説明

印字ラベル作成装置及びタグラベル生成システム

【課題】印字ラベル作成装置の動作信頼性を向上し、信頼性の高いラベル作成を行う。
【解決手段】無線タグ回路素子Toがテープ長手方向に所定間隔で配置された基材テープ101を用いて、無線タグ回路素子Toを備えた複数の無線タグラベルTと、無線タグ回路素子Toを備えない複数の前後情報ラベルTiとを作成するタグラベル作成装置1であって、基材テープ101のうち無線タグ回路素子Toの配置位置に対応したラベル印字領域PEごとに対応して、所定のラベル印字Rを備えた1つの無線タグラベルTを作成し、基材テープ101のうち連続する2つのラベル印字領域PEに挟まれた1つの前余白領域PE1及び後余白領域PE2を合わせた領域ごとに対応して、1つの前後情報ラベルTiを作成するように、駆動ローラ51及びテープ送りローラ駆動軸108、印字ヘッド23、及び切断機構15を連携して制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグ回路素子を備えたタグテープに印字を行い印字ラベルを作成する印字ラベル作成装置及びタグラベル生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において既に実用化されている。
【0003】
上記したように、無線タグは、ラベル状(=無線タグラベル)として対象物である商品や物品とともに取り扱われる(例えば添付、貼り付け、同梱等)場合が多い。このとき、その無線タグ回路素子内部に記憶されたタグIDとは別に、当該タグ情報や対応する物品情報等に関連した情報をラベルに印字して使用するようにすれば、ユーザ側から上記関連情報を視認できて何かと便利である。そこで、近年、無線タグ回路素子への情報読み取り/書き込みとラベルへの印字とを併せて行い無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置が既に提唱されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このタグラベル作成装置では、無線タグ回路素子を所定間隔で配置したタグテープをロールから繰り出しつつ、無線タグ回路素子の配置位置に対応したタグテープの長さ方向領域(又はその長さ方向領域に貼り合わされる被印字テープの領域)に対して印字を形成し、さらにカッタで切断することで印字付きの無線タグラベルが生成される。このとき、形成する印字内容によって印字部分の長さが変化する。これに対し、タグテープにおいては無線タグ回路素子は所定間隔(固定ピッチ)で配置されているため、1つの印字付き無線タグラベルにおける印字部分(タグラベル本体)の長さが、上記無線タグ回路素子の配置のピッチよりも短い場合には、印字部分のテープ長さ方向両側に、2つの非印字部分(余白部分)が生じることとなる。これら2つの非印字部分は、無線タグ回路素子がなく無線タグラベルとしては使用されないことから、通常は、ユーザがラベルを貼りつけるときに印字部分と容易に分離できるような、ハーフカットが施される。
【0005】
このハーフカットは、ハーフカッタ(半切断手段)を用いて積層構造のラベルのうち厚さ方向一部分を残して他を切断(=半切断)するものであり、これによって、ラベルを貼り付ける際に無線タグ回路素子を備えた印字部分だけを2つの非印字部分から容易に分離することができる。
【特許文献1】特開2007−328540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記ハーフカッタは構造が複雑であること等により、タグラベル作成装置においてハーフカッタを備えない構成とする場合も考えられる。この場合、ハーフカッタによるハーフカットの代わりに、通常のカッタによる切断(フルカット)を行うことが考えられる。しかしながらこの場合、一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分の3つからなる印字付き無線タグラベルにおいて、非印字部分と印字部分との境をフルカットすると、一方側の非印字部分(余白部分)と、印字部分(タグラベル本体)と、他方側の非印字部分(余白部分)の3つに分離される。すなわち、1枚の印字付き無線タグラベルを作成するごとに、上記3つのラベルが互いに分離された状態でそれぞれ排出されることとなる。この際、上記2つの非印字部分(余白部分)の長さは、印字部分(タグラベル本体)に比べると著しく短くなる。このため、切断後の搬送・排出時において、静電気や搬送手段からの遊離等により誤って搬送経路から側方に逸脱し、近傍の各種機構(検出用機構や搬送用機構等)の動作や性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、動作信頼性を向上し、信頼性の高いラベル作成を行うことができる印字ラベル作成装置及びタグラベル生成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた複数の無線タグ回路素子がテープ長手方向に所定間隔で配置されたタグテープを用いて、前記無線タグ回路素子を備えた複数の第1ラベルと、前記無線タグ回路素子を備えない複数の第2ラベルとを作成する印字ラベル作成装置であって、前記タグテープを搬送するための搬送手段と、前記タグテープ、若しくは、前記タグテープに貼り合わされる被印字テープに対し、印字を行う印字手段と、前記タグテープを厚さ方向に切断するための切断手段と、前記タグテープのうち前記無線タグ回路素子の配置位置に対応した第1長さ方向領域ごとに対応して、所定の印字を備えた1つの前記第1ラベルを作成し、前記タグテープのうち連続する2つの前記第1長さ方向領域に挟まれた1つの第2長さ方向領域ごとに対応して、1つの前記第2ラベルを作成するように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本願第1発明においては、ラベル作成のためにタグテープを用いる。タグテープには、複数の無線タグ回路素子が所定間隔(固定ピッチ)でテープ長手方向に配置されている。搬送手段でタグテープが搬送されると、このタグテープ(又はこれに貼り合わされる被印字テープ)に対し印字手段が所定の印字を行い、切断手段が(少なくとも)タグテープを切断することでラベルが作成される。
【0010】
上記のように、無線タグ回路素子を備えたタグテープに印字を行ってラベルを作成する場合、一般的には、無線タグ回路素子の配置位置に対応したタグテープの長さ方向領域に対し(又はその長さ方向領域に貼り合わされる被印字テープの領域に対し)印字を形成し、印字付きの無線タグラベルとする。このとき、形成する印字としては、IC回路部に記憶される情報に対応した内容の印字(例えばテキストや図像等)を形成するのが通常であり、この結果、上記情報の内容によって印字部分の長さが変化する。これに対し、タグテープにおいては無線タグ回路素子は所定間隔(固定ピッチ)で配置されている。このため、1つの印字付き無線タグラベルにおける印字部分(タグラベル本体)の長さが、上記無線タグ回路素子の配置のピッチよりも短い場合には、印字部分(タグラベル本体)のテープ長さ方向両側に、2つの非印字部分(余白部分)が生じることとなる。これら2つの非印字部分(余白部分)は、無線タグ回路素子がなく無線タグラベルとしては使用されないことから、通常は、ユーザがラベルを貼りつけるときに印字部分(タグラベル本体)と容易に分離できるような、所定の加工が施される。
【0011】
この加工としては、積層構造のラベルのうち厚さ方向一部分を残して他を切断する(いわゆる半切断手段(ハーフカッタ)による半切断(ハーフカット))を行うが、ラベル作成装置にハーフカッタが備えられていない場合には、通常の切断手段(カッタ)による切断(フルカット)を行うことが考えられる。
【0012】
しかしながら、(一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分、の3つからなる)印字付き無線タグラベルにおいて、非印字部分と印字部分との境をフルカットすると、一方側の非印字部分(余白部分)と、印字部分(タグラベル本体)と、他方側の非印字部分(余白部分)の3つに分離される。すなわち、1枚の印字付き無線タグラベルを作成するごとに、上記3つのラベルが互いに分離された状態でそれぞれ排出されることとなる。この際、上記2つの非印字部分(余白部分)の長さは、印字部分(タグラベル本体)に比べると著しく短くなる。このため、切断後の搬送・排出時において、静電気や搬送手段からの遊離等により誤って搬送経路から側方に逸脱し、近傍の各種機構(検出用機構や搬送用機構等)の動作や性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0013】
そこで本願第1発明においては、制御手段が搬送手段、印字手段、切断手段を連携して制御することで、タグテープのうち各第1長さ方向領域ごとに対応して1つの第1ラベル(無線タグ回路素子を含み、所定の印字を備える)を作成する一方、タグテープのうち(第1長さ方向領域以外の)各第2長さ方向領域ごとに1つの第2ラベルを作成する。すなわち、上述した3つの小ラベルから構成される印字付き無線タグラベルが搬送方向に沿って複数枚作成されていく(但し必ずしも一括作成とは限らない)場合に、先行するラベルの「一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分」、次に後続するラベルの「一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分」、さらに次に後続するラベルの「一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分」・・・、と連続していくとき、先行するラベルの他方側の非印字部分と後続するラベルの一方側の非印字部分とを合体させて1つの第2ラベルとする(印字部分については上述と同様それぞれ1つの第1ラベルとする)。これにより、上記の例の、先行するラベル「一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分」、次に後続するラベル「一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分」、さらに次に後続するラベル「一方側の非印字部分/印字部分/他方側の非印字部分」は、先行する「第1ラベル(印字あり)/第2ラベル(印字なし)」、次に後続する「第1ラベル(印字あり)/第2ラベル(印字なし)」、さらに次に後続する「第1ラベル(印字あり)/第2ラベル(印字なし)」、のように置き換えられる。すなわち、前述のように、1枚の印字付き無線タグラベルを作成するごとに、第1ラベルと第2ラベルとの2つが互いに分離された状態でそれぞれ排出されることとなる。第2ラベルは、上述したように、前述の一方側の非印字部分(余白部分)と他方側の非印字部分(余白部分)とが合体したものに相当するため、その長さは、印字部分(タグラベル本体)に比べるとそれほどは短くならない。この結果、前述のように、切断後の搬送・排出時において搬送経路から側方に逸脱し悪影響を及ぼすのを防止することができる。したがって、印字ラベル作成装置の動作信頼性を向上し、信頼性の高いラベル作成を行うことができる。
【0014】
第2発明は、上記第1発明において、前記制御手段は、作成された前記第1ラベル及び前記第2ラベルが交互に排出されるように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御することを特徴とする。
【0015】
本願第2発明においては、ラベル作成の際、搬送方向に沿って、第1ラベル(印字あり)/第2ラベル(印字なし)/第1ラベル(印字あり)/第2ラベル(印字なし)・・のように交互に排出する。第1ラベルと交互に排出される第2ラベルの長さは、前述のように第1ラベルに比べそれほどは短くならない。この結果、切断後の搬送・排出時において搬送経路から側方に逸脱し悪影響を及ぼすのを防止することができる。
【0016】
第3発明は、上記第2発明において、前記制御手段の制御に基づき、前記印字手段は、少なくとも、前記タグテープの前記第1長さ方向領域に前記所定の印字を行い、前記切断手段は、前記印字手段で前記所定の印字が形成された前記タグテープの前記第1長さ方向領域を切断し、前記第1ラベルを形成するとともに、前記タグテープの前記第2長さ方向領域を切断し、前記第2ラベルを形成することを特徴とする。
【0017】
本願第3発明においては、第1ラベルについても第2ラベルについても、(上記タグテープのほかに被印字テープを用意して貼り合わせることなく)タグテープのみで構成し、少なくとも第1ラベルについてはタグテープに印字を行う。これにより、上記被印字テープを貼り合わせる場合よりも、テープの種類やロールの数が少なくて済み、ラベル作成装置の構造や制御を簡素化できる。また、既存のラベル作成装置との互換性も向上する。
【0018】
第4発明は、上記第2発明において、前記制御手段の制御に基づき、前記搬送手段は、前記タグテープ及び前記被印字テープを搬送し、前記印字手段は、少なくとも、前記タグテープの前記第1長さ方向領域に対応した、前記被印字テープの第1被印字領域に前記所定の印字を行い、前記切断手段は、前記タグテープの前記第1長さ方向領域と、前記印字手段で前記所定の印字が形成され前記第1長さ方向領域に貼り合わされた前記被印字テープの前記第1被印字領域とを、切断して前記第1ラベルを形成するとともに、前記タグテープの前記第2長さ方向領域と、当該第2長さ方向領域に貼り合わされた前記被印字テープの第2被印字領域とを、切断して前記第2ラベルを形成することを特徴とする。
【0019】
本願第4発明においては、第1ラベルについても第2ラベルについても、タグテープと被印字テープとを貼り合わせて構成する。これにより、少なくとも第1ラベルに関しては、被印字テープに対し、貼り合わせる前に裏面側に印字を形成することが可能となる。この結果、貼り合わせた後のラベルの状態では印字面が裏面側となって表面側に露出しないので、汚れたりかすれたりすることのない、美観や明確さに優れた印字を実現することができる。
【0020】
第5発明は、上記第2乃至第4発明のいずれかにおいて、前記制御手段は、第1長さ方向領域ごとに対応して、所定の印字を備えた前記1つの第1ラベルを作成し、前記1つの第2長さ方向領域ごとに対応して、前記所定の印字とは異なる印字を備えた前記1つの第2ラベルを作成するように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御することを特徴とする。
【0021】
第2ラベルには第1ラベルとは異なる内容の印字を形成することにより、(余剰分として破棄するのではなく)第1ラベルとは異なる用途において別途活用することが可能となる(第2ラベルだけを第1ラベルとは別に分けて貯留しておき、まとめて他の用途に用いることも可能)。これにより、無駄のない、効率的なラベル作成を行うことができる。
【0022】
第6発明は、上記第5発明において、前記制御手段は、前記1つの第2長さ方向領域ごとに対応して、搬送方向に先行する前記第1ラベルの作成関連情報と搬送方向に後続する前記第1ラベルの作成関連情報とが印字された、1つの前記第2ラベルを作成するように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御することを特徴とする。
【0023】
前述したように、ラベル作成の際には、搬送方向に沿って、第1ラベルと第2ラベルとが交互に排出される。しかしながら第1ラベルと第2ラベルとは互いに分離した状態で排出されるので、例えば比較的多数の第1ラベルを一括して作成する場合等においては、第1ラベルと第2ラベルとが多数一度に排出され、各ラベルの作成順序が紛れてわかりにくくなる可能性がある。
【0024】
本願第6発明においては、先行の第1ラベル、第2ラベル(「先行第1ラベルの作成関連情報」「後続第1ラベルの作成関連情報」が印字)、後続の第1ラベル・・のように作成され、第1ラベル同士の中間に介在して排出される第2ラベルに、先行の第1ラベルと後続の第1ラベルの作成関連情報が印字されている。この結果、上記のようにして多数が排出された場合であっても、上記第2ラベルの印字を手がかりにすることで、先行の第1ラベル〜中間の第2ラベル〜後続の第1ラベルという作成順序を明確にすることができる。
【0025】
第7発明は、上記第5又は第6発明において、前記無線タグ回路素子と無線通信を介し情報送受信を行う通信手段を有することを特徴とする。
【0026】
通信手段を用いて無線タグ回路素子に対し情報の読み取り又は情報の書き込みを行うことができるので、(印字ラベル作成装置とは別に情報送受信用の無線タグ通信装置を用意しなくても)印字ラベル作成装置単独で、印字付きの無線タグラベルの作成を完了することができる。
【0027】
上記目的を達成するために、第8発明は、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた複数の無線タグ回路素子がテープ長手方向に所定間隔で配置されたタグテープを用いて、前記無線タグ回路素子を備えた複数の第1ラベルと、前記無線タグ回路素子を備えない複数の第2ラベルとを作成する印字ラベル作成装置と、前記印字ラベル作成装置で作成された前記第1ラベルに備えられた前記無線タグ回路素子に対し、無線通信を介して情報送受信を行う通信手段を備えた無線タグ通信装置とを有するタグラベル生成システムであって、前記印字ラベル作成装置は、前記タグテープを搬送するための搬送手段と、前記タグテープ、若しくは、前記タグテープに貼り合わされる被印字テープに対し、印字を行う印字手段と、前記タグテープを厚さ方向に切断するための切断手段と、前記タグテープのうち、前記無線タグ回路素子の配置位置に対応した第1長さ方向領域ごとに対応して、所定の印字を備えた1つの前記第1ラベルを作成し、前記タグテープのうち連続する2つの前記第1長さ方向領域に挟まれた1つの第2長さ方向領域ごとに対応して1つの前記第2ラベルを作成するように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0028】
本願第8発明においては、印字ラベル作成装置で印字ラベルを作成し、印字ラベルに備えられた無線タグ回路素子に無線タグ通信装置で情報送受信を行って、無線タグラベルを完成させる。
【0029】
印字ラベル作成装置でラベル作成のために用いるタグテープには、複数の無線タグ回路素子が所定間隔(固定ピッチ)でテープ長手方向に配置されている。印字ラベル作成装置の搬送手段でタグテープが搬送されると、このタグテープ(又はこれに貼り合わされる被印字テープ)に対し印字手段が所定の印字を行い、切断手段が(少なくとも)タグテープを切断することでラベルが作成される。このとき、印字ラベル作成装置の制御手段は、搬送手段、印字手段、切断手段を連携して制御することで、タグテープのうち各第1長さ方向領域ごとに対応して1つの第1ラベル(無線タグ回路素子を含み、所定の印字を備える)を作成する一方、タグテープのうち(第1長さ方向領域以外の)各第2長さ方向領域ごとに1つの第2ラベルを作成する。これにより、1枚の印字付き無線タグラベルを作成するごとに、第1ラベルと第2ラベルとの2つが互いに分離された状態でそれ排出される。第2ラベルは、(上述したように)その長さは、印字部分(タグラベル本体)である第1ラベルに比べ、それほどは短くならない。この結果、切断後の搬送・排出時において搬送経路から側方に逸脱し悪影響を及ぼすのを防止することができるので、印字ラベル作成装置の動作信頼性を向上することができる。この結果、システム全体において信頼性の高いラベル作成を行うことができる。
【0030】
第9発明は、上記第8発明において、前記印字ラベル作成装置の前記制御手段は、作成された前記第1ラベル及び前記第2ラベルが交互に排出されるように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御し、前記無線タグ通信装置の前記通信手段は、前記交互に排出される前記第1ラベル及び前記第2ラベルから選択された、前記第1ラベルに備えられた前記無線タグ回路素子に対し、無線通信を介して情報送受信を行うことを特徴とする。
【0031】
本願第9発明では、印字ラベル作成装置において、搬送方向に沿って、第1ラベル(印字あり)/第2ラベル(印字なし)/第1ラベル(印字あり)/第2ラベル(印字なし)・・のように交互に排出する。その中から第1ラベルを選択的に抽出して無線タグ通信装置へ供給することで、第1ラベルの無線タグ回路素子に情報送受信が行われ、無線タグラベルが完成される。印字ラベル作成装置において、第1ラベルと交互に排出される第2ラベルの長さは、前述のように第1ラベルに比べそれほどは短くならず、切断後の搬送・排出時において搬送経路から側方に逸脱し悪影響を及ぼすのを防止することができる。
【0032】
第10発明は、上記第8又は第9発明において、前記印字ラベル作成装置の前記制御手段は、第1長さ方向領域ごとに対応して、所定の印字を備えた前記1つの第1ラベルを作成し、前記1つの第2長さ方向領域ごとに対応して、前記所定の印字とは異なる印字を備えた前記1つの第2ラベルを作成するように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御することを特徴とする。
【0033】
第2ラベルには第1ラベルとは異なる内容の印字を形成することにより、(余剰分として破棄するのではなく)第1ラベルとは異なる用途において別途活用することが可能となる。第2ラベルだけを第1ラベルとは別に分けて貯留しておき、まとめて他の用途に用いることも可能である。これにより、無駄のない、効率的なラベル作成を行うことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、印字ラベル作成装置の動作信頼性を向上し、信頼性の高いラベル作成を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0036】
本発明の第1の実施形態を図1〜図19により説明する。本実施形態は、1台のタグラベル作成装置によって印字付きの無線タグラベルを作成する実施形態である。
【0037】
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置を備えた第1実施形態の無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【0038】
図1に示すこの無線タグ生成システムTSにおいて、タグラベル作成装置(印字ラベル作成装置)1は、有線あるいは無線による通信回線NWを介してルートサーバRS、複数の情報サーバIS、端末118a、及び汎用コンピュータ118bに接続されている。なお、端末118a及び汎用コンピュータ118bを総称して以下適宜、単に「PC118」と称する。
【0039】
図2は、上記タグラベル作成装置1の全体構造を表す斜視図である。図2において、タグラベル作成装置1は、上記PC118からの操作に基づき、装置内で印字付き無線タグラベルの作成を行うものである。タグラベル作成装置1は、外郭に略六面体(略立方体)形状の筐体200を有する装置本体2と、この装置本体2の上面(上部)に開閉可能に(又は着脱可能としてもよい)設けられた開閉蓋(蓋体)3とを有している。
【0040】
装置本体2の筐体200は、装置前方側(図2中、左手前側)に位置し、装置本体2内で作成された無線タグラベルT(後述)を外部に排出するラベル排出口(排出口)11を備えた前壁10と、この前壁10のうちラベル排出口11の下方に設けられ下端が回動可能に支持された前蓋12とを備えている。
【0041】
前蓋12は押部13を備えており、この押部13を上方より押し込むことで前蓋12が前方に開放されるようになっている。また、前壁10のうち開閉ボタン4の下方には、タグラベル作成装置1の電源のオン・オフを行う電源ボタン14が設けられている。この電源ボタン14の下方には、装置本体2内に配設された切断機構15を使用者の手動操作で駆動するためのカッタ駆動ボタン16が設けられ、このボタン16が押されることで印字済みタグラベル用テープ109(後述の図4参照)を所望の長さにカットして無線タグラベルTを作成するようになっている。
【0042】
開閉蓋3は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に軸支され、バネ等の付勢部材を介して常時開放方向に付勢されている。そして、装置本体2の上面に開閉蓋3に隣接するように配置された開閉ボタン4が押されることにより、開閉蓋3と装置本体2とのロックが解除され、上記付勢部材の作用により開放される。なお、開閉蓋3の中央側部には、透明カバーで覆われた透視窓5が設けられている。
【0043】
図3は、タグラベル作成装置1の内部の内部ユニット20の構造(但し後述するループアンテナLCは省略)を表す斜視図である。図3において、内部ユニット20は、概略的には、カートリッジ7を収納するカートリッジホルダ6と、いわゆるサーマルヘッドである印字ヘッド(印字手段)23を備えた印字機構21と、固定刃40及び可動刃41を備えた切断機構(切断手段)15とが設けられている。
【0044】
カートリッジ7の上面には、例えば、カートリッジ7内に内蔵されている基材テープ(タグテープ)101のテープ幅、テープの色等を表示するテープ特定表示部8が設けられている。また、カートリッジホルダ6には、ローラホルダ25が支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置(接触位置、後述の図4参照)とリリース位置(離反位置)とに切換可能とされている。このローラホルダ25には、プラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が回転可能に配設されており、ローラホルダ25が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が上記印字ヘッド23及びテープ送りローラ27に対し圧接されるようになっている。
【0045】
印字ヘッド23は多数の発熱素子を備えており、カートリッジホルダ6に立設されたヘッド取付部24に取り付けられている。
【0046】
切断機構15は、固定刃40と、金属部材で構成された可動刃41とを備えている。カッタモータ43(後述の図6参照)の駆動力が、カッターハスバギヤ42、ボス50、長孔49を介して可動刃41の柄部46に伝達されて可動刃が回転し、固定刃40とともにカット動作を行う。この切断状態は、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用により切り替わるマイクロスイッチ126により検出される。
【0047】
図4は、図3に示した内部ユニット20の構造を表す平面図である。図4において、上記カートリッジホルダ6は、カートリッジ7のテープ排出部30より排出されさらに上記ラベル排出口11から排出される印字済みタグラベル用テープ109の幅方向の向きが、鉛直上下方向となるようにカートリッジ7を収納する。
【0048】
また、内部ユニット20には、ラベル排出機構22と、ループアンテナLC(通信手段)とが設けられている。
【0049】
ラベル排出機構22は、切断機構15において切断された後の印字済みタグラベル用テープ109(言い換えれば無線タグラベルT、以下同様)をラベル排出口11(図2参照)より排出するものである。すなわちラベル排出機構22は、テープ排出モータ123(後述の図6参照)の駆動力により回転する駆動ローラ(搬送手段)51と、この駆動ローラ51に対して印字済みタグラベル用テープ109を挟んで対向する押圧ローラ52と、印字済みタグラベル用テープ109に設けられた識別子PM(後述の図5参照)を検出するマークセンサ127(検出手段)とを有している。このとき、上記ラベル排出口11の内側には、印字済みタグラベル用テープ109をラベル排出口11へ案内するための第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64が設けられている。第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64はそれぞれ一体に形成され、上記固定刃40と可動刃41とでカットされた印字済みタグラベル用テープ109(無線タグラベルT)の排出位置において、互いに所定の間隔を隔てられるように配置されている。
【0050】
ループアンテナLCは、押圧ローラ52をその径方向中心に位置させるようにしつつ当該押圧ローラ52の近傍に配置されており、磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他磁界を介して行われる非接触方式を含む)により上記基材テープ101(貼り合わせ後は印字済みタグラベル用テープ109、以下同様)に備えられる無線タグ回路素子Toに対し、無線通信を介しアクセス(情報読み取り又は情報書き込み)を行うようになっている。
【0051】
なお、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToのタグIDとそのIC回路部151から読みとられた情報(又はIC回路部151に書き込まれた情報)との対応関係は、前述のルートサーバRSに記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
【0052】
また、テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)108及びリボン巻取りローラ駆動軸107は、印字済みタグラベル用テープ109及びインクリボン105(後述)の搬送駆動力をそれぞれ与えるものであり、互いに連動して回転駆動される。
【0053】
図5は、上記カートリッジ7の詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。図5において、カートリッジ7は、筐体7Aと、この筐体7A内に配置され帯状の基材テープ101が巻回された第1ロール102(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム(被印字テープ)103が巻回された第2ロール104(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール211と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ7のテープ排出部30の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ27と、ガイドローラ112とを有する。
【0054】
テープ送りローラ27は、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済みタグラベル用テープ109としつつ、図5中矢印Aで示す方向にテープ送りを行う(=圧着ローラとしても機能する)。
【0055】
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図5中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図5中右側)よりその反対側(図5中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙101dの順序で積層され構成されている。
【0056】
ベースフィルム101bの裏側(図5中左側)には、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行うループアンテナ152(タグアンテナ)がこの例では一体的に設けられており、これに接続され情報を記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。
【0057】
ベースフィルム101bの表側(図5中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図5中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。
【0058】
なお、上記剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。また、この剥離紙101dの表面には、各無線タグ回路素子Toに対応した(及び後述のラベル印字領域PE1にも対応した)所定の位置(この例では、ループアンテナ152の搬送方向前方側先端よりさらに搬送方向前方側の位置)に、搬送制御用の所定の識別子(この例では黒塗りの識別子。あるいはレーザ加工等により基材テープ101を貫通する孔を穿孔する等でもよい。又はトムソン型での加工穴等でもよい)PMが予め設けられている。
【0059】
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール211及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に接触させられるようになっている。
【0060】
リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、それぞれカートリッジ7外に設けた例えばパルスモータである搬送用モータ119(図3及び後述の図6参照)の駆動力が図示しないギヤ機構を介し上記リボン巻取りローラ駆動軸107及びテープ送りローラ駆動軸108に伝達されることによって連動して回転駆動される。なお、上記印字ヘッド23は、テープ送りローラ27よりカバーフィルム103の搬送方向上流側に配置されている。
【0061】
上記構成において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、テープ送りローラ27へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されリボン供給側ロール211とリボン巻取りローラ106とにより駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されて当該カバーフィルム103の裏面に接触させられる。
【0062】
そして、カートリッジ7が上記カートリッジホルダ6に装着されロールホルダ25が上記リリース位置から上記印字位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ27と圧着ローラ28との間に狭持される。そして、搬送用モータ119の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が図5中矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記圧着ローラ28及びプラテンローラ26はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、圧着ローラ28及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ27へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、印刷駆動回路120(後述の図6参照)により印字ヘッド23の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に、貼り合わせ対象となる基材テープ101上の無線タグ回路素子Toに対応した印字R(後述の図8参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済みタグラベル用テープ109として形成され、テープ排出部30(図4参照)よりカートリッジ7外へと搬出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸107の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
【0063】
そして、上述のように貼り合わされて生成された印字済みタグラベル用テープ109に対し上記ループアンテナLCにより無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、自動的に(あるいは上記カッタ駆動ボタン16(図2参照)を操作することにより)切断機構15によって印字済みタグラベル用テープ109が切断され、無線タグラベルTが生成される。この無線タグラベルTは、その後さらに上記ラベル排出機構22によってラベル排出口11(図2、図4参照)から排出されるようになっている。
【0064】
図6は、第1実施形態のタグラベル作成装置1の制御系を表す機能ブロック図である。図6において、このタグラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路110が配置されている。
【0065】
制御回路110には、内部にタイマ111Aを備え各機器を制御するCPU111と、このCPU111にデータバス112を介して接続された入出力インターフェース113と、CGROM114と、ROM115,116と、RAM117とが設けられている。
【0066】
ROM116には、上記PC118からの操作入力信号に対応させて、印字バッファのデータを読み出して上記印字ヘッド23、搬送用モータ119、テープ排出モータ65を駆動する印字駆動制御プログラム、印字終了した場合に印字済みタグラベル用テープ109を切断位置まで搬送用モータ119を駆動して搬送し、上記カッタモータ43を駆動して印字済みタグラベル用テープ109を切断する切断駆動制御プログラム、切断された印字済みタグラベル用テープ109(=無線タグラベルT)をテープ排出モータ65を駆動してラベル排出口11から強制的に排出するテープ排出プログラム、無線タグ回路素子Toに対する問いかけ信号や書き込み信号などのアクセス情報を生成して送信回路306に出力する送信プログラム、受信回路307から入力された応答信号などを処理する受信プログラム、その他タグラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU111は、このようなROM116に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
【0067】
RAM117には、テキストメモリ117A、印字バッファ117B、パラメータ記憶エリア117E等が設けられている。テキストメモリ117Aには、PC118から入力された文書データが格納される。印字バッファ117Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納され、印字ヘッド23はこの印字バッファ117Bに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。パラメータ記憶エリア117Eには、各種演算データや、情報読み取り(取得)が行われた無線タグ回路素子To(前述)のタグ識別情報(タグID)等が記憶される。
【0068】
入出力インターフェース113には、PC118と、印字ヘッド23を駆動するための上記印刷駆動回路120と、搬送用モータ119を駆動するための搬送用モータ駆動回路121と、カッタモータ43を駆動するためのカッタモータ駆動回路122と、テープ排出モータ65を駆動するためのテープ排出モータ駆動回路123と、上記ループアンテナLCを介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(読取り/書込みを行う)ために、搬送波を発生させるとともに入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調した質問波(送信信号)を出力する送信回路306と、無線タグ回路素子Toから上記ループアンテナLCを介して受信された応答信号の復調を行い出力する受信回路307と、識別子PMを検出する上記マークセンサ127とが接続されている。
【0069】
このような制御回路110を核とする制御系において、PC118を介して文字データ等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ117Aに順次記憶されるとともに、印字ヘッド23が駆動回路120を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ117Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期して搬送用モータ119が駆動回路121を介してテープの搬送制御を行う。また、送信回路306が制御回路110からの制御信号に基づき搬送波の変調制御を行って上記質問波を出力するとともに、受信回路307は制御回路110からの制御信号に基づき復調した信号の処理を行う。
【0070】
図7は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図7において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにタグラベル作成装置1のループアンテナLCと無線通信若しくは電磁誘導により非接触で信号の送受信を行う上記タグアンテナ152と、このタグアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
【0071】
IC回路部151は、タグアンテナ152により受信された質問波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記タグアンテナ152により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記タグアンテナ152に接続された変復調部158と、上記メモリ部157、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0072】
変復調部158は、タグアンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置1のループアンテナLCからの質問波の復調を行い、また、上記制御部155からの返信信号を変調し、タグアンテナ152より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
【0073】
クロック抽出部156は、受信した信号からクロック成分を抽出し、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部155に供給する。
【0074】
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部158により上記タグアンテナ152から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0075】
上記構成のタグラベル作成装置1では、貼り合わされて生成された印字済みタグラベル用テープ109に対しループアンテナLCにより無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、切断機構15によって印字済みタグラベル用テープ109が切断されることで、無線タグラベルTを生成することができる。この際、本実施形態の最大の特徴として、無線タグ回路素子Toを備えた第1ラベルとしての無線タグラベルTと、無線タグ回路素子Toを備えない第2ラベルとしての前後情報ラベルTi(詳細は後述)とが、上記タグラベル作成装置1による一度の作成動作により1組の対となって作成されるようになっている。以下、このような作成動作の詳細について、順を追って詳細に説明する。
【0076】
図8(a)及び図8(b)は、上記タグラベル作成装置1により無線タグ回路素子Toの情報書き込み(又は読み取り)及び印字済みタグラベル用テープ109の切断が完了し形成された上記無線タグラベルTと、それと対になり作成された上記前後情報ラベルTiとの外観の一例を表す図である。図8(a)は上面図、図8(b)は下面図である。また図9(a)は図8中IXA−IXA′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図であり、図9(b)は図8中IXB−IXB′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図である。なお、図8(a)及び図8(b)中における右側から左側に向かう方向が、上記タグラベル作成装置1内の搬送方向に対応する(後述の図11、図12、図13、図14においても同様とする)。
【0077】
これら図8(a)、図8(b)、図9(a)、及び図9(b)において、前述したように、無線タグラベルT及び前後情報ラベルTiは、上記タグラベル作成装置1による一度の作成動作により1組の対となって作成される。この際には、搬送方向に沿って、前後情報ラベルTiの次に無線タグラベルTとなるような順で作成される。無線タグラベルT及び前後情報ラベルTiは、それぞれ前述したように図5に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図9中上側)よりその反対側(図9中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。
【0078】
そして、無線タグラベルTにおいては、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたループアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toがベースフィルム101b及び粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に無線タグ回路素子Toの記憶情報等に対応したラベル印字R(この例ではアルファベットの文字列「FGHIJ」の文字)が印刷されている。無線タグラベルTにおいて、このラベル印字Rが印刷されている無線タグラベルTの長手方向全体(搬送方向上流側の後端etから搬送方向下流側先端ftまで)の領域が、ラベル印字領域PEとなる。なお、無線タグラベルTのうち、このラベル印字領域PEを構成する上記タグテープ101の部分(粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び剥離紙101d)が、各請求項記載の(1つの)第1長さ方向領域を構成する。また、ラベル印字領域PEを構成する上記カバーフィルム103の部分が、第1被印字領域を構成する。
【0079】
また、前後情報ラベルTiにおいては、テープ搬送方向上流側の後端et1からテープ搬送方向下流側の先端ft1側に向かって所定距離X1だけ離間する位置に、ピッチ基準線Lp(詳しく後述する)が設定されている。そしてこのピッチ基準線Lpを境に、テープ搬送方向上流側の領域が前余白領域PE1となり、ピッチ基準線Lpよりもテープ搬送方向下流側の領域が後余白領域PE2となっている。なお、前後情報ラベルTiのうち、前余白領域PE1及び後余白領域PE2を合わせた領域を構成する上記タグテープ101の部分(粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び剥離紙101d)が、各請求項記載の(1つの)第2長さ方向領域を構成する。また、前余白領域PE1及び後余白領域PE2を合わせた領域を構成する上記カバーフィルム103の部分が、第2被印字領域を構成する。
【0080】
ここで、タグラベル作成装置1では、既に述べたように1組の基材テープ101及びカバーフィルム103を用い、これらを貼り合わせた印字済みタグラベル用テープ109によって複数の無線タグラベルTを順次作成するものである。本実施形態では、この順次作成するときに、各前後情報ラベルTiの前余白領域PE1に位置するカバーフィルム103には、当該前後情報ラベルTiよりテープ搬送方向で後続する無線タグラベルTの作成関連情報に対応した後続情報印字R1が印字される。また、各前後情報ラベルTiの後余白領域PE2には、当該前後情報ラベルTiよりテープ搬送方向で先行して作成済みとなっている無線タグラベルT(この図8中では特に図示せず)の作成関連情報に対応した先行情報印字R2が印字される。
【0081】
本実施形態では、これら前余白領域PE1の後続情報印字R1と、後余白領域PE2の先行情報印字R2は、それぞれ対応する無線タグラベルTの印字Rの内容(図示する例では、後続情報印字R1でアルファベット文字列「FGHIJ」、先行情報印字R2でアルファベット文字列「ABCDE」)と、作成された日時情報とが、作成関連情報として印字されている。
【0082】
なお、後続情報印字R1と先行情報印字R2の文章は、図8に示すように英語等であってもよいし、日本語等他の言語でもよい。また、それら情報印字R1,R2が表記する付加的情報をより際立たせるために、情報印字R1,R2又はその周囲領域に、所定の線、色、模様、図像のうち少なくとも1つの付加又は変更を含む装飾を施した印字を行っても良い。
【0083】
一方、図8(a)において、無線タグラベルTのテープ搬送方向長さXは、ラベル印字Rの内容や態様(例えば文字数、フォント等)に応じて可変に設定される。また、前余白領域PE1のテープ長手方向における寸法(前後情報ラベルTiのテープ搬送方向後端et1からピッチ基準線Lpまでの距離)X1は、予め所定の値に(この例では固定的に)設定されている。また、後余白領域PE2のテープ長手方向における寸法(前後情報ラベルTiのテープ搬送方向前端ft1からピッチ基準線Lpまでの距離)X2は、上記無線タグラベルTのテープ搬送方向長さXの長短に応じて、短くあるいは長く変化する。なお、後述するように後余白領域PE2を全く設けず(つまりX2=0)、前後情報ラベルが前余白領域R1だけで構成する場合があるようにしてもよい。
【0084】
また、前後情報ラベルTiの剥離紙101dには、上記基準ピッチ線Lpよりテープ搬送方向上流側の近傍位置に前述の識別子PMが設けられている。
【0085】
図10は、上述したようなタグラベル作成装置1による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)に際して、上記PC118(端末118a又は汎用コンピュータ118b)に表示される画面の一例を表す図である。
【0086】
図10において、この例では、タグラベルの種別(アクセス周波数及びテープ寸法)、無線タグ回路素子Toに対応して印刷されたラベル印字R、その無線タグ回路素子Toに固有の識別情報(タグID)であるアクセス(読み取り又は書き込み)ID、上記情報サーバISに記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバRSにおけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が上記PC118に表示可能となっている。そして、そのPC118の操作によりタグタグラベル作成装置1が作動されて、カバーフィルム103に上記ラベル印字Rが印刷されるとともに、IC回路部151に上記書き込みIDや物品情報等の情報が書き込まれる(又はIC回路部151に予め記憶された読み取りIDや物品情報等の情報が読みとられる)。
【0087】
なお、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToのタグIDとその無線タグラベルTのIC回路部151から読みとられた情報(又はIC回路部151に書き込まれた情報)との対応関係は、前述のルートサーバRSに記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
【0088】
上記したように、タグラベル作成装置1においては、貼り合わされて生成された印字済みタグラベル用テープ109に対しループアンテナLCにより無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、切断機構15によって印字済みタグラベル用テープ109が切断されて、無線タグラベルTが生成される。以下、その搬送位置に応じた制御の挙動を図11〜図14を用いて説明する。なお、ラベル印字Rが長いか短いかに応じて無線タグラベルTのテープ搬送法光後端側の本切断位置を可変に制御するが、本実施形態では、ラベル印字Rが比較的長い場合を例にとって説明する。
【0089】
まず、図11は、切断しない状態の印字済みタグラベル用テープ109において各寸法設定を説明する図である。なお、この例では、比較的長い文字(アルファベット文字「ABCDEFGHIJKLMN」)を印字した無線タグラベルTを作成する場合を例にとって示している。
【0090】
この図11において、印字済みタグラベル用テープ109には、テープ搬送方向に沿ってピッチ基準線Lp、識別子PM、及び無線タグ回路素子Toが互いに同じピッチ間隔Pで周期的に配置されている。つまり、ピッチ間隔Pで等間隔に配置されている複数のピッチ基準線Lpをそれぞれ基準として、対応する識別子PMと無線タグ回路素子Toが同じ相対的位置に配置されている。
【0091】
前述したように、前余白領域PE1のテープ搬送方向長さX1は固定長に設定されており、つまりピッチ基準線Lpからテープ搬送方向下流側にX1だけ離間した位置(図8における後端et1に相当)が、前後情報ラベルTiとこれに後続する無線タグラベルTとの境界となり、この位置が、切断機構15により切断される前切断位置(前切断線CLf)となる。そして、前述したように、無線タグラベルTのテープ搬送方向長さXは、ラベル印字Rの内容や態様(例えば文字数、フォント等)に応じて可変に設定され、当該無線タグラベルTのテープ搬送方向下流側の後端(図8における後端etに相当)が、無線タグラベルTとこれに後続する前後情報ラベルTiとの境界となり、この位置が、切断機構15によって切断される本切断位置(本切断線CLr)となる。そしてこの本切断線CLrから後続の前後情報ラベルTiのピッチ基準線Lpまでの距離が、後余白領域PE2のテープ搬送方向長さX2となる。
【0092】
上述したように隣り合う2本のピッチ基準線Lpどうしの間のピッチ間隔Pは一定であるため、X1+X+X2=Pの関係が成り立つ。そして、前後情報ラベルTiの長さは、先行して作成済みの無線タグラベルT(図11中に図示せず)に対応する後余白領域PE2の長さX2と、その後続の無線タグラベルTに対応する前余白領域PE1の長さX1とを合わせた長さ(図中左側に位置するX2+X1)となる。
【0093】
そして、本実施形態では、前余白領域PE1の長さX1が比較的長い固定長で設定されており、この結果、タグラベル作成装置1の上記切断機構15よりテープ搬送方向下流側において、前後情報ラベルTiだけでも確実に駆動ローラ51と押圧ローラ52に挟持されてラベル排出経路から外れることなく確実に装置外へ排出されるようになっている(図4等参照)。
【0094】
また、本実施形態では、識別子PMのテープ搬送方向先端とこれに対しオフセットされる無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向先端までの距離が所定値Lとして設定され(後述の図12参照)、さらに、ピッチ基準線Lpから無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向後端までの距離が所定値Yとして設定されている。無線タグラベルの長さXは、この所定値Y以上に長くなるよう設定される。
【0095】
図12(a)〜(l)はそれぞれ、連続的に繰り出される印字済みタグラベル用テープ109の識別子PM、無線タグ回路素子To、ラベル印字Rの印字領域Sと、ループアンテナLC、マークセンサ127、切断機構15、印字ヘッド23との位置関係を表す説明図である。なお、図示のように、本実施形態では、基材テープ101において、識別子PMのテープ搬送方向先端位置から無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向先端までの上記距離Lが、マークセンサ127と印字ヘッド23との間のテープ搬送方向距離Loに等しくなるように、予め設定されている。また、図示の煩雑を避けるために、後続情報印字R1及び先行情報印字R2は点線で略記している。
【0096】
まず、図12(a)は、カートリッジ7から印字済みタグラベル用テープ109の繰り出しが開始された直後の状態を表している。図示の状態では、後余白領域PE2に既に先行情報印字R2(前回作成した図示しない無線タグラベルTの作成関連情報に対応した印字)が印字されており、また識別子PMはマークセンサ127によって検出されていない。
【0097】
この状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送(言い換えれば基材テープ101及びカバーフィルム103の搬送。以下同様)が進むと、後続情報印字R1を印字させる領域のテープ搬送方向先端付近が印字ヘッド23の位置に到達し(図12(b))、カバーフィルム103に後続情報印字R1(今回作成する無線タグラベルTの作成関連情報に対応する印字)の印刷が開始される(図12(c))。
【0098】
後続情報印字R1の印刷が終了してさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むと、無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向先端付近が印字ヘッド23の位置に到達する(図12(d))。ここで、前述のように、L=Loとなっていることから、印字済みタグラベル用テープ109の移動により識別子PMの先端がマークセンサ127の位置に到達したとき、カバーフィルム103の無線タグ回路素子Toに対応する位置(基材テープ101の無線タグ回路素子To位置と貼り合わされることとなる位置)が、印字ヘッド23の位置に到達する。これに対応し、識別子PMがマークセンサ127で検出されると、カバーフィルム103にラベル印字Rの印刷が開始される(図12(e)参照)。この例では、ラベル印字Rとして、後述の図12(j)〜図12(l)に示すように、比較的長い文字(アルファベット文字「ABCDEFGHIJKLMN」)を印字する場合を例にとっている。
【0099】
上記図12(e)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むと、予め設定された前切断線CLfの位置(前述したように、テープ先端から距離(X2+X1)の位置で、ピッチ基準線Lpから距離X1の位置。図11参照)が、切断機構15の位置に到達する(図12(f))。この状態では前述のように既にマークセンサ127によって識別子PMを検出した後であるため、この位置に来たことの検出は、前述の図12(d)の状態(識別子PM検出開始状態)から印字済みタグラベル用テープ109が所定距離だけ進んだことを検知することによって行う。この検出に対応して、印字済みタグラベル用テープ109の搬送を停止し、切断機構15によって前切断線CLfを切断し、前後情報ラベルTiを分断形成する。
【0100】
その後、搬送を再開することで、上記図12(f)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むとともに、ラベル状に生成された前後情報ラベルTiがタグラベル作成装置1外へと排出される(図12(g);前後情報ラベルTiは図示せず)。
【0101】
ここで、前述したように、前余白領域PE1の長さX1が比較的長く設定されているため、それ以上に長く(X1+X2)形成される前後情報ラベルTiも、タグラベル装置1の排出経路から外れることなく確実に駆動ローラ51と押圧ローラ52に挟持搬送されて装置外へ排出される。
【0102】
そして、上記図12(g)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むと、無線タグ回路素子ToがループアンテナLCの位置に到達する(図12(h))。このとき、この例ではラベル印字Rとして前述のように比較的長い文字(「ABCDEFGHIJKLMN」)の印刷を行っていることから、この時点ではまだラベル印字Rの印刷が終了していない。このため、印字済みタグラベル用テープ109の搬送及び印刷を一旦停止(中断)させて、その搬送停止状態でループアンテナLCより無線タグ回路素子Toとの無線通信を行う。その後、搬送及び印刷を再開し(図12(i))、最終的にすべての(「ABCDEFGHIJKLMN」)の印刷を完了させる(図12(j))。
【0103】
上記図12(j)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むと、先行情報印字R2を印字させる領域のテープ搬送方向先端付近が印字ヘッド23の位置に到達し(図12(k)参照)、カバーフィルム103に先行情報印字R2(今回作成する無線タグラベルTの作成関連情報に対応する印字)の印刷が開始される。この位置に来たことの検出は、上記前切断線CLfの位置検出と同様、図12(d)の状態から印字済みタグラベル用テープ109が所定距離だけ進んだことを検知することによって行えば足りる。
【0104】
上記図12(k)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むと、ラベル印字Rの長さに対応して可変に設定された各無線タグラベルTのテープ長手方向寸法Xに対応した本切断線CLrの位置が、切断機構15の位置に到達する(なおこの段階では、上記先行情報印字R2の印刷は完了している)。この位置に来たことの検出も、上記同様、図12(d)の状態から印字済みタグラベル用テープ109が所定距離だけ進んだことを検知することによって行えばよい。この検出に対応して、印字済みタグラベル用テープ109の搬送を停止し、切断機構15によって本切断線CLrにおいて切断を行い(図12(l))、印字済みタグラベル用テープ109の先端側を切り離して無線タグラベルTとする。
【0105】
図13は、上記のようにして完成した前後情報ラベルTi及び無線タグラベルTの例を表す図であり、前述した図11の印字済みタグラベル用テープ109を分断したものにほぼ相当する図である。図13は、事前に1枚以上の無線タグラベルTを作成し、その後に作成した2枚目以降の無線タグラベルTの例を表している。なお、中央に示している無線タグラベルTは、左側に示している前後情報ラベルTiと組み合わせた対となって生成される。参照として右側に示した前後情報ラベルTiは、その次に作成される無線タグラベルT(特に図示せず)とともに生成される。
【0106】
このようにして、本実施形態のタグラベル作成装置1は、前後情報ラベルTiと無線タグラベルTが交互に生成、排出されるように制御する。そして、左側に示す前後情報ラベルTiのうちピッチ基準線Lpよりテープ搬送方向下流側の後余白領域PE2には、先行情報印字R2として前回に作成した無線タグラベルT(特に図示せず)のラベル印字Rの内容(図示する例では「0123456789」)と作成された日時が印字されている(拡大図XIIIa参照)。また、同じ前後情報ラベルTiのうちピッチ基準線Lpより上流側の前余白領域PE1には、後続情報印字R1として併せて作成した無線タグラベルTのラベル印字Rの内容(図示する例では「ABCDEFGHIJKLMN」)と作成された日時が印字されている(拡大図XIIIb参照)。この前後情報ラベルTiの情報印字R1,R2を参照することで、その前後に作成された2つの無線タグラベルTの先後関係を明確に把握することができる。
【0107】
また、その次に作成される前後情報ラベルTi(図中右側のもの)には、先行情報印字R2としてラベル印字Rの内容「ABCDEFGHIJKLMN」と作成日時が印字され(拡大図XIIIc参照)、後続情報印字R1として「abcdefghijklmnop」(図示しない次回作成の無線タグラベルTのラベル印字R)とその作成日時が印字される(拡大図XIIId参照)。この前後情報ラベルTiによっても、同様に前後に作成した2つの無線タグラベルTの先後関係が明確となる。
【0108】
また、前述したように、ピッチ基準線Lpは固定長のピッチ間隔Pで設けられており、このピッチ間隔P内で固定長の前余白領域PE1(長さX1)と、無線タグラベルT(長さX)と、後余白領域PE2(長さX2)が収まるように配置される。そして、無線タグラベルTのテープ搬送方向長さXは、印字するラベル印字Rの内容や態様(例えば文字数、フォント数)に応じて可変に設定されるものであり、1区間のピッチ間隔Pから前余白領域PE1と無線タグラベルTの占有領域を差し引いた残りの領域が後余白領域PE2となる。
【0109】
したがって、図14に示すように、無線タグラベルTのラベル印字Rが最も長く印字(図示する例では「ABCDEFGHIJKLMNOPQ」)される場合には、次に作成される前後情報ラベルTiには後余白領域PE2がなくなる(長さX2=0)ことになり、この場合には先行情報印字R2の印字が省略される(また長さX2=0でなくとも、先行情報印字R2の印字に足りない場合でも省略してもよい)。なお、このように前後情報ラベルTiが前余白領域PE1のみで構成する場合でも、当該前余白領域PE1の長さX1は、タグラベル装置1の排出経路から外れることなく確実に駆動ローラ51と押圧ローラ52に挟持搬送されて排出されるだけの十分な長さに設定されるため、確実に装置外へ排出される。
【0110】
図15は、このような制御を行うために上記制御回路110によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0111】
この図15において、上記PC118を介しタグラベル作成装置1による所定の無線タグラベル作成操作が行われるとこのフローが開始される。まずステップS100で、上記PC118からの操作信号を(通信回線NW及び入出力インターフェース113を介して)入力しこの操作信号に基づき印刷データや無線タグ回路素子Toとの通信データの設定等を行う準備処理(詳細は後述の図16参照)を実行する。
【0112】
その後、ステップS5に移り、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ121の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。さらに、テープ排出モータ駆動回路123を介してテープ排出モータ65に制御信号を出力し、駆動ローラ51を回転駆動させる。これらにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出されテープ送りローラ27へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出され、これら基材テープ101とカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及びサブローラ109により接着されて一体化されて印字済タグラベル用テープ109として形成され、カートリッジ7外方向からさらにタグラベル作成装置1外方向へと搬送される。
【0113】
その後、ステップS10において、印字済タグラベル用テープ109が、前余白領域PE1における後続情報印字R1の印刷開始位置(以下適宜、前余白印刷開始位置という)まで搬送されたかどうか(言い換えれば後続情報印字R1の印刷開始位置に印字ヘッド23に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか;図12(b)参照)を判定する。このときの判定は、例えば、前回の無線タグラベルTの作成時において基材テープ101の識別子PMを検出した後からテープ搬送した距離(前回から引き続き記憶保持しておく)を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。前余白印刷開始位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS15に移る。
【0114】
ステップS15では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した前余白領域PE1に、ステップS100で生成した印刷データに対応した文字、記号、バーコード等の後続情報印字R1の印刷を開始する(図12(c)参照)。なお、この後続情報印字R1の印刷は、対応する印刷データ分の印刷が終わり次第自動的に終了する。
【0115】
その後、ステップS20において、入出力インターフェース113を介し入力されたマーク検出センサ127の検出信号に基づき、印字済タグラベル用テープ109の上記識別子PMが検出されたかどうか、すなわち印字済みタグラベル用テープ109が、ラベル印字領域PEにおけるラベル印字Rの印刷開始位置(以下適宜、本印刷開始位置という)まで搬送されたかどうか(言い換えればラベル印字Rの印刷開始位置に印字ヘッド23に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか;図12(d)参照)を判定する。識別子PMが検出されるまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、検出されたら判定が満たされて次のステップS25に移る。
【0116】
ステップS25では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述したラベル印字領域PEに、ステップS100で生成した印刷データに対応した文字、記号、バーコード等のラベル印字Rの印刷を開始する(図12(e)参照)。
【0117】
その後、ステップS30において、印字済タグラベル用テープ109が前述した前切断位置まで搬送されたかどうか(言い換えれば切断機構15の可動刃41がステップS100で設定した前切断線CLfに正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定は、例えば、上記ステップS20において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。前切断位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS35に移る。
【0118】
ステップS35では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止する。これにより、カートリッジ7から繰り出された印字済タグラベル用テープ109が排出方向に移動する過程で、ステップS100で設定した前切断線CLfに切断機構15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。またこのとき、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120にも制御信号を出力し、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(印刷中断)する。
【0119】
その後、ステップS40で、入出力インターフェース113を介しカッタモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッタモータ43を駆動し、可動刃41を回動させて、印字済タグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び剥離紙101dをすべて前切断線CLfで切断(分断)する前切断処理を行う(図12(f)参照)。この切断機構15による分断によって、印字済みタグラベル用テープ109から切り離され、前後に作成された(作成される)2つの無線タグラベルT,Tの作成関連情報がそれぞれ印字された前後情報ラベルTiが生成される。
【0120】
そして、ステップS45に移り、上記ステップS5と同様にしてテープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、ステップS25と同様にして印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。また、テープ搬送が再開されることにより、上記ステップS40で(印字済みタグラベル用テープ109から分離され)ラベル状に生成された前後情報ラベルTiが、ラベル排出口11へ向かって搬送され、ラベル排出口11からタグラベル作成装置1外へと排出される。
【0121】
その後、ステップS200へ移り、印字ラベル作成処理を行う。すなわち、無線タグ回路素子Toの通信位置(無線タグ回路素子ToがループアンテナLCと正対する位置)まで搬送したら搬送及び印字を停止して情報送受信を行い(図12(h)参照)、その後搬送及び印字を再開して印字を完了させ(図12(i)及び図12(j)参照)、さらに次の前後情報ラベルTiにおける先行情報印字R2の印刷を行う(後述の図17参照)。
【0122】
次に、ステップS50に移り(なおこの時点でステップS200において印字済みタグラベル用テープ109の搬送が再開されている)、印字済タグラベル用テープ109が前述した本切断位置まで搬送されたかどうか(言い換えれば切断機構15の可動刃41がステップS100で設定した本切断線CLrに正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS20において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。本切断位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS55に移る。
【0123】
ステップS55では、上記ステップS35と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済タグラベル用テープ109の搬送を停止する。これにより、ステップS100で設定した本切断線CLrに切断機構15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。
【0124】
その後、ステップS55でカッタモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッタモータ43を駆動し、切断機構15の可動刃41を回動させて、印字済タグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び剥離紙101dをすべて本切断線CLrで切断(分断)する本切断処理を行う(図12(l)参照)。この切断機構15による分断によって印字済みタグラベル用テープ109から切り離され、無線タグ回路素子Toの無線タグ情報が読み取られかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される。
【0125】
その後、ステップS65に移り、入出力インターフェース31を介してテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、テープ排出モータ65の駆動を再開して、駆動ローラ51を回転させる。これにより、駆動ローラ51による搬送が再開されて上記ステップS55でラベル状に生成された無線タグラベルTがラベル排出口11へ向かって搬送され、ラベル排出口11からタグラベル作成装置1外へと排出し、このフローを終了する。
【0126】
図16は、上述したステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。図16に示すフローにおいて、まずステップS105で、入出力インターフェース113を介し、PC118から入力操作された操作信号を入力(識別)する。この操作信号には、例えば操作者が指定したラベル印字R(前回印字分と今回印字分の2つ)の文字・図柄・模様等やそのフォント(字体、大きさ、太さ等)あるいは文字や数字等のキャラクタのコードデータなどの印刷情報や作成日時などが含まれ、無線タグ回路素子Toへ情報書き込みを行う場合には、当該書き込み情報(少なくとも識別情報としてのタグIDを含む無線タグ情報)も含まれる。また、カートリッジホルダ6に装着されたカートリッジ7の種類に関する情報(言い換えれば、基材テープ101内における無線タグ回路素子の配置間隔、基材テープ101のテープ幅等のタグ属性情報)も併せて含まれる。
【0127】
なお、このカートリッジ情報については、カートリッジ7に別途設けた被検出部(例えば凹凸形状等の識別子)を適宜の検出手段(メカニカルスイッチ等の機械的検出を行うものや、光学的検出を行うセンサ、磁気的検出を行うセンサ等)で検出し、この検出信号に基づきカートリッジ7の種類を自動的に検出・検索するようにしてもよい。
【0128】
その後、ステップS110に移り、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、上記印刷情報に対応した印刷データ(ラベル印字R、後続情報印字R1、先行情報印字R2)を作成する。
【0129】
そして、ステップS115において、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、上記書き込み情報に対応した通信データを作成する。なお上述したように、無線タグ回路素子Toへ情報書き込みを行って無線タグラベルTを作成する場合にはこの手順を実行するが、無線タグ回路素子Toに予め記憶された情報の読み取りのみを行って(情報書き込みを行わず)無線タグラベルTを作成する場合には、この手順は省略してもよい。
【0130】
その後、ステップS120に移り、上述した前切断線CLfの位置を設定する。この設定は、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、上記カートリッジ情報に対応した前切断線CLfのテープ上の位置を設定する。すなわち、カートリッジ7の種類によって前述したように基材テープ101内における無線タグ回路素子Toのピッチ間隔P(言い換えればピッチ基準線Lpとピッチ基準線Lpとの距離)が一意的に決まり、また前切断線CLfの位置は(本切断線CLrとは異なり)ラベル印字Rの内容によらず印字済みタグラベル用テープ109先端(又は識別子PMの先端)から一定の位置に予め決められている(例えばテーブルの形で制御回路110の適宜の箇所に記憶されている)。この手順では、このような前提のもと、上記前切断線CLfの位置をカートリッジ7ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
【0131】
そして、ステップS125において、上述した無線タグ回路素子Toによるテープ上の通信位置を設定する。この設定も、上記ステップS120と同様、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ7の種類によって無線タグ回路素子Toの種類(大きさ)及び配置位置は印字済みタグラベル用テープ109先端から一定の位置に予め決められている前提のもと、上記無線タグ回路素子Toの印字済みタグラベル用テープ109における配置位置を、カートリッジ7ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
【0132】
その後、ステップS130に移り、上記ステップS110で作成された印刷データに基づき、ラベル印字Rの印刷が終了するテープ上の位置(以下適宜、本印刷終了位置という)を算出する。すなわち、ラベル印字Rの内容によって変化し、印字長さが長くなる場合には印刷終了位置はラベル後端部側に(相対的に)近くなり、印字長さが短い場合には印刷終了位置はラベル前端部側に(相対的に)近くなる。
【0133】
そして、ステップS135において、上述した本切断線CLrの位置を設定する。この設定は、上記ステップS105で入力された操作信号と、上記ステップS130で算出された印刷終了位置とに基づき、上記カートリッジ情報に対応した本切断線CLrのテープ上の位置を設定する。すなわち、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ7の種類によって印刷終了位置から本切断線CLrまでの距離は一定に予め決められている前提のもと、上記ステップS130で算出された印刷終了位置に対し当該定められた距離を加える(間に介在させる)形で、テープ上の本切断線CLrの位置を算出する。
【0134】
その後、ステップS140に移り、印字済みタグラベル用テープ109のピッチ基準線Lpの位置を設定する。この設定も、上記ステップS120と同様、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ7の種類によってラベル大きさは一定に予め決められている前提のもと、印字済みタグラベル用テープ109のピッチ基準線Lpの位置をカートリッジ7ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
【0135】
そして、ステップS145において、上述した無線タグ回路素子Toのテープ上の後端位置を設定する。この設定も、上記と同様、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ7の種類によって無線タグ回路素子Toの種類(大きさ)及び配置位置は予め決められている前提のもと、上記無線タグ回路素子Toの印字済みタグラベル用テープ109における後端位置を、カートリッジ7ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
【0136】
そして、ステップS150に移り、ステップS135で設定した本切断線CLrの位置(本切断位置)が、ステップS145の無線タグ回路素子Toの後端位置よりもラベル後端側であるかどうかを判定する。本切断線CLrの位置がラベル後端側に設定されていれば判定が満たされ、ステップS165に移る。
【0137】
本切断線CLrの位置が無線タグ回路素子Toの後端位置よりもラベル前端側に設定されていた場合、判定が満たされず、ステップS155に移る。ステップS155では、このままでは無線タグ回路素子Toの一部を切断してしまう可能性があることから、これを回避するために、本切断線CLrの位置が無線タグ回路素子Toの後端位置よりもラベル後端側となるように位置修正を行い(再設定)、ステップS165に移る。
【0138】
ステップS165では、後続情報印字R1及び先行情報印字R2の印刷位置を設定する。この設定も、前述と同様、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ7の種類によってラベル大きさは一定に予め決められている前提のもと、例えば印字済みタグラベル用テープ109のピッチ基準線Lpの位置を基準として、後続情報印字R1及び先行情報印字R2のそれぞれの印刷を実行する位置をカートリッジ7ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。なお、上記14に示したように先行情報印字R2を印刷する後余白領域PE2が不足する場合には、先行情報印字R2の印刷位置の設定を省略することになる。
【0139】
その後、ステップS170において、後述のループアンテナLCから無線タグ回路素子Toへ通信を行う際、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合に通信再試行(リトライ)を行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数M,Nを0に初期化設定し、このルーチンを終了する。
【0140】
図17は、上述したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。図17に示すフローにおいて、まずステップS210で、印字済タグラベル用テープ109が前述したループアンテナLCとの通信位置まで搬送されたかどうか(言い換えれば上記ステップS125で設定した、ループアンテナLCが無線タグ回路素子To位置と略正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか;図12(h)参照)を判定する。このときの判定も、前述した図15のステップS30と同様、例えば、上記ステップS20において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。通信位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS220に移る。
【0141】
ステップS220では、上記ステップS35と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止し、無線タグ回路素子ToにループアンテナLCが略正対した状態で印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。また、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(中断)する(図12(i)参照)。
【0142】
その後、ステップS400に移り、アンテナLCと無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行い、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し図16の上記ステップS115で作成した情報を書き込む(又はIC回路部に予め記憶されていた情報を読み取る)情報送受信処理を行う(詳細は後述の図18参照)。
【0143】
次に、ステップS230へ移り、図15のステップS45と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
【0144】
その後、ステップS240に移り、印字済タグラベル用テープ109が前述した本印刷終了位置(上記図16のステップS130で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS20において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS250に移る。
【0145】
ステップS250では、上記図15のステップS35と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、所定の印字領域に対するラベル印字Rの印刷が完了する(図12(j)参照)。
【0146】
その後、ステップS500に移り、後余白領域PE2の長さX2が十分に長い場合にだけ後余白領域PE2に対応する位置に先行情報印字R2の印刷を行う後余白印刷処理を実行し(詳細は後述の図19参照)、このルーチンを終了する。
【0147】
図18は、上述したステップS400の詳細手順を表すフローチャートである。なおこの例では、前述の情報書き込み及び情報読み取りのうち、情報書き込みを例にとって説明する。
【0148】
図18において、まずステップS410で、入出力インターフェース113を介し前述の送信回路306に制御信号を出力し、タグID読み取りコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ラベル作成用無線タグ回路素子Toの記憶されたID情報を取得するための質問波(この例では問合せ信号としての上記タグID読取コマンド信号)を生成する。そして、このタグID読み取りコマンド信号を、ループアンテナLCを介して書き込み対象のラベル作成用無線タグ回路素子Toに送信する。これにより、ラベル作成用無線タグ回路素子Toの上記メモリ部157が初期化される。
【0149】
その後、ステップS415において、上記タグID読取コマンド信号に対応して書き込み対象のラベル作成用無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(タグIDを含む)を、ループアンテナLCを介して受信し、受信回路307及び入出力インターフェース113を介し取り込む。
【0150】
次に、ステップS420において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該ラベル作成用無線タグ回路素子ToのタグIDが正常に読み取れたか否かを判定する。
【0151】
判定が満たされない場合はステップS425に移ってMに1を加え、さらにステップS430においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS410に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS435に移り、エラー表示信号を入出力インターフェース113を介し上記PC118へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。
【0152】
ステップS420の判定が満たされた場合、ステップS440に移り、入出力インターフェース113を介し送信回路306に制御信号を出力し、Writeコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ステップS415にて読み取ったタグIDを指定し当該ラベル作成用無線タグ回路素子Toのメモリ部157に所望のデータを書き込むための質問波(この例では上記Writeコマンド信号)を生成する。そして、このWriteコマンド信号を、ループアンテナLCを介して情報書き込み対象のラベル作成用無線タグ回路素子Toに送信し、情報を書き込む。
【0153】
その後、ステップS445において、入出力インターフェース113を介し送信回路306に制御信号を出力し、Readコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ステップS415にて読み取ったタグIDを指定し当該ラベル作成用無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記録されたデータを読み出すための質問波(この例では上記Readコマンド信号)を生成する。そして、このReadコマンド信号をループアンテナLCを介して情報書き込み対象のラベル作成用無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
【0154】
その後ステップS450において、上記Readコマンド信号に対応して書き込み対象のラベル作成用無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号を、ループアンテナLCを介して受信し、受信回路307を介し取り込む。
【0155】
次に、ステップS455において、上記受信したリプライ信号に基づき当該ラベル作成用無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
【0156】
正常に記憶されていない場合は判定が満たされず、ステップS460に移ってNに1を加え、さらにステップS465においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS440に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS435に移り、同様にPC118に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。
【0157】
ステップS455において正常に記憶が行われていた場合、判定が満たされ、ステップS470に移る。ステップS470では、送信回路306に制御信号を出力し、ロックコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ステップS415にて読み取ったタグIDを指定し当該ラベル作成用無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記録されたデータの上書きを禁止するための質問波(この例では上記ロックコマンド信号)を生成する。そして、このロックコマンド信号を、ループアンテナLCを介して情報書き込み対象のラベル作成用無線タグ回路素子Toに送信し、当該ラベル作成用無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みを禁止する。これにより、書き込み対象とするラベル作成用無線タグ回路素子Toへの情報書き込みが完了する。
【0158】
その後、ステップS480に移り、上記ステップS440でラベル作成用無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報と、これに対応して既に印字ヘッド23により印字領域に印字されたラベル印字Rの印字情報との組み合わせを、入出力インターフェース113及び通信回線NWを介し出力し、情報サーバISやルートサーバRSに記憶させる。なお、この記憶データは必要に応じてPC118より参照可能に例えば各サーバIS,RSのデータベース内に格納保持される。以上により、このルーチンを終了する。
【0159】
図19は、図17で上述したステップS500の詳細手順を表すフローチャートである。
【0160】
図19に示すフローのまずステップS510において、前述のステップS135で設定した本切断線CLrの位置(本切断位置)と、前述のステップS140で設定したピッチ基準線Lpの位置が、予め定められた所定の距離以上(具体的には、先行情報印字R2の印刷に必要な距離以上)であるかどうかを判定する。本切断線CLrの位置とピッチ基準線Lpの位置とが近すぎる場合にはこの判定が満たされず、先行情報印字R2を印刷するのは適当ではないとみなされ、このルーチンを終了する。一方、本切断線CLrの位置とピッチ基準線Lpの位置とが十分に遠ければこの判定が満たされ、ステップS520に移る。
【0161】
ステップS520では、ステップS10と同様、印字済タグラベル用テープ109が、後余白領域PE2における先行情報印字R2の印刷開始位置(以下適宜、後余白印刷開始位置という)まで搬送されたかどうか(言い換えれば、先行情報印字R2の印刷開始位置に印字ヘッド23に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか;図12(k)参照)を判定する。このときの判定は、前述と同様、上記ステップS20において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。後余白印刷開始位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS530に移る。
【0162】
ステップS530では、前述のステップS15等と同様、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した後余白領域PE2に、上記ステップS110で生成した先行情報印字R2の印刷データに対応した文字、記号、バーコード等の印刷を開始する(図12(l)参照)。なお、この先行情報印字R2の印刷は、対応する印刷データ分の印刷が終わり次第自動的に終了する。そして、このルーチンを終了する。
【0163】
以上において、上記図15〜図19に示すフローの全手順が、各請求項記載の制御手段を構成する。
【0164】
以上説明したように、本実施形態においては、上記図15、図17、図19のフローの各手順に沿って制御回路110が、駆動ローラ51、ローラ駆動軸108、印字ヘッド23、切断機構15を連携して制御する。そしてその制御により、各ラベル印字領域PEを構成する基材テープ101(第1長さ方向領域)ごとに対応して1つの無線タグラベルTを作成する一方、前余白領域PE1及び後余白領域PE2を合わせた領域を構成する基材テープ101(第2長さ方向領域)ごとに、1つの前後情報ラベルTiを作成する。
【0165】
すなわち、前述したように、先行して作成される無線タグラベルTの他方側の後余白領域PE2部分と、後続して作成される無線タグラベルTの一方側の前余白領域PE1部分とを合体させて1つの前後情報ラベルTiとする。これにより、前述のように、1枚の印字付き無線タグラベルTを作成するごとに、無線タグラベルTと前後情報ラベルTiとの2つが互いに分離された状態でそれ排出されることとなる。前後情報ラベルTiは、上述したように、前述の他方側の後余白領域PE2部分と一方側の前余白領域PE1部分とが合体したものに相当するため、その長さ(X1+X2)は、ラベル印字領域PE部分(無線タグラベルT本体)の長さXに比べるとそれほどは短くならない。
【0166】
この結果、前後情報ラベルTiを切断した後の搬送・排出時において搬送経路から側方に逸脱しタグラベル作成装置1内における悪影響を及ぼすのを防止することができる。したがって、タグラベル作成装置1の動作信頼性を向上し、信頼性の高いラベル作成を行うことができる。
【0167】
また、この実施形態では特に、無線タグラベルTについても前後情報ラベルTiについても、基材テープ101とカバーフィルム103とを貼り合わせて構成する。そしてこのとき、無線タグラベルTや前後情報ラベルTiのカバーフィルム103に対し、貼り合わせる前に裏面側にラベル印字Rや先行情報印字R2(又は後続情報印字R1)を形成する。この結果、貼り合わせた後の無線タグラベルTの状態では印字面が裏面側となって表面側に露出しないので、汚れたりかすれたりすることのない、美観や明確さに優れた印字を実現することができる。
【0168】
また、この実施形態では特に、前後情報ラベルTiには無線タグラベルTとは異なる内容の印字を形成することにより、(余剰分として破棄するのではなく)無線タグラベルTとは異なる用途において別途活用することが可能となる(前後情報ラベルTiだけを無線タグラベルTとは別に分けて貯留しておき、まとめて他の用途に用いることも可能)。これにより、無駄のない、効率的なラベル作成を行うことができる。
【0169】
また、この実施形態では特に、前述したように、無線タグラベルTを作成する際には、搬送方向に沿って、無線タグラベルTと前後情報ラベルTiとが交互に排出される。しかしながら無線タグラベルTと前後情報ラベルTiとは互いに分離した状態で排出されるので、例えば比較的多数の無線タグラベルTを一括して作成する場合等においては、無線タグラベルTと前後情報ラベルTiとが多数一度に排出され、各ラベルの作成順序が紛れてわかりにくくなる可能性がある。
【0170】
この実施形態においては、先行の無線タグラベルT、前後情報ラベルTi(「先行の無線タグラベルTの作成関連情報」「後続の無線タグラベルTの作成関連情報」が印字)、後続の無線タグラベルT・・のように作成され、無線タグラベルT同士の中間に介在して排出される前後情報ラベルTiに、先行の無線タグラベルTと後続の無線タグラベルTの作成関連情報が印字されている。この結果、上記のようにして多数が排出された場合であっても、上記前後情報ラベルTiの印字を手がかりにすることで、先行の無線タグラベルT〜中間の前後情報ラベルTi〜後続の無線タグラベルTという作成順序を明確にすることができる。
【0171】
また、この実施形態では特に、ループアンテナLCを用いて無線タグ回路素子Toに対し情報の読み取り又は情報の書き込みを行うことができるので、(タグラベル作成装置1とは別に情報送受信用の無線タグ通信装置を用意しなくても)タグラベル作成装置1単独で、印字付きの無線タグラベルTの作成を完了することができる。
【0172】
上記第1実施形態では、一つのタグラベル作成装置1で、無線タグラベルTの印字及び分断形成(つまり印字ラベルの作成)と無線タグ回路素子Toに対する情報の読み取り又は情報の書き込みとの、両方を行わせる構成としていたが、これに限られない。すなわち例えば、印字ラベルの作成と情報送受信をそれぞれ別体の装置で行うようにしてもよい。以下、そのような第2実施形態を図20〜図23により説明する。
【0173】
図20は、本実施形態の印字ラベル作成装置である印字装置と、無線タグ通信装置とを備えた、無線タグラベル生成システムを表すシステム構成図である。この図20は、上記第1実施形態における図1に相当する図であり、図1と同等の構成のものには同じ符号を付し、適宜説明を省略する(以下の図21〜図23においても同様)。
【0174】
図20に示すこの無線タグラベル生成システム(タグラベル生成システム)TS2において、印字装置402及び無線タグ通信装置403は、有線あるいは無線による通信回線NWを介して情報サーバIS、端末118a、及び汎用コンピュータ118bに接続されている。
【0175】
図21は、上記印字装置402の全体構造を概念的に表す概念的構成図である。図21において、印字装置402の装置本体408には、印字ラベルSを生成するための印字ラベル用カートリッジ407が着脱可能に取り付けられている。
【0176】
印字ラベル用カートリッジ407は、帯状の基材テープ101(タグテープ)が巻回された第1ロール502と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な印字用カバーフィルム103(被印字テープ)が巻回された第2ロール504と、インクリボン505を繰り出すリボン供給側ロール511と、印字後のリボン505を巻き取るリボン巻取りローラ506と、基材テープ101とカバーフィルム103とを押圧し接着させ印字済みラベルテープ510としつつ矢印で示す方向にテープ送りをし、印字ラベル用カートリッジ407から繰り出すテープ送りローラ507とを有している。上記基材テープ101には、複数の無線タグ回路素子Toがテープ長手方向に等間隔で順次形成されている。
【0177】
また装置本体408は、上記カバーフィルム103に所定の印字(上記第1実施形態と同様のラベル印字R、後続情報印字R1、及び先行情報印字R2の印刷)を行う印字手段としての印字ヘッド(印字手段)410と、この印字ヘッド410への通電を制御する印刷駆動回路425と、上記リボン巻取りローラ506を駆動するリボン巻取りローラ駆動軸411と、上記テープ送りローラ507を駆動するテープ送りローラ駆動軸(搬送手段)412と、このテープ送りローラ駆動軸412及び上記リボン巻取りローラ駆動軸411を駆動する例えばパルスモータである印字ラベルカートリッジ用モータ423と、この印字カートリッジ用モータ423の駆動を制御する印字ラベルカートリッジ駆動回路424と、印字済みラベルテープ510を所定のタイミングで所定の長さに切断し印字ラベルSを生成するカッタ(切断手段)415と、このカッタ415を駆動して切断動作を行わせるカッタ用ソレノイド426と、このソレノイド426を制御するソレノイド駆動回路427とを有している。
【0178】
上記の印字ラベルカートリッジ駆動回路424、印刷駆動回路425、ソレノイド駆動回路427は、制御回路430によって制御される。この制御回路430は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。またこの制御回路430は、入出力インターフェース431を介し例えば通信回線404に接続され、この通信回線404に接続された前述の端末118a、汎用コンピュータ118b及び情報サーバIS等との間で情報のやりとりが可能となっている。
【0179】
上記構成において、上記カートリッジ用モータ423の駆動力によってリボン巻取りローラ506及びテープ送りローラ507が矢印で示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、上記テープ送りローラ駆動軸412とサブローラ509及びプラテンローラ508とはギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸412の駆動に伴いテープ送りローラ507、サブローラ509、及びプラテンローラ508が回転する。この結果、第1ロール502から4層構造の基材テープ101が繰り出されテープ送りローラ507へ供給されるとともに、第2ロール504よりカバーフィルム103が繰り出される。
【0180】
この繰り出されたカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール511及びリボン巻取りローラ506で駆動されるリボン505とともに印字ヘッド410とプラテンローラ508との間に狭持され、上記印字ヘッド410に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に接触させられる。このとき、上記印刷駆動回路425により印字ヘッド410の複数の発熱素子が通電され、カバーフィルム103の裏面の所定の領域に所定の文字、記号、バーコード、ストライプ等のラベル印字Rが印刷される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン505は、リボン巻取りローラ駆動軸411の駆動によりリボン巻取りローラ506に巻き取られる。
【0181】
印字後のカバーフィルム103は、上記基材テープ101とともにテープ送りローラ507及びサブローラ509との間に狭持され、この結果互いに接着されて一体化され、印字済みラベルテープ510として形成される。そして、その印字済みラベルテープ510がカッタ415によって所定の長さに切断されることで、無線タグ回路素子Toを含む印字ラベルSが生成され、その印字ラベルSが搬出口408B(図20参照)から搬出される。
【0182】
図22は、上記無線タグ通信装置403の全体構造を概念的に表す概念的構成図である。図22において、無線タグ通信装置403の装置本体409には、上記の印字装置402により生成された印字ラベルSが(例えば操作者の手操作により)搬入口409A(図20参照)から搬入されるようになっている。
【0183】
装置本体409は、搬入口409Aから搬入された印字ラベルSを矢印で示す方向に搬送するラベル送りローラ517と、このラベル送りローラ517を駆動するラベル送りローラ駆動軸518と、このラベル送りローラ駆動軸518を駆動する例えばパルスモータであるラベル送りローラ用モータ519と、このラベル送りローラ用モータ519の駆動を制御するラベル送りローラ駆動回路520と、印字ラベルSに備えられる無線タグ回路素子Toとの間で高周波を用いて無線通信により信号の授受を行うアンテナ414(通信手段)と、このアンテナ414を介し上記無線タグ回路素子Toへアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ことで、印字付きの無線タグラベルTを完成させるための高周波回路421と、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路422と、印字付きの無線タグラベルTを搬出口409B(図20参照)へと案内するための搬送ガイド413とを有している。
【0184】
さらに装置本体408は、上記の高周波回路421、信号処理回路422、ラベル送りローラ駆動回路520等を介し、無線タグ通信装置403全体の動作を制御する制御回路530と、この制御回路530と接続され表示機能及び操作入力機能をもった表示・操作部(この例ではタッチパネル)540とを有している。制御回路530は、上記の制御回路430と同様に、いわゆるマイクロコンピュータである。また制御回路530は、入出力インターフェース531を介し例えば通信回線NWに接続され、この通信回線NWに接続された前述の端末118a、汎用コンピュータ118b、及び情報サーバIS等との間で情報のやりとりが可能である。タッチパネル540には、無線タグ回路素子Toに対しアクセスを行うべき印字ラベルSに対応する印字情報が表示される(必要に応じその他の情報を表示してもよい)。
【0185】
次に、以上のように構成した本実施形態の動作の一例について、図23により説明する。
【0186】
第2実施形態の無線タグラベル生成システムTS2においては、まず操作者が、無線タグ回路素子Toに固有の識別情報(タグID)とこれに対応する印字情報(印字文字等)と付加情報とを端末118aにより操作入力する。すると、これらの識別情報、印字情報及び付加情報が印字装置402に送られ、印字装置402により対応するパケット情報(特に図示せず)が生成される。そして、そのパケット情報が、印字装置402から無線タグ通信装置403及び情報サーバISにそれぞれ送られる。
【0187】
このとき、印字装置402では、印字ヘッド410によって印字情報に対応した印字がカバーフィルム103に対して行われ、さらに印字後のカバーフィルム103と基材テープ101とが一体化されてなる印字済みラベルテープ510をカッタ415で切断することで、無線タグ回路素子Toを含む印字ラベルSが生成されて搬出される(このとき、後述するように前後情報ラベルTiも印字ラベルSと交互に作成される)。
【0188】
また、無線タグ通信装置403のタッチパネル540には、印字装置402により生成された印字ラベルSに対応する印字情報が表示される。操作者は、タッチパネル540の表示を見て、タッチパネル540に表示されている印字情報に対応する印字ラベルSを無線タグ通信装置403の搬入口409Aから差し込んで無線タグ通信装置403内に供給する。すると、印字ラベルSに備えられた無線タグ回路素子Toに識別情報に対応するデータが書き込まれ、印字付きの無線タグラベルTが完成されることになる。なお、タッチパネル540に印字情報が複数表示されている場合には、操作者は、タッチパネル540によりいずれか1つの印字情報を選択操作した後、その選択された印字情報に対応する印字ラベルSを無線タグ通信装置403に供給する。
【0189】
本実施形態の無線タグラベル生成システムTS2の特徴は、上記構成における印字装置402での印字ラベルSの作成機能にある。上記印字装置402においては、制御回路430が印字ヘッド410、テープ送りローラ507、カッタ415を連携して制御し、上記第1実施形態のタグラベル作成装置1と同様(情報送受信に関連する制御は除く)の搬送、印字、及び切断の連携制御を行う。
【0190】
すなわち、上記印字済みラベルテープ510の構造は(切断前において)前述の図11に示した印字済みタグラベル用テープ109と同じである(但し無線タグ回路素子Toに対する情報送受信が行われず、無線タグラベルTでなく印字ラベルSが生成される点が上記第1実施形態の印字済みタグラベル用テープ109と異なる)。
【0191】
このとき、前述と同様、図11に示すように、印字済みタグラベル用テープ510には、テープ搬送方向に沿ってピッチ基準線Lp、識別子PM、及び無線タグ回路素子Toが互いに同じピッチ間隔Pで周期的に配置されている。そして、前余白領域PE1のテープ搬送方向長さX1は固定長に設定され、ピッチ基準線Lpからテープ搬送方向下流側にX1だけ離間した位置が、前後情報ラベルTiとこれに後続する印字ラベルSとの境界となる。この位置が、カッタ415により切断される前切断位置(前切断線CLf)となる。そして、前述と同様にして、印字ラベルSのテープ搬送方向長さXは、ラベル印字Rの内容や態様(例えば文字数、フォント等)に応じて可変に設定され、当該印字ラベルSのテープ搬送方向下流側の後端が、印字ラベルSとこれに後続する前後情報ラベルTiとの境界となり、この位置が、カッタ415によって切断される本切断位置(本切断線CLr)となる。そしてこの本切断線CLrから後続の前後情報ラベルTiのピッチ基準線Lpまでの距離が、後余白領域PE2のテープ搬送方向長さX2となる。そして、隣り合う2本のピッチ基準線Lpどうしの間のピッチ間隔Pは一定であり、X1+X+X2=Pである。前後情報ラベルTiの長さは、先行して作成済みの印字ラベルSに対応する後余白領域PE2の長さX2と、その後続の印字ラベルSに対応する前余白領域PE1の長さX1とを合わせた長さとなる。
【0192】
上記構成の印字済みラベルテープ510に関し、上記制御回路430が、印字ヘッド410、テープ送りローラ507、カッタ415の搬送、印字、及び切断の連携制御を行うことにより、上記第1実施形態のタグラベル作成装置1と同様、前後情報ラベルTi(第2ラベル)と印字ラベルS(第1ラベル)とが交互に作成される(無線タグ通信装置403には、それらラベルTi,Sのうち、操作者が印字ラベルSのみを選択的に抽出して供給する)。このとき、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様、前余白領域PE1の長さX1が比較的長い固定長で設定されており、この結果、印字装置402の上記カッタ415よりテープ搬送方向下流側において、前後情報ラベルTiだけでも確実にラベル排出経路から外れることのなく確実に装置外へ排出可能となっている(図21参照)。したがって、上記第1実施形態と同様、前後情報ラベルTiを切断した後の排出時において、搬送経路から側方に逸脱し悪影響を及ぼすのが防止される。
【0193】
上記のようにして印字装置402によって完成される前後情報ラベルTi及び印字ラベルSの構成は、上記第1実施形態における前述の図13に示したものと同じである(但し無線タグ回路素子Toに対する情報送受信が行われず、無線タグラベルTでなく印字ラベルSが生成される点が上記第1実施形態と異なる)。すなわち、図13は、図11を用いて前述した印字済みラベルテープ510を分断したものにほぼ相当する図である。前述と同様、図13の左側に示す前後情報ラベルTiのうちピッチ基準線Lpよりテープ搬送方向下流側の後余白領域PE2には、先行情報印字R2として前回に作成した印字ラベルSのラベル印字Rの内容と作成された日時が印字される。また、同じ前後情報ラベルTiのうちピッチ基準線Lpより上流側の前余白領域PE1には、後続情報印字R1として併せて作成した印字ラベルSのラベル印字Rの内容と作成された日時が印字される。この前後情報ラベルTiの情報印字R1,R2を参照することで、その前後に作成された2つの印字ラベルSの先後関係を明確に把握することができる。
【0194】
以上説明したように、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、前後情報ラベルTiを切断した後の排出時において搬送経路から側方に逸脱し印字装置402内における悪影響を及ぼすのを防止し、印字装置402の動作信頼性を向上し信頼性の高い印字ラベル作成を行うことができる。また、上記第1実施形態と同様、印字ラベルS,S同士の中間に介在して排出される前後情報ラベルTiに、先行の印字ラベルSと後続の印字ラベルSの作成関連情報が印字されている。この結果、前後情報ラベルTiの印字を手がかりにすることで、先行の印字ラベルS〜中間の前後情報ラベルTi〜後続の印字ラベルSという作成順序を明確にすることができる。
【0195】
なお、上記第1及び第2実施形態においては、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、基材テープに備えられた被印字層に印字を行う方式(貼り合わせを行わないいわゆるノンラミネートタイプ)に適用してもよい。この場合には、無線タグラベルT(又は印字ラベルS)についても前後情報ラベルTiについても、(上記基材テープのほかにカバーフィルムのような被印字テープを用意して貼り合わせることなく)基材テープのみで構成し、少なくとも無線タグラベルT(又は印字ラベルS)については基材テープに印字を行う。これにより、上記被印字テープを貼り合わせる場合よりも、テープの種類やロールの数が少なくて済み、装置の構造や制御を簡素化できる。また、既存のタグラベル作成装置や印字装置との互換性も向上する。
【0196】
また、以上においては、基材テープ101等を所定位置で停止させて上記印字や読み取り・書き込みを行う例を示したが、これに限られず、移動中の基材テープ101に対して無線タグ情報の書き込み・読み取りや印字を行うようにしてもよい。
【0197】
また、無線タグ回路素子ToのIC回路部151から無線タグ情報の読み出し又は書き込みを行う一方で、印字ヘッド23,410によってその無線タグ回路素子Toを識別するための印刷を行うものにも限られない。この印刷は必ずしも行われなくともよく、無線タグ情報の読み出し又は書き込みのみを行うものに対し本発明を適用することもできる。
【0198】
また、カートリッジ7,407のようなタグラベル作成装置1や印字装置402側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型として第1ロール102,502を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0199】
なお、以上において、図6、図8、図21、図22、図23等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0200】
また、図15、図16、図17、図18、図19等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0201】
また、以上既に述べた以外にも、上記各実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0202】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1】本発明の第1の実施形態によるタグラベル作成装置を備えた無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【図2】タグラベル作成装置の全体構造を表す斜視図である。
【図3】タグラベル作成装置の内部の内部ユニットの構造を表す斜視図である。
【図4】図3に示した内部ユニットの構造を表す平面図である。
【図5】カートリッジの詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。
【図6】タグラベル作成装置の制御系を表す機能ブロック図である。
【図7】無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図8】印字済みタグラベル用テープの切断が完了し形成された無線タグラベルと前後情報ラベルの外観の一例を表す上面図と下面図である。
【図9】図9(a)は図8中IXA−IXA′断面による横断面図であり、図9(b)は図8中IXB−IXB′断面による横断面図である。
【図10】タグラベル作成装置による無線タグ回路素子のIC回路部の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)に際して、端末又は汎用コンピュータに表示される画面の一例を表す図である。
【図11】切断しない状態の印字済みタグラベル用テープ(又は印字済みラベルテープ)における各寸法設定を説明する図である。
【図12】連続的に繰り出される印字済みタグラベル用テープの識別子、無線タグ回路素子、ラベル印字の印字領域と、ループアンテナ、マークセンサ、切断機構、印字ヘッドとの位置関係を表す説明図である。
【図13】完成した前後情報ラベル及び無線タグラベル(又は印字ラベル)の例を表す図である。
【図14】ラベル印字が最も長く印字された場合の前後情報ラベル及び無線タグラベルの例を表す図である。
【図15】制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図16】ステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
【図17】ステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【図18】ステップS400の詳細手順を表すフローチャートである。
【図19】ステップS500の詳細手順を表すフローチャートである。
【図20】本発明の第2実施形態による印字装置と無線タグ通信装置とを備えた無線タグラベル生成システムを表すシステム構成図である。
【図21】印字装置の全体構造を概念的に表す概念的構成図である。
【図22】無線タグ通信装置の全体構造を概念的に表す概念的構成図である。
【図23】図20に示す無線タグラベル生成システムにより印字付きの無線タグラベルを生成する流れを表す概念図である。
【符号の説明】
【0204】
1 タグラベル作成装置(印字ラベル作成装置)
15 切断機構(切断手段)
23 印字ヘッド(印字手段)
51 駆動ローラ(搬送手段)
101 基材テープ(タグテープ)
103 カバーフィルム(被印字テープ)
108 テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)
151 IC回路部
152 ループアンテナ(タグアンテナ)
402 印字装置(印字ラベル作成装置)
403 無線タグ通信装置
410 印字ヘッド(印字手段)
412 テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)
414 アンテナ(通信手段)
415 カッタ(切断手段)
LC ループアンテナ(通信手段)
PM 識別子
R ラベル印字
R1 後続情報印字
R2 先行情報印字
PE ラベル印字領域
PE1 前余白領域
PE2 後余白領域
Lp ピッチ基準線
CLf 前切断線
CLr 本切断線
S 印字ラベル(第1ラベル)
T 無線タグラベル(第1ラベル)
Ti 前後情報ラベル(第2ラベル)
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた複数の無線タグ回路素子がテープ長手方向に所定間隔で配置されたタグテープを用いて、前記無線タグ回路素子を備えた複数の第1ラベルと、前記無線タグ回路素子を備えない複数の第2ラベルとを作成する印字ラベル作成装置であって、
前記タグテープを搬送するための搬送手段と、
前記タグテープ、若しくは、前記タグテープに貼り合わされる被印字テープに対し、印字を行う印字手段と、
前記タグテープを厚さ方向に切断するための切断手段と、
前記タグテープのうち前記無線タグ回路素子の配置位置に対応した第1長さ方向領域ごとに対応して、所定の印字を備えた1つの前記第1ラベルを作成し、前記タグテープのうち連続する2つの前記第1長さ方向領域に挟まれた1つの第2長さ方向領域ごとに対応して、1つの前記第2ラベルを作成するように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御する制御手段と
を有することを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項2】
請求項1記載の印字ラベル作成装置において、
前記制御手段は、
作成された前記第1ラベル及び前記第2ラベルが交互に排出されるように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項3】
請求項2記載の印字ラベル作成装置において、
前記制御手段の制御に基づき、
前記印字手段は、
少なくとも、前記タグテープの前記第1長さ方向領域に前記所定の印字を行い、
前記切断手段は、
前記印字手段で前記所定の印字が形成された前記タグテープの前記第1長さ方向領域を切断し、前記第1ラベルを形成するとともに、
前記タグテープの前記第2長さ方向領域を切断し、前記第2ラベルを形成する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項4】
請求項2記載の印字ラベル作成装置において、
前記制御手段の制御に基づき、
前記搬送手段は、
前記タグテープ及び前記被印字テープを搬送し、
前記印字手段は、
少なくとも、前記タグテープの前記第1長さ方向領域に対応した、前記被印字テープの第1被印字領域に前記所定の印字を行い、
前記切断手段は、
前記タグテープの前記第1長さ方向領域と、前記印字手段で前記所定の印字が形成され前記第1長さ方向領域に貼り合わされた前記被印字テープの前記第1被印字領域とを、切断して前記第1ラベルを形成するとともに、
前記タグテープの前記第2長さ方向領域と、当該第2長さ方向領域に貼り合わされた前記被印字テープの第2被印字領域とを、切断して前記第2ラベルを形成する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載の印字ラベル作成装置において、
前記制御手段は、
第1長さ方向領域ごとに対応して、所定の印字を備えた前記1つの第1ラベルを作成し、前記1つの第2長さ方向領域ごとに対応して、前記所定の印字とは異なる印字を備えた前記1つの第2ラベルを作成するように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項6】
請求項5記載の印字ラベル作成装置において、
前記制御手段は、
前記1つの第2長さ方向領域ごとに対応して、搬送方向に先行する前記第1ラベルの作成関連情報と搬送方向に後続する前記第1ラベルの作成関連情報とが印字された、1つの前記第2ラベルを作成するように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6記載の印字ラベル作成装置において、
前記無線タグ回路素子と無線通信を介し情報送受信を行う通信手段を有することを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項8】
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた複数の無線タグ回路素子がテープ長手方向に所定間隔で配置されたタグテープを用いて、前記無線タグ回路素子を備えた複数の第1ラベルと、前記無線タグ回路素子を備えない複数の第2ラベルとを作成する印字ラベル作成装置と、
前記印字ラベル作成装置で作成された前記第1ラベルに備えられた前記無線タグ回路素子に対し、無線通信を介して情報送受信を行う通信手段を備えた無線タグ通信装置と
を有するタグラベル生成システムであって、
前記印字ラベル作成装置は、
前記タグテープを搬送するための搬送手段と、
前記タグテープ、若しくは、前記タグテープに貼り合わされる被印字テープに対し、印字を行う印字手段と、
前記タグテープを厚さ方向に切断するための切断手段と、
前記タグテープのうち、前記無線タグ回路素子の配置位置に対応した第1長さ方向領域ごとに対応して、所定の印字を備えた1つの前記第1ラベルを作成し、前記タグテープのうち連続する2つの前記第1長さ方向領域に挟まれた1つの第2長さ方向領域ごとに対応して1つの前記第2ラベルを作成するように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御する制御手段と
を有することを特徴とするタグラベル生成システム。
【請求項9】
請求項8記載のタグラベル生成システムにおいて、
前記印字ラベル作成装置の前記制御手段は、
作成された前記第1ラベル及び前記第2ラベルが交互に排出されるように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御し、
前記無線タグ通信装置の前記通信手段は、
前記交互に排出される前記第1ラベル及び前記第2ラベルから選択された、前記第1ラベルに備えられた前記無線タグ回路素子に対し、無線通信を介して情報送受信を行う
ことを特徴とするタグラベル生成システム。
【請求項10】
請求項8又は請求項9記載のタグラベル生成システムにおいて、
前記印字ラベル作成装置の前記制御手段は、
第1長さ方向領域ごとに対応して、所定の印字を備えた前記1つの第1ラベルを作成し、前記1つの第2長さ方向領域ごとに対応して、前記所定の印字とは異なる印字を備えた前記1つの第2ラベルを作成するように、前記搬送手段、前記印字手段、及び前記切断手段を連携して制御する
ことを特徴とするタグラベル生成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−26962(P2010−26962A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−190493(P2008−190493)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】