インクニードル122がインク供給部34のインク供給口71に挿入される。これにより、インク室36に貯留されているインクが外部へ流出可能となる。インク室36から流出されたインクは、インクニードル122へ流入する。インクニードル122が、印刷流体供給管に相当する。
【0045】
図5に示されるように、ケース101の終面において、接続部103より重力方向の上側に光センサ114が設けられている。光センサ114は、LEDなどの発光素子と、フォトトランジスタなどの受光素子とをそれぞれ有する。発光素子及び受光素子は、それぞれが筐体に囲まれている。光センサ114は、この筐体により形成される外形が馬蹄形である。発光素子は、筐体から一方向、本実施形態では、挿入及び取出方向50と垂直な水平方向(幅方向51)へ光を照射可能である。受光素子は、筐体に対して一方向から照射された光を受光可能である。このような発光素子と受光素子とが、馬蹄形の筐体において挿入及び取出方向50と垂直な水平方向(幅方向51)へ所定の間隔を空けて対向配置されている。発光素子と受光素子との間の空間には、インクカートリッジ30の残量検知部33が進入可能である。光センサ114の光路に残量検知部33が進入すると、光センサ114は、残量検知部33による透過光量の変化を検知し得る。
【0046】
図5に示されるように、ケース101の天面104において、終面102と開口112との間には接点106が設けられている。接点106は、挿入及び取出方向50と直交する幅方向51に離れて3個が配置されている。3個の接点106の配置は、インクカートリッジ30のIC基板74におけるHOT電極、GND電極及びシグナル電極の配置に対応している。各接点106は、導電性及び弾性を有する部材で構成されており、高さ方向52の上が向きへ弾性的に変形可能である。
【0047】
各接点106は、電気回路を介して演算装置に電気的に接続されている。演算装置は、例えばCPU,ROM,RAMなどからなるものであり、プリンタ10の制御部として構成されていてもよい。接点106とHOT電極とが電気的に導通されることによって、電圧VcがHOT電極に印加される。接点106とGND電極とが電気的に導通されることにより、GND電極がアースされる。接点106とHOT電極及びGND電極とが導通されることによって、ICに電力が供給される。接点106とシグナル電極とが電気的に導通されることにより、ICに格納されたデータにアクセス可能となる。電気回路からの出力は演算装置に入力される。
【0048】
図5に示されるように、係合部材145がケース101に設けられている。係合部材145は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30を装着状態に保持するためのものである。係合部材145は、ケース101の開口112の上側に設けられている。
【0049】
係合部材145は、例えば、支軸147を中心に揺動可能に形成されている。支軸147は、例えば、係合部材145の開口112側の端部に設けられている。この支軸147は、例えば、ケース101に取り付けられている。これにより、係合部材145は、ケース101の開口112付近の上側において、支軸147を中心に開口112側に対して近づく/離れるように回動可能に支持される。係合端部146は、係合部材145の支軸147の他端側に配置される。係合端部146は、インクカートリッジ30の係止部45と係合可能である。係合端部146が係止部45と係合することにより、インクカートリッジ30がケース101に対して、スライド部材123の付勢力に抗して、装着位置に保持される。係合端部146が係止部45と係合可能な位置となる係合部材145の回動位置(図6参照)がロック位置と称され、係合端部146が係止部45と係合しない位置(図7参照)がアンロック位置と称される。
【0050】
係合部材145は、自重によって、重力方向下向きへ回動する。回動部材80の先端部81が上側に移動することにより、係合部材145が支軸147を中心に上側へ回動し、ロック位置からアンロック位置へ移動する。また、各図には示されていないが、例えば、係合部材145の可動範囲は、アンロック位置より下方へ移動しないように回動が規制されている。
【0051】
[インクカートリッジ30の装着動作]
以下、図6,7が参照されつつ、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される動作が説明される。
【0052】
カートリッジ装着部110に装着される前の状態では、インクカートリッジ30において、カバー90は第2位置にある。図6に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に対して挿入向き56へ挿入されると、係合部材145の係合端部146がカバー90に乗りあがる。これにより、係合部材145が図6における反時計回りに回動して、ロック位置からアンロック位置へ移動する。
【0053】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、突起93はケース101の終面102と当接する。これにより、カバー90が更に挿入向き56へ挿入されることが制止される。インクカートリッジ30が更にカートリッジ装着部110に挿入されると、本体31とカバー90との前後方向における相対移動が開始する。すなわち、コイルバネ47の付勢力に抗して、本体31がカバー90に対して押し込まれる。これにより、カバー90が、本体31に対して第1位置から第2位置へ相対的にスライドされる。カバー90が第2位置となると、開口95から残量検知部33がカバー90の外側へ露出される。また、開口97からインク供給部34がカバー90の外側へ露出される。さらに、開口96からIC基板74がアクセス可能に露出される。カバー90は、IC基板74が接点106と抵抗する位置に到達する位置(アクセス可能な位置)までには、IC基板74を露出する。
【0054】
カバー90から外部へ露出された残量検知部33は、光センサ114の検知位置に到達する。これにより、光センサ114によってセンサアーム60のインジケータ部62が検知可能となる。
【0055】
カバー90から外部へ露出されたインク供給部34は保持部121に接し、インクニードル122が、インク供給部34のインク供給口71に挿入される。インクニードル122がインク供給口71に挿入されてバルブ70に接し、さらに本体31が挿入向き56へ移動されると、バルブ70がインクニードル122に押されてインク供給口71から離れる。そして、インク供給部34が保持部121に挿入され、かつ、インクニードル122がインク供給口71に挿入されることにより、インクカートリッジ30の本体31がケース101に対して、所定の位置に装着される。各図には示されていないが、インクニードル122の先端にはインク導入口が設けられているので、このインク導入口を通じて、インク室36からインクニードル122へインクが流入する。
【0056】
カバー90から外部へ露出されたIC基板74は、接点106と電気的に接触して、IC基板74のHOT電極、GND電極及びシグナル電極と電気的に導通された状態となる。IC基板74から読み出された情報は、インクカートリッジ30の種別(インク色や容量など)などの判定ために用いられる。種別などの判定方法については、従来より公知の手法を採用することができるので、ここでは詳細な説明が省略される。
【0057】
また、インクカートリッジ30が装着位置に到達すると、本体31の係止部45における係止面46が、係合部材145の係合端部146を挿入向き56へ通り過ぎる。これにより、係合部材145の係合端部146が本体31の上壁39に支持されなくなるので、係合部材145が図6における時計回りへ回動して係合部145に位置し、係合端部146が係止面46に接する。これにより、本体31が、係合部材145が係止部45に係合し、コイルバネ47の付勢に抗して、インクカートリッジ30が装着位置に保持される。このようにして、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了する。なお、インクカートリッジ30のカートリッジ装着部110への装着完了位置において、IC基板74は開口96を介して完全に外側へ露出されている。
【0058】
カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着された状態においては、回動部材60の先端部61は、係合部材145の係合端部146より下側に位置されている。また、回動部材60の後端部62は、係止部45の底面から離間されて、本体31の上壁39より上側に位置されている。
【0059】
インクカートリッジ30のインク室36内のインクが消費されると、使用済みのインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から取り外され、新しいインクカートリッジ30が装着される。
【0060】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から取り外されるときには、回動部材60の後端部62が、ユーザによって下向きへ押し下げられる。これにより、回動部材60の先端部61が上向きへ移動して、係止部45の底面49から離間する。この先端部61の移動に伴って、係合部材145が、回動部材60の先端部61により上側へ押し上げられる。これにより、係合部材145の係合端部146が係止面46より上側となるまで、つまり係合端部146が係止面46から離間するまで係合部材145が回動される。すなわち、係合部材145がロック位置からアンロック位置まで回動されて、係合部材145によるインクカートリッジ30の保持が解除される。
【0061】
係合部材145の係合端部146が係止面46から離間されることにより、本体31に付与されている外力、すなわちコイルバネ47による付勢力によって、本体31は、取出向き55へ移動する。
【0062】
本体31が取出向き55へ移動することによって、カバー90が、本体31に対して第2位置から第1位置へ相対的にスライド移動される。これにより、IC基板74は、カバー90の上壁92によって覆われる。また、本体31が取出向き55へ移動することによって、インク供給部34から抜け出る。インクニードル122がインク供給部34から抜け出る前に、カバー90は第2位置から第1位置側へ移動して、IC基板74が上壁92によって覆われる。
【0063】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、カバー90が第1位置と第2位置に移動可能なので、IC基板74にユーザが不用意に触れるおそれがなく、また、インク供給部34から飛び散ったインク滴がIC基板74に付着するおそれもない。これにより、IC基板74の汚れを防止できる
【0064】
また、ケース101から本体31が取り出されるときにおいて、カバー90が第2位置側へ移動して上壁92がIC基板74を覆うので、インクニードル122がインク供給部34から抜け出るときに飛び散るインク滴がIC基板74に付着することが防止される。
【0065】
[変形例]
なお、前述された実施形態においては、本体31に対してカバー90が第1位置と第2位置とに往復移動可能であるが、第1位置から第2位置へ移動されたカバー90が、コイルバネ47の付勢に抗して第2位置に保持する保持部材が、本体31又はカバー90に設けられていてもよい。このような保持部材は、例えば、スナップフィットなどの公知の構造により実現される。
【0066】
また、本実施形態では、コイルバネ47によりカバー90が第2位置へ付勢されているが、第1位置及び第2位置の位置関係は反転されてもよい。すなわち、カバー90が後壁42側へスライド移動したときにIC基板74を覆い(第1位置)、前壁40側へスライド移動したときにIC基板74を露出する(第2位置)するように構成されてもよい。このような構成は、例えば、引きバネなどの弾性部材によってカバー90が第1位置へ付勢され、その付勢力に対抗してカバー90が第2位置まで移動されることにより実現される。
【0067】
また、本実施形態では、コイルバネ47によりカバー90が付勢されているが、コイルバネ47は設けられて無くてもよい。例えば、使用前においては、カバー90は第1位置に位置されており、容易に係脱可能な係合部によって本体31に係合されており、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、当該係合部の係合が解除されてカバー90が第1位置から第2位置へ移動される。そして、カートリッジ装着部110からインクカートリッジ30が取り外された後は、ユーザの手動により、カバー90が第2位置から第1位置へスライド移動される。
【0068】
また、本実施形態では、第1位置のカバー90によってIC基板74及びインク供給部34が覆われるが、第1位置のカバー90はIC基板74のみを覆うように構成されてもよい。
【0069】
また、前述された実施形態においては、第1位置において、カバー90の上壁92が、本体31のIC基板74を完全に覆うものとしたが、本発明においては、第1位置のカバー90によってIC基板74が覆われる必要はない。例えば、図8に示されるように、カバー90の上壁92に切欠き98が設けられており、その切欠き98の幅方向51の両縁に一対のリブ99が上向きに起立されていてもよい。一対のリブ99の奥行き方向53の寸法は、IC基板74の奥行き方向53の寸法より長く、カバー90が第1位置にあると、一対のリブ99がIC基板74の奥行き方向53の両端に渡って位置する。また、同図に示されるように、カバー90が第1位置であっても第2位置であっても、IC基板74は、切欠き98によって外部へ露出されている。
【0070】
図8に示されるように、カバー90が第1位置にあると、一対のリブ99がIC基板74の両端に位置する。リブ99がIC基板74から上向きに起立しているので、IC基板74は、リブ99によって幅方向51から視て覆われている。したがって、例えば、ユーザの手が幅方向51からIC基板74に近づいても、ユーザの手はリブ99に当接し、IC基板74に接触することがない。また、一対のリブ99の間隔がユーザの指より狭いので、ユーザの手が上方からIC基板74に近づいても、ユーザの手はIC基板74に接触する前にリブ99に当接して、それ以上にIC基板74に近寄ることが防止される。一方、カバー90が第2位置にあると、一対のリブ99がIC基板74の両端から外れた位置となり、カバー90の上側から切欠き98を通じて、IC基板74へ接点106が容易にアクセス可能となる。
【0071】
また、一対のリブ99は、挿入及び取出方向50とは異なる方向へ移動可能に構成されていてもよい。例えば、一対のリブ99が高さ方向53へ移動可能に構成されており、第1位置においてはリブ99の上端がIC基板74より下側に位置し、第2位置においてはリブ99の上端がIC基板74より上側に位置するように構成されても、前述と同様の作用効果が奏される。
【符号の説明】
【0072】
10・・・プリンタ(画像記録装置)
30・・・インクカートリッジ(印刷流体カートリッジ)
31・・・本体
34・・・インク供給部(印刷流体供給部)
36・・・インク室(部屋)
39・・・上壁(第1面、上面)
40・・・前壁(第2面、前面)
41・・・下壁(下面)
42・・・後壁(第3面、後面)
47・・・コイルバネ(付勢部材)
74・・・IC基板(電気的インターフェース)
90・・・カバー(移動部材)
92・・・上壁(外壁)
101・・・ケース
102・・・終面
106・・・接点
110・・・カートリッジ装着部
122・・・インクニードル(印刷流体供給管)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
上記本体の外表面である第1面に設けられた電気的インターフェースと、
上記本体の第1面の少なくとも一部を覆う外壁を有しており、当該外壁が上記電気的インタフェースから離れた第1位置及び当該第1位置より上記電気的インターフェースに近接した第2位置に移動可能な移動部材と、を具備する印刷流体カートリッジ。
【請求項2】
上記本体は、印刷流体を貯留する部屋と、当該部屋から外部へ印刷流体を流出させる印刷流体供給部と、を具備するものである請求項1に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項3】
上記本体は、上記印刷流体供給部が設けられた第2面と、当該第2面に対向して設けられた第3面と、を有しており、
上記第2位置は、上記第1位置より上記第3面側である請求項2に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項4】
上記移動部材は、少なくとも上記本体の一部を覆うカバーであって、上記本体に対して、上記電気的インターフェースを覆う第1位置と、上記電気的インターフェースをアクセス可能に露出させる第2位置と、に移動可能である請求項3に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項5】
上記カバーを上記第1位置へ付勢する付勢部材を更に具備する請求項1から4のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項6】
上記カバーを上記付勢部材の付勢に抗して上記第2位置に保持する保持部材をさらに具備する請求項5に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項7】
上記本体は、前面、当該前面と前後方向に対向する後面、当該前面と後面との間に渡って前後方向に沿って拡がる上面及び下面を有するものであり、
上記第1面は、上記本体の上面であり、
上記第2面は、上記本体の前面であり、
上記第3面は、上記本体の後面である請求項3又は4に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項8】
上記カバーは、上記本体に対して前後方向へスライドするものである請求項7に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項9】
カートリッジ装着部に印刷流体カートリッジが装着され、当該印刷流体カートリッジから供給される印刷流体によって画像記録を行う画像記録装置であって、
上記印刷流体カートリッジは、
印刷流体を貯留する本体と、
上記本体の少なくとも一部を覆うカバーと、
上記本体に設けられて印刷流体を流出させる印刷流体供給部と、
上記本体に設けられた電気的インターフェースと、を具備しており、
上記カートリッジ装着部は、
上記本体が挿入可能であり、上記カバーと当接する終面を有するケースと、
上記ケースの終面に設けられており、上記印刷流体供給部に挿入される印刷流体供給管と、
上記ケースに設けられており、上記電気的インターフェースに接触する接点と、を具備しており、
上記カバーは、上記本体に対して、上記印刷流体供給部及び上記電気的インターフェースを覆う第1位置と、上記印刷流体供給部及び上記電気的インターフェースをアクセス可能に露出させる第2位置と、に移動可能であって第1位置へ弾性付勢されており、上記ケースの終面と当接することによって、第1位置から第2位置へ移動されるものであり、かつ、上記ケースから上記本体が取り出されるときに、上記印刷流体供給管が上記印刷流体供給部から抜け出る前に、第2位置から第1位置側へ移動して上記電気的インターフェースを覆うものである画像記録装置。
【請求項10】
上記カバーは、上記第1位置と上記第2位置との間を往復移動可能である請求項9に記載の画像記録装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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