説明

印刷装置および印刷方法

【課題】連続的な線となるべき黒の線が不連続な線となることを抑制する技術の提供。
【解決手段】シアンインクとマゼンタインクとイエローインクと2種類の黒インクとを用いて印刷を行う印刷装置において、印刷対象の画像を示す画像データを取得する画像データ取得手段と、前記画像データに基づいて前記画像に含まれる黒の線を特定する黒線特定手段と、前記黒の線は前記2種類の黒インクで印刷するとともに当該黒の線の少なくとも一部を構成する画素で前記2種類の黒インクを重ねて印刷し、前記黒の線以外の部分は前記シアンインクと前記マゼンタインクと前記イエローインクと前記2種類の黒インクとの少なくとも一色を利用して印刷する印刷制御御手段とを備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルからインクを吐出して印刷を行う印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置においては、一般的にCMYKの各色インクが印刷可能であり、画素毎にCMYKの各インクのいずれかを印刷する。また、2種類のKインクを使用可能に構成された印刷装置も知られており、例えば、特許文献1においては、エッジ領域に囲まれた内部領域に第1の黒色インクと第2の黒色インクとを組み合わせて記録する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−113850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術においては、連続的な線となるべき部分が不連続な線となってしまうことがあった。すなわち、印刷装置が備えるノズルは、当該ノズルの製造過程にて発生する製造バラツキによって特定のノズルで予定されたインクの記録位置と異なる位置にインクが記録されることがある。このような状態においては、特定のノズルによるインク記録位置のずれに起因して、本来、紙面が視認されないように連続的にインクが記録されるべき部分にて紙面が視認される状態となり、連続的な線となるべき部分が不連続な線として視認されやすくなる。このような状況は、細い線を多用する図面の印刷において特に問題となる。なお、上述の特許文献1においては、エッジ領域に囲まれた内部領域にて2種類の黒インクを使用するものの、エッジとなる細い線において2種類のインクを使用する構成は開示されていない。さらに、特許文献1において1画素に記録されるインク滴は1個であるため、2種類の黒色インクを使用しても細い線が不連続な線となることを防止することはできない。
本発明は前記課題にかんがみてなされたもので、連続的な線となるべき黒の線が不連続な線となることを抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本発明においては、黒の線の少なくとも一部を構成する画素に2種類の黒インクを重ねて記録するようにノズルからのインクの吐出を制御する。すなわち、黒インクを重ねて記録すれば、最初に記録された黒インクが印刷媒体上で形成したインク滴の上に、さらに黒インクが記録されることになる。このとき、2回目の黒インクは乾燥した印刷媒体上ではなく湿潤な状態の黒インク上に追加されることになるため、2回分の黒インクと同量の黒インクを1回で記録する場合と比較して印刷媒体面に沿って広い範囲に広がりやすい。
【0006】
さらに、印刷ヘッドから2種類の黒インクを吐出可能である場合、各種類のインクは異なるノズルから吐出される。このため、同じ画素に2種類の黒インクを吐出することを想定した場合、一方のノズルが製造誤差等によって規定の位置からずれた位置に黒インクを記録するノズルであったとしても他方のノズルは当該ずれた位置と異なる位置に黒インクを記録するノズルである可能性が高い。従って、1回目の黒インクの記録によって連続的な線となるべき黒の線が不連続な線となっていても、その状態を抑制し、連続的な線として視認されやすくすることができる。
【0007】
ここで、印刷装置においては、印刷ヘッドからシアンインクとマゼンタインクとイエローインクと2種類の黒インクとを吐出して印刷を実行可能であればよい。すなわち、無彩色の色を印刷するための黒インクが2種類使用可能に構成されている。2種類の黒インクの特性は同一であっても良いし、異なっていても良い。黒インクの特性が異なっている場合、黒インクの用途が異なっていても良いし、濃度が異なっていても良い。すなわち、2種類の黒インクが使用される構成においては、通常は用途や濃度に応じて2種類の黒インクが使い分けられるが、黒の線を印刷する場合には2種類の黒インクが併用されることになる。
【0008】
なお、黒インクの用途としては、使用される印刷媒体に対応した用途を想定可能である。例えば、マット紙に使用されるマットブラックと、光沢紙に使用されるフォトブラックとを使用可能な印刷装置を想定可能である。さらに、黒の濃度としては、印刷対象に適した濃度が異なる場合が想定可能である。例えば、文書や図面の印刷に際して濃い第1黒インクを使用し、写真の印刷に際して当該第1黒インクより薄い第2黒インクを使用する構成等を採用可能である。なお、第1黒インクが第2黒インクよりも濃いインクである場合、黒の線を印刷する場合に当該第1黒インクの使用量を印刷媒体の単位面積あたりに記録可能な上限の量とすることが好ましい。この構成によれば、黒の線をできるだけ濃く印刷できる状態としながらも、さらに、第2黒インクを併用することによって製造誤差等に起因する線の不連続化を抑制することができる。なお、黒インクの濃度は、着色剤によって調整可能である。すなわち、インクに含まれる着色剤が同一あるいは類似している場合、第1黒インクの単位量あたりの着色剤の量が第2黒インクの単位量あたりの着色剤の量よりも多ければ第1黒インクの方が濃いインクとなる。また、着色剤が異なる場合、単位量の第1黒インクを所定の印刷媒体に記録した場合の明度が単位量の第2黒インクを当該所定の記録媒体に記録した場合の明度よりも低ければ第1黒インクの方が濃いインクとなる。
【0009】
黒線特定手段は、画像に含まれる黒の線を特定することができればよく、印刷制御手段は、印刷ヘッドを制御してインクの吐出タイミングを調整可能であるとともに、当該黒の線と黒の線以外の部分について異なる制御で印刷を実行することができればよい。すなわち、黒の線を印刷する場合に黒の線を有彩色インクを使用することなく2種類の黒インクで印刷し黒の線の少なくとも一部を構成する画素に2種類の黒インクを重ねて記録することができればよい。また、黒の線以外の部分は印刷装置に搭載されたインクの少なくとも一色を利用して印刷することができればよい。
【0010】
むろん、2種類の黒インクを重ねる対象となる画素は、黒の線を構成する画素の全てであっても良く、単位面積あたりに記録可能なインク量の限度以下の範囲で調整可能である。黒の線を2種類の黒インクで印刷するための構成としては、種々の構成を採用可能であり、例えば、黒の線であるか否かを示すフラグが対応づけられた印刷データを印刷装置にて取得し、当該印刷データに基づいて印刷するに際してフラグに基づいて黒の線を構成する画素であることが特定される画素については、2種類の黒インクで印刷を行う構成等を採用可能である。また、印刷データを生成する前に、印刷対象の画像を示す画像データを解析し、黒の線であることが特定された画素については、2種類の黒インクが使用されるように色変換処理やハーフトーン処理を行う構成等を採用可能である。
【0011】
さらに、黒の線以外の部分は、無彩色であっても良いし有彩色であっても良い。むろん、有彩色の場合、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの少なくとも一色が使用される。また、黒の線以外の黒い部分においてシアンインクとマゼンタインクとイエローインクを使用する構成について本発明を適用すれば、黒の線が有彩色に見えることを確実に防止することができ、さらに、黒の線、黒の線以外の黒い部分の双方において各画素に重ねてインクが記録され、製造誤差等に起因して黒い部分が白に見えてしまうことを防止することができる。
【0012】
さらに、第1黒インクと第2黒インクとを使用して印刷を行う構成において、第1黒インクと第2黒インクとの使用量は種々の手法によって決定することができる。例えば、予め決められた使用量とすることが可能である場合に使用量を既定量とし、予め決められた使用量とすることができない場合に使用量を可変範囲から選択された量とする構成としても良い。より具体的な例としては、印刷装置を制御するプリンタードライバー等のUI(User Interface)によって印刷媒体を選択可能に構成し、予め決められた所定の種類である場合(例えば、印刷装置の製造業者が提供する印刷媒体である場合)、当該所定の種類の印刷媒体に適した第1黒インクおよび第2黒インクの使用量を予め決めておくことができる。そこで、印刷装置で予め決められた所定の種類の中から選択された印刷媒体が使用される場合、第1黒インクと第2黒インクとの使用量を既定量として黒の線を印刷する構成とすることが好ましい。なお、第1黒インクと第2黒インクとにおける既定量は、所定の種類の印刷媒体のそれぞれに対して第1黒インクと第2黒インクとを記録して、その適正な使用量(例えば、にじみ等が発生しない上限の使用量)を予め特定しておけばよい。
【0013】
この場合であって、さらに、印刷装置で所定の種類以外の印刷媒体(例えば、所定の種類以外の任意の印刷媒体)が使用される場合、印刷媒体に適した第1黒インクおよび第2黒インクの使用量を予め決めておくことができないため、使用量を可変範囲から選択された量とする。このとき、第1黒インクの使用量は既定量とし、第2黒インクの使用量を可変範囲から選択された量として黒の線を印刷する構成とすれば、利用者が決定すべき情報量が抑制され、入力作業が簡易になる。なお、第1黒インクについての既定量は予め任意に設定されていれば良く、可変範囲から選択される第2黒インクの使用量と合わせた2色で適正な使用量となるように調整されればよい。可変範囲から第2黒インクの使用量を選択する際には、利用者が所定のUIによって指定する構成等を採用可能である。
【0014】
当該利用者が指定する第2黒インクの使用量は、2色の使用量の合計が、インクを2色使用する場合の使用量の上限以下の範囲となるように設定されれば良く、理想的な使用量を入力するための補助を行っても良い。例えば、第1インクの使用量を既定量、第2インクの使用量を複数の使用量として複数のパッチを印刷し、印刷されたパッチの中から適正な使用量となっているパッチを選択することで第2インクの使用量を特定できるような試行印刷を実行可能に構成する態様が想定可能である。なお、所定の種類の印刷媒体と所定の種類以外の印刷媒体は、予め決められていれば良く、所定の種類の印刷媒体と所定の種類以外の印刷媒体が印刷装置で使用可能な印刷媒体の全てを構成してもよいし、さらに、他の種類の印刷媒体が印刷装置で使用可能であっても良い。
【0015】
さらに、黒の線は、連続的な線となるべき黒の線であり、ノズルの製造誤差に起因する記録位置のずれが生じている場合に不連続な線となるような線であればよい。このような黒の線としては、例えば、幅が2ドット以下の線を想定可能である。むろん、幅が1ドットの線をこのような黒の線であるとみなす構成としても良い。
【0016】
さらに、連続的な線となるべき黒の線が不連続な線となることを防止するための構成として、印刷対象とされた図面に黒の線が含まれる場合に、2種類の黒インクで黒の線が印刷されるように複数のノズルからインクを吐出させる構成としても良い。すなわち、印刷対象の画像が図面である場合や、印刷対象が図面であることを利用者が指示した場合に、本発明を実施する構成とする。この構成によれば、連続的な線となるべき黒の線が不連続な線となることを抑制すべき状況において、確実に黒の線の不連続化を抑制することが可能になる。
【0017】
さらに、本発明のように、2種類の黒インクを重ねて黒の線を印刷する手法は、装置やプログラムとしても適用可能である。また、以上のような装置、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、複合的な機能を有する装置において共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態にかかる印刷装置のブロック図である。
【図2】印刷制御処理のフローチャートである。
【図3】(3A)は印刷ヘッドの模式図、(3B)(3C)は画素に記録されるインクを模式的に示す図である。
【図4】(4A)(4B)は画素に記録されるインクを模式的に示す図、(4C)はテストパターンの例、(4D)は印刷媒体の撓みの例を示す図である。
【図5】(5A)(5B)(5C)(5D)は画素に記録されるインクを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)印刷装置の構成:
(1−1)印刷制御処理:
(2)他の実施形態:
【0020】
(1)印刷装置の構成:
図1は、本発明にかかる印刷装置10の構成を示すブロック図である。印刷装置10は、RAM,CPU等を備える制御部20とROM30とを備えており、ROM30に記録された印刷制御プログラム21を制御部20で実行することができる。ROM30には、さらに、印刷制御プログラム21の実行過程で使用されるデータである色変換テーブル30aおよび黒線用色変換テーブル30bが記録されている。これらの色変換テーブルは、画像データにおいて各画素の色を指定するRGB(R:レッド、G:グリーン、B:ブルー)階調値をインク色毎の階調値に変換するためのデータである。
【0021】
本実施形態における印刷装置10は、CMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラック)の4色で印刷を行うインクジェットプリンターであり、印刷ヘッド41、駆動電圧生成部42、キャリッジドライバー43、モータードライバー44等からなる印刷機構とユーザーI/F部45と記憶媒体I/F部46とを備えている。すなわち、印刷装置10は、印刷媒体の搬送経路に沿って設置された図示しない搬送ローラーを備えており、当該搬送ローラーに接続された図示しないモーターの回転駆動力によって搬送ローラーを回転させ、印刷媒体を印刷ヘッド41と図示しないプラテンの間の印刷領域に搬送し、さらに、印刷後の印刷媒体を搬送して印刷装置10から排出させることが可能である。モータードライバー44は、当該モーターに対して印加する電圧を生成する回路を備えており、制御部20が出力する制御信号に応じて、制御部20が指示したタイミングおよび回転駆動力でモーターを回転させるための電圧を生成し、モーターに対して印加する。
【0022】
印刷ヘッド41には、複数のノズルが形成されており、各ノズルからインク滴を吐出することができる。本実施形態においては、複数のノズルが一方向に並ぶノズル列が印刷ヘッド41に複数列形成されている。各ノズルは図示しないインクタンクに連結されたインク室の開口部であり、インク室の壁面はピエゾ素子の伸縮に応じて移動可能に構成されている。当該ピエゾ素子が伸縮すると、インク室の壁面の変動に連動してインク室の容積が変動し、インク室内のインクがノズルから吐出される。
【0023】
複数のノズルに対応する複数のピエゾ素子には、駆動電圧生成部42が接続されている。当該駆動電圧生成部42は、所定の波形の周期的な電圧を生成する回路を備えており、当該電圧がピエゾ素子に印加されることにより、当該ピエゾ素子が駆動してインク滴を吐出する。制御部20は、制御信号を出力することにより、駆動電圧生成部42が生成した電圧波形を選択して任意のノズルのピエゾ素子に対して印加させることができる。
【0024】
さらに、本実施形態において印刷ヘッド41は、図示しないキャリッジによって所定方向に往復動可能に構成されている。すなわち、キャリッジは、キャリッジドライバー43の制御によって、所定方向に印刷ヘッド41を移動させることが可能である。また、所定方向に対して垂直な方向に移動可能な範囲の端部まで印刷ヘッド41が達した場合、制御部20は、モータードライバー44に対して制御信号を出力し、印刷ヘッド41の移動方向に対して垂直な方向に印刷媒体を単位距離だけ搬送する。
【0025】
さらに、制御部20は、所定方向に印刷ヘッド41が単位距離だけ移動する度に、駆動電圧生成部42に対して制御信号を出力して所定の電圧波形を選択してピエゾ素子に当該電圧波形を印加してノズルからインクを吐出させる。この結果、制御部20は、印刷媒体にインクを記録して画像を印刷することができる。本明細書においては、所定方向に印刷ヘッド41を移動させる動作を主走査と呼ぶ。また、主走査の方向に垂直な方向に印刷媒体を搬送する動作を副走査と呼ぶ。
【0026】
本実施形態における印刷装置10は、CMYKの4色で印刷を行うが、ブラックインクは2種類利用可能である。従って、印刷装置10にてブラックインクを利用した印刷を行うためには、各種類のインクについて階調値が特定される。具体的には、本実施形態における印刷装置10では、印刷媒体がマット紙である場合に第1黒インク(以下、MK(マットブラック)と呼ぶ)、印刷媒体が光沢紙である場合に第2黒インク(以下、PK(フォトブラック)と呼ぶ)が使用される。従って、インクの色毎の階調値はC,M,YおよびMK,PKの各インク色についての階調値からなり、色変換テーブル30aは印刷媒体毎に予め用意されるとともに各印刷媒体の色変換テーブル30aにおいては複数の代表点についてRGB階調値とCMYMKPK階調値との対応関係を規定している。
【0027】
なお、本実施形態においては、PKの方がMKよりも薄いインクである。また、以上のように、2種類の黒インクは印刷媒体に応じて使い分けられ、通常はCMYMKPK階調値のうちのMK,PKのいずれか一方が0に固定される。しかし、マット紙に図面を印刷する場合、当該図面に黒の線が含まれていれば、MKとPKが併用される。そこで、ROM30には、色変換テーブル30aに加え、黒線用色変換テーブル30bが記録されている。当該黒線用色変換テーブル30bは、黒の線についてRGB階調値をMKPK階調値に変換するための色変換テーブルである。
【0028】
図3Aには印刷ヘッド41においてノズルが形成された面を模式的に示しており、破線の丸によってノズルを模式的に示している。印刷ヘッド41は、主走査方向および副走査方向にノズルが並ぶように構成されており、副走査方向に沿って並ぶ複数のノズルからは同一色のインクが吐出される。本実施形態においては、図3Aに示す模式図の左側のノズル列から順にC,M,Y,PK,MK,MK,PK,Y,M,Cインクのそれぞれが吐出される。さらに、本実施形態にかかる印刷ヘッド41は、同一色を吐出するためのノズル列を2列備えているが、各列の位置は副走査方向にノズルピッチPtの1/2だけずれている。従って、1回の主走査で副走査方向の解像度がノズルピッチPtの1/2となる状態で印刷を行うことが可能である。
【0029】
ユーザーI/F部45は、図示しないディスプレイ、ボタン等のインターフェースを備えており、制御部20が当該ユーザーI/F部45に対して制御信号を出力することによって利用者に対して任意の情報を提供することができる。また、利用者がボタン等を操作すると当該操作に応じた信号がユーザーI/F部45から出力され、制御部20が当該信号を取得することによって利用者の操作内容を受け付けることができる。記憶媒体I/F部46には、記憶媒体を挿入することが可能であり、制御部20は、当該記憶媒体I/F部46に挿入された記憶媒体に記憶された情報を参照することができる。
【0030】
(1−1)印刷制御処理:
次に、以上の印刷装置10において制御部20が印刷制御プログラム21によって実行する印刷制御処理を説明する。印刷制御プログラム21は、印刷設定受付部21aと画像データ取得部21bと黒線特定部21cと印刷制御部21dとを備えており、図2に示すフローチャートに従って印刷制御処理を実行する。印刷制御処理においては、まず、制御部20が、印刷設定受付部21aの処理により、ユーザーI/F部45を利用して利用者が指示する印刷設定を受け付ける(ステップS100)。すなわち、制御部20は、ユーザーI/F部45に対して制御信号を出力して、印刷対象が図面であるか否かを選択する選択画面を表示させる。さらに、制御部20は、ユーザーI/F部45から出力信号を受け付けることにより、当該選択画面における利用者の選択結果を受け付ける。
【0031】
次に、制御部20は、画像データ取得部21bの処理により、印刷対象の画像を示す画像データを取得する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、記憶媒体I/F部46を参照して当該記憶媒体I/F部46に挿入された記憶媒体に記憶されている画像データを候補として特定する。また、制御部20は、ユーザーI/F部45に制御信号を出力し、当該候補を選択する選択画面を表示させる。さらに、制御部20は、ユーザーI/F部45から出力信号を受け付け、当該選択画面で利用者が選択した画像データを印刷対象の画像を示す画像データとして取得する。なお、ここでは、デフォルトの解像度で印刷されるように画像データの画素数を調整する処理も行われる。
【0032】
次に、制御部20は、黒線特定部21cの処理により、印刷対象が図面であるか否かを判定する(ステップS110)。すなわち、ステップS100において、利用者が、印刷対象が図面であると選択したか否かを判定する。ステップS110にて、印刷対象が図面であると判定されない場合、制御部20は、ステップS115,S120をスキップする。
【0033】
一方、ステップS110にて、印刷対象が図面であると判定された場合、制御部20は、黒線特定部21cの処理により、印刷対象の画像内に黒の線が存在するか否かを判定する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、ステップS105にて取得され、必要に応じて画素数が調整された画像データを参照し、RGB各色の階調値がともに0である画素を抽出する。そして、抽出された画素が所定の幅以下であり、かつ、所定の長さ以上である部分が1カ所以上存在する場合、制御部20は、当該部分を黒の線として特定するとともに黒の線が存在すると判定する。なお、所定の幅は例えば、2ドットあるいは1ドットであることが好ましい。ノズルの製造誤差に起因する記録位置のずれが生じている状態で当該2ドットあるいは1ドットの幅で連続的な黒の線を印刷すると、連続的な線となるべき黒の線が不連続な線となりやすいためである。所定の長さは線として認識され得る長さであれば良く、例えば、3ドット等を所定の長さとする構成等を採用可能である。ステップS115にて、印刷対象の画像内に黒の線が存在すると判定されない場合、制御部20は、ステップS120をスキップする。
【0034】
一方、ステップS115にて、印刷対象の画像内に黒の線が存在すると判定された場合、制御部20は、黒の線を黒線用色変換テーブル30bで色変換する(ステップS120)。本実施形態において、黒線用色変換テーブル30bは、RGB階調値がR=G=B=0である場合に、MK=255,PK=255,C=M=Y=0に変換するテーブルである。すなわち、本実施形態においては、黒の線を構成する画素の全てにおいて2種類の黒インクが重ねて記録されるように色変換が行われる。
【0035】
次に、制御部20は、色変換が実行されていない画素を対象とし、色変換テーブル30aで色変換を行う(ステップS125)。すなわち、黒の線以外の線については、C、M,Yインクと2種類の黒インクとの少なくとも一色を利用して印刷する。本実施形態において黒の線以外の線は、通常のカラーマネジメントを実行するための色変換テーブル30aによって色変換がなされる。なお、本実施形態にかかる色変換テーブル30aにおいては、通常、黒が1種類の黒インクで記録されるため、本実施形態においては、黒の線以外の黒部分は1種類の黒インクで記録されるが、むろん、黒の線以外の部分、例えば、黒単色に着色された3ドット以上の幅を持つ部分等を2種類の黒インクで記録する構成としても良い。また、ステップS110,S115を経てステップS125が実行される場合、ステップS125の開始前においては全ての画素について色変換が実行されていないため、ステップS125においては全ての画素について色変換テーブル30aで色変換が実行される。
【0036】
色変換が実行されると、制御部20は、印刷制御部21dの処理により、ハーフトーン処理を実行する(ステップS130)。すなわち、制御部20は、色変換後のCMYMKPK階調値に基づいて、画素毎にインク滴の吐出の有無を示すデータを生成する。次に、制御部20は、印刷制御部21dの処理により、ハーフトーン処理後のデータを並べ替える並べ替え処理を行う(ステップS145)。すなわち、制御部20は、各主走査においてインクが印刷され得る画素が早い順序に並ぶように画素の順序を並べ替える。そして、制御部20は、並べ替え後の順序で画素毎のデータに応じて駆動電圧を印刷ヘッド41の各ノズルに印加し、印刷ヘッドを制御する。この結果、黒の線以外の部分については従来通りのカラーマネジメントが行われた状態で印刷が行われ、黒の線については2種類の黒インクの双方が使用されて印刷が行われる。
【0037】
2種類の黒インクは、MK,PKのいずれかであり、各インクを吐出するノズルは図3Aに示すように主走査方向にずれているため、同じ画素に重ねて記録される2種類の黒インクの一方が先に印刷され、他方が後に印刷されて黒の線が形成される。例えば、図3Aの印刷ヘッド41において、副走査方向の解像度がノズルピッチPtの1/2となる状態で印刷を行う場合、各ノズルから吐出されるインクは図3Aにおいて破線で示す画素に印刷される。なお、当該破線で示す画素においては、画素の位置を座標(i,j)で示している(i,j,nは自然数)。図3Bは図3Aにて破線で示す画素から副走査方向に並ぶ1列の画素を抜き出して各画素に記録されるインクを実線の丸によって模式的に示しており、図3Bにおいては、丸内の上部に先に印刷される黒インク、下部には後に印刷される黒インクを示している。
【0038】
例えば、図3Bにおける最も上部の画素(j座標が1の画素P1)は図3Aに示す印刷ヘッド41の最も上部に位置するノズルによって印刷され、当該印刷ヘッド41の最も上部に位置するノズルにおいては、右側にMKノズルNm,左側にPKのノズルNpが配置されている。従って、当該ノズルの配置順に従ってインクを吐出することにより、図3Bにおける最も上部の画素P1にはMK,PKの順にインクが記録され、図3Bにおいて画素P1を示す丸内には上にMK,下にPKと示されている。
【0039】
また、図3Cは、図3Bに示す画素に印刷されるインクを主走査方向から眺めた状態を模式的に示しており、実線によってMK,破線によってPKを示している。同図3Cにおいては、インク滴が印刷媒体に記録された状態を円弧によって示している。また、本実施形態のように、各画素において異なるノズルから吐出された黒インクを重ねて印刷を行う場合、最初に記録された黒インクが印刷媒体上で形成したインク滴の上に、さらに黒インクが記録されることになる。従って、図3Cにおいては、先に印刷媒体に記録されたインク滴を示す円弧の上部に後に記録されたインク滴を示す円弧を記述している。例えば、図3Aに示す印刷ヘッド41の最も上部に位置するノズルによって印刷が行われる画素P1においては、MK,PKの順にインクが記録されるため、図3Cにおいては、小さい実線の円弧によって構成されるMKインクのインク滴と大きい破線の円弧によって構成されるPKインクのインク滴を画素P1のインク滴として示している。
【0040】
このように、先にインク滴が記録された後に他のインク滴が記録される構成において、2回目の黒インクは乾燥した印刷媒体上ではなく湿潤な状態の黒インク上に追加されることになるため、2回分の黒インクと同量の黒インクを1回で記録する場合と比較して印刷媒体面に沿って広い範囲に広がりやすい状態となっている。図4Aは、左側に示す黒インクのインク滴を2滴、順番に記録した場合に印刷媒体上でインクが広がる様子を右側に示した図であり、図4Bは、図4Aに示す2滴の黒インクの量の和と同量のインク滴(図4Bの左側に示すインク滴)を1滴記録した場合に印刷媒体上でインクが広がる様子を右側に示した図である。
【0041】
図4Aの右側に示すように、2種類の黒インクを重ねて記録すると、先に記録されたインクI1の表面付近で後に記録されたインクI2が広がるため、先に記録されたインクI1の範囲よりも広範囲にインクI2が広がる。一方、図4Bの右側に示すように、2滴のインクと同量のインクI3を1滴で記録したとしても、印刷媒体上で広がる範囲は、2滴のインクを記録する場合より狭い。従って、1回目の黒インクの記録によって連続的な線となるべき黒の線が不連続な線となっていても、2回目の黒インクが記録されることによりその状態を抑制し、連続的な線として視認されやすくすることができる。
【0042】
さらに、印刷ヘッドから2種類の黒インクを吐出可能である場合、各種類のインクは異なるノズルから吐出される。このため、同じ画素に2種類の黒インクを吐出することを想定した場合、一方のノズルが製造誤差等によって規定の位置からずれた位置に黒インクを記録するノズルであったとしても他方のノズルは当該ずれた位置と異なる位置に黒インクを記録するノズルである可能性が高い。例えば、MKインクを吐出するノズルの中の特定のノズルが規定の位置からずれた位置に黒インクを記録するノズルであった場合、MKインクのみによってノズル間隔と同一間隔でインクを記録する解像度で黒の線の印刷を行うと、図5A、図5Cに示すようにMKインクのインク滴によって副走査方向に延びる黒の線が印刷される。しかし、規定の位置からずれた位置に黒インクを記録するノズルから吐出されたインクは規定の位置からずれて記録されるため、例えば、図3Aに示すノズルNmeが既定の異の位置からずれた位置に黒インクを記録するノズルである場合、図5Aに示すようにインク滴の間に間隙Vが発生してしまう。なお、図5Aは図3B,図5Cは図3Cと同様にインク滴が記録される様子を模式的に示す図である。
【0043】
一方、本実施形態のように2種類の黒インクを吐出する構成においては、ある画素においてMKインクのインク滴が規定の位置からずれていたとしても、その画素にはPKインクも記録されるため、図5Aおよび図5Cに示すような間隙Vが発生することを抑制することができる。例えば、図5Bは図3B,図5Dは図3Cと同様に2種類の黒インクが記録されて黒の線が印刷される様子を模式的に示す図である。これらの図5B,図5Dに示すように、先に印刷されるMKインクが画素P2の規定の位置からずれた位置に記録されたとしても、後に印刷されるPKインクが画素P2の規定の位置からずれた位置に記録される可能性は極めて低い。そして、画素P2においてはMKインクの後にPKインクが記録されることにより、PKインクが湿潤な状態のMKインク上で広がりやすく、画素P2において間隙Vが発生することを抑制することができる。従って、1回目の黒インクの記録によって連続的な線となるべき黒の線が不連続な線となっていても、その状態を抑制し、連続的な線として視認されやすくすることができる。
【0044】
さらに、黒の線は、CMYインクを使用されずに印刷されるため、黒の線に有彩色が含まれる状態で視認されることはない。さらに、CAD(Computer Aided Design)において、黒の線は無彩色の黒であることが必要とされるため、CADによって作成した図面を印刷する場合に本実施形態を利用すると、有彩色によって黒の線が印刷されることがない状態でCADによって作成された図面を印刷することができる。なお、CADで作成したデータにおいては、線分を線分コマンド(LINEコマンド等)で指定するため、2ドット以下の幅の黒の線を描画する線分コマンドを抽出し、当該線分コマンドで指定された線については2種類の黒インクを重ねて印刷するように構成してもよい。また、CADにおいて、2ドット以下の黒の線がもっぱら特定の用途、例えば、寸法を記述するための寸法線に利用される場合、当該特定の用途の黒の線を抽出し、抽出された黒の線については2種類の黒インクを重ねて印刷するように構成してもよい。
【0045】
(2)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、2種類の黒インクを重ねて黒の線を印刷することができる限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、印刷制御部がコンピューターに備えられ、当該コンピューターとプリンターとによって本発明の一実施形態にかかる印刷装置が構成されても良い。
【0046】
さらに、上述の実施形態においては、黒の線を印刷する場合にMKとPKとの双方の階調値を255とし、黒の線を構成する全画素においてMKとPKとの双方を使用していたが、黒の線が不連続となることが抑制できる限りにおいて、一方あるいは双方の使用量を抑制しても良い。すなわち、単位面積あたりに記録可能なインク量の上限の量を超えない範囲でMKとPKとの一方あるいは双方を少なくするように調整すればよい。
【0047】
なお、光沢紙とマット紙とを比較した場合、図面はマット紙に印刷される可能性が高く、マット使用の黒インクであるMKの方がマット紙上で黒が濃く発色し、にじみも少ないため、MKを単位面積あたりに記録可能なインク量の上限の量まで使用し、PKを使用可能な上限よりも少なくする構成を採用しても良い。
【0048】
さらに、2種類の黒インクの使用量は種々の手法によって決定することができる。例えば、印刷装置10において選択可能な印刷媒体のうち、所定の種類の印刷媒体については当該所定の種類の印刷媒体に適したMKおよびPKの使用量を予め決めておく。そして、印刷装置10のユーザーI/F部45において、利用者が予め決められた所定の種類の印刷媒体を選択した場合に、MKおよびPKの使用量を、選択された印刷媒体に対応する規定量を使用量とする。
【0049】
一方、所定の種類以外の印刷媒体(例えば、利用者が用意した任意の印刷媒体)が使用される場合、印刷媒体に適したMKおよびPKの使用量を予め決めておくことができない。そこで、テストパターンを印刷することによって利用者がMKおよびPKの使用量を決定できる構成とする。図4Cはテストパターンの一例を示しており、本例は、MKの使用量を既定量(単位面積あたりに記録可能なインク量の上限の量)とし、PKを単位面積あたりに記録可能なインク量の上限に対して10%の量〜100%の量まで10%毎に変化させて黒の線を印刷したパターンである。図4Cに示す10〜100%までの数値は、その下に印刷される黒の線に含まれるPKの使用量を単位面積あたりに記録可能なインク量の上限に対するパーセンテージで示した数値である。また、図4Dは、図4Cに示す印刷媒体をA方向から眺めた図である。
【0050】
当該テストパターンおよびA方向から見た印刷媒体の状態に基づいて、利用者は、インクのにじみや不連続性、印刷媒体の撓み等に基づいて自己が利用したいPKの使用量を決定する。例えば、図4Cにおいては、単位面積あたりに記録可能なインク量の上限に対してPKの使用量が10%〜50%の範囲では黒の線が不連続になっていることを模式的に示している。また、図4Dにおいては、単位面積あたりに記録可能なインク量の上限に対してPKの使用量が70%以上であれば印刷媒体が撓んでしまうことを模式的に示している。従って、図4Cおよび図4Dに示すようなテストパターンが印刷された場合、単位面積あたりに記録可能なインク量の上限に対してPKの使用量が60%である状態がPKの使用量として適切である。
【0051】
印刷装置10は、当該テストパターンを印刷した後に、PKの使用量を入力するUIをユーザーI/F部45にて出力する。そして、利用者が当該UIを利用してPKの使用量を指示すると、印刷装置10においては、所定の種類以外の印刷媒体が指定された印刷を行う場合、MKを使用可能な範囲の上限、PKを指示された使用量として黒の線を印刷する。この構成によれば、PKの使用量を抑制しながらも、黒の線が不連続となり、にじみが発生することを抑制し、また、印刷媒体の撓み等が発生することも抑制することができる。
【符号の説明】
【0052】
10…印刷装置、20…制御部、21…印刷制御プログラム、21a…印刷設定受付部、21b…画像データ取得部、21c…印刷ヘッド制御部、30a…色変換テーブル、30b…黒線用色変換テーブル、41…印刷ヘッド、42…駆動電圧生成部、43…キャリッジドライバー、44…モータードライバー、45…ユーザーI/F部、46…記憶媒体I/F部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアンインクとマゼンタインクとイエローインクと2種類の黒インクとを用いて印刷を行う印刷装置であって、
印刷対象の画像を示す画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データに基づいて前記画像に含まれる黒の線を特定する黒線特定手段と、
前記黒の線は前記2種類の黒インクで印刷するとともに当該黒の線の少なくとも一部を構成する画素で前記2種類の黒インクを重ねて印刷し、前記黒の線以外の部分は前記シアンインクと前記マゼンタインクと前記イエローインクと前記2種類の黒インクとの少なくとも一色を利用して印刷する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記2種類の黒インクは、第1黒インクと当該第1黒インクよりも薄い第2黒インクとによって構成されることを特徴とする、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷制御手段は、前記黒の線を印刷する場合、印刷媒体の単位面積あたりに記録可能な上限の量となるように前記第1黒インクの使用量を設定することを特徴とする、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷制御手段は、
予め決められた所定の種類の中から選択された印刷媒体が使用される場合、前記第1黒インクと前記第2黒インクとの使用量を既定量として前記黒の線を印刷し、
前記所定の種類以外の印刷媒体が使用される場合、前記第1黒インクの使用量を既定量、前記第2黒インクの使用量を所定の可変範囲から選択された量として前記黒の線を印刷することを特徴とする、
請求項2または請求項3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項5】
前記黒の線は、幅が2ドット以下の線であることを特徴とする、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
前記黒の線は、幅が1ドットであることを特徴とする、
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項7】
前記黒線特定手段は、図面が印刷対象とされた場合に前記画像に含まれる黒の線を特定し、
前記印刷制御手段は、印刷対象とされた前記図面に前記黒の線が含まれる場合に、前記2種類の黒インクで前記黒の線を印刷することを特徴とする、
請求項1〜請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
シアンインクとマゼンタインクとイエローインクと2種類の黒インクとを用いて印刷を行う印刷方法であって、
印刷対象の画像を示す画像データを取得する画像データ取得工程と、
前記画像データに基づいて前記画像に含まれる黒の線を特定する黒線特定工程と、
前記黒の線は前記2種類の黒インクで印刷するとともに当該黒の線の少なくとも一部を構成する画素で前記2種類の黒インクを重ねて印刷し、前記黒の線以外の部分は前記シアンインクと前記マゼンタインクと前記イエローインクと前記2種類の黒インクとの少なくとも一色を利用して印刷する印刷制御工程と、
を含むことを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−183788(P2012−183788A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49930(P2011−49930)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】