説明

印刷装置

【課題】 移動する時や保管している時の誤動作を防止し、保管中でも表示手段を有効に使用することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】 印刷装置1において、印刷装置1の筺体2は、その底面8が支える面64に配置されて印刷装置1を使用可能な横置きと、底面8が背面側となるように縦置きとをとり得るように構成され、筺体2の各配置位置の少なくともいずれか一方を検出する検知スイッチ33を備え、検知スイッチ33により検出された筺体2の各配置位置において表示内容が正立して読めるようにディスプレイ5の表示の向きを制御する制御装置46を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置の配置状態によって、印刷装置の動作を制御する機能を持つ印刷装置に関し、特に印刷装置の配置状態を検出するセンサ手段を設けた印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、本願出願人は、実開平1−85050号公報に記載のように、入力手段としてのキーボード、ディスプレイ、サーマルヘッドを有する印字機構を備え、印刷媒体(例えば、印刷媒体幅9mm、12mm、24mm)にインクリボンを介して文字や記号のキャラクタを印字できる印刷装置であって、対象物に貼付けしてその内容を明確にするに好適の印刷装置を提案するとともに、実用化した。
【0003】
ところで、前記の印刷装置は、オフィスで使用する場合、印刷装置を決められた場所に置き、皆が持ち回りで使用する機会が多い。また、個人使用でも、必要な時に直ぐ使用するために身近に保管しておきたいものである。どちらも使用しない時は、場所を取って邪魔になる。その為、使用しない時は、スペースを取らないように立てて保管できる印刷装置が提案されている。
【0004】
【特許文献1】実開平1−85050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、印刷装置は、片手で持ち運びできる範囲の重量で設計されているので、オフィスや家庭で印刷装置を保管場所から移動して、印刷媒体に印刷する作業をしてから印刷装置を元の位置に戻す時、入力手段であるキーボード部の電源キーの部分を誤って握り、電源が入ったままになって無駄に電力を消費するという問題や、電源を切り忘れたままで入力手段であるキーボード部を握り誤動作させるという問題がある。
【0006】
また、印刷装置として使用しない時にはスペースがある時はそのままで、また、スペースの無い時にはスペースを取らないように立てて保管するのであるが、保管中でも誤動作を防止し、保管している時でも印刷装置の持つ表示手段を使用して、印刷装置を横置きの時、また、縦置きの時でも余分な手間隙を掛けずに表示手段の表示内容を有効な表示内容に変更して、印刷装置を有効に使用したいという要請がある。
【0007】
以上のような状況に鑑み、本発明の目的は、印刷装置を移動する時や保管している時の誤動作を防止し、保管中でも表示手段を有効に使用することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために請求項1に係る印刷装置は、文字、記号のデータを入力できる入力手段と、印刷を開始するための印刷キーと、入力手段から入力されたデータを印刷媒体に印刷する印刷手段と、情報を表示する表示手段とを備えた印刷装置であって、前記印刷装置の筺体は、その一側面部が設置面に配置されて印刷装置を使用可能な第1配置位置と、前記一側面部が背面側となるように起立配置される第2配置位置とをとり得るように構成され、前記筺体の各配置位置の少なくともいずれか一方を検出するセンサ手段を備え、前記センサ手段により検出された筺体の各配置位置において表示内容が正立して読めるように前記表示手段の表示の向きを制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
次に、請求項2に係る印刷装置は、請求項1に記載の印刷装置において、前記印刷装置の電源がOFFの時に前記表示手段にあらかじめ設定された任意の表示を行うことを特徴とする。
【0010】
次に、請求項3に係る印刷装置は、請求項2に記載の印刷装置において、前記印刷装置の電源がOFFの時に表示する内容が、現在の時刻であることを特徴とする。
【0011】
次に、請求項4に係る印刷装置は、請求項2に記載の印刷装置において、前記印刷装置の電源がOFFの時に表示する内容が、カレンダであることを特徴とする。
【0012】
次に、請求項5に係る印刷装置は、請求項2に記載の印刷装置において、前記印刷装置の電源がOFFの時に表示する内容が、スケジュール表であることを特徴とする。
【0013】
次に、請求項6に係る印刷装置は、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の印刷装置において、前記印刷装置の前記センサ手段により前記筺体の配置位置が第1配置位置から第2配置位置へ変更されたことを検出すると、印刷装置の電源をOFFにする電源制御手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
次に、請求項7に係る印刷装置は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の印刷装置において、前記センサ手段により前記筺体の配置位置が第1配置位置から第2配置位置へ変更されたことを検出すると、前記入力手段からの入力を禁止する入力禁止手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
そして、請求項8に係る印刷装置は、請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の印刷装置において、前記印刷装置の前記印刷キーを押下すると、前記電源がOFFの時に前記表示手段に表示されている内容を前記印刷媒体へ印刷することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る印刷装置では、印刷装置の筺体は、その一側面部が設置面に配置されて印刷装置を使用可能な第1配置位置と、一側面部が背面側となるように起立配置される第2配置位置とをとり得るように構成され、筺体の各配置位置の少なくともいずれか一方を検出するセンサ手段を備え、センサ手段により検出された筺体の各配置位置において表示内容が正立して読めるように表示手段の表示の向きを制御する制御手段を備えたので、印刷装置が印刷装置として使用可能な第1配置位置であっても、また、起立配置される第2配置位置であっても制御手段が自動的に表示手段の表示を正立にするので表示が読み易いという効果があり、更に、表示を正立にする為の余分な操作をする必要が無いという効果がある。
【0017】
また、請求項2に係る印刷装置では、印刷装置の電源がOFFの時に表示手段にあらかじめ設定された任意の表示を行うようにしたので、印刷装置を印刷装置として使用しない時でも表示手段をあらかじめ設定された任意の表示の表示装置として利用できるという効果がある。
【0018】
次に、請求項3に係る印刷装置では、印刷装置の電源がOFFの時に表示する内容を、現在の時刻に設定することにより、印刷装置を印刷装置として使用しない時、時計として利用できるという効果がある。
【0019】
また、請求項4に係る印刷装置では、印刷装置の電源がOFFの時に表示する内容を、カレンダに設定することにより、印刷装置を印刷装置として使用しない時、カレンダとして利用できるという効果がある。
【0020】
次に、請求項5に係る印刷装置では、印刷装置の電源がOFFの時に表示する内容を、スケジュール表に設定することにより、印刷装置を印刷装置として使用しない時、スケジュール表として利用できるという効果がある。
【0021】
また、請求項6に係る印刷装置では、印刷装置のセンサ手段により筺体の配置位置が第1配置位置から第2配置位置へ変更されたことを検出すると、印刷装置の電源をOFFにする電源制御手段を備えたので、電源制御手段により自動的に電源がOFFされ、持ち運び時の誤動作防止、電源の切り忘れによる無駄な電力消費を確実に無くすという効果がある。
【0022】
次に、請求項7に係る印刷装置では、センサ手段により筺体の配置位置が第1配置位置から第2配置位置へ変更されたことを検出すると、入力手段からの入力を禁止する入力禁止手段を備えたので、入力禁止手段により自動的に入力手段からの入力が禁止され、持ち運び時及び保管時の入力手段からの入力が原因で発生する誤動作を防止できるという効果がある。
【0023】
そして、請求項8に係る印刷装置では、印刷装置の印刷キーを押下すると、電源がOFFの時に表示手段に表示されている内容を印刷媒体へ印刷するようにしたので、あらかじめ設定された任意の表示を表示するだけでなく簡単に印刷できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る印刷装置について、本発明を具体化した第1実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る印刷装置の概略構成について図1乃至図4に基づき説明する。図1は、印刷装置の斜視図、図2は、印刷装置の後部を下にして縦置きにした時の裏面図、図3は、印刷媒体カセットを装着したサーマル印刷機構の概略平面図、図4は、印刷装置の制御系のブロック図である。
【0025】
図1において、印刷装置1の筺体2の前部にはキーボード(入力手段に相当する)3が配設され、キーボード3の後方で筺体2内にはサーマル印刷機構(印刷手段に相当する)4が配設され、またキーボード3の直ぐ後側には、入力した文字や記号を表示可能なディスプレイ(表示手段に相当する)5が設けられている。
【0026】
キーボード3には、アルファベット文字や数字や記号を入力する為の文字キー、スペースキー、改行キー、カーソル移動キー、複数の定型表示の中から一つを選択するための定型表示選択キー7、実行キーや取消キー等の編集キー、印字を指令する印刷キー9、電源をON/OFFする為の電源キー34等が設けられている。
【0027】
そして、図2において、印刷装置1の筺体2の底面(一側面部に相当する)8には、筺体2の底面8を支える面(設置面に相当する)64を感知する検知スイッチ(センサ手段に相当する)33が設けられ、印刷装置1が置かれている状況、例えば、横置き(第1配置位置に相当する)で使用中か、搬送中か、立てられて縦置き(第2配置位置に相当する)になっているかを判断するトリガのスイッチになっている。
【0028】
次に、サーマル印刷機構4について、図3に基づいて簡単に説明する。このサーマル印刷機構4には、着脱自在に矩形状の印刷媒体カセット10が装着されており、この印刷媒体カセット10には、印刷媒体であるラミネートテープ11が巻装された印刷媒体スプール12とインクリボン13が巻装されたリボンスプール14と、このインクリボン13を巻取るリボン巻取りスプール15と、ラミネートテープ11と同一幅を有する両面テープ16が剥離紙を外側にして巻装された供給スプール17と、ラミネートテープ11と両面テープ16とを押圧して接合させる接合ローラ18とが回転自在に設けられている。
【0029】
前記ラミネートテープ11とインクリボン13とが重なる位置には、サーマルヘッド19が立設され、これらラミネートテープ11とインクリボン13とをサーマルヘッド19に押圧するプラテンローラ20と、ラミネートテープ11と両面テープ16とを接合ローラ18に押圧して印刷された印刷媒体23を作成しながら印刷媒体を送る送りローラ21とは、筺体2に回動自在に枢着されたローラ支持体22に回転可能に枢支されている。このサーマルヘッド19には、複数の発熱素子がラミネートテープの送り方向に垂直に列設されている。
【0030】
従って、印刷媒体送りモータ36(図4参照)の所定回転方向への駆動により、接合ローラ18とリボン巻取りスプール15とが所定回転方向に各々同期して駆動されながら、サーマルヘッド19の複数の発熱素子に通電された時、ラミネートテープ11の裏面側には、複数のドット列により文字や記号が鏡像で印刷され、しかもラミネートテープ11の裏面側に両面テープ16が接合されて印刷された印刷媒体23が作成され、印刷された印刷媒体23が排出方向Tの方向に搬送されて、図1、図3に示すように、筺体2の外側に排出される。
【0031】
なお、この印刷媒体カセット10は、その印刷媒体の幅や印刷媒体の種類によって複数の印刷媒体カセット10が用意されている。この印刷媒体カセット10の底壁部には、複数の印刷媒体種検出用穴24が形成され、この印刷媒体種検出用穴24の組合せによって印刷媒体の幅や印刷媒体の種類が決まり、この情報が筺体2に取り付けられている印刷媒体センサ30(図4参照)で読み取られる。
【0032】
次に、印刷装置1の制御系について、図4に基づいて説明する。制御装置(制御手段に相当する)46の入出力インターフェース44には、キーボード3と、カセットセンサ30と、ディスプレイ5に表示データを出力する為のビデオRAM31を有するディスプレイコントローラ32と、検知スイッチ33と、サーマルヘッド19を駆動する為の駆動回路35と、印刷媒体送りモータ36を駆動する為の駆動回路37とが、各々接続されている。
【0033】
制御装置46は、CPU40と、このCPU40にデータバスなどのバス45を介して接続された入出力インターフェース44、表示用キャラクタジェネレータROM(表示用CGROM)41、印刷用キャラクタジェネレータROM(印刷用CGROM)42,ROM43、RAM50、及び時計・カレンダ回路57とから構成されている。表示用CGROM41には、アルファベット文字や記号などの多数のキャラクタの各々に関して、所定文字サイズの表示用ドットパターンデータが格納されている。印刷用CGROM42には、アルファベット文字や記号などの多数のキャラクタの各々に関して、印刷用ドットパターンデータが、各書体ごとにコードデータに対応させて、複数の印字文字サイズ分が格納されている。時計・カレンダ回路57は、現在の日時・時刻のデータを保持している。
【0034】
ROM43には、キーボード3から入力された文字や数字や記号等のキャラクタのコードデータに対応させてディスプレイコントローラ32を制御する表示駆動制御プログラム、印字に供する1ドット列毎のドットパターンデータを順次サーマルヘッド19や印刷媒体送りモータ36に転送して印刷する印刷駆動プログラム、本願特有のあらかじめ設定された任意の表示(以後、定型表示という)を行うためのテキスト入力制御、定型表示作成制御、定型表示選択制御、定型表示データ入力制御、テキスト登録制御等の制御プログラム、更に、検知スイッチ33の信号を検出することにより、印刷装置1の電源をON/OFFする電源制御プログラム(電源制御手段に相当する)及びキーボード3からの入力を禁止又は解除する入力制御プログラム(入力禁止手段に相当する)が格納されている。
【0035】
前記RAM50には、テキスト入力制御により、キーボード3から入力されたキャラクタのコードデータや、定型表示データ入力制御により、入力指示メッセージに付随的にキーボード3から入力されたテキストデータを格納するテキストメモリ51、選択された定型表示に関する全体書式情報を格納する全体書式情報メモリ52、定型表示インデックステーブルに格納された定型表示を順次指示する定型表示ポインタのポインタ値と、入力指示メッセージテーブルに格納された入力指示メッセージを順次指示する入力支持項目ポインタのポインタ値を格納するポインタメモリ53、サーマル印刷機構4に装着されている印刷媒体カセット10のラミネートテープ11のテープ幅データを格納するテープ情報メモリ54、ユーザーが登録された登録ファイルを格納する登録ファイルメモリ55に加えて、そのテキストメモリ51に格納されたキャラクタコードに対応するドットパターンデータを展開して格納する印字データバッファ56、その他CPU40で演算した演算結果を一時的に格納するメモリやバッファ等が設けられている。
【0036】
続いて、前記のように構成された印刷装置1において、印刷装置1の基本的な動作の流れを決める検知スイッチ33について、図2、図5に基づいて説明する。図5は、検知スイッチの状態を説明する図であり、(A)は、印刷装置が横置きで机の上に置かれているので、筺体を支える面により、検知スイッチがONの状態を示す図、(B)は、印刷装置が筺体を支える面から離れており、検知スイッチがOFFの状態を示す図、(C)は、印刷装置が机の上に後部を下にして縦置きで置かれているので、検知スイッチがOFFの状態を示す図である。
【0037】
検知スイッチ33は、その突起33a(検出部に相当する)が押下された時にON、押下を解除した時にOFFとなるプッシュスイッチ(モーメンタリスイッチ)である。プッシュスイッチの既製品では、アルプス電気製のSPPBシリーズ、SPVEシリーズ、SPPW8シリーズ等があり簡単に設置できる。また、スイッチストロークの関係があるので、印刷装置1に合ったスイッチを独自に設計しても良い。検知スイッチ33は、図2、図5に示すように、印刷装置1の筺体2の底面8から突起33aが飛び出すように取り付けられている。図5(A)の状態では、印刷装置1が横置きで机の上に置かれているので、筺体2を支える面64により、検知スイッチ33の突起33aが押下されて、検知スイッチ33は、ONになっている。印刷装置1が、使用されているか、横置きで机の上に保管されている状態である。図5(B)の状態では、印刷装置1が筺体2を支える面64から離れており、検知スイッチ33の突起33aが飛び出しているので、検知スイッチ33は、OFFになっている。この状態は、印刷装置1が持ち上げられた状態である。図5(C)の状態では、印刷装置1が机の上に後部63を下にして縦置きで置かれており、検知スイッチ33の突起33aが飛び出しているので、検知スイッチ33は、OFFになっている。この状態は、印刷装置1が後部63を下にして縦置きで保管されている状態である。
【0038】
ここで、電源をONしてから、検知スイッチ33が関与する印刷装置1の動作設定の流れを図5、図6に基づいて説明する。図6は、第1実施形態における印刷装置の動作設定の流れを説明するフローチャートである。この動作設定の流れによれば、印刷装置1には、大きく分けて、サーマル印刷機構4の動作処理、縦置きの定型表示の動作処理、電源をOFFする動作処理の流れがある。
【0039】
まず、印刷装置1のサーマル印刷機構4の動作処理の流れから説明する。この時、印刷装置1は、図5(A)に示すように横置きで机の上に置かれているので、筺体2を支える面64により、検知スイッチ33の突起33aが押下されて、検知スイッチ33は、ONになっている。この状態で、ステップ(以下、Sと略記する)1で制御装置46が電源ONを確認し、S2で検知スイッチ33がONであることを制御装置46が確認するとS3に進み、サーマル印刷機構4の動作処理になって、キーボード3、印刷媒体センサ30、ディスプレイ5、サーマル印刷機構4、制御装置46のそれぞれの機能を使用して所望する印刷媒体23が印刷される。そして、サーマル印刷機構4の動作処理の流れの中で、S4で規定時間内にキーボード3からの入力があることを制御装置46が確認した場合にはこの流れを繰り返すが、規定時間内にキーボード3からの入力が無いことを制御装置46が確認した場合は、S7に進み電源OFFの処理が制御装置46によってなされる。(オートパワーオフ処理)この処理によって、電源の切り忘れや無駄な電力消費を防止している。
【0040】
次に、印刷装置1の縦置きの定型表示の動作処理を行う流れを説明する。この時、印刷装置1は、図5(C)に示すように後部63を下にして縦置きで机の上に置かれており、検知スイッチ33の突起33aが飛び出しているので、検知スイッチ33は、OFFになっている。この状態で、S1で制御装置46が電源ONを確認し、S2で検知スイッチ33がOFFであることを制御装置46が確認するとS5に進み、制御装置46が縦置きの定型表示の動作処理を行う。そして、S6で制御装置46が指定キー以外の入力禁止処理を行う。基本的に、定型表示選択キー7、印刷キー9、電源をON/OFFする為の電源キー34、その他定型表示に関係するキー以外のキー入力が停止され、誤ってキーボードに触れて定型表示を乱すという誤動作が防止される。また、定型表示には、時計表示、カレンダ表示、スケジュール表示がある。(図7参照)この定型表示の状態は、印刷装置1を保管するのにスペースを取らないように後部63を下にして縦置きで保管している状態に加えて、印刷装置1の持っている機能を利用して、印刷媒体23の印刷以外にも利用したいという要求に対し、定型表示にして、スペースを取らないように立てて縦置きで利用するというものである。縦置きの時は、ディスプレイ5の表示は、サーマル印刷機構4の動作処理の時の表示に対して上下逆転している。(図8(B)参照)
【0041】
そして、印刷装置1の電源をOFFする動作処理の流れを説明する。電源をOFFする動作処理に二つの流れがある。一方は、S1で電源がOFFされたことを制御装置46が確認するとS7に進み制御装置46によって電源をOFFする動作処理がなされる流れ、他方は、制御装置46が行うS1からS2、S2からS3、S3からS4のサーマル印刷機構4の動作処理の流れの中で、S4で規定時間内にキーボード3からの入力が無いことを制御装置46が確認した場合にS7に進み電源をOFFする動作処理が制御装置46によってなされる流れである。(オートパワーオフ処理)この処理によって、電源の切り忘れや無駄な電力消費が防止されている。
【0042】
ここで、定型表示について、図7に基づいて説明する。図7は、定型表示を示す図であり、(A)は、時計の定型表示例を示す図、(B)は、カレンダの定型表示例を示す図、(C)は、スケジュールの定型表示例を示す図である。ところで、定型表示は、印刷装置1の持っている機能を利用して、印刷媒体の印刷以外にも利用したいという要求に対して考案された機能である。制御装置46には、図7(A)、図7(B)に示す書式が固定された定型表示、図7(C)に示すある書式に後からデータを記入する定型表示、使用者が自由に表現する定型表示(図示せず)の3種類が収められており、それぞれの制御プログラムで取り出し(表示)、格納(書き込み)がなされている。どの定型表示を表示するかの選択は、定型表示選択キー7で行われる。図7(A)、図7(B)の定型表示においては、時計・カレンダ回路57から読み出した日付、時刻のデータに基づいて時計の定型表示(図7(A))、カレンダの定型表示(図7(B))を行う。また、図7(C)に示すある書式に後からデータを記入する定型表示、使用者が自由に表現する定型表示の場合のデータ記入や自由表現の記入は、図6に示すS6の横置きの定型表示処理の中の定型表示編集制御の中で行われるようにしている。
【0043】
次に、印刷装置1の横置きと縦置きについて、図8に基づいて説明する。図8は、第1実施形態における印刷装置の横置きと縦置きを示す図であり、(A)は、印刷装置が横置きにされ、サーマル印刷機構が動作状態の図、(B)は、印刷装置が縦置きにされ、定型表示になっている状態の図である。図8(A)における印刷装置1の横置きは、印刷媒体の印刷時にキーボード3からのキー入力操作を行う為には必要な置き方である。また、キー入力操作も、キーボード3の手前66を低く、後部63を高くして傾斜を付けた方が操作を行い易く、更に、ディスプレイ5も傾斜が付いていた方が見易い。その為、ディスプレイ5に表示される表示もキー入力操作中にそのまま見られる表示になっている。また、図(B)における印刷装置1の縦置きは、印刷装置1の置き場所にスペースがない場合の保管方法として考案されたものである。そして、定型表示は、印刷装置1の持っている機能を利用して、印刷媒体の印刷以外にも利用したいという要求に対して考案された機能であるので、印刷装置1の縦置きでも取り入れている。しかしながら、印刷装置1は、キーボード3の操作性、ディスプレイ5の視認性をよくする為に、手前66を低く、後部63を高くする設計の必要があり、その為に、印刷装置1が縦置きされる場合は、安定性を良くする為に、後部63を下にして立てる必要がある。すると、ディスプレイ5に表示されている表示が上下逆になるので、これを補正する機能が必要となり、その為に、印刷装置1の検知スイッチ33が印刷装置1が縦置きになった時にOFFを検出し、その信号を制御装置46に送ってディスプレイ5に表示されている表示が上下逆になるように処理をおこなう。この処理によって、印刷装置1が縦置きされた時でも使用者が手を加えること無くディスプレイ5に表示されている表示を正常に見ることができる。また、印刷装置1の手前66を低く、後部63を高くする設計により、印刷装置1の後部63を下にして立てた場合でも、ディスプレイ5に適度の傾斜があってディスプレイ5の視認性が良くなるという効果もある。そして、印刷装置1の手前66より後部63の方が広いので、後部63を下にして立てた時、安定して置けるという効果もある。
【0044】
更に、本発明に係る印刷装置について、本発明を具体化した第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。第2実施形態では、横置きの定型表示の動作処理を加え、更に、電源をOFFにしても定型表示の動作処理を行う印刷装置1について説明する。印刷装置1の構成については、第1実施形態で説明した構成に、定型表示にするかしないかの動作を選択する機能切替キー6が追加されたものと同じであるので、ここでは構成の説明は省略し、印刷装置1が持っている機能を動作設定の流れで説明する。また、使用する符号も同一の符号を使用する。
【0045】
まず、電源をONしてから、検知スイッチ33が関与する印刷装置1の動作設定の流れを図5、図9に基づいて説明する。図9は、印刷装置の動作設定の流れを説明するフローチャートである。この動作設定の流れによれば、印刷装置1には、大きく分けて、サーマル印刷機構4の動作処理、横置きの定型表示の動作処理、縦置きの定型表示の動作処理、電源をOFFする動作処理の流れがある。
【0046】
最初に、印刷装置1のサーマル印刷機構4の動作処理の流れから説明する。この時、印刷装置1は、図5(A)に示すように横置きで机の上に置かれているので、筺体2を支える面64により、検知スイッチ33の突起33aが押下されて、検知スイッチ33は、ONになっている。更に、機能切替キー6(図1参照)によって、印刷装置1の状態は、印刷機能側になっている。この状態で、ステップ(以下、Sと略記する)101で制御装置46が電源ONを確認し、S102で検知スイッチ33がONであることを制御装置46確認するとS103に進み、ここで定型表示でないことが制御装置46によって確認されてS04に進み、印刷機能の動作処理になって、キーボード3、カセットセンサ30、ディスプレイ5、サーマル印刷機構4、制御装置46のそれぞれの機能を使用して所望する印刷媒体23が印刷される。そして、サーマル印刷機構4の動作処理の流れの中で、S105で規定時間内にキーボード3からの入力があることを制御装置46が確認した場合にはこの流れを繰り返すが、規定時間内にキーボード3からの入力が無いことを制御装置46が確認した場合は、S111に進み電源OFFの処理が制御装置46によってなされる。(オートパワーオフ処理)この処理によって、電源の切り忘れや無駄な電力消費を防止している。
【0047】
次に、印刷装置1の横置きの定型表示の動作処理を行う流れを説明する。この時、印刷装置1は、図5(A)に示すように横置きで机の上に置かれているので、筺体2を支える面64により、検知スイッチ33の突起33aが押下されて、検知スイッチ33は、ONになっている。更に、機能切替キー6(図1参照)によって、印刷装置1の状態は、定型表示機能側になっている。この状態で、S101で制御装置46が電源ONを確認し、S102で検知スイッチ33がONであることを制御装置46が確認するとS103に進み、ここで定型表示であることが制御装置46によって確認されるとS106に進み、制御装置46によって横置きの定型表示の動作処理になり定型表示が表示される。その表示例を図10(A)に示す。図10(A)は、印刷装置が横置きにされ、定型表示になっている状態の図である。この時、ディスプレイ5に表示されている定型表示の向きは、サーマル印刷機構4が動作している時のディスプレイ5に表示されている表示と同じ向きをしている。その後、S107で指定キー以外の入力禁止処理を制御装置46が入力制御プログラムによって行う。基本的に機能切替キー6、定型表示選択キー7、印刷キー9、電源をON/OFFする為の電源キー34、その他定型表示に関係する以外のキーのキー入力が停止され、誤ってキーボードに触れて定型表示を乱すという誤動作が防止される。また、定型表示には、時計表示、カレンダ表示、スケジュール表示がある。(図7参照)この定型表示の状態は、印刷装置1の持っている機能を利用して、印刷媒体の印刷以外にも利用したいという要求に対し、定型表示にして利用するというものである。
【0048】
次に、印刷装置1の縦置きの定型表示の動作処理を行う流れを説明する。この時、印刷装置1は、図5(C)に示すように後部63を下にして縦置きで机の上に置かれており、検知スイッチ33の突起33aが飛び出しているので、検知スイッチ33は、OFFになっている。更に、機能切替キー6(図1参照)によって、印刷装置1の状態は、定型表示機能側になっている。この状態で、S101で制御装置46が電源ONを確認し、S102で制御装置46が検知スイッチ33がOFFであることを確認するとS108に進み、ここで、定型表示であることが制御装置46によって確認されるとS109に進み、制御装置46によって縦置きの定型表示の動作処理になり定型表示が表示される。その表示例を図10(B)に示す。図10(B)は、印刷装置が縦置きにされ、定型表示になっている状態の図である。この時、ディスプレイ5に表示されている定型表示の向きは、印刷装置が横置きにされ、定型表示になっている状態のディスプレイ5に表示されている表示とは逆の向きをしている。これは、横置きでサーマル印刷機構4を動作させている時に、印刷装置1をキーボード3の操作性、ディスプレイ5の視認性をよくする為に、手前66を低く、後部63を高くする設計の必要があり、その為に、印刷装置1が縦置きされる場合は、安定性を良くする為に、後部63を下にして立てる必要がある。すると、ディスプレイ5に表示されている表示が上下逆になるので、これを補正する機能が必要となり、その為に、印刷装置1の検知スイッチ33が印刷装置1が縦置きになった時にOFFを検出し、その信号を制御装置46に送ってディスプレイ5に表示されている表示が上下逆になるように処理をおこなう。この処理によって、印刷装置1が縦置きされた時でも使用者が手を加えること無くディスプレイ5に表示されている表示を正常に見ることができるのである。その後、S110で指定キー以外の入力禁止処理を制御装置46が入力制御プログラムによって行う。基本的に機能切替キー6、定型表示選択キー7、印刷キー9、電源をON/OFFする為の電源キー34、その他定型表示に関係する以外のキーのキー入力が停止され、誤ってキーボードに触れて定型表示を乱すという誤動作が防止される。また、定型表示には、時計表示、カレンダ表示、スケジュール表示がある。(図7参照)この定型表示の状態は、印刷装置1を保管するのにスペースを取らないように後部63を下にして縦置きで保管している状態に加えて、印刷装置1の持っている機能を利用して、印刷媒体23の印刷以外にも利用したいという要求に対し、定型表示にして、スペースを取らないように縦置きにして利用するというものである。
【0049】
そして、印刷装置1が持ち上げられたり(場所を移動するために)、後部63を下にして縦置きで保管されたりする為に、自動的に電源をOFFする動作処理の流れを説明する。この時、印刷装置1は、図5(B)に示すように印刷装置1が筺体2を支える面64から離された場合や、図5(C)に示すように後部63を下にして縦置きで机の上に置かれた場合は、検知スイッチ33の突起33aが飛び出しているので、検知スイッチ33は、OFFになっている。更に、機能切替キー6(図1参照)によって、印刷装置1の状態は、印刷機能側になっている。この状態で、S101で制御装置46が電源ONを確認し、S102で制御装置46が検知スイッチ33がOFFであることを確認するとS108に進み、ここで、制御装置46によって定型表示でないことが確認されるとS111に進み、電源OFFの処理が制御装置46によって行われる。この処理によれば、電源OFFの操作をしなくても自動的に電源がOFFになるので、印刷装置1を持って移動する時に、電源をOFFにした場合でも、キーボード3の電源キー34の部分を誤って握り、電源が入ったままになって無駄に電力を消費するという問題や、電源の切り忘れでオートパワーオフが働く前にキーボード3を握り誤動作させるという問題が解決できる。
【0050】
続いて、電源をOFFしてから、検知スイッチ33が関与する印刷装置1の動作設定の流れを図5、図9に基づいて説明する。この動作設定の流れによれば、印刷装置1には、大きく分けて、電源をOFFする処理の流れ、そして、これがこの印刷装置1の特徴の一つであるが、電源のOFF操作をしても横置きの定型表示の動作処理、縦置きの定型表示の動作処理をする流れがある。
【0051】
まず、印刷装置1の電源がOFFにされた時の電源をOFFする動作処理の流れを説明する。一つの流れは、S101で制御装置46が電源OFFを確認し、S112で制御装置46が検知スイッチ33がONであることを確認するとS113に進み、ここで定型表示でないことが制御装置46によって確認されるとS111に進み、電源をOFFにする動作処理が制御装置46によって行われる流れである。他の流れは、S101で制御装置46が電源OFFを確認し、S112で制御装置46が検知スイッチ33がOFFであることを確認するとS114に進み、ここで制御装置46によって定型表示でないことが確認されるとS111に進み、電源OFFの処理が制御装置46によって行われる流れである。この二つの流れで完全に電源がOFFされる。
【0052】
次に、印刷装置1の電源のOFF操作をしても横置きの定型表示の動作処理を行う流れを説明する。この時、印刷装置1は、図5(A)に示すように横置きで机の上に置かれているので、筺体2を支える面64により、検知スイッチ33の突起33aが押下されて、検知スイッチ33は、ONになっている。更に、機能切替キー6(図1参照)によって、印刷装置1の状態は、定型表示機能側になっている。この状態で、S101で制御装置46が電源OFFを確認し、S112で制御装置46が検知スイッチ33がONであることを確認するとS113に進み、ここで制御装置46によって定型表示であることが確認されるとS106に進み、制御装置46によって横置きの定型表示の動作処理になり定型表示が表示される。その表示例を図10(A)に示す。図10(A)は、印刷装置が横置きにされ、定型表示になっている状態の図である。この時、ディスプレイ5に表示されている定型表示の向きは、サーマル印刷機構4が動作している時のディスプレイ5に表示されている表示と同じ向きをしている。その後、S107で指定キー以外の入力禁止処理を制御装置46が入力制御プログラムによって行う。基本的に機能切替キー6、定型表示選択キー7、印刷キー9、電源をON/OFFする為の電源キー34、その他定型表示に関係する以外のキーのキー入力が停止され、誤ってキーボードに触れて定型表示を乱すという誤動作が防止される。また、定型表示は、時計表示、カレンダ表示、スケジュール表示がある。(図7参照)この定型表示の状態は、電源のOFF操作をした後でも、印刷装置1の持っている機能を利用して、印刷媒体の印刷以外にも利用したいという要求に対する一つの手段である。
【0053】
そして、印刷装置1の電源のOFF操作をしても縦置きの定型表示の動作処理を行う流れを説明する。この時、印刷装置1は、図5(C)に示すように後部63を下にして縦置きで机の上に置かれており、検知スイッチ33の突起33aが飛び出しているので、検知スイッチ33は、OFFになっている。更に、機能切替キー6(図1参照)によって、印刷装置1の状態は、定型表示機能側になっている。この状態で、S101で制御装置46が電源OFFを確認し、S112で制御装置46が検知スイッチ33がOFFであることを確認するとS114に進み、ここで、制御装置46によって定型表示であることが確認されるとS109に進み、制御装置46によって縦置きの定型表示の動作処理になり定型表示が表示される。その表示例を図10(B)に示す。図10(B)は、印刷装置が縦置きにされ、定型表示になっている状態の図である。この時、ディスプレイ5に表示されている定型表示の向きは、印刷装置が横置きにされ、定型表示になっている状態のディスプレイ5に表示されている表示とは逆の向きをしている。これは、横置きでサーマル印刷機構4を動作させている時に、印刷装置1をキーボード3の操作性、ディスプレイ5の視認性をよくする為に、手前66を低く、後部63を高くする設計の必要があり、その為に、印刷装置1が縦置きされる場合は、安定性を良くする為に、後部63を下にして立てる必要がある。すると、ディスプレイ5に表示されている表示が上下逆になるので、これを補正する機能が必要となり、その為に、印刷装置1の検知スイッチ33が印刷装置1が縦置きになった時にOFFを検出し、その信号を制御装置46に送ってディスプレイ5に表示されている表示が上下逆になるように処理をおこなう。この処理によって、印刷装置1が縦置きされた時でも使用者が手を加えること無くディスプレイ5に表示されている表示を正常に見ることができるのである。その後、S110で指定キー以外の入力禁止処理を制御装置46が入力制御プログラムによって行う。基本的に機能切替キー6、定型表示選択キー7、印刷キー9、電源をON/OFFする為の電源キー34、その他定型表示に関係する以外のキーのキー入力が停止され、誤ってキーボードに触れて定型表示を乱すという誤動作が防止される。また、定型表示には、時計表示、カレンダ表示、スケジュール表示がある。(図7参照)この定型表示の状態は、印刷装置1を保管するのにスペースを取らないように後部63を下にして縦置きで保管している状態に加えて、印刷装置1の持っている機能を利用して、印刷媒体23の印刷以外にも利用したいという要求に対し、定型表示にして、スペースを取らないように縦置きにして利用するというものである。
【0054】
さらに、本発明に係る印刷装置1について、本発明を具体化した第3実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。第3実施形態では、印刷装置1のディスプレイ5に定型表示されている内容を印刷媒体である印刷媒体23に印刷して利用する方法を図10に基づき説明する。符号は第1実施形態で使用した符号をそのまま使用する。図10は、第2実施形態における印刷装置の横置きと縦置きを示す図であり、(A)は、印刷装置が定型表示状態で横置きにされた図、(B)は、印刷装置が定型表示状態で縦置きにされた図である。ところで、印刷装置1は、定型表示になってから、基本的にキーボード3からの入力が禁止されて誤動作を防止している。しかしながら、定型表示になってからも、機能切替キー6、定型表示選択キー7、印刷キー9、電源をON/OFFする為の電源キー34、その他定型表示に関係するキーは入力が許可されているのである。そこで、定型表示されている内容が必要な時は、印刷キー9を押下して印刷媒体23に印刷して印刷媒体23を排出方向Tに排出する。これは、図10(A)の印刷装置1が横置きにされている時でも、図10(B)の印刷装置1が縦置きにされている時でも印刷できるようになっている。印刷媒体23を必要とする例としては、スケジュールが定型表示されている時、スケジュールが一杯で席に戻れない時には、このスケジュールの印刷媒体23を作成して手帳に貼って持っていけば、その後の行動に困らないという効果がある。また、定型表示の種類を変更する時は、使用者が定型表示選択キー7を操作することよって変更することができる。
【0055】
以上説明した通り、第1実施形態から第3実施形態に係る印刷装置1では、印刷装置1の筺体2は、その底面8が支える面64に配置されて印刷装置1を使用可能な横置きと、底面8が背面側となるように縦置きとをとり得るように構成され、筺体2の各配置位置の少なくともいずれか一方を検出する検知スイッチ33を備え、検知スイッチ33により検出された筺体2の各配置位置において表示内容が正立して読めるようにディスプレイ5の表示の向きを制御する制御装置46を備えたので、印刷装置1が印刷装置1として使用可能な横置きであっても、また、縦置きであっても制御装置46が自動的にディスプレイ5の表示を正立にするので表示が読み易いという効果があり、更に、表示を正立にする為の余分な操作をする必要が無いという効果がある。
【0056】
また、印刷装置1では、印刷装置1の電源がOFFの時にディスプレイ5に定型表示を行うようにしたので、印刷装置1を印刷装置1として使用しない時でもディスプレイ5を定型表示のディスプレイ5として利用できるという効果がある。
【0057】
次に、印刷装置1では、印刷装置1の電源がOFFの時に表示する内容が、現在の時刻に設定することにより、印刷装置1を印刷装置1として使用しない時、時計として利用できるという効果がある。
【0058】
また、印刷装置1では、印刷装置1の電源がOFFの時に表示する内容が、カレンダに設定することにより、印刷装置1を印刷装置1として使用しない時、カレンダとして利用できるという効果がある。
【0059】
次に、印刷装置1では、印刷装置1の電源がOFFの時に表示する内容が、スケジュール表に設定することにより、印刷装置1を印刷装置1として使用しない時、スケジュール表として利用できるという効果がある。
【0060】
また、印刷装置1では、印刷装置1の検知スイッチ33により筺体2の配置位置が横置きから縦置きへ変更されたことを検出すると、印刷装置1の電源をOFFにする制御装置46を備えたので、制御装置46により自動的に電源がOFFされ、持ち運び時の誤動作防止、電源の切り忘れによる無駄な電力消費を確実に無くすという効果がある。
【0061】
次に、印刷装置1では、検知スイッチ33により筺体2の配置位置が横置きから立てた縦位置へ変更されたことを検出すると、キーボード3からの入力を禁止する制御装置46を備えたので、制御装置46により自動的にキーボード3からの入力が禁止され、持ち運び時及び保管時のキーボード3からの入力が原因で発生する誤動作を防止できるという効果がある。
【0062】
そして、印刷装置1では、印刷装置1の印刷キー9を押下すると、ディスプレイ5に表示されている内容を印刷媒体23へ印刷するようにしたので、定型表示を表示するだけでなく簡単に印刷できるという効果がある。
【0063】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】印刷装置の斜視図である。
【図2】印刷装置の後部を下にして縦置きにした時の裏面図である。
【図3】印刷媒体カセットを装着したサーマル印刷機構の概略平面図である。
【図4】印刷装置の制御系のブロック図である。
【図5】検知スイッチの状態を説明する図であり、(A)は、印刷装置が横置きで机の上に置かれているので、筺体を支える面により、検知スイッチがONの状態を示す図、(B)は、印刷装置が筺体を支える面から離れており、検知スイッチがOFFの状態を示す図、(C)は、印刷装置が机の上に後部を下にして縦置きで置かれているので、検知スイッチがOFFの状態を示す図である。
【図6】第1実施形態における印刷装置の動作設定の流れを説明するフローチャートである。
【図7】定型表示を示す図であり、(A)は、時計の定型表示例を示す図、(B)は、カレンダの定型表示例を示す図、(C)は、スケジュールの定型表示例を示す図である。
【図8】第1実施形態における印刷装置の横置きと縦置きを示す図であり、(A)は、印刷装置が横置きにされ、サーマル印刷機構が動作状態の図、(B)は、印刷装置が縦置きにされ、定型表示になっている状態の図である。
【図9】第2実施形態における印刷装置の動作設定の流れを説明するフローチャートである。
【図10】第2実施形態における印刷装置の横置きと縦置きを示す図であり、(A)は、印刷装置が横置きにされ、定型表示になっている状態の図、(B)は、印刷装置が縦置きにされ、定型表示になっている状態の図である。
【符号の説明】
【0065】
1. 印刷装置
2. 筺体
3. キーボード
4. サーマル印刷機構
5. ディスプレイ
6. 機能切替キー
7. 定型表示選択キー
8. 底面
9. 印刷キー
10. 印刷媒体カセット
23. 印刷媒体
33. 検知スイッチ
33a.突起
34. 電源キー
63. 後部
64. 支える面
T. 排出方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字、記号のデータを入力できる入力手段と、
印刷を開始するための印刷キーと、
入力手段から入力されたデータを印刷媒体に印刷する印刷手段と、
情報を表示する表示手段とを備えた印刷装置であって、
前記印刷装置の筺体は、その一側面部が設置面に配置されて印刷装置を使用可能な第1配置位置と
前記一側面部が背面側となるように起立配置される第2配置位置とをとり得るように構成され、
前記筺体の各配置位置の少なくともいずれか一方を検出するセンサ手段を備え、
前記センサ手段により検出された筺体の各配置位置において表示内容が正立して読めるように前記表示手段の表示の向きを制御する制御手段を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷装置の電源がOFFの時に前記表示手段にあらかじめ設定された任意の表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷装置の電源がOFFの時に表示する内容が、現在の時刻であることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷装置の電源がOFFの時に表示する内容が、カレンダであることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記印刷装置の電源がOFFの時に表示する内容が、スケジュール表であることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記印刷装置の前記センサ手段により前記筺体の配置位置が第1配置位置から第2配置位置へ変更されたことを検出すると、印刷装置の電源をOFFにする電源制御手段を備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項7】
前記センサ手段により前記筺体の配置位置が第1配置位置から第2配置位置へ変更されたことを検出すると、前記入力手段からの入力を禁止する入力禁止手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項8】
前記印刷装置の前記印刷キーを押下すると、前記電源がOFFの時に前記表示手段に表示されている内容を前記印刷媒体へ印刷することを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−326223(P2007−326223A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−269345(P2004−269345)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】