説明

印刷装置のカッター機構への駆動力伝達装置

【課題】カッター機構を動作させるときに、ワンウェイクラッチを確実に空転させて正常にクラッチ動作させることができるようにする。
【解決手段】ワンウェイクラッチから可動刃駆動ギヤ106、ウォームギヤ11、ウォームホイール13、可動刃14へと駆動力を伝達する駆動力伝達系の所定箇所に、ワンウェイクラッチの内部に配置されたトーションバネが緩む方向へワンウェイクラッチの第1ギヤを回転させたときに第2ギヤに対して回転抑制負荷を与える負荷機構(凸部17および板バネ18)を設け、第1ギヤを回転させたときに、負荷機構により第2ギヤに対して回転抑制負荷がかかるようにすることにより、トーションバネをリングから離す状態とすることで、第2ギヤが第1ギヤに連れ回らず確実に空転するようにして、第2ギヤからカッター機構に駆動力が伝達されないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置のカッター機構への駆動力伝達装置に関し、特に、ロール状の記録紙を切断するカッター機構付き印刷装置においてワンウェイクラッチを備えた駆動力伝達装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール状の記録紙を紙送り機構で搬送しながら印刷機構で印刷した後、記録紙をカッター機構で必要長さに切断するようになされた印刷装置が提供されている。この種の印刷装置において、記録紙の紙送りは、紙送り機構のプラテンローラにより記録紙を押接した状態で、プラテンローラをモータで回転させることによって行われる。また、記録紙の切断は、カッター機構の固定刃と可動刃との間に記録紙が通された状態で、可動刃をモータで固定刃の方向に摺動させ、可動刃と固定刃とで記録紙を挟むことによって行われる。
【0003】
通常、紙送り機構のプラテンローラを回転させるためのモータと、カッター機構の可動刃を摺動させるためのモータとは別々に設けられる。また、コストの削減を目的として、プラテンローラの駆動と可動刃の駆動とを1つのモータで行うタイプも存在する。後者のように駆動源を1つのモータとする場合、モータの回転方向に応じて、プラテンローラの駆動と可動刃の駆動とを切り替えるのが一般的である。すなわち、モータが一方の方向に回転するときはプラテンローラを駆動し、他方の方向に回転するときは可動刃を駆動する。
【0004】
プラテンローラの駆動と可動刃の駆動とをモータの回転方向に応じて切り替えるために、ワンウェイクラッチと呼ばれる機構が用いられる(例えば、特許文献1参照)。図10は、ワンウェイクラッチを用いた駆動力伝達装置の構成例を示す図である。図10において、101はモータ軸、102はモータギヤ、103は搬送系ワンウェイクラッチ、104はローラ駆動ギヤ、105はカッター系ワンウェイクラッチ、106は可動刃駆動ギヤである。
【0005】
図11は、カッター系ワンウェイクラッチ105の構成例を示す図である。図11に示すように、カッター系ワンウェイクラッチ105は、第1ギヤ105aと第2ギヤ105bとを重ねて構成されている。第2ギヤ105bの内部には、中央に柱状のリング105cが設けられており、その周りにトーションバネ105dが配置されている。トーションバネ105dの一方端には足105eが設けられ、これが第1ギヤ105aの内面に設けられた溝(図示せず)に嵌合する。これにより、第1ギヤ105aとトーションバネ105dとは一体的に回転するようになされている。
【0006】
カッター系ワンウェイクラッチ105の第1ギヤ105aを、第2ギヤ105bの内部にあるトーションバネ105dが締まる方向へ回転させると、トーションバネ105dが第2ギヤ105bのリング105cに対してきつく締め付けられる。これにより、第1ギヤ105aとトーションバネ105dと第2ギヤ105bとが全て一体的に回転する。
【0007】
一方、カッター系ワンウェイクラッチ105の第1ギヤ105aを、第2ギヤ105bの内部にあるトーションバネ105dが緩む方向へ回転させると、トーションバネ105dは第2ギヤ105bのリング105cから離れて自由に動ける状態となる。これにより、第1ギヤ105aとトーションバネ105dだけが一体として回転し、第2ギヤ105bは停止したまま(空転状態)となる。
【0008】
なお、図示はしていないが、搬送系ワンウェイクラッチ103もカッター系ワンウェイクラッチ105と同様に構成されている。すなわち、搬送系ワンウェイクラッチ103は、第1ギヤ103aと第2ギヤ103bとを重ねて構成されている。第2ギヤ103bの内部には、中央に柱状のリング(図示せず)が設けられており、その周りにトーションバネ(図示せず)が配置されている。トーションバネの一方端には足(図示せず)が設けられ、これが第1ギヤ103aの内面に設けられた溝(図示せず)に嵌合する。
【0009】
図10に示すように、モータギヤ102は、搬送系ワンウェイクラッチ103の第1ギヤ103aおよびカッター系ワンウェイクラッチ105の第1ギヤ105aの両方と噛み合っている。また、搬送系ワンウェイクラッチ103の第2ギヤ103bはローラ駆動ギヤ104と噛み合い、カッター系ワンウェイクラッチ105の第2ギヤ105bは可動刃駆動ギヤ106と噛み合っている。
【0010】
例えば、モータを時計回りに回転させると、搬送系ワンウェイクラッチ103の第1ギヤ103aおよびカッター系ワンウェイクラッチ105の第1ギヤ105aの両方が反時計回りに回転する。このとき、搬送系ワンウェイクラッチ103の第1ギヤ103aの回転が、第2ギヤ103bの内部にあるトーションバネが締まる方向への回転だとする。この場合、トーションバネがリングに対してきつく締め付けられ、第2ギヤ103bは第1ギヤ103aに従動して回転する。これにより、駆動力が第2ギヤ103bからローラ駆動ギヤ104に伝達され、紙送り機構が動作する状態となる。
【0011】
一方、カッター系ワンウェイクラッチ105の第1ギヤ105aの回転は、第2ギヤ105bの内部にあるトーションバネ105dが緩む方向への回転となる。この場合、トーションバネ105dはリング105cから離れて自由に動ける状態となり、第2ギヤ105bは空転する(第1ギヤ105aに従動して回転しない)。これにより、駆動力が第2ギヤ105bから可動刃駆動ギヤ106に伝達されることはなく、カッター機構は動作しない状態となる。
【0012】
逆に、モータを反時計回りに回転させると、搬送系ワンウェイクラッチ103の第1ギヤ103aおよびカッター系ワンウェイクラッチ105の第1ギヤ105aの両方が時計回りに回転する。このとき、搬送系ワンウェイクラッチ103の第1ギヤ103aの回転は、第2ギヤ103bの内部にあるトーションバネが緩む方向への回転となる。この場合、トーションバネはリングから離れて自由に動ける状態となり、第2ギヤ103bは空転する。これにより、駆動力が第2ギヤ103bからローラ駆動ギヤ104に伝達されることはなく、紙送り機構は動作しない状態となる。
【0013】
一方、カッター系ワンウェイクラッチ105の第1ギヤ105aの回転は、第2ギヤ105bの内部にあるトーションバネ105dが締まる方向への回転となる。この場合、トーションバネ105dがリング105cに対してきつく締め付けられ、第2ギヤ105bは第1ギヤ105aに従動して回転する。これにより、駆動力が第2ギヤ105bから可動刃駆動ギヤ106に伝達され、カッター機構が動作する状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第3730153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述のように、ワンウェイクラッチを正常に動作させるためには、トーションバネの緩む方向へ第1ギヤが回転したときには第2ギヤは完全に空転する必要がある。しかしながら、コスト削減等のために精度の高いトーションバネを使用できない場合、トーションバネの緩む方向へ第1ギヤが回転したときであっても、トーションバネがリングから完全には離れず、第2ギヤが第1ギヤに従動してしまうことがあるという問題があった。
【0016】
この問題は、搬送系ワンウェイクラッチ103では起こりにくく、カッター系ワンウェイクラッチ105において起こりやすい。搬送系ワンウェイクラッチ103で問題が起こりにくいのは、印刷機構のサーマルヘッドと紙送り機構のプラテンローラとの間に記録紙が挟まれてテンションが常に掛かっているため、プラテンローラからローラ駆動ギヤ104を通じて搬送系ワンウェイクラッチ103の第2ギヤ103bに対して適度な外的負荷がかかっているからである。つまり、このプラテンローラから第2ギヤ103bに伝わる外的負荷により、第2ギヤ103bを停止させたままの状態にすることができ、トーションバネの緩む方向への第1ギア103aの回転により、トーションバネが緩んだ状態となることで、トーションバネのリングに対する締め付けが軽減されたため、第1ギヤ103aだけが回転して第2ギヤ103bは正常に空転する。
【0017】
これに対して、カッター系ワンウェイクラッチ105の場合は、第2ギヤ105bに加わる外的負荷がほとんどない。そのため、トーションバネ105dの緩む方向へ第1ギヤ105aが回転したときであっても、トーションバネ105dがリング105cを締め付けた状態が維持されてしまい、第2ギヤ105bが第1ギヤ105aに従動して回転してしまう問題が生じやすい。
【0018】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、トーションバネが緩む方向へ第1ギヤを回転させるときに、第2ギヤを確実に空転させることにより、ワンウェイクラッチを正常に動作させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記した課題を解決するために、本発明では、ワンウェイクラッチ、可動刃駆動機構を介して可動刃に駆動力を伝達する駆動力伝達系の中の所定箇所に、ワンウェイクラッチの内部に配置されたトーションバネが緩む方向へワンウェイクラッチの第1ギヤを回転させたときに第2ギヤに対して回転抑制負荷を与える負荷機構を設けている。
【発明の効果】
【0020】
上記のように構成した本発明によれば、トーションバネが緩む方向へワンウェイクラッチの第1ギヤを回転させたときに、トーションバネがリングから完全には離れていない状態となっていても、負荷機構により第2ギヤに対して回転抑制負荷が適度な外的負荷としてかけられているので、この外的負荷により第2ギヤを停止させたままの状態にすることができる。これにより、トーションバネが緩む方向へ第1ギヤを回転させるときに、第1ギヤだけを回転させて第2ギヤを空転させ、ワンウェイクラッチを正常に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態によるカッター機構への駆動力伝達装置の構成例を示す図である。
【図2】本実施形態によるカッターユニットの内部構成例を示す図である。
【図3】本実施形態による負荷機構の変形例を示す図である。
【図4】本実施形態による負荷機構の変形例を示す図である。
【図5】本実施形態による負荷機構の変形例を示す図である。
【図6】本実施形態による負荷機構の変形例を示す図である。
【図7】本実施形態による負荷機構の変形例を示す図である。
【図8】本実施形態による負荷機構の変形例を示す図である。
【図9】本実施形態による負荷機構の変形例を示す図である。
【図10】ワンウェイクラッチを用いた駆動力伝達装置の構成例を示す図である。
【図11】カッター系ワンウェイクラッチの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるカッター機構への駆動力伝達装置の構成例を示す図である。図1において、101はモータ軸、102はモータギヤ、103は搬送系ワンウェイクラッチ、104はローラ駆動ギヤ、105はカッター系ワンウェイクラッチ、106は可動刃駆動ギヤである。これらは何れも、図10および図11に示したものと同じである。なお、可動刃駆動機構は本実施形態において、可動刃駆動ギヤ106と、図2で示すウォームギヤ11、ウォームホイール13、駆動軸12で構成される。
【0023】
10はカッター機構としてのカッターユニットである。図2は、カッターユニット10の内部構成例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は正面図、(d)は当該正面図の一部拡大図である。図2において、11は可動刃駆動ギヤ106の動きに連動するウォームギヤであり、駆動軸12に取り付けられている。13はウォームギヤ11と噛み合うウォームホイール、14はリンク19を介してウォームホイール13に連結された可動刃である。
【0024】
本実施形態では、以上の構成により、モータ(図示せず)が回転することで、カッター系ワンウェイクラッチ105、可動刃駆動ギヤ106が動作する。可動刃駆動ギヤ106が動作することで、可動刃駆動ギヤ106に取り付けられた駆動軸12、および駆動軸12に取り付けられたウォームギヤ11が動作する。ウォームギヤ11には螺旋状の溝が形成されており、その溝とウォームホイール13とが噛合する。その結果、ウォームギヤ11を介してウォームホイール13に駆動力が伝達されることにより、ウォームホイール13が回転する。そして、ウォームホイール13に連結された可動刃14が駆動するように成されている。ウォームホイール13を矢印Aの方向にちょうど1回転させると、可動刃14が矢印Bの方向に摺動して、ホームポジションとカットポジションとの間を1往復する。
【0025】
モータから搬送系ワンウェイクラッチ103を介してローラ駆動ギヤ104に駆動力が伝達されて記録紙が搬送されているときは、カッター系ワンウェイクラッチ105の第2ギヤ105bが空転して可動刃駆動ギヤ106には駆動力が伝えられず、可動刃14はホームポジション(図2に示すポジション)で待機する。
【0026】
一方、カッター系ワンウェイクラッチ105から可動刃駆動ギヤ106に駆動力が伝えられると、ウォームホイール13が矢印Aの方向に1回転し、可動刃14がホームポジションとカットポジションとの間を1往復する。このとき、搬送系ワンウェイクラッチ103の第2ギヤが空転してローラ駆動ギヤ104には駆動力が伝えられず、記録紙を搬送するためのプラテンローラ(図示せず)は回転しない。
【0027】
ウォームホイール13の上には、可動刃14のホームポジションの検知用カム15(以下、HP検知用カムという)が設けられている。このHP検知用カム15は、一部に切り欠き部15aを有している。この切り欠き部15aと対向する位置に、可動刃14のホームポジションを検出するセンサ16(以下、HP検出センサという)が備えられている。このHP検出センサ16は突起状のレバー16aを有しており、切り欠き部15aがレバー16aの位置に来たとき、可動刃14がホームポジションにあることを検出する。
【0028】
本実施形態では、カッター系ワンウェイクラッチ105から可動刃14までの駆動力伝達系の中の所定箇所に、負荷機構を備えている。この負荷機構は、カッター系ワンウェイクラッチ105の内部に備えられたトーションバネ105dが緩む方向へカッター系ワンウェイクラッチ105の第1ギヤ105aを回転させるときに、カッター系ワンウェイクラッチ105の第2ギヤ105bに対して回転抑制負荷を与えるためのものである。
【0029】
具体的には、負荷機構は、ウォームホイール13上に設けた凸部17と、当該凸部17と接触してカッター系ワンウェイクラッチ105の第2ギヤ105bに対して回転抑制負荷を与える回転抑制具としての板バネ18とにより構成されている。板バネ18は、カッターユニット10のカッターフレーム(図示せず)に支持される。
【0030】
ウォームホイール13の矢印Aの方向への回転を正回転とした場合、凸部17は、正回転側(図2(d)の右側)の面17aおよび逆回転側(図2(d)の左側)の面17b(以下、接触面という)が90度よりも小さい角度のテーパを有する傾斜面により形成されている。また、板バネ18の先端は、接触面17bのテーパ角度に合わせてL字上に曲げられている。板バネ8の先端は接触面17bとほぼ平行に接触するように形成されているのが好ましい。このような構成により、ウォームホイール13が矢印Aとは逆の方向に回転しようとするときに、凸部17の接触面17bが板バネ18の先端と接触し、ウォームホイール13からウォームギヤ11、可動刃駆動ギヤ106を介してカッター系ワンウェイクラッチ105の第2ギヤ105bに対して回転抑制負荷を与えるようになされている。
【0031】
ウォームホイール13上の凸部17は、可動刃14がホームポジションにあるときに板バネ18が接触面17bと接触する位置に設けられている。すなわち、ウォームホイール13が矢印Aの方向に1回転するときに、回転開始直後は凸部17が板バネ18から離れる方向に移動していく。そして、1回転の最後に凸部17が板バネ18に近づき、板バネ18が凸部17を乗り越える動作を経て凸部17が元の位置に戻る。なお、板バネ18が凸部17をできるだけ滑らかに乗り越えられるように、凸部17の正回転側の面17aは、逆回転側の接触面17bよりも小さい角度のテーパを有する傾斜面により形成するのが好ましい。
【0032】
なお、ウォームホイール13が1回転するときに、その回転に伴って移動する凸部17がHP検出センサ16の本体およびレバー16aと干渉しないように、凸部17の設けられる位置および大きさが設定される。すなわち、HP検出センサ16のレバー16aの下側における空間を通過できるような位置および大きさに凸部17が設けられている。なお、本実施形態では、HP検知用カム15の円周部に沿って凸部17を設けているが、HP検出センサ16と干渉しない限り、円周部から離れた位置(ウォームホイール13の外周寄り側)に凸部17を設けてもよい。
【0033】
以下に、上記のように構成した本実施形態によるカッター機構への駆動力伝達装置の動作を説明する。例えば、モータ(図示せず)を反時計回りに回転させると、搬送系ワンウェイクラッチ103の第1ギヤ103aおよびカッター系ワンウェイクラッチ105の第1ギヤ105aの両方が時計回りに回転する。このとき、搬送系ワンウェイクラッチ103の第1ギヤ103aの回転は、第2ギヤ103bの内部にあるトーションバネが緩む方向への回転となる。この場合、トーションバネはリングから離れて自由に動ける状態となる。
【0034】
また、印刷機構のサーマルヘッドと紙送り機構のプラテンローラとの間に記録紙が挟まれてテンションが常に掛かっているため、プラテンローラからローラ駆動ギヤ104を通じて搬送系ワンウェイクラッチ103の第2ギヤ103bに対して適度な外的負荷がかかっている。このプラテンローラから第2ギヤ103bに伝わる外的負荷が第2ギヤ103bに対する回転抑止負荷となり、第1ギヤ103aだけが回転して第2ギヤ103bは空転する。これにより、駆動力が第2ギヤ103bからローラ駆動ギヤ104に伝達されることはなく、紙送り機構は動作しない状態となる。
【0035】
一方、カッター系ワンウェイクラッチ105の第1ギヤ105aの回転は、第2ギヤ105bの内部にあるトーションバネ105dが締まる方向への回転となる。この場合、第1ギヤ105aに連結しているトーションバネ105dが第2ギヤ105bのリング105cに対してきつく締め付けられ、第2ギヤ105bは第1ギヤ105aに従動して回転する。これにより、駆動力が第2ギヤ105bから可動刃駆動ギヤ106に伝達され、カッター機構が動作する状態となる。
【0036】
可動刃駆動ギヤ106に駆動力が伝達されると、ウォームギヤ11およびウォームホイール13が回転し、可動刃14が摺動してホームポジションとカットポジションとの間を1往復する。このときウォームホイール13は、図2の矢印Aの方向に回転する。これにより、凸部17は、ウォームホイール13の回転開始直後に板バネ18から離れる方向に移動していく。そして、最後に板バネ18が凸部17を乗り越えたところで、ウォームホイール13の回転が終了する。
【0037】
板バネ18が凸部17を乗り越える際に、板バネ18は凸部17の正回転側の面17aに接触するが、正回転側の面17aは接触面17bと比較して傾斜角が小さいため、接触による大きな負荷はかからない。その負荷の大きさは、モータによる駆動力の大きさに比べて無視できるほど小さいので、ウォームホイール13の回転を抑止することにはならず、ウォームホイール13が最後までスムーズに回転することができる。すなわち、殆ど負荷をかけることなく可動刃14を摺動させることができる。
【0038】
逆に、モータを時計回りに回転させると、搬送系ワンウェイクラッチ103の第1ギヤ103aおよびカッター系ワンウェイクラッチ105の第1ギヤ105aの両方が反時計回りに回転する。この場合、第1ギヤ103aに連結しているトーションバネが第2ギヤ103bのリングに対してきつく締め付けられ、第2ギヤ103bは第1ギヤ103aに従動して回転する。これにより、駆動力が第2ギヤ103bからローラ駆動ギヤ104に伝達され、紙送り機構が動作する状態となる。
【0039】
一方、カッター系ワンウェイクラッチ105の第1ギヤ105aの回転は、第2ギヤ105bの内部にあるトーションバネ105dが緩む方向への回転となる。この場合、トーションバネ105dはリング105cから離れて自由に動ける状態となる。ただし、カッター系ワンウェイクラッチ105の第2ギヤ105bには、サーマルヘッドとプラテンローラとの間に挟まれた記録紙からのテンションのような外的負荷が掛からないため、トーションバネ105dがリング105cから完全には離れていない状態であると、第2ギヤ105bが第1ギヤ105aに従動してしまう可能性がある。
【0040】
仮に、第2ギヤ105bが第1ギヤ105aに従動して回転すると、ウォームホイール13は、矢印Aとは逆の方向に回転することになる。これに対して、本実施形態では、凸部17および板バネ18から成る負荷機構を備え、ウォームホイール13が矢印Aとは逆の方向に回転するのに負荷を与えている。このウォームホイール13に対する回転抑制負荷は、ウォームギヤ11を介して第2ギヤ105bに伝えられる。これにより、第1ギヤ105aだけが回転して第2ギヤ105bは空転する。その結果、駆動力が第2ギヤ105bから可動刃駆動ギヤ106に伝達されることはなく、カッター機構は動作しない状態となる。
【0041】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、カッター系ワンウェイクラッチ105の内部に配置されたトーションバネ105dが緩む方向へ第1ギヤ105aを回転させたときに第2ギヤ105bに対して回転抑制負荷を与える負荷機構として、凸部17および板バネ18を設けている。そのため、トーションバネ105dが緩む方向へ第1ギヤ105aを回転させるときに、第1ギヤ105aだけを回転させて第2ギヤ105bを確実に空転させ、カッター系ワンウェイクラッチ105を正常に動作させることができる。
【0042】
また、本実施形態では、凸部17の正回転側の面17aおよび逆回転側の面17bの両方を、90度よりも小さい角度のテーパを有する傾斜面により形成している。特に、逆回転側の接触面17bにもテーパを付けて傾斜面としている点に特徴がある。接触面17bも傾斜させておけば、一定以上の力を加えることにより、凸部17や板バネ18を破損することなく、ウォームホイール13を矢印Aとは逆向きに回転させることができる。すなわち、板バネ18が凸部17を乗り上げるようにしてウォームホイール13を逆回転させることを許容することができる。
【0043】
もし、接触面17bに傾斜がなく、ウォームホイール13に対して垂直であると、一定以上の力でウォームホイール13を無理に逆回転させた場合に、凸部17や板バネ18を破損してしまう恐れがある。例えば、ウォームギヤ11を手動で回転させるための操作部を設けておき、記録紙の切断中に紙詰まりを起こした場合などに、ユーザが操作部を手動で操作することで、ウォームギヤ11と噛合するウォームホイール13を強制的に逆回転させたいときがある。このような場合でも、本実施形態によれば、凸部17や板バネ18を破損することなく、操作部を手動で操作することで、ウォームギヤ11およびウォームホイール13を逆回転させて、紙詰まりを解消することができる。
【0044】
また、本実施形態では、ウォームホイール13上に1箇所だけ凸部17を設けることによって負荷機構を構成している。ウォームホイール13が1回転する最後において板バネ18が凸部17を乗り越えたときに、板バネ18がウォームホイール13に当ることによって「カチ」という音がするが、その乗り上げ時における動作音の発生を最低限の1回に抑えることができる。
【0045】
なお、上記実施形態では、ウォームホイール13上に凸部17を設ける例について説明したが、図3に示すように、凸部17に代えて凹部17’を設けるようにしても良い。この場合の凹部17’も、ウォームホイール13の正回転側の面17a’および逆回転側の面17b’が90度よりも小さい角度のテーパを有する傾斜面により形成されている。ただし、凸部17の場合とは逆に、凹部17’は正回転側の面17a’が板バネ18の先端と接触する。凹部17’の逆回転側の面17b’は、回転抑制負荷を与える正回転側の接触面17a’よりも小さい角度のテーパを有する傾斜面により形成するのが好ましい。
【0046】
また、上記実施形態では、凸部17の正回転側の面17aのテーパ角を逆回転側の接触面17bのテーパ角よりも小さくする例について説明したが、各面17a,17bのテーパ角は同じであってもよい。例えば、接触面17bと同じテーパ角を正回転側の面17aに付けてもよい。このようにすると、ウォームホイール13が正回転方向に1回転する最後に板バネ18が凸部17を乗り越える際に加わる負荷が若干大きくなるが、モータの大きな駆動力を得てウォームホイール13が回転しているので、板バネ18は問題なく凸部17を乗り越えられる。
【0047】
一方、トーションバネ105dの緩む方向に第1ギヤ105aが回転するときは、本来は第2ギヤ105bが完全に空転し、ウォームホイール13に対して駆動力は伝えられない。ただ、トーションバネ105dがリング105cから完全には離れていない状態で、第2ギヤ105bが第1ギヤ105aに従動して回転しようとすると、モータの駆動力の一部がウォームホイール13に伝わってしまう。しかし、この場合にウォームホイール13に伝わる駆動力は、ウォームホイール13を正回転させるときに伝わる駆動力に比べて小さく、その駆動力でウォームホイール13が逆回転しようとしても、板バネ18は凸部17を乗り越えることができない。つまり、凸部17の接触面17bが板バネ18の先端と接触して、ウォームホイール13の逆回転を阻止するのに十分な回転抑制負荷を与えることができる。
【0048】
また、上記実施形態では、ウォームホイール13上に凸部17を設け、この凸部17に接触させる回転抑制具として板バネ18を用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図4に示すように、板バネ18に代えて、圧縮バネ21および圧接部材22を用いるようにしてもよい。
【0049】
圧接部材22は上側が開放された中空部を有し、この中空部の中に圧縮バネ21の一部が入る。圧接部材22の正回転側の側面22aは、凸部17の接触面17bの傾斜角に合わせてテーパが付けられている。圧縮バネ21の一端はカッターフレーム23に固定され、他端は圧接部材22の中空部の底面に固定される。これにより、圧接部材22は、圧縮バネ21が伸びようとする力(図4の下側に向かう力)を受けてウォームホイール13に圧接する。
【0050】
ウォームホイール13を正回転させた場合、1回転の最後に、圧接部材22はその内部の圧縮バネ21が縮んで凸部17を乗り越える。一方、ウォームホイール13を逆回転させる方向に関しては、凸部17の逆回転側の接触面17bが圧接部材22の側面22aと接触し、ウォームホイール13からウォームギヤ11および可動刃駆動ギヤ106を介してカッター系ワンウェイクラッチ105の第2ギヤ105bに対して回転抑制負荷を与える。
【0051】
また、上記実施形態では、凸部17(または凹部17’)をウォームホイール13上に設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5に示すように、ウォームギヤ11上に凸部31(または凹部でもよい)を設けてもよい。図5の例では、ウォームギヤ11上に複数の突起を設けて凸部31を歯車のような形状に構成している。そして、この凸部31と接触してカッター系ワンウェイクラッチ105の第2ギヤ105bに対して回転抑制負荷を与える回転抑制具としての板バネ32を、凸部31と対向する位置に設けている。板バネ32は、カッターフレーム(図示せず)に支持される。
【0052】
このように構成した凸部31の歯車を形成する突起の1つ1つは、ウォームギヤ11の正回転(ウォームホイール13を正回転させる方向の回転)側の面および逆回転(ウォームホイール13を逆回転させる方向の回転)側の面が90度よりも小さい角度のテーパを有する傾斜面により形成されている。そして、逆回転側の面が板バネ32と接触して第2ギヤ105bに対して回転抑制負荷を与えるようになされている。また、凸部31の正回転側の面は、逆回転側の面よりも小さい角度のテーパを有する傾斜面により形成するのが好ましい。
【0053】
また、図6に示すように、ウォームギヤ11の駆動軸12に圧縮バネ41を組込み、この圧縮バネ41の伸長力により第2ギヤ105bに対して回転抑制負荷を与えるようにしてもよい。すなわち、ウォームギヤ11の駆動軸12の周りに巻回するようにして圧縮バネ41を設け、圧縮バネ41の一端をカッターフレームに、他端をウォームギヤ11に接触させる。これにより、圧縮バネ41の作用によりウォームギヤ11の回転に負荷が与えられ、当該ウォームギヤ11と噛み合う可動刃駆動ギヤ106を介してカッター系ワンウェイクラッチ105の第2ギヤ105bに対して回転抑制負荷が与えられる。
【0054】
また、図7に示すように、可動刃駆動ギヤ106に凸部51(または凹部でもよい)を設けてもよい。図7の例では、可動刃駆動ギヤ106に複数の突起を設けて凸部51を歯車のような形状に構成している。そして、この凸部51と接触してカッター系ワンウェイクラッチ105の第2ギヤ105bに対して回転抑制負荷を与える回転抑制具としての板バネ52を、凸部51と対向する位置に設けている。板バネ52は、カッターフレーム(図示せず)に支持される。
【0055】
なお、図4〜図7に示す変形例では、カッター機構を動作させるときにも、可動刃14の摺動に対して負荷を与えることになる。図5および図7の変形例では、その負荷が小さくなるように、凸部31,51の正回転側の面の傾斜角を小さくしているが、それでも一定の負荷はかかる。その結果、負荷がかかる分だけ可動刃14による切断力が低下してしまう。
【0056】
これに対して、図1および図2に示した実施形態では、ウォームホイール13上に凸部17を1つのみ設けている。しかも、可動刃14がホームポジションにあるときに板バネ18と接触する位置に凸部17を設けている。そのため、可動刃14がカットポジションに移動して記録紙を切断しているときには凸部17による負荷はかからず、切断力の低下を回避することができる。
【0057】
また本発明の他の実施形態としては、例えば、図8に示すように、可動刃14の一部に設けた穴61と、この穴61と接触してカッター系ワンウェイクラッチ105の第2ギヤ105bに対して回転抑制負荷を与える回転抑制具としての板バネ62とにより負荷機構を構成するようにしてもよい。板バネ62は、カッターフレーム(図示せず)に支持される。穴61と板バネ62は、可動刃14がホームポジションにあるときに接触する位置に設けられている。
【0058】
穴61は、可動刃14が摺動する矢印Bのカットポジション側(図8の上側)の断面61aおよびホームポジション側(図8の下側)の断面61bが形成されており、板バネ62はカットポジション側の断面61aとホームポジション側の断面61bと接触している。特に、ホームポジション側の断面61bが板バネ62と接触していることで、摩擦による負荷や、板バネ62の弾性力による負荷が生じ、カッター系ワンウェイクラッチ105の第2ギヤ105bに対して回転抑制負荷を与えるようになされている。なお、板バネ62は穴61のカットポジション側の断面61aと必ずしも接触している必要はなく、図8のように板バネ62の先端が折れ曲がっていなくてもよい。
【0059】
このように構成した場合、トーションバネ105dの締まる方向に第1ギヤ105aが回転してウォームホイール13が正回転するとき、ウォームホイール13の回転開始時に板バネ62は穴61の断面61bを乗り越える。ウォームホイール13はモータの大きな駆動力を得ているからである。一方、トーションバネ105dの緩む方向に第1ギヤ105aが回転してウォームホイール13が逆回転しようとするときは、穴61の断面61bと板バネ62とが接触していることから、摩擦による負荷や、板バネ62の弾性力による負荷が生じ、板バネ62は穴61の断面61bを乗り越えない。この場合にウォームホイール13に伝わる駆動力は、ウォームホイール13を正回転させるときに伝わる駆動力に比べて十分に小さいからである。
【0060】
なお、ここでは回転抑制具として板バネ62を用いているが、これに限定されない。例えば、カッターフレーム自体に突起を設け、可動刃14の穴61が突起と接触することで負荷を与えるような構成としてもよい。また、穴61のカットポジション側の断面61aとホームポジション側の断面61bとにテーパを設ける構成としてもよい。また、ホームポジション側の断面61bのみを板バネ62と接触させる構成としてもよい。
【0061】
また、図9に示すように、ウォームホイール13と可動刃14とを連結するリンク19の一部に設けた穴71と、この穴71と接触してカッター系ワンウェイクラッチ105の第2ギヤ105bに対して回転抑制負荷を与える回転抑制具としての板バネ72とにより負荷機構を構成するようにしてもよい。板バネ72は、カッターフレーム(図示せず)に支持される。穴71と板バネ72は、可動刃14がホームポジションにあるときに接触する位置に設けられている。
【0062】
このように構成した穴71も、図8に示した穴61と同様に、可動刃14が摺動する矢印Bのカットポジション側(図9の上側)の断面71aおよびホームポジション側(図9の下側)の断面71bが形成されており、板バネ72はカットポジション側の断面71aとホームポジション側の断面71bと接触している。特に、ホームポジション側の断面71bが板バネ72と接触していることで、摩擦による負荷や、板バネ72の弾性力による負荷が生じ、カッター系ワンウェイクラッチ105の第2ギヤ105bに対して回転抑制負荷を与えるようになされている。なお、板バネ72は穴71のカットポジション側の断面71aと必ずしも接触している必要はなく、板バネ72の先端が折れ曲がっていなくてもよい。
【0063】
このように構成した場合、トーションバネ105dの締まる方向に第1ギヤ105aが回転してウォームホイール13が正回転するとき、ウォームホイール13の回転開始時に板バネ72は穴71の断面71bを乗り越える。一方、トーションバネ105dの緩む方向に第1ギヤ105aが回転してウォームホイール13が逆回転しようとするときは、穴71の断面71bと板バネ72とが接触することで、摩擦による負荷や、板バネ72の弾性力による負荷が生じ、板バネ72は穴71の断面71bを乗り越えない。
【0064】
なお、図9でも回転抑制具として板バネ72を用いているが、これに限定されない。例えば、カッターフレーム自体に突起を設け、リンク19の穴71が突起と接触することで負荷を与えるような構成としてもよい。また、穴71のカットポジション側の断面71aおよびホームポジション側の断面71bにテーパを設ける構成としてもよく、テーパは90度より小さい傾斜面としてもよい。また、ホームポジション側の断面71bのみを板バネ72と接触させる構成としてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、可動刃14がギロチン方式の例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、可動刃がハサミ方式やピザカッター方式であってもよい。要は、可動刃への駆動力伝達の際に回転する部品があるものであれば、本発明を適用することが可能である。
【0066】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0067】
11 ウォームギヤ
12 駆動軸
13 ウォームホイール
14 可動刃
15 HP検知用カム
16 HP検出センサ
17 凸部
17a 凸部の正回転側の面
17b 凸部の逆回転側の面(接触面)
17’ 凹部
17a’ 凹部の正回転側の面(接触面)
17b’ 凹部の逆回転側の面
18 板バネ
19 リンク
21 圧縮バネ
22 圧接部材
31 凸部
32 板バネ
41 圧縮バネ
51 凸部
52 板バネ
61 穴
62 板バネ
71 穴
72 板バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ギヤと第2ギヤとを重ねた構成で、内部に設けられたリングの周りにトーションバネを配置して成るワンウェイクラッチと、
上記ワンウェイクラッチと噛み合う可動刃駆動ギヤと、
上記可動刃駆動ギヤと連動する可動刃駆動機構とを備え、
上記ワンウェイクラッチおよび上記可動刃駆動ギヤに伝達した駆動力により上記可動刃駆動機構を駆動させ、上記可動刃駆動機構に連結された可動刃を駆動するように成され、
上記ワンウェイクラッチから上記可動刃までの駆動力伝達系の中の所定箇所に、上記トーションバネが緩む方向へ上記第1ギヤを回転させるときに上記第2ギヤに対して回転抑制負荷を与える負荷機構を更に備えたことを特徴とする印刷装置のカッター機構への駆動力伝達装置。
【請求項2】
上記可動刃駆動機構は、駆動軸に取り付けられ上記可動刃駆動ギヤと連動するウォームギヤと、上記ウォームギヤと噛合し、さらに上記可動刃に連結されたウォームホイールとを備え、
上記負荷機構は、上記ウォームホイール上に設けた凸部と、当該凸部と接触して上記第2ギヤに対して上記回転抑制負荷を与える回転抑制具とを備え、
上記凸部は、上記ウォームホイールの正回転側の面および逆回転側の面が90度よりも小さい角度のテーパを有する傾斜面により形成されており、上記逆回転側の面が上記回転抑制具と接触して上記第2ギヤに対して上記回転抑制負荷を与えるようになされていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置のカッター機構への駆動力伝達装置。
【請求項3】
上記凸部の上記正回転側の面は、上記逆回転側の面よりも小さい角度のテーパを有する傾斜面により形成されていることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置のカッター機構への駆動力伝達装置。
【請求項4】
上記可動刃駆動機構は、駆動軸に取り付けられ上記可動刃駆動ギヤと連動するウォームギヤと、上記ウォームギヤと噛合し、さらに上記可動刃に連結されたウォームホイールとを備え、
上記負荷機構は、上記ウォームホイール上に設けた凹部と、当該凹部と接触して上記第2ギヤに対して上記回転抑制負荷を与える回転抑制具とを備え、
上記凹部は、上記ウォームホイールの正回転側の面および逆回転側の面が90度よりも小さい角度のテーパを有する傾斜面により形成されており、上記正回転側の面が上記回転抑制具と接触して上記第2ギヤに対して上記回転抑制負荷を与えるようになされていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置のカッター機構への駆動力伝達装置。
【請求項5】
上記凹部の上記逆回転側の面は、上記正回転側の面よりも小さい角度のテーパを有する傾斜面により形成されていることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置のカッター機構への駆動力伝達装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−192699(P2012−192699A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59979(P2011−59979)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000107642)スター精密株式会社 (253)
【Fターム(参考)】