説明

印刷物及びこれに記載された情報を読み取る画像読取装置

【課題】 情報が印字あるいは記入される複数の情報表示欄を有する印刷物について、この情報表示欄に印字あるいは記入された情報が読み取られて出力される場合に、手間をかけることなく、複数の情報表示欄のうち所望の情報表示欄の情報のみを出力する。
【解決手段】 カードを用いて料金を支払うサービスを指定する支払指定領域13において、電話会社名とそのチェック欄とに、青色の可視光のみを反射する青色印刷13aを施し、また、ガス会社名とそのチェック欄とに、赤色の可視光のみを反射する黄色印刷13bを施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報が印字あるいは記入される情報表示欄を有してなる印刷物及びこれに記載された情報を読み取る画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会の進展に伴い、カード等の情報記録媒体に所定の情報を書き込み、情報が書き込まれたカードによって個人認証を行うショッピング等を利用可能とするサービスが行われている。このようなカードは、ダイレクトメールとして送付されてきた申込用紙や、店舗等に設置された申込用紙に必要事項が記入され、この申込用紙がカード会社に送付されると、カード会社において、申込用紙に記入された事項が確認された後、カードが発行されて申込者に送付されることになる。ここで、申込用紙に記入すべき必要事項としては、申込者の氏名や住所、連絡先電話番号とともに、利用したショッピング等の代金を引き落とす口座の口座番号がある。申込用紙にこの口座番号を記入しておくことにより、ショッピング等の代金を利用者が指定する口座から引き落とすことができ、それにより、利用者は現金を持ち歩かなくてもショッピング等を利用することができるようになる。
【0003】
また、最近では、上述したようなカードを用いて、電気やガス、電話等の公共料金の支払いを行うこともできる。カードを用いて公共料金の支払いを行う場合は、カード会社からダイレクトメールとして送付されてきた申込書や、カード会社の店舗等に設置された申込書に必要事項を記入し、この申込書をカード会社に送付する。すると、カード会社において、カードを用いた支払いが指定された公共サービスの種類に応じて、その公共サービスの提供元となる電力会社やガス会社、電話会社にその申込書が送付され、指定された公共料金がカードの支払い口座から引き落とされることになる。
【0004】
図10は、公共料金をカードを用いて支払う旨を申し込むための従来のカード支払い申込書の一例を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は裏面から見た図、(c)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0005】
本従来例は図10に示すように、表面にこのカード支払い申込書の送付先となる宛先を示す宛先情報511が記載され、裏面が申込書となる申込片510と、折り線530を介して申込片510に折り畳み可能に連接し、申込片510に貼着されることにより、申込片510の裏面に記入された情報を隠蔽するための隠蔽片520とから構成されている。申込片510は、ベース基材550の表面に宛先情報511が記載され、また、ベース基材550の折り線530を介して折り畳まれた場合に隠蔽片520と対向する面が申込書となって、カード支払いについての説明となる説明情報512が記載されるとともに、カードを用いて料金を支払う公共サービスを指定するための支払指定領域513と、申込者の氏名や住所、連絡先電話番号を記入するための顧客情報記入領域514と、支払指定領域513にて指定された公共サービスの料金を支払うためのカード番号等のカード情報を記入するためのカード情報記入領域515とが設けられている。また、隠蔽片520は、表面に広告等の情報521が記載されるとともに、ベース基材550の折り線530を介して折り畳まれた場合に申込片510と対向する面に、再剥離再貼着が可能な粘着剤560が塗布されており、この粘着剤560上に、紙基材541の一方の面に剥離剤542が塗布されてなる剥離紙540が貼着されている。また、紙基材541の剥離剤542が塗布されていない面には、広告等の情報522が記載されている。なお、本従来例においては、支払指定領域513において、カードを用いて料金を支払う公共サービスとして電話とガスとが指定可能となっている。
【0006】
以下に、上記のように構成されたカード支払い申込書の使用方法について説明する。
【0007】
図10に示したカード支払い申込書を用いて公共料金のカード支払いを申し込む場合、まず、支払指定領域513に記載された公共サービスのうち、カードを用いてその料金を支払う公共サービスを、公共サービス毎に設けられたチェック欄にチェックを記入することにより指定する。
【0008】
次に、申込者の氏名や住所、連絡先電話番号を顧客情報記入領域514に記入するとともに、支払指定領域513にて指定された公共サービスの料金を支払うためのカード番号等のカード情報をカード情報記入領域515に記入する。
【0009】
その後、隠蔽片520の剥離紙540を剥離し、折り線530を介してベース基材550を折り畳み、粘着剤560によって申込片510と隠蔽片520とを剥離可能に貼着する。
【0010】
図11は、図10に示したカード支払い申込書を折り畳んだ状態を示す図であり、(a)は申込片510側から見た図、(b)は隠蔽片520側から見た図、(c)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0011】
図10に示したカード支払い申込書を折り畳み、粘着剤560によって申込片510と隠蔽片520とを剥離可能に貼着すると、図11に示すように、申込片510の裏面に記入された情報が隠蔽片520によって隠蔽されることになる。
【0012】
この状態でカード支払い申込書を送付すると、このカード支払い申込書は宛先情報511によってカード会社に送付される。
【0013】
カード会社においては、カード支払い申込書が受け取られると、隠蔽片520が申込片510から剥離され、申込片510の申込書となる面が複写され、複写された申込書が、支払指定領域513にて指定された公共サービスの種類に応じて、その公共サービスの提供元となる電話会社とガス会社に送付されることになる。例えば、支払指定領域513にて電話が指定されている場合は、複写された申込書が電話会社に送付され、また、支払指定領域513にてガスが指定されている場合は、複写された申込書がガス会社に送付されることになる。
【0014】
その後、複写された申込書が送付されてきた公共サービスの提供先において、送付されてきた申込書の複写が保管されたり、画像データとして読み取られてファイリングされたりしている。
【0015】
このようにカード支払いの申し込みが行われた後、支払指定領域513にて指定された公共料金が、カード情報記入領域515に記入されたカードの支払い口座から引き落とされることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したようなカード支払い申込書においては、指定された公共サービスの種類に応じて、その公共サービスの提供元に複写された申込書が送付されることになるが、指定された公共サービスの提供元に送付される申込書の複写には、申込書に記載された事項が全て含まれているため、申込書にて複数の公共サービスの料金のカード支払いの申し込みが可能となっている場合、複写された申込書の送付先において、カード支払いを申し込んだ申込者が、申込書にて指定可能な他の公共サービスの料金についてカード支払いを申し込んでいるかどうかが知られてしまうという問題点がある。例えば、図10に示したカード支払い申込書において、支払指定領域113にて電話とガスとが指定されている場合、この申込書の複写が電話会社に送信されると、この申し込みを行った申込者がガス料金についてもカードを用いて支払いを申し込んでいる旨が電話会社に知られてしまう。
【0017】
ここで、公共サービスの提供元に複写された申込書を送付する際に、複写された申込書の送付先ではない公共サービスについてカード支払いが指定されているかどうかを隠蔽シールを用いて隠蔽することが考えられるが、その場合、複写された申込書の送付先毎に隠蔽シールを貼り替えなければならず、そのための手間がかかってしまうという問題点がある。
【0018】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、情報が印字あるいは記入される複数の情報表示欄を有する印刷物について、この情報表示欄に印字あるいは記入された情報が読み取られて出力される場合に、手間をかけることなく、複数の情報表示欄のうち所望の情報表示欄の情報のみを出力することができる印刷物及びこれに記載された情報を読み取る画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために本発明は、
情報が印字あるいは記入される複数の情報表示欄を有してなる印刷物において、
前記複数の情報表示欄は、互いに異なる波長を具備する可視光のみを反射し、その他の波長を具備する可視光を吸収する印刷がそれぞれ施されていることを特徴とする。
【0020】
上記のように構成された本発明においては、複数の情報表示欄にそれぞれ施された印刷に応じて、互いに異なる波長を具備する可視光が照射された状態にて情報表示欄に印字あるいは記入された情報が読み取られると、複数の情報表示欄のうち、照射された可視光の波長のみを反射し、その他の波長を具備する可視光を吸収する印刷が施された情報表示欄に印字あるいは記入された情報のみが読み取られ、他の情報表示欄に印字あるいは記入された情報は隠蔽されることになる。
【0021】
また、前記印刷物に記載された情報を画像データとして読み取る画像読取装置であって、
印刷物に対して指定された波長を具備する可視光を照射した状態にて前記印刷物から読み取られた画像データを出力する読み取り手段と、
前記波長を指定する指定手段とを有する。
【0022】
このように構成された画像読取装置においては、指定手段にて波長が指定されると、指定された波長を具備する可視光が印刷物に照射された状態にて印刷物から読み取られた画像データが出力される。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明においては、情報が印字あるいは記入される複数の情報表示欄を有してなる印刷物において、複数の情報表示欄には、互いに異なる波長を具備する可視光のみを反射し、その他の波長を具備する可視光を吸収する印刷がそれぞれ施されている構成としたため、この印刷物に所定の波長を有する可視光を照射して情報表示欄に印字あるいは記入された情報を読み取ると、複数の情報表示欄のうち、照射された可視光の波長のみを反射し、その他の波長を具備する可視光を吸収する印刷が施された情報表示欄に印字あるいは記入された情報のみが読み取られ、他の情報表示欄に印字あるいは記入された情報は隠蔽されることになり、その後、情報表示欄に印字あるいは記入された情報を出力する場合であっても、手間をかけることなく、複数の情報表示欄のうち所望の情報表示欄の情報のみを出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、本発明の印刷物の実施の一形態となるカード支払い申込書の一例を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は裏面から見た図、(c)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0026】
本形態は図1に示すように、表面にこのカード支払い申込書の送付先となる宛先を示す宛先情報11が記載され、裏面が申込書となる申込片10と、折り線30を介して申込片10に折り畳み可能に連接し、申込片10に貼着されることにより、申込片10の裏面に記入された情報を隠蔽するための隠蔽片20とから構成されている。申込片10は、ベース基材50の表面に宛先情報11が記載され、また、ベース基材50の折り線30を介して折り畳まれた場合に隠蔽片20と対向する面が申込書となって、カード支払いについての説明となる説明情報12が記載されるとともに、カードを用いて料金を支払う公共サービスを指定するための支払指定領域13と、申込者の氏名や住所、連絡先電話番号を記入するための顧客情報記入領域14と、支払指定領域13にて指定された公共サービスの料金を支払うためのカード番号等のカード情報を記入するためのカード情報記入領域15とが設けられている。また、隠蔽片20は、表面に広告等の情報21が記載されるとともに、ベース基材50の折り線30を介して折り畳まれた場合に申込片10と対向する面に、再剥離再貼着が可能な粘着剤60が塗布されており、この粘着剤60上に、紙基材41の一方の面に剥離剤42が塗布されてなる剥離紙40が貼着されている。また、紙基材41の剥離剤42が塗布されていない面には、広告等の情報22が記載されている。なお、本形態においては、支払指定領域13において、カードを用いて料金を支払う公共サービスとして電話とガスとが指定可能となっており、電話会社名とそのチェック欄とが第1の情報表示欄となって青色印刷13aが施され、また、ガス会社名とそのチェック欄とが第2の情報表示欄となって黄色印刷13bが施されている。
【0027】
以下に、上記のように構成されたカード支払い申込書の使用方法について説明する。
【0028】
図1に示したカード支払い申込書を用いて公共料金のカード支払いを申し込む場合、まず、支払指定領域13に記載された公共サービスのうち、カードを用いてその料金を支払う公共サービスを、公共サービス毎に設けられたチェック欄にチェックを記入することにより指定する。
【0029】
次に、申込者の氏名や住所、連絡先電話番号を顧客情報記入領域14に記入するとともに、支払指定領域13にて指定された公共サービスの料金を支払うためのカード番号等のカード情報をカード情報記入領域15に記入する。
【0030】
その後、隠蔽片20の剥離紙40を剥離し、折り線30を介してベース基材50を折り畳み、粘着剤60によって申込片10と隠蔽片20とを剥離可能に貼着する。
【0031】
図2は、図1に示したカード支払い申込書を折り畳んだ状態を示す図であり、(a)は申込片10側から見た図、(b)は隠蔽片20側から見た図、(c)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0032】
図1に示したカード支払い申込書を折り畳み、粘着剤60によって申込片10と隠蔽片20とを剥離可能に貼着すると、図2に示すように、申込片10の裏面に記入された情報が隠蔽片20によって隠蔽されることになる。
【0033】
この状態でカード支払い申込書を送付すると、このカード支払い申込書は宛先情報11によってカード会社に送付される。
【0034】
カード会社においては、カード支払い申込書が受け取られると、隠蔽片20が申込片10から剥離され、画像読取装置となるファクシミリ装置において、申込片10の申込書となる面が画像データとして読み取られ、支払指定領域13にて指定された公共サービスの種類に応じて、その公共サービスの提供元となる電話会社とガス会社にその画像データが送信されることになる。例えば、支払指定領域13にて電話が指定されている場合は、申込書の画像データが電話会社に送信され、また、支払指定領域13にてガスが指定されている場合は、申込書の画像データがガス会社に送信されることになる。
【0035】
図3は、図1に示したカード支払い申込書に記載された情報を読み取って画像データとして送信する画像読取装置であるファクシミリ装置の第1の実施の形態を示す図である。
【0036】
本形態におけるファクシミリ装置は図3に示すように、図1に示したカード支払い申込書の支払指定領域13のうち青色印刷13aが施された領域と黄色印刷13bが施された領域とのいずれの領域に印字及び記入された情報を読み取るかを印刷色にて指定するための指定手段である印刷色指定部3と、印刷色指定部3にて指定された印刷色にて反射する可視光を照射しながらカード支払い申込書に印字あるいは記入された情報を読み取って画像データとして出力する読み取り手段である画像読取部2と、画像読取部2から出力された画像データを表示する読み取り画像表示部4と、画像読取部2から出力された画像データの送信先を設定するための送信先設定部1と、画像読取部2から出力された画像データを送信先設定部1にて設定された送信先に送信する読み取り画像送信部5と、これらを制御する制御部6とから構成されている。また、画像読取部2は、印刷色指定部3にて指定された印刷色にて反射する可視光をカード支払い申込書に照射する光照射部2aと、カード支払い申込書に印字あるいは記入された情報を読み取る読取部2bとから構成されている。
【0037】
図4は、図1に示したカード支払い申込書に印字あるいは記入された情報が図3に示したファクシミリ装置にて読み取られその画像データが送信されるまでの処理を説明するためのフローチャートである。
【0038】
まず、支払指定領域13にてチェック欄にチェックが記入されている公共サービスについて、その公共サービスの提供元の名称及びそのチェック欄が印字された領域に印刷が施された色が印刷色指定部3にて指定される(ステップS1)。例えば、支払指定領域13にて電話会社のチェック欄にチェックが記入されている場合は青色が指定され、また、支払指定領域13にてガス会社のチェック欄にチェックが記入されている場合は黄色が指定される。また、支払指定領域13にて電話会社とガス会社の両方のチェック欄にチェックが記入されている場合は、まず、青色及び黄色のうち一方の色が指定され、後述する一連の処理が行われた後に他方の色が指定されることになる。
【0039】
次に、カード支払い申込書の申込片10の裏面の申込書に記載された情報が画像読取部2にて読み取られて画像データとして出力される(ステップS2)。画像読取部2においては、まず、光照射部2aにおいて、印刷色指定部3にて指定された印刷色にて反射する波長を有する可視光がカード支払い申込書に照射される。例えば、印刷色指定部3にて青色が指定された場合は青色の可視光が照射され、また、印刷色指定部3にて黄色が指定された場合は赤色の可視光が照射されることになる。すなわち、印刷色指定部3においては、光照射部2aから照射される可視光の波長が指定されることになる。その状態において、カード支払い申込書の申込片10の裏面の申込書に記載された情報が読取部2bにて読み取られて画像データとして出力される。
【0040】
画像読取部2から出力された画像データは、制御部6における制御によって読み取り画像表示部4に表示される(ステップS3)。
【0041】
図5は、図1に示したカード支払い申込書に記載された情報が図3に示したファクシミリ装置にて読み取られて表示された状態を示す図であり、(a)は印刷色指定部3にて青色が指定された場合の状態を示す図、(b)は印刷色指定部3にて黄色が指定された場合の状態を示す図である。
【0042】
印刷色指定部3にて青色が指定された場合は、上述したように光照射部2aから青色の可視光が照射されながら、カード支払い申込書に印字及び記入された情報が読み取られるが、カード支払い申込書の支払指定領域13においては、青色印刷13aと黄色印刷13bが施されており、青色印刷13aは青色の波長を有する可視光を反射し、黄色印刷13bは青色の波長を有する可視光を吸収するため、図5(a)に示すように、青色印刷13aが施された領域は電話会社名及びそのチェック欄が表示され、黄色印刷13bが施された領域は黒くなってガス会社名及びそのチェック欄が隠蔽された状態となる。
【0043】
一方、印刷色指定部3にて黄色が指定された場合は、上述したように光照射部2aから赤色の可視光が照射されながら、カード支払い申込書に印字及び記入された情報が読み取られるが、カード支払い申込書の支払指定領域13においては、青色印刷13aと黄色印刷13bが施されており、青色印刷13aは赤色の波長を有する可視光を吸収し、黄色印刷13bは赤色の波長を有する可視光を反射するため、図5(b)に示すように、青色印刷13aが施された領域は黒くなって電話会社名及びそのチェック欄が隠蔽され、黄色印刷13bが施された領域はガス会社名及びそのチェック欄が表示された状態となる。
【0044】
その後、送信先設定部1において、画像読取部2から出力された画像データの送信先が設定されると(ステップS4)、画像データが送信先に送信されることになる(ステップS5)。この際、印刷色指定部3にて青色が指定された場合は、送信先として電話会社が設定されることになり、また、送信される画像データが図5(a)に示したようなものとなるため、その申込者がガスの利用料金のカードによる支払いを申し込んだかどうかが電話会社に知られることはない。一方、印刷色指定部3にて黄色が指定された場合は、送信先としてガス会社が設定されることになり、また、送信される画像データが図5(b)に示したようなものとなるため、その申込者が電話料金のカードによる支払いを申し込んだかどうかがガス会社に知られることはない。
【0045】
このようにカード支払いの申し込みが行われた後、支払指定領域13にて指定された公共料金が、カード情報記入領域15に記入されたカードの支払い口座から引き落とされることになる。
【0046】
図6は、図1に示したカード支払い申込書に記載された情報を読み取って画像データとして送信する画像読取装置であるファクシミリ装置の第2の実施の形態を示す図である。
【0047】
本形態におけるファクシミリ装置は図6に示すように、図1に示したカード支払い申込書の支払指定領域13のうち青色印刷13aが施された領域と黄色印刷13bが施された領域とのいずれの領域に印字及び記入された情報を読み取るかを印刷色にて指定するための指定手段である印刷色指定部3と、カード支払い申込書に印字あるいは記入された情報を読み取り、読み取った情報を印刷色指定部3にて指定された印刷色にて反射する可視光を照射した状態にて読み取られた状態の画像データとして出力する読み取り手段である画像読取部102と、画像読取部102から出力された画像データを表示する読み取り画像表示部4と、画像読取部102から出力された画像データの送信先を設定するための送信先設定部1と、画像読取部102から出力された画像データを送信先設定部1にて設定された送信先に送信する読み取り画像送信部5と、これらを制御する制御部6とから構成されている。また、画像読取部102は、カード支払い申込書に印字あるいは記入された情報を読み取る読取部102aと、読取部102aにて読み取られた情報を印刷色指定部3にて指定された印刷色にて反射する可視光を照射した状態にて読み取られた状態の画像データとして出力する色調変換部102bとから構成されている。
【0048】
図7は、図1に示したカード支払い申込書に印字あるいは記入された情報が図6に示したファクシミリ装置にて読み取られその画像データが送信されるまでの処理を説明するためのフローチャートである。
【0049】
まず、支払指定領域13にてチェック欄にチェックが記入されている公共サービスについて、その公共サービスの提供元の名称及びそのチェック欄が印字された領域に印刷が施された色が印刷色指定部3にて指定される(ステップS101)。例えば、支払指定領域13にて電話会社のチェック欄にチェックが記入されている場合は青色が指定され、また、支払指定領域13にてガス会社のチェック欄にチェックが記入されている場合は黄色が指定される。また、支払指定領域13にて電話会社とガス会社の両方のチェック欄にチェックが記入されている場合は、まず、青色及び黄色のうち一方の色が指定され、後述する一連の処理が行われた後に他方の色が指定されることになる。
【0050】
次に、カード支払い申込書の申込片10の裏面の申込書に記載された情報が画像読取部102の読取部102aにて読み取られ(ステップS102)、次に、画像読取部102の色調変換部102bにおいて、読取部102aにて読み取られた情報が印刷色指定部3にて指定された印刷色にて反射する波長を有する可視光を照射した状態にて読み取られた状態の画像データとして出力される(ステップS103)。すなわち、印刷色指定部3においては、色調変換部102bにて照射した状態となる可視光の波長が指定されることになる。
【0051】
画像読取部102の色調変換部102bから出力された画像データは、制御部6における制御によって読み取り画像表示部4に表示される(ステップS104)。ここで、色調変換部102bにおいては、読取部102aにて読み取られた情報が印刷色指定部3にて指定された印刷色にて反射する波長を有する可視光を照射した状態にて読み取られた状態の画像データとして出力されるため、印刷色指定部3にて青色が指定された場合は、青色にて反射する波長を具備する青色の可視光を照射した状態にて読み取られた状態として出力され、それにより、図5(a)に示すように、青色印刷13aが施された領域は電話会社名及びそのチェック欄が表示され、黄色印刷13bが施された領域は黒くなってガス会社名及びそのチェック欄が隠蔽された状態となる。一方、印刷色指定部3にて黄色が指定された場合は、黄色にて反射する波長を具備する赤色の可視光を照射した状態にて読み取られた状態として出力され、それにより、図5(b)に示すように、青色印刷13aが施された領域は黒くなって電話会社名及びそのチェック欄が隠蔽され、黄色印刷13bが施された領域はガス会社名及びそのチェック欄が表示された状態となる。
【0052】
その後、送信先設定部1において、画像読取部102から出力された画像データの送信先が設定されると(ステップS105)、画像データが送信先に送信されることになる(ステップS106)。この際、印刷色指定部3にて青色が指定された場合は、送信先として電話会社が設定されることになり、また、送信される画像データが図5(a)に示したようなものとなるため、その申込者がガスの利用料金のカードによる支払いを申し込んだかどうかが電話会社に知られることはない。一方、印刷色指定部3にて黄色が指定された場合は、送信先としてガス会社が設定されることになり、また、送信される画像データが図5(b)に示したようなものとなるため、その申込者が電話料金のカードによる支払いを申し込んだかどうかがガス会社に知られることはない。
【0053】
このようにカード支払いの申し込みが行われた後、支払指定領域13にて指定された公共料金が、カード情報記入領域15に記入されたカードの支払い口座から引き落とされることになる。
【0054】
図8は、図1に示したカード支払い申込書に記載された情報を読み取って画像データとして送信する画像読取装置であるファクシミリ装置の第3の実施の形態を示す図である。
【0055】
本形態におけるファクシミリ装置は図8に示すように、図1に示したカード支払い申込書の支払指定領域13のうち青色印刷13aが施された領域と黄色印刷13bが施された領域とのいずれの領域に印字及び記入された情報を読み取るかを印刷色にて指定するための指定手段である印刷色指定部3と、印刷色指定部3にて指定された印刷色にて反射する可視光を照射しながらカード支払い申込書に印字あるいは記入された情報を読み取って画像データとして出力する読み取り手段である画像読取部2と、画像読取部2から出力された画像データを表示する読み取り画像表示部4と、画像読取部2から出力された画像データの送信先を設定するための送信先設定部1と、画像読取部2から出力された画像データを送信先設定部1にて設定された送信先に送信する読み取り画像送信部5と、図1に示したカード支払い申込書の支払指定領域13のチェック欄にチェックが記入されているかどうかを検出するチェック有無検出部7と、これらを制御する制御部6とから構成されている。また、画像読取部2は、印刷色指定部3にて指定された印刷色にて反射する可視光をカード支払い申込書に照射する光照射部2aと、カード支払い申込書に印字あるいは記入された情報を読み取る読取部2bとから構成されている。
【0056】
図9は、図1に示したカード支払い申込書に印字あるいは記入された情報が図8に示したファクシミリ装置にて読み取られその画像データが送信されるまでの処理を説明するためのフローチャートである。
【0057】
まず、支払指定領域13に記載された公共サービスのうちどちらの公共サービスについての申し込みを処理するかを指定するために、申し込みを処理する公共サービスについて印刷が施された色が印刷色指定部3にて指定される(ステップS201)。例えば、電話の申し込みを処理する場合は青色が指定され、また、ガスの申し込みを処理する場合は黄色が指定される。
【0058】
次に、チェック有無検出部7において、支払指定領域13のうちステップS201にて指定された色の印刷が施されたチェック欄にチェックが記入されているかどうかが検出される(ステップS202)。
【0059】
ステップS202にてチェック欄にチェックが記入されていることが検出された場合、そのカード支払い申込書の申込片10の裏面の申込書に記載された情報が画像読取部2にて読み取られて画像データとして出力される(ステップS203)。画像読取部2においては、まず、光照射部2aにおいて、印刷色指定部3にて指定された印刷色にて反射する波長を有する可視光がカード支払い申込書に照射される。例えば、印刷色指定部3にて青色が指定された場合は青色の可視光が照射され、また、印刷色指定部3にて黄色が指定された場合は赤色の可視光が照射されることになる。すなわち、印刷色指定部3においては、光照射部2aから照射される可視光の波長が指定されることになる。その状態において、カード支払い申込書の申込片10の裏面の申込書に記載された情報が読取部2bにて読み取られて画像データとして出力される。なお、ステップS201にて指定された色の印刷が施されたチェック欄にチェックが記入されていないカード支払い申込書については、画像読取部2における情報の読み取り処理は行われない。
【0060】
画像読取部2から出力された画像データは、制御部6における制御によって読み取り画像表示部4に表示される(ステップS204)。
【0061】
印刷色指定部3にて青色が指定された場合は、上述したように光照射部2aから青色の可視光が照射されながら、カード支払い申込書に印字及び記入された情報が読み取られるが、カード支払い申込書の支払指定領域13においては、青色印刷13aと黄色印刷13bが施されており、青色印刷13aは青色の波長を有する可視光を反射し、黄色印刷13bは青色の波長を有する可視光を吸収するため、青色印刷13aが施された領域は電話会社名及びそのチェック欄が表示され、黄色印刷13bが施された領域は黒くなってガス会社名及びそのチェック欄が隠蔽された状態となる。
【0062】
一方、印刷色指定部3にて黄色が指定された場合は、上述したように光照射部2aから赤色の可視光が照射されながら、カード支払い申込書に印字及び記入された情報が読み取られるが、カード支払い申込書の支払指定領域13においては、青色印刷13aと黄色印刷13bが施されており、青色印刷13aは赤色の波長を有する可視光を吸収し、黄色印刷13bは赤色の波長を有する可視光を反射するため、青色印刷13aが施された領域は黒くなって電話会社名及びそのチェック欄が隠蔽され、黄色印刷13bが施された領域はガス会社名及びそのチェック欄が表示された状態となる。
【0063】
その後、送信先設定部1において、画像読取部2から出力された画像データの送信先が設定されると(ステップS205)、画像データが送信先に送信されることになる(ステップS206)。この際、印刷色指定部3にて青色が指定された場合は、送信先として電話会社が設定されることになり、また、送信される画像データが図5(a)に示したようなものとなるため、その申込者がガスの利用料金のカードによる支払いを申し込んだかどうかが電話会社に知られることはない。一方、印刷色指定部3にて黄色が指定された場合は、送信先としてガス会社が設定されることになり、また、送信される画像データが図5(b)に示したようなものとなるため、その申込者が電話料金のカードによる支払いを申し込んだかどうかがガス会社に知られることはない。
【0064】
このようにカード支払いの申し込みが行われた後、支払指定領域13にて指定された公共料金が、カード情報記入領域15に記入されたカードの支払い口座から引き落とされることになる。
【0065】
その後、支払指定領域13に印刷が施された色のうちステップS201にて指定されなかった色が指定され、上述したものと同様の処理が行われる。
【0066】
上述したように図8に示したファクシミリ装置においては、図1に示したカード支払い申込書の支払指定領域13のチェック欄にチェックが記入されているかどうかを検出するチェック有無検出部7が設けられ、チェック欄にチェックが記入されていることが検出された場合に、そのカード支払い申込書の申込片10の裏面の申込書に記載された情報が画像読取部2にて読み取られる構成であるため、チェック欄にチェックが記入されているかどうかを確認することなく、印刷色指定部3にて色を指定するだけで連続的な処理を行うことが可能となる。
【0067】
なお、上述した実施の形態においては、支払指定領域13にて公共サービスの提供元となる電話会社及びガス会社の名称とそれぞれのチェック欄とに青色印刷13a及び黄色印刷13bが施されているが、チェック欄のみに青色印刷13a及び黄色印刷13bを施す構成としてもよい。
【0068】
また、上述した実施の形態においては、図1に示したカード支払い申込書の支払指定領域13のうち青色印刷13aが施された領域と黄色印刷13bが施された領域とのいずれの領域に印字及び記入された情報を読み取るかが印刷色指定部3にて印刷色にて指定され、画像読取部2,102において、印刷色指定部3にて指定された印刷色にて反射する可視光を照射した状態にて読み取られた画像データが出力されているが、カード支払い申込書の支払指定領域13のうち青色印刷13aが施された領域と黄色印刷13bが施された領域とのいずれの領域に印字及び記入された情報を隠蔽するかが印刷色指定部3にて印刷色にて指定され、画像読取部2,102において、印刷色指定部3にて指定されてない方の印刷色にて反射する可視光を照射した状態にて読み取られた画像データが出力される構成とすることも考えられる。
【0069】
また、読み取り画像表示部4における画像データの表示のタイミングや、送信先設定部1における画像データの送信先の設定のタイミングは上述したものに限らず任意のタイミングにて行うことができる。例えば、印刷色指定部3にて指定された色に基づいて、その色による印刷が施された領域に記載された公共サービスの提供元が認識され、その提供元が送信先として自動的に設定されることが考えられる。また、図8に示したものにおいては、印刷色指定部3にて指定された色について連続的に処理が行われるため、印刷色指定部3にて色が指定される前に送信先を設定しておいてもよい。
【0070】
また、青色印刷13aや黄色印刷13bが施される領域は、情報が記入される領域に限らず、プリンタ等によって情報が印字される領域であってもよい。
【0071】
また、上述した実施の形態においては、画像読取装置としてファクシミリ装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カード支払い申込書から読み取った画像データを電子データとしてそのまま送信するものであれば、公共サービスの提供元において、電子データとして画像データを取得することができる。
【0072】
また、上述した実施の形態においては、支払指定領域13において、電話会社名とそのチェック欄とが青色印刷13aが施され、また、ガス会社名とそのチェック欄とが黄色印刷13bが施されているが、印刷が施される色とその数はこれらに限らず、複数の情報表示欄が、互いに異なる波長を具備する可視光のみを反射し、その他の波長を具備する可視光を吸収する印刷がそれぞれ施されている構成であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の印刷物の実施の一形態となるカード支払い申込書の一例を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は裏面から見た図、(c)は(a)に示したA−A’断面図である。
【図2】図1に示したカード支払い申込書を折り畳んだ状態を示す図であり、(a)は申込片側から見た図、(b)は隠蔽片側から見た図、(c)は(a)に示したA−A’断面図である。
【図3】図1に示したカード支払い申込書に記載された情報を読み取って画像データとして送信する画像読取装置であるファクシミリ装置の第1の実施の形態を示す図である。
【図4】図1に示したカード支払い申込書に印字あるいは記入された情報が図3に示したファクシミリ装置にて読み取られその画像データが送信されるまでの処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1に示したカード支払い申込書に記載された情報が図3に示したファクシミリ装置にて読み取られて表示された状態を示す図であり、(a)は印刷色指定部にて青色が指定された場合の状態を示す図、(b)は印刷色指定部にて黄色が指定された場合の状態を示す図である。
【図6】図1に示したカード支払い申込書に記載された情報を読み取って画像データとして送信する画像読取装置であるファクシミリ装置の第2の実施の形態を示す図である。
【図7】図1に示したカード支払い申込書に印字あるいは記入された情報が図6に示したファクシミリ装置にて読み取られその画像データが送信されるまでの処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図1に示したカード支払い申込書に記載された情報を読み取って画像データとして送信する画像読取装置であるファクシミリ装置の第3の実施の形態を示す図である。
【図9】図1に示したカード支払い申込書に印字あるいは記入された情報が図8に示したファクシミリ装置にて読み取られその画像データが送信されるまでの処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】公共料金をカードを用いて支払う旨を申し込むための従来のカード支払い申込書の一例を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は裏面から見た図、(c)は(a)に示したA−A’断面図である。
【図11】図10に示したカード支払い申込書を折り畳んだ状態を示す図であり、(a)は申込片側から見た図、(b)は隠蔽片側から見た図、(c)は(a)に示したA−A’断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 送信先設定部
2,102 画像読取部
2a 光照射部
2b,102a 読取部
3 印刷色指定部
4 読み取り画像表示部
5 読み取り画像送信部
6 制御部
7 チェック有無検出部
10 申込片
11 宛先情報
12 説明情報
13 支払指定領域
13a 青色印刷
13b 黄色印刷
14 顧客情報記入領域
15 カード情報記入領域
20 隠蔽片
21,22 情報
30 折り線
40 剥離紙
41 紙基材
42 剥離剤
50 ベース基材
60 粘着剤
102b 色調変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報が印字あるいは記入される複数の情報表示欄を有してなる印刷物において、
前記複数の情報表示欄は、互いに異なる波長を具備する可視光のみを反射し、その他の波長を具備する可視光を吸収する印刷がそれぞれ施されていることを特徴とする印刷物。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷物において、
前記複数の情報表示欄は、
青色光のみを反射し、その他の可視光を吸収する印刷が施された第1の情報表示欄と、
赤色光のみを反射し、その他の可視光を吸収する印刷が施された第2の情報表示欄とを有することを特徴とする印刷物。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の印刷物に記載された情報を画像データとして読み取る画像読取装置であって、
印刷物に対して指定された波長を具備する可視光を照射した状態にて前記印刷物から読み取られた画像データを出力する読み取り手段と、
前記波長を指定する指定手段とを有する画像読取装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−297790(P2006−297790A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−123784(P2005−123784)
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】