説明

印刷試験機

【課題】小型の印刷試験機とともに使用できる小型の乾燥部でありながら、実際の大掛かりな乾燥装置による乾燥を再現することができ、さらに乾燥中の印刷物の観察を行いやすく、乾燥条件の選定を容易に行うことを可能にする乾燥部を備えた印刷試験機を提供する
【解決手段】印刷試験機が。被印刷物を印刷する印刷手段と、印刷後の印刷物を所定の乾燥条件で乾燥させる乾燥部と、印刷直後の印刷物を乾燥部の乾燥位置に連続的に移動させる移動手段と、を備え、上記移動手段が、印刷物を前記乾燥位置で停止させる停止手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング面が停止した状態で印刷物を乾燥させることが可能な印刷試験機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にグラビア印刷機は、印刷を行うフィルム状素材を供給する供給部、フィルム状素材にインキを転写する印刷部、転写されたインキを乾燥する乾燥部、そして乾燥した印刷物を巻き取る巻取部により構成される。
【0003】
実際の印刷物の製造に用いられる印刷機(実生産機)では、印刷条件の変更に多大な手間を要する。このため、上記のような大型の実生産機で印刷を行う前に、小型の印刷試験機を用いて印刷条件を検討することが行われている(特許文献1参照)。
【0004】
乾燥部を持たない上記特許文献1にあるような印刷試験機では、印刷直後に乾燥することができず、試験機で印刷した印刷物をオーブンへ運ぶ等して乾燥させていた。このような場合、印刷面の初期乾燥がテストを行った環境(温度)に依存することから、実生産機における乾燥と比較して透明性が低下する、又はインキのレベリング(平滑化)により透明になる等、実生産機における乾燥工程を再現することができないという問題が生じている。
【0005】
特に実生産機の乾燥部では、乾燥中にインキ被膜が白化したり、被膜にクレータリングのような欠陥が生じたりすることが多々ある。また、実生産機では、同じインキを同じ温度で乾燥させた場合であっても残留溶剤量が変化することが知られている。このため、前もって乾燥条件を検討することが重要になる。
【0006】
特許文献2には、高湿度下においてもブラッシング等のインキ被膜の白化を起こすことなく、グラビアインキを評価することができる印刷試験機が開示されている。この特許文献2の印刷試験機は、印刷直後の未乾燥の印刷面に、圧縮空気による温風発生装置を用いて温風を当てることが可能な構成になっている。
【0007】
ブラッシングは、高湿でインキ温度が低い環境で起こりやすい。上記特許文献2に記載の印刷試験機では、高温空気発生装置により印刷直後の未乾燥の印刷面に温風を当てて乾燥させることができる。このため、上記特許文献2に記載の印刷試験機によれば、印刷直後の印刷物が、高湿下に曝されたり、インキが低温状態になったりすることにより生じるブラッシングを抑えることができるが、意図的にブラッシングを発生させたいとき、実生産におけるブラッシング発生原因解明、インキの使用適正を判定、検証する装置としては使用できない問題がある。
【0008】
さらに、特許文献2に記載されているような高温空気発生装置による乾燥部は、開放系でインキの乾燥が行われるため、乾燥条件を一定に保つことが困難であり、乾燥によるブラッシング等の問題を解決するための乾燥条件の検討を行うことができない。また、特許文献2に記載の乾燥部では、実生産機の乾燥部を再現することができない。
【0009】
また、特許文献3には、印刷機の乾燥装置が記載されており、この特許文献3に記載の乾燥装置によれば、乾燥過程において生じるさまざまな課題を容易に解決することができるとともに、この乾燥装置は、各種塗工液の乾燥条件選定のテスト用としても容易に利用できるとされている。
【0010】
しかし、特許文献3に記載の乾燥装置は、実生産機とともに用いる大掛かりな乾燥装置である。したがって、特許文献3の乾燥装置を利用すれば、実生産機の乾燥装置を用いて乾燥条件を選定するよりは、乾燥条件の選定テストを容易に行うことができるものの、乾燥条件の選定には大きな手間が掛かる。
【0011】
また、残留溶剤量は、乾燥の程度を捉える指標として広く用いられる。残留溶剤量が一定にならなければ印刷の質が安定せず、高品質の印刷物を安定して生産することができない。したがって、残留溶剤量が適切な量で安定する乾燥条件が求められる。しかしながら、従来は、同じインキ、同じ乾燥温度にもかかわらず残留溶剤量が安定しない理由が解明されておらず、残留溶剤量が適切な量に安定する乾燥条件を決定することは極めて困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開昭60−189446号公報
【特許文献2】特開2007−223281号公報
【特許文献3】特開2004−358779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、小型の印刷試験機とともに使用できる小型の乾燥部でありながら、実際の大掛かりな乾燥装置による乾燥を再現することができ、乾燥条件の選定を容易に行うことを可能にする乾燥部を備えた印刷試験機が求められている。
【0014】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、小型の印刷試験機とともに使用できる小型の乾燥部でありながら、実際の大掛かりな乾燥装置による乾燥を再現することができ、乾燥条件の選定を容易に行うことを可能にする乾燥部を備えた印刷試験機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、印刷直後の印刷物を直ちに乾燥させることができる印刷試験機にすることで、実生産機の乾燥部における乾燥を小型の印刷試験機で再現できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には本発明は以下のものを提供する。
【0016】
(1) 被印刷物を印刷する印刷手段と、前記印刷後の印刷物を所定の乾燥条件で乾燥させる乾燥部と、前記印刷直後の印刷物を前記乾燥部の乾燥位置に連続的に移動させる移動手段と、を備える印刷試験機であって、前記移動手段は、前記印刷物を前記乾燥位置で停止させる停止手段を備えることを特徴とする印刷試験機。
【0017】
(1)の発明によれば、被印刷物を印刷手段により印刷し、印刷直後の印刷物を所定の乾燥条件で乾燥させることができるため、実際の印刷機での乾燥環境を再現することができる。また、(1)の印刷試験機は、印刷直後の印刷物を乾燥位置まで連続的に移動させ、乾燥位置で印刷物を停止させることができるため、印刷物を乾燥位置で停止させて乾燥するため、長い乾燥ゾーンが不要になる。また、乾燥条件の選定も行いやすい。
【0018】
印刷手段は、被印刷物を印刷することができるものであれば特に限定されず、従来公知の印刷試験機を印刷手段として用いることができる。
【0019】
乾燥部は、所定の乾燥条件で印刷物を乾燥させることができるものである。「所定の乾燥条件で印刷物を乾燥させる」とは、乾燥部の乾燥条件を制御して、実質的に一定の乾燥条件で印刷直後の印刷物を乾燥させることをいう。実質的に一定の乾燥条件で乾燥させることで、実際の印刷機の乾燥装置内での乾燥を再現することができ、乾燥条件を評価し、最適な乾燥条件を選定することができる。なお、「実質的に一定」とは、印刷物の乾燥条件の評価に影響を与えない限度での変動を許容することを意味する。評価する対象にもよるが、一般的に、温度の場合には±10℃であれば、印刷物の乾燥条件の評価に影響を与えない。
【0020】
移動手段は、印刷直後の印刷物を乾燥部の乾燥位置まで連続して移動させ、乾燥位置で停止させる。印刷直後の印刷物の移動により、素早く乾燥部まで印刷物を運ぶことができるので、印刷後乾燥部までの移動の間にインキ被膜が白化等し乾燥条件の評価ができなくなることを防ぐことができる。したがって、「移動手段」とは、印刷直後の印刷物が乾燥部到達までの間に曝される外部環境により影響を受けない程度の時間で、印刷直後の印刷物を乾燥部の乾燥位置まで連続的に移動させる手段である。「外部環境により影響を受けない程度の時間」とは、用いるインキ、外部の環境(温度、湿度等)により異なるが、常温・常湿環境下であれば、0.3秒から30秒程度の時間である。この範囲が「印刷直後」の「直後」の時間範囲に当たる。なお、「常温・常湿環境下」とは、温度5℃から35℃、湿度5%RHから95%RHである。
【0021】
「連続的に移動させる」とは、印刷手段による印刷に続いて、印刷直後の印刷物を乾燥部の乾燥位置まで移動させることである。「連続的に移動」が、印刷手段による印刷の動作と同じ動作でれば、印刷のための動作から印刷物を移動させるための動作への切り替えが不要になるので、印刷直後の印刷物を素早く乾燥部の乾燥位置まで移動させることができるので好ましい。
【0022】
移動手段が備える印刷後の印刷物を乾燥位置で停止させるための停止手段は、印刷物を停止させた状態にすることで、長いゾーン乾燥を不要とするとともに、印刷物が移動しながら乾燥する場合と比べると、乾燥部の大きさを小さくできる。
【0023】
(2) 前記乾燥部は所定の空間を有し、前記移動手段は、該空間内及び/又は該空間に略接する位置で前記印刷物が停止する(1)に記載の印刷試験機。
【0024】
(2)の発明によれば、乾燥部が所定の空間を有することにより、その空間内の環境を変化させることで印刷物の乾燥条件を制御すればよいので、乾燥条件を一定に保ったり、変化させたりすることが容易になる。その結果、実生産機に用いられる乾燥装置の乾燥環境をより再現しやすくなる。また、細かい乾燥条件の制御ができるのでより正確に適切な乾燥条件を選定することができる。
【0025】
また、乾燥部の空間内及び/又は空間に略接する位置で、印刷直後の印刷物を停止させることで、設定した所定の乾燥環境で印刷直後の印刷物を乾燥させる。このように印刷物を所定の乾燥環境に曝しやすいので好ましい。
【0026】
「空間に略接する位置」とは、印刷直後の印刷物が乾燥部内の所定の乾燥条件を持つ空間に曝され、その所定の乾燥条件で乾燥できるほど接していればよく、具体的にどの程度まで接しているかについては、特に限定されない。
【0027】
「所定の空間」とは、その大きさ、形状は特に限定されない。印刷直後の印刷物が、所定の空間に入り、乾燥位置で停止するまでの間に、空間とこの空間の外部の空間とが接することになるが、これにより、空間内に設定された乾燥環境が、印刷物の乾燥条件の評価に影響を与えない程度であれば特に限定されない。
【0028】
(3) 前記乾燥位置において、前記印刷後の印刷物は平面状態である(1)又は(2)に記載の印刷試験機。
【0029】
(3)の発明によれば、乾燥位置において、印刷物が平面状態であるため、印刷物を均一に乾燥させることが容易になり、印刷物の最適な乾燥条件の選定が容易になる。
【0030】
(4) 前記乾燥部は所定の空間を有する乾燥室であり、開口部と、前記開口部を閉塞できる開閉可能なスライド蓋と、を備え、前記スライド蓋が移動し前記開口部の少なくとも一部が開き、前記印刷直後の印刷物が、前記空間に近接することで前記印刷物を乾燥させる(1)から(3)のいずれかに記載の印刷試験機。
【0031】
(4)の発明によれば、乾燥室を構成する開口部の少なくとも一部をスライド蓋のスライド移動により開き、印刷直後の印刷物を乾燥室内の所定の空間に近接させることで、容易に印刷直後の印刷物を乾燥室の乾燥環境に曝すことができる。また、このように乾燥させることで、乾燥室内に印刷直後の印刷物を入れて乾燥させる場合と比較して、乾燥室の大きさを、大きくなりすぎないようにすることができる。大きすぎない乾燥室であれば、乾燥室内の乾燥条件を素早く変えることができるので好ましい。
【0032】
開口部が開いてしまい乾燥室内の所定の空間が、外気に曝されると所定の空間が持つ乾燥条件が変化してしまう場合もある。このように変化しやすい乾燥条件で印刷直後の印刷物の乾燥を行う場合には、スライド蓋の移動と同時に印刷直後の印刷物がスライド蓋と置き換わるようにして、所定の空間に近接するものが好ましい。
【0033】
「近接する」とは、印刷直後の印刷物が、乾燥室の所定の空間が持つ乾燥条件で乾燥される程度に上記空間と接していればよく、印刷物が乾燥室の空間にどの程度まで近づくかについては特に限定されない。しかし、上記のような印刷直後の印刷物の乾燥を正確に再現するためには、印刷直後の印刷物が上記空間に略接することが好ましい。
【0034】
(5) 前記印刷手段が、印刷部を備えた版が載置される版載置台と、前記被印刷物を固定して前記版載置台上を走行する走行体と、前記走行体を水平移動させるための駆動手段と、を備え、前記走行体が、圧胴と、独立した2以上の回転体と、前記圧胴及び前記独立した2以上の回転体にかかる前記被印刷物を固定するためのベルトと、を備え、前記駆動手段が、前記圧胴又は前記回転体を回転駆動させるにより、前記圧胴又は前記回転体の駆動力を前記ベルトに伝達させて前記ベルトを回転駆動させることによって、前記走行体を水平移動させる駆動手段であり、前記水平移動の際に、前記被印刷物が前記版の印刷部上を転動して、前記印刷部のインキが前記被印刷物に転写される(1)から(4)のいずれかに記載の印刷試験機。
【0035】
(5)の発明によれば、走行体が、圧胴と、独立した2以上の回転体と、上記圧胴及び上記独立した2以上の回転体にかかる被印刷物を固定するためのベルトと、を備えることで被印刷物が水平状態に固定されやすい。水平移動の際に、被印刷物が版の印刷部上を転動して、印刷部のインキが被印刷物に転写されるようにすることで、容易にドクター圧等の他の印刷条件も含めて検討でき、実際の印刷機における印刷を再現できるので好ましい。
【0036】
版載置台としては、例えば、略箱形の本体フレーム等の固定台と、固定台に取り付けられた平盤と、平盤に載置され固定された版とを有するものが挙げられる。
【0037】
版は印刷部を有し、印刷物としては、例えば印刷溝等が挙げられる。印刷溝の深さは、インキの転写という理由から、15μmから500μmであることが好ましい。また、一つの印刷試験機で複数の版を試験できるようにするために、版は版載置台から着脱可能であることが好ましい。
【0038】
走行体は、上記版載置台の上を走行する。走行体が被印刷物とともに版載置台上を走行することで、版載置台上の印刷部に供給されたインキが被印刷部に転写され印刷される。
【0039】
走行体は、印刷直後の被印刷物を乾燥位置で、水平に支持できることが好ましい。走行体が印刷直後の印刷物を水平に支持し、後述する固定手段により、印刷物が水平に固定されて、乾燥部の乾燥環境に曝されることにより、印刷物が均一に乾燥することが容易になり、印刷物の最適な乾燥条件の選定が容易になる。
【0040】
走行体は、版載置台の上を水平に移動するために駆動手段を持つ。被印刷物を固定した走行体が、上記版載置台を走行中に被印刷物にインキを転写することができるように駆動できればよい。駆動手段としては例えば、モーター等を用いることができる。走行体の水平移動は直線移動が好ましいため、走行体と版載置台とに直線支持機構を設けることが好ましい。直線支持機構としては、従来公知の方法が使用でき、例えばリニアガイド等を挙げることができる。なお、水平移動とは、走行体の変位成分に重力に対して水平な成分を含むものであればよいが、重力に対して水平成分のみであることが好ましい。
【0041】
(6) グラビア印刷試験機である(1)から(5)のいずれかに記載の印刷試験機。
【0042】
(6)の発明によれば、本発明の印刷試験機を、印刷物に転写されたインキの乾燥の際にブラッシング等の不具合を起こしやすいグラビア印刷を再現できるグラビア印刷試験機にすることで、グラビア印刷の実生産機でも不具合を起こさない乾燥条件を容易に選定することができる。
【0043】
(7) 前記所定の乾燥条件を変化させる制御手段をさらに備え、前記制御手段は温度及び/又は湿度を制御する手段である(1)から(6)のいずれかに記載の印刷試験機。
【0044】
(7)の発明によれば、印刷試験機が、乾燥条件を変化させる手段をさらに備えるため、所定の乾燥雰囲気を印刷試験機で作ることができる。また、温度及び/又は湿度は、代表的な乾燥条件であり、これらの条件により、不具合が生じることが多い。このため、これらの条件を変化させて、乾燥条件を選定できるようにすることで、最適な乾燥条件をより選定しやすくなる。
【0045】
温度や湿度を制御する方法は、乾燥部内の温度、湿度を変化させることができれば特に限定されない。例えば、室内に熱源を置き温度を制御し、加湿器を置き乾燥部内の湿度を制御してもよい。また、外部から乾燥室内に熱風を送り込むことにより乾燥室内の温度を制御し、外部から湿気を乾燥部内に送り込むことにより湿気を制御してもよい。乾燥部内の温度、湿度の環境は容易に変化させることができる方が好ましいため、乾燥部の体積は大きくなりすぎない方が好ましい。あまり大きくない乾燥部の方が素早く温度、湿度等の乾燥条件を変化させることができるからである。したがって、外部から熱風等を送り込むことにより温度、湿度等の乾燥条件を制御できる乾燥部が好ましい。
【0046】
(8) 前記乾燥部内の乾燥状態を視覚的及び/又は分光学的に測定する乾燥状態測定手段をさらに備える(1)から(7)のいずれかに記載の印刷試験機。
【0047】
(8)の発明によれば、乾燥部内での印刷物の乾燥状態を測定することで、問題となる乾燥条件の発見、改善が容易になる。特に、本発明では、乾燥中のインキの物性の変化を経時的に観察することにより、解決する必要のある問題点をさらに容易に発見、改善することができる。したがって、乾燥部内での印刷物の乾燥状態を測定することで、最適な乾燥条件を容易に求めることができる。
【0048】
乾燥状態測定手段とは、視覚的及び/又は分光学的に乾燥部内の印刷物の乾燥状態を測定する手段である。例えば、サーモグラフィー、赤外分光装置、紫外分光装置、カメラ、ビデオカメラ、高速度撮影装置等が挙げられる。
【0049】
乾燥状態測定手段は、印刷物に非接触で印刷物の乾燥状態を測定する。したがって、印刷物と測定手段との間に存在する乾燥部が、印刷物の乾燥状態の測定を阻害しないようにする必要がある。例えば、視覚的に乾燥部内の印刷物の乾燥状態を測定するためには、乾燥中の乾燥部内の印刷物を観察できるように、可視光の少なくとも一部を透過する領域を備える乾燥部を用いる必要があり、サーモグラフィーを用いる場合には、乾燥中の印刷物から放射される赤外線が透過可能な領域を備える乾燥部を必要がある。具体的な方法としては、例えば、乾燥部に特定の光を透過、吸収する観察用窓を設けることで、上記乾燥状態測定手段を用いて、乾燥中の印刷物の乾燥状態を非接触で測定することができる。
【0050】
(9) 乾燥雰囲気を制御可能な乾燥装置付きの印刷試験機を用い、前記印刷試験機で被印刷物を印刷した直後に連続的に印刷物を乾燥部へ導入し、前記印刷物を乾燥部で停止させた状態で、所定の乾燥条件下における乾燥を行い印刷物の評価を行い、前記所定の乾燥条件のうち、時間、温度、湿度、風量のいずれか1種以上を変更して印刷試験を繰り返すことで、印刷物の最適乾燥条件を決定する方法。
【0051】
(9)の発明によれば、大掛かりでない本発明の印刷試験機を使用して、乾燥条件を変化させ、印刷物の最適な乾燥条件を設定することで、実生産機で行う前に容易に乾燥条件を選定することができる。
【0052】
(10) 前記決定された前記最適乾燥条件又はそれと等価な乾燥条件を用いて実生産機で印刷を行う印刷物の製造方法。
【0053】
(10)の発明によれば、本発明の印刷試験機で前もって乾燥条件を検討し、最適な乾燥条件を選定することで、実生産機で印刷をするときに、乾燥の際の乾燥環境によって不具合が生じることを防ぐことができる。その結果、実生産機による印刷で生じる不具合を未然に防ぎ、実生産機で解決する手間を省くことができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明は、実生産機の備える大型乾燥装置における乾燥環境を、小型の乾燥部で再現することにより、大型乾燥装置を備える実生産機で印刷される印刷物の乾燥条件の評価を小型の印刷試験機で可能にするものである。本発明により乾燥条件選定テストを容易に行うことができる。
【0055】
また、本発明は、印刷直後の印刷物を停止位置で停止させて乾燥させることができるので、長いゾーン乾燥を不要とするとともに、印刷物が移動しながら乾燥する場合と比べると、乾燥部の大きさを小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の印刷試験機の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の印刷試験機の一実施形態を示す印刷前の概略正面図である。
【図3】本発明の印刷試験機の一実施形態を示す印刷物が乾燥部への移動中を示す概略正面図である。
【図4】本発明の印刷試験機の一実施形態を示す印刷物乾燥中の概略正面図である。
【図5】図1に示す形態とは別形態の印刷試験機を示す概略斜視図である。
【図6】乾燥中のサンプルの温度変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、本発明の一実施形態について、実施例の図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、以下の説明において、同一の構成要素については同一の番号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0058】
図1は、本発明の印刷試験機の一実施形態を示す概略斜視図である。図2は、本発明の印刷試験機の一実施形態を示す印刷前の概略正面図である。図3は、本発明の印刷試験機の一実施形態を示す印刷物が乾燥部への移動中を示す概略正面図である。図4は、本発明の印刷試験機の一実施形態を示す印刷物乾燥中の概略正面図である。
【0059】
<構成>
図1、図2に示すように、本発明の印刷試験機は、版載置台1と、走行体2と、乾燥部3と、温度湿度制御装置4と、を有している。
【0060】
版載置台1は、本体フレーム11に平盤12が取り付けられており、平盤12には、着脱可能な版13が載置され固定されている。さらに平盤12は、走行体2の移動を停止させ、走行体2と乾燥部3との位置関係を固定するための突起121を有する。
【0061】
版13は、深さ30μm印刷溝からなる印刷部14を備える。上記の通り、印刷溝の深さは、深さ15μmから500μmであることが好ましい。
【0062】
走行体2は、圧胴21と、回転体22と、圧胴21及び回転体22にかかるベルト23と、ベルトに固定された被印刷物24(印刷後は印刷物24という場合がある)と、ドクターブレード25と、版載置台1の平盤12の両側に位置する一対の側板26、26を有する。圧胴21と回転体22が回転しベルト23が、図の矢印の方向に回転できるように、側板26、26とで軸受け支持する。なお、ベルト23の材質を被印刷物24と同じ材質とした場合、ベルト23に印刷できベルト23が被印刷物となることから、被印刷物24は必要ない。
【0063】
回転体22は、乾燥位置において、印刷された印刷物24を平面状態にするために設けられる。したがって、印刷された印刷物24を乾燥位置で平面状態にする必要が無い場合や、印刷物24が小さいために平面状態にする手段を設けなくてもほぼ平面状態になる場合等では回転体22は不要である。また、回転体22の数は特に限定されず、複数の回転体を用いてもよい。
【0064】
ベルト23の材質は、印刷後の印刷物24とともに乾燥環境に曝される部分でもあるため、乾燥の際の熱により大きな影響を受けないものであれば、どのような材質であっても特に限定されない。また、ベルト23に被印刷物24を固定する方法も特に限定されず、例えば、被印刷物24をベルト表面の所定の位置にテープで貼り付ける方法が挙げられる。固定する位置は、後述する方法で決められる。また、図4から明らかなように、印刷された印刷物24とベルト23とが、乾燥部3の乾燥空間に略接する位置で停止して、印刷された印刷物24が乾燥される。したがって、ベルト23の材質は、乾燥空間の乾燥条件を変動させないように断熱性を持つことが好ましい。なお、被印刷物24は、実際の印刷機で使用するフィルム等を用いることでさらに再現性を高めることができる。
【0065】
走行体2は、直線支持機構及び駆動手段により、図1から4に示すように白抜き矢印の方向に水平移動する。この水平移動により、印刷直後の印刷物24は、乾燥部3の乾燥位置に連続的に移動する。移動手段としては、上記のような直線支持機構及び駆動手段に限定されず、従来公知のものを用いることができる。上記のような方法で移動した後、停止手段により印刷直後の印刷物24は、乾燥部3の乾燥位置で停止する。本実施形態において、停止手段は平盤12に設けられた突起121であるが、上記乾燥位置で印刷直後の印刷物24を停止させることができれば、どのような停止手段を用いてもよい。
【0066】
乾燥部3は、開口部33を有する乾燥室になっており、開口部33を閉塞できる開閉可能なスライド蓋31、4本の足32を備えている。スライド蓋31は、取っ手311を有する。乾燥室内は所定の乾燥条件を有する。
【0067】
乾燥部3は、チューブ41を介して温度湿度制御装置4と繋がっている。温度湿度制御装置4を用いて所望の湿度、温度を持つ空気を、チューブ41を通して乾燥部3へ送り込むことで、乾燥条件を変更することができる。また、上記空気を送り込む際に風量も調節することができる。
【0068】
4本の足32は、平盤12と乾燥部3との間を走行体2が走行可能なように、乾燥部3を所定の高さに固定させるためのものである。
【0069】
また、図5に示すように本発明の印刷試験機には、乾燥状態測定手段5をさらに設けてもよい。乾燥状態測定手段5は、乾燥部3内の印刷物24の乾燥状態を測定可能な位置に設けられる。乾燥状態測定手段5は、印刷直後の印刷物24が乾燥部3内の乾燥位置で停止後、乾燥中の印刷物24の状態を測定する。
【0070】
また、図5に示すように乾燥部3には、観察用窓34をさらに設けてもよい。観察用窓34は、乾燥状態測定手段5と印刷物24との間に位置するように乾燥部3内に設けられる。観察用窓34は、所望の光を透過、吸収するものであり、乾燥中の印刷物から放射される赤外線等を透過して、印刷物の乾燥状態を測定しやすくするものである。
【0071】
<作用>
本発明の印刷試験機の動作及び条件決定方法について説明する。本発明の印刷試験機の動作は、例えば、サンプルセッティング工程、印刷工程、乾燥工程、条件変更工程に分けることができる。
【0072】
[サンプルセッティング工程]
先ず、インキを版13に滴下する。次いで、図1、図2に示すように、被印刷物24をベルト23に固定する。次いで、温度湿度制御装置4等を用いて、乾燥部3内を所望の温度、湿度、風量等の乾燥条件に調整する。
【0073】
[印刷工程]
図2に示すように、走行体2の水平移動開始と同時に、圧胴21と回転体22とが回転し、ベルト23が図2の矢印方向に回りながら走行体2は図2の白抜き矢印方向へ水平移動を始める。水平移動中の走行体2のドクターブレード25が、版13の表面の一端部から他端部に摺動して、版13に滴下されたインキが印刷部14の印刷溝に供給される。次いで、ドクターブレード25の後方に配置された、圧胴21及び回転体22にかかるベルト23に固定された被印刷物24が、印刷部14の上を転動して、被印刷物24にインキが転写される。インキの転写は、圧胴21と印刷部14との間を被印刷物24が通過することで行われる。
【0074】
図3に示すように、走行体2は、水平移動の途中で乾燥部3の取っ手311に当たり、スライド蓋31を矢印方向にスライドさせる。スライド蓋31を矢印の方向にスライドさせる走行体2に備えられたベルト23が、スライド蓋31と置き換わるようにして、乾燥部3の開口部33を閉塞するように、乾燥部3の乾燥空間と略接していく。
【0075】
図4に示すように、印刷された印刷物24は、乾燥部3の乾燥空間に略接する位置で、走行体2が突起121に当たることで停止する。
【0076】
[乾燥工程]
停止後、図4の状態で印刷された印刷物24は、乾燥部3内の乾燥条件で乾燥する。なお、図5に示すような乾燥状態測定手段5を備える印刷試験機を用いる場合には、乾燥中の印刷物24の変化を、乾燥状態測定手段5を用いて測定する。
【0077】
[条件変更工程]
乾燥終了後、乾燥後の印刷物24を取り出す。印刷物24のインキ被膜に欠陥があるか否かを確認する。欠陥が有る場合には、乾燥後の印刷物24の状態から、次の温度・湿度等の乾燥条件を、温度湿度制御装置4等を用いて設定し、同様の方法で印刷を行う。これを繰り返し、欠陥が現れない乾燥条件を決定する。
【0078】
乾燥条件決定後は、その最適な乾燥条件に対応する乾燥条件で実生産機による印刷を行う。
【実施例】
【0079】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0080】
<実施例1>
被印刷物として厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、「T−4100」)、インキとしてFQLプライマー(ザ・インクテック社製)を使用し、印刷溝として深さ30μmの印刷溝を設置した図1から図4に示す印刷試験機にて、PETフィルムのコロナ処理面にインキを印刷した。その後直ちに、乾燥部で80℃、5%RH、風速10m/秒の熱風で1分間乾燥を行うことにより実施例の印刷試験機を用いた印刷サンプルを得た。
【0081】
<比較例1>
実施例と同じ材料、乾燥部を取り外した以外は実施例の印刷試験機と同じ印刷試験機を用いて、25℃70%RHの条件下、被印刷物にインキを印刷し、その後、印刷物を印刷試験機から取り外し、温度80℃、5%RHに設定した高温オーブン(ETAC社製、三連恒温恒湿オーブン(TH403))に入れ風速10m/秒で1分間乾燥を行い、比較例の印刷サンプルを得た。印刷から取り外し高温オーブンに入れるまで25℃70%RHの環境下、約15秒経過した。
【0082】
<ヘイズの評価>
実施例及び比較例の印刷サンプルのヘイズを、ヘイズメーター(スガ試験機器社製、110M−2K)を使用して測定した。測定は、印刷面を入射光面とした。
【0083】
実施例の印刷サンプルでは、実生産機による印刷の場合と同様に、透明性が高いことが確認された(ヘイズ10%以下)。これに対して、比較例の印刷サンプルは、印刷直後から高温オーブンに入れるまでの高湿度が影響し、ブラッシング(白化現象)が発生、透明性が低いことが確認された(ヘイズ45%)。
【0084】
<インキの密着性評価>
インキと被印刷物との密着度をセロテープ(登録商標)による剥離試験によって判定した。実施例及び比較例の印刷サンプルの印刷面に、セロテープ(ニチバン社製、CT−15M)を貼付した。貼付後30秒間放置した後セロテープを剥離した。評価基準には以下の基準を用いた。
[評価基準]
良 印刷面のインキがセロテープに付かずPETに残った場合
不良 印刷面のインキがセロテープに接着した場合
【0085】
実施例の印刷サンプルでは、実生産機による印刷の場合と同様に、密着性の評価が「良」になることが確認された。これに対して、比較例の印刷サンプルでは、密着性の評価が「不良」になることが確認された。
【0086】
<実施例2>
被印刷物として厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、「T−4100」)、インキとしてオーデGFN991墨(ザ・インクテック社製)、乾燥状態測定手段としてサーモグラフィーを使用し、印刷溝として深さ30μmの印刷溝を設置した図5に示す印刷試験機(観察用窓、サーモグラフィーを備える以外は実施例1と同様の印刷試験機)にて、PETフィルムのコロナ処理面にインキを印刷した。その後直ちに、乾燥部で45℃、絶対湿度2.3g/m2の条件下、10秒間乾燥を行うことにより実施例の印刷試験機を用いた印刷サンプルを得た。また乾燥過程はサーモグラフィーTVS8500(NEC Avio赤外線テクノロジー社製)によって測定し、経時温度変化をリアルタイムで測定した。
【0087】
<実施例3>
乾燥部での乾燥を45℃、絶対湿度23.5g/m2の条件下、10秒乾燥した。それ以外は、実施例2と同等の方法にて印刷サンプルを得た。
【0088】
<残留溶剤の評価>
実施例2及び実施例3の印刷サンプルに残っている溶剤成分(残留溶剤)を、ガスクロ質量分析装置(Agilent Technologies社製CMS)を使用して測定した。測定するサンプル(上記印刷物)は5cm×5cmの正方形に切り出し、ガラス瓶に封入、100℃5分間加熱した後、蒸発した溶剤をシリンジに捕集、捕集した溶剤をガスクロマトグラフィーにて定量した。
【0089】
実施例2の印刷サンプルは、残留溶剤(メタノール)が単位面積あたり8mg/m2であったのに対し、実施例3のサンプルは87mg/m2であった。また、上記残留溶剤量は、実生産機で印刷を行った場合と非常に近い値である。
【0090】
<インキ表面温度の評価>
インキを被印刷物に印刷した直後、サンプルの上方(乾燥炉上方に設置してある透明な観察用窓)から、サーモグラフィーTVS8500(NEC Avio赤外線テクノロジー社製)にて乾燥中のサンプルの温度変化を測定した。測定結果を図6に示した。
【0091】
実施例2(低湿度)の環境で乾燥させた場合、インキ塗工面の温度の立ち上がりが速い。一方、実施例3(高湿度)の環境で乾燥させた場合、インキ塗工面の温度の立ち上がりが遅いことが確認された。上記の乾燥中のサンプルの温度変化は、実生産機で行った場合に乾燥中の印刷物の温度変化と同様である。
【0092】
実施例3の場合、実施例2の場合と比較して、インキを乾燥させる空気中に水分が多く含まれるため、サンプル上のインキ表面の温度上昇が遅くなり、結果として、インキに含まれる溶剤濃度が高くなった。
【0093】
以上の通り、本発明の印刷試験機を用いると、実生産機における大掛かりな乾燥装置による乾燥を、小型の試験機で再現することができる。加えて、残留溶剤量の変化も考慮して最適な乾燥条件を決定できる。
【符号の説明】
【0094】
1 版載置台
2 走行体
3 乾燥部
4 温度湿度制御装置
5 乾燥状態測定手段
11 本体フレーム
12 平盤
121 突起
13 版
14 印刷部
21 圧胴
22 回転体
23 ベルト
24 被印刷物、印刷物
25 ドクターブレード
26 側板
31 スライド蓋
32 4本の足
33 開口部
34 観察用窓
41 チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷物を印刷する印刷手段と、前記印刷後の印刷物を所定の乾燥条件で乾燥させる乾燥部と、前記印刷直後の印刷物を前記乾燥部の乾燥位置に連続的に移動させる移動手段と、を備える印刷試験機であって、
前記移動手段は、前記印刷物を前記乾燥位置で停止させる停止手段を備えることを特徴とする印刷試験機。
【請求項2】
前記乾燥部は所定の空間を有し、前記移動手段は、該空間内及び/又は該空間に略接する位置で前記印刷物が停止する請求項1に記載の印刷試験機。
【請求項3】
前記乾燥位置において、前記印刷後の印刷物は平面状態である請求項1又は2に記載の印刷試験機。
【請求項4】
前記乾燥部は所定の空間を有する乾燥室であり、開口部と、前記開口部を閉塞できる開閉可能なスライド蓋と、を備え、
前記スライド蓋が移動し前記開口部の少なくとも一部が開き、前記印刷直後の印刷物が、前記空間に近接することで前記印刷物を乾燥させる請求項1から3のいずれかに記載の印刷試験機。
【請求項5】
前記印刷手段が、印刷部を備えた版が載置される版載置台と、前記被印刷物を固定して前記版載置台上を走行する走行体と、前記走行体を水平移動させるための駆動手段と、を備え、
前記走行体が、圧胴と、独立した2以上の回転体と、前記圧胴及び前記独立した2以上の回転体にかかる前記被印刷物を固定するためのベルトと、を備え、
前記駆動手段が、前記圧胴又は前記回転体を回転駆動させるにより、前記圧胴又は前記回転体の駆動力を前記ベルトに伝達させて前記ベルトを回転駆動させることによって、前記走行体を水平移動させる駆動手段であり、
前記水平移動の際に、前記被印刷物が前記版の印刷部上を転動して、前記印刷部のインキが前記被印刷物に転写される請求項1から4のいずれかに記載の印刷試験機。
【請求項6】
グラビア印刷試験機である請求項1から5のいずれかに記載の印刷試験機。
【請求項7】
前記所定の乾燥条件を変化させる制御手段をさらに備え、前記制御手段は温度及び/又は湿度を制御する手段である請求項1から6のいずれかに記載の印刷試験機。
【請求項8】
前記乾燥部内の乾燥状態を視覚的及び/又は分光学的に測定する乾燥状態測定手段をさらに備える請求項1から7のいずれかに記載の印刷試験機。
【請求項9】
乾燥雰囲気を制御可能な乾燥装置付きの印刷試験機を用い、
前記印刷試験機で被印刷物を印刷した直後に連続的に印刷物を乾燥部へ導入し、
前記印刷物を乾燥部で停止させた状態で、所定の乾燥条件下における乾燥を行い印刷物の評価を行い、
前記所定の乾燥条件のうち、時間、温度、湿度、風量のいずれか1種以上を変更して印刷試験を繰り返すことで、印刷物の最適乾燥条件を決定する方法。
【請求項10】
請求項9に記載された方法で決定された前記最適乾燥条件又はそれと等価な乾燥条件を用いて実生産機で印刷を行う印刷物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−100036(P2010−100036A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149186(P2009−149186)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】