説明

印刷装置、印刷方法、および、プラズマディスプレイパネルの製造方法

【課題】所望の構造物に対応して基板上に塗布材料を良好に塗布できるプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】撮像部にて基板の基板マークF1〜F4を撮像して生成した印刷位置信号を画像処理装置で取得する。画像処理装置で、あらかじめ設定した基準マークの中心位置の位置情報と、各基板マークF1〜F4の中心位置の位置情報とに基づいて、位置ずれのずれ量が最も小さくなる補正位置を演算する。バス電極312a,312bなどのPDPにおける長手状の構造物に対応する印刷パターンの長手方向で、ブランケットローラによる印刷方向に対して直交する方向Bでのずれ量が他の方向Aでのずれ量より少なくなる重み付けで補正位置を演算する。基板マークF1〜F4の測定位置を補正位置へ移動する状態に基板Q1を移動させて位置決め固定し、印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に塗布材料を塗布する印刷装置、印刷方法、および、プラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばプラズマディスプレイパネルの製造において、基板に所定のパターンを印刷装置にて印刷形成する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のものは、透明電極のアライメントマークとして基板上に設けられた基板マークと、この基板にバス電極をオフセット印刷にて形成する際にバス電極のアライメントマークとして基板上に印刷される印刷マークとを、マークに対応して配設されたCCDカメラにて撮像する。そして、画像処理して、基板マークおよび印刷マークの位置関係を演算し、印刷精度を認識している。
【0003】
【特許文献1】特開2005−246904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、基板に略平行に複数印刷形成される例えばプラズマディスプレイパネルのバス電極やアドレス電極などの電極は、表示する画質の高精度化に応じて極めて幅狭に設けられる。しかしながら、電極間の幅寸法を狭く設定すると、電極の短絡を生じるなどの不具合が生じ、歩留まりが低下するおそれがある。
そして、上述した特許文献1に記載のようなブランケットローラを用いる印刷方法では、ブランケットローラの外形寸法の公差やブランケットの厚さ寸法の公差、ブランケットローラの押し込み量となる接触圧の誤差、さらには基板毎の寸法公差や熱履歴による歪み差など、各基板毎にマークの位置関係が微小ながら生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような実情などに鑑みて、所望の構造物に対応して基板上に塗布材料を良好に塗布できる印刷装置、印刷方法、および、プラズマディスプレイパネルの製造方法を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、基板上に塗布材料を塗布して長手状の構造物を形成する印刷装置であって、前記基板を位置決め載置する基板載置手段と、前記基板上に前記塗布材料を塗布する印刷手段と、前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識するマーク認識手段と、前記基板に対して前記印刷手段にて前記塗布材料を塗布する際の基準となる基準位置および前記マーク認識手段で認識した基板マークの位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記マーク認識手段により認識した前記基板マークが移動する補正位置を、前記構造物の長手方向に対して交差する方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算し、前記基板載置部による前記基板の位置決め載置状態を制御する位置ずれ制御手段と、を具備したことを特徴とした印刷装置である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、基板を位置決め載置する基板載置手段と、外周面に塗着された塗布材料を転動により前記基板上に転写して塗布する円筒状の回転体を備えた印刷手段と、前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識するマーク認識手段と、前記基板に対して前記印刷手段にて前記塗布材料を塗布する際の基準となる基準位置および前記マーク認識手段で認識した基板マークの位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記マーク認識手段により認識した前記基板マークが移動する補正位置を、前記回転体の軸方向に沿った方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算し、前記基板載置部による前記基板の位置決め載置状態を制御する位置ずれ制御手段と、を具備したことを特徴とした印刷装置である。
【0008】
請求項7に記載の発明は、基板上に塗布材料を塗布して長手状の構造物を形成する印刷方法であって、前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識する基板マーク認識工程と、この基板マーク認識工程で認識した基板マークの位置および前記基板上に対して前記塗布材料を塗布する際の基準となる基準位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記認識した基板マークが移動する補正位置を、前記構造物の長手方向に対して交差する方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算する補正位置演算工程と、この補正位置演算工程で演算した前記補正位置に前記基板マークが位置する状態に前記基板を移動させる位置決め制御工程と、この位置決め制御工程で位置決めした前記基板に前記塗布材料を塗布する印刷工程と、を実施することを特徴とする印刷方法である。
【0009】
請求項8に記載の発明は、円筒状の回転体の外周面に塗着された塗布材料を前記回転体の転動により基板上に転写して塗布する印刷方法であって、前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識する基板マーク認識工程と、この基板マーク認識工程で認識した基板マークの位置および前記基板上に対して前記塗布材料を塗布する際の基準となる基準位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記認識した基板マークが移動する補正位置を、前記回転体の軸方向に沿った方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算する補正位置演算工程と、この補正位置演算工程で演算した前記補正位置に前記基板マークが位置する状態に前記基板を移動させる位置決め制御工程と、この位置決め制御工程で位置決めした前記基板に前記塗布材料を塗布する印刷工程と、を実施することを特徴とする印刷方法である。
【0010】
請求項9に記載の発明は、基板上に塗布材料を塗布する塗布工程と、この塗布工程により塗布された前記塗布材料を焼成して前記基板上に長手状の構造物を形成する焼成工程と、を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記塗布工程は、前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識する基板マーク認識工程と、この基板マーク認識工程で認識した基板マークの位置および前記基板上に対して前記塗布材料を塗布する際の基準となる基準位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記認識した基板マークが移動する補正位置を、前記構造物の長手方向に対して交差する方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算する補正位置演算工程と、この補正位置演算工程で演算した前記補正位置に前記基板マークが位置する状態に前記基板を移動させる位置決め制御工程と、この位置決め制御工程で位置決めした前記基板に前記塗布材料を塗布する印刷工程と、を実施することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0011】
請求項10に記載の発明は、円筒状の回転体の外周面に塗着された塗布材料を前記回転体の転動により基板上に転写して塗布する塗布工程と、この塗布工程により塗布された前記塗布材料を焼成して前記基板上に長手状の構造物を形成する焼成工程と、を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記塗布工程は、前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識する基板マーク認識工程と、この基板マーク認識工程で認識した基板マークの位置および前記基板上に対して前記塗布材料を塗布する際の基準となる基準位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記認識した基板マークが移動する補正位置を、前記回転体の軸方向に沿った方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算する補正位置演算工程と、この補正位置演算工程で演算した前記補正位置に前記基板マークが位置する状態に前記基板を移動させる位置決め制御工程と、この位置決め制御工程で位置決めした前記基板に前記塗布材料を塗布する印刷工程と、を実施することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0012】
請求項11に記載の発明は、基板上に構造物の材料となる塗着材料を塗着させる塗着工程と、この塗着工程により塗着された前記塗着材料を焼成して前記基板上に前記構造物を形成する焼成工程と、を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識する基板マーク認識工程と、この基板マーク認識工程で認識した基板マークの位置および前記基板上に対して前記塗着材料を塗着する際の基準となる基準位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記認識した基板マークが移動する補正位置を、前記構造物に対して所定の一方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算する補正位置演算工程と、この補正位置演算工程で演算した前記補正位置に前記基板マークが位置する状態に前記基板を移動させる位置決め制御工程と、を実施し、この位置決め制御工程で位置決めした前記基板に前記塗着材料を塗着する前記塗着工程を実施することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0013】
請求項12に記載の発明は、基板上に形成された構造物の材料に対して、この構造物の所望のパターンに対応したパターンを有する露光マスクを介して露光を行う露光工程を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識する基板マーク認識工程と、この基板マーク認識工程で認識した基板マークの位置および前記露光マスク上に形成され前記基板上に対して露光を行う際の基準となる基準位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記認識した基板マークが移動する補正位置を、前記構造物に対して所定の一方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算する補正位置演算工程と、この補正位置演算工程で演算した前記補正位置に前記基板マークが位置する状態に前記基板を移動させる位置決め制御工程と、を実施し、この位置決め制御工程で位置決めした前記基板上の材料に対して露光を行う前記露光工程を実施することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0014】
請求項13に記載の発明は、一方の基板上に形成された第1の基板マークを、他方の基板上に形成された第2の基板マークに対して位置合わせを行うことにより、前記一方の基板と前記他方の基板との重ね合わせを行う、重ね合わせ工程を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記一方の基板上にあらかじめ設けられた複数の前記第1の基板マークを認識する第1の基板マーク認識工程と、この第1の基板マーク認識工程で認識した前記第1の基板マークの位置および前記他方の基板上にあらかじめ設けられた複数の前記第2の基板マークの位置に基づいて、前記一方の基板を移動させることで前記認識した第1の基板マークが移動する補正位置を、前記他方の基板に対して所定の一方向での前記第2の基板マークからの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記第2の基板マークに対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算する補正位置演算工程と、この補正位置演算工程で演算した前記補正位置に前記第1の基板マークが位置する状態に前記一方の基板を移動させる位置決め制御工程と、を実施し、この位置決め制御工程で位置決めした前記一方の基板を前記他方の基板に対して重ねあわせる前記重ねあわせ工程を実施することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施の形態では、表示装置の製造方法としてプラズマディスプレイパネルの製造方法を例示して説明するが、プラズマディスプレイパネルに限られるものではなく、例えば液晶パネル、有機EL(electroluminescence)パネル、FED(Field Emission Display)、電気泳動ディスプレイパネルなど、画面表示する各種表示装置を対象とすることができる。また、プラズマディスプレイパネルとして、井桁状の隔壁を備えた構成を例示するが、これに限らず、例えばストライプ状などの隔壁を備えたプラズマディスプレイパネルについても適用できる。さらには、プラズマディスプレイパネルを構成する基板に、電極であるブラックパターンおよび誘電体層の積層した構造物を形成する工程を例示して説明するが、電極パターンの形成としては、バス電極、アドレス電極、透明電極など、電極材を印刷してパターン形成する各種電極を対象とすることができる。さらには、積層構造に限られるものではなく、例えばバス電極と誘電体層とを単独の構造物としてそれぞれ形成する構成とするなどしてもよい。
【0016】
〔プラズマディスプレイパネルの構成〕
まず、製造するプラズマディスプレイパネルの概略構成について以下に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るプラズマディスプレイパネルの内部構造を示した斜視図である。図2は、プラズマディスプレイパネルを模式的に示した正面図である。図3は、図2のIII−III線における断面図である。図4は、図2のIV−IV線における断面図である。なお、これら図1ないし図4は、説明の都合上、各種電極および放電セルの寸法などが基板に対して相対的に大きい状態で示す。
【0017】
図1に示すように、100はプラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)であり、このPDP100は、例えば略平面長方形状に形成され、プラズマ放電による発光を利用して画像を表示する装置である。このPDP100は、画像表示領域を構成する放電空間Hを介して、互いに対向配置された一対の基板である背面基板200および前面基板300を備えている。
これら背面基板200および前面基板300は、それぞれの外周縁部に図示しないシールフリットが設けられて封着され、封着された空間の内部が例えば6.7×104Pa(500Torr)程度の減圧状態とされるとともに、当該空間にはHe−Xe(ヘリウム−キセノン)系やNe−Xe(ネオン−キセノン)系の不活性ガスが充填されている。
【0018】
背面基板200は、例えば、板状ガラス材にて平面長方形状に形成されている。この背面基板200の内面上には、複数の直線状の構造物としてのアドレス電極210と、これらアドレス電極210上を覆う構造物としてのアドレス電極保護層220と、アドレス電極保護層220上に設けられ放電空間Hを複数個の放電セル231に区画する井桁状の構造物としての隔壁230と、放電セル231内部に順に充填された赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体層(240R,240G,240B)と、などがそれぞれ設けられている。
具体的には、アドレス電極210は、例えばAl(アルミニウム)などにて形成され、図1および図2に示すように、背面基板200の長手方向に略直交して一定の間隔で配設されている。それぞれのアドレス電極210の一端はアドレス電極保護層220の外側に延出しており、これにより図示しないアドレス電極引出部が形成されている。そして、このアドレス電極引出部には図示しない列電極駆動部が電気的に接続され、列電極駆動部を適宜制御することにより、それぞれのアドレス電極210に電圧パルスが印加されるようになっている。
アドレス電極保護層220は、例えばガラスペーストなどにて形成され、図1、図3および図4に示すように、背面基板200の内面上におけるアドレス電極引出部を除いた略全面に亘り設けられている。このアドレス電極保護層220は、パネル駆動時において、放電によるアドレス電極210の損耗を防止するとともに、駆動に必要な電荷を蓄積する誘電体層として機能する。なお、アドレス電極保護層220の外周縁部上には前述のシールフリットが設けられている。
隔壁230は、例えばアドレス電極保護層220と同一成分の材料であるガラスペーストにて形成され略梯子状に形成されている。そして、アドレス電極保護層220上において、アドレス電極210と略直交する複数の直線状の隙間S(図3参照)をそれぞれ間に挟んで、複数並列して設けられている。この隔壁230により放電空間Hが複数に区画され、これにて複数の矩形状の放電セル231が形成されている。そして、隔壁230は、その基端部から頂部までの高さがそれぞれ所定の高さ寸法に設定されており、背面基板200と前面基板300との間隙寸法を規定する。
蛍光体層(240R,240G,240B)は、図1、図3および図4に示すように、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体ペーストが放電セル231内部に順に充填され、これが焼成されることにより形成される。これら蛍光体層(240R,240G,240B)は、それぞれの放電セル231で発生した紫外光により励起され、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の可視光を発光する。
【0019】
前面基板300は、PDP100の表示面を構成し、例えば背面基板200と同一材料にて略同一形状に形成されている。この前面基板の内面上には、図1に示すように、アドレス電極210と略直交する状態で一定の間隔で配列された複数の構造物である表示電極対310と、これら表示電極対310間にそれぞれ設けられた複数の構造物であるブラックストライプ320と、これら表示電極対310およびブラックストライプ320上を覆う誘電体層330と、この誘電体層330を覆う保護層340と、などがそれぞれ設けられている。
具体的には、表示電極対310は、図2および図3に示すように、放電ギャップG(図2参照)を介して対向する複数対の構造物としての透明電極311a,311bと、これら透明電極311a,311bの一端部に積層する一対の直線状の構造物としてのバス電極312a,312bとを備えて構成されている。
複数対の透明電極311a,311bは、図2に示すように、それぞれITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜で略T字形状に形成されており、対向する背面基板200の所定の放電セル231に一対ずつ対応して設けられている。放電ギャップGは、図2に示すように、一対の透明電極311a,311b間に形成された所定の幅寸法を有した間隙であり、この放電ギャップGにより一対の透明電極311a,311b間が電気的に遮断されている。
バス電極312a,312bは、図1に示すように、一対の透明電極311a,311bにおける放電ギャップG(図2参照)に対して反対側の端部にそれぞれ積層して設けられている。これらバス電極312a,312bのそれぞれの一端は、誘電体層330の外側に延出して、これによりバス電極引出部312c(図6参照)が形成されている。そして、このバス電極引出部312cには図示しない行電極駆動部が電気的に接続されており、この行電極駆動部を適宜制御することにより、それぞれの各透明電極311a,311bへと低抵抗で電圧パルスが印加されるようになっている。
このようなバス電極312a,312bは、図3に示すように、透明電極311a,311b上に積層して設けられたバス電極黒層313a,313bと、これらバス電極黒層313a,313bに積層して設けられた主導電層314a,314bとを備えた2層構造となっている。
ブラックストライプ320は、図2および図3に示すように、バス電極黒層313a,313bと同質の材料にて、直線状に形成されている。このブラックストライプ320およびバス電極黒層313a,313bにて、前面基板300の外方から照射された可視光が吸収されるようになっている。
バス電極黒層313a,313bおよびブラックストライプ320は、例えば黒色無機顔料などの絶縁性かつ可視光吸収性の材料にて形成されており、後述する焼成工程において黒色パターンを焼成することにより形成される。そして、ブラックストライプ320を間に挟んで隣接するバス電極黒層313aとバス電極黒層313bとは、当該ブラックストライプ320とともに絶縁距離を介して離間して一連に印刷形成されている。
主導電層314a,314bは、例えばAg(銀)を主成分とした金属材料にて形成され、後述する焼成工程において導電性パターンを焼成することにより形成される。これら主導電層314a,314bは、パネル駆動の際、主として透明電極311a,311bへの電力供給に寄与する。
【0020】
ここで、バス電極黒層313a,313bおよびブラックストライプ320を形成する際に利用される電極材である黒色パターンは、黒色無機顔料などの絶縁性かつ可視光吸収性の黒色微粒子や金属材である導電粒子、ガラス微粒子などを、樹脂に配合して混練することで調製される。また、主導電層314a,314bを形成する際に利用される電極材である導電性パターンは、金属材であるAgなどの導電性微粒子やガラス微粒子などを樹脂に配合して混練することで調製される。なお、ガラス微粒子としては、酸化鉛(PbO)系、酸化亜鉛(ZnO)系、酸化珪素(SiO2)系などが例示できる。
【0021】
誘電体層330は、図3および図4に示すように、例えばガラスペーストなどにて形成され、背面基板200のアドレス電極保護層220と対向して設けられている。この誘電体層330は、パネル駆動時において、放電による表示電極対310の損耗を防止するとともに、駆動に必要な電荷を蓄積する。
保護層340は、例えば、誘電体層330の内周面の全面を被覆するMgO(酸化マグネシウム)からなる薄膜MgO層を備えた構造となっている。薄膜MgO層は、例えば蒸着法やスパッタリング法などにより形成される。このような保護層340は、誘電体層330が放電によりスパッタリングされることを防ぐとともに、低電圧で放電を発生させるための二次電子の放出層として機能する。例えば、MgO(酸化マグネシウム)などにて形成され、誘電体層330を保護する。
【0022】
〔プラズマディスプレイパネルの製造方法〕
(印刷装置の構成)
次に、上記プラズマディスプレイパネルを製造する製造工程で利用される印刷装置の構成について説明する。
図5は、実施の形態に係る印刷装置の概略構成を示す正面図である。図6は、基板に設けられる基板マークの位置関係を示す説明図である。図7は、基板の位置ずれ状態を示す説明図である。図8は、基板が基準位置に位置する状態を示す説明図である。図9は、基板を移動させるアライメント動作を示す説明図である。
【0023】
図5において、500は印刷装置である。この印刷装置500は、上記PDP100を構成する背面基板200および前面基板300となる略矩形板状の基板Q1に、印刷版P1に形成された所定のパターンにしたがって塗布材料を転写する装置である。
この印刷装置500は、基板Q1に所定のパターンを形成する印刷部600と、基板Q1に形成されたパターンを認識するマーク認識手段としてのパターン認識部700と、などを備えている。
【0024】
印刷部600は、基板Q1を位置決め載置する基板載置手段としての基板載置部610と、印刷版P1が配設される印刷版載置部620と、印刷版P1に塗布された塗布材料を基板Q1に転写する印刷手段を構成するブランケットである回転体としてのブランケットローラ630と、印刷版P1に塗布材料を塗布する印刷手段を構成する図示しない塗布部と、印刷部600の動作を制御する位置ずれ制御手段を構成する印刷制御部640と、などを備えている。
なお、本実施の形態では、印刷部600として、図5に示すような平板状の印刷版P1を利用する構成について説明するが、ドラム式などの外周面に塗布材料が塗布される円筒状のものなど、各種印刷形態のものが利用できる。
【0025】
基板載置部610は、例えば金属などの材料により略矩形箱状に形成されている。この基板載置部610の上面は、例えば略矩形状の基板Q1が載置される載置面611とされている。この載置面611には、基板Q1の載置位置を決めるための図示しない位置決め手段が設けられている。
ここで、位置決め手段としては、載置面611から略短尺柱状に突出された例えば複数の位置決め部材や、載置面611に開口形成された吸着孔から基板Q1を吸着する吸着手段を設けた構成などが例示できるがこれに限られない。
【0026】
印刷版載置部620は、伝熱性を有する例えば金属などの材料により、基板載置部610の高さと略同一の高さを有する略矩形箱状に形成されている。この印刷版載置部620は、基板載置部610に隣接されている。印刷版載置部620の上面は、印刷版P1が載置される載置面621とされている。この載置面621には、印刷版P1の載置位置を決めるための図示しない位置決め手段が設けられている。
ここで、位置決め手段としては、基板載置部610と同様の構成の他、例えば印刷版P1の隅部に挿通された図示しないねじが螺合されるねじ孔を設けた構成などが例示できるがこれに限られない。印刷版P1は、例えば鋼板やガラス基板などの熱膨張係数α1がa×10-6m/℃の材料により、例えば基板Q1と略同一の略矩形状に形成されている。
【0027】
ブランケットローラ630は、例えばゴムなどの材料により略円柱状に形成されている。このブランケットローラ630は、図示しない印刷ヘッダにより、印刷版載置部620の上方に配設される状態に、かつ、軸方向が印刷版載置部620から基板載置部610にかけての方向R1(以下、印刷方向R1と称す)と略直交する状態に回転軸を有する状態に保持されている。
このブランケットローラ630は、印刷ヘッダにより軸を中心に適宜回転されるとともに、印刷方向R1およびこの印刷方向R1と反対の方向R2(以下、退行方向R2と称す)に適宜移動される。
【0028】
塗布部は、例えば略円柱状に形成されている。この塗布部の円周面には、図示しない供給部により任意の厚さの塗布材料が適宜塗布される。
塗布部は、印刷ヘッダにより、例えばブランケットローラ630の退行方向R2側に配設される状態に、かつ、軸方向がブランケットローラ630の軸方向と略一致する状態に保持されている。この塗布部は、印刷ヘッダにより軸を中心に適宜回転される。
【0029】
印刷制御部640は、基板載置部610やブランケットローラ630、塗布部などの動作を制御することにより印刷を適宜実施する。
具体的には、印刷制御部640は、パターン認識部700からの信号に基づいて、基板載置部610を制御して基板Q1の位置を位置決めする。
また、印刷制御部640は、供給部を制御して塗布部へ塗布材料を塗布する。そして、印刷ヘッダを印刷版P1の退行方向R2側から印刷方向R1へ移動させ、塗布部を印刷版P1に接触させた状態で回転移動させる。これにより、塗布部に塗布されていた塗布材料が印刷版P1に塗布される。次に、印刷ヘッダを、ブランケットローラ630および塗布部が印刷版P1に接触しない状態で印刷版P1の退行方向R2側へ移動させる。この後、供給部により塗布部に塗布材料を塗布する。
そして、印刷制御部640は、印刷ヘッダを印刷方向R1へ移動させ、ブランケットローラ630を印刷版P1に接触させた状態で回転移動させるとともに、塗布部を印刷版P1に接触させた状態で回転移動させる。これにより、印刷版P1に塗布されていた塗布材料が、印刷版P1に形成されたパターンにしたがってブランケットローラ630に担持(転写)される。また、塗布部に塗布されていた塗布材料が印刷版P1に塗布される。この後、印刷制御部640は、印刷ヘッダをさらに印刷方向R1へ移動させ、ブランケットローラ630を透明電極311a,311bおよび基板マークF1,F2,F3,F4(図6参照)が印刷されている基板Q1に接触させた状態で回転移動させる。これにより、ブランケットローラ630に担持されていた塗布材料が基板Q1に転写される。なお、基板マークF1〜F4は、図6に示すように、画像表示に影響しない基板Q1の四隅近傍に設けられる。また、図6は、説明の都合上、バス電極312a,312b、基板マークF1〜F4を相対的に大きく示す。
【0030】
パターン認識部700は、基板Q1に印刷された基板マークF1〜F4を撮像する撮像部710と、撮像部710にて撮像した基板マークF1〜F4の位置などを認識する位置ずれ制御手段を構成する画像処理装置720と、などを備えている。
撮像部710は、画像処理装置720に各種情報が送受信可能に接続されている。この撮像部710は、基板マークF1〜F4にそれぞれ対応して、4つのCCD(Charge-Coupled Device)カメラ711,712,713,714を備えている。CCDカメラ711は基板載置部610の上方における基板マークF1に対応する位置、CCDカメラ712は基板マークF2に対応する位置、CCDカメラ713は基板マークF3に対応する位置、CCDカメラ714は基板マークF4に対応する位置に配設されている。そして、各CCDカメラ711〜714は、画像処理装置720の制御により、基板Q1に印刷された対応する基板マークF1〜F4をそれぞれ撮像し、対応する位置情報を有する印刷位置信号Sp1〜Sp4をそれぞれ生成して画像処理装置720へ出力する。
なお、ここでは、撮像部710にCCDカメラ711〜714を設けた構成について例示したが、これに限らず、例えば以下のような構成などとしてもよい。すなわち、CCDカメラ711,713のみを設け、このCCDカメラ711,713を移動させて各基板マークF1〜F4を撮像することにより、これらに関する印刷位置情報が記載された印刷位置信号Sp1〜Sp4を生成する構成などとしてもよい。
【0031】
画像処理装置720は、印刷制御部640に各種情報が送受信可能に接続されている。この画像処理装置720は、撮像部710からの印刷位置信号Sp1〜Sp4に基づいて、基板Q1を印刷位置に位置決めするための補正情報が記載された補正制御信号Sseを生成する。
すなわち、画像処理装置720は、撮像部710から印刷位置信号Sp1〜Sp4を取得する。そして、印刷位置信号Sp1〜Sp4に記載された印刷位置情報に基づいて、例えば、図7および図8に示すようなあらかじめ設定された位置情報である基準マークG1〜G4の中心位置の位置情報と、各基板マークF1〜F4の中心位置の位置情報との位置ずれを演算し、位置ずれのずれ量が最も小さくなる補正位置を演算する。そして、画像処理装置720は、基板マークF1〜F4が補正位置になるように基板Q1を移動させて位置決めするための補正情報を演算して補正制御信号Sseを生成し、印刷制御部640へ出力する。
ここで、基準マークG1〜G4の位置に関する情報は、例えば図示しない記憶手段などにあらかじめ設定される。そして、印刷装置500は、この基準マークG1〜G4を基準として、塗布材料がパターン印刷(形成)される。すなわち、基準マークG1〜G4の位置を基準として、パターン形成(印刷)位置、例えば印刷開始の位置が決められる。
なお、図7および図8は、説明の都合上、基板マークF1〜F4、基準マークG1〜F4を相対的に大きく示す。また、あらかじめ位置情報などを記憶しておく構成に限らず、例えば基板マークG1〜G4が基板載置部610上に物理的に設けられた形態とするなどしてもよい。
【0032】
この画像処理装置720における演算として、例えば、基板載置部610の位置決め手段が、基板Q1の基準位置に基板Q1を移動させて位置決めする動作、すなわちアライメント動作として、図9に示すように、x軸方向、y軸方向および回転角度にて制御する機構である場合を例示する。なお、この演算方法に限られるものではなく、少なくとも印刷方向に対して交差する方向に2カ所とこれら2カ所に対して印刷方向側に位置する1カ所の少なくとも3カ所に設けられた基板マークF1〜F4に基づいて、印刷方向に対して交差する方向での基準位置に対する位置ずれ量が印刷方向での基準位置に対する位置ずれ量より少なくなる重み付けで演算するいずれの方法が適用できる。
この図9に示すアライメント動作を実施する機構では、その動作は、以下の数1に示すように、一般的に行列式(1)で表される。なお、この数1に示す行列式(1)において、Mi(Mxi,Myi)は測定した基板マークF1〜F4の測定位置、Tは変換式、Pi(Pxi,Pyi)はアライメント動作後の補正位置である。
【0033】
【数1】

【0034】
この行列式(1)で表されるアライメント動作において、変換式Tにおけるx,y,θを求めることにより基板Q1が位置合わせできるが、例えば基板Q1の歪みや寸法誤差などにより、基板マークF1〜F4の位置情報である測定位置Miは誤差を含んでいる。このため、基準位置となる基準マークG1〜G4の位置をP0(Px0,Py0)とすると、アライメント動作後に基板マークF1〜F4が移動される補正後の補正位置Piは、事実上、基準マークG1〜G4の位置情報である基準位置P0に一致しない。
このことにより、基準位置P0と補正位置Piとのずれ量が最小となるように、位置合わせ精度がより高く要求されるアライメント動作方向におけるずれ量を小さくする重み付けで、以下の数2に示す式(2)に基づいて演算する。なお、この式(2)において、eはずれ量の総和、k1,k2は重み付け係数(k≦1)である。
【0035】
【数2】

【0036】
この式(2)において、重み付けは、塗布材料を転写するブランケットローラ630の転動方向となる印刷方向に対して交差する方向、例えば図9におけるy軸方向でのずれ量が小さくなる重み付け係数に設定する。すなわち、ブランケットローラ630の軸方向では転写による誤差は生じにくいので、ブランケットローラ630の軸方向となる例えば図6に示すバス電極312a,312bなどの長手方向に対して交差する幅方向におけるB方向で、y軸方向に対応する重み付け係数k2の値を大きく設定することで、y軸方向でのずれ量が小さくなる重み付けとなる。
そして、PDP100の電極形成の場合、長手方向の誤差は短手方向の誤差に対して許容範囲が大きい。すなわち、長手方向の場合、多少ずれても電極引出部の長さが変化するだけであり、放電セル231内に対応して電極が適切に形成されているのであれば、製品性能としての影響はほとんど無い。一方、短手方向の場合、多少のずれであっても放電セル231において本来あるべき位置からずれることとなり、このずれにより、駆動マージンなどの製品性能に大きな影響を及ぼすこととなる。
このように、各基板マークF1〜F4についての位置情報にて式(2)に基づいて演算するずれ量の総和が最小となるように、変換式Tにおけるx,y,θを補正情報として求める。そして、画像処理装置720は、求めたx,y,θで基板Q1を移動させる状態の制御信号とした補正制御信号Sseを生成する。
【0037】
(印刷動作)
次に、上述した構成のPDP100Kの製造方法として、上記印刷装置500を用いて前面基板300を製造する工程における塗布工程について説明する。
なお、本実施の形態では、印刷装置500を用いて基板Q1にバス電極312a,312bを印刷形成する工程を例示するが、例えば背面基板200のアドレス電極210を印刷する際など、背面基板200や前面基板300を製造する際に基板Q1に塗布材料を塗着する印刷時に基板Q1を位置決めするいずれの製造工程で適用できる。
【0038】
まず、印刷装置500は、図5に示すように、透明電極311a,311bおよび基板マークF1〜F4が形成され基板載置部610上に搬送された基板Q1を、位置決め手段にて位置決めし、基板載置部610上に載置する。
そして、印刷装置500は、基板マーク認識工程を実施する。すなわち、印刷装置500は、パターン認識部700の撮像部710により、基板Q1に形成された基板マークF1〜F4を撮像する。撮像部710は、撮像した基板マークF1〜F4に関する印刷位置情報を生成して印刷位置信号Sp1〜Sp4を画像処理装置720へ出力する。
この後、印刷装置500は、補正位置演算工程を実施する。すなわち、画像処理装置720は、撮像部710からの印刷位置信号Sp1〜Sp4に記載された印刷位置情報に基づいて、あらかじめ設定された位置情報である基準マークG1〜G4の中心位置の位置情報と、各基板マークF1〜F4の中心位置の位置情報とから、上述した式1および式2を利用して、バス電極312a,312bなどのPDP100における長手状の構造物に対応する印刷パターンの長手方向となる印刷方向に対して直交する方向でのずれ量が少なくなる重み付けで、補正位置Piを演算する。そして、基板マークF1〜F4の測定位置Miを補正位置Piにするためのアライメント動作のx,y,θを演算し、補正制御信号Sseを生成し、補正制御信号Sseを印刷制御部640へ出力する。
【0039】
そして、印刷装置500は、位置決め制御工程を実施する。すなわち、補正制御信号Sseを取得した印刷制御部640は、基板載置部610の位置決め手段を制御し、補正制御信号Sseに記載された補正情報に基づいて基板Q1を適宜移動させ、誤差が小さい最適な印刷位置に位置決めさせる。すなわち、図7に示す状態から図8に示す状態に、xのアライメント動作となるA方向、yのアライメント動作となるB方向、および、θのアライメント動作となる角度θ分の回転移動により、基板Q1を移動させて位置決めする。
この後、印刷装置500は、印刷工程を実施する。すなわち、バス電極312a,312bの印刷、例えばオフセット印刷を実施する。
これら印刷された塗布材料を後工程における焼成工程で焼成することで、バス電極312a,312bが基板Q1上に構築される。
【0040】
〔プラズマディスプレイパネルの製造方法の作用効果〕
上述したように、上記実施の形態では、基板マーク認識工程で、基板載置部610にて位置決め載置する基板Q1上にあらかじめ設けられた複数の基板マークF1〜F4をパターン認識部700により認識、すなわち撮像部710にて基板Q1の基板マークF1〜F4を撮像して生成した印刷位置信号Sp1〜Sp4を画像処理装置720で取得する。この後、補正位置演算工程で、画像処理装置720は、あらかじめ設定された位置情報である基準マークG1〜G4の中心位置の位置情報と、各基板マークF1〜F4の中心位置の位置情報とに基づいて、位置ずれのずれ量が最も小さくなる補正位置を演算する。すなわち、アドレス電極210やバス電極312a,312bなどのPDP100における長手状の構造物に対応する印刷パターンの長手方向であり、ブランケットローラ630の転動方向である回転方向となる印刷方向に対して直交する方向(図6ないし図8中の方向B)でのずれ量が他の方向(図6ないし図8中の方向A)でのずれ量より少なくなる重み付けで、ずれ量の総和が小さくなる補正位置Piを演算する。そして、画像処理装置720は、例えば図9に示すように、アライメント動作がx軸方向、y軸方向および回転方向である場合に、上述した行列式(1)および式(2)に基づいて基板マークF1〜F4の測定位置Miを補正位置Piへ移動させるアライメント動作のx,y,θを演算し、補正制御信号Sseを生成する。この後、位置決め制御工程で、画像処理装置720にて演算し生成した補正制御信号Sseに基づいて、印刷制御部640により、基板載置部610の位置決め手段にて基板Q1を移動させて位置決め固定する。そして、印刷工程で、基板Q1に塗布材料を所定のパターンで印刷する。
このため、アドレス電極210やバス電極312a,312bなどの特にPDP100における長手状の構造物を形成するために印刷するパターン、すなわち短絡による不備が生じずに良好な画像精度を得るための大きな要因の一つである構造物間のピッチ方向となる構造物の長手方向に対して直交する方向で、他の方向より基準位置P0に対してずれ量が小さくなる重み付けとしているので、単なる基準位置P0に対するずれ量の総和が小さくなるように演算する場合に比して、良好に精度の高い構造物を形成するためのパターン印刷が得られる。したがって、歩留まりも向上し、安定した特性のPDP100を提供できる。
【0041】
特に、オフセット印刷など、ブランケットローラ630などの回転体を用いて転写することによりパターン印刷する場合では、回転体の軸方向では印刷方向となる転動方向より精度良くパターン印刷できることから、この回転体の軸方向でのずれ量が少なくなる重み付けで基板Q1を位置決めすることで、良好に精度の高い構造物を形成するためのパターン印刷が容易に得られる。
また、オフセット印刷では、回転体にて転写する構成であることから、高精度に形成した版にてパターン印刷が、現像液などを用いることなく安定して容易にできるので、特にオフセット印刷において、有効である。
さらに、PDP100の各電極などの構造物を形成するためのパターンを印刷する構成、すなわちガラス材料や導電材料などを含有する塗布材料を印刷する構成では、インクジェット方式などのような塗布材料を吹き付ける構成として粘度などにより塗布材料の調製が困難な場合でも、オフセット印刷では良好に印刷できることから好ましい。
また、PDP100の各電極などの構造物を形成するためのパターンを印刷する構成に有効である。すなわち、印刷後に塗布材料を焼成して電極などの構造物を形成する構成では、ガラス材料や導電材料などを含有する塗布材料を印刷するので、構造物間のピッチ方向で特に高精度が要求されることから、特にこのような構造物を形成するための印刷に好適である。
【0042】
〔実施の形態の変形〕
なお、本発明は、上述した実施の一形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0043】
すなわち、プラズマディスプレイパネルとしては井桁状の構成に限らず、ストライプ状など、ガラス基板上に構造物を形成する各種構成を対象とすることができる。また、製造方法として、バス電極312a,312bを形成する構成を例示したが、アドレス電極210、透明電極311a,311bなど、他の電極などを形成する構成にも適用できる。さらには、プラズマディスプレイパネルを例示したが、上述したように、焼成しない構成となる液晶パネルやELパネルなどの特に高精度が要求される各種表示装置を対象とすることができる。
また、オフセット印刷などの回転体を転動して転写する構成を例示したが、例えばインクジェット方式などの他の印刷方法でも適用できる。例えばインクジェット方式の場合でも、印刷方向に対して交差する方向にノズル孔を複数開口したヘッドを配設する構成では、ノズル孔が配列する方向では高精度が得られることから、印刷方向に対して交差する方向で位置ずれ量が少なくなる重み付けで演算すればよい。
【0044】
また、電極形成に限らず、例えば隔壁230を形成する際の位置合わせなどにも適用できる。
すなわち、隔壁230の凹凸形状の逆の凹凸形状の成形型に、隔壁230の材料となる塗布材料であるリブ材を充填する。この後、成形型を基板Q1上に押し当て、リブ材を基板Q1上に転写する。この塗着工程後に焼成工程を経て基板Q1上に隔壁230を形成する構成にも適用できる。
具体的には、成形型を基板Q1上に押し当てる際に、本発明における位置合わせの処理を実施すればよい。この成形型に、本発明の基準位置となるアライメントマークを設け、このアライメントマークを基板Q1上に設けられた基板マークに位置合わせを行うことで、基板Q1上の所定の位置に、リブ材が転写されることとなる。この位置合わせの際、所定の一方向に対するずれ量の重み付けを大きくして位置合わせする。
例えば、ストライプ形状の隔壁230を設ける場合、ストライプ形状のパターンに平行な方向(すなわち、アドレス電極210に平行な方向)については、多少のずれ誤差があったとしても、上述したように、製品性能上に影響がでない。一方、ストライプ形状のパターンに垂直な方向は、ずれ誤差により、その前に基板Q1上に形成されているアドレス電極210に離れたり、近寄ったりすることとなる。このことにより、駆動マージンなどの製品性能に影響を及ぼすこととなるので、ストライプ形状のパターンに対して垂直な方向のずれが小さくなるように、重み付けを行って位置合わせを実施する。
また、ストライプ形状の隔壁230に限らず、上述したように、井桁状の隔壁230でも、PDP100全体の構造上、ずれに対して製品性能上、影響が大きい方向のずれを小さくする重み付けで位置合わせを実施すればよい。さらに、製品性能上に限らず、製法上でも、ずれ誤差への影響を考慮して、一方向に対してその方向のずれを小さくするように、重み付けを実施することができる。
【0045】
さらに、例えばPDP100の電極形成や蛍光体形成の際などに用いられる製法であるスクリーン印刷などにおいても、本発明の位置合わせを適用できる。
すなわち、スクリーン印刷の場合、スクリーンを用いてダミー基板に1回試し印刷を実施する。そして、ダミー基板上に印刷したアライメントマーク(基準マーク)の位置を印刷装置で基準位置として記憶する。そして、記憶したアライメントマークの位置に対して、実際に印刷する基板Q1上の基板マークと、上述したように、一方向に対するずれ量の重み付けを大きくして位置合わせを実施し、パターン印刷すればよい。
一例として、電極形成における長手方向のずれに対する、製品性能上において許容範囲が大きい点は、上述したオフセット印刷の場合と同様である。
また、蛍光体印刷では、隔壁230がストライプ形状である場合、ストライプリブのパターンに平行な方向については、多少のずれ誤差が生じても製品性能上であまり影響がないが、ストライプリブのパターンに垂直な方向では、ずれ誤差により、リブ頂に蛍光体が印刷されてしまったり、逆に放電セル231内に所望の蛍光体が印刷されなかったりするなどの不都合が生じ、製品性能に影響を及ぼすおそれがある。このため、ストライプリブのパターンに対して垂直な方向のずれが小さくなるように、この方向でのずれの重み付けを大きく設定して位置合わせを実施すればよい。
なお、ストライプリブに限らず、井桁リブであっても、パネル全体の構造上、ずれに対して製品性能上で影響が大きい方向が合った場合、その方向のずれを小さくするように、重み付けを設定すればよい。また、製品性能上に限らず、製法上でもずれ誤差への影響を考慮して、一方向に対してその方向のずれを小さくするように、その方向での重み付けを大きく設定すればよい。
【0046】
また、例えばPDP100の電極パターニングの際などに用いられる製法である露光パターニングなどにおいても、本発明の位置合わせを適用できる。
すなわち、電極の材料となる電極材料を一面に形成された基板Q1に対して、電極パターンに対応した露光マスクを介して露光し、電極材料やレジストなどを感光させる露光工程を実施する。この露光工程後に現像工程を経て電極材料を所定の電極パターンにパターニングする。この露光工程において、露光マスクと基板Q1との位置合わせの際、上述した本発明と同様の処理を実施すればよい。
具体的には、露光マスクに基準位置に該当するアライメントマークを設け、基板Q1上に設けた基板マークと位置合わせし、基板上の所定の位置が受光または遮光されるように調整する。この位置合わせの際に、一方向に対するずれ量の重み付けを大きく設定すればよい。
一例として、電極形成における長手方向のずれに対する、製品性能上において許容範囲が大きい点では、上述したオフセット印刷などの場合と同様で、製品性能上に限らず、製法上でもずれ誤差への影響を考慮して、一方向に対してその方向のずれを小さくするように重み付けを設定すればよい。
【0047】
さらには、例えばPDP100の製造工程において、基板Q1上に所定の全ての構造物を形成した後に、前面基板300と背面基板200とを所望の相対位置で位置合わせを実施、いわゆる重ね合わせ工程でも、本発明の位置合わせを適用できる。
すなわち、重ね合わせ工程では、前面基板300に形成された第1の基板マークであるアライメントマークと、背面基板に形成された第2の基板マークであるアライメントマークとを位置合わせする際に、本発明の位置合わせ処理を実施すればよい。なお、この位置合わせの際、前面基板300と背面基板200とにおいて、いずれか一方が第1の基板マークでいずれか他方が第2の基板マークとすればよい。すなわち、前面基板300の基板マークと背面基板200の基板マークとのいずれか一方を本発明における基板マークとし、いずれか他方を基準位置(基準マーク)として位置合わせの処理を実施すればよい。この重ね合わせ処理における位置合わせでも、一方向に対するずれ量の重み付けを大きくして位置合わせをすればよい。
一例として、ストライプ形状の隔壁230の場合、ストライプリブのパターンに平行な方向については、多少の重ねずれ誤差が生じても製品性能上にあまり影響がない。一方、ストライプリブのパターンに垂直な方向では、重ねずれ誤差により、前面基板300に形成された透明電極311a,311bが、背面基板200に形成された隔壁230に近寄ったり離れたりして、駆動マージンなどの製品性能に影響を及ぼすおそれがある。このため、ストライプリブのパターンに対して垂直な方向のずれが小さくなるように、重み付けを大きく設定して位置合わせを実施すればよい。
この重ね合わせ工程でも、ストライプ形状に限らず、井桁形状であっても、パネル全体の構造上、ずれに対して製品性能上で影響が大きい方向が合った場合、その方向のずれを小さくするように、重み付けを設定すればよい。また、製品性能上に限らず、製法上でもずれ誤差への影響を考慮して、一方向に対してその方向のずれを小さくするように、その方向での重み付けを大きく設定すればよい。
【0048】
また、演算方法として、図9に示すようなアライメント動作における補正位置を演算する方法を例示したが、この演算方法に限らず、いずれの演算方法を利用できる。
例えば、図10に示すように、アライメント動作として、x軸方向、y1軸方向、y2軸方向の3軸の場合では、以下の式(3)で表される。
〔数式〕
tanθ=(y2−y1)/L …(3)
L:y1とy2とのピッチ距離
したがって、上記実施形態と同様に、長手状の構造物に対応する印刷パターンの長手方向、ブランケットローラ630の転動方向である回転方向となる印刷方向に対して直交する方向でのずれ量が他の方向のずれ量より少なくなる重み付けで、ずれ量の総和が小さくなる補正位置Piを演算し、x量、y1量、y2量を演算すればよい。
【0049】
さらに、印刷装置500として一体構成に限らず、例えば印刷装置に上記位置決めのための演算構成を配設して印刷装置500を構成できる演算装置や制御装置の形態としてもよい。
【0050】
また、図6ないし図8に示すように、基板マークF1〜F4を4カ所に設け、対応して基準マークG1〜G4をあらかじめ例えば記憶手段に記憶しておくなどにより設定した構成を例示したが、例えば基板マークF4がない3カ所としてもよい。さらには、基板マークF1〜F3のみの構成において、基板マークF3の位置として、上記実施形態における基板マークF3および基板マークF4間の中間に位置する状態としてもできる。さらには、図11に示すように、基板マークF1および基板マークF4の代わりに中間位置の基板マークF5を設ける構成としてもよい。
また、他の構造物との影響が無い場合には、例えば、図12に示すように、基板マークF1および基板マークF4の代わりに対角線の交差する位置に基板マークF6を設けたり、図13に示すように、対角線にて形成される三角形の重心位置に基板マークF7〜F9を設ける構成としてもよい。すなわち、長手状の構造物に対応する印刷パターンの長手方向に対して交差する方向、特に直交する方向、あるいは、回転体の転動方向である回転方向となる印刷方向に対して直交する方向でのずれ量が他の方向のずれ量より少なくなる重み付けで、ずれ量の総和が小さくなる補正位置Piを演算できる3カ所以上に基板マークを設ければよい。
なお、他の方向としては、重み付けを持たせる方向に対して直交する方向が演算精度上で好ましい。また、表示装置のパネルを構成する基板に印刷する場合では、基板Q1の周縁、特に角近傍に基板マークを設けることが好ましい。
【0051】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【0052】
〔実施の形態の効果〕
上述したように、基板マーク認識工程で、基板載置部610にて位置決め載置する基板Q1上にあらかじめ設けられた複数の基板マークF1〜F4をパターン認識部700により認識、すなわち撮像部710にて基板Q1の基板マークF1〜F4を撮像して生成した印刷位置信号Sp1〜Sp4を画像処理装置720で取得する。この後、補正位置演算工程で、画像処理装置720は、あらかじめ設定された位置情報である基準マークG1〜G4の中心位置の位置情報と、各基板マークF1〜F4の中心位置の位置情報とに基づいて、位置ずれのずれ量が最も小さくなる補正位置を演算する。すなわち、アドレス電極210やバス電極312a,312bなどのPDP100における長手状の構造物に対応する印刷パターンの長手方向であり、ブランケットローラ630の転動方向である回転方向となる印刷方向に対して直交する方向(図6ないし図8中の方向B)でのずれ量が他の方向(図6ないし図8中の方向A)でのずれ量より少なくなる重み付けで、ずれ量の総和が小さくなる補正位置Piを演算する。そして、画像処理装置720は、例えば図9に示すように、アライメント動作がx軸方向、y軸方向および回転方向である場合に、上述した行列式(1)および式(2)に基づいて基板マークF1〜F4の測定位置Miを補正位置Piへ移動させるアライメント動作のx,y,θを演算し、補正制御信号Sseを生成する。この後、位置決め制御工程で、画像処理装置720にて演算し生成した補正制御信号Sseに基づいて、印刷制御部640により、基板載置部610の位置決め手段にて基板Q1を移動させて位置決め固定する。そして、印刷工程で、基板Q1に塗布材料を所定のパターンで印刷する。
このため、アドレス電極210やバス電極312a,312bなどの特にPDP100における長手状の構造物を形成するために印刷するパターン、すなわち短絡による不備が生じずに良好な画像精度を得るための大きな要因の一つである構造物間のピッチ方向となる構造物の長手方向に対して直交する方向で、他の方向より基準位置P0に対してずれ量が小さくなる重み付けとしているので、単なる基準位置P0に対するずれ量の総和が小さくなるように演算する場合に比して、良好に精度の高い構造物を形成するためのパターン印刷を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明における一実施の形態に係るプラズマディスプレイパネルの内部構造を示した斜視図である。
【図2】前記一実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルを模式的に示した正面図である。
【図3】図2のIII−III線における断面図である。
【図4】図2のIV−IV線における断面図である。
【図5】前記一実施の形態における印刷装置の概略構成を示す正面図である。
【図6】前記一実施の形態における基板に設けられる基板マークの位置関係を示す説明図である。
【図7】前記一実施の形態における基板の位置ずれ状態を示す説明図である。
【図8】前記一実施の形態における基板が基準位置に位置する状態を示す説明図である。
【図9】前記一実施の形態における基板を移動させるアライメント動作を示す説明図である。
【図10】本発明における他の実施の形態に係る基板を移動させるアライメント動作を示す説明図である。
【図11】本発明におけるさらに他の実施の形態に係る基板に設けられる基板マークの位置関係を示す説明図である。
【図12】本発明におけるさらに他の実施の形態に係る基板に設けられる基板マークの位置関係を示す説明図である。
【図13】本発明におけるさらに他の実施の形態に係る基板に設けられる基板マークの位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0054】
100………プラズマディスプレイパネル(PDP)
200………基板である背面基板
210………構造物であるアドレス電極
220………構造物であるアドレス電極保護層
230………構造物である隔壁
300………基板である前面基板
311a,311b…構造物である透明電極
312a,312b…構造物であるバス電極
320………構造物であるブラックストライプ
Q1………基板
500………印刷装置
610………基板載置手段としての基板載置部
630………印刷手段を構成する回転体としてのブランケットローラ
640………位置ずれ制御手段を構成する印刷制御部
700………マーク認識手段としてのパターン認識部
720………位置ずれ制御手段を構成する画像処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に塗布材料を塗布して長手状の構造物を形成する印刷装置であって、
前記基板を位置決め載置する基板載置手段と、
前記基板上に前記塗布材料を塗布する印刷手段と、
前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識するマーク認識手段と、
前記基板に対して前記印刷手段にて前記塗布材料を塗布する際の基準となる基準位置および前記マーク認識手段で認識した基板マークの位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記マーク認識手段により認識した前記基板マークが移動する補正位置を、前記構造物の長手方向に対して交差する方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算し、前記基板載置部による前記基板の位置決め載置状態を制御する位置ずれ制御手段と、
を具備したことを特徴とした印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記印刷手段は、外周面に塗着された前記塗布材料を転動により前記基板上に転写して塗布する円筒状の回転体を備え、
前記位置ずれ制御手段は、前記回転体の軸方向に沿った方向での位置ずれ量が小さくなる重み付けで前記補正位置を演算する
ことを特徴とした印刷装置。
【請求項3】
基板を位置決め載置する基板載置手段と、
外周面に塗着された塗布材料を転動により前記基板上に転写して塗布する円筒状の回転体を備えた印刷手段と、
前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識するマーク認識手段と、
前記基板に対して前記印刷手段にて前記塗布材料を塗布する際の基準となる基準位置および前記マーク認識手段で認識した基板マークの位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記マーク認識手段により認識した前記基板マークが移動する補正位置を、前記回転体の軸方向に沿った方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算し、前記基板載置部による前記基板の位置決め載置状態を制御する位置ずれ制御手段と、
を具備したことを特徴とした印刷装置。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷装置であって、
前記印刷手段は、前記基板上に形成する長手状の構造物に対応して前記回転体の転動方向に沿った長手状に前記塗布材料を塗布する
ことを特徴とした印刷装置。
【請求項5】
請求項1、請求項2および請求項4のうちのいずれかに記載の印刷装置であって、
前記印刷手段は、前記基板上に塗布される塗布材料の焼成により前記構造物となるパターンを印刷する
ことを特徴とした印刷装置。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷装置であって、
前記印刷手段は、プラズマディスプレイパネルを構成する前記構造物となるパターンを印刷する
ことを特徴とした印刷装置。
【請求項7】
基板上に塗布材料を塗布して長手状の構造物を形成する印刷方法であって、
前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識する基板マーク認識工程と、
この基板マーク認識工程で認識した基板マークの位置および前記基板上に対して前記塗布材料を塗布する際の基準となる基準位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記認識した基板マークが移動する補正位置を、前記構造物の長手方向に対して交差する方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算する補正位置演算工程と、
この補正位置演算工程で演算した前記補正位置に前記基板マークが位置する状態に前記基板を移動させる位置決め制御工程と、
この位置決め制御工程で位置決めした前記基板に前記塗布材料を塗布する印刷工程と、を実施する
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項8】
円筒状の回転体の外周面に塗着された塗布材料を前記回転体の転動により基板上に転写して塗布する印刷方法であって、
前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識する基板マーク認識工程と、
この基板マーク認識工程で認識した基板マークの位置および前記基板上に対して前記塗布材料を塗布する際の基準となる基準位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記認識した基板マークが移動する補正位置を、前記回転体の軸方向に沿った方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算する補正位置演算工程と、
この補正位置演算工程で演算した前記補正位置に前記基板マークが位置する状態に前記基板を移動させる位置決め制御工程と、
この位置決め制御工程で位置決めした前記基板に前記塗布材料を塗布する印刷工程と、を実施する
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項9】
基板上に塗布材料を塗布する塗布工程と、この塗布工程により塗布された前記塗布材料を焼成して前記基板上に長手状の構造物を形成する焼成工程と、を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
前記塗布工程は、
前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識する基板マーク認識工程と、
この基板マーク認識工程で認識した基板マークの位置および前記基板上に対して前記塗布材料を塗布する際の基準となる基準位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記認識した基板マークが移動する補正位置を、前記構造物の長手方向に対して交差する方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算する補正位置演算工程と、
この補正位置演算工程で演算した前記補正位置に前記基板マークが位置する状態に前記基板を移動させる位置決め制御工程と、
この位置決め制御工程で位置決めした前記基板に前記塗布材料を塗布する印刷工程と、を実施する
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項10】
円筒状の回転体の外周面に塗着された塗布材料を前記回転体の転動により基板上に転写して塗布する塗布工程と、この塗布工程により塗布された前記塗布材料を焼成して前記基板上に長手状の構造物を形成する焼成工程と、を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
前記塗布工程は、
前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識する基板マーク認識工程と、
この基板マーク認識工程で認識した基板マークの位置および前記基板上に対して前記塗布材料を塗布する際の基準となる基準位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記認識した基板マークが移動する補正位置を、前記回転体の軸方向に沿った方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算する補正位置演算工程と、
この補正位置演算工程で演算した前記補正位置に前記基板マークが位置する状態に前記基板を移動させる位置決め制御工程と、
この位置決め制御工程で位置決めした前記基板に前記塗布材料を塗布する印刷工程と、を実施する
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項11】
基板上に構造物の材料となる塗着材料を塗着させる塗着工程と、この塗着工程により塗着された前記塗着材料を焼成して前記基板上に前記構造物を形成する焼成工程と、を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識する基板マーク認識工程と、
この基板マーク認識工程で認識した基板マークの位置および前記基板上に対して前記塗着材料を塗着する際の基準となる基準位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記認識した基板マークが移動する補正位置を、前記構造物に対して所定の一方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算する補正位置演算工程と、
この補正位置演算工程で演算した前記補正位置に前記基板マークが位置する状態に前記基板を移動させる位置決め制御工程と、を実施し、
この位置決め制御工程で位置決めした前記基板に前記塗着材料を塗着する前記塗着工程を実施する
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項12】
基板上に形成された構造物の材料に対して、この構造物の所望のパターンに対応したパターンを有する露光マスクを介して露光を行う露光工程を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
前記基板上にあらかじめ設けられた複数の基板マークを認識する基板マーク認識工程と、
この基板マーク認識工程で認識した基板マークの位置および前記露光マスク上に形成され前記基板上に対して露光を行う際の基準となる基準位置に基づいて、前記基板を移動させることで前記認識した基板マークが移動する補正位置を、前記構造物に対して所定の一方向での前記基準位置からの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記基準位置に対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算する補正位置演算工程と、
この補正位置演算工程で演算した前記補正位置に前記基板マークが位置する状態に前記基板を移動させる位置決め制御工程と、を実施し、
この位置決め制御工程で位置決めした前記基板上の材料に対して露光を行う前記露光工程を実施する
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項13】
一方の基板上に形成された第1の基板マークを、他方の基板上に形成された第2の基板マークに対して位置合わせを行うことにより、前記一方の基板と前記他方の基板との重ね合わせを行う、重ね合わせ工程を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
前記一方の基板上にあらかじめ設けられた複数の前記第1の基板マークを認識する第1の基板マーク認識工程と、
この第1の基板マーク認識工程で認識した前記第1の基板マークの位置および前記他方の基板上にあらかじめ設けられた複数の前記第2の基板マークの位置に基づいて、前記一方の基板を移動させることで前記認識した第1の基板マークが移動する補正位置を、前記他方の基板に対して所定の一方向での前記第2の基板マークからの位置ずれ量が他の方向での位置ずれ量より小さくなる重み付けで前記第2の基板マークに対して位置ずれ量が小さくなる条件で演算する補正位置演算工程と、
この補正位置演算工程で演算した前記補正位置に前記第1の基板マークが位置する状態に前記一方の基板を移動させる位置決め制御工程と、を実施し、
この位置決め制御工程で位置決めした前記一方の基板を前記他方の基板に対して重ねあわせる前記重ねあわせ工程を実施する
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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