説明

印字装置

【課題】搬送と印字形成処理とのバランスを良好に維持し、操作者の意図した態様の印字を確実に実行する。
【解決手段】タグラベル作成装置は、カバーフィルム41を搬送するための駆動力を与えるテープ送りローラ駆動軸46aと、その駆動力で搬送されるカバーフィルム41に対し印字形成処理を行う印字ヘッド49と、入力された印字情報に基づき、テープ送りローラ駆動軸46aの駆動速度と、印字ヘッド49の印字形成処理動作とを、所定の調和相関により調和させて制御する調和制御部と、基材テープ37やカバーフィルム41の属性に応じて、調和相関を変更する調和変更部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印字媒体に対して印字を行う印字装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印字装置の例として、被印字材となるテープをロール状にカートリッジ内に収納し、ロールよりテープを繰り出しつつ所望の文字を印刷してラベル状に排出する印字装置(ラベル作成装置)が既に提唱されている(例えば、特許文献1)参照。
【0003】
この従来技術においては、剥離紙を備えた基材テープ(両面粘着テープ)を巻回したロールと、この基材テープに貼り合わされる被印字テープ(フィルムテープ)を巻回したロールとを備えている。そして、これら2つのロールから上記基材テープ及び上記被印字テープを搬送ローラ(圧着ローラ)の駆動力でそれぞれ繰り出しつつ被印字テープに印字手段で所定の印字を行い、印字後の被印字テープと上記基材テープとを貼り合わせて印字済みラベル用テープとする。そして、この印字済みラベル用テープを切断手段で所定長さに切断して印字つきラベル(印字ラベル)を作成するようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−309557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、印字ラベルの利用の拡大に伴って多種多様な用途が望まれ、態様を各種変えた複数種類の印字ラベルを作成したいというニーズが生じつつある。例えば、ラベルに用いるテープの層構造を複数種類用いたり、幅や厚みの異なるテープを用いたり等により、種々のニーズそれぞれに対応した特性の印字ラベルが望まれるようになってきている。上記従来技術では、その中において層構造のバリエーションのニーズに対応可能であり、上記基材テープと所定の印字を施した後の被印字テープとを貼り合わせたテープ(相対的に厚さ寸法が大きくなる)を用いて印字ラベルを作成するのみならず、所定の印字を施した後の被印字テープのみ(相対的に厚さ寸法が小さくなる)を用いて印字ラベルを作成可能となっている。
【0006】
しかしながら、上記のように搬送ローラを用いてテープ搬送を行う構成において、例えばテープ厚さが大小異なる場合、搬送ローラまわりにおけるローラ中心からのテープ外径までの距離に差が生じるため、搬送速度に差が生じる可能性がある。すなわち、搬送ローラが同一回転数で回転していたとしても、テープ厚さが大きい場合にはローラ中心からテープ外周側表面までの距離が大きいためテープ搬送速度が相対的に大きくなり、逆にテープ厚さが小さい場合にはローラ中心からテープ外周側表面までの距離が小さくなるためテープ搬送速度が相対的に小さくなる可能性がある。
【0007】
これらのような搬送速度のばらつきが生じる場合、印字手段による印字形成処理とのバランスにもばらつきが生じ、操作者が意図した態様の印字が確実に行えなくなるおそれがある。すなわち、上記の例では、搬送速度が大きい場合には搬送と印字形成処理との相対関係において搬送が進み気味となるため、操作者が意図した印字の態様よりも実際に作成される印字ラベルは文字と文字との間が間延びした態様となるおそれがある。逆に搬送速度が小さい場合においては搬送と印字形成処理との相対関係において搬送が遅れ気味となるため、操作者が意図した印字の態様よりも実際に作成される印字ラベルは文字と文字との間が窮屈に狭くなった態様となるおそれがある。
【0008】
なお、上記ではテープ厚さの大小を一例に挙げて説明したが、そのほかの要因も考えられ、例えばテープの材質、種類、引き出し力の大小、摩擦係数の大小等によっても上記搬送速度への影響が出るため、同様の問題がある。さらに、近年実用化が進んでいる、小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFIDシステムに適用するため、アンテナやIC回路部を備えた印字付き無線タグラベルを作成する場合にも、それらアンテナ等の有無によって上記搬送速度への影響が出る。
【0009】
本発明の目的は、搬送と印字形成処理とのバランスを良好に維持し、操作者の意図した態様の印字を確実に実行できる印字装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、第1の発明は、被印字媒体を搬送するための駆動力を与える搬送駆動手段と、前記搬送駆動手段の駆動力で搬送される前記被印字媒体に対し印字形成処理を行う印字形成手段と、入力された印字情報に基づき、前記搬送駆動手段の駆動速度と、前記印字形成手段の印字形成処理動作とを、所定の調和相関により調和させて制御する調和制御手段と、前記被印字媒体又はこれに貼り合わされる貼り合わせ媒体の属性に応じて、前記調和相関を変更する調和変更手段とを有することを特徴とする。
【0011】
本願第1発明においては、搬送駆動手段の駆動力によって被印字媒体が搬送され、その搬送される被印字媒体に対し印字形成手段が印字形成処理を行う。そして、搬送を行う搬送駆動手段の駆動速度と、印字形成手段の印字形成処理動作とが、所定の調和相関に沿って調和するように調和制御手段で制御される。これにより、調和制御手段に入力された印字情報に対応した印字が被印字媒体に形成される。このとき、調和変更手段が、被印字媒体(又はこれに貼り合わされる貼り合わせ媒体)の属性に基づき、上記の駆動速度と印字形成処理動作との調和相関を変更する。これにより、例えば被印字媒体がテープである場合の引き出し力が大きい場合、テープとテープ送りローラとの摩擦力が小さい場合、テープ厚さ寸法が小さい場合、テープ幅寸法が小さく印字形成部における摩擦負荷が大きい場合等、搬送と印字形成処理との相対関係において搬送が相対的に遅れ気味になる場合には、搬送駆動手段の駆動速度(ローラ回転速度等)を速くしたり、印字形成手段の前記印字形成処理を指示する印字指示信号の信号要素(パルス等)の出力間隔を長くすることが可能となる。逆に、例えば被印字媒体がテープである場合の引き出し力が小さい場合、テープとテープ送りローラとの摩擦力が大きい場合、テープ厚さ寸法が大きい場合、テープ幅寸法が大きく印字形成部における摩擦負荷が小さい場合等、搬送と印字形成処理との相対関係において搬送が相対的に進み気味になる場合には、搬送駆動手段の駆動速度を遅くしたり、印字形成手段の前記印字形成処理を指示する印字指示信号の信号要素の出力間隔を短くすることが可能となる。これにより、搬送と印字形成処理とのバランスを良好に維持し、入力した印字情報に対応した、操作者が意図する態様の印字を確実に実行することができる。
【0012】
第2発明は、上記第1発明において、前記被印字媒体又は前記貼り合わせ媒体の属性を検出する検出手段を有し、前記調和変更手段は、前記検出手段の検出結果に応じて、前記調和相関を変更することを特徴とする。
【0013】
検出手段が被印字媒体(又は貼り合わせ媒体)の属性を検出することにより、この検出した属性に対応するように調和変更手段で調和相関を変更し、搬送と印字形成処理とのバランスを良好に維持することができる。
【0014】
第3発明は、上記第2発明において、前記被印字媒体としての被印字テープを巻回した被印字テープロールを収納したカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダを有し、前記検出手段は、前記カートリッジホルダに装着される前記カートリッジの種類を検出することを特徴とする。
【0015】
これにより、被印字テープの種類が互いに異なる複数種類のカートリッジをカートリッジホルダに着脱交換して使用するとき、検出手段がカートリッジ種類を検出することで、被印字テープの種類を検出することができる。
【0016】
第4発明は、上記第3発明において、前記カートリッジホルダは、前記被印字テープロールと、前記被印字テープに貼り合わされる前記貼り合わせ媒体としての基材テープを巻回した基材テープロールを収納したカートリッジを着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【0017】
これにより、被印字テープロールから繰り出した被印字テープと、基材テープロールから繰り出した基材テープとを貼り合わせ、その貼り合わせたテープを用いて印字ラベルを作成することが可能となる。
【0018】
第5発明は、上記第4発明において、前記搬送駆動手段は、前記被印字テープ又は前記基材テープに対し全周の4分の1以上の周長にて接触しながら搬送する搬送ローラに対し前記駆動力を与えることを特徴とする。
【0019】
搬送手段として搬送ローラを用いて被印字テープ(又は基材テープ)を搬送する場合においては、テープがローラによって転向される度合いが大きいほど(言い換えればテープに接する時間が長いほど)、テープ厚さ寸法、摩擦力、引き出し力等の大きさが搬送挙動に与える影響が大きい。したがって本願第5発明のように、搬送ローラが全周の4分の1以上の周長で被印字テープ(又は基材テープ)に接触しながら搬送する場合においては、調和変更手段での調和相関の変更による搬送と印字形成処理とのバランス向上作用が、特に効果的である。
【0020】
第6発明は、上記第3乃至第5発明のいずれかにおいて、前記調和変更手段は、前記印字形成手段の前記印字形成処理を指示する印字指示信号の信号要素を変更する印字信号変更手段を備えることを特徴とする。
【0021】
印字変更手段が印字指示信号の信号要素(例えば出力パルス等)の大きさや出力間隔等を変更することで、印字形成手段の印字形成処理動作の態様を変化させ、搬送とのバランスを良好に維持することができる。
【0022】
第7発明は、上記第6発明において、前記調和変更手段は、前記搬送駆動手段の駆動速度を変更することなく、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素を変更することを特徴とする。
【0023】
これにより、例えば搬送と印字形成処理との相対関係において搬送が遅れ気味になる場合には、搬送速度を変えることなく印字指示信号の信号要素の出力間隔を長くし、逆に搬送が進み気味になる場合には印字指示信号の信号要素の出力間隔を短くすることが可能となる。この結果、搬送と印字形成処理とのバランスを良好に維持することができる。
【0024】
第8発明は、上記第3発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記調和変更手段は、前記搬送駆動手段の駆動速度を変更する速度変更手段を備えることを特徴とする。
【0025】
速度変更手段が搬送駆動手段の駆動速度を増減することで、テープ搬送速度を変化させ、搬送とのバランスを良好に維持することができる。
【0026】
第9発明は、上記第8発明において、前記調和変更手段は、前記印字形成手段の前記印字形成処理を指示する印字指示信号の信号要素を変更することなく、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を変更することを特徴とする。
【0027】
これにより、例えば搬送と印字形成処理との相対関係において搬送が遅れ気味になる場合には、印字形成処理動作を変えることなく搬送速度を速くし、逆に搬送が進み気味になる場合には搬送速度を遅くすることが可能となる。この結果、搬送と印字形成処理とのバランスを良好に維持することができる。
【0028】
第10発明は、上記第6乃至第9発明のいずれかにおいて、前記調和変更手段は、前記属性としての前記被印字テープ又は前記基材テープの引き出し力が大きい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を長くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を大きくし、前記被印字テープ又は前記基材テープの引き出し力が小さい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を短くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を小さくすることを特徴とする。
【0029】
これにより、搬送と印字形成処理との相対関係において、テープ引き出し力が大きいときに搬送が遅れ気味になるのを是正する(又はテープ引き出し力が小さいときに搬送が進み気味になるのを是正する)ことができ、搬送と印字形成処理とのバランスを良好に維持することができる。
【0030】
第11発明は、上記第6乃至第9発明のいずれかにおいて、前記調和変更手段は、前記属性としての前記被印字テープ又は前記基材テープの摩擦力が小さい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を長くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を大きくし、前記被印字テープ又は前記基材テープの摩擦力が大きい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を短くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を小さくすることを特徴とする。
【0031】
これにより、搬送と印字形成処理との相対関係において、摩擦力が小さいときに搬送が遅れ気味になるのを是正する(又は摩擦力が大きいときに搬送が進み気味になるのを是正する)ことができ、搬送と印字形成処理とのバランスを良好に維持することができる。
【0032】
第12発明は、上記第10又は第11発明において、前記調和変更手段は、前記属性としての前記被印字テープ又は前記基材テープの厚さ寸法が小さい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を長くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を大きくし、前記被印字テープ又は前記基材テープの厚さ寸法が大きい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を短くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を小さくすることを特徴とする。
【0033】
これにより、搬送と印字形成処理との相対関係において、テープ厚さ寸法が小さいときに搬送が遅れ気味になるのを是正する(又はテープ厚さ寸法が大きいときに搬送が進み気味になるのを是正する)ことができ、搬送と印字形成処理とのバランスを良好に維持することができる。
【0034】
第13発明は、上記第10又は第11発明において、前記調和変更手段は、前記属性としての前記被印字テープ又は前記基材テープの幅寸法が小さい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を長くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を大きくし、前記被印字テープ又は前記基材テープの幅寸法が大きい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を短くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を小さくすることを特徴とする。
【0035】
これにより、搬送と印字形成処理との相対関係において、テープ幅寸法が小さく印字形成部における摩擦負荷が大きいときに搬送が遅れ気味になるのを是正する(又はテープ幅寸法が大きく印字形成部における摩擦負荷が小さいときに搬送が進み気味になるのを是正する)ことができ、搬送と印字形成処理とのバランスを良好に維持することができる。
【0036】
第14発明は、上記第10乃至第13発明のいずれかにおいて、前記調和変更手段は、前記属性としての前記被印字テープ又は前記基材テープの種類に応じて、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を調整するか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を調整する
ことを特徴とする。
【0037】
これにより、搬送と印字形成処理との相対関係において、搬送が遅れ気味になる(又は搬送が進み気味になる)テープ種類の場合にこれを是正し、搬送と印字形成処理とのバランスを良好に維持することができる。
【0038】
第15発明は、上記第14発明において、前記カートリッジホルダは、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を設けた前記被印字テープ又は前記基材テープを、前記被印字テープロール又は前記基材テープロールに巻回した前記カートリッジが着脱可能であり、前記調和変更手段は、前記属性としての前記被印字テープ又は前記基材テープにおける前記無線タグ回路素子の有無に応じて、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を調整するか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を調整することを特徴とする。
【0039】
これにより、無線タグ回路素子を備えたテープを備えたカートリッジを装着した場合には、そのカートリッジを用いて印字付き無線タグラベルを作成することが可能となる。また、搬送と印字形成処理との相対関係において、無線タグ回路素子をテープに備えたときにテープ厚みが大きいので搬送が進み気味になるのを是正する(又は無線タグ回路素子をテープに備えないときに搬送が遅れ気味になるのを是正する)ことができ、搬送と印字形成処理とのバランスを良好に維持することができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、搬送と印字形成処理とのバランスを良好に維持し、操作者の意図した態様の印字を確実に実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態は本発明をラベル作成装置に適用した場合の実施形態であるが、これに限られず、被印字媒体に印字を行う他の印字装置にも適用できる。
【0042】
図1は、本実施形態の印字装置(タグラベル作成装置)1を備えた無線タグラベルシステムTSを表すシステム構成図である。
【0043】
この無線タグラベルシステムTSにおいて、タグラベル作成装置1は、適宜の通信回線等からなる通信ネットワークNWを介して、ルートサーバRS、情報サーバIS、端末装置DTa、汎用コンピュータDTbなどに接続されている。
【0044】
図2は、上記タグラベル作成装置1の外観構成を表す斜視図である。この図2において、タグラベル作成装置1は、装置本体2と、この装置本体2のカートリッジホルダ31(後述の図3参照)に装着されるカートリッジ3とを有している。
【0045】
装置本体2は、(上面部、下面部、前面部、背面部、左右の両側面部を備えた)全体的に直方体状の筐体2sをその外郭として備えている。上面部には、上蓋4、上蓋操作ボタン5が設けられている。前面部には、ラベル排出口7、前蓋8、電源ボタン9、およびカッタ駆動ボタン10が設けられている。
【0046】
上蓋4は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に支持され、また図示を省略の付勢部材により開き方向に付勢される一方で、装置本体2との間がロック可能に構成されている。また、カートリッジ3の着脱の際には、上蓋操作ボタン5が押されることで上記ロックが解除となり、上蓋4が上記付勢部材の付勢作用により開き、その状態でカートリッジ3の装着や取外しを行えるようになっている。なお、上蓋4には、透明カバーなどを嵌め込んだ透視窓15が設けられている。
【0047】
ラベル排出口7は、装置本体2の内部で作成される無線タグラベルTを外部に排出するものである。前蓋8は、下端を支点にした回動で開閉可能とされており、上端部に設けられている押部8pを上方より押し込むことで前方に回動して開く。電源ボタン9は、タグラベル作成装置1の主電源のオン・オフ操作に用いられる。カッタ駆動ボタン10は、後述のカッタ51(図3参照)を操作者が手動で操作して無線タグラベルTの長さを所望の長さとするためのものである。
【0048】
図3は、装置本体2の内部に設けられている内部ユニット30の要部の構成を模式化して示す図である。図3において、内部ユニット30は、カートリッジホルダ31を備え、このカートリッジホルダ31に図2のカートリッジ3を装着するようになっている。
【0049】
内部ユニット30は、テープ送りローラ46を駆動するテープ送りローラ駆動軸46aと、リボン巻取りローラ45を駆動するリボン巻取りローラ駆動軸45aと、サブローラ47と、印字ヘッド49(印字形成手段)と、プラテンローラ50と、カッタ51(切断手段)と、アンテナ52(装置側アンテナ)と、搬出ローラ53とを備えている。なおカッタ51とアンテナ52との間(テープ搬送方向中間部)には、マークセンサ103(詳細は後述)が設けられている。
【0050】
カートリッジ3は、基材テープロール36(タグテープロール。本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)と、カバーフィルムロール39(被印字テープロール。本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)と、テープ送りローラ46と、リボン巻取りローラ45とを有している。基材テープロール36は、貼り合わせ媒体である基材テープ37(タグテープ)が、タグテープ用リール部38に巻回されてロール化されたものである。カバーフィルムロール39は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂製の透明なカバーフィルム41(被印字テープ、被印字媒体)がカバーフィルム用リール部42に巻回されてロール化されたものである。また、カートリッジ3には、インクリボンロール43と、このインクリボンロール43から繰り出されるインクリボン44を巻き取るリボン巻取りローラ45(リボン巻取りローラ駆動軸45aで駆動される)とが設けられている。なおリボン巻取りローラ駆動軸45aは図示しない送りローラ駆動回路により駆動制御される。
【0051】
このとき、カートリッジホルダ31には、互いに種類が異なる複数のカートリッジ3が装着可能に構成されている。カートリッジ3は、各種類毎に、例えば、基材テープ37やカバーフィルム41の幅方向寸法、厚さ方向寸法、種類、材質、引き出し力の大きさ、摩擦係数の大きさ等が異なっている。また基材テープ37に無線タグ回路素子60(後述)が設けられていないカートリッジについても装着可能となっている。
【0052】
また、カートリッジホルダ31の対応する位置には、カートリッジ3の被検出部190を検出することでカートリッジ3の種類を検出可能なカートリッジセンサ102(検出手段)が設けられている。このカートリッジセンサ102の検出信号は、制御部90(後述の図5参照)へ入力され、これにより、上述したカートリッジ3の種類(カートリッジ情報)、言い換えれば、当該カートリッジ3における基材テープ37やカバーフィルム41の幅方向寸法、厚さ方向寸法、種類、材質、引き出し力の大きさ、摩擦係数の大きさ、無線タグ回路素子60の有無等のテープ属性が検出できるようになっている。
【0053】
なお、カートリッジ3は、カートリッジホルダ31に装着された状態でその一部が前述の透視窓15を通して外部から視認可能となっている。具体的には、例えばカートリッジ3の表面には、基材テープ37のテープ幅や色などのテープタイプを表示したテープタイプ表示部(図示を省略)が設けられており、カートリッジホルダ31にカートリッジ3を装着した状態でこのテープタイプ表示部が透視窓15を通して外部から見えるようになっている。
【0054】
テープ送りローラ46及びサブローラ47は、テープ送りローラ46がそのテープ送りローラ駆動軸46a(搬送駆動手段)で駆動されることにより回転駆動される。なおテープ送りローラ駆動軸46aは図示しない送りローラ駆動回路により駆動制御される。基材テープロール36から繰り出される基材テープ37とカバーフィルムロール39から繰り出されるカバーフィルム41とは、重ねられた状態でテープ送りローラ46とサブローラ47の間で押圧挟持されて貼り合わされる。また、これらテープ送りローラ46とサブローラ47とは、上記貼り合わせ機能とともに、その基材テープ37とカバーフィルム41との貼り合わせにより形成されるタグ媒体である印字済みタグラベル用テープ48をA方向に搬送して送り出す機能も果たす。なおこの貼り合わせ時には、図3に示すように、テープ送りローラ46は、この例では基材テープ37に対し外周側全周のうち少なくとも4分の1以上の周長にて接触しながら(言い換えれば基材テープ37の進行方向を90°以上転向させながら)基材テープ37の搬送及び基材テープ37とカバーフィルム41との貼り合わせを行うようになっている。
【0055】
印字ヘッド49はこの例では、複数の発熱素子を備えるサーマルヘッドである。また印字ヘッド49には対向する位置に上記プラテンローラ50が設けられている。カバーフィルムロール39から繰り出されるカバーフィルム41が印字ヘッド49とプラテンローラ50の間を通過する際、図示しない印字ヘッド駆動回路からの印字指示信号(信号要素としてのパルスを含む。詳細は後述)で上記発熱素子が駆動される。このとき、予め設定された所定の相関(調和相関)に基づき、テープ送りローラ駆動軸46aによるローラ駆動速度(ローラ回転数)と、印字ヘッド49への上記パルス信号とが調和するように制御され(詳細は後述)、これによってカバーフィルム41に(この例ではその裏面側である図3中上側より)操作者の意図した印字文字、印字図像等を形成するようになっている。
【0056】
カッタ51は、図示しないソレノイドに接続されており、このソレノイドがソレノイド駆動回路(図示せず)によって励磁されることで、印字済みタグラベル用テープ48を所定の長さに切断し、無線タグラベルTを形成する。
【0057】
アンテナ52は、基材テープ37(貼り合わせ後は印字済みタグラベル用テープ48、以下同様)に配置されている無線タグ回路素子60(詳細は後述)に対する情報の読取りまたは書込みのための通信を行う。
【0058】
搬出ローラ53は、図示しない搬出ローラ駆動軸で駆動されることにより回転駆動される。なお搬出ローラ駆動軸は図示しない搬出ローラ駆動回路(上記送りローラ駆動回路と共通でもよい)により駆動制御される。
【0059】
図4は、無線タグ回路素子60の機能的構成を表す機能ブロック図である。図4において、無線タグ回路素子60は、IC回路部80と、これに接続されるタグアンテナ62とを備えている。
【0060】
IC回路部80は、タグアンテナ62により受信された質問波を整流する整流部81と、この整流部81により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部82と、上記タグアンテナ62により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部83に供給するクロック抽出部84と、所定の情報信号を記憶しうるメモリ部86と、上記タグアンテナ62に接続された変復調部85と、上記メモリ部86、クロック抽出部84、及び変復調部85等を介して上記無線タグ回路素子60の作動を制御するための上記制御部83とを備えている。
【0061】
変復調部85は、タグアンテナ62により受信された上記タグラベル作成装置1からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部83からの返信信号を変調し、タグアンテナ62より応答波として送信する。
【0062】
制御部83は、上記変復調部85により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部86において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部85により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0063】
クロック抽出部84は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部83にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部83に供給する。
【0064】
図5は、タグラベル作成装置1における制御系の機能的な構成を表す機能ブロック図である。図5において、タグラベル作成装置1には、例えばマイクロプロセッサなどからなる制御部90が設けられている。
【0065】
制御部90は、CPU91と、主記憶装置92と、補助記憶装置93とを備えている。
【0066】
補助記憶装置93には、上記タグラベル作成機能用のプログラムであるタグラベル作成プログラム94と、タグラベル作成のための基礎的なデータ(印字書体や印字するためのグラフィックパターンなど)を格納するタグラベル作成用データ格納部96と、タグラベル作成について端末装置DTaなどで入力された指令データを格納するタグラベル作成指令データ格納部97と、テープ送りローラ駆動軸46aの駆動速度(ローラ回転数)と印字ヘッド49の印字形成処理動作とを調和させて動作させるための所定の調和相関(詳細内容は後述)を格納した調和相関格納部98とが設けられている。タグラベル作成指令データ格納部97には、印字内容などの印字情報に対応した印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等をドットパターンデータとして格納する印字バッファ97Aを備えている(詳細は後述の図12参照)。印字ヘッド49はこの印字バッファ97Aに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。なお、制御部90には、入出力インターフェース109を介し、前述の端末装置DTaや汎用コンピュータDTbが接続された通信回線NWが接続されている。
【0067】
CPU91には、調和制御部(調和制御手段)95と、調和変更部(調和変更手段)99とが備えられている。調和制御部95は、上記入力された指令データ(印字情報)に基づき、上記調和相関格納部98に格納された調和相関を用いて、送りローラ駆動回路を介したテープ送りローラ駆動軸46aの駆動速度(ローラ回転数)と、上記印字ヘッド駆動回路を介した印字ヘッド49の印字形成処理動作とを、調和させて制御する。調和変更部99は、カートリッジセンサ102による検出結果に応じ、上記調和相関98を変更する。
【0068】
また入出力インターフェース109には、内部ユニット30における上記送りローラ駆動回路を含むテープ搬送駆動系106、上記搬出ローラ駆動回路を含むラベル搬出駆動系107、上記印字ヘッド駆動回路を含む印字駆動系105、上記ソレノイド駆動回路を含むカッタ駆動系104等の各駆動系と、上記マークセンサ103と、上記カートリッジセンサ102と、アンテナ52に接続される(少なくとも一部共用してもよいし、別体としてもよい)送受信回路108とが接続されている。
【0069】
上記タグラベル作成装置1において、例えば端末装置DTaでタグラベル作成の入力がなされると、これに対応する指示信号が入出力インターフェース109を介し制御部90に入力され、制御部90によってタグラベル作成実行のための各種制御が実行される。図6は、このタグラベル作成時に制御部90が実行するタグラベル作成処理の手順を表すフローチャートである。
【0070】
図6において、まず、ステップS110において、CPU91で、上記カートリッジセンサ102の検出信号を用いて検出したテープ属性情報(カートリッジ3における基材テープ37やカバーフィルム41の幅方向寸法、厚さ方向寸法、種類、材質、引き出し力の大きさ、摩擦係数の大きさ、無線タグ回路素子60の有無等)を取り込む。
【0071】
その後、ステップS120において、CPU91の調和変更部99で、上記ステップS110で取得したテープ属性情報に基づき、調和相関格納部98に予め設定保持されている調和相関(この例ではテープ送りローラ駆動軸46aによるローラ回転数と、印字ヘッド49への印字指示信号との相関)を適宜修正、変更する。
【0072】
この変更は、カートリッジ3内に備えられた基材テープ37やカバーフィルム41の属性と上記調和相関の基準として想定された属性との比較に基づき行われる。例えば基材テープ37やカバーフィルム41のテープ幅方向寸法が上記基準値より小さい場合、印字ヘッド49とプラテンローラ50とが直接に接触する領域が拡大し、両者間の摩擦力増大によって搬送時のテープ走行抵抗が大きくなるため、搬送と印字形成処理との相対関係において搬送が相対的に遅れ気味になる。このため、上記印字ヘッド49への印字形成処理を指示する上記印字指示信号のパルスの出力間隔を長くするように(あるいはテープ送りローラ駆動軸46aによるローラ回転数を速くなるように)調和相関を変更する。また、基材テープ37やカバーフィルム41のテープ厚さ寸法が上記基準値より小さい場合(同一ローラ回転数でも厚さ寸法が大きいほどローラ中心からテープ外周側表面までの距離が大きくなりテープ搬送速度が大きくなるため)、その他引き出し力が上記基準値より大きくなるテープ材質やテープ種類の場合(上記同様テープの走行抵抗が大きくなるため)、摩擦力が上記基準値より小さくなるテープ材質やテープ種類の場合(ローラとテープとの間に滑りが発生するため)等、搬送が相対的に遅れ気味になる他の場合についても同様の調和相関の変更を行う。
【0073】
逆に、例えば基材テープ37やカバーフィルム41のテープ幅方向寸法が上記基準値より大きい場合、搬送時のテープ走行抵抗が小さくなるため、搬送と印字形成処理との相対関係において搬送が相対的に進み気味になる。このため、上記印字ヘッド49への印字形成処理を指示する上記印字指示信号のパルスの出力間隔を短くするように(あるいはテープ送りローラ駆動軸46aによるローラ回転数を遅くなるように)調和相関を変更する。また、基材テープ37やカバーフィルム41のテープ厚さ寸法が上記基準値より大きい場合、その他引き出し力が上記基準値より小さくなるテープ材質やテープ種類の場合、摩擦力が上記基準値より大きくなるテープ材質やテープ種類の場合、無線タグ回路素子60が設けられているテープの場合(無線タグ回路素子60が設けられていないテープを基準として調和相関が設定されていた場合には、厚さ方向寸法が増し搬送速度が増大するため)等、搬送が相対的に進み気味になる他の場合についても同様の調和相関の変更を行う。
【0074】
なお、上記のようにテープ属性のうちの1つを対応する基準値と比較して調和相関の変更を行うか行わないかを決定する(決定を行う場合はその変更の程度も決定する)のではなく、上述した各種テープ属性の複数の組合せを総合的に勘案して、調和相関の変更を行うか行わないかを決定する(決定を行う場合はその変更の程度も決定する)ようにしてもよい。
【0075】
その後、ステップS130において、CPU91の調和制御部95で、上記変更後の調和相関95に基づき、入出力インターフェース109を介し上記テープ搬送駆動系106に制御信号を出力し、テープ送りローラ46を駆動する。これにより、基材テープロール36から基材テープ37を繰り出させるとともに、その基材テープ37の繰出しと同期してカバーフィルムロール39からカバーフィルム41も繰り出させる。これにより、テープ搬送ローラ46及びサブローラ47で印字済タグラベル用テープ48が形成され、この印字済タグラベル用テープ48がテープ搬送ローラ46により矢印A方向へと搬送開始される。その後ステップS140において、CPU91の調和制御部95で、上記変更後の調和相関95に基づき、入出力インターフェース109を介し上記印字駆動系105へ制御信号を出力する。これにより、リボン巻き取りローラ45を駆動しインクリボン44をインクリボンロール43から繰り出させるとともに、印字駆動系105からの印字指示信号(パルスを含む)により印字ヘッド49が駆動される。この結果、カバーフィルムロール39から繰り出されたカバーフィルム41は、テープ送りローラ46及びサブローラ47で基材テープ37に貼り合わせられる前に、印字ヘッド49によって印字がなされる。印字が施されたカバーフィルム41は、上記ステップS101で既に駆動開始されているテープ送りローラ46及びサブローラ47により基材テープ37に貼り合わせられる。
【0076】
基材テープ37とカバーフィルム41とが貼り合わされた印字済みタグラベル用テープ48は、テープ送りローラ46で矢示A方向に送り出され、アンテナ52の近傍位置(対向する位置)へと至る。そして、印字済みタグラベル用テープ48の上記無線タグ回路素子60が上記アンテナ52にほぼ対向する(あるいは通信範囲に入るように近傍に達する)ような搬送位置となると、ステップS150に移る。ステップS150では、CPU91で、入出力インターフェース109を介し上記テープ搬送駆動系106へ制御信号を出力し、印字済みタグラベル用テープ48の搬送が停止される。そしてさらに、CPU91で、入出力インターフェース109を介し上記送受信回路108へ制御信号を出力し、上述のような情報の読取りまたは書込みのための通信(情報送受信)がアンテナ52を介し実行される。情報を書き込む場合は、例えば図1の端末装置DTaで入力されたデータに基づいて対応する情報の書込みが行われ、一方、情報を読み取る場合は、読み取った情報が例えば端末装置DTaに表示される。
【0077】
アンテナ52による情報の読取りまたは書込みが終了し、CPU91で、入出力インターフェース109を介し上記テープ搬送駆動系106へ制御信号を出力し、印字済みタグラベル用テープ48の搬送を再開させた後、無線タグ回路素子60が所定の距離だけ進むと、ステップS160において、CPU91で、入出力インターフェース109を介し上記テープ搬送駆動系106へ制御信号を出力し、印字済みタグラベル用テープ48の搬送が再び停止される。またCPU91で入出力インターフェース109を介し上記カッタ駆動系104へ制御信号を出力し、カッタ51を作動させて印字済みタグラベル用テープ48を切断し、これにより所定長さの無線タグラベルTを得る。
【0078】
ステップS160の切断処理により所定長さの無線タグラベルTが得られたら、ステップS170において、CPU91で、入出力インターフェース109を介し上記ラベル搬出駆動系107へ制御信号を出力し、搬出ローラ53により無線タグラベルTを外部に搬出する。これにより1つの無線タグラベルTについてのタグラベル作成処理が終了する。
【0079】
図7(a)は、上記基材テープ37のテープ長手方向とテープ幅方向の構成の一例を表す上面図であり、図7(b)はその下面図であり、図7(c)はその側面側から見たテープ厚さ方向の構成を表す図である。
【0080】
これら図7(a)、図7(b)、及び図7(c)において、基材テープ37は、その長手方向に、所定の間隔を空けて複数の無線タグ回路素子60を(この例では埋め込むように)配置している。無線タグ回路素子60は、前述のようにIC回路部80とタグアンテナ62とを備えており、この例では、適宜な合成樹脂材でシート状に形成された保護部材63により全体的に覆われている。
【0081】
また、基材テープ37は、この例では、表面側(図7(c)中上側)から反対側に向かって、順に、粘着剤層71、テープ基材層72、粘着剤層74、被覆された無線タグ回路素子60、テープ基材層75、粘着剤層76、および剥離紙77を有する7層構造となっている。
【0082】
粘着剤層71は、カバーフィルム貼り合わせ用粘着剤層であり、上述のようにして基材テープ37にカバーフィルム41を貼り合わせるのに機能する。テープ基材層72及びテープ基材層75は、例えばPET等の樹脂材料により略テープ状に形成されている。この例ではテープ基材層75側に設けた粘着剤層74(定置用粘着剤層)によって(保護部材63で被覆された)無線タグ回路素子60がテープ基材層72,75間に配置されている。なおテープ基材層72側にも定置用の粘着剤層を設けるようにしてもよい。粘着剤層76(貼り付け用粘着剤層)は、無線タグラベルTを目的の商品などに貼り付けるのに用いられる。
【0083】
剥離紙77は、第1粘着剤層76を貼り付けに用いるまで保護するのに機能し、無線タグ回路素子60の位置に対応づけて(すなわち所定の等ピッチで)識別マークPMが設けられている。識別マークPMは、上記マークセンサ103で検出されることで、基材テープ37、カバーフィルム41、及び印字済みタグラベル用テープ48の(印字制御、通信制御、切断制御のための)搬送制御(位置決め制御)に用いられるものである。
【0084】
すなわち、例えば上記図6のステップS130のテープ搬送開始後のステップS140の印字制御にあっては、タグラベル作成開始時に最初に識別マークPMを検出したとき、当該搬送位置を基準として、この位置から所定量だけ搬送した時点より印字ヘッド49によるカバーフィルム44への印字を開始する(これにより、例えば識別マークPMの搬送方向後方側位置に対応するカバーフィルム44の所定範囲が印字領域Sとなる。図7(b)参照)。また上記ステップS150では、上記印字開始位置よりさらに所定量だけ搬送した時点でテープ送りローラ46による搬送を停止し、アンテナ52によるラベル作成用無線タグ回路素子60への無線通信による情報送受信を行う(なお搬送非停止状態のままあるいは減速状態で搬送を行いつつ通信開始するようにしてもよい)。その後上記ステップS160において上記通信位置(通信開始位置)よりさらに所定量だけ搬送した時点でテープ送りローラ46による搬送を停止し、カッタ51により切断位置CLにおける印字済みタグラベル用テープの切断を行い(図7(b)参照)、切断位置CLより先端側を無線タグラベルTとして搬出する(ステップS170)。
【0085】
図8(a)は、上記基材テープ37から作成される無線タグラベルTの構成の一例を表す上面図であり、図8(b)は、側面側から見た側面図であり、図8の(c)は図8(b)中のB−B断面による断面図である。
【0086】
これら図8(a)〜図8(c)において、無線タグラベルTは、前述したように、上述の7層構造の基材テープ37にカバーフィルム41を貼り合わせた印字済みタグラベル用テープ48(図3等参照)を所定の長さあるいは所望の長さで切断して形成される。この結果、上記基材テープ37における上述のような7層にカバーフィルム41によるカバーフィルム層41が加わることで、前述と同様の順にカバーフィルム層41、粘着剤層71、テープ基材層72、被覆された無線タグ回路素子60、粘着剤層74、テープ基材層75、粘着剤層76、および剥離紙77を有する8層構造となっており、そのカバーフィルム層41には、前述のように裏面側から印字文字Rが印字されている。
【0087】
図9に、上記無線タグラベルTの作成時の端末装置DTaの表示画面における表示の例を示す。この例では、無線タグラベルTの種別(アクセス周波数やタグラベル寸法)、印字ヘッド49で印字された印字文字、無線タグラベルにおける無線タグ回路素子に固有の識別情報であるアクセスID、図1の情報サーバISに格納されている物品情報のアドレス、および図1のルートサーバRSにおけるそれらの対応情報の格納先アドレスなどが含まれている。
【0088】
ここで、上述したように、本実施形態では、カートリッジ3のテープ属性情報に応じて、搬送と印字形成処理とを調和させて動作させる調和相関の変更を行う。このことを以下、具体的に説明する。
【0089】
図10(a)は、基材テープ37のテープ長手方向の構成の一例を表す上面図であり、上記図7(a)と同等の図である。図10(b)は、図10(a)よりもテープ幅方向寸法が広い場合の基材テープ37のテープ長手方向の構成を表す上面図である。上述したように、カートリッジホルダ31には、複数種類のカートリッジ3を装着可能である。図10(b)に示す幅広の基材テープ37を備えたカートリッジ3を装着してテープ搬送を行う場合、図10(a)に示す基材テープ37を装着してテープ搬送を行う場合よりも、前述した理由によりテープ走行抵抗が小さくなる。この結果、(ローラ回転数を特に変えることなく)同一回転数となるようにテープ搬送駆動系106からテープ送りローラ駆動軸46aへ駆動信号を出力しても、上記テープ走行抵抗の違いにより、実際には上記図10(b)の幅広の基材テープ37のほうが搬送速度が速くなる(すなわち、搬送と印字形成処理との相対関係において搬送が相対的に進み気味になる)。
【0090】
したがって、仮に、上述した搬送と印字形成処理との調和相関を(特に変えることなく)同一のまま上記図10(a)の基材テープ37と上記図10(b)の基材テープ37とでそれぞれ無線タグラベルの作成を行うと、異なる態様の無線タグラベルができあがる可能性がある。すなわち、例えば図10(a)の基材テープ37を用いた場合には、図11(a)に示すように操作者の意図通りの所望の長さの無線タグラベルTが作成されるのに対し、図10(b)の基材テープ37を用いた場合には(上記搬送が進み気味になることに対応して)図11(b)に示すように図11(a)の本来のものよりも搬送が遅い分、印字領域長さがテープ長さ方向に拡大されて印字文字間隔がテープ長さ方向に広くなって間延びし、印字バランスが悪くかつラベル全長も長くなった態様の無線タグラベルT′が作成されてしまう。
【0091】
本実施形態ではこのような弊害を防止するために、例えば、図10(b)に示す幅広の基材テープ37を用いる場合には、図10(a)の基材テープ37を用いる場合に比べ、上記印字ヘッド49への印字形成処理を指示する上記印字指示信号のパルスの出力間隔を短くするように(あるいはテープ送りローラ駆動軸46aによるローラ回転数を遅くなるように)調和相関を変更する。これにより、図11(c)に示すように、図11(b)の場合よりも印字領域長さをテープ長さ方向に縮小して印字文字間隔をテープ長さ方向に狭くし、印字バランスが良好(図11(a)と同等のバランス)でラベル全長が本来の意図通り(図11(a)と同一長さ)の態様の無線タグラベルTを作成することができる。
【0092】
上記調和相関の変更の例を以下詳細に説明する。図12は、上記印字バッファ97Aに印字データ(この例では前述の図11(a)の無線タグラベルTを作成する場合の例に沿った「RFID」の文字)が展開された際の、当該印字バッファ97Aに記憶されたドットパターンデータの一例を概念的に表す図である。ここでは、13ドット(行)×35ドット(列)のバッファ上に印字データが展開された状態を例にとって図示している。
【0093】
図12において、例えば「R」の文字は4〜8のドット列に展開されており、当該「R」の文字に対応する4列目の合計印字ドット数は9、5列目の合計印字ドット数は2、6列目の合計印字ドット数は2、7列目の合計印字ドット数は3、8列目の合計印字ドット数は5となっている。同様に「F」の文字は12〜16のドット列に展開されており、当該「F」の文字に対応する12列目の合計印字ドット数は9、13〜15列目の合計印字ドット数はそれぞれ2、16列目の合計印字ドット数は1となっている。また「I」の文字は21〜23のドット列に展開されており、当該「I」の文字に対応する21列目の合計印字ドット数は2、22列目の合計印字ドット数は9、23列目の合計印字ドット数は2となっている。さらに「D」の文字は27〜32のドット列に展開されており、当該「D」の文字に対応する27列目の合計印字ドット数は2、28列目の合計印字ドット数は9、29,30列目の合計印字ドット数は2、31列目の合計印字ドット数は2、33列目の合計印字ドット数は5となっている。
【0094】
図13(a)は、上記図12(a)の「RFID」の文字を印字ヘッド49で印字するときに、印字ヘッド駆動回路から印字ヘッド49へ出力される上記印字指示信号のパルスの挙動の一例を概念的に示した図である。横軸には時間経過をとり、縦軸には当該タイミングで印字ヘッド49へ出力する印字指示信号のパルス数の合計を撮って表している。図13(a)に示すように、図12を用いて上述した印字バッファ97A上のドット列の展開に対応した数のパルスが、印字ヘッド49へ出力される。すなわち、上記の例において4〜8のドット列に展開された「R」の文字の印字の際には、搬送方向に対応して、印字ヘッド駆動回路から印字ヘッド49に対し、9ドット(4列目)→2ドット(5列目)→2ドット(6列目)→3ドット(7列目)→5ドット(8列目)分の数のパルスが、各タイミングで出力される(なお、実際には印字ヘッド49のテープ幅方向位置に配置された複数の発熱素子列に対するパルスのON・OFF分布が存在するが、ここでは単純化のために単にパルスの合計数のみで表している)。このときの各パルスどうしの出力間隔は予め調和相関の中で設定された所定値tである(したがって例えば「R」と「F」との間の空白部のためのパルス間隔は4tとなる)。
【0095】
同様に、「F」の文字の印字の際には、搬送方向に対応して、印字ヘッド駆動回路から印字ヘッド49に対し、9ドット(12列目)→2ドット(13列目)→2ドット(14列目)→2ドット(15列目)→1ドット(16列目)分の数のパルスが、各タイミングにおいて間隔tで出力される(「F」と「I」との間の空白部のためのパルス間隔は5t)。「I」の文字の印字の際には、搬送方向に対応して、印字ヘッド駆動回路から印字ヘッド49に対し、2ドット(21列目)→9ドット(22列目)→2ドット(23列目)分の数のパルスが、各タイミングにおいて間隔tで出力される(「I」と「D」との間の空白部のためのパルス間隔は4t)。「D」の文字の印字の際には、搬送方向に対応して、印字ヘッド駆動回路から印字ヘッド49に対し、2ドット(27列目)→9ドット(28列目)→2ドット(29列目)→2ドット(30列目)→2ドット(31列目)→5ドット(32列目)分の数のパルスが、各タイミングにおいて間隔tで出力される。
【0096】
一方、図13(b)は、上記図11(c)の「RFID」の文字を印字ヘッド49で印字するための調和相関の変更の一例として、印字ヘッド49への印字形成処理を指示する上記パルスの出力間隔を短くした場合のパルスの挙動の一例を概念的に示した図である。図13(b)において、全体的なパルス出力の時間挙動は図13(a)と同様であるものの,パルスどうしの出力間隔を、図13(a)のtよりも小さいt′としている(例えば「R」と「F」との間の空白部のためのパルス間隔も4t′となる)。
【0097】
以上、図10〜図13では、幅方向寸法が大きな基材テープ37を用いる場合に、印字ヘッド49への印字形成処理を指示する上記印字指示信号のパルスの出力間隔を小さくする場合を例にとって説明したが、逆に幅方向寸法が小さな基材テープ37を用いる場合にパルス出力間隔を大きくするようにしてもよい。図14(a)はこの調和相関の変更態様を簡潔にまとめたものである(この場合、調和変更部99は、印字形成手段の印字形成処理を指示する印字指示信号の信号要素を変更する印字信号変更手段として機能している)。また、このようなパルス間隔の大小変化に代え、前述したように、テープ送りローラ駆動軸46aによるローラ回転数を増減変化させて(印字形成処理側を変化させずに)調和相関を変更し、バランスをとるようにしてもよい。図14(b)はこの調和相関の変更態様を簡潔にまとめたものである(この場合、調和変更部99は、搬送駆動手段の駆動速度を変更する速度変更手段として機能している)。
【0098】
また上記パルスの出力間隔の変更(又はローラ回転数の増減変化)による調和相関の変更は、属性情報として、上記幅方向寸法の大小以外にも、他の属性に対応して変更することができる。図15〜図17はそのような例を表した図である。図15(a)及び図15(b)の例では、相対的に厚さ方向寸法が小さいテープ(基材テープ37又はカバーフィルム41。以下同様)を用いる場合には、上記印字ヘッド49へのパルスの出力間隔を大きく(あるいはローラ回転数を大きく)なるように調和相関を変更し、相対的に厚さ方向寸法が大きいテープを用いる場合には、上記印字ヘッド49へのパルスの出力間隔を小さく(あるいはローラ回転数を小さく)なるように調和相関を変更する(印字信号変更手段又は速度変更手段)。図16(a)及び図16(b)の例では、相対的に引き出し力が大きいテープを用いる場合には、上記印字ヘッド49へのパルスの出力間隔を大きく(あるいはローラ回転数を大きく)なるように調和相関を変更し、相対的に引き出し力が小さいテープを用いる場合には、上記印字ヘッド49へのパルスの出力間隔を小さく(あるいはローラ回転数を小さく)なるように調和相関を変更する(印字信号変更手段又は速度変更手段)。図17(a)及び図17(b)の例では、相対的に摩擦力が大きいテープを用いる場合には、上記印字ヘッド49へのパルスの出力間隔を小さく(あるいはローラ回転数を小さく)なるように調和相関を変更し、相対的に摩擦力が小さいテープを用いる場合には、上記印字ヘッド49へのパルスの出力間隔を大きく(あるいはローラ回転数を大きく)なるように調和相関を変更する(印字信号変更手段又は速度変更手段)。
【0099】
以上説明したように、本実施形態においては、カートリッジセンサ102の検出結果を用いた基材テープ37又はカバーフィルム41のテープ属性に基づき、タグラベル作成装置1の制御部90に備えられた調和変更部99が、予め調和相関格納部98に格納されたローラ46の駆動速度と印字ヘッド49の印字形成処理動作との調和相関を変更する。そして、テープ幅寸法が小さい場合、テープ厚さ寸法が小さい場合、テープ引き出し力が大きい場合、テープ摩擦力が小さい場合等、搬送が相対的に遅れ気味になる場合には、印字ヘッド49へのパルス間隔を長くしたり、ローラ46の駆動速度を速くする。逆に、テープ幅寸法が大きい場合、テープ厚さ寸法が大きい場合、テープ引き出し力が小さい場合、テープ摩擦力が大きい場合等、搬送が相対的に進み気味になる場合には、印字ヘッド49へのパルス間隔を短くしたり、ローラ46の駆動速度を遅くする。これにより、搬送と印字形成処理とのバランスを良好に維持し、入力した印字情報に対応した、操作者が意図する態様の印字を確実に実行することができる。
【0100】
また、本実施形態では特に、テープ送りローラ46は、この例では基材テープ37に対し外周側全周のうち少なくとも4分の1以上の周長にて接触しながら(言い換えれば基材テープ37の進行方向を90°以上転向させながら)基材テープ37の搬送を行っている。このような構造において上記調和相関を変更することは、特に以下のような意義がある。すなわち、ローラを用いて基材テープ37やカバーフィルム41等のテープを搬送する場合においては、テープがローラによって転向される度合いが大きいほど(言い換えればテープに接する時間が長いほど)、テープ厚さ寸法、摩擦力、引き出し力等の大きさが搬送挙動に与える影響が大きい。したがって本実施形態のように、ローラ46が全周の4分の1以上の周長で基材テープ37に接触しながら搬送する場合においては、調和変更部99での調和相関の変更による、搬送と印字形成処理とのバランス向上作用が、特に効果的である。
【0101】
なお、以上においては、移動中の基材テープ37、カバーフィルム41、印字済みタグラベル用テープ48を停止させて無線タグ情報の書き込み・読み取りや印字を行う例を示したが、これに限られない。すなわち、基材テープ37等を搬送状態のまま(あるいは減速して上記印字や読み取り・書き込みを行うようにしてもよい。さらに読み取り・書き込みについては所定の搬送ガイドにて保持した状態としてもよい。
【0102】
また、以上において、印字及び無線タグ回路素子60へのアクセス(読み取り又は書き込み)の終了した印字済みタグラベル用テープ48をカッタ51で切断して無線タグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ51で切断しなくても、テープがラベル排出口7から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子60が備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がして無線タグラベルTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0103】
また、以上においては、無線タグ回路素子60を備えた基材テープ37とは別のカバーフィルム41に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られない。すなわち、基材テープ(この場合は被印字媒体を構成する)に備えられた被印字層(感熱層、受像層、転写層)に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。この場合も、基材テープを搬送駆動する搬送駆動手段としてのローラ(例えばプラテンローラ)に関わる上記調和相関を適宜変更することで、上記実施形態と同様の効果を得る。
【0104】
さらに、以上は、タグテープがリール部材の周りに巻回されてロールを構成し、カートリッジ3内にそのロールが配置されてタグテープが繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子60が少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをタグラベル作成装置側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行いタグラベルを作成するようにしてもよい。
【0105】
さらには上記ロールを直接タグラベル作成装置1側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをタグラベル作成装置1外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しタグラベル作成装置1内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ3のようなタグラベル作成装置1本体側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型として基材テープロール36を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0106】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0107】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の一実施形態によるタグラベル作成装置が適用される無線タグラベルシステムの構成を示す図である。
【図2】タグラベル作成装置の外観構成を示す図である。
【図3】内部ユニットの要部の構成を模式化して示す図である。
【図4】無線タグ回路素子の機能的な構成例を示す機能ブロック図である。
【図5】タグラベル作成装置の制御系の機能的な構成例を示す機能ブロック図である。
【図6】タグラベル作成処理における主な処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】タグテープの構成例を示す図である。
【図8】無線タグラベルの構成例を示す図である。
【図9】タグラベル作成時に読み取ったタグ情報の表示例を示す図である。
【図10】基材テープのテープ長手方向の構成の一例を表す上面図である。
【図11】作成された無線タグラベルの例を表す図である。
【図12】印字バッファに印字データが展開された際のドットパターンデータの一例を概念的に表す図である。
【図13】印字ヘッド駆動回路から印字ヘッドへ出力される印字指示信号のパルスの挙動の一例を概念的に示した図である。
【図14】調和相関の変更態様の一例を表す図である。
【図15】調和相関の変更態様の一例を表す図である。
【図16】調和相関の変更態様の一例を表す図である。
【図17】調和相関の変更態様の一例を表す図である。
【符号の説明】
【0109】
1 タグラベル作成装置(印字装置)
36 基材テープロール(タグテープロール)
37 基材テープ(タグテープ、貼り合わせ媒体)
39 カバーフィルムロール(被印字テープロール)
41 カバーフィルム(被印字テープ、被印字媒体)
46a テープ送りローラ駆動軸(搬送駆動手段)
49 印字ヘッド(印字形成手段)
52 アンテナ(装置側アンテナ)
60 無線タグ回路素子
95 調和制御部(調和制御手段)
99 調和変更部(調和変更手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印字媒体を搬送するための駆動力を与える搬送駆動手段と、
前記搬送駆動手段の駆動力で搬送される前記被印字媒体に対し印字形成処理を行う印字形成手段と、
入力された印字情報に基づき、前記搬送駆動手段の駆動速度と、前記印字形成手段の印字形成処理動作とを、所定の調和相関により調和させて制御する調和制御手段と、
前記被印字媒体又はこれに貼り合わされる貼り合わせ媒体の属性に応じて、前記調和相関を変更する調和変更手段と
を有することを特徴とする印字装置。
【請求項2】
請求項1記載の印字装置において、
前記被印字媒体又は前記貼り合わせ媒体の属性を検出する検出手段を有し、
前記調和変更手段は、
前記検出手段の検出結果に応じて、前記調和相関を変更する
ことを特徴とする印字装置。
【請求項3】
請求項2記載の印字装置において、
前記被印字媒体としての被印字テープを巻回した被印字テープロールを収納したカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダを有し、
前記検出手段は、
前記カートリッジホルダに装着される前記カートリッジの種類を検出することを特徴とする印字装置。
【請求項4】
請求項3記載の印字装置において、
前記カートリッジホルダは、
前記被印字テープロールと、前記被印字テープに貼り合わされる前記貼り合わせ媒体としての基材テープを巻回した基材テープロールを収納したカートリッジを着脱可能に構成されている
ことを特徴とする印字装置。
【請求項5】
請求項4記載の印字装置において、
前記搬送駆動手段は、
前記被印字テープ又は前記基材テープに対し全周の4分の1以上の周長にて接触しながら搬送する搬送ローラに対し前記駆動力を与える
ことを特徴とする印字装置。
【請求項6】
請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の印字装置において、
前記調和変更手段は、
前記印字形成手段の前記印字形成処理を指示する印字指示信号の信号要素を変更する印字信号変更手段を備える
ことを特徴とする印字装置。
【請求項7】
請求項6記載の印字装置において、
前記調和変更手段は、
前記搬送駆動手段の駆動速度を変更することなく、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素を変更する
ことを特徴とする印字装置。
【請求項8】
請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の印字装置において、
前記調和変更手段は、
前記搬送駆動手段の駆動速度を変更する速度変更手段を備える
ことを特徴とする印字装置。
【請求項9】
請求項8記載の印字装置において、
前記調和変更手段は、
前記印字形成手段の前記印字形成処理を指示する印字指示信号の信号要素を変更することなく、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を変更する
ことを特徴とする印字装置。
【請求項10】
請求項6乃至請求項9のいずれか1項記載の印字装置において、
前記調和変更手段は、
前記属性としての前記被印字テープ又は前記基材テープの引き出し力が大きい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を長くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を大きくし、
前記被印字テープ又は前記基材テープの引き出し力が小さい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を短くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を小さくする
ことを特徴とする印字装置。
【請求項11】
請求項6乃至請求項9のいずれか1項記載の印字装置において、
前記調和変更手段は、
前記属性としての前記被印字テープ又は前記基材テープの摩擦力が小さい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を長くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を大きくし、
前記被印字テープ又は前記基材テープの摩擦力が大きい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を短くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を小さくする
ことを特徴とする印字装置。
【請求項12】
請求項10又は請求項11記載の印字装置において、
前記調和変更手段は、
前記属性としての前記被印字テープ又は前記基材テープの厚さ寸法が小さい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を長くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を大きくし、
前記被印字テープ又は前記基材テープの厚さ寸法が大きい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を短くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を小さくする
ことを特徴とする印字装置。
【請求項13】
請求項10又は請求項11記載の印字装置において、
前記調和変更手段は、
前記属性としての前記被印字テープ又は前記基材テープの幅寸法が小さい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を長くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を大きくし、
前記被印字テープ又は前記基材テープの幅寸法が大きい場合には、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を短くするか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を小さくする
ことを特徴とする印字装置。
【請求項14】
請求項10乃至請求項13のいずれか1項記載の印字装置において、
前記調和変更手段は、
前記属性としての前記被印字テープ又は前記基材テープの種類に応じて、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を調整するか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を調整する
ことを特徴とする印字装置。
【請求項15】
請求項14記載の印字装置において、
前記カートリッジホルダは、
情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を設けた前記被印字テープ又は前記基材テープを、前記被印字テープロール又は前記基材テープロールに巻回した前記カートリッジが着脱可能であり、
前記調和変更手段は、
前記属性としての前記被印字テープ又は前記基材テープにおける前記無線タグ回路素子の有無に応じて、前記印字信号変更手段で前記印字指示信号の信号要素の出力間隔を調整するか、若しくは、前記速度変更手段で前記搬送駆動手段の駆動速度を調整する
ことを特徴とする印字装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−34932(P2009−34932A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−202242(P2007−202242)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】