説明

印刷装置および印刷システム

【課題】印刷動作中にエラーが発生した場合に,リカバリ印刷を実行できる可能性が高い印刷装置および印刷システムを提供すること。
【解決手段】プリンタ100は,1回目の印刷データの印刷中にエラーを検出した場合,印刷動作を中断し,中断した印刷データのページ番号を記憶する。そして,エラー解除後,中断した印刷データのページに対応する用紙を代替する白紙を搬送し,印刷データの残りのページに対する印刷動作を再開する。次に,その印刷物を所定の給紙部にセットするように指示し,さらに1回目の印刷データと同じ2回目の印刷データを取得する。そして,給紙部にセットされた用紙を利用して,2回目の印刷データの印刷を行うリカバリ処理を実行する。このリカバリ処理の際には,記憶したページ番号に対応する印刷データは印刷し,それ以外の印刷データは印刷しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,印刷装置および印刷システムに関する。さらに詳細には,印刷動作中にエラーが発生した際,エラーとなったページをエラー解除後に再印刷するリカバリ機能を有する印刷装置および印刷システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から,印刷装置では,印刷動作中にエラーが発生した場合に,エラーとなったページを再印刷するリカバリ技術が知られている。このリカバリ技術を開示した文献としては,例えば,特許文献1がある。この特許文献1の印刷装置は,印刷データを自身のRAMに格納し,軽度のエラーの場合にはそのRAMに格納した印刷データを利用して再印刷を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−24321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,前記した従来のリカバリ技術には,次のような問題があった。すなわち,印刷装置の能力や状態によっては,リカバリ印刷が必ずしも実行できるとは限らない。例えば,特許文献1のリカバリ印刷では,エラーとなったページを印刷するために,最低限1ページ分の印刷データを保存できるメモリ領域が必要となる。近年,メモリ領域の容量が1ページ分にも満たない印刷装置が実用化されており,そのような印刷装置ではリカバリ対象のページの印刷データが消去されている可能性があり,リカバリ印刷の実行が困難になる。
【0005】
本発明は,前記した従来のリカバリ技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,印刷動作中にエラーが発生した場合に,リカバリ印刷を実行できる可能性が高い印刷装置および印刷システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決を目的としてなされた印刷装置は,印刷データを取得する取得部と,前記取得部が取得した印刷データを用紙に印刷する印刷部と,前記印刷部での印刷動作中にエラーを検出した場合に,その印刷動作を中断する中断部と,前記中断部が印刷動作を中断した前記印刷データのページ番号を記憶する記憶部と,前記中断部による中断後,エラーが解除されたことを条件に,印刷動作を中断した前記印刷データのページに対応する用紙を代替する白紙を搬送する白紙搬送部と,前記白紙搬送部にて白紙を搬送した後,前記印刷部での印刷動作を再開する再開部と,前記再開部での印刷動作の完了後の,前記白紙を含む前記印刷データの印刷物を給紙する給紙部と,前記取得部が取得した印刷データと同じ印刷データである再取得印刷データを取得する再取得部と,前記給紙部から用紙を搬入し,前記再取得部が取得した再取得印刷データのうち,前記記憶部に記憶されているページ番号に対応する前記再取得印刷データは印刷し,前記記憶部に記憶されているページ番号以外の前記再取得印刷データは印刷しないリカバリ処理を行うリカバリ部とを備えることを特徴としている。
【0007】
本発明の印刷装置は,印刷データの印刷中にエラーを検出した場合,印刷動作を中断し,中断した印刷データのページ番号を記憶する。そして,エラー解除後,中断した印刷
データのページに対応する用紙を代替する白紙を搬送し,その後,印刷データの残りのページに対する印刷動作を再開する。これにより,印刷動作完了後には,白紙が挿入された印刷物が得られる。その後,本発明の印刷装置は,この印刷物を,出力された状態の順序を変えずに所定の給紙部にセットすることを指示し,さらに印刷データと同じ再取得印刷データを取得する。そして,本発明の印刷装置は,給紙部にセットされた印刷物と,再取得印刷データとを利用して,リカバリ処理を実行する。このリカバリ処理の際に,記憶したページ番号に対応する再取得印刷データは印刷し,それ以外のページ番号に対応する再取得印刷データは印刷しない。
【0008】
すなわち,本発明の印刷装置では,エラーとなったページが白紙状態の印刷物を出力する。さらに,リカバリ対象となった印刷データと同じ印刷データである再取得印刷データを取得する。このことから,リカバリ処理では,仮に印刷データの1ページ分のメモリ容量も確保できなくても,また仮に何らかの要因でリカバリ対象の印刷データを失っていたとしても,印刷物に挿入された白紙と再取得印刷データとを利用して,エラーとなったページを再度印刷できる。よって,リカバリ印刷を実行できる可能性が高まる。
【0009】
また,本発明の印刷装置は,前記印刷物以外の用紙を給紙する第2給紙部と,前記リカバリ処理の実行中,前記記憶部に記憶されているページ番号以外の前記再取得印刷データに対応する用紙の搬送動作中にエラーが検出された場合に,前記リカバリ処理を中断する第2中断部と,前記第2中断部による中断後,エラーが解除されたことを条件に,前記再取得部が取得した再取得印刷データのうち,前記第2中断部で前記リカバリ処理を中断した用紙に対応する前記再取得印刷データを,前記第2給紙部から搬入した用紙に印刷する第2リカバリ部とを備えるとよい。この構成によれば,リカバリ処理中に印刷済み用紙を失ったとしても,再取得印刷データを利用して,その印刷済み用紙に対応するページを別の用紙に印刷することで,その印刷済み用紙のリカバリも実現できる。
【0010】
また,前記再取得部は,前記印刷データに連続して前記再取得印刷データを受信することで,前記再取得印刷データを取得するとよい。同じ印刷データを連続して受信することで,リカバリ処理を行うにあたって,ユーザが印刷データの生成元の装置に戻って再度印刷データを作成する手間を省くことができる。
【0011】
また,上記の印刷装置では,前記印刷データの印刷動作がエラーなく完了した場合,前記再取得部が受信した前記再取得印刷データを印刷することなく破棄する破棄部を備えるとよい。利用する必要が無くなった再取得印刷データは直ちに破棄する方がリソースの有効活用に資する。
【0012】
また,前記再取得部は,前記中断部による中断後,エラーが解除されたことを条件に,前記再取得印刷データを取得するとよい。エラー解除を条件に再取得印刷データを受信することで,1回目の印刷が正常に完了した場合は再取得印刷データの送受信は行われない。そのため,同じ印刷データを2つ連続して送信する形態と比較して,正常終了後の処理負荷や通信負荷が小さい。
【0013】
また,本発明の印刷装置は,前記リカバリ処理中,前記記憶部に記憶されているページ番号以外の前記再取得印刷データに対応する用紙の搬送時間を,前記記憶部に記憶されているページ番号の前記再取得印刷データに対応する用紙の搬送時間よりも短くする搬送制御部を備えるとよい。印刷の必要がない用紙については,用紙を早期に搬出することで,リカバリ処理全体にかかる時間を短縮できる。なお,搬送時間を短縮する方法としては,例えば用紙の搬送速度を上げる方法がある。
【0014】
具体的に,上記の印刷装置としては,例えば,用紙の印刷面を反転させる反転搬送機構を有し,前記印刷データは,両面印刷が指定された印刷データであり,前記搬送制御部は,前記リカバリ処理中,前記記憶部に記憶されているページ番号の前記再取得印刷データに対応する用紙を,前記反転搬送機構を経由して搬出し,前記記憶部に記憶されているページ番号以外の前記再取得印刷データに対応する用紙を,前記反転搬送機構を経由せずに搬出するとよい。両面印刷の印刷ジョブの場合,両面印刷済みの用紙は反転させずに搬出する方が,搬送時間を短縮する上で好ましい。
【0015】
また,本発明の印刷装置は,用紙の印刷面を反転させる反転搬送機構を有し,前記印刷データは,両面印刷が指定された印刷データであり,前記記憶部は,印刷動作を中断した前記印刷データのページ番号とともに,当該ページ番号の印刷面の裏面に対応する前記印刷データのページ番号も記憶し,前記リカバリ部は,前記記憶部が記憶した2面分のページ番号に対応する前記再取得印刷データの両面印刷を行うとよい。両面印刷の印刷ジョブの場合,両面分のページ番号を記憶することで,リカバリ処理時に両面印刷を行うことができ,両面印刷であってもリカバリ処理が可能になる。
【0016】
また,上記の印刷装置の前記白紙搬送部は,前記白紙を前記反転搬送機構を経由せずに搬出するとよい。白紙の反転搬送は無駄であるため,白紙は反転せずに搬送する方が好ましい。
【0017】
また,本発明の印刷装置は,用紙の印刷面を反転させる反転搬送機構を有し,前記印刷データは,両面印刷が指定された印刷データであり,前記印刷部は,両面印刷が指定された前記印刷データについて,ある用紙に対する2ページ分の前記印刷データのうち,前記取得部にて後に取得した後続ページの印刷データを先に取得した先行ページの印刷データよりも先に印刷し,前記記憶部は,前記中断部による印刷動作の中断が,用紙の先に印刷される面である第1面に対する印刷動作中に発生した場合には,前記印刷データの前記第1面に対応する後続ページのページ番号を記憶し,前記中断部による印刷動作の中断が,用紙の前記第1面よりも後に印刷される面である第2面に対する印刷動作中に発生した場合には,前記印刷データの前記第2面に対応する先行ページのページ番号とともに前記第1面に対応する後続ページのページ番号も記憶し,前記中断部による印刷動作の中断が用紙の前記第1面に対する印刷動作中に発生した場合,前記白紙搬送部による白紙の搬送中,前記第2面に対応する先行ページの前記印刷データを印刷する事前リカバリ部を備え,前記リカバリ部は,前記中断部による印刷動作の中断が用紙の前記第1面に対する印刷動作中に発生した場合には,前記記憶部が記憶した1ページ分のページ番号に対応する前記再取得印刷データについて片面印刷を行い,前記中断部による印刷動作の中断が用紙
の前記第2面に対する印刷動作中に発生した場合には,前記記憶部が記憶した2ページ分のページ番号に対応する前記再取得印刷データについて両面印刷を行うとよい。両面印刷の印刷ジョブであってエラーが用紙の第1面で発生した場合,すなわち先行ページの印刷データが残った状態でエラーが発生した場合,白紙搬送時にその先行ページを印刷し,後続ページのみのページ番号を記憶する。そして,リカバリ処理時は片面印刷済みの用紙の他面にのみ印刷を行う。これにより,リカバリ処理の負荷軽減が期待できる。
【0018】
また,本発明の印刷装置は,前記再開部での印刷動作の完了後,前記白紙を含む前記印刷データの印刷物を,前記給紙部にセットするようにユーザに対して指示する指示部を備えるとよい。印刷物のセットを指示することで,ユーザが正しく印刷物をセットすることが期待でき,その結果としてリカバリ処理の成功率が高まる。
【0019】
また,本発明は,印刷データを送信する送信装置と,前記送信装置から出力された印刷データを受信し,当該印刷データを印刷する印刷装置とを備える印刷システムであって,前記送信装置は,印刷データを前記印刷装置に送信する第1送信部と,前記印刷データと同じ印刷データである再取得印刷データを,前記第1送信部による前記印刷データの送信後に前記印刷装置に送信する第2送信部とを備え,前記印刷装置は,前記送信装置から送信された前記印刷データを取得する取得部と,前記取得部が取得した前記印刷データを用紙に印刷する印刷部と,前記印刷部での印刷動作中にエラーを検出した場合に,その印刷動作を中断する中断部と,前記中断部が印刷動作を中断した前記印刷データのページ番号を記憶する記憶部と,前記中断部による中断後,エラーが解除されたことを条件に,印刷動作を中断した前記印刷データのページに対応する用紙を代替する白紙を搬送する白紙搬送部と,前記白紙搬送部にて白紙を搬送した後,前記印刷部での印刷動作を再開する再開部と,前記再開部での印刷動作の完了後の,前記白紙を含む前記印刷データの印刷物を給紙する給紙部と,前記送信装置から再取得印刷データを取得する再取得部と,前記給紙部から用紙を搬入し,前記再取得部が取得した再取得印刷データのうち,前記記憶部に記憶されているページ番号に対応する前記再取得印刷データは印刷し,前記記憶部に記憶されているページ番号以外の前記再取得印刷データは印刷しないリカバリ処理を行うリカバリ部とを備えることを特徴とする印刷システムを含んでいる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば,印刷動作中にエラーが発生した場合に,リカバリ印刷を実行できる可能性が高い印刷装置および印刷システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態にかかるプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態にかかるプリンタの内部構成を示す概略図である。
【図3】第1の形態にかかる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の形態にかかるリカバリ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】リカバリ動作の概要を示す図である。
【図6】第2の形態にかかる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】第2の形態にかかるリカバリ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下,本発明にかかる印刷装置を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,エラーとなったページを再印刷するリカバリ機能を有するプリンタに本発明を適用したものである。
【0023】
[プリンタの電気的構成]
本形態のプリンタ100(印刷装置の一例)は,図1に示すように,CPU31と,ROM32と,RAM33と,NVRAM(Non Volatile RAM)34とを備えた制御部30を備えている。また,制御部30は,動作状況の表示やユーザによる入力操作の受付を行う操作パネル40(指示部の一例)と,用紙に画像を印刷するプロセス部50と,用紙搬送ローラの駆動源であるモータ70と,ネットワークインターフェース37と,USBインターフェース38とに,電気的に接続されている。
【0024】
ROM32には,プリンタ100を制御するための制御プログラムであるファームウェアや各種設定,初期値等が記憶されている。RAM33およびNVRAM34は,各種制御プログラムが読み出される作業領域として,あるいは印刷データを一時的に記憶する記憶領域として利用される(記憶部の一例)。
【0025】
CPU31(取得部,中断部,白紙搬送部,再取得部,リカバリ部,第2中断部,第2リカバリ部,破棄部,搬送制御部,事前リカバリ部の一例)は,ROM32から読み出した制御プログラムや各種センサから送られる信号に従って,その処理結果をRAM33またはNVRAM34に記憶させながら,プリンタ100の各構成要素を制御する。
【0026】
ネットワークインターフェース37およびUSBインターフェース38は,他の装置との通信を可能にするインターフェースである。プリンタ100は,これらのインターフェースを介して他の装置から送信される印刷ジョブを受信する。本形態では,プリンタ100は,ネットワークインターフェース37を介して,パーソナルコンピュータ(PC)200(送信装置の一例)との通信が可能になっている。また,プリンタ100は,USBインターフェース38を介して,スキャナ300との通信が可能になっている。
【0027】
また,操作パネル40は,ユーザ入力を受け付ける各種のボタンと,文字情報を表示する液晶画面とを有している。各種のボタンとしては,例えば,印刷実行を指示するボタンや,印刷動作のキャンセルを指示するキャンセルボタンがある。
【0028】
また,プロセス部50(印刷部の一例)は,用紙に画像を印刷することができればよく,画像形成方式については電子写真方式であってもインクジェット方式であってもよい。また,カラー印刷が可能であってもよく,モノクロ印刷専用であってもよい。
【0029】
また,図1は,プリンタ100とPC200とによって構成される印刷システム900を示している。PC200には,プリンタ100用のプリンタドライバが組み込まれており,プリンタ100用の印刷ジョブを作成する。
【0030】
印刷システム900の印刷手順としては,先ず,PC200が,印刷ジョブを作成し,その印刷ジョブをプリンタ100に送信する。プリンタ100は,印刷ジョブを受信すると,その印刷ジョブに含まれる印刷データを印刷する。
【0031】
[プリンタの内部構成]
続いて,プリンタ100の内部構成について説明する。実施の形態のプリンタ100は,図2に示すように,底部に位置し,装置本体に対して着脱可能であり,印刷前の用紙を収容する給紙カセット91,92(給紙部,第2給紙部の一例)と,上面に位置し,印刷後の用紙を載置する排紙トレイ96と,前面に位置し,ユーザによる用紙の手動挿入が可能な多目的トレイ93(給紙部,第2給紙部の一例)と,後面に位置し,印刷後の用紙を載置する排紙トレイ97とを有している。
【0032】
また,プリンタ100内には,給紙カセット91から用紙を1枚ずつピックする給紙ローラ71と,給紙カセット92から用紙を1枚ずつピックする給紙ローラ72と,用紙をプロセス部50に搬送するレジストローラ73と,用紙を排紙トレイ96に排出する排紙ローラ76と,用紙を排紙トレイ97に排出する排紙ローラ79とが設けられている。この他,用紙経路には,幾つもの用紙搬送ローラが設けられている。
【0033】
また,プリンタ100内には,底部に位置する給紙カセット91(あるいは給紙カセット92)に収容された用紙を,給紙ローラ71(あるいは給紙ローラ72),レジストローラ73を経由して,プロセス部50に案内する略U字形状の給紙経路11と,プロセス部50から,排紙ローラ76を介して排紙トレイ96へ案内する略U字状の排紙経路12とが設けられ,給紙経路11と排紙経路12とで略S字形状の印刷経路14(図2中の一点鎖線)が設けられている。
【0034】
本形態のプリンタ100は,給紙カセット91(あるいは給紙カセット92)に載置されている用紙を1枚ずつ給紙経路11に取り込み,その用紙をプロセス部50に搬送し,その用紙に画像を印刷する。そして,印刷後の用紙を,排紙経路12を経由して排紙ローラ76に案内し,排紙ローラ76によって排紙トレイ96に排出する。
【0035】
また,プリンタ100内には,両面印刷を行うための搬送機構(反転搬送機構の一例)が設けられている。すなわち,プリンタ100内には,一方の面に印刷が行われた用紙の,その裏面にも印刷が行われるように,用紙の表裏を反転してプロセス部50に再搬送するための反転経路13(図2中の二点鎖線)が設けられている。
【0036】
反転経路13は,プロセス部50よりも用紙の搬送方向の下流であって排紙ローラ76よりも上流に位置する分岐点15で,排紙経路12から分岐している。そして,反転経路13は,分岐点15からプロセス部50と給紙カセット91との間に形成され,給紙経路11中,給紙ローラ71,72よりも下流であってレジストローラ73よりも上流に位置する合流点16で,印刷経路14と合流している。すなわち,プリンタ100内には,用紙経路として,印刷経路14と反転経路13とが存在する。
【0037】
具体的に,プリンタ100による両面印刷では,次のような手順で用紙を搬送する。まず,給紙された用紙を,給紙経路11を介してプロセス部50に案内し,当該用紙の1面目に印刷する。その後,1面目の印刷が完了した用紙を,排紙経路12を介して排紙ローラ76まで搬入する。用紙後端が分岐点15を通過した後,排紙ローラ76がその用紙を挟持した状態で一旦停止する。その後,排紙ローラ76の回転方向を切り換えて用紙の搬送方向を逆転する。そして,搬送方向が逆転した用紙を,分岐点15を経由して反転経路13に搬入する。その後,当該用紙を,合流点16を経由して,プロセス部50よりも上流側で給紙経路11に戻す。これにより,用紙の表裏が反転したことになる。その後,2面目に印刷し,2面目の印刷が完了した用紙,すなわち両面印刷が完了した用紙を,排紙ローラ76を介して排紙する。
【0038】
また,プリンタ100は,給紙カセット91,92内の用紙を裏返してプロセス部50に搬送する給紙経路11の他,多目的トレイ93から挿入された用紙を裏返すことなくプロセス部50に搬送する第2給紙経路17(図2中の点線)が設けられている。第2給紙経路17は,多目的トレイ93から挿入された用紙を,給紙経路11との合流点18に案内する経路である。すなわち,第2給紙経路17は,多目的トレイ93を上流端とし,給紙経路11との合流点18を下流端としている。この合流点18は,給紙経路11中,レジストローラ73よりも上流であって給紙ローラ71,72よりも下流に位置する。
【0039】
また,プリンタ100は,プロセス部50を通過した用紙を裏返し,印字面を下側として排紙トレイ96に搬送する排紙経路12の他,プロセス部50を通過した用紙を裏返すことなく,印字面を上側として排紙トレイ97に搬送する第2排紙経路19(図2中の点線)が設けられている。第2排紙経路19は,排紙経路12との分岐点20を上流端とし,排紙トレイ97を下流端としている。この分岐点20は,排紙経路12中,排紙ローラ76よりも上流であってプロセス部50よりも下流に位置する。
【0040】
[印刷動作]
[第1の形態]
続いて,プリンタ100の印刷処理(取得部,中断部,白紙搬送部,再取得部,リカバリ部,破棄部の一例)について,図3のフローチャートを参照しつつ説明する。印刷処理は,PC200から送られて来た印刷ジョブを受信したことを契機に,制御部30によって実行される。
【0041】
なお,第1の形態では,PC200は,ユーザから印刷指示を受けると,その1つの印刷指示に対し,同じ印刷データを印刷対象とする2つの印刷ジョブを作成する。そして,PC200は,それら2つの印刷ジョブを連続して送信する。
【0042】
以下の説明では,上記の2つの印刷ジョブのうち,最初に送られてくる印刷ジョブを1回目の印刷ジョブとし,その1回目の印刷ジョブに連続する印刷ジョブを2回目の印刷ジョブとする。また,1回目の印刷ジョブに含まれる印刷データを1回目の印刷データ(印刷データの一例)とし,2回目の印刷ジョブに含まれる印刷データを2回目の印刷データ(再取得印刷データの一例)とする。
【0043】
また,印刷ジョブには,印刷対象となる印刷データの他,個々の印刷ジョブを識別するための情報と,リカバリ印刷用の印刷データであるか否かを識別する情報(以下,「リカバリ情報」とする)とが含まれる。
【0044】
さらに,1回目の印刷ジョブには,ユーザ設定によって,給紙装置として給紙カセット91が指定され,排紙先として排紙トレイ96が指定されているものとする。1回目の印刷ジョブには,リカバリ情報にリカバリ印刷用の印刷データである情報が書き込まれない。また,2回目の印刷ジョブには,PC200による自動設定によって,給紙装置として多目的トレイ93が指定され,排紙先として排紙トレイ96が指定される。2回目の印刷ジョブには,リカバリ情報にリカバリ印刷用の印刷データである情報が自動的に書き込まれる。
【0045】
第1の形態の印刷処理では,先ず,受信した印刷ジョブが1回目の印刷ジョブか否かを判断する(S101)。1回目の印刷ジョブか否かは,印刷ジョブに含まれるリカバリ情報を基に判断する。
【0046】
受信した印刷ジョブが1回目の印刷ジョブの場合には(S101:YES),その印刷ジョブに対する印刷動作を開始する(S102,取得部および印刷部の一例)。すなわち,1ページ目の印刷データの受信を開始し,給紙カセット91から搬送された用紙にその印刷データの画像を印刷する。印刷が完了した印刷データはメモリから消去される。印刷データの消去は,ページ単位であってもよいし,ライン単位であってもよい。
【0047】
次に,印刷動作中にエラーを検出したか否かを判断する(S103)。エラーを検出した場合には(S103:YES),印刷動作を中断する(S104,中断部の一例)。そして,エラーが解除されるまで待機する。
【0048】
エラーが解除された後,印刷動作が中断した際の印刷データのページ番号をRAM33あるいはNVRAM34に記憶する(S105)。具体的には,エラー解除作業の際,プリンタ100内から取り除かれた用紙に印刷した印刷データのページ番号を記憶する。その後,白紙を搬送する(S106,白紙搬送部の一例)。これにより,1回目の印刷データの印刷物に白紙が挿入される。この白紙は,印刷動作を中断した印刷データに対応する用紙,すなわちエラー解除作業で取り除かれた用紙を代替する。S106の後は,残りのページについての印刷動作を再開する(S107)。
【0049】
S107の後,あるいはエラーを検出していない場合には(S103:NO),全ページの印刷が完了したか否かを判断する(S108)。全ページの印刷が完了していない場合には(S108:NO),次のページの印刷データを受信し,S103に戻って印刷動作を継続する。全ページの印刷が完了した場合には(S108:YES),印刷処理を終了する。
【0050】
一方,受信した印刷ジョブが1回目の印刷ジョブでなければ,すなわち2回目の印刷ジョブの場合には(S101:NO),1回目の印刷ジョブの印刷動作でエラーが発生したか否かを判断する(S111)。具体的にS111では,例えばRAM33あるいはNVRAM34にページ番号が記憶されている場合にはエラーが発生したと判断し,記憶されていない場合にはエラーが発生しなかったと判断する。
【0051】
1回目の印刷ジョブの印刷動作でエラーが発生しなかった場合には(S111:NO),1回目の印刷ジョブの印刷動作が正常終了しており,リカバリ印刷が不要となる。そこで,2回目の印刷ジョブの印刷データを印刷することなく破棄する(S112,破棄部の一例)。具体的にS112では,印刷データを正常に受信してRAM33あるいはNVRAM34に記憶するものの,印刷することなく即時にRAM33あるいはNVRAM34から消去する。正常受信することで,PC200に対してはエラー信号が出力されない。また,RAM33あるいはNVRAM34に記憶された印刷データを即時に消去することで,メモリの空き領域を確保するとともに無駄な印刷動作を回避する。S112の後,印刷処理を終了する。
【0052】
1回目の印刷ジョブの印刷動作でエラーが発生した場合には(S111:YES),エラーとなったページを再印刷するリカバリ印刷処理を実行する(S120)。図4は,S120のリカバリ印刷処理(リカバリ部,第2リカバリ部,搬送制御部,指示部の一例)の手順を示している。
【0053】
S120のリカバリ印刷処理では,先ず,1回目の印刷ジョブの印刷動作によって出力された印刷物を,出力された状態の順序を維持して多目的トレイ93にセットする指示を出力する(S121,指示部の一例)。この印刷物には,S106で搬送された白紙が含まれる。なお,出力方法としては,例えば操作パネル40の液晶画面にメッセージを表示する。この他,音声ガイダンスによる指示であってもよい。
【0054】
S121の後,2回目の印刷データに対する印刷動作を開始する(S122)。すなわち,1ページ目の印刷データの受信を開始し,多目的トレイ93にセットされた用紙を1枚ずつ装置内に搬入する。
【0055】
次に,印刷対象の印刷データのページ番号が,S105で記憶したページ番号と一致するか否かを判断する(S123)。記憶したページ番号と一致する場合には(S123:YES),当該ページ番号に対応する印刷データを印刷する(S124)。このとき,記憶したページ番号に対応する用紙は,S106によって白紙となっている。従って,この白紙に,記憶したページ番号に対応する印刷データが印刷される。
【0056】
その後,S124での印刷中にエラーが検出されたか否かを判断する(S125)。エラーを検出しなかった場合には(S125:NO),すなわち該当ページの印刷が完了した場合には,ページ番号をメモリから消去する(S131)。S131の後,S128に移行する。
【0057】
一方,エラーを検出した場合には(S125:YES),印刷動作を中断する(S126)。そして,エラーが解除されるまで待機する。エラーが解除された後,印刷動作を再開し(S127),S128に移行する。
【0058】
一方,記憶したページ番号と一致しない場合には(S123:NO),多目的トレイ93から搬入された用紙を,印刷することなく高速排紙する(S141,搬送制御部の一例)。すなわち,記憶したページ番号以外の用紙には,既に画像が印刷されている。そのため,印刷は不要である。高速排紙としては,例えば,搬送ローラの回転速度を印刷時よりも高速にする。高速排紙することで,処理時間が短縮される。なお,2回目の印刷データについては,その印刷データに対応する用紙が排紙されたことを条件として受信を開始し,その後,RAM33あるいはNVRAM34から即時に消去される。
【0059】
次に,S141での高速排紙中にエラーが検出されたか否かを判断する(S142)。エラーを検出した場合には(S142:YES),搬送動作を中断する(S143,第2中断部の一例)。そして,エラーが解除されるまで待機し,エラーが解除された後,多目的トレイ93とは異なるトレイから給紙を開始し,エラーとなったページに対応する印刷データを受信して印刷する(S144,第2リカバリ部の一例)。すなわち,2回目の印刷データは,その印刷データに対応する用紙が排紙されるまで受信されない。換言すると,少なくとも用紙が排紙トレイ96に搬出されるまではその用紙に対応するページの印刷データは消去されない。そのため,S144では,エラーとなったページの印刷を実行できる。
【0060】
S144の後,多目的トレイ93から用紙を搬入する搬送動作を再開する(S145)。S145の後,あるいはエラーを検出しなかった場合には(S142:NO),S128に移行する。
【0061】
S128では,全ページの印刷が完了したか否かを判断する(S128)。全ページの印刷が完了していない場合には(S128:NO),次のページの印刷データを受信し,S123に戻って処理を継続する。
【0062】
全ページの印刷が完了した場合には(S128:YES),未印刷ページがあるか否かを判断する(S151)。未印刷ページの有無は,ページ番号が記憶されているか否かによって判断できる。未印刷ページがある場合には(S151:YES),何ページ目が未印刷であるかをユーザに報知する(S152)。これにより,ユーザは未印刷ページの存在を把握できる。S152の後,あるいは未印刷ページがない場合には(S151:NO),リカバリ印刷処理を終了する。そして,図3の印刷処理に戻り,その印刷処理も終了する。
【0063】
なお,S144での印刷でエラーが発生した場合には,その印刷対象のページを印刷した印刷物を失ってしまう。そのため,エラーとなった印刷データのページ番号を記憶するとよい。これにより,S152でそのページ番号を報知できる。
【0064】
上述したように第1の形態の印刷処理では,同じ印刷データが含まれる印刷ジョブを連続して2回取得する。そして,図5(A)に示すように,1回目の印刷ジョブの印刷途中にエラーが発生した場合,エラーとなった用紙がユーザによって取り除かれる。その後,用紙搬送が正常に復帰すると,図5(B)に示すように,エラーとなって取り除かれた用紙を代替する白紙が搬送される。このとき,エラーとなった用紙に印刷した印刷データのページ番号(例えば,図5では5)を記憶する。その後,図5(C)に示すように,1回目の印刷ジョブの残りのページを印刷し,1回目の印刷ジョブの印刷動作を終了する。
【0065】
次に,図5(D)に示すように,1回目の印刷ジョブの印刷動作によって得られた白紙入りの印刷物が,ユーザによって所定の給紙トレイにセットされる。そして,2回目の印刷ジョブについては,所定の給紙トレイにセットされた印刷物を利用して印刷する。そして,この2回目の印刷ジョブの印刷動作では,図5(E)に示すように,記憶されているページ番号,すなわち白紙が挿入されているページについては印刷し,記憶されていないページ番号,すなわち印刷済みのページについては印刷せずに搬送のみとする。これにより,1回目の印刷ジョブの印刷動作でエラーとなったページのリカバリ印刷が行われ,2回目の印刷ジョブの印刷動作を終了した後は,全てのページが印刷された印刷物が得られることになる。
【0066】
[第2の形態]
続いて,印刷処理の別形態について,図6のフローチャートを参照しつつ説明する。第2の形態の印刷処理も,第1の形態と同様に,PC200から送られて来た印刷ジョブを受信したことを契機に,制御部30によって実行される。なお,第2の形態の説明では,第1の形態と同じ処理については同じ符号を付し,説明を省略する。
【0067】
第2の形態では,PC200がユーザから印刷指示を受けると,PC200はその1つの印刷指示に対し,1つの印刷ジョブを作成する。そして,PC200から,プリンタ100に対してその1つの印刷ジョブが送られる。この点,2つの印刷ジョブが作成され,それらが連続して送られる第1の形態とは異なる。
【0068】
また,第2の形態では,PC200から印刷ジョブを送信する際,プリンタドライバによって,送信対象の印刷ジョブについてリカバリ用の印刷ジョブとするか否かのユーザ設定が可能である。ユーザは,印刷が失敗していない段階,すなわち最初に印刷ジョブを送信する段階では,リカバリ用の印刷ジョブの設定を行わずに印刷ジョブを送信する。そして,その印刷ジョブの印刷動作中にエラーが発生した場合には,ユーザはリカバリ用の印刷ジョブの設定を行った印刷ジョブを再送する。リカバリ用の印刷ジョブの設定を行ったか否かの情報は,印刷ジョブのリカバリ情報として書き込まれる。
【0069】
第2の形態では,リカバリ用の印刷ジョブが設定されていない印刷ジョブが,第1の形態の1回目の印刷ジョブに相当し,リカバリ用の印刷ジョブが設定されている印刷ジョブが,第1の形態の2回目の印刷ジョブに相当する。すなわち,第2の形態では,ユーザ設定によって1回目の印刷ジョブか2回目の印刷ジョブかが決定される。
【0070】
第2の形態の印刷処理では,先ず,受信した印刷ジョブが1回目の印刷ジョブか否かを判断する(S101)。受信した印刷ジョブが1回目の印刷ジョブの場合には(S101:YES),S102に移行して印刷動作を開始し,S102からS108までの処理は第1の形態と同様である。
【0071】
1回目の印刷ジョブの全ページの印刷が完了した場合には(S108:YES),1回目の印刷ジョブの印刷動作でエラーが発生したか否かを判断する(S211)。S211でのエラーの発生の判断は,第1の形態のS111と同様に,例えばページ番号が記憶されている場合にはエラーが発生したと判断し,記憶されていない場合にはエラーが発生しなかったと判断する。
【0072】
1回目の印刷ジョブの印刷動作でエラーが発生した場合には(S211:YES),印刷ジョブの再送をユーザに指示する(S212)。具体的に,印刷ジョブの再送指示としては,1回目の印刷ジョブと同じジョブを再送すること,給紙装置として多目的トレイ93を指定すること,排紙装置として排紙トレイ96を指定すること,さらには再送時にはリカバリ用の印刷ジョブに設定することをユーザに対して指示する。なお,指示方法としては,例えば操作パネル40の液晶画面にメッセージを表示する。この他,音声ガイダンスによる指示であってもよい。S212の後,あるいは1回目の印刷ジョブの印刷動作でエラーが発生していない場合には(S211:NO),印刷処理を終了する。
【0073】
一方,受信した印刷ジョブが1回目の印刷ジョブでなければ,すなわち2回目の印刷ジョブの場合には(S101:NO),エラーとなったページを再印刷するリカバリ印刷処理を実行する(S220)。図7は,S220のリカバリ印刷処理の手順を示している。なお,図4の第1の形態のリカバリ印刷処理と同じ処理については,同じ符号を付して説明を省略する。
【0074】
S220のリカバリ印刷処理は,S124以降の印刷動作において,印刷動作中断後のエラー解除後,多目的トレイ93とは異なる給紙装置から白紙を搬送する(S227)。これにより,S106と同様に,2回目の印刷データの印刷物の束に白紙が挿入される。S227の後は,S127に移行して印刷動作を再開する。
【0075】
また,S220のリカバリ印刷処理は,全ページの印刷を完了後(S128:YES),未印刷ページがある場合には(S151:YES),S212と同様に印刷ジョブの再送を指示する(S252)。すなわち,再度,リカバリ用の印刷ジョブが設定された印刷ジョブを送信してもらい,S220のリカバリ印刷を再実行する。これにより,S124でのリカバリ印刷中のエラーになった印刷データついてもリカバリすることができる。
【0076】
また,S220のリカバリ印刷処理は,S141以降の高速排紙において,搬送動作中断後のエラー解除後,多目的トレイ93とは異なるトレイから給紙し,エラーとなったページに対応する印刷データを受信して印刷する(S244,第2リカバリ部の一例)。第2の形態では,前述したようにリカバリ印刷を繰り返すことができる。このことから,S244では,エラーが発生した場合,エラーとなった印刷データのページ番号を記憶し,さらには白紙を挿入する。これにより,S244での印刷動作中にエラーが発生したとしてもリカバリすることができる。
【0077】
上述したように第2の形態の印刷処理では,1回目の印刷ジョブの印刷動作でエラーが発生したことを条件として,2回目の印刷ジョブを取得する。1回目の印刷ジョブのエラーでは,第1の形態と同様に白紙が挿入される。そして,2回目の印刷ジョブの印刷動作では,第1の形態と同様にその白紙についてのみ印刷データを印刷する。これにより,第1の形態と同様に,1回目の印刷ジョブの印刷動作でエラーとなったページのリカバリが行われ,2回目の印刷ジョブの印刷動作を終了した後は,全てのページが印刷された印刷物が得られることになる。
【0078】
なお,第2の形態は,2回目の印刷ジョブは1回目の印刷ジョブの印刷動作でエラーが発生したときに送信される。そのため,2回目の印刷ジョブが毎回送信される第1の形態と比較して,PC200やネットワークに対する負荷が小さい。一方,第1の形態は,2回目の印刷ジョブが毎回送信される。そのため,1回目の印刷ジョブの印刷動作でエラーが発生した際,ユーザがPC200戻って再度印刷ジョブを送信し直す必要がある第2の形態と比較して,ユーザの手間が少ない。
【0079】
また,第2の形態では,PC200は,印刷指示を受け付けた際,その1つの印刷指示に対し,1つの印刷ジョブを作成しているが,第1の形態と同様に,2つの印刷ジョブを作成してもよい。この場合,2つの印刷ジョブを連続して送らず,1回目の印刷ジョブをプリンタ100に送信した後,2回目の印刷ジョブはPC200で待機する。そして,PC200は,プリンタ100から印刷ジョブの印刷が成功した際に通知される信号を受信した場合には待機中の印刷ジョブを削除し,プリンタ100から印刷ジョブの印刷が失敗した際に通知される信号を受信した場合には待機中の印刷ジョブをプリンタ100に送信する。このような構成にすれば,ユーザの手間を少なくすることができる。
【0080】
[第3の形態]
続いて,両面印刷の印刷ジョブを対象とする印刷処理について説明する。第3の形態の印刷処理も,第1の形態と同様に,PC200から送られて来た両面印刷の印刷ジョブを受信したことを契機に,制御部30によって実行される。なお,第3の形態の印刷処理の基本的動作は図3および図4に示したフローチャートと同様である。そのため,以下の説明では,図3および図4のフローチャートを参照しつつ,第1の形態と異なる処理について詳説する。
【0081】
なお,プリンタ100では,ある用紙に対して後続ページを先に印刷し,先行ページを後に印刷し,両面印刷後の印刷物を先行ページがフェイスダウンの状態で排紙トレイ96に排出する。一方で,プリンタ100は,先に先行ページに対応する印刷データを受信し,その後に後続ページに対応する印刷データを受信する。そのため,両面印刷の印刷ジョブを対象とする印刷処理を実行する際,RAM33あるいはNVRAM34に少なくとも先行ページ1面分の印刷データを保存できる空き領域を確保する。
【0082】
第3の形態の印刷処理では,1回目の印刷ジョブの印刷動作でエラーが発生した後,S105にてページ番号を記憶する際,後続ページが印刷される面(第1面)の印刷動作の際にエラーが発生したとしても,先行ページが印刷される面(第2面)の印刷動作の際にエラーが発生したとしても,エラーが発生した用紙の,表裏の2ページ分に対応するページ番号を記憶する。
【0083】
その後,第3の形態のリカバリ印刷処理では,S124にて,記憶されたページ番号に対応する印刷データを印刷する際,表裏の2ページ分のページ番号が記憶されていることから,その2ページに対応する印刷データについて両面印刷を行う。これにより,両面印刷であってもリカバリ処理が可能になる。
【0084】
また,第3の形態のリカバリ印刷処理では,S141の高速排紙において,排紙対象の用紙を反転経路13に送らずに片面印刷用の搬送経路によって排紙する。すなわち,印刷済みの用紙を搬送する際には,用紙の反転は不要である。そのため,反転経路13に送らずに排紙することで,印刷済みの用紙の搬送時間を短縮できる。同様に,印刷処理のS106の白紙搬送においても,白紙は反転経路13に送らずに排紙する。これにより,白紙の搬送時間を短縮できる。
【0085】
なお,第3の形態では,第1の形態の印刷処理(図3)およびリカバリ印刷処理(図4)に基づいているが,第2の形態である印刷処理(図6)およびリカバリ印刷処理(図7)に基づいて行ってもよい。
【0086】
また,第3の形態では,両面印刷の際,後続ページを先に印刷し,先行ページを後に印刷するプリンタであることから,先行ページの印刷データを保持するためにRAM33あるいはNVRAM34には少なくとも1面分の印刷データを保存できる空き容量が必要であるが,先行ページを先に印刷し,後続ページを後に印刷するプリンタ(このプリンタの場合,例えば後続ページの印刷後に再反転させて排紙する)であれば,必ずしも1面分の印刷データを保存できる空き容量を確保する必要はない。
【0087】
また,第3の形態では,第1面の印刷動作でエラーが発生した場合と第2面の印刷動作でエラーが発生した場合とを区別していないが,これらを区別してもよい。例えば,後続ページを先に印刷し,先行ページを後に印刷するプリンタであれば,後続ページ(第1面)の印刷動作でエラーが発生した場合,先行ページ(第2面)の印刷データはメモリに残っている。そのため,先行ページの印刷データは利用可能である。そこで,後続ページの印刷動作中にエラーが発生した場合には,S106で白紙を搬送する際,その白紙にその先行ページの印刷データを印刷してもよい(事前リカバリ部の一例)。この場合,S105では,後続ページの印刷動作中にエラーが発生した場合には,先行ページのページ番号は記憶せず,その後続ページのページ番号のみを記憶する。表面に対応する先行ページの印刷データが印刷された用紙は,反転経路13を経由させて反転排紙する。
【0088】
そして,リカバリ印刷処理のS124にて,その記憶したページ番号の印刷データを印刷する際には,S106にて片面印刷済みの用紙の未印刷面に印刷を行う。これにより,用紙の両面に印刷が行われたことになる。印刷後は,その用紙を反転させ,表面の印刷を行うことなく排紙する。このような手順であっても,両面印刷のリカバリ処理が可能になる。
【0089】
なお,上記の事前リカバリの例では,S106で片面印刷を行った後,用紙を反転させているが,反転させなくてもよい。この場合,リカバリ印刷処理のS124にてその用紙に印刷する際には,用紙を反転させた後でもう片面の印刷を行う。
【0090】
[第4の形態]
続いて,コピージョブを対象とする印刷処理について説明する。第4の形態のプリンタ100は,原稿の読取機能を有する。なお,第4の形態の印刷処理の基本的動作は図6および図7に示したフローチャートと同様である。そのため,以下の説明では,図6および図7のフローチャートを参照しつつ,第2の形態と異なる処理について詳説する。
【0091】
本形態のプリンタ100は,スキャナ300と接続した場合,スキャナ300で読み取った原稿の画像をプロセス部50で印刷するコピー機能を利用できる。このコピー機能を利用する際には,ユーザがスキャナ300の所定の位置に原稿をセットし,操作パネル40を操作(あるいはスキャナ300を操作)してコピー指示を入力すると,スキャナ300は原稿の読み取りを開始する。第4の形態の印刷処理は,プリンタ100がこの原稿の画像データ(印刷データ)をスキャナ300から受信したことを契機に,制御部30によって実行される。
【0092】
また,第4の形態では,操作パネル40によって,コピージョブについてリカバリ用のコピージョブとするか否かの設定が可能である。ユーザは,印刷が失敗していない段階,すなわち最初にコピージョブを実行する段階では,リカバリ用のコピージョブの設定を行わずにコピージョブの実行を指示する。
【0093】
第4の形態では,第2の形態と同様に,リカバリ用のコピージョブが設定されていないコピージョブが,第2の形態の1回目の印刷ジョブに相当し,リカバリ用のコピージョブが設定されているコピージョブが,第2の形態の2回目の印刷ジョブに相当する。
【0094】
第4の形態の印刷処理では,1回目のコピージョブの全ページの印刷が完了した後(S108:YES),1回目のコピージョブの印刷動作でエラーが発生した場合には(S211:YES),S212にて原稿の再読み取りを指示する。具体的にS212では,1回目と同じ原稿をセットして読み取りを実行すること,給紙装置として多目的トレイ93を指定すること,排紙装置として排紙トレイ96を指定すること,さらにはリカバリ用のコピージョブに設定することを指示する。
【0095】
また,第4の形態のリカバリ印刷処理では,S141での高速排紙処理の際,スキャナ300のADFによる原稿搬送についても高速搬送してもよい。具体的には,読み取りが不要なページ,すなわちS105に記憶したページ番号以外のページに対応する原稿については,原稿を読み取ることなく高速搬送する。高速搬送としては,例えば搬送ローラの回転速度を読み取り時よりも高速にする。高速搬送することで,読み取り不要な用紙の搬送にかかる処理時間が短縮される。
【0096】
上述したように第4の形態の印刷処理では,1回目のコピージョブの印刷動作でエラーが発生した際に,ユーザに原稿の再読み取りを指示し,2回目のコピージョブを取得する。1回目のコピージョブのエラーでは,第2の形態と同様に白紙が挿入される。そして,2回目のコピージョブの印刷動作では,第2の形態と同様にその白紙についてのみ印刷データを印刷する。これにより,第2の形態と同様に,1回目のコピージョブの印刷動作でエラーとなったページのリカバリが行われ,2回目のコピージョブの印刷動作を終了した後は,全てのページが印刷された印刷物が得られることになる。
【0097】
なお,第4の形態では,第2の形態の印刷処理(図6)およびリカバリ印刷処理(図7)に基づいているが,第1の形態である印刷処理(図3)およびリカバリ印刷処理(図4)に基づいて行ってもよい。
【0098】
以上詳細に説明したように第1から第4の形態のプリンタ100の印刷処理では,エラーとなったページが白紙状態の印刷物を出力する。さらに,リカバリ対象となった1回目の印刷データと同じ印刷データである2回目の印刷データを取得し,その2回目の印刷データに基づいてリカバリ印刷処理を行う。このことから,リカバリ用に印刷済みの印刷データを保持している必要はなく,仮に1ページ分のメモリ容量も確保できなくても,また仮に何らかの要因で1回目の印刷データを失っていたとしても,印刷物に挿入された白紙と2回目の印刷データとを利用して,エラーとなったページを再度印刷できる。よって,リカバリ印刷を実行できる可能性が高まる。
【0099】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,プリンタに限らず,複写機,複合機,FAX装置等,印刷機能を備えるものであれば適用可能である。
【0100】
また,実施の形態では,リカバリ処理中におけるリカバリを実現するため,2回目の印刷データを印刷する際,1回目の印刷データの印刷物を,1回目とは異なる給紙部にセットすることを指示しているが,これに限るものではない。すなわち,リカバリ処理中におけるリカバリを行わない形態であれば,同じ給紙部にセットしてもよい。
【0101】
また,実施の形態では,1回目の印刷ジョブの印刷動作でエラーが発生した場合に,白紙を搬送しているが,エラーが発生した時点で印刷動作中のページの印刷データが消去されておらず,その印刷データによる印刷が可能であれば,その白紙にリカバリ印刷を行ってもよい。この場合,エラーとなったページは印刷されることから,S105ではページ番号を記憶しない。
【0102】
また,実施の形態では,1回目の印刷ジョブには,給紙装置として給紙カセット91あるいは給紙カセット92が指定され,排紙装置として排紙トレイ96が指定され,2回目の印刷ジョブには,給紙装置として多目的トレイ93が指定され,排紙装置として排紙トレイ96が指定されていることとしているが,この組み合わせに限るものではない。
【0103】
例えば,実施の形態のプリンタ100では,給紙装置としては,用紙を置いた状態での表面に印刷するもの(給紙態様1,例えば多目的トレイ93)と,用紙を置いた状態での裏面に印刷するもの(給紙態様2,例えば給紙カセット91)とがあり,排紙装置としては,印刷面を下向きにして排紙するもの(排紙態様1,例えば排紙トレイ96)と,印刷面を上向きにして排紙するもの(排紙態様2,例えば排紙トレイ97)とがある。そのため,組み合わせとしては,次の4つが挙げられる。
(組合せ1)給紙態様1と排紙態様1
(組合せ2)給紙態様2と排紙態様1
(組合せ3)給紙態様1と排紙態様2
(組合せ4)給紙態様2と排紙態様2
【0104】
このうち,1回目の印刷ジョブを組合せ1あるいは組合せ2とする場合には,実施の形態のように2回目の印刷ジョブを組合せ1とする。また,1回目の印刷ジョブを組合せ1あるいは組合せ2とし,2回目の印刷ジョブを組合せ2とする場合には,例えば2回目の印刷ジョブでは用紙を反転搬送した後に印刷する。また,プリンタに反転搬送機構が無ければ,例えば2回目の印刷ジョブの印刷データの送信順を降順(実施の形態は昇順)とすることで,リカバリ印刷を行うことができる。
【0105】
また,1回目の印刷ジョブの組合せを組合せ3あるいは組合せ4とすると,印刷物が降順に並べられる。この場合,2回目の印刷ジョブを組合せ4とすると,降順の印刷物のリカバリ印刷を行うことができる。
【0106】
また,第1の形態では,S124の印刷でエラーとなった場合,そのエラーとなったページのリカバリを行っていないが,S124の印刷でエラーとなった場合にも,S126とS127との間に白紙を挿入する処理を追加し,その白紙を利用してリカバリを実現してもよい。この場合,S152の処理を,第2の形態のS252と同様に印刷ジョブの再送を指示する処理に変更し,その印刷ジョブを利用してリカバリ印刷を行う。あるいは,1回の印刷指示で3つ以上の印刷ジョブを作成し,3つ目以降の印刷ジョブを利用してリカバリ印刷を行ってもよい。なお,何度も用紙を搬送すると用紙ジャムのリスクが高くなる。そのため,用紙ジャムのリスクを考慮すると,印刷ジョブの送信回数は2回が好ましい。
【符号の説明】
【0107】
40 操作パネル
50 プロセス部
91 給紙カセット
93 多目的トレイ
96 排紙トレイ
100 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データを取得する取得部と,
前記取得部が取得した印刷データを用紙に印刷する印刷部と,
前記印刷部での印刷動作中にエラーを検出した場合に,その印刷動作を中断する中断部と,
前記中断部が印刷動作を中断した前記印刷データのページ番号を記憶する記憶部と,
前記中断部による中断後,エラーが解除されたことを条件に,印刷動作を中断した前記印刷データのページに対応する用紙を代替する白紙を搬送する白紙搬送部と,
前記白紙搬送部にて白紙を搬送した後,前記印刷部での印刷動作を再開する再開部と,
前記再開部での印刷動作の完了後の,前記白紙を含む前記印刷データの印刷物を給紙する給紙部と,
前記取得部が取得した印刷データと同じ印刷データである再取得印刷データを取得する再取得部と,
前記給紙部から用紙を搬入し,前記再取得部が取得した再取得印刷データのうち,前記記憶部に記憶されているページ番号に対応する前記再取得印刷データは印刷し,前記記憶部に記憶されているページ番号以外の前記再取得印刷データは印刷しないリカバリ処理を行うリカバリ部と,
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載する印刷装置において,
前記印刷物以外の用紙を給紙する第2給紙部と,
前記リカバリ処理の実行中,前記記憶部に記憶されているページ番号以外の前記再取得印刷データに対応する用紙の搬送動作中にエラーが検出された場合に,前記リカバリ処理を中断する第2中断部と,
前記第2中断部による中断後,エラーが解除されたことを条件に,前記再取得部が取得した再取得印刷データのうち,前記第2中断部で前記リカバリ処理を中断した用紙に対応する前記再取得印刷データを,前記第2給紙部から搬入した用紙に印刷する第2リカバリ部と,
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する印刷装置において,
前記再取得部は,前記印刷データに連続して前記再取得印刷データを受信することで,前記再取得印刷データを取得することを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項3に記載する印刷装置において,
前記印刷データの印刷動作がエラーなく完了した場合,前記再取得部が受信した前記再取得印刷データを印刷することなく破棄する破棄部を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載する印刷装置において,
前記再取得部は,前記中断部による中断後,エラーが解除されたことを条件に,前記再取得印刷データを取得することを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載する印刷装置において,
前記リカバリ処理中,前記記憶部に記憶されているページ番号以外の前記再取得印刷データに対応する用紙の搬送時間を,前記記憶部に記憶されているページ番号の前記再取得印刷データに対応する用紙の搬送時間よりも短くする搬送制御部を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項6に記載する印刷装置において,
用紙の印刷面を反転させる反転搬送機構を有し,
前記印刷データは,両面印刷が指定された印刷データであり,
前記搬送制御部は,前記リカバリ処理中,前記記憶部に記憶されているページ番号の前記再取得印刷データに対応する用紙を,前記反転搬送機構を経由して搬出し,前記記憶部に記憶されているページ番号以外の前記再取得印刷データに対応する用紙を,前記反転搬送機構を経由せずに搬出することを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載する印刷装置において,
用紙の印刷面を反転させる反転搬送機構を有し,
前記印刷データは,両面印刷が指定された印刷データであり,
前記記憶部は,印刷動作を中断した前記印刷データのページ番号とともに,当該ページ番号の印刷面の裏面に対応する前記印刷データのページ番号も記憶し,
前記リカバリ部は,前記記憶部が記憶した2面分のページ番号に対応する前記再取得印刷データの両面印刷を行うことを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項8に記載する印刷装置において,
前記白紙搬送部は,前記白紙を前記反転搬送機構を経由せずに搬出することを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載する印刷装置において,
用紙の印刷面を反転させる反転搬送機構を有し,
前記印刷データは,両面印刷が指定された印刷データであり,
前記印刷部は,両面印刷が指定された前記印刷データについて,ある用紙に対する2ページ分の前記印刷データのうち,前記取得部にて後に取得した後続ページの印刷データを先に取得した先行ページの印刷データよりも先に印刷し,
前記記憶部は,前記中断部による印刷動作の中断が,用紙の先に印刷される面である第1面に対する印刷動作中に発生した場合には,前記印刷データの前記第1面に対応する後続ページのページ番号を記憶し,前記中断部による印刷動作の中断が,用紙の前記第1面よりも後に印刷される面である第2面に対する印刷動作中に発生した場合には,前記印刷データの前記第2面に対応する先行ページのページ番号とともに前記第1面に対応する後続ページのページ番号も記憶し,
前記中断部による印刷動作の中断が用紙の前記第1面に対する印刷動作中に発生した場合,前記白紙搬送部による白紙の搬送中,前記第2面に対応する先行ページの前記印刷データを印刷する事前リカバリ部を備え,
前記リカバリ部は,前記中断部による印刷動作の中断が用紙の前記第1面に対する印刷動作中に発生した場合には,前記記憶部が記憶した1ページ分のページ番号に対応する前記再取得印刷データについて片面印刷を行い,前記中断部による印刷動作の中断が用紙の前記第2面に対する印刷動作中に発生した場合には,前記記憶部が記憶した2ページ分のページ番号に対応する前記再取得印刷データについて両面印刷を行うことを特徴とする印刷装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1つに記載する印刷装置において,
前記再開部での印刷動作の完了後,前記白紙を含む前記印刷データの印刷物を,前記給紙部にセットするようにユーザに対して指示する指示部を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項12】
印刷データを送信する送信装置と,前記送信装置から出力された印刷データを受信し,当該印刷データを印刷する印刷装置とを備える印刷システムにおいて,
前記送信装置は,
印刷データを前記印刷装置に送信する第1送信部と,
前記印刷データと同じ印刷データである再取得印刷データを,前記第1送信部による前記印刷データの送信後に前記印刷装置に送信する第2送信部と,
を備え,
前記印刷装置は,
前記送信装置から送信された前記印刷データを取得する取得部と,
前記取得部が取得した前記印刷データを用紙に印刷する印刷部と,
前記印刷部での印刷動作中にエラーを検出した場合に,その印刷動作を中断する中断部と,
前記中断部が印刷動作を中断した前記印刷データのページ番号を記憶する記憶部と,
前記中断部による中断後,エラーが解除されたことを条件に,印刷動作を中断した前記印刷データのページに対応する用紙を代替する白紙を搬送する白紙搬送部と,
前記白紙搬送部にて白紙を搬送した後,前記印刷部での印刷動作を再開する再開部と,
前記再開部での印刷動作の完了後の,前記白紙を含む前記印刷データの印刷物を給紙する給紙部と,
前記送信装置から再取得印刷データを取得する再取得部と,
前記給紙部から用紙を搬入し,前記再取得部が取得した再取得印刷データのうち,前記記憶部に記憶されているページ番号に対応する前記再取得印刷データは印刷し,前記記憶部に記憶されているページ番号以外の前記再取得印刷データは印刷しないリカバリ処理を行うリカバリ部と,
を備えることを特徴とする印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−49182(P2013−49182A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188140(P2011−188140)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】