説明

印刷装置

【課題】印刷データには問題が無くとも、印刷途中の予期せぬIF信号線の状況遷移や操作パネルのスイッチ押下動作が要因となり、印刷不具合が発生した場合に、16進ダンプ印刷結果より、印刷不具合原因を容易に解明する事を可能とする。
【解決手段】16進ダンプ印刷結果にIF信号線情報、操作パネルのスイッチ押下情報も追加して印刷を実施するため、印刷途中の予期せぬ状況遷移が要因となる印刷不具合が発生した場合に、IF信号線状況遷移及び操作パネルスイッチ動作状況による原因追求を容易に解明することが出来る16進ダンプ印刷機能を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上位装置から受信した印刷データを16進で印刷する機能、インターフェース(以下IFという)信号線遷移状況を印刷する機能、及び操作パネルのスイッチ押下情報を印刷する機能を備えた印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置には、印刷結果の不具合を解明するために使用する16進ダンプ印刷機能があり、不具合が発生した場合に、この16進ダンプ印刷機能を使い、上位装置からどのような印刷データが送られて来ているかを診断することが出来る。しかし、印刷データには問題が無くとも、印刷途中の予期せぬIF信号線の状況遷移や操作パネルのスイッチ押下動作が要因となり、印刷不具合が発生した場合には、16進ダンプ印刷結果からだけでは、不具合原因を解明することが困難という問題があった。
【0003】
受信データの他に信号線の状況遷移を印刷する印刷装置(例えば、特許文献1)もあるが、操作パネルのスイッチ押下情報も付加して印刷する機能は無かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、印刷データには問題が無くとも、印刷途中の予期せぬIF信号線の状況遷移や操作パネルのスイッチ押下動作が要因となり、印刷不具合が発生した場合に、16進ダンプ印刷結果より、印刷不具合原因を容易に解明する事が出来ないという点に問題があった。
【0005】
そこで、本発明においては、印刷データには問題が無くとも、印刷途中の予期せぬ状況遷移が要因となり、印刷不具合が発生した場合に、16進ダンプ印刷結果より、印刷不具合の原因を容易に解明することを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、印刷を制御する印刷制御部と、通常印刷を実施する通常印刷部と、受信した印刷データ情報を格納する受信データ情報記憶部と、印刷途中のIF信号線状況を監視するIF信号線状況監視部と、IF信号線遷移状況を格納するIF信号線遷移状況記憶部と、オペレーターによる操作パネルのスイッチ動作を監視するスイッチ押下監視部と、スイッチ押下状況を格納するスイッチ情報記憶部と該手段で記憶した値を元に16進ダンプ印刷を実施する16進ダンプ印刷部とを設けたことを特徴とする。
【0007】
また、前記通常印刷部において、受信した印刷データの値、及びタイムスタンプを前記受信データ情報記憶部に格納する手段、前記IF信号線状況監視部において、状況遷移時の信号線名称、信号線状況、及びタイムスタンプを前記IF信号線遷移状況記憶部に格納する手段、及び前記スイッチ押下監視部において、スイッチ動作時のスイッチ名称、スイッチ押下開始タイムスタンプ、及びスイッチ押下終了タイムスタンプを前記スイッチ情報記憶部に格納する手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のプリンタは、16進ダンプ印刷結果にIF信号線情報、操作パネルのスイッチ押下情報を追加して印刷を実施するため、印刷途中の予期せぬIF信号線の状況遷移、オペレーターのスイッチ動作が要因となる印刷不具合が発生した場合に、IF信号線状況遷移、オペレーターのスイッチ動作による原因追求を容易に解明する事が出来るという点で、従来の構成よりも印刷不具合の原因を解明し易いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例のブロック図である。
【図2】本発明における通常印刷処理のフローチャートである。
【図3】本発明におけるIF信号線状況監視処理のフローチャートである。
【図4】本発明におけるスイッチ監視処理のフローチャートである。
【図5】本発明における操作パネルの一例を示す図である。
【図6】本発明における16進ダンプ印刷のフローチャートである。
【図7】本発明における16進ダンプ印刷結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明一例について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一例となる印刷制御部のブロック図である。11は印刷を制御する印刷制御部、12は通常印刷を実施する通常印刷部、13は受信した印刷データ情報を格納する受信データ情報記憶部、14は印刷途中のIF信号線状況を監視するIF信号線状況監視部、15はIF信号線遷移状況を格納するIF信号線遷移状況記憶部、16はオペレーターのスイッチ動作を監視するスイッチ押下監視部、17はスイッチ押下状況を格納するスイッチ情報記憶部、18は16進ダンプ印刷を実施する16進ダンプ印刷部である。
【0012】
図2は、通常印刷の印刷制御を示すフローチャートである。21で上位装置からのデータ受信を実施して、22で受信データ値を受信データ記憶部13に格納し、23で受信データのタイムスタンプを受信データ記憶部13に格納し、24で受信した印刷データを解析して、25で解析した印刷データを基に、通常印刷部12で印刷を実施の制御を行う。
【0013】
図3は、IF信号線状況の監視処理のフローチャートである。31で印刷制御部11のIF信号線遷移状況監視部14は信号線状況を判断して、信号線状況が遷移した場合は、32で信号線名称をIF信号線号線遷移状況記憶部15に格納し、更に33で信号線状況をIF信号線遷移状況記憶部15に格納して、34で信号線状況遷移タイムスタンプをIF信号線遷移状況記憶部15に格納する。また、31の判断で、信号線状況に遷移が無かった場合は、再度、31の信号線状況の判断に戻る。
【0014】
図4は、スイッチ監視処理のフローチャートである。41で印刷制御部11のスイッチ押下監視部16はスイッチ押下されたか否かを判断して、スイッチ押下された場合は、42でスイッチ名称をスイッチ情報記憶部17に格納し、更に43でスイッチ押下開始タイムスタンプをスイッチ情報記憶部17に格納して、44でスイッチ押下終了タイムスタンプをスイッチ情報記憶部17に格納する。また、41の判断で、スイッチ押下されなかった場合は、再度41のスイッチ押下判断に戻る。
【0015】
図5は、本発明における操作パネルスイッチの一例である。
【0016】
図6は、16進ダンプ印刷のフローチャートである。
【0017】
601で受信データ記憶部13から受信データ値とタイムスタンプの呼び出しを実施し、602でIF信号線遷移状況記憶部15から信号線名称、信号線状況、及びタイムスタンプの呼び出しを実施し、603でスイッチ情報記憶部17からスイッチ名称とスイッチ押下開始タイムスタンプの呼び出しを実施し、604で受信データのタイムスタンプと状況遷移時のタイムスタンプとスイッチ押下開始タイムスタンプの比較を実施して、受信データのタイムスタンプが早ければ605で受信データ値を16進で印刷し、606で受信データのタイムスタンプを印刷し、607で受信データ記憶部13から次の受信データ値とタイムスタンプの呼び出しを実施し、再度604でタイムスタンプの比較を実施する。
【0018】
また、604の比較で信号線状況遷移時のタイムスタンプが早ければ、608で信号線名称を印刷して、609で信号線状況を印刷して、610で信号線状況遷移時のタイムスタンプを印刷して、611でIF信号線情報記憶部15から信号線名称、信号線状況、状況遷移時のタイムスタンプの呼び出しを実施し、再度、604でタイムスタンプの比較を実施する。
【0019】
また、604の比較でスイッチ押下開始タイムスタンプが早ければ、612でスイッチ押下名称を印刷して、613でスイッチ押下開始タイムスタンプを印刷して、614でスイッチ押下終了タイムスタンプを印刷して、615でスイッチ情報記憶部から次のスイッチ名称とスイッチ押下開始タイムスタンプの呼び出しを実施し、再度、604でタイムスタンプの比較を実施する。
【0020】
図7は、本発明の16進ダンプ印刷により、16進ダンプ、IF信号線遷移状況、及びスイッチ押下情報を同時に印刷した結果である。このような印刷を行うことにより、どの受信データのタイミングでIF信号線状況遷移、スイッチ動作が行われたかを検出することが可能である。
【符号の説明】
【0021】
11は印刷制御部、12は通常印刷部、13は受信データ記憶部、14はIF信号線状況監視部、15はIF信号線遷移状況記憶部、16はスイッチ押下監視部、17はスイッチ情報記憶部、18は16進ダンプ印刷部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開平9−141981号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷を制御する印刷制御部と、通常印刷を実施する通常印刷部と、受信した印刷データ情報を格納する受信データ情報記憶部と、印刷途中のインターフェース信号線状況を監視するIF信号線状況監視部と、IF信号線遷移状況を格納するIF信号線遷移状況記憶部と、オペレーターによる操作パネルのスイッチ動作を監視するスイッチ押下監視部と、スイッチ押下状況を格納するスイッチ情報記憶部と、前記受信データ情報記憶部、IF信号線遷移状況記憶部及びスイッチ情報記憶部で記憶した値を元に16進ダンプ印刷を実施する16進ダンプ印刷部とを設けたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記通常印刷部において、受信した印刷データの値及びタイムスタンプを前記受信データ情報記憶部に格納することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記IF信号線状況監視部において、IF信号線状況遷移時の信号線名称、信号線状況及びタイムスタンプを前記IF信号線遷移状況記憶部に格納することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項4】
前記スイッチ押下監視部において、スイッチ動作時のスイッチ名称、スイッチ押下開始タイムスタンプ及びスイッチ押下終了タイムスタンプを前記スイッチ情報記憶部に格納することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−126240(P2011−126240A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289131(P2009−289131)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】