説明

印刷装置

【課題】新たに装置構成を追加することなく、駆動ローラ及び従動ローラの両方を十分にクリーニングする。
【解決手段】給紙台2に積載された用紙Pを1枚づつ取り出して給紙する第1ピックアップローラ71と、回転軸を中心に回転駆動する駆動ローラと、駆動ローラに圧接して回転する従動ローラとを備え、駆動ローラを回転することにより、第1ピックアップローラ71により給紙された用紙を搬送する第2タイミングローラ83と、搬送される用紙を保持する第2のプレスローラ52と第2のドラム51と、回転軸方向における駆動ローラの長さより短い幅の用紙を第1ピックアップローラ71に給紙させ、給紙された用紙を第2のプレスローラ52と第2のドラム51とにより保持させた後、駆動ローラを逆転させる制御部92とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送された印刷媒体に対して印刷すると共に、印刷により汚れた搬送部をクリーニングする印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、製版された孔版原紙をドラムに巻き付けた後、印刷用紙をこのドラムに給紙し、この供給された印刷用紙をプレスローラによりドラムに圧接することにより印刷し、この印刷された印刷用紙を搬送ローラにより搬送して装置外へ排出する片面孔版印刷装置が良く知られている。
【0003】
このような片面孔版印刷装置では、印刷した印刷用紙を搬送ローラにより搬送するので、完全に乾燥していない印刷用紙が搬送されることにより、インクが搬送ローラに付着する場合があった。そして搬送ローラにインクが付着すると、それ以降搬送ローラを搬送する際に、印刷用紙を汚すことになる。
【0004】
また、近年、資源の有効利用等の観点から、用紙の表面および裏面に対して印刷を行う両面印刷が促進されている。
【0005】
特許文献1には、印刷用紙の両面印刷が可能な両面孔版印刷装置が提案されている。具体的には、第1の孔版原紙を第1のドラムに巻き付けると共に、第2の孔版原紙を第2のドラムに巻き付ける。そして、印刷用紙をこの第1のドラムに給紙し、印刷用紙を第1のプレスローラにより第1のドラムに圧接することで印刷用紙の表面に印刷する。更に、この印刷された印刷用紙の表裏を反転させて、中間ストックである用紙積載台に所定時間積載した後、搬送ローラにより第2のドラムへ搬送し、印刷用紙を第2のプレスローラにより第2のドラムに圧接することで印刷用紙の裏面に印刷する両面孔版印刷装置が提案されている。
【0006】
特許文献1記載の両面孔版印刷装置では、表面が印刷された印刷用紙の表裏を反転させた後、搬送ローラにより第2のドラムへ搬送するので、片面孔版印刷装置と同様に、完全に乾燥していない印刷用紙が搬送され、インクが搬送ローラに付着する場合があった。このように搬送ローラにインクが付着すると、それ以降搬送ローラを搬送する際に、印刷用紙を汚すことになる。
【0007】
そこで、特許文献2には、搬送ローラに押圧して接触させるとともに速度差をもって回転駆動され、搬送ローラの外周面に付着したインキをクリーニングするクリーニングローラが設けられた印刷装置が提案されている。
【0008】
また、特許文献3には、専用のクリーニング用紙(クリーニングシート)を印刷時と同様に用紙搬送系に通紙させて、加圧ローラのインク汚れをこのクリーニング用紙に写し取る孔版式両面印刷装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−29375号公報
【特許文献2】特開2004−338234号公報
【特許文献3】特開2005−186566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2に記載の印刷装置では、新たにクリーニングローラを設ける必要があるので、製造コストが増大するという課題があった。
【0011】
また、特許文献3に記載の孔版式両面印刷装置では、クリーニングシートを通紙させるのみでは、十分なクリーニング効果を得ることができず、特に、モータ等により駆動する駆動ローラと、この駆動ローラに圧接して設けられた従動ローラとが1対となって構成された搬送ローラでは、従動ローラをクリーニングすることは困難であった。
【0012】
また、利用者がクリーニングシートを把持して、搬送ローラを回転させながらクリーニングシートをスリップさせることにより搬送ローラをクリーニングすることも考えられるが、従動ローラは駆動ローラに圧接することにより回転するので、従動ローラ及び駆動ローラそれぞれの長さ以上の用紙幅であるクリーニングシートを通紙させた場合、従動ローラは回転せず、従動ローラをクリーニングすることができなかった。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、新たに装置構成を追加することなく、駆動ローラ及び従動ローラを備える搬送ローラを十分にクリーニングする両面印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る両面印刷装置の第1の特徴は、給紙台に積載された用紙を1枚づつ取り出して搬送経路上へ給紙する給紙手段と、前記給紙手段により給紙される最大の用紙幅より短く、回転軸を中心に回転駆動する駆動ローラと、前記給紙手段により給紙される最大の用紙幅より短く、前記駆動ローラに圧接して回転する従動ローラとを備え、前記駆動ローラを回転することにより、前記給紙手段により給紙された用紙を前記搬送経路上で搬送する搬送手段と、前記搬送経路上において用紙を保持する保持手段と、前記回転軸方向における前記駆動ローラ及び前記従動ローラそれぞれの長さより短い幅の用紙を前記給紙手段に給紙させ、給紙された用紙を前記保持手段により保持させた後、前記搬送経路上において前記保持手段から前記用紙が離れる方向に前記駆動ローラを回転させる制御手段と、を備えたことにある。
【0015】
本発明に係る両面印刷装置の第2の特徴は、前記保持手段は、孔版原紙が巻装されたドラムと、前記ドラムに外周面が接触するように設けられたプレスローラとを備え、前記制御手段は、設定された印圧で前記プレスローラを前記ドラムに押圧することにより、前記保持手段に前記用紙を保持させることにある。
【0016】
本発明に係る両面印刷装置の第3の特徴は、前記制御手段は、前記保持手段に、前記搬送経路上において前記搬送手段から離れる方向に前記用紙を断続的に移動させながら保持させることにある。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る両面印刷装置の第1の特徴によれば、回転軸方向における駆動ローラ及び従動ローラそれぞれの長さより短い幅の用紙を給紙手段に給紙させ、給紙された用紙を保持手段により保持させた後、搬送経路上において保持手段から用紙が離れる方向に駆動ローラを回転させるので、駆動ローラと従動ローラとが一部圧接された状態で駆動ローラが回転し、この駆動ローラの回転駆動が従動ローラに伝達され、駆動ローラ及び従動ローラが用紙に対してスリップする。これにより、駆動ローラ及び従動ローラの両方を十分にクリーニングすることができる。なお、駆動ローラと従動ローラとが一部圧接された部分についても、必要に応じて、駆動ローラ及び従動ローラの回転軸方向における他方の端部側に用紙を片寄せして給紙させることにより、クリーニングを行うことができる。
【0018】
このように、新たに装置構成を追加することなく、駆動ローラと従動ローラ回転軸方向における全長についてクリーニングすることができる。
【0019】
本発明に係る両面印刷装置の第2の特徴によれば、孔版原紙が巻装されたドラムと、ドラムに外周面が接触するように設けられたプレスローラとを備え、制御手段は、設定された印圧でプレスローラをドラムに押圧することにより用紙を保持させるので、押圧する圧力を変更することで、容易に用紙を保持させることができる。
【0020】
本発明に係る両面印刷装置の第3の特徴によれば、搬送経路上において搬送手段から離れる方向に用紙を断続的に移動させながら保持させるので、常にインクが付着していない用紙でクリーニングされ、より高いクリーニング効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例1である両面孔版印刷装置の概略の構成を示した概略構成図である。
【図2】本発明の実施例1である両面孔版印刷装置の貯留部周辺の構成を詳細に示した要部詳細拡大図である。
【図3】本発明の実施例1である両面孔版印刷装置の第2の孔版印刷部の周辺部分の詳細図である。
【図4】本発明の実施例1に係る両面孔版印刷装置の機能構成を示した機能構成図である。
【図5】本発明の実施例1である両面孔版印刷装置におけるクリーニング処理の処理手順を示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施例1である両面孔版印刷装置が備える第2のドラム及び第2タイミングローラを下方から見た図である。
【図7】本発明の実施例1である両面孔版印刷装置のクリーニング処理のタイミングチャートを示した図である。
【図8】本発明の実施例1である両面孔版印刷装置のクリーニング処理において、第2のドラムを断続的に回転させた場合におけるタイミングチャートを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態である両面孔版印刷装置について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
本発明の実施例1では、原稿から読み込まれた画像に基づいて、孔版原紙が着版された上流側のドラムにより用紙の表面を印刷し、孔版原紙が着版された下流側のドラムにより用紙の裏面を印刷する2ドラム式の両面孔版印刷装置を例に挙げて説明する。
【0024】
<両面孔版印刷装置1の構成>
図1は、本発明の実施例1である両面孔版印刷装置1の概略の構成を示した概略構成図である。
【0025】
図1に示すように、本発明の実施例1である両面孔版印刷装置1は、装置ハウジング10と、装置ハウジング10の一側面(図1中、左側面)に設けられ、印刷媒体又はクリーニング媒体として用いられる複数枚の用紙Pが積載された給紙台2と、給紙台2から給紙される用紙Pの表面に印刷する第1の孔版印刷部3と、表面が印刷された用紙Pを複数枚貯留する貯留部4と、貯留部4に貯留されていた用紙Pの裏面に印刷する第2の孔版印刷部5と、装置ハウジング10の他側面(図1中、右側面)に設けられ、両面すなわち表面及び裏面が印刷された用紙Pを積載する排紙台6とを備えている。なお、用紙Pは、印刷用の用紙でもよいし、より高い清掃効果を得ることができるように表面加工されたクリーニング専用の用紙でもよい。また、給紙台2に積載された用紙Pの上側の面を表面といい、下側の面を裏面という。
【0026】
また、給紙台2には、積載される用紙Pの搬送方向と直交する方向(用紙Pの幅方向)にスライド自在にフェンス(図示しない)が設けられており、このフェンスの位置を検出する給紙位置センサ70が備えられている。
【0027】
さらに、両面孔版印刷装置1は、給紙台2から第1の孔版印刷部3及び第1の孔版印刷部3から貯留部4内部へ用紙Pを搬送する第1の搬送部7と、貯留部4内部から第2の孔版印刷部5及び第2の孔版印刷部5から排紙台6まで用紙Pを搬送する第2の搬送部8とを備えている。
【0028】
第1の搬送部7は、装置ハウジング10に設けられ、給紙台2に積載された用紙Pの装置ハウジング10側の上方に設けられた第1ピックアップローラ71と、この第1ピックアップローラ71によってピックアップされた用紙Pを検出するペーパセンサ75と、第1ピックアップローラ71によってピックアップされた用紙Pを所定のタイミングにて第1の孔版印刷部3に搬送する第1タイミングローラ72と、第1の孔版印刷部3により表面が印刷された用紙Pを円弧状の軌跡に沿って反転させて表面を下側に位置させる反転部73と、反転部73にて反転された用紙Pを貯留部4内部に搬入して後述する下端支持部41に支持させる搬入部74とを備えている。
【0029】
第2の搬送部8は、同じく装置ハウジング10に設けられ、貯留部4内部の後述する下端支持部41から用紙Pを搬出する搬出部81と、搬出部81により搬出される用紙Pをピックアップする第2ピックアップローラ82と、第2ピックアップローラ82によってピックアップされた用紙Pを順次所定のタイミングにて第2の孔版印刷部5に搬送する第2タイミングローラ83と、この第2タイミングローラ83により搬送された用紙Pを検出する搬送用紙センサ85と、第2の孔版印刷部5により裏面が印刷された、すなわち両面が印刷された用紙Pを排紙台6に向けて搬出する排出部84とを備えている。
【0030】
図2は、本発明の実施例1である両面孔版印刷装置1の貯留部4周辺の構成を詳細に示した要部詳細拡大図である。
【0031】
図2に示すように、第1の搬送部7が備える搬入部74は、所定間隔を空けて配置された一対のプーリー74aと、一対のプーリー74aの外周に掛け渡されそれぞれプーリー74aの回転に伴って移動する環状の搬送ベルト74bと、吸引用のファン74cとを備えている。
【0032】
同様に、第2の搬送部8が備える搬出部81及び排出部84も、それぞれ所定間隔を空けて配置された一対のプーリー81a、84aと、一対のプーリー81a、84aの外周に掛け渡されそれぞれプーリー81a、84aの回転に伴って移動する環状の搬送ベルト81b、84bと、吸引用のファン81c、84cとを備えている。
【0033】
そして、搬入部74、搬出部81、及び排出部84は、図示しないモータによりそれぞれプーリー74a、81a、84aを回転させて搬送ベルト74b、81b、84bを移動させると共に、ファン74c、81c、84cを回転させることにより、用紙Pを吸引しながら搬送する。
【0034】
反転部73は、円弧状の軌跡に沿って配設された4つのプーリ−73aと、この4つのプーリー73aの外周に掛け渡されプーリー73aの回転に伴って移動する環状の搬送ベルト73bと、吸引用のファン73cと、搬送ベルト73bにより搬送される用紙Pを検出する進入センサ73dとを備えている。
【0035】
第1の孔版印刷部3は、メインモータ(図示しない)の駆動力によって図2の矢印A方向に回転する第1のドラム31と、第1のドラム31の下方位置に配置された第1のプレスローラ32を有している。そして、この第1のプレスローラ32は、第1のドラム31の外周面に押圧する押圧位置と、第1のドラム31の外周面から離間する待機位置との間で変移可能に構成されており、印刷モード及び清掃モードの期間(試し刷りを含む)にあっては押圧位置に常時位置され、印刷モード及び清掃モード以外の期間にあっては待機位置に位置されるようになっている。
【0036】
そして、製版部により製版された第1の孔版原紙Gの先端をクランプし、このクランプした状態で第1のドラム31が回転されて第1の孔版原紙Gが第1のドラム31の外周面に巻き付け装着される。そして、第1のドラム31の回転に同期して給紙台2より給紙される用紙Pを第1のプレスローラ32で第1のドラム31に巻装された第1の孔版原紙Gに押圧することによって、第1の孔版原紙Gの穿孔からインクが押し出されて画像が用紙Pの表面に印刷され、用紙Pが生成される。
【0037】
第2の孔版印刷部5は、第1の孔版印刷部3と同様に、図2の矢印A方向に回転する第2のドラム51と、第2のドラム51の下方位置に配置された第2のプレスローラ52とを有している。
【0038】
そして、第2の孔版印刷部5は、第1の孔版印刷部3と同様に、第2のドラム51の回転に同期して一対の第2タイミングローラ83により給紙される用紙Pを第2のプレスローラ52で第2のドラム51に巻装された第2の孔版原紙Gに押圧することによって、第2の孔版原紙Gの穿孔からインクが押し出されて画像が用紙Pの裏面に印刷され、用紙Pが生成される。
【0039】
貯留部4は、第1の孔版印刷部3により表面が印刷された用紙Pを、第2の孔版印刷部5で用紙Pの裏面に印刷を行う前に、複数枚の用紙Pを互いに所定間隔を空けて重ねた状態で貯留する。具体的には、貯留部4は、第1の搬送部7により搬送されてきた用紙Pが搬入される搬入位置と、貯留されている用紙Pを第2の搬送部8に受け渡す搬出位置とを所定間隔を空けて有し、搬入位置に1枚ずつ搬入された各用紙Pを順次保持して互いに所定間隔を空けて重ねた状態で搬入位置から搬出位置に向けて移動させる。そして、第2の搬送部8の搬出部81により、用紙Pが、1枚ずつ第2の孔版印刷部5へ搬送される。
【0040】
また、貯留部4は、用紙Pの印刷された表面を斜め下方から支える支持体である支持板40aと、支持板40aの両側面(図2中、手前側と奥側)にそれぞれ支持板40aと略直角に設けられて支持板40aに用紙Pを導く側面ガイド体である側面ガイド板40bと、用紙Pの未印刷の裏面を斜め上から覆う覆板40cと、複数枚の用紙Pをそれらの下端を互いに所定間隔を空けて搬入順に順次支持する下端支持部41とを備えている。
【0041】
下端支持部41は、間隔を空けて配置された一対のプーリー41aと、この一対のプーリー41aの外周に掛け渡されて、図示しないモータによるプーリー41aの回転に伴って移動する環状の搬送ベルト41bとを備えている。そして、搬送ベルト41bには、搬送ベルト41bの外周面に立設し、搬送ベルト41bの全周に亘って所定間隔空けて配列された複数のプレート41cが設けられている。
【0042】
そして、搬送ベルト41bが回転することにより、隣り合う一対のプレート41c、41cの距離が狭まり、用紙Pを把持する。
【0043】
図3は、本発明の実施例1である両面孔版印刷装置1の第2の孔版印刷部5の周辺部分の詳細図である。
【0044】
図3に示すように、本発明の実施例1である両面孔版印刷装置1は、円筒形状の第2のドラム51は回転軸45を備え、この回転軸45は、プーリ及びベルトを介してメインモータ21と連結されており、メインモータ21と連動して第1のドラム51が図中矢印Y1の方向に回転するようになっている。
【0045】
また、第2のドラム51の回転軸45と平行にプレスシャフト47が設けられており、このプレスシャフト47には、外側となるプレスレバー48、及び内側となるプレスレバー49が取り付けられている。更に、このプレスシャフト47は、ブラケット50と連結され、このブラケット50には第2のプレスローラ52が回転動可能に軸支されている。
【0046】
外側となるプレスレバー48の先端部にはフック部48aが形成されており、このフック部48aには、プレスバネ22が連結され、図中矢印Y2の方向に付勢されるようになっている。この付勢力により、プレスシャフト47は、図中矢印Y3の方向へ回転するように付勢されるので、このプレスシャフト47と連結されているブラケット50がドラム1側へ回転し、ひいては第2のプレスローラ52が所望の圧力で第2のドラム51と接するようになる。
【0047】
プレスバネ22の端部は、印圧設定機構23と連結されている。そして、印圧設定機構23は、後述する制御部92から供給された印圧設定値を設定し、この印圧設定機構23に設けられた印圧可変モータ24が、プレスバネ22に印圧設定値に応じた張力を加えるようになっている。
【0048】
図4は、本発明の実施例1に係る両面孔版印刷装置1の機能構成を示した機能構成図である。
【0049】
図4に示すように、本発明の実施例1に係る両面孔版印刷装置1は、給紙位置センサ70と、第2タイミングローラ83と、第2タイミングローラ83を回転駆動するモータ86と、印圧可変モータ24と、第2のドラム51と、メインモータ21と、搬送用紙センサ85と、操作部91と、制御部92とを備える。
【0050】
これらの構成のうち、給紙位置センサ70と、第2タイミングローラ83と、モータ86と、印圧可変モータ24と、第2のドラム51と、メインモータ21と、搬送用紙センサ85とについては、上述したので、説明を省略する。
【0051】
操作部91は、表示/入力パネル(図示しない)と、製版や印刷やクリーニング等を開始させるためのスタートキー、製版や印刷やクリーニング等を停止させるためのストップキー、印刷枚数等を入力するためのテンキー(いずれも図示せず)等の各種操作キーとを備え、利用者操作に基づく操作信号を制御部92に供給する。
【0052】
操作部91の表示/入力パネルは、前面に配置された感圧式あるいは静電式の透明なタッチパネルと、このタッチパネルの裏面に配置され、各種表示画面を表示する液晶表示パネル(いずれも図示せず)とを有している。利用者は、液晶表示パネルの表示画面を見ながら、タッチパネルの表面を指などで直接触れることで、印刷するための印刷モード、又はローラを清掃するための清掃モードを選択する操作を行うことができる。
【0053】
制御部92は、両面孔版印刷装置1の中枢的な制御を行う。例えば、印刷モードが設定されているときに、操作部91から印刷を要求する操作信号を受け付けた場合、制御部92は、印刷処理を実行する。具体的には、制御部92は、給紙台2に積載された用紙Pを1枚づつ取り出して給紙し、給紙された用紙Pの表面に第1の孔版印刷部3が印刷し、表面が印刷された用紙Pを貯留部4が貯留し、貯留部4に貯留されていた用紙Pの裏面に第2の孔版印刷部5印刷し、印刷された用紙Pを排紙台6に排紙するように制御する。
【0054】
また、清掃モードが設定されているときに、操作部91からクリーニングを要求する操作信号を受け付けた場合、制御部92は、クリーニング処理を実行する。具体的には、制御部92は、給紙位置センサ70の検出信号に基づいて、第2タイミングローラ83の駆動ローラの長さより短い幅の用紙Pを給紙台2から給紙して、貯留部4に貯留させる。そして、貯留部4から第2タイミングローラ83により用紙Pを搬送し、搬送用紙センサ85によりこの搬送された用紙Pが検出された後、所定の時間が経過すると、印圧可変モータ24を駆動することにより、第2のドラム51に対して第2のプレスローラ52を設定された圧力で押圧した状態で回転を停止し、第2のプレスローラ52と第2のドラム51とで用紙Pを保持させる。
【0055】
そして、制御部92は、第2のドラム51に対して第2のプレスローラ52を設定された圧力で押圧させて用紙Pが保持された状態で、第2タイミングローラ83の駆動ローラを逆転、即ち、搬送経路上において第2のドラム51から用紙Pが離れる方向に第2タイミングローラ83の駆動ローラを回転させることにより、クリーニング対象の搬送手段である第2タイミングローラ83のクリーニングを行う。
【0056】
<両面孔版印刷装置1の作用>
図5は、本発明の実施例1である両面孔版印刷装置1におけるクリーニング処理の処理手順を示したフローチャートである。ここでは、第2のプレスローラ52と第2のドラム51とが保持手段として用紙Pを保持させた状態で第2タイミングローラ83をクリーニングするクリーニング処理を例に挙げて説明する。
【0057】
図5に示すように、まず、制御部92は、清掃モードが選択されたか否かを判定する(ステップS101)。
【0058】
ステップS101において、清掃モードが選択されたと判定された場合(YESの場合)、制御部92は、操作部91の表示/入力パネルに片寄せ案内メッセージを表示させる(ステップS103)。具体的には、表示/入力パネルに、「給紙台のフェンスを、用紙幅方向最大にセットし、クリーニングに用いるA4の用紙を幅方向のいずれかに片寄せして積載してください。」というようなメッセージを表示する。
【0059】
次に、制御部92は、片寄せセットされたか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、給紙位置センサ70の検出結果に基づいて、給紙台2に設けられたフェンスの位置が幅方向に最大になっており、かつ、操作部91から利用者操作により、A4縦の用紙が選択されている場合、片寄せセットされたと判定する。
【0060】
ステップS105において、片寄せセットされたと判定された場合(YESの場合)、制御部92は、クリーニング開始が要求されたか否かを判定する(ステップS107)。具体的には、利用者の操作に基づいて、操作部91からクリーニング開始を要求する操作信号を受け付けた場合、クリーニング開始が要求されたと判定する。
【0061】
ステップS107において、クリーニング開始が要求されたと判定された場合(YESの場合)、制御部92は、印圧設定値を清掃設定値へ設定する(ステップS109)。ここで清掃設定値とは、第2タイミングローラ83の駆動ローラと従動ローラとの圧力より大きい圧力として設定される値であり、望ましくは、第2タイミングローラ83の駆動ローラと従動ローラとの圧力の2倍以上の圧力として設定される。
【0062】
次に、制御部92は、給紙を開始する(ステップS111)。具体的には、制御部92は、用紙Pを給紙台2から給紙して、貯留部4に貯留させる。そして、貯留部4から第2タイミングローラ83により用紙Pを搬送し、搬送用紙センサ85によりこの搬送された用紙Pが検出された後、所定の時間が経過すると、制御部92は、印圧可変モータ24を駆動することにより、第2のドラム51に対して第2のプレスローラ52が押圧する圧力が清掃設定値になるように押圧する。これにより、用紙Pは、第2のプレスローラ52と第2のドラム51とで保持される。
【0063】
なお、第2のプレスローラ52と第2のドラム51とで用紙Pを保持する際、第1の孔版原紙Gの穿孔からインクが押し出されて画像が用紙Pに印刷されないように、用紙Pを保持する際の第2のドラム51と第2のプレスローラ52との圧接部分が第1の孔版原紙Gの穿孔されていない先端余白部分になるような位置に第2のドラム51を予め回転しておくか、又は、予め第2のドラム51に未製版(穿孔されていない)の第1の孔版原紙Gを第2のドラム51に巻装しておく必要がある。
【0064】
次に、制御部92は、第2タイミングローラ83のクリーニングを行う(ステップS113)。具体的には、制御部92は、第2タイミングローラ83の駆動ローラを逆転、即ち、搬送経路上において第2のドラム51から用紙Pが離れる方向に第2タイミングローラ83の駆動ローラを回転させる。これにより、用紙Pの片寄せされた側の第2タイミングローラ83がスリップして汚れがふき取られる。
【0065】
図6は、本発明の実施例1である両面孔版印刷装置1が備える第2のドラム51及び第2タイミングローラ83を下方から見た図である。
【0066】
図6に示すように、第2タイミングローラ83は、駆動ローラとして同一軸に固定されたローラ部83a〜83dを備えており、このローラ部83a〜83dそれぞれと圧接するように従動ローラが備えられている。それぞれの従動ローラも、駆動ローラと同様に、同一軸に固定されている。ここで、駆動ローラの長さ(ローラ部83a〜83dの最外のローラ部間の距離)Lは、製造コストの低減や装置本体の小型化等の観点から、両面孔版印刷装置1において搬送可能な最大の用紙Qの用紙幅Wqより短くなるように設計されている。また、駆動ローラの長さより短い幅Wpの用紙Pが片寄せされて給紙されている(図6では、両面孔版印刷装置1の表側へ片寄せされている)。
【0067】
そして、第2タイミングローラ83の駆動ローラが、第2のプレスローラ52と第2のドラム51とで用紙Pが保持された状態で逆転すると、用紙Pは片寄せされて給紙されているので、両面孔版印刷装置1の裏側に近い駆動ローラのローラ部83aは、用紙Pに接触せず、対応する従動ローラのローラ部と圧接している。これにより、駆動ローラの回転駆動に伴い従動ローラが回転する。
【0068】
一方、両面孔版印刷装置1の表側から駆動ローラのローラ部83c,83dは、保持された用紙Pと接触しており、駆動ローラ及び従動ローラが逆転方向に回転することにより、用紙Pに対してスリップし、これにより駆動ローラ及び従動ローラのローラ部の汚れがふき取られる。
【0069】
このようにして、駆動ローラの回転軸方向における駆動ローラの長さLより短い幅、具体的には、ローラ部83a〜83dのいずれか1つが、従動ローラと圧接するような幅Wpの用紙Pを片寄せして給紙することにより、用紙Pと接触している駆動ローラ及び従動ローラをクリーニングすることができる。
【0070】
なお、本発明の実施例1である両面孔版印刷装置1が備える駆動ローラ及び従動ローラが、それぞれ4つづつローラ部を有しているが、これに限らず、それぞれ2つづつローラ部を有するようにしてもよいし、ローラ部83aから83dの位置まで連続した1本づつローラ部を有するようにしてもよい。即ち、駆動ローラ及び従動ローラのローラ部の一部が圧接するように、ローラ部の最外の端部間距離より、短い幅の用紙Pを片寄せして給紙されていればよい。
【0071】
図5に戻り、ステップS113において、クリーニングが行われると、制御部92は、排出部84により、用紙Pを排紙台6へ排紙する(ステップS115)。
【0072】
次に、制御部92は、反対側のクリーニングが要求されたか否かを判定する(ステップS117)。具体的には、利用者の操作に基づいて、操作部91から反対側のクリーニングを要求する操作信号が供給されたか否かを判定する。上述したように、用紙Pを片寄せして給紙することにより、用紙Pと接触している駆動ローラ及び従動ローラをクリーニングするので、用紙Pと接触していない駆動ローラ及び従動ローラについては、まだクリーニングされていない。そこで、利用者は、まだクリーニングされていない駆動ローラ及び従動ローラについて、クリーニングの必要性が高いと判断した場合、操作部91から反対側のクリーニングを要求する要求する操作を行えばよい。
【0073】
ステップS117において、反対側のクリーニングが要求されたと判定された場合(YESの場合)、制御部92は、片寄せセットされたか否かを判定する(ステップS119)。具体的には、給紙位置センサ70の検出結果に基づいて、給紙台2に設けられたフェンスの位置が幅方向に最大になっており、かつ、操作部91から利用者操作により、A4縦の用紙が選択されている場合、片寄せセットされたと判定する。
【0074】
ステップS119において、片寄せセットされたと判定された場合(YESの場合)、制御部92は、クリーニング開始が要求されたか否かを判定する(ステップS121)。具体的には、利用者の操作に基づいて、操作部91からクリーニング開始を要求する操作信号を受け付けた場合、クリーニング開始が要求されたと判定する。
【0075】
ステップS121において、クリーニングが要求されたと判定された場合(YESの場合)、制御部92は、ステップS111と同様に、給紙を開始する(ステップS123)。
【0076】
次に、制御部92は、ステップS113と同様に、第2タイミングローラ83のクリーニングを行う(ステップS125)。ここで、ステップS113では、用紙Pは反対側に片寄せされて給紙されているので、両面孔版印刷装置1の表側に近い駆動ローラのローラ部83dは、用紙Pに接触せず、対応する従動ローラのローラ部と圧接している。これにより、駆動ローラの回転駆動に伴い従動ローラが回転する。
【0077】
そして、両面孔版印刷装置1の表側から駆動ローラのローラ部83a,83bは、用紙Pと接触しており、駆動ローラ及び従動ローラが逆転方向に回転することにより、用紙Pによりローラ部の汚れがふき取られる。
【0078】
このようにして、用紙Pを反対側に片寄せして給紙することにより、ステップS113においてクリーニングされなかった駆動ローラ及び従動ローラがクリーニングされる。
【0079】
次に、制御部92は、排出部84により、用紙Pを排紙台6へ排紙する(ステップS127)。
【0080】
そして、制御部92は、第2のプレスローラ52と第2のドラム51との印圧設定値を、印刷するための印刷設定値へ設定する(ステップS129)。
【0081】
図7は、本発明の実施例1である両面孔版印刷装置1のクリーニング処理のタイミングチャートを示した図である。
【0082】
図7に示すように、t1時点において、搬送用紙センサ85により搬送された用紙Pが検出されると、t1時点から第2のドラム51が所定回転数だけ回転したt3時点において、第2のドラム51を回転駆動させるメインモータ21がオフされ、これにより、第2のドラム51は回転駆動を停止し始める。また、t3時点において、第2タイミングローラ83を回転駆動するモータ86がオン(正転)からオフに切り替えられると、第2タイミングローラ83は回転(正転)を停止し始め、t5時点において、完全に回転が停止される。これにより、第2のプレスローラ52と第2のドラム51とで用紙Pが保持される。
【0083】
そして、t7時点において、第2タイミングローラ83を回転駆動するモータ86がオフからオン(逆転)に切り替えられると、第2タイミングローラ83は、回転(逆転)を開始し、t9時点において一定となる回転速度に到達している。このように、用紙Pは第2のプレスローラ52と第2のドラム51とで用紙Pが保持されているので、第2タイミングローラ83は、回転(逆転)することにより、第2タイミングローラ83の駆動ローラ及び従動ローラがスリップしながら、汚れがふき取られる。
【0084】
そして、t9時点から十分にクリーニング可能となる時間だけ経過したt21時点において、第2タイミングローラ83を回転駆動するモータ86がオン(逆転)からオフに切り替えられると、第2タイミングローラ83は回転(逆転)を停止し始め、t22時点において、完全に回転が停止される。
【0085】
このように、搬送用紙センサ85により搬送された用紙Pが検出され、用紙Pが第2のプレスローラ52と第2のドラム51との間に保持された後、メインモータ21の回転が停止し、モータ86が逆転するので、第2タイミングローラ83がスリップしながら、用紙Pにより汚れが拭き取られる。
【0086】
以上のように、本発明の実施例1である両面孔版印刷装置1によれば、第2タイミングローラ83の回転軸方向における駆動ローラの長さより短い幅の用紙Pを給紙台2から給紙させ、第2タイミングローラ83により搬送された用紙Pを第2のプレスローラ52と第2のドラム51とにより保持させた後、搬送経路上において第2のプレスローラ52と第2のドラム51とから用紙Pが離れる方向に第2タイミングローラ83の駆動ローラを回転させるので、新たに装置構成を追加することなく、駆動ローラ及び従動ローラ共に、十分にクリーニングすることができる。
【0087】
なお、本発明の実施例1である両面孔版印刷装置1では、図7のタイミングチャートに示すように、t3時点からt23時点までの間、メインモータ21をオフして、第2のドラム51が回転駆動を停止することにより、第2のプレスローラ52と第2のドラム51との間で用紙Pを保持したが、メインモータ21を断続的にオン/オフすることにより、第2のドラム51を断続的に回転させるようにしてもよい。
【0088】
図8は、本発明の実施例1である両面孔版印刷装置1のクリーニング処理において、第2のドラム51を断続的に回転させた場合におけるタイミングチャートを示した図である。
【0089】
図8に示すように、t5時点において、第2タイミングローラ83の回転が停止された後、t7時点において、メインモータ21がオンされ、t7時点から所定の短い時間が経過したt11時点において、メインモータ21がオフされる。これにより、t7時点からt11時点の短い時間だけ第2のドラム51は回転駆動する。以降、t21時点まで、メインモータ21はオン/オフと繰り返す。
【0090】
これにより、第2のドラム51は断続的に回転するので、これに伴い、第2のプレスローラ52と第2のドラム51とにより保持させた用紙Pが断続的に搬送される。そのため、第2タイミングローラ83は、常にインクが付着していない部分でクリーニングされるので、より高いクリーニング効果を得ることができる。
【0091】
なお、本発明の実施例1である両面孔版印刷装置1では、第2のプレスローラ52と第2のドラム51とが保持手段として用紙Pを保持してクリーニング処理を実行したが、これに限らない。
【0092】
例えば、吸引用のファン81cを保持手段として用紙Pを保持し、第2タイミングローラ83のクリーニング処理を実行するようにしてもよい。具体的には、制御部92は、第2タイミングローラ83により貯留部4から用紙Pを給紙させ、搬送用紙センサ85によりこの搬送された用紙Pが検出されると、吸引用のファン81cの吸引力を最大として吸引用のファン81cに用紙Pを吸引させることにより、用紙Pを保持させる。
【0093】
そして、制御部92は、吸引用のファン81cにより用紙Pが保持された状態で、第2タイミングローラ83を正転、即ち、搬送経路上において吸引用のファン81cから用紙Pが離れる方向に第2タイミングローラ83の駆動ローラを回転させることにより、第2タイミングローラ83のクリーニングを行う。
【0094】
さらに、下端支持部41を保持手段として用紙Pを保持し、第2タイミングローラ83のクリーニング処理を実行するようにしてもよい。具体的には、制御部92は、第2タイミングローラ83により貯留部4から搬送方向に十分長い用紙Pを給紙させ、搬送用紙センサ85によりこの搬送された用紙Pが検出されると、プレート41c、41cで用紙Pを把持した状態で、第2タイミングローラ83を正転、即ち、搬送経路上において下端支持部41から用紙Pが離れる方向に第2タイミングローラ83の駆動ローラを回転させる。これにより、第2タイミングローラ83のクリーニングを行う。
【0095】
なお、本発明の実施例1〜2では、両面孔版印刷装置を例に挙げて説明したが、片面孔版印刷装置でもよく、また、搬送経路上に、印刷した用紙Pを搬送する搬送ローラと、用紙Pを保持する保持手段とを備えるものであれば、インクジェット方式、レーザ方式等様々な方式の印刷装置であってもよい。
【符号の説明】
【0096】
1…両面孔版印刷装置
2…給紙台
3…第1の孔版印刷部
4…貯留部
5…第2の孔版印刷部
6…排紙台
7…第1の搬送部
8…第2の搬送部
21…メインモータ
23…印圧設定機構
24…印圧可変モータ
31…第1のドラム
32…第1のプレスローラ
40a…支持板
41…下端支持部
51…第2のドラム(保持手段)
52…第2のプレスローラ(保持手段)
53…第2のドラム
70…給紙位置センサ
71…第1ピックアップローラ
72…第1タイミングローラ
73…反転部
74…搬入部
81…搬出部
81a…プーリー
81b…搬送ベルト
81c…ファン
82…第2ピックアップローラ
83…第2タイミングローラ(搬送手段)
83a,83b,83c,83d…ローラ部
84…排出部
85…搬送用紙センサ
86…モータ
91…操作部
92…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙台に積載された用紙を1枚づつ取り出して搬送経路上へ給紙する給紙手段と、
前記給紙手段により給紙される最大の用紙幅より短く、回転軸を中心に回転駆動する駆動ローラと、前記給紙手段により給紙される最大の用紙幅より短く、前記駆動ローラに圧接して回転する従動ローラとを備え、前記駆動ローラを回転することにより、前記給紙手段により給紙された用紙を前記搬送経路上で搬送する搬送手段と、
前記搬送経路上において用紙を保持する保持手段と、
前記回転軸方向における前記駆動ローラ及び前記従動ローラそれぞれの長さより短い幅の用紙を前記給紙手段に給紙させ、給紙された用紙を前記保持手段により保持させた後、前記搬送経路上において前記保持手段から前記用紙が離れる方向に前記駆動ローラを回転させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記保持手段は、
孔版原紙が巻装されたドラムと、前記ドラムに外周面が接触するように設けられたプレスローラとを備え、
前記制御手段は、
設定された印圧で前記プレスローラを前記ドラムに押圧することにより、前記保持手段に前記用紙を保持させる
ことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記保持手段に、前記搬送経路上において前記搬送手段から離れる方向に前記用紙を断続的に移動させながら保持させる
ことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−139845(P2012−139845A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292674(P2010−292674)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】