印刷装置及び印刷方法
【課題】印刷モード切り替えをユーザーに意識させずに省電力を実現することができ、印刷装置の利便性を向上させることを課題とする。
【解決手段】受信された印刷ドキュメント毎の印刷データD1,D2を一時的に印刷データ保持手段U1に保持し、この印刷データ保持手段U1に保持されている印刷データD1,D2の数と量の少なくとも一方が所定の基準内であるか否かを判断し、該判断結果が前記基準内である場合に前記保持されている印刷データD1,D2に基づいた印刷を省電力印刷モードで行い、前記判断結果が前記基準内でない場合に前記保持されている印刷データD1,D2に基づいた印刷を通常印刷モードで行う。
【解決手段】受信された印刷ドキュメント毎の印刷データD1,D2を一時的に印刷データ保持手段U1に保持し、この印刷データ保持手段U1に保持されている印刷データD1,D2の数と量の少なくとも一方が所定の基準内であるか否かを判断し、該判断結果が前記基準内である場合に前記保持されている印刷データD1,D2に基づいた印刷を省電力印刷モードで行い、前記判断結果が前記基準内でない場合に前記保持されている印刷データD1,D2に基づいた印刷を通常印刷モードで行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常印刷モードと省電力印刷モードとで印刷を行う印刷装置及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の印刷装置は、通常印刷モードよりも印刷速度が遅いものの消費電力が少ない省電力印刷動作モードで動作可能な装置が増えてきている。
特許文献1に記載の印刷装置は、単位時間当たりの印刷物出力枚数が最大となる通常モードと、当該通常モードよりも消費電力及び単位時間当たりの印刷物出力枚数が低い省電力出力モードと、を備えている。この印刷装置は、通常モードと省電力出力モードとをユーザーが選択可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−86106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、印刷装置の省電力を実現するためには、ユーザーが印刷モードを切り替える操作を行う必要がある。
【0005】
以上を鑑み、本発明は、印刷モード切り替えをユーザーに意識させずに省電力を実現することができ、印刷装置の利便性を向上させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、第一の印刷速度で印刷が行われる通常印刷モードと、該通常印刷モードよりも消費電力が少なく前記第一の印刷速度よりも遅い第二の印刷速度で印刷が行われる省電力印刷モードと、で印刷データに基づいた印刷を行う印刷装置であって、
受信された印刷ドキュメント毎の前記印刷データを一時的に保持する印刷データ保持手段と、
この印刷データ保持手段に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が所定の基準内であるか否かを判断するモード判断手段と、
前記判断結果が前記基準内である場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行う省電力印刷実行手段と、
前記判断結果が前記基準内でない場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行う通常印刷実行手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、第一の印刷速度で印刷が行われる通常印刷モードと、該通常印刷モードよりも消費電力が少なく前記第一の印刷速度よりも遅い第二の印刷速度で印刷が行われる省電力印刷モードと、で印刷データに基づいた印刷を行う印刷方法であって、
受信された印刷ドキュメント毎の前記印刷データを一時的に印刷データ保持手段に保持し、
この印刷データ保持手段に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が所定の基準内であるか否かを判断し、
前記判断結果が前記基準内である場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行い、
前記判断結果が前記基準内でない場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行うことを特徴とする。
【0008】
すなわち、印刷データ保持手段に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が少ない場合、該印刷データに基づいた印刷は、比較的印刷速度が遅いものの消費電力が少ない省電力印刷モードで行われる。一方、印刷データ保持手段に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が多い場合、該印刷データに基づいた印刷は、比較的消費電力が多いものの印刷速度が速い通常印刷モードで行われる。
以上より、印刷モード切り替えをユーザーに意識させずに省電力を実現することができ、印刷装置の利便性を向上させることができる。
【0009】
ここで、省電力印刷モードは、複数のモードが存在していてもよく、特に複数段階の印刷速度で印刷が行われる複数のモードが存在していてもよい。通常印刷モードも、複数のモードが存在していてもよい。
印刷データの数又は量の判断基準である基準内とは、印刷データの数又は量に対する判断の基準となる正の閾値を設定すると、印刷データの数又は量に対応する値が閾値以下であることと、印刷データの数又は量に対応する値が閾値未満であることと、の両方が含まれる。
【0010】
前記印刷データの数には、該印刷データの印刷ドキュメント数、該印刷データの印刷ページ数、これらの組み合わせ、等が含まれる。前記印刷データの量には、該印刷データのデータ量、等が含まれる。保持されている印刷データの印刷ドキュメント数、保持されている印刷データの印刷ページ数、保持されている印刷データのデータサイズ、の少なくとも一つを前記判断の対象とすることにより、省電力印刷モードとしてもよい状況をより適切に判断することができる。
【0011】
前記受信される印刷データには、ビットマップ展開するためのコマンドが含まれ、前記印刷データ保持手段は、前記コマンドを解釈する前の印刷データを保持する解釈前データ保持部と、前記コマンドを解釈した後の印刷データを保持する解釈後データ保持部とを有していてもよい。この場合、前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データのコマンドを解釈して該印刷データを前記解釈後データ保持部に順次ビットマップ展開するコマンド解釈手段が設けられてもよい。前記モード判断手段は、前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が前記基準内であるか否かを判断してもよい。これにより、印刷データが受信された早い段階で印刷モードを判断することができる。
【0012】
前記モード判断手段は、前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内、かつ、前記解釈後データ保持部に保持されている先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内であるか否かを判断してもよい。解釈前データ保持部に保持されている印刷ドキュメント数が少なくても、間もなく印刷される先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数が多ければ、前記判断までに受信された印刷ドキュメントが印刷されるまでに多くの時間がかかることになる。そこで、このような場合に通常印刷モードとすれば、省電力印刷モードとしてもよい状況をより適切に判断することとなり、印刷装置の利便性を向上させることができる。また、印刷ドキュメントのコマンドが解釈されて初めて印刷ドキュメントの印刷ページ数が判る場合に、好適な構成を提供することができる。
【0013】
前記モード判断手段は、印刷ドキュメント単位の印刷データが受信されたときに前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内であるか否かを判断するとともに、該判断直前に受信された前記印刷ドキュメント単位の印刷データのコマンドが解釈された後に前記解釈後データ保持部に保持された前記判断直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内であるか否かを判断してもよい。解釈前データ保持部に保持されている印刷ドキュメント数が少なくても、前記判断直前に受信された印刷ドキュメントの印刷ページ数が多ければ、当該印刷ドキュメントの印刷に多くの時間がかかることになる。そこで、このような場合に通常印刷モードとすれば、省電力印刷モードとしてもよい状況をより適切に判断することとなり、印刷装置の利便性を向上させることができる。また、印刷ドキュメントのコマンドが解釈されて初めて印刷ドキュメントの印刷ページ数が判る場合に、好適な構成を提供することができる。
【0014】
前記モード判断手段は、前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内、かつ、前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内であるか否かを判断してもよい。解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ページ数が少なくても、印刷データ保持手段に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が多ければ、前記判断までに受信された印刷ドキュメントが印刷されるまでに多くの時間がかかることになる。そこで、このような場合に通常印刷モードとすれば、省電力印刷モードとしてもよい状況をより適切に判断することとなり、印刷装置の利便性を向上させることができる。
【0015】
前記モード判断手段は、前記印刷ドキュメント単位の印刷データが受信されたときに前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内であるか否かを判断するとともに、該判断直前に受信された前記印刷ドキュメント単位の印刷データのコマンドが解釈された後に前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内であるか否かを判断してもよい。解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ページ数が少なくても、前記判断までに受信された印刷ドキュメントのコマンドが解釈された直後に印刷データ保持手段に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が多ければ、当該判断直前に受信された印刷ドキュメント以降の印刷ドキュメントの印刷に多くの時間がかかることになる。そこで、このような場合に通常印刷モードとすれば、省電力印刷モードとしてもよい状況をより適切に判断することとなり、印刷装置の利便性を向上させることができる。
【0016】
上述した発明は、印刷データ保持機能とモード判断機能と省電力印刷機能と通常印刷機能をコンピューターに実現させる印刷プログラム、該プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る印刷装置1の構成の概略を模式的に例示するブロック図である。
【図2】印刷システムS1の構成の概略を模式的に例示するブロック図である。
【図3】印刷装置1の印刷エンジン部40の概略を例示する図である。
【図4】印刷装置1の電気回路構成の概略を例示する図である。
【図5】印刷装置1及び複数のホスト装置100をネットワーク接続した印刷システムS2の構成例を示すブロック図である。
【図6】印刷データD1,D2の流れを模式的に示す図である。
【図7】印刷装置1が行う印刷データ処理を例示するフローチャートである。
【図8】印刷装置1が行う印刷モード設定処理を例示するフローチャートである。
【図9】変形例に係る印刷モード設定処理を例示するフローチャートである。
【図10】第二の実施形態に係る印刷モード設定処理を例示するフローチャートである。
【図11】変形例に係る印刷モード設定処理を例示するフローチャートである。
【図12】第三の実施形態に係る印刷モード設定処理を例示するフローチャートである。
【図13】変形例に係る印刷モード設定処理を例示するフローチャートである。
【図14】変形例に係る印刷モード設定処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(1)印刷装置の構成:
図1に示すように、本発明の第一の実施形態に係る印刷装置1を含む印刷システムS1は、印刷装置1とホスト装置100とが接続されて構成されている。むろん、印刷システムは、ホスト装置とプリンターとが一体化された装置でもよい。
印刷装置1は、図1に示す各部U1〜U6を備え、第一の印刷速度V1で印刷が行われる通常印刷モードと、該通常印刷モードよりも消費電力が少なく前記第一の印刷速度V1よりも遅い第二の印刷速度V2で印刷が行われる省電力印刷モードと、で印刷データD1に基づいた印刷を行う。本実施形態の印刷装置1は、カラー印刷可能なページプリンターであるレーザープリンターとされている。むろん、印刷装置1は、通常印刷モードと省電力印刷モードとで印刷可能であれば、インクジェットプリンター、スキャナーやファクシミリとの複合機、等でもよい。
【0019】
図1,2に示すように、ホスト装置100は、パーソナルコンピューターといった、印刷装置1へ印刷ドキュメント単位で印刷データD1を供給するホストコンピューターとされる。ホスト装置100は、CPU(Central Processing Unit)111、半導体メモリー112,113、各種装置114〜117、通信インターフェイス(I/F)118、等がバスに接続されて互いに情報を入出力可能とされている。記憶装置114は、オペレーティングシステム(OS)、プリンタードライバーPD、等を記憶している。入力装置115は、キーボードやポインティングデバイスといった操作入力装置等で構成される。出力装置116は、ディスプレイ等の画像出力装置や音声出力装置等で構成される。データ入出力装置117は、コンピューター読み取り可能な記録媒体が着脱可能に接続されたときに該記録媒体に対してデータを入出力する。通信I/F118は、印刷装置の通信I/F18に接続され、印刷装置1に対して情報を入出力する。
【0020】
図1〜3に示す印刷装置1は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のトナー(記録剤)を印刷媒体M1に付着させ、所定のページ記述言語で記述された印刷データD1に含まれるコマンドC1(図6参照)に従って印刷物を形成する。印刷装置1は、制御部10、操作パネル29、印刷エンジン部40、エンジン制御部50、給紙トレイ61、等を備えている。
制御部10は、CPU11、半導体メモリー12,13、記憶装置14、通信I/F18、タイマー回路19、等がバスに接続されて互いに情報を入出力可能とされている。CPU11は、ROM(Read Only Memory)12に書き込まれたプログラムに従って印刷装置全体の動作を制御する。当該プログラムは、印刷データ保持部(印刷データ保持手段)U1、モード判断部(モード判断手段)U2、省電力印刷実行部(省電力印刷実行手段)U3、通常印刷実行部(通常印刷実行手段)U4、コマンド解釈部(コマンド解釈手段)U5、受信部U6、等に対応した機能を印刷装置1に実現させる。
【0021】
RAM(Random Access Memory)13は、印刷データ保持部U1を構成し、コマンド解釈前のドキュメント単位の印刷データD1、コマンド解釈後の印刷データD2、等を格納する。印刷データD1は、ホスト装置100から印刷ドキュメント単位で送信され、印刷装置1に印刷を実行させるための印刷ジョブである。
【0022】
図6に示すように、コマンド解釈前の印刷データD1には、ビットマップ展開するための複数のコマンドC1の他、ドキュメント名、状態、所有者、印刷ページ数、データサイズ、受付時刻、ポート、等の情報が含まれている。コマンドは、文字の描画、ベクターグラフィックスの描画、写真の描画、等、オブジェクトの種類毎に設けられている。ここで、ビットマップ展開は、コマンドを有する印刷データをビットマップ画像に展開することをいうものとする。
コマンド解釈後の印刷データD2は、ビットマップ画像を表すデータであり、X方向(横方向)及びY方向(縦方向)に整然とドットマトリクス状に並んだ画素のそれぞれに階調値が格納されたデータとされている。
【0023】
記憶装置14に記憶されたビットマップ画像生成プログラムPRは、ドットを配置した画像I1を形成するためのビットマップ画像のデータ(印刷データD2)を印刷データD1に基づいて生成する機能(コマンド解釈部U5)をコンピューターに実現させる。
通信I/F18(受信部U6)は、ホスト装置100に対して情報を入出力可能であり、ホスト装置100から印刷ドキュメント単位の印刷データD1を受信する。
【0024】
スクリーン処理部21は、ビットマップ展開後の印刷データD2をスクリーン処理し、印刷エンジン部40へ送出するためのスクリーン画像データを生成する。例えば、印刷エンジン部40にPWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)処理部があるレーザープリンターの場合、印刷データD2をレーザービームによるドット形成に適したパルス信号に変換すればよい。
エンジン管理部22は、上記スクリーン画像データを印刷エンジン部40へ送出する。印刷エンジン部40は、上記スクリーン画像データに従って印刷用紙といった印刷媒体M1にトナーのドットを配置し、印刷画像I1を印刷媒体M1上に形成する。
操作パネル29は、操作スイッチといった入力装置、及び、液晶ディスプレイといった出力装置を備え、制御部10に接続されている。
【0025】
本印刷装置1の基本部分は、印刷データ保持部U1とモード判断部U2と省電力印刷実行部U3と通常印刷実行部U4とで構成される。印刷データ保持部U1は、受信された印刷ドキュメント毎の印刷データD1,D2を一時的に保持する。モード判断部U2は、印刷データ保持部U1に保持されている印刷データD1,D2の数と量の少なくとも一方が所定の基準内であるか否かを判断する。省電力印刷実行部U3は、前記判断結果が前記基準内である場合に前記保持されている印刷データD1,D2に基づいた印刷を省電力印刷モードで行う。通常印刷実行部U4は、前記判断結果が前記基準内でない場合に前記保持されている印刷データD1,D2に基づいた印刷を前記通常印刷モードで行う。
【0026】
本実施形態の印刷データ保持部U1は、コマンドC1を解釈する前の印刷データD1を保持する解釈前データ保持部U11と、コマンドC1を解釈した後の印刷データD2を保持する解釈後データ保持部U12とを有している。モード判断部U2は、解釈前データ保持部U11と解釈後データ保持部U12の少なくとも一方に保持されている印刷データ数D3、解釈前データ保持部U11と解釈後データ保持部U12の少なくとも一方に保持されている印刷データ量D6、の少なくとも一方を判断の対象とする。ここで、印刷データ数D3には、印刷データの印刷ドキュメント数D4、印刷データの印刷ページ数D5、これらの組み合わせ、等が含まれる。印刷データ量D6には、印刷データのデータサイズD7、等が含まれる。
【0027】
本実施形態の印刷装置1は、受信部U6でホスト装置100から印刷データD1を受信する。また、コマンド解釈部U5は、解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1のコマンドC1を解釈して該印刷データD1を解釈後データ保持部U12に順次ビットマップ展開する。
【0028】
図3,4に例示する本実施形態の印刷装置1は、感光体41の回転方向に沿って、帯電ユニット42、露光ユニット43、YMCK現像デバイス44、一次転写ユニット45、中間転写体46、等を有し、さらに、二次転写ユニット47、定着ユニット48、及び、これらのユニット等を制御し印刷装置1の動作を制御する制御部10、等を有している。
感光体41は、感光体駆動制御回路51の制御に従って回転駆動される。
【0029】
帯電ユニット42は、帯電ユニット駆動制御回路52の制御に従って感光体41を帯電する。
露光ユニット43は、露光ユニット駆動制御回路53の制御に従ってレーザーを照射し、帯電した感光体41上に潜像を形成する。
【0030】
YMCK現像デバイス44は、回転体としてのロータリー44aと、このロータリー44aに装着されたブラック現像ユニット44k、マゼンタ現像ユニット44m、シアン現像ユニット44c、及び、イエロー現像ユニット44yを有している。YMCK現像デバイス44は、現像デバイス駆動制御回路54の制御に従って回転駆動される。
一次転写ユニット45は、一次転写ユニット駆動制御回路55の制御に従って回転駆動され、感光体41に形成された単色トナー像を中間転写体46に転写する。中間転写体46に4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体46にフルカラートナー像が形成される。
【0031】
二次転写ユニット47は、二次転写ユニット駆動制御回路57の制御に従って回転駆動され、中間転写体46上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の印刷媒体M1に転写する。
定着ユニット48は、定着ユニット駆動制御回路58の制御に従って回転駆動され、印刷媒体M1上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を印刷媒体M1に融着させて永久像とする。定着ユニット48にはヒーター48aが設けられ、このヒーター48aはヒーター駆動制御回路58aの制御に従ってヒーター48aに通電する。
【0032】
以上より、給紙トレイ61に収容された印刷媒体M1は、ローラーで移送されながら、二次転写ユニット47でトナー像が転写され、定着ユニット48で加熱及び加圧されて画像I1が形成される。通常印刷モードでは、定着ユニット48が比較的高温に加熱されるため、印刷速度V1を比較的高速にすることができる。しかし、ヒーター48aの消費電力が比較的多くなることにもなる。一方、省電力印刷モードでは、定着ユニット48が比較的低温で加熱されるため、印刷速度V4を比較的低速にしなければ印刷媒体にトナーが十分に定着しないものの、ヒーター48aの消費電力が比較的少なくて済む。
【0033】
各印刷モードの動作を実現するため、制御部10のメモリー13,14には、現在の印刷モードを表すモード情報13a、各部(41,43,44,45,47等)の駆動速度を印刷モードに応じた速度に制御するための速度情報14a、ヒーター48aの温度を印刷モードに応じた温度に制御するための温度情報14b、等が記憶されている。速度情報14aや温度情報14bは、印刷装置1が電源オフとなっても保持する観点から、記憶装置14に記憶されると好適である。むろん、電源オフ時にRAM13がバックアップされていれば、速度情報14aや温度情報14bがRAM13に記憶されてもよい。
【0034】
なお、図5に示す印刷システムS2のように、ネットワークN1を介して複数の印刷装置1と複数のホスト装置100とを接続してもよい。ネットワークN1には、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、これらの組み合わせ、等が含まれる。
ネットワークで接続されたプリンター等の印刷装置が複数存在する環境を前提とすると、従来は、ユーザーが選択した印刷モードが絶対とされ、ユーザーが最適な印刷装置を選択して出力していた。1台の印刷装置しかない環境では、省電力印刷モードが選択された印刷ドキュメントは、常に印刷スピードが遅くなる。従って、複数の印刷ドキュメントが存在する場合は、全ての印刷が終了するまでに、通常印刷モードで印刷される場合の時間よりも多くの時間を要してしまう。従って、複数の印刷ドキュメントのうち後方の印刷ドキュメントの印刷要求を出したユーザーは、予想以上に待たされることになる。
一方、本印刷装置1は、印刷ドキュメントの状況に応じて省電力印刷モードが選択されるため、印刷ドキュメント毎に印刷モードをユーザーに意識させず、ユーザーに不便さを感じさせず、適切に省電力を実現することができる。
【0035】
図6は、印刷データD1,D2の流れを模式的に示している。
印刷装置1は、コマンドC1が含まれた印刷データD1を印刷ドキュメント単位で受信し、例えば図示しないDMA(Direct Memory Access)コントローラーによりRAM13に設けられた解釈前データ保持部U11に印刷ドキュメント単位の印刷データD1を転送する。図6の例では、i番目(iは1以上の整数)の印刷ドキュメントが「doc i」で示され、N個(Nは1以上の整数)の印刷ドキュメントdoc1,doc2,…,docNが解釈前データ保持部U11に一時的に保持されていることが示されている。ここで、印刷ドキュメントに優先順位が設定されていれば、doc1が一番優先順位の高い印刷ドキュメントとなり、docNが一番優先順位の低い印刷ドキュメントとなる。印刷ドキュメントに優先順位が設定されていなければ、doc1が最初に受信された印刷ドキュメントとなり、docNが一番最後に受信された印刷ドキュメントとなる。
【0036】
コマンド解釈部U5は、例えばRAM13に設けられる印刷キューの領域(解釈後データ保持部U12)が空き次第、解釈前データ保持部U11の中で最初に受信された印刷ドキュメントdoc1のコマンドC1を解釈し、印刷ドキュメントdoc1を解釈後データ保持部U12にビットマップ展開する。印刷ドキュメントdoc1の印刷ページ数がM(Mは1以上の整数)であれば、印刷ドキュメントdoc1はMページ分にビットマップ展開される。図6の例では、j番目(jは1以上の整数)の印刷ページが「page j」で示され、M個の印刷ページ(印刷キュー)page1,page2,…,pageMが解釈後データ保持部U12に一時的に保持されていることが示されている。ここで、page1が最初の印刷ページであり、pageMが一番最後の印刷ページである。
スクリーン処理部21へは、解釈後データ保持部U12の中で最初の印刷ページから順に印刷データD2が転送される。
【0037】
(2)第一の実施形態に係る印刷装置の動作、作用及び効果:
図7は、印刷装置1が行う印刷データ処理をフローチャートにより示している。ここで、ステップS104〜S106の処理を行う印刷装置1は、コマンド解釈部U5を構成する。以下、「ステップ」の記載を省略する。本印刷データ処理は、印刷装置1の電源がオンにされると開始し、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。
処理を開始すると、印刷装置1は、受信済みの印刷データD1が有るか否か、すなわち、解釈前データ保持部U11に印刷データD1が保持されているか否かを判断する(S102)。解釈前データ保持部U11に印刷データD1が無ければ、S102の判断処理を繰り返す。印刷データD1が受信されると、解釈前データ保持部U11に転送されるので、解釈前データ保持部U11内の印刷ドキュメントの数が一つ増えることになる。
【0038】
解釈前データ保持部U11に印刷データD1が保持されている場合、印刷装置1は、解釈前データ保持部U11の中で最初に受信された印刷ドキュメントdoc1のコマンドC1を解釈する(S104)。S106では、印刷ドキュメントdoc1を解釈後データ保持部U12にビットマップ展開し、ビットマップ画像を表す印刷データD2を生成する。これにより、図6で示したような印刷ページpage1,page2,…,pageMが解釈後データ保持部U12に保持されることとなる。S108では、スクリーン処理部21やエンジン管理部22や印刷エンジン部40に対して印刷要求を出力し、S102に戻る。すると、解釈後データ保持部U12の印刷ページpage1,page2,…,pageMが順番にスクリーン処理部21へ転送され、設定された印刷モードで印刷が実行される。
【0039】
例えば、RAM13に格納されたモード情報13aが現在の印刷モードを表す情報であるとする。上記印刷要求が出されたとき、印刷装置1は、モード情報13aで表される印刷モードに対応した温度情報14bをメモリーから読み出し、ヒーター駆動制御回路58aに対してヒーター48aの加熱温度を印刷モードに応じた温度に制御するための駆動信号を出力すればよい。むろん、通常印刷モードの加熱温度は比較的高温であり、省電力印刷モードの加熱温度は比較的低温である。むろん、ヒーター48aの加熱温度が高いほど消費電力が多くなり、省電力印刷モードよりも通常印刷モードの方が消費電力は多くなる。
また、上記印刷要求が出されたとき、印刷装置1は、印刷モードに対応した速度情報14aをメモリーから読み出し、駆動制御回路51,53,54,55,57等に対して印刷エンジン部の各部41,43,44,45,47等の駆動速度を印刷モードに応じた速度に制御するための駆動信号を出力する。むろん、通常印刷モードの駆動速度は比較的高速であり、省電力印刷モードの駆動速度は比較的低速である。
【0040】
図8は、第一の実施形態に係る印刷装置1が行う印刷モード設定処理をフローチャートより示している。フローチャート中には、モード判断部U2、省電力印刷実行部U3、及び、通常印刷実行部U4がどの処理を行うのかを符号により示している。本印刷モード設定処理は、印刷ドキュメント単位の印刷データD1が受信されて解釈前データ保持部U11に格納されたことをトリガとして開始し、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。
処理を開始すると、印刷装置1は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ドキュメント数Nを取得する(S202)。例えば、解釈前データ保持部U11に格納されている印刷ドキュメントを計数すればよい。S204では、取得された印刷ドキュメント数Nが当該印刷ドキュメント数の基準数Ns内であるか否かを判断する。
【0041】
例えば、通常印刷モードにおいて単位時間当たりに印刷される標準の印刷ページ数を標準印刷速度VS1(ページ/分)とし、省電力印刷モードにおいて単位時間当たりに印刷される標準の印刷ページ数を標準印刷速度VS2(0<VS2<VS1)とする。また、多くの印刷ドキュメントの印刷データが1印刷ページ分であるとし、省電力印刷モードにおいて印刷ドキュメント間に生じる印刷の待ち時間をTW(分)とする。省電力印刷モードにおいて、N個の印刷ドキュメントの印刷に必要な時間TP1(分)は、(N/VS2)+(N−1)・TWとなる。この印刷時間TP1は、N番目の印刷ドキュメントの印刷を要求したユーザーの待ち時間に相当する。印刷時間TP1に対する閾値TH1をユーザーが待つことができる時間として設定すると、TP1≦TH1となる最大の印刷ドキュメント数を基準数Nsとすることができる。例えば、標準印刷速度VS2を10(ページ/分)、印刷ドキュメント間の待ち時間TWを0.05(分)、閾値TH1を1(分)、印刷ドキュメント数Nを7とすると、(N/VS2)=0.7(分)、(N−1)・TW=0.3(分)となるので、基準数Nsは7となる。
【0042】
S204の処理は、例えば印刷ドキュメント数Nが基準数Ns以下であるか否かを判断する処理とすることができる。むろん、印刷ドキュメント数Nが基準数Ns未満であるか否かを判断する処理としてもよい。他のステップの判断処理も、同様である。Nが基準数外、すなわち、N>Ns(又はN≧Ns)の場合、N個の印刷ドキュメントの印刷完了まで比較的長い時間がかかる見込みであるので、S212で通常印刷モードに設定し、S202に戻る。
S212の設定処理は、例えば、RAM13に格納するモード情報13aを通常印刷モードが表わされた情報にする処理とすることができる。印刷装置1は、図7のS108で印刷要求が出されると、通常印刷モードに対応した温度情報14b及び速度情報14aをメモリーから読み出し、ヒーター48aの加熱温度を通常印刷モードに応じた比較的高い温度に制御し、印刷エンジン部の各部41,43,44,45,47等の駆動速度を通常印刷モードに応じた比較的速い速度V1に制御する。すなわち、S108,S212の処理は、スクリーン処理部21、エンジン管理部22、印刷エンジン部40とともに通常印刷実行部U4に対応している。
【0043】
S204の判断処理においてNが基準数内、すなわち、N≦Ns(又はN<Ns)であった場合、印刷装置1は、解釈後データ保持部U12に保持されているコマンド解釈後の先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数Mを取得する(S206)。例えば、解釈後データ保持部U12に格納されている先頭の印刷ドキュメントの印刷ページを計数すればよい。むろん、先頭の印刷ドキュメントの印刷データD1に含まれていたページ数を取得してもよい。S208では、取得された印刷ページ数Mが当該印刷ページ数の基準数Ms内であるか否かを判断する。
【0044】
例えば、省電力印刷モードにおいて、標準印刷速度をVS2(ページ/分)とすると、N印刷ページの印刷に必要な時間TP2(分)は、M/VS2となる。印刷時間TP2に対する閾値TH2をユーザーが待つことができる時間として設定すると、TP2≦TH2となる最大の印刷ページ数を基準数Msとすることができる。閾値TH2は、上記閾値TH1と同じでもよいし、異なっていてもよい。例えば、標準印刷速度VS2を10(ページ/分)、閾値TH2を1(分)、印刷ページ数Mを10とすると、TP2=1(分)となるので、基準数Msは10となる。
【0045】
S208の判断処理において、Mが基準数外、すなわち、M>Ms(又はM≧Ms)の場合、M印刷ページの印刷完了まで比較的長い時間がかかる見込みであるので、S212で通常印刷モードに設定し、S202に戻る。一方、Mが基準数内、すなわち、M≦Ms(又はM<Ms)である場合、S210で省電力印刷モードに設定し、S202に戻る。
以上より、省電力印刷モードに設定されるのは、解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1の印刷ドキュメント数Nが当該印刷ドキュメント数の基準数内、かつ、解釈後データ保持部U12に保持されている先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数Mが当該印刷ページ数の基準数内となる。
【0046】
S210の設定処理は、例えば、RAM13に格納するモード情報13aを省電力印刷モードが表わされた情報にする処理とすることができる。印刷装置1は、図7のS108で印刷要求が出されると、省電力印刷モードに対応した温度情報14b及び速度情報14aをメモリーから読み出し、ヒーター48aの加熱温度を省電力印刷モードに応じた比較的低い温度に制御し、印刷エンジン部の各部41,43,44,45,47等の駆動速度を省電力印刷モードに応じた比較的遅い速度V2に制御する。すなわち、S108,S210の処理は、スクリーン処理部21、エンジン管理部22、印刷エンジン部40とともに省電力印刷実行部U3に対応している。
【0047】
解釈前データ保持部U11中のコマンド解釈前の印刷ドキュメント数Nが少なくても、間もなく印刷される先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数Mが多ければ、前記コマンド解釈前の印刷ドキュメントが印刷されるまでに多くの時間がかかることになる。本実施形態では、このような場合に通常印刷モードとなるので、省電力印刷モードとしてもよい状況がより適切に判断されることとなる。
【0048】
以上説明したように、印刷データ保持部U1に保持されている印刷データの数が少ない場合、該印刷データに基づいた印刷は、比較的印刷速度が遅いものの消費電力が少ない省電力印刷モードで行われる。一方、印刷データ保持部に保持されている印刷データの数が多い場合、該印刷データに基づいた印刷は、比較的消費電力が多いものの印刷速度が速い通常印刷モードで行われる。従って、本印刷装置1は、印刷モード切り替えをユーザーに意識させず適切に省電力を実現することができ、便利である。
また、本実施形態は、受信される印刷ドキュメントにページ数が含まれていない等、コマンドが解釈されて初めて印刷ドキュメントの印刷ページ数が判る場合に、好適である。
【0049】
なお、図9に示すように、S204の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1のコマンドC1が解釈された後にS206の処理を行ってもよい。本印刷モード設定処理は、処理開始のトリガとなった受信時の印刷ドキュメント単位の印刷データD1に対して行われる。むろん、S206の処理の前に別の印刷データが受信された場合には、マルチタスクにより別の印刷モード設定処理が実行される。
処理を開始すると、印刷装置1は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ドキュメント数Nを取得し、基準数Ns内であるか否かを判断する(S202〜S204)。
【0050】
S222では、S204の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1のコマンドC1が解釈されか否かを判断し、当該印刷データD1のコマンドC1が解釈されるまでS206以降の処理を行わないようにする。当該印刷データD1のコマンドC1が解釈されると、印刷装置1は、解釈後データ保持部U12に保持された当該印刷データD1、すなわち、先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数Mを取得する(S206)。その後、取得された印刷ページ数Mが基準数Ms内であるか否かを判断し、M≦Ms(又はM<Ms)の場合には省電力印刷モードに設定し、M>Ms(又はM≧Ms)の場合には通常印刷モードに設定する(S208〜S212)。
【0051】
以上により、図7の処理タイミング(A)においてコマンド解釈前の印刷ドキュメントの数Nが多ければ通常印刷モードとされる。そして、タイミング(A)直前に受信された印刷データD1が処理タイミング(B)となったときにコマンド解釈後の先頭の印刷ドキュメントを構成する印刷ページの数Mが少なければ省電力印刷モード、多ければ通常印刷モードとされる。
【0052】
なお、図7のS108の印刷要求までに印刷モード設定処理が完了すればよいので、上記S222では、S204の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1がビットマップ展開されたか否かを判断し、当該印刷データD1がビットマップ展開されるまでS206以降の処理を行わないようにしてもよい。これにより、図7のタイミング(A)直前に受信された印刷データD1が処理タイミング(B)となったときにコマンド解釈後の先頭の印刷ドキュメントを構成する印刷ページの数Mが少なければ省電力印刷モード、多ければ通常印刷モードとされる。
【0053】
以上より、省電力印刷モードに設定されるのは、解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1の印刷ドキュメント数Nが当該印刷ドキュメント数の基準数内、かつ、S204の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1のコマンドC1が解釈された後に解釈後データ保持部U12に保持された先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数Mが当該印刷ページ数の基準数内となる。
【0054】
解釈前データ保持部U11中のコマンド解釈前の印刷ドキュメント数Nが少なくても、S204の判断の直前に受信された印刷ドキュメントの印刷ページ数Mが多ければ、当該印刷ドキュメントの印刷に多くの時間がかかることになる。本変形例では、このような場合に通常印刷モードとなるので、省電力印刷モードとしてもよい状況がより適切に判断されることとなる。また、本変形例は、受信される印刷ドキュメントにページ数が含まれていない等、コマンドが解釈されて初めて印刷ドキュメントの印刷ページ数が判る場合に、好適である。
【0055】
(3)第二の実施形態:
図10は、第二の実施形態に係る印刷装置1が行う印刷モード設定処理をフローチャートより示している。本印刷モード設定処理は、印刷ドキュメント単位の印刷データD1が受信されて解釈前データ保持部U11に格納されたことをトリガとして開始し、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。
処理を開始すると、印刷装置1は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ページ数Pを取得する(S302)。例えば、各印刷ドキュメントの印刷データD1に含まれているページ数Piを取得し、これらのページ数Piの総和を印刷ページ数Pとすればよい。S304では、取得された印刷ページ数Pが当該印刷ページ数の基準数Ps内であるか否かを判断する。例えば、P印刷ページの印刷に必要な時間TP3=P/VS2(分)に対する閾値をTH3として、TP3≦TH3となる最大の印刷ページ数を基準数Psとすることができる。
【0056】
S304の判断処理においてPが基準数外、すなわち、P>Ps(又はP≧Ps)である場合、P印刷ページの印刷データD1の印刷完了まで比較的長い時間がかかる見込みであるので、S212で通常印刷モードに設定し、S202に戻る。
S304の判断処理においてPが基準数内、すなわち、P≦Ps(又はP<Ps)である場合、印刷装置1は、印刷データ保持部U1全体、すなわち、解釈前データ保持部U11及び解釈後データ保持部U12に保持されている印刷データD1,D2の印刷ドキュメント数Tを取得する(S306)。例えば、解釈前データ保持部U11全体に格納されている印刷ドキュメントを計数すればよい。S306の処理は、解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1の印刷ドキュメント数Nを取得する処理としてもよい。S308では、取得された印刷ドキュメント数Tが当該印刷ドキュメント数の基準数Ts内であるか否かを判断する。例えば、T個の印刷ドキュメントの印刷に必要な時間TP4=(T/VS2)+(T−1)・TW(分)に対する閾値をTH3として、TP4≦TH4となる最大の印刷ドキュメント数を基準数Tsとすることができる。
【0057】
S308の判断処理においてTが基準数外、すなわち、T>Ts(又はT≧Ts)である場合、T個の印刷ドキュメントの印刷完了まで比較的長い時間がかかる見込みであるので、S312で通常印刷モードに設定し、S202に戻る。
S308の判断処理においてTが基準数内、すなわち、T≦Ts(又はT<Ts)である場合、S310で省電力印刷モードに設定し、S202に戻る。
以上より、省電力印刷モードに設定されるのは、解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1の印刷ページ数Pが当該印刷ページの基準数Ps内、かつ、印刷データ保持部U1全体に保持されている印刷データD1,D2の印刷ドキュメント数Tが当該印刷ドキュメント数の基準数Ts内となる。
【0058】
解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1の印刷ページ数Pが少なくても、印刷データ保持部U1に保持されている印刷データD1,D2の印刷ドキュメント数Tが多ければ、S304の判断までに受信された印刷ドキュメントが印刷されるまでに多くの時間がかかることになる。本実施形態では、このような場合に通常印刷モードとなるので、省電力印刷モードとしてもよい状況がより適切に判断されることとなる。
【0059】
なお、図11に示すように、S304の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1のコマンドC1が解釈された後にS306の処理を行ってもよい。本印刷モード設定処理は、処理開始のトリガとなった受信時の印刷ドキュメント単位の印刷データD1に対して行われる。むろん、S306の処理の前に別の印刷データが受信された場合には、マルチタスクにより別の印刷モード設定処理が実行される。
処理を開始すると、印刷装置1は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ページ数Pを取得し、基準数Ps内であるか否かを判断する(S302〜S304)。
【0060】
S322では、S304の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1のコマンドC1が解釈されか否かを判断し、当該印刷データD1のコマンドC1が解釈されるまでS306以降の処理を行わないようにする。当該印刷データD1のコマンドC1が解釈されると、印刷装置1は、印刷データ保持部U1全体に保持されている印刷データD1,D2の印刷ドキュメント数Tを取得する(S306)。その後、取得された印刷ドキュメント数Tが基準数Ts内であるか否かを判断し、T≦Ts(又はT<Ts)の場合には省電力印刷モードに設定し、T>Ts(又はT≧Ts)の場合には通常印刷モードに設定する(S308〜S312)。
以上により、図7の処理タイミング(A)においてコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ページ数Pが多ければ通常印刷モードとされる。そして、タイミング(A)直前に受信された印刷データD1が処理タイミング(B)となったときに印刷データ保持部U1に保持されている印刷ドキュメントの数Tが少なければ省電力印刷モード、多ければ通常印刷モードとされる。
【0061】
なお、上記S322では、S304の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1がビットマップ展開されたか否かを判断し、当該印刷データD1がビットマップ展開されるまでS306以降の処理を行わないようにしてもよい。これにより、図7のタイミング(A)直前に受信された印刷データD1が処理タイミング(B)となったときに印刷ドキュメント数Tが少なければ省電力印刷モード、多ければ通常印刷モードとされる。
【0062】
以上より、省電力印刷モードに設定されるのは、省電力印刷モードに設定されるのは、解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1の印刷ページ数Pが当該印刷ページの基準数Ps内、かつ、S304の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1のコマンドC1が解釈された後に印刷データ保持部U1全体に保持されている印刷データD1,D2の印刷ドキュメント数Tが当該印刷ドキュメント数の基準数Ts内となる。
【0063】
解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1の印刷ページ数Pが少なくても、S304の判断までに受信された印刷ドキュメントのコマンドC1が解釈された直後に印刷データ保持部U1に保持されている印刷データD1,D2の印刷ドキュメント数Tが多ければ、S304の判断の直前に受信された印刷ドキュメント以降の印刷ドキュメントの印刷に多くの時間がかかることになる。本変形例では、このような場合に通常印刷モードとなるので、省電力印刷モードとしてもよい状況がより適切に判断されることとなる。
【0064】
(4)第三の実施形態:
図12は、第二の実施形態に係る印刷装置1が行う印刷モード設定処理をフローチャートより示している。本印刷モード設定処理は、印刷ドキュメント単位の印刷データD1が受信されて解釈前データ保持部U11に格納されたことをトリガとして開始し、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。
処理を開始すると、印刷装置1は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ドキュメント数Nを取得する(S402)。S404では、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ページ数Pを取得する。S406では、取得された印刷ドキュメント数Nが当該印刷ドキュメント数の基準数Ns内、かつ、取得された印刷ページ数Pが当該印刷ページ数の基準数Ps内であるか否かを判断する。
【0065】
S406の判断処理においてNが基準数内でない(例えばN>Ns)か、又は、Pが基準数内でない(例えばP>Ps)場合、S410で通常印刷モードに設定し、S402に戻る。
S406の判断処理においてNが基準数内、かつ、Pが基準数内である(例えばN≦NsかつP≦Ps)場合、S408で省電力印刷モードに設定し、S402に戻る。
【0066】
以上により、図7の処理タイミング(A)においてコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ドキュメント数Nが多いか、又は、当該印刷データD1の印刷ページ数Pが多ければ、通常印刷モードとされる。一方、タイミング(A)においてコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ドキュメント数Nが少なく、かつ、当該印刷データD1の印刷ページ数Pが少なければ、省電力印刷モードとされる。これにより、印刷データD1の受信直後の早い段階で印刷モードを判断することができる。
【0067】
(5)その他変形例:
上述した処理の各ステップの順番は、適宜、変更可能である。例えば、S402の処理の前に、S404の処理を行ってもよい。
【0068】
図13(a)に示す印刷モード設定処理のように、印刷ドキュメント数Nのみに基づいて印刷モードを設定してもよい。図13(a)に示す変形例の印刷装置は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷ドキュメント数Nを取得し(S502)、Nが基準数Ns内であるか否かを判断し(S504)、N≦Ns(又はN<Ns)の場合には省電力印刷モードに設定し(S506)、N>Ns(又はN≧Ns)の場合には通常印刷モードに設定する(S508)。S504の判断処理は、コマンド解釈後の印刷ドキュメントの数を含めてもよい。
【0069】
図13(b)に示す印刷モード設定処理のように、印刷ページ数Pのみに基づいて印刷モードを設定してもよい。図13(b)に示す変形例の印刷装置は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ページ数Pを取得し(S522)、Pが基準数Ps内であるか否かを判断し(S524)、P≦Ps(又はP<Ps)の場合には省電力印刷モードに設定し、P>Ps(又はP≧Ps)の場合には通常印刷モードに設定する。S524の判断処理は、コマンド解釈後の印刷ページ数Mを用いた判断処理でもよいし、印刷データ保持部U1全体に保持されている印刷データD1,D2の印刷ページ数を用いた判断処理でもよい。
【0070】
図13(c)に示す印刷モード設定処理のように、印刷データD1,D2の数に基づいて印刷モードを設定してもよい。図13(c)に示す変形例の印刷装置は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1のデータサイズSを取得する(S542)。例えば、各印刷ドキュメントの印刷データD1に含まれているデータサイズSiを取得し、これらのデータサイズSiの総和をデータサイズSとすればよい。その後、Sが基準数Ss内であるか否かを判断し(S544)、S≦Ss(又はS<Ss)の場合には省電力印刷モードに設定し、S>Ss(又はS≧Ss)の場合には通常印刷モードに設定する。S544の判断処理は、コマンド解釈後の印刷データD2のデータサイズを用いた判断処理でもよいし、印刷データ保持部U1全体に保持されている印刷データD1,D2のデータサイズを用いた判断処理でもよい。
【0071】
図14に示す印刷モード設定処理のように、印刷データの量と数の両方に基づいて印刷モードを設定してもよい。図14に示す変形例の印刷装置は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ドキュメント数Nを取得する(S602)。S604では、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ページ数Pを取得する。S606では、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1のデータサイズSを取得する。その後、Nが基準数内、Pが基準数内、かつ、Sが基準量内であるか否かを判断し(S608)、条件成立時(例えばN≦NsかつP≦PsかつS≦Ss)には省電力印刷モードに設定し(S610)、条件不成立時には通常印刷モードに設定する(S612)。S608の判断処理は、コマンド解釈後の印刷データD2の数や量を用いた判断処理でもよいし、印刷データ保持部U1全体に保持されている印刷データD1,D2の数や量を用いた判断処理でもよい。
むろん、印刷ドキュメント数を用いず印刷ページ数とデータサイズとに基づいて印刷モードを設定してもよいし、印刷ページ数を用いず印刷ドキュメント数とデータサイズとに基づいて印刷モードを設定してもよい。
【0072】
なお、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる装置、システム、方法及びプログラムでも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、印刷モード切り替えをユーザーに意識させずに省電力を実現することができ、印刷装置の利便性を向上させることが可能な印刷装置、印刷エンジン部を制御する印刷制御装置、印刷システム、印刷方法、印刷制御方法、印刷システムの制御方法、印刷プログラム、印刷制御プログラム、印刷システムの制御プログラム、及び、これらのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体、印刷システムを提供することができる。
【0073】
また、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1…印刷装置、10…制御部、13,14…メモリー、13a…モード情報、14a…速度情報、14b…温度情報、18…通信インターフェイス(受信部)、40…印刷エンジン部、100…ホスト装置、C1…コマンド、D1,D2…印刷データ、D3…印刷データ数、D4…印刷ドキュメント数、D5…印刷ページ数、D6…印刷データ量、D7…データサイズ、I1…画像、U1…印刷データ保持部(印刷データ保持手段)、U2…モード判断部(モード判断手段)、U3…省電力印刷実行部(省電力印刷実行手段)、U4…通常印刷実行部(通常印刷実行手段)、U5…コマンド解釈部(コマンド解釈手段)、U6…受信部、U11…解釈前データ保持部、U12…解釈後データ保持部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常印刷モードと省電力印刷モードとで印刷を行う印刷装置及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の印刷装置は、通常印刷モードよりも印刷速度が遅いものの消費電力が少ない省電力印刷動作モードで動作可能な装置が増えてきている。
特許文献1に記載の印刷装置は、単位時間当たりの印刷物出力枚数が最大となる通常モードと、当該通常モードよりも消費電力及び単位時間当たりの印刷物出力枚数が低い省電力出力モードと、を備えている。この印刷装置は、通常モードと省電力出力モードとをユーザーが選択可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−86106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、印刷装置の省電力を実現するためには、ユーザーが印刷モードを切り替える操作を行う必要がある。
【0005】
以上を鑑み、本発明は、印刷モード切り替えをユーザーに意識させずに省電力を実現することができ、印刷装置の利便性を向上させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、第一の印刷速度で印刷が行われる通常印刷モードと、該通常印刷モードよりも消費電力が少なく前記第一の印刷速度よりも遅い第二の印刷速度で印刷が行われる省電力印刷モードと、で印刷データに基づいた印刷を行う印刷装置であって、
受信された印刷ドキュメント毎の前記印刷データを一時的に保持する印刷データ保持手段と、
この印刷データ保持手段に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が所定の基準内であるか否かを判断するモード判断手段と、
前記判断結果が前記基準内である場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行う省電力印刷実行手段と、
前記判断結果が前記基準内でない場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行う通常印刷実行手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、第一の印刷速度で印刷が行われる通常印刷モードと、該通常印刷モードよりも消費電力が少なく前記第一の印刷速度よりも遅い第二の印刷速度で印刷が行われる省電力印刷モードと、で印刷データに基づいた印刷を行う印刷方法であって、
受信された印刷ドキュメント毎の前記印刷データを一時的に印刷データ保持手段に保持し、
この印刷データ保持手段に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が所定の基準内であるか否かを判断し、
前記判断結果が前記基準内である場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行い、
前記判断結果が前記基準内でない場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行うことを特徴とする。
【0008】
すなわち、印刷データ保持手段に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が少ない場合、該印刷データに基づいた印刷は、比較的印刷速度が遅いものの消費電力が少ない省電力印刷モードで行われる。一方、印刷データ保持手段に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が多い場合、該印刷データに基づいた印刷は、比較的消費電力が多いものの印刷速度が速い通常印刷モードで行われる。
以上より、印刷モード切り替えをユーザーに意識させずに省電力を実現することができ、印刷装置の利便性を向上させることができる。
【0009】
ここで、省電力印刷モードは、複数のモードが存在していてもよく、特に複数段階の印刷速度で印刷が行われる複数のモードが存在していてもよい。通常印刷モードも、複数のモードが存在していてもよい。
印刷データの数又は量の判断基準である基準内とは、印刷データの数又は量に対する判断の基準となる正の閾値を設定すると、印刷データの数又は量に対応する値が閾値以下であることと、印刷データの数又は量に対応する値が閾値未満であることと、の両方が含まれる。
【0010】
前記印刷データの数には、該印刷データの印刷ドキュメント数、該印刷データの印刷ページ数、これらの組み合わせ、等が含まれる。前記印刷データの量には、該印刷データのデータ量、等が含まれる。保持されている印刷データの印刷ドキュメント数、保持されている印刷データの印刷ページ数、保持されている印刷データのデータサイズ、の少なくとも一つを前記判断の対象とすることにより、省電力印刷モードとしてもよい状況をより適切に判断することができる。
【0011】
前記受信される印刷データには、ビットマップ展開するためのコマンドが含まれ、前記印刷データ保持手段は、前記コマンドを解釈する前の印刷データを保持する解釈前データ保持部と、前記コマンドを解釈した後の印刷データを保持する解釈後データ保持部とを有していてもよい。この場合、前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データのコマンドを解釈して該印刷データを前記解釈後データ保持部に順次ビットマップ展開するコマンド解釈手段が設けられてもよい。前記モード判断手段は、前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が前記基準内であるか否かを判断してもよい。これにより、印刷データが受信された早い段階で印刷モードを判断することができる。
【0012】
前記モード判断手段は、前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内、かつ、前記解釈後データ保持部に保持されている先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内であるか否かを判断してもよい。解釈前データ保持部に保持されている印刷ドキュメント数が少なくても、間もなく印刷される先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数が多ければ、前記判断までに受信された印刷ドキュメントが印刷されるまでに多くの時間がかかることになる。そこで、このような場合に通常印刷モードとすれば、省電力印刷モードとしてもよい状況をより適切に判断することとなり、印刷装置の利便性を向上させることができる。また、印刷ドキュメントのコマンドが解釈されて初めて印刷ドキュメントの印刷ページ数が判る場合に、好適な構成を提供することができる。
【0013】
前記モード判断手段は、印刷ドキュメント単位の印刷データが受信されたときに前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内であるか否かを判断するとともに、該判断直前に受信された前記印刷ドキュメント単位の印刷データのコマンドが解釈された後に前記解釈後データ保持部に保持された前記判断直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内であるか否かを判断してもよい。解釈前データ保持部に保持されている印刷ドキュメント数が少なくても、前記判断直前に受信された印刷ドキュメントの印刷ページ数が多ければ、当該印刷ドキュメントの印刷に多くの時間がかかることになる。そこで、このような場合に通常印刷モードとすれば、省電力印刷モードとしてもよい状況をより適切に判断することとなり、印刷装置の利便性を向上させることができる。また、印刷ドキュメントのコマンドが解釈されて初めて印刷ドキュメントの印刷ページ数が判る場合に、好適な構成を提供することができる。
【0014】
前記モード判断手段は、前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内、かつ、前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内であるか否かを判断してもよい。解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ページ数が少なくても、印刷データ保持手段に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が多ければ、前記判断までに受信された印刷ドキュメントが印刷されるまでに多くの時間がかかることになる。そこで、このような場合に通常印刷モードとすれば、省電力印刷モードとしてもよい状況をより適切に判断することとなり、印刷装置の利便性を向上させることができる。
【0015】
前記モード判断手段は、前記印刷ドキュメント単位の印刷データが受信されたときに前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内であるか否かを判断するとともに、該判断直前に受信された前記印刷ドキュメント単位の印刷データのコマンドが解釈された後に前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内であるか否かを判断してもよい。解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ページ数が少なくても、前記判断までに受信された印刷ドキュメントのコマンドが解釈された直後に印刷データ保持手段に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が多ければ、当該判断直前に受信された印刷ドキュメント以降の印刷ドキュメントの印刷に多くの時間がかかることになる。そこで、このような場合に通常印刷モードとすれば、省電力印刷モードとしてもよい状況をより適切に判断することとなり、印刷装置の利便性を向上させることができる。
【0016】
上述した発明は、印刷データ保持機能とモード判断機能と省電力印刷機能と通常印刷機能をコンピューターに実現させる印刷プログラム、該プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る印刷装置1の構成の概略を模式的に例示するブロック図である。
【図2】印刷システムS1の構成の概略を模式的に例示するブロック図である。
【図3】印刷装置1の印刷エンジン部40の概略を例示する図である。
【図4】印刷装置1の電気回路構成の概略を例示する図である。
【図5】印刷装置1及び複数のホスト装置100をネットワーク接続した印刷システムS2の構成例を示すブロック図である。
【図6】印刷データD1,D2の流れを模式的に示す図である。
【図7】印刷装置1が行う印刷データ処理を例示するフローチャートである。
【図8】印刷装置1が行う印刷モード設定処理を例示するフローチャートである。
【図9】変形例に係る印刷モード設定処理を例示するフローチャートである。
【図10】第二の実施形態に係る印刷モード設定処理を例示するフローチャートである。
【図11】変形例に係る印刷モード設定処理を例示するフローチャートである。
【図12】第三の実施形態に係る印刷モード設定処理を例示するフローチャートである。
【図13】変形例に係る印刷モード設定処理を例示するフローチャートである。
【図14】変形例に係る印刷モード設定処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(1)印刷装置の構成:
図1に示すように、本発明の第一の実施形態に係る印刷装置1を含む印刷システムS1は、印刷装置1とホスト装置100とが接続されて構成されている。むろん、印刷システムは、ホスト装置とプリンターとが一体化された装置でもよい。
印刷装置1は、図1に示す各部U1〜U6を備え、第一の印刷速度V1で印刷が行われる通常印刷モードと、該通常印刷モードよりも消費電力が少なく前記第一の印刷速度V1よりも遅い第二の印刷速度V2で印刷が行われる省電力印刷モードと、で印刷データD1に基づいた印刷を行う。本実施形態の印刷装置1は、カラー印刷可能なページプリンターであるレーザープリンターとされている。むろん、印刷装置1は、通常印刷モードと省電力印刷モードとで印刷可能であれば、インクジェットプリンター、スキャナーやファクシミリとの複合機、等でもよい。
【0019】
図1,2に示すように、ホスト装置100は、パーソナルコンピューターといった、印刷装置1へ印刷ドキュメント単位で印刷データD1を供給するホストコンピューターとされる。ホスト装置100は、CPU(Central Processing Unit)111、半導体メモリー112,113、各種装置114〜117、通信インターフェイス(I/F)118、等がバスに接続されて互いに情報を入出力可能とされている。記憶装置114は、オペレーティングシステム(OS)、プリンタードライバーPD、等を記憶している。入力装置115は、キーボードやポインティングデバイスといった操作入力装置等で構成される。出力装置116は、ディスプレイ等の画像出力装置や音声出力装置等で構成される。データ入出力装置117は、コンピューター読み取り可能な記録媒体が着脱可能に接続されたときに該記録媒体に対してデータを入出力する。通信I/F118は、印刷装置の通信I/F18に接続され、印刷装置1に対して情報を入出力する。
【0020】
図1〜3に示す印刷装置1は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のトナー(記録剤)を印刷媒体M1に付着させ、所定のページ記述言語で記述された印刷データD1に含まれるコマンドC1(図6参照)に従って印刷物を形成する。印刷装置1は、制御部10、操作パネル29、印刷エンジン部40、エンジン制御部50、給紙トレイ61、等を備えている。
制御部10は、CPU11、半導体メモリー12,13、記憶装置14、通信I/F18、タイマー回路19、等がバスに接続されて互いに情報を入出力可能とされている。CPU11は、ROM(Read Only Memory)12に書き込まれたプログラムに従って印刷装置全体の動作を制御する。当該プログラムは、印刷データ保持部(印刷データ保持手段)U1、モード判断部(モード判断手段)U2、省電力印刷実行部(省電力印刷実行手段)U3、通常印刷実行部(通常印刷実行手段)U4、コマンド解釈部(コマンド解釈手段)U5、受信部U6、等に対応した機能を印刷装置1に実現させる。
【0021】
RAM(Random Access Memory)13は、印刷データ保持部U1を構成し、コマンド解釈前のドキュメント単位の印刷データD1、コマンド解釈後の印刷データD2、等を格納する。印刷データD1は、ホスト装置100から印刷ドキュメント単位で送信され、印刷装置1に印刷を実行させるための印刷ジョブである。
【0022】
図6に示すように、コマンド解釈前の印刷データD1には、ビットマップ展開するための複数のコマンドC1の他、ドキュメント名、状態、所有者、印刷ページ数、データサイズ、受付時刻、ポート、等の情報が含まれている。コマンドは、文字の描画、ベクターグラフィックスの描画、写真の描画、等、オブジェクトの種類毎に設けられている。ここで、ビットマップ展開は、コマンドを有する印刷データをビットマップ画像に展開することをいうものとする。
コマンド解釈後の印刷データD2は、ビットマップ画像を表すデータであり、X方向(横方向)及びY方向(縦方向)に整然とドットマトリクス状に並んだ画素のそれぞれに階調値が格納されたデータとされている。
【0023】
記憶装置14に記憶されたビットマップ画像生成プログラムPRは、ドットを配置した画像I1を形成するためのビットマップ画像のデータ(印刷データD2)を印刷データD1に基づいて生成する機能(コマンド解釈部U5)をコンピューターに実現させる。
通信I/F18(受信部U6)は、ホスト装置100に対して情報を入出力可能であり、ホスト装置100から印刷ドキュメント単位の印刷データD1を受信する。
【0024】
スクリーン処理部21は、ビットマップ展開後の印刷データD2をスクリーン処理し、印刷エンジン部40へ送出するためのスクリーン画像データを生成する。例えば、印刷エンジン部40にPWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)処理部があるレーザープリンターの場合、印刷データD2をレーザービームによるドット形成に適したパルス信号に変換すればよい。
エンジン管理部22は、上記スクリーン画像データを印刷エンジン部40へ送出する。印刷エンジン部40は、上記スクリーン画像データに従って印刷用紙といった印刷媒体M1にトナーのドットを配置し、印刷画像I1を印刷媒体M1上に形成する。
操作パネル29は、操作スイッチといった入力装置、及び、液晶ディスプレイといった出力装置を備え、制御部10に接続されている。
【0025】
本印刷装置1の基本部分は、印刷データ保持部U1とモード判断部U2と省電力印刷実行部U3と通常印刷実行部U4とで構成される。印刷データ保持部U1は、受信された印刷ドキュメント毎の印刷データD1,D2を一時的に保持する。モード判断部U2は、印刷データ保持部U1に保持されている印刷データD1,D2の数と量の少なくとも一方が所定の基準内であるか否かを判断する。省電力印刷実行部U3は、前記判断結果が前記基準内である場合に前記保持されている印刷データD1,D2に基づいた印刷を省電力印刷モードで行う。通常印刷実行部U4は、前記判断結果が前記基準内でない場合に前記保持されている印刷データD1,D2に基づいた印刷を前記通常印刷モードで行う。
【0026】
本実施形態の印刷データ保持部U1は、コマンドC1を解釈する前の印刷データD1を保持する解釈前データ保持部U11と、コマンドC1を解釈した後の印刷データD2を保持する解釈後データ保持部U12とを有している。モード判断部U2は、解釈前データ保持部U11と解釈後データ保持部U12の少なくとも一方に保持されている印刷データ数D3、解釈前データ保持部U11と解釈後データ保持部U12の少なくとも一方に保持されている印刷データ量D6、の少なくとも一方を判断の対象とする。ここで、印刷データ数D3には、印刷データの印刷ドキュメント数D4、印刷データの印刷ページ数D5、これらの組み合わせ、等が含まれる。印刷データ量D6には、印刷データのデータサイズD7、等が含まれる。
【0027】
本実施形態の印刷装置1は、受信部U6でホスト装置100から印刷データD1を受信する。また、コマンド解釈部U5は、解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1のコマンドC1を解釈して該印刷データD1を解釈後データ保持部U12に順次ビットマップ展開する。
【0028】
図3,4に例示する本実施形態の印刷装置1は、感光体41の回転方向に沿って、帯電ユニット42、露光ユニット43、YMCK現像デバイス44、一次転写ユニット45、中間転写体46、等を有し、さらに、二次転写ユニット47、定着ユニット48、及び、これらのユニット等を制御し印刷装置1の動作を制御する制御部10、等を有している。
感光体41は、感光体駆動制御回路51の制御に従って回転駆動される。
【0029】
帯電ユニット42は、帯電ユニット駆動制御回路52の制御に従って感光体41を帯電する。
露光ユニット43は、露光ユニット駆動制御回路53の制御に従ってレーザーを照射し、帯電した感光体41上に潜像を形成する。
【0030】
YMCK現像デバイス44は、回転体としてのロータリー44aと、このロータリー44aに装着されたブラック現像ユニット44k、マゼンタ現像ユニット44m、シアン現像ユニット44c、及び、イエロー現像ユニット44yを有している。YMCK現像デバイス44は、現像デバイス駆動制御回路54の制御に従って回転駆動される。
一次転写ユニット45は、一次転写ユニット駆動制御回路55の制御に従って回転駆動され、感光体41に形成された単色トナー像を中間転写体46に転写する。中間転写体46に4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体46にフルカラートナー像が形成される。
【0031】
二次転写ユニット47は、二次転写ユニット駆動制御回路57の制御に従って回転駆動され、中間転写体46上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の印刷媒体M1に転写する。
定着ユニット48は、定着ユニット駆動制御回路58の制御に従って回転駆動され、印刷媒体M1上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を印刷媒体M1に融着させて永久像とする。定着ユニット48にはヒーター48aが設けられ、このヒーター48aはヒーター駆動制御回路58aの制御に従ってヒーター48aに通電する。
【0032】
以上より、給紙トレイ61に収容された印刷媒体M1は、ローラーで移送されながら、二次転写ユニット47でトナー像が転写され、定着ユニット48で加熱及び加圧されて画像I1が形成される。通常印刷モードでは、定着ユニット48が比較的高温に加熱されるため、印刷速度V1を比較的高速にすることができる。しかし、ヒーター48aの消費電力が比較的多くなることにもなる。一方、省電力印刷モードでは、定着ユニット48が比較的低温で加熱されるため、印刷速度V4を比較的低速にしなければ印刷媒体にトナーが十分に定着しないものの、ヒーター48aの消費電力が比較的少なくて済む。
【0033】
各印刷モードの動作を実現するため、制御部10のメモリー13,14には、現在の印刷モードを表すモード情報13a、各部(41,43,44,45,47等)の駆動速度を印刷モードに応じた速度に制御するための速度情報14a、ヒーター48aの温度を印刷モードに応じた温度に制御するための温度情報14b、等が記憶されている。速度情報14aや温度情報14bは、印刷装置1が電源オフとなっても保持する観点から、記憶装置14に記憶されると好適である。むろん、電源オフ時にRAM13がバックアップされていれば、速度情報14aや温度情報14bがRAM13に記憶されてもよい。
【0034】
なお、図5に示す印刷システムS2のように、ネットワークN1を介して複数の印刷装置1と複数のホスト装置100とを接続してもよい。ネットワークN1には、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、これらの組み合わせ、等が含まれる。
ネットワークで接続されたプリンター等の印刷装置が複数存在する環境を前提とすると、従来は、ユーザーが選択した印刷モードが絶対とされ、ユーザーが最適な印刷装置を選択して出力していた。1台の印刷装置しかない環境では、省電力印刷モードが選択された印刷ドキュメントは、常に印刷スピードが遅くなる。従って、複数の印刷ドキュメントが存在する場合は、全ての印刷が終了するまでに、通常印刷モードで印刷される場合の時間よりも多くの時間を要してしまう。従って、複数の印刷ドキュメントのうち後方の印刷ドキュメントの印刷要求を出したユーザーは、予想以上に待たされることになる。
一方、本印刷装置1は、印刷ドキュメントの状況に応じて省電力印刷モードが選択されるため、印刷ドキュメント毎に印刷モードをユーザーに意識させず、ユーザーに不便さを感じさせず、適切に省電力を実現することができる。
【0035】
図6は、印刷データD1,D2の流れを模式的に示している。
印刷装置1は、コマンドC1が含まれた印刷データD1を印刷ドキュメント単位で受信し、例えば図示しないDMA(Direct Memory Access)コントローラーによりRAM13に設けられた解釈前データ保持部U11に印刷ドキュメント単位の印刷データD1を転送する。図6の例では、i番目(iは1以上の整数)の印刷ドキュメントが「doc i」で示され、N個(Nは1以上の整数)の印刷ドキュメントdoc1,doc2,…,docNが解釈前データ保持部U11に一時的に保持されていることが示されている。ここで、印刷ドキュメントに優先順位が設定されていれば、doc1が一番優先順位の高い印刷ドキュメントとなり、docNが一番優先順位の低い印刷ドキュメントとなる。印刷ドキュメントに優先順位が設定されていなければ、doc1が最初に受信された印刷ドキュメントとなり、docNが一番最後に受信された印刷ドキュメントとなる。
【0036】
コマンド解釈部U5は、例えばRAM13に設けられる印刷キューの領域(解釈後データ保持部U12)が空き次第、解釈前データ保持部U11の中で最初に受信された印刷ドキュメントdoc1のコマンドC1を解釈し、印刷ドキュメントdoc1を解釈後データ保持部U12にビットマップ展開する。印刷ドキュメントdoc1の印刷ページ数がM(Mは1以上の整数)であれば、印刷ドキュメントdoc1はMページ分にビットマップ展開される。図6の例では、j番目(jは1以上の整数)の印刷ページが「page j」で示され、M個の印刷ページ(印刷キュー)page1,page2,…,pageMが解釈後データ保持部U12に一時的に保持されていることが示されている。ここで、page1が最初の印刷ページであり、pageMが一番最後の印刷ページである。
スクリーン処理部21へは、解釈後データ保持部U12の中で最初の印刷ページから順に印刷データD2が転送される。
【0037】
(2)第一の実施形態に係る印刷装置の動作、作用及び効果:
図7は、印刷装置1が行う印刷データ処理をフローチャートにより示している。ここで、ステップS104〜S106の処理を行う印刷装置1は、コマンド解釈部U5を構成する。以下、「ステップ」の記載を省略する。本印刷データ処理は、印刷装置1の電源がオンにされると開始し、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。
処理を開始すると、印刷装置1は、受信済みの印刷データD1が有るか否か、すなわち、解釈前データ保持部U11に印刷データD1が保持されているか否かを判断する(S102)。解釈前データ保持部U11に印刷データD1が無ければ、S102の判断処理を繰り返す。印刷データD1が受信されると、解釈前データ保持部U11に転送されるので、解釈前データ保持部U11内の印刷ドキュメントの数が一つ増えることになる。
【0038】
解釈前データ保持部U11に印刷データD1が保持されている場合、印刷装置1は、解釈前データ保持部U11の中で最初に受信された印刷ドキュメントdoc1のコマンドC1を解釈する(S104)。S106では、印刷ドキュメントdoc1を解釈後データ保持部U12にビットマップ展開し、ビットマップ画像を表す印刷データD2を生成する。これにより、図6で示したような印刷ページpage1,page2,…,pageMが解釈後データ保持部U12に保持されることとなる。S108では、スクリーン処理部21やエンジン管理部22や印刷エンジン部40に対して印刷要求を出力し、S102に戻る。すると、解釈後データ保持部U12の印刷ページpage1,page2,…,pageMが順番にスクリーン処理部21へ転送され、設定された印刷モードで印刷が実行される。
【0039】
例えば、RAM13に格納されたモード情報13aが現在の印刷モードを表す情報であるとする。上記印刷要求が出されたとき、印刷装置1は、モード情報13aで表される印刷モードに対応した温度情報14bをメモリーから読み出し、ヒーター駆動制御回路58aに対してヒーター48aの加熱温度を印刷モードに応じた温度に制御するための駆動信号を出力すればよい。むろん、通常印刷モードの加熱温度は比較的高温であり、省電力印刷モードの加熱温度は比較的低温である。むろん、ヒーター48aの加熱温度が高いほど消費電力が多くなり、省電力印刷モードよりも通常印刷モードの方が消費電力は多くなる。
また、上記印刷要求が出されたとき、印刷装置1は、印刷モードに対応した速度情報14aをメモリーから読み出し、駆動制御回路51,53,54,55,57等に対して印刷エンジン部の各部41,43,44,45,47等の駆動速度を印刷モードに応じた速度に制御するための駆動信号を出力する。むろん、通常印刷モードの駆動速度は比較的高速であり、省電力印刷モードの駆動速度は比較的低速である。
【0040】
図8は、第一の実施形態に係る印刷装置1が行う印刷モード設定処理をフローチャートより示している。フローチャート中には、モード判断部U2、省電力印刷実行部U3、及び、通常印刷実行部U4がどの処理を行うのかを符号により示している。本印刷モード設定処理は、印刷ドキュメント単位の印刷データD1が受信されて解釈前データ保持部U11に格納されたことをトリガとして開始し、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。
処理を開始すると、印刷装置1は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ドキュメント数Nを取得する(S202)。例えば、解釈前データ保持部U11に格納されている印刷ドキュメントを計数すればよい。S204では、取得された印刷ドキュメント数Nが当該印刷ドキュメント数の基準数Ns内であるか否かを判断する。
【0041】
例えば、通常印刷モードにおいて単位時間当たりに印刷される標準の印刷ページ数を標準印刷速度VS1(ページ/分)とし、省電力印刷モードにおいて単位時間当たりに印刷される標準の印刷ページ数を標準印刷速度VS2(0<VS2<VS1)とする。また、多くの印刷ドキュメントの印刷データが1印刷ページ分であるとし、省電力印刷モードにおいて印刷ドキュメント間に生じる印刷の待ち時間をTW(分)とする。省電力印刷モードにおいて、N個の印刷ドキュメントの印刷に必要な時間TP1(分)は、(N/VS2)+(N−1)・TWとなる。この印刷時間TP1は、N番目の印刷ドキュメントの印刷を要求したユーザーの待ち時間に相当する。印刷時間TP1に対する閾値TH1をユーザーが待つことができる時間として設定すると、TP1≦TH1となる最大の印刷ドキュメント数を基準数Nsとすることができる。例えば、標準印刷速度VS2を10(ページ/分)、印刷ドキュメント間の待ち時間TWを0.05(分)、閾値TH1を1(分)、印刷ドキュメント数Nを7とすると、(N/VS2)=0.7(分)、(N−1)・TW=0.3(分)となるので、基準数Nsは7となる。
【0042】
S204の処理は、例えば印刷ドキュメント数Nが基準数Ns以下であるか否かを判断する処理とすることができる。むろん、印刷ドキュメント数Nが基準数Ns未満であるか否かを判断する処理としてもよい。他のステップの判断処理も、同様である。Nが基準数外、すなわち、N>Ns(又はN≧Ns)の場合、N個の印刷ドキュメントの印刷完了まで比較的長い時間がかかる見込みであるので、S212で通常印刷モードに設定し、S202に戻る。
S212の設定処理は、例えば、RAM13に格納するモード情報13aを通常印刷モードが表わされた情報にする処理とすることができる。印刷装置1は、図7のS108で印刷要求が出されると、通常印刷モードに対応した温度情報14b及び速度情報14aをメモリーから読み出し、ヒーター48aの加熱温度を通常印刷モードに応じた比較的高い温度に制御し、印刷エンジン部の各部41,43,44,45,47等の駆動速度を通常印刷モードに応じた比較的速い速度V1に制御する。すなわち、S108,S212の処理は、スクリーン処理部21、エンジン管理部22、印刷エンジン部40とともに通常印刷実行部U4に対応している。
【0043】
S204の判断処理においてNが基準数内、すなわち、N≦Ns(又はN<Ns)であった場合、印刷装置1は、解釈後データ保持部U12に保持されているコマンド解釈後の先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数Mを取得する(S206)。例えば、解釈後データ保持部U12に格納されている先頭の印刷ドキュメントの印刷ページを計数すればよい。むろん、先頭の印刷ドキュメントの印刷データD1に含まれていたページ数を取得してもよい。S208では、取得された印刷ページ数Mが当該印刷ページ数の基準数Ms内であるか否かを判断する。
【0044】
例えば、省電力印刷モードにおいて、標準印刷速度をVS2(ページ/分)とすると、N印刷ページの印刷に必要な時間TP2(分)は、M/VS2となる。印刷時間TP2に対する閾値TH2をユーザーが待つことができる時間として設定すると、TP2≦TH2となる最大の印刷ページ数を基準数Msとすることができる。閾値TH2は、上記閾値TH1と同じでもよいし、異なっていてもよい。例えば、標準印刷速度VS2を10(ページ/分)、閾値TH2を1(分)、印刷ページ数Mを10とすると、TP2=1(分)となるので、基準数Msは10となる。
【0045】
S208の判断処理において、Mが基準数外、すなわち、M>Ms(又はM≧Ms)の場合、M印刷ページの印刷完了まで比較的長い時間がかかる見込みであるので、S212で通常印刷モードに設定し、S202に戻る。一方、Mが基準数内、すなわち、M≦Ms(又はM<Ms)である場合、S210で省電力印刷モードに設定し、S202に戻る。
以上より、省電力印刷モードに設定されるのは、解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1の印刷ドキュメント数Nが当該印刷ドキュメント数の基準数内、かつ、解釈後データ保持部U12に保持されている先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数Mが当該印刷ページ数の基準数内となる。
【0046】
S210の設定処理は、例えば、RAM13に格納するモード情報13aを省電力印刷モードが表わされた情報にする処理とすることができる。印刷装置1は、図7のS108で印刷要求が出されると、省電力印刷モードに対応した温度情報14b及び速度情報14aをメモリーから読み出し、ヒーター48aの加熱温度を省電力印刷モードに応じた比較的低い温度に制御し、印刷エンジン部の各部41,43,44,45,47等の駆動速度を省電力印刷モードに応じた比較的遅い速度V2に制御する。すなわち、S108,S210の処理は、スクリーン処理部21、エンジン管理部22、印刷エンジン部40とともに省電力印刷実行部U3に対応している。
【0047】
解釈前データ保持部U11中のコマンド解釈前の印刷ドキュメント数Nが少なくても、間もなく印刷される先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数Mが多ければ、前記コマンド解釈前の印刷ドキュメントが印刷されるまでに多くの時間がかかることになる。本実施形態では、このような場合に通常印刷モードとなるので、省電力印刷モードとしてもよい状況がより適切に判断されることとなる。
【0048】
以上説明したように、印刷データ保持部U1に保持されている印刷データの数が少ない場合、該印刷データに基づいた印刷は、比較的印刷速度が遅いものの消費電力が少ない省電力印刷モードで行われる。一方、印刷データ保持部に保持されている印刷データの数が多い場合、該印刷データに基づいた印刷は、比較的消費電力が多いものの印刷速度が速い通常印刷モードで行われる。従って、本印刷装置1は、印刷モード切り替えをユーザーに意識させず適切に省電力を実現することができ、便利である。
また、本実施形態は、受信される印刷ドキュメントにページ数が含まれていない等、コマンドが解釈されて初めて印刷ドキュメントの印刷ページ数が判る場合に、好適である。
【0049】
なお、図9に示すように、S204の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1のコマンドC1が解釈された後にS206の処理を行ってもよい。本印刷モード設定処理は、処理開始のトリガとなった受信時の印刷ドキュメント単位の印刷データD1に対して行われる。むろん、S206の処理の前に別の印刷データが受信された場合には、マルチタスクにより別の印刷モード設定処理が実行される。
処理を開始すると、印刷装置1は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ドキュメント数Nを取得し、基準数Ns内であるか否かを判断する(S202〜S204)。
【0050】
S222では、S204の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1のコマンドC1が解釈されか否かを判断し、当該印刷データD1のコマンドC1が解釈されるまでS206以降の処理を行わないようにする。当該印刷データD1のコマンドC1が解釈されると、印刷装置1は、解釈後データ保持部U12に保持された当該印刷データD1、すなわち、先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数Mを取得する(S206)。その後、取得された印刷ページ数Mが基準数Ms内であるか否かを判断し、M≦Ms(又はM<Ms)の場合には省電力印刷モードに設定し、M>Ms(又はM≧Ms)の場合には通常印刷モードに設定する(S208〜S212)。
【0051】
以上により、図7の処理タイミング(A)においてコマンド解釈前の印刷ドキュメントの数Nが多ければ通常印刷モードとされる。そして、タイミング(A)直前に受信された印刷データD1が処理タイミング(B)となったときにコマンド解釈後の先頭の印刷ドキュメントを構成する印刷ページの数Mが少なければ省電力印刷モード、多ければ通常印刷モードとされる。
【0052】
なお、図7のS108の印刷要求までに印刷モード設定処理が完了すればよいので、上記S222では、S204の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1がビットマップ展開されたか否かを判断し、当該印刷データD1がビットマップ展開されるまでS206以降の処理を行わないようにしてもよい。これにより、図7のタイミング(A)直前に受信された印刷データD1が処理タイミング(B)となったときにコマンド解釈後の先頭の印刷ドキュメントを構成する印刷ページの数Mが少なければ省電力印刷モード、多ければ通常印刷モードとされる。
【0053】
以上より、省電力印刷モードに設定されるのは、解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1の印刷ドキュメント数Nが当該印刷ドキュメント数の基準数内、かつ、S204の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1のコマンドC1が解釈された後に解釈後データ保持部U12に保持された先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数Mが当該印刷ページ数の基準数内となる。
【0054】
解釈前データ保持部U11中のコマンド解釈前の印刷ドキュメント数Nが少なくても、S204の判断の直前に受信された印刷ドキュメントの印刷ページ数Mが多ければ、当該印刷ドキュメントの印刷に多くの時間がかかることになる。本変形例では、このような場合に通常印刷モードとなるので、省電力印刷モードとしてもよい状況がより適切に判断されることとなる。また、本変形例は、受信される印刷ドキュメントにページ数が含まれていない等、コマンドが解釈されて初めて印刷ドキュメントの印刷ページ数が判る場合に、好適である。
【0055】
(3)第二の実施形態:
図10は、第二の実施形態に係る印刷装置1が行う印刷モード設定処理をフローチャートより示している。本印刷モード設定処理は、印刷ドキュメント単位の印刷データD1が受信されて解釈前データ保持部U11に格納されたことをトリガとして開始し、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。
処理を開始すると、印刷装置1は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ページ数Pを取得する(S302)。例えば、各印刷ドキュメントの印刷データD1に含まれているページ数Piを取得し、これらのページ数Piの総和を印刷ページ数Pとすればよい。S304では、取得された印刷ページ数Pが当該印刷ページ数の基準数Ps内であるか否かを判断する。例えば、P印刷ページの印刷に必要な時間TP3=P/VS2(分)に対する閾値をTH3として、TP3≦TH3となる最大の印刷ページ数を基準数Psとすることができる。
【0056】
S304の判断処理においてPが基準数外、すなわち、P>Ps(又はP≧Ps)である場合、P印刷ページの印刷データD1の印刷完了まで比較的長い時間がかかる見込みであるので、S212で通常印刷モードに設定し、S202に戻る。
S304の判断処理においてPが基準数内、すなわち、P≦Ps(又はP<Ps)である場合、印刷装置1は、印刷データ保持部U1全体、すなわち、解釈前データ保持部U11及び解釈後データ保持部U12に保持されている印刷データD1,D2の印刷ドキュメント数Tを取得する(S306)。例えば、解釈前データ保持部U11全体に格納されている印刷ドキュメントを計数すればよい。S306の処理は、解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1の印刷ドキュメント数Nを取得する処理としてもよい。S308では、取得された印刷ドキュメント数Tが当該印刷ドキュメント数の基準数Ts内であるか否かを判断する。例えば、T個の印刷ドキュメントの印刷に必要な時間TP4=(T/VS2)+(T−1)・TW(分)に対する閾値をTH3として、TP4≦TH4となる最大の印刷ドキュメント数を基準数Tsとすることができる。
【0057】
S308の判断処理においてTが基準数外、すなわち、T>Ts(又はT≧Ts)である場合、T個の印刷ドキュメントの印刷完了まで比較的長い時間がかかる見込みであるので、S312で通常印刷モードに設定し、S202に戻る。
S308の判断処理においてTが基準数内、すなわち、T≦Ts(又はT<Ts)である場合、S310で省電力印刷モードに設定し、S202に戻る。
以上より、省電力印刷モードに設定されるのは、解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1の印刷ページ数Pが当該印刷ページの基準数Ps内、かつ、印刷データ保持部U1全体に保持されている印刷データD1,D2の印刷ドキュメント数Tが当該印刷ドキュメント数の基準数Ts内となる。
【0058】
解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1の印刷ページ数Pが少なくても、印刷データ保持部U1に保持されている印刷データD1,D2の印刷ドキュメント数Tが多ければ、S304の判断までに受信された印刷ドキュメントが印刷されるまでに多くの時間がかかることになる。本実施形態では、このような場合に通常印刷モードとなるので、省電力印刷モードとしてもよい状況がより適切に判断されることとなる。
【0059】
なお、図11に示すように、S304の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1のコマンドC1が解釈された後にS306の処理を行ってもよい。本印刷モード設定処理は、処理開始のトリガとなった受信時の印刷ドキュメント単位の印刷データD1に対して行われる。むろん、S306の処理の前に別の印刷データが受信された場合には、マルチタスクにより別の印刷モード設定処理が実行される。
処理を開始すると、印刷装置1は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ページ数Pを取得し、基準数Ps内であるか否かを判断する(S302〜S304)。
【0060】
S322では、S304の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1のコマンドC1が解釈されか否かを判断し、当該印刷データD1のコマンドC1が解釈されるまでS306以降の処理を行わないようにする。当該印刷データD1のコマンドC1が解釈されると、印刷装置1は、印刷データ保持部U1全体に保持されている印刷データD1,D2の印刷ドキュメント数Tを取得する(S306)。その後、取得された印刷ドキュメント数Tが基準数Ts内であるか否かを判断し、T≦Ts(又はT<Ts)の場合には省電力印刷モードに設定し、T>Ts(又はT≧Ts)の場合には通常印刷モードに設定する(S308〜S312)。
以上により、図7の処理タイミング(A)においてコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ページ数Pが多ければ通常印刷モードとされる。そして、タイミング(A)直前に受信された印刷データD1が処理タイミング(B)となったときに印刷データ保持部U1に保持されている印刷ドキュメントの数Tが少なければ省電力印刷モード、多ければ通常印刷モードとされる。
【0061】
なお、上記S322では、S304の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1がビットマップ展開されたか否かを判断し、当該印刷データD1がビットマップ展開されるまでS306以降の処理を行わないようにしてもよい。これにより、図7のタイミング(A)直前に受信された印刷データD1が処理タイミング(B)となったときに印刷ドキュメント数Tが少なければ省電力印刷モード、多ければ通常印刷モードとされる。
【0062】
以上より、省電力印刷モードに設定されるのは、省電力印刷モードに設定されるのは、解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1の印刷ページ数Pが当該印刷ページの基準数Ps内、かつ、S304の判断の直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データD1のコマンドC1が解釈された後に印刷データ保持部U1全体に保持されている印刷データD1,D2の印刷ドキュメント数Tが当該印刷ドキュメント数の基準数Ts内となる。
【0063】
解釈前データ保持部U11に保持されている印刷データD1の印刷ページ数Pが少なくても、S304の判断までに受信された印刷ドキュメントのコマンドC1が解釈された直後に印刷データ保持部U1に保持されている印刷データD1,D2の印刷ドキュメント数Tが多ければ、S304の判断の直前に受信された印刷ドキュメント以降の印刷ドキュメントの印刷に多くの時間がかかることになる。本変形例では、このような場合に通常印刷モードとなるので、省電力印刷モードとしてもよい状況がより適切に判断されることとなる。
【0064】
(4)第三の実施形態:
図12は、第二の実施形態に係る印刷装置1が行う印刷モード設定処理をフローチャートより示している。本印刷モード設定処理は、印刷ドキュメント単位の印刷データD1が受信されて解釈前データ保持部U11に格納されたことをトリガとして開始し、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。
処理を開始すると、印刷装置1は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ドキュメント数Nを取得する(S402)。S404では、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ページ数Pを取得する。S406では、取得された印刷ドキュメント数Nが当該印刷ドキュメント数の基準数Ns内、かつ、取得された印刷ページ数Pが当該印刷ページ数の基準数Ps内であるか否かを判断する。
【0065】
S406の判断処理においてNが基準数内でない(例えばN>Ns)か、又は、Pが基準数内でない(例えばP>Ps)場合、S410で通常印刷モードに設定し、S402に戻る。
S406の判断処理においてNが基準数内、かつ、Pが基準数内である(例えばN≦NsかつP≦Ps)場合、S408で省電力印刷モードに設定し、S402に戻る。
【0066】
以上により、図7の処理タイミング(A)においてコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ドキュメント数Nが多いか、又は、当該印刷データD1の印刷ページ数Pが多ければ、通常印刷モードとされる。一方、タイミング(A)においてコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ドキュメント数Nが少なく、かつ、当該印刷データD1の印刷ページ数Pが少なければ、省電力印刷モードとされる。これにより、印刷データD1の受信直後の早い段階で印刷モードを判断することができる。
【0067】
(5)その他変形例:
上述した処理の各ステップの順番は、適宜、変更可能である。例えば、S402の処理の前に、S404の処理を行ってもよい。
【0068】
図13(a)に示す印刷モード設定処理のように、印刷ドキュメント数Nのみに基づいて印刷モードを設定してもよい。図13(a)に示す変形例の印刷装置は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷ドキュメント数Nを取得し(S502)、Nが基準数Ns内であるか否かを判断し(S504)、N≦Ns(又はN<Ns)の場合には省電力印刷モードに設定し(S506)、N>Ns(又はN≧Ns)の場合には通常印刷モードに設定する(S508)。S504の判断処理は、コマンド解釈後の印刷ドキュメントの数を含めてもよい。
【0069】
図13(b)に示す印刷モード設定処理のように、印刷ページ数Pのみに基づいて印刷モードを設定してもよい。図13(b)に示す変形例の印刷装置は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ページ数Pを取得し(S522)、Pが基準数Ps内であるか否かを判断し(S524)、P≦Ps(又はP<Ps)の場合には省電力印刷モードに設定し、P>Ps(又はP≧Ps)の場合には通常印刷モードに設定する。S524の判断処理は、コマンド解釈後の印刷ページ数Mを用いた判断処理でもよいし、印刷データ保持部U1全体に保持されている印刷データD1,D2の印刷ページ数を用いた判断処理でもよい。
【0070】
図13(c)に示す印刷モード設定処理のように、印刷データD1,D2の数に基づいて印刷モードを設定してもよい。図13(c)に示す変形例の印刷装置は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1のデータサイズSを取得する(S542)。例えば、各印刷ドキュメントの印刷データD1に含まれているデータサイズSiを取得し、これらのデータサイズSiの総和をデータサイズSとすればよい。その後、Sが基準数Ss内であるか否かを判断し(S544)、S≦Ss(又はS<Ss)の場合には省電力印刷モードに設定し、S>Ss(又はS≧Ss)の場合には通常印刷モードに設定する。S544の判断処理は、コマンド解釈後の印刷データD2のデータサイズを用いた判断処理でもよいし、印刷データ保持部U1全体に保持されている印刷データD1,D2のデータサイズを用いた判断処理でもよい。
【0071】
図14に示す印刷モード設定処理のように、印刷データの量と数の両方に基づいて印刷モードを設定してもよい。図14に示す変形例の印刷装置は、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ドキュメント数Nを取得する(S602)。S604では、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1の印刷ページ数Pを取得する。S606では、解釈前データ保持部U11に保持されているコマンド解釈前の印刷データD1のデータサイズSを取得する。その後、Nが基準数内、Pが基準数内、かつ、Sが基準量内であるか否かを判断し(S608)、条件成立時(例えばN≦NsかつP≦PsかつS≦Ss)には省電力印刷モードに設定し(S610)、条件不成立時には通常印刷モードに設定する(S612)。S608の判断処理は、コマンド解釈後の印刷データD2の数や量を用いた判断処理でもよいし、印刷データ保持部U1全体に保持されている印刷データD1,D2の数や量を用いた判断処理でもよい。
むろん、印刷ドキュメント数を用いず印刷ページ数とデータサイズとに基づいて印刷モードを設定してもよいし、印刷ページ数を用いず印刷ドキュメント数とデータサイズとに基づいて印刷モードを設定してもよい。
【0072】
なお、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる装置、システム、方法及びプログラムでも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、印刷モード切り替えをユーザーに意識させずに省電力を実現することができ、印刷装置の利便性を向上させることが可能な印刷装置、印刷エンジン部を制御する印刷制御装置、印刷システム、印刷方法、印刷制御方法、印刷システムの制御方法、印刷プログラム、印刷制御プログラム、印刷システムの制御プログラム、及び、これらのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体、印刷システムを提供することができる。
【0073】
また、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1…印刷装置、10…制御部、13,14…メモリー、13a…モード情報、14a…速度情報、14b…温度情報、18…通信インターフェイス(受信部)、40…印刷エンジン部、100…ホスト装置、C1…コマンド、D1,D2…印刷データ、D3…印刷データ数、D4…印刷ドキュメント数、D5…印刷ページ数、D6…印刷データ量、D7…データサイズ、I1…画像、U1…印刷データ保持部(印刷データ保持手段)、U2…モード判断部(モード判断手段)、U3…省電力印刷実行部(省電力印刷実行手段)、U4…通常印刷実行部(通常印刷実行手段)、U5…コマンド解釈部(コマンド解釈手段)、U6…受信部、U11…解釈前データ保持部、U12…解釈後データ保持部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の印刷速度で印刷が行われる通常印刷モードと、該通常印刷モードよりも消費電力が少なく前記第一の印刷速度よりも遅い第二の印刷速度で印刷が行われる省電力印刷モードと、で印刷データに基づいた印刷を行う印刷装置であって、
受信された印刷ドキュメント毎の前記印刷データを一時的に保持する印刷データ保持手段と、
この印刷データ保持手段に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が所定の基準内であるか否かを判断するモード判断手段と、
前記判断結果が前記基準内である場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行う省電力印刷実行手段と、
前記判断結果が前記基準内でない場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行う通常印刷実行手段とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記モード判断手段は、前記保持されている印刷データの印刷ドキュメント数、前記保持されている印刷データの印刷ページ数、前記保持されている印刷データのデータサイズ、の少なくとも一つを前記判断の対象とすることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記受信される印刷データには、ビットマップ展開するためのコマンドが含まれ、
前記印刷データ保持手段は、前記コマンドを解釈する前の印刷データを保持する解釈前データ保持部と、前記コマンドを解釈した後の印刷データを保持する解釈後データ保持部とを有し、
前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データのコマンドを解釈して該印刷データを前記解釈後データ保持部に順次ビットマップ展開するコマンド解釈手段が設けられ、
前記モード判断手段は、前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が前記基準内であるか否かを判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記モード判断手段は、前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内、かつ、前記解釈後データ保持部に保持されている先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内であるか否かを判断し、
前記省電力印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ドキュメント数の基準数内、かつ、前記印刷ページ数の基準数内である場合に前記先頭の印刷ドキュメントの印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行い、
前記通常印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ドキュメント数の基準数内でないか、又は、前記印刷ページ数の基準数内でない場合に前記先頭の印刷ドキュメントの印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行うことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記モード判断手段は、印刷ドキュメント単位の印刷データが受信されたときに前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内であるか否かを判断するとともに、該判断直前に受信された前記印刷ドキュメント単位の印刷データのコマンドが解釈された後に前記解釈後データ保持部に保持された前記判断直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内であるか否かを判断し、
前記省電力印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ドキュメント数の基準数内、かつ、前記印刷ページ数の基準数内である場合に前記判断直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行い、
前記通常印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ドキュメント数の基準数内でないか、又は、前記印刷ページ数の基準数内でない場合に前記判断直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行うことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記モード判断手段は、前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内、かつ、前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内であるか否かを判断し、
前記省電力印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ページ数の基準数内、かつ、前記印刷ドキュメント数の基準数内である場合に前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行い、
前記通常印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ページ数の基準数内でないか、又は、前記印刷ドキュメント数の基準数内でない場合に前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行うことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記モード判断手段は、前記印刷ドキュメント単位の印刷データが受信されたときに前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内であるか否かを判断するとともに、該判断直前に受信された前記印刷ドキュメント単位の印刷データのコマンドが解釈された後に前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内であるか否かを判断し、
前記省電力印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ページ数の基準数内、かつ、前記印刷ドキュメント数の基準数内である場合に前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行い、
前記通常印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ページ数の基準数内でないか、又は、前記印刷ドキュメント数の基準数内でない場合に前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行うことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項8】
第一の印刷速度で印刷が行われる通常印刷モードと、該通常印刷モードよりも消費電力が少なく前記第一の印刷速度よりも遅い第二の印刷速度で印刷が行われる省電力印刷モードと、で印刷データに基づいた印刷を行う印刷方法であって、
受信された印刷ドキュメント毎の前記印刷データを一時的に印刷データ保持手段に保持し、
この印刷データ保持手段に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が所定の基準内であるか否かを判断し、
前記判断結果が前記基準内である場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行い、
前記判断結果が前記基準内でない場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行うことを特徴とする印刷方法。
【請求項1】
第一の印刷速度で印刷が行われる通常印刷モードと、該通常印刷モードよりも消費電力が少なく前記第一の印刷速度よりも遅い第二の印刷速度で印刷が行われる省電力印刷モードと、で印刷データに基づいた印刷を行う印刷装置であって、
受信された印刷ドキュメント毎の前記印刷データを一時的に保持する印刷データ保持手段と、
この印刷データ保持手段に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が所定の基準内であるか否かを判断するモード判断手段と、
前記判断結果が前記基準内である場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行う省電力印刷実行手段と、
前記判断結果が前記基準内でない場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行う通常印刷実行手段とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記モード判断手段は、前記保持されている印刷データの印刷ドキュメント数、前記保持されている印刷データの印刷ページ数、前記保持されている印刷データのデータサイズ、の少なくとも一つを前記判断の対象とすることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記受信される印刷データには、ビットマップ展開するためのコマンドが含まれ、
前記印刷データ保持手段は、前記コマンドを解釈する前の印刷データを保持する解釈前データ保持部と、前記コマンドを解釈した後の印刷データを保持する解釈後データ保持部とを有し、
前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データのコマンドを解釈して該印刷データを前記解釈後データ保持部に順次ビットマップ展開するコマンド解釈手段が設けられ、
前記モード判断手段は、前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が前記基準内であるか否かを判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記モード判断手段は、前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内、かつ、前記解釈後データ保持部に保持されている先頭の印刷ドキュメントの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内であるか否かを判断し、
前記省電力印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ドキュメント数の基準数内、かつ、前記印刷ページ数の基準数内である場合に前記先頭の印刷ドキュメントの印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行い、
前記通常印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ドキュメント数の基準数内でないか、又は、前記印刷ページ数の基準数内でない場合に前記先頭の印刷ドキュメントの印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行うことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記モード判断手段は、印刷ドキュメント単位の印刷データが受信されたときに前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内であるか否かを判断するとともに、該判断直前に受信された前記印刷ドキュメント単位の印刷データのコマンドが解釈された後に前記解釈後データ保持部に保持された前記判断直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内であるか否かを判断し、
前記省電力印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ドキュメント数の基準数内、かつ、前記印刷ページ数の基準数内である場合に前記判断直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行い、
前記通常印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ドキュメント数の基準数内でないか、又は、前記印刷ページ数の基準数内でない場合に前記判断直前に受信された印刷ドキュメント単位の印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行うことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記モード判断手段は、前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内、かつ、前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内であるか否かを判断し、
前記省電力印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ページ数の基準数内、かつ、前記印刷ドキュメント数の基準数内である場合に前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行い、
前記通常印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ページ数の基準数内でないか、又は、前記印刷ドキュメント数の基準数内でない場合に前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行うことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記モード判断手段は、前記印刷ドキュメント単位の印刷データが受信されたときに前記解釈前データ保持部に保持されている印刷データの印刷ページ数が当該印刷ページ数の基準数内であるか否かを判断するとともに、該判断直前に受信された前記印刷ドキュメント単位の印刷データのコマンドが解釈された後に前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データの印刷ドキュメント数が当該印刷ドキュメント数の基準数内であるか否かを判断し、
前記省電力印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ページ数の基準数内、かつ、前記印刷ドキュメント数の基準数内である場合に前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行い、
前記通常印刷実行手段は、前記判断結果が前記印刷ページ数の基準数内でないか、又は、前記印刷ドキュメント数の基準数内でない場合に前記印刷データ保持手段に保持されている印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行うことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項8】
第一の印刷速度で印刷が行われる通常印刷モードと、該通常印刷モードよりも消費電力が少なく前記第一の印刷速度よりも遅い第二の印刷速度で印刷が行われる省電力印刷モードと、で印刷データに基づいた印刷を行う印刷方法であって、
受信された印刷ドキュメント毎の前記印刷データを一時的に印刷データ保持手段に保持し、
この印刷データ保持手段に保持されている印刷データの数と量の少なくとも一方が所定の基準内であるか否かを判断し、
前記判断結果が前記基準内である場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記省電力印刷モードで行い、
前記判断結果が前記基準内でない場合に前記保持されている印刷データに基づいた印刷を前記通常印刷モードで行うことを特徴とする印刷方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−104880(P2011−104880A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262620(P2009−262620)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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