説明

印刷管理用プログラム、印刷管理装置及びプリンタシステム

【課題】入力された印刷ジョブデータの印刷パラメータと警告履歴の警告用情報とが一致する場合に、印刷を続行するか印刷を停止するかを選択させることができる
【解決手段】ステップ202でコンピュータ12から受信した印刷ジョブデータに含まれている印刷データ識別子及び印刷パラメータに対応する警告情報(警告履歴)を印刷失敗テーブルから検索する。ステップ204では、印刷失敗テーブルにステップ202で警告履歴が検索されたか否かを判断する。警告履歴が検索された場合は、ステップ206で、警告履歴を印刷失敗テーブルから取得する。ステップ208では、印刷失敗の可能性が有る旨の警告メッセージをコンピュータへ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷管理用プログラム、印刷管理装置及びプリンタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷の失敗を繰り返さないようにした印刷制御装置が記載されている。この印刷制御装置では、文書印刷指示部から印刷指示を受け取ると、文書データ取得部から文書データを受け取り、印刷ジョブデータを生成し、履歴テーブルに記憶されている失敗履歴データと生成された印刷ジョブデータとが、同一または類似のファイル名か否か、フォームオーバレイファイルが同じか否か、予め定められた印刷条件が同じか否か、及び予め定められたアプリケーション設定が同じか否かのいずれか1つの要件を満たし、かつプリンタドライバのバージョンが新しくない場合に、履歴テーブルから失敗履歴データを抽出し、抽出した履歴データを利用者のディスプレイに表示し、印刷中止又は印刷続行の指示入力を受け付ける。履歴テーブルから失敗履歴データが抽出されない場合は、生成した印刷ジョブデータをプリンタへ送信する。プリンタでは、印刷制御装置から受信した印刷データのビットマップデータを生成し、生成されたビットマップデータにエラー(印刷異常)が検知されたか否かを判断し、エラーが検知されると、検知されたエラーの内容を印刷制御装置へ送信する。印刷制御装置では、プリンタからエラーを受信すると、印刷が失敗した文書データに対応する履歴データを履歴テーブルに登録する。
【0003】
また、特許文献2には、印刷を中断した場合に対処する印刷制御システムが開示されている。この印刷制御システムでは、印刷処理の実行指示があるとプリンタドライバの制御部が、入力された印刷条件と、印刷条件履歴D/Bに記憶された過去の印刷条件とを照合し、入力された印刷条件が最近使用された条件か否かを判断し、最近使用された条件の場合には、過去に印刷処理の実行途中で印刷処理が取り消された印刷条件(失敗印刷条件)か否かを判断し、印刷失敗条件と異なる場合、使用アプリケーションについて頻繁に用いられた印刷条件か否かを判断し、頻繁に用いられた印刷条件の場合は、印刷が中断されたか否かを判断する。印刷が中断された場合には、取り消された条件を印刷条件履歴D/Bに記憶して処理を終了し、印刷が中断されていない場合は、印刷処理を実行して印刷が完了した条件を印刷条件履歴D/Bに記憶する。また、入力された印刷条件が最近使用された条件でない場合は、最近不使用の印刷条件であることを表示し、印刷失敗条件と同一の場合は、失敗条件であることを表示し、使用アプリケーションについて頻繁に用いられた印刷条件でない場合は、あまり用いられていないアプリケーションであることを表示し、印刷継続の指示があったか否か、印刷条件が修正されたか否か、及び印刷中止の指示があったか否かを判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−241609号公報
【特許文献2】特開2004−157680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、入力された印刷ジョブデータの印刷パラメータと警告履歴の警告用情報とが一致する場合に、印刷を続行するか印刷を停止するかを選択させる印刷管理用プログラム、印刷管理装置及びプリンタシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る印刷管理用プログラムは、コンピュータを、印刷データ、前記印刷データを識別する印刷データ識別子及び前記印刷データに基づいて印刷する際の印刷パラメータを含む印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が、前記印刷データ識別子と前記印刷パラメータとを対応させた印刷履歴を記憶する第1の記憶手段に記憶されていない場合に、前記第1の記憶手段に前記印刷ジョブデータの前記印刷履歴を記憶するように制御する第1の制御手段と、前記印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が前記第1の記憶手段に記憶され、かつ前記第1の記憶手段に記憶された印刷パラメータと前記印刷ジョブデータの印刷パラメータとが一致していない場合に、前記第1記憶手段に記憶された印刷パラメータを警告用情報とした警告履歴を、前記印刷データ識別子と警告用情報とを対応させた警告履歴を記憶する第2の記憶手段に記憶するように制御する第2の制御手段と、前記印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が前記第2の記憶手段に記憶されている場合に、印刷を続行するか印刷を停止するかを選択させる選択手段と、前記選択手段の選択結果に基づいて印刷を制御する印刷制御手段と、して機能させる。
【0007】
請求項2の発明に係る印刷管理用プログラムは、前記第2の制御手段が、前記印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が前記第1の記憶手段に記憶され、かつ前記第1の記憶手段に前記印刷履歴が記憶されてから予め定められた時間経過している場合には、前記第2の記憶手段への前記警告履歴の記憶を禁止するように制御するものである。
【0008】
請求項3の発明に係る印刷管理用プログラムは、前記印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が前記第1の記憶手段に記憶され、かつ前記第1の記憶手段に記憶された印刷パラメータと前記印刷ジョブデータの印刷パラメータとが一致している場合に、前記第1の記憶手段に前記印刷履歴を記憶するように制御する第3の制御手段を含んで構成されている。
【0009】
請求項4の発明に係る印刷管理用プログラムは、前記印刷ジョブデータに含まれている特定の情報を選択不要情報として設定するか、または前記印刷ジョブデータに予め設定された情報を前記選択不要情報として付加する情報付加手段を設け、前記印刷ジョブデータに前記設定された情報が含まれているか、または前記予め設定された情報が付加されている場合には、前記選択手段が、印刷を続行するか印刷を停止するかを選択させないようにするものである。
【0010】
請求項5の発明に係る印刷管理用プログラムは、前記印刷ジョブデータに含まれている特定の情報を選択不要情報として設定する情報設定手段を設け、前記印刷ジョブデータに前記設定された情報が含まれている場合には、前記選択手段が、前記第2の記憶手段を使用しないか、または前記第2の記憶手段を使用した後印刷を続行するか印刷を停止するかを提示しないようにして印刷を続行するか印刷を停止するかを選択させないようにするものである。
【0011】
請求項6の発明に係る印刷管理用プログラムは、前記印刷ジョブデータに含まれている特定の情報を選択不要情報として設定する情報設定手段を設け、前記印刷ジョブデータに前記設定された情報が含まれている場合には、前記第2の制御手段が、前記警告履歴を前記第2の記憶手段に記憶しないように制御するものである。
【0012】
請求項7の発明に係る印刷管理装置は、印刷データを識別する印刷データ識別子と前記印刷データに基づいて印刷する際の印刷パラメータとを対応させた印刷履歴を記憶する第1の記憶手段と、前記印刷データ識別子と警告用情報とを対応させた警告履歴を記憶する第2の記憶手段と、前記印刷データ、前記印刷データ識別子及び前記印刷パラメータを含む印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が前記第1の記憶手段に記憶されていない場合に、前記第1の記憶手段に前記印刷ジョブデータの前記印刷履歴を記憶するように制御する第1の制御手段と、前記印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が前記第1の記憶手段に記憶され、かつ前記第1の記憶手段に記憶された印刷パラメータと前記印刷ジョブデータの印刷パラメータとが一致していない場合に、前記第1の憶手段に記憶された印刷パラメータを警告用情報とした警告履歴を、前記第2の記憶手段に記憶するように制御する第2の制御手段と、前記印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が前記第2の記憶手段に記憶されている場合に、印刷を続行するか印刷を停止するかを選択させる選択手段と、前記選択手段の選択結果に基づいて印刷を制御する印刷制御手段と、を含んで構成されている。
【0013】
請求項8の発明に係るプリンタシステムは、コンピュータ、サーバ及びプリンタを備えたプリンタシステムであって、上記請求項7記載の印刷管理装置を前記コンピュータ、前記サーバ及び前記プリンタのいずれかに設けたものである。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように請求項1、請求項7及び請求項8の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、入力された印刷ジョブデータの印刷パラメータと警告履歴の警告用情報とが一致する場合に、ユーザに印刷を続行するか印刷を停止するかを選択させ、選択結果に基いて印刷を制御することができる、という効果が得られる。
【0015】
また、請求項2の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、予め定められた時間経過している場合には、第2の記憶手段への警告履歴の記憶を禁止することができる、という効果が得られる。
【0016】
請求項3の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、第1の記憶手段に記憶された印刷パラメータと同一の印刷パラメータを有する印刷ジョブデータの印刷履歴を再度記憶することができる、という効果が得られる。
【0017】
また、請求項4及び請求項5の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、印刷ジョブデータに設定された情報が含まれているか、または印刷ジョブデータに予め設定された情報が付加されている場合に印刷を続行するか印刷を停止するかをユーザに選択させないようにすることができる、という効果が得られる。
【0018】
また、請求項6の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、印刷ジョブデータに予め設定された情報が含まれている場合に、警告履歴を第2の記憶手段に記憶しないようにすることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施の形態に係るプリンタシステムの電気系の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係るプリンタシステムの全体の流れの一例を示す概略図である。
【図3】第1の実施の形態に係るプリンタシステムのコンピュータの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施の形態に係るプリンタシステムのプリンタサーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態に係るプリンタシステムの印刷履歴記憶処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に係るプリンタシステムの電気系の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態に係るプリンタシステムのコンピュータの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態に係るプリンタシステムのプリンタの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】第3の実施の形態に係るプリンタシステムのコンピュータの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】第4の実施の形態に係るプリンタシステムのプリンタサーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】第5の実施の形態に係るプリンタシステムのプリンタサーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】第6の実施の形態に係るプリンタシステムのプリンタサーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】第6の実施の形態に係るプリンタシステムの印刷履歴記憶処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
図1は、第1の実施の形態に係るプリンタシステム10の電気系の要部構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、プリンタシステム10は、印刷ジョブデータを送信するコンピュータ12と、送信された印刷ジョブデータに基いて画像形成処理を管理するプリンタサーバ14と、印刷ジョブデータに基いて画像形成処理を行うプリンタ16とで構成されている。
【0023】
コンピュータ12は、各種の制御処理を行うCPU(中央処理装置)18、CPU18で実行される各種制御プログラム及び各種のデータを記憶したROM20、各種の処理において作業用の記憶領域として一時的に用いられるRAM(Random Access Memory)22、CD−ROM等の記憶媒体に対してデータやコマンドの読み出し及び書き出しを行うドライバ23、図示しないOS(オペレーティングシステム)、プリンタ16の各種機能を設定するプリンタドライバ、及び各種アプリケーションプログラムを記憶した記憶装置24、キーボード及びマウスを含んで構成されると共に、印刷続行指示及び印刷停止指示等の各種情報を入力する入力装置26、警告ダイアログ等の各種情報を表示する表示装置28、及び、ネットワーク30に接続されると共に、ネットワーク30を介してプリンタサーバ14及びプリンタ16と通信を行う際に、プリンタサーバ14及びプリンタ16と各種情報の入出力を行うネットワークインタフェース32で構成されており、これらはシステムバス34を介して電気的に接続されている。
【0024】
プリンタサーバ14は、各種の制御処理を行うCPU36、CPU36で実行される各種制御プログラム及び各種のデータを記憶したROM38、各種の処理において作業用の記憶領域として一時的に用いられるRAM40、CD−ROM等の記憶媒体に対してデータやコマンドの読み出し及び書き出しを行うドライバ42、後述する印刷履歴テーブル及び後述する印刷失敗テーブル等を記憶した記憶装置44、及びネットワーク30に接続されると共に、ネットワーク30を介してコンピュータ12及びプリンタ16と通信を行う際に、コンピュータ12及びプリンタ16と各種情報の入出力を行うネットワークインタフェース46で構成されており、これらはシステムバス48を介して電気的に接続されている。
【0025】
プリンタ16は、各種の制御処理を行うCPU50、CPU50で実行される各種制御プログラム及び各種のデータを記憶したROM52、各種の処理において作業用の記憶領域として一時的に用いられるRAM54、メモリカード等の記憶媒体に対してデータやコマンドの読み出し及び書き出しを行うドライバ56、印刷指示された印刷ジョブデータに基いて記録媒体上に画像を形成するプリンタエンジン57、プリンタエンジン57の動作を制御する図示しないデバイスコントローラを記憶した記憶装置58、各種情報を表示する表示パネル60、及び、ネットワーク30に接続されると共に、ネットワーク30を介してコンピュータ12及びプリンタサーバ14と通信を行う際に、コンピュータ12及びプリンタサーバ14と各種情報の入出力を行うネットワークインタフェース62で構成されており、これらはシステムバス64を介して電気的に接続されている。
【0026】
コンピュータ12の記憶媒体としてのROM20には、以下で説明する図3に示す処理ルーチンのプログラムが記憶され、プリンタサーバ14の記憶媒体としてのROM38には、以下で説明する図4及び図5に示す処理ルーチンのプログラムが記憶されている。
【0027】
次に、図2を参照して、ユーザ1及びユーザ2が、本実施の形態に係るプリンタシステム10を用いて印刷処理を行う場合を例にして、本実施の形態のプリンタシステム10の処理の概略の流れの一例を説明する。
【0028】
まず、ユーザ1が、コンピュータ12Aからプリンタサーバ14へ帳票Aを2ページ分まとめて1枚の用紙に印刷する(以下、2UPという。)印刷指示をプリンタサーバ14に送信した場合には、プリンタサーバ14では、プリンタ16に対して印刷制御を行い、プリンタ16では、帳票Aのデータを用いて2UP印刷を行う。
【0029】
次に、同じユーザ1がコンピュータ12Aで2UPで印刷指示を行った後に同じ帳票Aを1UPで印刷する印刷指示を送信した場合、すなわち同じ帳票Aに対して異なるパラメータで印刷指示が行われた場合には、プリンタサーバ14は、帳票Aを1UPで印刷する印刷指示を受信すると、同一の帳票Aに対して異なるUP数で印刷指示を受信したため、先に受信した帳票Aを2UPで印刷する印刷指示は、印刷指示ミスであったと判断して印刷失敗テーブルに印刷指示ミスであることを示すデータを記憶し、プリンタ16へ1UPで印刷されるように印刷制御を行う。すなわち、同じ帳票に対して異なるパラメータで印刷指示が行われた場合には、通常、後の印刷指示は、先の印刷指示を修正する印刷指示であり、先の印刷指示が誤っていた可能性が高いので、先の印刷指示を印刷指示ミスと判断する。
【0030】
プリンタ16では、後の印刷指示によるプリンタサーバ14の印刷制御に基いて、1UP印刷を行う。これによって、帳票Aに対して2UP印刷と1UP印刷とが行われ、2UP印刷に対しては、印刷指示ミスであったことを示すデータが印刷失敗テーブルに記憶される。
【0031】
次に、異なるユーザ2が、コンピュータ12Bで同じ帳票Aを2UPで印刷する印刷指示をプリンタサーバ14へ送信すると、プリンタサーバ14では、印刷失敗テーブルに帳票Aを2UPで印刷する印刷指示が印刷指示ミスとして記憶されているため、コンピュータ12Bに印刷指示ミスの可能性がある旨のメッセージを送信し、表示装置28にこのメッセージを表示し、印刷続行指示または印刷停止指示を選択させて、選択結果に基いて印刷制御を行う。
【0032】
次に、上記のプリンタシステム10の処理の詳細について説明する。
【0033】
図3に基いて、コンピュータ12のCPU18により実行されるコンピュータ処理プログラムの処理の流れの一例を説明する。
【0034】
ステップ100では、アプリケーションからユーザIDを含む印刷指示を取得したか否かを判断する。印刷指示が取得された場合は、ステップ102で、アプリケーションから印刷データ及び印刷データに基いて印刷する際のパラメータ(以下、印刷パラメータという。)を取得する。
【0035】
一方、ステップ100で、印刷指示が取得されていない場合は、印刷指示が取得されるまで待機する。
【0036】
ステップ104では、ステップ100で取得したユーザID、ステップ102で取得した印刷データ及び印刷パラメータに印刷データを識別する印刷データ識別子を付加して印刷ジョブデータを生成する。
【0037】
ステップ106では、ステップ104で生成した印刷ジョブデータをプリンタサーバ14へ送信する。
【0038】
ステップ108では、プリンタサーバ14から後述する警告メッセージを受信したか否かを判断する。警告メッセージが受信された場合は、ステップ110で、表示装置28に印刷失敗警告ダイアログを表示する。
【0039】
一方、ステップ108で警告メッセージが受信されていないと判断された場合は、ステップ112で、予め定められた時間が経過したか否かを判断する。予め定められた時間が経過した場合は、プリンタサーバ14の印刷失敗履歴テーブルに警告履歴がないと判断して処理を終了し、予め定められた時間が経過していない場合は、プリンタサーバ14の印刷失敗履歴テーブルに警告履歴があるか検索中であると判断してステップ108へ戻る。
【0040】
表示装置28には、「印刷ミスの可能性があります!以下の設定を確認してください。割付:2UP」等の警告メッセージ、印刷を指示するボタン、及び戻るボタンを表示した警告ダイアログ表示(図2参照)が表示されるので、ステップ114では、ユーザが印刷ボタンを操作することにより指示された印刷続行指示が入力されたか否かを判断する。印刷続行指示が入力された場合は、ステップ116でプリンタサーバ14へ印刷続行指示を送信して処理を終了する。
【0041】
一方、ステップ114で印刷続行指示がないと判断された場合は、ステップ118へ移行し、ユーザが戻るボタンを操作することにより指示された印刷停止指示が入力されたか否かを判断する。印刷停止指示が入力された場合は、ステップ120でプリンタサーバ14へ印刷停止指示を送信して処理を終了し、印刷停止指示がない場合は、ステップ114へ戻り、いずれかの指示が入力されるまでステップ114及びステップ118の判断を繰り返す。
【0042】
次に、図4に基いて、プリンタサーバ14のCPU36により実行されるプリンタサーバ処理プログラムの処理の流れの一例を説明する。
【0043】
ステップ200では、コンピュータ12から印刷ジョブデータを受信したか否かを判断する。印刷ジョブデータを受信していない場合は、受信するまで待機する。
【0044】
一方、印刷ジョブデータを受信した場合は、ステップ202でコンピュータ12から受信した印刷ジョブデータに含まれている印刷データ識別子及び印刷パラメータに対応する警告情報(警告履歴)を印刷失敗テーブルから検索する。
【0045】
この印刷失敗テーブルには、表1に示すように、印刷データ識別子(例えば、DI帳票01.pdf、報告資料.doc等)及び印刷パラメータ(原稿の向き:縦、N−UP数:2等)に対応させて、前に受信した印刷ジョブデータが後に受信した印刷ジョブデータに対して相違する印刷パラメータが警告情報として記憶されている。表1の例では、前に受信した印刷ジョブデータの印刷パラメータのN−UP数が2であったのに対し、後に受信した印刷ジョブデータの印刷パラメータのN−UP数が1であったため、N−UP数2が印刷指示ミスであったと判断して「N−UP数:2」が警告情報として記憶されている。
【0046】
【表1】

【0047】
ステップ204では、印刷失敗テーブルからステップ202で警告履歴が検索されたか否かを判断する。警告履歴が検索されない場合は、ステップ212で後述する印刷履歴記憶処理を実行する。
【0048】
一方、警告履歴が検索された場合は、ステップ206で、警告履歴を印刷失敗テーブルから取得する。
【0049】
ステップ208では、印刷失敗の可能性が有る旨の警告メッセージをコンピュータ12へ送信する。
【0050】
コンピュータ12からは、警告メッセージに応じて印刷続行指示または印刷停止指示が送信されてくるので、ステップ210では、コンピュータ12から印刷続行指示を受信したか否かを判断する。印刷続行指示を受信した場合は、ステップ212で後述する印刷履歴記憶処理を実行し、ステップ216でプリンタ16への印刷制御を行い、処理を終了する。
【0051】
一方、ステップ210で印刷続行指示を受信していない場合には、ステップ214でコンピュータ12から印刷停止指示を受信したか否かを判断する。印刷停止指示を受信した場合は、処理を終了する。ステップ214で印刷停止指示を受信していない場合には、ステップ210へ戻り、いずれかの指示が入力されるまでステップ214及びステップ210の判断を繰り返す。
【0052】
次に、図5に基いて、上記ステップ212の印刷履歴テーブル及び印刷失敗テーブルに履歴を記憶する印刷履歴記憶処理の一例について説明する。
【0053】
ステップ300では、コンピュータ12から受信した印刷ジョブデータに含まれるユーザID及び印刷データ識別子を有する印刷履歴を表2に示す印刷履歴テーブルから検索する。印刷履歴テーブルは、ユーザを識別するユーザID、印刷ジョブデータを受信した時刻、印刷データ識別子、及び印刷ジョブデータに含まれる印刷パラメータを対応させて記憶されている。
【0054】
【表2】

【0055】
ステップ302では、印刷履歴テーブルにステップ300で検索した印刷履歴があるか否かを判断する。印刷履歴がない場合は、ステップ314で印刷履歴テーブルに、コンピュータ12から受信した印刷ジョブデータのユーザID、受信時刻、印刷データ識別子、及び印刷パラメータを対応させて記憶する。
【0056】
一方、ステップ302で印刷履歴がある場合は、ステップ304で印刷履歴テーブルから印刷履歴を取得する。
【0057】
同じ印刷ジョブに対して予め定められた時間内に複数回印刷指示を行った場合は、前の印刷指示が不適切であったことから、予め定められた時間内に複数回印刷指示を行った可能性が高く、印刷ジョブに対して予め定められた時間内に1回印刷指示を行った場合は、印刷指示が適切であった可能性が高いと判断することができる。このため、ステップ306では、ステップ304で取得した印刷履歴の時刻データに基いて、受信した印刷ジョブデータが予め定められた時間内に印刷履歴テーブルに記憶した印刷履歴であるか否かを判断する。印刷ジョブデータの受信時刻が前回受信した受信時刻より予め定められた時間を超えている場合は、適切な印刷指示であったと判断して、ステップ314へ移行し、上記で説明したように印刷履歴テーブルにデータを記憶する。
【0058】
一方、ステップ306で、ステップ304で取得した印刷履歴が、印刷ジョブデータを受信してから予め定められた時間内に印刷履歴テーブルに記憶した印刷履歴の場合は、不適切な印刷指示(印刷指示ミス)の可能性があるため、ステップ308へ移行する。
【0059】
ステップ308では、コンピュータ12から受信した印刷ジョブデータに含まれている印刷パラメータとステップ304で取得した印刷履歴に含まれている印刷パラメータとが異なるか否かを判断する。同一の場合は、予め定められた時間内に複数回印刷指示が行われた印刷ジョブであるが、適切な印刷指示であり、ステップ304で取得した印刷履歴に含まれている印刷パラメータは、適切な印刷パラメータであると判断して、ステップ314へ移行する。
【0060】
一方、ステップ308でコンピュータ12から受信した印刷ジョブデータに含まれている印刷パラメータとステップ304で取得した印刷履歴に含まれている印刷パラメータとが異なる場合は、ステップ304で取得した印刷履歴に含まれている印刷パラメータは、不適切な印刷パラメータであると判断し、ステップ310で、コンピュータ12から受信した印刷ジョブデータに含まれている印刷パラメータとステップ304で取得した印刷履歴に含まれている印刷パラメータとが相違している部分を計算する。
【0061】
ステップ312では、ステップ304で印刷履歴テーブルから取得した印刷履歴の印刷データ識別子、印刷パラメータ、及び印刷パラメータの相違している部分であって既に印刷履歴テーブルに記憶されていた印刷パラメータ(前に印刷指示された印刷ジョブデータの印刷パラメータ)を警告情報として、警告情報を印刷データ識別子に対応させて印刷失敗テーブルに記憶する。
【0062】
ステップ314では、印刷履歴テーブルに、コンピュータ12から受信した時刻、受信した印刷ジョブデータの印刷パラメータ等を印刷データ識別子に対応させて記憶する。
【0063】
以上のように処理する結果、ネットワークユーザで失敗情報を共有し、文書に適した印刷パラメータで印刷が行われる。
【0064】
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態で印刷履歴テーブル及び印刷失敗テーブルを記憶するためにプリンタサーバに設けていた記憶装置をプリンタに設け、プリンタで印刷履歴を管理するようにしたものである。なお、図6〜図8において第1の実施の形態と対応する部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0065】
図6に例示するように、本実施の形態に係るプリンタシステム10は、コンピュータ12と、プリンタ16とで構成されている。
【0066】
プリンタ16の記憶装置52には、プリンタエンジン57の動作を制御する図示しないデバイスコントローラ、並びに第1の実施の形態で説明した印刷履歴テーブル及び印刷失敗テーブルが記憶されている。
【0067】
コンピュータ12の記憶媒体としてのROM20には、以下で説明する図7に例示する処理ルーチンが記憶され、プリンタ16の記憶媒体としてのROM52には、以下で説明する図8に例示する処理ルーチンが記憶されている。
【0068】
次に、上記のプリンタシステム10の処理の詳細について説明する。
【0069】
図7に基いて、コンピュータ12のCPU18により実行されるコンピュータ処理プログラムの処理の流れを説明する。第2の実施の形態と第1の実施の形態の相違点は、第1の実施の形態でプリンタサーバに送信していた印刷ジョブを第2の実施の形態ではプリンタに送信する点、第1の実施の形態でプリンタサーバから受信していた警告メッセージを第2の実施の形態ではプリンタから受信する点、及び第1の実施の形態でプリンタサーバに送信していた印刷続行指示または印刷停止指示を第2の実施の形態ではプリンタに送信する点である。
【0070】
従って、図7のステップ106では、印刷ジョブデータをプリンタへ送信し、ステップ108では、プリンタから送信された警告メッセージを受信したか否かを判断し、ステップ116では、印刷続行指示をプリンタへ送信し、ステップ120では、印刷停止指示をプリンタに送信する。
【0071】
次に、図8に基いて、プリンタ16のCPU50により実行されるプリンタ処理プログラムの処理の流れを説明する。第2の実施の形態と第1の実施の形態の相違点は、第1の実施の形態では、プリンタサーバで行っていたコンピュータから受信した印刷ジョブデータのプリンタへの印刷制御を第2の実施の形態では、プリンタでコンピュータから受信した印刷ジョブデータに対して印刷を実行する点である。
【0072】
このため、図8のステップ216では、コンピュータから受信した印刷ジョブデータに基いて印刷を実行する。
【0073】
次に、図9を参照して第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、第1の実施の形態で印刷履歴テーブル及び印刷失敗テーブルを記憶するためにプリンタサーバに設けていた記憶装置をコンピュータに設け、コンピュータで印刷履歴を管理するようにしたものである。なお、図9において第1の実施の形態と対応する部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0074】
本実施の形態のプリンタシステムは、第2の実施の形態と同様のコンピュータと、プリンタとで構成されている。
【0075】
コンピュータの記憶装置には、図示しないOS、プリンタの各種機能を設定するプリンタドライバ、各種アプリケーションプログラム、第1の実施の形態で説明した印刷履歴テーブル、及び印刷失敗テーブル等が記憶されている。
【0076】
コンピュータの記憶媒体としてのROMには、以下で説明する図9に示す処理ルーチンが記憶されている。図9に基いて、コンピュータのCPUにより実行されるコンピュータ処理プログラムの処理の流れを説明する。第3の実施の形態と第1の実施の形態の相違点は、第1の実施の形態では、プリンタサーバでコンピュータから受信した印刷ジョブデータに基いて行っていた警告履歴の検索を第3の実施の形態では、コンピュータで警告履歴の検索を行う点、第1の実施の形態でプリンタサーバで行っていた印刷失敗テーブルに警告履歴が検索されたか否かの判断を第3の実施の形態ではコンピュータで行う点、第1の実施の形態でプリンタサーバで行っていた検索された警告履歴の取得を第3の実施の形態ではコンピュータで行う点、第1の実施の形態でプリンタサーバで行っていた印刷履歴処理を第3の実施の形態ではコンピュータで行う点、及び第1の実施の形態でプリンタサーバで行っていたプリンタへの印刷制御を第3の実施の形態ではコンピュータで行う点である。
【0077】
従って、図9のステップ202では、アプリケーションから取得した印刷データ識別子及び印刷パラメータに対応する警告情報(警告履歴)をプリンタの記憶装置に記憶した印刷失敗テーブルから検索し、ステップ204では、ステップ202で警告履歴が検索されたか否かを判断し、ステップ204で警告履歴が検索されない場合は、ステップ212で警告履歴記憶処理を実行し、ステップ204で警告履歴が検索された場合は、ステップ206で警告履歴を印刷失敗テーブルから取得し、ステップ114で印刷続行指示があると判断された場合は、ステップ212で警告履歴記憶処理を実行し、ステップ216でプリンタへの印刷制御を行う。
【0078】
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、コンピュータから受信した印刷ジョブデータに予め選択不要情報として設定された情報が含まれているか否かをプリンタサーバで判断するようにしたものである。なお、図10において第1の実施の形態と対応する部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0079】
本実施の形態に係るプリンタシステム10の構成は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0080】
次に、上記のプリンタシステム10の処理の詳細について説明する。
【0081】
コンピュータ12のCPU18で実行されるコンピュータ処理プログラムの処理は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0082】
次に、図10に基いて、プリンタサーバ14のCPU36により実行されるプリンタサーバ処理プログラムの処理の流れを説明する。第4の実施の形態と第1の実施の形態の相違点は、印刷ジョブデータが受信されていないと判断した場合に、印刷データ識別子、またはユーザIDを選択不要情報として設定するか、またはアプリケーション名を選択不要情報として設定するか否かを判断し、印刷データ識別子、またはユーザIDを設定するか、またはアプリケーション名を設定する場合は、印刷データ識別子、またはユーザIDを選択不要情報として設定し、またはアプリケーション名を選択不要情報として設定し、印刷データ識別子、ユーザID、またはアプリケーション名を設定しない場合は、コンピュータから受信された印刷ジョブデータに予め選択不要情報として、予め設定された印刷データ識別子、または予め設定されたユーザIDが含まれているか否か、または予め設定されたアプリケーション名が新たに付加されているか否かを判断する点である。
【0083】
従って、図10のステップ504では、コンピュータから受信した印刷ジョブデータにステップ502で予め設定された印刷データ識別子、予め設定されたユーザID、または予め設定されたアプリケーション名が含まれているか否かを判断し、予め設定された印刷データ識別子、予め設定されたユーザID、または予め設定されたアプリケーション名が含まれている場合は、テキストデータ等の印刷パラメータがよく変わる印刷データ識別子、印刷失敗の可能性がある旨の警告を必要としないユーザからの印刷指示、または、警告情報の表示が無駄であったり、処理を停止させると有害であるバッチ処理を行うアプリケーションからの印刷指示であることから、警告メッセージが不要であるため、ステップ212へ移行し、ステップ504で、予め設定された印刷データ識別子、または予め設定されたユーザIDが含まれていない場合、または予め設定されたアプリケーション名が新たに付加されていない場合は、ステップ202へ移行する。
【0084】
なお、本実施の形態は、第2の実施の形態及び第3の実施の形態にも適用してもよい。
【0085】
第3の実施の形態に適用する場合には、第3の実施の形態のステップ100で、印刷指示を取得していない場合に、ステップ500で印刷データ識別子、ユーザID、またはアプリケーション名を選択不要情報として設定するか否かを判断し、印刷データ識別子、ユーザID、またはアプリケーション名を設定する場合は、ステップ502で印刷データ識別子、ユーザID、またはアプリケーション名を設定してステップ100へ戻り、ステップ500で印刷データ識別子、ユーザID、またはアプリケーション名を設定しない場合は、ステップ100へ戻り、ステップ100で印刷指示を取得した場合に、ステップ104で印刷データ及び印刷パラメータに印刷データを識別する印刷データ識別子を付加して印刷ジョブデータを生成し、ステップ104で印刷ジョブデータが生成された後にステップ504で、印刷ジョブデータにステップ502で予め設定されたファイル名、または予め設定されたユーザID、またはステップ502で予め設定されたアプリケーション名が新たに付加されているかを判断するようにする。
【0086】
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態は、印刷失敗テーブルから検索された警告履歴に予め選択不要情報として設定された情報が含まれているか否かをプリンタサーバで判断するようにしたものである。なお、図11において第1の実施の形態と対応する部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0087】
本実施の形態に係るプリンタシステム10では、第1の実施の形態の記憶装置44に記憶されている印刷失敗テーブルに代えて、表3に示すように、ユーザID、印刷データ識別子、及び印刷パラメータに対応させて警告情報を記憶する印刷失敗テーブルを用いている。
【0088】
【表3】

【0089】
次に、第5の実施の形態のプリンタシステム10の処理の詳細について説明する。
【0090】
コンピュータ12のCPU18で実行されるコンピュータ処理プログラムの処理は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0091】
次に、図11に基いて、プリンタサーバ14のCPU36により実行されるプリンタサーバ処理プログラムの処理の流れを説明する。第5の実施の形態と第1の実施の形態の相違点は、ユーザIDを選択不要情報として設定するか否かを判断し、ユーザIDを選択不要情報として設定する場合は、ユーザIDを選択不要情報として設定し、ユーザIDを選択不要情報として設定しない場合は、検索された警告履歴に予め設定された情報として、予め設定されたユーザIDが含まれているか否かを判断する点である。
【0092】
従って、図11のステップ604で、コンピュータ12から受信した印刷ジョブデータにステップ602で予め設定されたユーザIDが含まれているか否かを判断する。予め設定されたユーザIDが含まれている場合は、予め設定されたユーザIDが含まれている警告履歴を使用しないため、ステップ212に移行し、予め設定されたユーザIDが含まれていない場合は、ステップ206へ移行する。
【0093】
なお、本実施の形態では、ステップ604で、コンピュータ12から受信した印刷ジョブデータに予め設定されたユーザIDが含まれているか否かを判断する処理を第1の実施の形態に適用する場合を説明したが、第2の実施の形態〜第4の実施の形態に適用してもよい。
【0094】
次に、第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態は、印刷履歴テーブルから検索された印刷履歴に予め選択不要情報として設定された情報が含まれているか否かをプリンタサーバで判断するようにしたものである。なお、図12及び図13において第1の実施の形態と対応する部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0095】
本実施の形態に係るプリンタシステム10の構成は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0096】
次に、第6の実施の形態のプリンタシステム10の処理の詳細について説明する。
【0097】
コンピュータ12のCPU18で実行されるコンピュータ処理プログラムの処理は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0098】
次に、図12に基いて、プリンタサーバ14のCPU36により実行されるプリンタサーバ処理プログラムの流れの一例を説明する。第6の実施の形態と第1の実施の形態の相違点は、ユーザIDを選択不要情報として設定するか否かを判断し、ユーザIDを選択不要情報として設定する場合には、ユーザIDの設定処理をする点である。
【0099】
従って、図12では、ステップ200でコンピュータ12から印刷ジョブデータが受信されていない場合には、ステップ700でユーザIDを設定するか否かを判断し、ユーザIDを設定する場合には、ステップ702でユーザIDの設定処理を行ってステップ200へ戻り、ステップ700でユーザIDを設定しない場合には、ステップ200へ戻り、ステップ200でコンピュータ12から印刷ジョブデータが受信された場合には、ステップ202へ移行する。
【0100】
次に、図13に基いて、プリンタサーバ14のCPU36により実行される印刷履歴記憶処理のプログラムの流れの一例を説明する。第6の実施の形態と第1の実施の形態の相違点は、印刷履歴テーブルから検索された印刷履歴に予め定められた情報として、予め設定されたユーザIDが含まれているか否かを判断する点である。
【0101】
従って、図13では、ステップ704で、ステップ300で印刷履歴テーブルから検索された印刷履歴にステップ702で予め設定されたユーザIDが含まれているか否かを判断する。予め設定されたユーザIDが含まれている場合は、予め設定したユーザIDの印刷ジョブデータを警告履歴に記憶しないため、ステップ314へ移行し、予め設定されたユーザIDが含まれている場合は、ステップ304へする。
【0102】
なお、本実施の形態では、予め設定されたユーザIDが含まれているか否かを判断した場合を説明したが、IPアドレスまたはMACアドレスを設定し、コンピュータから受信した印刷ジョブデータに予め設定されたIPアドレスまたはMACアドレスが新たに付加されているか否かを判断し、含まれている場合に印刷失敗テーブルに警告履歴を記憶しないようにしてもよい。
【0103】
なお、本実施の形態では、ステップ704で、予め設定されたユーザIDが含まれているか否かを判断する処理を第1の実施の形態に適用する場合を説明したが、第2の実施の形態〜第5の実施の形態のいずれかに適用してもよい。
【0104】
以上のように処理する結果、印刷失敗情報が有益にならないユーザの印刷ジョブデータは、印刷失敗情報として記憶されない。
【0105】
なお、第1の実施の形態〜第6の実施の形態について、印刷失敗テーブルに記憶された印刷失敗情報のうち、記憶されてから予め定められた時間を経過した印刷失敗情報を使用しないようにしてもよい。
【0106】
また、第1の実施の形態〜第6の実施の形態について、コンピュータ12から受信した印刷ジョブデータに含まれている印刷パラメータと印刷履歴に含まれている印刷パラメータとの差分を計算した後に、差分のあるパラメータの個数が一定数以下か否かを判断し、一定数以下の場合に、印刷失敗テーブルに警告履歴を記憶するようにしてもよい。
【0107】
なお、第1の実施の形態〜第6の実施の形態では、コンピュータの処理を行うプログラム、プリンタサーバの処理を行うプログラム、印刷履歴記憶処理を行うプログラム、及びプリンタの処理を行うプログラムが、ROMに予め記憶されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのプログラムをCD−ROM、MD、MO、DVD−ROM、フレキシブルディスク、メモリカード、DAT等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納した状態で提供する形態を適用してもよい。
【0108】
また、第1の実施の形態〜第6の実施の形態では、表示装置にダイアログを表示することにより提示して印刷続行指示及び印刷停止指示を選択させる例について説明したが、音声などによって印刷続行指示または印刷停止指示を選択するように提示し、選択結果に基いて印刷を制御するようにしてもよい。
【0109】
なお、第1の実施の形態〜第6の実施の形態では、印刷パラメータが相違する場合には、印刷ジョブデータを前回受信してから予め定められた時間内に再度受信した場合に印刷指示ミスであると判断する例について説明したが、印刷ジョブデータを前回受信してから予め定められた時間内に再度受信した場合にも印刷指示ミスであると判断するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0110】
10 プリンタシステム
12 コンピュータ
14 プリンタサーバ
16 プリンタ
30 ネットワーク
34 システムバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
印刷データ、前記印刷データを識別する印刷データ識別子及び前記印刷データに基づいて印刷する際の印刷パラメータを含む印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が、前記印刷データ識別子と前記印刷パラメータとを対応させた印刷履歴を記憶する第1の記憶手段に記憶されていない場合に、前記第1の記憶手段に前記印刷ジョブデータの前記印刷履歴を記憶するように制御する第1の制御手段と、
前記印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が前記第1の記憶手段に記憶され、かつ前記第1の記憶手段に記憶された印刷パラメータと前記印刷ジョブデータの印刷パラメータとが一致していない場合に、前記第1記憶手段に記憶された印刷パラメータを警告用情報とした警告履歴を、前記印刷データ識別子と警告用情報とを対応させた警告履歴を記憶する第2の記憶手段に記憶するように制御する第2の制御手段と、
前記印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が前記第2の記憶手段に記憶されている場合に、印刷を続行するか印刷を停止するかを選択させる選択手段と、
前記選択手段の選択結果に基づいて印刷を制御する印刷制御手段と、
して機能させるための印刷管理用プログラム。
【請求項2】
前記第2の制御手段が、前記印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が前記第1の記憶手段に記憶され、かつ前記第1の記憶手段に前記印刷履歴が記憶されてから予め定められた時間経過している場合には、前記第2の記憶手段への前記警告履歴の記憶を禁止するように制御する請求項1記載の印刷管理用プログラム。
【請求項3】
前記印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が前記第1の記憶手段に記憶され、かつ前記第1の記憶手段に記憶された印刷パラメータと前記印刷ジョブデータの印刷パラメータとが一致している場合に、前記第1の記憶手段に前記印刷履歴を記憶するように制御する第3の制御手段を含む請求項1または請求項2記載の印刷管理用プログラム。
【請求項4】
前記印刷ジョブデータに含まれている特定の情報を選択不要情報として設定するか、または前記印刷ジョブデータに予め設定された情報を前記選択不要情報として付加する情報付加手段を設け、前記印刷ジョブデータに前記設定された情報が含まれているか、または前記予め設定された情報が付加されている場合には、前記選択手段が、印刷を続行するか印刷を停止するかを選択させないようにする請求項1から請求項3のいずれか1項記載の印刷管理用プログラム。
【請求項5】
前記印刷ジョブデータに含まれている特定の情報を選択不要情報として設定する情報設定手段を設け、前記印刷ジョブデータに前記設定された情報が含まれている場合には、前記選択手段が、前記第2の記憶手段を使用しないか、または前記第2の記憶手段を使用した後印刷を続行するか印刷を停止するかを提示しないようにして印刷を続行するか印刷を停止するかを選択させないようにする請求項1から請求項4のいずれか1項記載の印刷管理用プログラム。
【請求項6】
前記印刷ジョブデータに含まれている特定の情報を選択不要情報として設定する情報設定手段を設け、前記印刷ジョブデータに前記設定された情報が含まれている場合には、前記第2の制御手段が、前記警告履歴を前記第2の記憶手段に記憶しないように制御する請求項1から請求項5のいずれか1項記載の印刷管理用プログラム。
【請求項7】
印刷データを識別する印刷データ識別子と前記印刷データに基づいて印刷する際の印刷パラメータとを対応させた印刷履歴を記憶する第1の記憶手段と、
前記印刷データ識別子と警告用情報とを対応させた警告履歴を記憶する第2の記憶手段と、
前記印刷データ、前記印刷データ識別子及び前記印刷パラメータを含む印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が前記第1の記憶手段に記憶されていない場合に、前記第1の記憶手段に前記印刷ジョブデータの前記印刷履歴を記憶するように制御する第1の制御手段と、
前記印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が前記第1の記憶手段に記憶され、かつ前記第1の記憶手段に記憶された印刷パラメータと前記印刷ジョブデータの印刷パラメータとが一致していない場合に、前記第1の憶手段に記憶された印刷パラメータを警告用情報とした警告履歴を、前記第2の記憶手段に記憶するように制御する第2の制御手段と、
前記印刷ジョブデータの前記印刷データ識別子が前記第2の記憶手段に記憶されている場合に、印刷を続行するか印刷を停止するかを選択させる選択手段と、
前記選択手段の選択結果に基づいて印刷を制御する印刷制御手段と、
を含む印刷管理装置。
【請求項8】
コンピュータ、サーバ及びプリンタを備えたプリンタシステムであって、請求項7記載の印刷管理装置を前記コンピュータ、前記サーバ及び前記プリンタのいずれかに設けたプリンタシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−218265(P2010−218265A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64785(P2009−64785)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】